JP2023113516A - 月周回衛星 - Google Patents

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Abstract

【課題】人工衛星による月の観測を可能にする。【解決手段】月周回衛星100は、傾斜楕円軌道を飛翔して月191を周回する。月周回衛星100は合成開口レーダと推進装置を備える。前記合成開口レーダは、月周回衛星100が南極の近傍を通過する度に、南極点の手前から南極点の先までの範囲に電波を照射して南極の一部を観測する。前記推進装置は、月周回衛星100が月191の赤道上空を通過する度に、月周回衛星100に推進力を与えて前記傾斜楕円軌道の軌道面を月191の南北軸回りに回転移動させる。【選択図】図4

Description

本開示は、月周回衛星に関するものである。
諸外国の月探査計画が加速しており、月を周回するための拠点となるGatewayの整備も計画されている。
月の南極域に拠点となる月面基地を構築する構想があり、南極域の地形図を作成する必要がある。
太陽光を反射する領域では、光学観測装置を使って視線ベクトルが異なる2つの画像(ステレオペア画像)を取得することが可能である。そして、ステレオペア画像を使ってDEMを生成することが可能である。DEMは、Digital Elevation Modelの略称である。
しかしながら、南極での太陽光反射による光学観測では、光量が不足するため地形図の作成が難しい。また、影が長く伸びるため、ステレオペア画像の対応点のマッチングにおいて誤検出が多発する。
光学観測装置を用いずに地形図を作成する手法として、合成開口レーダを用いる手法がある。合成開口レーザを用いることにより、日照条件に依存せずに地形図を作成することが可能となる。
しかしながら、極軌道において月を周回する衛星では、合成開口レーザによる斜視観測において極域上空の通過時に極域がオフナディア角と呼ばれる視野から死角となる。そのため、肝心な極域を監視することができない。
特許文献1は、複数の観測衛星群を用いて地球の目標地域を観測するためのシステムを開示している。
特開2008-126876号公報
本開示は、人工衛星による月の観測を可能にすることを目的とする。
本開示の月周回衛星は、傾斜楕円軌道を飛翔して月を周回する。
前記月周回衛星は、合成開口レーダと、推進装置と、を備え、
前記合成開口レーダは、前記月周回衛星が前記月の南極と前記月の北極のうちの一方の極域の近傍を通過する度に、前記一方の極域の極点の手前から前記一方の極域の前記極点の先までの範囲に電波を照射して前記一方の極域の一部を観測し、
前記推進装置は、前記月周回衛星が前記月の赤道の上空を通過する度に、前記月周回衛星に推進力を与えて前記傾斜楕円軌道の軌道面を前記月の南北軸回りに回転移動させる。
本開示によれば、人工衛星による月の観測が可能になる。
実施の形態1における月周回衛星100を示す図。 実施の形態1における月周回衛星100の構成図。 実施の形態1における月周回衛星100からの観測の様子を示す図。 実施の形態1における月周回衛星100が向きの異なる軌道から観測を行う様子を示す図。 実施の形態1における月周回衛星100の座標系を示す図。 実施の形態1における月周回衛星100が姿勢を変えた様子を示す図。 実施の形態1における月周回衛星100が向きの異なる軌道から観測を行う様子を示す図。 実施の形態2における月周回衛星101を示す図。 実施の形態2における月周回衛星101の構成図。 実施の形態2における月191と地球192と太陽193の関係を示す図。
実施の形態および図面において、同じ要素または対応する要素には同じ符号を付している。説明した要素と同じ符号が付された要素の説明は適宜に省略または簡略化する。
実施の形態1.
月周回衛星100について、図1から図7に基づいて説明する。
以下の説明において、「南極」と「北極」は互いに読み替えても構わない。南極と北極は2つの極域である。極域は極地ともいう。南極点と北極点は2つの極点である。
***構成の説明***
図1に、月周回衛星100を示す。
月周回衛星100は、月191を周回する人工衛星である。
点線は、月周回衛星100が飛翔する軌道を示している。
破線は、南極と北極を通る軸(南北軸)を示している。
一点鎖線は、赤道を示している。
図2に基づいて、月周回衛星100の構成を説明する。
月周回衛星100は、合成開口レーダ111と、推進装置112と、姿勢制御装置113と、通信装置114と、衛星制御装置115と、を備える。
合成開口レーダ111は、電波を利用する観測装置である。観測対象は、月191の地表面(特に南極および北極)である。合成開口レーダ111はSARとも呼ばれる。
合成開口レーダ111は、電波を観測対象に向けて照射して観測対象に反射して戻ってくる電波を受信することで、観測対象を観測する。電波が照射されたときから電波が受信されたときまでの時間に基づいて、観測対象までの距離が計測される。
合成開口レーダ111によって得られたデータ(観測データ)を処理することにより、観測対象が映った画像(画像データ)が得られる。
月周回衛星100は、観測データを処理して画像データを生成する装置(データ処理装置)を備えてもよい。データ処理装置は処理回路を備える。
推進装置112は、月周回衛星100に推進力を与える装置であり、月周回衛星100の速度を変化させる。
具体的な推進装置112は電気推進機である。例えば、推進装置112は、イオンエンジンまたはホールスラスタである。
月周回衛星100に対して特定の方向に推進力を与えることにより、月周回衛星100の軌道面の向きを調整することができる。
姿勢制御装置113は、月周回衛星100の姿勢要素を制御するための装置である。具体的な姿勢要素は、姿勢および角速度である。
姿勢制御装置113は、各姿勢要素を所望の方向に変化させる。もしくは、姿勢制御装置113は、各姿勢要素を所望の方向に維持する。姿勢制御装置113は、姿勢センサとアクチュエータとコントローラとを備える。姿勢センサは、ジャイロスコープ、地球センサ、太陽センサ、スター・トラッカ、スラスタおよび磁気センサなどである。アクチュエータは、姿勢制御スラスタ、モーメンタムホイール、リアクションホイールおよびコントロール・モーメント・ジャイロ等である。コントローラは、姿勢センサの計測データまたは地上システムからの各種コマンドにしたがって、アクチュエータを制御する。
姿勢制御装置113は、合成開口レーダ111の視野方向を変更するための装置として使用することができる。
通信装置114は、地上システムまたは他の人工衛星と通信するための装置である。
例えば、通信装置114は、地上システムからの各種コマンドを受信する。また、通信装置114は、観測データ(または画像データ)を地上システムへ送信する。
衛星制御装置115は、月周回衛星100の各装置を制御するコンピュータであり、処理回路を備える。
例えば、衛星制御装置115は、地上システムからの各種コマンドにしたがって、各装置を制御する。
処理回路について説明する。
処理回路は、専用のハードウェアであってもよいし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであってもよい。
処理回路において、一部の機能が専用のハードウェアで実現されて、残りの機能がソフトウェアまたはファームウェアで実現されてもよい。つまり、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの組み合わせで実現することができる。
専用のハードウェアは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGAまたはこれらの組み合わせである。
ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略称である。
FPGAは、Field Programmable Gate Arrayの略称である。
***動作の説明***
図3から図7に基づいて、月周回衛星100の動作を説明する。
図3は、月周回衛星100が南極を観測する様子を示している。
「H」は、月周回衛星100が飛翔する軌道の高度(軌道高度)を示している。
「Φi」は、月周回衛星100が飛翔する軌道の傾斜角(軌道傾斜角)を示している。
「θ」は、合成開口レーダ111から照射される電波のオフナディア角を示している。「θmin」は、最小のオフナディア角である。「θmax」は、最大のオフナディア角である。
網掛けは、合成開口レーダ111が電波を照射した場合に電波が照射される範囲を示している。
月周回衛星100は、傾斜楕円軌道を飛翔して月191を周回する。
月周回衛星100が南極近傍を通過するとき、合成開口レーダ111は、南極の地表面に向けて電波を照射し、反射波を受信する。つまり、傾斜楕円軌道の各地点のうち南極に最も近い地点を月周回衛星100が通過するとき、合成開口レーダ111は軌道高度Hから南極の一部を観測する。
電波が照射される範囲は、南極点の手前から南極点の先までである。つまり、オフナディア角θminにおいて、電波は南極点よりも手前に照射される。また、オフナディア角θmaxにおいて、電波は南極点よりも遠方に照射される。
月周回衛星100が傾斜楕円軌道上の赤経近傍を通過するとき、推進装置112は動作する。つまり、月周回衛星100が赤道上空を通過するとき、推進装置112は動作する。
これにより、軌道面の法線ベクトルが月191の経度方向に回転する。つまり、軌道面が南北軸回りに回転移動する。これが繰り返されることにより、軌道面が南北軸回りに360度回転する。
図4は、南北軸回りに180度向きが異なる2つの傾斜楕円軌道からの観測の様子を示している。
月周回衛星100が赤道上空を通過する度に推進装置112が動作する。そして、月周回衛星100が南極近傍を通過する度に合成開口レーダ111は電波を照射して観測を行う。これにより、南極点の周囲360度が観測される。
図5に、月周回衛星100の座標系を示す。
Z軸は、月周回衛星100から月191の中心への方向(中心方向)を示す。
X軸は、月周回衛星100の飛行方向を示す。
Y軸は、Z軸とX軸とに直交する方向を示す。
姿勢制御装置113は、月周回衛星100の姿勢をZ軸回りに180度回転させる。つまり、姿勢制御装置113は、月191の中心方向を軸にして月周回衛星100の姿勢を180度回転させる。
これにより、合成開口レーダ111から照射される電波の方向がZ軸回りに180度回転する。つまり、月191の中心方向を軸にして観測方向が180度回転する。
図6は、月周回衛星100が北極を観測する様子を示している。
月周回衛星100が北極近傍を通過するとき、合成開口レーダ111は、北極の地表面に向けて電波を照射し、反射波を受信する。つまり、傾斜楕円軌道の各地点のうち北極に最も近い地点を月周回衛星100が通過するとき、合成開口レーダ111は軌道高度Hから北極の一部を観測する。
電波が照射される範囲は、北極点の手前から北極点の先までである。つまり、オフナディア角θminにおいて、電波は北極点よりも手前に照射される。また、オフナディア角θmaxにおいて、電波は北極点よりも遠方に照射される。
月周回衛星100が傾斜楕円軌道上の赤経近傍を通過するとき、推進装置112は動作する。つまり、月周回衛星100が赤道上空を通過するとき、推進装置112は動作する。
これにより、軌道面の法線ベクトルが月191の経度方向に回転する。つまり、軌道面が南北軸回りに回転移動する。これが繰り返されることにより、軌道面が南北軸回りに360度回転する。
図7は、南北軸回りに180度向きが異なる2つの傾斜楕円軌道からの観測の様子を示している。
月周回衛星100が赤道上空を通過する度に推進装置112が動作する。そして、月周回衛星100が北極近傍を通過する度に合成開口レーダ111は電波を照射して観測を行う。これにより、北極点の周囲360度が観測される。
***実施の形態1の効果***
実施の形態1は傾斜軌道を採用する。これにより、南極上空を通過時に軌道傾斜角分の離角が飛翔位置に設けられる。そして、軌道面の最南端を起点とするオフナディア角θの範囲(最小角度と最大角度の間)に南極が位置することを条件として、飛翔方向に延びて南極を含む帯状の観測情報を取得することができる。
さらに、月191の赤道面を通過時に推進装置112が動作し、月191の経度方向において軌道面が月191の南北軸回りに回転する。これにより、経度方向の位置をずらして複数の方向から地形図の情報を取得することができる。つまり、南極を含む帯状の観測情報を取得することができる。
合成開口レーダ111を使って高いクレーターを観測した場合、電波の照射方向において裏側の情報を取得することができない。しかし、軌道面が月の南北軸回りに回転することにより、裏側の情報を網羅することが可能になる。
***実施の形態1の解説***
人工衛星が光学観測装置を備える場合、光学観測装置によってステレオペア画像が取得される。そして、ステレオペア画像を立体視して月の地形図が作成される。
但し、南極または北極の近傍(極域)では太陽光の入射角が浅いので、極域は暗く、影が長く伸びる。そのため、ステレオペア画像間で対応点を誤認しやすく、極域の地形図の作成が難しい。
人工衛星が合成開口レーダを備える場合、合成開口レーダによって太陽光に依存せずに2次元画像を生成することが可能である。この場合、2次元画像は、距離計測技術を応用して生成される。距離計測技術では、電波が照射され、照射された電波が対象物に反射して返ってくるまでの時間が計測され、計測時刻に基づいて対象物までの距離が算出される。
合成開口レーダが反射電波を直接受信した場合、受信電波の強度が過大となる。そのため、オフナディア角と呼ばれるオフセット角を設けて電波を照射することが一般的である。
極域の地形図を作成するために極軌道が採用されると、極域がオフナディア角の死角となり、極域の画像を生成することができない。
実施の形態1は傾斜軌道を採用する。そして、南極近傍の通過時に、軌道高度Hから地表面に向けて電波が照射される。このとき、オフナディア角θminにおいて、電波は南極よりも手前に照射される。また、オフナディア角θmaxにおいて、電波は南極よりも遠方に照射される。
さらに、月周回衛星100が赤道上空を通過するとき、推進装置112が動作し、軌道面の法線ベクトルが月191の経度方向に回転する。これにより、月周回衛星100が南極上空を飛翔するたびに、南極を含む高緯度地域において電波が照射される場所が変わる。そして、多数周回にわたり合成開口レーダが動作することにより、南極の地形図を作成することができる。
姿勢制御装置113は、月191の中心方向の軸にして月周回衛星100の姿勢を180度回転させる。これにより、北極付近の地形図を南極の地形図と同様に作成することができる。
実施の形態2.
月周回衛星101について、実施の形態1と異なる点を図8から図10に基づいて説明する。
***構成の説明***
図8に、月周回衛星101を示す。
月周回衛星101は、月191を周回する人工衛星である。
図9に基づいて、月周回衛星101の構成を説明する。
月周回衛星101は、光学観測装置116と、推進装置112と、姿勢制御装置113と、通信装置114と、衛星制御装置115と、を備える。
つまり、月周回衛星101は、合成開口レーダ111の代わりに光学観測装置116を備える。
光学観測装置116は、光を利用する観測装置である。観測対象は、月191の地表面(特に南極および北極)である。
光学観測装置116によって得られたデータ(観測データ)を処理することにより、観測対象が映った画像(画像データ)が得られる。または、光学観測装置116が画像データを出力する。
***動作の説明***
図10に基づいて、月周回衛星100の動作を説明する。
図10は、月191と地球192と太陽193の関係を示している。
月191は、自転しながら地球192の周りを公転する。
地球192は、自転しながら太陽193の周りを公転する。
月周回衛星101は、極軌道を飛翔して月191を周回する。極軌道は、月191の南極の上空と月191の北極の上空を通過する軌道である。
推進装置112は、月周回衛星101が月191の赤道の上空を通過する度に、動作して月周回衛星101に推進力を与える。
これにより、極軌道の軌道面は南北軸回りに回転移動する。具体的には、月周回衛星101の軌道面の法線ベクトルが、地球192の公転周期と同期して月191の南北軸回りに回転する。
つまり、推進装置112は、月周回衛星101の極軌道が太陽同期軌道になるように制御され動作する。
***実施例の説明***
月表面において太陽高度が最も高くなる軌道面の法線ベクトルを基準にして、月周回衛星101の軌道面の法線ベクトルは、経度方向において月191の北極から見て反時計回りに22.5±7.5degの範囲内で回転した状態を維持する(図10を参照)。
つまり、月周回衛星101の軌道面の法線ベクトルは、月191の北極から見て基準ベクトルから反時計回りに15度から30度までの範囲内で回転した状態を維持する。基準ベクトルは、太陽高度が最も高い軌道面の法線ベクトルである。
月周回衛星101の軌道面は、地球周回衛星におけるLST10:30±30分の軌道面に相当する。
但し、月周回衛星101の軌道面の法線ベクトルは、月191の北極から見て基準ベクトルから時計回りに15度から30度までの範囲内で回転した状態を維持してもよい。
***実施の形態2の解説***
光学観測装置を具備する月周回衛星において、光学観測装置は太陽光の反射を利用して観測対象の情報を取得する。そのため、月周回衛星において光学観測装置により月表面の地形を観測する場合に太陽光が適切な入射角で照射されることが期待される。但し、月の中心を指向しながら月の極軌道を飛翔する月周回衛星において太陽光が光学観測装置に直射すると、光学観測装置が損傷する懸念がある。
太陽同期軌道は、地球の公転と同期して軌道面が回転する軌道である。1年間で地球が太陽の周りを1周公転する間に、太陽同期軌道の軌道面は地球の周りを1周回する。そのため、太陽同期軌道の軌道面に対する太陽光の入射角度は常に一定となる。
例えば、LST12:00を飛翔する衛星の軌道面は、1年間を通じてLST12:00を維持する。つまり、正午に赤道上空を横切る衛星は四季を通じて毎日正午に赤道上空を横切る。LSTはLocal Sun Timeの略称である。
光学観測装置を具備する地球周回衛星がLST12:00を飛翔すると、日陰の前後で太陽光が光学観測装置の開口部に入射する。また、海洋のように反射率の高い対象を指向して正午に地球周回衛星が赤道上空を横切る場合、直接に反射した太陽光の入射により光学観測装置が損傷するリスクがある。
そこで、光学観測装置を具備する地球周回衛星に対してLST10:30またはLST13:30の太陽同期軌道が適用されることが多い。太陽高度が高いので、地表面が明るく、海洋による直接反射を回避でき、日陰の前後における太陽の直視を回避できる。
LST12:00の軌道面の法線ベクトルを基準とした場合、LST10:30の法線ベクトルは、経度方向において北極から見て時計回りに22.5deg回転した状態になる。また、LST10:30の法線ベクトルは、経度方向において北極から見て反時計回りに22.5deg回転した状態となる。
そこで、地球周回衛星と同様に月周回衛星101に太陽同期軌道を採用することが合理的である。太陽同期軌道では、軌道面に対する太陽光の入射角度が常に一定となる。
月周回衛星101に対して太陽同期軌道を実現するための条件は、地球192の公転周期に同期して月周回衛星101の軌道面が月191の周りを回転することである。
月191が地球192の周りを公転しつつ軌道面が地球192の公転と同期して回転する。これにより、月周回衛星101に対する太陽同期軌道を実現することが可能となる。
なお、洋梨状の形状に起因する重力偏分布の効果に基づいて軌道高度および軌道傾斜角を選択することにより、地球周回衛星の軌道を自然現象のみに依存して太陽同期させることができる。
しかし、月の形状が真球に近い場合には、月周回衛星の軌道を自然現象のみに依存して太陽同期させることが困難である。
そこで、推進装置112は、月周回衛星101が月191の赤道の上空を通過する度に、月周回衛星101に推進力を与える。これにより、極軌道の軌道面は月191の南北軸回りに回転移動する。具体的には、月周回衛星101の軌道面の法線ベクトルが、地球192の公転周期と同期して月191の南北軸回りに回転する。つまり、推進装置112は、月周回衛星101の極軌道が太陽同期軌道になるように制御され動作する。
***実施の形態の補足***
各実施の形態は、好ましい形態の例示であり、本開示の技術的範囲を制限することを意図するものではない。各実施の形態は、部分的に実施してもよいし、他の形態と組み合わせて実施してもよい。
100 月周回衛星、101 月周回衛星、111 合成開口レーダ、112 推進装置、113 姿勢制御装置、114 通信装置、115 衛星制御装置、116 光学観測装置、191 月、192 地球、193 太陽。

Claims (5)

  1. 傾斜楕円軌道を飛翔して月を周回する月周回衛星であり、
    前記月周回衛星は、合成開口レーダと、推進装置と、を備え、
    前記合成開口レーダは、前記月周回衛星が前記月の南極と前記月の北極のうちの一方の極域の近傍を通過する度に、前記一方の極域の極点の手前から前記一方の極域の前記極点の先までの範囲に電波を照射して前記一方の極域の一部を観測し、
    前記推進装置は、前記月周回衛星が前記月の赤道の上空を通過する度に、前記月周回衛星に推進力を与えて前記傾斜楕円軌道の軌道面を前記月の南北軸回りに回転移動させる
    月周回衛星。
  2. 前記月周回衛星は、姿勢制御装置を備え、
    前記姿勢制御装置は、前記月の中心方向を軸にして前記月周回衛星の姿勢を180度回転させ、
    前記合成開口レーダは、前記月周回衛星が前記南極と前記北極のうちの他方の極域の近傍を通過する度に、前記他方の極域の極点の手前から前記他方の極域の前記極点の先までの範囲に電波を照射して前記他方の極域の一部を観測する
    請求項1に記載の月周回衛星。
  3. 月を周回する月周回衛星であり、
    前記月周回衛星は、
    前記月の地表面を観測する光観測装置と、
    前記月周回衛星に推進力を与える推進装置と、
    を備え、
    前記月周回衛星の軌道面の法線ベクトルは、地球の公転周期と同期して前記月の南北軸回りに回転する
    月周回衛星。
  4. 前記軌道面の前記法線ベクトルは、前記月の北極から見て基準ベクトルから時計回りに15度から30度までの範囲内で回転した状態を維持し、
    前記基準ベクトルは、太陽高度が最も高い軌道面の法線ベクトルである
    請求項3に記載の月周回衛星。
  5. 前記軌道面の前記法線ベクトルは、前記月の北極から見て基準ベクトルから反時計回りに15度から30度までの範囲内で回転した状態を維持し、
    前記基準ベクトルは、太陽高度が最も高い軌道面の法線ベクトルである
    請求項3に記載の月周回衛星。
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