JP2023113115A - セルロースナノファイバー - Google Patents

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Yusuke Sugimura
啓吾 渡部
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Abstract

【課題】微細な繊維を高い割合で含有する新規セルロースナノファイバーの提供。【解決手段】繊維径が1.6nm未満である繊維の本数が、繊維全体の30%以上であるセルロースナノファイバー。アスペクト比は好ましくは300以上である。処理圧と処理回数を適切に調整したキャビテーション噴流装置を用いて調製することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、セルロースナノファイバーに関する。より詳細には、従来のセルロースナノファイバーに比べて、より微細な繊維径を有する繊維の割合が高い、セルロースナノファイバーに関する。
植物由来の天然セルロースを化学的に変性した後に機械的に処理(解繊)することにより、ナノスケールの繊維幅を有するセルロースナノファイバーを製造することができることが知られている。特に、セルロースを酸化することでセルロースにカルボキシ基を導入した後、高圧ホモジナイザーのような高圧式分散機を用いて解繊を行うことにより、繊維幅が3~4nm程度のセルロースシングルミクロフィブリルまで解繊されたセルロースナノファイバーを製造することができることが知られている。特許文献1には、カルボキシ基含有量が0.1~2.0mmol/gである酸化セルロースを用意し、これを10~400MPaの操作圧力での高圧式分散機で処理することにより、平均繊維径が200nm以下の酸化セルロース繊維を製造することが記載されており、実施例では平均繊維径が3.1~4.4nmの酸化セルロースのナノファイバーを製造したことが記載されている。
木材における木部は、セルロース、ヘミセルロース、リグニンを主成分としており、このうちセルロースは主成分の約50%を占める。木材において、セルロースは、セルロース分子に次ぐ最小構造体として、直鎖状のセルロース分子30~40本が規則的に束になった幅3~4nm程度のセルロースミクロフィブリルを形成している。セルロースミクロフィブリルはさらに集合してフィブリルの束を形成している。上記の通り、植物由来のセルロースを酸化など化学的に変性することにより、植物セルロースの最小構造体であるセルロースシングルミクロフィブリル程度の繊維幅(繊維径)にまで解繊することが可能となる。しかし、セルロースミクロフィブリルよりもさらに細い繊維径にまで解繊することは困難である。
例えば、特許文献2には、ミクロフィブリル化植物繊維の平均繊維径が1~100nmであることが記載されているが、実施例において実際に使用又は製造したミクロフィブリル化植物繊維の平均繊維径は、4.7~20nmである。セルロースミクロフィブリルよりも細い3nm未満の繊維幅を有するミクロフィブリル化植物繊維を実際に製造したことは記載されていない。
特許第5108587号明細書 特開2018-80262号公報
平均繊維径が3~4nm程度であるセルロースナノファイバーについては知られているが、セルロースミクロフィブリルよりも細い平均繊維径(3nm未満)のセルロースナノファイバーを実際に製造したとの報告を見つけることは難しい。
本発明は、セルロースミクロフィブリルよりも細い繊維径まで解繊された繊維を高い割合で含有する非常に微細な繊維径を有するセルロースナノファイバーを提供することを目的とする。
本発明者らは、解繊に用いる装置としてキャビテーション噴流装置を用い、処理圧と処理回数を適切に調整することにより、繊維径が1.6nm未満の繊維を繊維全体の本数に対して30%以上の数で含む、これまでにない非常に微細な径のセルロースナノファイバーを製造することができることを見出した。本発明は、これらに限定されないが、以下を含む。
[1]繊維径が1.6nm未満である繊維の本数が、繊維全体の30%以上であるセルロースナノファイバー。
[2]アスペクト比が300以上である、[1]に記載のセルロースナノファイバー。
[3]前記繊維がアニオン変性セルロースである、[1]または[2]に記載のセルロースナノファイバー。
本発明は、非常に微細な径の繊維を高い割合で含むセルロースナノファイバーを提供する。具体的には、繊維径が1.6nm未満である繊維の本数が、繊維全体の本数の30%以上であるセルロースナノファイバーを提供する。従来のセルロースナノファイバーの平均繊維径は、一般に、最小でも、植物セルロースの最小構造体であるセルロースミクロフィブリルと同程度の3~4nm程度であった。本発明のセルロースナノファイバーは、セルロースミクロフィブリルの繊維径よりもさらに細い径の繊維を高い割合で含むものである。
本発明のセルロースナノファイバーは、キャビテーション噴流装置を用いて処理圧と処理回数を適切に調整することにより得ることができる。このようにして得たセルロースナノファイバーは、超高圧ホモジナイザーのような高圧式分散機を用いて製造したセルロースナノファイバーに比べて、繊維長が低下しにくいため、上述の微細な繊維径の特徴に加えて、比較的高いアスペクト比を維持できるという特徴も有する。繊維径が微細でアスペクト比が高いセルロースナノファイバーは、例えば、これに限定されないが、ゴムや樹脂との複合化をした場合に、弾性率や破断強度をより向上させることができるという利点が得られると考えられる。また、キャビテーション噴流装置を用いて製造する場合は、超高圧ホモジナイザーを用いる場合に比べて、低圧での解繊が可能となることから、装置の耐久性が向上し、ノズルなどの部品や解繊装置本体の初期費用及び消耗品の費用を抑えることができ、より安価にセルロースナノファイバーを提供できるという利点が得られると考えられる。
<セルロースナノファイバー>
(1)繊維径、平均繊維径、アスペクト比
本発明は、セルロースナノファイバー(以下、「CNF」とも呼ぶ。)に関する。一般的に、CNFとは、ナノオーダーの平均繊維径、例えば平均繊維径が500nm以下程度のセルロースまたは変性セルロースの繊維である。このようなCNFの中でも、本発明のCNFは、繊維径が1.6nm未満である繊維の本数が繊維全体の本数の30%以上存在するという非常に微細な繊維径を有することを特徴とする。このようなCNFは、後述する特定の処理圧及び処理回数でキャビテーション噴流装置を用いることにより製造することができる。
本発明のCNFにおける繊維径が1.6nm未満の繊維の本数の割合は、繊維全体の本数に対して30%以上であるが、より好ましくは40%以上であり、さらに好ましくは50%以上である。また、本明細書の教示に従うことにより、前記の割合を70%以上または80%以上とすることも可能である。この割合の上限値は特に限定されない。例えば100%以下であってもよく、95%以下であってもよい。
従来のCNFの平均繊維径は、一般に、最小で、セルロースシングルミクロフィブリルの繊維径(3~4nm)程度であるが、本発明のCNFは、従来のCNFに比べて微細な繊維径を有する繊維の割合が大きい。本発明のCNFの平均繊維径は、3.0nm未満であることが好ましく、より好ましくは2.5nm以下であり、さらに好ましくは2.0nm以下であり、さらに好ましくは1.8nm以下である。本明細書の教示に従うことにより、平均繊維径が1.5nm以下または1.2nm以下のCNFを提供することも可能である。平均繊維径の下限値は特に限定されない。例えば0.5nm以上であってもよく、1.0nm以上であってもよい。
本発明のCNFのアスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)は、300以上であることが好ましい。より好ましくは400以上であり、さらに好ましくは500以上である。また、本明細書の教示に従うことにより、アスペクト比が600以上のCNFを提供することもできる。アスペクト比の上限値は特に限定されない。例えば1000以下であってもよく、800以下であってもよい。後述するキャビテーション噴流装置を用いた方法にしたがってCNFを製造することにより、高圧ホモジナイザーのような高圧式分散機を用いてCNFを製造した場合に比べて、CNFの繊維長の低下が起こりにくくなり、微細な繊維径を達成しながらも、高いアスペクト比を維持できるようになる。
CNFの繊維径は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて観察した繊維の形状像の断面高さを計測することにより求めることができる。
また、平均繊維径は、ランダムに選んだ50本の繊維について上述の方法で繊維径を測定し、長さ加重平均繊維径を算出することにより求めることができる。
CNFの平均繊維長は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いてランダムに選んだ200本の繊維の繊維長を測定し、長さ加重平均繊維長を算出することにより求めることができる。
CNFのアスペクト比は、上述した平均繊維長と平均繊維径を用いて、以下の式で求めることができる:
アスペクト比=平均繊維長(nm)/平均繊維径(nm)。
繊維全体の本数に対する繊維径が1.6nm未満の繊維の本数の割合(%)は、前述した平均繊維径の算出に用いた50本の繊維の繊維径の値を用いて、以下の式で求めることができる:
繊維径が1.6nm未満の繊維の割合(%)
={繊維径が1.6nm未満の繊維の本数(本)/50(本)}×100。
(2)透明度
本発明のCNFは、分散体とした際に比較的高い透明度を示す。例えば、分散媒を水とした固形分1.0質量%のCNF分散体について、透明度が60%以上であり、好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。透明度が高いことは、未解繊の繊維が少なく、解繊が均質に進んだことを意味する。透明度の上限は特に限定されない。例えば、99%である。透明度は、以下の方法で測定される:
所定の濃度のCNF分散体を調製し、UV-VIS分光光度計 UV-1800(株式会社島津製作所製)を用い、光路長10mmの角型セルを用いて、純水の660nm 光の透過率(%)を測定して100%とし、次いで測定するCNF分散体を測定した際の値(%、相対値)を透明度とする。
(3)粘度
本発明のCNFを分散体とした際の分散体の粘度は特に限定されない。例えば、分散媒を水とした固形分1.0質量%のCNF分散体について、6rpmにおけるB型粘度が、5000mPa・s以上、あるいは7000mPa・s以上、あるいは10000mPa・s以上、あるいは15000mPa・s以上であり、また、60rpmにおけるB型粘度が、500mPa・s以上、あるいは1000mPa・s以上、あるいは1500mPa・s以上、あるいは2000mPa・s以上である。粘度が高いことは、解繊時の繊維の損傷が少ないことを意味する。後述するキャビテーション噴流装置を用いて製造した本発明のCNFは、繊維径が非常に微細であるにもかかわらず、比較的高い粘度を示す分散体を形成できる。この理由は明らかではないが、キャビテーション噴流装置を用いることで、解繊時の繊維の損傷が少なくなるためと考えられる。粘度の上限は特に限定されない。目安として固形分1.0質量%のCNF分散体について、6rpmにおけるB型粘度が、25000mPa・s以下、あるいは20000mPa・s以下であり、また、60rpmにおけるB型粘度が、3000mPa・s以下、あるいは2500mPa・s以下であるが、これに限定されない。粘度は、例えば、以下の方法で測定される:
所定の濃度のCNF分散体を調製し、JIS-Z-8803の方法に準じて、B型粘度計(東機産業社製)を用いて、25℃で、回転数60rpmまたは6rpmで3分後の値を測定する。
(4)セルロース原料
本発明のCNFの原料となるセルロースの種類は、特に限定されない。セルロースは、一般に起源、製法等から、天然セルロース、再生セルロース、微細セルロース、非結晶領域を除いた微結晶セルロース等に分類される。本発明では、これらのセルロースのいずれも、原料として用いることができる。
天然セルロースとしては、晒パルプまたは未晒パルプ(晒木材パルプまたは未晒木材パルプ);リンター、精製リンター;酢酸菌等の微生物によって生産されるセルロース等が例示される。晒パルプ又は未晒パルプの原料は特に限定されず、例えば、木材、木綿、わら、竹、麻、ジュート、ケナフ等が挙げられる。また、晒パルプ又は未晒パルプの製造方法も特に限定されず、機械的方法、化学的方法、あるいはその中間で二つを組み合せた方法でもよい。製造方法により分類される晒パルプ又は未晒パルプとしては例えば、メカニカルパルプ(サーモメカニカルパルプ(TMP)、砕木パルプ)、ケミカルパルプ(針葉樹未漂白サルファイトパルプ(NUSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)等の亜硫酸パルプ、針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)等のクラフトパルプ)等が挙げられる。さらに、製紙用パルプの他に溶解パルプを用いてもよい。溶解パルプとは、化学的に精製されたパルプであり、主として薬品に溶解して使用され、人造繊維、セロハンなどの主原料となる。
再生セルロースとしては、セルロースを銅アンモニア溶液、セルロースザンテート溶液、モルフォリン誘導体など何らかの溶媒に溶解し、改めて紡糸されたものが例示される。
微細セルロースとしては、上記天然セルロースや再生セルロースをはじめとする、セルロース系素材を、解重合処理(例えば、酸加水分解、アルカリ加水分解、酵素分解、爆砕処理、振動ボールミル処理等)して得られるものや、前記セルロース系素材を、機械的に処理して得られるものが例示される。
(5)アニオン変性
本発明のCNFは、セルロース原料を化学的に変性した後に解繊したものであってもよい。化学的な変性方法としては、例えば、セルロース分子にアニオン性の基を導入するアニオン変性や、カチオン性の基を導入するカチオン変性が挙げられるが、本発明ではアニオン変性を行うことが好ましい。アニオン変性を行う場合、具体的には、セルロースの分子鎖に酸化または置換反応によってアニオン性の基を導入してアニオン変性セルロースとする。次いでこれを解繊することにより、アニオン変性セルロースのナノファイバーとすることができる。
アニオン変性セルロースの一例として、カルボキシル化(カルボキシ基のセルロースへの導入、「酸化」とも呼ぶ。)セルロースを挙げることができる。本明細書においてカルボキシ基とは、-COOH(酸型)および-COOM(金属塩型)をいう(式中、Mは金属イオンである)。カルボキシル化セルロース(「酸化セルロース」とも呼ぶ)は、上記のセルロース原料を公知の方法でカルボキシル化(酸化)することにより得ることができる。特に限定されないが、カルボキシ基の量はアニオン変性セルロースまたはアニオン変性セルロースのナノファイバー(「アニオン変性CNF」)の絶乾質量に対して、0.4~3.0mmol/gが好ましく、0.6~2.0mmol/gがさらに好ましく、1.0~2.0mmol/gがさらに好ましく、1.1~2.0mmol/gがさらに好ましい。
アニオン変性セルロースまたはアニオン変性CNFのカルボキシ基量は、以下の方法で測定することができる:
カルボキシル化セルロースの0.5質量%スラリー(水分散液)60mlを調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.4とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量(a)から、下式を用いて算出する:
カルボキシ基量〔mmol/gカルボキシル化セルロース〕=a〔ml〕×0.05/カルボキシル化セルロース質量〔g〕。
カルボキシル化(酸化)方法の一例として、セルロース原料を、N-オキシル化合物と、臭化物、ヨウ化物、およびこれらの混合物からなる群から選択される化合物との存在下で酸化剤を用いて水中で酸化する方法を挙げることができる。この酸化反応により、セルロース表面のグルコピラノース環のC6位の一級水酸基が選択的に酸化され、表面にアルデヒド基と、カルボキシ基(-COOH)またはカルボキシレート基(-COO)とを有するセルロース繊維を得ることができる。反応時のセルロースの濃度は特に限定されないが、5質量%以下が好ましい。
N-オキシル化合物とは、ニトロキシラジカルを発生しうる化合物をいう。N-オキシル化合物としては、目的の酸化反応を促進する化合物であればいずれの化合物も使用できる。例えば、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシラジカル(TEMPO)およびその誘導体(例えば4-ヒドロキシTEMPO)が挙げられる。N-オキシル化合物の使用量は、原料となるセルロースを酸化できる触媒量であればよく、特に制限されない。例えば、絶乾1gのセルロースに対して、0.01~10mmolが好ましく、0.01~1mmolがより好ましく、0.05~0.5mmolがさらに好ましい。また、反応系に対し0.1~20mmol/L程度がよい。
臭化物とは臭素を含む化合物であり、その例には、水中で解離してイオン化可能な臭化アルカリ金属が含まれる。また、ヨウ化物とはヨウ素を含む化合物であり、その例には、ヨウ化アルカリ金属が含まれる。臭化物またはヨウ化物の使用量は、酸化反応を促進できる範囲で選択できる。臭化物およびヨウ化物の合計量は、例えば、絶乾1gのセルロースに対して、0.1~100mmolが好ましく、0.1~10mmolがより好ましく、0.5~5mmolがさらに好ましい。
酸化剤としては、公知のものを使用でき、例えば、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、過ハロゲン酸またはそれらの塩、ハロゲン酸化物、過酸化物などを使用できる。中でも、安価で環境負荷の少ない次亜塩素酸ナトリウムは好ましい。酸化剤の適切な使用量は、例えば、絶乾1gのセルロースに対して、0.5~500mmolが好ましく、0.5~50mmolがより好ましく、1~25mmolがさらに好ましく、3~10mmolが最も好ましい。また、例えば、N-オキシル化合物1molに対して1~40molが好ましい。
セルロースの酸化工程は、比較的温和な条件であっても反応を効率よく進行させられる。よって、反応温度は4~40℃が好ましく、また15~30℃程度の室温であってもよい。反応の進行に伴ってセルロース中にカルボキシ基が生成するため、反応液のpHの低下が認められる。酸化反応を効率よく進行させるためには、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性溶液を添加して、反応液のpHを8~12、好ましくは10~11程度に維持することが好ましい。反応媒体は、取扱い性の容易さや、副反応が生じにくいこと等から、水が好ましい。酸化反応における反応時間は、酸化の進行の程度に従って適宜設定することができ、通常は0.5~6時間、例えば、0.5~4時間程度である。
また、酸化反応は、複数段に分けて実施してもよい。例えば、2段階に分けて実施する場合は、1段目の反応終了後に濾別して得られた酸化セルロースを、再度、同一または異なる反応条件で酸化させることにより、1段目の反応で副生する食塩による反応阻害が少なくすることができ、効率よく酸化させることができる。
カルボキシル化(酸化)方法の別の例として、オゾンを含む気体とセルロース原料とを接触させることにより酸化する方法を挙げることができる。この酸化反応により、グルコピラノース環の少なくとも2位および6位の水酸基が酸化されると共に、セルロース鎖の分解が起こる。オゾンを含む気体中のオゾン濃度は、50~250g/mであることが好ましく、50~220g/mであることがより好ましい。セルロース原料に対するオゾン添加量は、セルロース原料の固形分を100質量部とした際に、0.1~30質量部であることが好ましく、5~30質量部であることがより好ましい。オゾン処理温度は、0~50℃であることが好ましく、20~50℃であることがより好ましい。オゾン処理時間は、特に限定されないが、1~360分程度であり、30~360分程度が好ましい。オゾン処理の条件がこれらの範囲内であると、セルロースが過度に酸化および分解されることを防ぐことができ、酸化セルロースの収率が良好となる。オゾン処理を施した後に、酸化剤を用いて、追酸化処理を行ってもよい。追酸化処理に用いる酸化剤は、特に限定されないが、二酸化塩素、亜塩素酸ナトリウム等の塩素系化合物や、酸素、過酸化水素、過硫酸、過酢酸などが挙げられる。例えば、これらの酸化剤を水またはアルコール等の極性有機溶剤中に溶解して酸化剤溶液を作成し、溶液中にセルロース原料を浸漬させることにより追酸化処理を行うことができる。
酸化セルロースのカルボキシ基の量は、上記した酸化剤の添加量、反応時間等の反応条件をコントロールすることで調整することができる。酸化セルロースにおけるカルボキシ基量と同酸化セルロースをナノファイバーとしたときのカルボキシ基量は、通常、同じである。
アニオン変性セルロースの一例として、カルボキシメチル基等のカルボキシアルキル基を導入したカルボキシアルキル化セルロースを挙げることができる。本明細書においてカルボキシアルキル基とは、-RCOOH(酸型)および-RCOOM(金属塩型)をいう。ここでRはメチレン基、エチレン基等のアルキレン基であり、Mは金属イオンである。
カルボキシアルキル化セルロースは公知の方法で得てもよく、また市販品を用いてもよい。セルロースの無水グルコース単位当たりのカルボキシアルキル置換度は0.40未満であることが好ましい。さらにアニオン性基がカルボキシメチル基である場合、カルボキシメチル置換度は0.40未満であることが好ましい。当該置換度が0.40以上であるとセルロースの結晶性が低下する。またカルボキシアルキル置換度の下限値は0.01以上が好ましい。操業性を考慮すると当該置換度は0.02以上0.35以下であることが特に好ましく、0.10以上0.35以下であることが更に好ましく、0.15以上0.35以下であることが更に好ましく、0.15以上0.30以下であることが更に好ましい。なお、無水グルコース単位とは、セルロースを構成する個々の無水グルコース(グルコース残基)を意味し、カルボキシアルキル置換度とは、セルロースを構成するグルコース残基中の水酸基(-OH)のうちカルボキシアルキルエーテル基(-ORCOOHまたは-ORCOOM)で置換されているものの割合(1つのグルコース残基当たりのカルボキシアルキルエーテル基の数)を示す。
カルボキシアルキル化セルロースを製造する方法の一例として、以下の工程を含む方法が挙げられる。カルボキシメチル化セルロースを例にして説明する。
i)セルロース原料と溶媒、マーセル化剤を混合し、反応温度0~70℃、好ましくは10~60℃、かつ反応時間15分~8時間、好ましくは30分~7時間、マーセル化処理する工程、
ii)次いで、カルボキシメチル化剤をグルコース残基当たり0.05~10.0倍モル添加し、反応温度30~90℃、好ましくは40~80℃、かつ反応時間30分~10時間、好ましくは1~4時間、エーテル化反応を行う工程。
セルロース原料としては前述のものを使用できる。溶媒としては、3~20質量倍の水または低級アルコール、具体的には水、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、イソブタノール、第3級ブタノール等の単独、または2種以上の混合媒体を使用できる。低級アルコールを混合する場合、その混合割合は60~95質量%が好ましい。マーセル化剤としては、セルロースの無水グルコース単位当たり0.5~20倍モルの水酸化アルカリ金属、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用することが好ましい。
前述のとおり、セルロースのグルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度は0.40未満であり、0.01以上0.40未満であることが好ましい。セルロースにカルボキシメチル置換基を導入することで、セルロース同士が電気的に反発する。このため、カルボキシメチル置換基を導入したセルロースはナノ解繊することができるようになる。なお、グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換基が0.01より小さいと、ナノ解繊が十分にできない場合がある。カルボキシメチル置換度は、より好ましくは0.10以上0.40未満であり、さらに好ましくは0.15以上0.40未満であり、さらに好ましくは0.20以上0.40未満である。カルボキシアルキル化セルロースにおけるカルボキシアルキル置換度と、同カルボキシアルキル化セルロースをナノファイバーとしたときのカルボキシアルキル置換度とは通常、同じである。
グルコース単位当たりのカルボキシメチル置換度は、以下の方法で測定することができる:
カルボキシメチル化セルロース(絶乾)約2.0gを精秤して、300mL容共栓付き三角フラスコに入れる。メタノール900mLに特級濃硝酸100mLを加えた液100mLを加え、3時間振とうして、カルボキシメチル化セルロース塩(CM化セルロース)を水素型CM化セルロースに変換する。水素型CM化セルロース(絶乾)を1.5g~2.0g精秤し、300mL容共栓付き三角フラスコに入れる。80質量%メタノール15mLで水素型CM化セルロースを湿潤し、0.1NのNaOHを100mL加え、室温で3時間振とうする。指示薬として、フェノールフタレインを用いて、0.1NのHSOで過剰のNaOHを逆滴定した。カルボキシメチル置換度(DS)を、次式によって算
出する:
A=[(100×F’-(0.1NのHSO)(mL)×F)×0.1]/(水素型CM化セルロースの絶乾質量(g))
DS=0.162×A/(1-0.058×A)
A:水素型CM化セルロースの1gの中和に要する1NのNaOH量(mL)
F:0.1NのHSOのファクター
F’:0.1NのNaOHのファクター。
カルボキシメチル基以外のカルボキシアルキル基置換度の測定も、上記と同様の方法で行うことができる。
アニオン変性セルロースの一例としてエステル化セルロースを挙げることができる。エステル化の方法としては、セルロース原料にリン酸系化合物の粉末や水溶液を混合する方法、セルロース原料のスラリーにリン酸系化合物の水溶液を添加する方法等が挙げられる。リン酸系化合物としては、リン酸、ポリリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ホスホン酸、ポリホスホン酸あるいはこれらのエステルが挙げられる。これらは塩の形態であってもよい。例えば、リン酸系化合物としては、リン酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸カリウム、メタリン酸カリウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、メタリン酸アンモニウム等が挙げられる。これらの1種、あるいは2種以上を併用してセルロースにリン酸基を導入することができる。これらのうち、リン酸基導入の効率が高く、下記解繊工程で解繊しやすく、かつ工業的に適用しやすい観点から、リン酸、リン酸のナトリウム塩、リン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩が好ましい。特にリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムが好ましい。また、反応を均一に進行できかつリン酸基導入の効率が高くなることから前記リン酸系化合物は水溶液として用いることが望ましい。リン酸系化合物の水溶液のpHは、リン酸基導入の効率が高くなることから7以下であることが好ましいが、パルプ繊維の加水分解を抑える観点からpH3~7が好ましい。
リン酸エステル化セルロースの製造方法の例として、以下の方法を挙げることができる。固形分濃度0.1~10質量%のセルロース原料の懸濁液に、リン酸系化合物を撹拌しながら添加してセルロースにリン酸基を導入する。セルロース原料を100質量部とした際に、リン酸系化合物の添加量はリン元素量として、0.2~500質量部であることが好ましく、1~400質量部であることがより好ましい。リン酸系化合物の割合が前記下限値以上であれば、微細繊維状セルロースの収率をより向上させることができる。しかし、前記上限値を超えると収率向上の効果は頭打ちとなるので、コスト面から好ましくない。
リン酸系化合物に加えて、他の化合物の粉末や水溶液を混合してもよい。リン酸系化合物以外の他の化合物としては、特に限定されないが、塩基性を示す窒素含有化合物が好ましい。ここでの「塩基性」は、フェノールフタレイン指示薬の存在下で水溶液が桃色から赤色を呈すること、または水溶液のpHが7より大きいことと定義される。本発明で用いる塩基性を示す窒素含有化合物は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、アミノ基を有する化合物が好ましい。例えば、尿素、メチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。中でも低コストで扱いやすい尿素が好ましい。他の化合物の添加量はセルロース原料の固形分100質量部に対して、2~1000質量部が好ましく、100~700質量部がより好ましい。反応温度は0~95℃が好ましく、30~90℃がより好ましい。反応時間は特に限定されないが、1~600分程度であり、30~480分がより好ましい。エステル化反応の条件がこれらの範囲内であると、セルロースが過度にエステル化されて溶解しやすくなることを防ぐことができ、リン酸エステル化セルロースの収率が良好となる。得られたリン酸エステル化セルロース懸濁液を脱水した後、セルロースの加水分解を抑える観点から、100~170℃で加熱処理することが好ましい。さらに、加熱処理の際に水が含まれている間は130℃以下、好ましくは110℃以下で加熱し、水を除いた後、100~170℃で加熱処理することが好ましい。
リン酸エステル化されたセルロースのグルコース単位当たりのリン酸基置換度は0.001以上0.40未満であることが好ましい。セルロースにリン酸基置換基を導入することで、セルロース同士が電気的に反発する。このため、リン酸基を導入したセルロースは容易にナノ解繊することができる。グルコース単位当たりのリン酸基置換度が0.001より小さいと、十分にナノ解繊することができない。一方、グルコース単位当たりのリン酸基置換度が0.40より大きいと、膨潤あるいは溶解するため、ナノファイバーとして得られなくなる場合がある。解繊を効率よく行なうために、上記で得たリン酸エステル化セルロースは煮沸した後、冷水を用いて洗浄することが好ましい。エステル化セルロースにおける置換度と、同エステル化セルロースをナノファイバーとしたときの置換度は、通常、同じである。
グルコース単位当たりのリン酸基置換度は、以下の方法で測定することができる:
固形分量が0.2質量%のリン酸エステル化セルロースのスラリーを調製する。スラリーに対し、体積で1/10の強酸性イオン交換樹脂(アンバージェット1024;オルガノ社製、コンディショニング済)を加え、1時間振とう処理を行った後、目開き90μmのメッシュ上に注いで樹脂とスラリーとを分離することにより、リン酸エステル化セルロースを水素型リン酸エステル化セルロースに変換する。次いで、イオン交換樹脂による処理後のスラリーに、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を、30秒に1回、50μLずつ加えながら、スラリーが示す電気伝導度の値の変化を計測する。計測結果のうち、急激に電気伝導度が低下する領域において必要としたアルカリ量(mmol)を、滴定対象スラリー中の固形分(g)で除すことにより、水素型リン酸エステル化セルロース1g当たりのリン酸基量(mmol/g)を算出する。さらに、リン酸エステル化されたセルロースのグルコース単位当たりのリン酸基置換度(DS)を、次式によって算出する:
DS=0.162×A/(1-0.079×A)
A:水素型リン酸エステル化セルロースの1gあたりのリン酸基量(mmol/g)
本発明のCNFには、上述したアニオン変性セルロースの中でも、カルボキシル化セルロースまたはカルボキシアルキル化セルロースを用いることが好ましく、特に、N-オキシル化合物と酸化剤とを用いてセルロースを酸化することにより得られたカルボキシル化セルロースは、カルボキシル基が均一に導入されており、均一に解繊しやすい点で好ましい。
アニオン変性セルロースとしては、水や水溶性有機溶媒に分散した際にも繊維状の形状の少なくとも一部が維持されるものを用いる。繊維状の形状が維持されないもの(すなわち、溶解するもの)は、ナノファイバーを形成しない。分散した際に繊維状の形状の少なくとも一部が維持されるとは、アニオン変性セルロースの分散体を電子顕微鏡で観察すると、繊維状の物質を観察することができるものである。また、X線回折で測定した際にセルロースI型結晶のピークを観測することができるアニオン変性セルロースは好ましい。
アニオン変性セルロースにおける解繊前のセルロースの結晶化度は、結晶I型が50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。結晶性が上記範囲であると、解繊により繊維を微細化した後も溶解することのない結晶性セルロース繊維が得られる。セルロースの結晶性は、原料であるセルロースの結晶化度、及びアニオン変性の度合によって制御できる。解繊前のアニオン変性セルロースの結晶化度の測定方法は、以下の通りである:
試料をガラスセルに乗せ、X線回折測定装置(LabX XRD-6000、株式会社島津製作所製)を用いて測定する。結晶化度の算出はSegal等の手法を用いて行い、X線回折図の2θ=10゜~30゜の回折強度をベースラインとして、2θ=22.6゜の002面の回折強度と2θ=18.5゜のアモルファス部分の回折強度から次式により算出する。
Xc=(I002c-Ia)/I002c×100
Xc:セルロースのI型の結晶化度(%)
I002c:2θ=22.6゜、002面の回折強度
Ia:2θ=18.5゜、アモルファス部分の回折強度。
<解繊>
(1)分散体
セルロースまたはアニオン変性セルロースをナノオーダーの繊維径となるように解繊することによりCNFを得ることができる。本発明のCNFは、後述する通り処理圧力及び処理回数を適切に調整したキャビテーション噴流装置を用いて解繊することにより得ることができる。
解繊に際し、まずは、セルロース/アニオン変性セルロースの分散体を準備する。分散媒は、水または有機溶媒、あるいはこれらの混合物を適宜選択できる。有機溶媒の種類は問わないが、例えばセルロース中の水酸基との親和性が高い極性溶媒が好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコール、グリセリン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキサイド等を挙げることができる。上記分散媒は単独で用いても良いし、2種類以上を混合して用いてもよい。例えば、有機溶媒を2種類以上混合する形態、水と有機溶媒を含む形態、水のみの形態などを適宜選択することができる。水のみを分散媒として用いること(すなわち、水100%)は、取扱いの容易性から好ましい。水と有機溶媒とを混合する場合の混合割合は特に限定されず、使用する有機溶媒の種類に応じて適宜混合割合を調整すればよい。
キャビテーション噴流装置に供する上記分散体の固形分濃度は特に限定されないが、10.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは7.0質量%以下、さらに好ましくは0.1~5.0質量%の範囲で処理することが気泡の発生効率の点から好ましい。
また、分散体のpHは、好ましくはpH6~13、より好ましくはpH6~12、更に好ましくはpH6~10である。pHが6以上であれば解繊が進行しやすい。一方、pHは13を超えると、繊維のアルカリ焼けが生じ、白色度が低下するので好ましくない。
(2)キャビテーション噴流装置
セルロース/アニオン変性セルロースの分散体をキャビテーション噴流装置に供することによりCNFを製造する。キャビテーション噴流装置とは、噴射液体を圧縮し高速でノズル先端またはオリフィスより被噴射液体に向けて噴射することで、ノズルまたはオリフィス近傍での極めて高いせん断力と、急激な減圧で液体が膨張することにより発生するキャビテーション気泡の崩壊エネルギーと、によって噴射液体及び被噴射液体中の固形の塊を細断する装置である。繊維に対して刃物等の物理的な接触がないことから、繊維長の低下を引き起こしにくい。
噴射液体としては、上述の分散体に用いる分散媒や、分散体自体を用いることができる。被噴射液体としては、上述の分散体を用いる。噴射液体を被噴射液体である分散体に向けて噴射し、噴流を生じさせることにより、被噴射液体中でキャビテーションを発生させ、キャビテーション気泡の崩壊エネルギーにより被噴射液体中のセルロースを解繊することができる。噴射液体として、アニオン変性セルロース分散体を用いることは効率のよい解繊を行う観点から好ましい。噴射液体にアニオン変性セルロース分散体を用いると、アニオン変性による解繊の促進と、噴流周りに発生するキャビテーションによる作用効果に加え、高圧でノズルまたはオリフィスから噴射する際の流体力学的せん断力が得られるため、効率よく解繊を行うことができる。
キャビテーションは、液体が加速されて局所的な圧力がその液体の蒸気圧より低くなったときに発生するため、キャビテーションの発生を制御するには、流速及び圧力が重要となる。キャビテーション状態を表わす基本的な無次元数、キャビテーション数(Cavitation Number)σは次の数式1のように定義される(加藤洋治編著、新版キャビテーション基礎と最近の進歩、槇書店、1999)。
キャビテーション数が大きいということは、その流れ場がキャビテーションを発生し難い状態にあるということを示す。キャビテーション噴流のようなノズルまたはオリフィスを通してキャビテーションを発生させる場合は、ノズルまたはオリフィスの上流側圧力p、ノズルまたはオリフィスの下流側圧力p、試料水の飽和蒸気圧pから、キャビテーション数σは下記の数式2のように書きかえることができ、キャビテーション噴流では、p、p、p間の圧力差が大きく、p>>p>>pとなることから、キャビテーション数σはさらにp/pに近似することができる(H. Soyama, J.Soc. Mat. Sci. Japan, 47(4), 381 1998)。
本発明においてキャビテーションの条件は、上述したp/pに近似することができるキャビテーション数σ(すなわち、下流側圧力/上流側圧力)が0.001以上0.500以下であり、0.003以上0.200以下であることが好ましく、0.010以上0.100以下であることが特に好ましい。キャビテーション数σが0.001未満である場合、キャビテーション気泡が崩壊する時の周囲との圧力差が低いため解繊効果が小さくなり、0.500より大である場合は、流れの圧力差が低くキャビテーションが発生し難くなる。
ノズルまたはオリフィスを通じて噴射液体を噴射してキャビテーションを発生させる際には、噴射液体の圧力(上流側圧力)は10MPa以上30MPa以下であることが望ましく、10MPa以上20MPa以下であり、10MPa以上18MPa以下であることが好ましい。上流側圧力が10MPa未満では本発明の微細な繊維径を達成することが難しい。また、30MPaより高い場合、消費エネルギー増大、ならびに設備耐久性低下の観点からコスト的に不利である。一方、容器内の圧力(下流側圧力)は前述のキャビテーション数の範囲であれば何れでもよいが、設備コストの観点から1MPa以下が好ましい。下流側圧力の下限値は特に限定されず、例えば0.05MPa以上である。
上述の圧力を用いて、キャビテーション噴流装置による処理を複数回繰り返すことが好ましい。複数回処理する際には、例えば、これに限定されないが、一台の装置に2基のタンクA、Bを設置し、一方のタンクAに解繊前原料を投入し、解繊処理(キャビテーション処理)後にもう一方のタンクBに送液する操作を1パスとし、これをパス回数分反復してもよい。この際、偶数パス目の解繊の場合はタンクB中の原料を解繊処理後にタンクAへと送液してもよい。或いは、タンクを1つずつ有する複数の装置に順に流すことにより、パス回数分解繊処理を行ってもよい。キャビテーション噴流装置による処理回数(パス数)は、上述の圧力で50回以上とすることが好ましく、100回以上としてもよい。処理回数の上限は特に限定されない。コストの観点から例えば300回以下としてもよい。
噴射液体の噴射の速度は1m/秒以上200m/秒以下の範囲であることが望ましく、20m/秒以上100m/秒以下の範囲であることが好ましい。噴射の速度が1m/秒未満である場合、圧力低下が低く、キャビテーションが発生し難いため、その効果は弱い。一方、200m/秒より大きい場合、高圧を要し特別な装置が必要であり、コスト的に不利である。
キャビテーション噴流装置は、液体を噴射するためのノズルまたはオリフィスの直後に、キャビテーションの発生場所となる一定の広さの配管または容器を有している。このノズルまたはオリフィスの直後の配管の内径(配管または容器の壁厚を含まない内直径)と、ノズルまたはオリフィスを通じて噴射した液体噴流によって生じるキャビテーション噴流の最大幅との関係を適切な範囲に調整することにより、アニオン変性セルロースの解繊を進行させながら、キャビテーション噴流による配管の壊食のリスクを低減させることができるようになる。したがって、ノズルまたはオリフィスを通じて噴射した液体噴流によって生じるキャビテーション噴流の最大幅が、ノズルまたオリフィス直後の配管の内径の20%以上50%未満の長さとなるように調整することが好ましい。上記範囲は、25%以上50%未満がより好ましく、30%以上50%未満がより好ましい。ここで、ノズルとは、液体を一定の方向に噴射するためのパイプ状の部品をいい、一般には、配管の円形の断面の面積を縮小させる(または配管内径を縮小させる)ことで液体を高速で噴出させる部品をいう。オリフィスとは、液体を噴射するために壁に開けられた穴をいう。ノズルまたはオリフィスから液体を噴射すると、液体噴流によって生じるキャビテーション気泡の群がノズルまたはオリフィスの出口を頂点とした円錐形状にみられる。このキャビテーション気泡の群をキャビテーション噴流と呼ぶ。キャビテーション噴流の最大幅とは、キャビテーション噴流の噴射方向に垂直な幅(直径)のうち、最大の幅をいうものとする。キャビテーション噴流の最大幅は、用いるノズルまたはオリフィス、噴射液体、被噴射液体、噴射速度、下流側圧力/上流側圧力の比、温度などの条件によって変動する。キャビテーション噴流の最大幅を測定する際、キャビテーション噴流の幅が大きく、ノズルまたはオリフィス直後の配管の内壁に接触する場合には、キャビテーション噴流が内壁に接触しないようなより大きい配管を用いて同一条件で噴射を行い、キャビテーション噴流の最大幅を求めることとする。また、ノズルまたはオリフィス直後の配管に対して複数のノズルまたはオリフィスを接続させて、それぞれのノズルまたはオリフィスから上記配管内に液体を噴射して複数のキャビテーション噴流を生じさせてもよく、この場合のキャビテーション噴流の最大幅は、各々のノズルまたはオリフィスから発生したキャビテーション噴流を1つのキャビテーション噴流と見立てた際の最大幅をいう。すなわち、複数のキャビテーション噴流が末端で合一する場合にはその合一したキャビテーション噴流の最大幅であり、一方、複数のキャビテーション噴流の少なくとも一部が合一せずに互いに独立している場合には、観察される複数のキャビテーション噴流のうちの最も外側(各噴流の噴射方向に垂直な面の中心から配管の内壁側へと離れた側)の位置同士を結んで得られる最大の幅をいう。
また、ノズルまたはオリフィス直後の配管とは、ノズルまたはオリフィスが接続しており、キャビテーション噴流が形成される場所となる任意の容器または配管をいう。配管の形状は、円筒状、角筒状、円錐状、角錐状などいずれであってもよいが、解繊後の繊維の滞留を防ぐためには、円筒状であることが好ましい。ノズルまたはオリフィス直後の配管径とは、配管のキャビテーション噴流の噴射方向に垂直な幅(配管の内直径)をいう。配管が角筒状であるなど、円筒状以外の筒状の形状である場合には、キャビテーション噴流の噴射方向に垂直な幅のうち、最小の幅をいうものとする。また、配管が円錐状または角錐状である場合には、キャビテーション噴流の幅が最大となる断面の配管内径(角錐状である場合には、同断面の最小の幅)をいうものとする。
ノズルまたはオリフィスを通じて噴射した液体噴流によって生じるキャビテーション噴流の最大幅が、ノズルまたオリフィス直後の配管の内径の20%未満の長さである場合、ノズルまたはオリフィス直後の配管(または容器)がキャビテーション噴流に対して大きすぎるため、配管(または容器)内にアニオン変性セルロースとアニオン変性セルロースナノファイバーとが滞留し、解繊が進みにくくなる。一方、上記割合が大きくなると、キャビテーション噴流が、ノズルまたはオリフィス直後の配管に直接、接触し、配管の壊食が生じるリスクが高くなり、配管の耐久性に問題が生じる可能性が高くなる。
キャビテーション噴流の最大幅とノズルまたはオリフィス直後の配管径との割合は、ノズルまたはオリフィス直後の配管の内径を調整する他、前述の下流側圧力/上流側圧力の比を調整したり、また、噴射液体の噴射速度を調整したりするなどしてキャビテーション噴流の最大幅を変化させることにより、調整することができる。
キャビテーションを発生させるための液体の噴射は、パルパーの様な大気開放の容器の中でなされても良いが、キャビテーションをコントロールするために圧力容器の中でなされるのが好ましい。
キャビテーションは液体中の気体の量に影響され、気体が多過ぎる場合は気泡同士の衝突と合一が起こり崩壊衝撃力が他の気泡に吸収されるクッション効果を生じるため衝撃力が弱まる。液体中の気体の量は、溶存気体と蒸気圧の影響を受けるため、処理温度を一定の範囲に制御することにより、キャビテーションの衝撃力を調整することは好ましい。処理温度は、分散媒の種類にもよるが、0℃以上70℃以下であることが好ましく、10℃以上60℃以下であることがさらに好ましい。一般には、融点と沸点の中間点で衝撃力が最大となると考えられることから、水を分散媒とする場合、50℃前後が好適であるが、それ以外の温度であっても上記の範囲であれば十分な解繊効果が得られる。
キャビテーションを発生させるために必要なエネルギーを低減するために、噴射液体及び/または被噴射液体に界面活性剤を添加してもよい。使用する界面活性剤は特に限定されず、例えば、脂肪酸塩、高級アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸等のアルキレンオキシド付加物などの非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤などを挙げることができる。これらを単一で、または2種以上組み合せて用いてもよい。界面活性剤を添加する場合、添加量は、噴射液体及び/または被噴射液体の表面張力を低下させるために必要な量であればよい。
(3)CNFの分散体
解繊により得られたCNFの分散体は、用途に応じて、乾燥したり、また、他の化合物と混合してもよい。乾燥方法は特に限定されないが、例えば、スプレードライ、圧搾、風乾、熱風乾燥、または真空乾燥が挙げられる。乾燥装置としては例えば、連続式のトンネル乾燥装置、バンド乾燥装置、縦型乾燥装置、垂直ターボ乾燥装置、多重段円板乾燥装置、通気乾燥装置、回転乾燥装置、気流乾燥装置、スプレードライヤ乾燥装置、噴霧乾燥装置、円筒乾燥装置、ドラム乾燥装置、スクリューコンベア乾燥装置、加熱管付回転乾燥装置、振動輸送乾燥装置等、回分式の箱型乾燥装置、通気乾燥装置、真空箱型乾燥装置、または撹拌乾燥装置等が挙げられる。これらの乾燥装置は、単独で用いてもよいし、2つ以上を組合せて用いてもよい。ドラム乾燥装置は、均一に被乾燥物に熱エネルギーを直接供給することができるのでエネルギー効率が高く、かつ必要以上に熱を加えずに直ちに乾燥物を回収することができるので好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
針葉樹由来の漂白済み未叩解クラフトパルプ(白色度85%)5.00g(絶乾)を、TEMPO(Sigma Aldrich社製)39mg(絶乾1gのセルロースに対し0.05mmol)と臭化ナトリウム514mg(絶乾1gのセルロースに対し1.0mmol)を溶解した水溶液500mLに加え、パルプが均一に分散するまで撹拌した。反応系に次亜塩素酸ナトリウム水溶液を次亜塩素酸ナトリウムが5.5mmol/gになるように添加し、室温にて酸化反応を開始した。反応中は系内のpHが低下するが、3M水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加し、pH10に調整した。次亜塩素酸ナトリウムが消費され系内のpHが変化しなくなった時点で反応を終了した。反応後の混合物をガラスフィルターで濾過してパルプ分離し、パルプを十分に水洗することで酸化されたパルプ(カルボキシル化セルロース)を得た。この時のパルプ収率は90%であり、酸化反応に要した時間は90分、カルボキシル基量は1.4mmol/gであった。反応混合物に水を加えて濃度を1.0質量%に調整し、キャビテーション噴流装置を用いて上流圧14MPa、下流圧0.5MPaにて、キャビテーション処理を50パス繰り返し行い、カルボキシル化CNF分散体を得た。
得られたカルボキシル化CNFの平均繊維径、平均繊維長、アスペクト比、及び繊維全体の本数に対する繊維径が1.6nm未満である繊維の本数の割合を表1に示す。また、水を分散媒として固形分濃度1.0質量%とした際のカルボキシル化CNF分散体の粘度、及び同分散体の透明度を、表1に示す。それぞれの項目の測定方法は、以下の通りである。
<平均繊維径の測定>
カルボキシル化CNFの濃度が0.001質量%となるように水中に懸濁させた。この懸濁液をマイカ製試料台に薄く延ばし、50℃で加熱乾燥させて観察用試料を作成した。観察用試料中のランダムに選んだ50本の繊維について原子間力顕微鏡(AFM)を用いて観察し、形状像の断面高さを繊維径として計測し、長さ加重平均繊維径を算出した。
<平均繊維長の測定>
平均繊維径の測定に用いた観察用試料について、原子間力顕微鏡像(3000nm×3000nm)を撮影した。繊維の重複や絡まりがなく、撮影範囲内に全長が独立して写っている繊維をランダムに200本選択し、繊維長を測定し、長さ加重平均繊維長を算出した。繊維長測定は、画像解析ソフトWinROOF(三谷商事)を用い、長さ100nm~2000nmの範囲で行った。
<アスペクト比>
以下の式を用いて算出した:
アスペクト比=平均繊維長(nm)/平均繊維径(nm)。
<繊維全体の本数に対する繊維径が1.6nm未満の繊維の本数の割合>
前述した平均繊維径の算出に用いた50本の繊維の繊維径の値を用いて、以下の式により算出した:
繊維径が1.6nm未満の繊維の割合(%)
={繊維径が1.6nm未満の繊維の本数(本)/50(本)}×100。
<粘度の測定>
固形分濃度が1.0質量%のカルボキシル化CNFの水分散体300gをガラスビーカー内に調製した。水分散体を25℃とし、JIS-Z-8803の方法に準じて、B型粘度計(東機産業社製)を用いて、回転数60rpmまたは6rpmで3分後の粘度を測定した。
<透明度の測定>
固形分濃度が1.0質量%のカルボキシル化CNFの水分散体を調製後、UV-VIS分光光度計 UV-1800(株式会社島津製作所製)を用い、光路長10mmの角型セルを用いて、660nm 光の透過率(%)を測定し、透明度とした。
<実施例2>
キャビテーション噴流装置に供するカルボキシル化セルロースの濃度を1.0質量%から2.5質量%に変更し、また、キャビテーション噴流装置による処理回数(パス数)を50回から100回に変更した以外は実施例1と同様にして、カルボキシル化CNF分散体を得た。実施例1と同様にして測定したカルボキシル化CNFの平均繊維径、平均繊維長、アスペクト比、繊維全体の本数に対する繊維径が1.6nm未満である繊維の本数の割合、粘度、及び透明度の結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1と同様にして得られた反応混合物(カルボキシル化セルロース)に水を加えて濃度を1.0質量%に調整し、超高圧ホモジナイザー(20℃、140Mpa)で50パス処理して、カルボキシル化CNF分散体を得た。実施例1と同様にして測定したカルボキシル化CNFの平均繊維径、平均繊維長、アスペクト比、繊維全体の本数に対する繊維径が1.6nm未満である繊維の本数の割合、粘度、及び透明度の結果を表1に示す。
<比較例2>
超高圧ホモジナイザーによるパス数を50回から3回に変更した以外は比較例1と同様にしてカルボキシル化CNF分散体を得た。結果を表1に示す。
<比較例3>
キャビテーション噴流装置の上流圧を7.2MPa、下流圧を0.3MPaに変更した以外は実施例1と同様にして、カルボキシル化CNF分散体を得た。実施例1と同様にして測定したカルボキシル化CNFの平均繊維径、平均繊維長、アスペクト比、繊維全体の本数に対する繊維径が1.6nm未満である繊維の本数の割合、粘度、及び透明度の結果を表1に示す。
<比較例4>
キャビテーション噴流装置に供するカルボキシル化セルロースの濃度を1.0質量%から2.5質量%に変更し、また、キャビテーション噴流装置による処理回数(パス数)を50回から100回に変更した以外は比較例3と同様にして、カルボキシル化CNF分散体を得た。実施例1と同様にして測定したカルボキシル化CNFの平均繊維径、平均繊維長、アスペクト比、繊維全体の本数に対する繊維径が1.6nm未満である繊維の本数の割合、粘度、及び透明度の結果を表1に示す。
表1の結果より、実施例のカルボキシル化CNFは、比較例のものに比べて、平均繊維径が小さく、繊維全体の本数に対する繊維径が1.6nm未満の繊維の割合が大きいことがわかる。また、実施例のCNFは、繊維径が非常に小さいにもかかわらず、比較的高いアスペクト比を維持していることがわかる。
また、繊維全体の本数に対する繊維径が1.6nm未満の繊維の割合が30%以上であるCNFは、比較例1~4の結果より、高圧ホモジナイザーでは製造することができず、また、解繊圧(上流圧)が7MPa程度のキャビテーション噴流装置でも製造することができないことがわかる。解繊装置としてキャビテーション噴流装置を用い、かつ、処理圧と処理回数とを適切に調整することにより、本発明の範囲を満たすCNFを製造することができる。

Claims (3)

  1. 繊維径が1.6nm未満である繊維の本数が、繊維全体の30%以上であるセルロースナノファイバー。
  2. アスペクト比が300以上である、請求項1に記載のセルロースナノファイバー。
  3. 前記繊維がアニオン変性セルロースである、請求項1または2に記載のセルロースナノファイバー。
JP2022181876A 2022-02-02 2022-11-14 セルロースナノファイバー Pending JP2023113115A (ja)

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