JP2023112882A - 医療デバイスおよびシャント形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼灼する生体組織に凹凸があっても、エネルギー伝達要素を生体組織に効果的に密着させて適切に焼灼できる医療デバイスおよびシャント形成方法を提供する。【解決手段】医療デバイス10は、拡張体21と、拡張体21の基端が固定されたシャフト部31と、拡張体21に沿って設けられる複数のエネルギー伝達要素22と、を備え、拡張体21は、径方向内側に窪んだ凹部55を有し、凹部55は、生体組織を受容可能な受容空間74を画成するように、先端側起立部72と、基端側起立部73と、底部71と、を有し、複数のエネルギー伝達要素22は、拡張体21から受ける力によって変形可能な柔軟性を有し、受容空間74に面するように基端側起立部73に沿って配置され、複数のエネルギー伝達要素22の各々の少なくとも一部は、拡張時に受容空間74に向かう面が凸状の曲面形状となる凸面部100を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、生体内に挿入されて生体組織を焼灼するエネルギー伝達要素が配置された拡張体を備えた医療デバイスおよびシャント形成方法に関する。
心臓疾患の一つとして、慢性心不全が知られている。慢性心不全は、心機能の指標に基づいて収縮不全と拡張不全に大別される。拡張不全に罹患した患者は、心筋が肥大化してスティッフネス(硬さ)が増すことで、左心房の血圧が高まり、心臓のポンプ機能が低下する。これにより、患者は、肺水腫などの心不全症状を呈することとなる。また、肺高血圧症等により右心房側の血圧が高まり、心臓のポンプ機能が低下することで心不全症状を呈するような心臓疾患もある。
近年、これらの心不全患者に対し、上昇した心房圧の逃げ道となるシャント(貫通孔)を心房中隔に形成し、心不全症状の緩和を可能にするシャント治療が注目されている。シャント治療は、経静脈アプローチで心房中隔にアクセスし、所望のサイズの貫通孔を形成する。このような心房中隔に対するシャント治療を行うための医療デバイスとして、例えば特許文献1に挙げるものがある。
国際公開第2019/085841号
特許文献1に記載の医療デバイスは、生体内に挿入されて拡張可能な拡張体に、部分的に小さい拡張径を有するくびれ部が形成されており、このくびれ部の底の近辺に、凹形状の電極が配置されている。
平面形状や凹形状の電極により、凹部のある心房中隔を把持しようとすると、電極が心房中隔の窪み部に隣接する突出部に引っかかり、電極が窪み部に十分に接触できずに露出した状態となりやすい。この状態で高周波を印加しても、電極が心房中隔に十分に接触していないため、心房中隔を十分に焼灼できず、シャント形状を維持することが困難である。また、電極の心房中隔に接触しない部位は血液に接触するため、電極の表面に血栓が形成されやすい。これにより、電極の表面の血栓が血流によって流されて、末梢血管を閉塞する恐れがある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、焼灼する生体組織に窪み部があっても、エネルギー伝達要素を生体組織に効果的に密着させて適切に焼灼できる医療デバイスおよびシャント形成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る医療デバイスは、径方向に拡縮可能な拡張体と、前記拡張体の基端が固定された先端部を有する長尺なシャフト部と、前記拡張体に沿って設けられる複数のエネルギー伝達要素と、を備え、前記拡張体は、径方向内側に窪んだ凹部を有し、前記凹部は、前記拡張体の拡張時に生体組織を受容可能な受容空間を画成するように、先端側起立部と、基端側起立部と、前記先端側起立部と前記基端側起立部との間に配置された径方向の最も内側に位置する底部と、を有し、前記複数のエネルギー伝達要素は、前記拡張体から受ける力によって変形可能な柔軟性を有し、前記受容空間に面するように前記先端側起立部または前記基端側起立部のいずれか一方に沿って配置され、前記複数のエネルギー伝達要素の各々の少なくとも一部は、前記拡張時に前記受容空間に向かう面が凸状の曲面形状となる凸面部を有する。
上記目的を達成する本発明に係るシャント形成方法は、径方向に拡縮可能な拡張体と、前記拡張体の基端が固定された先端部を有する長尺なシャフト部と、前記拡張体に沿って設けられる複数のエネルギー伝達要素と、を備え、前記拡張体は、径方向内側に窪んだ凹部を有し、前記凹部は、前記拡張体の拡張時に生体組織を受容可能な受容空間を画成するように、先端側起立部と、基端側起立部と、前記先端側起立部と前記基端側起立部との間に配置された径方向の最も内側に位置する底部と、を有し、前記複数のエネルギー伝達要素は、前記拡張体から受ける力によって変形可能な柔軟性を有し、前記受容空間に面するように前記先端側起立部または前記基端側起立部のいずれか一方に沿って配置され、前記複数のエネルギー伝達要素の各々の少なくとも一部は、前記拡張時に前記受容空間に向かう面が凸状の曲面形状となる凸面部を有する医療デバイスを用いて卵円窩に右心房と左心房を連通するシャントを形成するシャント形成方法であって、前記医療デバイスを下大静脈から前記右房内に挿入し、前記卵円窩に形成した孔に収縮した前記拡張体を挿入し、前記孔内で前記拡張体を拡張させて、前記凹部により画成される受容空間に、前記孔を取り囲む生体組織を配置し、前記エネルギー伝達要素と前記対向部とが互いに近づくように前記拡張体を変形させつつ、前記凸面部を有する柔軟な前記エネルギー伝達要素を変形させて当該エネルギー伝達要素を前記生体組織に密着させ、前記孔の自然治癒による閉塞を阻害するように、前記生体組織に密着した前記エネルギー伝達要素を用いて前記受容空間に配置された前記生体組織を焼灼する。
上記のように構成した医療デバイスおよびシャント形成方法は、焼灼する生体組織の穿刺する位置の近傍に窪み部があっても、エネルギー伝達要素の凸面部を窪み部の形状に対応させて生体組織に接触させることができるため、エネルギー伝達要素および/または拡張体が生体組織の窪み部に隣接する突出部に干渉しにくくなる。このため、エネルギー伝達要素の生体組織に接触できない範囲の発生を抑制でき、エネルギー伝達要素を生体組織に効果的に密着させて生体組織を適切に焼灼できる。
前記拡張体は、前記先端側起立部または前記基端側起立部のいずれか一方に、前記複数のエネルギー伝達要素が配置されるエネルギー伝達要素配置面が形成されたエネルギー伝達要素配置部を有し、前記エネルギー伝達要素配置面の少なくとも一部は、前記拡張時に前記受容空間に向かって凸状の曲面形状となってもよい。これにより、エネルギー伝達要素配置部をエネルギー伝達要素と共に変形させつつ、エネルギー伝達要素配置部によってエネルギー伝達要素を生体組織に効果的に密着させることができる。
前記拡張体は、前記複数のエネルギー伝達要素を変形可能に支持し、前記複数のエネルギー伝達要素から独立して変形可能な電極支持部を有してもよい。これにより、拡張体のエネルギー伝達要素が配置される部位をエネルギー伝達要素と共に変形させる必要がないため、エネルギー伝達要素の柔軟性を高めて、エネルギー伝達要素を生体組織に効果的に密着させることができる。
前記拡張体は、前記先端側起立部または前記基端側起立部のいずれか一方に、前記複数のエネルギー伝達要素が配置されるエネルギー伝達要素配置面が形成されたエネルギー伝達要素配置部を有し、前記エネルギー伝達要素配置部は、前記拡張体の当該エネルギー伝達要素配置部に近接する部位よりも剛性が低い脆弱部を有してもよい。これにより、エネルギー伝達要素配置部に支持されるエネルギー伝達要素が曲がりやすくなるため、エネルギー伝達要素を生体組織に効果的に密着させることができる。
前記脆弱部は、前記凹部の径方向の最も内側に位置する底部へ向かって剛性が徐々に低下してもよい。これにより、拡張体を挿入する孔に近いほど薄くなる生体組織の各々の位置を、孔に近いほど剛性が低下する拡張体により、適切な力で挟持できる。このため、生体組織の薄く傷つきやすい部位は、剛性の低い脆弱部で保持されたエネルギー伝達要素により保持される。したがって、生体組織の損傷を抑制して安全性を向上でき、かつエネルギー伝達要素を生体組織に適切に密着させて生体組織を適切に焼灼できる。
前記拡張体は、前記先端側起立部または前記基端側起立部のいずれか一方に、前記複数のエネルギー伝達要素が配置されるエネルギー伝達要素配置部と、前記先端側起立部または前記基端側起立部の他方に、前記拡張時に前記複数のエネルギー伝達要素と対向する対向部と、を有し、前記拡張体は、前記エネルギー伝達要素配置部が設けられた前記先端側起立部または前記基端側起立部の径方向外端部に、径方向外向きの凸状に湾曲した第1頂部と、前記対向部が設けられた前記先端側起立部または前記基端側起立部の径方向外端部に、径方向外向きの凸状に湾曲した第2頂部と、を有し、前記拡張時において、前記拡張体の軸心を中心とする前記第1頂部の外径は、前記第2頂部の外径よりも小さくてもよい。これにより、生体組織の穿刺位置の近傍の窪み部に隣接する突出部に、エネルギー伝達要素の第1頂部に近い部位および/または拡張体の第1頂部に近い部位が干渉しにくくなる。このため、外径の大きい第2頂部側の対向部により生体組織を保持しつつ、エネルギー伝達要素を生体組織に効果的に密着させて、エネルギー伝達要素の生体組織に接触できない範囲の発生を抑制できる。このため、エネルギー伝達要素を生体組織に効果的に密着させて生体組織を適切に焼灼できる。また、エネルギー伝達要素の血液に接触する範囲が小さくなるため、血栓の発生を抑制でき、安全性を向上できる。
前記拡張体は、前記先端側起立部または前記基端側起立部のいずれか一方に、前記複数のエネルギー伝達要素が配置されるエネルギー伝達要素配置部と、前記先端側起立部または前記基端側起立部の他方に、前記拡張時に前記複数のエネルギー伝達要素と対向する対向部と、を有し、前記拡張時の前記拡張体は、前記エネルギー伝達要素配置部が設けられた前記先端側起立部または前記基端側起立部の径方向外端部に、径方向外向きの凸状に湾曲した第1頂部と、前記底部よりも前記対向部が設けられた前記先端側起立部または前記基端側起立部の径方向外端部に、径方向外向きの凸状に湾曲した第2頂部と、を有し、前記エネルギー伝達要素配置部は、前記第1頂部を含む範囲に配置されてもよい。これにより、拡張体の凸状に湾曲した第1頂部の形状を利用して、エネルギー伝達要素の凸状の凸面部を拡張体に効率よく配置できる。
前記拡張時における前記凸面部の少なくとも1つの曲率半径は、他の前記凸面部の曲率半径と異なってもよい。これにより、生体組織の面に垂直な方向に対して拡張体の軸心が傾いても、各々のエネルギー伝達要素が接触する生体組織の各々の位置に対して、各々のエネルギー伝達要素を適切に接触させることができる。
前記拡張時における前記エネルギー伝達要素は、前記凸面部よりも前記凹部の径方向の内側に配置されて前記受容空間に向かう面が凹状の曲面形状となる凹面部を有してもよい。これにより、エネルギー伝達要素の凹面部は、生体組織の孔の縁に密着できる。このため、エネルギー伝達要素の凸面部および凹面部の両方を含む広い範囲を生体組織に密着させて、生体組織を適切に焼灼できる。
本実施形態に係る医療デバイスの全体構成を表す側面図である。 医療デバイスの先端部を示す側面図である。 エネルギー伝達要素配置部およびエネルギー伝達要素を示す斜視図である。 心房中隔の貫通孔に拡張体を配置した状態を模式的に示す概略図である。 バルーンを心房中隔に挿入した状態を示す断面図である。 医療デバイスの先端部を心房中隔に挿入した状態を示す断面図である。 拡張体を心房中隔に配置した状態を示す断面図である。 拡張体の凹部に配置される複数のエネルギー伝達要素を生体組織に密着させた状態を示す断面図である。 エネルギー伝達要素を介して拡張体のエネルギー伝達要素配置部と背当て部との間に組織を把持した状態を、一部を透過して示す斜視図である。 シャント形成方法を説明するためのフローチャートである。 医療デバイスの変形例の拡張体を示す斜視図であり、(A)は第1変形例、(B)は第2変形例、(C)は第3変形例、(D)は第4変形例を示す。 医療デバイスの変形例の拡張体を示す斜視図であり、(A)は第5変形例、(B)は第6変形例、(C)は第7変形例、(D)は第8変形例を示す。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。また、本明細書では、医療デバイスの生体内腔に挿入する側を「先端側」、操作する側を「基端側」と称することとする。
本実施形態に係る医療デバイス10は、図4に示すように、患者の心臓Hの生体組織である心房中隔HAに形成されてバルーンにより拡張された貫通孔Hhを、その大きさに維持する維持処置を行うことができるように構成されている。
図1~3に示すように、本実施形態に係る医療デバイス10は、基端から先端へ延在する長尺部20と、長尺部20の先端部に設けられる拡張体21と、長尺部20の基端部に接続される操作部23とを有している。拡張体21には、前述の維持処置を行うための複数のエネルギー伝達要素22が配置される。
長尺部20は、先端部に拡張体21を保持しているシャフト部31と、シャフト部31を収納する外筒30と、牽引シャフト33と、牽引シャフト33の先端に固定される牽引部35とを有している。
シャフト部31は、操作部23から拡張体21まで延在する長尺な管体である。シャフト部31の基端部は、操作部23の先端部に固定されている。シャフト部31の先端部は、拡張体21の基端部に固定されている。
外筒30は、シャフト部31を覆う長尺な管体であり、シャフト部31に対して軸方向(長尺部20の軸心の方向)に進退移動可能である。外筒30は、長尺部20の先端側に移動した状態で、その内部に、径方向へ収縮させた拡張体21を収納することができる。なお、径方向とは、シャフト部31の軸心と直交する方向である。術者は、拡張体21を収納した状態から、外筒30を基端側に移動させることで、拡張体21を外筒30から露出させて径方向へ拡張させることができる。
牽引シャフト33は、シャフト部31の内部に配置される長尺な管体であり、シャフト部31に対して軸方向に進退移動可能である。牽引シャフト33は、シャフト部31の先端から先端側に突出するとともに、拡張体21の先端から先端側に突出している。牽引シャフト33の拡張体21よりも先端側に位置する先端部は、牽引部35に固定されている。牽引シャフト33の基端部は、操作部23より基端側に導出されている。牽引シャフト33の内部には、軸方向に沿ってガイドワイヤルーメンが形成されており、ガイドワイヤ11(図4~6を参照)を挿通させることができる。
牽引部35は、牽引シャフト33の先端部の外周面に固定される環状の部材であり、牽引シャフト33の外周面から径方向の外側へ突出している。牽引部35は、拡張体21には固定されていない。牽引部35の外径は、拡張体21の先端部の内径よりも大きい。このため、牽引部35は、拡張体21の先端部に先端側から当接し、拡張体21を基端方向へ牽引して、シャフト部31の軸方向に沿って圧縮する圧縮力を拡張体21に作用させることができる。
操作部23は、術者が把持するハウジング40と、術者が回転操作可能なダイヤル41と、ダイヤル41の回転を軸方向の移動に変換する変換機構42とを有している。ダイヤル41は、ハウジング40に対して回転可能に連結されている。ダイヤル41の一部は、術者が操作できるように、ハウジング40の開口から外部へ露出されている。牽引シャフト33は、操作部23の内部において、変換機構42に保持されている。変換機構42は、ダイヤル41の回転に伴い、保持する牽引シャフト33を軸方向に沿って進退移動させることができる。変換機構42としては、例えばラックピニオン機構を用いることができる。
拡張体21は、拡張体21の先端に配置される受力部51と、拡張体21の基端に配置される基端連結部52と、受力部51に連結される第2拡張部53と、基端連結部52に連結される第1拡張部54と、第2拡張部53および第1拡張部54の間に配置される凹部55とを有している。
受力部51は、環状であり、先端側に配置される牽引部35から基端方向へ向かう力を受けることができる。基端連結部52は、環状であり、シャフト部31の先端部に固定されている。
第2拡張部53は、柔軟に変形可能である。第2拡張部53は、受力部51から基端方向に向かって径方向外側に延びる先端側拡張部56と、先端側拡張部56の基端側に配置され径方向外向きの凸状に湾曲した先端側頂部57(第2頂部)とを有している。先端側頂部57は、先端側起立部72の径方向へ最も外側の頂点を含むある程度の範囲に形成される。
第2拡張部53は、受力部51から基端方向に向かって径方向外側に延び、先端側拡張部56を形成する複数の先端側ストラット構造60を有する。複数の先端側ストラット構造60は、ほぼ等間隔で、拡張時の拡張体21の周方向に並んでいる。
複数の先端側ストラット構造60はそれぞれ、受力部51から基端方向に向かって延びる第1ストラット61と、第1ストラット61の基端から基端方向に向かって延びて先端側頂部57に連結される第2ストラット62とを有する。
それぞれの第1ストラット61は、径方向の外側から見て拡張体21の軸心に略平行に受力部51から延びる。それぞれの第2ストラット62は、それぞれの第1ストラット61の基端から基端方向へ向かいつつ拡張体21の周方向へ広がるように二股に分岐し、第1合流部65または第2合流部66で合流している。第1合流部65および第2合流部66は、ほぼ等間隔で、拡張時の拡張体21の周方向に交互に並んでいる。
それぞれの第1合流部65は、拡張体21の周方向においてエネルギー伝達要素22と同一位相に配置された先端側頂部57に連結される。それぞれの第2合流部66は、エネルギー伝達要素22に対して拡張体21の周方向において異なる位相に配置された先端側頂部57に連結される。
第1拡張部54は、柔軟に変形可能である。第1拡張部54は、基端連結部52から先端方向に向かって径方向外側に延びる基端側拡張部58と、基端側拡張部58の先端側に配置され径方向外向きの凸状に湾曲した基端側頂部59(第1頂部)とを有している。基端側頂部59は、基端側起立部73の径方向へ最も外側の頂点を含むある程度の範囲に形成される。拡張体の拡張時において、拡張体21の軸心を中心とする基端側頂部59(第1頂部)の外径は、先端側頂部57(第2頂部)の外径よりも小さい。なお、拡張体21の拡張時において、拡張体21の軸心を中心とする基端側頂部59の外径は、先端側頂部57の外径と同程度であってもよく、先端側頂部57の外径より小さくてもよい。
基端側拡張部58は、複数の基端側ストラット構造90を有する。それぞれの基端側ストラット構造90は、複数のエネルギー伝達要素配置部81と、拡張体21の周方向において同一位相に配置される。複数の基端側ストラット構造90はそれぞれ、径方向の外側から見て拡張体21の軸心に略平行に、シャフト部31の先端部から基端側頂部59まで延びる複数の第3ストラット91と、周方向に隣接する第3ストラット91同士を連結する複数の副ストラット92とを有する。それぞれの副ストラット92は、周方向に隣接する2つの第3ストラット91の各々に接続されている。それぞれの副ストラット92は、曲がっている。したがって、拡張体21が拡張する際に隣接する2つの第3ストラット91の距離が長くなっても、副ストラット92が直線に近い形状に変形しつつ2つの第3ストラット91を支持し続けることができる。このため、拡張体21は、牽引シャフト33により付与させる圧縮力により、第3ストラット91を略等間隔で広げつつ拡張することができる。また、それぞれの副ストラット92は、拡張体の先端に向かって頂点を有するV字状に湾曲していることにより、周方向に隣接する2つの第3ストラット91同士を周方向に離間させる弾性力を有する。
凹部55は、柔軟に変形可能である。凹部55は、拡張体21の拡張時において、径方向内側に窪み、基端側頂部59と先端側頂部57とを連結するように延びている。凹部55は、拡張体21の拡張時に生体組織を受容可能な受容空間74を画成する。すなわち、受容空間74は、拡張体21が生体組織を挟んだ状態(図8を参照)において、基端側頂部59および先端側頂部57の径方向外側の面に接する仮想面Mと、凹部55の径方向外側の面との間に挟まれる空間である。
凹部55は、径方向の最も内側に位置する底部71と、底部71の先端から先端側頂部57まで径方向外側に延びる先端側起立部72と、底部71の基端から基端側頂部59まで径方向外側に延びる基端側起立部73と有している。
基端側起立部73と先端側起立部72の間の間隔は、拡張体21の拡張時において、径方向の内側よりも外側において軸方向に多少大きく開いていることが好ましい。これにより、基端側起立部73と先端側起立部72の間に、径方向の外側から生体組織を配置することが容易である。
凹部55は、周方向に並ぶ複数の凹型ストラット構造80を有する。複数の凹型ストラット構造80はそれぞれ、基端側起立部73に配置されるエネルギー伝達要素配置部81と、先端側起立部72に配置される対向部82を有するとともに、底部71に、対をなすエネルギー伝達要素配置部81および対向部82を連結する底部連結部83を有する。
複数のエネルギー伝達要素配置部81は、拡張体21の周方向に略等間隔に配置される。それぞれのエネルギー伝達要素配置部81の凹部55の内側を形成するエネルギー伝達要素配置面86に、エネルギー伝達要素22が配置される。
エネルギー伝達要素配置部81の少なくとも一部は、柔軟であり、拡張時に受容空間74に向かって凸状の曲面形状となる配置用凸面部87を有する。配置用凸面部87は、エネルギー伝達要素配置部81の基端側頂部59(第1頂部)に近接する側に配置される。エネルギー伝達要素配置部81の底部連結部83に近接する側は、拡張時に平面形状となる。配置用凸面部87は、拡張体21の拡張時に、第1拡張部54の最も径方向の外側に位置する基端側頂部59を含む範囲に形成される。なお、配置用凸面部87は、拡張体の拡張時に、基端側頂部59よりも先端側(底部71に近い側)に配置されて、基端側頂部59を含まなくてもよい。
なお、配置用凸面部87は、エネルギー伝達要素配置部81のエネルギー伝達要素配置部81の全体に配置されてもよい。すなわち、エネルギー伝達要素配置部81は、拡張時に平面形状となる部位を備えなくてもよい。
それぞれの対向部82は、拡張体21の拡張時にエネルギー伝達要素22のそれぞれと対向する。それぞれの対向部82は、底部連結部83のそれぞれの先端から拡張体21の周方向に略沿うように、先端方向へ向かって広がりつつ二股に分岐した複数の先端側起立ストラット84と、複数の背当て部85とを有する。複数の背当て部85は、底部連結部83のそれぞれから分岐する2つの先端側起立ストラット84を連結している。複数の背当て部85は、底部71に近い側から、先端側頂部57に近い側へ並んで配置される。それぞれの背当て部85は、2つの先端側起立ストラット84に連結される両端の間の部位が、先端側頂部57へ向かって突出するように湾曲している。それぞれの背当て部85は、先端側起立ストラット84に連結された両端を支点として、先端側頂部57に近い側が撓みやすい。このため、背当て部85は、基端側起立部73に配置されるエネルギー伝達要素22から受ける先端側へ向かう力によって撓むことができる。このため、エネルギー伝達要素22と背当て部85の間に挟まれる生体組織を、エネルギー伝達要素22に密着させることができる。それぞれの対向部82を形成する複数の背当て部85のうちの最も先端側頂部57に近い背当て部85は、先端側頂部57へ向かって突出している部位において、先端側頂部57に連結される。なお、それぞれの対向部82を形成する背当て部85の数は、特に限定されない。
エネルギー伝達要素22は、エネルギー伝達要素配置部81のエネルギー伝達要素配置面86に密着して固定・配置される。エネルギー伝達要素22は、エネルギー伝達要素配置面86の面形状に対応した形状を有している。したがって、エネルギー伝達要素22の少なくとも一部は、拡張時に受容空間74に向かう面に、凸状の曲面形状となる凸面部100を有する。凸面部100は、エネルギー伝達要素22の基端側頂部59(第1頂部)に近接する側に配置される。エネルギー伝達要素22の底部71に近接する側は、拡張時に平面形状となる平面部101を有する。凸面部100は、拡張体21の拡張時に、第1拡張部54の最も径方向の外側に位置する基端側頂部59を含む範囲に形成される。なお、凸面部100は、拡張体21の拡張時に、基端側頂部59よりも先端側(底部71に近い側)にのみ配置されて、基端側頂部59に配置されなくてもよい。また、エネルギー伝達要素22は、平面部101を有さず、凸面部100が、拡張体21の拡張時に、基端側頂部59から底部71の近傍にかけて配置されてもよい。
なお、拡張体21の拡張時におけるエネルギー伝達要素22の全体が、凸面部100であってもよい。すなわち、凸面部100は、エネルギー伝達要素22の基端側頂部59に近接する側の端部から底部71に近接する側の端部までの全体に配置されてもよい。
エネルギー伝達要素22は、拡張体21の拡張時において、基端側起立部73の先端側に向かう面に配置される。エネルギー伝達要素22は、基端側起立部73に設けられているので、凹部55が心房中隔HAを挟持する際、エネルギー伝達要素22からのエネルギーは、心房中隔HAに対して右心房側から伝達される。なお、エネルギー伝達要素22が先端側起立部72に設けられる場合、エネルギー伝達要素22からのエネルギーは、心房中隔HAに対して左心房側から伝達される。
エネルギー伝達要素22は、例えば、外部装置であるエネルギー供給装置(図示しない)から電気エネルギーを受けるバイポーラ電極で構成される。この場合、各エネルギー伝達要素配置部81に配置されたエネルギー伝達要素22間で通電がなされる。エネルギー伝達要素22とエネルギー供給装置とは、絶縁性被覆材で被覆された導線(図示しない)により接続される。導線は、長尺部20及び操作部23を介して外部に導出され、エネルギー供給装置に接続される。
エネルギー伝達要素22は、他にも、モノポーラ電極として構成されていてもよい。この場合、体外に用意される対極板との間で通電がなされる。また、エネルギー伝達要素22は、エネルギー供給装置から高周波の電気エネルギーを受給して発熱する発熱素子(電極チップ)でもよい。この場合、各線材部に配置されたエネルギー伝達要素22間で通電がなされる。さらに、エネルギー伝達要素22は、マイクロ波エネルギー、超音波エネルギー、レーザー等のコヒーレント光、加熱した流体、冷却された流体、化学的な媒体により加熱や冷却作用を及ぼすもの、摩擦熱を生じさせるもの、電線等を備えるヒーター等のように、貫通孔Hhに対してエネルギーを付与可能な要素により構成することができ、具体的な形態は特に限定されない。
本実施形態では、基端側起立部73にエネルギー伝達要素22を、先端側起立部72に背当て部85を、それぞれ設けているが、先端側起立部72にエネルギー伝達要素22を、基端側起立部73に背当て部85を、それぞれ設けてもよい。この場合、先端側頂部57が、エネルギー伝達要素配置部81が設けられる側で径方向外向きの凸状に湾曲した第1頂部となり、基端側頂部59が、対向部82が設けられる側で径方向外向きの凸状に湾曲した第2頂部となる。
拡張体21は、例えば、円筒から切り出して一体的に形成される。拡張体21を形成するストラットは、例えば、第3ストラット91において、厚み50~500μm、幅0.3~2.0mmとすることができる。ただし、拡張体21を形成するストラットは、この範囲外の寸法を有していてもよい。また、ストラットの形状は、特に限定されず、例えば円形の断面形状や、それ以外の断面形状を有してもよい。
拡張体21は、金属材料で形成することができる。この金属材料としては、例えば、チタン系(Ti-Ni、Ti-Pd、Ti-Nb-Sn等)の合金、銅系の合金、ステンレス鋼、βチタン鋼、Co-Cr合金を用いることができる。なお、ニッケルチタン合金等のバネ性を有する合金等を用いるとよりよい。ただし、線材部の材料はこれらに限られず、その他の材料で形成してもよい。
長尺部20の外筒30およびシャフト部31は、ある程度の可撓性を有する材料により形成されるのが好ましい。そのような材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物等のポリオレフィンや、軟質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリイミド、PEEK、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が挙げられる。
牽引シャフト33および牽引部35は、例えば、ニッケル-チタン合金、銅-亜鉛合金等の超弾性合金、ステンレス鋼等の金属材料、比較的剛性の高い樹脂材料などの長尺状の線材で形成することができる。また、上記にポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレン共重合体、フッ素樹脂などの樹脂材料を被覆したもので形成してもよい。
次に、本実施形態に係る医療デバイス10を使用したシャント形成方法について、図10に示すフローチャートを参照しつつ説明する。本シャント形成方法は、心不全(左心不全)に罹患した患者に対して行われる。より具体的には、図4に示すように、心臓Hの左心室の心筋が肥大化してスティッフネス(硬さ)が増すことで、左心房HLaの血圧が高まる慢性心不全に罹患した患者に対して行われる処置の方法である。
本実施形態のシャント形成方法は、心房中隔HAに貫通孔Hhを形成するステップ(S1)と、貫通孔Hhに拡張体21を配置するステップ(S2)と、受容空間74に生体組織を受容するステップ(S3)と、貫通孔Hh付近における血行動態を確認するステップ(S4)と、拡張体21によって貫通孔Hhの径を拡張させるステップ(S5)と、貫通孔Hhの大きさを維持するための維持処置を行うステップ(S6)と、維持処置が施された後の貫通孔Hh付近における血行動態を確認するステップ(S7)と、を有している。
術者は、貫通孔Hhの形成に際し、ガイディングシース及びダイレータが組み合わされたイントロデューサを心房中隔HA付近まで送達する。イントロデューサは、例えば、下大静脈Ivを介して右心房HRaに送達することができる。また、イントロデューサの送達は、ガイドワイヤ11を使用して行うことができる。術者は、ダイレータにガイドワイヤ11を挿通し、ガイドワイヤ11に沿わせて、イントロデューサを送達させることができる。なお、生体に対するイントロデューサの挿入、ガイドワイヤ11の挿入等は、血管導入用のイントロデューサを用いるなど、公知の方法で行うことができる。
S1のステップにおいて、術者は、右心房HRa側から左心房HLa側に向かって、穿刺デバイス(図示しない)を貫通させ、貫通孔Hhを心房中隔HAの卵円窩に形成する。穿刺デバイスとしては、例えば、先端が尖ったワイヤ等のデバイスを使用することができる。穿刺デバイスは、ダイレータに挿通させて心房中隔HAまで送達する。穿刺デバイスは、ダイレータからガイドワイヤ11を抜去した後、ガイドワイヤ11に代えて心房中隔HAまで送達することができる。
次に、術者は、予め挿入されたガイドワイヤ11に沿って、バルーンカテーテル150を心房中隔HA付近に送達する。図5に示すように、バルーンカテーテル150は、シャフト部151の先端部にバルーン152を有している。バルーン152を心房中隔HAに配置したら、径方向に拡張させ、貫通孔Hhを押し広げる。
S2のステップにおいては、図6に示すように、予め挿入されたガイドワイヤ11に沿って、医療デバイス10を心房中隔HA付近に送達する。このとき、医療デバイス10の先端部は、心房中隔HAを貫通して、左心房HLaに達するようにする。また、医療デバイス10の挿入の際、拡張体21は、外筒30に収納された状態となっている。なお、医療デバイス10としては、外筒30がないデバイスとしてもよい。この場合、外筒30に相当するシースを別途準備し、S2のステップにおいて、シースの先端部が心房中隔HAの貫通孔Hhを介して左心房HLaに達するように、予めシースをガイドワイヤ11に沿って心房中隔HA付近に送達する。次いで、シースの基端からシース内に医療デバイス10の拡張体21を挿入し、図6と同様に、拡張体21の先端部を心房中隔HAの貫通孔Hhを介して左心房HLaに送達する。
次に、S3のステップにおいて、外筒30を基端側に移動させることにより、拡張体21を露出させる。これにより、図7に示すように、拡張体21は自己拡張力により拡径し、凹部55は心房中隔HAの貫通孔Hhに配置されて、受容空間74に貫通孔Hhを取り囲む生体組織を受容する。この時、凹部55の底部71が生体組織から径方向内側に向かう力を受けた場合でも、それぞれの副ストラット92は、周方向に隣接する2つの第3ストラット91同士を離間させる弾性力を有するため、自己拡張力で拡径した拡張体21が収縮し難くなる。なお、S1のステップにおいて、バルーン252で貫通孔Hhを押し広げた際に、貫通孔Hhが径方向へ均等に押し広げられずにスリット形状になることがある。この場合、拡張体21を拡径して貫通孔Hhを取り囲む生体組織を受容空間74に受容する際、拡張体21が貫通孔Hhをスリットが延びる方向とは異なる方向に拡張する形になる。
貫通孔Hhを取り囲む生体組織を受容空間74に受容したら、S4のステップにおいて血行動態の確認を行う。術者は、図4に示すように、下大静脈Iv経由で右心房HRaに対し、血行動態確認用デバイス200を送達する。血行動態確認用デバイス200としては、例えば、公知のエコーカテーテルを使用することができる。術者は、血行動態確認用デバイス200で取得されたエコー画像を、ディスプレイ等の表示装置に表示させ、その表示結果に基づいて貫通孔Hhを通る血液量を確認することができる。このとき、貫通孔Hhを通る血液量が所望の量に達していない場合、術者は、外筒30を先端側に移動させて拡張体21を外筒30内に収納した上で、外筒30ごと拡張体21を貫通孔Hhから抜去する。次に、S1のステップで用いたバルーン252よりも拡張径の大きなバルーンを有するバルーンカテーテルを用いて、貫通孔Hhを再度押し広げ、S2のステップに戻る。
S5のステップにおいて、術者は、心房中隔HAが凹部55の受容空間74に受容された状態で操作部23を操作し、牽引シャフト33を基端側に移動させ、図8に示すように拡張体21の凹部55で生体組織を挟む。このとき、貫通孔Hhを取り囲む生体組織が、エネルギー伝達要素22と、対向部82との間に挟持されて、良好に保持される。
ところで、心房中隔HA(生体組織)の厚みは、位置により異なる。通常、心房中隔HAの厚みは、卵円孔の近傍で薄く、その周囲で厚く形成される。このため、心房中隔HAは、通常、右心房HRa側の面に、卵円孔に近接する窪み部Rが形成され、その周囲に必然的に突出部Pが形成される。心房中隔HAの窪み部Rおよび突出部Pは、左心房HLa側の面に形成されることもある。
このため、エネルギー伝達要素22が凸面部100を備えずに平面形状である場合、拡張体の基端側頂部59近傍が心房中隔HAの突出部Pに接触して干渉し、エネルギー伝達要素22の心房中隔HAに接触できない範囲が広くなる。
これに対し、本実施形態では、エネルギー伝達要素22が凸面部100を有するため、牽引シャフト33の牽引によって拡張体21に圧縮力が作用すると、凸面部100が心房中隔HAの窪み部Rに容易に入り込むことができる。これにより、拡張体21およびエネルギー伝達要素22の基端側頂部59近傍が、心房中隔HAの突出部Pに干渉しにくくなり、エネルギー伝達要素22の心房中隔HAに接触できない範囲が低減される。なお、例えば、先端側起立部72および基端側起立部73の間に挟持する心房中隔HAが薄い場合などには、エネルギー伝達要素22が配置される基端側起立部73がより急峻に起立して、最終的に凸面部100がほぼ平面状に変形することもあり得る。
次に、S6のステップにおいて、術者は、貫通孔Hhの大きさを維持するために維持処置を行う。維持処置では、エネルギー伝達要素22を通じて貫通孔Hhの縁部に高周波エネルギーを付与することにより、貫通孔Hhの縁部を高周波エネルギーによって焼灼(加熱焼灼)する。
エネルギー伝達要素22を通して貫通孔Hhの縁部付近の生体組織が焼灼されると、縁部付近には生体組織が変性した変性部が形成される。変性部における生体組織は弾性を失った状態となるため、貫通孔Hhは拡張体21により押し広げられた際の形状を維持できる。貫通孔Hhは、緩衝部を備える拡張体21により適切な大きさで保持されて焼灼させるため、適切な大きさで形状を維持される。
本実施形態では、図8に示すように、エネルギー伝達要素22が凸面部100を有するため、拡張体21の基端側頂部59近傍が心房中隔HAの突出部Pに干渉しにくくなり、エネルギー伝達要素22の心房中隔HAに接触できない範囲が低減されている。このため、エネルギー伝達要素22の血液に接触する範囲が小さくなり、心房中隔HAを適切に焼灼でき、かつ血栓の発生を抑制できる。
維持処置後には、S7のステップにおいて再度血行動態を確認し、貫通孔Hhを通る血液量が所望の量となっている場合、術者は、拡張体21を縮径させ、外筒30に収納した上で、貫通孔Hhから抜去する。さらに、医療デバイス10全体を生体外に抜去し、処置を終了する。
以上のように、本実施形態に係る医療デバイス10は、径方向に拡縮可能な拡張体21と、拡張体21の基端が固定された先端部を有する長尺なシャフト部31と、拡張体21に沿って設けられる複数のエネルギー伝達要素22と、を備え、拡張体21は、径方向内側に窪んだ凹部55を有し、凹部55は、拡張体21の拡張時に生体組織を受容可能な受容空間74を画成するように、先端側起立部72と、基端側起立部73と、前記先端側起立部72と前記基端側起立部73との間に配置された径方向の最も内側に位置する底部71と、を有し、複数のエネルギー伝達要素22は、拡張体21から受ける力によって変形可能な柔軟性を有し、受容空間74に面するように先端側起立部72または基端側起立部73のいずれか一方(本実施形態では基端側起立部73)に沿って配置され、複数のエネルギー伝達要素22の各々の少なくとも一部は、拡張時に受容空間74に向かう面が凸状の曲面形状となる凸面部100を有する。
上記のように構成した医療デバイス10は、焼灼する生体組織の穿刺する位置の近傍に窪み部Rがあっても、エネルギー伝達要素22の凸面部100を窪み部Rの形状に対応させて生体組織に接触させることができるため、エネルギー伝達要素22および/または拡張体22が生体組織の窪み部Rに隣接する突出部Pに干渉しにくくなる。このため、エネルギー伝達要素22の生体組織に接触できない範囲の発生を抑制でき、エネルギー伝達要素22を生体組織に効果的に密着させて生体組織を適切に焼灼できる。
また、拡張体21は、先端側起立部72または基端側起立部73のいずれか一方(本実施形態では基端側起立部73)に、複数のエネルギー伝達要素22が配置されるエネルギー伝達要素配置面86が形成されたエネルギー伝達要素配置部81を有し、エネルギー伝達要素配置面86の少なくとも一部は、拡張時に受容空間74に向かって凸状の曲面形状となる。これにより、エネルギー伝達要素配置部81をエネルギー伝達要素22と共に変形させつつ、エネルギー伝達要素配置部81によってエネルギー伝達要素22を生体組織に効果的に密着させることができる。
また、拡張体21は、先端側起立部72または基端側起立部73のいずれか一方(本実施形態では基端側起立部73)に、複数のエネルギー伝達要素22が配置されるエネルギー伝達要素配置部81と、先端側起立部72または基端側起立部73の他方(本実施形態では先端側起立部72)に、拡張時に複数のエネルギー伝達要素22と対向する対向部82と、を有し、拡張体21は、先端側起立部72または基端側起立部73(本実施形態では基端側起立部73)の径方向外端部に、径方向外向きの凸状に湾曲した基端側頂部59(第1頂部)と、先端側起立部72または基端側起立部73の径方向外端部(本実施形態では先端側起立部72)に、径方向外向きの凸状に湾曲した先端側頂部57(第2頂部)
と、を有し、拡張時において、拡張体21の軸心を中心とする基端側頂部59の外径は、先端側頂部57の外径よりも小さい。これにより、焼灼する生体組織の穿刺位置の近傍の窪み部Rに隣接する突出部Pに、エネルギー伝達要素22の基端側頂部59(第1頂部)に近い部位または拡張体21の基端側頂部59(第1頂部)に近い部位が干渉しにくくなる。このため、外形の大きい先端側頂部57側(第2頂部側)の対向部82により生体組織を保持しつつ、エネルギー伝達要素22を生体組織に効果的に密着させて、エネルギー伝達要素22の心房中隔HAに接触できない範囲の発生を抑制できる。このため、エネルギー伝達要素22の血液に接触する範囲が小さくなり、エネルギー伝達要素22を心房中隔HAに効果的に密着させて適切に焼灼でき、かつ血栓の発生を抑制できる。
拡張体21が組織を把持しないで拡張した際に、背当て部85の外縁を画成するストラット85Aは、開口部として機能する。そして、上述のように基端側頂部59の外径が先端側頂部57の外径よりも小さいために、組織を把持する際には、図9に示すように、ストラット85Aが形成する開口部に、エネルギー伝達要素配置部81が入り込むようになる。これにより、エネルギー伝達要素22を介してエネルギー伝達要素配置部81と背当て部85とで組織を把持した際に、エネルギー伝達要素配置部81と背当て部85との間に拡張体21の周方向に支持し合う力が作用し、拡張体21のねじれを抑制できる。
また、拡張体21は、先端側起立部72または基端側起立部73のいずれか一方(本実施形態では基端側起立部73)に、複数のエネルギー伝達要素22が配置されるエネルギー伝達要素配置部81と、先端側起立部72または基端側起立部73の他方(本実施形態では先端側起立部72)に、拡張時に複数のエネルギー伝達要素22と対向する対向部82と、を有し、拡張時の拡張体21は、エネルギー伝達要素配置部81が設けられた先端側起立部72または基端側起立部73(本実施形態では基端側起立部73)の径方向外端部に、径方向外向きの凸状に湾曲した基端側頂部59(第1頂部)と、対向部82が設けられた先端側起立部72または基端側起立部73(本実施形態では先端側起立部72)の径方向外端部に、径方向外向きの凸状に湾曲した先端側頂部57(第2頂部)と、を有し、エネルギー伝達要素配置部81は、基端側頂部59を含む範囲に配置される。これにより、拡張体21の凸状に湾曲した基端側頂部59の形状を利用して、エネルギー伝達要素22の凸状の凸面部100を拡張体21に効率よく配置できる。
また、本発明は、シャント形成方法をも提供する。シャント形成方法は、上述した医療デバイス10を下大静脈Ivから右心房HRa内に挿入し、卵円窩に形成した孔に収縮した拡張体21を挿入し、孔内で拡張体21を拡張させて、凹部55により画成される受容空間74に、孔を取り囲む生体組織を配置し、エネルギー伝達要素22と対向部82とが互いに近づくように拡張体21を変形させつつ、凸面部100を有する柔軟なエネルギー伝達要素22を変形させて当該ネルギー伝達要素を生体組織に密着させ、孔の自然治癒による閉塞を阻害するように、生体組織に密着したエネルギー伝達要素22を用いて受容空間74に配置された生体組織を焼灼する、シャント形成方法である。
上記のように構成したシャント形成方法は、焼灼する生体組織の穿刺する位置の近傍に窪み部Rおよび突出部Pがあっても、エネルギー伝達要素22が凸面部100を有するため、エネルギー伝達要素22またはエネルギー伝達要素22が配置される拡張体21が心房中隔HAの突出部Pに干渉しにくくなり、エネルギー伝達要素22の心房中隔HAに接触できない範囲を低減できる。このため、エネルギー伝達要素22の血液に接触する範囲が小さくなり、エネルギー伝達要素22を心房中隔HAに効果的に密着させて適切に焼灼でき、かつ血栓の発生を抑制できる。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。したがって、エネルギー伝達要素22が配置される位置は、第1拡張部または第2拡張部であれば、特に限定されない。
また、図11(A)に示す第1変形例のように、エネルギー伝達要素配置部81は、拡張体21のエネルギー伝達要素配置部81に近接する部位よりも剛性が低い脆弱部88を有してもよい。脆弱部88は、例えば、拡張体21のエネルギー伝達要素配置部81に近接する部位よりも薄く形成される。これにより、エネルギー伝達要素配置部81に支持されるエネルギー伝達要素22が曲がりやすくなるため、エネルギー伝達要素22を生体組織に効果的に密着させることができる。
なお、脆弱部88の形態は、特に限定されない。したがって、例えば図11(B)に示す第2変形例のように、脆弱部88は、拡張体21の径方向へ貫通する孔を有して形成されてもよい。
また、図11(C)に示す第3変形例のように、脆弱部88は、凹部55の径方向の最も内側に位置する底部71へ向かって剛性が徐々に低下してもよい。脆弱部88は、例えば、底部71へ向かって徐々に薄くなるように形成される。これにより、エネルギー伝達要素配置部81において、底部71の近傍が最も変形しやすくなる。このため、拡張体21を挿入する孔に近いほど薄くなる生体組織の各々の位置に、エネルギー伝達要素22を効果的に密着させることができる。
また、底部71へ向かって剛性が徐々に低下する脆弱部88は、図11(D)に示す第4変形例のように、貫通する孔の幅が、底部71へ向かって徐々に減少してもよい。
また、図12(A)に示す第5変形例のように、脆弱部88は、拡張体21の隣接する部位よりも柔軟な材料により形成されてもよい。
または、図12(B)に示す第6変形例のように、エネルギー伝達要素22は、拡張時に、受容空間74に向かって凸状の曲面形状となる凸面部100と、受容空間74に向かって凹状の曲面形状となる凹面部102を有してもよい。凸面部100は、エネルギー伝達要素22の基端側頂部59(第1頂部)に近接する側に配置され、凹面部102は、エネルギー伝達要素22の底部71に近接する側に配置される。凸面部100と凹面部102は、拡張体21の拡張時に、隣接して配置されてもよいが、平面形状の部位を介して連結されてもよい。エネルギー伝達要素配置部81は、拡張時に、受容空間74に向かって凸状の曲面形状となる配置用凸面部87と、受容空間74に向かって凹状の曲面形状となる配置用凹面部89とを有する。配置用凸面部87は、エネルギー伝達要素配置部81の基端側頂部59(第1頂部)に近接する側に配置され、配置用凹面部89は、エネルギー伝達要素配置部81の底部71に近接する側に配置される。配置用凸面部87と配置用凹面部89は、拡張体21の拡張時に、隣接して配置されてもよいが、平面形状の部位を間に挟んで配置されてもよい。
エネルギー伝達要素22の凹面部102は、生体組織の貫通孔Hhの縁に密着できる。このため、エネルギー伝達要素22の凸面部100および凹面部102の両方を含む広い範囲を生体組織に密着させて、生体組織を適切に焼灼できる。凸面部100と凹面部102の間には、平面部101が設けられても、設けられなくてもよい。なお、拡張体21の底部71の近くに配置される凹面部102は、図12(C)に示す第7変形例のように、拡張体21に対して遊動状態で配置されてもよい。すなわち、エネルギー伝達要素22は、拡張体21に対して部分的に連結され、凹面部102が拡張体21に対して軸方向に沿って相対的に移動可能である。これにより、凹面部102が、変形の程度が大きい底部71とともに変形して破損することを防止できる。
また、図12(D)に示す第8変形例のように、拡張体21は、複数のエネルギー伝達要素22を変形可能に支持し、エネルギー伝達要素22から独立して変形可能な電極支持部110を有してもよい。これにより、エネルギー伝達要素配置部81をエネルギー伝達要素22と共に変形させる必要がないため、エネルギー伝達要素22の柔軟性を高めて、エネルギー伝達要素22を生体組織に効果的に密着させることができる。エネルギー伝達要素22の底部71に近い側は、第7変形例と同様に、拡張体21に対して遊動状態で配置されてもよい。
また、前記拡張時における凸面部100の少なくとも1つの曲率半径は、他の凸面部100の曲率半径と異なってもよい。これにより、生体組織の面に垂直な方向に対して拡張体21の軸心が傾いても、各々のエネルギー伝達要素22が接触する生体組織の各々の位置に対して、各々のエネルギー伝達要素22を適切に接触させることができる。
10 医療デバイス
21 拡張体
22 エネルギー伝達要素
31 シャフト部
33 牽引シャフト
53 第2拡張部
54 第1拡張部
55 凹部
56 先端側拡張部
57 先端側頂部(第2頂部)
58 基端側拡張部
59 基端側頂部(第1頂部)
71 底部
74 受容空間
81 エネルギー伝達要素配置部
82 対向部
86 エネルギー伝達要素配置面
87 配置用凸面部
88 脆弱部
89 配置用凹面部
100 凸面部
101 平面部
102 凹面部
110 電極支持部
P 突出部
R 窪み部

Claims (10)

  1. 径方向に拡縮可能な拡張体と、
    前記拡張体の基端が固定された先端部を有する長尺なシャフト部と、
    前記拡張体に沿って設けられる複数のエネルギー伝達要素と、を備え、
    前記拡張体は、径方向内側に窪んだ凹部を有し、
    前記凹部は、前記拡張体の拡張時に生体組織を受容可能な受容空間を画成するように、先端側起立部と、基端側起立部と、前記先端側起立部と前記基端側起立部との間に配置された径方向の最も内側に位置する底部と、を有し、
    前記複数のエネルギー伝達要素は、前記拡張体から受ける力によって変形可能な柔軟性を有し、前記受容空間に面するように前記先端側起立部または前記基端側起立部のいずれか一方に沿って配置され、
    前記複数のエネルギー伝達要素の各々の少なくとも一部は、前記拡張時に前記受容空間に向かう面が凸状の曲面形状となる凸面部を有する医療デバイス。
  2. 前記拡張体は、前記先端側起立部または前記基端側起立部のいずれか一方に、前記複数のエネルギー伝達要素が配置されるエネルギー伝達要素配置面が形成されたエネルギー伝達要素配置部を有し、
    前記エネルギー伝達要素配置面の少なくとも一部は、前記拡張時に前記受容空間に向かって凸状の曲面形状となる請求項1に記載の医療デバイス。
  3. 前記拡張体は、前記複数のエネルギー伝達要素を変形可能に支持し、前記複数のエネルギー伝達要素から独立して変形可能な電極支持部を有する請求項1に記載の医療デバイス。
  4. 前記拡張体は、前記先端側起立部または前記基端側起立部のいずれか一方に、前記複数のエネルギー伝達要素が配置されるエネルギー伝達要素配置面が形成されたエネルギー伝達要素配置部を有し、
    前記エネルギー伝達要素配置部は、前記拡張体の当該エネルギー伝達要素配置部に近接する部位よりも剛性が低い脆弱部を有する請求項1~3のいずれか1項に記載の医療デバイス。
  5. 前記脆弱部は、前記凹部の径方向の最も内側に位置する底部へ向かって剛性が徐々に低下する請求項4に記載の医療デバイス。
  6. 前記拡張体は、
    前記先端側起立部または前記基端側起立部のいずれか一方に、前記複数のエネルギー伝達要素が配置されるエネルギー伝達要素配置部と、
    前記先端側起立部または前記基端側起立部の他方に、前記拡張時に前記複数のエネルギー伝達要素と対向する対向部と、を有し、
    前記拡張体は、
    前記エネルギー伝達要素配置部が設けられた前記先端側起立部または前記基端側起立部の径方向外端部に、径方向外向きの凸状に湾曲した第1頂部と、
    前記対向部が設けられた前記先端側起立部または前記基端側起立部の径方向外端部に、径方向外向きの凸状に湾曲した第2頂部と、を有し、
    前記拡張時において、前記拡張体の軸心を中心とする前記第1頂部の外径は、前記第2頂部の外径よりも小さい請求項1~5のいずれか1項に記載の医療デバイス。
  7. 前記拡張体は、
    前記先端側起立部または前記基端側起立部のいずれか一方に、前記複数のエネルギー伝達要素が配置されるエネルギー伝達要素配置部と、
    前記先端側起立部または前記基端側起立部の他方に、前記拡張時に前記複数のエネルギー伝達要素と対向する対向部と、を有し、
    前記拡張時の前記拡張体は、
    前記エネルギー伝達要素配置部が設けられた前記先端側起立部または前記基端側起立部の径方向外端部に、径方向外向きの凸状に湾曲した第1頂部と、
    前記底部よりも前記対向部が設けられた前記先端側起立部または前記基端側起立部の径方向外端部に、径方向外向きの凸状に湾曲した第2頂部と、を有し、
    前記エネルギー伝達要素配置部は、前記第1頂部を含む範囲に配置される請求項1~6のいずれか1項に記載の医療デバイス。
  8. 前記拡張時における前記凸面部の少なくとも1つの曲率半径は、他の前記凸面部の曲率半径と異なる請求項1~7のいずれか1項に記載の医療デバイス。
  9. 前記拡張時における前記エネルギー伝達要素は、前記凸面部よりも前記凹部の径方向の内側に配置されて前記受容空間に向かう面が凹状の曲面形状となる凹面部を有する請求項1~8のいずれか1項に記載の医療デバイス。
  10. 径方向に拡縮可能な拡張体と、前記拡張体の基端が固定された先端部を有する長尺なシャフト部と、前記拡張体に沿って設けられる複数のエネルギー伝達要素と、を備え、前記拡張体は、径方向内側に窪んだ凹部を有し、前記凹部は、前記拡張体の拡張時に生体組織を受容可能な受容空間を画成するように、先端側起立部と、基端側起立部と、前記先端側起立部と前記基端側起立部との間に配置された径方向の最も内側に位置する底部と、を有し、前記複数のエネルギー伝達要素は、前記拡張体から受ける力によって変形可能な柔軟性を有し、前記受容空間に面するように前記先端側起立部または前記基端側起立部のいずれか一方に沿って配置され、前記複数のエネルギー伝達要素の各々の少なくとも一部は、前記拡張時に前記受容空間に向かう面が凸状の曲面形状となる凸面部を有する医療デバイスを用いて卵円窩に右心房と左心房を連通するシャントを形成するシャント形成方法であって、
    前記医療デバイスを下大静脈から前記右房内に挿入し、
    前記卵円窩に形成した孔に収縮した前記拡張体を挿入し、
    前記孔内で前記拡張体を拡張させて、前記凹部により画成される受容空間に、前記孔を取り囲む生体組織を配置し、
    前記エネルギー伝達要素と前記対向部とが互いに近づくように前記拡張体を変形させつつ、前記凸面部を有する柔軟な前記エネルギー伝達要素を変形させて当該エネルギー伝達要素を前記生体組織に密着させ、
    前記孔の自然治癒による閉塞を阻害するように、前記生体組織に密着した前記エネルギー伝達要素を用いて前記受容空間に配置された前記生体組織を焼灼する、シャント形成方法。
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