JP2022038122A - 医療デバイスおよびシャント形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】拡張体と治療対象組織との角度が大きく異なっても、電極部を治療対象組織に接触させることのできる医療デバイスおよびシャント形成方法を提供する。【解決手段】拡張体21と、シャフト部20と、複数の電極部22と、を備え、拡張体21は、径方向内側に窪み、拡張体21の拡張時に生体組織を受容可能な受容空間51bを画成する凹部51を有し、凹部51は、径方向の最も内側に位置する底部51aと、底部51aの基端から径方向外側に延びる基端側起立部52と、底部51aの先端から径方向外側に延びる先端側起立部53と、有し、複数の電極部22は、拡張体21の周方向の半分を占める第1領域71において先端側起立部53に配置される第1電極群75と、拡張体21の周方向のうち第1領域75以外の領域である第2領域72において基端側起立部52に配置される第2電極群76と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、生体組織にエネルギーを付与する医療デバイスおよびシャント形成方法に関する。
心臓疾患の一つとして、慢性心不全が知られている。慢性心不全は、心機能の指標に基づいて収縮不全と拡張不全に大別される。拡張不全に罹患した患者は、心筋が肥大化してスティッフネス(硬さ)が増すことで、左心房の血圧が高まり、心臓のポンプ機能が低下する。これにより、患者は、肺水腫などの心不全症状を呈することとなる。また、肺高血圧症等により右心房側の血圧が高まり、心臓のポンプ機能が低下することで心不全症状を呈するような心臓疾患もある。
近年、これらの心不全患者に対し、上昇した心房圧の逃げ道となるシャント(穿刺孔)を心房中隔に形成し、心不全症状の緩和を可能にするシャント治療が注目されている。シャント治療は、経静脈アプローチで心房中隔にアクセスし、所望のサイズの穿刺孔を形成する。このような心房中隔に対するシャント治療を行うための医療デバイスとして、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
国際公開第2019-85841号
特許文献1の医療デバイスは、拡張体の凹部に複数の電極部が固定されている。凹部内での電極部の位置は、拡張体の軸方向において同じ位置である。この場合、拡張体を治療対象組織に対して接触させた際に、凹部と治療対象組織との角度が大きく異なると、電極部が治療対象組織に対して十分に当接しない可能性がある。電極部が治療対象組織に十分に当接していないと、生体組織に対して十分なエネルギー付与ができないことで、治療効果が低下する可能性がある。また、電極部が血液に露出した状態でエネルギーが付与されると、血栓が形成されるリスクが生じる。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、拡張体と治療対象組織との角度が大きく異なっても、電極部を治療対象組織に接触させることのできる医療デバイスおよびシャント形成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る医療デバイスは、径方向に拡縮可能な拡張体と、前記拡張体の基端が固定された基端固定部を含む先端部を有する長尺なシャフト部と、前記拡張体に沿って設けられる複数の電極部と、を備え、前記拡張体は、径方向内側に窪み、前記拡張体の拡張時に生体組織を受容可能な受容空間を画成する凹部を有し、前記凹部は、径方向の最も内側に位置する底部と、底部の基端から径方向外側に延びる基端側起立部と、底部の先端から径方向外側に延びる先端側起立部と、有し、前記複数の電極部は、前記拡張体の周方向の半分を占める第1領域において前記先端側起立部に配置される第1電極群と、前記拡張体の周方向のうち前記第1領域以外の領域である第2領域において前記基端側起立部に配置される第2電極群と、を有する。
上記目的を達成する本発明に係るシャント形成方法は、径方向内側に窪んだ凹部を含む径方向に拡縮可能な拡張体と、前記拡張体の基端が固定された基端固定部を含む先端部を有する長尺なシャフト部と、前記拡張体に沿って設けられる複数の電極部と、を備える医療デバイスを用いて心房中隔にシャントを形成する方法であって、前記拡張体の周方向の半分を占める第1領域において前記凹部の先端側に配置された第1電極群と、前記拡張体の周方向のうち前記第1領域以外の領域である第2領域において前記凹部の基端側に配置された第2電極群と、を有するように、前記複数の電極部を配置し、心房中隔に形成された穿刺孔内に前記凹部を配置して、前記凹部で画成される受容空間に前記穿刺孔を取り囲む生体組織を受容し、前記複数の電極部の前記第1電極群を、前記生体組織の左房側かつ生体の頭側の部分に当接させるとともに、前記複数の電極部の前記第2電極群を、前記生体組織の右房側かつ生体の足側の部分に当接させることにより、前記生体組織に前記複数の電極部を接触させ、前記複数の電極部に電圧を印加して、前記生体組織を焼灼する。
上記のように構成した医療デバイスは、拡張体の軸方向が治療対象組織の面に対して大きく傾斜していても、電極部が生体の解剖学的な向きに応じた配置となっていることから、電極部を確実に生体組織に対して接触させることができる。
前記第1電極群および前記第2電極群は、それぞれ前記拡張体の周方向において異なる位置に配置された2つ以上の前記複数の電極部を有するようにしてもよい。これにより、治療対象組織の両面に対して、それぞれ複数の電極部を接触させて処置を行うことができる。
前記拡張体は、前記拡張体の周方向において等間隔に配置される4つ以上の線材部を有し、前記線材部は、それぞれ前記凹部を有するようにしてもよい。これにより、拡張体の周方向において等間隔に凹部が配置されるので、生体に形成された穿刺孔の周囲の組織を焼灼する際に、正多角形に近い形状とすることができ、術者が狙ったサイズのシャントを形成することができる。
前記シャフト部は、前記拡張体より基端側に予め一方向に屈曲した屈曲部を有し、前記拡張体の前記第1領域は、周方向において前記屈曲部の屈曲外周側を向く方向を含み、前記拡張体の前記第2領域は、周方向において前記屈曲部の屈曲内周側を向く方向を含むようにしてもよい。これにより、拡張体の各電極部を安定的に治療対象組織に対して向かせることができる。
前記シャフト部は、基端部に手元操作部を有し、前記手元操作部は、前記屈曲部の向きを示す表示手段を有するようにしてもよい。これにより、術者が生体内のシャフト部の向きを容易に認識できる。
前記拡張体は、前記第1電極群または前記第2電極群の近傍に造影部を有するようにしてもよい。これにより、術者が生体内の電極部の状態を容易に認識できる。
前記拡張体の自然状態において前記電極部が沿う平面は、前記拡張体の軸方向に対して60~75度傾斜しているようにしてもよい。これにより、電極部を治療対象組織に対してより確実に接触させることができる。
上記のように構成したシャント形成方法は、拡張体の軸方向が心房中隔の穿刺孔の中心軸方向と異なっていても、電極部が穿刺孔の両側にそれぞれ接触し、確実に処置を行うことができる。
実施形態に係る医療デバイスの全体構成を表した図である。 拡張体付近の拡大斜視図である。 拡張体付近の拡大図である。 図3のA-A断面図(図4(a))とB-B断面図(図4(b))である。 収納シースに収められた拡張体を表した図である。 手元操作部とシャフト部および拡張体の形状を表した正面図である。 手元操作部の底面図である。 拡張体を心房中隔に配置した状態を、医療デバイスは正面図で、生体組織は断面図で、それぞれ模式的に示す説明図である。 図8のうち拡張体付近を拡大した図である。 図9の状態から心房中隔で拡張体を拡径させた状態を示す説明図である。 第1変形例に係る拡張体付近の断面図である。 第2変形例に係る拡張体付近の断面図である。 第3変形例に係る拡張体付近の断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。また、本明細書では、医療デバイス10の生体内腔に挿入する側を「先端」若しくは「先端側」、操作する手元側を「基端」若しくは「基端側」と称することとする。
以下の実施形態における医療デバイスは、患者の心臓Hの心房中隔HAに形成された穿刺孔Hhを拡張し、さらに拡張した穿刺孔Hhをその大きさに維持する維持処置を行うことができるように構成されている。
図1に示すように、本実施形態の医療デバイス10は、長尺なシャフト部20と、シャフト部20の先端部に設けられる拡張体21と、シャフト部20の基端部に設けられる手元操作部23とを有している。拡張体21には、前述の維持処置を行うためのエネルギー伝達要素である電極部22が設けられる。
シャフト部20は、拡張体21の基端が固定される基端固定部31と、拡張体21の先端が固定される先端固定部33とを含む先端部30を有している。シャフト部20の先端部30は、基端固定部31から拡張体21内を延びるシャフト延長部32を有している。シャフト部20は、最外周部に設けられる収納シース25を有している。拡張体21は、収納シース25に対して軸方向に進退移動可能である。収納シース25は、シャフト部20の先端側に移動した状態で、その内部に拡張体21を収納することができる。拡張体21を収納した状態から、収納シース25を基端側に移動させることで、拡張体21を露出させることができる。
シャフト部20は、牽引シャフト26を有している。牽引シャフト26は、シャフト部20の基端からシャフト延長部32に渡って設けられており、先端部が先端部材35に固定されている。
牽引シャフト26の先端部が固定されている先端部材35は、拡張体21には固定されていなくてよい。これにより、先端部材35は、拡張体21を圧縮方向に牽引することが可能である。また、拡張体21を収納シース25に収納する際、先端部材35を拡張体21から先端側に離すことによって、拡張体21の延伸方向への移動が容易になり、収納性を向上させることができる。
手元操作部23は、術者が把持する筐体40と、術者が回転操作可能な操作ダイヤル41と、操作ダイヤル41の回転に連動して動作する変換機構42とを有している。牽引シャフト26は、手元操作部23の内部において、変換機構42に保持されている。変換機構42は、操作ダイヤル41の回転に伴い、保持する牽引シャフト26を軸方向に沿って進退移動させることができる。変換機構42としては、例えばラックピニオン機構を用いることができる。
拡張体21についてより詳細に説明する。図2及び図3に示すように、拡張体21は、周方向に複数の線材部50を有している。本実施形態において線材部50は、周方向に4本が設けられている。線材部50は、それぞれ径方向に拡縮可能である。線材部50の基端部は、基端固定部31から先端側に延出している。線材部50の先端部は、先端固定部33の基端部から基端側に延出している。線材部50は、軸方向の両端部から中央部に向かって、径方向に大きくなるように傾斜している。また、線材部50は、軸方向中央部に、拡張体21の径方向内側に窪んだ凹部51を有する。凹部51の径方向において最も内側の部分は底部51aである。凹部51により、拡張体21の拡張時に生体組織を受容可能な受容空間51bが画成される。
凹部51は、底部51aの基端から径方向外側に延びる基端側起立部52と、底部51aの先端から径方向外側に延びる先端側起立部53とを有している。基端側起立部52または先端側起立部53には、受容空間51bに面するように電極部22が配置される。先端側起立部53は、幅方向中央部がスリット状となっており、両側の外縁部55と中央部の背当て部56とを有している。
図3に示される2つの電極部22は、シャフト部20の軸方向に対して傾斜する仮想的な電極配置平面70に沿うように配置される。電極配置平面70は、拡張体21が力を受けていない自然状態において、シャフト部20の軸方向に対して角度αで傾斜している。角度αは、60~75度の範囲とすることが好ましい。また、図3に示されていない残り2つの電極部22も、シャフト部20の軸方向に対して角度αで傾斜する別の仮想的な電極配置平面に沿うように配置される。
図4に示すように、拡張体21の軸方向と直交する平面で切断した断面において、拡張体21の周方向の半分を占める領域は第1領域71である。また、拡張体21の周方向のうち第1領域71以外の領域は第2領域72である。第1領域71において電極部22は、先端側起立部53に配置されて第1電極群75を形成する。第2領域72において電極部22は、基端側起立部52に配置されて第2電極群76を形成する。第1電極群75は、それぞれ拡張体21の周方向において異なる位置に配置された2つの電極部22を有する。第2電極群76は、それぞれ拡張体21の周方向において異なる位置に配置された2つの電極部22を有する。また、4つの電極部22は、いずれも拡張体21の周方向において等間隔に配置される。
拡張体21を形成する線材部50は、例えば、円筒から切り出した平板形状を有する。拡張体21を形成する線材は、厚み50~500μm、幅0.3~2.0mmとすることができる。ただし、この範囲外の寸法を有していてもよい。また、線材部50はその他にも円形の断面形状や、それ以外の断面形状を有していてもよい。
電極部22は、例えば、外部装置であるエネルギー供給装置(図示しない)から電気エネルギーを受けるバイポーラ電極で構成される。この場合、各線材部50に配置された電極部22間で通電がなされる。電極部22とエネルギー供給装置とは、絶縁性被覆材で被覆された導線(図示しない)により接続される。導線は、シャフト部20及び手元操作部23を介して外部に導出され、エネルギー供給装置に接続される。
電極部22は、他にも、モノポーラ電極として構成されていてもよい。この場合、体外に用意される対極板との間で通電がなされる。また、電極部22に代えて、エネルギー供給装置から高周波の電気エネルギーを受給して発熱する発熱素子(電極チップ)を用いてもよい。この場合、各線材部50に配置された発熱素子間で通電がなされる。さらに、電極部22は、マイクロ波エネルギー、超音波エネルギー、レーザー等のコヒーレント光、加熱した流体、冷却された流体、化学的な媒体により加熱や冷却作用を及ぼすもの、摩擦熱を生じさせるもの、電線等を備えるヒーター等のように、穿刺孔Hhに対してエネルギーを付与可能なエネルギー伝達要素により構成することができ、具体的な形態は特に限定されない。
線材部50は、金属材料で形成することができる。この金属材料としては、例えば、チタン系(Ti-Ni、Ti-Pd、Ti-Nb-Sn等)の合金、銅系の合金、ステンレス鋼、βチタン鋼、Co-Cr合金を用いることができる。なお、ニッケルチタン合金等のバネ性を有する合金等を用いるとよりよい。ただし、線材部50の材料はこれらに限られず、その他の材料で形成してもよい。
シャフト部20は、ある程度の可撓性を有する材料により形成されるのが好ましい。そのような材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物等のポリオレフィンや、軟質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリイミド、PEEK、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が挙げられる。
牽引シャフト26は、例えば、ニッケル-チタン合金、銅-亜鉛合金等の超弾性合金、ステンレス鋼等の金属材料、比較的剛性の高い樹脂材料などの長尺状の線材に、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体などの樹脂材料を被覆したもので形成することができる。
先端部材35は、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素樹脂等の高分子材料またはこれらの混合物、あるいは2種以上の高分子材料の多層チューブ等で形成することができる。
収納シース25に納められた拡張体21は、図5に示すように、径方向に収縮した状態となっている。拡張体21と収納シース25とが互いに軸方向に移動することで、拡張体21は収納シース25の外部に露出し、径方向に拡張する。
図6に示すように、シャフト部20は、拡張体21より基端側の部分に、予め一方向に屈曲した屈曲部20aを有している。拡張体21の第1領域71は、周方向において屈曲部20aの屈曲外周側を向く方向を含み、拡張体21の第2領域72は、周方向において屈曲部20aの屈曲内周側を向く方向を含んでいる。このため、屈曲部20aの屈曲外周側を向く線材部50に配置される電極部22は、第1領域71に属し、先端側起立部53に配置される。また、屈曲部20aの屈曲内周側を向く線材部50に配置される電極部22は、第2領域72に属し、基端側起立部52に配置される。
生体内に挿入された屈曲部20aの向きを術者が把握できるように、手元操作部23には表示手段が設けられる。手元操作部23には、表示手段として、向き表示部80が設けられる。向き表示部80には、屈曲部20aの屈曲方向を表すマークが表示されており、生体内に挿入されているシャフト部20の向きを認識することができる。
手元操作部23には、医療デバイス10をプライミングするためのポート81を有している。ポート81が手元操作部23から延びる方向は、屈曲部20aが屈曲する方向と同じとなるようにされている。これによっても、術者が屈曲部20aの方向を認識できることから、ポート81を表示手段としてもよい。
図7に示すように、手元操作部23の底面に屈曲部20aが屈曲する方向を示す表示手段としての底面表示部82を設けてもよい。また、手元操作部23の底面視において左右非対称な形状とすることで、手元操作部23自体を屈曲部20aが屈曲する方向を示す表示手段として用いることもできる。また、拡張体21の第1電極群75または第2電極群76の近傍に、X線造影性を有する造影部83を設けてもよい。これまで説明した表示手段は、1つまたは複数を組み合わせてもよい。
医療デバイス10を使用した処置方法について説明する。本実施形態の処置方法は、心不全(左心不全)に罹患した患者に対して行われる。より具体的には、図8に示すように、心臓Hの左心室の心筋が肥大化してスティッフネス(硬さ)が増すことで、左心房HLaの血圧が高まる慢性心不全に罹患した患者に対して行われる処置の方法である。
本実施形態の処置方法は、心房中隔HAに穿刺孔Hhを形成するステップ(S1)と、穿刺孔Hhに拡張体21を配置するステップ(S2)と、拡張体21によって穿刺孔Hhの径を拡張させるステップ(S3)と、穿刺孔Hh付近における血行動態を確認するステップ(S4)と、穿刺孔Hhの大きさを維持するための維持処置を行うステップ(S5)と、維持処置が施された後の穿刺孔Hh付近における血行動態を確認するステップ(S6)と、を有している。
術者は、穿刺孔Hhの形成に際し、ガイディングシース及びダイレータが組み合わされたイントロデューサを心房中隔HA付近まで送達する。イントロデューサは、例えば、下大静脈Ivを介して右心房HRaに送達することができる。また、イントロデューサの送達は、ガイドワイヤ11を使用して行うことができる。術者は、ダイレータにガイドワイヤ11を挿通し、ガイドワイヤ11に沿わせて、イントロデューサを送達させることができる。なお、生体に対するイントロデューサの挿入、ガイドワイヤ11の挿入等は、血管導入用のイントロデューサを用いるなど、公知の方法で行うことができる。
S1のステップにおいて、術者は、右心房HRa側から左心房HLa側に向かって、穿刺デバイス(図示しない)を貫通させ、穿刺孔Hhを形成する。穿刺デバイスとしては、例えば、先端が尖ったワイヤ等のデバイスを使用することができる。穿刺デバイスは、ダイレータに挿通させて心房中隔HAまで送達する。穿刺デバイスは、ダイレータからガイドワイヤ11を抜去した後、ガイドワイヤ11に代えて心房中隔HAまで送達することができる。
S2のステップにおいては、まず、予め挿入されたガイドワイヤ11に沿って、医療デバイス10を心房中隔HA付近に送達する。このとき、医療デバイス10の先端部は、心房中隔HAを貫通して、左心房HLaに達するようにする。また、医療デバイス10の挿入の際、拡張体21は、収納シース25に収納された状態となっている。
次に、収納シース25を基端側に移動させることにより、拡張体21を露出させる。これにより、拡張体21は拡径し、凹部51は心房中隔HAの穿刺孔Hhに配置されて、受容空間51aに穿刺孔Hhを取り囲む生体組織を受容する。
医療デバイス10のシャフト部20は、術者が、屈曲部20aの向きを手元操作部23の表示手段によって確認しつつ適切に操作することにより、右心房HRa内において、先端側が心房中隔HAに向かうように配置される。図9に示すように、拡張体21が穿刺孔Hhに配置された状態において、シャフト部20の中心軸方向は、貫通孔Hhの中心軸方向に対して傾斜している。電極部22が沿う電極配置平面70は、シャフト部20の中心軸方向Pの方向に対して角度αで傾斜していることから、第1領域71に配置される第1電極群75は、生体組織の左心房HLa側であって生体の頭側の部分に当接する。また、第2領域72に配置される第2電極群76は、生体組織の右心房HRa側であって生体の足側の部分に当接する。このため、シャフト部20の中心軸方向が穿刺孔Hhの中心軸方向と異なっていても、各電極部22を生体組織に当接させることができる。
穿刺孔Hhに拡張体21を配置したら、S4のステップにおいて血行動態の確認を行う。術者は、図8に示すように、下大静脈Iv経由で右心房HRaに対し、血行動態確認用デバイス220を送達する。血行動態確認用デバイス220としては、例えば、公知のエコーカテーテルを使用することができる。術者は、血行動態確認用デバイス220で取得されたエコー画像を、ディスプレイ等の表示装置に表示させ、その表示結果に基づいて穿刺孔Hhを通る血液量を確認することができる。
次に、S5のステップにおいて、術者は、穿刺孔Hhの大きさを維持するために維持処置を行う。維持処置では、電極部22を通して穿刺孔Hhの縁部に高周波エネルギーを付与することにより、穿刺孔Hhの縁部を高周波エネルギーによって焼灼(加熱焼灼)する。
電極部22を通して穿刺孔Hhの縁部付近の生体組織が焼灼されると、縁部付近には生体組織が変性した変性部が形成される。変性部における生体組織は弾性を失った状態となるため、穿刺孔Hhは拡張体21により押し広げられた際の形状を維持できる。
維持処置後には、S6のステップにおいて再度血行動態を確認し、穿刺孔Hhを通る血液量が所望の量となっている場合、術者は、拡張体21を縮径させ、収納シース25に収納した上で、穿刺孔Hhから抜去する。さらに、医療デバイス10全体を生体外に抜去し、処置を終了する。
S3のステップにおいて、術者は、凹部51によって心房中隔HAが把持された状態で手元操作部23を操作し、牽引シャフト26を基端側に移動させ、図10に示すように拡張体21の凹部51で生体組織を挟むようにしてもよい。これによって、電極部22を生体組織により密着させることができる。
次に、拡張体の変形例について説明する。図11に示すように、第1変形例の拡張体100は、複数の線材部101を有している。第1領域に配置される線材部101は、先端側起立部103のみ有し、この先端側起立部103に電極部105が配置される。第2領域に配置される線材部101は、基端側起立部102のみ有し、この基端側起立部102に電極部105が配置される。このように、拡張体100は、電極部105を有する側の起立部のみ有する形態でもよい。
図12に示すように、第2変形例の拡張体110は、多数の細い線材を編んだメッシュで形成されている。拡張体110は凹部111を有し、凹部111には基端側起立部112と先端側起立部113が形成される。第1領域において電極部115は、先端側起立部112に配置され、第2領域において電極部115は、基端側起立部111に配置される。このように、メッシュで形成された拡張体110にも、本発明を適用することができる。
図13に示すように、第3変形例の拡張体120は、線材が分岐、合流した網目状に形成されている。拡張体120は凹部121を有し、凹部121には基端側起立部122と先端側起立部123が形成される。第1領域において電極部125は、先端側起立部122に配置され、第2領域において電極部125は、基端側起立部121に配置される。このように、網目状に形成された拡張体120にも、本発明を適用することができる。
以上のように、本実施形態に係る医療デバイス10は、径方向に拡縮可能な拡張体21と、拡張体21の基端が固定された基端固定部31を含む先端部30を有する長尺なシャフト部20と、拡張体21に沿って設けられる複数の電極部22と、を備え、拡張体21は、径方向内側に窪み、拡張体21の拡張時に生体組織を受容可能な受容空間51bを画成する凹部51を有し、凹部51は、径方向の最も内側に位置する底部51aと、底部51aの基端から径方向外側に延びる基端側起立部52と、底部51aの先端から径方向外側に延びる先端側起立部53と、有し、複数の電極部22は、拡張体21の周方向の半分を占める第1領域71において先端側起立部53に配置される第1電極群75と、拡張体21の周方向のうち第1領域75以外の領域である第2領域72において基端側起立部52に配置される第2電極群76と、を有する。このように構成した医療デバイス10は、拡張体21の軸方向が治療対象組織の面に対して大きく傾斜していても、電極部22が生体の解剖学的な向きに応じた配置となっていることから、電極部22を確実に生体組織に対して接触させることができる。
また、第1電極群75および第2電極群76は、それぞれ拡張体21の周方向において異なる位置に配置された2つ以上の複数の電極部22を有するようにしてもよい。これにより、治療対象組織の両面に対して、それぞれ複数の電極部22を接触させて処置を行うことができる。
また、拡張体21は、拡張体21の周方向において等間隔に配置される4つ以上の線材部50を有し、線材部50は、それぞれ凹部51を有するようにしてもよい。これにより、拡張体21の周方向において等間隔に凹部51が配置されるので、生体に形成された穿刺孔Hhの周囲の組織を焼灼する際に、正多角形に近い形状とすることができ、術者が狙ったサイズのシャントを形成することができる。
また、シャフト部20は、拡張体21より基端側に予め一方向に屈曲した屈曲部20aを有し、拡張体21の第1領域71は、周方向において屈曲部20aの屈曲外周側を向く方向を含み、拡張体21の第2領域72は、周方向において屈曲部20aの屈曲内周側を向く方向を含むようにしてもよい。これにより、拡張体21の各電極部22を安定的に治療対象組織に対して向かせることができる。
また、シャフト部20は、基端部に手元操作部23を有し、手元操作部23は、屈曲部20aの向きを示す表示手段を有するようにしてもよい。これにより、術者が生体内のシャフト部20の向きを容易に認識できる。
また、拡張体21は、第1電極群75または第2電極群76の近傍に造影部83を有するようにしてもよい。これにより、術者が生体内の電極部22の状態を容易に認識できる。
また、拡張体21の自然状態において電極部22が沿う平面は、拡張体21の軸方向に対して60~75度傾斜しているようにしてもよい。これにより、電極部22を治療対象組織に対してより確実に接触させることができる。
また、本実施形態に係るシャント形成方法は、径方向内側に窪んだ凹部51を含む径方向に拡縮可能な拡張体21と、拡張体21の基端が固定された基端固定部31を含む先端部30を有する長尺なシャフト部20と、拡張体21に沿って設けられる複数の電極部22と、を備える医療デバイス10を用いて心房中隔HAにシャントを形成する方法であって、拡張体21の周方向の半分を占める第1領域71において凹部51の先端側に配置された第1電極群75と、拡張体21の周方向のうち第1領域71以外の領域である第2領域72において凹部51の基端側に配置された第2電極群76と、を有するように、複数の電極部22を配置し、心房中隔HAに形成された穿刺孔Hh内に凹部51を配置して、凹部51で画成される受容空間51bに穿刺孔Hhを取り囲む生体組織を受容し、複数の電極部22の第1電極群75を、生体組織の左房側かつ生体の頭側の部分に当接させるとともに、複数の電極部22の第2電極群76を、生体組織の右房側かつ生体の足側の部分に当接させることにより、生体組織に複数の電極部22を接触させ、複数の電極部22に電圧を印加して、生体組織を焼灼する。このように構成したシャント形成方法は、拡張体21の軸方向が心房中隔HAの穿刺孔Hhの中心軸方向と異なっていても、電極部22が穿刺孔Hhの両側にそれぞれ接触し、確実に処置を行うことができる。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。上述の実施形態では、線材部50は周方向に4本設けられ、電極部22も4つが設けられるが、凹部51を有する線材部50および電極部22はより多く設けられていてもよい。この場合に、線材部50は、拡張体21の周方向において等間隔に配置されることが好ましい。
10 医療デバイス
11 ガイドワイヤ
20 シャフト部
20a 屈曲部
21 拡張体
22 電極部
23 操作部
25 収納シース
26 牽引シャフト
30 先端部
31 基端固定部
32 シャフト延長部
33 先端固定部
35 先端部材
40 筐体
41 操作ダイヤル
42 変換機構
50 線材部
51 凹部
51a 底部
51b 受容空間
52 基端側起立部
53 先端側起立部
55 外縁部
56 背当て部
70 電極配置平面
71 第1領域
72 第2領域
75 第1電極群
76 第2電極群
80 向き表示部
81 ポート
82 底面表示部
83 造影部

Claims (8)

  1. 径方向に拡縮可能な拡張体と、
    前記拡張体の基端が固定された基端固定部を含む先端部を有する長尺なシャフト部と、
    前記拡張体に沿って設けられる複数の電極部と、
    を備え、
    前記拡張体は、径方向内側に窪み、前記拡張体の拡張時に生体組織を受容可能な受容空間を画成する凹部を有し、
    前記凹部は、径方向の最も内側に位置する底部と、底部の基端から径方向外側に延びる基端側起立部と、底部の先端から径方向外側に延びる先端側起立部と、有し、
    前記複数の電極部は、前記拡張体の周方向の半分を占める第1領域において前記先端側起立部に配置される第1電極群と、前記拡張体の周方向のうち前記第1領域以外の領域である第2領域において前記基端側起立部に配置される第2電極群と、を有する医療デバイス。
  2. 前記第1電極群および前記第2電極群は、それぞれ前記拡張体の周方向において異なる位置に配置された2つ以上の前記複数の電極部を有する請求項1に記載の医療デバイス。
  3. 前記拡張体は、前記拡張体の周方向において等間隔に配置される4つ以上の線材部を有し、
    前記線材部は、それぞれ前記凹部を有する請求項2に記載の医療デバイス。
  4. 前記シャフト部は、前記拡張体より基端側に予め一方向に屈曲した屈曲部を有し、
    前記拡張体の前記第1領域は、周方向において前記屈曲部の屈曲外周側を向く方向を含み、前記拡張体の前記第2領域は、周方向において前記屈曲部の屈曲内周側を向く方向を含む請求項1~3のいずれか1項に記載の医療デバイス。
  5. 前記シャフト部は、基端部に手元操作部を有し、
    前記手元操作部は、前記屈曲部の向きを示す表示手段を有する請求項4に記載の医療デバイス。
  6. 前記拡張体は、前記第1電極群または前記第2電極群の近傍に造影部を有する請求項1~5のいずれか1項に記載の医療デバイス。
  7. 前記拡張体の自然状態において前記電極部が沿う平面は、前記拡張体の軸方向に対して60~75度傾斜している請求項1~6のいずれか1項に記載の医療デバイス。
  8. 径方向内側に窪んだ凹部を含む径方向に拡縮可能な拡張体と、前記拡張体の基端が固定された基端固定部を含む先端部を有する長尺なシャフト部と、前記拡張体に沿って設けられる複数の電極部と、を備える医療デバイスを用いて心房中隔にシャントを形成する方法であって、
    前記拡張体の周方向の半分を占める第1領域において前記凹部の先端側に配置された第1電極群と、前記拡張体の周方向のうち前記第1領域以外の領域である第2領域において前記凹部の基端側に配置された第2電極群と、を有するように、前記複数の電極部を配置し、
    心房中隔に形成された穿刺孔内に前記凹部を配置して、前記凹部で画成される受容空間に前記穿刺孔を取り囲む生体組織を受容し、
    前記複数の電極部の前記第1電極群を、前記生体組織の左房側かつ生体の頭側の部分に当接させるとともに、前記複数の電極部の前記第2電極群を、前記生体組織の右房側かつ生体の足側の部分に当接させることにより、前記生体組織に前記複数の電極部を接触させ、
    前記複数の電極部に電圧を印加して、前記生体組織を焼灼する、方法。
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