JP2023111828A - 吸収性物品 - Google Patents

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Hiroyuki Kao
英聡 吉田
Hideaki Yoshida
悠太郎 金田
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Yuki Tange
嵩礼 笹津
Takanori Sasatsu
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Abstract

【課題】本発明は、吸収体の変形を抑制可能な技術を提供することを目的とする。【解決手段】吸収性物品は、股下部を含む位置に設けられ、着用者の排出液を吸収可能な吸収体と、着用者の腹囲を挿通可能な胴回り開口部と、着用者の脚を挿通可能な二つの脚回り開口部と、を有し、吸収体よりも着用者の非肌面側に配置された外装体と、着用者の腹側において、一方の脚回り開口部に沿い、股下部を横切るように設けられ、他方の脚回り開口部に沿うように延在し、伸長状態で外装体に設けられた第1伸縮部材と、を備え、第1伸縮部材と吸収体とが重なる股下部の重なり領域において、吸収体と外装体とが非接着である非接着領域が設けられている。【選択図】図3

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
使い捨ておむつ、尿パッド、生理用品等の吸収性物品が開発されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1には、着用者の脚部を取り巻く部位に伸縮部材が設けられた使い捨ておむつが開示されている。使い捨ておむつは、伸縮部材が収縮することで着用者の脚部に密着する。
特開2019-115459号公報
吸収性物品に配置された伸縮部材が収縮すると、吸収性物品の吸収体に収縮方向の力が作用し、伸縮部材の収縮力によって吸収体が収縮方向に変形する。吸収性物品における吸収体の変形は、着用者の身体に対する吸収体の密着性を低下させたり、吸収体の吸収性能を低下させたりするため好ましくない。
本発明は、吸収体の変形を抑制可能な技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、第1伸縮部材を外装体に接着し、外装体と吸収体との間に非接着の領域を設けることとした。
詳細には、本発明に係る吸収性物品は、長手方向に沿った長さと、前記長手方向に直交する幅方向に沿った長さとを有する吸収性物品であって、股下部を含む位置に設けられ、着用者の排出液を吸収可能な吸収体と、前記着用者の腹囲を挿通可能な胴回り開口部と、前記着用者の脚を挿通可能な二つの脚回り開口部と、を有し、前記吸収体よりも前記着用者の非肌面側に配置された外装体と、前記着用者の腹側において、一方の前記脚回り開口部に沿い、前記股下部を横切るように設けられ、他方の前記脚回り開口部に沿うように延在し、伸長状態で前記外装体に設けられた第1伸縮部材と、を備え、前記第1伸縮部材と前記吸収体とが重なる前記股下部の重なり領域において、前記吸収体と前記外装体とが非接着である非接着領域が設けられている。
また、上記吸収性物品において、前記重なり領域の全域に前記非接着領域が設けられていてもよい。
また、上記吸収性物品において、前記重なり領域では、前記第1伸縮部材の延在方向は、前記幅方向の成分を有していてもよい。
また、上記吸収性物品は、前記胴回り開口部に沿って伸長状態で前記幅方向に伸縮するように前記外装体に設けられた第2伸縮部材を備え、前記胴回り開口部を伸長した状態において、前記第1伸縮部材は、前記重なり領域よりも前記幅方向の外側の前記外装体の一部または全部が前記重なり領域よりも前記幅方向の内側に収縮される収縮力を有していてもよい。
また、上記吸収性物品は、前記重なり領域において前記吸収体と前記外装体の間に配置され、非透液性かつ通気性を有するシート状部材を備えていてもよい。
また、上記吸収性物品において、前記重なり領域は、前記着用者の尿道口に対応する領域を含んでもよい。
また、上記吸収性物品は、前記重なり領域において前記吸収体または前記外装体に伸長状態で前記長手方向に沿って設けられる第3伸縮部材を備えていてもよい。
また、上記吸収性物品において、着用状態において前記着用者の腹部側に位置する前身頃領域、股下に位置する前記股下部、及び背部側に位置する後身頃領域が前記長手方向にこの順に設けられており、前記非接着領域は、前記第1伸縮部材が前記股下部を横切る部位よりも前記前身頃領域側に延在しており、前記第1伸縮部材は、前記吸収体よりも前記幅方向外側において、前記長手方向の成分を有していてもよい。
また、上記吸収性物品において、前記着用者が女性である場合に、前記第1伸縮部材が前記股下部を横切る部位は、尿道口に対応する領域を含んでいてもよい。
また、上記吸収性物品において、前記着用者が男性である場合に、前記第1伸縮部材が前記股下部を横切る部位は、陰茎に対応する領域よりも前記股下部側であってもよい。
また、上記吸収性物品は、前記陰茎に対応する領域よりも前記前身頃領域側に配置された第2伸縮部材を備え、前記第2伸縮部材は、前記幅方向に伸縮し、着用状態において前記吸収体を前記幅方向に引っ張ってもよい。
また、上記吸収性物品は、前記吸収体または前記外装体に伸長状態で前記長手方向に沿って設けられる第3伸縮部材を備え、前記第3伸縮部材の前記前身頃領域側の端部は、前記第2伸縮部材の配置領域よりも前記股下部側であってもよい。
また、上記吸収性物品において、前記吸収体は、前記股下部で括れ、且つ、前記第1伸縮部材が前記股下部を横切る部位よりも前記前身頃領域側で前記股下部の括れよりも前記幅方向に広い形状を有していてもよい。
また、上記吸収性物品は、前記着用者の背側において、両側の前記脚回り開口部に沿い、伸長状態で前記外装体に設けられた第4伸縮部材を備え、前記第4伸縮部材は、前記外装体に接着されている、または前記外装体と非接着であって前記第1伸縮部材よりも収縮度が小さくてもよい。
また、上記吸収性物品は、前記吸収体の肌面側に配置された透水性を有する透水性シートと、前記透水性シートの前記幅方向両側に接着された一対の防漏シートであって、前記透水性シートとの接着部よりも前記幅方向の内側で外側に向かって折り畳まれ、先端に自由端を有する防漏シートを備え、前記防漏シートは、前記長手方向に沿って延在し、伸長状態で接着された第5伸縮部材を有し、前記防漏シートの前記接着部の内側から前記自由端までを前記着用者側に起立させる防漏壁を形成し、前記第5伸縮部材と前記第1伸縮部材とは、色が異なっていてもよい。
また、上記吸収性物品は、前記着用者の肛門に対応する領域において、便を収容する便収容空間を形成してもよい。
また、上記吸収性物品において、前記吸収体は、前記非接着領域において前記長手方向に沿って延在する高剛性部を有していてもよい。
本発明によれば、吸収体の変形を抑制可能である。
図1は、実施形態1に係るおむつの斜視図の一例である。 図2は、実施形態1に係るおむつの分解斜視図の一例である。 図3は、実施形態1に係るおむつを展開図の一例である。 図4は、実施形態2に係るおむつを展開し、伸長した状態を模式的に示した平面図の一例である。 図5は、実施形態2に係るおむつの長手方向中央で幅方向に沿って切断した場合の断面図である。 図6は、実施形態3に係るおむつを展開し、伸長した状態を模式的に示した平面図の一例である。 図7は、実施形態4に係るおむつの分解斜視図の一例である。
<実施形態1>
以下に、図面を参照して本発明の実施形態に係るおむつについて説明する。なお、以下の実施形態の構成は例示であり、本発明はこれらの実施の形態の構成に限定されるものではない。
図1は、実施形態1に係る大人用のパンツ型使い捨ておむつ(以下、単に「おむつ」という)の斜視図の一例である。おむつにおいて、着用者の腹部に対向して配置される前身頃と背部に対向して配置される後身頃とを結ぶ方向を長手方向(前後方向ともいう)とする。これらの前身頃(長手方向の一側)と後身頃(長手方向の他側)との間(長手方向の中央)には、着用者の股下に配置(股間に対向して配置)される股下部が位置する。また、おむつが着用者に着用された状態において、着用者の肌に向かう側を肌面側とし、肌面側の反対側を非肌面側とする。さらに、肌面側と非肌面側とを結ぶ方向を厚み方向とし、長手方向と厚み方向の何れにも直交する方向を幅方向(左右方向ともいう)とする。そのほか、厚み方向から視ることを平面視とする。おむつ1は、長手方向に沿った長さと、長手方向に直交する幅方向に沿った横幅とを有し、着用者の股下に装着される。また、本願で用いる方向に関する用語は、おむつ1が着用者に着用された状態において該着用者の前後左右に一致する方向を意味するものとする。例えば、本願で左右方向という場合、おむつ1の着用者に着用された状態において該着用者の左右に一致する方向を意味する。
本実施形態では、吸収性物品の一例として、着用者の腹囲を挿通可能な胴回り開口部と、着用者の左右の各下肢を挿通可能な左右一対の脚回り開口部とを有する筒状構造のパンツ型使い捨ておむつを例示する。また、本実施形態では、大人用のパンツ型使い捨ておむつを例示するが、本願でいう「吸収性物品」は、大人用のパンツ型使い捨ておむつに限定されるものでない。本願でいう「吸収性物品」には、子供用のパンツ型使い捨ておむつが含まれる。
おむつ1は、着用状態において着用者の陰部(股下)を覆う股下領域に対応する部位である股下領域1Bと、着用者の胴周りにおける前身頃に対応する部位であって着用者の腹部側を覆うための前身頃領域1Fと、着用者の胴周りにおける後身頃に対応する部位であって着用者の背部側を覆うための後身頃領域1Rとを有する。ここで、前身頃領域1Fは股下領域1Bの前側に位置し、後身頃領域1Rは股下領域1Bの後側に位置する。本実施
形態におけるおむつ1は、パンツ型の使い捨ておむつであるため、前身頃領域1Fの左側の縁と後身頃領域1Rの左側の縁は互いに接合され、前身頃領域1Fの右側の縁と後身頃領域1Rの右側の縁は互いに接合されている。よって、おむつ1には、前身頃領域1Fの上側の縁と後身頃領域1Rの上側の縁とによって胴開口部2T(本開示の「胴回り開口部」の一例)が形成されている。また、おむつ1には、上記接合が施されない股下領域1Bの左側の部位に左下肢開口部2Lが形成され、股下領域1Bの右側の部位に右下肢開口部2Rが形成されている。そして、おむつ1は、着用者の左下肢が左下肢開口部2Lに挿通され、着用者の右下肢が右下肢開口部2Rに挿通され、着用者の胴部が胴開口部2Tに入るように着用されると、前身頃領域1Fが着用者の腹部側に配置され、後身頃領域1Rが着用者の背部側に配置され、左下肢開口部2Lと右下肢開口部2Rが着用者の大腿部を取り巻く状態で着用者の身体に固定される。おむつ1がこのような形態で着用者の身体に固定されるので、着用者はおむつ1を着用した状態で自由に行動することができる。なお、左下肢開口部2Lおよび右下肢開口部2Rは、本開示の「二つの脚回り開口部」の一例である。
おむつ1には、液体を吸収して保持することができる吸収体が主に股下領域1B付近を中心に配置されている。また、おむつ1には、おむつ1と着用者の肌との間に液体の流出経路となる隙間が形成されるのを抑制するべく、着用者の左下肢の大腿部を取り巻く左下肢開口部2Lに立体ギャザー3BL(本開示の「防漏壁」の一例)が設けられ、着用者の右下肢の大腿部を取り巻く右下肢開口部2Rに立体ギャザー3BR(本開示の「防漏壁」の一例)(図1において不図示)が設けられ、着用者の腹囲を取り巻く部位にウェストギャザー3Rおよびタミーギャザー12が設けられている。また、着用者の脚の付け根を取り巻く位置には、レグギャザー3LF、3LR(図1においてレグギャザー3LRは不図示)が設けられる。なお、レグギャザー3LFは、前身頃領域1Fに設けられ、レグギャザー3LRは、後身頃領域1Rに設けられる。そして、図1では、レグギャザー3LFのみ例示されている。立体ギャザー3BL,3BRとウェストギャザー3Rは、伸縮部材の弾性力によって収縮することで着用者の肌に密着する。また、レグギャザー3LF、3LRは、着用者の脚の付け根とおむつ1との間に隙間が生まれるのを防ぐ。よって、着用者の陰部から排出される排出液は、おむつ1から殆ど漏出することなくおむつ1の吸収体に吸収される。
なお、おむつ1は、図示しないインナーパッドと組み合わせて使用することができる。インナーパッドは、吸収体を備える略長方形の吸収性物品であり、着用者の排出液を吸収する。おむつ1とインナーパッドとを組み合わせて使用する場合、おむつ1の肌面側に、着用者の排出孔と当接するようにインナーパッドを置く。排出液は、まずインナーパッドに吸収され、インナーパッドで吸収できなかった排出液のみがおむつ1の吸収体に到達し、更に吸収される。このため、排出液の量が多い場合でも、排出液がおむつ1から漏出するのを防ぐことができる。また、排出液の量が少なく、インナーパッドで全て吸収できる場合には、排出液が排出されてもインナーパッドのみを交換すればよいので、介助コストを軽減できる。また、おむつ1の交換頻度を低くし、おむつ1を長時間使用できる。
図2は、実施形態1に係るおむつ1の分解斜視図の一例である。おむつ1は、カバーシート4とインナーカバーシート5とを有する。カバーシート4とインナーカバーシート5は、貼り合わされておむつ1の外表面を形成する略砂時計形状(瓢箪形状)のシートであり、前身頃領域1F側の端部と後身頃領域1R側の端部以外は同形状でほぼ同じ大きさである。着用者に着用された状態において、カバーシート4は着用者の非肌面側、インナーカバーシート5は着用者の肌面側に積層されている。カバーシート4とインナーカバーシート5の間には、ウェストギャザー3R、タミーギャザー12,およびレグギャザー3LF、3LRを形成するための伸縮部材が設けられている。本実施形態では、伸縮部材として糸ゴムが採用されている。なお、伸縮部材としては、糸ゴムに代えて帯状のゴム等の伸
縮部材を適宜選択できる。
カバーシート4とインナーカバーシート5は、例えば、排出物の漏れを抑制するために、液不透過性の熱可塑性樹脂からなる不織布をその材料として用いることができる。ここで、液不透過性の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等が例示できる。以下、吸収体8および吸収体8にバックシート6、トップシート9、サイドシート10L,10Rを組み合わせたものを内装体とし、内装体に対応する概念として、糸ゴムが配置されたカバーシート4とインナーカバーシート5とを合わせて外装体と表現することがある(本開示の「外装体」の一例)。
おむつ1は、カバーシート4とインナーカバーシート5の着用者側の面において順に積層されるバックシート6(本開示の「シート状部材」の一例)と、吸収体8と、トップシート9(本開示の「透水性シート」の一例)とを有する。バックシート6は、着用者の前身頃から股下を経由して後身頃へ届く長さを長手方向に有し、当該長手方向に対し直交する幅方向に所定の横幅を有する略長方形のシートである。吸収体8、トップシート9は、何れもバックシート6と同様に略長方形の外観を有するシート状の部材であり、長手方向がバックシート6の長手方向と一致する状態で、バックシート6に対して順に積層されている。バックシート6は、排出物の漏れを抑制するために非透液性の熱可塑性樹脂を材料として形成されたシートである。また、バックシート6には、微小な孔が設けられている。孔は、透液を防止しつつ通気可能である。孔は、例えば吸収体8と重なる領域に設けられている。また、トップシート9は、吸収体8の吸水面を被覆するように着用者の肌面側に配置される、シート状の部材である。このトップシート9は、その一部又は全部において液透過性を有する。そのため、おむつ1が着用された状態において、着用者から排出された液体は、着用者の肌に接触し得るトップシート9を通って吸収体8に浸入し、そこで吸収される。液透過性のシートとしては、例えば、織布、不織布、多孔質フィルムが挙げられる。また、トップシート9は親水性を有していてもよい。
吸収体8は、マットからなる吸収コア8cと、吸収コア8cを包み込むコアラップシート7とを有する。吸収コア8cは、括れ部を有する略砂時計型である。吸収コア8cは、パルプ繊維、レーヨン繊維、またはコットン繊維のようなセルロース系繊維の短繊維や、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンテレフタレート等の合成繊維に親水化処理を施した短繊維の隙間に、水を吸収し保持することのできる架橋構造を持つ親水性ポリマーであるSAP(高吸収性重合体:Super Absorbent Polymer)等の粒状の吸収性樹脂(高分子吸収材)を保持させた構造を有する。吸収コア8cは、着用者から排出された液体を吸収すると、短繊維内の隙間に保持された吸収性樹脂を膨潤させて該液体を短繊維内に保持する。本実施形態では、吸収コア8cは、中央部付近が括れた略砂時計型である。吸収コア8cは、目的に応じた適宜の形状を採ることができる。吸収コア8cの形状としては、例えば、矩形状、楕円形状、その他各種の形状が挙げられる。
コアラップシート7は、薄い液透過性のシートであり、吸収コア8cをコアラップシート7で包むことにより、上述の吸収コア8cのSAPが他の構造に混入しにくくなる。また、吸収コア8cの型崩れが抑制される。コアラップシート7は、パルプ繊維で形成することができ、一例としてはティッシュペーパーを用いることができる。コアラップシート7は、1枚のシートでもよいが、着用者の肌面側に配置された上側シートと、着用者の非肌面側に配置され、吸収コアの側面と肌面側に回り込む下側シートの2枚のシートで構成されていてもよい。コアラップシート7が2枚のシートで構成されている場合、上側シートの幅方向端部が他のシート(例えば、後述するサイドシート10L,10R、バックシート6、トップシート9)に包まれる構造になっていてもよい。なお、吸収体8はバックシート6とトップシート9に包まれており、これらのシートによっても型崩れを抑制でき
るため、コアラップシート7を設けないこともできる。
また、バックシート6とコアラップシート7の間には、前身頃領域1Fから股下領域1Bにかけて長手方向に伸長状態で糸ゴム4F7(本開示の「第3伸縮部材」の一例)が幅方向中央部に設けられている。糸ゴム4F7の肌面側には糸ゴムカバーシート13(伸縮部材カバーシート)が配置されている。糸ゴムカバーシート13は、糸ゴム4F7を肌面側から覆ってバックシート6に接着されている。糸ゴムカバーシート13は、糸ゴム4F7と吸収体8の間に配置されている。また、糸ゴムカバーシート13は、吸収体8のコアラップシート7とは接着されていない。糸ゴム4F7は、吸収体8とバックシート6の間に配置され、バックシート6に接着され且つ吸収体8と非接着である。これにより、吸収体8に糸ゴム4F7の弾性力(収縮力)が作用するのを防ぎ、吸収体8が変形するのを防ぐことができる。なお、糸ゴム4F7に代えて帯状の伸縮部材を用いる場合は、糸ゴムカバーシート13を設けなることなく、伸縮部材とコアラップシート7を非接着とすることができる。また、本実施形態では、糸ゴムカバーシート13は、バックシート6の同じ長さで形成されている。なお、糸ゴムカバーシート13は、糸ゴム4F7の延在領域に合わせた長さで形成されていてもよいし、糸ゴム4F7の延在領域より長く且つバックシート6よりも短く形成されていてもよい。なお、糸ゴム4F7は、カバーシート4とインナーカバーシート5との間に設けられてもよい。
バックシート6、吸収体8、トップシート9は、何れも前身頃領域1Fから後身頃領域1Rにまで延在する。よって、バックシート6、吸収体8、トップシート9を積層して着用者の陰部(股下)を覆うと、バックシート6、吸収体8、トップシート9の各長手方向の両端部は、着用者の腹側と背側に位置する状態となる。すなわち、着用者の陰部は、着用者の腹側から背側まで吸収体8に覆われる状態となる。したがって、着用者が腹を下へ向けた姿勢と背を下へ向けた姿勢の何れの姿勢で液体を体外へ排出しても、排出された液体はトップシート9を介して吸収体8に接触することになる。
また、おむつ1は、上述した立体ギャザー3BL,3BRを形成するための細長い帯状のサイドシート10L,10R(本開示の「防漏シート」の一例)を有する。サイドシート10L,10Rは、トップシート9の長辺の部分に設けられる。そして、サイドシート10L,10Rには糸ゴム10L1,10R1(本開示の「第5伸縮部材」の一例)が長手方向に沿って伸長された状態で接着される。よって、カバーシート4の、前身頃領域1Fの左側の縁となる縁4F4と、後身頃領域1Rの左側の縁となる縁4R4とが互いに接合され、且つ、カバーシート4の、前身頃領域1Fの右側の縁となる縁4F5と、後身頃領域1Rの右側の縁となる縁4R5とが互いに接合されることにより、図1に示したような完成状態のおむつ1になると、サイドシート10L,10Rは、糸ゴム10L1,10R1の収縮力で長手方向に引き寄せられて折り返し線10L2,10R2に沿ってトップシート9から立ち上がる。その結果、左下肢開口部2L及び右下肢開口部2Rからの液体の流出を防ぐ立体ギャザー3BL,3BRが形成される。
ここで、サイドシート10L,10Rは、立体ギャザー3BL,3BRが形成された場合に立体ギャザー3BL,3BRの夫々の起立線間の幅方向の間隔は、インナーパッドが入る程度に設けられる。なお、縁4F4及び縁4R4、縁4F5及び縁4R5の接合方法は特に限定されないが、例えば、ヒートシール、高周波シール、超音波シール等によって行うことができる。
更に、おむつ1は、バックシート6、吸収体8、トップシート9、サイドシート10L,10Rを挟んで、カバーシート4の前身頃領域1Fにおいて着用者側の面に積層されるエンドシート11Fと、カバーシート4の後身頃領域1Rにおいて着用者側の面に積層されるエンドシート11Rとを有する。エンドシート11F,11Rは、トップシート9の
長手方向における一端側においてカバーシート4、インナーカバーシート5に重ねられる短冊状のシートである。エンドシート11F,11Rは非透水性の不織布であり、主におむつ1の胴回り当接部分においてカバーシート4とインナーカバーシート5を補強する。また、エンドシート11F,11Rには、それぞれ接着剤が塗布されており、当該接着剤によりインナーカバーシート5と接着している。エンドシート11F,11Rは、バックシート6、吸収体8、トップシート9、サイドシート10L,10Rにより形成される積層体より肌面側に配置され、積層体の端が肌面に直接触れて着用者に違和感を与えるのを防ぐ。
図3は、実施形態1に係るおむつ1を展開し、伸長した状態を模式的に示した図の一例である。図3(A)は、展開及び伸長した状態のおむつ1を左側から見た場合の内部構造を模式的に示している。図3(B)は、展開及び伸長した状態のおむつ1の平面図である。
図3に示されるように、レグギャザー3LFを形成する糸ゴム4F3(本開示の「第1伸縮部材」の一例)は、おむつ1が組み立てられた場合に着用者の脚が入る右下肢開口部2Rおよび左下肢開口部2Lの前身頃領域1F側の縁に沿うように設けられる。そして、糸ゴム4F3は、前身頃側の股下領域1Bにおいて、左右方向に横断するように設けられる。このように左右方向に横断するように糸ゴム4F3が設けられる場所では、おむつ1の厚み方向において糸ゴム4F3と吸収体8とは重なっている。また、このような横断領域の幅方向中央部は、おむつ1が着用された場合の女性着用者の尿道口に対応する領域となる。なお、厚み方向において吸収体8が重なっている領域において、糸ゴム4F3の配置形態は図3に示されるように横断することに限定されない。糸ゴム4F3の延在方向が、幅方向の成分を有していればよく、好ましくは糸ゴム4F3の延在方向の幅方向成分が長手方向成分よりも大きければよい。
一方、レグギャザー3LRを形成する糸ゴム4R3は、右下肢開口部2Rおよび左下肢開口部2Lの後身頃領域1R側の縁に沿うように設けられる。そして、後身頃側の股下領域1Bにおいて、糸ゴム4R3の先端部は幅方向を向いている。しかしながら、糸ゴム4R3は、幅方向の中央部において切断されており、左側の糸ゴム4R3と右側の糸ゴム4R3とは繋がっていない。
また、インナーカバーシート5と吸収体8とは前身頃領域1Fから後身頃領域1Rにかけてバックシート6を介して接着剤で適宜接着されている。しかしながら、図3に示されるように糸ゴム4F3が横断する領域では、インナーカバーシート5と吸収体8とは非接着とされる(非接着領域15とする)。実際には、非接着領域15においては、インナーカバーシート5とバックシート6が非接着とされている。本実施形態では、糸ゴム4F3と吸収体8とが重なる股下領域1Bの重なり領域の全域に非接着領域15が設けられている。
また、図3に示されるように、糸ゴム4F7は、前身頃領域1Fから股下領域1Bにかけて長手方向に伸長した状態でバックシート6と糸ゴムカバーシート13との間の幅方向中央部に設けられる。なお、糸ゴム4F7の股下領域1B側の端部側は、着用者がおむつ1を着用した場合の着用者の肛門側に対応する。
カバーシート4は、図2に記載の折り返し線4FF、4RFにおいて一端側が折り返されている。上述したウェストギャザー3Rは、カバーシート4の前身頃領域に糸ゴム4F1が伸長された状態で接着され、カバーシート4の後身頃領域に糸ゴム4R1が伸長された状態で接着されることで形成される。糸ゴム4F1,4F2(本開示の「第2伸縮部材」の一例)は、折り返されると前身頃領域1Fの上側の縁を形成することになる折り返し
線4FF沿いに、折り返し線4FF側から糸ゴム4F1、糸ゴム4F2の順に設けられている。同様にして、タミーギャザー12は、カバーシート4の前身頃領域1Fに糸ゴム4F2が伸長された状態で接着され、カバーシート4の後身頃領域1Rに糸ゴム4R2が伸長された状態で接着されることで形成される。糸ゴム4R1,4R2(本開示の「第2伸縮部材」の一例)も、糸ゴム4F1,4F2と同様、折り返されると後身頃領域1Rの上側の縁を形成することになる折り返し線4RF沿いに、折り返し線4RF側から糸ゴム4R1、糸ゴム4R2の順に設けられている。
このため、糸ゴム4F1,4F2は、伸縮方向となる長手方向がおむつ1の左右方向となる向きでカバーシート4に設けられることになる。また、糸ゴム4R1,4R2は、伸縮方向となる長手方向がおむつ1の左右方向となる向きでカバーシート4に設けられることになる。よって、縁4F4と縁4R4が互いに接合され、縁4F5と縁4R5が互いに接合されると、糸ゴム4F1,4F2と糸ゴム4R1,4R2は、胴開口部2Tに沿って周回する実質的に環状の伸縮部材を形成し、胴開口部2Tを胴周り方向に収縮させる機能を発揮する。すなわち、糸ゴム4F1,4F2と糸ゴム4R1,4R2は、収縮力を発揮しておむつ1を着用者に密着させ、おむつ1と着用者の腹囲との間に隙間が形成されるのを防ぐ。糸ゴム4F2,糸ゴム4R2は、その股下領域1B側の一部において、吸収体8と重畳する(詳細は後述する)。
糸ゴム4F1,4R1は、図1に示した前身頃領域1F,後身頃領域1Rの上側の縁となる部分に沿って左右方向に延在するように設けられている。糸ゴム4F2,4R2は、所定の間隔を空けて平行に設けられている。糸ゴム4F1,4R1は、おむつ1が着用された状態において、着用者の腹囲を糸ゴム4F2,4R2よりも上側で比較的強く締め付ける。糸ゴム4F1,4R1は、おむつ1を着用者に密着させて着用位置がずれるのを防止し、腹部や背部から排出液が漏出するのを防ぐ機能を担う。糸ゴム4F2,4R2は、糸ゴム4F1,4R1の収縮力に起因する着用者への圧迫感を緩和する。
カバーシート4は、折り返し線4FF、4RFで折り返されて糸ゴム4F1,糸ゴム4R1の配置領域まで延在し、その折り返された部分で糸ゴム4F1、糸ゴム4R1の配置領域を補強している。エンドシート11F,11R(図2参照)は、折り返し線4FF、4RFで折り返されたカバーシート4が延在していない糸ゴム4F2、糸ゴム4R2の配置領域に設けられ糸ゴム4F2、糸ゴム4R2の配置領域を補強している。
なお、本願においてシートが重なる状態とは、重ね合わされるシート同士が互いに全面的に接触する状態で重なる形態に限定されるものでなく、シートの一部分同士が重なる形態を含む概念である。例えば、エンドシート11Fは、バックシート6の長手方向における一端側の一部分が、カバーシート4の一部分に触れる状態で重ねられる。おむつ1は、吸収体8を間に挟んだバックシート6及びトップシート9の他、カバーシート4、エンドシート11F,11R、インナーカバーシート5、サイドシート10L,10Rが積み重なって形成されているため、これら複数のシートを積み重ねた積層体を有していると言える。
上記のようなおむつ1によれば、図3に示されるように前身頃側の股下領域1Bにおいて糸ゴム4F3が横断する非接着領域15では、インナーカバーシート5と吸収体8とは非接着とされる。よって、吸収体8が、カバーシート4とインナーカバーシート5との間に設けられる糸ゴム4F3の収縮によって幅方向に縮こまらずに肌に押し当てられる。また、このような非接着領域15は、女性着用者の尿道口に対応する。よって、おむつ1は、吸収体8の変形を抑制し、着用者の尿道口に対し、しわ等がない平らな状態の吸収体8の当接が容易となる。よって、着用者から排泄された尿を即座に吸収でき、着用者から排泄された尿がおむつ1の外部に漏出することを防止できる。なお、インナーパッドを組み
合わせて使用する場合には、しわ等が生じていない吸収体8によってインナーパッドが尿道口に押し当てられることになるため、尿がおむつ1の外部に漏出することは同様に防止される。
また、吸収体8にしわ等が生ずることが抑制されるため、着用者が男性である場合、吸収体8により男性器を保持することで肌側に押しつけ、排尿方向を一定に保つことができる。よって、尿がおむつ1の外部に漏出することは抑制される。
また、上記のようなおむつ1によれば、糸ゴム4R3は、図3に示されるように幅方向の中央部において切断されている。よって、糸ゴム4R3が切断された領域におけるカバーシート4およびインナーカバーシート5には糸ゴム4R3の弾性力が作用せず、当該領域におけるカバーシート4およびインナーカバーシート5は収縮しない。また、おむつ1は、吸収体8の変形を抑制するため、吸収体8の変形によって生じる吸収性能を低下させることがない。
また、上記のようなおむつ1によれば、幅方向に延在する糸ゴム4F3が収縮することで、カバーシート4およびインナーカバーシート5には幅方向に収縮力が作用する。また、このように幅方向に収縮力が作用したカバーシート4およびインナーカバーシート5と吸収体8とは非接着である。よって、吸収体8よりも幅方向外側に存在するカバーシート4およびインナーカバーシート5の領域55L、55R(図3参照)が吸収体8と厚み方向において重なるように収縮される。おむつ1は、胴回り開口部を伸長した状態において、糸ゴム4F3,4R3は、吸収体8と重なる股下領域1Bの重なり領域よりも幅方向の外側の領域55L、55Rが当該重なり領域よりも幅方向の内側に収縮される収縮力を有する。よって、胴回り開口部が伸長されておむつ1が着用される場合に、着用者がおむつ1を着用するために左下肢開口部2Lおよび右下肢開口部2Rに脚を入れる際、着用者の親指が領域55L,55Rに引っかかることは抑制される。よって、着用者がおむつ1に足を引っかけてバランスを崩し転倒する可能性が低減される。
また、糸ゴム4R3は幅方向中央部において切断されており、幅方向に延在していない。また、後身頃側の股下領域1Bにおいては、カバーシート4およびインナーカバーシート5と吸収体8とはバックシート6を介して接着されている。よって、後身頃領域1Rにおいては、吸収体8よりも幅方向外側に存するカバーシート4およびインナーカバーシート5の領域56L,56R(図3参照)は、吸収体8と厚み方向において重なるように収縮されることは抑制される。よって、前身頃側では、領域55L、55Rが吸収体8と厚み方向において重なり、後身頃側では、領域56L、56Rが左下肢開口部2Lおよび右下肢開口部2Rの夫々にはみ出したような状態となる。よって、おむつ1の前後見分けが容易となるため、着用者の利便性は向上する。
また、上記のようなおむつ1によれば、バックシート6には、図2に示されるように微小な孔が設けられている。そして、孔が設けられる場所は、吸収体8と重なる領域である。また、バックシート6の非肌面側にはインナーカバーシート5が設けられており、インナーカバーシート5は吸収体8と非接着領域15において非接着である。よって、バックシート6の微小な孔、および吸収体8とインナーカバーシート5との間の非接着領域15を介しておむつ1の内部の空気は外部と連通する。よって、おむつ1内の通気性は向上する。また、本実施形態に係るおむつ1によれば、糸ゴム4F3の収縮により吸収体8に対してカバーシート4およびインナーカバーシート5が収縮する。よって、非接着領域15において吸収体8とインナーカバーシート5との間の空間が拡大する。よって、おむつ1内の通気性がより向上する。また、糸ゴム4F3は、女性着用者の尿道口対応領域を含んで設けられている。よって、このような空間の拡大が尿道口対応領域において実現される。よって、濡れやすい尿道口対応領域において通気性を確保することが可能となる。よっ
て、尿道口周辺の皮膚のトラブル等は抑制される。
また、糸ゴム4F7が設けられた場所は、吸収体8とインナーカバーシート5とが接着されていない非接着領域15を含む。よって、吸収体8が尿道口の方向に押し当てられることで、吸収体8とインナーカバーシート5との間の非接着領域15は、厚み方向に広がる。非接着領域15が広がることによって非接着領域15による通気性をより高めることができる。
また、糸ゴム4F7が長手方向に収縮する収縮力がバックシート6を介してインナーカバーシート5に伝達される。また、インナーカバーシート5と接着されているバックシート6に設けられた孔は長手方向に拡大する。よって、おむつ1の通気性は向上する。また、バックシート6の孔は、吸収体8と厚み方向において重なる領域に設けられているため、幅方向の中央部に左右対称に設けられていることになる。よって、孔を幅方向において均等に長手方向に広げることができる。よって、通気性を均一に高めることができる。なお、糸ゴム4F7が吸収体8に設けられている場合も同様の効果を奏する。
<実施形態2>
次に、実施形態2に係るおむつ1について説明する。図4は、実施形態2に係るおむつを展開し、伸長した状態を模式的に示した平面図の一例である。なお、上述した実施形態1の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明は省略する。
本実施形態では、図4に示されるように、非接着領域15は、糸ゴム4F3が股下領域1Bを幅方向に横切る部位(以下、当該部位を「糸ゴム4F3の横断部」と称する場合がある)よりも前身頃領域1F側および後身頃領域1R側に延在している。図4では、非接着領域15を塗りつぶして図示している。また、図4に示されるように、糸ゴム4F3は、吸収体8よりもおむつ1の幅方向外側において、おむつ1の長手方向の成分を有する。ここで、長手方向の成分とは、おむつ1の長手方向に沿って延在および伸縮する成分のことであり、糸ゴム4F3が当該長手方向に対して斜めに延在していても糸ゴム4F3は長手方向の成分を有する。なお、非接着領域15は、おむつ1の幅方向の全域に設けられている。
非接着領域15が糸ゴム4F3の延在領域の前身頃領域1F側を含んで形成されており、さらに、糸ゴム4F3が吸収体8を横断する部位の幅方向外側ではおむつ1の長手方向に伸縮する成分を有する。このため、非接着領域15における外装体(カバーシート4およびインナーカバーシート5)は、糸ゴム4F3によって前身頃領域1F側に引っ張られ、この外装体によって吸収体8を含む内装体も前身頃領域1F側に引き上げられる。この構成を備えるおむつ1は、非接着領域15の肌面側の吸収体8が前身頃領域1F側に引き上げられることによって、着用者の肌面から当該吸収体8が離れるのを抑制できる。なお、非接着領域15は、糸ゴム4F3の延在領域よりも前身頃領域1F側を含んで形成されていれば、糸ゴム4F3によって前身頃領域1F側に引っ張られ、吸収体8を含む内装体も前身頃領域1F側に引き上げることができる。
ここで、おむつ1の着用者が女性である場合について説明する。女性がおむつ1を着用した場合、尿道口が概ね糸ゴム4F3の横断部に位置するように設計されている。このため、糸ゴム4F3の横断部は、女性着用者の尿道口に対応する領域を含んでいる。前述の通り、糸ゴム4F3によって非接着領域15上の外装体および吸収体8を含む内装体を前身頃領域1F側に引き上げることで、吸収体8を女性の尿道口に近づけ、尿道口から排尿される尿が吸収体8に浸入しやすくなる。これによって、おむつ1は、尿の漏れを抑制することができる。
次に、おむつ1の着用者が男性である場合について説明する。男性がおむつ1を着用した場合に、糸ゴム4F3の横断部は、男性の陰茎(男性器)の位置よりも股下領域1B側であるように設計されている。言い換えると、男性の陰茎は、糸ゴム4F3の横断部よりも前身頃領域1F側に位置する。このように、糸ゴム4F3の横断部は、陰茎に対応する領域よりも股下領域1B側である。おむつ1は、糸ゴム4F3によって非接着領域15上の外装体および吸収体8を含む内装体を前身頃領域1F側に引き上げることで、吸収体8を睾丸の後ろ側に押し当て、陰茎に対応する領域に陰茎を保持する空間を形成することができる。男性着用者は陰茎の尿道口から排尿するため、おむつ1は、陰茎を保持することで、排尿方向を制御し、尿の漏れを抑制することができる。
また、男性がおむつ1を着用した場合、睾丸が概ね糸ゴム4F3が股下領域1Bを横切る部位に位置するように設計されている。このため、糸ゴム4F3が股下領域1Bを横切る部位は、男性着用者の睾丸に対応する領域を含んでいる。睾丸の膨らみに沿って吸収体8も膨らむが、糸ゴム4F3によって吸収体8を持ち上げることで、睾丸を保持することができる。また、睾丸の位置がずれたり、着用者によっておむつ1に対する睾丸の位置が異なっていたりしても、非接着領域15が設けられていることで、睾丸に対する糸ゴム4F3の横断部の相対位置を移動させることができ、糸ゴム4F3によって睾丸が位置する部位の吸収体8を持ち上げることで睾丸を保持することができる。
また、おむつ1は、非接着領域15を設けたことによって、糸ゴム4F3の横断部で吸収体8が収縮するのを抑制することができる。仮に、吸収体が収縮して着用者の肌に当たると、着用者に違和感与え着用感が低下する。本実施形態に係るおむつ1は、吸収体8が収縮するのを抑制することで着用感の低下を抑制できる。また、吸収体は、尿の吸収後に収縮するとパルプが崩れる虞がある。本実施形態に係るおむつ1は、吸収体8が収縮するのを抑制することで吸収体8の型崩れを抑制できる。
また、おむつ1は、着用者の陰茎に対応する領域よりも前身頃領域1F側に配置された糸ゴム4F2(本開示の「第2伸縮部材」の一例)を備える。前述の通り、糸ゴム4F2は、おむつ1の幅方向に伸縮し、その股下領域1B側の一部において吸収体8と重畳している。このため、糸ゴム4F2は、おむつ1の着用状態において吸収体8を幅方向に引っ張る。具体的には、糸ゴム4F2は、おむつ1の着用状態において吸収体8の前身頃領域1F側の端部を幅方向に引っ張る。これにより、吸収体8の前身頃領域1F側が男性の陰茎を保持する空間の前側縁を形成することになる。なお、本実施形態では、タミーギャザー12(図1参照)を形成する糸ゴム4F2によって吸収体8を幅方向に引っ張っているが、別途糸ゴムを設けてもよい。この糸ゴムを吸収体8に直接的に接着してもよいし、この糸ゴムを外装体に接着してもよい。
また、複数本(例えば、3本)の糸ゴム4F7が伸長状態でおむつ1の長手方向に沿って設けられている。ここで、糸ゴム4F7の前身頃領域1F側の端部は、糸ゴム4F2の配置領域よりも股下領域1B側である。陰茎を保持する空間の前側の縁を糸ゴム4F7で収縮してつぶすことがないように、糸ゴム4F7を糸ゴム4F2の配置領域まで延在させていない。本実施形態に係るおむつ1は、陰茎を保持する空間を良好に維持することができる。
また、前述の通り、吸収体8は、股下領域1Bで括れた略砂時計型形状を有している。より具体的には、吸収コア8cは、股下領域1Bで括れ、且つ、糸ゴム4F3の横断部よりも前身頃領域1F側で股下領域1Bの括れよりも幅方向に広い形状を有する。非接着領域15における外装体が糸ゴム4F3によって前身頃領域1F側に持ち上げられ、糸ゴム4F3がおむつ1の幅方向内側に収縮することで、非接着領域15における吸収体8よりも幅方向外側の外装体(図3に示す領域55L,55R)が吸収体8と重なる範囲に収ま
るか、少なくとも、糸ゴム4F3を設けなかった場合よりも吸収体8よりも幅方向外側への外装体のはみ出し量が少なくなる。例えば、糸ゴム4F3によって前身頃領域1F側に持ち上げられる非接着領域15上の吸収体8の幅が持ち上げられる前の位置よりも広ければ、より確実に外装体が吸収体8の幅内に収まりやすくなる。これにより、おむつ1の着用時に、左右の下肢開口部2L,2Rが外装体によって塞がれにくくなる。よって、着用者が自力でおむつ1を履く場合には胴開口部2Tから左右の下肢開口部2L,2Rが見やすくなり、介護者等が着用者におむつ1を履かせる場合には外部から左右の下肢開口部2L,2Rを見つけやすくなるため、おむつ1の着用が容易となる。また、着用者が左右の下肢開口部2L,2Rに足を入れる際に、親指が外装体に引っかかり難くなる。
また、おむつ1は、着用者の背側において、左右の下肢開口部2L,2Rに沿い、伸長状態で外装体に設けられた一対の糸ゴム4R3(本開示における「第4伸縮部材」)を備える。糸ゴム4R3は、外装体に接着されている。なお、糸ゴム4R3は、股下領域1Bにおいて、外装体と非接着の場合には、糸ゴム4F3よりも収縮度が小さくてもよい。このように糸ゴム4R3を構成することで、糸ゴム4F3の配置領域の外装体をより収縮させ、糸ゴム4R3の配置領域の外装体の収縮度を小さくし、おむつ1の前後見分けを容易にすることができる。
また、股下領域1Bにおいて左右一対の糸ゴム4R3が対向する間の領域は、着用者の肛門に対応する肛門対応領域45となる。図4では、肛門対応領域45を点線で囲んで図示している。糸ゴム4R3は、おむつ1の幅方向の中央部において両側の糸ゴム4R3が繋がっていないので、当該幅方向の中央部において伸縮力を有さない。言い換えると、糸ゴム4R3は、肛門対応領域45までは延在せず、糸ゴム4R3の収縮力によって肛門対応領域45が外側に引っ張られるので、肛門対応領域45をより肌面から離すことができる。これにより、おむつ1は、肛門対応領域45において、便を収容する便収容空間を形成することができる。おむつ1は、便収容空間を形成することで、便が着用者の肌に密着したり、臀部の臀裂に便が入り込んだりすることで生じる着用感の低下を抑制することができる。
図5は、実施形態2に係るおむつの長手方向中央で幅方向に沿って切断した場合の断面図である。吸収コア8cは、透水性のコアラップシート7に包まれている。更に、コアラップシート7は、着用時に着用者の肌面側に位置する上層コアラップシート7fと、着用時に着用者の非肌面側に位置する下層コアラップシート7bとに分かれている。上層コアラップシート7fと下層コアラップシート7bとは、吸収コア8cの肌面側端部で相互に接着されている。上層コアラップシート7fは、吸収コア8cの肌面側と接着されている。下層コアラップシート7bは、吸収コア8cの非肌面側と接着されている。
バックシート6は、吸収体8の非肌面側に積層された非透水性のフィルムであり、吸収体8に浸透した排出液がカバーシート4側に漏出するのを防止する。バックシート6は、吸収コア8cよりも幅広であり、吸収コア8cの側面を包み込んで、肌面側にまで達している。また、おむつ1は、吸収体8の非肌面側である下層コアラップシート7bとバックシート6を接着する複数の接着部HM3を備える。複数の接着部HM3は、互いに離間して形成されている。
トップシート9は、着用者の肌面に当接する透水性シートである。着用者から排出液が排出されると、排出液はトップシート9を通過して吸収コア8cに浸透し、吸収される。トップシート9も、吸収コア8cよりも幅広であり、吸収コア8cの側面を包み込んで、非肌面側に達している。吸収体8の肌面側において、トップシート9は、バックシート6よりも肌面側に積層されている。
サイドシート10L,10Rは、吸収体8の幅方向両側に配置された非透水性の不織布シートであり、吸収体8の幅方向側面を覆う一対のサイドシートを構成している。サイドシート10L,10Rは、吸収体8の肌面側端部で更に肌面側に立ち上がって、排出液の横漏れを防止する立体ギャザー3BL,3BRを形成している。吸収体8の肌面側において、サイドシート10L,10Rは、トップシート9よりも肌面側に積層されている。
また、本実施形態におけるおむつ1の吸収体8の側面部には、非透水性フィルムシートであるバックシート6の更に外側に、不織布で形成されたトップシート9とサイドシート10L,10Rが積層されている。このように吸収体8の側面を複数の不織布シートで覆うことで、吸収体8の側面部において、非透水性フィルムであるバックシート6が着用者の肌面に直接当接して着用者に違和感を与えるのを防ぐことができる。また、吸収体8の側面が複数のシートで覆われることで補強され、吸収コア8cの型崩れが抑制される。
バックシート6は、吸収体8の幅方向端部において肌面側に折り返されて吸収体8の肌面側に延在する折り返し部6Aを有する。バックシート6は、折り返し部6Aが吸収体8の幅方向端部を覆うように吸収体8の肌面側に折り返されている。折り返し部6Aとトップシート9の間にはホットメルト接着剤によって接着部HM1がおむつ1の長手方向に沿って延在するように塗布されている。このホットメルト接着剤が塗布されることによって折り返し部6Aとトップシート9が接着されている。
立体ギャザー3BR,3BLの形成用のサイドシート10L,10Rは、おむつ1の幅方向の中心よりも外側に配置されており、トップシート9よりも肌面側に配置されている。そして、トップシート9とサイドシート10L,10Rの間にはホットメルト接着剤によって接着部HM2(本開示の「接着部」の一例)がおむつ1の長手方向に沿って延在するように塗布されている。このホットメルト接着剤が塗布されることによってトップシート9とサイドシート10L,10Rが接着されている。また、接着部HM1,HM2は、厚み方向に視て一体的に形成されている。これは、トップシート9の肌面側からホットメルト接着剤が塗布されて、トップシート9を浸透してトップシート9とバックシート6の折り返し部6Aとの間で硬化したホットメルト接着剤と、トップシート9とサイドシート10L,10Rの間で硬化したホットメルト接着剤とで接着部HM1,HM2が形成されているためである。おむつ1は、排出液がトップシート9を浸透して非肌面側に到達することがなく、液体の非肌面側からの漏れも抑制できる。
また、サイドシート10L,10Rは、トップシート9及びバックシート6の幅方向端部を覆っている。これにより、仮に、接着部HM1,HM2よりも幅方向端部側に液体が浸透した場合であっても、おむつ1は横漏れを抑制できる。
サイドシート10L,10Rは、接着部HM2よりもおむつ1の幅方向の内側で外側に向かって折り畳まれ、先端に自由端3BL1,3BR1を有する。自由端3BL1,3BR1は、立体ギャザー3BL,3BRが起立した際に起立側の先端となる。また、サイドシート10L,10Rは、おむつ1の長手方向に沿って延在し、伸長状態で接着された糸ゴム10L1,10R1を有する。この糸ゴム10L1,10R1が収縮することによって、接着部HM2の内側から自由端3BL1,3BR1までを着用者側に起立させる立体ギャザー3BL,3BRを形成する。ここで、3本の糸ゴム10L1のうちの少なくとも一本は、糸ゴム4F3と色が異なる。例えば、3本の糸ゴム10L1のうち自由端3BL1,3BR1側の1本が糸ゴム4F3と異なる色であればよい。
おむつ1は、糸ゴム4F3の収縮によって糸ゴム4F3の横断部における外装体を収縮させ、左右の下肢開口部2L,2Rを前身頃領域1F側で広く開くことができる、これにより、前身頃領域1F側から左右の下肢開口部2L,2Rを視認すると立体ギャザー3B
L,3BRが視認可能であり、さらに、糸ゴム10L1,10R1も視認可能である。この糸ゴム10L1が糸ゴム4F3と異なる色に付されていることで、おむつ1は、異なる色の糸ゴム10L1が左右の下肢開口部2L,2Rから視認可能な方が前側であると識別可能となることによって、前後の識別を容易にすることができる。なお、例えば、自由端3BL1,3BR1の糸ゴム10L1,10R1は、サイドシート10L,10Rと異なる色に付されていてもよい。これにより、糸ゴム10L1,10R1の視認性を向上させることができる。
<実施形態3>
次に、実施形態3に係るおむつ1について説明する。図6は、実施形態3に係るおむつを展開し、伸長した状態を模式的に示した平面図の一例である。なお、上述した実施形態1の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明は省略する。
図6に示されるように、吸収体8は、糸ゴム4F7を囲むように線状に圧搾されており、図6ではライン14(本開示の「高剛性部」の一例)として表示される。ライン14は、股下領域1B側の端部では幅方向に設けられる。また、ライン14は、前身頃領域1F側の端部では、幅方向の外側に折れ曲がっている。なお、このような吸収体8の圧搾は、例えばローラによってエンボス加工されることで実現される。吸収体8は、非接着領域15においておむつ1の長手方向に沿って延在するライン14を有する。糸ゴム4F3によって吸収体8が持ち上げられることにより、吸収体8に幅方向の折り目ができて肌側に凸となりやすいため、吸収体8が凸状に変形するのを阻害するために長手方向に延在するライン14を形成する。なお、ライン14以外にも、パルプの目付を高くしたり、資材を多く積層したり、ホットメルト接着剤を塗布することによって高剛性部を設けてもよい。
本実施形態に係るおむつ1によれば、図6に示されるように前身頃領域1Fから股下領域1Bにかけて、長手方向に伸長した状態で糸ゴム4F7がバックシート6と糸ゴムカバーシート13との間に設けられている。よって、カバーシート4およびインナーカバーシート5が長手方向に収縮される。また、吸収体8には圧搾領域であるライン14が設けられているため、ライン14が折れ曲がることで吸収体8が肌面側に凸となることが誘導される。よって、吸収体8は尿道口に確実に当接可能となる。よって、着用者から排泄された尿がおむつ1の外部に漏出することを防止できる。なお、糸ゴム4F7が吸収体8に設けられている場合も同様の効果を奏する。
また、本実施形態に係るおむつ1によれば、股下領域1Bの肛門に対応する領域においてライン14が幅方向に延在している。ライン14は他の領域よりも剛性が高いため、吸収体8が幅方向に変形することは抑制される。よって、おむつ1は、吸収体8が着用者の臀部に食い込むことを防止し、着用感の低下を抑制できる。
<実施形態4>
次に、実施形態4に係るおむつ1について説明する。図7は、実施形態4に係るおむつ1の分解斜視図の一例である。なお、上述した実施形態1の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明は省略する。
本実施形態では、吸収体8は複数のマットを有する。吸収体8は、複数のマットからなる吸収コア8cと、吸収コア8cを包み込むコアラップシート7とを有する。なお、本実施形態では、図7に示されるように吸収コア8cは上層吸収マット8aと下層吸収マット8bを有する。上層吸収マット8aは、括れ部を有する略砂時計型であり、下層吸収マット8bは矩形状である。また、下層吸収マット8bの幅は、上層吸収マット8aの括れ部の幅と略同一である。このように、吸収マットを2層積層して吸収コア8cを形成してもよい。
<変形例>
上記の実施形態では、糸ゴム4F3が幅方向に横断する非接着領域15において、吸収体8とインナーカバーシート5とが非接着であるが、非接着領域15において吸収体8とインナーカバーシート5とが一部接着されていてもよい。このような場合、インナーカバーシート5に対して吸収体8のずれを防止できる。なお、一部接着される場所は、例えば幅方向の中央部でもよい。
また、上記の実施形態1では、カバーシート4およびインナーカバーシート5の領域55L、55Rが糸ゴム4F3の収縮によって幅方向に収縮され、領域56L、56Rが左下肢開口部2Lおよび右下肢開口部2Rの夫々にはみ出したような状態となるが、糸ゴム4F3の収縮力により領域55L、55Rおよび領域56L、56Rの全部が吸収体8と重なるように幅方向に収縮されてもよい。
また、糸ゴム4F7の配置形態は、上記の実施形態に限定されず、バックシート6の微小な孔、および吸収体8とインナーカバーシート5との間の非接着領域15が拡大可能に設けられていればよい。例えば、糸ゴム4F7は幅方向の中央に設けられ長手方向に延在する中心線に対し、左右対称に幅方向の端部に設けられてもよい。また、糸ゴム4F7が上記の実施形態に加えて幅方向の端部側にも設けられる場合、微小な孔の肌面側および非肌面側をより広く開口させることができる。よって、通気性を向上させることができる。
なお、上記の実施形態では、着用者から排泄された尿の漏出を防止できる効果が記載されているが、着用者から排泄された水様便に含まれる水分、便、または着用者から排出された汗の漏出も同様に防止できる。
なお、糸ゴム4R3を、糸ゴム4F3と同様に、股下領域1Bにおいて吸収体8を横切るように左右で連続的に形成してもよい。この場合、糸ゴム4R3の横断部にも非接着領域15と同様の非接着領域を設け、非接着領域における外装体を糸ゴム4R3によって後身頃領域1R側に引っ張り、この外装体によって吸収体8を含む内装体も後身頃領域1R側に引き上げることができる。例えば、着用者が所謂寝たきりである場合に、尿が後身頃領域1Rに流れて尿溜まりが形成される場合に、糸ゴム4R3によって吸収体8を持ち上げることで、尿溜まり形成による吸収体8と肌との隙間が広がるのを抑制することができる。
以上で開示した実施形態や変形例は、それぞれ組み合わせることができる。
1B :股下領域
1F :前身頃領域
1R :後身頃領域
2L :左下肢開口部
2R :右下肢開口部
2T :胴開口部
3BL,3BR:立体ギャザー
3LF,3LR:レグギャザー
3R :ウェストギャザー
4 :カバーシート
4F1,4F2,4F3,4F7:糸ゴム
4F4,4F5:縁
4FF :折り返し線
4R1,4R2,4R3,4R3:糸ゴム
4R4,4R5:縁
4RF :折り返し線
5 :インナーカバーシート
6 :バックシート
7 :コアラップシート
8 :吸収体
8c :吸収コア
9 :トップシート
10L,10R:サイドシート
10L1,10R1:糸ゴム
10L2,10R2:折り返し線
11F,11R:エンドシート
12 :タミーギャザー
13 :糸ゴムカバーシート
14 :ライン
15 :非接着領域
45 :肛門対応領域
55L,55R:領域
56L,56R:領域
HM1,HM2,HM3:接着部

Claims (17)

  1. 長手方向に沿った長さと、前記長手方向に直交する幅方向に沿った長さとを有する吸収性物品であって、
    股下部を含む位置に設けられ、着用者の排出液を吸収可能な吸収体と、
    前記着用者の腹囲を挿通可能な胴回り開口部と、前記着用者の脚を挿通可能な二つの脚回り開口部と、を有し、前記吸収体よりも前記着用者の非肌面側に配置された外装体と、
    前記着用者の腹側において、一方の前記脚回り開口部に沿い、前記股下部を横切るように設けられ、他方の前記脚回り開口部に沿うように延在し、伸長状態で前記外装体に設けられた第1伸縮部材と、を備え、
    前記第1伸縮部材と前記吸収体とが重なる前記股下部の重なり領域において、前記吸収体と前記外装体とが非接着である非接着領域が設けられている、
    吸収性物品。
  2. 前記重なり領域の全域に前記非接着領域が設けられている、
    請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記重なり領域では、前記第1伸縮部材の延在方向は、前記幅方向の成分を有する、
    請求項1または2に記載の吸収性物品。
  4. 前記胴回り開口部に沿って伸長状態で前記幅方向に伸縮するように前記外装体に設けられた第2伸縮部材を備え、
    前記胴回り開口部を伸長した状態において、前記第1伸縮部材は、前記重なり領域よりも前記幅方向の外側の前記外装体の一部または全部が前記重なり領域よりも前記幅方向の内側に収縮される収縮力を有する、
    請求項1または2に記載の吸収性物品。
  5. 前記重なり領域において前記吸収体と前記外装体の間に配置され、非透液性かつ通気性を有するシート状部材を備える、
    請求項1または2に記載の吸収性物品。
  6. 前記重なり領域は、前記着用者の尿道口に対応する領域を含む、
    請求項1または2に記載の吸収性物品。
  7. 前記重なり領域において前記吸収体または前記外装体に伸長状態で前記長手方向に沿って設けられる第3伸縮部材を備える、
    請求項1または2に記載の吸収性物品。
  8. 着用状態において前記着用者の腹部側に位置する前身頃領域、股下に位置する前記股下部、及び背部側に位置する後身頃領域が前記長手方向にこの順に設けられており、
    前記非接着領域は、前記第1伸縮部材が前記股下部を横切る部位よりも前記前身頃領域側に延在しており、
    前記第1伸縮部材は、前記吸収体よりも前記幅方向外側において、前記長手方向の成分を有する、
    請求項1または2に記載の吸収性物品。
  9. 前記着用者が女性である場合に、前記第1伸縮部材が前記股下部を横切る部位は、尿道口に対応する領域を含んでいる、
    請求項8に記載の吸収性物品。
  10. 前記着用者が男性である場合に、前記第1伸縮部材が前記股下部を横切る部位は、陰茎に対応する領域よりも前記股下部側である、
    請求項8に記載の吸収性物品。
  11. 前記陰茎に対応する領域よりも前記前身頃領域側に配置された第2伸縮部材を備え、
    前記第2伸縮部材は、前記幅方向に伸縮し、着用状態において前記吸収体を前記幅方向に引っ張る、
    請求項10に記載の吸収性物品。
  12. 前記吸収体または前記外装体に伸長状態で前記長手方向に沿って設けられる第3伸縮部材を備え、
    前記第3伸縮部材の前記前身頃領域側の端部は、前記第2伸縮部材の配置領域よりも前記股下部側である、
    請求項11に記載の吸収性物品。
  13. 前記吸収体は、前記股下部で括れ、且つ、前記第1伸縮部材が前記股下部を横切る部位よりも前記前身頃領域側で前記股下部の括れよりも前記幅方向に広い形状を有する、
    請求項8に記載の吸収性物品。
  14. 前記着用者の背側において、両側の前記脚回り開口部に沿い、伸長状態で前記外装体に設けられた第4伸縮部材を備え、
    前記第4伸縮部材は、前記外装体に接着されている、または前記外装体と非接着であって前記第1伸縮部材よりも収縮度が小さい、
    請求項13に記載の吸収性物品。
  15. 前記吸収体の肌面側に配置された透水性を有する透水性シートと、
    前記透水性シートの前記幅方向両側に接着された一対の防漏シートであって、前記透水性シートとの接着部よりも前記幅方向の内側で外側に向かって折り畳まれ、先端に自由端を有する防漏シートを備え、
    前記防漏シートは、前記長手方向に沿って延在し、伸長状態で接着された第5伸縮部材を有し、前記防漏シートの前記接着部の内側から前記自由端までを前記着用者側に起立させる防漏壁を形成し、
    前記第5伸縮部材と前記第1伸縮部材とは、色が異なる、
    請求項8に記載の吸収性物品。
  16. 前記着用者の肛門に対応する領域において、便を収容する便収容空間を形成する、
    請求項14に記載の吸収性物品。
  17. 前記吸収体は、前記非接着領域において前記長手方向に沿って延在する高剛性部を有する、 請求項8に記載の吸収性物品。
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