JP2023126195A - 吸収性物品 - Google Patents

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裕之 花生
Hiroyuki Kao
英聡 吉田
Hideaki Yoshida
悠太郎 金田
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雄貴 丹下
Yuki Tange
嵩礼 笹津
Takanori Sasatsu
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Abstract

【課題】本発明は、着用感の低下を抑制可能な技術を提供することを目的とする。【解決手段】吸収性物品は、股下部を含む位置に設けられ、着用者の排出液を吸収可能な吸収体と、吸収体よりも着用者の非肌面側に配置された外装体と、吸収体に形成され、長手方向に沿って延在する左右一対の溝と、溝の幅方向両側に配置された一対の第1伸縮部材であって、吸収体を幅方向の外側に引っ張る左右一対の第1伸縮部材と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
使い捨ておむつ、尿パッド、生理用品等の吸収性物品が開発されている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1には、使い捨ておむつが開示されている。
特開2018-473号公報
吸収性物品には、吸収体を折り曲げるために一対の溝が形成されている。吸収性物品は、吸収体を折り曲げることで着用者の肌面に対する密着性を高めることができる。しかしながら、吸収性物品は、吸収体の背側が折曲がることで、吸収体が着用者の臀部の臀裂(割れ目)に食い込んで着用感が低下してしまう虞がある。
本発明は、着用感の低下を抑制可能な技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、溝の幅方向両側に伸縮部材を設けた。
詳細には、本発明は、長手方向に沿った長さと、前記長手方向に直交する幅方向に沿った長さとを有する吸収性物品であって、股下部を含む位置に設けられ、着用者の排出液を吸収可能な吸収体と、前記吸収体よりも前記着用者の非肌面側に配置された外装体と、前記吸収体に形成され、前記長手方向に沿って延在する左右一対の溝と、前記溝の幅方向両側に配置された一対の第1伸縮部材であって、前記吸収体を前記幅方向の外側に引っ張る左右一対の第1伸縮部材と、を備える。
上記の吸収性物品は、前記外装体は、前記着用者の腹囲を挿通可能な胴回り開口部と、前記着用者の脚を挿通可能な二つの脚回り開口部と、を有し、前記第1伸縮部材は、前記着用者の背側において、前記脚回り開口部に沿って前記吸収体よりも前記幅方向外側に延在していてもよい。
上記の吸収性物品は、前記着用者の腹側において、一方の前記脚回り開口部に沿い、前記股下部を横切るように設けられ、他方の前記脚回り開口部に沿うように延在し、伸長状態で前記外装体に設けられた第2伸縮部材を備えていてもよい。
上記の吸収性物品において、前記第2伸縮部材と前記吸収体とが重なる前記股下部の重なり領域において、前記吸収体と前記外装体とが非接着である非接着領域が設けられていてもよい。
上記の吸収性物品は、着用状態において前記着用者の腹部側に位置する前身頃領域、股下に位置する前記股下部、及び背部側に位置する後身頃領域が前記長手方向にこの順に設けられており、前記非接着領域は、前記第1伸縮部材が前記股下部を横切る部位よりも前記前身頃領域側に延在しており、前記第1伸縮部材は、前記吸収体よりも前記幅方向外側
において、前記長手方向の成分を有していてもよい。
上記の吸収性物品において、前記着用者が女性である場合に、前記第1伸縮部材が前記股下部を横切る部位は、尿道口に対応する領域を含んでいる、または、前記尿道口に対応する領域よりも前記前身頃領域側を含んでいてもよい。
上記の吸収性物品において、前記溝の前記前身頃領域側の先端は、尿道口に対応する位置、または、前記尿道口に対応する位置よりも後身頃領域側であってもよい。
上記の吸収性物品において、前記着用者が男性である場合に、前記第1伸縮部材が前記股下部を横切る部位は、陰茎に対応する領域よりも前記股下部側であってもよい。
上記の吸収性物品は、前記陰茎に対応する領域よりも前記前身頃領域側に配置された第3伸縮部材を備え、前記第3伸縮部材は、前記幅方向に伸縮し、着用状態において前記吸収体を前記幅方向に引っ張ってもよい。
上記の吸収性物品において、前記第1伸縮部材の前記幅方向の内側端部は、厚み方向に見た場合に前記吸収体と重なり、且つ、伸縮方向が前記幅方向の成分を有していてもよい。
上記の吸収性物品において、左右一対の前記第1伸縮部材の間において、前記外装体と前記吸収体は接着されていてもよい。
上記の吸収性物品において、前記第1伸縮部材の前記幅方向の内側端部は、厚み方向に見た場合に前記溝と重なっていてもよい。
上記の吸収性物品において、前記第1伸縮部材の前記幅方向の内側端部は、厚み方向に見た場合に前記溝よりも外側に配置されていてもよい。
上記の吸収性物品において、前記溝は、尿道口対応領域から肛門対応領域を含んで設けられていてもよい。
上記の吸収性物品は、前記吸収体よりも前記非肌面側に前記長手方向に伸長状態で接着された第4伸縮部材であって、一対の前記溝の間に重なる領域に配置され、前記長手方向に伸縮する第4伸縮部材を備えていてもよい。
本発明によれば、着用感の低下を抑制可能である。
図1は、実施形態1に係るおむつの斜視図である。 図2は、実施形態1に係るおむつの分解斜視図である。 図3は、実施形態1に係るおむつの展開図である。 図4は、実施形態1に係るおむつから吸収体を抜き出し示す展開図である。 図5は、実施形態1に係るおむつを図3のAA線で幅方向に切断した場合の断面図である。 図6は、実施形態2に係るおむつの分解斜視図である。 図7は、実施形態2に係るおむつの展開図である。 図8は、実施形態2に係るおむつから吸収体を抜き出し示す展開図である。 図9は、実施形態2に係るおむつを図7のBB線で幅方向に切断した場合の断面図である。 図10は、実施形態3に係るおむつの分解斜視図である。 図11は、実施形態3に係るおむつを幅方向に切断した場合の断面図である。
<実施形態1>
以下に、図面を参照して本発明の実施形態に係るおむつについて説明する。なお、以下の実施形態の構成は例示であり、本発明はこれらの実施の形態の構成に限定されるものではない。
図1は、実施形態に係る大人用のパンツ型使い捨ておむつ(以下、単に「おむつ」という)の斜視図の一例である。おむつにおいて、着用者の腹部に対向して配置される前身頃と背部に対向して配置される後身頃とを結ぶ方向を長手方向(前後方向ともいう)とする。これらの前身頃(長手方向の一側)と後身頃(長手方向の他側)との間(長手方向の中央)には、着用者の股下に配置(股間に対向して配置)される股下部が位置する。また、おむつが着用者に着用された状態において、着用者の肌に向かう側を肌面側とし、肌面側の反対側を非肌面側とする。さらに、肌面側と非肌面側とを結ぶ方向を厚み方向とし、長手方向と厚み方向の何れにも直交する方向を幅方向(左右方向ともいう)とする。そのほか、厚み方向から視ることを平面視とする。おむつ1は、長手方向に沿った長さと、長手方向に直交する幅方向に沿った長さとを有し、着用者の股下に装着される。また、本願で用いる方向に関する用語は、おむつ1が着用者に着用された状態において該着用者の前後左右に一致する方向を意味するものとする。例えば、本願で左右方向という場合、おむつ1の着用者に着用された状態において該着用者の左右に一致する方向を意味する。
本実施形態では、吸収性物品の一例として、着用者の腹囲を挿通可能な胴回り開口部と、着用者の左右の各下肢を挿通可能な左右一対の脚回り開口部とを有する筒状構造のパンツ型使い捨ておむつを例示する。また、本実施形態では、大人用のパンツ型使い捨ておむつを例示するが、本願でいう「吸収性物品」は、大人用のパンツ型使い捨ておむつに限定されるものでない。本願でいう「吸収性物品」には、子供用のパンツ型使い捨ておむつが含まれる。
おむつ1は、着用状態において着用者の陰部(股下)を覆う股下部に対応する部位である股下領域1Bと、着用者の胴回りにおける前身頃に対応する部位であって着用者の腹部側を覆うための前身頃領域1Fと、着用者の胴回りにおける後身頃に対応する部位であって着用者の背部側を覆うための後身頃領域1Rとを有する。ここで、前身頃領域1Fは股下領域1Bの前側に位置し、後身頃領域1Rは股下領域1Bの後側に位置する。本実施形態におけるおむつ1は、パンツ型の使い捨ておむつであるため、前身頃領域1Fの左側の縁と後身頃領域1Rの左側の縁は互いに接合され、前身頃領域1Fの右側の縁と後身頃領域1Rの右側の縁は互いに接合されている。よって、おむつ1には、前身頃領域1Fの上側の縁と後身頃領域1Rの上側の縁とによって胴開口部2T(本開示の「胴回り開口部」の一例)が形成されている。また、おむつ1には、上記接合が施されない股下領域1Bの左側の部位に左下肢開口部2Lが形成され、股下領域1Bの右側の部位に右下肢開口部2Rが形成されている。そして、おむつ1は、着用者の左下肢が左下肢開口部2Lに挿通され、着用者の右下肢が右下肢開口部2Rに挿通され、着用者の胴部が胴開口部2Tに入るように着用されると、前身頃領域1Fが着用者の腹部側に配置され、後身頃領域1Rが着用者の背部側に配置され、左下肢開口部2Lと右下肢開口部2Rが着用者の大腿部を取り巻く状態で着用者の身体に固定される。おむつ1がこのような形態で着用者の身体に固定されるので、着用者はおむつ1を着用した状態で自由に行動することができる。なお、左下肢開口部2Lおよび右下肢開口部2Rは、本開示の「二つの脚回り開口部」の一例であ
る。
おむつ1には、液体を吸収して保持することができる吸収体が主に股下領域1B付近を中心に配置されている。また、おむつ1には、おむつ1と着用者の肌との間に液体の流出経路となる隙間が形成されるのを抑制するべく、着用者の左下肢の大腿部を取り巻く左下肢開口部2Lに立体ギャザー3BLが設けられ、着用者の右下肢の大腿部を取り巻く右下肢開口部2Rに立体ギャザー(不図示)が設けられ、着用者の腹囲を取り巻く部位にウェストギャザー3Rおよびタミーギャザー12が設けられている。また、着用者の脚の付け根を取り巻く位置には、レグギャザー3LF,3LR(図1においてレグギャザー3LRは不図示)が設けられる。なお、レグギャザー3LFは、前身頃領域1Fに設けられ、レグギャザー3LRは、後身頃領域1Rに設けられる。そして、図1では、レグギャザー3LFのみ例示されている。立体ギャザー3BL,3BRとウェストギャザー3Rは、伸縮部材の弾性力によって収縮することで着用者の肌に密着する。また、レグギャザー3LF,3LRは、着用者の脚の付け根とおむつ1との間に隙間が生まれるのを防ぐ。よって、着用者の陰部から排出される排出液は、おむつ1から殆ど漏出することなくおむつ1の吸収体に吸収される。
なお、おむつ1は、図示しないインナーパッドと組み合わせて使用することができる。インナーパッドは、吸収体を備える略長方形の吸収性物品であり、着用者の排出液を吸収する。おむつ1とインナーパッドとを組み合わせて使用する場合、おむつ1の肌面側に、着用者の排出孔と当接するようにインナーパッドを置く。排出液は、まずインナーパッドに吸収され、インナーパッドで吸収できなかった排出液のみがおむつ1の吸収体に到達し、更に吸収される。このため、排出液の量が多い場合でも、排出液がおむつ1から漏出するのを防ぐことができる。また、排出液の量が少なく、インナーパッドで全て吸収できる場合には、排出液が排出されてもインナーパッドのみを交換すればよいので、介助コストを軽減できる。また、おむつ1の交換頻度を低くし、おむつ1を長時間使用できる。
図2は、実施形態1に係るおむつ1の分解斜視図の一例である。おむつ1は、カバーシート4とインナーカバーシート5とを有する。カバーシート4とインナーカバーシート5は、貼り合わされておむつ1の外表面を形成する略砂時計形状(瓢箪形状)のシートであり、前身頃領域1F側の端部と後身頃領域1R側の端部以外は同形状でほぼ同じ大きさである。着用者に着用された状態において、カバーシート4は着用者の非肌面側、インナーカバーシート5は着用者の肌面側に積層されている。カバーシート4とインナーカバーシート5の間には、ウェストギャザー3R、タミーギャザー12、およびレグギャザー3LF,3LRを形成するための伸縮部材が設けられている。本実施形態では、伸縮部材として糸ゴムが採用されている。なお、伸縮部材としては、糸ゴムに代えて帯状のゴム等の伸縮部材を適宜選択できる。
カバーシート4とインナーカバーシート5は、例えば、排出物の漏れを抑制するために、液不透過性の熱可塑性樹脂からなる不織布をその材料として用いることができる。ここで、液不透過性の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等が例示できる。以下、吸収体8および吸収体8にバックシート6、トップシート9、サイドシート10L,10Rを組み合わせたものを内装体とし、内装体に対応する概念として、糸ゴムが配置されたカバーシート4とインナーカバーシート5とを合わせて外装体(本開示の「外装体」の一例)と表現することがある。
おむつ1は、カバーシート4とインナーカバーシート5の着用者側の面において順に積層されるバックシート6と、吸収体8と、トップシート9とを有する。バックシート6は、着用者の前身頃から股下を経由して後身頃へ届く長さを長手方向に有し、当該長手方向に対し直交する幅方向に所定の横幅を有する略長方形のシートである。吸収体8、トップ
シート9は、何れもバックシート6と同様に略長方形の外観を有するシート状の部材であり、長手方向がバックシート6の長手方向と一致する状態で、バックシート6に対して順に積層されている。バックシート6は、排出物の漏れを抑制するために非透液性の熱可塑性樹脂を材料として形成されたシートである。また、バックシート6には、微小な孔が設けられている。孔は、透液を防止しつつ通気可能である。孔は、例えば吸収体8と重なる領域に設けられている。また、トップシート9は、吸収体8の吸水面を被覆するように着用者の肌面側に配置される、シート状の部材である。このトップシート9は、その一部又は全部において液透過性を有する。そのため、おむつ1が着用された状態において、着用者から排出された液体は、着用者の肌に接触し得るトップシート9を通って吸収体8に浸入し、そこで吸収される。液透過性のシートとしては、例えば、織布、不織布、多孔質フィルムが挙げられる。また、トップシート9は親水性を有していてもよい。
吸収体8は、1のマットからなる吸収コア8cと、吸収コア8cを包み込むコアラップシート7とを有する。吸収コア8cは括れ部を有する略砂時計型である。吸収コア8cは、パルプ繊維、レーヨン繊維、またはコットン繊維のようなセルロース系繊維の短繊維や、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンテレフタレート等の合成繊維に親水化処理を施した短繊維の隙間に、水を吸収し保持することのできる架橋構造を持つ親水性ポリマーであるSAP(高吸収性重合体:Super Absorbent Polymer)等の粒状の吸収性樹脂(高分子吸収材)を保持させた構造を有する。吸収コア8cは、着用者から排出された液体を吸収すると、短繊維内の隙間に保持された吸収性樹脂を膨潤させて該液体を短繊維内に保持する。本実施形態では、吸収コア8cは中央部付近が括れた略砂時計型である。吸収コア8cは、目的に応じた適宜の形状を採ることができる。吸収コア8cの形状としては、例えば、矩形状、楕円形状、その他各種の形状が挙げられる。
コアラップシート7は、薄い液透過性のシートであり、吸収コア8cをコアラップシート7で包むことにより、上述の吸収コア8cのSAPが他の構造に混入しにくくなる。また、吸収コア8cの型崩れが抑制される。コアラップシート7は、パルプ繊維で形成することができ、一例としてはティッシュペーパーを用いることができる。コアラップシート7は、1枚のシートでもよいが、着用者の肌側に配置された上側シートと、着用者の非肌面側に配置され、吸収コア8cの側面と肌面側に回り込む下側シートの2枚のシートで構成されていてもよい。コアラップシート7が2枚のシートで構成されている場合、上側シートの幅方向端部が他のシート(例えば、後述するサイドシート10L,10R、バックシート6、トップシート9)に包まれる構造になっていてもよい。なお、吸収体8はバックシート6とトップシート9に包まれており、これらのシートによっても型崩れを抑制できるため、コアラップシート7を設けないこともできる。
バックシート6、吸収体8、トップシート9は、何れも前身頃領域1Fから後身頃領域1Rにまで延在する。よって、バックシート6、吸収体8、トップシート9を積層して着用者の陰部(股下)を覆うと、バックシート6、吸収体8、トップシート9の各長手方向の両端部は、着用者の腹側と背側に位置する状態となる。すなわち、着用者の陰部は、着用者の腹側から背側まで吸収体8に覆われる状態となる。したがって、着用者が腹を下へ向けた姿勢と背を下へ向けた姿勢の何れの姿勢で液体を体外へ排出しても、排出された液体はトップシート9を介して吸収体8に接触することになる。
また、おむつ1は、上述した立体ギャザー3BL,3BRを形成するための細長い帯状のサイドシート10L,10Rを有する。サイドシート10L,10Rは、トップシート9の長辺の部分に設けられる。そして、サイドシート10L,10Rには糸ゴム10L1,10R1が長手方向に沿って伸長された状態で接着される。よって、カバーシート4の、前身頃領域1Fの左側の縁となる縁4F4と、後身頃領域1Rの左側の縁となる縁4R
4とが互いに接合され、且つ、カバーシート4の、前身頃領域1Fの右側の縁となる縁4F5と、後身頃領域1Rの右側の縁となる縁4R5とが互いに接合されることにより、図1に示したような完成状態のおむつ1になると、サイドシート10L,10Rは、糸ゴム10L1,10R1の収縮力で長手方向に引き寄せられて折り返し線10L2,10R2に沿ってトップシート9から立ち上がる。その結果、左下肢開口部2L及び右下肢開口部2Rからの液体の流出を防ぐ立体ギャザー3BL,3BRが形成される。
ここで、サイドシート10L,10Rは、立体ギャザー3BL,3BRが形成された場合に立体ギャザー3BL,3BRの夫々の起立線間の幅方向の間隔は、インナーパッドが入る程度に設けられる。なお、縁4F4及び縁4R4、縁4F5及び縁4R5の接合方法は特に限定されないが、例えば、ヒートシール、高周波シール、超音波シール等によって行うことができる。
更に、おむつ1は、バックシート6、吸収体8、トップシート9、サイドシート10L,10Rを挟んで、カバーシート4の前身頃領域1Fにおいて着用者側の面に積層されるエンドシート11Fと、カバーシート4の後身頃領域1Rにおいて着用者側の面に積層されるエンドシート11Rとを有する。エンドシート11F,11Rは、トップシート9の長手方向における一端側においてカバーシート4、インナーカバーシート5に重ねられる短冊状のシートである。エンドシート11F,11Rは非透水性の不織布であり、主におむつ1の胴回り当接部分においてカバーシート4とインナーカバーシート5を補強する。また、エンドシート11F,11Rには、それぞれ接着剤が塗布されており、当該接着剤によりインナーカバーシート5と接着している。エンドシート11F,11Rは、バックシート6、吸収体8、トップシート9、サイドシート10L,10Rにより形成される積層体より肌面側に配置され、積層体の端が肌面に直接触れて着用者に違和感を与えるのを防ぐ。
図3は、実施形態1に係るおむつ1を展開し、伸長した状態を模式的に示した図の一例である。図3(A)は、展開及び伸長した状態のおむつ1を左側から見た場合の内部構造を模式的に示している。図3(B)は、展開及び伸長した状態のおむつ1の平面図である。
図3に示されるように、レグギャザー3LFを形成する糸ゴム4F3(本開示の「第2伸縮部材」の一例)は、おむつ1が組み立てられた場合に着用者の脚が入る右下肢開口部2Rおよび左下肢開口部2Lの前身頃領域1F側の縁に沿うように設けられる。糸ゴム4F3は、カバーシート4とインナーカバーシート5に伸長状態で接着されている。そして、糸ゴム4F3は、前身頃側の股下領域1Bにおいて、左右方向に横切るように設けられる。このように左右方向に横断するように糸ゴム4F3が設けられる場所では、おむつ1の厚み方向において糸ゴム4F3と吸収体8とは重なっている。また、このような横断領域の幅方向中央部は、おむつ1が着用された場合の着用者の尿道口に対応する領域となる。なお、厚み方向において吸収体8が重なっている領域において、糸ゴム4F3の配置形態は図3に示されるように横断することに限定されない。糸ゴム4F3の延在方向が、幅方向の成分を有していればよく、好ましくは糸ゴム4F3の延在方向の幅方向成分が長手方向成分よりも大きければよい。
一方、レグギャザー3LRを形成する糸ゴム4R3(本開示の「左右一対の第1伸縮部材」の一例)は、右下肢開口部2Rおよび左下肢開口部2Lの後身頃領域1R側の縁に沿うように設けられる。糸ゴム4R3は、カバーシート4とインナーカバーシート5に伸長状態で接着されている。そして、後身頃側の股下領域1Bにおいて、糸ゴム4R3の先端部は幅方向を向いている。しかしながら、糸ゴム4R3は、幅方向の中央部において切断されており、左側の糸ゴム4R3と右側の糸ゴム4R3とは繋がっていない。
また、インナーカバーシート5と吸収体8とは前身頃領域1Fから後身頃領域1Rにかけてバックシート6を介して接着剤で適宜接着されている。しかしながら、図3に示されるように前身頃領域1Fにおいて糸ゴム4F3が横断する領域では、インナーカバーシート5と吸収体8とは非接着とされる(非接着領域15とする)。実際には、非接着領域15においては、インナーカバーシート5とバックシート6が非接着とされている。本実施形態では、糸ゴム4F3と吸収体8とが重なる股下領域1Bの重なり領域の全域に非接着領域15が設けられている。
カバーシート4は、図2に記載の折り返し線4FF,4RFにおいて一端側が折り返されている。上述したウェストギャザー3Rは、カバーシート4の前身頃領域に糸ゴム(糸状のゴム)4F1が伸長された状態で接着され、カバーシート4の後身頃領域に糸ゴム(糸状のゴム)4R1が伸長された状態で接着されることで形成される。糸ゴム4F1,4F2は、折り返されると前身頃領域1Fの上側の縁を形成することになる折り返し線4FF沿いに、折り返し線4FF側から糸ゴム4F1、糸ゴム4F2の順に設けられている。同様にして、タミーギャザー12(図1参照)は、カバーシート4の前身頃領域1Fに糸ゴム4F2が伸長された状態で接着され、カバーシート4の後身頃領域1Rに糸ゴム4R2が伸長された状態で接着されることで形成される。糸ゴム4R1,4R2も、糸ゴム4F1,4F2と同様、折り返されると後身頃領域1Rの上側の縁を形成することになる折り返し線4RF沿いに、折り返し線4RF側から糸ゴム4R1、糸ゴム4R2の順に設けられている。
このため、糸ゴム4F1,4F2は、伸縮方向となる長手方向がおむつ1の左右方向となる向きでカバーシート4に設けられることになる。また、糸ゴム4R1,4R2は、伸縮方向となる長手方向がおむつ1の左右方向となる向きでカバーシート4に設けられることになる。よって、縁4F4と縁4R4が互いに接合され、縁4F5と縁4R5が互いに接合されると、糸ゴム4F1,4F2と糸ゴム4R1,4R2は、胴開口部2Tに沿って周回する実質的に環状の伸縮部材を形成し、胴開口部2Tを胴回り方向に収縮させる機能を発揮する。すなわち、糸ゴム4F1,4F2と糸ゴム4R1,4R2は、収縮力を発揮しておむつ1を着用者に密着させ、おむつ1と着用者の腹囲との間に隙間が形成されるのを防ぐ。糸ゴム4F2,糸ゴム4R2は、その股下領域1B側の一部において、吸収体8と重畳する。
糸ゴム4F1,4R1は、図1に示した前身頃領域1F,後身頃領域1Rの上側の縁となる部分に沿って左右方向に延在するように設けられている。糸ゴム4F2,4R2は、所定の間隔を空けて平行に設けられている。糸ゴム4F1,4R1は、おむつ1が着用された状態において、着用者の腹囲を糸ゴム4F2,4R2よりも上側で比較的強く締め付ける。糸ゴム4F1,4R1は、おむつ1を着用者に密着させて着用位置がずれるのを防止し、腹部や背部から排出液が漏出するのを防ぐ機能を担う。糸ゴム4F2,4R2は、糸ゴム4F1,4R1の収縮力に起因する着用者への圧迫感を緩和する。
カバーシート4は、折り返し線4FF,4RFで折り返されて糸ゴム4F1,糸ゴム4R1の配置領域まで延在し、その折り返された部分で糸ゴム4F1、糸ゴム4R1の配置領域を補強している。エンドシート11F,11R(図2参照)は、折り返し線4FF,4RFで折り返されたカバーシート4が延在していない糸ゴム4F2、糸ゴム4R2の配置領域に設けられ糸ゴム4F2、糸ゴム4R2の配置領域を補強している。
なお、本願においてシートが重なる状態とは、重ね合わされるシート同士が互いに全面的に接触する状態で重なる形態に限定されるものでなく、シートの一部分同士が重なる形態を含む概念である。例えば、エンドシート11Fは、バックシート6の長手方向におけ
る一端側の一部分が、カバーシート4の一部分に触れる状態で重ねられる。おむつ1は、吸収体8を間に挟んだバックシート6及びトップシート9の他、カバーシート4、エンドシート11F,11R、インナーカバーシート5、サイドシート10L,10Rが積み重なって形成されているため、これら複数のシートを積み重ねた積層体を有していると言える。
ここで、図3~図5を用いて吸収体8に形成されたライン14について説明する。図4は、おむつ1から吸収体8と、糸ゴム4F3,4R3の一部と、糸ゴム4F7を抜き出して示す平面図である。図5は、おむつ1を図3のAA線で幅方向に切断した場合の断面図である。吸収体8は、線状に圧搾されており、図3ではライン14として表示される。なお、このような吸収体8の圧搾は、例えばローラによってエンボス加工されることで実現される。
図4に示されるように、ライン14は、2本の溝を有する。2本の溝は、溝14BL,14BR(本開示の「左右一対の溝」の一例)で構成されている。溝14BL,14BRは、吸収体8に形成されており、着用者の尿道口に対応する領域に長手方向に沿って延在する左右一対の溝である。溝14BL,14BRは、吸収体8を圧搾することによって形成される圧搾溝である。なお、溝14BL,14BRは、吸収コア8cのみを圧搾することによって形成されていてもよいし、コアラップシート7を含んで吸収体8を圧搾することによって形成されてもよい。本実施形態では、溝14BL,14BRは、肌面側からコアラップシート7および吸収コア8cを圧搾することによって形成されている。吸収体8は、溝14BL,14BRが形成されていることによって、溝間の吸収体8を尿道口側に盛り上げた状態とする。これにより、おむつ1は、尿道口に吸収体8を押し当てることができるため、着用者の肌に対する吸収体8の密着性を向上できる。
また、糸ゴム4F3は、平面視した場合に、溝14BL,14BRの前身頃領域1F側に重なる領域を含んで配置されている。この構成により、糸ゴム4F3によって吸収体8が折り曲がった状態で着用者の肌面側に押し当てる効果を高めている。これは、糸ゴム4F3と吸収体8とが重なる領域に非接着領域15を設けることで、糸ゴム4F3の収縮によって吸収体8を変形するのではなく、溝14BL,14BRによって折り曲がった形状の吸収体8を肌側に押し当てることができるからである。また、この効果を奏するためには、左右の下肢開口部2L,2Rに脚が挿通された状態において糸ゴム4F3が左右方向に引っ張られ、これによって吸収体8を肌に押しつけることが好ましい。このため、糸ゴム4F3は、おむつ1の幅方向の端部にその端部が配置されるレグギャザー形成用の糸ゴムであることが好適である。また、厚み方向に見た場合に、レグギャザー形成用の糸ゴム4F3が溝14BL,14BRに重なると、吸収体8を尿道口に押し当てる、若しくは、トップシート9上に配置されたインナーパッド(尿パッド)を尿道口に押し当てるのに好適である。
なお、溝14BL,14BRは、圧搾溝に限られない。溝14BL,14BRは、溝を起点として吸収体8を折り曲げることができればよく、吸収コア8cのパルプの目付けを溝形成部のみ小さくすることによって形成した肉抜き溝や貫通溝であってもよい。なお、溝14BL,14BRを圧搾溝とすることで、溝形成部分を高剛性化し、溝形成部分の型崩れを防止することができる。
また、非接着領域15は、平面視した場合において、溝14BL,14BRの前身頃領域1F側端部と重なる領域を含んでいる。外装体に設けられた左右の下肢開口部2L,2Rに脚が挿通されることで外装体が幅方向外側方向へ引っ張られ、糸ゴム4F3も幅方向外側に引っ張られる。これによって、糸ゴム4F3が幅方向に延在している股下領域1Bを横切る領域では外装体が肌面側に押し上げられるが、吸収体8と外装体とが非接着であ
る非接着領域15が設けられている。このため、吸収体8は、溝14BL,14BRの間で尿道口側に盛り上がった状態を保ちつつ、外装体によって尿道口側に近づくように押し上げられる。これにより、おむつ1は、尿道口に吸収体8を押し当てることができるため、着用者の肌に対する吸収体8の密着性を向上できる。
溝14BL,14BRは、吸収体8を幅方向に切断した場合にW字状となるように折り曲げ可能とし、尿道口に吸収体8の肌面側を押し当てることが可能となる。尿道口対応領域のみに溝14BL,14BRを設けても、溝形成領域以外の部分で吸収体8が平面状になってしまうと、溝が吸収体8の折り曲げ機構として機能しない。このため、尿道口対応領域のよりも長く溝を延在させる必要がある。そのため、本実施形態では、おむつ1の長手方向に沿って延在する左右一対の溝14BL,14BRは、腹側の尿道口対応領域から背側の肛門対応領域30までを含んで延在している。ここで、尿道口対応領域は、おむつ1の着用状態において着用者の尿道口が位置する領域であり、肛門対応領域30は、おむつ1の着用状態において着用者の肛門が位置する領域である。尿道口対応領域は、非接着領域15内に配置される。本実施形態に係るおむつ1は、溝14BL,14BRを肛門対応領域30まで延在させることで、吸収体8をW字状に折り曲げ、着用者の尿道口への吸収体8の密着性を高めることができる。
しかしながら、肛門対応領域30まで溝14BL,14BRを形成し、溝14BL,14BRに沿って吸収体8が折り曲がると、吸収体8が着用者の臀部の臀裂(割れ目)に食い込む虞がある。仮に吸収体が着用者の臀裂に食い込むと、着用者は圧迫感を感じるとともに、着用者が排出した便が臀裂周辺の肌面に押し当たってしまい、着用感が低下してしまう。そこで、本実施形態に係るおむつ1は、溝14BL,14BRの幅方向両側に配置された一対の糸ゴム4R3を備える。糸ゴム4R3は、吸収体8をおむつ1の幅方向の外側に引っ張る。これにより、おむつ1は、肛門対応領域30の吸収体8が溝14BL,14BRに沿って折り曲がるのを抑制し、吸収体8が着用者の臀裂に食い込むのを防ぐことで着用感の低下を抑制できる。
本実施形態では、吸収体8を幅方向の外側に引っ張る伸縮部材としてレグギャザー形成用の糸ゴム4R3を採用している。着用者の脚が左右の下肢開口部2L,2Rに通されることで、糸ゴム4R3が幅方向外側に引っ張られ、これにより、糸ゴム4R3が吸収体8をより幅方向外側に引っ張ることができる。
なお、本実施形態では、吸収体8を幅方向の外側に引っ張る伸縮部材としてレグギャザー形成用の糸ゴム4R3を採用しているがこれに限られない。例えば、吸収体8を幅方向の外側に引っ張る伸縮部材を吸収体8に直接接着して設けてもよいし、レグギャザー形成用とは別の伸縮部材を外装体に設けてもよい。ここで、外装体に糸ゴム4R3などの吸収体8を幅方向の外側に引っ張る伸縮部材を設ける場合には、当該伸縮部材の延在領域においてインナーカバーシート5とバックシート6を接着状態とし、バックシート6と吸収体8を接着状態とする。これにより、伸縮部材による弾性力で吸収体8を引っ張ることができる。
また、糸ゴム4R3の幅方向の内側端部は、厚み方向に見た場合に吸収体8と重なり、且つ、伸縮方向が幅方向の成分を有する。これにより、糸ゴム4R3は、吸収体8を幅方向の外側により確実に引っ張ることができる。
また、一対の糸ゴム4R3の間において、インナーカバーシート5と吸収体8は接着されている。ここで、一対の糸ゴム4R3の間は、図4に示す肛門対応領域30である。吸収体8と外装体が接着されることで、一対の糸ゴム4R3の間の曲げ剛度が高まり、断面形状がW字状となり難くなる。これに対し、腹側の尿道口対応領域では、非接着領域15
が設けられているので、吸収体8が肛門対応領域30よりも折り曲がり易くなっている。なお、尿道口対応領域の吸収体8が肛門対応領域30よりも折り曲がり易くするために、尿道口対応領域の方が肛門対応領域30よりも吸収体8とインナーカバーシート5の接着部が狭くなっていたり、腹側に向かって当該接着部が順次狭くなっていたりしてもよい。
また、糸ゴム4R3の幅方向の内側端部は、厚み方向に見た場合に溝14BL,14BRと重なっている。溝14BL,14BRと糸ゴム4R3が重なることで、溝14BL,14BR直下から溝14BL,14BRを幅方向外側に引っ張ることができ、肛門対応領域30において吸収体8の幅方向断面形状がW字状になるのを抑制し、吸収体8が臀部の臀裂に食い込むのを抑制できる。溝14BL,14BRをその直下から引っ張ることで、吸収体8をトップシート9から引き剥がす方向に力が働き、溝14BL,14BRを崩れやすくし、すなわち、圧搾溝の剛性(固さ)を弱め、肛門対応領域30において、溝14BL,14BRによる吸収体8をW字状に変形させる力を弱めることが可能になる。
また、糸ゴム4R3の幅方向の内側端部は、厚み方向に見た場合に溝14BL,14BRよりも外側に配置されていてもよい。溝14BL,14BRをその直下から引っ張るのとは逆に、溝14BL,14BRの部分の吸収体8と肌側資材(例えば、トップシート9)との接着を剥がし難くし、同部分を起点として溝14BL,14BRの全域において肌側資材が剥がれるのを抑制する。これによって、溝14BL,14BRにより尿道口対応領域において吸収体8がW字状に変形し難くなるのを防ぐことができる。なお。この場合においても溝14BL,14BRの近傍を糸ゴム4R3で外側に引っ張ることが好ましい。
また、本実施形態では、溝14BL,14BRは、尿道口対応領域から肛門対応領域30を含んで設けられている。なお、溝14BL,14BRの背側端部は、肛門対応領域30である。仮に、肛門対応領域30よりもさらに背側に溝が形成されていると、伸縮部材で吸収体8を幅方向の外側に引っ張っても肛門対応領域30の前後において吸収体8を断面がW字状に変形させる力が働いてしまう虞がある。本実施形態では、溝14BL,14BRの背側端部を肛門対応領域30内に配置することで、肛門対応領域30の前後において吸収体8を断面がW字状に変形させる力が吸収体8に作用しないようにできる。
また、おむつ1は、腹側においては、糸ゴム4F1、4F2によって胴回りに密着させ、糸ゴム4F3によって脚回りに密着させることで、背側の着用者の肛門付近を着用者から浮き上がらせて肛門付近に空間を形成し、その空間に便を収容することができる。これによってもおむつ1は、着用感の低下を抑制できる。また、非接着領域15を設けることで、糸ゴム4F3の収縮力は吸収体8を左右方向に収縮させて吸収体8をW字状に変形させるのに作用させるのではなく、吸収体8を肌面側に押し上げて尿道口対応領域での吸収体8と肌との密着性を高めるために作用する。
また、本実施形態では、糸ゴム4F3と吸収体8とが重なる領域に非接着領域15が設けられている。仮に、非接着領域15が設けられておらず、当該領域で吸収体8とインナーカバーシート5がバックシート6を介して接着されていると、糸ゴム4F3の収縮力が吸収体8を幅方向に収縮させることに作用するため、吸収体8に生じる凹凸に外装体が巻き込まれて、この部位において糸ゴム4F3を外部から視認できなくなってしまう虞がある。本実施形態では、非接着領域15が設けられているため、糸ゴム4F3を外部から視認可能とする。
また、本実施形態では、厚み方向に見た場合に、溝14BL,14BRが糸ゴム4F3と重なる。溝14BL,14BRに沿って吸収体8がW字状に折り曲がった場合であっても、非接着領域15が設けられているため、吸収体8に生じる凹凸に外装体が巻き込まれ
たことを原因として糸ゴム4F3を外部から視認できなくなることがない。
また、厚み方向に見た場合に、腹側のライン14の一部が非接着領域15と重なって設けられている。非接着領域15が設けられていることによって、外装体の外側からおむつを視認した場合に、非接着領域の肌面側のライン14が見え難い、あるいは、ライン14が見えない。これに対し、背側には非接着領域が設けられていないため、外装体の外側からおむつを視認した場合に、背側のライン14が見え易い、あるいは、ライン14が明確に見える。これにより、おむつ1は、前後の見分けを容易にすることができる。
また、本実施形態では、図4に示されるように、非接着領域15は、糸ゴム4F3が股下領域1Bを幅方向に横切る部位(以下、当該部位を「糸ゴム4F3の横断部」と称する場合がある)よりも前身頃領域1F側および後身頃領域1R側に延在している。図4では、非接着領域15を塗りつぶして図示している。また、図4に示されるように、糸ゴム4F3は、吸収体8よりもおむつ1の幅方向外側において、おむつ1の長手方向の成分を有する。ここで、長手方向の成分とは、おむつ1の長手方向に沿って延在および伸縮する成分のことであり、糸ゴム4F3が当該長手方向に対して斜めに延在していても糸ゴム4F3は長手方向の成分を有する。なお、非接着領域15は、おむつ1の幅方向の全域に設けられている。
非接着領域15が糸ゴム4F3の延在領域の前身頃領域1F側を含んで形成されており、さらに、糸ゴム4F3が吸収体8を横断する部位の幅方向外側ではおむつ1の長手方向に伸縮する成分を有する。このため、非接着領域15における外装体(カバーシート4およびインナーカバーシート5)は、糸ゴム4F3によって前身頃領域1F側に引っ張られ、この外装体によって吸収体8を含む内装体も前身頃領域1F側に引き上げられる。この構成を備えるおむつ1は、非接着領域15の肌面側の吸収体8が前身頃領域1F側に引き上げられることによって、着用者の肌面から当該吸収体8が離れるのを抑制できる。なお、非接着領域15は、糸ゴム4F3の延在領域よりも前身頃領域1F側を含んで形成されていれば、糸ゴム4F3によって前身頃領域1F側に引っ張られ、吸収体8を含む内装体も前身頃領域1F側に引き上げることができる。
ここで、おむつ1の着用者が女性である場合について説明する。女性がおむつ1を着用した場合、尿道口が概ね糸ゴム4F3の横断部に位置するように設計されている。このため、糸ゴム4F3の横断部は、女性着用者の尿道口に対応する領域を含んでいる。前述の通り、糸ゴム4F3によって非接着領域15上の外装体および、上述の通りW字状に折り曲がった吸収体8を含む内装体を前身頃領域1F側に引き上げることで、吸収体8を女性の尿道口に近づけ、尿道口から排尿される尿が吸収体8に浸入しやすくなる。これによって、おむつ1は、尿の漏れを抑制することができる。なお、糸ゴム4F3の横断部は、女性着用者の尿道口に対応する領域よりも前身頃領域側(前側)を含んでいてもよい。これにより、おむつ1は、糸ゴム4F3によって非接着領域15上の外装体および、上述の通りW字状に折り曲がった吸収体8を含む内装体を前身頃領域1F側に引き上げることで、吸収体8を女性の尿道口に近づけ、尿道口の前側では吸収体8を肌面側に近づけることができるので、着用者の腹側から尿が漏れるのを防ぐことができる。
なお、溝14BL,14BRの前身頃領域側(前側)の先端は、女性の尿道口に対応する位置、または、女性の尿道口に対応する位置よりも後身頃領域側(後側)であることが好ましい。これにより、溝14BL,14BRに沿ってW字状に折り曲がった吸収体8を女性の尿道口に近づけ、尿道口から排尿される尿が吸収体8に浸入しやすくなる。また、溝14BL,14BRの前身頃領域側の先端を女性の尿道口に対応する位置よりも後身頃領域側とすることで、尿道口に溝14BL,14BR間の吸収体8を押し当てることができ、圧搾溝である溝14BL,14BRが尿道口に触れるのを防ぐことができる。これに
より、おむつ1は、溝14BL,14BRが尿道口に触れることによって生じる不快感を防ぐことができる。
次に、おむつ1の着用者が男性である場合について説明する。男性がおむつ1を着用した場合に、糸ゴム4F3の横断部は、男性の陰茎(男性器)の位置よりも股下領域1B側であるように設計されている。言い換えると、男性の陰茎は、糸ゴム4F3の横断部よりも前身頃領域1F側に位置する。このように、糸ゴム4F3の横断部は、陰茎に対応する領域よりも股下領域1B側である。おむつ1は、糸ゴム4F3によって非接着領域15上の外装体および吸収体8を含む内装体を前身頃領域1F側に引き上げることで、吸収体8を睾丸の後ろ側に押し当て、陰茎に対応する領域に陰茎を保持する空間を形成することができる。男性着用者は陰茎の尿道口から排尿するため、おむつ1は、陰茎を保持することで、排尿方向を制御し、尿の漏れを抑制することができる。
また、男性がおむつ1を着用した場合、睾丸が概ね糸ゴム4F3の横断部に位置するように設計されている。このため、糸ゴム4F3の横断部は、男性着用者の睾丸に対応する領域を含んでいる。睾丸の膨らみに沿って吸収体8も膨らむが、糸ゴム4F3によって吸収体8を持ち上げることで、睾丸を保持することができる。また、睾丸の位置がずれたり、着用者によっておむつ1に対する睾丸の位置が異なっていたりしても、非接着領域15が設けられていることで、睾丸に対する糸ゴム4F3の横断部の相対位置を移動させることができ、糸ゴム4F3によって睾丸が位置する部位の吸収体8を持ち上げることで睾丸を保持することができる。
また、おむつ1は、非接着領域15を設けたことによって、糸ゴム4F3の横断部で吸収体8が収縮するのを抑制することができる。仮に、吸収体が収縮して着用者の肌に当たると、着用者に違和感与え着用感が低下する。本実施形態に係るおむつ1は、吸収体8が収縮するのを抑制することで着用感の低下を抑制できる。また、吸収体は、尿の吸収後に収縮するとパルプが崩れる虞がある。本実施形態に係るおむつ1は、吸収体8が収縮するのを抑制することで吸収体8の型崩れを抑制できる。
また、おむつ1は、着用者の陰茎に対応する領域よりも前身頃領域1F側に配置された糸ゴム4F2(本開示の「第3伸縮部材」の一例)を備える。前述の通り、糸ゴム4F2は、おむつ1の幅方向に伸縮し、その股下領域1B側の一部において吸収体8と重畳している。このため、糸ゴム4F2は、おむつ1の着用状態において吸収体8を幅方向に引っ張る。具体的には、糸ゴム4F2は、おむつ1の着用状態において吸収体8の前身頃領域1F側の端部を幅方向に引っ張る。これにより、吸収体8の前身頃領域1F側が男性の陰茎を保持する空間の前側縁を形成することになる。なお、本実施形態では、タミーギャザー12(図1参照)を形成する糸ゴム4F2によって吸収体8を幅方向に引っ張っているが、別途糸ゴムを設けてもよい。この糸ゴムを吸収体8に直接的に接着してもよいし、この糸ゴムを外装体に接着してもよい。
<実施形態2>
次に、実施形態2に係るおむつ1について説明する。図6は、実施形態2に係るおむつ1の分解斜視図の一例である。なお、上述した実施形態1の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明は省略する。
本実施形態に係るおむつ1では、バックシート6とコアラップシート7の間に前身頃領域1Fから股下領域1Bにかけて長手方向に伸長状態で糸ゴム4F7(本開示の「第4伸縮部材」の一例)が幅方向中央部に設けられている。糸ゴム4F7は、バックシート6に接着されており、バックシート6を介してインナーカバーシート5およびカバーシート4に接着されている。糸ゴム4F7は、インナーカバーシート5およびカバーシート4を長
手方向に収縮させる力を発揮する。なお、糸ゴム4F7を設ける領域は、吸収体8とインナーカバーシート5が非接着とされている領域であることが好ましいが、吸収体8とインナーカバーシート5が接着されている領域であってもよい。なお、糸ゴム4F7は、カバーシート4とインナーカバーシート5との間に設けられてもよい。
また、糸ゴム4F7の肌面側には糸ゴムカバーシート13(伸縮部材カバーシート)が配置されている。糸ゴムカバーシート13は、糸ゴム4F7を肌面側から覆ってバックシート6に接着されている。糸ゴムカバーシート13は、糸ゴム4F7と吸収体8の間に配置されている。また、糸ゴムカバーシート13は、吸収体8のコアラップシート7とは接着されていない。糸ゴム4F7は、吸収体8とバックシート6の間に配置され、バックシート6に接着され且つ吸収体8と非接着である。これにより、吸収体8に糸ゴム4F7の弾性力(収縮力)が作用するのを防ぎ、吸収体8が変形するのを防ぐことができる。なお、糸ゴム4F7に代えて帯状の伸縮部材を用いる場合は、糸ゴムカバーシート13を設けることなく、伸縮部材とコアラップシート7を非接着とすることができる。また、本実施形態では、糸ゴムカバーシート13は、バックシート6の同じ長さで形成されている。なお、糸ゴムカバーシート13は、糸ゴム4F7の延在領域に合わせた長さで形成されていてもよいし、糸ゴム4F7の延在領域より長く且つバックシート6よりも短く形成されていてもよい。
次に、図7~図9を用いて吸収体8に形成されたライン14について説明する。図7は、実施形態2に係るおむつ1を展開し、伸長した状態を模式的に示した図の一例である。図7(A)は、展開及び伸長した状態のおむつ1を左側から見た場合の内部構造を模式的に示している。図7(B)は、展開及び伸長した状態のおむつ1の平面図である。図8は、おむつ1から吸収体8と、糸ゴム4F3,4R3の一部と、糸ゴム4F7を抜き出して示す平面図である。図9は、おむつ1を図7のBB線で幅方向に切断した場合の断面図である。
また、図7に示されるように、糸ゴム4F7は、前身頃領域1Fから股下領域1Bにかけて長手方向に伸長した状態でバックシート6とコアラップシート7との間の幅方向中央部に設けられる。実際には、糸ゴム4F7は、バックシート6と糸ゴムカバーシート13(図3(B)において不図示、図6、図7(A)参照)の間に設けられている。なお、糸ゴム4F7よりも股下領域1B側は、着用者がおむつ1を着用した場合の着用者の肛門に対応する。また、吸収体8は、糸ゴム4F7を囲むように線状に圧搾されており、図7(B)ではライン14として表示される。
図8に示されるように、ライン14は、4本の溝を有する。4本の溝は、溝14AL,14AR、溝14BL,14BRで構成されている。溝14AL,14ARは、吸収体8に形成されており、着用者の鼠径部に対応する領域におむつ1の幅方向中央から外側に向かって股下領域1Bから前身頃領域1F側端部方向に延在する左右一対の溝である。溝14AL,14ARは、吸収体8を圧搾することによって形成される圧搾溝である。なお、溝14AL,14ARは、吸収コア8cのみを圧搾することによって形成されていてもよいし、コアラップシート7を含んで吸収体8を圧搾することによって形成されてもよい。本実施形態では、溝14AL,14ARは、肌面側からコアラップシート7および吸収コア8cを圧搾することによって形成されている。吸収体8は、溝14AL,14ARが形成されていることによって着用者の鼠径部に沿って折れ曲がる。
また、溝14AL,14ARが設けられた領域を平面視した場合に溝14AL,14ARが重なる領域を含んで設けられ、吸収体8とインナーカバーシート5とが非接着である非接着領域15が形成されている。なお、図8では、非接着領域15を塗りつぶして図示している。仮に、溝14AL,14ARが重なる領域を含んで非接着領域15が形成され
ておらず、当該領域において吸収体8とインナーカバーシート5とが接着されていると、外装体が広げられて肌側に押し当たる状態となり、その結果、外装体の状態が吸収体に伝わり、吸収体に対して鼠径部に沿って折り曲げられた状態から平たい状態に近づく力が作用してしまう。これに対し、本実施形態に係るおむつ1は、上述のように構成することで、鼠径部に沿って折れ曲がった状態の吸収体8を折れ曲がった状態を維持したまま肌面側に押し当てることが可能となる。これにより、おむつ1は、着用者の肌に対する吸収体8の密着性を向上できる。
また、図8に示されるように、非接着領域15は、おむつ1の幅方向に延在している。なお、図8では、図示を省略しているが、非接着領域15はおむつ1の外装体の幅方向端部まで延在している。おむつ1は、着用状態において、左右方向に外装体が引っ張られた状態において、外装体により吸収体8を肌面側に押し上げ、吸収体8を着用者の肌面に押し当てることができる。これにより、おむつ1は、着用者の肌に対する吸収体8の密着性を向上できる。
また、図8のようにおむつ1を平面視した場合に、おむつ1は、非接着領域15に重なる領域において伸長状態でインナーカバーシート5およびカバーシート4に接着された糸ゴム4F3を備える。なお、図7に示されるように、糸ゴム4F3の端部は、左下肢開口部2L,右下肢開口部2Rの幅方向の端部に配置されている。外装体に設けられた左右の下肢開口部2L,2Rに脚が挿通されることで外装体が幅方向外側方向へ引っ張られ、糸ゴム4F3も幅方向外側に引っ張られる。これによって、糸ゴム4F3が幅方向に延在している股下領域1Bを横切る領域では外装体が肌面側に押し上げられるが、当該領域には吸収体8と外装体とが非接着である非接着領域15が設けられている。このため、吸収体8は、鼠径部に沿って折れ曲がった状態を保ちつつ、外装体によって肌面側に近づくように押し上げられる。なお、本実施形態では、レグギャザー形成用の糸ゴム4F3が非接着領域15で延在して左右で繋がっているが、非接着領域15に設けられて股下領域1Bを横切る糸ゴムと、レグギャザー形成用の糸ゴムとが別々に設けられていてもよい。また、糸ゴム4F3の端部は外装体に接着され、幅方向中央部である非接着領域15では、外装体とバックシートとの間に配置された別のシート材に糸ゴムが接着されていてもよい。このように構成しても、おむつ1は、バックシートと別のシート材が非接着領域15で非接着であれば、上述の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、溝14ALと溝14BLは繋がっており、溝14ARと溝14BRは繋がっている。これにより、溝14ALと溝14BLと、溝14ARと溝14BRとを一体的に形成できる。なお、溝14ALと溝14BLは、間隔を設けて隣接していてもよいし、溝14ARと溝14BRは、間隔を設けて隣接していてもよい。また、これらの溝の間に間隔を設けた場合には、溝14ALの延長線上に溝14BLの端部が配置されなくてもよいし、溝14ARの延長線上に溝14BRの端部が配置されなくてもよい。
また、おむつ1は、吸収体8よりも非肌面側に長手方向に伸長状態で接着された糸ゴム4F7を備える。糸ゴム4F7は、一対の溝14BL,14BRの間に重なる領域に配置され、長手方向に伸縮する。糸ゴム4F7は、外装体であるインナーカバーシート5およびカバーシート4を収縮し、吸収体8を肌面側に押し上げる。これによって、おむつ1は、一対の溝14BL,14BRの間で吸収体8を尿道口側に凸状となる部分を外装体により肌面側に持ち上げることができる。おむつ1は、尿道口に吸収体8を押し当てることができるため、着用者の肌に対する吸収体8の密着性を向上できる。
また、図6、図7(A)および図9に示す糸ゴムカバーシート13を設けずに、糸ゴム4F7を吸収体8に接着してもよい。これにより、吸収体8を前後方向に収縮させ、尿道口対応領域の吸収体8は断面がW字状となるように変形し易くなる。なお、糸ゴム4F7
は、インナーカバーシート5と吸収体8がバックシート6を介して接着されている領域に配置してもよい。このように、糸ゴム4F7を設けた場合に、吸収体8がW字状に変形し易くなるが、本実施形態では、糸ゴム4R3によって吸収体8を外側に引っ張ることで、肛門対応領域30で吸収体8が変形するのを抑制することができる。
また、糸ゴム4F7は、おむつ1を平面視した場合に、左右一対の溝14AL,14ARの間を含んで延在している。吸収体8が溝14AL,14ARを起点として折り曲がり、鼠径部に沿った状態となっている領域において、外装体は、長手方向に収縮し、非肌側に浮いた状態となり、脚の付け根に沿って変形し易くなる。これにより、おむつ1は、着用感を向上できる。
上述の通り、溝14AL,14ARおよび溝14BL,14BRの間に糸ゴム4F7が延在している。図7に示されるように、おむつ1を平面視した状態で、糸ゴム4F7は、タミーギャザー用の糸ゴム4F2には重なっていない。おむつ1は、このように構成することで、タミーギャザーの股下領域1B側で着用者の肌面と空間を形成し、前身頃領域1F側(腹側)の左右方向に到達した尿が左右方向他方に回り込みやすくなる。例えば、着用者が男性である場合に、男性器の先端が左右方向のいずれかを向いた状態で着用者が排尿した場合には尿が左右方向他方に回り込みやすくなるため、おむつ1は、尿漏れを抑制できる。
また、糸ゴム4F7は、着用者の肛門に対応する領域よりも前身頃領域1F側に配置されている。このように構成することで、おむつ1は、糸ゴム4F7の収縮力で外装体を肌面側に持ち上げ、これによって、溝14BL,14BR間で吸収体8が凸になっている部分を肌面側に持ち上げるが、肛門対応領域30では吸収体8が肌面側に持ち上るのを抑制する。おむつ1は、肛門とおむつ1の肌面側を離れやすくできる。
また、糸ゴム4F3は、外装体であるカバーシート4とインナーカバーシート5と異なる色を有していてもよい。本実施形態では、カバーシート4およびインナーカバーシート5の全体が白色であり、糸ゴム4F3の全体が白色以外の有色(例えば、青色や赤色など)である。また、糸ゴム4R3の全体は、外装体と同じ色である。一般的に、おむつは、全体が同一色で形成されている場合が多い。例えば、パンツ型のおむつは、全体が白色で形成されている場合が多い。また、パンツ型のおむつは、前後の形状や構造が概ね同一であり、前後の見分けが困難である場合がある。一方で、本実施形態に係るおむつ1は、腹側に設けられている糸ゴム4F3が外装体と異なる色を有し、背側に設けられている糸ゴム4R3が外装体と同じ色を有している。これにより、おむつ1は、前後の見分けを容易にすることができる。なお、糸ゴム4F3は、その一部のみが外装体と異なる色を有していればよい。例えば、糸ゴム4F3は、股下領域1Bにおいて幅方向に延在する部分のみ外装体と異なる色を有していてもよい。
また、糸ゴム4F7は、外装体および吸収体8と異なる色(例えば、赤色や青色などの有色)を有していてもよく、この場合、外装体の外側、すなわちカバーシート4の外側から視認可能である。本実施形態に係るおむつ1は、腹側においては糸ゴム4F7と糸ゴム4F3の交点を外部から視認でき、背側においてはこの交点が視認できないことから、前後の見分けをより容易にすることができる。なお、糸ゴム4F7は、吸収体8の非肌面側に接着されていてもよい。
また、胴開口部2Tに沿って伸長状態で幅方向に伸縮するように外装体に設けられた腹側の糸ゴム4F1,4F2は、外装体と異なる色(例えば、赤色や青色などの有色)を有している。本実施形態に係るおむつ1は、糸ゴム4F1,4F2によって腹側の胴回りの輪郭を明瞭にし、糸ゴム4F3によって腹側の脚回りの輪郭を明瞭にすることで、腹側と
背側とで印象を大きく変えることができる。これにより、おむつ1は、前後見分けをより容易にすることができる。
また、本実施形態では、糸ゴム4F3と吸収体8とが重なる領域に非接着領域15が設けられている。仮に、非接着領域15が設けられておらず、当該領域で吸収体8とインナーカバーシート5がバックシート6を介して接着されていると、糸ゴム4F3の収縮力が吸収体を幅方向に収縮させることに作用するため、吸収体8に生じる凹凸に外装体が巻き込まれて、この部位において糸ゴム4F3を外部から視認できなくなってしまう虞がある。本実施形態では、非接着領域15が設けられているため、糸ゴム4F3を外部から視認可能とする。
また、本実施形態では、厚み方向に見た場合に、溝14BL,14BRが糸ゴム4F3と重なる。溝14BL,14BRに沿って吸収体8がW字状に折り曲がった場合であっても、非接着領域15が設けられているため、吸収体8に生じる凹凸に外装体が巻き込まれたことを原因として糸ゴム4F3を外部から視認できなくなることがない。
また、厚み方向に見た場合に、腹側のライン14の一部が非接着領域15と重なって設けられている。非接着領域15が設けられていることによって、外装体の外側からおむつを視認した場合に、非接着領域の肌面側のライン14が見え難い、あるいは、ライン14が見えない。これに対し、背側には非接着領域が設けられていないため、外装体の外側からおむつを視認した場合に、背側のライン14が見え易い、あるいは、ライン14が明確に見える。これにより、おむつ1は、前後の見分けを容易にすることができる。
<実施形態3>
次に、実施形態3に係るおむつ1について説明する。図10は、実施形態4に係るおむつ1の分解斜視図の一例である。図11は、図5および図9と同様におむつ1を幅方向に切断した場合の断面図である。なお、上述した実施形態1の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明は省略する。
本実施形態では、吸収体8は複数のマットを有する。吸収体8は、複数のマットからなる吸収コア8cと、吸収コア8cを包み込むコアラップシート7とを有する。なお、本実施形態では、図10、図11に示されるように吸収コア8cは上層吸収マット8aと下層吸収マット8bを有する。上層吸収マット8aは、括れ部を有する略砂時計型であり、下層吸収マット8bは矩形状である。また、下層吸収マット8bの幅は、上層吸収マット8aの括れ部の幅と略同一である。このように、吸収マットを2層積層して吸収コア8cを形成してもよい。
<その他の変形例>
以上、本実施形態について説明したが、本発明の内容は上記実施の形態に限られるものではない。上記実施形態では、パンツ型使い捨ておむつを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明は、テープ型使い捨ておむつ等の吸収性物品にも適用可能である。
上記の実施形態では、糸ゴム4F3が幅方向に横断する非接着領域15において、吸収体8とインナーカバーシート5とが非接着であるが、図4に示す非接着領域15において吸収体8とインナーカバーシート5とが一部接着されていてもよい。このような場合、インナーカバーシート5に対して吸収体8のずれを防止できる。なお、一部接着される場所は、例えば幅方向の中央部でもよい。
なお、本実施形態では、前身頃領域側の外装体と後身頃領域側の外装体は、一体的に形
成されているが、前身頃領域側の外装体と後身頃領域側の外装体とが、別体で設けられていてもよい。
以上で開示した実施形態や変形例は、それぞれ組み合わせることができる。
1B :股下領域
1F :前身頃領域
1R :後身頃領域
2L :左下肢開口部
2R :右下肢開口部
2T :胴開口部
3BL,3BR:立体ギャザー
3LF,3LR:レグギャザー
3R :ウェストギャザー
4 :カバーシート
4F1,4F2,4F3,4F7:糸ゴム
4F4,4F5:縁
4FF :折り返し線
4R1,4R2,4R3,4R3:糸ゴム
4R4,4R5:縁
4RF :折り返し線
5 :インナーカバーシート
6 :バックシート
7 :コアラップシート
8 :吸収体
8c :吸収コア
9 :トップシート
10L,10R:サイドシート
10L1,10R1:糸ゴム
10L2,10R2:折り返し線
11F,11R:エンドシート
12 :タミーギャザー
13 :糸ゴムカバーシート
14 :ライン
14AL,14AR,14BL,14BR:溝
15 :非接着領域
30 :肛門対応領域

Claims (15)

  1. 長手方向に沿った長さと、前記長手方向に直交する幅方向に沿った長さとを有する吸収性物品であって、
    股下部を含む位置に設けられ、着用者の排出液を吸収可能な吸収体と、
    前記吸収体よりも前記着用者の非肌面側に配置された外装体と、
    前記吸収体に形成され、前記長手方向に沿って延在する左右一対の溝と、
    前記溝の幅方向両側に配置された一対の第1伸縮部材であって、前記吸収体を前記幅方向の外側に引っ張る左右一対の第1伸縮部材と、
    を備える、吸収性物品。
  2. 前記外装体は、前記着用者の腹囲を挿通可能な胴回り開口部と、前記着用者の脚を挿通可能な二つの脚回り開口部と、を有し、
    前記第1伸縮部材は、前記着用者の背側において、前記脚回り開口部に沿って前記吸収体よりも前記幅方向外側に延在している、
    請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記着用者の腹側において、一方の前記脚回り開口部に沿い、前記股下部を横切るように設けられ、他方の前記脚回り開口部に沿うように延在し、伸長状態で前記外装体に設けられた第2伸縮部材を備える、
    請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記第2伸縮部材と前記吸収体とが重なる前記股下部の重なり領域において、前記吸収体と前記外装体とが非接着である非接着領域が設けられている、
    請求項3に記載の吸収性物品。
  5. 着用状態において前記着用者の腹部側に位置する前身頃領域、股下に位置する前記股下部、及び背部側に位置する後身頃領域が前記長手方向にこの順に設けられており、
    前記非接着領域は、前記第1伸縮部材が前記股下部を横切る部位よりも前記前身頃領域側に延在しており、
    前記第1伸縮部材は、前記吸収体よりも前記幅方向外側において、前記長手方向の成分を有する、
    請求項4に記載の吸収性物品。
  6. 前記着用者が女性である場合に、前記第1伸縮部材が前記股下部を横切る部位は、尿道口に対応する領域を含んでいる、または、前記尿道口に対応する領域よりも前記前身頃領域側を含んでいる、
    請求項5に記載の吸収性物品。
  7. 前記溝の前記前身頃領域側の先端は、尿道口に対応する位置、または、前記尿道口に対応する位置よりも前記後身頃領域側である、
    請求項5または6に記載の吸収性物品。
  8. 前記着用者が男性である場合に、前記第1伸縮部材が前記股下部を横切る部位は、陰茎に対応する領域よりも前記股下部側である、
    請求項5または6に記載の吸収性物品。
  9. 前記陰茎に対応する領域よりも前記前身頃領域側に配置された第3伸縮部材を備え、
    前記第3伸縮部材は、前記幅方向に伸縮し、着用状態において前記吸収体を前記幅方向に引っ張る、
    請求項8に記載の吸収性物品。
  10. 前記第1伸縮部材の前記幅方向の内側端部は、厚み方向に見た場合に前記吸収体と重なり、且つ、伸縮方向が前記幅方向の成分を有する、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  11. 左右一対の前記第1伸縮部材の間において、前記外装体と前記吸収体は接着されている、
    請求項10に記載の吸収性物品。
  12. 前記第1伸縮部材の前記幅方向の内側端部は、厚み方向に見た場合に前記溝と重なる、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  13. 前記第1伸縮部材の前記幅方向の内側端部は、厚み方向に見た場合に前記溝よりも外側に配置されている、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  14. 前記溝は、尿道口対応領域から肛門対応領域を含んで設けられている、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  15. 前記吸収体よりも前記非肌面側に前記長手方向に伸長状態で接着された第4伸縮部材であって、一対の前記溝の間に重なる領域に配置され、前記長手方向に伸縮する第4伸縮部材を備える、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
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