JP2023111603A - 粘着剤組成物、粘着剤層、および粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】構成樹脂の耐加水分解性に優れ、誘電率が低い粘着剤層を形成可能な粘着剤組成物を提供する。【解決手段】炭素数20以上であるポリオールに由来する構成単位と芳香族多価カルボン酸に由来する構成単位とを含むポリエステル系樹脂を含む、粘着剤組成物を提供する。前記粘着剤組成物は、粘着剤層を形成した際の周波数100kHzでの誘電率が4.0以下であることが好ましい。また、前記粘着剤組成物により形成された粘着剤層を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、粘着剤組成物、粘着剤層、および粘着シートに関する。より詳細には、光学用途に好ましく使用可能な粘着剤組成物、粘着剤層、および粘着シートに関する。
有機EL表示装置等の画像表示装置は、静電容量方式タッチセンサを有するタッチパネルが組み合わされて用いられている。静電容量方式タッチセンサには、その普及に伴い、より高性能化が求められている。このため、静電容量方式タッチセンサに適用される粘着剤層にも高性能が求められている。
しかし、上記画像表示装置におけるモジュールの薄型化、大画面化、光半導体素子の高精細化により、画像表示装置の表示駆動時の駆動ノイズが、静電容量方式タッチセンサのセンシングに悪影響を及ぼして誤作動が生じることが懸念される。上記駆動ノイズによる誤作動は、粘着剤層の誘電率が高いと起きる可能性がある。そのため、低誘電率化した粘着剤層を形成する粘着剤として、例えば、長鎖アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを主成分とする(メタ)アクリル系ポリマーをベースポリマーとする粘着剤が提案されている(例えば、特許文献1)。低誘電率化した粘着剤層によれば、静電容量方式タッチセンサに対する有機ELパネルからの駆動ノイズの影響を低減させることができる。
特開2013-082880号公報
近年、画像表示装置はさらなる大画面化および高精細化が求められている。大画面化に伴い、画像表示装置の駆動に係る電圧が高くなり、ノイズがより大きくなる傾向がある。また、高精細化に伴って使用される半導体素子の量が多くなるため、高い電圧が発生することでノイズがより大きくなる傾向がある。
また、近年、画像表示装置内に設置されていたタッチセンサが画像表示装置の外部に設置される傾向がある。画像表示装置は軽量化および薄膜化が求められるところ、タッチセンサを画像表示装置の外部に設置する場合、画像表示装置の内外に使用される部材の薄膜化に伴って、粘着剤層を介して画像表示装置に貼り合わせられたタッチセンサに画像表示装置から発せられるノイズが伝わりやすく、タッチセンサのノイズが大きくなる傾向にある。このため、粘着剤層には、さらなる低誘電率化が求められている。また、粘着剤層に使用される樹脂には耐加水分解性等の耐久性に優れることが求められる。
本発明はこのような課題を解決するためのものであって、その目的は構成樹脂の耐加水分解性に優れ、誘電率が低い粘着剤層を形成可能な粘着剤組成物を提供することにある。
本発明は、炭素数20以上であるポリオールに由来する構成単位と芳香族多価カルボン酸に由来する構成単位とを含むポリエステル系樹脂を含む、粘着剤組成物を提供する。
上記ポリエステル系樹脂が構成単位として含む、炭素数20以上であるポリオールは、炭素数が多いので極性が低い傾向にある。このため、当該ポリエステル系樹脂を含む粘着剤組成物から形成される粘着剤層は誘電率が低くなる。そして、炭素数20以上であるポリオールとともに、ポリエステル系樹脂の構成成分である多価カルボン酸として芳香族多価カルボン酸を用いることにより、ポリエステル系樹脂の耐加水分解性に優れる。
上記粘着剤組成物は、粘着剤層を形成した際の周波数100kHzでの誘電率が4.0以下であることが好ましい。これにより、上記粘着剤組成物から形成される粘着剤層は誘電率が低く、例えばノイズの増幅を起こしにくく、また、ミリ波の放射損失を抑制することができる。
上記粘着剤組成物は、上記ポリエステル系樹脂100質量部に対して加水分解促進剤40質量部を添加して粘着剤層を形成した際の加水分解試験において、2週間後のゲル分率保持率が70%以上であることが好ましい。上記ゲル分率保持率が70%以上であると、上記ポリエステル系樹脂の加水分解が起こりにくい。
また、本発明は、上記粘着剤組成物により形成された粘着剤層を提供する。
また、本発明は、上記粘着剤層を備える粘着シートを提供する。
本発明の粘着剤組成物によれば、構成樹脂の耐加水分解性に優れ、誘電率が低い粘着剤層を形成することができる。このため、例えば、タッチセンサおよび画像表示装置の貼り合わせに上記粘着剤層を用いることにより、画像表示装置が発するノイズをタッチセンサに伝わりにくくすることができる。また、例えば、上記粘着剤層を、ミリ波アンテナに用いるミリ波アンテナ基板に貼り合わせる粘着剤層として用いることにより、ミリ波の放射損失を抑制することができる。さらに、上記粘着剤層の耐久性に優れ、上記粘着剤層を備える粘着シートの耐久性に優れる。
本発明の光学積層体の一実施形態を示す模式図(断面図)である。 本発明の光学積層体の他の一実施形態を示す模式図(断面図)である。 本発明の光学積層体のさらに他の一実施形態を示す模式図(断面図)である。 本発明のミリ波アンテナの一実施形態を示す模式図(断面図)である。 本発明のミリ波アンテナの他の一実施形態を示す模式図(断面図)である。 本発明のミリ波アンテナのさらに他の一実施形態を示す模式図(断面図)である。
[粘着剤組成物]
本発明の粘着剤組成物は、ポリエステル系樹脂を少なくとも含む。上記ポリエステル系樹脂は、炭素数20以上であるポリオールに由来する構成単位および芳香族多価カルボン酸に由来する構成単位を少なくとも含む。なお、本明細書において、上記ポリオールを「ポリオール(A)」と称する場合がある。すなわち、上記ポリエステル系樹脂はポリオール(A)および上記芳香族多価カルボン酸を含むモノマー組成物を重合して得られる樹脂である。上記ポリエステル系樹脂は、ポリオール(A)に由来する構成単位および芳香族多価カルボン酸を、それぞれ、一種のみ含んでいてもよいし、二種以上含んでいてもよい。
(ポリエステル系樹脂)
ポリオール(A)中の炭素数は、20以上であり、好ましくは24以上、より好ましくは26以上、さらに好ましくは28以上、さらに好ましくは30以上、特に好ましくは32以上である。上記ポリエステル系樹脂が構成単位として含むポリオール(A)は、炭素数が20以上と多いので極性が低い傾向にある。このため、上記ポリエステル系樹脂を含む粘着剤組成物から形成される粘着剤層は誘電率が低くなる傾向がある。上記炭素数は、例えば60以下であり、58以下、56以下であってもよい。
ポリオール(A)が有するヒドロキシ基の数は、2以上であり、好ましくは2~4、より好ましくは2~3、さらに好ましくは2である。
ポリオール(A)は、ヒドロキシ基以外に、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有していてもよく、有していなくてもよい。ポリオール(A)の炭素数と、ヒドロキシ基を除くヘテロ原子数との比[炭素数/ヘテロ原子数]は、10以上が好ましく、より好ましくは15以上、さらに好ましくは20以上、さらに好ましくは25以上、特に好ましくは30以上である。上記ヘテロ原子を有しないかまたは上記比が10以上であると、ポリエステル系樹脂の極性が低くなり、それを含む粘着剤組成物から形成される粘着剤層の誘電率は低くなる。
ポリオール(A)としては、例えば、ダイマージオールが挙げられる。ダイマージオールとしては、不飽和脂肪酸のダイマー酸の還元体が挙げられる。上記不飽和脂肪酸の炭素数は、10以上が好ましく、より好ましくは12以上、さらに好ましくは14以上、特に好ましくは16以上である。上記ダイマージオールとしては、オレイン酸のダイマー酸の還元体、リノール酸のダイマー酸の還元体、エルカ酸のダイマー酸の還元体、それら不飽和脂肪酸を2種組み合わせたダイマー酸の還元体などが挙げられる。
上記ポリエステル系樹脂中のポリオール(A)に由来する構成単位の含有割合は、上記ポリエステル系樹脂を構成するモノマーに由来する構成単位の総量100質量%に対して、30質量%以上が好ましく、より好ましくは35質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは45質量%以上、特に好ましくは50質量%以上である。上記含有割合が30質量%以上であると、ポリエステル系樹脂の極性が低くなり、それを含む粘着剤組成物から形成される粘着剤層の誘電率は低くなる
上記ポリエステル系樹脂中のポリオール(A)に由来する構成単位の含有割合は、上記ポリエステル系樹脂を構成するポリオールに由来する構成単位の総量100質量%に対して、例えば30質量%以上であり、40質量%以上、50質量%以上であってもよく、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上、特に好ましくは90質量%以上であり、95質量%以上であってもよい。
上記芳香族多価カルボン酸とは、分子内に有する芳香環とカルボキシル基とが直接結合した化合物をさす。芳香環とカルボキシル基とが直接結合することで、エステル結合を形成した際の共役系が長くなり、加水分解に対してより安定な構造となる。上記芳香環の数は1以上であり、好ましくは1~3、より好ましくは1~2、さらに好ましくは1である。上記芳香環としては、芳香族炭化水素環、芳香族複素環が挙げられる。
上記芳香族多価カルボン酸が有するカルボキシ基の数は、2以上であり、好ましくは2~4、より好ましくは2~3、さらに好ましくは2である。すなわち、上記芳香族多価カルボン酸は芳香族ジカルボン酸が好ましい。
上記芳香族多価カルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,2’-ビフェニルジカルボン酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸、4,4’-ジカルボキシジフェニルエーテル、2,5-フランジカルボン酸、2,5-チオフェンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
上記ポリエステル系樹脂は、ポリオール(A)以外のポリオール(その他のポリオール)に由来する構成単位を含んでいてもよい。すなわち、上記ポリエステル系樹脂としては、具体的には、ポリオール(A)に由来する構成単位、芳香族多価カルボン酸に由来する構成単位、および必要に応じてその他のポリオールに由来する構成単位を含むポリエステル系樹脂が挙げられる。
上記その他のポリオールとしては、ジオールや三価以上のポリオールなどが挙げられる。ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の(ポリ)アルキレングリコール類;1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-イソブチル-1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール等の脂肪族ジオール;炭素数19以下のダイマージオール;1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、トリシクロデカンジメタノール、アダマンタンジオール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール等の脂環式ジオール;4,4’-チオジフェノール、4,4’-メチレンジフェノール、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、o-,m-、およびp-ジヒドロキシベンゼン、2,5-ナフタレンジオール、p-キシレンジオール、およびこれらのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド付加体等の芳香族ジオールなどが挙げられる。三価以上のポリオールとしては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,3,6-ヘキサントリオール、アダマンタントリオールなどが挙げられる。上記その他のポリオールは、一種のみを使用してもよく、二種以上を使用してもよい。
上記ポリオール(ポリオール(A)および上記その他のポリオール)は植物由来のポリオールを用いてもよい。上記植物由来のポリオールとしては、グルコースを用いて生成されるポリオール(例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、イソソルビド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等)、植物油(例えばパーム油、ヤシ油、菜種油等)由来の不飽和脂肪酸(例えばオレイン酸、リノール酸、エルカ酸等)のダイマー酸の還元体であるダイマージオール、ヒマシ油由来のセバシン酸の還元体である1,10-デカンジオールなどが挙げられる。
上記ポリエステル系樹脂中の芳香族多価カルボン酸に由来する構成単位の含有量は、ポリオール1当量あたり、例えば0.5当量以上であり、好ましくは0.58当量以上、より好ましくは0.66当量以上、さらに好ましくは0.83当量以上、さらに好ましくは0.88当量以上、特に好ましくは0.95当量以上である。また、上記含有量は、ポリオール1当量あたり、例えば2.0当量以下であり、好ましくは1.7当量以下、より好ましくは1.5当量以下、さらに好ましくは1.2当量以下、さらに好ましくは1.1当量以下、特に好ましくは1.05当量以下である。
上記ポリエステル系樹脂中の芳香族多価カルボン酸(特に、芳香環の数が1である芳香族多価カルボン酸)に由来する構成単位の含有割合は、上記ポリエステル系樹脂を構成する多価カルボン酸に由来する構成単位の総量100質量%に対して、例えば50質量%超以上であり、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。
上記ポリエステル系樹脂中のポリオールに由来する構成単位と芳香族多価カルボン酸に由来する構成単位との当量比は、特に限定されず、目的とするポリマー物性や重合性等を考慮して、適当な当量比が設定され得る。ポリオールの当量比が高いと、ポリオールに基づく特性を容易に発現させることができる。また、芳香族多価カルボン酸の当量比が高いと、芳香族多価カルボン酸に基づく特性を容易に発現させることができる。
上記ポリエステル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、3000以上が好ましく、より好ましくは5000以上、さらに好ましくは10000以上、さらに好ましくは15000以上、特に好ましくは20000以上である。上記重量平均分子量が3000以上であると、粘着剤層の凝集力が高くなり、保持力および高温保持力が向上する。上記重量平均分子量は、例えば300000以下であり、好ましくは250000以下、より好ましくは200000以下、さらに好ましくは150000以下である。
上記ポリエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、10℃以下が好ましく、より好ましくは5℃以下、さらに好ましくは0℃以下、さらに好ましくは-5℃未満、特に好ましくは-10℃以下である。Tgが低いポリエステル系樹脂を用いることにより、形成される粘着剤層の粘着性に優れる。また、粘着剤層の凝集力の観点から、ポリエステル系樹脂のTgは、-60℃以上が好ましく、より好ましくは-55℃以上、さらに好ましくは-50℃以上、さらに好ましくは-45℃以上、特に好ましくは-30℃以上である。ポリエステル系樹脂のTgは、モノマー組成(すなわち、ポリエステル系樹脂の合成に使用するモノマーの種類や使用量比)を適宜変えることにより調整することができる。なお、上記ポリエステル系樹脂のTgは粘着剤層のTgとして測定され、具体的には例えば実施例に記載の方法で測定される。
上記粘着剤組成物は、上記ポリエステル系樹脂をベースポリマーとして含むことが好ましい。上記粘着剤組成物に含まれる全樹脂の総量100質量%に対する、上記ポリエステル系樹脂の含有割合は、50質量%超が好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、80質量%以上であってもよい。
上記ポリエステル系樹脂を得る方法は、特に限定されず、公知乃至慣用のポリエステル系樹脂の重合方法を適宜採用することができる。具体的には、上記ポリエステル系樹脂は、一般的なポリエステルと同様、多価カルボン酸とポリオールとの重縮合により得ることができる。より詳しくは、多価カルボン酸の有するカルボキシ基とポリオールの有するヒドロキシ基との反応を、上記反応により生成する水(生成水)等を反応系外に除去しつつ進行させることにより、ポリエステル系樹脂を合成することができる。上記生成水を反応系外に除去する方法としては、反応系内に不活性ガスを吹き込んで当該不活性ガスとともに生成水を反応系外に取り出す方法、トルエンやキシレン等の反応水排出溶剤として共沸脱水させる方法、減圧下で反応系から生成水を留去する方法(減圧法)などが挙げられる。また、上記ポリエステル系樹脂は、多価エステルおよびポリオールを用いたエステル交換反応を採用することもできる。
上記多価エステルとしては、上記多価カルボン酸のエステルが挙げられる。上記エステルとしては、メチルエステル、エチルエステル等のアルキルエステル;2-ヒドロキシエチルエステル等のヒドロキシアルキルエステルなどが挙げられる。中でも、ヒドロキシアルキルエステルが好ましく、より好ましくは2-ヒドロキシエチルエステルである。この場合、多価カルボン酸やそのアルキルエステルと比較して融点が低い傾向があり、取り扱い性に優れる、得られるポリエステル系樹脂末端がヒドロキシ基となり、後述のイソシアネート系硬化剤等の硬化剤との反応性に優れ、またポリエステル系樹脂の耐加水分解性に優れるというメリットがある。また、ビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレートビスは、PETのケミカルリサイクルによって合成することができるため、環境適応性に優れる。
上記重縮合等の各種反応を行う際の反応温度や反応時間、減圧法を採用する場合における減圧度(反応系内の圧力)は、目的とする特性(例えば分子量)のポリエステル系樹脂が効率よく得られるように、適宜設定することができる。特に限定するものではないが、通常は、上記反応温度は150℃以上(例えば180℃~260℃)とすることが適当である。反応温度を上記範囲内とすることにより、良好な反応速度が得られ、生産性が向上し、また生成したポリエステル系樹脂の劣化を防止または抑制しやすい。反応時間としては、特に限定されず、3~48時間程度である。減圧法を採用する場合、特に限定するものではないが、上記減圧度を例えば4kPa~0.1kPaとすることができる。反応系内の圧力を上記範囲内とすることにより、反応により生成した水を系外に効率よく留去することができ、良好な反応速度を維持しやすい。また、反応温度が比較的高い場合には、反応系内の圧力を上記下限値以上とすることにより、原料である多価カルボン酸やポリオールの系外留去を防止しやすい。反応系内の圧力の安定維持の観点から、通常は、反応系内の圧力を0.1kPa以上とすることが適当である。
上記反応には、一般的なポリエステルの合成と同様、公知乃至慣用の触媒がエステル化、縮合のために適当量用いられ得る。上記触媒としては、例えば、チタン系、ゲルマニウム系、アンチモン系、スズ系、亜鉛系等の金属化合物;p-トルエンスルホン酸や硫酸等の強酸などが挙げられる。触媒の使用量は、反応速度等に応じて適切に設定され得る。
ポリオールと芳香族多価カルボン酸または多価エステルとの反応によってポリエステル系樹脂を合成する上記過程において、溶媒は用いてもよく、用いなくてもよい。上記合成は、有機溶媒を実質的に使用することなく、すなわち意図的に有機溶媒を使用せず実施することができる。
(架橋剤)
上記粘着剤組成物は架橋剤を含んでいてもよい。上記架橋剤は、上記ポリエステル系樹脂同士を架橋する作用を有するものであり、ポリエステル系樹脂の鎖延長剤としても機能し得る。上記架橋剤を含むと、形成される粘着剤層において、ポリエステル系樹脂の架橋構造が形成され、凝集力が向上する。上記架橋剤は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤、シリコーン系架橋剤、シラン系架橋剤などが挙げられる。上記架橋剤としては、中でも、形成される粘着剤層の耐衝撃性に優れる観点から、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
上記架橋剤における官能基数は、2以上であり、好ましくは2~4、より好ましくは2~3である。特に、形成される粘着剤層の耐衝撃性に特に優れる観点から、官能基数が上記範囲内であるイソシアネート系架橋剤が好ましい。
上記イソシアネート系架橋剤(多官能イソシアネート化合物)としては、例えば、1,2-エチレンジイソシアネート、1,4-ブチレンジイソシアネート、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネートなどの脂環族ポリイソシアネート類;2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート類などが挙げられる。また、上記イソシアネート系架橋剤としては、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート変性イソシアヌレート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート変性イソシアヌレートなど、低級脂肪族ポリイソシアネート類変性イソシアヌレートも挙げられる。さらには、エチレングリコール/1,2-エチレンジイソシアネート、1,4-ブチレンジイソシアネート、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類付加物、1,4-ブタンジオール/1,2-エチレンジイソシアネート、1,4-ブチレンジイソシアネート、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類付加物、1,6-ヘキサンジオール/1,2-エチレンジイソシアネート、1,4-ブチレンジイソシアネート、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類付加物、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート付加物、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート付加物、トリメチロールプロパン/キシリレンジイソシアネート付加物なども挙げられる。
上記エポキシ系架橋剤(多官能エポキシ化合物)としては、例えば、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o-フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール-S-ジグリシジルエーテルの他、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂などが挙げられる。
上記粘着剤組成物中の上記架橋剤の含有量は、上記ポリエステル系樹脂の総量100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましい。また、上記含有量は、上記ポリエステル系樹脂の総量100質量部に対して、30質量部以下が好ましく、より好ましくは25質量部以下、さらに好ましくは20質量部以下、さらに好ましくは16質量部以下、さらに好ましくは12質量部以下、特に好ましくは10質量部以下である。架橋剤の含有量が0.1質量部以上であると、粘着剤層の凝集力が向上する。一方、架橋剤の含有量が30質量部以下であると、粘着剤層が適度な柔軟性を有し、粘着力が向上しやすくなる。
(架橋触媒)
上記粘着剤組成物は、架橋反応をより効果的に進行させるために、上記架橋剤に加えて架橋触媒を含んでいてもよい。上記架橋触媒は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記架橋触媒としては、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、ジルコニウムエチルアセトアセテート、オクチル酸ジルコニウム化合物等のジルコニウム含有化合物(ジルコニウム系触媒);ジラウリン酸ジオクチルスズ、ジラウリン酸ジブチルスズ、二酢酸ジブチルスズ、ジブチルスズジアセチルアセトナート、テトラ-n-ブチルスズ、トリメチルスズヒドロキシド、ブチルスズオキシド等のスズ(Sn)含有化合物(スズ系触媒);アルミニウム-sec-ブトキシド、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート等のアルミニウム含有化合物(アルミニウム系触媒);ナーセム第二鉄等の鉄含有化合物(鉄系触媒);テトライソプロピルチタネート、テトラ-n-ブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラオクチルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンエチルアセトアセテート等のチタン含有化合物(チタン系触媒)などの有機金属触媒が挙げられる。
上記粘着剤組成物中の上記架橋触媒の含有量は、上記ポリエステル系樹脂の総量100質量部に対して、0.001質量部以上が好ましく、より好ましくは0.005質量部以上、さらに好ましくは0.01質量部以上である。また、上記架橋触媒の含有量は、上記ポリエステル系樹脂の総量100質量部に対して、3質量部以下が好ましく、より好ましくは2質量部以下、さらに好ましくは1質量部以下である。
(耐加水分解剤)
上記粘着剤組成物は、耐加水分解剤(加水分解防止剤)を含んでもよい。耐加水分解剤を添加することにより、粘着剤組成物や粘着剤層中での加水分解反応が抑制され、良好な耐久性が得られやすい。上記耐加水分解剤は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記耐加水分解剤としては、特に限定されず、公知乃至慣用の耐加水分解剤を用いることができる。上記耐加水分解剤としては、例えば、オキサゾリン基含有化合物、エポキシ基含有化合物、カルボジイミド基含有化合物などが挙げられる。中でも、カルボジイミド基含有化合物が好ましい。
上記カルボジイミド基含有化合物としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t-ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ-t-ブチルカルボジイミド、ジ-β-ナフチルカルボジイミド、ポリカルボジイミド、環状構造カルボジイミドなどが挙げられる。上記ポリカルボジイミドは、2個以上のカルボジイミド基が、脂肪族基、脂環族基、芳香族基、またはこれらの組み合わせにより構成される結合基により結合した化合物である。また、上記環状構造カルボジイミドは、分子構造内にカルボジイミド基を1個以上有し、脂肪族基、脂環族基、芳香族基、またはこれらの組み合わせにより構成される結合基により、カルボジイミド基の第1窒素原子と第2窒素原子とが結合して環構造が形成された化合物である。上記結合基は、ヘテロ原子や置換基を有していてもよい。
上記粘着剤組成物中の上記耐加水分解剤の含有量は、上記ポリエステル系樹脂の総量100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、より好ましくは0.2質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上である。上記耐加水分解剤の含有量は、例えば5質量部以下であり、好ましくは3質量部以下、より好ましくは1質量部以下である。
上記粘着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて上述の各成分以外のその他の成分を含んでいてもよい。上記その他の成分としては、例えば、上記ポリエステル系樹脂以外の樹脂、硬化触媒、架橋促進剤、重合開始剤、粘着付与樹脂(ロジンエステル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂等)、オリゴマー、老化防止剤、充填剤(金属粉、有機充填剤、無機充填剤等)、着色剤(顔料や染料など)、酸化防止剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤、表面潤滑剤、レベリング剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、防錆剤、粒状物、箔状物、難燃剤、シランカップリング剤、イオントラップ剤などが挙げられる。上記その他の成分は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記粘着剤組成物は、いずれの形態を有していてもよく、例えば、溶剤型、エマルジョン型、熱溶融型(ホットメルト型)、無溶剤型などが挙げられる。
本発明の粘着剤組成物は、上記の通り、溶剤型であってもよく、すなわち、有機溶剤を含有していてもよい。上記有機溶剤としては、溶媒として用いられる有機化合物である限り特に限定されないが、例えば、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶剤などが挙げられる。上記有機溶剤は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記粘着剤組成物は、上記ポリエステル系樹脂100質量部に対して加水分解促進剤40質量部を添加して粘着剤層を形成した際の加水分解試験において、2週間後のゲル分率保持率が70%以上であることが好ましく、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上である。上記ゲル分率保持率が70%以上であると、上記ポリエステル系樹脂の加水分解が起こりにくい。上記ゲル分率保持率は、具体的には、ポリエステル系樹脂100質量部に対して加水分解促進剤(例えば高酸価ロジンエステル樹脂)40質量部を添加した粘着剤組成物から形成されたゲル分率について、85℃85%RHに調整された恒温恒湿槽で336時間(2週間)保管し、0時間保管したサンプルのゲル分率を(x)、336時間保管したサンプルのゲル分率を(y)とし、下記の式から算出されるゲル分率保持率をいう。
ゲル分率保持率=(y/x)×100
[粘着剤層]
上記粘着剤組成物を用いて粘着剤層を形成することができる。本発明の粘着剤組成物を用いて形成された粘着剤層を「本発明の粘着剤層」と称する場合がある。上記粘着剤層は、例えば、上記粘着剤組成物をはく離ライナーの剥離処理面や基材に塗布して粘着剤組成物層を形成した後、加熱による脱溶媒により上記粘着剤組成物層を固化させることによって作製することができる。
上記粘着剤層は、上記ポリエステル系樹脂を含むこと(特に、ベースポリマーとして含むこと)が好ましい。上記粘着剤層に含まれる全樹脂の総量100質量%に対する、上記ポリエステル系樹脂の含有割合は、50質量%超が好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、80質量%以上、90質量%以上、または95質量%以上であってもよい。
上記粘着剤層中の上記ポリエステル系樹脂の含有割合は、上記粘着剤層の総量100質量%に対して、50質量%超が好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、80質量%以上であってもよい。
上記粘着剤層は、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記ポリエステル系樹脂以外のその他の成分を含んでいてもよい。上記その他の成分としては、上記粘着剤組成物が含み得る成分として例示および説明されたものが挙げられる。上記その他の成分は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
上記粘着剤層の周波数100kHzでの誘電率は、4.0以下であることが好ましく、より好ましくは3.6以下、さらに好ましくは3.5以下、さらに好ましくは3.4以下、さらに好ましくは3.3以下、特に好ましくは3.2以下である。上記誘電率が4.0以下であると、上記粘着剤組成物から形成される粘着剤層は誘電率が低く、例えばノイズの増幅を起こしにくく、また、ミリ波の放射損失を抑制することができる。なお、「比誘電率」は「誘電率」を「真空の誘電率」で割った値であるが、「真空の誘電率」は1であるため、本明細書において、「誘電率」と「比誘電率」は同義として扱うものとする。
上記粘着剤層の周波数100kHzでの誘電損失は、0.15以下であることが好ましく、より好ましくは0.13以下、さらに好ましくは0.12以下、さらに好ましくは0.11以下、さらに好ましくは0.10以下、さらに好ましくは0.09以下、特に好ましくは0.08以下である。上記誘電損失が0.15以下であると、上記粘着剤組成物から形成される粘着剤層は熱によるエネルギー損失が小さく、例えばノイズの増幅を起こしにくく、また、ミリ波の放射損失を抑制することができる。上記誘電損失は、例えば0.0001以上である。
本明細書において、周波数100kHzでの誘電率および誘電損失はJIS K6911に準じて、周波数28GHzおよび60GHzでの誘電率および誘電損失はJIS R1660-2に準じて測定されるものであり、具体的には後掲の実施例に記載の方法により測定されるものである。上記誘電率および上記誘電損失は、ポリエステル系樹脂のモノマー組成、添加剤の種類や含有量などを調整することにより、調整することができる。
上記粘着剤層の全光線透過率(JIS K7361-1に準じる)は、特に限定されないが、88%以上が好ましく、より好ましくは89%以上、さらに好ましくは90%以上である。全光線透過率が88%以上であると、優れた透明性や優れた外観が得られ、光学用途に好ましく使用できる。
なお、粘着剤層と光学フィルムとが積層された積層体を用いて、上記と同様の方法により全光線透過率を評価することによって、粘着剤層の全光線透過率の目安とすることができる。具体的には、例えば上記光学フィルムの全光線透過率が100%に近い場合、上記積層体の全光線透過率と上記粘着剤層の全光線透過率とは同程度であると判断できる。
上記粘着剤層のヘイズは、(JIS K7136に準じる)は、特に限定されないが、1.5%以下が好ましく、より好ましくは1.4%以下、さらに好ましくは1.3%以下、さらに好ましくは1.2%以下、さらに好ましくは1.0%以下、さらに好ましくは0.9%以下、さらに好ましくは0.8%以下、さらに好ましくは0.7%以下、特に好ましくは0.6%以下である。ヘイズが1.5%以下であると、優れた透明性や優れた外観が得られ、光学用途に好ましく使用できる。
なお、粘着剤層と光学フィルムとが積層された積層体を用いて、上記と同様の方法によりヘイズを評価することによって、粘着剤層のヘイズ値の目安とすることができる。具体的には、例えば上記光学フィルムのヘイズ値が0%に近い場合、上記積層体のヘイズ値と上記粘着剤層のヘイズ値とは同程度であると判断できる。
上記粘着剤層の色相は、L***表色系で示されるb*が0.0~2.0の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.0~1.5、さらに好ましくは0.0~1.2、さらに好ましくは0.0~1.0、さらに好ましくは0.0~0.8、特に好ましくは0.0~0.5である。b*は黄-青の軸を示し、0.0~2.0の範囲において値が小さいほど黄色みが小さく、優れた透明性や優れた外観が得られ、光学用途に好ましく使用できる。本明細書において、上記粘着剤層のL***表色系で示されるb*は、粘着剤層の直線透過率より算出される値である。
なお、粘着剤層と光学フィルムとが積層された積層体を用いて、上記と同様の方法により色相(b*)を評価することによって、粘着剤層の色相(b*)の目安とすることができる。具体的には、例えば上記光学フィルムの色相が0に近い場合、上記積層体の色相(b*)と上記粘着剤層の色相(b*)とは同程度であると判断できる。
上記粘着剤層の全光線透過率、ヘイズ、およびb*は、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物を構成するポリエステル系樹脂のモノマー組成、添加剤の種類や含有量などを調整することにより、調整することができる。
上記粘着剤層のガラス板に対する引張速度300mm/分での180°ピール粘着力は、特に限定されないが、1N/20mm以上が好ましく、より好ましくは2N/20mm以上、さらに好ましくは3N/20mm以上である。上記180°ピール粘着力が一定の値以上であれば、ガラスへの粘着性、段差における浮きの抑止性に一層優れる。上記180°ピール粘着力は、特に限定されないが、20N/20mm以下が好ましく、より好ましくは18N/20mm以下、さらに好ましくは16N/20mm以下である。
なお、粘着剤層と光学フィルムとが積層された積層体を用いて、上記と同様の方法により、180°ピール粘着力を評価することによって、粘着剤層の180°ピール粘着力の目安とすることができる。
上記ガラス板としては、特に限定されないが、例えば、商品名「ソーダライムガラス♯0050」(松浪硝子工業株式会社製)が挙げられる。また、無アルカリガラスや化学強化ガラスなども挙げられる。
上記180°ピール粘着力は、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物を構成するポリエステル系樹脂のモノマー組成、重量平均分子量、架橋剤の使用量(添加量)、その他の添加剤の種類や含有量などにより制御することができる。
上記粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率は、特に限定されないが、5.0×104Pa以上が好ましく、より好ましくは7.5×104Pa以上、さらに好ましくは1.0×105Pa以上である。上記貯蔵弾性率が5.0×104Pa以上であると、取り扱いでの打痕が発生しにくく、また、良好な接着信頼性が得やすくなり、好ましい。また、段差追従性、異物吸収性の観点から、上記粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率は、2.0×106Pa以下が好ましく、より好ましくは1.5×106Pa以下、さらに好ましくは1.0×106Pa以下である。粘着剤層の貯蔵弾性率は、動的粘弾性を周波数1Hzにおいて実施した時に測定されるものである。上記の貯蔵弾性率は複素数で表されるせん断弾性率の実部であり、引張弾性率などとはサンプルのポアソン比を考慮して換算できる。
上記粘着剤層の貯蔵弾性率は、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物を構成するポリエステル系樹脂のモノマー組成、重量平均分子量、架橋剤の使用量(添加量)、その他の添加剤の種類や含有量などにより制御することができる。
上記粘着剤層のゲル分率(不溶成分の割合)は、特に限定されないが、5%以上が好ましく、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上である。上記粘着剤層のゲル分率(不溶成分の割合)は、特に限定されないが、95%以下が好ましく、より好ましくは90%以下、さらに好ましくは85%以下である。ゲル分率が5%以上であると、上記粘着剤層の凝集力が向上し、取り扱いでの打痕が発生しにくい。ゲル分率が95%以下であると、適度な柔軟性が得られ、より粘着性、段差追従性が向上し、また、異物を吸収しにくくなる。
ゲル分率は、例えば、粘着剤層を形成するための粘着剤組成物を構成するポリエステル系樹脂のモノマー組成、重量平均分子量、架橋剤の使用量(添加量)、その他の添加剤の種類や含有量などにより制御することができる。
上記粘着剤層の厚さは、特に限定されないが、10~250μmが好ましく、より好ましくは10~200μm、さらに好ましくは10~175μm、さらに好ましくは10~150μm、さらに好ましくは10~125μm、特に好ましくは10~100μmである。厚さが一定以上であると段差追従性や接着信頼性が向上し、好ましい。厚さが一定以下であると、取り扱いの際に異物が吸収されにくくなり、また、取扱い性や、製造性に特に優れ、好ましい。また、上記粘着剤層は、厚さが薄い場合であってもノイズの増幅を抑制することができる。
上記粘着剤層の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、上記粘着剤組成物を基材や離型処理が施されたはく離ライナーの離型処理面に塗布(塗工)して塗布層を形成した後、必要に応じて、加熱による脱溶媒や熱硬化を行い、当該塗布層を固化させることによって作製することができる。
[粘着シート]
本発明の粘着剤層を用いて粘着シートを得ることができる。本発明の粘着剤層を備える粘着シートを「本発明の粘着シート」と称する場合がある。上記粘着シートは、両面がともに粘着剤層表面となっている両面粘着シートであってもよいし、片面のみが粘着剤層表面となっている片面粘着シートであってもよい。中でも、2つの部材同士を貼り合わせる観点からは、両面粘着シートであることが好ましい。なお、本明細書において「粘着シート」という場合には、テープ状のもの、すなわち、「粘着テープ」も含まれるものとする。また、本明細書においては、粘着剤層表面を「粘着面」と称する場合がある。
上記粘着シートは、基材(基材層)を有しない、いわゆる「基材レスタイプ」の粘着シート(以下、「基材レス粘着シート」と称する場合がある)であってもよいし、基材を有するタイプの粘着シート(以下、「基材付き粘着シート」と称する場合がある)であってもよい。上記基材レス粘着シートとしては、例えば、本発明の粘着剤層のみからなる両面粘着シートや、本発明の粘着剤層と本発明の粘着剤層以外の粘着剤層(「その他の粘着剤層」と称する場合がある)とからなる両面粘着シートなどが挙げられる。一方、基材付き粘着シートとしては、基材の少なくとも片面側に本発明の粘着剤層を有する粘着シートなどが挙げられる。中でも、基材レス粘着シート(基材レス両面粘着シート)が好ましく、より好ましくは本発明の粘着剤層のみからなる基材レス両面粘着シートである。また、基材の両面に粘着剤層を有する粘着シート(基材付き両面粘着シート)も好ましい。上記基材付き両面粘着シートにおける両面の粘着剤層は、いずれも本発明の粘着剤層であってもよいし、一方が本発明の粘着剤層であり他方がその他の粘着剤層であってもよい。なお、上記「基材(基材層)」には、粘着シートの使用(貼付)時に剥離されるはく離ライナーは含まない。
上記粘着シートは、基材付き粘着シートである場合、基材によるミリ波の放射損失が発生し得るため、基材レス粘着シートであることが好ましい。但し、基材が低誘電率、低誘電損失の材料で構成される場合、基材付き粘着シートであってもよい。
上記基材は、上記粘着シートにおいて粘着剤層の支持体として機能する要素である。基材としては、例えば、プラスチック基材(特にプラスチックフィルム)が挙げられる。上記基材は、単層であってもよいし、同種または異種の基材の積層体であってもよい。
上記基材としては、特に限定されないが、例えば、プラスチックフィルム、反射防止(AR)フィルム、防眩(AG)フィルム、偏光板、位相差板などの各種光学フィルムが挙げられる。上記プラスチックフィルムなどの素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、商品名「アートン」(環状オレフィン系ポリマー、JSR株式会社製)、商品名「ゼオノア」(環状オレフィン系ポリマー、日本ゼオン株式会社製)等の環状オレフィン系ポリマー、フッ素系ポリマーなどのプラスチック材料が挙げられる。なお、これらのプラスチック材料は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
上記基材の上記粘着剤層を備える側の表面は、粘着剤層との密着性、保持性等を高める目的で、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、サンドマット加工処理、オゾン暴露処理、火炎暴露処理、高圧電撃暴露処理、イオン化放射線処理等の物理的処理;クロム酸処理等の化学的処理;コーティング剤(下塗り剤)による易接着処理等の表面処理が施されていてもよい。密着性を高めるための表面処理は、基材における粘着剤層側の表面全体に施されていることが好ましい。
上記基材は、ノイズ軽減フィルムであってもよい。ノイズ軽減フィルムとしては、ノイズの軽減性能を有すれば特に限定されないが、フィルム基材の少なくとも片面に、ノイズ軽減層が形成されたものが挙げられる。ノイズ軽減層は単層であってもよく複層であってもよく、電磁ノイズを軽減する機能を有すれば特に限定はされないが、透明性の観点から、透明導電層が好ましい。透明導電層としては、導電性の有機または無機材料によって形成された薄膜層、導電性の有機または無機材料が部分的に接触して形成された導電層を採用することができる。
上記粘着シートは、使用時までは粘着面にはく離ライナーが設けられていてもよい。はく離ライナーは、上記粘着剤層の使用時まで接する粘着面を保護するものであり、上記粘着剤層を使用するときに剥離される。なお、上記粘着シートが両面粘着シートである場合、各粘着面は、2枚のはく離ライナーによりそれぞれ保護されていてもよいし、両面が剥離面となっているはく離ライナー1枚により、ロール状に巻回される形態で保護されていてもよい。はく離ライナーは粘着剤層の保護材として用いられ、被着体に貼付する際に剥がされる。また、上記粘着シートが基材レス粘着シートの場合、はく離ライナーは粘着剤層の支持体としての役割も担う。なお、はく離ライナーは必ずしも設けられなくてもよい。
上記はく離ライナーの基材としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニルフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルムなどが挙げられる。また、これらの架橋フィルムも挙げられる。さらに、これらの積層フィルムであってもよい。
上記はく離ライナーの剥離面(特に上記粘着剤層と接する面)には、剥離処理が施されていることが好ましい。剥離処理に使用される剥離剤としては、例えば、アルキッド系、シリコーン系、フッ素系、不飽和ポリエステル系、ポリオレフィン系、ワックス系の剥離剤が挙げられる。
上記はく離ライナーの厚さは、特に限定されないが、例えば20~150μm程度である。
[用途]
本発明の粘着剤組成物、本発明の粘着剤層、および本発明の粘着シートの用途は特に限定されず、あらゆる用途に使用することができる。例えば光学用途、すなわち光学部材に貼り合わせる用途に使用することができる。本発明の粘着剤組成物、本発明の粘着剤層、および本発明の粘着シートを光学用途に用いることで、信頼性に優れる。例えば、上記ポリエステル系樹脂は、アクリル系樹脂とは異なり炭素-炭素二重結合を有しないためと推測され、経時で黄変しにくく、光学用途に特に適する。
本発明の粘着剤組成物、本発明の粘着剤層、および本発明の粘着シートは、例えば、電気電子機器等の光学部材において、各種部材または部品を所定の部位(例えば、筐体、前面板、ウインドウ部分等)に取り付ける(装着する)際に用いられる。なお、「電気電子機器」とは、電気機器または電子機器の少なくともいずれかに該当する機器をいう。上記電気電子機器としては、例えば、液晶ディスプレイ、有機/無機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示装置や、携帯電子機器などが挙げられる。上記画像表示装置としては、上記携帯電子機器における画像表示装置や、車載用ディスプレイ、デジタルサイネージ(電子看板・電子掲示板)などが挙げられる。なお、上記画像表示装置としては、いわゆる“リジッド型”、いわゆる“フレキシブル型”などの形態(構造)であってもよく、また、いわゆる“フォルダブル型”や“ローラブル型”などの折り曲げたり、折りたたんだりできる形態(構造)のものであってもよい。
上記携帯電子機器としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット型パソコン、ノート型パソコン、各種ウェアラブル機器(例えば、腕時計のように手首に装着するリストウェア型、クリップやストラップ等で体の一部に装着するモジュラー型、メガネ型(単眼型や両眼型。ヘッドマウント型も含む。)を包含するアイウェア型、シャツや靴下、帽子等に例えばアクセサリの形態で取り付ける衣服型、イヤホンのように耳に取り付けるイヤウェア型等)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、音響機器(携帯音楽プレーヤー、ICレコーダー等)、計算機(電卓等)、携帯ゲーム機器、電子辞書、電子手帳、電子書籍、車載用情報機器、携帯ラジオ、携帯テレビ、携帯プリンター、携帯スキャナ、携帯モデムなどが挙げられる。なお、本明細書において「携帯」とは、単に携帯することが可能であるだけでは充分ではなく、個人(標準的な成人)が相対的に容易に持ち運び可能なレベルの携帯性を有することを意味するものとする。
本発明の粘着剤層および本発明の粘着シートの用途としては、具体的には、タッチセンサおよび画像表示装置の間に設けられる、タッチセンサおよび画像表示装置の貼り合わせ用途が好ましい。本発明の粘着剤層は上記タッチセンサと直接積層していることが特に好ましい。また、本発明の粘着剤層は、画像表示装置に、直接積層していてもよく、偏光フィルム等の他の層を介して積層していてもよい。本発明の粘着剤層はノイズの増幅を起こしにくいため、画像表示装置から発せられるノイズをタッチセンサに伝わりにくくすることができる。
また、本発明の粘着剤層および本発明の粘着シートは、ミリ波通信に使用されるアンテナ(ミリ波アンテナ)を構成する部材を貼り合わせる用途に有用である。本発明の粘着剤層は、ミリ波などの高周波数帯での誘電率、誘電損失が低い特性を有するので、ミリ波の放射損失を抑制することができる。本明細書において、「ミリ波通信」とは、20GHz~300GHzの周波数帯での通信を意味する。
[光学積層体]
本発明の粘着剤層または本発明の粘着シートをタッチセンサおよび画像表示装置の間に設けることで、タッチセンサ、本発明の粘着剤層、および画像表示装置をこの順に備える光学積層体(本発明の光学積層体)が得られる。上記光学積層体は、タッチセンサおよび粘着剤層をそれぞれ、単層で備えていてもよいし、複層を備えていてもよい。タッチセンサを複数備える場合、各タッチセンサ間は粘着剤層を介して積層されていることが好ましい。粘着剤層を複数備える場合の複数の粘着剤層は、組成や厚さ等について、同一の層であってもよく、異なる層であってもよい。粘着剤層を複数備える場合、少なくとも1層は本発明の粘着剤層である。タッチセンサおよび画像表示装置の間に設けられる全ての粘着剤層は本発明の粘着剤層であることが好ましい。
上記画像表示装置としては上述のものが挙げられる。上記タッチセンサは、静電容量方式のタッチセンサであり、例えば、ガラス板や透明プラスチックフィルム(特にPETフィルム、ポリカーボネートフィルム、環状オレフィン系ポリマーフィルム)に透明導電層が設けられた透明導電性フィルムである。本発明の粘着剤層は上記透明導電層に接触するように貼り合わせられることが好ましい。
上記透明導電層としては、ITO膜(酸化インジウムスズ)、ZnO、SnO、CTO(酸化カドミウムスズ)の薄膜が挙げられる。その他、上記透明導電層としては、銀、銅、CNT(カーボンナノチューブ)などにより形成することができる。また、上記透明導電層には、Agナノワイヤー、Ag/Cuなどのメタルメッシュセンサーを採用することもできる。また、上記タッチセンサは、その端部に薄膜の銅や銀ペーストで形成された引き回し配線を有していてもよい。
上記光学積層体はカバー部材を備えていてもよい。上記カバー部材は、タッチセンサの画像表示装置を備える側とは反対側表面に設けられ、上記光学積層体におけるタッチセンサや画像表示装置を保護するものである。上記カバー部材としては、カバーガラスやプラスチックカバーが挙げられる。上記カバー部材は粘着剤層を介してタッチセンサ等の上記光学積層体を構成する層に貼り合わせられていてもよい。上記粘着剤層は、本発明の粘着剤層であってもよいが、画像表示装置が発するノイズの増幅を抑える機能は求められないため、その他の粘着剤層であってもよい。また、上記光学積層体は画像表示装置の表面(タッチセンサを備える側の表面)に偏光フィルムを備えていてもよい。
上記光学積層体はノイズ軽減層(ノイズ軽減フィルムなど)を備えていてもよい。上記ノイズ軽減層は、画像表示装置が発するノイズの増幅を抑える機能が求められる観点から、タッチセンサおよび画像表示装置の間に設けられることが好ましい。上記ノイズ軽減層およびタッチセンサ、ならびに、上記ノイズ軽減層および画像表示装置は、それぞれ、粘着剤層(好ましくは本発明の粘着剤層)を介して貼り合わせられる。上記ノイズ軽減層は単層であってもよく複層であってもよい。ノイズ軽減層を複数備える場合の複数のノイズ軽減層は、組成や厚さ等について、同一の層であってもよく、異なる層であってもよい。
図1~3に、本発明の光学積層体の一実施形態を示す。図1に示す光学積層体1は、画像表示装置5と、画像表示装置5上に設けられた偏光フィルム6と、タッチセンサ41と、タッチセンサ42と、カバー部材3とをこの順に備える。偏光フィルム6およびタッチセンサ41は粘着剤層(粘着シート)21により貼り合わせられており、タッチセンサ41およびタッチセンサ42は粘着剤層(粘着シート)22により貼り合わせられている。粘着剤層21および22は本発明の粘着剤層である。また、タッチセンサ42およびカバー部材3は粘着剤層(粘着シート)23により貼り合わせられている。粘着剤層23はその他の粘着剤層である。
図2に示す光学積層体1は、画像表示装置5と、画像表示装置5上に設けられた偏光フィルム6と、タッチセンサ43と、カバー部材3とをこの順に備える。タッチセンサ43は、例えば図1におけるタッチセンサ41および42の双方の機能を兼ね備えるものである。偏光フィルム6およびタッチセンサ43は粘着剤層21により貼り合わせられている。粘着剤層21は本発明の粘着剤層である。また、タッチセンサ43およびカバー部材3は粘着剤層23により貼り合わせられている。粘着剤層23はその他の粘着剤層である。
図3に示す光学積層体1は、画像表示装置5と、画像表示装置5上に設けられた偏光フィルム6と、ノイズ軽減層44と、タッチセンサ43と、カバー部材3とをこの順に備える。偏光フィルム6およびノイズ軽減層44は粘着剤層21により貼り合わせられており、ノイズ軽減層44およびタッチセンサ43は粘着剤層22により貼り合わせられている。粘着剤層21および22は本発明の粘着剤層である。また、タッチセンサ43およびカバー部材3は粘着剤層23により貼り合わせられている。粘着剤層23はその他の粘着剤層である。
なお、図1~3において、偏光フィルム6は設けられていなくてもよい。この場合、画像表示装置5と、タッチセンサ41,43,またはノイズ軽減層44とは、粘着剤層21により貼り合わせられる。
[ミリ波アンテナ]
本発明の粘着剤層を用いてミリ波アンテナを得ることができる。本発明の粘着剤層を備えるミリ波アンテナを「本発明のミリ波アンテナ」と称する場合がある。上記ミリ波アンテナを構成する部材としては、少なくとも片面にミリ波を送受信するためのアンテナ素子(以下、「ミリ波アンテナ素子」と称する場合がある)を備える基板(以下、「ミリ波アンテナ基板」と称する場合がある)が挙げられる。
ミリ波アンテナ基板としては、上記基材として例示および説明されたプラスチックフィルムが挙げられる。中でも、ミリ波の放射損失を抑制できる観点から、低誘電率、低誘電損失の素材が好ましく、特に、商品名「アートン」(環状オレフィン系ポリマー、JSR株式会社製)、商品名「ゼオノア」(環状オレフィン系ポリマー、日本ゼオン株式会社製)等の環状オレフィン系ポリマーが好ましい。
ミリ波アンテナ基板の28GHzおよび/または60GHzにおける誘電率は、ミリ波の放射損失を抑制する観点から、2.0~5.0が好ましく、より好ましくは2.1~4.5、さらに好ましくは2.2~4.0、さらに好ましくは2.2~3.5、さらに好ましくは2.2~3.4、さらに好ましくは2.2~3.3、さらに好ましくは2.2~3.2、さらに好ましくは2.2~3.1、特に好ましくは2.2~3.0である。また、ミリ波アンテナ基板の28GHzおよび/または60GHzにおける誘電損失は、ミリ波の放射損失を抑制する観点から、0.0001~0.05が好ましく、より好ましくは0.001~0.02、さらに好ましくは0.002~0.019、さらに好ましくは0.003~0.018、さらに好ましくは0.004~0.017、さらに好ましくは0.005~0.016、さらに好ましくは0.006~0.015、さらに好ましくは0.007~0.014、さらに好ましくは0.008~0.013、さらに好ましくは0.009~0.012、特に好ましくは0.01~0.011である。
ミリ波アンテナ基板は、透明であることが好ましい。ミリ波アンテナ基板の可視光波長領域における全光線透過率(JIS K7361-1に準じる)は、特に限定されないが、85%以上が好ましく、より好ましくは88%以上、さらに好ましくは89%以上、さらに好ましくは90%以上、さらに好ましくは91%以上、特に好ましくは92%以上である。また、ミリ波アンテナ基板のヘイズ(JIS K7136に準じる)は、特に限定されないが、1.2%以下が好ましく、より好ましくは1.1%以下、さらに好ましくは1.0%以下、さらに好ましくは0.9%以下、特に好ましくは0.8%以下である。
ミリ波アンテナ基板の厚さは、ミリ波アンテナ素子を実装しつつ、ミリ波の放射損失を抑制する観点から、5~250μmが好ましい。なお、ミリ波アンテナ基板は単層および複層のいずれの形態を有していてもよい。また、ミリ波アンテナ基板の表面には、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理等の物理的処理、下塗り処理等の化学的処理、ハードコーティングなどのコーティング層などの公知乃至慣用の表面処理が適宜施されていてもよい。
ミリ波アンテナ基板が備えるミリ波アンテナ素子としては、ミリ波を送受信できる限り特に限定されないが、スマートフォンなどの携帯通信機器でミリ波を効率的に受信する観点から、フェーズドアレイアンテナを好ましく使用することができる。フェーズドアレイアンテナは、複数のアンテナ素子をアレイ状に配列し、それぞれのアンテナ素子の位相を制御することにより、所望の方向に送受信を可能とするアンテナである。すなわち、フェーズドアレイアンテナは、アンテナの方向に関わらず、電子的に各アンテナ素子の位相をコントロールすること(ビームステアリング)により、所望の方向に電波を送信したり、電波を受信したりすることが可能となる。
ミリ波アンテナ素子としては、公知のアンテナを特に限定なく使用することができ、例えば、ループアンテナ構造体、パッチアンテナ構造体、スタック型パッチアンテナ構造体、寄生素子を有するパッチアンテナ構造体、逆Fアンテナ構造体、スロットアンテナ構造体、平板逆Fアンテナ構造体、モノポール、ダイポール、ヘリカルアンテナ構造体、八木(八木・宇田)アンテナ構造体、表面集積導波路構造体、これらの設計のハブリッドなどから形成される共振素子を有するアンテナ素子が挙げられる。異なる周波数帯域の組み合わせに対して、異なる種類のミリ波アンテナ素子が使用されてもよい。スマートフォンなどの携帯通信機器でミリ波を効率的に受信する観点から、パッチアンテナ素子をアレイ状に配列したフェーズドアレイアンテナが好ましい。
ミリ波アンテナ素子を構成する素材は、特に限定されず、例えば、チタン、ケイ素、ニオブ、インジウム、亜鉛、スズ、金、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、ニッケル、鉛、鉄、パラジウム、白金、タングステン、ジルコニウム、タンタル、ハフニウムなどの金属、ITO(インジウムとスズの酸化物)、酸化亜鉛、酸化スズなどの金属酸化物が挙げられる。さらには、これらの金属や金属酸化物を2種以上含有するものや、これらの金属を主成分とする合金も挙げられる。中でも、導電性の観点より、銀、銅、ITOが好ましく、透明性、視認性の点より、ITOがより好ましい。つまり、上記ミリ波アンテナ素子は、特にITOで構成されることが好ましい。また、アンテナ素子が銀、銅等の金属で構成される場合、金属の反射による視認性の低下を防止するためにアンテナ素子を隠蔽する目的で、該金属の窒化物、酸化物、硫化物等の皮膜を形成することで黒化処理を施してあってもよい。
また、ミリ波アンテナ基板は、ミリ波アンテナ素子が送受信する信号を送受信機回路に転送するための伝送線経路を備えていてもよい。伝送線経路は、同軸ケーブル経路、マイクロストリップ伝送線、ストリップライン伝送線、エッジ結合マイクロストリップ伝送線、エッジ結合ストリップライン伝送線、ミリ波周波数帯で信号を伝達するための導波路構造体(例えば、共面導波路又は接地された共面導波路)、これらの種類の伝送線の組み合わせから形成される伝送線などを含むことができる。伝送線経路を構成する素材も、特に限定されず、ミリ波アンテナ素子を構成する素材を使用することができる。
ミリ波アンテナを構成する部材としては、ミリ波アンテナ基板上に配列されたミリ波アンテナ素子を保護するためにミリ波アンテナ基板に積層するカバー部材が挙げられる。カバー部材としては、特に限定されないが、例えば、ガラスやプラスチックフィルム等の光学フィルムが使用できる。プラスチックフィルム等の素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリサルフォン、ポリアリレート、ポリイミド、透明ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、フッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、商品名「アートン」(環状オレフィン系ポリマー、JSR株式会社製)、商品名「ゼオノア」(環状オレフィン系ポリマー、日本ゼオン株式会社製)等の環状オレフィン系ポリマー等のプラスチック材料が挙げられる。なお、これらのプラスチック材料は、一種のみを使用してもよく、二種以上を使用してもよい。
カバー部材の28GHzおよび/または60GHzにおける誘電率は、ミリ波の放射損失を抑制する観点から、2.0~5.0が好ましく、より好ましくは2.1~4.5、さらに好ましくは2.2~4.0、さらに好ましくは2.2~3.5、さらに好ましくは2.2~3.4、さらに好ましくは2.2~3.3、さらに好ましくは2.2~3.2、さらに好ましくは2.2~3.1、特に好ましくは2.2~3.0である。また、カバー部材の28GHzおよび/または60GHzにおける誘電損失は、ミリ波の放射損失を抑制する観点からは、0.0001~0.05が好ましく、より好ましくは0.001~0.02、さらに好ましくは0.002~0.019、さらに好ましくは0.003~0.018、さらに好ましくは0.004~0.017、さらに好ましくは0.005~0.016、さらに好ましくは0.006~0.015、さらに好ましくは0.007~0.014、さらに好ましくは0.008~0.013、さらに好ましくは0.009~0.012、特に好ましくは0.01~0.011である。
上記カバー部材は、透明であることが好ましい。カバー部材の可視光波長領域における全光線透過率(JIS K7361-1に準じる)は、特に限定されないが、85%以上が好ましく、より好ましくは88%以上、さらに好ましくは89%以上、さらに好ましくは90%以上、さらに好ましくは91%以上、特に好ましくは92%以上である。また、カバー部材のヘイズ(JIS K7136に準じる)は、特に限定されないが、1.2%以下が好ましく、より好ましくは1.1%以下、さらに好ましくは1.0%以下、さらに好ましくは0.9%以下、特に好ましくは0.8%以下である。
カバー部材の厚さは、ミリ波の放射損失を抑制する観点から、0.025~1.5mmが好ましい。なお、カバー部材は単層および複層のいずれの形態を有していてもよい。また、カバー部材の表面には、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理等の物理的処理、下塗り処理等の化学的処理、ハードコーティングなどのコーティング層などの公知乃至慣用の表面処理が適宜施されていてもよい。
本発明の粘着シートは、携帯通信機器に用いられるミリ波アンテナの製造用途に好ましく用いられる。上記携帯通信機器としては、例えば、携帯電話、PHS、スマートフォン、タブレット(タブレット型コンピューター)、モバイルコンピューター(モバイルPC)、携帯情報端末(PDA)などが挙げられる。
ミリ波アンテナは、上記のミリ波アンテナ基板、カバー部材、粘着シート以外の部材を有していてもよく、例えば、偏光板、波長板、位相差板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、導光板、反射フィルム、反射防止フィルム、ハードコートフィルム、透明導電フィルム、意匠フィルム、装飾フィルム、表面保護板、プリズム、レンズ、カラーフィルター、透明基板や、画像表示パネル(例、液晶表示パネル、有機ELパネル、プラズマディスプレイパネル等)などを有していてもよい。画像表示パネルは、タッチセンサーを有するものであってもよい。
ミリ波アンテナは、携帯通信機器の如何なる位置に配置されていてもよく、具体的には、携帯通信機器の前面、裏面、側面に配置されていてもよい。なお、携帯通信機器の前面とは、使用者が携帯通信機器を使用するときに、使用者に対向する面であり、例えば、ディスプレイパネルを有する面が該当し、裏面、側面は筐体が該当する。なお、ディスプレイパネルとは、レンズ(特にガラスレンズ)およびタッチパネルにより少なくとも構成される構造物をいう。
ミリ波アンテナの大きさ(広さ)も限定されず、携帯通信機器の各面の全面に形成されていてもよく、一部に配置されていてもよい。また、ミリ波アンテナの形状も特に限定されず、例えば、四角、丸、配線状であってもよい。また、額縁状に配置されていてもよい。さらに、携帯通信機器に配置されるミリ波アンテナの数も限定されず、1つでもよく、複数が任意の位置に配置されていてもよい。複数のミリ波アンテナが配置される場合、大きさ(広さ)は同一であっても異なっていてもよい。携帯通信機器のミリ波アンテナが配置されていない箇所には、視認性を向上するため、ミリ波アンテナを備えないダミーパターンを配置してもよい。
上記ミリ波アンテナは、本発明の粘着シートおよび基板を少なくとも有するミリ波アンテナであって、上記基板は片面にアンテナ素子(ミリ波アンテナ素子)を備え、上記基板(ミリ波アンテナ基板)の上記アンテナ素子を有する側の面上に本発明の粘着シートが貼着されていれていればよく、その他の点では特に限定されない。なお、上記ミリ波アンテナにおける本発明の粘着シートは使用時の粘着シートであるため、はく離ライナーは有しない。
上記ミリ波アンテナとしては、ミリ波アンテナ基板を、別の光学部材(必ずしも本発明の粘着シートを有していてもよく、有していなくてもよいが、有していることが、さらにミリ波の放射損失を抑制するという観点から好ましい。)と貼り合わせて構成されている態様が好ましい。また、上記別の光学部材は、単数であっても、複数であってもよい。
上記態様の場合のミリ波アンテナと上記別の光学部材との貼り合わせの態様としては、特に限定されないが、例えば、(1)本発明の粘着シートを介してミリ波アンテナ基板と上記別の光学部材とを貼り合わせる態様、(2)ミリ波アンテナ基板を含むまたは構成する本発明の粘着シートを、上記別の光学部材に貼り合わせる態様、(3)本発明の粘着シートを介してミリ波アンテナ基板をミリ波アンテナ基板以外の部材に貼り合わせる態様、(4)ミリ波アンテナ基板を含むまた構成する本発明の粘着シートを、ミリ波アンテナ基板以外の部材に貼り合わせる態様などが挙げられる。なお、上記(2)の態様においては、本発明の粘着シートは、基材がミリ波アンテナ基板である両面粘着シートであることが好ましい。
次に、図面を参照して、上記ミリ波アンテナの好ましい実施形態について説明する。図4には、粘着シート(粘着剤層)11およびミリ波アンテナ基板12である基板を少なくとも備えるミリ波アンテナであって、ミリ波アンテナ基板12は片面にミリ波アンテナ素子13を備え、粘着シート11が、ミリ波アンテナ基板12のミリ波アンテナ素子13を有する側の面上に貼着されているミリ波アンテナ10が記載されている。
図5には、カバー部材14、粘着シート11、およびミリ波アンテナ基板12をこの順で互いに接する状態で備えるミリ波アンテナ10が記載されている。ミリ波アンテナ基板12は、粘着シート11側の面にミリ波アンテナ素子13を備えており、粘着シート11は、ミリ波アンテナ基板12のミリ波アンテナ素子13を有する側の面上に貼着されている。カバー部材14はガラスであることが好ましく、ミリ波アンテナ基板12は、低誘電率、低誘電損失の点から、COPであることが好ましく、ミリ波アンテナ素子13は銅、銀、またはITOであることが好ましい。
図6には、カバー部材14、粘着シート(粘着剤層)11a、ミリ波アンテナ基板12、粘着シート(粘着剤層)11b、および画像表示パネル15をこの順で互いに接する状態で備えるミリ波アンテナ10が記載されている。ミリ波アンテナ基板12は、粘着シート11a側の面にミリ波アンテナ素子13を備えており、粘着シート11aは、ミリ波アンテナ基板12のミリ波アンテナ素子13を有する側の面上に貼着されている。カバー部材14はガラスであることが好ましく、ミリ波アンテナ基板12は、低誘電率、低誘電損失の点から、COPであることが好ましく、ミリ波アンテナ素子13は、透明性、視認性の観点から、ITO、または窒化物、酸化物、硫化物等の皮膜で黒化処理された銀または銅であることが好ましい。粘着シート11bは本発明の粘着シートであってもよく、本発明の粘着シートでなくてもよいが、本発明の粘着シートであることが好ましい。画像表示パネル15は、タッチセンサを有していてもよい(図示略)。
図4~6に示すミリ波アンテナ10において、粘着シート11、11a、および好ましくは粘着シート11bは高周波数帯での誘電率、誘電損失が低い本発明の粘着剤層で構成されているため、ミリ波の放射損失が抑制されており、ミリ波通信を効率的に行うことができる。また、ミリ波通信を効率的に行うことができるため、アンテナ面積を小型化することができ、アンテナを微細化することができる。
本発明の粘着剤組成物によれば、誘電率が低い粘着剤層を形成することができる。このため、例えば、タッチセンサおよび画像表示装置の貼り合わせに上記粘着剤層を用いることにより、画像表示装置が発するノイズをタッチセンサに伝わりにくくすることができる。また、例えば、上記粘着剤層を、ミリ波アンテナに用いるミリ波アンテナ基板に貼り合わせる粘着剤層として用いることにより、ミリ波の放射損失を抑制することができる。さらに、上記粘着剤層の耐久性に優れ、上記粘着剤層を備える粘着シートの耐久性に優れる。
以上で説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
合成例1
(ポリエステル系樹脂(A1)の合成)
三つ口セパラブルフラスコに撹拌機、温度計、および真空ポンプを付し、これにビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート(東京化成工業株式会社製、分子量254)65g、ダイマージオール(製品名「プリポール2033」、クローダ社製、分子量537、炭素数36、ジオール、ヒドロキシ基以外のヘテロ原子数0)140g、触媒としてチタンテトラノルマルブトキシド(製品名「オルガチックスTA-21」、マツモトファインケミカル株式会社製)0.2gを仕込み、窒素雰囲気化で撹拌しながら180℃まで昇温した。180℃到達後、減圧雰囲気(2.0kPa以下)で撹拌しながら210℃まで昇温し、この温度を保持した。約4時間反応を続けて、ポリエステル系樹脂(A1)を得た。このポリエステル系樹脂(A1)の重量平均分子量(Mw)は4.1万であり、ガラス転移温度(Tg)は-20℃であった。
合成例2
(ポリエステル系樹脂(A2)の合成)
三つ口セパラブルフラスコに撹拌機、温度計、および真空ポンプを付し、これにビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート(東京化成工業株式会社製、分子量254)60g、ダイマージオール(製品名「プリポール2033」、クローダ社製、分子量537、炭素数36、ジオール、ヒドロキシ基以外のヘテロ原子数0)122.9g、ポリテトラメチレングリコール(三菱ケミカル株式会社製、分子量2000)23.6g、触媒としてチタンテトラノルマルブトキシド(製品名「オルガチックスTA-21」、マツモトファインケミカル株式会社製)0.2gを仕込み、窒素雰囲気化で撹拌しながら180℃まで昇温した。180℃到達後、減圧雰囲気(2.0kPa以下)で撹拌しながら210℃まで昇温し、この温度を保持した。約4時間反応を続けて、ポリエステル系樹脂(A2)を得た。このポリエステル系樹脂(A2)の重量平均分子量Mwは4.3万であり、Tgは-29℃であった。
合成例3
(ポリエステル系樹脂(A3)の合成)
四つ口セパラブルフラスコに撹拌機、温度計、窒素管、および水分離管を付し、これにエチレングリコール(東京化成工業株式会社製、分子量62)100g、ダイマー酸(製品名「プリポール1009」、クローダ社製、分子量567、炭素数36、二価カルボン酸、カルボキシ基以外のヘテロ原子数0)700g、テレフタル酸(東京化成工業株式会社製、分子量166)63g、重合触媒としてジ-n-ブチルスズオキシド(キシダ化学株式会社製、分子量249)0.46g、反応水排出溶剤としてキシレン40gを仕込み、窒素雰囲気で撹拌しながら180℃まで昇温し、この温度を保持した。しばらくすると反応水の流出分離が認められ、反応が進行しはじめた。約24時間反応を続けて、ポリエステル系樹脂(A3)を得た。このポリエステル系樹脂(A3)のMwは10万であり、Tgは-33℃であった。
実施例1-1
ポリエステル系樹脂(A1)100質量部に、架橋剤(B1)としてヘキサメチレンジイソシアネート変性イソシアヌレート(商品名「コロネートHX」、東ソー株式会社製)3質量部、架橋触媒として有機ジルコニウム化合物(商品名「オルガチックスZC-162」、マツモトファインケミカル株式会社製)0.03質量部、およびトルエンを加え、粘着剤組成物(粘着剤溶液)を調製した。この粘着剤溶液を、剥離処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名「ダイアホイルMRF♯38」、三菱ケミカル株式会社製)の剥離処理面に、乾燥後の厚さが25μmになるように塗工し、120℃で3分乾燥させ、粘着剤層を得た。その後、剥離処理したPETフィルム(商品名「ダイアホイルMRE♯38」、三菱ケミカル株式会社製)の剥離処理面に上記粘着剤層を貼り合わせて、さらに60℃3日間放置し、実施例1の基材レス粘着シートを作製した。
実施例1-2
ポリエステル系樹脂(A1)100質量部に対して、加水分解促進剤(C1)として高酸価ロジンエステル樹脂(商品名「ペンセルD125」、酸価15、荒川化学工業株式会社製)を40質量部追加した。その他は実施例1-1と同様にして実施例1-2の粘着剤組成物および基材レス粘着シートを作製した。
実施例2-1
ポリエステル系樹脂(A1)に代えてポリエステル系樹脂(A2)を使用した。その他は実施例1-1と同様にして実施例2-1の粘着剤組成物および基材レス粘着シートを作製した。
実施例2-2
ポリエステル系樹脂(A1)に代えてポリエステル系樹脂(A2)を使用した。ポリエステル系樹脂(A2)100質量部に対して、加水分解促進剤(C1)として高酸価ロジンエステル樹脂(商品名「ペンセルD125」、酸価15、荒川化学工業株式会社製)を40質量部追加した。その他は実施例1-1と同様にして実施例2-2の粘着剤組成物および基材レス粘着シートを作製した。
比較例1-1
ポリエステル系樹脂(A1)に代えてポリエステル系樹脂(A3)を使用した。その他は実施例1-1と同様にして比較例1-1の粘着剤組成物および基材レス粘着シートを作製した。
比較例1-2
ポリエステル系樹脂(A1)に代えてポリエステル系樹脂(A3)を使用し、架橋剤(B1)の使用量を、ポリエステル系樹脂(A3)100質量部に対して4.5質量部に変更した。また、ポリエステル系樹脂(A3)100質量部に対して、加水分解促進剤(C1)として高酸価ロジンエステル樹脂(商品名「ペンセルD125」、酸価15、荒川化学工業株式会社製)を40質量部追加した。その他は実施例1-1と同様にして比較例1-2の粘着剤組成物および基材レス粘着シートを作製した。
<評価>
合成例で作製したポリエステル系樹脂、実施例および比較例で作製した粘着シートについての評価法を以下に示す。
(1)重量平均分子量(Mw)
ポリエステル系樹脂の重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により得られた標準ポリスチレン換算の値である。GPC装置としては、装置名「HLC-8320GPC」(カラム:TSKgelGMH-H(S)、東ソー株式会社製)を用い、以下の条件で行った。
カラム:TSKgelGMH-H(S)
カラム温度:40℃
溶離液:THF(アミン系成分0.1質量%添加)
流速:0.5mL/min
注入量:100μL
検出器:示差屈折計(RI)
標準試料:ポリスチレン(PS)
(2)誘電率および誘電損失
実施例および比較例で得られた粘着剤層(粘着シートからシリコーン処理を施したPETフィルムを剥離したもの)を、銅箔と電極の間に挟み以下の装置により周波数100kHzにおける誘電率および誘電損失を測定した。測定は3サンプルを作製し、それらの3サンプルの測定値の平均を誘電率、誘電損失とした。
なお、粘着剤層の周波数100kHzでの比誘電率は、JIS K6911に準じて、下記条件で測定した。
測定方法:容量法(装置:Agilent Technologies 4294A Precision Impedance Analyzer)
電極構成:12.1mmΦ、0.5mm厚さのアルミ板
対向電極:3oz 銅板
測定環境:23±1℃、52±1%RH
(3)全光線透過率およびヘイズ
実施例および比較例で得られた粘着シートから一方の剥離処理を施したPETフィルムを剥離して、露出した粘着面をスライドガラス(商品名「白研磨 No.1」(厚さ0.8~1.0mm、全光線透過率92%、ヘイズ0.2%、b*0.15)、松浪硝子工業株式会社製)に貼り合わせ、オートクレーブ処理(50℃,0.5MPa,15分)を行った。処理後、他方の剥離処理を施したPETフィルムを剥離して、[粘着シート(粘着剤層)/スライドガラス]の層構成を有する試験片を作製した。上記試験片の可視光領域における全光線透過率およびヘイズを、ヘイズメーター(装置名「HSP-150Vis」、株式会社村上色彩研究所製)を用いて23±1℃、52±1%RHの環境下において測定した。各検体で3サンプル作製し、それらの3サンプルの測定値の平均を可視光領域における全光線透過率およびヘイズとした。
(4)色相(b*
実施例および比較例で得られた粘着シートから一方の剥離処理を施したPETフィルムを剥離して、露出した粘着面をスライドガラス(商品名「白研磨 No.1」(厚さ0.8~1.0mm、全光線透過率92%、ヘイズ0.2%、b*0.15)、松浪硝子工業株式会社製)に貼り合わせ、オートクレーブ処理(50℃,0.5MPa,15分)を行った。処理後、他方の剥離処理を施したPETフィルムを剥離して、[粘着シート(粘着剤層)/スライドガラス]の層構成を有する試験片を作製した。上記試験片の可視光領域におけるb*を、紫外可視近赤外分光光度計(装置名「UH4150」、株式会社日立ハイテクノサイエンス製)を用いて23±1℃、52±1%RHの環境下において測定した。各検体で3サンプル作製し、それらの3サンプルの測定値の平均を可視光領域におけるb*とした。
(5)180°ピール粘着力
実施例および比較例で得られた粘着シートから、長さ100mm、幅20mmのシート片を切り出した。次いで、粘着シートの一方の剥離処理を施したPETフィルムを剥離し、露出した粘着面をPETフィルム(商品名「ルミラーS-10♯25」、東レ株式会社製)を貼付(裏打ち)した。次に、他方の剥離処理を施したPETフィルムを剥離して、試験板としてガラス板(商品名「ソーダライムガラス♯0050」、松浪硝子工業株式会社製)に、2kgローラー、1往復の圧着条件で圧着し、[試験板/粘着剤層/PETフィルム]から構成されるサンプルを作製した。得られたサンプルについて、オートクレーブ処理(50℃,0.5MPa,15分)し、その後、23℃、50%RHの雰囲気下で30分間放冷した。放冷後、引張試験機(装置名「EZ Test/EZ-S」、株式会社島津製作所製)を用い、JIS Z0237に準拠して、23℃、50%RHの雰囲気下、引張速度300mm/分、剥離角度180°の条件で、試験板から粘着シート(粘着剤層/PETフィルム)を引きはがし、180°ピール粘着力(N/20mm)を測定した。
(6)Tgおよび貯蔵弾性率
実施例および比較例で得られた粘着剤層を積層して打ち抜き、厚さ2mm×直径8mmの円盤状の試験片を作製した。この試験片を、せん断試験用のパラレルプレートで挟み込み、動的粘弾性測定装置(装置名「ARES-G2」、TA Instruments社製)を用いて、下記に記載する測定条件で損失弾性率G’’および貯蔵弾性率G’を測定した。損失弾性率と貯蔵弾性率の比(G’’/G’)=Tanδのピーク値を粘着剤層のTgとして読み取った。
・測定:剪断モード
・温度範囲:-50℃~150℃
・昇温速度:5℃/min
・周波数:1Hz
(7)ゲル分率
実施例および比較例で得られた粘着剤層を約0.1g採取し、平均孔径0.2μmの多孔質テトラフルオロエチレンシート(商品名「NTF1122」、日東電工株式会社製)に包んだ後、凧糸で縛り、その際の重量を測定し、該重量を浸漬前重量(Z)とした。なお、該浸漬前重量は、粘着剤層(上記で採取した粘着剤層)と、テトラフルオロエチレンシートと、凧糸との総重量である。また、テトラフルオロエチレンシートと凧糸との合計重量も測定しておき、該重量を包袋重量(Y)とした。
次に、粘着剤層をテトラフルオロエチレンシートで包み凧糸で縛ったもの(「サンプル」と称する)を、酢酸エチルあるいはトルエンで満たした50ml容器に入れ、23℃にて7日間静置した。その後、容器からサンプル(酢酸エチルあるいはトルエン処理後)を取り出して、アルミニウム製カップに移し、130℃で2時間、乾燥機中で乾燥して酢酸エチルあるいはトルエンを除去した後、重量を測定し、該重量を浸漬後重量(X)とした。
そして、下記の式からゲル分率を算出した。
ゲル分率[%(重量%)]=(X-Y)/(Z-Y)×100
(8)加水分解試験(ゲル分率保持率)
実施例および比較例で得られた加水分解促進剤入りの粘着剤層を、85℃85%RHに調整された恒温恒湿槽で0時間および336時間(2週間)保管し、保管後のゲル分率を測定した。0時間保管したサンプルのゲル分率を(x)、336時間保管したサンプルのゲル分率を(y)とし、下記の式から加水分解試験後のゲル分率保持率を算出した。
ゲル分率保持率=(y/x)×100
Figure 2023111603000002
1 光学積層体
21,22,23 粘着剤層(粘着シート)
3 カバー部材
41,42,43 タッチセンサ
44 ノイズ軽減層
5 画像表示装置
6 偏光フィルム
10 ミリ波アンテナ
11,11a,11b 粘着シート(粘着剤層)
12 ミリ波アンテナ基板
13 ミリ波アンテナ素子
14 カバー部材
15 画像表示パネル

Claims (5)

  1. 炭素数20以上であるポリオールに由来する構成単位と芳香族多価カルボン酸に由来する構成単位とを含むポリエステル系樹脂を含む、粘着剤組成物。
  2. 粘着剤層を形成した際の周波数100kHzでの誘電率は4.0以下である請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 前記ポリエステル系樹脂100質量部に対して加水分解促進剤40質量部を添加して粘着剤層を形成した際の加水分解試験において、2週間後のゲル分率保持率が70%以上である、請求項1または2に記載の粘着剤組成物。
  4. 請求項1~3に記載の粘着剤組成物により形成された粘着剤層。
  5. 請求項4に記載の粘着剤層を備える粘着シート。
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