JP2023111348A - 被膜形成用組成物 - Google Patents

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志保 青柳
Shiho Aoyanagi
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一生 岩井
Kazuo Iwai
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Abstract

【課題】成膜性に優れ、被膜が低屈折率性、アルカリ溶解性を有し、かつ、光重合性化合物と活性エネルギー線により反応する被膜形成用組成物を提供する。【解決手段】テトラアルコキシシラン化合物に由来する構成単位の質量比率を25~35%、フルオロアルコキシシラン化合物に由来する構成単位の質量比率を5~40%、トリアルコキシシラン化合物に由来する構成単位とビニルアルコキシシラン化合物に由来する構成単位の合計の質量比率を30~66%含有するシロキサンポリマー、及び有機溶剤を含有する被膜形成用樹脂組成物とする。【選択図】なし

Description

本発明は、被膜形成用組成物に関する。
電荷結合素子:CCD(charge coupled devices)や相補形金属酸化膜半導体:CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの固体撮像素子、或いは、ディスプレイ用基板、各種反射防止膜等においては、各種レンズ材料や平坦化膜等の様々なコーティング材料が用いられている。
このようなコーティング材料には、透明性、適切な屈折率などの光学特性に加え、耐熱性、低温加工性など多くの特性が求められる。また、用途に応じては、アルカリ溶解性も求められる。こうした要求に対し、シロキサン化合物を含む樹脂組成物が好適であることが知られている。
例えば、特許文献1には、特定の2種以上のシラン化合物を含む混合原料を、加水分解・縮合して得られるシリコーン樹脂を含有することを特徴とする低屈折率膜形成用組成物が開示されている。
特開2012-203059号公報
近年、上述したコーティング材料には、成膜性に優れ、低屈折率性、アルカリ溶解性を有し、重合開始剤と活性エネルギー線により反応する被膜形成用組成物が要求されるようになってきており、特許文献1で開示された技術には、更なる改善の余地があった。
そこで本発明は、成膜性に優れ、被膜が低屈折率性、アルカリ溶解性を有し、かつ、重合開始剤と活性エネルギー線により反応する被膜形成用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、下記の被膜形成用組成物を使用することにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)~(4)に由来する構成単位を有するシロキサンポリマー、及び、有機溶剤を含有し、上記シロキサンポリマーにおいて、下記一般式(1)に由来する構成単位の質量比率をw、下記一般式(2)に由来する構成単位の質量比率をw、下記一般式(3)に由来する構成単位の質量比率をw、下記一般式(4)に由来する構成単位の質量比率をwとしたときに、wが25~35、wが5~40、wとwとの合計が30~66である被膜形成用組成物。
Figure 2023111348000001
(上記一般式(1)中、Rは、アルキル基を表す。4個のRは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 2023111348000002
(上記一般式(2)中、Xはフッ素原子を3~13個有するフルオロアルキル基、Xはアルキル基、シロキシ基又ラジカル重合性二重結合を有する1価の有機基、Rはアルキル基を表す。複数のRは同一でも異なっていてもよい。aは0又は1である。)
Figure 2023111348000003
(上記一般式(3)中、Yはアルキル基、Yはアルキル基又はシロキシ基、Rはアルキル基を表す。複数のRは同一でも異なっていてもよい。bは0又は1である。)
Figure 2023111348000004
(上記一般式(4)中、Zはラジカル重合性二重結合を有する1価の有機基、Zはアルキル基又はシロキシ基、Rはアルキル基を表す。複数のRは同一でも異なっていてもよい。cは0又は1である。)
本発明の被膜形成用組成物において、上記シロキサンポリマーは、wが25~35、wが5~40、wが15~33、かつ、wが15~33であることが好ましい。
本発明の被膜形成用組成物において、上記シロキサンポリマーは、下記一般式(5)に由来する構成単位を更に含有し、下記一般式(5)に由来する構成単位は、w、w、w及びwの合計質量100質量部に対して1~10質量部であることが好ましい。
Figure 2023111348000005
(上記一般式(5)中、Vは酸無水物基で置換されたアルキル基、Vはアルキル基又はシロキシ基、Rはアルキル基を表す。複数のRは同一でも異なっていてもよい。dは0又は1である。)
本発明の被膜形成用組成物は、上記一般式(2)中、aは0であり、上記一般式(3)中、bは0であり、上記一般式(4)中、cは0であることが好ましい。
また、本発明の被膜形成用組成物は、上記一般式(5)中、dは0であることが好ましい。
また、本発明の被膜形成用組成物は、レベリング剤を含有することが好ましい。
また、本発明の被膜形成用組成物は、更に重合開始剤を含有することが好ましい。
また、本発明の被膜形成用組成物は、硬化被膜の屈折率が1.40~1.43であることが好ましい。
また、本発明の被膜形成用組成物は、硬化被膜の硬度が4H以上であることが好ましい。
本発明の被膜形成用組成物は、成膜性に優れ、被膜が低屈折率性、アルカリ溶解性を有し、かつ、重合開始剤と活性エネルギー線により反応する。
本発明の被膜形成用組成物は、後述する一般式(1)~(4)に由来する構成単位を有するシロキサンポリマー、及び、有機溶剤を含有し、上記シロキサンポリマーにおいて、後述する一般式(1)に由来する構成単位の質量比率をw、後述する一般式(2)に由来する構成単位の質量比率をw、後述する一般式(3)に由来する構成単位の質量比率をw、後述する一般式(4)に由来する構成単位の質量比率をwとしたときに、wが25~35、wが5~40、wとwとの合計が30~66である。
まずは、シロキサンポリマーについて説明する。
(シロキサンポリマー)
本発明の被膜形成用組成物において、シロキサンポリマーは、後述する一般式(1)~(4)に由来する構成単位を有する。
まずは、下記一般式(1)について説明する。
Figure 2023111348000006
(上記一般式(1)中、Rは、アルキル基を表す。4個のRは同一でも異なっていてもよい。)
上記一般式(1)中、Rは、1~10のアルキル基であることが好ましい。
このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、n-ブチル基又はsec-ブチル基である。
上記一般式(1)としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ-n-プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ-n-ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン等が挙げられる。
なかでも、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましい。
下記一般式(2)について説明する。
Figure 2023111348000007
(上記一般式(2)中、Xはフッ素原子を3~13個有するフルオロアルキル基、Xはアルキル基、シロキシ基又ラジカル重合性二重結合を有する1価の有機基、Rはアルキル基を表す。複数のRは同一でも異なっていてもよい。aは0又は1である。)
上記一般式(2)中、Xは、被膜形成用組成物の被膜の用途に応じて適宜選択することができる。
例えば、屈折率をより小さくするためにはフッ素の数が9~13の範囲で選択することが好ましい。
また、例えば、硬度を維持しつつ屈折率を小さくするためには、フッ素の数が3~5の範囲で選択することが好ましい。
上記一般式(2)中、Xは、炭素数が1~10のアルキル基が好ましい。
このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、n-ブチル基又はsec-ブチル基である。
上記一般式(2)中、Rは、炭素数が1~10のアルキル基が好ましい。
このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、n-ブチル基又はsec-ブチル基である。
上記一般式(2)中、aは0であることが好ましい。
上記一般式(2)としては、例えば、トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルメチルジエトキシシラン、トリフルオロプロピルメチルジプロポキシシラン、トリフルオロプロピルメチルジイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルエチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルエチルジエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルメチルジメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルメチルジエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルメチルジプロポキシシラン、トリデカフルオロオクチルメチルジイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルビニルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルビニルジエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリアルコキシシラン等が挙げられる。
下記一般式(3)について説明する。
Figure 2023111348000008
(上記一般式(3)中、Yはアルキル基、Yはアルキル基又はシロキシ基、Rはアルキル基を表す。複数のRは同一でも異なっていてもよい。bは0又は1である。)
上記一般式(3)中、Yは、炭素数が1~10のアルキル基が好ましい。
このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、n-ブチル基又はsec-ブチル基である。
上記一般式(3)中、Yは、炭素数が1~10のアルキル基が好ましい。
このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、n-ブチル基又はsec-ブチル基である。
上記一般式(3)中、Rは、炭素数が1~10のアルキル基が好ましい。
このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、n-ブチル基又はsec-ブチル基である。
上記一般式(3)中、bは0であることが好ましい。
上記一般式(3)としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリ-n-ブトキシシラン、メチルトリ-t-ブトキシシラン、メチルトリ-sec-ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
下記一般式(4)について説明する。
Figure 2023111348000009
(上記一般式(4)中、Zはラジカル重合性二重結合を有する1価の有機基、Zはアルキル基又はシロキシ基、Rはアルキル基を表す。複数のRは同一でも異なっていてもよい。cは0又は1である。)
上記一般式(4)中、Zは、ビニル基、アリル基又は(メタ)アクリロイル基を有する1価の有機基であることが好ましい。
上記一般式(4)中、Zは、炭素数が1~10のアルキル基が好ましい。
このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、n-ブチル基又はsec-ブチル基である。
上記一般式(4)中、Rは、炭素数が1~10のアルキル基が好ましい。
このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、n-ブチル基又はsec-ブチル基である。
上記一般式(4)中、cは0であることが好ましい。
上記一般式(4)としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン等のビニルシラン化合物、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルエチルジエトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等の3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルシラン化合物、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン等のアリルシラン化合物等が挙げられる。
上記シロキサンポリマーは、下記一般式(5)に由来する構成単位を更に含有し、下記一般式(5)に由来する構成単位は、w、w、w及びwの合計質量100質量部に対して1~10質量部であることが好ましい。
Figure 2023111348000010
(上記一般式(5)中、Vは酸無水物基で置換されたアルキル基、Vはアルキル基又はシロキシ基、Rはアルキル基を表す。複数のRは同一でも異なっていてもよい。dは0又は1である。)
上記一般式(5)中、Vは、無水コハク酸置換アルキル基等が挙げられる。
具体的には、2-無水コハク酸基置換エチル基、3-無水コハク酸基置換プロピル基、4-無水コハク酸基置換ブチル基等が例示できる。
上記一般式(5)中、Vは、炭素数が1~10のアルキル基が好ましい。
このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、n-ブチル基又はsec-ブチル基である。
上記一般式(5)中、Rは、炭素数が1~10のアルキル基が好ましい。
このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、n-ブチル基又はsec-ブチル基である。
上記一般式(5)中、dは0であることが好ましい。
上記一般式(5)としては、例えば、トリエトキシシリルプロピル無水コハク酸、トリエトキシシリルブチル無水コハク酸、トリエトキシシリルエチル無水コハク酸等が挙げられる。
上記シロキサンポリマーは、上記一般式(1)に由来する構成単位の質量比率をw、上記一般式(2)に由来する構成単位の質量比率をw、上記一般式(3)に由来する構成単位の質量比率をw、上記一般式(4)に由来する構成単位の質量比率をwとしたときに、wが25~35、wが5~40、wとwとの合計が30~66である。
なお、上記一般式(1)~(4)に由来する構成単位の質量比率は、上記シロキサンポリマーを29Si-NMR及びH-NMRにより測定することにより得ることができる。
上記シロキサンポリマーは、wが25~35、wが5~40、wが15~33、かつ、wが15~33であることが好ましい。
上記シロキサンポリマーが、上記一般式(5)に由来する構成単位を有する場合、上記一般式(5)に由来する構成単位は、w、w、w及びwの合計質量100質量部に対して1~10質量部であることが好ましい。
上記一般式(5)に由来する構成単位をこのような範囲で有することにより、アルカリ溶解性を好適に向上することができる。
上記シロキサンポリマーは、重量平均分子量(Mw)が、800~1万であることが好ましい。上記重量平均分子量(Mw)が800未満であると、被膜形成用組成物の成膜性や硬化性が低下することがあり、上記重量平均分子量(Mw)が、1万を超えると、被膜形成用組成物の溶解性が低下することがある。
上記シロキサンポリマーは、重量平均分子量(Mw)が、1,000~3,000であることがより好ましい。
なお、上記重量平均分子量(Mw)としては、上記シロキサンポリマーを溶解させて、0.02質量部の溶液を作製し、フィルター(ジーエルサイエンス社製、GLクロマトディスク、水系25A、孔径0.2μm)を通過させた後、サイズ排除クロマトグラフィー、屈折率検出器から構成されるalliance(日本ウォーターズ社製)を用いて、以下の条件により測定することができる。
カラム:pLgel mixed D(アジレント社製)×2本直列接続
検出器:alliance(日本ウォーターズ社製)
溶離液:THF
流速:1.0 ml/min
注入量:100μl
上記シロキサンポリマーの製造方法について説明する。
上記シロキサンポリマーは、例えば、適切な容器内で上記一般式(1)~(4)、必要に応じて上記一般式(5)を混合した後、水、重合触媒、必要に応じて反応溶媒を添加して加水分解させて縮合させる方法等が挙げられる。
上記縮合反応後、上記シロキサンポリマー以外の不要な副生成物を、抽出、脱水、溶媒除去等の方法で除去することにより、上記シロキサンポリマーを得ることができる。
上記反応に用いる水の量としては、容器内に仕込まれた上記一般式(1)~(4)、必要に応じて上記一般式(5)の加水分解性の置換基の数に対して、水の分子が同じ数になる程度の量が好適である。
そして、上記一般式(1)~(5)では、加水分解性の置換基を一分子あたり3又は4個有することから、簡易的に水の量を、容器内に仕込まれた上記一般式(1)~(5)の全ての分子の数に対して、水の分子の数が3~4倍なる程度の量としてもよい。
上記重合触媒としては、例えば、酢酸、塩酸等の酸触媒、アンモニア、トリエチルアミン、シクロヘキシルアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム等の塩基触媒を用いることができる。
上記重合触媒の量としては、上記一般式(1)~(5)の全ての分子の数に対して、重合触媒の分子の数が0.05~0.2倍になる程度の量が好ましい。
上記反応溶媒としては、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物、酢酸エチル、酢酸-n-プロピル等のエステル化合物が好ましい。
なかでも、低級アルコールがより好ましく、適度な反応温度を維持できて留去しやすいという観点から、エタノール、イソプロピルアルコールが更に好ましい。
反応温度としては、60~80℃が好ましく、反応時間としては、反応が充分に進行するよう、概ね、2~24時間であることが好ましい。
(有機溶剤)
次いで、有機溶剤について説明する。
上記有機溶剤としては、アルコール類、多価アルコール類とその誘導体、ケトン系有機溶剤、エステル系有機溶剤等の有機溶剤を用いることができる。
上記アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール-n-、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール等の低級アルコールが挙げられる。
上記多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、ジエチレングリコール、及びジプロピレングリコール等が挙げられる。
上記多価アルコール類の誘導体として、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコール-n-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコール-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールイソブチルエーテル等のグリコールモノエーテル類が挙げられる。
また、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ-n-プロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート等のグリコールモノエーテルアシレート類が挙げられる。
上記ケトン系有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル-n-プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル-n-ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等を挙げられる。
上記エステル系有機溶剤としては、酢酸エチル、酢酸-n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチル、酢酸-n-アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸-n-プロピル等が挙げられる。
上記有機溶剤は、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記シロキサンポリマーの溶解性及び塗工適性の面から、2級アルコール類の誘導体やエステル系有機溶剤が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸-n-プロピル、酢酸イソプロピルがより好ましい。
(レベリング剤)
本発明の被膜形成用組成物には、レベリング剤を含有させることができる。
上記レベリング剤としては、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。
なかでもシリコーン系界面活性剤が本発明におけるレベリング剤としてより好適である。
上記レベリング剤の含有量は、上記シロキサンポリマー100質量部に対して、0.05~1質量部であるのが好ましい。
(光重合性化合物)
本発明の被膜形成用組成物は、重合開始剤を、更に、必要に応じて要求される性能に応じて光重合性化合物を含有させることが好ましい。
まずは、光重合性化合物について説明する。
上記光重合性化合物としては、ラジカル重合性不飽和二重結合を有する光重合性化合物が好ましい。
上記ラジカル重合性不飽和二重結合を二つ以上有する光重合性化合物としては、二価以上の水酸基含有化合物と(メタ)アクリル酸とのエステル化合物、例えば、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
なかでも、架橋密度を高くでき優れた硬化被膜に硬度を付与する観点から、三官能以上の反応性官能基を有する化合物、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましく、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートがより好ましい。
上記光重合性化合物は、上記シロキサンポリマー100質量部に対して、10~50質量部含有することが好ましい。
上記光重合性化合物の含有量が、上記シロキサンポリマー100質量部に対して10質量部未満であると、硬化被膜の硬化性や透光性基材やITO電極との密着性が不充分となることがあり、上記シロキサンポリマー100質量部に対して50質量部を超えると、硬化していない被膜の現像液に対する溶解性が不充分となることがある。
(重合開始剤)
上記重合開始剤としては、後記のフォトリソグラフィー法により硬化被膜を形成する際に、充分な光硬化反応が得られる重合開始剤を使用することが好ましい。
上記重合開始剤としては、例えば、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、カンファーキノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-メチル-〔4’-(メチルチオ)フェニル〕-2-モルフォリノ-1-プロパノン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド等のカルボニル化合物;1,3-ビス(トリクロロメチル)-5-(2’-クロロフェニル)-1,3,5-トリアジン及び2-〔2-(2-フラニル)エチレニル〕-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン等のトリハロメタン類;2,2’-ビス(2-クロロフェニル)4,5,4’,5’-テトラフェニル1,2’-ビイミダゾール等のイミダゾール二量体;2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物、1,2-ジイソプロピル-3-〔ビス(ジメチルアミノ)メチレン〕グアニジウム=2-(3-ベンゾイルフェニル)プロピオナート等のビグアニド系化合物等が挙げられる。
これらの重合開始剤は、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、任意の光増感剤と組み合わせることもできる。
また、上記シロキサンポリマーの縮合反応を促進触媒として、光酸発生剤や光塩基発生剤と組み合わせることもできる。
上記重合開始剤は、上記シロキサンポリマーと上記光重合性化合物との合計量を100質量部としたとき、0.5~40質量部含有することが好ましい。
上記重合開始剤の含有量が、0.5質量部未満であると、光重合性が低下して、フォトリソグラフィー法の露光部に未反応成分が残存することがあり、40質量部を超えると、被膜形成用組成物の保存安定性が低下する可能性がある。
上記重合開始剤は、上記シロキサンポリマーと上記ラジカル重合性不飽和二重結合を二つ以上有する重合性単量体との合計量を100質量部としたとき、1~20質量部であることがより好ましい。
(その他の材料)
本発明の被膜形成用組成物は、本発明の効果を低下させない範囲において、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム等の金属のキレート化合物、カルボジイミド系、イソシアネート系、エポキシ基やチオール基の架橋性官能基を有する架橋剤、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤、芳香族炭化水素系、アミノ化合物系、ニトロ化合物系、キノン類、キサントン類等の光増感剤、ハイドロキノン、メトキノン、ヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系、ジ-t-ブチルハイドロキノン、4-メトキシフェノール、ブチルヒドロキシトルエン、ニトロソアミン塩等の重合抑制剤、無機金属酸化物、有機微粒子等の充填剤等を添加することができる。
(被膜形成用組成物の製造方法)
本発明の被膜形成用組成物の製造方法としては、適切な容器内に有機溶剤を仕込み、例えば、高速攪拌機等で撹拌しながら、上記シロキサンポリマー、必要に応じて上記ラジカル重合性不飽和二重結合を二つ以上有する光重合性化合物、上記重合開始剤及びその他の材料を仕込んで混合する方法が利用できる。
なお、本発明の被膜形成用組成物の製造方法は、上記方法に限定されるものではなく、各材料の仕込みの順番は任意であってよい。
また、固形の状態の材料は、有機溶剤に可溶であれば、仕込みの前に予め溶解させておいてもよく、有機溶剤中に直接又は分散剤等を利用して分散可能であれば、仕込みの前に予め分散させておいてもよい。
(硬化被膜の形成方法)
本発明の被膜形成用組成物を用いて硬化被膜を形成する方法としては、被膜形成用組成物を基材に塗工する塗工工程、露光部に活性エネルギー線を照射して硬化被膜を形成する露光工程、及び、未露光部の塗液を現像液で溶解除去する現像工程を有することが好ましい。
また、上記塗工工程後、熱硬化をしてもよい。
上記塗工工程における塗工方法、上記露光工程における露光部に照射する活性エネルギー線及びその照射方法、及び、露光部の塗液を除去する現像液は、従来のフォトリソグラフィー法で用いられているもの及び方法を適宜選択して用いることができる。
例えば、被膜形成用組成物の不揮発成分の濃度が20質量%となるように希釈し、スピンコーターを用いて塗工し、80℃で3分間等の条件で加熱(プリベーク)処理した後、マスクアライナーを用いて、100mJ/cmの照射条件でテストパターンを焼き付け処理し、現像液に1分間浸漬した後、150℃で30分間等の条件で加熱(ポストベーク)処理することで硬化被膜を得ることができる。
上記プリベークの条件としては、60~130℃、1~3分間で処理をすることが好ましい。
上記照射条件としては、50~260mJ/cmであることが好ましい。
上記ポストベークの条件としては、120~230℃、30~60分間の条件で処理をすることが好ましい。
上記熱硬化は、例えば、130℃で10分間後、180℃で60分加熱処理を行って硬化すればよい。
(被膜の物性)
本発明の被膜形成用組成物は、被膜が低屈折率性、アルカリ溶解性を有し、かつ、光重合性化合物と活性エネルギー線により反応する。
本発明の被膜形成用組成物は、硬化被膜の屈折率が1.40~1.43であることが好ましい。
なお、上記屈折率は、被膜形成用組成物を、不揮発成分の濃度が20質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈し、スピンコーター(MS-A100、ミカサ社製)を用いて、500rpm、60秒間の塗工条件で市販の50mm角のソーダガラス基板に各被膜形成用組成物を塗工し、130℃及び180℃で60分間加熱処理をすることで屈折率評価用サンプルを作成する。
反射分光膜厚計(「FE3000」、大塚電子社製)を用い、屈折率評価用サンプルについて、400~800nmの範囲で反射率を測定し、屈折率の波長分散の近似式としてnkCauchyの分散式を引用し、未知のパラメータを絶対反射率のスペクトルの実測値から非線形最小二乗法により求めて、波長550nmにおける屈折率を算出したものである。
上記130℃及び180℃で加熱処理した後の屈折率が1.43以下であれば十分な低屈折率性を有すると判断することができる。
上記屈折率は、1.42以下であることが好ましく、1.41以下であることがより好ましい。
本発明の被膜形成用組成物は、熱硬化被膜のアルカリ溶解性の評価は、溶解性レートにより判断する。以下の方法で測定した溶解レート(水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(質量濃度2.38%))が50nm/sec以上であることが好ましく、100nm/sec以上であることがより好ましい。
上記溶解レートが50nm/sec以上であればアルカリ溶解性を有すると判断することができる。
上記溶解レートは、以下の方法で測定することができる。
被膜形成用組成物を、不揮発成分の濃度が20質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈し、スピンコーター(MS-A100、ミカサ社製)を用いて、500rpm、60秒間の塗工条件で市販の50mm角のソーダガラス基板に各被膜形成用組成物を塗工し、130℃で180秒間加熱処理を行う。
次いで、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(質量濃度2.38%)に60秒浸漬させる。浸漬した部分の膜厚を浸漬前と浸漬後で測定し、膜厚減少量(nm)/時間を溶解レートとして評価する。
ただし、膜厚については塗布板に3mmの範囲内にカッターで3本の傷をつけ、表面粗さ測定器(KLA-Tencor Corporation サーフェイスプロファイラ ALPHA-STEP IQ)を用いて走査し深度を測定し3点の平均値を算出し、塗膜の膜厚とした。
本発明の被膜形成用組成物は、重合開始剤、必要に応じて光重合性化合物と活性エネルギー線により反応し、レジスト用被膜形成用組成物として用いることができる。
レジスト用被膜形成用組成物に用いた場合においても非露光部は、アルカリ溶解性を有することが好ましい。
本発明の被膜形成用組成物をレジスト用被膜形成用組成物に用いた場合においても非露光部のアルカリ溶解性の評価は、溶解性レートにより判断する。
上記レジストに用いた場合における非露光部のアルカリ溶解性は、以下の方法で測定することができる。
被膜形成用組成物の95質量%に、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイドの5質量%を加えて攪拌し、レジスト被膜形成用組成物を作製する。
上記レジスト被膜形成用組成物を、スピンコーター(MS-A100、ミカサ社製)を用いて、500rpm、60秒間の塗工条件で市販の50mm角のソーダガラス基板に各被膜形成用組成物を塗工する。
次いで、130℃で30秒間加熱(プリベーク)処理した後、マスクアライナー(PLA-501FA、キヤノン製)を用いて、200mJ/cmの照射条件でテストパターンを焼き付け処理し、130℃で1分加熱処理を行うことでレジスト評価用試験ピースを作製する。
上記レジスト評価用試験ピースを、質量濃度2.38%の水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液に浸漬させる。浸漬した非露光部位の膜厚を浸漬前と浸漬後で測定する。膜厚減少量(nm)/時間を溶解レートとして評価する。
ただし、膜厚については塗布板に3mmの範囲内にカッターで3本の傷をつけ、表面粗さ測定器(KLA-Tencor Corporation サーフェイスプロファイラ ALPHA-STEP IQ)を用いて走査し深度を測定し3点の平均値を算出し、塗膜の膜厚とする。
本発明の被膜形成用組成物は、レジスト被膜形成用組成物に用いた場合において露光部はエロージョン評価に優れることが好ましい。
なお、以下の評価によりエロージョン評価が優れていると判断されるものは、重合開始剤と活性エネルギー線により十分に反応したことを意味する。
上記レジスト被膜形成用組成物における露光部位のエロージョン評価は、以下の方法で測定することができる。
上述した方法により、レジスト評価用試験ピースを作製する。
上記レジスト評価用試験ピースを水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液(pH=11.58)に曝した露光部位のエロージョンを評価する。
(現像液浸漬部位/現像液非浸漬部位)×100≧90%
であればエロージョン評価に優れる判断することができる。
本発明の被膜形成用組成物は、レジスト被膜形成用組成物に用いた場合において被膜が密着性に優れることが好ましい。
上記密着性は、上記レジスト評価用試験ピースを、ASTM D-3359-08標準試験条件に基づいて、カッターにより塗膜をカットした後、表面にテープを貼り付け、剥離する方法により耐化学性を確認した。薬液処理後のカット/テープの試験において、剥離が0%以上15%未満であることが好ましく、5%未満であることがより好ましく、0%であることが更に好ましい。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味するものである。
シロキサンポリマーの合成及び被膜形成用組成物の製法には以下の材料を用いた。
<一般式(1)のシラン系化合物>
テトラエトキシシラン(A-1)
<一般式(2)のシラン系化合物>
トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(B-1)
パーフルオロヘキシルエチルトリメトキシシラン(B-2)
<一般式(3)のシラン系化合物>
メチルトリエトキシシラン(C-1)
<一般式(4)のシラン化合物>
ビニルトリメトキシシラン(D-1)
<一般式(5)のシラン系化合物>
トリエトキシシリルプロピル無水コハク酸(E-1)
<レベリング剤>
BYK-310(F-1)
(シロキサンポリマーの合成及び被膜形成用組成物の製法)
撹拌装置、還流冷却器、温度計、及び滴下漏斗を取り付けた反応容器にシランカ系化合物(A-1~D-1)を表1記載の配合比で2-メトキシー1―プロパノールに溶解させた。そこに0.045%の硝酸水溶液を15g滴下し、還流しながら300分間攪拌した。反応副生物であるメタノール、エタノール、水を減圧留去し、シロキサンポリマーを合成し、次いで、(E-1)を0.1g添加することで、固形分濃度が約20質量部の実施例1~5、比較例1~2の被膜形成用組成物を得た。
(シロキサンポリマーの重量平均分子量(Mw)の測定)
実施例1~5、比較例1~2のそれぞれの被膜形成用組成物の溶媒を減圧留去した後、THFに溶解させて、0.02質量部の溶液を作製した。
次いで、フィルター(ジーエルサイエンス社製、GLクロマトディスク、水系25A、孔径0.2μm)を通過させた後、サイズ排除クロマトグラフィー、屈折率検出器から構成されるalliance(日本ウォーターズ社製)を用いて、以下の条件で測定した。
カラム:pLgel mixed D(アジレント社製)×2本直列接続
検出器:alliance(日本ウォーターズ社製)
溶離液:THF
流速:1.0ml/min
注入量:100μl
Figure 2023111348000011
<熱硬化被膜の成膜性の評価>
実施例1~5、比較例1~2のそれぞれの被膜形成用組成物を不揮発成分の濃度が20質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈し、スピンコーター(MS-A100、ミカサ社製)を用いて、500rpm、60秒間の塗工条件で市販の50mm角のソーダガラス基板に各被膜形成用組成物を塗工し、80℃で3分間加熱処理を行った。膜面の顕微鏡観察を行うことで評価を行った。
<評価基準>
〇:凝集体の発生無し
×:凝集体の発生
<熱硬化被膜のアルカリ溶解性の評価>
実施例1~5、比較例1~2のそれぞれの被膜形成用組成物を、不揮発成分の濃度が20質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈し、スピンコーター(MS-A100、ミカサ社製)を用いて、500rpm、60秒間の塗工条件で市販の50mm角のソーダガラス基板に各被膜形成用組成物を塗工し、130℃で180秒間加熱処理を行い、アルカリ溶解性の評価用試験ピースを作製した。次いで、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(質量濃度2.38%)中に浸漬させて、浸漬した部分の膜厚を浸漬前と浸漬後で測定し、膜厚減少量(nm)/時間を溶解レートとして評価した。
ただし、膜厚については塗布板に3mmの範囲内にカッターで3本の傷をつけ、表面粗さ測定器(KLA-Tencor Corporation サーフェイスプロファイラ ALPHA-STEP IQ)を用いて走査し深度を測定し3点の平均値を算出し、塗膜の膜厚とした。
<評価基準>
◎:溶解レートが100nm/sec以上
〇:溶解レートが50nm/sec以上、100nm/sec未満
×:溶解レートが50nm/sec未満、又は、不溶
<熱硬化被膜の屈折率・鉛筆硬度評価試験ピースの作成>
実施例1~5、比較例1~2のそれぞれの被膜形成用組成物を、不揮発成分の濃度が20%になるように(プロピレングリコールモノメチルエーテル)で希釈し、スピンコーター(MS-A100、ミカサ社製)を用いて、500rpm、60秒間の塗工条件で市販の50mm角のソーダガラス基板に各被膜形成用組成物を塗工した。
次いで、130℃で10分間後、180℃で60分加熱処理をすることで屈折率・鉛筆硬度評価用試験ピースを作製した。
<屈折率の評価>
屈折率の評価は、反射分光膜厚計(「FE3000」、大塚電子社製)を用い、上記評価用試験ピースについて、400~800nmの範囲で反射率を測定し、屈折率の波長分散の近似式としてnkCauchyの分散式を引用し、未知のパラメータを絶対反射率のスペクトルの実測値から非線形最小二乗法により求めて、波長550nmにおける屈折率を算出した。
<鉛筆硬度>上記評価用試験ピースについて、JIS K 5400-5-4に基づいて、鉛筆[三菱鉛筆(株)、ユニ]硬度を測定した。
(レジスト被膜形成用組成物の作製)、
実施例1~5、比較例1~2のそれぞれの被膜形成用組成物の95質量%に、重合開始剤として、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイドの5質量%を加えて攪拌し、レジスト被膜形成用組成物を作製した。
<レジスト被膜(未露光部位)のアルカリ溶解性>
実施例1~4、比較例1~2のそれぞれのレジスト被膜形成用組成物を、スピンコーター(MS-A100、ミカサ社製)を用いて、500rpm、60秒間の塗工条件で市販の50mm角のソーダガラス基板に各被膜形成用組成物を塗工した。
次いで、130℃で30秒間加熱(プリベーク)処理した後、マスクアライナー(PLA-501FA、キヤノン製)を用いて、200mJ/cmの照射条件でテストパターンを焼き付け処理し、130℃で1分加熱処理を行うことでレジスト評価用試験ピースを作成した。
上記レジスト評価用試験ピースを、質量濃度2.38%の水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液に浸漬させ、浸漬した非露光部位の膜厚を浸漬前と浸漬後で測定した。膜厚減少量(nm)/時間を溶解レートとして評価した。
ただし、膜厚については塗布板に3mmの範囲内にカッターで3本の傷をつけ、表面粗さ測定器(KLA-Tencor Corporation サーフェイスプロファイラ ALPHA-STEP IQ)を用いて走査し深度を測定し3点の平均値を算出し、塗膜の膜厚とした。
<溶解レート評価基準>
◎:溶解レートが100nm/sec以上
〇:溶解レートが50nm/sec以上,100nm/sec未満
×:溶解レートが50nm/sec未満、又は、不溶
(レジスト被膜の露光部位のエロージョンの評価基準)上述した方法により作製したレジスト評価用試験ピースを、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液(pH=11.58)に曝した露光部位のエロージョンを評価した。<評価基準>◎:(現像液浸漬部位/現像液非浸漬部位)×100=100%〇:100%>(現像液浸漬部位/現像液非浸漬部位)×100≧90%
×:90%>(現像液浸漬部位/現像液非浸漬部位)×100
密着性の評価は、上記レジスト評価用試験ピースを、ASTM D-3359-08標準試験条件に基づいて、カッターにより塗膜をカットした後、表面にテープを貼り付け、剥離する方法により耐化学性を確認した。薬液処理後のカット/テープの試験において、塗膜の剥離が発生する程度を標準試験法に基づいて0B~5Bに規定し、最も優れた性能を有するものを5Bとした。
<評価基準>
5B:剥離0%
4B:5%未満の剥離
3B:5%以上15%未満の剥離
2B:15%以上35%未満の剥離
1B:35%以上65%未満の剥離
0B:65%以上の剥離
Figure 2023111348000012
表2に示されるように、実施例1~5の本発明のシロキサンポリマーは、TMAH水溶液に対し、高い溶解性を有し、屈折率が1.40~1.42で4H以上の硬度の硬化被膜を形成することが確認された。
さらに、重合開始剤の共存下でUV照射、焼成を行うことでTMAH水溶液によってパターン形成が可能な密着性の高い被膜形成用組成物を形成することが示された。
本発明の被膜形成用組成物は、固体撮像素子用マイクロレンズアレイをはじめとする光学レンズ、太陽電池、液晶、有機EL(electroluminescence)、プラズマディスプレイ、LED(Light emitting diode)照明素子の平坦化膜、絶縁膜、保護膜、反射防止膜、反射防止フィルム、反射防止板、光学フィルター等に好適に用いられる。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)~(4)に由来する構成単位を有するシロキサンポリマー、及び、有機溶剤を含有し、
    前記シロキサンポリマーにおいて、下記一般式(1)に由来する構成単位の質量比率をw、下記一般式(2)に由来する構成単位の質量比率をw、下記一般式(3)に由来する構成単位の質量比率をw、下記一般式(4)に由来する構成単位の質量比率をwとしたときに、
    が25~35、wが5~40、wとwとの合計が30~66である
    被膜形成用組成物。
    Figure 2023111348000013
    (前記一般式(1)中、Rは、アルキル基を表す。4個のRは同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 2023111348000014
    (前記一般式(2)中、Xはフッ素原子を3~13個有するフルオロアルキル基、Xはアルキル基、シロキシ基又ラジカル重合性二重結合を有する1価の有機基、Rはアルキル基を表す。複数のRは同一でも異なっていてもよい。aは0又は1である。)
    Figure 2023111348000015
    (前記一般式(3)中、Yはアルキル基、Yはアルキル基又はシロキシ基、Rはアルキル基を表す。複数のRは同一でも異なっていてもよい。bは0又は1である。)
    Figure 2023111348000016
    (前記一般式(4)中、Zはラジカル重合性二重結合を有する1価の有機基、Zはアルキル基又はシロキシ基、Rはアルキル基を表す。複数のRは同一でも異なっていてもよい。cは0又は1である。)
  2. 前記シロキサンポリマーは、wが25~35、wが5~40、wが15~33、かつ、wが15~33である請求項1記載の被膜形成用組成物。
  3. 前記シロキサンポリマーは、下記一般式(5)に由来する構成単位を更に含有し、下記一般式(5)に由来する構成単位は、w、w、w及びwの合計質量100質量部に対して1~10質量部である請求項1又は2に記載の被膜形成用組成物。
    Figure 2023111348000017
    (前記一般式(5)中、Vは酸無水物基で置換されたアルキル基、Vはアルキル基又はシロキシ基、Rはアルキル基を表す。複数のRは同一でも異なっていてもよい。dは0又は1である。)
  4. 前記一般式(2)中、aは0であり、前記一般式(3)中、bは0であり、前記一般式(4)中、cは0である請求項1~3のいずれか1項に記載の被膜形成用組成物。
  5. 前記一般式(5)中、dは0である請求項3に記載の被膜形成用組成物。
  6. レベリング剤を含有する請求項1~5のいずれか1項に記載の被膜形成用組成物。
  7. 更に、重合開始剤を含有する請求項1~6のいずれか1項に記載の被膜形成用組成物。
  8. 硬化被膜の屈折率が1.40~1.43である請求項1~7のいずれか1項に記載の被膜形成用組成物。
  9. 硬化被膜の硬度が4H以上である請求項1~8のいずれか1項に記載の被膜形成用組成物。
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