JP2023111335A - サイジング剤、炭素繊維、プリプレグ、炭素繊維強化複合材料及び炭素繊維の製造方法 - Google Patents

サイジング剤、炭素繊維、プリプレグ、炭素繊維強化複合材料及び炭素繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発泡抑制性、巻取性、毛羽立ち抑制性及び粉落ち抑制性に優れるサイジング剤、炭素繊維、プリプレグ、炭素繊維強化複合材料及び炭素繊維の製造方法の提供。【解決手段】本開示のサイジング剤は、溶融温度が260℃以上であり、且つ酸素含有極性基を有するテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、10%重量減少温度が320℃以上である耐熱性ポリマー及びその前駆体の少なくとも一方とを含有する。【選択図】なし

Description

本開示は、サイジング剤、炭素繊維、プリプレグ、炭素繊維強化複合材料及び炭素繊維の製造方法に関する。
炭素繊維をマトリックス樹脂に含浸させた炭素繊維強化複合材料(CFRP、CFRTP等)は、強度、弾性率等に優れ、且つ軽量であるため、金属に代わる複合材料として航空機部材、宇宙機部材、自動車部材、船舶部材等への用途をはじめ、ゴルフシャフトや釣竿等のスポーツ用途、事務機器用途、コンピューター用途(ICトレイ、ノートパソコンの筐体(ハウジング)等)などの一般産業分野に広く展開されている。
マトリックス樹脂と炭素繊維との親和性を高め、界面接着性を向上させて、炭素繊維強化複合材料の強度を改善する目的、炭素繊維を被覆して収束し、損傷を抑えて取り扱い易くする目的等から、炭素繊維に対し、サイジング剤を用いて処理(以下、「サイジング処理」とも記す。)を施すことが行われており、様々なサイジング剤が検討されている。
特許文献1では、脂肪族エポキシ化合物及び芳香族エポキシ化合物を含むサイジング剤を付着させた炭素繊維を、マトリックス樹脂として特定のエポキシ樹脂組成物に含浸させてなるプリプレグが開示されている。特許文献2では、主鎖結合中にエステル結合、ウレタン結合、カーボネート結合のいずれか1種の結合を有する高分子を含むサイジング剤を塗布した炭素繊維が開示される。
特開2014-40566号公報 特開2020-23770号公報
特許文献1及び2に記載のサイジング剤に含有されるエポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等のポリマーは、サイジング剤を炭素繊維に配置した後に行われる加熱時又は炭素繊維強化複合材料を製造するための加熱成形時に熱分解して揮発成分を生じ、発泡を生じるため、平滑性等の外観や、密着剥離強度等に影響を及ぼすという課題がある。
また、サイジング剤に含有させることができ、且つ耐熱性に優れたポリマーとしては、ポリアミドイミド樹脂(以下、「PAI」とも記す。)、ポリイミド樹脂(以下、「PI」とも記す。)等が知られる。
PAI、PA等の耐熱性ポリマーは硬いため、前記耐熱性ポリマーを用いてサイジング処理した炭素繊維の繊維束及び炭素繊維シートをロール状に巻き取ることは困難であり、その生産性には改善の余地があった。また、PAI、PIを含有するサイジング剤を炭素繊維に配置した後に行われる加熱により、イミド化が進行し、発泡が生じるという課題があった。
本発明者らは、鋭意検討した結果、サイジング剤に、溶融温度が260℃以上であり、且つ酸素含有極性基を有するテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、10%重量減少温度が320℃以上である耐熱性ポリマー及びその前駆体の少なくとも一方とを含有させることにより、前記発泡及び巻き取りの問題を解消することができるとの知見を得た。
さらに、本発明者らは、上記サイジング剤によれば、サイジング処理を施した炭素繊維からの前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の粉落ち、及び毛羽立ちに起因する炭素繊維の巻出障害の発生を抑制することができるとの知見を得た。
よって、本開示の解決しようとする課題は、発泡抑制性、巻取性、毛羽立ち抑制性及び粉落ち抑制性に優れるサイジング剤、炭素繊維、プリプレグ、炭素繊維強化複合材料及び炭素繊維の製造方法の提供である。
上記課題を解決するための手段は、以下の態様を含む。
<1> 溶融温度が260℃以上であり、且つ酸素含有極性基を有するテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、10%重量減少温度が320℃以上である耐熱性ポリマー及びその前駆体からなる群より選択される少なくとも一方とを含有するサイジング剤。
<2> 上記耐熱性ポリマーが、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂及びこれらの変性物からなる群より選択される1種以上の化合物である、上記<1>に記載のサイジング剤。
<3> 上記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の平均粒子径が0.1μm~200μmである、上記<1>又は<2>に記載のサイジング剤。
<4> 上記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の10%重量減少温度が350℃以上である、上記<1>~<3>のいずれか1つに記載のサイジング剤。
<5> サイジング剤の全質量に対する上記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の含有率は、1~30質量%である、上記<1>~<4>のいずれか1つに記載のサイジング剤。
<6> サイジング剤の全質量に対する上記耐熱性ポリマーの含有率は、0.5~20質量%である、上記<1>~<5>のいずれか1つに記載のサイジング剤。
<7> サイジング剤に含有される上記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子及び上記耐熱性ポリマーの含有率の和に対する上記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の含有率の比が、質量基準で、50/100超、99/100以下である、上記<1>~<6>のいずれか1つに記載のサイジング剤。
<8> 乳化剤を含有し、上記乳化剤により上記耐熱性ポリマーが乳化されている、上記<1>~<7>のいずれか1つに記載のサイジング剤。
<9> 界面活性剤を含有する、上記<1>~<8>のいずれか1つに記載のサイジング剤。
<10> 液状分散媒を含有する、上記<1>~<9>のいずれか1つに記載のサイジング剤。
<11> 溶融温度が260℃以上であり、且つ酸素含有極性基を有するテトラフルオロエチレン系ポリマーと、10%重量減少温度が320℃以上である耐熱性ポリマー及びその前駆体からなる群より選択される少なくとも一方とが表面に存在する、炭素繊維。
<12> 上記<11>に記載の炭素繊維及びマトリックス樹脂を含有する、プリプレグ。
<13> 上記<12>に記載のプリプレグの成形物である、炭素繊維強化複合材料。
<14> 上記<1>~<10>のいずれか1つに記載のサイジング剤を、炭素繊維に配置し、加熱処理する、サイジング処理された炭素繊維の製造方法。
本開示によれば、発泡抑制性、巻取性、毛羽立ち抑制性及び粉落ち抑制性に優れるサイジング剤、炭素繊維、プリプレグ、炭素繊維強化複合材料及び炭素繊維の製造方法が提供される。
以下、本開示の実施形態を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本開示の実施形態は以下の実施形態に限定されない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本開示の実施形態を制限するものではない。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に記載しない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含まれていてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に記載しない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本開示において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
本開示において「平均粒子径(D50)」は、レーザー回折・散乱法によって求められる、粒子の体積基準累積50%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径である。
粒子のD50は、粒子を水中に分散させ、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置(堀場製作所社製、LA-920測定器)を用いたレーザー回折・散乱法により分析して求められる。
本開示において「溶融温度」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定したポリマーの融解ピークの最大値に対応する温度である。
本開示において、「10%重量減少温度」は、昇温ペースを10℃/分とし、測定対象の試料量を10mgとし、雰囲気ガスを混合ガス(ヘリウム90体積%と酸素10体積%)とした、熱重量示差熱分析装置(TG-DTA)を使用した測定法により測定できる。
例えば、ポリマーの10mgを、熱重量示差熱分析装置(TG-DTA)を用い、混合ガス(ヘリウム90体積%と酸素10体積%)雰囲気下、10℃/分のペースで200℃から昇温させた際の質量減少量を、昇温時間(10分)とポリマーの試料量(10mg)とで除した値のパーセンテージ値として求められる。
本開示において、「重量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン換算により求めることができる。
本開示において「溶融流れ速度」とは、JIS K 7210:1999(ISO 1133:1997)に規定される、ポリマーのメルトマスフローレートを意味する。
本開示において「ガラス転移点(Tg)」は、動的粘弾性測定(DMA)法でポリマーを分析して測定される値である。
本開示において「粘度」は、B型粘度計を用いて、25℃で回転数が30rpmの条件下で分散液を測定して求められる。測定を3回繰り返し、3回分の測定値の平均値とする。
本開示において「チキソ比」とは、分散液の、回転数が30rpmの条件で測定される粘度ηを、回転数が60rpmの条件で測定される粘度ηで除して算出される値である。それぞれの粘度の測定は、3回繰り返し、3回分の測定値の平均値とする。
本開示において、「平均繊維径」は、電界放射型走査電子顕微鏡を用いて倍率1000倍で撮影した繊維の断面の写真図から、無作為に100箇所を選択し、繊維径を測定し、その平均値とする。
本開示において、「ポリマー」は、モノマーが重合してなる化合物である。すなわち、「ポリマー」はモノマーに基づく単位を複数有する。
本開示においてポリマーにおける「単位」とは、モノマーの重合により形成された前記モノマーに基づく原子団を意味する。単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって前記単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。
本開示において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルの両方を包含する概念で用いられる語である。
本開示のサイジング剤は、溶融温度が260℃以上であり、且つ酸素含有極性基を有するテトラフルオロエチレン系ポリマー(以下、溶融温度が260℃以上であり、且つ酸素含有極性基を有するテトラフルオロエチレン系ポリマーを「Fポリマー」とも記す。)の粒子(以下、「F粒子」とも記す。)と、10%重量減少温度が320℃以上である耐熱性ポリマー(以下、10%重量減少温度が320℃以上である耐熱性ポリマーを単に「耐熱性ポリマー」とも記す。)及びその前駆体からなる群より選択される少なくとも一方とを含有する。本開示のサイジング剤は、発泡抑制性、毛羽立ち抑制性、巻取性及び粉落ち抑制性に優れる。その作用機構は定かではないが、概ね以下のように推定している。
本開示のサイジング剤が含有するF粒子を構成するFポリマーは、耐熱性に優れるため、高温で加熱しても分解し難く、耐熱性ポリマーの発泡の影響を低減でき、サイジング剤の発泡抑制性が向上すると推測される。さらに、Fポリマーは柔軟性に優れるため、サイジング剤を用いて製造される炭素繊維の巻取性が向上すると推測される。
本開示のサイジング剤が含有する耐熱性ポリマーは、F粒子及び炭素繊維に対して結着剤として機能するため、毛羽立ち抑制性及び粉落ち抑制性が向上すると推測する。
また、本開示のサイジング剤は優れた発泡抑制性を有するため、これを用いて製造される炭素繊維、プリプレグ及び炭素繊維強化複合材料は、優れた平滑性を有し、良好な外観を有する。
本開示のサイジング剤は、F粒子及び耐熱性ポリマーに加え、Fポリマー及び耐熱性ポリマーとは異なるポリマー、乳化剤、界面活性剤、液状分散媒、各種添加剤等を含有していてもよい。
以下、サイジング剤の各成分について説明する。
本開示のサイジング剤は、Fポリマーの粒子であるF粒子を含有する。F粒子は1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。Fポリマーは、テトラフルオロエチレン(以下、「TFE」とも記す。)に基づく単位(以下、「TFE単位」とも記す。)を含むポリマーである。Fポリマー中のTFE単位の含有率は、TFE単位による特性を好適に発現する観点から、Fポリマー中の全単位に対して、50モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましい。上記含有率は、99モル%以下でもよく、98モル%以下でもよい。
Fポリマーは、荷重49Nの条件下、溶融流れ速度が1~30g/分が好ましく、5~30g/分がより好ましい。
Fポリマーは、酸素含有極性基を有する。Fポリマーが酸素含有極性基を有することにより、F粒子のサイジング剤における凝集を抑制でき、且つ耐熱性ポリマーとの親和性が向上するため、均一性及び分散性に優れるサイジング剤とすることができる。また、Fポリマーが酸素含有極性基を有することにより、発泡抑制性を向上できる。
酸素含有極性基としては、水酸基含有基、カルボニル基含有基及びホスホノ基含有基等が挙げられ、水酸基含有基又はカルボニル基含有基が好ましく、カルボニル基含有基がより好ましい。Fポリマーの有する酸素含有極性基は1種でも2種以上でもよい。
水酸基含有基は、アルコール性水酸基を含有する基が好ましく、-CFCHOH及び-C(CFOHがより好ましい。
カルボニル基含有基は、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アミド基、イソシアネート基、カルバメート基(-OC(O)NH)、酸無水物残基(-C(O)OC(O)-)、イミド残基(-C(O)NHC(O)-等)及びカーボネート基(-OC(O)O-)が好ましく、酸無水物残基がより好ましい。
Fポリマーにおける酸素含有極性基の数は、主鎖の炭素数1×10個あたり、10~5000個が好ましく、100~3000個がより好ましい。なお、酸素含有極性基の数は、ポリマーの組成又は国際公開第2020/145133号に記載の方法によって定量できる。
酸素含有極性基は、Fポリマー中のモノマーに基づく単位に含まれていてもよく、Fポリマーの主鎖の末端基に含まれていてもよく、前者が好ましい。後者の態様としては、重合開始剤、連鎖移動剤等に由来する末端基として酸素含有極性基を有するテトラフルオロエチレン系ポリマー、テトラフルオロエチレン系ポリマーをプラズマ処理又は電離線処理して得られるポリマーなどが挙げられる。
カルボニル基含有基を有するモノマーとしては、無水イタコン酸、無水シトラコン酸及び5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(以下、「NAH」とも記す。)が好ましく、炭素繊維束との密着性に優れる観点からは、NAHがより好ましい。
Fポリマーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、TFE単位とエチレンに基づく単位とを含むポリマー(ETFE)、TFE単位とプロピレンに基づく単位とを含むポリマー、TFE単位とペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)に基づく単位(PAVE単位)とを含むポリマー(PFA)又はTFE単位とヘキサフルオロプロピレンに基づく単位とを含むポリマー(FEP)あるのが好ましく、酸素含有極性基を有する、PFA又はFEPがより好ましく、酸素含有極性基を有するPFAがさらに好ましい。これらのポリマーは、さらに他のコモノマーに基づく単位を含んでいてもよい。
Fポリマーは、TFE単位及びPAVE単位を含む、カルボニル基含有基を有するポリマーが好ましく、TFE単位、PAVE単位及びカルボニル基含有基を有するモノマーに基づく単位を含むことがより好ましく、TFE単位、PAVE単位及びカルボニル基含有基を有するモノマーに基づく単位を含み、全単位に対して、これらの単位をこの順に、90~99モル%、0.99~9.97モル%、0.01~3モル%含むポリマーがさらに好ましい。PAVEとしては、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)が好ましい。かかるFポリマーの具体例としては、国際公開第2018/016644号に記載されるポリマーが挙げられる。
Fポリマーの溶融温度は、発泡抑制性をより向上する観点から、270℃以上が好ましく、280℃以上がより好ましく、290℃以上がさらに好ましい。また、上記溶融温度の上限は特に限定されないが、325℃以下とできる。
発泡抑制性をより向上する観点から、Fポリマーの10%重量減少温度は、350℃以上が好ましく、360℃以上がより好ましく、370℃以上がさらに好ましい。10%重量減少温度の上限は特に限定されないが、600℃以下とできる。
Fポリマーのガラス転移点は、発泡抑制性をより向上する観点からは、50℃以上が好ましく、75℃以上がより好ましい。Fポリマーのガラス転移点の上限は特に限定されないが、150℃以下とできる。
Fポリマーのフッ素含有量は、炭素繊維の電気的特性(低誘電率等)、耐熱性を向上する観点からは、70~76質量%が好ましい。なお、フッ素含有量はポリマーの組成から求められる。
F粒子の平均粒子径(D50)は、0.03μm~200μmが好ましく、0.1μm~200μmがより好ましく、0.1μm~50μmがより好ましく、0.1μm~30μmがさらに好ましい。上記D50を有するF粒子は、流動性に優れ、F粒子が炭素繊維の表面に均一に分布しやすい。また、F粒子の耐熱性や電気的特性を最も発現しやすい。
F粒子は、Fポリマー以外の他のポリマーを含んでいてもよいが、Fポリマーを主成分とするのが好ましい。F粒子におけるFポリマーの含有量は80質量%以上が好ましく、100質量%がより好ましい。
発泡抑制性及び巻取性をより向上する観点から、サイジング剤の全質量に対するF粒子の含有率は、1~30質量%が好ましく、3~20質量%がより好ましく、5~15質量%がさらに好ましく、8~15質量%が特に好ましい。
発泡抑制性、巻取性、毛羽立ち抑制性及び粉落ち抑制性をより向上する観点から、サイジング剤に含有されるF粒子及び耐熱性ポリマーの含有率の和に対するF粒子の含有率の比(F粒子の含有率/F粒子及び耐熱性ポリマーの含有率の和)は、質量基準で、50/100超、99/100以下が好ましく、80/100以上、95/100以下がより好ましい。
発泡抑制性、巻取性、毛羽立ち抑制性及び粉落ち抑制性をより向上する観点から、サイジング剤の全質量に対するF粒子及び耐熱性ポリマーの含有率の和は、1~50質量%が好ましく、5~50質量%がより好ましく、7~45質量%がさらに好ましい。
本開示のサイジング剤は、10%重量減少温度が320℃以上である耐熱性ポリマー及びその前駆体の少なくとも一方を含有する。耐熱性ポリマー及びその前駆体は1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
発泡抑制性をより向上する観点から、上記10%重量減少温度は、350℃以上が好ましく、370℃以上がより好ましい。また、上記10%重量減少温度の上限は特に限定されないが、600℃以下とできる。
本開示のサイジング剤に含有されるF粒子を構成するFポリマーは柔軟性に優れるため、硬い耐熱性ポリマーを使用した場合であっても、前記サイジング剤により処理される炭素繊維は優れた巻取性を有する。
耐熱性ポリマーとしては、ポリアミド樹脂(以下、「PA」とも記す。)、PI、PAI、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトンケトン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、フッ素樹脂、これらの変性物等が挙げられる。上記した中でも、耐熱性、F粒子との親和性の観点からは、PI、PAI及びこれらの変性物が好ましい。
上記した変性物としては、PI等にオキシアルキレン基、スルホ基、カルボキシル基、1,3-ジオキソ-2-オキサプロピレン基等を導入した化合物が挙げられ、PI等を変性物とすることにより、炭素繊維及びマトリックス樹脂との密着性を向上できる。また、耐熱性ポリマーは、サイジング剤において、後述する乳化剤により乳化されていることが好ましいが、PI等の変性物を使用することにより、乳化安定性を向上でき、且つ乳化剤の使用量を低減できる。耐熱性ポリマーの乳化物を含む水性エマルジョンの市販品としては、マイケルマン社製のHydrosize HP-1632が知られている。
耐熱性ポリマーとして、PI、PAI及びこれらの変性物から選択される1種以上の化合物を使用する場合、前記化合物はイミド化が完了していることが好ましい。
前記化合物はイミド化する際に水を生成するため、前記化合物のイミド化の進行程度は、下記式(1)により求められる水生成比V(質量%)により推定できる。水生成比Vは、0.05質量%以下が好ましく、0.03質量%以下がより好ましく、0.01質量%以下がさらに好ましい。
V(質量%)=B/A×100 (1)
式(1)中、Aはサイジング処理した炭素繊維を110℃において2時間静置した後に測定される炭素繊維の質量(g)を表す。式(1)中、Bはサイジング処理した炭素繊維を110℃において2時間静置した後に、10℃/分の昇温速度で、450℃まで炭素繊維を加熱し、熱重量分析(TGA)により測定される130℃における炭素繊維の質量(g)及び415℃における炭素繊維の質量(g)の差(130℃における炭素繊維の質量(g)-415℃における炭素繊維の質量(g))を表す。
耐熱性ポリマーの重量平均分子量は、特に限定されないが、5,000~200,000が好ましい。耐熱性ポリマーのガラス転移点は、10~350℃が好ましい。
毛羽立ち抑制性及び粉落ち抑制性をより向上する観点から、サイジング剤の全質量に対する耐熱性ポリマーの含有率は、0.5質量%以上が好ましく、0.7質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。発泡抑制性及び巻取性をより向上する観点から、上記含有率は、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。サイジング剤の全質量に対する耐熱性ポリマーの含有率は、0.5~20質量%が好ましい。
本開示のサイジング剤は、乳化剤を含有していてもよく、これにより、耐熱性ポリマーを乳化でき、サイジング剤における分散性を向上できる。乳化剤の種類は、耐熱性ポリマーの乳化容易性の観点から、アニオン系乳化剤及びノニオン系乳化剤が好ましい。乳化剤の具体例としては、アルキルフェノールのアルキレンオキサイド付加物、アリールアルキルフェノールのアルキレンオキサイド付加物、プルロニック型界面活性剤、前記アルキルフェノールのアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩、前記アリールアルキルフェノールのアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩、前記プルロニック型界面活性剤のウレタンジョイント化物、前記アリールアルキルフェノールのアルキレンオキサイド付加物とポリエチレングリコールのウレタンジョイント化物が挙げられる。
本開示のサイジング剤が乳化剤を含有する場合、耐熱性ポリマーの分散性の観点から、サイジング剤の全質量に対する乳化剤の含有率は、0.01~10質量%が好ましい。
本開示のサイジング剤は、界面活性剤を含有していてもよく、これにより、サイジング剤の分散性及びハンドリング性を向上できる。界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤が好ましい。界面活性剤の親水部位は、オキシアルキレン基又はアルコール性水酸基を有するのが好ましい。界面活性剤の疎水部位は、アセチレン基、ポリシロキサン基又は含フッ素有機基(ペルフルオロアルキル基等)を有するのが好ましい。換言すれば、界面活性剤は、アセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤が好ましい。
本開示のサイジング剤が界面活性剤を含有する場合、サイジング剤の全質量に対する含有率は、1~15質量%が好ましい。
しかしながら、本開示のサイジング剤が含有するF粒子は分散性に優れるため、必ずしも界面活性剤を用いなくとも、分散性及びハンドリング性に優れたサイジング剤を製造できる。そのため、炭素繊維に付着させたサイジング剤は繊維表面に均一に分散しやすく、加熱処理後に、F粒子が繊維の表面に緻密かつ均一に配置されやすい。
本開示のサイジング剤は、液状分散媒を含有してもよい。液状分散媒を含有する本開示のサイジング剤は、換言すれば、F粒子と、耐熱性ポリマー及びその前駆体からなる群より選択される少なくとも一方とを含有する、F粒子が液状分散媒中に分散した分散液ともみなせる。かかる分散液においては、F粒子が高度かつ均一に液中分散することにより、上述した作用機構が顕著に発現しやすい。
液状分散媒の沸点は50~240℃の範囲が好ましい。分散媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。2種以上の液状分散媒を用いる場合、2種以上の液状分散媒は、互いに相溶することが好ましい。
分散媒としては、水、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、N-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、酢酸ブチル、メチルイソプロピルケトン、メチルエチルケトン等が挙げられ、これらの中でも、水が好ましい。
本開示のサイジング剤が液状分散媒を含有する場合、サイジング剤の全質量に対する含有率は、30~95質量%が好ましく、50~90質量%がより好ましい。
本開示のサイジング剤は、Fポリマー及び耐熱性ポリマーとは異なるポリマー(以下、「異なるポリマー」とも記す。)をさらに含有してもよい。異なるポリマーは、熱硬化性であってもよく、熱可塑性であってもよい。異なるポリマーは1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
異なるポリマーとしては、Fポリマー及び耐熱性ポリマー以外のポリマーであれば、特に限定されず、テトラフルオロエチレン系ポリマー、ポリエステル樹脂(液晶性の芳香族ポリエステル等)、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等が挙げられる。
前記テトラフルオロエチレン系ポリマーとしては、Fポリマー以外のPTFE、ETFE、PFA、PFA、及びFEPが挙げられ、サイジング処理された炭素繊維(以下、「サイジング処理繊維」とも記す。)の電気特性を向上させる観点からは、非熱溶融性のPTFEが好ましい。非熱溶融性PTFEは、粒子としてサイジング剤に含まれていてもよく、非粒子状であってもよい。
本開示のサイジング剤が異なるポリマーを含有する場合、サイジング剤の全質量に対する含有率は、0.1~5質量%が好ましい。
本開示のサイジング剤は、上記成分以外にも、その効果を損なわない範囲で、チキソ性付与剤、pH調整剤、pH緩衝剤、粘度調節剤、消泡剤、シランカップリング剤、脱水剤、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤、難燃剤、各種無機フィラー、各種有機フィラー等の他の成分をさらに含んでいてもよい。
本開示のサイジング剤が液状分散媒を含有する場合、本開示のサイジング剤の粘度は75~10000mPa・sが好ましい。この場合、分散性に優れる他、そのハンドリング性や、炭素繊維へのサイジング処理の均質性が向上しやすい。また、かかるサイジング剤は、異種の樹脂材料のワニスとの混合性に優れる。
本開示のサイジング剤が液状分散媒を含有する場合、本開示のサイジング剤のチキソ比は1.0~2.2が好ましく、1.5~2.0がより好ましい。この場合、分散性に優れ、且つハンドリング性も良好であり、炭素繊維へのサイジング処理の均質性が向上しやすい。また、かかるサイジング剤は、異種の樹脂材料のワニスとの混合性に優れる。
サイジング剤は、F粒子、耐熱性ポリマー、液状分散媒等を混合して製造できる。
サイジング剤が液状分散媒を含有する場合、上記混合は、各成分を液状分散媒へ一括添加し、混合してもよく、各成分を順次添加し、混合してもよい。上記混合は、バッチ式で行ってもよく、連続式で行ってもよい。
上記混合に使用可能な装置としては、ブレードを備えた撹拌装置(ヘンシェルミキサー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、プラネタリーミキサー等)、メディアを備えた粉砕装置(ボールミル、アトライター、バスケットミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、スパイクミル又はアジテーターミル等)、他の機構を備えた分散装置(マイクロフルイダイザー、ナノマイザー、アルティマイザー、超音波ホモジナイザー、デゾルバー、ディスパー、高速インペラー、薄膜旋回型高速ミキサー等)が挙げられる。
本開示の炭素繊維は、溶融温度が260℃以上であり、且つ酸素含有極性基を有するテトラフルオロエチレン系ポリマーと、10%重量減少温度が320℃以上である耐熱性ポリマー及びその前駆体からなる群より選択される少なくとも一方とが表面に存在する。
本開示の炭素繊維は、マトリックス樹脂との密着性に優れ、炭素繊維束内へのマトリックス樹脂の含浸性も高い傾向にあるため、機械特性に優れたプリプレグ、及び炭素繊維強化複合材料を得やすい。
Fポリマー及び耐熱性ポリマーについては上記したため、ここでは記載を省略する。なお、Fポリマーは粒子であってもよい。本開示の炭素繊維の表面には、異なるポリマー、乳化剤、界面活性剤、各種添加剤等が存在してもよく、これらについては上記したため、ここでは記載を省略する。
本開示の炭素繊維の表面に存在するFポリマーは、耐熱性に優れるため、高温で加熱しても分解し難い。そのため、炭素繊維を含浸させる際に高温での加熱を行う必要のあるPA等のスーパーエンプラを使用してプリプレグを製造しても発泡が生じにくい。よって、本開示の炭素繊維は、スーパーエンプラを含有するプリプレグの製造に適したものである。なお、本開示において、スーパーエンプラとは、連続使用温度が150℃以上のポリマーを意味する。
本開示の炭素繊維は、1本の炭素繊維であってもよく、複数の炭素繊維からなる炭素繊維束であってもよい。本開示の炭素繊維が炭素繊維束である場合、1束あたりのフィラメント数は、50~100,000本が好ましく、10,000~50,000本がより好ましい。
炭素繊維の種類は、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、アクリロニトリル(以下、「PAN」とも記す。)系炭素繊維、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等が挙げられる。上記した中でも、操作性、工程通過性、力学特性等の観点から、PAN系炭素繊維が好ましい。PAN系炭素繊維は、例えば、PAN系重合体からなる炭素繊維前駆体繊維を、酸化性雰囲気中で200~300℃で耐炎化処理した後、不活性下雰囲気下中、500~1200℃で予備炭化処理を行い、次いで不活性雰囲気中、1200~2000℃で炭化処理することで得られる。
炭素繊維の平均繊維径は、3nm~300μmが好ましく、30nm~250μmがより好ましい。
炭素繊維の形状は、チョップドストランド、サーフェシング、ロービング、これらのマット、織布、不織布等のいずれであってもよい。
本開示のサイジング処理された炭素繊維の製造方法は、上記サイジング剤を炭素繊維に配置し、加熱処理して、炭素繊維を得る方法である。
本開示のサイジング剤が液状分散媒を含有する場合、サイジング剤を炭素繊維に配置する方法としては、サイジング剤中にローラーの一部を浸漬させてサイジング剤をローラー表面に付着させた後、前記ローラーに炭素繊維を接触させてサイジング剤を付着させるローラーサイジング法、炭素繊維を直接サイジング剤に浸漬させ、その後必要に応じてニップロールを通過させてサイジング剤の付着量を制御するローラー浸漬法、サイジング剤を霧状にして繊維束に吹き付けるスプレー法等が挙げられる。上記した中でも、一束あたりの単繊維数が多い繊維束についても、サイジング剤を均一に付与しやすいローラー浸漬法が好ましい。また、ローラー浸漬法は、ニップロール等を使用することにより、炭素繊維へのサイジング剤の付着量を容易に調整できることからも好ましい。
サイジング剤の炭素繊維への配置は、バッチ式で行われてもよく、連続式で行われてもよいが、炭素繊維へのサイジング剤の配置ムラを抑制しやすい点、及び生産性の向上の観点から、連続式が好ましい。なお、サイジング剤付与時に、炭素繊維を超音波で加振させてもよい。
サイジング剤の炭素繊維への付着量は、加熱処理後のサイジング処理繊維100質量部に対するFポリマーの付着量が0.1~10質量部となるように調整されることが好ましく、0.2~5質量部の範囲となるように調整されることがより好ましい。
サイジング剤を配置した炭素繊維を加熱処理することにより、Fポリマー及び耐熱性ポリマーが表面付着した、サイジング処理繊維を得ることができる。炭素繊維に表面付着したFポリマーは、Fポリマーの焼成物であるのがより好ましい。Fポリマーの焼成物が表面付着したサイジング処理繊維は、サイジング剤を配置した炭素繊維を加熱処理してFポリマーを焼成させて得られる。
具体的には、本開示のサイジング剤が液状分散媒を含む場合には、サイジング剤を配置した炭素繊維から、液状分散媒を蒸発させ、さらに加熱処理してFポリマーを焼成させて得られる。
液状分散媒の蒸発のための加熱処理は、サイジング剤を配置した炭素繊維を液状分散媒の揮発温度で保持して、炭素繊維に配置された液状被膜を乾燥させて行う。Fポリマーの焼成のための加熱処理は、乾燥被膜を、Fポリマーの溶融温度を上回る温度で保持して行う。このようにして、Fポリマーの焼成物を炭素繊維表面に形成する。なお、加熱処理時の温度は、通常、乾燥雰囲気の温度を意味する。
乾燥時に、液状分散媒は、必ずしも完全に蒸発させる必要はない。具体的には、蒸発させるべき液状分散媒の量は、サイジング剤に含まれる液状分散媒のうちの50質量%以上が好ましい。
Fポリマーの焼成のための加熱処理は、オーブンを用いる方法、通風乾燥炉を用いる方法、赤外線等の熱線を照射する方法等が挙げられ、赤外線加熱と熱風加熱とを組み合わせた方法でもよい。
Fポリマーの焼成は、常圧下及び減圧下のいずれの状態で行ってよい。また、焼成雰囲気は、酸化性ガス雰囲気、還元性ガス雰囲気および不活性ガス雰囲気のいずれでもよい。焼成温度は、Fポリマーの溶融温度以上であるのが好ましく、通常、300~380℃である。焼成時間は30秒~30分間が好ましく、1~15分間がより好ましい。かかる条件でFポリマーを焼成すれば、生産性を高めるとともに、Fポリマーの分解によるフッ化水素酸の発生を抑制しやすい。
本開示のプリプレグは、上記炭素繊維、及びマトリックス樹脂を含有し、典型的には、サイジング処理繊維をマトリックス樹脂に含浸させたものである。
マトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂が用いられる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、マレイミド樹脂とシアン酸エステル樹脂の予備重合樹脂、ビスマレイミド樹脂、アセチレン末端を有するポリイミド樹脂及びポリイソイミド樹脂、ナジック酸末端を有するポリイミド樹脂等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、熱硬化性樹脂は、硬化剤、硬化促進剤の他、各種添加剤が含まれた熱硬化性樹脂組成物中で用いられてもよい。
熱可塑性樹脂としては、ポリスルホン樹脂、ポリフェニルスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトンケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトンケトン樹脂、PA、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアリーレンオキシド基礎、熱可塑性PA、PAI、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、熱可塑性樹脂は、各種添加剤が含まれた熱可塑性樹脂組成物中で用いられてもよい。
なお、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂が樹脂組成物中で用いられる場合の各種添加剤としては、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤、難燃剤、各種無機フィラー、各種有機フィラー等が挙げられる。
上記した中でも、マトリックス樹脂は、PA、ポリスルホン樹脂、ポリフェニルスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトンケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトンケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリエステル樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂が好ましい。これらは、いわゆるスーパーエンプラと称される超耐熱性樹脂に分類され、サイジング処理繊維の効果を一層発揮しやすい。
マトリックス樹脂が、その構造にカルボニル基、スルホン基、エステル基等の極性官能基を有する場合、マトリックス樹脂における極性官能基とFポリマーが有する極性官能基とが相互作用し、高い密着性が発現されると推定される。
プリプレグの全質量に対する炭素繊維の含有率は、40~90質量%が好ましく、50~80質量%がより好ましい。上記範囲であれば、プリプレグ及び前記プリプレグを成形してなる炭素繊維強化複合材料の質量が過大とならず、比強度及び比弾性率に優れる炭素繊維強化複合材料の利点を活かせる。
本開示のプリプレグは、サイジング処理繊維をマトリックス樹脂又はマトリックス樹脂組成物に含浸させた後、乾燥して半硬化させることで製造できる。
具体的には、マトリックス樹脂又はマトリックス樹脂組成物をメチルエチルケトン、メタノール等の溶媒に溶解して低粘度化して含浸させるウェット法、加熱により低粘度化して含浸させるホットメルト法などにより製造できる。
ウェット法では、サイジング処理繊維にマトリックス樹脂が含まれる液体を浸漬させた後、引き上げ、オーブン等を用いて溶媒を蒸発させて、プリプレグを製造できる。
ホットメルト法では、加熱により低粘度化したマトリックス樹脂又はマトリックス樹脂組成物に直接、サイジング処理繊維を含浸させる方法、まずマトリックス樹脂又はマトリックス樹脂組成物を離型紙等の上にコーティングしたフィルムを作成し、次いでサイジング処理繊維の両側又は片側から該フィルムを重ね、加熱加圧してマトリックス樹脂にサイジング処理繊維を含浸させる方法により、プリプレグを製造できる。ホットメルト法は、プリプレグ中に残留する溶媒がない観点で好ましい手段といえる。
サイジング処理繊維は、炭素繊維束であってもよく、シート状の炭素繊維基材であってもよい。
シート状の炭素繊維基材は、炭素繊維を一方向にシート状に引き揃えたもの、炭素繊維を織編物、不織布等の布帛に成形したもの、多軸織物などが挙げられる。サイジング処理繊維は連続繊維であってもよく、不連続繊維であってもよい。不連続繊維を用いる場合、開繊処理を完全に行い単糸形態となった繊維と、不完全に開繊された繊維束形態の強化繊維との混合物であってもよい。また、繊維の配向は、同一方向に引き揃えられていてもよく、ランダムな方向に配向したランダムマットも好適に用いられる。
炭素繊維をシート状とした場合の厚みは特に限定されないが、積層板用途であれば0.01mm~0.2mmの範囲が好ましく、超開繊処理や目詰め処理を施した織布が、寸法安定性の観点から好適である。
本開示の炭素繊維強化複合材料は、上記プリプレグの成形物である。
炭素繊維強化複合材料は、2枚以上のプリプレグを積層成形したものであってもよい。
また、炭素繊維強化複合材料は、プリプレグと、金属基板とを積層成形したものであってもよい。金属基材を構成する金属としては、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、黄銅、ニッケル、亜鉛、チタン、これらの金属の合金等が挙げられる。
さらに、炭素繊維強化複合材料は、2枚以上のプリプレグを積層成形したものと、金属基板とを積層成形したものであってもよい。
また、炭素繊維強化複合材料は、耐熱性樹脂フィルム等の他の基板を上記プリプレグ等と積層成形したものであってもよい。
一実施形態において、本開示の炭素繊維強化複合材料は、2枚以上のプリプレグを積層後、積層物に圧力を付与しながら加熱し、積層体に成形することにより製造できる。
熱及び圧力を付与する方法には、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法及び内圧成形法等が挙げられる。
他の実施形態において、本開示の炭素繊維強化複合材料は、樹脂トランスファー成形、フィラメントワインディング成形、シートワインディング成形等を利用することにより製造できる。
また、1枚のプリプレグ又はプリプレグの積層物の片面又は両面に金属基材を配して積層成形することによっても、炭素繊維強化複合材料(金属張積層板)を製造できる。
上記成形には、多段プレス機、多段真空プレス機、連続成形機、オートクレーブ成形機等を使用できる。成形条件は、特に限定されないが、温度180~400℃、加熱時間100~300分、プレス圧力1~50MPaとできる。
本開示の炭素繊維強化複合材料は、強度、耐摩耗性、耐薬品性、難燃性等の特性が求められる用途に好適に用いられる。例えば、自動車、二輪車、航空機等輸送機器の外装、内装、ギヤ、軸受等に代表される摺動部品、絶縁部品、ラケットやバット等のスポーツ用品、産業機械、ロボット、医療機器の部品、石油掘削機器、石油輸送ホース、水素タンク、水素タンク圧力容器、風力発電機のブレードなどが挙げられる。
また、本開示の炭素繊維強化複合材料は低振動が要求される部材として用いることができる。低振動が要求される部材としては、例えば、モーターの回転部、コンプレッサーの回転部、工作機械(旋盤、フライス等)の回転部、自動車、二輪車、航空機等輸送機器の内装及び外装などが挙げられる。
また、本開示の炭素繊維強化複合材料は低温における機械物性に優れることから、液体水素タンク等、極低温で使用する部材に用いることができる。
以下、実施例によって本開示の実施形態を詳細に説明するが、本開示の実施形態はこれらに限定されない。
1.サイジング剤、炭素繊維、プリプレグ及び成形体を製造するための各成分の準備
[F粒子]
F粒子1:TFE単位、NAH単位及びPPVE単位を、この順に97.9モル%、0.1モル%、2.0モル%含み、カルボニル基含有基を主鎖炭素数1×10個あたり1000個有するポリマー(溶融温度:300℃)からなる粒子(D50:2.1μm)。
F粒子2:TFE単位及びPPVE単位をこの順に97.5モル%、2.5モル%含み、酸素含有極性基を有さないポリマー(溶融温度:300℃)からなるポリマー(D50:2.0μm)。
[エマルジョン]
エマルジョン1:PAI(10%重量減温度:430℃)の前駆体と乳化剤とを含む水性エマルジョン(マイケルマン社製「Hydrosize HP-1632」)。
エマルジョン2:エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製「エピコート828」、10%重量減温度:320℃未満)と乳化剤とを含む水性エマルジョン。
[炭素繊維]
炭素繊維1:三菱ケミカル製、「MR50R」
[界面活性剤]
界面活性剤1:シリコーン系界面活性剤
[フィルム]
フィルム1:ポリエーテルケトンケトン(アルケマフランス社製、「Kepstan7003」)を溶融押出して得たフィルム(厚さ:15μm)
2.サイジング剤、炭素繊維束、プリプレグ及び炭素繊維強化複合材料の製造
<例1>
ポットに、F粒子1とエマルジョン1と界面活性剤1と水とを投入し、ジルコニアボールを投入した。その後、150rpmにて1時間、ポットを転がし、F粒子1(9質量部)、PAI1(1質量部)、界面活性剤1(0.5質量部)及び水(89.5質量部)を含有するサイジング剤1を得た。
サイジング剤1を、ローラー浸漬法により炭素繊維1に配置した後、120℃にて5分間乾燥炉に通し、加熱し乾燥し、遠赤外線炉で340℃にて10分間加熱し焼成して、炭素繊維1の表面に、F粒子1の焼成物及びPAIが表面付着した、サイジング処理された繊維束(以下、繊維束T1と称する)を得た。繊維束T1を一方向に配向させた炭素繊維目付75g/mのシート状の炭素繊維基材の両面にフィルム1を重ね、2つのフィルム1を加熱溶融して、炭素繊維基材を含浸させてプリプレグ1を製造した。
プリプレグ1を所定の大きさにカットした後、鋼材製の金型内で、各プリプレグの繊維軸方向が一方向にそろうように積層した。前記積層体が配置された金型を加熱冷却二段プレス(神藤金属工業所製、50トンプレス)にて380℃、5MPaで30分間圧縮し、数分で200℃まで降温し、厚さが約2mmの炭素繊維強化複合材料である積層体1を得た。積層体1と、厚さが18μmの銅箔とを積層し、同様の条件で圧縮して、炭素繊維強化複合材料である成形体1を得た。
<例2>
サイジング剤1におけるF粒子1の含有量を5質量部、PAIの前駆体の含有量を5質量部に変更した以外は、例1と同様にして、サイジング剤、炭素繊維束、プリプレグ及び炭素繊維強化複合材料を製造した。
<例3>
F粒子1を使用せず、サイジング剤1におけるPAIの前駆体の含有量を10質量部に変更した以外は、例1と同様にして、サイジング剤、炭素繊維束、プリプレグ及び炭素繊維強化複合材料を製造した。
<例4>
エマルジョン1をエマルジョン2に変更した以外は、例1と同様にして、サイジング剤、炭素繊維束、プリプレグ及び炭素繊維強化複合材料を製造した。
<例5>
F粒子1をF粒子2に変更した以外は、例1と同様にして、サイジング剤、炭素繊維束、プリプレグ及び炭素繊維強化複合材料を製造した。
3.評価
<<分散性評価>>
例1~例5で製造したサイジング剤を、25℃の環境において、容器中に長期保管後、目視により確認し、下記評価基準に基づき評価し、表1にまとめた。
(評価基準)
A:サイジング剤中に凝集物が確認されなかった。
B:容器の側壁等に凝集物の付着が確認された。
<<粉落ち抑制性評価>>
例1~例5における炭素繊維束の製造時におけるF粒子の粉落ちの有無を目視により観察し、下記評価基準に基づき評価し、表1にまとめた。
(評価基準)
A:F粒子の粉落ちの発生が確認されなかった。
B:F粒子の粉落ちの発生が確認された。
<<巻取性評価>>
例1~例5で製造した炭素繊維束をロールに巻き取り、下記評価基準に基づき評価し、表1にまとめた。
(評価基準)
A:炭素繊維束の連続的な巻き取りが容易に可能であった。
B:巻き取りにおいて横ずれが生じるものの、炭素繊維束の連続的な巻き取りは可能であった。
C:炭素繊維束を連続的な巻き取りが不可能であった。
<<毛羽立ち抑制性評価>>
例1~例5で製造した炭素繊維束を目視により観察し、下記評価基準に基づき、毛羽立ち抑制性を評価すると共に、炭素繊維束をロールに巻き取った後、巻き出しを行い、下記評価基準に基づき、評価した。
(評価基準)
A:炭素繊維束の毛羽立ちは確認されず、炭素繊維のロールからの巻き出しを容易に実施できた。
B:炭素繊維束の毛羽立ちが多少確認されたが、炭素繊維のロールからの巻き出しを実施できた。
C:炭素繊維束の毛羽立ちが多く確認され、炭素繊維がロールに絡まり、巻き出しを実施することができなかった。
<<発泡抑制性評価>>
例1~例5で製造した炭素繊維束を目視により観察し、下記評価基準に基づき評価し、表1にまとめた。
(評価基準)
A:炭素繊維束において発泡により形成されるボイドは観察されず、炭素繊維束は全体として極めて平滑であった。
B:炭素繊維束においてボイドが部分的に観察されたが、炭素繊維束は全体として平滑であった。
C:炭素繊維束においてボイドが全体的に観察され、炭素繊維束は平滑ではなく、且つ割れ、剥離等が観察された。



Claims (14)

  1. 溶融温度が260℃以上であり、且つ酸素含有極性基を有するテトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、10%重量減少温度が320℃以上である耐熱性ポリマー及びその前駆体からなる群より選択される少なくとも一方とを含有するサイジング剤。
  2. 前記耐熱性ポリマーが、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂及びこれらの変性物からなる群より選択される1種以上の化合物である、請求項1に記載のサイジング剤。
  3. 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の平均粒子径が0.1μm~200μmである、請求項1又は請求項2に記載のサイジング剤。
  4. 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の10%重量減少温度が350℃以上である、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のサイジング剤。
  5. サイジング剤の全質量に対する前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の含有率は、1~30質量%である、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のサイジング剤。
  6. サイジング剤の全質量に対する前記耐熱性ポリマーの含有率は、0.5~20質量%である、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のサイジング剤。
  7. サイジング剤に含有される前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子及び前記耐熱性ポリマーの含有率の和に対する前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子の含有率の比が、質量基準で、50/100超、99/100以下である、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のサイジング剤。
  8. 乳化剤を含有し、前記乳化剤により前記耐熱性ポリマーが乳化されている、請求項1~請求項7のいずれか一項に記載のサイジング剤。
  9. 界面活性剤を含有する、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載のサイジング剤。
  10. 液状分散媒を含有する、請求項1~請求項9のいずれか一項に記載のサイジング剤。
  11. 溶融温度が260℃以上であり、且つ酸素含有極性基を有するテトラフルオロエチレン系ポリマーと、10%重量減少温度が320℃以上である耐熱性ポリマー及びその前駆体からなる群より選択される少なくとも一方とが表面に存在する、炭素繊維。
  12. 請求項11に記載の炭素繊維及びマトリックス樹脂を含有する、プリプレグ。
  13. 請求項12に記載のプリプレグの成形物である、炭素繊維強化複合材料。
  14. 請求項1~請求項10のいずれか一項に記載のサイジング剤を、炭素繊維に配置し、加熱処理する、サイジング処理された炭素繊維の製造方法。
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