JP2023110661A - 筆記具 - Google Patents

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JP2023110661A
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雅也 山田
Masaya Yamada
茜理 篠原
Akari Shinohara
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Abstract

Figure 2023110661000001
【課題】経年等にかかわらず、安定して滑りの防止及び把持感の維持を実現することができる把持部を備えた筆記具を提供する。
【解決手段】筆記具1が、軸筒2と、軸筒2の一部に設けられた把持部7とを具備し、把持部7が、筒状の内軸部21と、内軸部21の外側に配置され、内軸部21よりも薄肉で且つ非粘弾性の合成樹脂からなる筒状の外軸部11とを有し、内軸部21と外軸部11との間に空間部40が設けられている。
【選択図】図5

Description

本発明は、筆記具に関する。
使用者が筆記時に指で把持する部分に粘弾性を有する把持部を配置することによって、筆記時の滑りを防止すると共に弾性変形によるフィット感等の把持感を向上させた筆記具が公知である(特許文献1)。特許文献1に記載の筆記具では、一次成形された軸筒に対してスチレン系エラストマー等の粘弾性を有する合成樹脂を円筒状に二次成形する二色成形によって、把持部が形成される。
特開2005-111754号公報
粘弾性が高いスチレン系エラストマー等で把持部を形成すると、使用者の汗の吸収又は経年劣化等により把持部の材料が変質し、フィット感の低下やべたつきの発生によって把持感を損ねる可能性がある。
本発明は、経年等にかかわらず、安定して滑りの防止及び把持感の維持を実現することができる把持部を備えた筆記具を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、軸筒と、前記軸筒の一部に設けられた把持部とを具備し、前記把持部が、筒状の内軸部と、前記内軸部の外側に配置され、前記内軸部よりも薄肉で且つ非粘弾性の合成樹脂からなる筒状の外軸部とを有し、前記内軸部と前記外軸部との間に空間部が設けられていることを特徴とする筆記具が提供される。
前記空間部が単一の筒状空間であってもよい。前記把持部が、前記内軸部の端部の外面と前記外軸部の内面とが連結する第1連結部と、前記外軸部の端部の内面と前記内軸部の外面とが連結する第2連結部とをさらに有し、前記第1連結部及び前記第2連結部の間に前記空間部が画成されていてもよい。前記第1連結部又は前記第2連結部における連結が螺合であってもよい。前記内軸部及び前記外軸部が同一材料で形成されていてもよい。前記軸筒が、前軸と後軸とを有し、前記前軸が前記外軸部を有し、前記後軸が前記内軸部を有していてもよい。当該筆記具が、前記軸筒内に配置された筆記体と、前記筆記体を後方に付勢するスプリングとを具備するノック式筆記具であり、前記スプリングの前端が、前記前軸によって保持されていてもよい。
本発明の態様によれば、経年等にかかわらず、安定して滑りの防止及び把持感の維持を実現することができる把持部を備えた筆記具を提供するという共通の効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態による筆記具の縦断面図である。 図2は、前軸の縦断面図である。 図3は、後軸の縦断面図である。 図4は、内筒の斜視図である。 図5は、把持部の変形を示す縦断面図である。 図6は、クリップ部材による物品の把持を示す縦断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に亘り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図1は、本発明の実施形態による筆記具1の縦断面図である。本実施形態では、筆記具1はノック式筆記具である。
筆記具1は、前軸10と、後軸20と、内筒30とを有している。前軸10及び後軸20は、軸筒2を構成する。なお、内筒30も含めて軸筒2と称してもよい。軸筒2の内部には、一端に筆記部3aを備えた筆記体であるリフィル3が配置されている。本明細書中では、筆記具1の軸線方向において、筆記部3a側を「前」側と規定し、筆記部3aとは反対側を「後」側と規定する。
リフィル3は、具体的にはボールペンリフィルである。リフィル3は、スプリング4によって後方に付勢されている。リフィル3の後方には、回転子5が配置されている。回転子5は、リフィル3と共にスプリング4によって後方に付勢されている。回転子5の後方には、操作部材6が配置されている。操作部材6は、軸筒2の後端、具体的には内筒30の後端から突出している。筆記具1は、把持部7とクリップ部材8とをさらに有している。把持部7は、使用者が筆記時に指で把持する部分である軸筒2の外面の一部に設けられている。クリップ部材8は、軸筒2の後端部に設けられ、物品を挟持するように構成されている。
内筒30の後端部の内面には、突起状の外カム38が形成されている(図6)。回転子5、操作部材6及び外カム38は、公知のノック機構を構成する。筆記具1では、ノック操作を行うことによって、筆記部3aが軸筒2の前端から突出した筆記状態と筆記部3aが軸筒2内に没入した非筆記状態とを切り替え可能となっている。具体的には、ノック操作は、操作部材6を、スプリング4の付勢力に抗して前方に押圧して回転子5を所定位置まで移動させることによって行われる。
筆記具1を非筆記状態から筆記状態にするためには、ノック操作によって操作部材6を前方に向かって押圧し、操作部材6と共に回転子5を前方へ移動させる。回転子5を上述した所定位置まで移動させた後に操作部材6に加えている力を解放すると、スプリング4の付勢力によって回転子5が後退する。回転子5は後退しながら外カム38と協働することによって回転し、回転子5の外周面に形成されたカム部5aの後端面と外カム38の前端面とが係止する。このとき、リフィル3の筆記部3aが軸筒2の前端から突出した状態となり、筆記具1は筆記状態を維持する。
筆記具1を筆記状態から非筆記状態にするためには、再び、ノック操作によって操作部材6を前方に向かって押圧し、操作部材6と共に回転子5を前方へ移動させる。回転子5を所定位置まで移動させた後に操作部材6に加えている力を解放すると、スプリング4の付勢力によって回転子5が後退する。回転子5は後退しながら外カム38と協働することによって回転し、回転子5のカム部5aの後端面と外カム38の前端面との係止が解除される。その結果、スプリング4の付勢力によって回転子5と共にリフィル3が後方へ移動し、筆記部3aが軸筒2内に没入して筆記具1は再び非筆記状態となる。
図2は、前軸10の縦断面図である。前軸10は、軸線方向において大半を占める円筒状の外軸部11を有している。前軸10の内部において、外軸部11の前方に配置され且つ外軸部11の内径よりも小さい内径の雌ねじ部12と、外軸部11と雌ねじ部12との間において後方に面した段差部13と、雌ねじ部12の前方に配置され且つ後方に面した支持面14と、が形成されている。雌ねじ部12と支持面14との間の前軸10の内面には、軸線方向に延びる複数の保持突起15が、周方向に沿って等間隔に形成されている。
図1及び図2を参照すると、スプリング4の前端部は、支持面14によって支持され、前方への移動が規制される。また、スプリング4は、複数の保持突起15によって包囲されることで径方向の移動が規制され、撓み等が抑制される。その結果、スプリング4は、リフィル3を安定的に後方に付勢することができる。
図3は、後軸20の縦断面図である。後軸20は、円筒状の内軸部21と、内軸部21の前端部の外面に設けられた雄ねじ部22と、内軸部21の後方の外面に設けられたより大径の嵌合部23とを有している。嵌合部23の後方の外面には前方に面した環状の係止面24が形成されている。後軸20の後端部の外面には、第1接続部25を介して外クリップ部26が形成されている。第1接続部25には、軸線方向に延在する挿入孔25aが形成されている。外クリップ部26は、後軸20、ひいては軸筒2の軸線方向に沿って前方に延在し且つ後軸20の側面から離間している。外クリップ部26の内側、すなわち後軸20の中心軸線側である内側には、軸線方向に延在する凹部27が形成されている。凹部27内には、底面に相当する面を含む規制面28が設けられている。第1接続部25よりも前方の後軸20の側面には、嵌合穴29aが形成されている。外クリップ部26と略対応する後軸20の内面には、後端部から前方に延在する溝部29bが形成されている。
図4は、内筒30の斜視図である。内筒30の後端部の外面には、第2接続部31を介して内クリップ部32が形成されている。内クリップ部32は、内筒30、ひいては軸筒2の軸線方向に沿って前方に延在し且つ内筒30の側面から離間している。また、内クリップ部32は、内筒30の中心軸線方向に向かって湾曲する湾曲部33を有している。すなわち、内クリップ部32は、第2接続部31との接続部分である基部34aと、内クリップ部32の前端である先端部34bとは、略等しく内筒30の側面から離間している。湾曲部33は、軸線方向における中央部分に設けられていることが好ましい。内クリップ部32の内側、すなわち内筒30の中心軸線側である内側、特に湾曲部33の内側には、突起状の玉部である当接部35が形成されている。内クリップ部32と略対応する内筒30の外面には、第2接続部31から前方に延在する縦突起36が形成されている。第2接続部31よりも前方の縦突起36上には、嵌合突起37が形成されている。
図5は、把持部7の変形を示す縦断面図である。具体的には、図5(A)は、変形前の把持部7を示し、図5(B)は、変形後の把持部7を示している。まず、図1及び図5(A)を参照しながら、軸筒2の組み立て、すなわち前軸10及び後軸20の組み立てについて説明する。軸筒2の組み立ては、前軸10の内部に後軸20の内軸部21及び嵌合部23が挿入され、後軸20の雄ねじ部22が前軸10の雌ねじ部12に対して螺合することで行われる。そして、雌ねじ部12及び雄ねじ部22の螺合が完成したとき、前軸10の後端部が、後軸20の係止面24に当接し係止する。このとき、前軸10の後部は、後軸20の嵌合部23に対して、圧入によって強く嵌合しているか、又は、緩く嵌合している。その結果、内軸部21と、内軸部21の外側に配置された外軸部11との間には、閉鎖された第1の空間部40が設けられる。第1の空間部40は、単一の筒状空間である。
外軸部11、すなわち前軸10は、非粘弾性の合成樹脂、例えばポリプロピレンから形成される。ここで、非粘弾性の合成樹脂とは、いわゆるゴム又はエラストマーではないことをいう。図5に示されるように、外軸部11は、内軸部21よりも薄肉に形成されている。
図5(A)に示された状態から使用者が筆記時に把持部7を指で把持すると、把持による押圧によって把持部7に対して径方向の力が作用し、図5(B)に示されるように、外軸部11のみが径方向に弾性変形する。すなわち、指で押圧された外軸部11の部分が径方向内方に弾性変形し、指で押圧されていない外軸部11の部分は、径方向外方の弾性変形に対応して径方向外方に弾性変形する。内軸部21は、外軸部11よりも肉厚であることから、剛性が高く、弾性変形しない。外軸部11の径方向内方の変形は、外軸部11の内面が内軸部21の外面に当接することによって規制される。これら外軸部11の変形は、外軸部11及び内軸部21間に、遊隙としての第1の空間部40が存在することによって可能となる。
外軸部11が弾性変形する結果、非粘弾性の合成樹脂で形成された外軸部11であっても把持する指の位置に応じて外軸部11が変形し、フィット感等の良好な把持感を得ることができる。また、外軸部11がより湾曲するように変形することから、指の引っかかりが大きくなり、筆記時の滑りを防止することができる。第1の空間部40が単一の筒状空間であることによって、使用者が筆記具1を周方向における任意の位置を把持しても、等しい弾性変形が行われ、等しい把持感を得ることができる。外軸部11が非粘弾性の合成樹脂で形成されていることによって、使用者の汗の吸収又は経年劣化等による外軸部11の材料の変質が抑制され、べたつきの発生が防止される。要するに、筆記具1の把持部7によれば、経年等にかかわらず、安定して滑りの防止及び把持感の維持を実現することができる。
内軸部21、すなわち後軸20は、前軸10と同一の材料で形成してもよいし異なる材料で形成してもよい。前軸10及び後軸20、さらには内筒30を同一材料で形成することによって、筆記具1を廃棄するときのリサイクルがより容易となる。把持部7、すなわち外軸部11及び内軸部21は、円形断面でなくてもよく、多角形、例えば鉛筆のような六角形断面であってもよい。この場合、外軸部11及び内軸部21間に形成される単一空間は、六角形断面の筒状となる。
外軸部11が非粘弾性の合成樹脂で形成されていることによって、金属製の把持部を有する従来の筆記具に比べて、より安価で簡単に製造することが可能となる。また、把持部7は、外軸部11及び内軸部21によって、すなわち前軸10及び後軸20によって形成される。したがって、付加的な粘弾性材料を把持部に設ける従来の筆記具に比べて、部品点数が少なく且つ使用される材料量も少ないことから、より安価で簡単に製造することが可能となる。
前軸10において、雌ねじ部を前軸10の後端部の内面に設け且つ対応する雄ねじ部を後軸20の嵌合部23に設けてもよい。この場合、後軸20の前端部の外面は、前軸10の内面と強く嵌合しているか、又は、緩く嵌合するようにしてもよい。他方、前軸10の後端部の内面が後軸20の外面と強く嵌合しているか、又は、緩く嵌合し、且つ、後軸20の前端部の外面が前軸10の内面と強く嵌合しているか、又は、緩く嵌合するようにしてもよい。要するに、把持部7は、内軸部21の前端部の外面と外軸部11の内面とが連結する部分を第1連結部とし、外軸部11の後端部の内面と内軸部21の外面とが連結する部分を第2連結部とすると、第1連結部及び第2連結部間に第1の空間部40が画成されている。
上述した実施形態では、前軸10が外軸部11を有し、後軸20が内軸部21を有し、後軸20が前軸10に挿入されるように構成されているが、前軸10が内軸部を有し、後軸20が外軸部を有し、前軸10が後軸20に挿入されるようにしてもよい。この場合、把持部7は、内軸部の後端部の外面と外軸部の内面とが連結する部分を第1連結部とし、外軸部の前端部の内面と内軸部の外面とが連結する部分を第2連結部として、第1連結部及び第2連結部間に第1の空間部が画成される。上述した第1連結部及び第2連結部の一方又は両方における連結は螺合であることが好ましい。
図6は、クリップ部材8による物品Aの把持を示す縦断面図である。具体的には、図6(A)は、物品Aの把持前のクリップ部材8を示し、図6(B)は、物品Aの把持後のクリップ部材8を示している。まず、図1及び図6(A)を参照しながら、軸筒2の組み立て、すなわち後軸20及び内筒30の組み立てについて説明する。軸筒2の組み立ては、後軸20の内部に内筒30が挿入されることで行われる。具体的には、内筒30の縦突起36が後軸20の溝部29bに挿入されるように、内筒30が後軸20の内部に挿入される。このとき、内筒30の内クリップ部32は、後軸20の挿入孔25aを通って外クリップ部26の凹部27内に配置される。内筒30の縦突起36に形成された嵌合突起37は後軸20の嵌合穴29aに嵌合し、内筒30が後軸20から容易に抜けないように組み立てられる。
図6(A)に示されるように、内クリップ部32が凹部27内に配置された状態では、先端部34bが凹部27の規制面28に当接し、支持されている。内クリップ部32の当接部35は、後軸20の側面に近接又は当接している。したがって、凹部27内には、内クリップ部32、特に湾曲部33によって略閉鎖された第2の空間部41が設けられる。
図6(A)に示された状態から物品Aを軸筒2とクリップ部材8との間に挿入すると、軸筒2の側面と外クリップ部26との離間距離よりも物品Aの厚みが小さい限りにおいて、外クリップ部26は変形せず、内クリップ部32のみが弾性変形し、物品Aが挟持される。すなわち、物品Aを挿入すると、まず物品Aの先端部が当接部35に当接する。次いで、さらに物品Aを挿入すると、物品Aの厚みに応じて、当接部35が軸筒2の側面から離間するように内クリップ部32が弾性変形する。具体的には、湾曲部33がより平坦になるように内クリップ部32が変形する。すなわち、内クリップ部32の径方向外方の変形は、外クリップ部26の凹部27の規制面28によって規制される。内クリップ部32の変形は、遊隙としての第2の空間部41が存在することによって可能となる。また、内クリップ部32の周方向の変形は、凹部27の内部の側面によって規制される。
物品Aが把持されるとき、内クリップ部32のみが弾性変形し、外クリップ部26は変形しないことから、使用時において、クリップ部材8全体の変形が少ない。要するに、内クリップ部32の変形は、内クリップ部32が外クリップ部26の凹部27内に配置されていることから、外部から視認がし難くなっている。したがって、クリップ部材8に物品Aを把持した状態であっても筆記具1全体の見た目及びバランスも良い。また、内クリップ部32の変形が外クリップ部26によって規制されることから、過度な変形が防止され、長期間に亘りクリップ部材8の挟持機能を維持することができると共に、クリップ部材8全体の耐久性を向上させることができる。
外クリップ部26の凹部27は、物品Aを挟持していないときに内クリップ部32との間に第2の空間部41が形成される限りにおいて任意の形状であってもよい。また、第2の空間部41は、単なる間隙であってもよく、内クリップ部32の変形と過度の変形を規制する限りにおいて、任意に形成してもよい。言い換えると、内クリップ部32の変形と過度の変形を規制する限りにおいて、外クリップ部26は凹部27を有していなくてもよい。したがって上述した実施形態では、内クリップ部32の先端部34bは、常に外クリップ部26の凹部27の規制面28に当接しているが、物品Aを挟持していないときには規制面28から離間しているようにしてもよい。この場合において、物品Aを挟持した状態では、先端部34bが規制面28に当接して、内クリップ部32の変形が規制される。さらに、内クリップ部32は、湾曲部33を有さずに、基部34aから直線的に軸筒2の側面に向かって延在するように形成してもよい。この場合、内クリップ部32の先端部34bが軸筒2の側面に近接又は当接するように形成される。内クリップ部32が突起状の当接部35を有しているが、当接部35を省略し、湾曲部33で以て直接物品Aを挟持するようにしてもよい。
上述した把持部7及びクリップ部材8の構造は、独立して又は組み合わせて、筆記具全般に適用可能である。例えば、上述した把持部7及びクリップ部材8の構造は、ノック式筆記具のみならず、キャップ式筆記具に適用してもよく、ボールペンのみならず、シャープペンシル、サインペン、マーカーペン、万年筆及び熱変色性筆記具等の筆記具に対して適用してもよい。
筆記具1のリフィル3は、インク収容筒内に水、着色剤、有機樹脂粒子からなる水性ボールペン用インク組成物を収容してなる水性ボールペンであって、前記有機樹脂粒子がオレフィン系樹脂粒子であり、かつ、前記水性ボールペンの100mあたりのインク消費量をA(mg)、前記ボール径をB(mm)とした場合、150≦A/B≦450の関係であることを特徴とする水性ボールペンである。
本実施形態では、インク消費量を増やすことで、濃い筆跡が得られるが、インク消費量が増えると、ボールとチップ先端の内壁との隙間より、インクの漏れ出しや、描線滲み、ボタ落ちなどの筆記性能に影響が出てしまうので、100mあたりのインク消費量をA(mg)、前記ボール径をB(mm)とした場合、150≦A/B≦450の関係とすることで、濃い筆跡で書き味を向上しつつ、滲み、ボタ落ちのない良好な筆記性能を得ることができる。なお、インク消費量については、JIS S6061に準拠した筆記装置を用い、筆記角度65°、筆記荷重100gの条件にて、筆記速度4.5m/minの速度で、試験サンプル5本を用いて、らせん筆記試験を行い、その100mあたりのインク消費量の平均値を、100mあたりのインク消費量と定義する。また、ボール径については、0.5~1.0(mm)程度のボールを用いる。
また、インクの有機樹脂粒子にオレフィン系樹脂粒子を用いることで、インク漏れ抑制を格段に向上しつつ、書き味を向上することを可能とすることができる。前記オレフィン系樹脂粒子を水性ポールペン用インク組成物として含有することで、前記ボールとチップ先端の内壁との間の隙間に物理的な障害を起こして、インク漏れを抑制することを可能とする。さらに、前記オレフィン系樹脂粒子は、無機物と比較して硬度が低いことから、粒子同士が一部変形などして、お互い密着することで、微弱な凝集構造を形成し、インク漏れを抑制する。さらに、オレフィン系樹脂粒子が炭化水素化合物であり、無極性であるために水中で凝集が起こりやすく、インク漏れを抑制しつつ、インク量の不足などの不具合を起こさないような最適化された凝集構造を形成しやすいため、インク消費量を保ちつつ、インク漏れ抑制効果が得られるものと推定される。さらに、オレフィン系樹脂粒子は溶融温度が高いため、高温環境下であっても安定して存在しやすく、高圧環境にあった場合では、変形はしやすく変性はしにくいという特徴を持っているため、ボールとボール座の間に挟まれても安定しているため、クッション効果が得られ、書き味を向上し、ボール座の摩耗抑制が得られるため、好適に用いることが可能である。オレフィン系樹脂粒子の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン、ならびにそれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、インク漏れ抑制や書き味を向上することを考慮すれば、ポリエチレンを用いることが好ましく、具体的には、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低分子ポリエチレン、変性ポリエチレン、変性高密度ポリエチレンなどが挙げられる。その中でもインク漏れ抑制効果を考慮すれば、低密度ポリエチレン、低分子ポリエチレン、変性ポリエチレンが好ましく、特に低密度ポリエチレンは、他種のポリエチレンよりも融点が低く、柔らかい性質があるため、ポリエチレン粒子が密着しやすく、粒子間の隙間を生じづらく、インク漏れしづらいため、低密度ポリエチレンが好ましく、さらに、低密度ポリエチレンは、柔らかいため、ボールとボール座の間でのクッション効果が得られやすく、書き味を向上し、ボール座の摩耗抑制が得られるため、好適に用いることが可能である。前記オレフィン系樹脂粒子の平均粒子径については、平均粒子径が小さい方が、お互い密着して、微弱な凝集構造をとりやすく、インク漏れを抑制しやすいため、10μm未満が好ましい。また、水素結合による凝集構造を形成することから、粒子自体が比較的小さくても巨視的な凝集構造を形成しやすいため、より細かい粒子径を用いても優れたインク漏れ抑制効果を得ることができる。一方、平均粒子径が小さすぎると、インク漏れ抑制効果が劣りやすいため、平均粒子径は、0.1μm以上が好ましい。また、平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定機(商品名「MicrotracHRA9320-X100」、日機装株式会社)を用いてレーザー回折法を用いて測定される粒度分布の体積累積50%時の粒子径(D50)を測定することができる。前記オレフィン系樹脂粒子の形状については、球状樹脂粒子が好ましい。ここでいう球状樹脂粒子とは、真球状に限定されるものではなく、略球状の樹脂粒子や、略楕円球状の樹脂粒子などでも良い。また、前記オレフィン系樹脂粒子については、予め水などに分散したオレフィン分散体にすることが好ましい。オレフィン分散体のpH値については、7~10が好ましい。これは、オレフィン樹脂粒子の分散安定性や、着色剤、界面活性剤などのインク成分に対する安定性を良好としやすいためである。前記オレフィン系樹脂粒子については、具体的には、ケミパールM-200(低密度ポリエチレン分散体、平均粒子径6μm、pH値9)、同W-100(低分子ポリエチレン分散体、平均粒子径3μm、pH値9)、同W-200(低分子ポリエチレン分散体、平均粒子径6μm、pH値9)、同W300(低分子量ポリエチレン分散体、平均粒子径3μm、pH値9)、同W-310(低分子ポリエチレン分散体、平均粒子径9.5μm、pH値8)、同W-400(低分子ポリエチレン分散体、平均粒子径4μm、pH値9)、同W-800(低分子ポリエチレン分散体、平均粒子径8μm、pH値9)、同W900(低分子量ポリエチレン分散体、平均粒子径0.6μm、pH値11)、同S300(平均粒子径0.5μm、カルボン酸変性ポリオレフィン分散体、pH値10)、同SA100(平均粒子径1μm、カルボン酸変性ポリオレフィン分散体、pH値10)(以上三井化学(株)製)、ノプコマル MS-40(平均粒子径1.0μm、ポリエチレンパラフィンワックス)、ノプコマル PEM-17(平均粒子径0.01μm、ポリエチレンワックス)(以上サンノプコ(株)製)、CERAFLOUR950(変性ポリエチレン樹脂、平均粒子径9μm)、同925(変性ポリエチレン樹脂、平均粒子径6μm)、同929(変性ポリエチレン樹脂、平均粒子径8μm)(BYK(株)製)等が挙げられる。また、前記オレフィン系樹脂粒子の含有量について、インク組成物全量に対し、0.01~10.0質量%がより好ましい。これは、前記オレフィン系樹脂粒子の含有量が、0.01質量%未満だとインク漏れを抑制しづらく、10.0質量%を越えると、凝集構造が強くなりやすく、書き味やドライアップ性能に影響が出やすいためである。
また、本実施形態に用いるボールペンチップのボールの軸線方向に移動可能な距離(クリアランス)が、10~50μmとするのが好ましい。これは、10μm未満であると、濃い筆跡や良好な書き味が得られづらくなり、50μmを越えると、インクの漏れ出し性能に影響が出やすくなるためである。
インク粘度については、20℃環境下、剪断速度1.92/sで、インク粘度は、500~5000mPa・sが好ましい、これは、前記インク粘度が500mPa・s未満だと、インク粘度が低過ぎて、インク漏れを抑制しづらく、5000mPa・sを越えると、書き味やボール座の摩耗抑制や書き味が劣りやすく、インク消費量が少なく、濃い筆跡が得られにくいためである。
また、インク粘度調整剤として剪断減粘性付与剤を用いることが好ましい、剪断減粘性付与剤としては、架橋型アクリル酸重合体、多糖類としては、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン、グアーガム、ローカストビーンガム、λ-カラギーナン、セルロース誘導体、ダイユータンガムなどや、会合型増粘剤としては、会合性疎水性基によってポリエステル系、ポリエーテル系、ウレタン変性ポリエーテル系、ポリアミノプラスト系などやアルカリ膨潤会合型増粘剤、ノニオン会合型増粘剤などが挙げられ、これらの剪断減粘性付与剤は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
剪断減粘性付与剤の中でも、インク漏れ抑制効果を考慮すれば、多糖類または会合型増粘剤を用いることが好ましい。また、多糖類の中でも、キサンタンガム、サクシノグリカンを用いることが好ましいが、これは、オレフィン系樹脂粒子と併用することで、より三次元構造を形成しやすくなり、よりインク漏れ抑制効果が得られやすいためである。また、会合型増粘剤については、アルカリ膨潤会合型増粘剤が好ましいが、これは、会合型増粘剤の中でもインク粘度発現効率が高く、さらに前記オレフィン系樹脂粒子に対する吸着性が高く、より架橋構造を形成しやすく、密度の高い三次元構造が形成されるため、インク漏れ抑制や顔料分散性を向上してインク経時安定性を向上しやすいためである。
また、アルカリ膨潤会合型増粘剤は、アルカリ膨潤性を示す機構としてアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、などのカルボキシル基を有する各種重合性モノマーを含む単量体または共重合体の重合性樹脂が挙げられるが、長期間安定した膨潤性を有することで、インク漏れ抑制や顔料分散性を向上してインク経時安定性を向上しやすい効果が期待できるため好ましく、特に、酢酸ビニル、メチルメタルリレート、及びメタクリル酸の3種の単量体から構成されるものが好ましい。
また、前記剪断減粘性付与剤の含有量について、インク組成物全量に対し、0.01~5.0質量%がより好ましい。これは、前記剪断減粘性付与剤の含有量が、0.01質量%未満だとインク増粘効果が十分でなく、インク漏れを抑制しづらく、5.0質量%を越えると、インク粘度が高くなりやすく、ボール座の摩耗を抑制、筆記時の追従性、書き味、ドライアップ性能に影響が出やすいためである。
本実施形態で用いる着色剤は、顔料については、無機、有機、加工顔料などが挙げられるが、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、マイクロカプセル、アルミ顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、補色顔料等が挙げられる。染料については、直接染料、酸性染料、塩基性染料、含金染料、及び各種造塩タイプ染料等が採用可能である。これらの顔料および染料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。着色剤について、吸油量が100g以上であるカーボンブラックを含んでなることが、好ましい。これは、吸油量はカーボンブラックのつながりであるストラクチャーをあらわす代替特性であり、吸油量が大きいほどストラクチャーは大きくなる。吸油量が100g以上のカーボンブラックは、ストラクチャーが大きいため、紙面への浸透を抑制し、カーボンブラック自体が、紙面上に残ることで、濃い鮮明な筆跡が得られるためである。さらに、カーボンブラックの吸油量については、100~200g(/100g)が好ましい、これは、200g(/100g)を越えると、カーボンブラックの沈降が発生しやすい傾向があるためである。カーボンブラックの吸油量は、カーボンブラックのストラクチャーを示す特性であり、乾燥された一定量のカーボンブラックがDBP(ジブチルフタレート)を吸収する量をいい、JIS K6221に規定される試験方法で測定される。それらの着色剤の中でも、平均粒子径が1μm未満である顔料粒子を用いることが好ましい。これは、平均粒子径が10μm未満であるオレフィン系樹脂粒子を用いる場合は、前記オレフィン系樹脂粒子同士が密着した時に、前記オレフィン系樹脂粒子間に隙間が発生した場合、インク漏れに影響を及ぼすこともあるので、平均粒子径が1μm未満である顔料粒子によって、前記隙間を埋めることで、インク漏れ抑制効果がより得られやすいためであり、さらに、顔料粒子の形状については、球状顔料粒子が好ましい。ここでいう球状顔料粒子とは、真球状に限定されるものではなく、略球状の顔料粒子や、略楕円球状の顔料粒子などでも良い。また、顔料粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定機(商品名「MicrotracHRA9320-X100」、日機装株式会社)を用いてレーザー回折法で測定される粒度分布の体積累積50%時の粒子径(D50)により測定することができる。
また、前記オレフィン系樹脂粒子の平均粒子径をXμm、前記顔料粒子の平均粒子径をYμmとした場合、Y/X≦1.0の関係であることが好ましい、これは、前記オレフィン系樹脂粒子同士が密着し、前記オレフィン系樹脂粒子間に隙間が発生した時に、該隙間を埋めづらく、インク漏れに影響が出やすいためである。
また、インク漏れを抑制するために、デキストリンを用いることが好ましい、これは、デキストリンを用いることで、ペン先のインクが乾燥時に、皮膜を形成することで、ボールとチップ先端の内壁との間の隙間よりインク漏れ抑制する効果が得られためである。また、デキストリンの重量平均分子量については、20000~120000がより好ましい。重量平均分子量が120000を超えると、ペン先に形成される皮膜が硬く、ドライアップ時の書き出しにおいて、筆跡がカスレやすい傾向があり、一方、重量平均分子量が20000未満だと、吸湿性が高くなりやすく、ペン先に皮膜が柔らかくなりやすく、インク漏れ抑制効果を十分に得られづらい傾向がある。デキストリンの含有量は、インク組成物全量に対し、0.1~5.0質量%が好ましい。これは、0.1質量%より少ないと、インク漏れの効果が十分得られない傾向があり、5.0質量%を越えると、インク中で溶解しづらい傾向があるためである。
また、水分の溶解安定性、水分蒸発乾燥防止等を考慮し、水溶性溶剤を用いる。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール溶剤、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、t-ブタノール、アリルアルコール、3-メチル-1-ブチン-3-オール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタートやその他の高級アルコール等のアルコール系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、3-メトキシブタノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤などが挙げられる。その中でも、本実施形態で用いる前記オレフィン系樹脂粒子との溶解安定性を考慮すれば、多価アルコール溶剤を用いる方が好ましい。多価アルコール溶剤とは、二個以上の水酸基が脂肪族あるいは脂環式化合物の相異なる炭素原子に結合した化合物である溶剤であり、その中でも、2価または3価の水酸基を有する多価アルコールを少なくとも含有することが、最も好ましい。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。水溶性溶剤の含有量については、溶解性、インク漏れ、にじみ等を考慮すると、インク組成物全量に対し、0.1~25.0質量%が好ましい。これは、溶剤による水素結合によって、凝集構造が崩れやすくなり、前記オレフィン樹脂粒子によるインク漏れ抑制効果に影響しやすいためである。
また、潤滑性を向上することで、ボールの回転をスムーズにすることで、ボール座の摩耗抑制や書き味を向上しやすくするために、リン酸エステル系界面活性剤、脂肪酸を用いることが好ましい。特に、リン酸基を有するリン酸エステル系界面活性剤を用いる方が、好ましい。これは、リン酸基が金属吸着することで、より潤滑性を向上して、ボール座の摩耗抑制や書き味を向上しやすくするためである。リン酸エステル系界面活性剤の種類としては、スチレン化フェノール系、ノニルフェノール系、ラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系、オクチルフェノール系、ヘキサノール系等が上げられる。この中でも、フェニル骨格を有すると立体障害により潤滑性に影響が出やすいため、フェニル骨格を有さないリン酸エステル系界面活性剤を用いることが、好ましい。より潤滑性を考慮すれば、ラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系のリン酸エステル系界面活性剤が好ましい、これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。
また、顔料粒子を用いてより濃い筆跡とするには、シリコーン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸塩から選ばれる1種以上の界面活性剤を用いることが好ましい。これは、紙に対する浸透性が向上することで、顔料粒子が、紙面上に残り、より濃い鮮明な筆跡が得られやすいためである。そのため、本実施形態のように、150≦A/B≦450の関係として、前記界面活性剤を用いることで、より濃い鮮明な筆跡が得られるやすい。その中でも、フッ素系界面活性剤を用いるのが好ましい、これは、前記フッ素系界面活性剤は、最も表面張力を低減することが可能で、紙への浸透性も向上しやすいため、濃い筆跡が得られやすいからである。また、シリコーン系界面活性剤は、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、親水性特殊変性、フッ素変性、ジメチル、メチルフェニルなどのシリコーンオイル等が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、パーフルオロ基ブチルスルホン酸塩、パーフルオロ基含有カルボン酸塩、パーフルオロ基含有リン酸エステル、パーフルオロ基含有リン酸エステル型配合物、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロ基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、パーフルオロ基・親水性基含有オリゴマー、パーフルオロ基・親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物等が挙げられる。その中でも、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物を用いるのが好ましい。これは、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物のフッ素系界面活性剤は、より濃い筆跡になり易くすることが可能なため、好ましく用いることができる。さらに、エチレンオキシド基があると、親水性が強くなるため、水に対して溶解しやすく、経時安定性が安定する傾向にあることも挙げられる。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。
その他の添加剤は、所望により添加剤を含有することができる、具体的には、着色剤の経時安定性やさらに潤滑性を向上させるためにpH調整剤や、アクリル系樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョン、スチレン-ブタジエン系樹脂エマルジョンなどの定着剤、酸性樹脂などの顔料分散剤、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン等の防菌剤、尿素、ソルビット等の保湿剤、ベンゾトリアゾール等の防錆剤、エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤などを添加することができる。
また、水性ボールペン用インク組成物のpH値については、7.0~10.0が好ましい。これは、pH値が7未満で酸性領域であると、オレフィン樹脂粒子、着色剤、界面活性剤などのインク成分に対する安定性への影響や、金属製のボールペンチップやボールの腐食に影響が発生するためで、pH値が10を超えて強アルカリ側に寄っても、同様にインク成分に対する安定性への影響が発生してしまうためである。
また、より潤滑性を向上し、濃い筆跡を得るためには、ボール表面の算術平均粗さ(Ra)を0.1~5nmとするとより好ましい。これは、算術平均粗さ(Ra)が、この範囲を越えると、ボール表面が粗すぎて、ボールとボール座の回転抵抗が大きくなりやすいため、書き味が劣りやすい傾向があり、また、この範囲を下まわると、ボールの表面に十分にインクが乗らないため、濃い筆跡が得られづらくなる傾向が強くなる。ボール表面の算術平均粗さについて、算術平均粗さ(Ra)とは、表面粗さ測定器(セイコーエプソン社製の機種名SPI3800N)により測定された粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値である。また、ボール材は、特に限定されるものではないが、タングステンカーバイドを主成分とする超硬合金ボールや、炭化珪素、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素、ステンレスなどが挙げられる。特に、超硬合金ボールは、低コストであり、さらに、インクがボール表面に載りやすく、手脂の付着した筆記面において筆記時にも有利であるため好ましい。
1 筆記具
2 軸筒
3 リフィル
4 スプリング
5 回転子
6 操作部材
7 把持部
8 クリップ部材
10 前軸
11 外軸部
12 雌ねじ部
20 後軸
21 内軸部
22 雄ねじ部
26 外クリップ部
27 凹部
28 規制面
30 内筒
31 第2接続部
32 内クリップ部
33 湾曲部
34a 基部
34b 先端部
35 当接部
38 外カム
40 第1の空間部
41 第2の空間部

Claims (5)

  1. 軸筒と、前記軸筒の一部に設けられた把持部とを具備し、
    前記把持部が、筒状の内軸部と、前記内軸部の外側に配置され、前記内軸部よりも薄肉で且つ非粘弾性の合成樹脂からなる筒状の外軸部とを有し、前記内軸部と前記外軸部との間に空間部が設けられていることを特徴とする筆記具。
  2. 前記空間部が単一の筒状空間である請求項1に記載の筆記具。
  3. 前記把持部が、前記内軸部の端部の外面と前記外軸部の内面とが連結する第1連結部と、前記外軸部の端部の内面と前記内軸部の外面とが連結する第2連結部とをさらに有し、前記第1連結部及び前記第2連結部の間に前記空間部が画成されている請求項1又は2に記載の筆記具。
  4. 前記内軸部及び前記外軸部が同一材料で形成されている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の筆記具。
  5. 前記軸筒が、前軸と後軸とを有し、前記前軸が前記外軸部を有し、前記後軸が前記内軸部を有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の筆記具。
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