JP2023110472A - レンズカバー - Google Patents

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【課題】撮像装置に装着される、種々の大きさの交換レンズに対応可能であるとともに、ズームリングの回転操作が容易であり、構成が簡単なレンズカバーを提供することを目的とする。【解決手段】レンズカバー400は、ズームリング203を有するレンズ鏡筒A200を収納する。レンズカバー400は、カメラ本体100に着脱自在に固定される筒状の固定筒部材401と、固定筒部材401と同心的に配置された筒状の可動筒部材410と、固定筒部材401に対して、可動筒部材410の光軸O100回りの回転を規制するとともに、可動筒部材410を光軸O100方向に沿って移動可能に支持する支持部440と、可動筒部材410が光軸O100方向に沿って移動したときに、その移動方向の運動を、ズームリング203を回転させる回転運動に変換する変換部450とを備える。【選択図】図9

Description

本発明は、レンズカバーに関する。
撮像装置には、種々の交換レンズを装着して用いられるものがある。また、撮像装置を用いるときに、交換レンズにレンズカバーを被せることがある。これにより、例えば悪天候の屋外で撮像装置を用いる場合、交換レンズに防水性が付与されていなくとも、当該交換レンズを雨水等から保護することができる。また、ズーム調整時に交換レンズを操作する場合、レンズカバーを被せた状態では、そのズーム調整操作が困難となる。また、交換レンズには、その全長がズーム調整時に変化するものがある。そして、交換レンズの全長の程度によっては、交換レンズとレンズカバーとが干渉するおそれがある。そこで、特許文献1には、レンズカバーを被せた状態でズーム調整操作が可能であり、交換レンズの全長の変化に伴って、レンズカバーが伸縮する機構が開示されている。
図14を参照して、特許文献1に記載のレンズカバー(防水ケース)について説明する。この図14は、特許文献1の図8の抜粋である。図14に示すように、カメラ本体1には、ズーム操作により光学全長が変化するレンズ鏡筒2が装着されている。また、このレンズ鏡筒2は、防水ケース3に収納された状態となっている。防水ケース3は、可動筒部材9、固定筒部材31、回転筒部材32、蛇腹部材45を有する。回転筒部材32の内周面は、レンズ鏡筒2のズームリングの外周面26に係合している。そして、回転筒部材32を回転させることにより、ズームリングも回転して、ズーム調整が可能となる。また、可動筒部材9の内周面には、カム溝95が形成されている。このカム溝95は、回転筒部材32の回転を可動筒部材9の直進移動に変換する。蛇腹部材45は、可動筒部材9の直進移動に伴い伸縮することができる。
特開2013-250418号公報
特許文献1に記載のレンズカバーは、回転筒部材32がレンズ鏡筒2のズームリングに係合する構成となっている。このため、特許文献1に記載のレンズカバーでは、外径が種々あるレンズ鏡筒2や、ズームリングの位置も種々あるレンズ鏡筒2には、十分対応することができない、すなわち、特定のレンズ鏡筒2にしか使用することができず、汎用性に欠ける。また、特許文献1に記載のレンズカバーは、外観上、可動筒部材9、固定筒部材31、回転筒部材32、蛇腹部材45の4つの部材で構成されており、その分、構成も複雑となり、ズーム調整操作も煩雑となる。
本発明は、撮像装置に装着される、種々の大きさの交換レンズに対応可能であるとともに、ズームリングの回転操作が容易であり、構成が簡単なレンズカバーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のレンズカバーは、画像の撮像が可能な撮像装置に装着され、ズーム調整時に撮像装置の光軸回りに回転操作されるズームリングを有する交換レンズを収納するレンズカバーであって、撮像装置に着脱自在に固定される筒状の第1筒状部材と、第1筒状部材と同心的に配置された筒状の第2筒状部材と、第1筒状部材に対して、第2筒状部材の光軸回りの回転を規制するとともに、第2筒状部材を光軸方向に沿って移動可能に支持する支持部と、第2筒状部材が光軸方向に沿って移動したときの直進運動を、ズームリングを回転させる回転運動に変換する変換部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、撮像装置に装着される、種々の大きさの交換レンズに対応可能であるとともに、ズームリングの回転操作が容易であり、構成が簡単となる。
カメラ本体に装着されたレンズカバーの収縮状態を示す斜視図である。 カメラ本体に装着されたレンズカバーの伸長状態を示す斜視図である。 カメラ本体とレンズカバーとの分解斜視図である。 レンズカバーの分解斜視図である。 図2中のA-A線断面図である。 図2中のB-B線断面図である。 第2ガイド溝上を第2突出部が相対的に移動する過程を示す平面展開図である。 レンズカバーをカメラ本体に装着する状態を示す斜視図である。 2種類のレンズ鏡筒をそれぞれ撮像装置に装着した場合のズーム位置でのレンズカバーの状態を示す縦断面図である。 第2ガイド溝上を第2突出部が相対的に移動する過程を示す平面展開図である。 アジャストリングを前方から見たときの分解斜視図である。 アジャストリングを後方から見たときの分解斜視図である。 アジャストリングの係合機構の作動状態を示す背面図である。 特許文献1に記載のレンズカバー(防水ケース)を説明するための断面図である。
以下、本発明の実施形態について図1~図13を参照しながら詳細に説明する。しかしながら、以下の実施形態に記載されている構成はあくまで例示に過ぎず、本発明の範囲は実施形態に記載されている構成によって限定されることはない。
図1は、カメラ本体に装着されたレンズカバーの収縮状態を示す斜視図である。図2は、カメラ本体に装着されたレンズカバーの伸長状態を示す斜視図である。図3は、カメラ本体とレンズカバーとの分解斜視図である。なお、以後の説明においては、カメラ本体に装着されたレンズ鏡筒(交換レンズ)が臨む方向、すなわち、撮影方向を「前方(正面側)」とし、その反対側を「後方(背面側)」とする。また、カメラ本体の鉛直上側を「上」とし、鉛直下側を「下」とする。
図1~図3に示すカメラ本体100は、画像の撮像が可能な撮像装置である。カメラ本体100は、開口部を除いて筐体が防水構造を有している。防水構造としては、従来より種々の電子機器の筐体に用いられている周知の構造を採用することができる。カメラ本体100は、その前方に設けられたリング状のレンズマウント101と、レンズマウント101の外周側に設けられたリング状のレンズカバーマウント102とを有する。レンズマウント101には、レンズ鏡筒(交換レンズ)A200が着脱可能に装着される。以下では、レンズマウント101にレンズ鏡筒A200が装着された状態を「レンズ装着状態」と言う。なお、レンズ装着状態とする構成としては、特に限定されないが、例えば、本実施形態では、レンズマウント101に対して、レンズ鏡筒A200をカメラ本体100(レンズ鏡筒A200)の光軸O100回りに回動させて固定するバヨネット式となっている。
レンズカバーマウント102は、レンズマウント101と同心的に配置されている。このレンズカバーマウント102には、レンズカバー400が着脱可能に装着される。以下では、レンズカバーマウント102にレンズカバー400が装着された状態を「カバー装着状態」と言う。レンズカバー400は、レンズ装着状態にあるレンズ鏡筒A200を収納する部材である。これにより、カバー装着状態で交換レンズを保護することができる。なお、カバー装着状態とする構成としては、特に限定されないが、例えば、本実施形態では、レンズカバーマウント102に対して、レンズカバー400を光軸O100回りに回動させて固定するバヨネット式となっている。
図3に示すように、レンズ鏡筒A200は、固定鏡筒部201、可動鏡筒部202、ズームリング203を有する。また、レンズ鏡筒A200には、少なくとも1つのレンズ(図示せず)が配置されている。固定鏡筒部201は、レンズマウント101に着脱可能に挿入され、固定される筒状の部材である。固定鏡筒部201の内周部には、可動鏡筒部202が嵌合している。可動鏡筒部202は、固定鏡筒部201に対して光軸O100方向に沿って摺動可能な筒状の部材である。固定鏡筒部201の外周部には、ズームリング203が嵌合している。ズームリング203は、固定鏡筒部201に対して光軸O100回りに回動可能な円環状の部材である。ズームリング203を回転操作することにより、可動鏡筒部202および前記レンズを、光軸O100方向に沿って前後に駆動させることができる。これにより、ズーム調整が行われる。可動鏡筒部202が最も後退した位置(W端)では、最も小さなズーム率が設定される。可動鏡筒部202が最も前進した位置(T端)では、最も大きなズーム率が設定される。なお、ズームリング203の回転操作に伴う可動鏡筒部202の前後の駆動により、レンズ鏡筒A200の全長が変化する、すなわち、レンズ鏡筒A200が伸縮する。また、ズームリング203には、アジャストリング300が係合する。
アジャストリング300は、全体形状が円環状をなし、その内側でズームリング203と係合する係合部材である。レンズ鏡筒A200のズームリング203と、後述するレンズ鏡筒B250ズームリング253とは、互いに、例えば位置や外径等が異なるものである。すなわち、ズームリングは、レンズ鏡筒毎に位置や外径等が異なる。アジャストリング300は、このようなズームリングの位置や外径等に関わらず、当該ズームリングと係合することができる。
図4は、レンズカバーの分解斜視図である。図5は、図2中のA-A線断面図である。レンズカバー400は、カメラ本体100に装着されたレンズ鏡筒A200と、レンズ鏡筒A200のズームリング203に係合するアジャストリング300とを収容可能な円筒状のケース体である。図4、図5に示すように、レンズカバー400は、固定筒部材(第1筒状部材)401、可動筒部材(第2筒状部材)410、フィルタカバー(前面カバー部材)430を有する。
固定筒部材401は、円筒状(筒状)の部材で構成され、その後端部にレンズカバー側マウント部402を有する。前述したように、本実施形態では、カバー装着状態とする構成が、レンズカバーマウント102に対して、レンズカバー400を光軸O100回りに回動させて固定するバヨネット式となっている。従って、レンズカバー側マウント部402は、バヨネット式に適用する構成となっている。これにより、固定筒部材401(レンズカバー400)は、当該固定筒部材401を光軸O100回りに回転することにより、レンズカバーマウント102を介して、カメラ本体100に着脱自在に固定されるよう構成される。
図5に示すように、固定筒部材401のレンズカバー側マウント部402と、カメラ本体100のレンズカバーマウント102との間には、第1封止部としてのOリング408がこれら部材と同心的に設けられている。Oリング408は、例えばシリコーンゴム等の弾性材料で構成されており、レンズカバー側マウント部402とのレンズカバーマウント102との間で光軸O100方向に圧縮されている。これにより、レンズカバー側マウント部402とのレンズカバーマウント102との間が液密的に封止され、よって、これらの間から雨水等の液体が浸入するのを防止することができる。
可動筒部材410は、円筒状(筒状)の部材で構成され、固定筒部材401の内側に、当該固定筒部材401と同心的に配置されている。可動筒部材410は、固定筒部材401の前方開口部403から挿入されており、光軸O100方向に沿って移動する。また、可動筒部材410は、光軸O100方向に沿って移動するときには、固定筒部材401の内周部を摺動する。これにより、可動筒部材410は、光軸O100方向に沿って安定して移動することができる。また、可動筒部材410の移動により、レンズカバー400の全長が変化する、すなわち、レンズカバー400が伸縮する。
図4、図5に示すように、固定筒部材401および可動筒部材410のうち、固定筒部材401(一方)の内周部には、少なくとも1つのガイド溝(第1ガイド溝)404が光軸O100に沿って形成されている。また、可動筒部材410(他方)の外周部の後端部には、ガイド溝404に案内される突出部(第1突出部)413が円柱状に突出して形成されている。ガイド溝404の形成数は、本実施形態では、3つである。これら3つのガイド溝404は、固定筒部材401の周方向に沿って等間隔に配置されている。なお、ガイド溝404の形成数は、3つに限定されず、例えば、1つ、2つまたは4つ以上であってもよい。また、各ガイド溝404には、突出部413が挿入されて、摺動することができる。従って、本実施形態では、突出部413の形成数は、ガイド溝404の形成数と同じ、すなわち、3つである。そして、レンズカバー400では、各ガイド溝404上を突出部413が相対的に摺動して、案内される。これにより、可動筒部材410は、固定筒部材401に対して、光軸O100回りの回転が規制されるとともに、光軸O100方向に沿って安定して移動することができる。このように、ガイド溝404と突出部413とは、固定筒部材401に対して、可動筒部材410の光軸O100回りの回転を規制するとともに、可動筒部材410を光軸O100方向に沿って移動可能に支持する支持部440として機能する。なお、本実施形態では、ガイド溝404は、固定筒部材401の内周部に形成され、突出部413は、可動筒部材410の外周部に形成されているが、これに限定されない。例えば、ガイド溝404が可動筒部材410の外周部に形成され、突出部413が固定筒部材401の内周部に形成されていてもよい。
固定筒部材401の内周部と可動筒部材410の外周部との間には、第2封止部としてのOリング405およびダストシール406がこれらの筒部材と同心的に設けられている。本実施形態では、Oリング405がダストシール406よりも後方に配置されている。そして、Oリング405およびダストシール406は、固定筒部材401と可動筒部材410との間で径方向、すなわち、光軸O100と直交する方向に圧縮されている。これにより、固定筒部材401と可動筒部材410との間が液密的に封止され、よって、これらの間から雨水等の液体が浸入するのを防止することができる。
可動筒部材410の前側には、フィルタカバー430が設けられている。フィルタカバー430は、透明性を有する透明フィルタ(透明部)420と、第3封止部としてのシール部材421と、円環状の枠体422と、を有する。透明フィルタ420は、円盤状をなし、枠体422の内側に支持、固定されている。枠体422は、可動筒部材410の外周部の前端部に形成された雄ねじ部412と螺合する雌ねじ部(不図示)を有する。そして、この螺合により、枠体422(フィルタカバー430)は、可動筒部材410の開口部411に固定される。また、このとき、透明フィルタ420がレンズ鏡筒A200を前側から覆う。これにより、撮像時にレンズ鏡筒A200に入射する可視光が透明フィルタ420を透過可能となる。シール部材421は、枠体422と可動筒部材410との間に設けられている。シール部材421は、微細なセル構造を有するクッション部材であり、枠体422と可動筒部材410との間で光軸O100方向に圧縮されている。これにより、枠体422と可動筒部材410との間が液密的に封止され、よって、これらの間から液体が浸入するのを防止することができる。なお、シール部材421としては、本実施形態ではクッション部材を用いているが、これに限定されず、例えば、Oリング等のシーリング部材を用いてもよい。
前述したように、レンズカバー400では、第1封止部としてのOリング408によって、固定筒部材401とカメラ本体100との間の防水性が図られている。また、第2封止部としてのOリング405およびダストシール406によって、固定筒部材401と可動筒部材410との間の防水性が図られている。また、第3封止部としてのシール部材421によって、フィルタカバー430と可動筒部材410との間の防水性が図られている。レンズ鏡筒A200が防水構造を有しないものであったとしても、このような防水性により、レンズ鏡筒A200を雨水等の液体から保護することができる。なお、レンズカバー400は、本実施形態では第1封止部~第3封止部による防水性を有しているが、これに限定されず、第1封止部~第3封止部が省略されていてもよい。
図6は、図2中のB-B線断面図である。図6におけるB-B線断面は、アジャストリング300の突出部311の円中心と光軸を結んだ面である。図7は、第2ガイド溝上を第2突出部が相対的に移動する過程を示す平面展開図である。図8は、レンズカバーをカメラ本体に装着する状態を示す斜視図である。
図6に示すように、可動筒部材410の内側には、可動筒部材410と別体として構成されたアジャストリング300が設けられている。可動筒部材410およびアジャストリング300のうち、可動筒部材410(一方の部材)の内周部には、ガイド溝(第2ガイド溝)414が形成されている。また、アジャストリング300(他方の部材)の外周部には、ガイド溝414に案内される突出部(第2突出部)311が円柱状に突出して形成されている。ガイド溝414の形成数は、本実施形態では、3つである。これら3つのガイド溝414は、可動筒部材410の周方向に沿って等間隔に配置されている。なお、ガイド溝414の形成数は、3つに限定されず、例えば、1つ、2つまたは4つ以上であってもよい。また、各ガイド溝414には、突出部311が挿入されて、摺動することができる。従って、本実施形態では、突出部311の形成数は、ガイド溝414の形成数と同じ、すなわち、3つである。なお、本実施形態では、ガイド溝414は、可動筒部材410の内周部に形成され、突出部311は、アジャストリング300の外周部に形成されているが、これに限定されない。例えば、ガイド溝414がアジャストリング300の外周部に形成され、突出部311が可動筒部材410の内周部に形成されていてもよい。
図7に示すように、ガイド溝414は、第1ガイド溝(軸方向溝)414a、第2ガイド溝(周方向溝)414b、第3ガイド溝(傾斜溝)414cを有する。第1ガイド溝414aは、光軸O100方向に沿って形成され、可動筒部材410の後端面416に開放する縦溝である。第2ガイド溝414bは、可動筒部材410の周方向に沿って形成された横溝である。第3ガイド溝414cは、光軸O100に対して傾斜して形成された傾斜溝である。第3ガイド溝414cよりも後方に、第1ガイド溝414aが配置されている。また、第3ガイド溝414cと第1ガイド溝414aとの間に第2ガイド溝414bが配置されている。そして、第3ガイド溝414cと第1ガイド溝414aとは、第2ガイド溝414bを介して、互いに連通する。
ここで、レンズカバー400を装着するまでの過程について説明する。レンズカバー400を装着する際には、まず、図8に示すように、カメラ本体100にレンズ鏡筒A200を装着したレンズ装着状態とする。次いで、アジャストリング300をレンズ鏡筒A200に挿入して、アジャストリング300とレンズ鏡筒A200のズームリング203とを係合させる。これにより、ズームリング203にアジャストリング300が装着された状態となる。そして、アジャストリング300をズームリング203ごと回転操作して、レンズ鏡筒A200におけるズーム位置を可動鏡筒部202が最も前進したT端位置の状態に設定しておく。また、レンズカバー400も最も伸長した状態としておく。
次いで、レンズカバー400をレンズ鏡筒A200とアジャストリング300とに挿入する。この挿入過程で、アジャストリング300の突出部311が、レンズカバー400(可動筒部材410)の第1ガイド溝414aに後方から挿入される直前の位置311aに位置する。さらに、レンズカバー400を後方に押し込んでいくと、レンズカバー400がカメラ本体100のレンズカバーマウント102に突き当たる。また、このレンズカバー400の押し込み過程では、突出部311は、第1ガイド溝414aを摺動して、位置311bで止まる。位置311bは、第1ガイド溝414aと第2ガイド溝414bとの交差部である。
次いで、レンズカバー400の固定筒部材401を、正面から見て時計回りに回転させて、固定筒部材401のレンズカバー側マウント部402をカメラ本体100のレンズカバーマウント102に固定する。なお、前述したように、この固定はバヨネットによる。これにより、レンズカバー400がカメラ本体100に装着されたカバー装着状態となる。このカバー装着状態は、図2に示す状態である。また、固定筒部材401の回転過程では、突出部311は、第2ガイド溝414bを摺動して、位置311bから位置311cまで移動する。位置311cは、第2ガイド溝414bと第3ガイド溝414cとの交差部である。
図2に示す状態から可動筒部材410を後方に移動させると、この移動に伴って、突出部311が第3ガイド溝414cを摺動して、位置311cから位置311dまで移動する。これにより、可動筒部材410の光軸O100方向に沿って移動した直進運動が、第3ガイド溝414cの傾斜形状により、アジャストリング300とズームリング203を回転させる回転運動に変換される。これにより、アジャストリング300は、正面から見て光軸O100を中心に反時計回り(図7中矢印A方向)に、ズームリング203とともに回転することとなる。これにより、レンズ鏡筒A200におけるズーム位置を可動鏡筒部202が最も後退したW端位置まで変更することができる。また、突出部311が位置311dまで移動すると、可動筒部材410の移動が終了して、レンズカバー400は、図1に示す状態になる。
また、突出部311が第3ガイド溝414cの位置311cから位置311dまで周方向に移動する移動量A1、すなわち、第3ガイド溝414cの可動筒部材410の周方向に沿った長さは、ズームリング203の最大回転量と同じである。これにより、ズームリング203の回転が終了すると、ズーム位置はW端位置の状態となる。突出部311が第3ガイド溝414cの位置311cから位置311dまで光軸O100方向に移動する距離L1(第3ガイド溝414cの光軸O100方向に沿った長さ)は、レンズ鏡筒A200の可動鏡筒部202の最大移動量と同等かそれ以下である。これにより、可動鏡筒部202が最も後退した位置で、レンズ鏡筒A200先端にレンズカバー400のフィルタカバー430(透明フィルタ420)が衝突するのが防止される。ここで、図1に示す状態から可動筒部材410を前方に移動させた際には、この移動に伴って、突出部311が第3ガイド溝414cを摺動する。これにより、アジャストリング300は、正面から見て光軸O100を中心に時計方向(図7中矢印B方向)に回転する。また、アジャストリング300の回転に伴って、レンズ鏡筒A200のズームリング203も回転するため、レンズ鏡筒A200のズーム位置は、W端位置からT端位置に向かう方向へ遷移する。このように、可動筒部材410に指をかけて、可動筒部材410を光軸O100方向に押したり引いたりすることにより、アジャストリング300がズームリング203とともに回転して、レンズ鏡筒A200のズーム調整を行うことができる。また、第2ガイド溝414bの周方向に沿った長さは、固定筒部材401がカメラ本体100に固定される際の固定筒部材401の回転量と同じである。これにより、固定筒部材401をカメラ本体100に過不足なく締め込んで固定することができるとともに、この固定が完了したときに、突出部311を第2ガイド溝414bの位置311cに正確に位置させることができる。
レンズカバー400をカメラ本体1から離脱させる際には、まず、前記とは反対に、可動筒部材410を前方に移動させる。この移動に伴って、突出部311は、第3ガイド溝414cを摺動して、位置311dから位置311cまで移動する。また、このとき、レンズ鏡筒A200におけるズーム位置は、可動鏡筒部202が最も前進したT端位置となる。
次いで、レンズカバー400の固定筒部材401を、正面から見て反時計回りに回転させて、固定筒部材401のレンズカバー側マウント部402とカメラ本体100のレンズカバーマウント102との固定を解除する。また、固定筒部材401の回転過程では、突出部311は、第2ガイド溝414bを摺動して、位置311cから位置311bまで移動する。そして、このままレンズカバー400を前方に移動させることにより、レンズカバー400をカメラ本体100から離間させることができる。これにより、カメラ本体1からのレンズカバー400の離脱が完了する。また、レンズカバー400の移動過程では、突出部311は、第1ガイド溝414aを摺動して、位置311bから位置311aまで移動する。
以上のように、ガイド溝414と突出部311とは、可動筒部材410が光軸O100方向に沿って移動したときに、その移動方向の運動を、ズームリング203を回転させる回転運動に変換する変換部450として機能する。これにより、可動筒部材410を光軸O100方向に沿って移動させるという簡単な構成で、ズームリング203を容易に回転操作することができる。また、レンズカバー400では、ズームリング203を回転させるアジャストリング300は、可動鏡筒部202内に配置されており、外部に露出していない。これにより、アジャストリング300に防水性を付与するため構成を省略することができ、その分、レンズカバー400の構成が簡単となるとともに、レンズカバー400の小型化(小径化)が可能となる。
図8に示すように、可動筒部材410の外周部の上部には、ズーム調整の程度を示すズーム指標415が付されている。ズーム指標415は、W端位置、T端位置、各ズーム倍率の位置をユーザが把握可能なように、線等の複数のマーカで構成されている。なお、ズーム指標415の付与方法としては、特に限定されず、例えば、刻印による方法、印刷による方法、貼付による方法等を用いることができる。また、ズーム指標415には、ズーム倍率を示す数値が含まれていてもよい。例えば、70mm~300mmのズームレンズである場合、ズーム倍率を示す数値として、70~300までの主だった数値がマーカとともに付与されていてよい。また、固定筒部材401の前方開口部403の上部には、指示凸部407が形成されている。指示凸部407は、可動筒部材410の位置に応じて、いずれかのズーム指標415(マーカ)と隣り合う。例えば、図8に示すように、T端位置においては、指示凸部407は、T端位置を示すズーム指標415と隣り合う。これにより、ユーザは、レンズカバー400におけるズーム調整の程度を把握することができる。
次に、光学全長やズーム倍率が異なるレンズ鏡筒をカメラ本体100に装着した場合について、図9、図10を参照して説明する。カメラ本体100に装着されるレンズ鏡筒は、前述したレンズ鏡筒A200と、レンズ鏡筒A200とズーム倍率および光学全長が異なるレンズ鏡筒B250である。また、レンズ鏡筒B250は、ズームリング253を有する。このズームリング253の光軸O100方向の位置も、レンズ鏡筒A200のズームリング203の光軸O100方向の位置とは異なる。図9は、2種類のレンズ鏡筒をそれぞれ撮像装置に装着した場合のズーム位置でのレンズカバーの状態を示す縦断面図である。図9(a)は、レンズ鏡筒A200をカメラ本体100に装着した場合のT端位置でのレンズカバー400の状態を示す。図9(b)は、図9(a)に示す状態からW端位置にズーム位置が遷移したときのレンズカバー400の状態を示す。図9(c)は、レンズ鏡筒B250をカメラ本体100に装着した場合のT端位置でのレンズカバー400の状態を示す。図9(d)は、図9(c)に示す状態からW端位置にズーム位置が遷移したときのレンズカバー400の状態を示す。図10は、第2ガイド溝上を第2突出部が相対的に移動する過程を示す平面展開図である。この図10は、レンズ鏡筒B250をカメラ本体100に装着した場合の図である。
前述したように、レンズ鏡筒A200のズームリング203と、レンズ鏡筒B250のズームリング253とは、光軸O100方向の位置が互いに異なる。そして、図9(a)に示す状態と、図9(c)に示す状態とを比較すると、図9(a)に示す状態のアジャストリング300よりも、図9(c)に示す状態のアジャストリング300の方が距離L3だけ後方に位置している。このような位置関係となる場合、レンズ鏡筒B250が装着されているカメラ本体100にレンズカバー400を装着する際には、アジャストリング300の突出部311は、可動筒部材410の第1ガイド溝414aを摺動する。このとき、図10に示すように、突出部311は、位置311aから位置311eまで移動する。さらに可動筒部材410を後方に距離L3だけ移動させると、突出部311は、第1ガイド溝414aの位置311eから位置311bまで移動する。この状態で、レンズカバー400を光軸O100回りに回転させて、レンズカバー400の固定筒部材401をカメラ本体100のレンズカバーマウント102に固定することができる。レンズカバー400の回転過程では、突出部311は、第2ガイド溝414bを摺動して、位置311bから位置311cまで移動する。これにより、レンズカバー400のカメラ本体100への装着が完了して、図9(c)に示す状態になる。
図9(c)の状態から可動筒部材410を後方に移動させると、この移動に伴って、突出部311は、第3ガイド溝414cを摺動して、位置311cから位置311dまで移動する。このとき、レンズ鏡筒B250のズーム位置がW端位置となり、レンズカバー400は、図9(d)に示す状態となる。また、可動筒部材410は、距離L1、すなわち、第3ガイド溝414cの光軸O100方向に沿った長さだけ移動したことになる(図9(c)、(d)参照)。ここで、可動筒部材410の突出部413が固定筒部材401のガイド溝404を移動可能な距離、すなわち、ガイド溝404の光軸O100方向に沿った長さを「L2」とする。この距離L2は、距離L1よりも長い。具体的は、距離L2≧距離L1+距離L3となる関係を満足する。これにより、突出部311が位置301dに移動する前に、可動筒部材410の移動が止まるのが防止される。また、距離L1は、レンズ鏡筒B250の可動鏡筒部252の移動量と同じかまたはそれよりも小さい大きさである。これにより、可動鏡筒部252が最も後退した位置でレンズ鏡筒B250先端にレンズカバー400のフィルタカバー430(透明フィルタ420)が衝突するのを防止することができる。また、前述したように、レンズ鏡筒A200とレンズ鏡筒B250とは、光学全長が異なる。従って、レンズ鏡筒A200の先端から透明フィルタ420までの距離(図9(a)、(b)参照)と、レンズ鏡筒B250の先端から透明フィルタ420までの距離(図9(c)、(d)参照)とを比較すると、前者の距離よりも、後者の距離の方が長い。このため、レンズ鏡筒B250がレンズ鏡筒A200よりも後方に退避した(引っ込んだ)状態となり、その分、レンズ鏡筒B250に入射する光が遮られるおそれが考えられる。しかしながら、可動筒部材410の径が十分に大きく確保されているため、レンズ鏡筒B250に入射する光が遮られるのが防止される。これにより、例えば、撮影画像にケラレが生じるのを防止することができる。
図9(b)に示すように、光学全長の長いレンズ鏡筒A200にレンズカバー400を用いた場合には、ズーム位置がW端位置となったときに、可動筒部材410の突出部413と固定筒部材401のガイド溝404の後端との間に遊び(余裕)がある。一方、図9(c)に示すように、光学全長の短いレンズ鏡筒B250にレンズカバー400を用いた場合は、ズーム位置がT端位置となったときに、可動筒部材410の突出部413と固定筒部材401のガイド溝404の前端との間に遊び(余裕)がある。従って、固定筒部材401のガイド溝404の距離L2は、ズーム調整時に可動筒部材410が移動する距離L1よりも長く設定されている。これにより、レンズカバー400、1つで、カメラ本体100に装着される、種々のレンズ鏡筒A200やレンズ鏡筒B250に対応可能(使用可能)となっている。
次に、アジャストリング300の係合機構(レンズリング把持機構)について、図11~図13を参照して説明する。図11は、アジャストリングを前方から見たときの分解斜視図である。図12は、アジャストリングを後方から見たときの分解斜視図である。図13は、アジャストリングの係合機構の作動状態を示す背面図である。図13(a)は、アジャストリング300が未だズームリングと係合していない状態を示す。図13(b)は、アジャストリング300がレンズ鏡筒A200のズームリング203と係合している状態を示す。図13(c)は、レンズ鏡筒B250のズームリング253と係合している状態を示す。図13(d)は、アジャストリング300が適応可能な最小限界のズームリング260と係合している状態を示す。なお、図13では、係合機構の理解を容易にするために、リングカバー340を省略している。図11、図12に示すように、アジャストリング300は、リングベース310、右アーム320、左アーム330、リングカバー340、操作ユニット350、アーム摺動軸360、ねじ370を有する。
リングベース310は、円環状をなす中空体で構成され、右アーム320、左アーム330、操作ユニット350、アーム摺動軸360を収納するケース部材である。リングベース310は、その外周部に突出形成され、周方向に沿って等間隔に配置された3つの突出部311を有する。リングベース310の外周部には、3つの突出部311のうちの2つの突出部311の間(本実施形態では外周部の上部)に、凹部312が形成されている。この凹部312の底部には、操作ユニット350の操作ノブ351が露出する孔部313が貫通して形成されている。リングベース310の中空部には、右アーム320と左アーム330とが摺動する摺動リブ314と、右アーム320と左アーム330とが突き当たる突き当てリブ318とが突出して形成されている。また、右アーム320と左アーム330と操作ユニット350を支持する支持部315と、アーム摺動軸360を支持する軸支持部316と、ねじ370が螺合するボス部317とが突出して形成されている。リングベース310の中空部は、右アーム320、左アーム330、操作ユニット350、アーム摺動軸360を収納した状態で、リングカバー340で塞がれる。
リングカバー340は、円環状をなす板部材である。リングカバー340の外周部には、凹部341が形成されている。リングベース310をリングカバー340で塞ぐ際には、リングベース310の凹部312と、リングカバー340の凹部341とを合わせる。また、リングカバー340には、ねじ370のねじ部が挿通する貫通孔346が形成される。そして、各貫通孔346を挿通したねじ370と、リングカバー340のボス部317とが螺合することにより、リングベース310をリングカバー340に固定することができる。リングカバー340の前面には、右アーム320と左アーム330とが摺動する摺動リブ342が突出して形成される。また、リングカバー340の前面には、支持部315からの操作ユニット350の離脱を防止する抜け防止リブ343および344と、軸支持部316からのアーム摺動軸360の離脱を防止する抜け防止リブ345とが突出して形成される。
操作ユニット350は、ズームリング203の外径の大きさに応じて、右アーム320と左アーム330との間隔を調整操作する調整操作部(調整部)である。図11、図12に示すように、操作ユニット350は、操作ノブ351、伝達部352、右ウォーム部353、左ウォーム部354を有する。操作ノブ351は、円環状をなし、アジャストリング300の光軸O100と直交する方向と平行な軸回りに回転する。この回転方向に応じて、右アーム320と左アーム330とが互いに接近したり、離間したりする。右ウォーム部353と左ウォーム部354とは、操作ノブ351を介して、互いに反対側に配置されている。右ウォーム部353は、右ねじれのウォームを有し、左ウォーム部354は、左ねじれのウォームを有する。伝達部352は、操作ノブ351と右ウォーム部353との間と、操作ノブ351と左ウォーム部354との間とにそれぞれ配置されている。そして、一方の伝達部352は、操作ノブ351の回転力を右ウォーム部353に伝達し、他方の伝達部352は、操作ノブ351の回転力を左ウォーム部354に伝達する。
操作ノブ351は、その一部が孔部313から突出している。これにより、操作ノブ351を回転操作することができる。なお、操作ノブ351の孔部313からの突出量は、操作ノブ351がリングベース310の最大外径から突出しない程度である。すなわち、操作ノブ351の孔部313から突出している部分は、リングベース310の最大外径からは、はみ出さない。これにより、アジャストリング300の回転操作時に、操作ノブ351に触れにくくなり、よって、操作ノブ351の誤操作を防止することができる。操作ノブ351の一方の側面には、キー溝を有する穴351aが形成され、操作ノブ351の他方の側面には、キー溝を有する穴351bが形成されている。穴351aには、一方の伝達部352に形成され、キーを有する突出部352aが挿入される。穴351bには、他方の伝達部352に形成され、キーを有する突出部352aが挿入される。図12に示すように、リングベース310は、左右に貫通する孔形状313aを有する。操作ノブ351を孔部313に配置した後、孔形状313aの左右に各伝達部352を挿入することができる。そして、穴351a、穴351bにそれぞれ伝達部352の突出部352aを嵌合させることができる。これにより、操作ノブ351と各伝達部352とを連結することができる。
各伝達部352の突出部352aの反対側には、後方に開放する溝352bが形成されている。一方の伝達部352の溝352bには、右ウォーム部353の軸部353aを後方から挿入することができる。これにより、一方の伝達部352と右ウォーム部353とを連結することができる。他方の伝達部352の溝352bには、左ウォーム部354の軸部354aを後方から挿入することができる。これにより、他方の伝達部352と左ウォーム部354とを連結することができる。右ウォーム部353の軸部353aと反対側の端部には、軸部353bが形成されている。また、左ウォーム部354の軸部354aと反対側の端部には、軸部354bが形成されている。軸部353bおよび軸部354bは、それぞれ、リングベース310の支持部315に後方から挿入されて、当該支持部315と嵌合する。これにより、操作ノブ351の回転に伴って、右ウォーム部353および左ウォーム部354が回転可能となる。
右アーム320と左アーム330とは、ズームリング203を光軸O100と直交する方向に挟持する一対の挟持片(挟持部)である。右アーム320と左アーム330とは、光軸O100と直交する方向に互いに接近、離間可能である。右アーム320と左アーム330との間隔は、操作ユニット350の操作ノブ351を回転操作することにより調節可能である。これにより、ズームリング203の外径の大きさに応じて、右アーム320と左アーム330との間隔を調整して、当該右アーム320と左アーム330との間でズームリング203を挟持することができる。なお、操作ユニット350は、本実施形態ではウォームによる右アーム320と左アーム330との位置調整であるが、これに限定されず、例えば、バネによる右アーム320と左アーム330との位置調整であってもよい。
右アーム320および左アーム330は、それぞれ、リングベース310の周方向に弓なり状に湾曲している。右アーム320の操作ユニット350側の端部には、右ウォーム部353と噛み合うはす歯321が形成されている。右アーム320のはす歯321と反対側の端部には、アーム摺動軸360が挿通する摺動孔322が形成されている。左アーム330の操作ユニット350側の端部には、左ウォーム部354と噛み合うはす歯331が形成されている。左アーム330のはす歯331と反対側の端部には、アーム摺動軸360が挿通する摺動孔332が形成されている。
右アーム320の長手方向の中央部には、光軸O100側に臨み、光軸O100に略平行な平面を有する当接部323が設けられている。左アーム330の長手方向の中央部には、光軸O100側に臨み、光軸O100に略平行な平面を有する当接部333が設けられている。当接部323および当接部333は、右アーム320と左アーム330との間でズームリング203を挟持するときに、ズームリング203の外周部が当接する。当接部323および当接部333は、例えば、ゴム等の弾性部材で構成された板材またはシート材である。これにより、アジャストリング300がズームリング203を回転させるときに、当接部323および当接部333とズームリング203との間の摩擦力を容易に生じさせることができる。この摩擦力により、アジャストリング300とズームリング203とが十分に係合して、ズームリング203の空回りを防止することができる。また、当接部323および当接部333が弾性部材で構成されていることにより、ズームリング203の外径の大きさに関わらず、当接部323および当接部333のズームリング203との当接面積(接触面積)をできる限り広く確保することができる。これは、アジャストリング300とズームリング203との係合に寄与する。また、当接部323が右アーム320に設置される面と、当接部333が左アーム330に設置される面とは、それぞれ、平面である。これにより、当接部323を右アーム320に安定して設置することができるとともに、当接部333を左アーム330に安定して設置することができる。なお、当接部323および当接部333は、本実施形態では光軸O100側に臨む面が平面であるが、これに限定されず、湾曲面であってもよい。また、当接部323および当接部333は、光軸O100側に臨む平面に粗面加工が施されていてもよい。これにより、アジャストリング300とズームリング203とのより強固な係合に寄与する。
また、右アーム320は、前方面に形成され、リングベース310の摺動リブ314を摺動する第1摺動溝324と、後方面に形成され、リングカバー340の摺動リブ342を摺動する第2摺動溝325とを有する。左アーム330は、前方面に形成され、リングベース310の摺動リブ314を摺動する第1摺動溝334を、後方面に形成され、リングカバー340の摺動リブ342を摺動する第2摺動溝335を有する。これにより、右アーム320と左アーム330とは、安定して、接近、離間可能となる。
図13(a)に示す状態では、右アーム320は、右ウォーム部353の図中左側に位置し、左アーム330は、左ウォーム部354の図中右側に位置している。また、右アーム320は、図中側の軸支持部316に当接し、左アーム330は、図中右側の軸支持部316に当接している。このとき、右アーム320と左アーム330とは、互いに最も離間した状態となる。図13(a)に示す状態から、操作ノブ351を後方(図中手前方向)に回転操作させると、右ウォーム部353と左ウォーム部354とがそれぞれ回転する。これにより、右アーム320と左アーム330とは、光軸O100側に向かって移動する。なお、図13(a)に示す状態から、操作ノブ351を前方(図中奥方向)に回転操作しようとしても、前述したように右アーム320および左アーム330が軸支持部316に当接しているため、それ以上の回転操作が規制される。
そして、右アーム320と左アーム330との間にレンズ鏡筒A200のズームリング203を配置した状態で操作ノブ351を後方に回転させる。これにより、右アーム320の当接部323と左アーム330の当接部333とがズームリング203の外周部に当接して、図13(b)に示す状態となる。ここで、さらに操作ノブ351を後方に回転させようとすると、右アーム320は、当接部323を支点として、左アーム330側に傾き、左アーム330は、当接部333を支点として、右アーム320側に傾く。この場合、ズームリング203に過剰な挟持力(負荷)が作用するおそれがあるが、右アーム320と左アーム330とは、下端部がアーム摺動軸360上を摺動することにより、過剰な挟持力の作用を軽減することができる。なお、右アーム320と左アーム330とは、本実施形態では下端部が摺動可能に支持された構成となっているが、これに限定されず、下端部が固定された固定端となっていてもよいし、自由端となっていてもよい。
ここで、一般的に、ウォームとはす歯とが噛み合うウォームギア機構は、セルフロック(自動しまり)を有することが知られている。従って、はす歯側からウォームを回転させることは困難である。これにより、アジャストリング300では、操作ノブ351の回転操作でしか、右アーム320と左アーム330を回転させることができない。これにより、アジャストリング300は、新たにロック機構を設けるのを省略しても、ズームリング203の挟持状態(係合状態)を十分に維持することができる。この挟持状態で、アジャストリング300を光軸O100回りに回転させることにより、ズームリング203を安定して回転させることができる。また、挟持状態の解除は、図13(b)に示す状態から操作ノブ351を前方(図中奥方向)に回転操作して、右アーム320と左アーム330と互いに離間させることにより可能である。
また、レンズ鏡筒B250のズームリング253を挟持する場合も同様に、右アーム320と左アーム330との間にズームリング253を配置した状態で操作ノブ351を後方に回転させる。これにより、図13(c)に示すように、右アーム320の当接部323と左アーム330の当接部333とがズームリング253の外周部に当接する。これにより、ズームリング253を挟持することができる。
図13(d)に示すように、右アーム320と左アーム330とは、右アーム320のはす歯321が右ウォーム部353の図中の最も右側に位置し、左アーム330のはす歯331が左ウォーム部354の図中の最も左側に位置するまで、接近可能である。このとき、右アーム320と左アーム330とは、下端部がリングベース310の突き当てリブ318に当接するため、これ以上の操作ノブ351の回転操作が規制される。図13(d)に示すように、ズームリング260は、アジャストリング300が挟持可能な最小のものである。
このように、ズームリングの外径が異なるレンズ鏡筒にレンズカバー400を用いる場合でも、当該ズームリングをアジャストリング300で容易かつ十分に挟持することができる。これにより、ズーム操作を行うことができる。なお、右アーム320と左アーム330とは、本実施形態ではウォームギア機構によって互いに接近、離間可能に構成されているが、これに限定されず、例えば、コイルバネによって互いに接近、離間可能に構成されていてもよい。また、本実施形態では、アジャストリングが右アーム320と左アーム330とによってズームリングを挟持する構成となっているが、これに限定されない。例えば、アジャストリングが内側に突出した複数のボルトを有し、各ボルトの突出量を調整することにより、ズームリングを係合する構成となっていてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。本実施形態では、アジャストリング300をズームリング203に係合させる構成となっているが、これに限定されない。例えば、突出部を有する環状のゴムリングをレンズ鏡筒のズームリングに嵌合させて、当該突出部を可動筒部材410のガイド溝414に挿入する構成となっていてもよい。また、レンズカバーに収納されるズームレンズは、本実施形態では光学全長が変化するズームレンズであるが、これに限定されず、光学全長が変化しないズームレンズであってもよい。また、レンズカバー400は、固定筒部材401または可動筒部材410の全長および径のうちの少なくとも一方が異なるものが複数用意されていて、レンズ鏡筒の大きさ(全長または径の大きさ)に応じて、筒部材を適宜交換可能となっていてもよい。この場合、固定筒部材401と可動筒部材410とは、レンズカバー400をカメラ本体100から離脱させた状態で、容易に分解可能に構成されているのが好ましい。また、ズーム調整するためのズームリングの回転角度が種々異なるレンズ鏡筒に対しては、可動筒部材410のガイド溝414の形状を適宜変更することにより、対応が可能となる。
100 カメラ本体
203 ズームリング
253 ズームリング
300 アジャストリング
400 レンズカバー
401 固定筒部材(第1筒状部材)
410 可動筒部材(第2筒状部材)
440 支持部
450 変換部
O100 光軸

Claims (13)

  1. 画像の撮像が可能な撮像装置に装着され、ズーム調整時に前記撮像装置の光軸回りに回転操作されるズームリングを有する交換レンズを収納するレンズカバーであって、
    前記撮像装置に着脱自在に固定される筒状の第1筒状部材と、
    前記第1筒状部材と同心的に配置された筒状の第2筒状部材と、
    前記第1筒状部材に対して、前記第2筒状部材の前記光軸回りの回転を規制するとともに、前記第2筒状部材を前記光軸方向に沿って移動可能に支持する支持部と、
    前記第2筒状部材が前記光軸方向に沿って移動したときの直進運動を、前記ズームリングを回転させる回転運動に変換する変換部と、を備えることを特徴とするレンズカバー。
  2. 前記支持部は、前記第1筒状部材および前記第2筒状部材のうちの一方に、前記光軸に沿って形成された第1ガイド溝と、他方に突出して形成され、前記第1ガイド溝に案内される第1突出部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のレンズカバー。
  3. 前記変換部は、前記第2筒状部材の内側に、該第2筒状部材と別体として設けられ、前記ズームリングに係合する係合部材と、前記第2筒状部材および前記係合部材うちの一方の部材に形成された第2ガイド溝と、他方の部材に突出して形成され、前記第2ガイド溝に案内される第2突出部と、を有し、
    前記第2ガイド溝は、前記光軸に対して傾斜して形成された傾斜溝を有することを特徴とする請求項2に記載のレンズカバー。
  4. 前記第1ガイド溝の前記光軸方向に沿った長さは、前記傾斜溝の前記光軸方向に沿った長さよりも長いことを特徴とする請求項3に記載のレンズカバー。
  5. 前記傾斜溝の前記一方の部材の周方向に沿った長さは、前記ズームリングの最大回転量と同じである請求項3または4に記載のレンズカバー。
  6. 前記第2ガイド溝は、前記傾斜溝よりも前記撮像装置の側に前記光軸方向に沿って形成された軸方向溝と、前記傾斜溝と軸方向溝との間に前記一方の部材の周方向に沿って形成され、前記傾斜溝と前記軸方向溝とに連通する周方向溝と、を有することを特徴とする請求項3乃至5のうちの何れか1項に記載のレンズカバー。
  7. 前記第1筒状部材は、前記光軸回りに回転することにより、前記撮像装置に固定されるよう構成されており、
    前記周方向溝の前記周方向に沿った長さは、前記第1筒状部材が前記撮像装置に固定される際の前記第1筒状部材の回転量と同じであることを特徴とする請求項6に記載のレンズカバー。
  8. 前記係合部材は、前記ズームリングを前記光軸と直交する方向に挟持する挟持部を有することを特徴とする請求項3乃至7のうちの何れか1項に記載のレンズカバー。
  9. 前記挟持部は、前記光軸と直交する方向に互いに接近、離間可能な一対の挟持片で構成され、
    前記係合部材は、前記ズームリングの外径の大きさに応じて、前記挟持片同士の間隔を調整する調整部を有することを特徴とする請求項8に記載のレンズカバー。
  10. 前記第2筒状部材は、前記光軸方向に沿って移動するときには、前記第1筒状部材の内側で摺動することを特徴とする請求項1乃至9のうちの何れか1項に記載のレンズカバー。
  11. 前記第2筒状部材には、前記ズーム調整の程度を示すマーカが付されていることを特徴とする請求項1乃至10のうちの何れか1項に記載のレンズカバー。
  12. 前記第1筒状部材と前記撮像装置との間、前記第1筒状部材と前記第2筒状部材との間には、それぞれ、該各間を封止する封止部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至11のうちの何れか1項に記載のレンズカバー。
  13. 前記交換レンズを前側から覆う透明な透明部を有し、前記第2筒状部材に固定される前面カバー部材を備え、
    前記前面カバー部材と前記第2筒状部材の間には、該間を封止する封止部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至12のうちの何れか1項に記載のレンズカバー。
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