JP2023110359A - 建設機械の駆動制御装置及びこれを備えた建設機械 - Google Patents

建設機械の駆動制御装置及びこれを備えた建設機械 Download PDF

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Abstract

【課題】整地作業において施工面が目標整地角度に整地されるように作業装置を動作させることが可能な駆動制御装置及びこれを備えた建設機械を提供する。【解決手段】建設機械10の駆動制御装置は、作業装置13の動作を制御するコントローラ50を備え、コントローラ50は、作業装置13が行う整地作業における整地角度の目標である目標整地角度θを設定し、回動部材20の重心の速度である回動部材重心速度を演算し、回動部材重心速度と目標整地角度θとを用いて作業装置13全体の合成重心gの速度の目標である目標速度を演算し、合成重心gの実際の速度を目標速度に近づけるようにブーム14の動作を制御する。【選択図】図5

Description

本開示は、建設機械の駆動制御装置及びこれを備えた建設機械に関するものである。
従来、建設機械として、機体と、前記機体に起伏可能に支持された作業装置とを備える油圧ショベルが知られている。油圧ショベルの作業装置は、機体に起伏可能に支持されたブームと、ブームに回動可能に支持された回動部材と、を含む。回動部材は、アームと、アームに回動可能に支持されたバケットなどの先端部材と、を含む。ブーム、アーム及び先端部材のそれぞれは、伸縮可能な油圧シリンダによって動かされる。このような油圧ショベルは、掘削作業などの種々の作業を行うことが可能である。
特許文献1は、掘削等の作業において作業効率の向上が可能となる建設機械を開示している。この建設機械の制御装置は、作業装置を構成する複数の部材の合成重心の運動状態量を測定もしくは算出し、当該運動状態量が所定の第1目標値に追従するように、前記作業装置の操作機構に対する指示値をフィードバック制御を用いて決定し、当該指示値に基づき、前記作業装置に対する操作者の操作量を調整する。
特許文献2は、掘削作業を繰り返し行う際のオペレータの負荷を軽減するための建設機械を開示している。具体的には、特許文献2には、オペレータがアームを押出方向に操作するだけでバケットを直線的に押し出すことができるため、掘削作業時のオペレータの負荷を軽減することが可能となることが記載されている。
特開2020-33815号公報 特開2021-59855号公報
ところで、油圧ショベルなどの建設機械では、作業装置の先端部材(例えばバケット)を用いて地面に対して整地作業が行われる場合がある。当該整地作業は、均し作業、底すらし作業、法面成形作業などを含む。整地作業では、整地角度の目標である目標整地角度は施工現場に応じて様々な角度に設定され、オペレータは、施工面が目標整地角度に整地されるようにブームと回動部材とを含む作業装置を動作させる必要がある。このような整地作業は非熟練者にとって容易ではないが、特許文献1には、整地作業において設定される様々な目標整地角度に応じて具体的にどのように作業装置の動作を制御するのかについては言及されていない。また、特許文献2は、掘削作業時のオペレータの負荷を軽減するための技術であり、整地作業については何ら考慮されていない。
本開示の目的は、整地作業において施工面が目標整地角度に整地されるように作業装置を動作させることが可能な駆動制御装置及びこれを備えた建設機械を提供することにある。
本開示により提供されるのは、機体と、前記機体に起伏可能に支持されたブーム及び前記ブームに回動可能に支持された回動部材を含む作業装置と、を備える建設機械の駆動制御装置であって、前記作業装置の動作を制御するコントローラを備え、前記コントローラは、前記作業装置が行う整地作業における整地角度の目標である目標整地角度を設定し、前記回動部材の重心の速度である回動部材重心速度を演算し、前記回動部材重心速度と前記目標整地角度とを用いて前記作業装置全体の合成重心の速度の目標である目標速度を演算し、前記合成重心の実際の速度を前記目標速度に近づけるように前記ブームの動作を制御する。
作業装置全体の動作は、ブームの動作に係る成分と、回動部材の動作に係る成分と、に分解することができ、施工面を目標整地角度に整地するためには、目標整地角度に応じたバランス(比率)でブームと回動部材を動作させればよい。そこで、この駆動制御装置では、コントローラは、まず、回動部材の重心の速度である回動部材重心速度を演算する。この回動部材重心速度(すなわち回動部材の動作に係る成分)に対応する作業装置全体の速度の目標は目標整地角度に応じて決まる。従って、コントローラは、回動部材重心速度と目標整地角度とを用いて作業装置全体の合成重心の速度の目標である目標速度を演算することができる。作業装置全体の合成重心の目標速度と、回動部材の動作に係る成分(すなわち回動部材重心速度)とが決まると、これらを用いてブームの動作に係る成分を演算することができる。すなわち、コントローラは、作業装置全体の合成重心の実際の速度を目標速度に近づけるようにブームの動作を制御することができる。よって、この駆動制御装置では、整地作業において施工面が目標整地角度に整地されるように作業装置を動作させることができる。
具体的には、整地作業において施工面を目標整地角度に整地するための回動部材の動作とブームの動作との比率、言い換えると、作業装置全体の動作に対して回動部材の動作が占めるべき寄与度は、目標整地角度が大きいときに比べて目標整地角度が小さいときに大きな値になる。従って、前記コントローラは、前記整地作業において前記作業装置全体の動作に対して前記回動部材の動作が占めるべき寄与度を、前記目標整地角度が大きいときに比べて前記目標整地角度が小さいときに大きな値になるように決定し、前記回動部材重心速度と前記寄与度とを用いて前記目標速度を演算することが好ましい。これにより、整地作業において施工面が目標整地角度に整地されるように作業装置を適切に動作させることができる。
前記駆動制御装置は、前記整地作業において前記回動部材が地面に加える力の強さである転圧力を調節するための入力を受ける転圧力入力器をさらに備え、前記コントローラは、前記転圧力入力器に対する前記入力に基づいて前記寄与度を増加又は減少させることが好ましい。この構成では、回動部材の動作が占める寄与度が増加すると転圧力が大きくなり、回動部材の動作が占める寄与度が減少すると転圧力が小さくなる。従って、コントローラは、転圧力入力器に対する入力に基づいて前記寄与度を増加又は減少させることで、転圧力を調節することができる。
前記回動部材は、前記ブームに回動可能に支持されたアームと、前記アームに回動可能に支持された先端部材と、を含み、前記コントローラは、前記アームと前記先端部材の合成重心を前記回動部材の重心として演算してもよい。この構成では、コントローラは、アームの動作と先端部材(例えばバケット)の動作をこれらの合成重心の動作として演算するので、コントローラによる演算処理が複雑になるのを抑制できる。
前記駆動制御装置は、前記目標整地角度の設定のための入力を受ける設定入力器をさらに備え、前記コントローラは、前記設定入力器に前記入力が行われたときの前記先端部材の角度に基づいて前記目標整地角度を設定することが好ましい。この構成では、整地作業において、オペレータは、先端部材を施工面に所望の角度で配置して設定入力器に入力するだけでコントローラに目標整地角度を設定させることができるので、オペレータが目標整地角度の数値を入力する作業を省略することができる。
前記駆動制御装置は、前記ブームを動かすためのブーム操作が与えられるブーム操作器をさらに備え、前記コントローラは、前記合成重心の実際の速度を前記目標速度に近づけるように前記ブームを動かすためのブーム補正値を演算し、前記ブーム操作の操作量に応じたブーム操作値と前記ブーム補正値とを用いて前記ブームの動作を制御することが好ましい。この構成では、オペレータがブーム操作器に与えるブーム操作を、ブーム補正値によりアシストすることができる。
この場合、前記コントローラは、前記整地作業に関するオペレータの操作技能が高い場合に比べて前記操作技能が低い場合に前記ブーム操作値に対する前記ブーム補正値の比率が高くなるように、前記ブーム操作値と前記ブーム補正値とを用いて前記ブームの動作を制御するための制御入力値を演算することがより好ましい。この構成では、オペレータの操作技能が高い場合には、コントローラによるアシストを控えめにして熟練者の好みに応じた整地作業が行われることが可能になる。一方、オペレータの操作技能が低い場合には、コントローラによるアシストの度合いを高めることで非熟練者であっても整地作業の作業効率を高めることができる。
本開示により提供される建設機械は、上述した駆動制御装置と、前記機体と、前記作業装置と、を備えている。この建設機械では、整地作業において施工面が目標整地角度に整地されるように作業装置を動作させることができる。
本開示によれば、整地作業において施工面が目標整地角度に整地されるように作業装置を動作させることが可能な駆動制御装置及びこれを備えた建設機械が提供される。
本開示の実施形態に係る駆動制御装置を備える建設機械を示す側面図である。 前記実施形態に係る駆動制御装置の油圧回路図である。 前記実施形態に係る駆動制御装置のブロック図である。 前記実施形態に係る建設機械が行う整地作業の一例を示す側面図である。 実施形態に係る駆動制御装置のブロック線図である。 前記実施形態に係る駆動制御装置のコントローラが行う演算処理を示すフローチャートである。 前記実施形態に係る駆動制御装置の入力器の一例を示す平面図である。 前記実施形態に係る駆動制御装置の入力器の他の例を示す斜視図である。 前記実施形態に係る駆動制御装置において予め設定されたマップの一例を示すグラフである。 前記実施形態の変形例1に係る駆動制御装置のブロック線図である。 前記実施形態の変形例1に係る駆動制御装置において予め設定されたマップの一例を示すグラフである。 前記実施形態の変形例2に係る駆動制御装置のブロック線図である。 前記実施形態の変形例2に係る駆動制御装置において予め設定されたマップの一例を示すグラフである。 前記実施形態の変形例2において、作業装置の先端部材の軌跡の一例を示す側面図である。 前記実施形態の変形例3に係る駆動制御装置のブロック線図である。
以下、本開示の好ましい実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本開示の一実施形態に係る駆動制御装置(図2)が搭載される油圧ショベル10を示す側面図である。この油圧ショベル10は、建設機械の一例である。油圧ショベル10は、地面G上を走行可能なクローラ式の下部走行体11と、地面に対して垂直な方向に沿う旋回中心軸まわりに旋回可能となるように下部走行体11の上に搭載される上部旋回体12と、この上部旋回体12に起伏可能に搭載される作業装置13(作業アタッチメント13)と、を備える。当該作業装置13は、上部旋回体12に起伏可能に支持されるブーム14と、当該ブーム14に回動可能に支持される回動部材20と、を含む。回動部材20は、ブーム14の先端に回動可能に連結されるアーム15と、当該アーム15の先端に回動可能に連結されるバケット16と、を含む。バケット16は、先端部材の一例である。バケット16は、バケット底部16Hを有する。また、上部旋回体12は、旋回フレームと、当該旋回フレームに支持されるキャブと、を有する。下部走行体11及び上部旋回体12は、機体の一例である。
油圧ショベル10は、上部旋回体12に対してブーム14を起伏動作させるように作動するブームシリンダ17と、当該ブーム14に対して前記アーム15を回動動作させるように作動するアームシリンダ18と、当該アーム15に対して前記バケット16を回動動作させるように作動するバケットシリンダ19と、を備える。各シリンダは、油圧ポンプから作動油を受け入れて伸縮するように作動する。
図2は、本実施形態に係る駆動制御装置の油圧回路図である。図2において、図1に示す油圧ショベル10と同じ構成要素には同じ符号を付している。また、図1及び図2において、g1はブーム14の重心、g2はアーム15の重心、g3 はバケット16の重心、gは作業装置13の合成重心を示す。
油圧ショベル10は、更に、エンジン100と、油圧式の第1ポンプ2A及び第2ポンプ2Bと、パイロット圧油用油圧ポンプ3と、操作器4と、電磁比例弁5と、コントロールバルブ7と、コントローラ50とを備える。
エンジン100は、所定の噴射量の燃料を受け入れて回転する。第1ポンプ2A及び第2ポンプ2Bは、エンジン100の出力軸に接続され、エンジン100の駆動力を受けて回転する。各ポンプは、油圧式のポンプであり、ブームシリンダ17、アームシリンダ18及びバケットシリンダ19を作動させるための作動油を吐出する。
ブームシリンダ17は、第1ポンプ2Aにより吐出される作動油の供給を受けることによりブーム14を起伏させる(動かす)ように伸縮する。本実施形態では、ブームシリンダ17は、シリンダ本体と、シリンダ本体をヘッド室とロッド室とに仕切るピストン部を含みシリンダ本体に対して相対移動可能なシリンダロッドとを有する。シリンダロッドの先端部は不図示のリンク機構を介してブーム14に接続されている。ブームシリンダ17は、第1ポンプ2Aにより吐出される作動油をコントロールバルブ7を介してヘッド室に受け入れロッド室から作動油を排出することでブーム14を起立させるように伸長する(ブーム上げ動作)ことが可能である一方、第1ポンプ2Aにより吐出される作動油をコントロールバルブ7を介してロッド室に受け入れヘッド室から作動油を排出することで、ブーム14を倒伏させるように収縮する(ブーム下げ動作)ことが可能である。なお、アームシリンダ18、バケットシリンダ19も、ブームシリンダ17と同様の構造を有する。
操作器4は、オペレータによって操作され、作業装置13のブーム14、アーム15及びバケット16を動かすための操作を受ける。すなわち、操作器4は、ブーム操作器、アーム操作器、及びバケット操作器を含む。ブーム操作器は、ブーム14にブーム上げ動作を行わせるためのブーム上げ操作及びブーム14にブーム下げ動作を行わせるためのブーム下げ操作を受ける。アーム操作器は、アーム15にアーム引き動作を行わせるためのアーム引き操作及びアーム15にアーム押し動作を行わせるためのアーム押し操作を受ける。バケット操作器は、バケット16にバケット引き動作を行わせるためのバケット引き操作及びバケット16にバケット押し動作を行わせるためのバケット押し操作を受ける。なお、操作器4は、上部旋回体12の旋回動作、下部走行体11の走行動作に関する操作なども受け付ける。なお、操作器4のすべて又は一部は、油圧ショベル10内に設けられるものに限定されず、油圧ショベル10がリモート制御される場合には、油圧ショベル10とは異なる位置に配置されても良い。
コントロールバルブ7は、油圧ポンプとブームシリンダ17との間に介在するように配置され、油圧ポンプから当該ブームシリンダ17に供給される作動油の流量及び流路を変化させるように(制御するように)移動するスプールを有する。具体的に、コントロールバルブ7は、主に、ブーム14がブーム上げ動作及びブーム下げ動作を行う際に、ブームシリンダ17に油圧ポンプの作動油を供給するとともにブームシリンダ17から排出された作動油を不図示のタンクに排出するように作動する。コントロールバルブ7は、一対のパイロットポートを有するパイロット操作式の3位置方向切換弁からなる。
コントロールバルブ7は、一対のパイロットポートの何れにもパイロット圧が入力されないときは中立位置に保たれ、前記油圧ポンプとブームシリンダ17との間を遮断する。
コントロールバルブ7は、一のパイロットポートにブーム下げパイロット圧が入力されると、そのブーム下げパイロット圧の大きさに対応したストロークで前記中立位置からブーム下げ位置に切り換えられる。これにより、コントロールバルブ7は、前記油圧ポンプからブームシリンダ17のロッド室に前記ストロークに応じた流量で作動油が供給されることを許容するとともに、当該ブームシリンダ17のヘッド室から作動油が排出されることを許容するように、開弁する。これにより、ブームシリンダ17はブーム下げパイロット圧に対応した速度でブーム下げ方向に駆動される。
コントロールバルブ7は、他のパイロットポートにブーム上げパイロット圧が入力されると、そのブーム上げパイロット圧の大きさに対応したストロークで前記中立位置からブーム上げ位置に切り換えられる。これにより、コントロールバルブ7は、前記油圧ポンプからブームシリンダ17のヘッド室に前記ストロークに応じた流量で作動油が供給されることを許容するとともに、当該ブームシリンダ17のロッド室から作動油が排出されることを許容するように、開弁する。これにより、ブームシリンダ17は前記ブーム上げパイロット圧に対応した速度でブーム上げ方向に駆動される。
なお、上記と同様の動作を行うコントロールバルブ7が、油圧ポンプと、アームシリンダ18及びバケットシリンダ19との間にそれぞれ配置されている。アームシリンダ18に対応するコントロールバルブ7は、アーム押し位置、中立位置、アーム引き位置に切り換え可能とされている。
電磁比例弁5は、操作器4に入力される操作に対応するパイロット圧(二次圧)がパイロット圧油用油圧ポンプ3から供給されるパイロット油によってコントロールバルブ7の各パイロットポートに作用するように開弁する。電磁比例弁5の開度は、コントローラ50から入力される比例信号によって調整される。
図2に示すように、操作器4が受ける操作の大きさである操作量に応じて第1ポンプ2A及び第2ポンプ2Bの少なくとも一方から作動油の供給を受けることで、ブームシリンダ17、アームシリンダ18及びバケットシリンダ19が伸縮する。ブームシリンダ17、アームシリンダ18及びバケットシリンダ19には、供給油の方向を切り替えるコントロールバルブ7を通じて第1ポンプ2A及び第2ポンプ2Bの少なくとも一方から作動油が供給される。操作器4は、操作量に応じた操作信号をコントローラ50に入力することが可能な電気レバーにより構成されていてもよく、操作器4のリモコン弁の2次圧に関する信号がコントローラ50に入力されるように構成されていてもよい。コントローラ50は、操作器4(ブーム操作器、アーム操作器、及びバケット操作器)に与えられる操作の操作量をブーム操作値、アーム操作値、及びバケット操作値としてそれぞれ取得し、取得した各操作値に応じて当該操作に対応する電磁比例弁5に指令信号を入力する。作業装置13のブーム14、アーム15及びバケット16のそれぞれは、電磁比例弁5に入力される指令信号(比例信号)に応じた速度で動作する。
図3は、本実施形態に係る駆動制御装置のブロック図である。本実施形態において、コントローラ50は、例えば、上部旋回体12上の運転室内に搭載してもよい。また、コントローラ50は、コンピュータを備えており、当該コンピュータがプログラムを実行することによって、各機能が実施される。コンピュータは、プログラムに従って動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。具体的には、例えば、コントローラ50は、CPUなどの演算処理装置と、制御プログラムを記憶するROM及び演算処理装置の作業領域として使用されるRAM等のメモリと、を備える。
コントローラ50は、目標整地角度設定器501と、寄与度生成器502(速度比率生成器)と、目標速度生成器503と、PIDコントローラ504と、調整器505と、を備え、これらは、前記演算処理装置がメモリに記憶された制御プログラムを実行することにより機能するように構成されている。コントローラ50の演算処理については後述する。
なお、コントローラ50のすべて又は一部は、油圧ショベル10内に設けられるものに限定されず、油圧ショベル10がリモート制御される場合には、油圧ショベル10とは異なる位置に配置されても良い。また、前記制御プログラムは遠隔地のサーバ(管理装置)やクラウドなどから油圧ショベル10内のコントローラ50に送信され実行されるものでもよいし、前記サーバやクラウド上で前記制御プログラムが実行され、生成された各種の指令信号が油圧ショベル10に送信されるものでもよい。
油圧ショベル10は、更に、入力器91と、姿勢検出器31と、IMU(慣性計測装置:inertial measurement unit)33と、表示器34とを備える。入力器91は、キャブ内に設けられており、コントローラ50が実行する制御に必要な情報の入力を受け付ける。なお、入力器91のすべて又は一部は、油圧ショベル10内に設けられるものに限定されず、油圧ショベル10がリモート制御される場合には、油圧ショベル10とは異なる位置に配置されても良い。後述する入力器91A,92のそれぞれについても同様である。
姿勢検出器31は、作業装置13の姿勢に関する情報を検出する。具体的には、姿勢検出器31は、上部旋回体12に対する作業装置13の相対的な姿勢情報を取得する。一例として、姿勢検出器31は、ブームシリンダ17、アームシリンダ18及びバケットシリンダ19にそれぞれ装着される3つのセンサを含み、各シリンダのストローク(伸長量又は長さ)を検出する。各センサによって検出された各シリンダのストロークは、ブーム14、アーム15及びバケット16の位置や姿勢を演算するために使用され、更に、作業装置13の合成重心の位置、速度を算出するために用いられる。なお、ブーム14、アーム15及びバケット16の位置や姿勢を演算するために、シリンダストロークセンサに代えて、ブーム14、アーム15及びバケット16の回動角度をそれぞれ検出するアングルセンサが用いられても良い。
IMU33は、地面Gに対する上部旋回体12の姿勢に関する情報を検出する。すなわち、IMU33は、油圧ショベル10の機体の姿勢、角度(傾き)を検出する。一例として、IMU33は、キャブの上面部に装着されている。本開示の駆動制御装置では、IMU33は省略されてもよい。
表示器34は、キャブ内に設けられたディスプレイであり、油圧ショベル10の作動、駆動制御装置の制御に関する各種の情報を表示して、オペレータに報知する。なお、表示器34のすべて又は一部は、油圧ショベル10内に設けられるものに限定されず、油圧ショベル10がリモート制御される場合には、油圧ショベル10とは異なる位置に配置されても良い。
本実施形態では、コントローラ50は、作業装置13が行う整地作業における整地角度の目標である目標整地角度を設定し、回動部材20の重心の速度である回動部材重心速度を演算し、前記回動部材重心速度と前記目標整地角度とを用いて前記作業装置13全体の合成重心の速度の目標である目標速度を演算し、前記合成重心の実際の速度を前記目標速度に近づけるようにブーム14の動作を制御する。本実施形態では、回動部材20はアーム15とバケット16とにより構成されるので、回動部材20の重心は、アーム15とバケット16の合成重心である。
作業装置13全体の動作は、ブーム14の動作に係る成分と、回動部材20の動作に係る成分と、に分解することができ、施工面を目標整地角度に整地するためには、目標整地角度に応じたバランス(比率)でブーム14と回動部材20を動作させればよい。そこで、本実施形態に係る駆動制御装置では、コントローラ50は、まず、回動部材20の重心の速度である回動部材重心速度を演算する。この回動部材重心速度(回動部材20の動作に係る成分)に対応する作業装置13全体の速度の目標は目標整地角度に応じて決まる。従って、コントローラ50は、回動部材重心速度と目標整地角度とを用いて作業装置13全体の合成重心の速度の目標である目標速度を演算することができる。作業装置13全体の目標速度と、回動部材20の動作に係る成分(回動部材重心速度)とが決まると、これらを用いてブーム14の動作に係る成分を演算することができる。すなわち、コントローラ50は、作業装置13全体の合成重心の実際の速度を目標速度に近づけるようにブーム14の動作を制御することができる。よって、この駆動制御装置では、整地作業において施工面が目標整地角度に整地されるように作業装置13を動作させることができる。また、本実施形態に係る駆動制御装置では、重心速度に基づきブーム操作を調整することで、施工面の土砂とバケット16との接触に伴う過負荷、作業速度の低下などを低減することができ、荒れた面であったとしても、効率的に整地を行うことができる。
本実施形態に係る駆動制御装置の概要は上記の通りであるが、以下では、具体例を挙げて駆動制御装置による制御について説明する。なお、本開示の駆動制御装置による制御は、以下の具体例に限定されるものではない。
図4は、本実施形態に係る油圧ショベル10が行う整地作業の一例を示す側面図である。図5は、本実施形態に係る駆動制御装置のブロック線図である。図6は、駆動制御装置のコントローラ50が実行する演算処理を示すフローチャートである。
コントローラ50の目標整地角度設定器501は、作業装置13が行う整地作業における整地角度の目標である目標整地角度θを設定する(図6のステップS1)。目標整地角度θは、基準面に対する施工面(目標施工面)の角度である。図4に示す本実施形態では、目標整地角度θは、油圧ショベル10の下部走行体11が配置されている地面G(基準面)に対する施工面(目標施工面)の角度である。ただし、基準面は、下部走行体11が配置されている地面Gに限られず、例えば水平面であってもよい。
本実施形態では、上述した入力器91は、例えば図7に示すように、目標整地角度θの設定のためのオペレータによる入力を受ける設定入力器91Aとしての機能を有する。設定入力器91Aは、オペレータが押すことが可能なスイッチSWを有する。コントローラ50は、設定入力器91AのスイッチSWに対する入力が行われたとき、すなわちスイッチSWがオペレータにより押されたときの前記基準面(例えば地面G)に対するバケット16のバケット底部16Hの角度(バケットの底面の角度)に基づいて、目標整地角度θを設定する。コントローラ50は、姿勢検出器31から入力される姿勢情報に基づいてバケット16の角度を演算することができる。整地作業において、オペレータは、施工面又はその近傍において、目標整地角度θとして設定したい所望の角度でバケット16を配置し、設定入力器91Aに入力するだけでコントローラ50に目標整地角度θを設定させることができる。これにより、オペレータが目標整地角度θの数値を入力する作業を省略することができる。図7に示す設定入力器91Aは、現在のバケット16の図又は映像をバケット16の角度情報(基準面に対する角度情報)とともに表示するディスプレイを備えるので、オペレータは、当該ディスプレイを見ることでバケット16の角度を目標整地角度θにすることができる。なお、設定入力器91AのスイッチSWは、例えば図8に示すように操作器4の操作レバーに配置されていてもよい。また、オペレータが目標整地角度θの数値を入力する作業を行い、コントローラ50は、入力された数値に基づいて目標整地角度θを設定してもよい。
次に、コントローラ50の寄与度生成器502(速度比率生成器)は、整地作業において作業装置13全体の動作に対して回動部材20の動作が占めるべき寄与度rを、目標整地角度θが大きいときに比べて目標整地角度θが小さいときに大きな値になるように決定する(ステップS2)。具体的には、コントローラ50は、例えば図9に示すようなマップを予め記憶している。このマップは、目標整地角度θと寄与度r(比率r)との関係を示すグラフである。図9のマップは、目標整地角度θが大きいときに比べて目標整地角度θが小さいときに寄与度rが大きな値になるような関係式で表すことができる。
より具体的には、図9のマップは、目標整地角度θが小さくなるほど寄与度rが大きな値になるような関係式で表すことができる。図9のマップは、以下の観点で作成することができる。
目標整地角度θが小さい場合に施工面に沿ってバケット16を移動させる際には、油圧ショベル10の機体(例えば上部旋回体12)に対して前後方向に移動する回動部材20の速度成分が大きくなり、前記機体に対して上下方向に移動する回動部材20の速度成分が小さくなる。すなわち、この場合、回動部材20を上下させるブーム14の動作量は比較的小さくなるため、作業装置13全体の速度において回動部材20の速度成分が大部分を占めるようにマップを設定している。
また、目標整地角度θが大きい場合に施工面に沿ってバケット16を移動させる際には、前記機体に対して前後方向に移動する回動部材20の速度成分が小さくなり、前記機体に対して上下方向に移動する回動部材20の速度成分が大きくなる。すなわち、この場合、回動部材20を上下させるブーム14の動作量は比較的大きくなるため、作業装置13全体の速度において回動部材20の速度成分の占める割合が小さくなるようにマップを設定している。
寄与度生成器502は、図9のマップと、設定された目標整地角度θと、に基づいて、寄与度rを演算する。
次に、コントローラ50は、整地作業に係る操作が開始されたか否かを判定する(ステップS3)。具体的には、例えば図4に示すような目標整地角度θが設定された整地作業では、オペレータは、アーム引き操作とブーム上げ操作とを同時に行う。従って、コントローラ50は、アーム引き操作とブーム上げ操作とが同時に行われたことを示す操作信号がコントローラ50に入力されると、整地作業に係る操作が開始されたと判定する(ステップS3においてYES)。なお、コントローラ50は、整地作業に係る操作が開始されたことを、ブーム上げ操作とアーム引き操作のいずれかの操作が行われたことで判定してもよい。
次に、コントローラ50の目標速度生成器503は、姿勢検出器31から入力される姿勢情報に基づいて、回動部材20の合成重心の座標、及び作業装置13全体の合成重心の座標を演算する(ステップS4)。
図1に示すように、作業装置13のブーム14の回動基端部を原点0として、鉛直方向にY座標、水平方向にX座標をとり、ブーム14の質量をm1、ブーム14の重心gの座標を(x(t)、y(t))、アーム15の質量をm2、アーム15の重心gの座標を(x(t)、y(t))、バケット16の質量をm3、バケット16の重心gの座標を(x(t)、y(t))と定義する。なお、各座標は、作業装置13が動作することに伴って変化するため、時間tの変数として表記している。この場合、回動部材20の合成重心g23の座標(XG23(t),YG23(t))は、例えば下記の式(1)で表され、作業装置13の合成重心gの座標(X(t)、Y(t))は、下記の式(2)で表される。
Figure 2023110359000002
Figure 2023110359000003
次に、目標速度生成器503は、回動部材20の合成重心g23の速度を下記の式(3)を用いて演算する(ステップS5)。
Figure 2023110359000004
次に、目標速度生成器503は、作業装置13の合成重心gの速度のうち、回動部材20の合成重心g23の速度がどの程度寄与すべきかを表す寄与速度を演算する(ステップS6)。目標速度生成器503は、例えば下記の式(4)を用いて寄与速度(VXG(t),VYG(t))を演算することができる。この寄与速度(回動部材速度)は、回動部材20の動きを作業装置13全体の合成重心gの速度に置き換えたものである。
Figure 2023110359000005
次に、目標速度生成器503は、下記の式(5)を用いて寄与速度(VXG(t),VYG(t))の大きさである寄与速度V'(t)を演算する(ステップS7)。
Figure 2023110359000006
次に、目標速度生成器503は、寄与速度V'(t)と寄与度rと下記の式(6)を用いて、作業装置13全体の合成重心gの目標速度V(t)を演算する(ステップS8)。
Figure 2023110359000007
次に、コントローラ50は、上記の目標速度V(t)に追従するように作業装置13の合成重心gの実際の速度V(t)をフィードバック制御することで、操作器4のブーム操作器に与えられる操作の操作量に応じた値であるブーム操作値が調整され、これにより、作業装置13のバケット16が目標整地角度θに沿って動くように作業装置13の動作が制御される。コントローラ50は、作業装置13の合成重心gの実際の速度V(t)を例えば下記の式(7)及び式(8)を用いて演算する。
Figure 2023110359000008
Figure 2023110359000009
具体的には、コントローラ50のPIDコントローラ504は、目標速度V(t)と作業装置13の合成重心gの実際の速度V(t)との偏差e(t)をゼロに近づけるようなアシスト値であるブーム補正値u(t)を下記の式(9)及び式(10)を用いて演算する(ステップS9)。なお、式(9)において、Kp、Ki、Kdはそれぞれ、比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲインである。式(9)において、u(t-1)は、ステップS9又はステップS10の前回の演算処理において算出された操作入力(制御入力値)、すなわち前回値である。
Figure 2023110359000010
Figure 2023110359000011
コントローラ50は、演算されたブーム補正値u(t)を制御入力値としてそのままブーム上げ操作に対応する電磁比例弁5に入力してもよい(ステップS10)が、例えば以下のようにコントローラ50の調整器505においてブーム操作値と、ブーム補正値u(t)と、を用いて、ブーム14の動作を制御するための最終的な制御入力値を演算し、演算された制御入力値をブーム上げ操作に対応する電磁比例弁5に入力してもよい(ステップS10)。上記のような何れかの制御入力値が電磁比例弁5に入力されることにより、アームの動き(回動部材の動き)とブームの動きを重心という同じ指標の上で表現することができる。
次に、調整器505が行う演算処理の具体例について説明する。図5を参照して説明したように、目標速度Vr(t)に追従するように作業装置13全体の合成重心gの速度V(t)をフィードバック制御することで、コントローラ50によりブーム補正値u(t)が演算される。ここで、オペレータによりブーム操作器に与えられる操作の操作量に応じた値であるブーム操作値を「uh(t)」で表し、ステップS9においてコントローラ50により演算されたブーム補正値を「uc(t)」で表す。コントローラ50の調整器505は、前記ブーム操作値uh(t)とブーム補正値uc(t)とから、最終的な制御入力値u(t)を調整し、当該制御入力値u(t)をブーム上げ操作に対応する電磁比例弁5に入力する。これにより、作業装置13が目標整地角度θに沿うようなバランスでブーム上げ動作及びアーム引き動作を行うので、オペレータは整地作業に係る操作を容易に行うことができる。
調整器505は、例えば下記の式(11)に基づいてブーム補正値u(t)を調整してもよい。すなわち、調整器505は、式(11)に示すように、ブーム操作値uh(t)とブーム補正値uc(t)のうちの小さい方を選択し、選択した値を制御入力値u(t)として電磁比例弁5に入力してもよい。また、調整器505は、オペレータの操作をトリガーにして、コントローラ50によるブーム補正値uc(t)をそのまま電磁比例弁5に制御入力値u(t)として入力してもよい。また、調整器505は、ブーム操作値uh(t)とブーム補正値uc(t)とを一定比率で足し合わせた値を演算し、当該値を制御入力値u(t)として電磁比例弁5に入力してもよい。
Figure 2023110359000012
以上、本開示の実施形態に係る駆動制御装置及びこれを備えた油圧ショベル10について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例を含む。
[変形例1]
図10は、実施形態の変形例1に係る駆動制御装置のブロック線図である。この変形例1に係る駆動制御装置は、前記整地作業において回動部材20が地面Gに加える力の強さである転圧力を調節するための入力を受ける転圧力入力器92(押付け力入力器92)をさらに備える(図3参照)。コントローラ50は、転圧力入力器92に対する前記入力に基づいて前記寄与度を増加又は減少させる。具体的には次の通りである。
転圧力入力器92は、例えば、上述した設定入力器91Aと同様の入力装置であってもよい。コントローラ50は、転圧力設定器506(押付け力設定器506)をさらに備える。転圧力設定器506は、転圧力入力器92が受けたオペレータによる入力に基づいて、前記寄与度を増加又は減少させる。具体的には次の通りである。
図11は、変形例1に係る駆動制御装置において予め設定されたマップの一例を示すグラフである。図11に示す具体例では、コントローラ50は、複数の転圧力(図11では、高、中、低の3段階の転圧力)に応じた複数のマップを記憶している。
この変形例1では、「転圧力:中」のマップに比べると「転圧力:高」のマップでは、作業装置13全体の動作のうち回動部材20の動作が占める寄与度を増加させている。また、「転圧力:中」のマップに比べると「転圧力:低」のマップでは、回動部材20の動作が占める寄与度を減少させている。
具体的に、作業装置13全体の動作に対して回動部材20の動作が占める寄与度を増加させると、油圧ショベル10の前記機体に対して前後方向に移動する回動部材20の速度成分が大きくなり、油圧ショベル10の前記機体に対して上下方向に移動する回動部材20の速度成分が小さくなる。これにより、目標整地角度θに応じて決まる面よりも緩やかな傾斜(目標整地角度θよりも小さい角度)に沿うようなバランスで作業装置13が作動するため、ブーム上げ動作及びアーム引き動作が行われる際の転圧力を高めることができる。
また、作業装置13全体の動作に対して回動部材20の動作が占める寄与度を減少させると、油圧ショベル10の前記機体に対して前後方向に移動する回動部材20の速度成分が小さくなり、油圧ショベル10の前記機体に対して上下方向に移動する回動部材20の速度成分が大きくなる。これにより、目標整地角度θに応じて決まる面よりも急な傾斜(目標整地角度θよりも大きい角度)に沿うようなバランスで作業装置13が作動するため、ブーム上げ動作及びアーム引き動作が行われる際の転圧力を低くすることができる。
コントローラ50は、例えばオペレータが転圧力入力器92に対して転圧力「高」、「中」、「低」のいずれかに対応する入力を行うと、複数のマップから当該入力に対応するマップ(例えば転圧力「高」のマップ)を選択する。そして、コントローラ50の寄与度生成器502は、図11の複数のマップのうち選択されたマップと、設定された目標整地角度θと、に基づいて、寄与度rを演算する。これにより、前記寄与度を変更し、転圧力を調節することができる。
[変形例2]
図12は、前記実施形態の変形例2に係る駆動制御装置のブロック線図である。図13は、変形例2に係る駆動制御装置において予め設定されたマップの一例を示すグラフである。図14は、変形例2において、作業装置13のバケット16(先端部材)の軌跡の一例を示す側面図である。
この変形例2では、コントローラ50は、作業装置13全体の合成重心gの実際の速度を前記目標速度に近づけるようにブーム14を動かすためのブーム補正値を演算し、ブーム操作の操作量に応じたブーム操作値と前記ブーム補正値とを用いてブーム14の動作を制御する。この際に、コントローラ50は、整地作業に関するオペレータの操作技能が高い場合に比べて操作技能が低い場合に前記ブーム操作値に対する前記ブーム補正値の比率が高くなるように、前記ブーム操作値と前記ブーム補正値とを用いてブーム14の動作を制御するための制御入力値を演算する。この変形例2では、オペレータの操作技能が高い場合には、コントローラ50によるアシストを控えめにして熟練者の好みに応じた整地作業が行われることが可能になる。一方、オペレータの操作技能が低い場合には、コントローラ50によるアシストの度合いを高めることで非熟練者であっても整地作業の作業効率を高めることができる。具体的には以下の通りである。
変形例2では、コントローラ50は、アシスト率調整器507をさらに備える。コントローラ50は、例えば図14に示すように、整地作業を行うオペレータの操作技能に関するデータである技能データを予め記憶している。技能データは、例えば、図14に示すように、オペレータが整地作業を実際に行ったときに、バケット16における予め設定された特定部位(例えばバケット16の先端)の軌跡xi(t)の基準としての目標面xbar(t)に対する散らばり具合であってもよい。ここで、「xbar(t)」は、図14において破線で示される目標面を表すものであり、図14において「x(t)」の文字のうち「x」の上に横線が付された符号に対応するものである。このような散らばり具合は、分散値Vであってもよく、標準偏差であってもよく、他の指標であってもよい。目標面xbar(t)は、目標整地角度θに応じて決まる面である。技能データが分散値Vであり、整地作業中のデータ数をnとすると、コントローラ50は、例えば下記の式(12)に基づいて分散値Vを演算することができる。
Figure 2023110359000013
コントローラ50は、作業装置13のブーム14、アーム15及びバケット16の既知の寸法と、姿勢検出器31からコントローラ50に入力される姿勢情報と、に基づいて、軌跡xi(t)のデータを取得することができる。
コントローラ50のアシスト率調整器507は、オペレータの操作技能に関するデータ、例えば上記のような特定部位の軌跡xi(t)の分散値V(軌跡分散値)と、図13に示すマップと、に基づいて、アシスト率Kを設定する。この変形例2では、アシスト率Kは、例えば、0以上1以下の値に設定される。
そして、コントローラ50は、前記ブーム操作値uh(t)に「1-K」をかけて得られる値と、前記ブーム補正値uc(t)に「K」をかけて得られる値と、を足し算することにより、最終的な制御入力値u(t)を演算する。コントローラ50は、演算した制御入力値u(t)を、ブーム上げ操作に対応する電磁比例弁5に入力する。これにより、コントローラ50は、オペレータの操作技能に応じてオペレータの操作をアシストすることができる。
なお、オペレータの操作技能は、上記の具体例のように整地作業の前にコントローラ50に予め記憶されたものでなくてもよい。すなわち、コントローラ50は、整地作業が行われるときに本開示に係るコントローラ50によるアシストの制御を行いながら、オペレータの操作技能に関するデータを取得するように構成されていてもよい。また、オペレータの操作技能は、上記のような分散値V、標準偏差などの散らばり具合のデータに限られず、操作技能を判定することが可能な他のデータであってもよい。
なお、コントローラ50は、整地作業の対象となる地盤の土質に基づいてアシスト率Kを決定してもよく、整地作業の作業速度に基づいてアシスト率Kを決定してもよい。具体的には、コントローラ50は、地盤の土質が整地しやすい場合に比べて土質が整地しにくい場合に前記ブーム操作値に対する前記ブーム補正値の比率が高くなるように、前記ブーム操作値と前記ブーム補正値とを用いて前記ブームの動作を制御するための制御入力値を演算してもよい。また、コントローラ50は、作業速度が高い場合(熟練者の場合)に比べて作業速度が低い場合(非熟練者の場合)に前記ブーム操作値に対する前記ブーム補正値の比率が高くなるように、前記ブーム操作値と前記ブーム補正値とを用いて前記ブームの動作を制御するための制御入力値を演算してもよい。
図15は、前記実施形態の変形例3に係る駆動制御装置のブロック線図である。図15に示すように、変形例3では、コントローラ50は、最終的な制御入力値u(t)を、オペレータによるブーム操作のブーム操作値を考慮することなく演算する。すなわち、この変形例3では、ブーム14の動作は、コントローラ50により自動的に制御される。したがって、オペレータは、アーム引き操作およびバケット操作のみを行うことで整地作業を行うことができる。
次に、前記実施形態の変形例4について説明する。この変形例4では、コントローラ50は、最終的な制御入力値u(t)を、オペレータによるバケット操作の操作値(バケット操作値)を考慮することなく演算する。バケット操作値は、操作器4のバケット操作器に与えられる操作に応じた値である。この変形例4では、バケット16の動作は、コントローラ50により自動的に制御される。コントローラ50は、上記の目標整地角度θに追従するようにバケット16のバケット底部16Hの角度をフィードバック制御することで、バケット底部16Hの角度を目標整地角度θに維持する制御を行う。具体的には、例えば姿勢検出器31により検出されるブーム14、アーム15及びバケット16の回動角度を用いてバケット底部16Hの角度を監視することで、バケット底部16Hの角度の目標整地角度θからのずれ量を演算し、バケット16を回動させることでこのずれ量が解消するように指令信号を電磁比例弁5に入力する。したがって、オペレータは、バケット操作をすることなく整地作業を行うことができる。
次に、前記実施形態の変形例5について説明する。上述した実施形態では、アーム引き操作とブーム上げ操作とが同時に行われた場合に、コントローラ50は、整地作業に係る操作が開始されたか否かを判定していた(ステップS3)が、これに限られず、変形例5では、コントローラ50は、アーム押し操作とブーム下げ操作とが同時に行われた場合においても整地作業に係る操作が開始されたと判定してよい。この場合、作業装置13のバケット16が目標整地角度θに沿うようなバランスでブーム下げ動作及びアーム押し動作を行うことになり、オペレータは整地作業を容易に行うことができる。なお、この変形例5において、コントローラ50は、整地作業に係る操作が開始されたことを、ブーム下げ操作とアーム押し操作のいずれかの操作が行われたことで判定してもよい。
次に、前記実施形態の変形例6について説明する。この変形例6では、コントローラ50は、IMU33により検出される油圧ショベル10の機体の姿勢、角度(傾き)に応じて、目標整地角度θを補正する制御を行う。具体的に、例えば、オペレータは整地作業中に油圧ショベル10の位置を移動させる(例えば、前後させる)場合がある。作業現場の傾斜は一様とは限らないので、油圧ショベル10の位置を移動させた結果、油圧ショベル10の基準面に対する角度が変化し、設定していた目標整地角度θが変化してしまう場合がある。そこで、変形例6では目標整地角度θを設定した時点での油圧ショベル10の基準面に対する角度を記憶しておくことで、油圧ショベル10の基準面に対する角度が変化した場合でも、その変化を考慮して目標整地角度θを補正する。
4 :操作器
5 :電磁比例弁
10 :油圧ショベル
11 :下部走行体(機体)
12 :上部旋回体(機体)
13 :作業装置
14 :ブーム
15 :アーム
16 :バケット
20 :回動部材
31 :姿勢検出器
50 :コントローラ
91 :入力器
91A :設定入力器
92 :転圧力入力器
501 :目標整地角度設定器
502 :寄与度生成器
503 :目標速度生成器
504 :PIDコントローラ
505 :調整器
G :地面
g :作業装置全体の合成重心
g1 :ブームの重心
g2 :アームの重心
g3 :バケットの重心(先端部材の重心)
g23 :回動部材の重心(アームと先端部材の合成重心)
r :寄与度
θ :目標整地角度

Claims (8)

  1. 機体と、前記機体に起伏可能に支持されたブーム及び前記ブームに回動可能に支持された回動部材を含む作業装置と、を備える建設機械の駆動制御装置であって、
    前記作業装置の動作を制御するコントローラを備え、
    前記コントローラは、
    前記作業装置が行う整地作業における整地角度の目標である目標整地角度を設定し、
    前記回動部材の重心の速度である回動部材重心速度を演算し、
    前記回動部材重心速度と前記目標整地角度とを用いて前記作業装置全体の合成重心の速度の目標である目標速度を演算し、
    前記合成重心の実際の速度を前記目標速度に近づけるように前記ブームの動作を制御する、駆動制御装置。
  2. 前記コントローラは、前記整地作業において前記作業装置全体の動作に対して前記回動部材の動作が占めるべき寄与度を、前記目標整地角度が大きいときに比べて前記目標整地角度が小さいときに大きな値になるように決定し、前記回動部材重心速度と前記寄与度とを用いて前記目標速度を演算する、請求項1に記載の駆動制御装置。
  3. 前記整地作業において前記回動部材が地面に加える力の強さである転圧力を調節するための入力を受ける転圧力入力器をさらに備え、
    前記コントローラは、前記転圧力入力器に対する前記入力に基づいて前記寄与度を増加又は減少させる、請求項2に記載の駆動制御装置。
  4. 前記回動部材は、前記ブームに回動可能に支持されたアームと、前記アームに回動可能に支持された先端部材と、を含み、
    前記コントローラは、前記アームと前記先端部材の合成重心を前記回動部材の重心として演算する、請求項1~3の何れか1項に記載の駆動制御装置。
  5. 前記目標整地角度の設定のための入力を受ける設定入力器をさらに備え、
    前記コントローラは、前記設定入力器に前記入力が行われたときの前記先端部材の角度に基づいて前記目標整地角度を設定する、請求項4に記載の駆動制御装置。
  6. 前記ブームを動かすためのブーム操作が与えられるブーム操作器をさらに備え、
    前記コントローラは、前記合成重心の実際の速度を前記目標速度に近づけるように前記ブームを動かすためのブーム補正値を演算し、前記ブーム操作の操作量に応じたブーム操作値と前記ブーム補正値とを用いて前記ブームの動作を制御する、請求項1~5の何れか1項に記載の駆動制御装置。
  7. 前記コントローラは、前記整地作業に関するオペレータの操作技能が高い場合に比べて前記操作技能が低い場合に前記ブーム操作値に対する前記ブーム補正値の比率が高くなるように、前記ブーム操作値と前記ブーム補正値とを用いて前記ブームの動作を制御するための制御入力値を演算する、請求項6に記載の駆動制御装置。
  8. 請求項1~7の何れか1項に記載の駆動制御装置と、前記機体と、前記作業装置と、を備えた建設機械。
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