JP2021055289A - 建設機械の制御装置 - Google Patents

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Hideo Yoshihara
秀雄 吉原
一茂 小岩井
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一茂 小岩井
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【課題】油圧シリンダのピストンがストロークエンドに突入することに伴う衝撃を有効に緩和することができる建設機械の制御装置を提供する。【解決手段】建設機械の制御装置は、開始位置設定部53と、駆動指令制限部54とを備える。開始位置設定部53は、流量減少制御を開始するピストン27pの開始位置とストロークエンドとの差であるストローク差が、可動部22,24の運動エネルギーが大きくなるほど大きくなるように、前記開始位置を設定する。駆動指令制限部54は、前記流量減少制御において、シリンダ操作にかかわらずピストン27pをストロークエンドの手前で減速させるように、駆動指令入力部51から流量調節部42A,42Bに入力されるシリンダ駆動指令をピストン27pのストローク位置に応じて制限する。【選択図】図4

Description

本発明は、油圧ショベル等の建設機械の動作を制御するための装置に関する。
従来、機体と、当該機体に回動可能に連結される作業装置と、当該作業装置を駆動する油圧シリンダと、を備える油圧ショベルなどの建設機械が知られている。前記油圧シリンダは、シリンダ室を形成するシリンダ本体と、当該シリンダ室内に装填されるピストンと、を備える。前記ピストンは、前記シリンダ室内において、伸長方向のストロークの終端であるストロークエンドと、収縮方向のストロークの終端であるストロークエンドと、の間で往復動することが可能である。しかし、当該ピストンが前記ストロークエンドに高速で突入することは大きな衝撃を伴う。
このような衝撃を緩和するための技術として、特許文献1は、油圧シリンダのストロークエンド領域で流量制御手段に流量絞り作用を行わせて前記油圧シリンダのストローク作動を減速させる減速制御を行う油圧シリンダ制御装置を開示する。この特許文献1の制御装置では、作業アタッチメントを最大限に起こした姿勢(基準姿勢)でのシリンダ保持圧と、前記減速制御を開始する油圧シリンダのストローク位置である減速開始位置と、の関係を予め設定したマップが記憶され(特許文献1の段落0039)、前記基準姿勢でのアームシリンダの保持圧に基づいて前記減速開始位置が設定され(特許文献1の段落0043)、前記油圧シリンダのストロークが前記減速開始位置に到達すると、減速のためのパイロット圧指令が電磁比例減圧弁に対して出力され、これにより、前記減速制御が行われる(特許文献1の段落0058)。
特開2015−206408号公報
しかし、前記油圧シリンダのストロークが前記減速開始位置に到達する時点において、前記作業装置は、作業内容、オペレータが操作レバーに与える操作などの種々の状況に応じて様々な運動状態を取りうる。このため、特許文献1の制御装置のように前記基準姿勢での前記シリンダ保持圧に基づいて一律に前記減速開始位置が設定される場合、前記減速開始位置における前記作業装置の運動状態によっては、前記油圧シリンダの前記ピストンが前記ストロークエンドに突入することに伴う衝撃を十分に緩和できないことがある。
また、例えば建設機械の油圧ポンプにおいては、当該油圧ポンプの機械的構造等に起因して油圧回路内に圧力の脈動が発生する。したがって、特許文献1の制御装置のように前記基準姿勢での前記シリンダ保持圧に基づいて一律に前記減速開始位置が設定される場合、検出される前記シリンダ保持圧は検出のタイミングによりばらつきが生じ、前記油圧シリンダの前記ピストンが前記ストロークエンドに突入することに伴う衝撃を十分に緩和できないことがある。
本発明は、油圧シリンダのピストンがストロークエンドに突入することに伴う衝撃を有効に緩和することができる建設機械の制御装置を提供することを目的とする。
提供されるのは、機体と、当該機体に対して相対的な動作を行うことが可能なように連結される作業装置であって少なくとも一つの可動部を含むものと、前記少なくとも一つの可動部を駆動する少なくとも一つの油圧シリンダであってピストンとこれを往復動可能に収容するシリンダ室を形成するシリンダ本体とを有するものと、を備える建設機械の動作を制御するための制御装置である。当該制御装置は、前記シリンダ室に供給される作動油を吐出する油圧ポンプと、シリンダ駆動指令の入力を受けることにより、前記油圧ポンプから前記シリンダ室に供給される作動油の流量を前記シリンダ駆動指令に応じて変化させる流量調節部と、前記少なくとも一つの油圧シリンダを動かすためのオペレータによるシリンダ操作を受ける操作部材と、前記操作部材に与えられる前記シリンダ操作に対応した前記シリンダ駆動指令を生成して前記流量調節部に入力する駆動指令入力部と、前記少なくとも一つの可動部のうち運動している可動部について運動エネルギーを取得する運動エネルギー取得部と、前記シリンダ室に供給される作動油の流量を減少させる流量減少制御を開始する前記ピストンのストローク位置である開始位置と前記ピストンのストロークエンドとの差であるストローク差が、前記運動エネルギーが大きくなるほど大きくなるように、前記開始位置を設定する開始位置設定部と、前記流量減少制御において、前記シリンダ操作にかかわらず前記ピストンを前記ストロークエンドの手前で減速させるように、前記シリンダ駆動指令を前記ピストンの前記ストローク位置に応じて制限して前記流量調節部に入力する駆動指令制限部と、を備える。
この制御装置では、前記開始位置設定部は、前記運動している可動部の前記運動エネルギーが大きくなるほど、前記ストローク差が大きくなるように前記開始位置を設定する。すなわち、前記運動エネルギーに応じて前記開始位置が設定されるので、前記ピストンを前記ストロークエンドの手前で減速又は停止させるためのストロークである制動ストロークを十分に確保することができる。このように前記制動ストロークが確保された状態で、前記駆動指令制限部は、前記シリンダ操作にかかわらず前記ピストンを前記ストロークエンドの手前で減速させるように、前記シリンダ駆動指令を前記ストローク位置に応じて制限して前記流量調節部に入力することにより、前記油圧シリンダの前記ピストンが前記ストロークエンドに突入することに伴う衝撃を有効に緩和することを可能にする。
前記建設機械の制御装置は、基準マップを記憶するマップ記憶部をさらに備え、前記基準マップは、前記運動エネルギーが所定の基準エネルギーである場合における前記シリンダ駆動指令と前記ストローク位置との関係が予め設定されたマップであり、前記開始位置設定部は、前記運動エネルギー取得部により取得される前記運動エネルギーと前記基準エネルギーとの差であるエネルギー差が大きくなるほど、前記ストローク差が大きくなるように前記基準マップを補正した補正マップを生成し、前記駆動指令制限部は、前記補正マップに基づいて前記シリンダ駆動指令を制限することが好ましい。
この態様では、前記基準マップが予め設定され、当該基準マップと前記エネルギー差とに基づいて前記補正マップが生成され、前記エネルギー差に応じた前記補正マップに基づいて前記シリンダ駆動指令が制限される。このことは、前記油圧シリンダの前記ピストンが前記ストロークエンドに突入することに伴う衝撃を有効に緩和することを可能にするとともに、前記流量減少制御が前記マップに従って安定して行われることを可能にする。
前記建設機械の制御装置において、前記運動エネルギー取得部は、前記運動している可動部の重心の速度である重心速度を取得する速度取得部と、前記運動している可動部の質量と前記重心速度とに基づいて前記運動している可動部の前記運動エネルギーを演算するエネルギー演算部と、を含んでいてもよい。
この態様は、前記可動部の速度を、前記重心速度を用いて表現することにより、演算される前記運動エネルギーの精度をある程度確保しつつ当該運動エネルギーを容易に取得することを可能にする。
前記建設機械の制御装置において、前記エネルギー演算部は、前記ストロークエンドに向かって移動する前記ピストンが前記基準マップにおいて規定される前記開始位置である基準開始位置に到達する前の予め設定されたストローク範囲において前記速度取得部により取得される前記重心速度を用いて前記運動エネルギーを演算するように構成されていてもよい。
この態様では、前記運動エネルギーの演算は、毎回、前記基準開始位置の手前において予め設定された前記ストローク範囲において行われるので、前記流量減少制御による前記衝撃の緩和効果のばらつきが生じることが抑制される。
前記建設機械の制御装置において、前記速度取得部は、前記運動している可動部の姿勢を検出することが可能な姿勢検出部を含み、前記姿勢の変化に基づいて前記重心速度を演算するように構成され、前記エネルギー演算部は、前記ピストンの前記ストロークエンドに対応する前記可動部の可動限界に向かって変位する前記可動部の姿勢が基準姿勢になる前の予め設定された姿勢範囲において前記速度取得部により取得される前記重心速度を用いて前記運動エネルギーを演算し、前記基準姿勢は、前記ストロークエンドに向かって移動する前記ピストンが前記基準マップにおいて規定される前記開始位置である基準開始位置に対応する姿勢であるように構成されていてもよい。
この態様では、前記運動エネルギーの演算は、毎回、前記可動部の姿勢が前記基準姿勢になる前における予め設定された前記姿勢範囲において行われるので、前記流量減少制御による前記衝撃の緩和効果のばらつきが生じることが抑制される。
前記建設機械の制御装置は、前記作業装置に積載される積載物の質量を取得する積載物情報取得部をさらに備え、前記エネルギー演算部は、前記運動している可動部の質量と前記積載物の質量と前記重心速度とに基づいて前記運動エネルギーを演算してもよい。
この態様は、前記作業装置に前記積載物が積載された状態においても、当該積載物の影響を加味した前記流量減少制御が行われ、前記衝撃の緩和効果を得ることを可能にする。
前記建設機械の制御装置において、前記開始位置設定部は、補正された前記マップを、前記流量減少制御において前記ピストンが停止した場合に、前記補正マップを前記基準マップにリセットすることが好ましい。
この態様では、前記流量減少制御が終了した後に前記補正マップが前記基準マップにリセットされるので、前回の補正マップの影響を受けることなく次回の流量減少制御を行うことができる。
以上のように、本発明によれば、油圧シリンダのピストンがストロークエンドに突入することに伴う衝撃を有効に緩和することができる建設機械の制御装置が提供される。
本発明の実施の形態に係る制御装置が搭載される建設機械の一例である油圧ショベルの側面図である。 前記油圧ショベルに搭載される油圧回路及びこれに接続されるコントローラを示す油圧回路図である。 前記油圧回路に含まれる油圧シリンダのヘッド側端部に設けられたクッション構造を示す断面図である。 前記コントローラの機能構成を示すブロック図である。 前記コントローラにより実行される制御動作を示すフローチャートである。 前記制御動作における補正角度の演算を行うための補正角度演算マップを示す図である。 前記制御動作におけるシリンダ駆動指令と可動部の角度との関係を示すマップである。 前記マップの変形例を示す図である。
本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る制御装置が搭載される建設機械の一例である油圧ショベルを示す。この油圧ショベルは、地面Gの上を走行可能な下部走行体10と、前記下部走行体10に搭載される上部旋回体12と、上部旋回体12に搭載される作業装置14と、複数の油圧アクチュエータと、を備える。
前記下部走行体10及び前記上部旋回体12は、前記作業装置14を支持する機体を構成する。前記上部旋回体12は、旋回フレーム16と、その上に搭載される複数の要素と、を有する。当該複数の要素は、エンジンを収容するエンジンルーム17や運転室であるキャブ18を含む。
前記作業装置14は、掘削作業その他の必要な作業のための動作を行うことが可能であり、複数の可動部を含む。前記複数の可動部は、ブーム21、アーム22及びバケット24を含む。前記ブーム21は、図1の矢印A1に示されるように起伏可能すなわち水平軸回りに回動可能となるように前記旋回フレーム16の前端に支持される基端部と、その反対側の先端部と、を有する。前記アーム22は、図1の矢印A2に示されるように水平軸回りに回動可能となるように前記ブーム21の先端部に取付けられる基端部と、その反対側の先端部と、を有する。前記バケット24は、図1の矢印A3に示されるように回動可能となるように前記アーム22の先端部に取付けられる。
前記複数の油圧アクチュエータは、複数の油圧シリンダを含む。前記複数の油圧シリンダは、前記ブーム21を動かすための少なくとも一つのブームシリンダ26と、前記アーム22を動かすためのアームシリンダ27と、前記バケット24を動かすためのバケットシリンダ28と、を含む。前記少なくとも一つのブームシリンダ26は、前記上部旋回体12と前記ブーム21との間に介在し、作動油の供給を受けることにより伸長または収縮し、これにより前記ブーム21を起立方向または倒伏方向に回動させる。同様に、前記アームシリンダ27は、前記ブーム21と前記アーム22との間に介在し、作動油の供給を受けることにより前記アーム22をアーム引き方向(当該アーム22の先端がブーム21に近づく方向)及びアーム押し方向(当該アーム22の先端がブーム21から離れる方向)に回動させるように伸縮する。前記バケットシリンダ28は、前記アーム22と前記バケット24との間に介在し、作動油の供給を受けることにより前記バケット24を回動させるように伸縮する。
前記ブームシリンダ26、前記アームシリンダ27及び前記バケットシリンダ28は互いに近似した構造を有する。そこで、これらのシリンダ26〜28のうちこの実施の形態において後に詳述する制御装置による制御の対象となる油圧シリンダである前記アームシリンダ27の構造について、図2及び図3を参照しながら説明する。
前記アームシリンダ27は、シリンダ室を形成するシリンダ本体27cと、当該シリンダ室内に装填されるピストン27pと、当該ピストン27pから軸方向の一方に延びるピストンロッド27rと、を有する。前記ピストン27pは、前記シリンダ本体27cの内周面と密着しながら軸方向に摺動可能となるように前記シリンダ室内に装填され、これにより当該シリンダ室内を前記ピストンロッド27rが位置するロッド側室27bとその反対側のヘッド側室27aとに区画する。
前記ピストン27pは、前記シリンダ室内への作動油の供給に伴って前記ピストンロッド27rと一体にその軸方向に移動し、これによりアームシリンダ27全体を伸長させる。具体的に、前記ヘッド側室27aに作動油が供給されることにより前記ピストン27pが前記ヘッド側室27aを膨張させる向きに移動して前記ロッド側室27b内の作動油を押出す。これによりアームシリンダ27全体が伸長して前記アーム22を前記アーム引き方向に移動させる。逆に、前記ロッド側室27bに作動油が供給されることにより前記ピストン27pが前記ロッド側室27bを膨張させる向きに移動して前記ヘッド側室27a内の作動油を押し出す。これによりアームシリンダ27全体が収縮して前記アーム22を前記アーム押し方向に移動させる。
前記アームシリンダ27は、伸長方向及び収縮方向のそれぞれについて前記ピストン27pの移動に対応するシリンダストロークの終端であるストロークエンドを有し、これらのストロークエンドの間で前記ピストン27pが往復動することが可能である。それぞれのストロークエンドには、前記ピストン27pと前記シリンダ本体27cとの衝突を緩和するためのクッション構造が与えられている。
図3は、前記クッション構造のうちヘッド側端部(収縮方向のストロークエンド)に与えられたクッション構造を示している。当該クッション構造は、クッション用突出部29Aと、クッション室29Bと、図略の逃がし流路と、を含む。前記クッション用突出部29Aは前記ピストン27pから前記ピストンロッド27rと反対の側に(つまりヘッド側室27a内に)突出する。前記クッション室29Bは前記シリンダ本体27cに形成された凹部であって前記ピストン27pが収縮側のストロークエンドに至る際に前記クッション用突出部29Aを受け入れる形状を有する。前記逃がし流路は、前記クッション室29B内に前記クッション用突出部29Aが入り込む際に当該クッション室29B内の作動油が限られた流量で当該クッション室29Bの外部に流出するのを許容する流路であり、当該逃がし流路の流路抵抗によって前記シリンダ本体27cと前記ピストン27pとの当接による衝撃が緩和される。
図2は、前記油圧ショベルに搭載される油圧回路を示す。この油圧回路は、前記アームシリンダ27を含む前記複数の油圧アクチュエータに作動油を供給しかつその供給の方向及び流量を制御する機能を有する。具体的に、当該油圧回路は、前記油圧ショベルに搭載される図略のエンジンの出力軸に連結される複数の油圧ポンプである第1メインポンプ31、第2メインポンプ及びパイロットポンプと、複数のアクチュエータ制御弁と、複数のアクチュエータ操作器と、を含むとともに、当該油圧回路の作動を制御するためのコントローラ50に電気的に接続される。図2では、前記第2メインポンプ及びパイロットポンプの図示は省略されている。
前記各ポンプは、いずれも前記エンジンによって駆動され、これによりタンクT内の油を吐出する。前記第1メインポンプ31及び第2メインポンプは、前記タンクT内の油を前記複数の油圧アクチュエータを直接動かすための作動油として吐出するものである。前記パイロットポンプは、前記複数のアクチュエータ制御弁にパイロット圧を供給するためのパイロット油を吐出するパイロット油圧源である。この実施の形態に係る前記第1メインポンプ31及び前記第2メインポンプはそれぞれ可変容量型油圧ポンプからなり、それぞれの容量すなわちポンプ容量は前記コントローラ50から前記第1メインポンプ31及び前記第2メインポンプにそれぞれ入力されるポンプ容量指令によって操作される。
前記複数のアクチュエータ制御弁は、前記第1メインポンプ31または前記第2メインポンプと、前記複数のアクチュエータ制御弁にそれぞれ対応する複数の油圧アクチュエータと、の間に介在し、当該第1メインポンプ31または前記第2メインポンプから当該油圧アクチュエータに供給される作動油の方向及び流量を制御するように作動する。前記複数のアクチュエータ制御弁のそれぞれは、パイロット操作式の油圧切換弁からなり、前記パイロット圧の供給を受けて当該パイロット圧の大きさに対応したストロークで開弁することにより、当該ストロークに対応した流量で前記油圧アクチュエータに作動油が供給されることを許容する。従って、当該パイロット圧を変えることによって前記流量の制御が可能である。
この実施の形態において、前記複数のアクチュエータ制御弁は第1グループG1及び第2グループG2のいずれかに属する。前記第1グループG1に属するアクチュエータ制御弁は、前記第1メインポンプ31から吐出される作動油の供給を受けるように当該第1メインポンプ31に接続され、前記第2グループG2に属するアクチュエータ制御弁は、前記第2メインポンプから吐出される作動油の供給を受けるように当該第2メインポンプに接続される。具体的に、前記第1メインポンプ31の吐出口には、図略の背圧弁を介してタンクにつながる第1センターバイパスラインCL1が接続可能であり、前記第1グループG1に属するアクチュエータ制御弁は前記第1センターバイパスラインCL1に沿ってタンデムに配置される。同様に、前記第2メインポンプの吐出口には、前記背圧弁を介してタンクにつながる図略の第2センターバイパスラインが接続され、前記第2グループG2に属するアクチュエータ制御弁は前記第2センターバイパスラインに沿ってタンデムに配置される。
前記第1メインポンプ31の吐出口には、前記第1センターバイパスラインCL1とパラレルに第1供給ラインSL1が接続されている。当該第1供給ラインSL1は、前記第1グループG1に属する複数のアクチュエータ制御弁に対応してさらに分岐し、前記第1メインポンプ31から吐出される作動油を前記第1グループG1に属するアクチュエータ制御弁に分配するように当該アクチュエータ制御弁に接続される。また、前記第1グループG1に接続する前記複数のアクチュエータ制御弁は第1タンクラインTL1を介して前記背圧弁に接続されている。
同様に、前記第2メインポンプの吐出口には、前記第2センターバイパスラインとパラレルに図略の第2供給ラインが接続されている。当該第2供給ラインは、前記第2グループG2に属する複数のアクチュエータ制御弁に対応してさらに分岐し、前記第2メインポンプから吐出される作動油を前記第2グループG2に属するアクチュエータ制御弁に分配するように当該アクチュエータ制御弁に接続される。また、前記第2グループG2に接続する前記複数のアクチュエータ制御弁は図略の第2タンクラインを介して前記背圧弁に接続されている。
前記複数のアクチュエータ制御弁は、前記アームシリンダ27の動きを制御するためのアーム制御弁37と、前記ブームシリンダ26の動きを制御するための図略のブーム制御弁と、前記バケットシリンダ28の動きを制御するための図略のバケット制御弁と、を含む。
前記アーム制御弁37は、前記第1グループG1に属し、前記第1メインポンプ31から前記アームシリンダ27への作動油の供給を制御するように開弁する。具体的に、当該アーム制御弁37は、前記第1メインポンプ31から吐出された作動油が前記アームシリンダ27の前記ヘッド側室27aまたは前記ロッド側室27bに供給されるのを許容するとともに当該ロッド側室27bまたは当該ヘッド側室27aから排出される作動油が前記第1タンクラインTL1を通じてタンクに戻るのを許容する油路を形成するように、開弁する。
前記アーム制御弁37は、3位置のパイロット切換弁であり、一対のパイロットポートを有する。具体的に、前記アーム制御弁37は、アーム引きパイロットポート37aとその反対側のアーム押しパイロットポート37bを有する。
前記アーム制御弁37は、前記アーム引き及びアーム押しパイロットポート37a,37bに供給されるパイロット圧がいずれも0または微小である場合は中立位置に保たれ、前記アームシリンダ27を前記第1メインポンプ31から遮断するとともに前記第1センターバイパスラインCL1を開通する。当該アーム制御弁37は、前記アーム引きパイロットポート37aまたはアーム押しパイロットポート37bに一定以上のパイロット圧が供給されると当該パイロットポートに対応した方向に当該パイロット圧の大きさに対応したバルブストロークで前記中立位置からシフトして前記第1供給ラインSL1と前記アームシリンダ27のヘッド側室27aまたはロッド側室27bとを前記バルブストロークに対応した開口面積で連通し、これにより前記アームシリンダ27を前記バルブストロークに対応する方向(例えばアーム引きパイロットポート37aにパイロット圧が入力されたときはアーム引き方向)に前記バルブストロークに対応する速度で伸縮させる。
前記複数のアクチュエータ操作器は、前記複数のアクチュエータ制御弁にそれぞれ接続され、当該アクチュエータ制御弁に接続される油圧アクチュエータを動かすための操作を受けて当該操作に対応したパイロット圧を当該アクチュエータ制御弁のパイロットポートに入力する。具体的に、当該複数のアクチュエータ操作器は、前記パイロットポンプと前記複数のアクチュエータ制御弁との間にそれぞれ設けられ、前記パイロットポンプから出力されるパイロット一次圧を前記操作に対応した度合いで減圧してパイロット二次圧を生成し、当該パイロット二次圧を前記アクチュエータ制御弁のパイロット圧として当該アクチュエータ制御弁のパイロットポートに入力する。
前記複数のアクチュエータ操作器は、前記アームシリンダ27を動かすための操作器として図2に示されるアーム操作器47と、前記ブームシリンダ26を動かすための図略のブーム操作器と、前記バケットシリンダ28を動かすための図略のバケット操作器と、を含む。
前記アーム操作器47は、前記アームシリンダ27を伸縮させる(アーム引き方向及びアーム押し方向に動かす)ためのシリンダ操作としてアーム引き操作及びアーム押し操作を受け、これに対応するパイロット圧をシリンダ駆動指令として前記アーム制御弁37に入力する。
具体的に、前記アーム操作器47は、アーム操作レバー47aと、これに連結されるアームパイロット弁47bと、を有する。前記アーム操作レバー47aは、オペレータによる前記アーム引き操作及びアーム押し操作を受ける操作部材である。前記アームパイロット弁47bは、前記アーム操作レバー47aに与えられるアーム引き操作またはアーム押し操作に対応したパイロット圧すなわちシリンダ駆動指令を生成して前記アーム制御弁37に入力する減圧弁であり、前記パイロットポンプとともに本発明に係る駆動指令入力部を構成する。前記アームパイロット弁47bは、前記アーム操作レバー47aにアーム引き操作が与えられると、当該アーム引き操作の大きさに対応した速度で前記アームシリンダ27を伸長させるようなアーム引き操作パイロット圧Pa1を生成し、このアーム引き操作パイロット圧Pa1はアーム引きパイロットライン40Aを通じて前記アーム制御弁37のアーム引きパイロットポート37aに入力されることが可能である。前記アームパイロット弁47bは、逆に前記アーム操作レバー47aにアーム押し操作が与えられると、当該アーム押し操作の大きさに対応した速度で前記アームシリンダ27を収縮させるようなアーム押し操作パイロット圧Pb1を生成し、このアーム押し操作パイロット圧Pb1はアーム押しパイロットライン40Bを通じて前記アーム制御弁37のアーム押しパイロットポート37bに入力されることが可能である。
同様に、前記ブーム操作器は、前記ブームシリンダ26を伸縮させる(ブーム上げ方向及びブーム下げ方向に動かす)ためのシリンダ操作としてブーム上げ操作及びブーム下げ操作を受け、これに対応するパイロット圧をシリンダ駆動指令として前記ブーム制御弁に入力する。また、前記バケット操作器は、前記バケットシリンダ28を伸縮させる(バケット引き方向及びバケット押し方向に動かす)ためのシリンダ操作としてバケット引き操作及びバケット押し操作を受け、これに対応するパイロット圧をシリンダ駆動指令として前記バケット制御弁に入力する。
図2に示される油圧回路は、アーム引きパイロット圧制限弁42A及びアーム押しパイロット圧制限弁42Bをさらに備える。これらのパイロット圧制限弁42A,42Bと、前記アーム制御弁37は、前記第1メインポンプ31から前記アームシリンダ27の前記シリンダ室に供給される作動油の流量を前記シリンダ駆動指令に応じて変化させる流量調節部を構成する。
当該アーム引きパイロット圧制限弁42A及びアーム押しパイロット圧制限弁42Bは、前記アーム引きパイロットライン40A及び前記アーム押しパイロットライン40Bの途中にそれぞれ設けられ、前記アームパイロット弁47bから前記アーム制御弁37に供給されるパイロット圧を制限するための手段として機能する。
この実施の形態に係る前記アーム引きパイロット圧制限弁42A及びアーム押しパイロット圧制限弁42Bは、それぞれ、ソレノイド42a,42bを有する電磁逆比例弁により構成され、当該ソレノイド42a,42bに入力される電気信号であるパイロット圧制限指令に対応したパイロット圧の制限を行う。具体的に、前記アーム引きパイロット圧制限弁42Aは、前記アームパイロット弁47bから入力されるパイロット圧であるアーム引き操作パイロット圧Pa1が前記パイロット圧制限指令に対応する制限パイロット圧Pirよりも小さい場合には、当該アーム引き操作パイロット圧Pa1がそのまま最終アーム引きパイロット圧Pa2として前記アーム制御弁37のアーム引きパイロットポート37aに入力されるのを許容し、前記アーム引き操作パイロット圧Pa1が前記制限パイロット圧Pir以上である場合には、当該アーム引き操作パイロット圧Pa1の大きさにかかわらず前記アーム制御弁37に入力される最終アーム引きパイロット圧Pa2を前記制限パイロット圧Pirに制限するように、開弁する。同様に、前記アーム押しパイロット圧制限弁42Bは、前記アームパイロット弁47bから入力されるパイロット圧であるアーム押し操作パイロット圧Pb1が前記制限パイロット圧Pirよりも小さい場合には、当該アーム押し操作パイロット圧Pb1がそのまま最終アーム押しパイロット圧Pb2として前記アーム制御弁37のアーム押しパイロットポート37bに入力されるのを許容し、前記アーム押し操作パイロット圧Pb1が前記制限パイロット圧Pir以上である場合には、当該操作パイロット圧Pb1の大きさにかかわらず前記アーム制御弁37に入力される最終アーム押しパイロット圧Pb2を前記制限パイロット圧Pirに制限するように、開弁する。
つまり、この実施の形態に係る前記パイロット圧制限弁42A,42Bに入力される前記パイロット圧制限指令は、前記アーム制御弁37に入力される最終アーム引きパイロット圧Pa2及び最終アーム押しパイロット圧Pb2の上限値をそれぞれ規定する。
前記コントローラ50は、例えばCPU、メモリなどを備えるコンピュータにより構成される。前記コントローラ50は、前記パイロット圧制限弁42A,42Bのそれぞれに前記パイロット圧制限指令を入力してアーム引き及びアーム押しパイロット圧をそれぞれ制限することにより、前記アームシリンダ27のピストン27pが前記ストロークエンドに到達する前に当該ストロークエンドの手前の位置で当該ピストン27pを停止させるような制御を行う。前記制御装置は、当該制御のために必要な情報を前記コントローラ50に与える手段として、複数の検出装置を備える。当該複数の検出装置は、前記制御に必要な物理量を検出し、その物理量に対応した電気信号である検出信号を生成して前記コントローラ50に入力する。
前記複数の検出装置は、図2及び図4に示されるようなアーム引き操作センサ67Aと、アーム押し操作センサ67Bと、図略のブーム上げ操作センサ及びブーム下げ操作センサと、図略のバケット引き操作センサ及びバケット押し操作センサと、姿勢検出部70と、撮像装置80と、を含む。
前記アーム引き操作センサ67Aは、前記アーム引きパイロットライン40Aのうち前記アーム引きパイロット圧制限弁42Aの上流側の部分に接続され、前記アームパイロット弁47bから出力されるアーム引きパイロット圧である前記アーム引き操作パイロット圧Pa1を検出する。同様に、前記アーム押し操作センサ67Bは、前記アーム押しパイロットライン40Bのうち前記アーム押しパイロット圧制限弁42Bの上流側の部分に接続され、前記アームパイロット弁47bから出力されるアーム押しパイロット圧である前記アーム押し操作パイロット圧Pb1を検出する。検出された操作パイロット圧に対応する操作信号は、前記コントローラ50に入力される。
同様に、前記ブーム上げ操作センサは、前記ブーム操作器のブームパイロット弁から出力されるブーム上げ操作パイロット圧を検出し、前記ブーム下げ操作センサは、前記ブーム操作器のブームパイロット弁から出力されるブーム下げ操作パイロット圧を検出する。また、前記バケット引き操作センサは、前記バケット操作器のバケットパイロット弁から出力されるバケット引き操作パイロット圧を検出し、前記バケット押し操作センサは、前記バケット操作器のバケットパイロット弁から出力されるバケット押し操作パイロット圧を検出する。検出された操作パイロット圧に対応する操作信号は、前記コントローラ50に入力される。
前記姿勢検出部70は、前記作業装置14の姿勢に関する姿勢情報を検出する。具体的に、当該姿勢検出部70は、図1及び図2に示すようなブーム角度センサ71、アーム角度センサ72及びバケット角度センサ74を含む。前記ブーム角度センサ71は、前記機体に対する前記ブーム21の起伏角度であるブーム角度を検出する。前記アーム角度センサ72は、前記ブーム21に対する前記アーム22の回動角度であるアーム角度を検出する。前記バケット角度センサ74は前記アーム22に対する前記バケット24の回動角度であるバケット角度を検出する。検出されたブーム角度、前記アーム角度及び前記バケット角度に対応するブーム角度信号(ストローク位置信号)、アーム角度信号(ストローク位置信号)及びバケット角度信号(ストローク位置信号)は、前記コントローラ50に入力される。
本実施形態では、前記姿勢検出部70は、前記複数の可動部のうち運動している可動部の重心の速度である重心速度を取得する速度取得部を構成する。前記姿勢検出部70のブーム角度センサ71、アーム角度センサ72及びバケット角度センサ74は、前記ブーム角度、前記アーム角度及び前記バケット角度を検出し、これらの角度に基づいて前記ブーム21の姿勢、前記アーム22の姿勢、及び前記バケット24の姿勢を取得することができ、また、前記作業装置14の姿勢を取得することができる。また、前記姿勢検出部70は、これらの姿勢の単位時間あたりの変化に基づいて、前記重心速度を取得すること又は前記重心速度を演算するための情報を取得することができる。
前記コントローラ50は、前記のようなアーム引きパイロット圧及びアーム押しパイロット圧(シリンダ駆動指令)の制限により前記アームシリンダ27のピストン27pがストロークエンドに至るのを阻止するための制御を実行する。これらの制御に関連する機能として、前記コントローラ50は、図4に示すような駆動指令入力部51と、エネルギー演算部52と、開始位置設定部53と、駆動指令制限部54と、マップ記憶部55と、積載物情報演算部56と、を備える。
前記駆動指令入力部51は、前記操作部材に与えられる前記シリンダ操作に対応した前記シリンダ駆動指令を生成し、当該シリンダ駆動指令を、前記流量調節部を構成するパイロット圧制限弁42A,42Bのうち、前記シリンダ操作に対応するパイロット圧制限弁に入力する。
前記エネルギー演算部52は、前記複数の可動部のうち運動している可動部について運動エネルギーを演算する。本実施形態では、前記エネルギー演算部52は、前記運動している可動部の質量と前記重心速度とに基づいて前記運動している可動部の前記運動エネルギーを演算する。このエネルギー演算部52と前記速度取得部は、運動エネルギー取得部を構成する。
具体的に、前記エネルギー演算部52は、例えば、前記ピストン27pの前記ストロークエンドに対応する前記可動部の可動限界に向かって変位する前記可動部の姿勢が前記ピストン27pの後述の基準開始位置に対応する基準姿勢になる前の予め設定された姿勢範囲において前記姿勢検出部70により取得される前記重心速度を用いて前記運動エネルギーを演算する。前記エネルギー演算部52は、前記運動している可動部の質量と前記積載物の質量と前記重心速度とに基づいて前記運動エネルギーを演算することが好ましい。
なお、「前記複数の可動部のうち運動している可動部」の意味について具体例を挙げて説明すると次の通りである。本実施形態では、複数の可動部は、前記ブーム21、前記アーム22及び前記バケット24により構成される。前記ブーム21が前記ブームシリンダ26により駆動されると、前記前記アーム22及び前記バケット24を支持する前記ブーム21が前記上部旋回体12に対して変位するので、前記アーム22及び前記バケット24が前記アームシリンダ27及び前記バケットシリンダ28により駆動されているか否かにかかわらず、前記アーム22及び前記バケット24も、前記上部旋回体12に対して変位する。従って、前記ブーム21が前記ブームシリンダ26により駆動される場合、前記ブーム21、前記アーム22及び前記バケット24が「運動している可動部」となる。
前記ブーム21が前記ブームシリンダ26により駆動されず、前記アーム22が前記アームシリンダ27により駆動されると、前記バケット24を支持する前記アーム22が前記上部旋回体12に対して変位するので、前記バケット24が前記バケットシリンダ28により駆動されているか否かにかかわらず、前記バケット24も、前記上部旋回体12に対して変位する。従って、前記ブーム21が前記ブームシリンダ26により駆動されず、前記アーム22が前記アームシリンダ27により駆動される場合、前記アーム22及び前記バケット24が「運動している可動部」となる。
前記ブーム21及び前記アーム22が前記ブームシリンダ26及び前記アームシリンダ27により駆動されず、前記バケット24が前記バケットシリンダ28により駆動されると、前記バケット24のみが前記上部旋回体12に対して変位する。従って、前記ブーム21及び前記アーム22が前記ブームシリンダ26及び前記アームシリンダ27により駆動されず、前記バケット24が前記バケットシリンダ28により駆動される場合、前記バケット24が「運動している可動部」となる。
前記複数の可動部のうちどの可動部が運動しているか否かの判定は、例えば、前記ブーム上げ操作センサ、前記ブーム下げ操作センサ、前記アーム引き操作センサ67A、前記アーム押し操作センサ67B、前記バケット引き操作センサ及び前記バケット押し操作センサによりそれぞれ検出され、前記コントローラ50に入力される前記操作パイロット圧に対応する前記操作信号に基づいて、前記コントローラ50によって行われることが可能であるが、このような態様に限られない。前記複数の可動部のうちどの可動部が運動しているか否かの判定は、例えば、前記ブーム角度センサ71、前記アーム角度センサ72及び前記バケット角度センサ74によりそれぞれ検出され、前記コントローラ50に入力される前記ブーム角度信号、前記アーム角度信号及び前記バケット角度信号に基づいて、前記コントローラ50によって行われてもよい。
前記開始位置設定部53は、前記シリンダ室に供給される作動油の流量を減少させる流量減少制御を開始する前記ピストン27pのストローク位置である開始位置と前記ピストン27pのストロークエンドとの差であるストローク差が、前記運動エネルギーが大きくなるほど大きくなるように、前記開始位置を設定する。
ここで、制御の対象となる油圧シリンダにおける前記ピストン27pのストローク位置は、当該油圧シリンダにより駆動される可動部の姿勢に対応する。具体的には、前記ストローク位置は、例えば、前記可動部の姿勢を規定することができる前記可動部の角度に対応する。従って、前記ピストン27pの前記開始位置は、前記可動部の減速開始角度に対応するものであり、前記ピストン27pの前記ストロークエンドは、前記可動部の可動限界角度に対応するものであり、前記ピストン27pの前記ストローク差は、前記可動部の前記減速開始角度と前記可動限界角度との差である角度差に対応するものである。従って、本発明において、前記運動エネルギーが大きくなるほど前記ストローク差が大きくなるように前記開始位置設定部が前記開始位置を設定することは、前記運動エネルギーが大きくなるほど前記角度差が大きくなるように前記開始位置設定部が前記減速開始角度を設定することを含む。
前記駆動指令制限部54は、前記流量減少制御において、前記シリンダ操作にかかわらず前記ピストン27pを前記ストロークエンドの手前で減速させるように、前記駆動指令入力部51から、前記流量調節部を構成するパイロット圧制限弁42A,42Bのうち、前記シリンダ操作に対応するパイロット圧制限弁に入力される前記シリンダ駆動指令を、前記ピストン27pの前記ストローク位置に応じて制限する。
ここで、上述したように前記ピストン27pの前記ストローク位置は、前記可動部の角度に対応する。従って、本発明において、前記駆動指令制限部が、前記流量減少制御において、前記シリンダ操作にかかわらず前記ピストンを前記ストロークエンドの手前で減速させるように、前記シリンダ駆動指令を前記ピストンの前記ストローク位置に応じて制限して前記流量調節部に入力することは、前記駆動指令制限部が、前記流量減少制御において、前記シリンダ操作にかかわらず前記可動部を前記可動限界角度の手前で減速させるように、前記シリンダ駆動指令を前記可動部の角度に応じて制限して前記流量調節部に入力することを含む。
前記マップ記憶部55は、基準マップを記憶する。前記基準マップは、前記運動エネルギーEが所定の基準エネルギーE0である場合における前記シリンダ駆動指令と前記ストローク位置との関係が予め設定されたマップである。
前記開始位置設定部53は、前記運動エネルギー取得部の前記エネルギー演算部52により演算される前記運動エネルギーと前記基準エネルギーE0との差であるエネルギー差が大きくなるほど、前記ストローク差が大きくなるように前記基準マップを補正した補正マップを生成する。
ここで、上述したように前記ピストン27pの前記ストローク差は、前記可動部の前記角度差に対応する。従って、本発明において、前記開始位置設定部が、前記運動エネルギー取得部により取得される前記運動エネルギーと前記基準エネルギーとの差であるエネルギー差が大きくなるほど、前記ストローク差が大きくなるように前記基準マップを補正した補正マップを生成することは、前記開始位置設定部が、前記エネルギー差が大きくなるほど、前記角度差が大きくなるように前記基準マップを補正した補正マップを生成することを含む。
前記積載物情報演算部56は、前記撮像装置80により撮像された前記画像に基づいて前記バケット24に積載された前記積載物の前記質量を演算する。前記撮像装置80と前記積載物情報演算部56は、前記作業装置14のバケット24に積載される積載物の質量を取得する積載物情報取得部を構成する。
前記撮像装置80は、前記油圧ショベルが作業を行う作業現場の画像である現場画像を取得する。当該現場画像は、少なくとも前記バケット24に積載された積載物を含む画像である。前記撮像装置80により取得された画像のデータは、前記コントローラ50に入力される。
前記積載物情報演算部56は、前記コントローラ50に入力された前記画像のデータに基づいて、前記積載物の前記質量を演算する。前記積載物情報演算部56は、例えば、テンプレートマッチングによって、前記画像に含まれる前記積載物の量を検出し、前記積載物の質量を判定してもよい。また、前記積載物情報演算部56は、例えば、ディープラーニングにより機械学習した多層構造のニューラルネットワークに前記画像のデータを入力することにより、当該画像に含まれる前記積載物の量を判定してもよい。
前記バケット24に積載された積載物の質量の演算方法は上記に限られない。前記積載物の質量は、例えば、前記バケット24などのアタッチメントを駆動する油圧シリンダの圧力や姿勢に基づいて演算されてもよい。また、前記積載物の質量は、例えば、前記アタッチメントにロードセル等のセンサを取り付けて当該センサにより検出された値に基づいて演算されてもよい。本発明では、種々の計測手段により前記積載物の質量を取得でき、取得された前記積載物の質量を以下で例示するような制御に用いることができる。
次に、前記コントローラ50により行われる具体的な演算制御動作を、図5のフローチャート及び図6〜図8のグラフを参照しながら説明する。
前記コントローラ50の前記エネルギー演算部52は、前記複数の可動部のうち、当該演算制御動作の対象となる可動部の重心位置の演算を行う(図5のステップS1)。具体的には次の通りである。
(A.ブーム21を回動動作させる場合)
前記ブーム21を回動動作させる場合、上部旋回体12に対して複数の可動部の全てが一体的に動作するので、演算制御動作の対象となる可動部は前記ブーム21、前記アーム22及び前記バケット24である。前記エネルギー演算部52は、前記ブーム21、前記アーム22及び前記バケット24の合成重心の位置を演算する。
前記ブーム21、前記アーム22及び前記バケット24の合成重心Gの位置(Xg,Yg)は、ブーム21の重心g1の位置(x1、y1)、アーム22の重心g2の位置(x2、y2)及びバケット24の重心g3の位置(x3、y3)を用いて下記式(1)のように演算される。
Figure 2021055289
Figure 2021055289
式(1)において、各可動部の位置は、予め設定された座標系を用いて表される。前記座標系は、例えば、下部走行体の位置する地面を平面と見做した際のブーム21の基端を原点とし、前後方向をx、鉛直方向をyとする座標系を用いているがこれに限られない。
式(1)及び(2)において、m1、m2、m3は、それぞれブーム21、アーム22、バケット24の質量であり、式(2)のように、これらの質量の合算値が可動部の合計質量Mとなる。また、バケット33の質量m3には、バケット24内の土砂等の積載物の質量m4が加算されることが好ましい。当該積載物の重心は、バケット24の重心と同じとみなして計算する。
前記複数の可動部21,22,24のそれぞれの重心位置は、コントローラ50が予め各可動部の重心位置情報を含む寸法情報を記憶しておくことにより角度センサ71,72,74により計測される各可動部の角度情報を用いて計算することができる。また、前記複数の可動部21,22,24のそれぞれの角度情報は、GPSセンサ、GNSSセンサなどの測位センサなどにより計測するようにしてもよい。
(B.アーム22を回動動作させる場合)
前記ブーム21を回動動作させず前記アーム22を回動動作させる場合、前記ブーム21に対して前記アーム22及び前記バケット24が一体的に動作するので演算制御動作の対象となる可動部は前記アーム22及び前記バケット24である。
この場合の、合成重心Gの位置(Xg,Yg)は、アーム22の重心g2の位置(x2、y2)及びバケット24の重心g3の位置(x3、y3)を用いて下記式(3)のように演算される。可動部の合計質量Mは、下記式(4)にように演算される。
Figure 2021055289
Figure 2021055289
(C.バケット24を回動動作させる場合)
前記ブーム21及び前記アーム22を回動動作させず前記バケット24を回動動作させる場合、前記アーム22に対して前記バケット24が回動動作するので演算制御動作の対象となる可動部は前記バケット24である。
この場合の、合成重心Gの位置(Xg,Yg)は、下記式(5)のようにバケット24の重心g3の位置(x3、y3)となる。可動部の合計質量Mは、下記式(6)にように前記バケット24の質量になる。
Figure 2021055289
Figure 2021055289
次に、前記エネルギー演算部52は、前回演算された重心位置G(図5のフローにおいて1周期前に演算された重心位置)と、今回演算された重心位置とに基づいて、前記合成重心の速度である重心速度Vgを演算する(ステップS2)。
Figure 2021055289
式(7)において、tの単位は時間である。
次に、前記エネルギー演算部52は、前記重心速度Vgがゼロではないという条件を満たすか否かを判定する(ステップS3)。前記重心速度Vgがゼロである場合(ステップS3においてNO)、前記エネルギー演算部52は、後述する補正角度αをリセットする(ステップS11)。言い換えると、前記エネルギー演算部52は、後述する補正マップを基準マップに戻す。
前記重心速度Vgがゼロではない場合(ステップS3においてYES)、前記エネルギー演算部52は、前記重心速度Vgと、前記合計質量Mと、下記の式(8)と、に基づいて、前記アーム22及び前記バケット24の運動エネルギーEを演算する。
Figure 2021055289
次に、前記開始位置設定部53は、前記アームシリンダ27のピストン27pのストローク位置が予め設定された補正範囲内であるか否かを判定する(ステップS5)。前記補正範囲は、前記ストロークエンドに向かって移動する前記ピストン27pが前記基準マップにおいて規定される前記開始位置である基準開始位置に到達する前の予め設定されたストローク範囲であってもよい。また、前記補正範囲は、前記ピストン27pの前記ストロークエンドに対応する前記可動部の可動限界に向かって変位する前記可動部の姿勢が前記ピストン27pの前記基準開始位置に対応する基準姿勢になる前の予め設定された姿勢範囲であってもよい。本実施形態では、図7に示すように、前記補正範囲は、前記姿勢範囲によって規定されている。
具体的には、前記姿勢範囲は、前記可動部の角度の範囲として規定されていてもよい。前記姿勢範囲として、A.ブーム21を回動動作させる場合には、前記ブーム21の角度の範囲が規定され、B.アーム22を回動動作させる場合には、前記アーム22の角度の範囲が規定され(例えば図7、図8)、C.バケット24を回動動作させる場合には、前記バケット24の角度の範囲が規定されていてもよい。また、前記姿勢範囲として、A.ブーム21を回動動作させる場合には、ブームシリンダ26における前記ストローク位置の範囲が規定され、B.アーム22を回動動作させる場合には、アームシリンダ27における前記ストローク位置の範囲が規定され、C.バケット24を回動動作させる場合には、バケットシリンダ28における前記ストローク位置の範囲が規定されていてもよい。
前記ピストン27pの前記ストローク位置(図7では、前記アーム22の角度)が前記補正範囲内ではない場合(ステップS5においてNO)、前記開始位置設定部53は、補正角度αを前回設定された値に維持し(ステップS10)、後述するように補正マップを生成する(ステップS8)。
前記ピストン27pの前記ストローク位置(図7では、前記アーム22の角度)が前記補正範囲内である場合(ステップS5においてYES)、前記開始位置設定部53は、補正角度αを演算する(ステップS6)。前記補正角度αは、例えば図6に示すように前記流量減少制御において補正角度αの演算を行うために予め設定された補正角度演算マップに基づいて演算される。前記開始位置設定部53は、演算した補正角度αを記憶する(ステップS7)。図6に示す前記補正角度演算マップでは、前記運動エネルギーEが所定の基準エネルギーE0のときに前記補正角度αがゼロであり、前記運動エネルギーEが前記基準エネルギーE0から増加するにつれて前記補正角度αが増加する。図6に示す前記補正角度演算マップは、前記運動エネルギーEが前記基準エネルギーE0から増加するにつれて前記補正角度αが直線的に増加するように構成されるが、これに限られず、曲線的に増加するように構成されていてもよい。
次に、前記開始位置設定部53は、図7において破線で示す基準マップと、演算された前記補正角度αとに基づいて、図7において実線で示す補正マップを生成する(ステップS8)。図7に示す具体例では、前記補正マップにおける前記減速開始角度は、当該減速開始角度と、前記アーム22の可動限界における前記アーム22の角度である可動限界角度との差が、前記基準マップにおける基準減速開始角度(基準姿勢)と、前記可動限界角度との差よりも、前記補正角度αの分だけ大きくなるように、設定される。前記補正マップにおける前記減速開始角度では、前記電磁弁42Aに与えられる前記シリンダ駆動指令(電磁比例弁指令)は、最大値に設定され、前記補正マップにおける前記可動限界角度では、前記電磁弁42Aに与えられる前記シリンダ駆動指令は、最小値に設定されている。そして、前記補正マップでは、前記アーム22の角度が前記減速開始角度から前記可動限界角度に近づくにつれて、前記シリンダ駆動指令が直線的に次第に減少する。
なお、前記補正マップにおいて前記直線的に減少する部分は、例えば図8の変形例に示すように、前記基準マップにおける前記基準減速開始角度に対応する部位から前記可動限界角度に対応する部位までの傾斜する直線に平行なものであってもよい。
次に、前記駆動指令制限部54は、生成された前記補正マップに基づいて前記シリンダ駆動指令を制限する。すなわち、前記駆動指令制限部54は、前記補正マップに基づいて前記アーム22の角度に応じた前記シリンダ駆動指令を出力する(ステップS9)。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されない。本発明は、例えば次のような態様を包含する。
(A)駆動対象及び駆動指令の制限について
本発明に係る制御装置の駆動対象となる油圧シリンダは前記ブームシリンダ26、前記アームシリンダ27、前記バケットシリンダ28に限定されない。当該油圧シリンダは、前記バケット24に代えて前記アーム22の先端に装着されるオプション機器を動かすオプションシリンダであってもよい。また、一つの建設機械に搭載される複数の油圧シリンダについて本発明に係る制御装置が適用されてもよい。
本発明に係るシリンダ駆動指令の制限は、伸長側及び収縮側ストロークエンドのうちの一方のストロークエンドについてのみ行われてもよい。例えば、伸長側ストロークエンドに比べて収縮側ストロークエンドでの衝撃が顕著である場合、当該収縮側ストロークエンドについてのみ駆動指令の制限が行われてもよい。
(B)駆動指令入力部及び駆動指令制限部について
本発明に係る駆動指令入力部は、図2に示されるようなパイロットポンプ34とアームパイロット弁47bの組合せ(つまり操作パイロット圧を生成する手段)に限定されない。本発明は、電気操作式の駆動装置にも適用されることが可能である。この場合、前記コントローラ50には電気レバー装置及びパイロット操作弁が電気的に接続される。前記電気レバー装置は、オペレータによるシリンダ操作を受け、当該シリンダ操作に対応する電気信号である操作信号を生成して前記コントローラ50に入力する。前記パイロット操作弁は、図略のパイロット油圧源(例えば前記パイロットポンプ)とパイロット操作式のシリンダ制御弁との間に介在する電磁弁(例えば電磁比例減圧弁)であり、前記コントローラ50から入力されるパイロット圧指令に対応したパイロット圧が前記シリンダ制御弁に入力されるのを許容するように開弁する。
(C)シリンダ制御弁について
本発明に係るシリンダ制御弁は、駆動対象である油圧シリンダに接続されるものであればよく、前記アーム制御弁37に限定されない。例えば、駆動対象が前記ブームシリンダ26またはバケットシリンダ28である場合、本発明に係るシリンダ制御弁にはブーム制御弁またはバケット制御弁が該当する。また、当該シリンダ制御弁の個数は問わず、前記アーム制御弁37のように共通の駆動対象に接続される複数の制御弁であってもよい。
(D)駆動指令制限特性について
本発明において、油圧シリンダのピストンがストロークエンドに至るのを防ぐためのシリンダ駆動指令のシリンダストロークに対する制限特性は、図6及び図7に示されるような特性に限定されない。当該特性は、例えば滑らかな曲線によって与えられるものでもよいし、駆動指令を複数の段階にわたって制限するものでもよい。
(E)複合操作について
前記実施形態は、何れかの可動部(ブーム21、アーム22、又はバケット24)が単独で駆動される単独操作が行われる態様であるが、本発明は、複数の可動部のうち2つ以上の可動部が同時に駆動される複合操作が行われる態様にも適用可能である。この場合駆動される可動部それぞれについて補正マップが生成され、前記駆動される可動部に対応するそれぞれのシリンダに対してシリンダ駆動指令が出力される。例えば、ブーム21とアーム22をそれぞれ回動動作させる場合には、例えば、ブームシリンダ26のピストンおよびバケットシリンダ28のピストンをストロークエンドの手前で減速させるようにするべく、駆動される可動部それぞれについて補正マップが生成され、それぞれのシリンダに対応する前記流量調節部に対してシリンダ駆動指令が出力される。
(F)開始位置について
前記実施形態では、図7及び図8に示すように、前記開始位置設定部53は、減速開始角度と可動限界角度との差である角度差(ストローク差に対応する値)が、前記運動エネルギーEが大きくなるほど大きくなるように、減速開始角度(開始位置に対応する値)を設定したが、これに限られない。前記開始位置設定部は、前記シリンダ室に供給される作動油の流量を減少させる流量減少制御を開始する前記ピストンのストローク位置である開始位置と前記ピストンのストロークエンドとの差であるストローク差が、前記運動エネルギーが大きくなるほど大きくなるように、前記開始位置を設定してもよい。
(G)速度取得部について
前記実施形態では、速度取得部は、姿勢検出部により構成されているが、これに限られない。前記速度取得部は、例えばGPSセンサ、GNSSセンサなどの測位センサなどに構成されていてもよい。
10 下部走行体
12 上部旋回体
14 作業装置
21 ブーム
22 アーム
24 バケット
26 ブームシリンダ
27 アームシリンダ
27c シリンダ本体
27p ピストン
28 バケットシリンダ
31 メインポンプ(油圧ポンプ)
37 アーム制御弁
42A,42B パイロット圧制限弁
47 アーム操作器
47a アーム操作レバー
47b アームパイロット弁
50 コントローラ
51 駆動指令入力部
52 エネルギー演算部
53 開始位置設定部
54 駆動指令制限部
55 マップ記憶部
56 積載物情報演算部
67A,67B 操作センサ
70 姿勢検出部
71 ブーム角度センサ
72 アーム角度センサ
74 バケット角度センサ
E 運動エネルギー
E0 基準エネルギー
Vg 重心速度
α 補正角度

Claims (8)

  1. 機体と、当該機体に対して相対的な動作を行うことが可能なように連結される作業装置であって少なくとも一つの可動部を含むものと、前記少なくとも一つの可動部を駆動する少なくとも一つの油圧シリンダであってピストンとこれを往復動可能に収容するシリンダ室を形成するシリンダ本体とを有するものと、を備える建設機械の動作を制御するための制御装置であって、
    前記シリンダ室に供給される作動油を吐出する油圧ポンプと、
    シリンダ駆動指令の入力を受けることにより、前記油圧ポンプから前記シリンダ室に供給される作動油の流量を前記シリンダ駆動指令に応じて変化させる流量調節部と、
    前記少なくとも一つの油圧シリンダを動かすためのオペレータによるシリンダ操作を受ける操作部材と、
    前記操作部材に与えられる前記シリンダ操作に対応した前記シリンダ駆動指令を生成して前記流量調節部に入力する駆動指令入力部と、
    前記少なくとも一つの可動部のうち運動している可動部について運動エネルギーを取得する運動エネルギー取得部と、
    前記シリンダ室に供給される作動油の流量を減少させる流量減少制御を開始する前記ピストンのストローク位置である開始位置と前記ピストンのストロークエンドとの差であるストローク差が、前記運動エネルギーが大きくなるほど大きくなるように、前記開始位置を設定する開始位置設定部と、
    前記流量減少制御において、前記シリンダ操作にかかわらず前記ピストンを前記ストロークエンドの手前で減速させるように、前記シリンダ駆動指令を前記ピストンの前記ストローク位置に応じて制限して前記流量調節部に入力する駆動指令制限部と、を備える建設機械の制御装置。
  2. 請求項1に記載の建設機械の制御装置であって、
    基準マップを記憶するマップ記憶部をさらに備え、
    前記基準マップは、前記運動エネルギーが所定の基準エネルギーである場合における前記シリンダ駆動指令と前記ストローク位置との関係が予め設定されたマップであり、
    前記開始位置設定部は、前記運動エネルギー取得部により取得される前記運動エネルギーと前記基準エネルギーとの差であるエネルギー差が大きくなるほど、前記ストローク差が大きくなるように前記基準マップを補正した補正マップを生成し、
    前記駆動指令制限部は、前記補正マップに基づいて前記シリンダ駆動指令を制限する、建設機械の制御装置。
  3. 請求項2に記載の建設機械の制御装置であって、
    前記運動エネルギー取得部は、
    前記運動している可動部の重心の速度である重心速度を取得する速度取得部と、
    前記運動している可動部の質量と前記重心速度とに基づいて前記運動している可動部の前記運動エネルギーを演算するエネルギー演算部と、を含む、建設機械の制御装置。
  4. 請求項3に記載の建設機械の制御装置であって、
    前記エネルギー演算部は、前記ストロークエンドに向かって移動する前記ピストンが前記基準マップにおいて規定される前記開始位置である基準開始位置に到達する前の予め設定されたストローク範囲において前記速度取得部により取得される前記重心速度を用いて前記運動エネルギーを演算する、建設機械の制御装置。
  5. 請求項3に記載の建設機械の制御装置であって、
    前記速度取得部は、前記運動している可動部の姿勢を検出することが可能な姿勢検出部を含み、前記姿勢の変化に基づいて前記重心速度を演算するように構成され、
    前記エネルギー演算部は、前記ピストンの前記ストロークエンドに対応する前記可動部の可動限界に向かって変位する前記可動部の姿勢が基準姿勢になる前の予め設定された姿勢範囲において前記速度取得部により取得される前記重心速度を用いて前記運動エネルギーを演算し、
    前記基準姿勢は、前記ストロークエンドに向かって移動する前記ピストンが前記基準マップにおいて規定される前記開始位置である基準開始位置に対応する姿勢である、建設機械の制御装置。
  6. 請求項1に記載の建設機械の制御装置であって、
    前記運動エネルギー取得部は、
    前記運動している可動部の重心の速度である重心速度を取得する速度取得部と、
    前記運動している可動部の質量と前記重心速度とに基づいて前記運動している可動部の前記運動エネルギーを演算するエネルギー演算部と、を含む、建設機械の制御装置。
  7. 請求項3〜6の何れか1項に記載の建設機械の制御装置であって、
    前記作業装置に積載される積載物の質量を取得する積載物情報取得部をさらに備え、
    前記エネルギー演算部は、前記運動している可動部の質量と前記積載物の質量と前記重心速度とに基づいて前記運動エネルギーを演算する、建設機械の制御装置。
  8. 請求項2〜5の何れか1項に記載の建設機械の制御装置であって、
    前記開始位置設定部は、補正された前記マップを、前記流量減少制御において前記ピストンが停止した場合に、前記補正マップを前記基準マップにリセットする、建設機械の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023145609A1 (ja) * 2022-01-28 2023-08-03 コベルコ建機株式会社 建設機械の駆動制御装置及びこれを備えた建設機械

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