JP2023109520A - 画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定オブジェクトの画素の色を適切に出力することが可能な画像処理装置を提供すること。【解決手段】入力された画像における色を置き換える画像処理装置であって、前記画像から、特定オブジェクトを特定する特定部と、特定された前記特定オブジェクトに基づいて第1の数の代表色を決定する決定部と、前記特定オブジェクトのそれぞれの画素の色を、当該画素の色に基づき、前記第1の数の代表色のうちの何れか1の代表色に置き換える処理を行う処理部と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本開示は、画像処理装置等に関する。
従来より、画像に対して減色処理を実行することで、当該画像のファイルサイズを小さくする技術が利用されている。また、減色処理後の画像に用いられる色(代表色)を決定するための技術も提案されている。
例えば、処理対象画像中の予め指定されている色範囲の特定色を対応する指定色に置換し、置換対象となった画像領域以外の画像領域については処理対象画像から抽出した代表色に置換する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011-44919号公報
ここで、減色処理の対象となる画像に、印影やロゴといった特徴的な形状を有するオブジェクト(特定オブジェクト)を構成する画素が含まれる場合がある。しかし、一般的には画像全体の画素に対する印影やロゴの画素の比率は大きいとはいえない。そのため、限られた数の代表色が決定される際に、適切に代表色が決定されない場合がある。例えば、印影の画素の数に比べて、文書に多用されがちな「赤」(R=255、G=0、B=0)、赤ペン、写真の一部等に含まれる色剤のマゼンタ等の色の画素の数が大きい場合がある。この場合、単に、画像によく用いられている色に基づき代表色が決定されると、赤ペン等に用いられている色に近い色が代表色と決定され、印影に用いられている色は代表色として決定されないこととなる。この結果、印影の画素の色は赤ペン等に用いられている色に近い色に置き換えられ、本来の印影の色味が失われ易くなる。一方、印影に用いられている色を予め代表色として指定することで印影の色味が失われないようにするとしても、印影の色は用いられる朱肉等により異なり、予め適切に指定できるものではない。このように、印影等の特定オブジェクトの色をできるだけ再現するように代表色を決定するためには様々な課題があるが、特許文献1等の既存技術では考慮されていなかった。
本開示は上述した課題に鑑み、特定オブジェクトの画素の色を適切に出力することが可能な画像処理装置等を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本開示の画像処理装置は、入力された画像における色を置き換える画像処理装置であって、前記画像から、特定オブジェクトを特定する特定部と、特定された前記特定オブジェクトに基づいて第1の数の代表色を決定する決定部と、前記特定オブジェクトのそれぞれの画素の色を、当該画素の色に基づき、前記第1の数の代表色のうちの何れか1の代表色に置き換える処理を行う処理部と、を備えることを特徴とする。
また、本開示の画像処理装置は、入力された画像における色を置き換える画像処理装置であって、前記画像から、特定オブジェクトを特定する特定部と、特定された前記特定オブジェクトに基づいて、出力する前記画像に用いられる色数の代表色を決定する決定部と、前記特定オブジェクトのそれぞれの画素の色を、前記代表色のうちの何れか1の前記代表色に置き換える処理を行う処理部と、を備え、前記決定部は、前記特定オブジェクトの領域に含まれる画素に対する重みを、当該特定オブジェクトの領域に含まれる画素に対する重みよりも大きくすることにより、当該特定オブジェクトの領域に対応する前記代表色を優先的に決定することを特徴とする。
本開示によれば、特定オブジェクトの画素の色を適切に出力することが可能な画像処理装置を提供することができる。
第1実施形態における画像形成装置の外観斜視図を示す図である。 第1実施形態における画像形成装置の機能構成を示す図である。 第1実施形態における色数変換処理部の構成を示す図である。 第1実施形態における第1代表色算出処理の流れを示すフロー図である。 第1実施形態における第1初期分類処理の流れを示すフロー図である。 第1実施形態における領域分割処理の流れを示すフロー図である。 第1実施形態における第2代表色算出処理の流れを示すフロー図である。 第1実施形態における第2初期分類処理の流れを示すフロー図である。 第1実施形態における出力画像生成処理の流れを示すフロー図である。 第1実施形態における動作例を示す図である。 第2実施形態における印影領域別代表色算出処理の流れを示すフロー図である。 第3実施形態における色数変換処理部の構成を示す図である。 第3実施形態における第3代表色算出処理の流れを示すフロー図である。 第3実施形態における第3初期分類処理の流れを示すフロー図である。 第3実施形態における動作例を示す図である。 第4実施形態における色数変換判定部の構成を示す図である。 第4実施形態における色数変換処理部の構成を示す図である。 第5実施形態における特定オブジェクト情報のデータ構成を示す図である。 第5実施形態における色数変換処理部の構成を示す図である。 第5実施形態における第4代表色算出処理の流れを示すフロー図である。 第5実施形態における代表色算出処理の流れを示すフロー図である。 第6実施形態における画像読取装置の機能構成を示す図である。
以下、図面を参照して、本開示を実施するための一実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本開示を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載した発明の技術的範囲が、以下の記載に限定されるものではない。
[1.第1実施形態]
[1.1 機能構成]
図1及び図2を参照して、画像形成装置1の機能構成を説明する。画像形成装置1は、原稿の画像を読み取り、読み取った画像を記録用紙等の記録媒体に形成(印刷)したり、他の装置に送信することにより出力したりすることが可能な装置である。画像形成装置1は、例えば、コピー機能、印刷機能、スキャナ機能、メール送信機能等を有するデジタル複合機(MFP;Multi-Function Printer/Peripheral)である。
図1は画像形成装置1の外観斜視図、図2は画像形成装置1の機能構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、図2に示すように、制御部10、画像入力装置20、画像処理装置30、画像出力装置40、送受信装置50、記憶部60、操作パネル70を備えて構成される。
制御部10は、画像形成装置1の全体を制御するための機能部である。制御部10は、記憶部60に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、1又は複数の演算装置(例えば、CPU(Central Processing Unit))により構成されている。制御部10は、画像入力装置20、画像処理装置30、画像出力装置40、送受信装置50、記憶部60、操作パネル70を制御して、画像形成装置1において実行される各種処理を実行する。
画像入力装置20は、原稿から画像を光学的に読み取ることで、画像を入力する。画像入力装置20は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)を有するカラースキャナにより構成される。画像入力装置20は、原稿からの反射光像を、CCDを用いてRGB(R:赤,G:緑,B:青)のアナログ信号として読み取り、当該アナログ信号又は当該アナログ信号に基づくデジタル信号を、画像処理装置30に出力する。なお、本実施形態では、画像入力装置20によって入力される画像を、入力画像という。
画像処理装置30は、入力画像に対して所定の処理を実行し、RGBのデジタル信号(以下、RGB信号という)からなる画像を生成したり、当該画像に基づく圧縮ファイルを生成したりする。画像処理装置30の具体的な機能構成については後述する。
画像出力装置40は、画像処理装置30によって生成された画像を、熱転写、電子写真、インクジェット等の方式により、記録シート(たとえば記録用紙等)上にカラー画像を形成して出力する。すなわち、画像出力装置40は、画像形成装置1における出力装置(印刷装置)である。
送受信装置50は、メールサーバ等の他の装置とデータの送受信を行う装置である。送受信装置50は、ネットワークカード、モデム等、通信を行うことが可能な装置により構成される。
送受信装置50は、公衆回線網、LAN(Local Area Network)又はインターネット等の通信ネットワークに接続可能である。送受信装置50は、画像処理装置30によって生成された画像データの圧縮ファイルを、ファクシミリや電子メール等の通信方法により、外部の装置へ圧縮ファイルを送信する。たとえば、操作パネル70においてScan to e-mailモードが選択されている場合、送受信装置50は、圧縮ファイルを、e-mailに添付し、設定された送信先へ送信する。
記憶部60は、画像データ等の各種データや各種プログラムを記憶する機能部であり、例えば、半導体メモリであるSSD(Solid State Drive)や、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置によって構成される。
操作パネル70は、画像形成装置1に対する操作を入力したり、各種情報を表示したりする。操作部72は、画像形成装置1の動作モードや各種設定を入力するための設定ボタン及びテンキー等の入力装置によって構成される。表示部74は、LCD(Liquid crystal display)や有機EL(electro-luminescence)ディスプレイ、マイクロLEDディスプレイ等の表示装置により構成される。操作パネル70は、操作部72と表示部74とを一体に構成したタッチパネルであってもよい。この場合において、タッチパネルの入力を検出する方式は、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった、一般的な検出方式であればよい。
つづいて、画像処理装置30の詳細について説明する。なお、画像処理装置30に含まれる各機能部の一部又は全部は、制御部10によって制御される回路や装置によって実現されてもよいし、制御部10によって実行されるソフトウェアとして実現されてもよい。
A/D変換部301は、画像入力装置20から出力された信号がアナログ信号である場合、RGBのデジタル信号(RGB信号)へ変換する。これにより、A/D変換部301は、アナログ信号に基づき、RGB信号からなる画像を生成する。なお、A/D変換部301は、画像入力装置20からデジタル信号が出力された場合は、信号を変換する処理を省略してもよい。A/D変換部301は、RGB信号をシェーディング補正部302に出力する。
シェーディング補正部302は、A/D変換部301から出力されたRGB信号に対して、画像入力装置20の照明系、結像系及び撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理を行う。シェーディング補正部302は、歪みを取り除いたRGB信号を、原稿種別判定部303に出力する。
原稿種別判定部303は、シェーディング補正部302から出力されたRGB信号(RGBの反射率信号)をRGB各色の濃度を示す濃度信号に変換し、文字、写真、又は印画紙等の原稿の種別を判定する。原稿の種別の判定結果は、後段の画像処理に反映される。なお、ユーザによって操作パネル70を用いて原稿種別が設定された場合、原稿種別判定部303は、原稿の種別の判定を省略してもよい。原稿種別判定部303は、シェーディング補正部302から出力されたRGB信号を、入力階調補正部304に出力する。
入力階調補正部304は、原稿種別判定部303から出力されたRGB信号に対して、カラーバランスの調整、下地濃度の除去、及びコントラストの調整等の画質調整処理を行う。入力階調補正部304は、画質調整処理を行ったRGB信号を、領域分離処理部305に出力する。
領域分離処理部305は、入力階調補正部304から出力されたRGB信号に基づく画像中の各画素を、所定の領域(例えば、文字領域、網点領域、又は写真領域の何れか)に属する画素に分類することで、当該画像の領域を分離する。領域分離処理部305は、分離結果に基づき、各画素が属している領域を示す領域識別信号を、黒色生成下色除去部307、空間フィルタ処理部308、階調再現処理部313へ出力する。領域分離処理部305は、入力階調補正部304から出力されたRGB信号を色補正部306に出力する。
色補正部306は、画像の出力先に応じて、以下の処理を実行する。
(1)画像出力装置40から画像が出力される場合
色補正部306は、領域分離処理部305から出力されたRGB信号をCMYのデジタル信号(以下、CMY信号という)に変換する。さらに、色補正部306は、色再現の忠実化実現のために、不要吸収成分を含むCMY色材の分光特性に基づいた色濁りをCMY信号から取り除く処理を行う。色補正部306は、色補正後のCMY信号を黒色生成下色除去部307へ出力する。
(2)送受信装置50から画像がファイルとして出力される場合
色補正部306は、領域分離処理部305から出力されたRGB信号を、色補正されたRGB信号(操作パネルでカラーモードとしてフルカラーモードが選択された場合等)又はグレー信号(操作パネルでカラーモードとしてモノクロモードが選択された場合等)に変換する。また、色補正部306は、色補正されたRGB信号又はグレー信号を空間フィルタ処理部308に出力する。さらに、色補正部306は、色補正されたRGB信号を、色数変換判定部311に出力する。
黒色生成下色除去部307は、色補正部306から出力されたCMY信号に基づき、CMY信号から黒色(K)信号を生成する黒色生成処理と、当該K信号をCMY信号から差し引いて新たなCMY信号を生成する処理とを行う。これにより、黒色生成下色除去部307は、CMY3色のデジタル信号をCMYKの4色のデジタル信号(以下、CMYK信号という)に変換し、当該CMYK信号を空間フィルタ処理部308へ出力する。
黒色生成処理の一例としては、一般に、スケルトン・ブラックによる黒色生成を行う方法が用いられる。この方法では、スケルトン・カーブの入出力特性をy=f(x)、入力されるデータをC,M,Y、出力されるデータをC’,M’,Y’,K’、UCR(Under Color Removal)率をα(0<α<1)とすると、黒色生成下色除去処理は、下記の式(1)~式(4)で表わされる。
K’=f(min(C,M,Y)) …(1)
C’=C-αK’ …(2)
M’=M-αK’ …(3)
Y’=Y-αK’ …(4)
ここで、UCR率α(0<α<1)とは、CMYが重なっている部分をKに置き換えてCMYをどの程度削減するかを示すものである。式(1)は、CMYの各信号強度のうちの最も小さい信号強度に応じてK信号が生成されることを示している。
空間フィルタ処理部308は、画像の出力先に応じて、以下の処理を実行する。
(1)画像出力装置40に画像が出力される場合
空間フィルタ処理部308は、黒色生成下色除去部307から出力されたCMYK信号の画像データに対して、領域分離処理部305から入力された領域識別信号に基づいてデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行う。例えば、空間フィルタ処理部308は、CMYK信号の画像データにおける空間周波数特性を補正する処理を実行することで、画像のぼやけ又は粒状性劣化を改善させる。また、空間フィルタ処理部308は、領域分離処理部305にて文字に分離された領域に対して、文字の再現性を高めるために、高周波成分の強調量が大きいフィルタを用いて空間フィルタ処理を行う。また、空間フィルタ処理部308は、領域分離処理部305にて網点に分離された領域に対しては、入力網点成分を除去するためのローパス・フィルタ処理を行う。空間フィルタ処理部308は、処理後のCMYK信号を出力階調補正部310に出力する。
(2)送受信装置50から画像に基づくファイルが出力される場合
空間フィルタ処理部308は、色補正部306から出力された信号(RGB信号又はグレー信号)に対して、領域分離処理部305から入力された領域識別信号に基づいてデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行う。例えば、空間フィルタ処理部308は、空間周波数特性を補正する処理を実行することで、画像のぼやけ又は粒状性劣化を改善させる。空間フィルタ処理部308は、処理後の信号を解像度変換処理部309に出力する。
解像度変換処理部309は、空間フィルタ処理部308から出力された信号(RGB信号またはグレー信号)に対して、操作パネル70において設定された解像度の画像データになるように解像度変換処理を行う。例えば、スキャナの入力解像度が600DPI×300DPIの画像データで、操作パネル70で選択した解像度が300DPI×300DPIであった場合、解像度変換処理部309は、主走査方向の2画素毎に平均値を求め、それを出力値とすることで、600DPI×300DPIから300DPI×300DPIへの解像度の変換を実行する。解像度変換処理部309は、処理後の信号を出力階調補正部310に出力する。
出力階調補正部310は、画像の出力先に応じて、以下の処理を実行する。
(1)画像出力装置40から画像が出力される場合
出力階調補正部310は、空間フィルタ処理部308から出力されたCMYK信号に対して、画像出力装置40の特性である網点面積率に基づく出力階調補正処理を行い、処理後のCMYK信号を階調再現処理部313に出力する。
(2)送受信装置50から画像に基づくファイルが出力される場合
出力階調補正部310は、解像度変換処理部309から出力された信号(RGB信号またはグレー信号)に対して、必要に応じてかぶりやハイライトの下地が消えるまたは薄くなるように出力階調補正を行う。出力階調補正部310は、処理後のRGB信号を色数変換処理部312に出力する。
色数変換判定部311は、色補正部306から出力されたRGB信号を入力し、色数を変換する処理(色数変換処理)を実行するか否かを判定する。なお、本実施形態における色数変換処理は、入力画像に用いられている色数を減少させる処理(少数色変換処理、減色処理)であるとする。色数変換判定部311は、色数変換処理を行う場合、色数変換処理を行うことを示す「ON」の信号を色数変換処理部312に出力する。一方、色数変換判定部311は、色数変換処理を行わない場合、色数変換処理を行わないことを示す「OFF」の信号を色数変換処理部312に出力する。
なお、本実施形態では、色数変換判定部311は、少数色変換処理を実行するか否かの判定を、ユーザにより入力された少数色変換処理の設定に基づいて行うこととする。すなわち、本実施形態では、色数変換判定部311は、ユーザにより少数色変換処理を実行することが選択された場合は少数変換処理を実行すると判定し、ユーザにより少数色変換処理を実行しないことが選択された場合、少数変換処理を実行しないと判定する。
色数変換処理部312は、少数色変換処理を実行する。なお、本実施形態では、色数変換処理部312は、色数変換判定部311から出力された信号を入力し、当該信号が「ON」であれば、出力階調補正部310から出力されたRGB信号からなる画像に対して少数色変換処理を実行することとする。色数変換処理部312は、少数色変換処理を実行することで、入力画像を少数色画像(減色された入力画像)に変換したり、入力画像に対応する少数色画像を生成したりする。少数色画像は、例えば、送受信装置50によって他の装置に送信されることにより出力される画像である。少数色画像は入力画像に比べて用いられる色の数が少なく、一般的に、データサイズが小さい。そのため、画像形成装置1は、入力画像を少数色画像に変換し、当該少数色画像のファイルを送受信装置50を介して送信することで、送信するファイルのデータサイズを抑制することができる。
色数変換処理部312は、少数色画像を生成した場合、当該少数色画像を示すRGB信号を、圧縮処理部314に出力する。なお、色数変換処理部312は、色数変換判定部311から「OFF」の信号を入力した場合、色数変換処理を実行しない。この場合、色数変換処理部312は、色数変換判定部311から出力されたRGB信号をそのまま(例えば、フルカラーのまま)、圧縮処理部314に出力する。なお、本実施形態では、色数変換処理を省略しRGB信号をそのまま出力する処理をフルカラー処理ともいう。もしくは、色数変換処理部312は、少数色変換処理を行わない場合、出力階調補正部310から出力されたグレー信号を階調再現処理部313及び圧縮処理部314に出力する。色数変換処理部312の具体的な機能構成及び色数変換処理部312が実行する処理については、後述する。
階調再現処理部313は、画像の出力先に応じて、以下の処理を実行する。
(1)画像出力装置40から画像が出力される場合
階調再現処理部313は、出力階調補正部310から出力されたCMYK信号に対して、領域分離処理部305から出力された領域識別信号に基づいて、領域に応じた中間調処理を行う。例えば、階調再現処理部313は、文字領域に対して、高域周波成分の再現に適した高解像度のスクリーンによる二値化又は多値化の処理を行う。また、階調再現処理部313は、網点領域に対して、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化又は多値化の処理を行う。階調再現処理部313は、処理後のCMYK信号を、画像出力装置40に出力する。
(2)送受信装置50から画像に基づくファイルが出力される場合
階調再現処理部313は、ユーザによって、出力する画像のカラーモードとしてモノクロ2値が選択された場合、色数変換処理部312から出力されたグレー信号に対して二値化処理を行う。そして、階調再現処理部313は、処理後の信号(白黒二値信号からなるK信号)を、圧縮処理部314に出力する。一方、階調再現処理部313は、ユーザによって、出力する画像データのカラーモードとしてモノクロ2値が選択されなかった場合、色数変換処理部312から出力されたRGB信号を、圧縮処理部314に出力する。
圧縮処理部314は、RGB信号やグレー信号、白黒二値信号に基づく画像に対して、操作パネル70を介してユーザによって指定されたファイルフォーマットの設定に従い、必要に応じて圧縮データを生成する。圧縮データは、画像形式(例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)やMMR(Modified Modified Read)形式)のデータであってもよいしPDF(Portable Document Format)形式のデータであってもよい。圧縮処理部314は、少数色変換処理が行われない場合、原稿種別判定部303の原稿の種別の判定結果に基づき、PDFデータに含まれるJPEGの画像データの圧縮率を制御してもよい。圧縮処理部314は、圧縮データをファイル生成部315に出力する。
ファイル生成部315は、圧縮処理部314から出力された圧縮データに基づくファイルを生成し、当該ファイルを送受信装置50に出力する。なお、ファイル生成部315は、後述する色数変換判定部311から出力された信号に基づくファイルを生成してもよい。例えば、ファイル生成部315は、色数変換判定部311から「ON」の信号を入力した場合、インデックスカラーPDFフォーマットでファイル生成してもよい。また、ファイル生成部315は、色数変換判定部311から「OFF」の信号を入力した場合、JPEG-PDFフォーマットでファイル生成してもよい。
なお、画像処理装置30は、上述した処理の実行時に、処理途中の画像データ(中間データ)を一時的に記憶部60に記憶してもよい。また、画像処理装置30は、ファイル生成部315によって生成されたファイルを、送受信装置50に出力する前に記憶部60に記憶してもよい。
[1.2 色数変換処理部の詳細]
[1.2.1 色数変換処理部の構成]
本実施形態における色数変換処理部312の構成について説明する。色数変換処理部312は、図3に示すように、領域特定部3120、第1代表色算出部3121、第2代表色算出部3122、出力画像生成部3129を含んで構成される。
なお、少数色画像に用いられる代表色の数(代表色数)の最大値をNALLとする。NALLの値は、予め設定されてもよいし、ユーザによって設定可能であってもよい。NALLは、入力画像の色数をN(例えば、16,777,216)としたとき、N-1以下の値(例えば、32)である。
[1.2.2 処理の流れ]
[1.2.2.1 領域特定部]
領域特定部3120は、入力画像に含まれる特定オブジェクトを検出し、当該特定オブジェクトを構成する画素を含む領域を特定する。特定オブジェクトとは、入力画像に含まれるオブジェクト(文字、図形、写真等)のうち、印影、ロゴ、スタンプ、ピクトグラムといった、特定の形状を有したオブジェクトであって、色再現性が重視されるものをいう。また、本実施形態では、特定オブジェクトとして、印影を検出することとする。印影とは、認印、実印、会社印等の印章に対して、朱肉の顔料を付けて用紙に押しつけることにより、用紙に残った朱肉の跡をいう。なお、印影には、インク浸透印(いわゆる、ネーム印)の跡も含める。
本実施形態の領域特定部3120は、印影の特徴に基づき、以下に示す方法を用いて、印影を検出する。
(1)色(画素値)に基づき検出する方法
領域特定部3120は、朱肉の顔料やインク浸透印のインクとして一般的に用いられる朱色及び当該朱色に近い色の範囲(色範囲)を予め設定する。色範囲は、色相、彩度、明度に対する数値範囲として設定される。色範囲は、予め設定されていてもよいし、ユーザによって設定可能であってもよい。領域特定部3120は、入力画像に含まれる各画素に対して、当該画素の画素値が予め設定した色範囲に含まれている場合、当該画素が印影の一部を構成する画素(印影画素)であると判定する。そして、領域特定部3120は、印影画素を含む領域を、印影を構成する領域(印影領域)として特定する。
(2)印影の形状の特徴に基づき検出する方法
領域特定部3120は、円と円の内部に文字が記載されるという印影の形状の特徴に基づき、印影を検出する。はじめに、領域特定部3120は、入力画像から楕円を含む円を検出する。次に、領域特定部3120は、検出した円の色と類似した色の文字エッジが、検出した円の内部に存在する場合、検出した円及び当該文字エッジの画素を、印影の一部を構成する画素(印影画素)であると判定する。そして、領域特定部3120は、印影画素を含む領域を、印影を構成する領域(印影領域)として特定する。
なお、円の検出に関しては、領域特定部3120は、円が閉曲線になっていない(画素が連続しておらず途切れている)場合であっても円を検出できる方法(例えば、ハフ変換)を用いてもよい。
また、領域特定部3120は、円の内部の文字エッジ画素の検出について、円を構成する画素から円の色(画素値)を算出し、円の内部に含まれる画素のうち、円の色との差異が閾値以内の画素を検出してもよい。閾値は、予め定められていてもよいし、ユーザによって設定されてもよい。このとき、領域特定部3120は、検出した画素を、文字エッジ画素とする。
なお、領域特定部3120は、検出した文字エッジ画素に対してさらにエッジ検出処理を適用し、エッジ量(勾配値)が所定値以上となる画素(文字の境界画素)を文字エッジ画素としてもよい。これにより、領域特定部3120は、印影領域を、円と文字の線幅が太い状態の画素に基づく領域ではなく、円と文字の境界画素とに基づく領域とすることができる。つまり、領域特定部3120は、印影領域に含まれる印影画素の数を抑えることができ、印影画素に基づいて代表色を決定する処理の処理量を低減させることができる。
また、領域特定部3120は、検出した円毎に、円領域の画素数と、当該円の内部の文字エッジ画素の合計画素数を算出し、当該合計画素数の画像全体の全体画素数に占める割合が所定範囲内であった場合、円と類似した色の文字エッジが存在すると判定してもよい。これにより、領域特定部3120は、印影領域を精度良く特定することができる。
また、領域特定部3120は、上記の(1)及び(2)を組み合わせて印影を検出してもよい。この場合、領域特定部3120は、入力画像から、予め設定した色範囲に含まれる画素値の画素を検出し、当該検出した画素から円を検出し、検出した円の内部から文字エッジ画素を検出する。なお、領域特定部3120は、文字エッジ画素を検出するとき、円の色に基づいて検出する代わりに、予め設定した色範囲を用いてもよい。つまり、領域特定部3120は、検出した円の内部の画素のうち、予め設定した色範囲に含まれる画素値の画素を文字エッジ画素として検出してもよい。また、領域特定部3120は、入力画像から円を検出し、検出した円のうち、円の色が予め定められた色範囲に含まれているもののみ、内部に文字エッジ画素が存在するか否かを判定してもよい。
なお、領域特定部3120は、円を検出するとき、検出した円のサイズが所定の範囲から外れるものを、検出対象外としてもよい。すなわち、領域特定部3120は、円の検出サイズを所定の範囲に限定する。これは、一般的に使用される印章が、特定のサイズの範囲に集中している(実印はサイズの規定が存在する)ことから、スキャンされる印影の画素数もある程度特定されるためである。例えば、領域特定部3120は、印影を検出する場合、実印として規定されているサイズ(好ましくは、直径8.0mm~25.0mm)の範囲の円を検出してもよい。このとき、領域特定部3120は、検出する円の大きさ(画素数)を、スキャン解像度に合わせて算出する。例えば、スキャン解像度が300dpiである場合、領域特定部3120は、直径が94~293画素である円を検出する。
さらに、領域特定部3120は、入力画像から表の領域(表領域)を検出し、当該表領域に基づき印影を検出してもよい。この場合、領域特定部3120は、表領域に限定して印影の検出を行い、表領域以外の領域を印影の検出の対象から除外する。表領域に限定して印影を検出するか否かの設定は、例えば、ユーザによって行われる。ユーザは、押印欄を備えた原稿を読み取らせる場合、領域特定部3120に対して表領域に限定して印影の検出を行わせる。これにより、領域特定部3120は、表領域外に印影とよく似た色や形状を有する写真や文字が存在していても、当該写真や文字を印影として検出しない。この結果、領域特定部3120は、印影の検出精度を向上させることができる。
領域特定部3120は、上述した処理を実行することにより、画像全体の画素から、印影領域を特定し、印影領域と印影領域以外の領域とを区別することが可能となる。また、領域特定部3120は、検出した円領域及び当該円の内部の文字エッジ画素毎に、それぞれが異なる印影を構成する印影領域であると区別することができる。
本実施形態では、領域特定部3120が検出した印影の数をKとする。領域特定部3120は、検出した印影毎に異なるラベル番号(0、1、…、K-1)を付与する。
[1.2.2.2 第1代表色算出部]
第1代表色算出部3121は、第1代表色算出処理を実行する。第1代表色算出処理は、印影領域に含まれる印影画素に特化して、代表色を決定(算出)する処理である。
なお、本実施形態では、印影画素に対して割り当て可能な代表色の最大値をNMAX1(ただし、NMAX1<NALL)とする。NMAX1の値は、予め設定されてもよいし、ユーザによって設定可能であってもよい。また、本実施形態では、第1代表色算出部3121により算出(決定)された代表色の集合を、第1代表色グループともいう。
代表色を算出する方法としては、中央値分割法(メディアンカット法)を用いる場合について説明する。なお、代表色と算出する方法としては、他の方法を利用してもよい。また、第1代表色算出部3121は、入力画像の色空間と代表色算出時の色空間とが異なる場合、予め、入力画像を代表色算出時の色空間に変換する。
第1代表色算出処理の流れについて、図4を参照して説明する。はじめに、第1代表色算出部3121は、印影画素(第1の画素群)を抽出する(ステップS100)。なお、本実施形態では、第1代表色算出部3121は、印影領域が複数ある場合であっても、それぞれの印影領域を区別せずに、全ての印影領域から印影画素を抽出する。
つづいて、第1代表色算出部3121は、抽出した印影画素に対して第1初期分類処理を実行する(ステップS102)。第1初期分類処理とは、色空間毎に予め設定された複数の領域(分割領域)の何れかの領域に、画素を初期分類する処理である。
分割領域は、色空間毎に、例えば、以下のように設定される。
(1)色空間がRGBである場合
色空間がRGBである場合は、R、G、Bを各軸として255を最大値とする立方体を、事前に設定された大きさで、複数の直方体に分割された領域とする。
(2)色空間がLである場合
色空間がLである場合は、Lを縦軸とし、a平面においてaの値に基づき事前に設定された角度で放射状に分割した領域を分割領域とする。
(3)色空間がYCbCrである場合
色空間がYCbCrである場合は、Yを縦軸とし、CbCr平面においてCb、Crの値に基づき事前に設定された角度で放射状に分割した領域を分割領域とする。
つまり、分割領域とは、色の成分毎に決められた範囲に基づいて形成される領域(色の成分の種類が3であれば立体上の領域)である。なお、分割領域は、必ずしも等分割の領域である必要はない。
第1初期分類処理の流れについて、図5を参照して説明する。はじめに、第1代表色算出部3121は、印影として取り得る色の範囲を制限するか否かを判定する(ステップS120)。色の範囲は予め定められる範囲であり、例えば、色相に対する数値範囲であってもよいし、明度や彩度に対する数値範囲であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
ここで、第1代表色算出処理は、印影画素のみを対象として代表色を算出する処理である。一般的に、印影画素は、各色空間において一部に集中することが多いため、第1代表色算出部3121は、色の範囲を制限し、印影画素として取り得る色の範囲から外れた印影画素を第1代表色グループの代表色の算出対象とする印影画素から除外する。これにより、印影画素にノイズの画素があったとしても、ノイズの画素が排除され、適切な代表色が算出される。なお、色の範囲を制限するか否かは、予め決められていてもよいし、ユーザによって設定されてもよい。
色の範囲を制限する場合、第1代表色算出部3121は、印影画素を1つずつ注目画素として選択し、当該注目画素の色が、印影画素として取り得る色の範囲内であるか否かを判定する(ステップS120→ステップS122)。
第1代表色算出部3121は、注目画素の色が色の範囲内である場合、当該色の範囲内に対応する分割領域のうち、注目画素が属する分割領域を判定し、判定した分割領域に注目画素を分類する(ステップS122;Yes→ステップS124)。注目画素が属する分割領域とは、分割領域のうち、注目画素の画素値を領域の範囲として含む領域である。一方、第1代表色算出部3121は、注目画素が色の範囲内ではない場合は、注目画素を印影画素(第1の画素郡)から除外する(ステップS122;No→ステップS126)。なお、除外された印影画素は、後述する第2代表色算出処理において抽出される。
つづいて、第1代表色算出部3121は、印影画素の全画素を注目画素として選択したか否かを判定する(ステップS128)。第1代表色算出部3121は、全画素を選択した場合、図5に示した処理を終了し(ステップS128;Yes)、全画素を選択していない場合、ステップS122に戻る(ステップS128;No→ステップS122)。
なお、第1代表色算出部3121は、ステップS120において、印影画素として取り得る色の範囲を制限しないと判定した場合は、印影画素を1つずつ注目画素として選択し、当該注目画素を分割領域の何れかの領域に分類する(ステップS120;No→ステップS130)。つづいて、第1代表色算出部3121は、印影画素の全画素を選択したか否かを判定する(ステップS132)。第1代表色算出部3121は、全画素を選択した場合は、図5に示した処理を終了し(ステップS132;Yes)、全画素を選択していない場合は、ステップS130に戻る(ステップS132;No→ステップS130)。
図4に戻り、つづいて、第1代表色算出部3121は、領域分割処理を実行する(ステップS104)。領域分割処理の流れについて、図6を参照して説明する。
はじめに、第1代表色算出部3121は、第1初期分類処理によって画素が分類された各領域において、領域に含まれる画素の画素値から、色空間におけるそれぞれの軸(各成分)に対する最大値と最小値を算出する(ステップS140)。
つづいて、第1代表色算出部3121は、ステップS140において領域毎に算出した最大値から最小値を減じた値が最大の領域を選択する(ステップS142)。例えば、第1代表色算出部3121は、領域毎に最大値と最小値から構成される直方体を設定し、成分毎に最大値から最小値を引いて一番差分の大きな直方体(全ての直方体の中で一番辺の長い直方体)に対応する領域を選択する。
つづいて、第1代表色算出部3121は、ステップS142において選択した領域を分割する(ステップS144)。例えば、第1代表色算出部3121は、ステップS142において選択した直方体のうち、一番長い辺に対して、(最大値-最小値)/2となる中間値で直方体を分割する。
つづいて、第1代表色算出部3121は、領域分割処理を終了するための条件(終了条件)を満たすか否かを判定する(ステップS146)。終了条件とは、例えば、以下に示す条件である。
(1)領域の数が、第1代表色算出処理により割り当て可能な代表色の最大値NMAX1と等しいこと
(2)分割されている領域の何れもこれ以上分割する必要が無いこと
第1代表色算出部3121は、上述した条件の何れかを満たすと判定した場合、図6に示した処理を終了する(ステップS146;Yes)。ここで、(1)の条件を満たす場合、代表色数の数はNALLとなる。一方、(2)の条件を満たす場合、代表色数の数はNALL未満となる。また、第1代表色算出部3121は、領域の数がNMAX1未満であり、かつ、分割されている領域の何れかが分割可能である場合、すなわち、上述した条件の何れも満たさない場合は、ステップS140に戻る(ステップS146;No→ステップS140)。
なお、第1代表色算出部3121は、分割されている領域をこれ以上分割する必要が無いと判定する方法として、各分割領域の辺の長さに基づき判定する方法を用いることができる。例えば、第1代表色算出部3121は、各分割領域において、成分毎に最大値と最小値から構成される直方体における各辺の長さを算出し、最も長い辺の長さが所定値以下(たとえば、8など)となるか否かを判定する。この場合、第1代表色算出部3121は、各分割領域における最も長い長さが何れも所定値以下であるとき、分割後の2つの領域に大きな違いは無いとして、これ以上分割する必要は無いと判定することができる。
図4に戻り、つづいて、第1代表色算出部3121は、領域分割処理において分割した領域から、1の領域(注目領域)を選択し、注目領域の代表色を算出する(ステップS106)。例えば、第1代表色算出部3121は、注目領域に属する全ての画素の画素値の単純平均を算出し、当該算出された画素値によって示される色を代表色とする。第1代表色算出部3121は、全ての領域から代表色を算出した場合、図4に示した処理を終了し(ステップS108;Yes)、全ての領域から代表色を算出していない場合、ステップS106に戻る(ステップS108;No→ステップS106)。これにより、第1代表色算出部3121は、最大でNMAX1の数(第1の数)の代表色を算出することができる。なお、第1代表色算出部3121は、上述した(2)の条件を満たして領域分割処理を終了し、実際に算出された代表色の数が最大値NMAX1を下回る場合、実際に算出された代表色の数をNMAX1として更新するようにしてもよい。このようにすることで、色数変換処理部312は、印影画素に割り当てる代表色の数が最大値NMAX1より少ない数で済む場合に、印影画素のために割り当てられずに余剰となった色の数を、後述する第2代表色算出部3122が算出する、印影画素以外の画素に基づく代表色のために使用することができる。これにより、色数変換処理部312は、印影画素以外の画素の色再現性を向上することが可能である。
なお、第1代表色算出部3121は、注目領域に属する全ての画素の画素値の単純平均により代表色を算出する方法以外の方法により、代表色を決定してもよい。例えば、第1代表色算出部3121は、注目領域において、頻度が最も高い画素値により示される色を代表色として決定してもよい。また、第1代表色算出部3121は、頻度が高い画素値の範囲を特定し、当該範囲の中央の位置の色や、当該範囲に含まれる画素値の平均値や、当該範囲に含まれる画素数を重みとした当該範囲に含まれる画素値の加重平均に基づく色を代表色としてもよい。
[1.2.2.3 第2代表色算出部]
第2代表色算出部3122は、第2代表色算出処理を実行する。第2代表色算出処理は、印影画素以外の画素に基づき、代表色を算出する処理である。本実施形態では、第2代表色算出部3122により算出(決定)された代表色の集合を、第2代表色グループともいう。
第2代表色算出処理の流れについて、図7を参照して説明する。はじめに、第2代表色算出部3122は、割り当て可能な代表色の数を算出する(ステップS150)。ここでは、第2代表色算出部3122は、代表色数の最大値NALLから、第1代表色グループに含まれる代表色の数NMAX1を引く(NALL-NMAX1)ことで得られる値(第2の数)を、印影画素以外の画素から割り当て可能な代表色の数とする。
つづいて、第2代表色算出部3122は、印影画素以外の画素(第2の画素群)を抽出する(ステップS152)。印影画素以外の画素とは、印影領域以外の領域に含まれる画素及び第1初期分類処理において印影画素から除外された画素である。すなわち、第2代表色算出部3122は、予め定められる色の範囲に含まれない画素値を有する画素を、第2の画素群に含める。
つづいて、第2代表色算出部3122は、ステップS152において抽出した画素に対して第2初期分類処理を実行する(ステップS154)。第2初期分類処理とは、色空間毎に設定された分割領域の何れかの領域に、画素を初期分類する処理である。分割領域は、色空間に応じて、予め定められた領域である。例えば、分割領域は、無彩色領域は1領域、有彩色領域は予め定められた初期分類時の有彩色領域数N(例えば、8)の領域のあわせて9領域である。なお、無彩色領域は複数の領域であってもよいし、有彩色領域数Nは8以外であってもよい。
第2初期分類処理の流れについて、図8を参照して説明する。はじめに、第2代表色算出部3122は、有彩色/無彩色を区別して第2代表色グループの代表色を算出するか否かを判定する(ステップS170)。有彩色/無彩色を区別するか否かは、予め決められていてもよいし、ユーザによって設定されてもよい。
第2代表色算出部3122は、有彩色/無彩色を区別する場合、印影画素以外の画素を1つずつ注目画素として選択し、当該注目画素が、無彩色か否かを判定する(ステップS170;Yes→ステップS172)。
例えば、第2代表色算出部3122は、以下の方法により、注目画素が無彩色か否かを判定する。
(1)色空間がRGBである場合
第2代表色算出部3122は、注目画素の画素値に対して、成分間の差分の絶対値が全て一定値以内である場合、当該注目画素が無彩色であると判定する。具体的には、第2代表色算出部3122は、R値とG値との差の絶対値である|R-G|と、G値とB値との差の絶対値である|G-B|と、B値とR値との差の絶対値である|B-R|とが、全て所定の閾値以下であれば、注目画素が無彩色であると判定する。
(2)色空間がLである場合
第2代表色算出部3122は、a値の絶対値である|a|とb値の絶対値|b|とが何れも一定値以内の場合や、(a+(bの値(又は当該値の平方根の値)が一定値以内の場合、注目画素が無彩色であると判定する。
(3)色空間がYCbCrである場合
第2代表色算出部3122は、Cb値の絶対値である|Cb|とCr値の絶対値である|Cr|とが何れも一定値以内の場合や、(Cb)+(Cr)の値(又は当該値の平方根の値)が一定値以内の場合、注目画素が無彩色であると判定する。
第2代表色算出部3122は、注目画素が無彩色であれば、当該注目画素を無彩色として分類する(ステップS172;Yes→ステップS174)。一方、第2代表色算出部3122は、注目画素が無彩色でなければ、当該注目画素が属する有彩色の分割領域を判定して、判定した分割領域に分類する(ステップS172;No→ステップS176)。
第2代表色算出部3122は、印影画素以外の全画素を注目画素として選択したか否かを判定する(ステップS178)。第2代表色算出部3122は、全画素を選択した場合は、図8に示した処理を終了し(ステップS178;Yes)、全画素を選択していない場合は、ステップS172に戻る(ステップS178;No→ステップS172)。
なお、第2代表色算出部3122は、ステップS170において、有彩色/無彩色を区別しないと判定した場合は、印影画素以外の画素を1つずつ注目画素として選択し、当該注目画素を色空間に予め設定された分割領域の何れかの領域に分類する(ステップS170;No→ステップS180)。さらに、第2代表色算出部3122は、印影画素以外の全画素を選択したか否かを判定する(ステップS182)。第2代表色算出部3122は、全画素を選択した場合は、図8に示した処理を終了し(ステップS182;Yes)、全画素を選択していない場合は、ステップS180に戻る(ステップS182;No→ステップS180)。
図7に戻り、第2代表色算出部3122は、領域分割処理を実行する(ステップS156)。ここで、第2代表色算出部3122は、分割領域処理として、図6に示した処理と同様の処理を実行する。
なお、第2代表色算出部3122は、有彩色/無彩色を区別する場合、有彩色領域を最大でNMAX3の領域(ただし、NMAX3<NALL)、無彩色領域を最大でNMAX4領域(ただし、NMAX1+NMAX3+NMAX4≦NALL)に分割する。すなわち、第2代表色算出部3122は、有彩色領域と無彩色領域とから、それぞれ別に領域を分割する。なお、NMAX3とNMAX4との和は、ステップS150において算出した割り当て可能な代表色の数以下とする。一方、第2代表色算出部3122は、有彩色/無彩色を区別しない場合、分割領域の数がステップS150において算出した割り当て可能な代表色の数となるまで、又は、これ以上分割する必要がないと判定するまで、色空間を分割する。
つづいて、第2代表色算出部3122は、領域分割処理において分割した領域から、1の領域(注目領域)を選択し、注目領域の代表色を算出する(ステップS158)。ステップS158における処理は、図4のステップS106と同様の処理である。第2代表色算出部3122は、全ての領域から代表色を算出した場合、図7に示した処理を終了し(ステップS160;Yes)、全ての領域から代表色を算出していない場合、ステップS158に戻る(ステップS160;No→ステップS158)。これにより、第2代表色算出部3122は、最大でステップS150において算出した数(第2の数)の代表色を算出することができる。
なお、第2代表色算出部3122は、第1代表色算出部3121と同様に、画素値の単純平均を算出する以外の方法(例えば、画素値の頻度に基づく方法)により、代表色を決定してもよい。
[1.2.2.4 出力画像生成部]
出力画像生成部3129は、入力画像に含まれる各画素の色を、画素毎に、代表色の何れか1の色に置き換えることにより、少数色画像を生成する出力画像生成処理を実行する。出力画像生成処理の流れを、図9を参照して説明する。
はじめに、出力画像生成部3129は、入力画像から1の画素(注目画素)を選択し、注目画素に対する代表色を選択する(ステップS190)。このとき、出力画像生成部3129は、以下の2つの方法のうちの何れかの方法により、代表色を選択する。
(1)出力画像生成部3129は、第1代表色グループ又は第2代表色グループの何れかに属す代表色のうち、注目画素と一番近い1の代表色(注目画素の画素値の差が最小となる何れか1の代表色)を選択する。このように、代表色の算出は印影画素とそれ以外の画素とでそれぞれ分けて算出したが、置き換える代表色の選択は、第1代表色グループと第2代表色グループとから選択する。すなわち、出力画像生成部3129は、注目画素の画素値の差が最小である代表色が第2代表色グループにある場合、注目画素の色を、第2代表色グループのうちの代表色にする。これにより、出力画像生成部3129は、印影画素のうち、下地色とほぼ同じ色の画素に対して、第1代表色グループから代表色を選択することにより、ノイズのように印影が太くなったり形状が変わったりすることを防ぐことができる。
(2)出力画像生成部3129は、注目画素が印影画素であれば、第1代表色グループに属す代表色のうち1の代表色を選択し、注目画素が印影画素でなければ、第2代表色グループに属す代表色のうち1の代表色を選択する。印影は一般的に均一な色であると考えられるので、印影画素に対する代表色を第1代表色グループに属す代表色から選択されることで、選択される代表色の種類が狭くなり、少数色画像において、印影の色の画素の色を均一にすることができる。
つづいて、出力画像生成部3129は、注目画素の色をステップS190において選択した代表色に置換する(ステップS192)。これにより、出力画像生成部3129は、算出された代表色に基づいて入力画像の画素値を変換し、少数色画像のファイルを作成する。
例えば、出力画像生成部3129は、注目画素の画素値を、選択した代表色に対応するインデックス値に置き換える。なお、インデックス値は、代表色を識別する番号(例えば、0を最小値とした整数の連番)である。このようにすることで、出力画像生成部3129は、画素毎に、その画素の色を示すデータを、画素値からインデックス値にすることができる。このとき、入力画像が元々24bitカラーであり、代表色数が32であれば、1つの画素において、色を表現するために必要なデータサイズ(ビット数)が24から5に減り、少数色画像のデータサイズが小さくなる。これにより、少数色画像のファイルにおいては、画素の色を表現するために必要なバイト数が、3バイトから1バイト以下に削減される。すなわち、出力画像生成部3129は、少数色画像のファイルを生成することで、少数色変換処理を行わない場合と比べて、入力画像を表すファイルであって、ファイルサイズが小さいファイルを生成できる。
出力画像生成部3129は、入力画像の全ての画素をインデックス値に置き換える処理が完了した場合、図9に示した処理を終了し(ステップS194;Yes)、それ以外の場合はステップS190に戻る(ステップS194;No→ステップS190)。
上述した処理により、出力画像生成部3129は、入力画像に含まれるそれぞれの画素を、代表色のうち画素値の差が最小となる何れか1の代表色(インデックス値)に置き換えることができる。出力画像生成部3129は、インデックス値に対応する代表色の情報(インデックス情報)と、インデックス値に置き換えられた入力画像(インデックス画像データ)とを生成し、色数変換処理部312から圧縮処理部314に出力される。
なお、インデックス情報とインデックス画像データとが色数変換処理部312から圧縮処理部314に出力された場合、圧縮処理部314は、インデックス画像データを圧縮して圧縮データを生成し、ファイル生成部315に出力する。ファイル生成部315は、入力されたインデックス情報と圧縮データとから、インデックス画像ファイルを生成する。
[1.3 動作例]
図10を参照して、本実施形態の動作例を説明する。図10(a)は、第2初期分類処理における分割領域を示す図である。なお、図10(a)の色空間は、L空間である。ここで、L軸は、L色空間の立方体において、色差(a)平面と垂直に交わり、当該色差平面の中心を通る軸である。このとき、分割領域は、図10(a)に示すように、例えば、色差(a)平面を9個(無彩色に対して1、有彩色に対して8)のエリアに分割した領域とする。
図10(a)において、無彩色領域は(9)に示す領域である。一方、図10(a)において、有彩色領域の分割領域は、無彩色領域を除く領域であって、L軸を中心に放射状に分割した8つの領域(図10(a)の(1)から(8)までの領域)である。
また、第1初期分類処理において、印影画素として取り得る色の範囲が制限されてもよい。例えば、色の範囲として、図10(b)のうち(10)に示す領域を、印影画素として取り得る色の範囲とする。なお、初期分類時において、図10(b)の(10)に示す領域はさらに分割されていてもよいが、分割されていなくてもよい。つまり、印影画素の分割領域の初期分割数は1であってもよい。また、図10(b)の(10)の領域に含まれない画素は印影画素から除外される。印影画素以外の画素は、第2初期分類処理において、図10(b)の(10)以外の何れかの分割領域に分類される。
なお、上述した処理について、必要に応じて変更が加えられてもよい。例えば、色数変換処理部312は、印影が1以上検出された場合(印影の数K>0の場合)は、第1代表色算出処理と第2代表色算出処理とを実行し、印影が1つも検出されない場合(印影の数K=0の場合)は、第2代表色算出処理のみを実行してもよい。色数変換処理部312は、第2代表色算出処理のみを実行する場合、第2代表色算出処理において、NALLの代表色を算出する。なお、色数変換処理部312は、印影の数や印影領域の合計面積(印影画素に外接する矩形領域の面積や印影画素の画素数)が、当該合計面積に対して予め定められた所定の閾値以下であれば第1代表色算出処理と第2代表色算出処理とを実行し、印影の数や印影画素の合計面積が所定の閾値を超える場合は、第1代表色算出処理を省略して第2代表色算出処理のみを実行してもよい。所定の閾値は、ユーザによって設定可能であってもよい。
また、第1代表色算出部3121や第2代表色算出部3122は、中央値分割法で得られた代表色を初期値として、他の方法(例えば、K-Means法)を実行し、更に代表色の算出精度を向上させてもよい。一般的に、K-Means法は中央値分割法よりも高い精度でデータを分割できる方法であるが、適切な初期値を与えないと、収束まで時間を要するという課題も持つ。この課題に対して、予め中央分割法で算出された値を初期値として処理を開始することで、比較的少ない回数で収束させることができ、適切な代表色を決定することの精度と処理時間との両立が実現される。
また、代表色数は、検出された印影の数に応じて変更されてもよい。例えば、色数変換処理部312は、少数色変換処理開始時の代表色数の最大値NALLを20とし、印影が1つ検出されるごとにNALLを3ずつ追加し、最大32色になるまでNALLを変更してもよい。この場合、色数変換処理部312は、NMAX1に対して、印影が1つ検出される毎に一定の数を加算してもよい。
また、上述した説明では、図5に示した第1初期分類処理のステップS124において、色の範囲内に対応する分割領域のうち何れかの分割領域に画素を分類するとして説明した。しかし、NMAX1の値として比較的小さい値(例えば、8)が設定されることもあるため、第1初期分類処理において印影画素の色の範囲を制限する場合は、分割領域を設けず、当該色の範囲そのものを1つの領域としてもよい。この場合、領域分割処理においてNMAX1の領域に分割される。
このように、本実施形態の画像形成装置は、入力されたカラー画像から印影を検出し、初めに、検出された印影画素に対して代表色を算出し、続いて、残りの画素に対して代表色を算出し、入力画像の各画素に対して一番近い代表色のインデックス値を割り当てる。つまり、印影用に予め色数が確保され、印影とそれ以外で分けて段階的に印影用の代表色が算出される。これにより、画像形成装置は、印影画素を優先的に評価することができ、印影画素に基づく代表色として、所定の色数(NALL)の代表色を算出することができる。この結果、画像形成装置は、一般的に文書画像全体を占める割合が小さくなりがちな印影部分において、よく似た色の他の画素(赤ペン等)の影響により算出された中間的な色の代表色が印影部分に割り当てられることを防ぐ。このように、本実施形態の画像形成装置は、減色後の少ない色数でも印影本来の色を再現した画像を出力することができる。
また、本実施形態の画像形成装置は、印影のかすれやにじみなどで色域が広く分布するような場合でも、印影から複数の代表色を算出し、当該代表色を印影画素に適切に割り当てる。これにより、本実施形態の画像形成装置は、入力画像における印影画素と近い代表色が存在せずに背景として白くなったり、1つの印影の中で色相や彩度などの大きく異なる色が混在してギャップが発生したりするリスクを減らすことができる。
このように、本実施形態の画像形成装置は、画像中に使用する色数を制限して、画素毎のビット数を制限することで、そのままフルカラーで出力するよりもファイルサイズを削減しつつ、モノクロ変換するよりも文章中の情報(特に、写真や図表を含むもの)を維持できる。さらに、本実施形態の画像形成装置は、入力画像中の印影を特定し、特定した印影の色味が失われないように、印影の画素に基づき、優先的に代表色を決定することで、印影がより自然な見た目で出力されるようにすることができる。また、本実施形態の画像形成装置は、代表色を決定するときに、K-Means法と中央値分割法とを組み合わせることにより、適切な代表色を決定することの精度と処理時間との両立を実現できる。
[2.第2実施形態]
つづいて第2実施形態について説明する。第2実施形態は第1実施形態と異なり、印影毎に代表色を算出する実施形態である。
本実施形態では、領域特定部3120は、ラベル番号を付与するとき、優先度の高いものから順に印影領域に対してラベル番号を付与することで、印影領域に対して優先度を設定する。優先度の決定方法として様々な方法を利用することができるが、例えば、領域特定部3120は、印影のサイズ、もしくは、印影を構成する画素数が大きいものほど優先度を高くする。
また、本実施形態では、第1代表色算出部3121は、図11に示した印影領域別代表色算出処理を実行する。はじめに、第1代表色算出部3121は、ラベル番号に関する変数jに0を、割り当て済みの代表色の数を示す変数Nに0を、それぞれ代入して、変数を初期化する(ステップS200)
つづいて、第1代表色算出部3121は、ラベル番号がjの印影領域(j番目の印影領域)の画素を抽出し(ステップS202)、抽出した画素を対象として、図4に示した第1代表色算出処理を実行する(ステップS204)。
ここで、第1代表色算出部3121は、図4のステップS100を省略し、ステップS102において、j番目の印影領域の画素に対して、第1初期分類処理を実行する。このとき、第1代表色算出部3121は、図4のステップS104において、個々の印影に対して割り当て可能な代表色数の最大値NMAX2(NMAX2<NMAX1)だけ領域を分割する。NMAX2は、予め定められていてもよいし、ユーザによって設定可能であってもよい。また、検出された印影の数Kから自動的に算出されてもよい。これにより、第1代表色算出部3121は、1の印影領域(j番目の印影領域)に対して、最大でNMAX2の代表色を算出する。
つづいて、第1代表色算出部3121は、ラベル番号がj未満の印影領域に対して割り当てられた代表色が存在する場合、割り当て済みの代表色の画素値と、新たに割り当てられた代表色の画素値とを比較し、画素値が近い代表色を統合する(ステップS206)。代表色を統合するとき、第1代表色算出部3121は、2の代表色の画素値の平均を取るのではなく、先に割り当てられた代表色の画素値を優先度が高い代表色として残し、後に割り当てられた代表色を削除する。なお、第1代表色算出部3121は、例えば、2の代表色の画素値同士の距離(画素値がR、G、Bの3成分のベクトルで表される場合、両者のベクトルの差分の2次ノルムを距離とする)が所定値以下であれば近いとし、それ以外は遠いとする。
つづいて、第1代表色算出部3121は、j番目の印影領域に基づき新たに割り当てられた代表色の数をNSj(ただし、NSj≦NMAX2、j=0、1、・・・K-1)として、NにNSjを加算する(ステップS208)。これにより、第1代表色算出部3121は、ラベル番号0からjまでの印影領域に割り当てられた代表色の合計数を更新する。
つづいて、第1代表色算出部3121は、全ての印影領域から代表色を算出したか否かを判定し(ステップS210)、全ての印影領域から代表色を算出した場合は、図11に示す処理を終了する(ステップS210;Yes)。
一方、第1代表色算出部3121は、全ての印影領域から代表色を算出していない場合は、残りの代表色数(割り当て可能な代表色数)に余裕があるか否かを判定する(ステップS210;No→ステップS212)。ここでは、第1代表色算出部3121は、NMAX2≦NMAX1-Nである場合、残りの代表色数に余裕があると判定する。一方、第1代表色算出部3121は、NMAX2>NMAX1-Nである場合、すなわち、j+1番目の印影領域に割り当てることが可能な代表色の数が、印影領域に対して割り当て可能な残りの代表色の数未満である場合、残りの代表色数に余裕がないと判定する。
第1代表色算出部3121は、残りの代表色数に余裕がない場合、代表色を算出していない残りの印影領域(ラベル番号がj+1,…,K-1である印影領域)を、全てラベル番号がj+1の印影領域に統合する(ステップS212;Yes→ステップS214)。これにより、ステップS202において、統合された領域に含まれる画素が抽出され、ステップS204において、当該画素に基づき代表色が算出される。また、第1代表色算出部3121は、検出した印影の数Kをj+1とし、個々の印影領域に割り当て可能な代表色数の最大値NMAX2をNMAX1-Nとする。なお、第1代表色算出部3121は、残りの代表色数に余裕がある場合は、ステップS214の処理を省略する(ステップS212;No)。
つづいて、第1代表色算出部3121は、ラベル番号に関する変数jに1を加えて更新し、ステップS202に戻る(ステップS216→ステップS202)。
このように、第1代表色算出部3121は、優先度が高い印影領域(印影のサイズや印影を構成する画素が大きい印影)から順に代表色を算出する。これにより、第1代表色算出部3121は、文書の中でも特に目立つ印影から先に、代表色を算出することができる。また、第1代表色算出部3121は、割り当て可能な残りの代表色の数が少なくなって未処理の印影をまとめて処理する場合でも、比較的小さな印影のみを代表色の算出の対象とする。これにより、優先度の低い印影領域(j+1,…,K-1)に対しては、割り当て可能な残りの代表色数の中で代表色が割り当てられるため、異なる印影に対して同じ代表色が算出される可能性がある。しかし、その分、第1代表色算出部3121は、優先度の高い印影について十分な数の代表色を割り当てることができるため、少数色画像において、違和感を生じにくくさせることができる。
なお、第1代表色算出処理が実行された後、第2代表色算出部3122は、図7に示した第2代表色算出処理を実行する。なお、第2代表色算出部3122は、ステップS150において、割り当て可能な代表色の数を、代表色数の最大値NALLから、印影画素に基づき算出した代表色の数Nを引いた数とする。また、第2代表色算出部3122は、ステップS152において、印影画素以外の画素(第2の画素群)を抽出する。なお、第2代表色算出部3122によって算出(決定)された代表色の集合を第2代表色グループという。
なお、NMAX2の値として比較的小さい値(例えば、2)が設定されることもあるため、第1初期分類処理(図11のステップS204)において印影画素の色の範囲を制限する場合は、分割領域を設けず、当該色の範囲そのものを1つの領域としてもよい。この場合、領域分割処理において最大でNMAX2の領域に分割される。
また、第1代表色算出部3121は、第1実施形態に記載した処理と第2実施形態に記載した処理とのうち、実行する処理を、ユーザによって選択可能にしてもよいし、自動的に選択してもよい。自動的に選択する方法として、例えば、第1代表色算出部3121は、検出された印影の数Kが所定数(例えば、3)以下の場合は、第1実施形態に記載した処理を実行し、それ以外の場合は第2実施形態に記載した処理を実行するようにしてもよい。第1実施形態に記載した処理は、第2実施形態に記載した処理に比べて簡潔な処理であり、処理速度を優先する場合や、印影の数が比較的少なく割り当て可能な色数も十分ある場合(たとえばK≦3、NMAX1>4など)に適している。一方、第2実施形態に記載した処理は、個々の印影の色味の再現性を優先する必要がある場合に適している。
このように、本実施形態の画像形成装置は、印影画素に基づく代表色を算出した後で、割り当て可能な残りの代表色の数だけ、印影画素以外の画素から代表色を算出する。このようにして、画像形成装置は、印影画素を優先的に評価して、所定の色数(NALL)の代表色を算出する。これにより、本実施形態の画像形成装置は、文書の中でも特に目立つ印影から先に代表色を算出することができ、割り当て可能な残りの色数が少なくなって未処理の印影をまとめて処理する場合でも、比較的小さな印影のみを代表色の算出の対象とする。この結果、画像形成装置は、減色後の画像全体における違和感を低減させられる。
[3.第3実施形態]
つづいて、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態や第2実施形態とは異なり、印影画素ほど大きな重みを割り当て、重みを考慮して代表色を算出する実施形態である。本実施形態は、第1実施形態の図3を図12に置き換えたものである。なお、同一の機能部及び処理には同一の符号を付し、説明については省略する。
[3.1 色数変換処理部の詳細]
図12は、本実施形態における色数変換処理部312の構成を示した図である。本実施形態の色数変換処理部312は、領域特定部3120、第3代表色算出部3123、出力画像生成部3129を含んで構成される。
第3代表色算出部3123は、入力画像の全画素に基づいて代表色を算出する第3代表色算出処理を実行する。第3初期分類処理は、領域特定部3120により印影領域が分離された後に実行される。第3初期分類処理の流れについて、図13を参照して説明する。
はじめに、第3代表色算出部3123は、印影画素(第1の画素群)と、印影画素以外の画素(第2の画素群)を抽出する(ステップS300→ステップS302)。さらに、第3代表色算出部3123は、抽出したそれぞれの画素に対して、対応する重みを算出する(ステップS304)。例えば、第3代表色算出部3123は、印影画素にはα、それ以外の画素にはβ(α>β>0)の定数を重みとして与える。α、βは予め設定されていてもよいし、ユーザによって設定可能であってもよい。例えば、印影画素をそれ以外の画素20画素分と同等の扱いとする場合、α=20、β=1となる。このようにして、第3代表色算出部3123は、印影画素(第1の画素群)に対して、印影画素以外の画素(第2の画素群)よりも大きい重みを与える。
つづいて、第3代表色算出部3123は、第3初期分離処理を実行する(ステップS306)。第3初期分類処理の流れを、図14を参照して説明する。
印影候補色領域を設定するか否かを判定する(ステップS320)。印影候補色領域とは、初期分類時の分割領域とは別に設けられる色空間上の領域であり、印影が含まれる可能性のある色範囲に対応する領域である。第3代表色算出部3123は、印影候補色領域を設定する場合、初期分類時の分割領域と印影候補色領域とが排他となるように(重複する範囲が何れか1の領域に含まれるように)、領域の形状を変更する。印影候補色領域を設定するか否か及び印影候補色領域の範囲は、予め設定されていてもよいし、ユーザによって設定可能であってもよい。印影候補色領域の範囲は、一般的な朱肉の顔料やインクに使用される色を含む事前に設定された色範囲であってもよいし、検出した印影画素の画素値の平均と分散とから、第3代表色算出部3123によって動的に決定されてもよい。
第3代表色算出部3123は、印影候補色領域を設定する場合、入力画像に含まれる画素を1つずつ注目画素として選択し、当該注目画素の画素値が、印影候補色領域の範囲内であるか否かを判定する(ステップS320;Yes→ステップS322)。第3代表色算出部3123は、注目画素の画素値が印影候補色領域の範囲内であれば、当該注目画素を印影候補色領域に分類する(ステップS322;Yes→ステップS324)。一方、第3代表色算出部3123は、注目画素の画素値が印影候補色領域の範囲内でなければ、印影候補色領域以外の領域に設定された分割領域のうち、注目画素が属する領域を判定して、当該領域に注目画素を分類する(ステップS322;No→ステップS326)。このようにすることで、印影領域以外の分割領域の数をNとしたとき、第3代表色算出部3123は、入力画像に含まれる画素を、1の印影候補色領域と、それ以外のNの領域との何れかの領域に分類する。
つづいて、第3代表色算出部3123は、入力画像に含まれる全画素を選択したか否かを判定する(ステップS328)。第3代表色算出部3123は、全画素を選択した場合は図14に示した処理を終了し(ステップS328;Yes)、全画素を選択していない場合は、ステップS322に戻る(ステップS328;No→ステップS322)
一方、第3代表色算出部3123は、ステップS320において、印影候補色領域を設定しない場合は、当該注目画素を色空間に予め設定された分割領域の何れかの領域に分類する(ステップS320;No→ステップS330)。つづいて、第3代表色算出部3123は、全画素を選択したか否かを判定する(ステップS332)。第3代表色算出部3123は、全画素を選択した場合は、図14に示した処理を終了し(ステップS332;Yes)、全画素を選択していない場合は、ステップS330に戻る(ステップS332;No→ステップS330)。
図13に戻り、つづいて、第3代表色算出部3123は、ステップS306の第3初期分類処理における領域に対して、領域分割処理を実行する(ステップS308)。なお、第3代表色算出部3123は、領域分割処理においては、重みを考慮せず、各分割領域において、成分毎に最大値と最小値から構成される直方体における最も長い辺の中間を分割位置として、分割領域を分割すればよい。
また、第3代表色算出部3123は、印影候補色領域を設定する場合は、印影候補色領域を最大でNMAX5(ただし、NMAX5<NALL)の領域に、それ以外のNの領域を最大でNMAX6(ただし、NMAX5+NMAX6≦NALL)の領域に分割する。このようにして、印影候補色領域から最大でNMAX5の領域(第1のグループ)が、印影候補色領域以外の領域から最大でNMAX6の領域(第2のグループ)が求められる。NMAX5の値は予め定められていてもよいし、ユーザによって設定可能であってもよい。一方、第3代表色算出部3123は、印影候補色領域を設定しない場合、領域分割処理に対する終了条件を満たすまで、領域を分割する。これにより、NALL以下の数の領域(グループ)が求められる。
つづいて、第3代表色算出部3123は、領域分割処理において分割した領域から、1の領域(注目領域)を選択し、注目領域の代表色を算出する(ステップS310)。例えば、第3代表色算出部3123は、注目領域に属する全ての画素の画素値の加重平均を算出し、当該算出された画素値によって示される色を代表色とする。
なお、第3代表色算出部3123は、印影候補色領域を設定する場合、印影候補色領域内の領域(第1のグループ)に対してのみ、画素の重みを考慮した算出方法(加重平均等)を用いてもよい。この場合、第3代表色算出部3123は、印影候補色領域以外の領域(第2のグループ)には画素の重みを無視し、全ての画素を同等に扱う算出方法(単純平均等)を用いて代表色を算出する。これにより、第3代表色算出部3123は、代表色を算出する処理を簡略化できる。
第3代表色算出部3123は、全ての領域から代表色を算出した場合、図13に示した処理を終了し(ステップS312;Yes)、全ての領域から代表色を算出していない場合、ステップS310に戻る(ステップS312;No→ステップS310)。
なお、色数変換処理部312は、上述した処理により算出された代表色に基づき、出力画像生成部3129を介して、入力画像を少数色画像に変換する。
[3.2 動作例]
図15を参照して、印影候補色領域の例を説明する。図15は、L空間における初期分類時における分割領域を示す図である。図15の(1)は、印影候補色領域を示す。印影候補色領域は、例えば、色相の所定の範囲内の領域として設定される。印影候補色領域は、初期分類処理の実行時に設定される分割領域とは別に、第3初期分類処理実行前に新たに設定されてもよい。この場合、印影候補色領域は、他の分割領域と同じサイズでなくてもよい。また、予め定められていた分割領域は、印影候補色領域とは重ならないように形状が変更される。例えば、予め定められていた分割領域全体の領域は、全体の領域から印影候補色領域を除いた領域(図15の(2)に示す領域)となり、当該領域において、予め定められた分割領域の数だけの分割領域が設定される。
このように、本実施形態の画像形成装置は、印影画素と印影画素以外の画素とに対して重み付けを行い、印影画素と印影画素以外の画素とを分けずに、一度に、代表色を算出する。これにより、代表色を算出する処理の処理量が抑えられる。なお、写真付きの文書など使用色数の多い原稿が入力される場合であっても、本実施形態の画像形成装置は、印影候補色領域を設けて、当該領域に含まれる画素と当該領域に含まれない画素とで、画素の分類方法や、代表色の算出方法を変えることができる。これにより、本実施形態の画像形成装置は、印影画素に対して割り当て可能な代表色の数が確保されている場合と似たような効果を得ることが可能となる。
このように、本実施形態の画像形成装置は、印影画素に対して、他の画素よりも大きな重みを与えて、重みを考慮して代表色を算出することにより、印影画素を優先的に評価する。これにより、画像形成装置は、文書画像全体を占める割合が小さくなりがちな印影部分においても、よく似た色の他の画素(赤ペン等)の影響により中間的な色が代表色として算出されてしまうことを回避し、減色後の少ない色数でも印影本来の色を適切に再現させることができる。
[4.第4実施形態]
つづいて、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、上述した実施形態における処理に加えて、少数色変換処理を実行するか、フルカラー処理を実行するかを自動的に判定する処理を実行する実施形態である。
[4.1 色数変換判定部]
図16を参照して、本実施形態における色数変換判定部311の構成について説明する。本実施形態の色数変換判定部311は、領域特定部3110と判定部3111とを含んで構成される。
領域特定部3110は、上述した実施形態において説明した領域特定部3120と同様の機能部である。また、判定部3111は、領域特定部3110における結果に基づき、入力画像をフルカラーと少数色との何れで出力する方が適切かを判定する。
ここで、上記判定の判定基準として、少なくとも、以下に示すような、印影の検出結果に関する条件を1つ以上含む。例えば、判定部3111は、印影の検出結果に関する条件の例として、以下の条件のうち、何れかの条件を満たす場合、フルカラーでの出力が適していると判定する。
(1)検出された印影の数が第1の閾値(例えば、4)以上であること
判定部3111は、印影等の特定オブジェクトの数が、第1の閾値以上であれば、入力画像の画素を置き換えることなく、フルカラーで出力することが適していると判定する。
(2)検出された印影の合計面積が第2の閾値を超えること
例えば、判定部3111は、各印影を個別に最小矩形で囲んだ場合の矩形サイズの合計や印影画素として抽出された画素数の合計を合計面積として算出し、当該合計面積を予め定められた第2の閾値と比較する。例えば、判定部3111は、印影等の特定オブジェクトを構成する画素の合計が、第2の閾値以上であれば、入力画像の画素を置き換えることなく、フルカラーで出力することが適していると判定する。
(3)検出された印影画素の画素値の分布が広範囲に亘ること
例えば、判定部3111は、印影等の特定オブジェクトを構成する画素の画素値を全て取得し、取得した画素値の分散が予め定められた第3の閾値(たとえば、400)を超えている場合、画素値の分布が広域に亘ると判定する。ここで、画素値の分布が広域に亘る場合とは、検出された印影画素の画素値の分布が広範囲に広がることを示す。印影画素の画素値の分布が広範囲に広がる場合は、一般的に、印影の色として様々な色が用いられていると考えられ、そのような場合に、少数色変換処理が実行されると、印影の色の色味が失われる可能性が高くなる。そのため、判定部3111は、検出された印影画素の画素値の分布が広範囲に亘ると判定した場合、入力画像の画素を置き換えることなく、フルカラーで出力することが適していると判定する。なお、画素値の分布が広域に亘るか否かを判定する方法として、画素値の分散が第3の閾値を超えるか否かを判定する方法以外に、たとえば、明度(0~255)を算出し、全ての印影画素のうち1%以上の画素が含まれる明度が、連続して50以上(好ましくは80以上)続く場合に、画素値の分布が広域に亘ると判定するようにしてもよい。
なお、第1の閾値、第2の閾値、第3の閾値は、予め設定されてもよいし、ユーザによって設定可能であってもよい。また、判定部3111は、上述した条件以外の条件を用いて出力方法を判定してもよいし、複数の条件を組み合わせて出力方法を判定してもよい。また、判定部3111は、印影の検出結果とは別の条件を加えてもよい。この場合、判定部3111は、印影の検出結果に基づき、少数色での出力が適していると判定しても、別の条件によりフルカラーで出力すべきと判定した場合は、出力方法としてフルカラーが適していると判定してもよい。
印影の検出結果に対する条件とは別の条件として、例えば、少数色に変換することで見た目が悪化するか否かに関する条件が加えられてもよい。例えば、判定部3111は、領域分離処理部305の結果を取得し、原稿全体を占める写真領域の割合が所定値を超える(大きな写真を含む)場合、少数化変換処理により写真の見栄えが悪くなるとしてフルカラーでの出力が適していると判定してもよい。
判定部3111は、入力画像をフルカラーで出力する方が適切であると判定した場合は「OFF」の信号を色数変換処理部312に出力し、入力画像を少数色で出力する方が適切であると判定した場合は「ON」の信号と、印影領域を示す情報を色数変換処理部312に出力する。
[4.2 色数変換処理部]
図17を参照して、本実施形態における色数変換処理部312の構成について説明する。図17(a)は、本実施形態を第1実施形態又は第2実施形態に適用した場合の構成を示した図である。色数変換処理部312は、判定部3111(色数変換判定部311)から「OFF」の信号を受信した場合は、少数色変換処理を実行せず、フルカラー処理を実行する。ここで、色数変換処理部312は、フルカラー処理として、入力画素の色を代表色等の特定の色に置き換えることなくそのまま出力する。すなわち、色数変換処理部312は、フルカラー処理を実行するとき、入力画像を、第1代表色算出部3121、第2代表色算出部3122、出力画像生成部3129に入力することなく、そのまま出力する。
一方、色数変換処理部312は、判定部3111(色数変換判定部311)から「ON」の信号及び印影領域を示す情報を受信した場合は、印影領域を示す情報に基づき、第1代表色算出部3121、第2代表色算出部3122、出力画像生成部3129を介して、少数色変換処理を実行する。
図17(b)は、本実施形態を第3実施形態に適用した場合の構成を示した図である。色数変換処理部312は、判定部3111(色数変換判定部311)から「OFF」の信号を受信した場合は、少数色変換処理を実行せずにフルカラー処理を実行する。一方、色数変換処理部312は、判定部3111(色数変換判定部311)から「ON」の信号及び印影領域を示す情報を受信した場合は、印影領域を示す情報に基づき、第3代表色算出部3123及び出力画像生成部3129を介して、少数色変換処理を実行する。
このように、本実施形態の画像形成装置は、入力画像に対して少数色変換処理を実行して出力するか、少数色変換処理を実行せずにフルカラーで出力するか否かを自動的に判定し、判定に基づき画像を出力する。ここで、本実施形態の画像形成装置は、出力方法の判定において印影の検出結果を考慮することで、印影の色を少数色に変換して、印影の色の消失やギャップを発生させるリスクが高いような場合には、フルカラーでの出力を選択し易くなるようにする。ユーザは、入力画像がフルカラーで出力されることにより、一般的には画素数としては多くない印影画素に、他の画素の色の影響を受けさせることなく、高い色再現性が実現された画像を出力させることが可能となる。これにより、ユーザは、出力された画像に対して、印影及びその文章の信憑性を維持することが可能となる。
[5.第5実施形態]
つづいて、第5実施形態について説明する。第5実施形態では、上述した実施形態とは異なり、予め登録された特定オブジェクトを検出し、当該特定オブジェクトに用いられている画素に基づく代表色を、優先的に算出する実施形態である。
[5.1 機能構成]
本実施形態における画像形成装置1の機能構成について説明する。本実施形態では、記憶部60に、特定オブジェクトに関する情報を記憶する記憶領域として、特定オブジェクト情報記憶領域が確保される。図18は、特定オブジェクト情報記憶領域に記憶される情報(特定オブジェクト情報)を示した図である。特定オブジェクト情報には、例えば、特定オブジェクトを識別するID(例えば、「1-1」)と、検出用情報と、当該特定オブジェクトに対応付けられた固定の代表色(例えば、「#000000、#FFF100」)と、フルカラーで出力するか否かを示すフルカラー出力フラグ(例えば、「No」)と、が含まれる。
検出用情報は、特定オブジェクトを検出するために用いられる情報であり、例えば、以下のような情報である。
(1)特定オブジェクトの特徴量
特定オブジェクトが特徴点マッチングにより検出される場合、当該特定オブジェクトの画像の特徴量(特徴量ベクトル)が記憶される。
(2)AI(Artificial Intelligence)モデル(学習済みモデル)
特定オブジェクトが画像認識により検出される場合、画像認識に用いられるモデル(予めユーザが学習させた、特定オブジェクトの検出に特化したモデル)が記憶される。
なお、特定オブジェクトの画像そのものが併せて記憶されてもよい。特定オブジェクトの画像は、登録(記憶)されている特定オブジェクトをユーザによって確認される場合や、当該画像を用いたパターンマッチングにより特定オブジェクトを検出する場合に用いられる。なお、特定オブジェクトの画像は、セキュリティ等が考慮される場合には、登録されなくてもよい。
また、特定オブジェクトに対応する固定の代表色は、当該特定オブジェクトを構成する画素に対して割り当てる色(指定色)である。固定の代表色は1色であってもよいし複数色であってもよい。固定の代表色は、ユーザによって指定される。なお、画像形成装置1は、登録可能な代表色の数を制限してもよい。
フルカラー出力フラグは、フルカラーで出力すべき特定オブジェクトを示す「Yes」又は少数色で出力可能な特定オブジェクトを示す「No」の何れかが記憶される。フルカラー出力フラグは、例えば、「No」を初期値として、ユーザの操作に応じて、「Yes」が記憶されてもよい。例えば、画像形成装置1は、ユーザによって特定オブジェクトが登録されるとき、当該特定オブジェクトを表現する上で必要な代表色数が上記の上限数を超える場合、フルカラーでの出力をユーザに選択させてもよい。
なお、本実施形態では、代表色の登録数が1以上である特定オブジェクトを第1特定オブジェクトといい、代表色の登録数が0である特定オブジェクトを第2特定オブジェクトという。第2特定オブジェクトとしては、角印(社判等)や「社外秘」「REJECTED」等といった、オブジェクトの形状が不定形であって、朱色以外を色が使われることが多いスタンプ等が挙げられる。
[5.2 処理の流れ]
[5.2.1 色数変換判定部]
本実施形態の色数変換判定部311の構成は、図16に示した構成と同様に、領域特定部3110と判定部3111とを含む。
領域特定部3110は、予め登録された特定オブジェクトの検出用情報を用いて、入力画像から特定オブジェクトを検出し、特定オブジェクトを構成する画素を含む領域(特定オブジェクト領域)を特定する。ここで、領域特定部3110は以下の方法により、特定オブジェクトを検出する。
(1)特徴点マッチング
領域特定部3110は、ORB(Oriented FAST and Rotated BRIEF)やAKAZE等の方法により入力画像から特徴点を検出し、各特徴点について特徴量ベクトルを算出する。領域特定部3110は、登録済の特定オブジェクトの検出用情報(特徴量ベクトル)と、入力画像の特徴点およびその特徴量ベクトルとのマッチングにより、入力画像中に特定オブジェクトが存在するかどうか判定し、特定オブジェクトの位置を検出する。
(2)画像認識
領域特定部3110は、入力画像を学習済みモデル(例えば、ニューラルネットワーク)に入力し、特定オブジェクトの画像を検出し、特定オブジェクトの位置を特定する。
また、領域特定部3110は、検出したK種類の特定オブジェクトに対して、ラベル番号を付与する。はじめに、領域特定部3110は、M種類の第1特定オブジェクトについて、予め与えられる固定の代表色数が多いものから順に異なるラベル番号(0、1、・・・、M-1)を付与する。つづいて、領域特定部3110は、K-M種類の第2特定オブジェクトについて、優先度の高いものから順に異なるラベル番号(M、M+1、・・・K-1)を付与する。このようにして、領域特定部3110は、第2の特定オブジェクトに対して優先度を設定する。領域特定部3110は、第2特定オブジェクトの優先度として、たとえば合計サイズが大きいものほど高くする。なお、領域特定部3110は、検出した特定オブジェクト同士が離れた位置にあっても、同じ種類の特定オブジェクトであれば、同一のラベル番号を与える。
また、判定部3111は、領域特定部3110における結果に基づき、入力画像をフルカラーと少数色との何れの出力方法が適切であるか判定する。ここで、出力方法の判定基準として、少なくとも、以下に示すような、特定オブジェクトの検出結果に関する条件を1つ以上含む。なお、本実施形態では、特定オブジェクトに対して割り当て可能な代表色の数の最大値をNMAX1とする。
(1)検出した特定オブジェクトに対して与えられている固定の代表色の合計数がNMAX7(ただし、NMAX7はNMAX1未満の値で予め設定される値)以上であること(例えば、NMAX1=16に対して、NMAX7=10)
(2)フルカラー出力フラグが「Yes」である特定オブジェクトを検出したこと
(3)検出した特定オブジェクトの種類の数が所定値(例えば、4)以上であること
(4)検出した特定オブジェクトのうち、固定の代表色が与えられていない特定オブジェクトの合計面積が所定値を超えること
なお、判定部3111は、特定オブジェクトの合計面積として、各特定オブジェクトを個別に最小矩形で囲んだ場合の矩形サイズの合計の値や、特定オブジェクトを構成する画素として抽出された画素数の合計の値を用いる。
また、判定部3111は、上述した特定オブジェクトの検出結果に関する条件とは別の条件を加えてもよい。この場合、判定部3111は、特定オブジェクトの検出結果としては少数色で出力可能であることを判定しても、別の条件においてフルカラーで出力すべきと判定した場合はフルカラーで出力すると判定する。別の条件は、例えば、原稿全体を占める写真領域の割合が所定値を超えることである。
判定部3111は、入力画像をフルカラーで出力する方が適切であると判定した場合は「OFF」の信号を色数変換処理部312に出力し、入力画像を少数色で出力する方が適切であると判定した場合は「ON」の信号と、印影領域を示す情報を色数変換処理部312に出力する。
[5.2.2 色数変換処理部]
本実施形態の色数変換処理部312の構成は、図19に示すように、第4代表色算出部3124と、第2代表色算出部3122と、出力画像生成部3129とを含む。なお、色数変換処理部312は、判定部3111(色数変換判定部311)から「OFF」の信号を受信した場合、少数色変換処理を実行せずに出力階調補正部310から出力された画像を圧縮処理部314に出力する(色変換処理部を終了する)。一方、色数変換処理部312は、判定部3111(色数変換判定部311)から「ON」の信号を受信した場合、第4代表色算出部3124を介して、特定オブジェクトに基づき代表色を算出する第4代表色算出処理を実行する。なお、本実施形態では、第4代表色算出部3124により算出(決定)された代表色の集合を、第1代表色グループともいう。
第4代表色算出処理の流れを、図20を参照して説明する。はじめに、第4代表色算出部3124は、検出されたM種類の第1特定オブジェクトに対応する固定の代表色を、第1代表色グループに含める(割り当てる)(ステップS500)。これにより、固定の代表色が、少数色画像に対する代表色に含まれることとなる。また、第4代表色算出部3124は、ラベル番号に関する変数jにMを代入し、割り当て済みの代表色の数を示す変数Nに、割り当てた代表色の数を代入する(ステップS502)。
つづいて、第4代表色算出部3124は、ラベル番号がjの第2特定オブジェクト領域を処理対象として選択し、代表色算出処理を行う。ここで、第4代表色算出部3124は、ラベル番号がjの第2特定オブジェクト領域の画像を取得し(ステップS504)、当該画像に基づき代表色を算出する代表色算出処理を実行する(ステップS506)。代表色算出処理の流れについては、図21を参照して説明する。
はじめに、第4代表色算出部3124は、図21のステップS504において取得した特定オブジェクト領域の画像に含まれる画素(第1の画素群)を抽出し(ステップS550)、当該画素に対して、第4初期分類処理を実行する(ステップS552)。第4初期分類処理は、図8に示した第2初期分類処理と同様の処理である。なお、無彩色か否かを判定するための閾値や分割領域は、第2初期分類処理とは別に設定されてもよい。
つづいて、第4代表色算出部3124は、領域分割処理を実行する(ステップS554)。領域分割処理は、図6に示した処理と同様の処理である。なお、第4代表色算出部3124は、ステップS552の第4初期分類処理における領域を、最大で、個々の特定オブジェクトの種類に対して割り当て可能な代表色の数の最大値NMAX2(NMAX2<NMAX1)の領域に分割する。領域分割後、第4代表色算出部3124は、1の領域(注目領域)から代表色を算出し(ステップS556)、全ての領域から代表色を算出するまで、ステップS556を繰り返し実行する(ステップS558;No→ステップS556)。ステップS556の処理は、図13のステップS306と同様の処理である。第4代表色算出部3124は、全ての領域から代表色を算出した場合、図21に示した処理を終了する(ステップS558;Yes)。これにより、最大でNMAX2の代表色が算出される。これにより、第4代表色算出部3124は、特定のオブジェクトの種類毎に、当該特定オブジェクトに対して割り当て可能な代表色の数以下の代表色を算出することができる。
図20に戻り、第4代表色算出部3124は、ラベル番号がj未満の印影領域に対して割り当てられた代表色が存在する場合、割り当て済みの代表色の画素値と、新たに割り当てられた代表色の画素値とを比較し、画素値が近い代表色を統合する(ステップS508)。ステップS508の処理は、図11のステップS206と同様の処理である。
つづいて、第4代表色算出部3124は、ラベル番号がjの第2特定オブジェクト領域に基づき新たに割り当てた代表色の数をNSj(ただし、NSj≦NMAX2、j=0、1、・・・K-1)として、NにNSjを加算する(ステップS510)。これにより、第4代表色算出部3124は、ラベル番号0からjまでの特定オブジェクト領域に割り当てられた代表色の合計数を更新する。
つづいて、第4代表色算出部3124は、全ての特定オブジェクトから代表色を算出したか否かを判定し(ステップS512)、全ての特定オブジェクトから代表色を算出した場合は、図20に示す処理を終了する(ステップS512;Yes)。
一方、第4代表色算出部3124は、全ての印影領域から代表色を算出していない場合は、残りの代表色数(割り当て可能な代表色数)に余裕があるか否かを判定する(ステップS512;No→ステップS514)。例えば、第4代表色算出部3124は、NMAX2≦NMAX1-Nであれば、残りの代表色数に余裕があると判定し、NMAX2>NMAX1-Nであれば、残りの代表色数に余裕がないと判定する。
第4代表色算出部3124は、残りの代表色数に余裕がない場合、残りの特定オブジェクト領域(j+1,…,K-1)を全てラベル番号がj+1の特定オブジェクト領域に統合する(ステップS514;Yes→ステップS516)。このとき、第4代表色算出部3124は、検出した特定オブジェクトの種類の数であるKをj+1とし、特定オブジェクト領域に割り当て可能な代表色数の最大値NMAX2をNMAX1-Nとする。なお、第4代表色算出部3124は、残りの代表色数に余裕がある場合は、ステップS516の処理を省略する(ステップS516;No)。
つづいて、第1代表色算出部3121は、ラベル番号に関する変数jに1を加えて更新し、ステップS504に戻る(ステップS518→ステップS504)。
このようにして第4代表色算出部3124によって第1代表色グループに含まれる代表色が算出された後、第2代表色算出部3122は、第2代表色算出処理を実行する。本実施形態において実行される第2代表色算出処理は、図7に示した処理と同様の処理である。なお、第2代表色算出部3122は、ステップS150において、割り当て可能な代表色の数を、代表色数の最大値NALLから特定オブジェクト領域内の画素に基づき算出した代表色の数Nを引いた数とする。また、第2代表色算出部3122は、ステップS152において、特定オブジェクト以外の画素(第2の画素群)を抽出する。なお、第2代表色算出部3122によって算出(決定)された代表色の集合を第2代表色グループという。
さらに、出力画像生成部3129は、算出された代表色に基づいて入力画像の画素値を変換して出力画像ファイルを作成する出力画像生成処理を実行する。本実施形態では、出力画像生成部3129は、出力画像生成処理として、図9に示した処理と同様の処理を実行する。ここで、出力画像生成部3129は、第1特定オブジェクトの画素に対しては、それぞれ予め与えられた固定の代表色を使用し、第2特定オブジェクトの画素及び特定オブジェクト以外の画素に対しては、最も近い代表色を選択する。その際、出力画像生成部3129は、第1代表色グループ、第2代表色グループの何れかから代表色を選択してもよい。このようにすることで、出力画像生成部3129は、特定オブジェクト画素として分離されているもののほぼ下地色と同じ画素に対する代表色を第1代表色グループから選択することにより、ノイズのように特定オブジェクトが太くなったり、特定オブジェクトの形状が変わったりすることを防ぐことができる。
なお、代表色数の最大値NALLは、特定オブジェクトが検出されたか否かによって変更されてもよい。例えば、画像形成装置1は、通常はNALLを20とする。このとき、画像形成装置1は、検出された第1特定オブジェクトに対応する固定の代表色の数の合計がNMAX7を越えなければ固定の代表色数を全てNALLに加算し、さらに、第2特定オブジェクトが1つ検出されるごとにNALLを3ずつ追加し、最大48色になるまで変更してもよい。なお、代表色数の最大値NALLが17色以上256色以下である場合、1画素あたり1バイトで表現できる。圧縮処理部314でフレート圧縮を実行する場合、色数が少ないほど圧縮効率が向上するため、ファイルサイズを低減する目的では上限はあまり上げすぎない方がよい。
また、第1実施形態と同様に、色数変換処理部312は、特定オブジェクトの数や特定オブジェクトの合計面積が予め定められた所定の閾値以下であれば第4代表色算出処理と第2代表色算出処理とを実行し、特定オブジェクトの数や特定オブジェクトの合計面積が所定の閾値を超える場合は、第2代表色算出処理のみを実行してもよい。
このように、本実施形態の画像形成装置は、企業ロゴ(コーポレートカラー)など、色の再現性を重要視されるような特定のオブジェクトに対して予め色数を確保しておき、特定オブジェクトとそれ以外で分けて段階的に代表色算出処理を行う。これにより、本実施形態の画像形成装置は、特定オブジェクトの画素を優先的に評価して代表色を算出することができる。これにより、画像形成装置は、一般的に文書画像全体を占める割合が小さくなりがちな特定オブジェクト部分において、よく似た色の他の画素(写真の一部など)の影響により、中間的な色が代表色として算出されてしまうことを防ぎ、減色後の少ない色数でも特定オブジェクト本来の色を適切に再現することができる。
特に、本実施形態の画像形成装置は、検出された特定オブジェクトについて、同一の種類の特定オブジェクトが複数検出された場合は同じ種類の特定オブジェクトを同時に処理対象として、1種類ずつ個別に代表色を求める。本実施形態の画像形成装置は、種類毎にまとめることで、本来同じ色であるはずの特定オブジェクトが、それぞれ別の色で表現されてしまうことを防ぐことができる。また、本実施形態の画像形成装置は、1種類ずつ個別に実行することで、複数の種類の特定オブジェクトが検出された場合に、互いに似た色を用いた特定オブジェクト同士で中間的な色が代表色として選ばれてしまうことを防ぎ、それぞれの種類の特定オブジェクト毎に代表色を与えることが可能となる。
また、本実施形態の画像形成装置は、企業ロゴのように色が決められている特定オブジェクトについては事前(登録時)に代表色を決定しておき、その特定オブジェクトが検出された場合には決定されている代表色をそのまま使用する。これにより、本実施形態の画像形成装置は、画像読み取り時の画質(もしくは原稿そのものの保管状態)に拘わらず、常に同じ代表色を利用することが可能となる。
[6.第6実施形態]
つづいて、第6実施形態について説明する。第6実施形態は、画像読取装置によって実現する実施形態である。本実施形態は、第1実施形態の図2を図22に置き換えたものである。なお、同一の機能部には同一の符号を付し、説明については省略する。
第1実施形態から第5実施形態では、少数色変換処理を実行する画像処理装置30を画像形成装置1が備える場合について説明したが、画像処理装置30は、画像形成装置1以外の装置に備えられてもよい。例えば、画像処理装置30は、フラットベッドスキャナ等を有する画像読取装置2の画像処理装置として備えられてもよい。
図22は、少数色変換処理を実行する画像処理装置30を備える画像読取装置2の機能的構成を示すブロック図である。図22に示した各機能部は、第1実施形態の図2に示した機能部と対応しており、少数色変換処理が実行された入力画像が、送受信装置50によって、外部の装置に送信される。なお、少数色変換処理が実行された入力画像は、記憶部60に記憶されてもよいし、外部記憶装置に記憶されてもよい。
なお、画像読取装置2は、スキャナに限定されることはなく、例えば、デジタルスチルカメラ等のカメラを搭載した電子機器類(例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末等)であってもよい。また、画像処理装置30において実行される処理は、例えばサーバ装置(ネットワークを経由した画像処理装置)により実行されてもよい。
[7.変形例]
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。例えば、画像処理装置が実行する一部の処理が、他の装置により実行されてもよい。その一例として、入力画像から印影や特定オブジェクトを検出する処理が、クラウド上に設置されたサーバにより実行されてもよい。例えば、公知の画像認識手法(例えば、ニューラルネットワーク)により特定オブジェクトを検出する処理は、特徴点マッチングに比べて高精度に特定オブジェクトを検出することが可能である。しかし、特定オブジェクトを検出できるように学習させておく必要があり、準備のための膨大な時間と手間(特に学習データの準備)を要する。さらに、推論の処理量が大きいため、検出処理を高速に行うためには、画像処理装置に十分な性能のCPUを備える必要がある。そこで、画像処理装置は、送受信装置を通じてクラウドに入力画像のデータを送信し、クラウド側に備えられたニューラルネットワークで推論した結果を受信してもよい。このようにすることで、画像処理装置側の変更を少なくし、CPUの負荷増による他のジョブへの影響を最小限に抑えることができる。
また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。例えば、第1実施形態と第5実施形態とを組み合わせて、印影及び特定オブジェクトを検出可能としてもよい。この場合、画像処理装置は、特定オブジェクトが登録されていない場合は印影を検出し、特定オブジェクトが登録されている場合は特定オブジェクトを検出してもよい。また、画像処理装置は、ユーザに対して、印影を検出するか、特定オブジェクトを検出するか、両方とも検出するか、もしくは何れも検出しない(少数色変換処理を実行しない)かの、何れかを選択可能にしてもよい。
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
ここで、プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD (Blu-ray(登録商標) Disc) 等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等の何れであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。
1 画像形成装置
2 画像読取装置
10 制御部
20 画像入力装置
30 画像処理装置
301 A/D変換部
302 シェーディング補正部
303 原稿種別判定部
304 入力階調補正部
305 領域分離処理部
306 色補正部
307 黒色生成下色除去部
308 空間フィルタ処理部
309 解像度変換処理部
310 出力階調補正部
311 色数変換判定部
3110 領域特定部
3111 色数変換判定部
312 色数変換処理部
3120 領域特定部
3121 第1代表色算出部
3122 第2代表色算出部
3123 第3代表色算出部
3124 第4代表色算出部
3129 出力画像生成部
313 階調再現処理部
314 圧縮処理部
315 ファイル生成部
40 画像出力装置
50 送受信装置
60 記憶部
70 操作パネル
72 操作部
74 表示部

Claims (12)

  1. 入力された画像における色を置き換える画像処理装置であって、
    前記画像から、特定オブジェクトを特定する特定部と、
    特定された前記特定オブジェクトに基づいて第1の数の代表色を決定する決定部と、
    前記特定オブジェクトのそれぞれの画素の色を、当該画素の色に基づき、前記第1の数の代表色のうちの何れか1の代表色に置き換える処理を行う処理部と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記特定部は、前記画像から、印影を前記特定オブジェクトとして特定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記決定部は、前記特定オブジェクトが特定された場合又は前記特定オブジェクトの合計面積が当該合計面積に対する閾値以下である場合に、前記第1の数の代表色を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記決定部は、出力する前記画像に用いる色数から前記第1の数を引くことで求められる第2の数の代表色を、前記画像のうち、前記第1の数の代表色を決定する処理に用いなかった画素に基づき決定する
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の画像処理装置。
  5. 前記処理部は、前記特定オブジェクトにおける注目画素において、前記第1の数の代表色と前記第2の数の代表色のうち、当該注目画素の画素値の差が最小である代表色が前記第2の数の代表色に含まれる場合、当該注目画素の色を、前記第2の数の代表色のうちの前記画素値の差が最小である代表色に置き換えることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記決定部は、
    前記画像のうち前記特定オブジェクトを含む領域の画素から、予め定められる色の範囲に含まれる画素値を有する画素に基づき、前記第1の数の代表色を決定することを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の画像処理装置。
  7. 前記色の範囲は、色相に対する数値範囲であることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記特定部は、複数の前記特定オブジェクトに対して優先度を設定し、
    前記決定部は、
    前記優先度が高い前記特定オブジェクトから順に、個々の前記特定オブジェクトに対して決定可能な数の前記代表色を決定し、
    前記第1の数の代表色として決定可能な前記代表色の数が、個々の前記特定オブジェクトに対して決定可能な前記代表色の数未満となった場合、前記代表色が決定されていない前記特定オブジェクトを含む領域を統合し、当該統合した領域に含まれる画素の画素値に基づき前記代表色を決定する
    ことを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の画像処理装置。
  9. 入力された画像における色を置き換える画像処理装置であって、
    前記画像から、特定オブジェクトを特定する特定部と、
    特定された前記特定オブジェクトに基づいて、出力する前記画像に用いられる色数の代表色を決定する決定部と、
    前記特定オブジェクトのそれぞれの画素の色を、前記代表色のうちの何れか1の前記代表色に置き換える処理を行う処理部と、
    を備え、
    前記決定部は、前記特定オブジェクトの領域に含まれる画素に対する重みを、当該特定オブジェクトの領域に含まれる画素に対する重みよりも大きくすることにより、当該特定オブジェクトの領域に対応する前記代表色を優先的に決定する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  10. 前記決定部は、
    前記画像に含まれる画素を、予め定められた色の範囲に含まれる第1のグループと、当該第1のグループ以外の第2のグループとに分け、
    前記第1のグループに対しては前記重みを考慮して前記代表色を決定し、前記第2のグループに対しては前記重みを無視して前記代表色を決定する
    ことを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 前記処理部は、前記特定オブジェクトの数、前記特定オブジェクトの合計面積、前記特定オブジェクトの画素値の分散の少なくとも何れかに応じて、前記特定オブジェクトの画素の色を置き換える処理を省略することを特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載の画像処理装置。
  12. 前記決定部は、固定の代表色と対応付けられた前記特定オブジェクトが前記画像に含まれる場合、当該固定の代表色を、出力する前記画像に用いる前記代表色に含めることを特徴とする請求項1から11の何れか一項に記載の画像処理装置。
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