JP2023109188A - 物質送出装置、マニピュレーションシステム、及び物質送出装置の圧力制御方法 - Google Patents

物質送出装置、マニピュレーションシステム、及び物質送出装置の圧力制御方法 Download PDF

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Hideki Furukawa
泰彦 田畑
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Abstract

【課題】溶液中に保存される複数の物質を回収するとともに個々に送出することができる物質送出装置、マニピュレーションシステム、及び物質送出装置の圧力制御方法を提供する。【解決手段】物質送出装置10は、溶液L及び複数の物質Mを内部に充填可能な充填容器20と、充填容器20の内部圧力を可変させる陽圧ポンプ30と、上流側の端部(上流端14b)に充填容器20が接続され、かつ上流から下流へ向かって溶液Lとともに物質Mが流通可能な物質流路14と、物質流路14の下流側の端部(下流端14a)に接続され、かつ複数の物質Mを一列に整列させた状態で物質Mを送出する先端12aまで案内する送出部12と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、物質送出装置、マニピュレーションシステム、及び物質送出装置の圧力制御方法に関する。
再生医療製品の研究開発において、多数の細胞を一つの塊にして作製されたスフェロイドが、創薬スクリーニング、細胞治療、人工臓器の材料として活用されている。例えば、特許文献1には、スフェロイドの周囲に気体を供給することによって、スフェロイドの培養を促進するとともにスフェロイドを長期間維持する方法が開示されている。
特開2020-080704号公報
ところで、スフェロイドに対して癌細胞等の物質を付加する際には、キャピラリの内部に物質を回収し、ポンプ等で圧送して先端から吐き出させる方法が挙げられる。しかしながら、多数のスフェロイドに対して物質を付加する場合、又は複数個の物質をスフェロイドに対して付加する場合、物質一つ一つに対してキャピラリでの回収と吐出とを繰り返すことは、作業者の負担となり、作業時間の増加の原因となっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、溶液中に保存される複数の物質を回収するとともに個々に送出することができる物質送出装置、マニピュレーションシステム、及び物質送出装置の圧力制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る物質送出装置は、溶液及び複数の物質を内部に充填可能な充填容器と、前記充填容器の内部圧力を可変させる陽圧ポンプと、上流側の端部に前記充填容器が接続され、かつ上流から下流へ向かって前記溶液とともに前記物質が流通可能な物質流路と、前記物質流路の下流側の端部に接続され、かつ複数の前記物質を一列に整列させた状態で前記物質を送出する先端まで案内する送出部と、を備える。
これによれば、溶液中の複数の物質を溶液ごと充填容器に回収した後、充填容器から物質流路を介して送出部へ一方通行で圧送することできるとともに、送出部の下流側の先端から物質を個々に送出させることができる。したがって、従来のように物質一つ一つに対してキャピラリでの回収と吐出とを繰り返す必要がなく、作業者の負担及び作業時間を低減することができる。
本発明の一態様に係る物質送出装置において、前記充填容器は、前記物質流路に対して着脱可能である。これによれば、充填容器への物質の回収が容易であるため、作業者の負担及び作業時間を低減することができる。
本発明の一態様に係る物質送出装置において、前記送出部は、毛細管を含む。これによれば、送出部による物質の送出方向が好適に定まるとともに、送出部の先端を対象物の所望の位置に位置付ける、又は対象物に挿入することが容易である。したがって、物質送出装置による物質の送出操作の操作性を向上させることができる。
本発明の一態様に係る物質送出装置において、前記物質は、細胞である。これによれば、液体培地中の複数の細胞を液体培地ごと充填容器に回収した後、充填容器から物質流路を介して送出部へ一方通行で圧送することできるとともに、送出部の下流側の先端から細胞を個々に送出させることができる。したがって、従来のように細胞一つ一つに対してキャピラリでの回収と吐出とを繰り返す必要がなく、作業者の負担及び作業時間を低減することができる。
本発明の一態様に係る物質送出装置は、前記物質流路から分岐し前記溶液が流通可能な副流路を含む溶液除去部と、前記副流路の内部圧力を可変させる陰圧ポンプと、を更に備える。これによれば、充填容器から圧送される溶液及び物質のうち、溶液を物質流路から副流路へ吸引することができる。したがって、物質を対象物の内部に打ち込む場合であっても、溶液を除去した物質のみを送出することができるので、対象物の内部に余分な溶液を打ち込んでしまい対象物を破裂させてしまうことを抑制することができる。
本発明の一態様に係る物質送出装置において、前記副流路は、少なくとも前記物質流路から分岐する分岐部において、前記物質が侵入不可能な細さである。これによれば、物質流路から副流路へ溶液を吸引する際に、物質が溶液とともに副流路の分岐部に引き寄せられたとしても、物質の副流路への侵入を阻害し、物質と隣接する物質との間に存在する溶液のみを副流路へ吸引することができる。
本発明の一態様に係る物質送出装置において、前記副流路は、前記物質流路から分岐する分岐部を複数含む。これによれば、一つの分岐部での吸引量を抑制する、すなわち、各々の分岐部での吸引力を抑制しつつ、一つの物質が物質流路の上流端から下流端に至るまでに、当該物質と前後に隣接する物質との間の溶液を除去することができる。各々の分岐部での吸引力を抑制することにより、物質が溶液とともに副流路の分岐部に引き寄せられて、分岐部の一部を塞いでしまうことを抑制することができる。
本発明の一態様に係るマニピュレーションシステムは、前記物質送出装置と、前記物質送出装置を保持する保持部を含むマニピュレータと、前記マニピュレータ、前記陽圧ポンプ及び前記陰圧ポンプを制御するコントローラと、を備える。
これによれば、溶液中の複数の物質を溶液ごと充填容器に回収した後、マニピュレータで所望の位置に送出部を位置付けて、充填容器から物質流路を介して送出部へ一方通行で圧送することできるとともに、送出部の下流側の先端から物質を個々に送出させることができる。したがって、従来のように物質一つ一つに対してキャピラリでの回収と吐出とを繰り返す必要がなく、作業者の負担及び作業時間を低減することができる。
本発明の一態様に係る物質送出装置の圧力制御方法は、溶液及び複数の物質を内部に充填可能な充填容器と、前記充填容器の内部圧力を可変させる陽圧ポンプと、上流側の端部に前記充填容器が接続され、かつ上流から下流へ向かって前記溶液とともに前記物質が流通可能な物質流路と、前記物質流路の下流側の端部に接続され、かつ複数の前記物質を一列に整列させた状態で前記物質を送出する先端まで案内する送出部と、前記物質流路から分岐し前記溶液が流通可能な副流路を含む溶液除去部と、前記副流路の内部圧力を可変させる陰圧ポンプと、を備える、物質送出装置の圧力制御方法であって、前記陰圧ポンプを駆動し前記副流路の内部を減圧して前記物質流路から前記溶液を吸引するステップと、前記陽圧ポンプを駆動し前記充填容器の内部を加圧して前記物質流路を介して前記物質を前記送出部へ送るステップと、を繰り返し実施する。
これによれば、溶液中の複数の物質を溶液ごと充填容器に回収した後、充填容器から物質流路を介して送出部へ一方通行で圧送することできるとともに、送出部の下流側の先端から物質を個々に送出させることができる。そして、物質を物質流路で圧送する合間に、充填容器から圧送される溶液及び物質のうち、溶液を物質流路から副流路へ吸引することができるので、溶液を除去した物質のみを送出することができる。したがって、従来のように物質一つ一つに対してキャピラリでの回収と吐出とを繰り返す必要がなく、作業者の負担及び作業時間を低減することができるとともに、物質を対象物の内部に打ち込む場合であっても、対象物の内部に余分な溶液を打ち込んでしまい対象物を破裂させてしまうことを抑制することができる。
本発明によれば、溶液中に保存される複数の物質を回収するとともに個々に送出することができる物質送出装置、マニピュレーションシステム、及び物質送出装置の圧力制御方法を提供することができる。
図1は、実施形態に係るマニピュレーションシステムの構成例を模式的に示す図である。 図2は、実施形態に係る物質送出装置の構成例を模式的に示す図である。 図3は、図1に示すマニピュレーションシステムの制御ブロック図である。 図4は、図1に示すマニピュレーションシステムの動作の一例を示すフローチャート図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。更に、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
[実施形態]
まず、実施形態に係るマニピュレーションシステム100及び物質送出装置10の構成について、図1から図3までに基づいて説明する。図1は、実施形態に係るマニピュレーションシステム100の構成例を模式的に示す図である。図2は、実施形態に係る物質送出装置10の構成例を模式的に示す図である。図3は、図1に示すマニピュレーションシステム100の制御ブロック図である。
図1に示すマニピュレーションシステム100は、物質送出装置10に溶液L(図2参照)とともに充填された複数の物質M(図2参照)を、一つずつ送出させるシステムである。図2に示すように、実施形態では、物質Mを、液滴D内のスフェロイドSに注入する場合を例示して説明する。物質Mは、ゲルを含む固体であり、例えば、スフェロイドSを構成する細胞Cとは異なる細胞である。物質Mは、実施形態において、直径5μm以上15μm以下の癌細胞である。物質送出装置10で取り扱う物質Mは、溶液L中に保存され、液体中で取り扱われる。溶液Lは、物質Mを培養する液体培地である。
マニピュレーションシステム100は、基台102と、顕微鏡ユニット110と、マニピュレータ130と、マニピュレーションシステム100を制御するコントローラ(制御装置)140と、マニピュレータ130に保持された物質送出装置10と、を備えている。顕微鏡ユニット110及びマニピュレータ130は、基台102に固定されている。顕微鏡ユニット110は、片側にマニピュレータ130が配置される。
顕微鏡ユニット110は、顕微鏡112と、撮像素子を含むカメラ114と、試料ステージ120と、を備える。顕微鏡ユニット110は、顕微鏡112とカメラ114とが一体構造となっている、例えば、マイクロスコープである。実施形態において、顕微鏡112及びカメラ114は、試料ステージ120に支持される試料保持部材122の直上に配置され、試料保持部材122に収容された試料(例えば、図2に示すスフェロイドS)等を平面視可能である。図1に示す実施形態において、顕微鏡112及びカメラ114の光軸は、試料等に対して垂直方向に入射する。なお、図1に示す実施形態では、顕微鏡112及びカメラ114は、試料保持部材122の上方に配置されているが、試料保持部材122の下方に配置してもよい。また、カメラ114は、顕微鏡112と別体に設けてもよい。
顕微鏡ユニット110は、更に、試料ステージ120上の試料保持部材122に向けて光を照射する不図示の光源と、焦点合わせ機構116(図3参照)と、を備えている。試料保持部材122の試料に光源から光が照射されると、試料保持部材122の試料で反射した光が顕微鏡112に入射する。試料に関する光学像は、顕微鏡112で拡大された後、カメラ114で撮像される。光学像は、焦点合わせ機構116によって、顕微鏡112及びカメラ114のレンズの位置及びレンズ間の距離を調整して顕微鏡112及びカメラ114の焦点合わせを行うことで明瞭に投影される。顕微鏡ユニット110は、カメラ114で撮像された画像を基に試料の観察が可能となっている。
試料ステージ120は、顕微鏡112及びカメラ114の下方に配置される台座であり、試料保持部材122を支持可能である。試料ステージ120は、例えば、試料ステージ120の載置面に試料保持部材122を載置する。試料保持部材122は、図1に示す一例ではシャーレであるが、本実施形態ではウェルプレートでもよい。
マニピュレータ130は、X軸-Y軸-Z軸の3軸構成のマニピュレータである。なお、実施形態において、水平面内の一方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と交差する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと交差する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。マニピュレータ130は、移動基台132と、駆動装置134と、保持部136と、を備える。移動基台132は、駆動装置134の駆動により、基台102に対してX軸方向、Y軸方向又はZ軸方向に移動する。駆動装置134は、コントローラ140に電気的に接続されている。
保持部136は、一方の端部が移動基台132に接続される。保持部136は、移動基台132の移動に従って、3次元空間を移動領域として移動する。保持部136は、物質送出装置10を保持可能である。
図2に示すように、物質送出装置10は、溶液Lとともに充填された複数の物質Mを、一つずつ送出させる装置である。実施形態の物質送出装置10は、物質Mを、液滴D内のスフェロイドSの内部に物質Mを注入する装置である。物質送出装置10は、マニピュレータ130の保持部136に保持され、保持部136の移動に従って、3次元空間を移動領域として移動する。物質送出装置10は、送出部12と、物質流路14と、充填容器20と、陽圧ポンプ30と、溶液除去部40と、陰圧ポンプ60と、を備える。
送出部12は、複数の物質Mが流通可能な流路を含む。送出部12は、流路の先端12aから物質Mを個々に送出可能である。送出部12の先端12aは、実施形態において、スフェロイドSの内部に差し込まれ、差し込まれた状態で物質MをスフェロイドSの内部で吐出する。送出部12は、流路の先端12aとは反対側の端部12bが、物質流路14の下流側の端部である下流端14aと接続する。より詳しくは、送出部12は、端部12bが、物質流路14とユニット化して形成される溶液除去部40の接続部42に接合される。送出部12は、端部12bで物質流路14から物質Mを受け入れ、複数の物質Mを一列に整列させた状態で物質Mを送出する先端12aまで案内する。送出部12の内径は、実施形態において、15μmである。送出部12の内径は、後述の物質流路14の寸法と揃えることが好ましい。
送出部12は、実施形態において、毛細管(キャピラリ)を含む。キャピラリは、ガラス製であることが好ましい。実施形態の送出部12は、先端12aと端部12bとの間に屈曲部12cを含む。送出部12の屈曲部12cより先端12a側の部分は、物質送出装置10がマニピュレータ130の保持部136に保持されている状態において、ほぼ水平姿勢である。なお、送出部12の形状は、図2に示す実施形態に限定されず、屈曲部12cを有しないストレートタイプでもよい。
物質流路14は、上流から下流へ向かって溶液Lとともに物質Mが流通可能な流路である。物質流路14は、下流側の端部である下流端14aが、送出部12の先端12aとは反対側の端部12bと接続する。物質流路14は、上流側の端部である上流端14bが、充填容器20の流路接続口24と接続する。物質流路14は、充填容器20が後述の陽圧ポンプ30により加圧されることによって、上流端14bから下流端14aへ向かって、充填容器20から圧送される物質Mを送出部12へ送る。
実施形態の物質流路14では、後述の溶液除去部40によって、上流から下流へ向かって流通する物質Mと前後に隣接する物質Mとの間に存在する溶液Lが除去される。これにより、物質Mは、物質流路14を通過する間に前後の物質Mとの間の溶液Lが除去されることによって、前後の物質Mとの間の間隔が小さくなる。物質流路14は、複数の物質Mが数珠繋がりのように連なった状態で下流端14aから送出部12へ送り出す。そして、前述したとおり、送出部12では、複数の物質Mが一列に整列した状態で先端12aまで案内される。
物質流路14は、実施形態において、後述の溶液除去部40とユニット化して形成される。物質流路14は、例えば、PDMS(Polydimethylsiloxane)、COP(Cyclo Olefine Polymer)、PMMA(Polymethylmethacrylate)等の生態適合性材料によって形成される。物質流路14の寸法は、実施形態において、幅が15μmであり、深さが15μmである。物質流路14は、細胞等の物質Mの流路壁への付着を抑制するため、内表面に親水化処理が施されている。
充填容器20は、溶液L及び複数の物質Mを内部に充填可能である。充填容器20への物質Mの充填作業は、作業者によって手作業で実施される。作業者は、例えば、物質Mを含んだ溶液Lを、ピペットチップ等で10μlとり、充填容器20に注入することによって、充填容器20の内部に溶液L及び複数の物質Mを充填する。
充填容器20は、陽圧ポンプ接続口22と、流路接続口24と、を含む。陽圧ポンプ接続口22は、陽圧ライン32の一端と接続する。すなわち、充填容器20は、陽圧ライン32を介して陽圧ポンプ30と接続し、陽圧ポンプ接続口22から陽圧ポンプ30による陽圧が付加される。これにより、充填容器20は、内部が加圧される。
充填容器20は、物質流路14に対して着脱可能である。より詳しくは、充填容器20は、物質流路14とユニット化して形成される溶液除去部40の接続部44に対して着脱可能である。流路接続口24は、充填容器20が物質流路14に装着されている状態において、物質流路14の上流端14bに接続する。流路接続口24は、充填容器20が物質流路14から離脱している状態において、閉塞可能であってもよい。
陽圧ポンプ30は、陽圧ライン32を介して充填容器20と接続する。陽圧ライン32の一端は、充填容器20の陽圧ポンプ接続口22に接続する。陽圧ライン32の他端は、陽圧ポンプ30に接続する。
陽圧ポンプ30は、後述のコントローラ140に電気的に接続されている。陽圧ポンプ30は、コントローラ140によって制御可能である。陽圧ポンプ30は、コントローラ140から出力された制御信号に基づいて、陽圧ライン32を介して充填容器20の内部圧力を可変する。陽圧ポンプ30は、充填容器20に陽圧を付加することによって、充填容器20の内部を加圧可能である。これにより、溶液L及び物質Mは、充填容器20の流路接続口24から物質流路14へ送り出される。
溶液除去部40は、物質流路14を流通する溶液L及び物質Mのうち、溶液Lを物質流路14から除去する。より詳しくは、溶液除去部40は、物質Mと隣接する物質Mとの間に満たされた溶液Lを除去する。溶液除去部40は、実施形態において、物質流路14とユニット化して形成される。溶液除去部40は、接続部42、44と、副流路50と、を含む。
接続部42には、送出部12の端部12bが接合される。接続部42が送出部12の端部12bが接合されることによって、溶液除去部40とユニット化して形成される物質流路14は、下流端14aが送出部12の端部12bに接続する。接続部42における溶液除去部40と送出部12との接合には、例えば、周知のキャピラリ管継手、又はUVで硬化するPDMS溶液(接着剤)が用いられる。
接続部44には、充填容器20が装着される。接続部44に充填容器20が装着されている状態において、物質流路14の上流端14bは、充填容器20の流路接続口24に接続する。接続部44及び充填容器20には、充填容器20を接続部44に対してワンタッチで装着及び離脱するための周知の機構を設けてもよい。
副流路50は、物質流路14の側面から分岐し、溶液Lが流通可能な流路である。副流路50は、物質流路14を流通する溶液L及び物質Mのうち、溶液Lを受け入れる。副流路50は、物質流路14より細い流路である。副流路50は、少なくとも物質流路14から分岐する分岐部52において、物質Mが侵入不可能な細さである。
副流路50は、例えば、PDMS、COP、PMMA等の生態適合性材料によって形成される。副流路50の寸法は、実施形態において、幅が5μmであり、深さが15μmである。なお、「幅」は、副流路50の断面のうち図2の紙面に水平な方向の寸法を示し、「深さ」は、副流路50の断面のうち図2の紙面に垂直な方向の寸法を示す。副流路50は、溶液Lの流通を促進するため、内表面に親水化処理が施されている。
物質流路14と副流路50との接合には、例えば、材料をプラズマ処理した後、物質流路14及び副流路50となる溝を形成した部材と蓋状の部材とを貼り合わせて、荷重及び熱を印加することによって接合させる周知の技術が用いられる。
副流路50は、実施形態において、物質流路14から分岐する分岐部52を複数含む。副流路50は、実施形態において、複数の分岐部52から延びる副流路50が合流する合流部54を含む。
副流路50は、分岐部52と反対側の端部に陰圧ポンプ接続口56を含む。陰圧ポンプ接続口56は、陰圧ライン62の一端と接続する。すなわち、副流路50は、陰圧ライン62を介して陰圧ポンプ60と接続し、陰圧ポンプ接続口56から陰圧ポンプ60による陰圧が付加される。これにより、副流路50は、内部が減圧される。
陰圧ポンプ60は、陰圧ライン62を介して副流路50と接続する。陰圧ライン62の一端は、副流路50の陰圧ポンプ接続口56に接続する。陰圧ライン62の他端は、陰圧ポンプ60に接続する。陰圧ポンプ60は、例えば、ペン型のシリンジポンプ、電気浸透流ポンプ、チューブポンプ等である。
陰圧ポンプ60は、後述のコントローラ140に電気的に接続されている。陰圧ポンプ60は、コントローラ140によって制御可能である。陰圧ポンプ60は、コントローラ140から出力された制御信号に基づいて、陰圧ライン62を介して副流路50の内部圧力を可変する。陰圧ポンプ60は、副流路50に陰圧を付加することによって、副流路50の内部を減圧可能である。これにより、物質流路14内を流通する溶液L及び物質Mのうち、溶液Lは、分岐部52から副流路50に吸引され、物質流路14から除去される。
なお、実施形態では、副流路50が陰圧ポンプ60分岐部52を複数含むことにより、各々の分岐部52における吸引力を抑制しつつ、複数個所の分岐部52で徐々に溶液Lを吸引することができる。
図1及び図3に示すコントローラ140は、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロプロセッサを有する演算処理装置、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等のメモリを有する記憶装置、及び入出力インターフェース装置等のハードウェア資源を備える。コントローラ140の機能は、記憶装置に格納された所定のプログラムを演算処理装置が実行することで実現される。コントローラ140は、演算処理装置による演算結果に従って、各構成要素に各種機能を実行させる制御信号を出力する。
図1及び図3に示すように、コントローラ140は、顕微鏡ユニット110の焦点合わせ機構116、マニピュレータ130の駆動装置134、物質送出装置10の陽圧ポンプ30及び陰圧ポンプ60等を制御し、必要に応じて設けられたドライバやアンプ等(不図示)を介してそれぞれに制御信号を出力する。
コントローラ140は、例えば、駆動装置134に、駆動信号VXYZを供給する。この場合、駆動装置134は、駆動信号VXYZに基づいて、X-Y-Z軸方向に駆動する。コントローラ140は、例えば、陽圧ポンプ30に、充填容器20(図2参照)の内部を加圧するための圧力制御信号VP1を供給する。この場合、陽圧ポンプ30は、圧力制御信号VP1に基づいて、充填容器20の内部を加圧する。コントローラ140は、例えば、陰圧ポンプ60に、副流路50(図2参照)の内部を減圧するための圧力制御信号VP2を供給する。この場合、陰圧ポンプ60は、圧力制御信号VP1に基づいて、副流路50の内部を減圧する。
コントローラ140には、情報入力手段としてジョイスティック142と、キーボード、マウス又はタッチパネル等の入力部144と、陽圧ポンプインターフェース146及び陰圧ポンプインターフェース148と、が接続されている。
ジョイスティック142には、公知のものを用いることができる。図1に示すように、ジョイスティック142は、基台142aと、基台142aから直立するハンドル部142bとを備えている。ジョイスティック142は、ハンドル部142bを傾斜させるように操作することで駆動装置134のX-Y駆動を行うことができ、ハンドル部142bをねじることで駆動装置134のZ駆動を行うことができる。
陽圧ポンプインターフェース146は、作業者が物質送出装置10の陽圧ポンプ30に対する操作情報を入力するためのポンプ操作情報入力部である。図1に示すように、陽圧ポンプインターフェース146は、操作ノブ146aを備えている。陽圧ポンプインターフェース146は、操作ノブ146aを回転させることで、回転変位量に対応した制御値によって陽圧ポンプ30から供給される圧力を調整することができる。
陰圧ポンプインターフェース148は、作業者が物質送出装置10の陰圧ポンプ60に対する操作情報を入力するためのポンプ操作情報入力部である。図1に示すように、陰圧ポンプインターフェース148は、操作ノブ148aを備えている。陰圧ポンプインターフェース148は、操作ノブ148aを回転させることで、回転変位量に対応した制御値によって陰圧ポンプ60から供給される圧力を調整することができる。
コントローラ140は、例えば、陽圧ポンプインターフェース146及び陰圧ポンプインターフェース148によるポンプ圧力制御のパターンを記憶する。ポンプ圧力制御のパターンは、陽圧ポンプインターフェース146による制御値及び持続時間と、陰圧ポンプインターフェース148による制御値及び持続時間と、の組み合わせ情報を含む。陽圧ポンプ30及び陰圧ポンプ60は、予め記憶されたポンプ圧力制御のパターンに対応する圧力制御信号VP1、VP2がコントローラ140から供給されることによって、自動制御される。
また、コントローラ140には、液晶パネル等の表示部150が接続される。表示部150にはカメラ114で取得した顕微鏡画像や各種制御用画面が表示されるようになっている。なお、入力部144としてタッチパネルが用いられる場合には、表示部150の表示画面にタッチパネルを重ねて用い、作業者が表示部150の表示画像を確認しつつ入力操作を行うようにしてもよい。
次に、実施形態のマニピュレーションシステム100において、物質送出装置10によって物質MをスフェロイドSに注入する際の陽圧ポンプ30及び陰圧ポンプ60の圧力制御方法について説明する。図4は、図1に示すマニピュレーションシステム100の動作の一例を示すフローチャート図である。
作業者は、まず、図1に示すカメラ114の視野内にスフェロイドSが収まるように、試料ステージ120上に試料保持部材122を配置する。作業者は、次に、ジョイスティック142を操作して、マニピュレータ130の駆動装置134を駆動させることによって、スフェロイドSに送出部12の先端12aを位置合わせする。
次に、作業者は、例えば、入力部144を操作して、コントローラ140に陽圧ポンプ30及び陰圧ポンプ60に対するポンプ圧力制御を開始させる。これにより、マニピュレーションシステム100は、ポンプ圧力制御が終了されるまで、図4に示すフローチャートのステップS1とステップS2とを繰り返し実施する。
ステップS1において、コントローラ140は、所定の圧力制御信号VP2を供給し、陰圧ポンプ60を駆動する。これにより、陰圧ポンプ60が陰圧ライン62を介して副流路50の内部を減圧して、物質流路14から溶液Lを吸引する。
この際、物質Mが溶液Lと共に副流路50の分岐部52に引き寄せられたとしても、分岐部52は、物質Mが侵入不可能な細さであるので、物質Mの副流路50への侵入が阻害され、物質Mと物質Mとの間に存在する溶液Lのみが副流路50へ吸引される。これにより、物質Mと隣接する物質Mとの間の間隔が小さくなる。コントローラ140は、陰圧ポンプ60に所定の圧力制御値及び持続時間で副流路50を吸引させた後、陰圧ポンプ60を停止させる。
ステップS2において、コントローラ140は、所定の圧力制御信号VP1を供給し、陽圧ポンプ30を駆動する。これにより、陽圧ポンプ30が陽圧ライン32を介して充填容器20の内部を加圧して、充填容器20の内部の溶液Lを含む物質Mを、流路接続口24から物質流路14へ押し出す。また、充填容器20が加圧されることによって、物質流路14では、充填容器20側の上流端14bから送出部12側の下流端14aへ向かって、内部の溶液L及び物質Mが押され、運ばれていく。
これにより、物質流路14の内部では、複数の物質Mが次々と上流端14bから下流端14aへ向かって運ばれる。ここで、ステップS1において、物質流路14の内部の溶液Lは、副流路50へ吸引されている。したがって、下流端14a側の物質Mと隣接する物質Mとの間の間隔は、上流端14b側の物質Mと隣接する物質Mとの間の間隔に比べて小さくなる。コントローラ140は、陽圧ポンプ30に所定の圧力制御値及び持続時間で充填容器20を加圧させた後、陽圧ポンプ30を停止させる。
コントローラ140は、ポンプ圧力制御が終了されるまで、図4に示すフローチャートのステップS1とステップS2とを繰り返し実施する。例えば、実施形態では、物質流路14から副流路50への分岐部52が複数設けられる。したがって、一つの物質Mが物質流路14の上流端14bから下流端14aに至るまでにステップS1とステップS2とが複数回交互に実施されることにより、当該物質Mは、下流端14aへ徐々に運ばれるとともに、当該物質Mの周囲の溶液Lが徐々に副流路50に吸引されることで前後の物質Mとの間隔が小さくなっていく。これにより、物質流路14の下流端14aでは、複数の物質Mが数珠繋がりのように連なって、送出部12へ送り出される。
送出部12に受け入れられた物質Mは、物質流路14から次々に物質Mが送出されることによって、先端12a側へと押されていく。この際、送出部12が複数の物質Mを一列に整列させた状態で先端12aまで案内するので、送出部12を流通する物質Mは、数珠繋がりのように連なって先端12aへ送られる。
作業者は、例えば、送出部12の先端12aまで物質Mが送られたことを確認して、コントローラ140に、ポンプ圧力制御を一時的に停止させる。ポンプ圧力制御の停止は、例えば、画像検出等を用いて自動的に行われてもよい。作業者は、次に、ジョイスティック142を操作して、マニピュレータ130の駆動装置134を駆動させることによって、スフェロイドSに位置合わせされた送出部12の先端12aを、スフェロイドSの内部に挿入させる。
作業者は、コントローラ140にポンプ圧力制御を再開させる。物質送出装置10は、一つの物質Mを送出部12の先端12aから送出させ、スフェロイドSの内部へ打ち込ませる。物質MをスフェロイドSに打ち込む際のポンプ圧力制御は、例えば、送出部12の先端12aにある物質Mが一つ送出する分の時間だけ持続し、自動的に終了するように予め設定されることが好ましい。
作業者は、次に、ジョイスティック142を操作して、マニピュレータ130の駆動装置134を駆動させることによって、スフェロイドSに挿入された送出部12の先端12aを抜いて、マニピュレータ130を所定の初期位置に移動させる。物質Mを打ち込むスフェロイドSが複数ある場合、作業者は、次のスフェロイドSを図1に示すカメラ114の視野内に移動させ、マニピュレータ130の操作と、ポンプ圧力制御による打ち込み操作と、を繰り返し実施する。この際、送出部12の内部では、物質Mが数珠繋がりのように連なって待機しているので、各々のスフェロイドSに対して物質Mが一つ送出する分の時間だけポンプ圧力制御を実施すればよい。
以上説明したように、実施形態の物質送出装置10は、溶液L及び複数の物質Mを内部に充填可能な充填容器20と、充填容器20の内部圧力を可変させる陽圧ポンプ30と、上流側の端部(上流端14b)に充填容器20が接続され、かつ上流から下流へ向かって前記溶液Lとともに物質Mが流通可能な物質流路14と、物質流路14の下流側の端部(下流端14a)に接続され、かつ複数の物質Mを一列に整列させた状態で物質Mを送出する先端12aまで案内する送出部12と、を備える。
これによれば、溶液L中の複数の物質Mを溶液Lごと充填容器20に回収した後、充填容器20から物質流路14を介して送出部12へ一方通行で圧送することできるとともに、送出部12の下流側の先端12aから物質Mを個々に送出させることができる。したがって、従来のように物質M一つ一つに対してキャピラリでの回収と吐出とを繰り返す必要がなく、作業者の負担及び作業時間を低減することができる。
また、実施形態の物質送出装置10において、充填容器20は、物質流路14に対して着脱可能である。これによれば、充填容器20への物質Mの回収が容易であるため、作業者の負担及び作業時間を低減することができる。
また、実施形態の物質送出装置10において、送出部12は、毛細管を含む。これによれば、送出部12による物質Mの送出方向が好適に定まるとともに、送出部12の先端12aを対象物(実施形態では、スフェロイドS)の所望の位置に位置付ける、又は対象物に挿入することが容易である。したがって、物質送出装置10による物質Mの送出操作の操作性を向上させることができる。
また、実施形態の物質送出装置10において、物質Mは、細胞である。これによれば、液体培地中の複数の細胞を液体培地ごと充填容器20に回収した後、充填容器20から物質流路14を介して送出部12へ一方通行で圧送することできるとともに、送出部12の下流側の先端12aから細胞を個々に送出させることができる。したがって、従来のように細胞一つ一つに対してキャピラリでの回収と吐出とを繰り返す必要がなく、作業者の負担及び作業時間を低減することができる。
また、実施形態の物質送出装置10は、物質流路14から分岐し溶液Lが流通可能な副流路50を含む溶液除去部40と、副流路50の内部圧力を可変させる陰圧ポンプ60と、を更に備える。これによれば、充填容器20から圧送される溶液L及び物質Mのうち、溶液Lを物質流路14から副流路50へ吸引することができる。したがって、物質Mを対象物(実施形態では、スフェロイドS)の内部に打ち込む場合であっても、溶液Lを除去した物質Mのみを送出することができるので、対象物の内部に余分な溶液Lを打ち込んでしまい対象物を破裂させてしまうことを抑制することができる。
また、実施形態の物質送出装置10において、副流路50は、少なくとも物質流路14から分岐する分岐部52において、物質Mが侵入不可能な細さである。これによれば、物質流路14から副流路50へ溶液Lを吸引する際に、物質Mが溶液Lとともに副流路50の分岐部52に引き寄せられたとしても、物質Mの副流路50への侵入を阻害し、物質Mと隣接する物質Mとの間に存在する溶液Lのみを副流路50へ吸引することができる。
また、実施形態の物質送出装置10において、副流路50は、物質流路14から分岐する分岐部52を複数含む。これによれば、一つの分岐部52での吸引量を抑制する、すなわち、各々の分岐部52での吸引力を抑制しつつ、一つの物質Mが物質流路14の上流端14bから下流端14aに至るまでに、当該物質Mと前後に隣接する物質Mとの間の溶液Lを除去することができる。各々の分岐部52での吸引力を抑制することにより、物質Mが溶液Lとともに副流路50の分岐部52に引き寄せられて、分岐部52の一部を塞いでしまうことを抑制することができる。
また、実施形態のマニピュレーションシステム100は、物質送出装置10と、物質送出装置10を保持する保持部136を含むマニピュレータ130と、マニピュレータ130、陽圧ポンプ30及び陰圧ポンプ60を制御するコントローラ140と、を備える。
これによれば、溶液L中の複数の物質Mを溶液Lごと充填容器20に回収した後、マニピュレータ130で所望の位置に送出部12を位置付けて、充填容器20から物質流路14を介して送出部12へ一方通行で圧送することできるとともに、送出部12の下流側の先端12aから物質Mを個々に送出させることができる。したがって、従来のように物質M一つ一つに対してキャピラリでの回収と吐出とを繰り返す必要がなく、作業者の負担及び作業時間を低減することができる。
また、実施形態の物質送出装置10の圧力制御方法は、溶液L及び複数の物質Mを内部に充填可能な充填容器20と、充填容器20の内部圧力を可変させる陽圧ポンプ30と、上流側の端部(上流端14b)に充填容器20が接続され、かつ上流から下流へ向かって前記溶液Lとともに物質Mが流通可能な物質流路14と、物質流路14の下流側の端部(下流端14a)に接続され、かつ複数の物質Mを一列に整列させた状態で物質Mを送出する先端12aまで案内する送出部12と、物質流路14から分岐し溶液Lが流通可能な副流路50を含む溶液除去部40と、副流路50の内部圧力を可変させる陰圧ポンプ60と、を備える、物質送出装置10の圧力制御方法であって、陰圧ポンプ60を駆動し副流路50の内部を減圧して物質流路14から溶液Lを吸引するステップS1と、陽圧ポンプ30を駆動し充填容器20の内部を加圧して物質流路14を介して物質Mを送出部12へ送るステップS2と、を繰り返し実施する。
これによれば、溶液L中の複数の物質Mを溶液Lごと充填容器20に回収した後、充填容器20から物質流路14を介して送出部12へ一方通行で圧送することできるとともに、送出部12の下流側の先端12aから物質Mを個々に送出させることができる。そして、物質Mを物質流路14で圧送する合間に、充填容器20から圧送される溶液L及び物質Mのうち、溶液Lを物質流路14から副流路50へ吸引することができるので、溶液Lを除去した物質Mのみを送出することができる。したがって、従来のように物質M一つ一つに対してキャピラリでの回収と吐出とを繰り返す必要がなく、作業者の負担及び作業時間を低減することができるとともに、物質Mを対象物(実施形態では、スフェロイドS)の内部に打ち込む場合であっても、対象物の内部に余分な溶液Lを打ち込んでしまい対象物を破裂させてしまうことを抑制することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
10 物質送出装置
12 送出部
12a 先端
12b 端部
12c 屈曲部
14 物質流路
14a 下流端
14b 上流端
20 充填容器
22 陽圧ポンプ接続口
24 流路接続口
30 陽圧ポンプ
32 陽圧ライン
40 溶液除去部
42、44 接続部
50 副流路
52 分岐部
54 合流部
56 陰圧ポンプ接続口
60 陰圧ポンプ
62 陰圧ライン
M 物質
L 溶液
S スフェロイド
C 細胞
D 液滴
100 マニピュレーションシステム
102 基台
110 顕微鏡ユニット
112 顕微鏡
114 カメラ
116 焦点合わせ機構
120 試料ステージ
122 試料保持部材
130 マニピュレータ
132 移動基台
134 駆動装置
136 保持部
140 コントローラ
142 ジョイスティック
142a 基台
142b ハンドル部
144 入力部
146 陽圧ポンプインターフェース
148 陰圧ポンプインターフェース
146a、148a 操作ノブ
150 表示部
XYZ 駆動信号
P1、VP2 圧力制御信号
S1、S2 ステップ

Claims (9)

  1. 溶液及び複数の物質を内部に充填可能な充填容器と、
    前記充填容器の内部圧力を可変させる陽圧ポンプと、
    上流側の端部に前記充填容器が接続され、かつ上流から下流へ向かって前記溶液とともに前記物質が流通可能な物質流路と、
    前記物質流路の下流側の端部に接続され、かつ複数の前記物質を一列に整列させた状態で前記物質を送出する先端まで案内する送出部と、
    を備える、物質送出装置。
  2. 前記充填容器は、前記物質流路に対して着脱可能である、
    請求項1に記載の物質送出装置。
  3. 前記送出部は、毛細管を含む、
    請求項1又は2に記載の物質送出装置。
  4. 前記物質は、細胞である、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の物質送出装置。
  5. 前記物質流路から分岐し前記溶液が流通可能な副流路を含む溶液除去部と、
    前記副流路の内部圧力を可変させる陰圧ポンプと、
    を更に備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の物質送出装置。
  6. 前記副流路は、少なくとも前記物質流路から分岐する分岐部において、前記物質が侵入不可能な細さである、
    請求項5に記載の物質送出装置。
  7. 前記副流路は、前記物質流路から分岐する分岐部を複数含む、
    請求項5又は6に記載の物質送出装置。
  8. 請求項5から7のいずれか1項に記載の物質送出装置と、
    前記物質送出装置を保持する保持部を含むマニピュレータと、
    前記マニピュレータ、前記陽圧ポンプ及び前記陰圧ポンプを制御するコントローラと、
    を備える、マニピュレーションシステム。
  9. 溶液及び複数の物質を内部に充填可能な充填容器と、
    前記充填容器の内部圧力を可変させる陽圧ポンプと、
    上流側の端部に前記充填容器が接続され、かつ上流から下流へ向かって前記溶液とともに前記物質が流通可能な物質流路と、
    前記物質流路の下流側の端部に接続され、かつ複数の前記物質を一列に整列させた状態で前記物質を送出する先端まで案内する送出部と、
    前記物質流路から分岐し前記溶液が流通可能な副流路を含む溶液除去部と、
    前記副流路の内部圧力を可変させる陰圧ポンプと、
    を備える、物質送出装置の圧力制御方法であって、
    前記陰圧ポンプを駆動し前記副流路の内部を減圧して前記物質流路から前記溶液を吸引するステップと、
    前記陽圧ポンプを駆動し前記充填容器の内部を加圧して前記物質流路を介して前記物質を前記送出部へ送るステップと、
    を繰り返し実施する、
    物質送出装置の圧力制御方法。
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