JP2023109167A - ブラシユニット - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、軸を中心として回転駆動可能なブラシホルダと、実質的にブラシベルトとこのブラシベルトに接続されかつブリステルリングを構成しかつ外向きに突出するブリステルとから成るリングブラシとを有するブラシユニットに関する。同様に、本発明の対象は、このようなブラシユニットを備えた回転ブラシ工具と、前記ブラシユニットによってワークピースの表面を加工するための方法である。
欧州特許第1834733号明細書に記載の冒頭で説明した構成の公知のかつ一般的なブラシユニットの場合、回転するブリステルリングに没入する停止手段によってブリステルが所定の時間の間制動されるように、アプローチがなされる。停止手段の通過によるブリステルの解放後には、これにより、即ちブリステル及び/又はブリステルを保持するブラシベルトにより蓄積された運動エネルギーが利用され得る。運動エネルギーは、ブリステルによるワークピースの表面の主に打撃的な加工のために使用される。これにより、いわゆるサンドブラストで認められるのと同等の効果が得られる。サンドブラストに対する欧州特許第1834733号明細書に記載の公知のアプローチの利点は、ブラスト材なしで作業がなされ、それにより、設備技術的な費用がこれに応じて著しく低減される点にある。ブラスト材による環境汚染も、回避され得る。加えて、特に安価な構成と、効率的なアプローチが認められる。それ自体、効果が証明されている。
国際公開第2012038537号パンフレットに記載の別の一般的な従来技術では、回転するブリステルリングに没入する停止手段が同時にブリステル用の研磨体として形成されるように、アプローチがなされる。この場合、両機能、即ち停止機能と研磨機能の間は、リングブラシの回転方向及び/又はブリステルリングに比した停止手段の調整位置に応じて区別がされ得る。このため、実際に、停止手段は、ブリステルリングに比して調整可能に形成されている。この場合、停止手段の調整は、半径方向及び/又は接戦方向に行なわれる。停止手段の偏心的な調整も可能である。加えて、停止手段は、駆動されるブリステルによって調整され得る。
従来技術は、基本的に、ブリステルによるワークピースの表面の加工とこれにより得られる荒さに関して効果が証明されている。但し、これまでのアプローチの場合は、ワークピースの表面が、ブリステルによって惹起される「クレーター」を一貫して均一に備えてはいないことがある。確かに、サンドブラストと同等の設定可能な荒さが得られ、それにより、ワークピースの当該表面の引き続くコーティング、溶接過程等が問題なく達成される。但し、粗さプロファイルは、変動の支配下にあり、即ち、従来技術では、ある程度の異方性を有する。しかしながら、多くの適用のために、処理されたワークピースの表面の等方性で均一な荒さが要求される。
従来技術において認められた粗さプロファイルの異方性もしくは欠如した画一性は、本質的に、ブリステルが典型的にブラシベルトに固定されていることに起因する。ブリステルは、また、しばしばU字形のブリステルとして形成されているので、ブリステルを支持するブラシベルトは、その周方向に、それぞれブリステル列とその間に存在する軸方向の間隔とを備えており、これらは、例えばブリステルのU字形状のために寄与する。個々のブリステル列の間の間隔は、ワークピース表面の打撃的な加工時に、生じた粗さプロファイルを不均一に形成することを生じさせる。これに対して、実際には、確かに、ブラシユニットもしくはこのブラシユニットを備えた回転ブラシ工具を、ユーザが例えば表面にわたって前後に移動することによって、対処する試みがなされる。
このような移動が消耗的であり、必要な均一性のために必ずしも寄与し得ないこととは別に、このようなアプローチは、例えば、機械、例えばロボットアームによるワークピースの表面の機械的な加工時に直接的に実現することはできない。更に、従来技術では、ワークピースの表面の更に有効な加工が要求される。ここで、本発明は、全体として対策を意図する。
本発明の根底にある技術的課題は、このようにして発生させた粗さプロファイルが、これにより加工されたワークピースの表面上に、これまでの従来技術に比して増加さえた均一性を有するように、このようなブラシユニットを発展させることである。加えて、同時に、粗さを必要時に増加させる可能性を開くべきである。
この技術的課題を解決するため、本発明は、本発明の範囲内の一般的なブラシユニットにおいて、ブラシベルトの縦方向の広がりが、従ってまたブリステルリングが、ブラシホルダの軸に比して垂直方向からずれて軸に対して斜めに延在するようにブラシホルダに接続されていること、を提案する。
これに関連して、大抵は、ブラシベルトの縦方向の広がりと、ブラシホルダの軸が、約60°から90°未満の鋭角をなすように、アプローチがなされる。好ましくは、これに関連して、約70°~85°の鋭角が認められる。特に好ましくは、これに関連して、約85°の鋭角が、有利であるとわかっている。
回転駆動されるブラシホルダの軸に比したブラシベルトの、従ってまたブリステルリングのこの「傾斜」により、ワークピースの表面の特に均一な加工が提供される。何故なら、ブラシホルダの軸に対して斜めに延在するブリステルリングは、最終的に、ワークピースの表面に対する揺動的な回転の作用のために寄与するからである。揺動運動は、ブリステルリングのブリステルが、ブラシホルダの軸に比して斜めに延在することによって説明がつく。ブリステルリングの1回転を考慮すると、これは、ブラシホルダに対する側面図で、ブリステルが、ブラシホルダの一回転時にワークピースの表面に対して、1つのかつ同じ半径を描かず、従って、1つの点での断面内で、実際には多少ははっきりした線に沿って表面を加工することに対応する。むしろ、ブラシベルトの、従ってまたブリステルリングの傾斜は、ブラシホルダがその表面でもってこれに対して固定のワークピースに対して回転する時に、当該ブリステルがブラシホルダに対する側面図でワークピースの表面の所定の領域、いわゆる加工ゾーンを軸方向にカバーするために寄与する。
側面図でのブリステルのこの前後運動は、本願の範囲内で揺動運動と解釈する。何故なら、ブリステルリングを、ブラシホルダの軸に比して斜めにこのブラシホルダに埋め込まれたディスクであると想定した場合、ブリステルリングの当該ディスクは、ブラシホルダに対する側面図もしくは正面図で揺動運動を行なうからであり、それは、即ち、当該ディスクに属した回転軸が、以下で実施例に関して詳細に説明するようにブリステルリングの回転時に方向の変更を行なうからである。いずれにしても、全体として、特に均一な表面の加工のために寄与するワークピースの表面の揺動的な回転の作用が生じる。特に、従来技術の場合には生じ得る不均質性ははっきりとは認められない。
更に有利な実施形態によれば、ブラシベルトは、1回転よりも多くブラシホルダの軸の周囲に案内され、このブラシホルダに接続されている。この場合、設計は、更に、ブラシベルトが、ブラシホルダを螺旋状に包囲するように行なわれる。ここで、一般に、ブラシホルダの軸に対して螺旋状に延在するブラシベルトが、一定の傾斜角を備え、従って、ブラシベルトがベルトホルダの軸に比して描く螺旋が規則的に延在するように、アプローチがなされる。当然、基本的には、不規則な延在も考えられる。
ブラシホルダの軸に比したブラシベルトの延在のこの付加的な螺旋状の形成により、実際に、ブリステルリングの複数のディスクが、-意図する場合には-定義される。これは、その仮想の回転軸を中心として揺動運動を実施する。その結果、これは、揺動運動によって設定されかつそれぞれのブリステルによってカバーされる個々の軸方向の作業領域もしくは加工ゾーンが相互に重なることを生じさせる。その場合、結果として、この相互の重なりは、全体として、このようにして加工すべきワークピースが、その表面に、これまでは認められなかった均質性を有する粗さプロファイル-即ち、粗さプロファイルに属する個々のクレーターが面にわたって見てほとんど同じ深さでかつ互いに同じ間隔で均一に分配されて配置されている-を備える。
ブラシホルダの軸に比して螺旋状のブラシベルトの延在を具体的かつ個々の場合に実現するため、ブラシホルダは、具体的には、ブラシベルトを収容するための周囲に延在する溝を有する。この場合、大抵は、ブラシベルトが、実質的に横方向に遊びなく当該溝に係合するように、アプローチがなされる。この場合、溝は、有利にはそれぞれの溝壁によって画成される。この場合、溝壁は、一般にブラシホルダのシリンダ面に対して直立する。実際に、ブラシホルダが、溝及び溝壁を含めてプラスチック成形部品として、特にプラスチック射出成形部品として形成されている場合が、特に有利であることがわかっている。
ブラシベルトを当該溝内に固定するため、ブラシベルトは、少なくとも点状にブラシホルダと結合される。この場合、結合は、一般に、機械的及び/又は粘着的に行なわれる。原則として、ブラシベルトは、織物ベルトとして、例えばポリアミド織物ベルトとして形成されている。
説明したブラシユニットは、更に及び有利には、回転するブリステルリングに没入する少なくとも1つの停止手段を備えることができる。停止手段により、粗さには、本出願人の欧州特許第1834733号明細書に詳細に説明されているように、特に有利にかつプラスに影響を与えることができる。基本的に、このような停止手段は、当然ながら不要でもある。
本発明の対象は、また、請求項13に詳細に説明されるような回転ブラシ工具及び請求項14及び15に記載の当該ワークピースの表面を加工するための方法である。
以下で、本発明をただ1つの実施例を図示する図面により詳細に説明する。
図1には、機械ハウジング1と、単に暗示的に示した、機械ハウジング内に収容されたブラシユニット3用の駆動ユニット2とを備えた回転ブラシ工具が図示されている。ブラシユニット3は、軸Aを中心として回転駆動可能なブラシホルダ4を有する。ブラシホルダ4は、図2の詳細図の対象である。
加えて、実質的にブラシベルト5と、このブラシベルトに接続されかつブリステルリング7を構成しかつ外向きに突出するブリステル6とから成るリングブラシ5,6が設けられている。特に図3による概略側面図に、どのように個々のブリステル6がブラシベルト5に固定されているかが認められる。このため、個々のブリステル6は、U字形に形成すること、及び、ブラシベルト5内のそれぞれの収容孔5aに差し込むことができる。これは、図3だけに詳細に示されている。
本発明によれば、設計は、ブラシベルト5の図2並びに3に示したその縦方向の広がりLが、従ってまたブリステルリング7が、ブラシホルダ4の軸Aに比して垂直方向からずれて軸Aに対して斜めに延在するようにブラシホルダ4に接続されているように行なわれる。実際に、この実施例では及び図2及び3によれば、これに関連して、一方のブラシベルト5の縦方向の広がりLと、他方のブラシホルダ4の軸Aとの間に認められる鋭角αが認められる。この実施例によれば、問題の鋭角αは、約70°~85°の範囲内の値を想定するが、いずれにしても、90°未満である。ここでは、大抵、約85°の範囲内の角度αが使用されるが、これは、当然模範的に適用されるにすぎない。
ブラシベルト5の、従ってまたブリステルリング7もしくはブラシホルダ4の軸Aに比してブラシベルト5から外向きに突出するブリステル6のこの傾斜により、全体として、図3に図示したワークピースの表面9が揺動的な回転の作用を受けることが得られる。これは、最もよく図3により理解できる。
即ち、この場では、仮に、ブラシベルト5とこのブラシベルトに接続されたブリステル6、従ってまたブリステルリング7が、全体としてディスクを構成すると仮定すると、問題のディスクは、図3に示した回転においてブラシホルダ4がその軸Aを中心として回転するとそれ自体その固有の回転軸Rを中心として回転する。ブラシホルダ4の回転及びディスクの傾斜により、関連するかつ仮定の回転軸Rが、図3に示した方向の変化を受けることになる。ここでは、最終的に、仮定したディスクの歳差運動もしくは揺動運動が認められ、この運動は、仮定したディスクの回転軸Rの異なる向きによって明らかになる。
リングブラシ5,6によるこの揺動運動及びこれに伴うワークピースの表面9に対する揺動的な回転の作用は、結果として、それぞれのブリステル6がワークピースの当該表面9に対して、その回転時に点状に作用を加えるだけでなく、むしろ、軸方向に拡大されかつ図3に示したワークピースの表面9上の加工領域Bをカバーする。
ブリステル6が通常はU字形に形成され、従ってその間に僅かな間隔を備えるので、全体として、ワークピースの問題の表面9がもはや-従来技術の場合のように-個々のブリステル6によって実際にストリップ状に作用を受けるのでなく、むしろ、ブリステル6の個々の加工領域Bは互いに重なり、このようにして全体として当該ワークピースの表面9の特に均質な粗さプロファイルのために寄与する。これは、粗さプロファイルのこの結果及び形態においてこれまで認められてない。
ブラシベルト5は、1回転だけブラシホルダ4の周囲に案内されているのはなく、1回転よりも多くブラシホルダ4の軸Aの周囲に案内され、このブラシホルダに接続されている。実際に、ブラシベルト5は、ブラシホルダ4を螺旋状に包囲する。この場合、設計は、全体として、ブラシホルダ4の軸Aに対して螺旋状に延在するブラシベルト5が、一定の傾斜角を備えるように行なわれ、即ち、最終的に、図2に個々に示した、ブラシベルト5のそれぞれの縦軸方向の広がりLとブラシホルダ4の軸Aとの間の角度αがそれぞれ同じ大きさに設計されている。即ち、ブラシベルト4が当該軸Aの周りに案内される均一の螺旋のことである。
更に、この場合、設計は、ブラシベルト4が、図2にから理解できるように、実質的に横方向に遊びなく周囲に延在する溝10に係合するように行なわれる。この場合、当該溝10は、それぞれシリンダ面に対して立った溝壁11によって画成される。この場合、ブラシホルダ4は、溝10とこの溝10を限定する溝壁11と共に、全体としてプラスチック部品として、好ましくはプラスチック射出成型部品として形成されている。この場合、溝10と溝壁11は、印刷すること、もしくは、三次元的な成形過程によって導入することもできる。例えばシリンダ状のプラスチック部品をフライス加工することにより溝壁11と同様に溝10を機械的に製造することも考えられる。
ブラシベルト5は、少なくとも点状にブラシホルダ4と結合されている。この場合、点状の結合は、機械的及び/又は粘着的に行なうことができる。加えて、設計は、大抵は、ブラシベルト4が織物ベルトとして、特にポリアミド織物から製造されるように行なわれる。付加的に、回転するブリステルリング7に没入しかつ図1にだけ示した停止手段12を設けることもでき、この停止手段は、そこに示した回転ブラシ工具のアーム13もしくはその機械ハウジング1に接続されている。
ブラシホルダ4がその軸Aを中心として回転するとすぐ、関連するワークピースの表面9に対して既に述べた揺動的な回転の作用が加えられる。加えて、ワークピースの表面9上のブラシベルト4の各個々のブリステル6もしくは各螺旋が、図3に図示されているような既に述べた軸方向に拡大された加工ゾーンBを加工する。このようにして、個々の加工ゾーンBが重なり、表面9が特に均質の粗さプロファイルを備えることになる。実施例によれば、個々のブリステル6は、鋼から製造されている。当然、基本的に、例えばプラスチック又は組合せのような他の材料も考えられる。
Claims (15)
- 軸(A)を中心として回転駆動可能なブラシホルダ(4)と、実質的にブラシベルト(5)とこのブラシベルトに接続されかつブリステルリング(7)を構成しかつ外向きに突出するブリステル(6)とから成るリングブラシ(5,6)とを有するブラシユニット(3)において、
ブラシベルト(5)の縦方向の広がり(L)が、従ってまたブリステルリング(7)が、ブラシホルダ(4)の軸(A)に比して垂直方向からずれて軸(A)に対して斜めに延在するようにブラシホルダ(4)に接続されていること、を特徴とするブラシユニット(3)。 - ブラシベルト(5)の縦方向の広がり(L)と、ブラシホルダ(4)の軸(A)が、互いに約60°から90°未満の、好ましくは70°~85°の、特に好ましくは約85°の鋭角(α)をなすこと、を特徴とする請求項1に記載のブラシユニット(3)。
- ブラシベルト(5)が、1回転よりも多くブラシホルダ(4)の軸(A)の周囲に案内され、このブラシホルダに接続されていること、を特徴とする請求項1又は2に記載のブラシユニット(3)。
- ブラシベルト(5)が、ブラシホルダ(4)を螺旋状に包囲すること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のブラシユニット(3)。
- ブラシホルダ(4)の軸(A)に対して螺旋状に延在するブラシベルト(5)が、一定の傾斜角を備えること、を特徴とする請求項4に記載のブラシユニット(3)。
- ブラシホルダ(4)が、ブラシベルト(5)を収容するための周囲に延在する溝(10)を備えること、を特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のブラシユニット(3)。
- ブラシベルト(5)が、実質的に横方向に遊びなく溝(10)に係合すること、を特徴とする請求項6に記載のブラシユニット(3)。
- 溝(10)が、それぞれシリンダ面に対して直立する溝壁(11)によって画成されること、を特徴とする請求項6又は7に記載のブラシユニット(3)。
- ブラシベルト(5)が、少なくとも点状にブラシホルダ(4)と結合されていること、を特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のブラシユニット(3)。
- 結合が、機械的及び/又は粘着的に行なわれること、を特徴とする請求項9に記載のブラシユニット(3)。
- ブラシベルト(4)が織物ベルトとして形成され、ブラシホルダ(4)がプラスチック成形部品として形成されていること、を特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のブラシユニット(3)。
- 付加的に、回転するブリステルリング(7)に没入する停止手段(12)が設けられていること、を特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載のブラシユニット(3)。
- 機械ハウジング(1)、駆動ユニット(2)及びブラシユニット(3)を有する回転ブラシ工具において、
ブラシユニット(3)が、請求項1~12のいずれか1項に従って形成されていること、を特徴とする回転ブラシ工具。 - 請求項1~12のいずれか1項に記載のブラシユニット(3)によってワークピースの表面(9)を加工するための方法であって、ブラシホルダ(4)の軸(A)に対して斜めに延在するリングブラシ(5,6)のブリステルリング(7)が、表面(9)に対して揺動的な回転の作用を加えること、を特徴とする方法。
- ブラシベルト(5)の各螺旋によって表面(9)に発生した個々の加工ゾーン(B)が、端部側で重なること、を特徴とする請求項14に記載の方法。
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