JP2023109078A - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents

Abstract

【課題】顔料を含有する油中水型乳化化粧料であって、良好なメイクアップ効果に加え、良好な保湿感を有し、乳化安定性および顔料分散性が良好な油中水型乳化化粧料を提供する。【解決手段】（ａ）ポリアスパラギン酸またはその塩、（ｂ）球状粉体、（ｃ）油性成分、（ｄ）親油性の界面活性剤、（ｅ）顔料および（ｆ）水を含有する、油中水型乳化化粧料とする。【選択図】なし

Description

特許法第３０条第２項適用申請有り 令和３年１１月２６日 ベースメイク用アミノ酸配合保湿剤 ＰＲＯＤＥＷ▲Ｒ▼７００オンラインセミナー ｈｔｔｐｓ：／／ｕｓ０２ｗｅｂ．ｚｏｏｍ．ｕｓ／ｗ／８３８３０８２１２２４？ｔｋ＝ａＥｃｉＰａＯ－ｂｎｂ１ＡＶＯ４ｄＲＢＷＸｂＺＷｒｌＡｘ７ｙＰＱｆｃＥＮＨｈｆｇｚｌｇ．ＤＱＭＡＡＡＡＴｈＬＴＲａＢＹ３ＶＸＪＦＹｊｈ０ＺＶＪｈｅＶＮｉＺＸｐｉＮＶＢＯＮＵ９ＢＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡＡ＆ｐｗｄ＝ｃＧｔＦＹｋ０ｘＲ２ｄＴｄＶＶＥＳ１ＪＸｃｊＺＳａＦｈＬＱＴ０９＆ｕｕｉｄ＝ＷＮ＿ＱｘｚＡＥＫｖＦＴｎＫｉ７Ｚ６Ｆ９ＤＮｌ７Ｑ にて発表

本発明は、顔料を含有する油中水型の乳化化粧料に関する。

リキッドファンデーションをはじめ、顔料を含有する乳化化粧料は、皮膚に均一に塗り広げやすいことから良好なメイクアップ効果が得られやすく、また、水相や油相中に有効成分を比較的自由に配合できるため化粧料製剤にトリートメント効果を付与しやすい。これらの理由から、顔料を含有する乳化化粧料は、メイクアップ化粧料市場の中でも高い人気を誇る剤形である。
乳化化粧料は、油中水型（Ｗ／Ｏ型）乳化化粧料と水中油型（Ｏ／Ｗ型）乳化化粧料に大別される。顔料を含有する乳化化粧料では、化粧膜をより長く美しく保つために、汗や湿気に対し耐性を有することが求められる。耐水性の観点から、乳化化粧料の成分として、表面に疎水化処理を施した無機顔料や低ＨＬＢ値の乳化剤を使用することが好ましく、かかる成分を配合しやすい油中水型の乳化が選択されることが多い。
しかし、油中水型乳化化粧料は、水中油型乳化化粧料よりも油性成分の配合量が多いため、べたつきのある感触を生じやすく、また、テカリのある仕上がりとなりやすい。
これに対し、拡散反射によって化粧料にソフトフォーカス効果やフォギーな質感を付与することができ、塗布時の伸びの良さや塗布後のさらさらとした感触の付与など、官能面での改善効果も有する球状粉体の配合が試みられている。

また、顔料を含有する油中水型乳化化粧料において、高いカバー力や紫外線散乱効果を得る目的で、無機顔料を多量に配合した場合、かかる顔料の分散が悪くなって化粧料の発色性が低下したり、経時安定性の低下、粉っぽい仕上がりによる乾燥感が問題となる。
それゆえ、生体への親和性が高く、優れた肌なじみと吸保湿性能を有し、安全性の高い保湿剤であるポリアスパラギン酸塩に着目し、使用時の感触や保湿感および経時安定性の向上を図るため、特定のシリコーン系界面活性剤およびシリコーン油と、ポリアスパラギン酸塩を含有する油中水型乳化組成物（特許文献１）や、ジポリヒドロキシステアリン酸ポリオキシエチレンとポリアスパラギン酸塩を含有する油中水型乳化化粧料（特許文献２）が提案されている。
しかしながら、ポリアスパラギン酸塩は、凝集性の強い電解質ポリマーであるため、乳化組成物に安定に配合することが困難であり、また、酸性下でペプチド結合の解裂が生じ、分子量の低下が生じるという問題があり、その用途および配合量は限られたものであった。

さらにまた、ポリアスパラギン酸塩は、水系での顔料分散性および分散安定性に優れるため、顔料を含有する化粧料における顔料の発色性、顔料の凝集抑制による経時安定性の向上に効果的である。かかる特長を利用して、化粧用顔料分散液への配合も提案されている（特許文献３）。
しかしながら、ポリアスパラギン酸塩の顔料分散効果は、同時に化粧塗膜の光沢度を高めてしまうことから、ソフトフォーカス効果やマットな仕上がりが求められる化粧料においては、目的とする仕上がりを損なうという問題があった。

それゆえ、カバー力やソフトフォーカス効果等の良好なメイクアップ効果に加え、良好な保湿感を有し、乳化安定性および顔料の分散性に優れる油中水型乳化化粧料が求められている。

特開２００４－０５１６２９号公報 特開２００４－２１０７６５号公報 特開２００４－１７５７０９号公報

そこで、本発明は、顔料を含有する油中水型乳化化粧料であって、カバー力やソフトフォーカス効果等の良好なメイクアップ効果に加え、良好な保湿感を有し、乳化安定性が良好な油中水型乳化化粧料を提供すること、さらには、顔料の分散性に優れる油中水型乳化化粧料を提供することを目的とする。

本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、（ａ）ポリアスパラギン酸またはその塩、（ｂ）球状粉体、（ｃ）油性成分、（ｄ）親油性界面活性剤、（ｅ）顔料および（ｆ）水を含有する油中水型乳化化粧料とすることにより、カバー力やソフトフォーカス効果等のメイクアップ効果および保湿感が良好で、乳化安定性が向上すること、さらには、顔料分散性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。

すなわち、本発明は、以下に関する。
［１］（ａ）ポリアスパラギン酸またはその塩、（ｂ）球状粉体、（ｃ）油性成分、（ｄ）親油性の界面活性剤、（ｅ）顔料および（ｆ）水を含有する、油中水型乳化化粧料。
［２］（ａ）ポリアスパラギン酸またはその塩の含有量（Ｗ_ａ）が、遊離体に換算した含有量にて０．０１質量％～１質量％である、［１］に記載の乳化化粧料。
［３］（ｂ）球状粉体が、球状無水ケイ酸、球状シリコーン粉体、球状ナイロン粉体、球状セルロース粉体および球状ポリウレタン粉体からなる群より選択される１種以上である、［１］または［２］に記載の乳化化粧料。
［４］（ｂ）球状粉体の体積基準の平均粒子径が０．１μｍ～３０μｍである、［１］～［３］のいずれかに記載の乳化化粧料。
［５］（ｂ）球状粉体の含有量（Ｗ_ｂ）が０．１質量％～５質量％である、［１］～［４］のいずれかに記載の乳化化粧料。
［６］（ｃ）油性成分が、炭化水素、エステルおよびシリコーン油からなる群より選択される１種以上である、［１］～［５］のいずれかに記載の乳化化粧料。
［７］（ｃ）油性成分の含有量（Ｗ_ｃ）が５質量％～６０質量％である、［１］～［６］のいずれかに記載の乳化化粧料。
［８］（ｄ）親油性の界面活性剤が、Ｈｙｄｒｏｐｈｉｌｉｃ－Ｌｉｐｏｐｈｉｌｉｃ Ｂａｌａｎｃｅ（ＨＬＢ）値が３～６のグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン変性アルキルメチルポリシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体からなる群より選択される１種以上である、［１］～［７］のいずれかに記載の乳化化粧料。
［９］（ｄ）親油性の界面活性剤の含有量（Ｗ_ｄ）が０．１質量％～１０質量％である、［１］～［８］のいずれかに記載の乳化化粧料。
［１０］（ｅ）顔料が無機顔料である、［１］～［９］のいずれかに記載の乳化化粧料。
［１１］さらに、（ｇ）親水性または水溶性の化粧料用添加剤を含有する、［１］～［１０］のいずれかに記載の乳化化粧料。
［１２］（ｇ）親水性または水溶性の化粧料用添加剤が、（ｇ－１）アミノ酸およびその塩、（ｇ－２）炭素数が１～１０の脂肪族ヒドロキシカルボン酸およびその塩、（ｇ－３）多価アルコール、ならびに（ｇ－４）ベタインからなる群より選択される１種以上である、［１１］に記載の乳化化粧料。
［１３］２５℃における粘度が１０Ｐａ・ｓ以上である、［１］～［１２］のいずれかに記載の乳化化粧料。

本発明により、顔料を含有する油中水型乳化化粧料であって、化粧料の発色、カバー力、ソフトフォーカス効果といったメイクアップ効果が良好で、さらに良好な保湿感を有し、乳化安定性および顔料分散性に優れる油中水型乳化化粧料を提供することができる。

本発明の油中水型乳化化粧料は、（ａ）ポリアスパラギン酸またはその塩、（ｂ）球状粉体、（ｃ）油性成分、（ｄ）親油性の界面活性剤、（ｅ）顔料および（ｆ）水を含有する。

本発明の油中水型乳化化粧料に、（ａ）成分として含有されるポリアスパラギン酸は、Ｌ－アスパラギン酸、Ｄ－アスパラギン酸またはＤＬ－アスパラギン酸がα－アミド結合またはβ－アミド結合により重合したものである。
本発明の目的には、ポリＬ－アスパラギン酸およびポリＤＬ－アスパラギン酸が好ましく用いられ、ポリＬ－アスパラギン酸がより好ましく用いられる。また、α－アミド結合体、β－アミド結合体、α－アミド結合体およびβ－アミド結合体の混合物のいずれも用いることができるが、α－アミド結合体ならびにα－アミド結合体およびβ－アミド結合体の混合物が好ましく用いられる。
本発明においては、ゲルろ過クロマトグラフィーにより測定される重量平均分子量が１，０００～１００，０００であるものが用いられるが、前記重量平均分子量が２，０００～５０，０００であるものが好ましく、２，０００～１０，０００であるものがより好ましく、３，０００～５，０００であるものがさらに好ましい。

本発明においては、（ａ）成分として、上記したポリアスパラギン酸の塩を用いることもできる。
ポリアスパラギン酸の塩としては、薬学的に許容される塩であって、皮膚用組成物に用いられる塩であれば特に限定されないが、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩；マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩；アンモニウム塩等の無機塩基との塩や、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩；アルギニン塩、リシン塩、ヒスチジン塩等の塩基性アミノ酸との塩等の有機塩基との塩が例示され、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましく用いられる。

ポリアスパラギン酸またはその塩は、公知の方法により製造することができる。
たとえば、アミノ酸を直接加熱縮合させる固体重合法（The Journal of the American Chemical Society 82 3745 (1960)等）により、α－アミド結合体およびβ－アミド結合体の混合物を得ることができる。
アミノ酸のＮ－カルボキシ酸無水物を開環し、脱炭酸重合させる方法（Journal of Polymer Science A14 2065 (1976)、特開昭４６－２７８２８号公報等）、活性アミノ酸エステルを重合させる方法（特開昭５４－４７７９９号公報）、Ｎ－ジチオカルボニルアルコキシカルボニルアミノ酸を加熱重合させる方法（特公昭４５－９３９１号公報）等により、α－アミド体を得ることができる。
また、アミノ酸のＮ－カルボキシ酸無水物の開環重合により、出発物質として用いられるアスパラギン酸の光学活性が保持された重合体を得ることができる。
本発明において、ポリアスパラギン酸またはその塩は、上記のような公知の方法により製造して用いてもよいが、味の素株式会社等より提供されている市販の製品を用いることもできる。

本発明の油中水型乳化化粧料には、上記したポリアスパラギン酸またはその塩は、１種を単独で用いてもよく、２種以上を選択して組み合わせて用いてもよい。
本発明の油中水型乳化化粧料における（ａ）成分の含有量（Ｗ_ａ）は、好ましくは０．０１質量％～１質量％であり、より好ましくは０．０３質量％～０．９質量％である。
なお、（ａ）成分としてポリアスパラギン酸の塩が含有される場合、上記含有量は、遊離体に換算した量にて表される。

本発明の油中水型乳化化粧料に（ｂ）成分として含有される球状粉体は、球状の形状を有し、皮膚用組成物に用い得るものであれば、特に限定されることなく用いることができる。
かかる球状粉体としては、球状無水ケイ酸；ポリメチルシルセスキオキサン（メチルトリメトキシシランの三次元網目状架橋重合体）、（ジフェニルジメチルポリシロキサン／ビニルジフェニルジメチルポリシロキサン／シルセスキオキサン）架橋重合体（ジフェニルジメチルポリシロキサン、ビニルジフェニルジメチルポリシロキサンおよびシルセスキオキサンからなる架橋共重合体）、（ジメチルポリシロキサン／ビニルジメチルポリシロキサン）架橋重合体（ジメチルポリシロキサンをビニルジメチルポリシロキサンで架橋した架橋重合体）等の球状シリコーン粉体；ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチルおよびジメタクリル酸エチレングリコールの架橋共重合体等の球状ポリメタクリル酸メチル粉体；球状ナイロン－６、球状ナイロン－１２等の球状ナイロン粉体；球状セルロース粉体；球状ポリウレタン粉体；前記球状粉体の表面を板状粉体で被覆処理した複合粉体、たとえば板状アルミナ粉体で被覆処理した球状シリコーン粉体等が挙げられる。
ソフトフォーカス効果等のメイクアップ効果を改善する観点からは、球状粉体として、球状無水ケイ酸、球状シリコーン粉体、球状ナイロン粉体、球状セルロース粉体、球状ポリウレタン粉体等が好ましく用いられる。
ソフトフォーカス効果および皮膚に塗布した際の使用感等の観点から、球状粉体としては、レーザー回折／散乱法により測定される体積基準の平均粒子径が０．１μｍ～３０μｍであるものが好ましく用いられ、０．５μｍ～２０μｍであるものがより好ましく用いられ、０．５μｍ～１０μｍであるものがさらに好ましく用いられる。
上記のような球状粉体としては、各社より化粧料用粉体として提供されている市販の製品を用いることができる。

本発明においては、球状粉体は、１種を選択して単独で用いてもよく、２種以上を選択して組み合わせて用いてもよい。
本発明の油中水型乳化化粧料における（ｂ）成分の含有量（Ｗ_ｂ）は、好ましくは０．１質量％～５質量％であり、より好ましくは０．５質量％～３質量％である。

本発明の油中水型乳化化粧料に（ｃ）成分として含有される油性成分としては、化粧料に通常油性基剤、油性のエモリエント成分等として用いられる成分であれば、特に制限されることなく用いることができ、たとえば、オリーブ油、ダイズ油、ツバキ油、ゴマ油、落花生油、カカオ脂、牛脂、豚脂等の動植物性油脂；カルナウバロウ、ミツロウ、ホホバ油等のロウ；オクチルドデカノール、セタノール、ステアリルアルコール等の脂肪族アルコール；オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸；スクワラン、白色ワセリン、流動パラフィン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素；グリセリンモノ２－エチルヘキシルエーテル、グリセリンモノセチルエーテル、グリセリンモノステアリルエーテル、グリセリンモノオレイルエーテル等のエーテル；ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、２－エチルヘキサン酸セチル、ダイマージリノール酸(フィトステリル／イソステアリル／セチル／ステアリル／べヘニル)、Ｎ－ラウロイルサルコシンイソプロピル、Ｎ－ラウロイル－Ｌ－グルタミン酸ジ(コレステリル／オクチルドデシル)、Ｎ－ラウロイル－Ｌ－グルタミン酸ジ(コレステリル／ベヘニル／オクチルドデシル)、トリ(カプリル酸／カプリン酸)グリセリル、Ｎ－ラウロイル－Ｌ－グルタミン酸ジ(フィトステリル／オクチルドデシル)、Ｎ－ラウロイル－Ｌ－グルタミン酸ジ(フィトステリル／オクチルドデシル／ベヘニル)、トリステアリン酸グリセリル、トリベヘン酸グリセリル等のエステル；オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油等が例示される。
本発明において、上記のような油性成分は、１種を選択して単独で用いてもよく、２種以上を選択して組み合わせて用いてもよい。
なお、本発明の油中水型乳化化粧料の使用感等の観点からは、スクワラン、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素；Ｎ－ラウロイル－Ｌ－グルタミン酸ジ(コレステリル／オクチルドデシル)、Ｎ－ラウロイル－Ｌ－グルタミン酸ジ(コレステリル／ベヘニル／オクチルドデシル)、トリベヘン酸グリセリル等のエステル；デカメチルシクロペンタシロキサン、ジメチルポリシロキサン等のシリコーン油等が好ましく用いられる。

また、本発明の油中水型乳化化粧料は、必要に応じて、（ｃ）油性成分として親油性または油溶性の化粧料用添加剤を含有することができる。
かかる化粧料用添加剤としては、酢酸トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、γ－オリザノール等の親油性または油溶性の抗酸化剤；パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル等の親油性または油溶性の防腐剤；ジヒドロキシベンゾフェノン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、パラメトキシケイ皮酸２－エチルヘキシル等の親油性または油溶性の紫外線吸収剤；ゲラニオール、シトラール、リモネン、ラベンダー油等の親油性または油溶性の香料、赤色２１５号、黄色２０４号、β－カロテン、クロロフィル等の親油性または油溶性の色素等が例示される。
これらは、目的に応じて、１種または２種以上を用いることができる。

本発明の油中水型乳化化粧料においては、上記したような油性成分としては、各社より化粧料用の油性原料または油溶性もしくは親油性の化粧料用添加剤として提供されている市販の製品を用いることができる。
本発明の油中水型乳化化粧料における（ｃ）成分の含有量（Ｗ_ｃ）は、好ましくは５質量％～６０質量％であり、より好ましくは１０質量％～４０質量％である。

本発明の油中水型乳化化粧料に（ｄ）成分として含有される親油性の界面活性剤としては、上記した（ｃ）油性成分と良好に混和し、油中水型の乳化剤として機能する界面活性剤であれば、特に制限されることなく用いることができるが、たとえば、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル；モノステアリン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、トリステアリン酸デカグリセリル、トリオレイン酸デカグリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸テトラグリセリル、モノオレイン酸テトラグリセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル；モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル；モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル；モノステアリン酸ポリエチレングリコール（２Ｅ．０．）、モノステアリン酸ポリエチレングリコール（４Ｅ．０．）、モノオレイン酸ポリエチレングリコール（６Ｅ．０．）等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル；ポリオキシエチレン（５Ｅ．Ｏ．）硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン（１０Ｅ．Ｏ．）硬化ヒマシ油等のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油；テトラオレイン酸ポリオキシエチレン（６Ｅ．Ｏ．）ソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル；ポリオキシエチレン（２Ｅ．Ｏ．）セチルエーテル、ポリオキシエチレン（２Ｅ．Ｏ．）ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン（３Ｅ．Ｏ．）アルキル（炭素数１２～１４）エーテル、ポリオキシエチレン（５Ｅ．Ｏ．）ベヘニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル；ポリオキシエチレン（２Ｅ．Ｏ．）オレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルケニルエーテル；ポリオキシエチレン（１２Ｅ．Ｏ．）ポリオキシプロピレン（６Ｐ．Ｏ．）デシルテトラデシルエーテル等のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル等の親油性の非イオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレン（１０Ｅ．Ｏ．）・ポリオキシプロピレン（１Ｐ．Ｏ．）変性セチルメチルポリシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体等のシリコーン系界面活性剤等が好ましい界面活性剤として挙げられる。
本発明においては、上記のような親油性界面活性剤は、１種を選択して単独で用いてもよく、２種以上を選択して組み合わせて用いてもよい。
油中水型乳化化粧料の乳化安定性の観点から、親油性界面活性剤としては、Ｈｙｄｒｏｐｈｉｌｉｃ－Ｌｉｐｏｐｈｉｌｉｃ Ｂａｌａｎｃｅ（ＨＬＢ）値が３～６程度のグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン変性アルキルメチルポリシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体等が、より好ましく用いられる。

本発明の油中水型乳化化粧料においては、親油性の界面活性剤としては、各社より化粧料用の界面活性剤として提供されている市販の製品を用いることができる。
本発明の油中水型乳化化粧料における（ｄ）成分の含有量（Ｗ_ｄ）は、好ましくは０．１質量％～１０質量％であり、より好ましくは１質量％～７質量％である。

本発明の油中水型乳化化粧料に（ｅ）成分として含有される顔料は、着色や化粧料の形状の保持、色調、光沢および使用感（伸展性、付着性、滑り性等）等の付与、調整のために用いられる粉体で、水や油に不溶のものであって、上記した（ｂ）球状粉体以外の粉体である。
かかる顔料としては、化粧料において、通常体質顔料、白色顔料、着色顔料、真珠光沢顔料等として用いられる粉体であって、上記した（ｂ）球状粉体に該当しないものであれば、特に制限されることなく用いることができるが、無機顔料が好ましく用いられる。

本発明の油中水型乳化化粧料に、（ｅ）成分として好ましく含有され得る無機顔料としては、体質顔料として用いられる無水ケイ酸、ケイ酸塩（タルク、カオリン、マイカ、セリサイト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、クレー、ベントナイト等）、炭酸塩（炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等）、硫酸塩（硫酸カルシウム、硫酸バリウム、板状硫酸バリウム、バタフライ状硫酸バリウム、硫酸マグネシウム等）、窒化物（窒化ホウ素等）、リン酸塩（ハイドロキシアパタイト等）、酸化物（酸化マグネシウム、アルミナ等）；白色顔料として用いられる酸化物（酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化チタン等）；紫外線散乱剤として用いられる酸化物（酸化セリウム等）、微粒子酸化物（微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化チタン等）；着色顔料として用いられる酸化物（黄酸化鉄、ベンガラ、黒酸化鉄、酸化クロム、酸化コバルト等）、炭化物（炭化ケイ素等）、炭素（カーボンブラック等）、硫化物（群青等）、フェロシアン化合物（紺青等）；パール光沢顔料として用いられる雲母チタン、オキシ塩化ビスマス等が挙げられる。
また、上記した顔料として用いられる粉体の複合粉体、たとえば、シリカ被覆酸化チタン、マイカ被覆酸化チタン等や、上記のような粉体にシリコーン処理、フッ素化合物処理、シランカップリング剤処理、シラン処理、有機チタネート処理、アシル化脂肪酸処理（たとえば、Ｎ－ステアロイル－Ｌ－グルタミン酸処理）、金属セッケン処理（たとえば、ステアリン酸アルミニウム処理）、油剤処理、アミノ酸処理等の表面処理を施した表面処理粉体、たとえば、シリコーン処理タルク、シリコーン処理マイカ、シリコーン処理セリサイト、シリコーン処理酸化チタン、シリコーン処理ベンガラ、シリコーン処理黄酸化鉄、シリコーン処理黒酸化鉄、Ｎ－ステアロイル－Ｌ－グルタミン酸処理酸化チタン、Ｎ－ステアロイル－Ｌ－グルタミン酸処理黄酸化鉄、Ｎ－ステアロイル－Ｌ－グルタミン酸処理ベンガラ、Ｎ－ステアロイル－Ｌ－グルタミン酸処理黒酸化鉄、ステアリン酸アルミニウム処理酸化チタン等を用いることもできる。
油中水型乳化化粧料の外油相に良好に分散され得ることから、本発明の油中水型乳化化粧料においては、無機顔料として、シリコーン処理、アシル化脂肪酸処理、金属セッケン処理、油剤処理等の疎水化処理を施した無機顔料を用いることがより好ましい。

上記顔料は、１種または２種以上を用いることができ、各社より、化粧料用として提供されている市販の製品を利用することができる。
本発明の油中水型乳化化粧料における（ｅ）成分の含有量（Ｗ_ｅ）は、好ましくは０．００５質量％～３０質量％であり、より好ましくは１質量％～２０質量％である。

本発明の油中水型乳化化粧料は、（ｆ）成分として水を含有する。水としては、化粧料の製造に適する水、たとえば蒸留水、脱イオン水等の精製水を用いることができる。
本発明の油中水型乳化化粧料における水の含有量（Ｗ_ｆ）は、油中水型乳化化粧料の全量を１００質量％とする量として設定される。

本発明において、水には、必要に応じて、（ｇ）親水性または水溶性の化粧料用添加剤を添加することができる。
本発明の油中水型乳化化粧料には、（ｇ）親水性または水溶性の化粧料用添加剤として、好ましくは、（ｇ－１）アミノ酸およびその塩、（ｇ－２）炭素数が１～１０の脂肪族ヒドロキシカルボン酸およびその塩、（ｇ－３）多価アルコール、ならびに（ｇ－４）ベタインからなる群より選択される１種以上が含有される。

本発明の油中水型乳化化粧料に、（ｇ－１）成分として含有され得るアミノ酸としては、グルタミン酸（２－アミノペンタン二酸）、アスパラギン酸（２－アミノブタン二酸）等の酸性アミノ酸；アルギニン（２－アミノ－５－グアニジノペンタン酸）、リシン（２，６－ジアミノヘキサン酸）、ヒスチジン（２－アミノ－３－（１Ｈ－イミダゾール－４－イル）プロパン酸）、シトルリン（２－アミノ－５－（カルバモイルアミノ）ペンタン酸）、オルニチン（２，５－ジアミノペンタン酸）等の塩基性アミノ酸；アルキル鎖を有する中性アミノ酸（たとえばグリシン（アミノエタン酸）、アラニン（２－アミノプロパン酸）、バリン（２－アミノ－３－メチルブタン酸）、ロイシン（２－アミノ－４－メチルペンタン酸）、イソロイシン（２－アミノ－３－メチルペンタン酸））、ヒドロキシ基を有する中性アミノ酸（たとえばセリン（２－アミノ－３－ヒドロキシプロパン酸）、トレオニン（２－アミノ－３－ヒドロキシブタン酸））、イオウを含む中性アミノ酸（たとえばシステイン（２－アミノ－３－メルカプトプロパン酸）、メチオニン（２－アミノ－４－（メチルチオ）ブタン酸））、アミド基を有する中性アミノ酸（たとえばアスパラギン（２－アミノ－３－カルバモイルプロパン酸）、グルタミン（２－アミノ－４－カルバモイルブタン酸））、イミノ基を有する中性アミノ酸（たとえばプロリン（ピロリジン－２－カルボン酸））、芳香族基を有する中性アミノ酸（たとえばフェニルアラニン（２－アミノ－３－フェニルプロパン酸）、チロシン（２－アミノ－３－（４－ヒドロキシフェニル）プロパン酸）、トリプトファン（２－アミノ－３－（１Ｈ－インドール－３－イル）プロパン酸））等の中性アミノ酸が挙げられる。
上記アミノ酸は、Ｄ－体、Ｌ－体およびＤＬ－体のいずれも用いることができるが、Ｌ－体およびＤＬ－体が好ましく用いられ、Ｌ－体がより好ましく用いられる。

上記アミノ酸の塩としては、薬学的に許容される塩であって、皮膚用組成物に用いられる塩であれば特に制限されず、酸付加塩や塩基との塩等を挙げることができる。
具体的には、無機塩基、有機塩基、無機酸、有機酸との塩およびアミノ酸との塩等が挙げられる。

無機塩基との塩としては、たとえば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属との塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
有機塩基との塩としては、たとえばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンとの塩、モルホリン、ピペリシン等の複素環式アミンとの塩等が挙げられる。
無機酸との塩としては、たとえば、ハロゲン化水素酸（塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸等）、硫酸、硝酸、リン酸等との塩等が挙げられる。
有機酸との塩としては、たとえば、ギ酸、酢酸、プロパン酸等のモノカルボン酸との塩；シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の飽和ジカルボン酸との塩；マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸との塩；アコニット酸等のトリカルボン酸との塩；α－ケトグルタル酸等のケト酸との塩等が挙げられる。
アミノ酸との塩としては、アラニン等の脂肪族アミノ酸との塩；チロシン等の芳香族アミノ酸との塩；リシン等の塩基性アミノ酸との塩；アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。

上記した塩は、それぞれ水和物（含水塩）であってもよく、かかる水和物としては、たとえば１水和物～６水和物等が挙げられる。

本発明においては、上記した酸性アミノ酸は、遊離体およびナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩の形態で、塩基性アミノ酸は、遊離体および塩酸塩等の酸付加塩の形態で、中性アミノ酸は、遊離体の形態で好ましく用いられる。

上記した酸性アミノ酸およびその塩、塩基性アミノ酸およびその塩、ならびに中性アミノ酸およびその塩は、いずれも天然に存在する動植物等から抽出し精製したもの、あるいは、化学合成法、発酵法、酵素法または遺伝子組換え法等によって得られるもののいずれを使用してもよいが、各社より提供されている市販の製品を利用してもよい。

本発明の油中水型乳化化粧料に（ｇ－１）成分として含有され得るアミノ酸およびその塩としては、グルタミン酸のカルボキシル基とアミノ基が分子内縮合反応を起こして、ラクタムを形成したアミノ酸であるピロリドンカルボン酸およびその塩も、好ましく用いられ得る。
ピロリドンカルボン酸としては、Ｄ－体、Ｌ－体およびＤＬ－体のいずれも用いることができるが、Ｌ－体およびＤＬ－体が好ましく用いられる。
ピロリドンカルボン酸の塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩；亜鉛塩等が挙げられ、ナトリウム塩および亜鉛塩が好ましく用いられる。
ピロリドンカルボン酸およびその塩は、化学合成法、酵素法、遺伝子組換え法等により製造して用いることもできるが、各社より提供されている市販の製品を用いることもできる。

本発明においては、（ｇ－１）成分として、上記したような酸性アミノ酸、塩基性アミノ酸、中性アミノ酸およびそれらの塩ならびにピロリドンカルボン酸およびその塩からなる群より１種を選択して単独で用いてもよく、２種以上を選択して組み合わせて用いてもよい。
本発明の油中水型乳化化粧料における（ｇ－１）成分の含有量（Ｗ_ｇ－１）は、好ましくは０．０３質量％～１．８質量％であり、より好ましくは０．０８質量％～１質量％である。
なお、（ｇ－１）成分として、アミノ酸の塩が含有される場合、その含有量は、遊離体に換算した含有量により表される。

本発明の油中水型乳化化粧料に良好な保湿感や皮膚コンディショニング効果を付与することができることから、（ｇ－１）成分として、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸亜鉛等、ピロリドンカルボン酸およびその塩からなる群より選択される１種以上や、天然保湿因子を構成するアミノ酸であるアルギニンやその塩が好ましく用いられる。
また、アルギニンの他に、天然保湿因子を構成するアミノ酸であるアスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、リシン、ヒスチジン、トレオニン、セリン、プロリン、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、シトルリンおよびオルニチン、ならびにこれらの塩からなる群より選択される１種以上を好ましく用いることができる。

また、本発明の油中水型乳化化粧料には、保湿感や乳化安定性の向上の観点から、（ｇ）親水性または水溶性の化粧料用添加剤として、（ｇ－２）炭素数が１～１０の脂肪族ヒドロキシカルボン酸およびその塩、（ｇ－３）多価アルコール、ならびに（ｇ－４）ベタインからなる群より選択される１種以上が、好ましく含有され得る。

（ｇ－２）成分として含有され得る炭素数１～１０の脂肪族ヒドロキシカルボン酸は、炭素数が１～１０の非環式または環式のカルボン酸であり、１個以上のヒドロキシ基を有する。
かかる脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸（２－ヒドロキシ酪酸、３－ヒドロキシ酪酸、４－ヒドロキシ酪酸）、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸、パントテン酸等の非環式のヒドロキシカルボン酸；キナ酸、シキミ酸等の環式のヒドロキシカルボン酸が例示される。
乳化安定性向上効果の観点から、炭素数１～１０の非環式のヒドロキシカルボン酸が好ましく、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸（２－ヒドロキシ酪酸、３－ヒドロキシ酪酸、４－ヒドロキシ酪酸）、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸等の炭素数２～６の非環式のヒドロキシカルボン酸がより好ましく、クエン酸が特に好ましい。

本発明においては、（ｇ－２）成分として、上記ヒドロキシカルボン酸の塩を用いることもできる。
かかる塩としては、薬学的に許容される塩であって、皮膚用組成物に用いられる塩であれば特に限定されないが、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩；マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩；アンモニウム塩等の無機塩基との塩や、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩；モルホリン塩、ピペリシン塩等の複素環式アミンとの塩；アルギニン塩、リシン塩、ヒスチジン塩等の塩基性アミノ酸との塩等の有機塩基との塩が例示され、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましく用いられる。

本発明において、上記した炭素数１～１０の脂肪族ヒドロキシカルボン酸やその塩は、これらを豊富に含有する動植物等から抽出し、精製して用いてもよく、化学合成法、発酵法、遺伝子組換え法等により製造して用いてもよいが、各社より提供されている市販の製品を利用することもできる。

本発明の油中水型乳化化粧料には、上記した炭素数１～１０の脂肪族ヒドロキシカルボン酸やその塩は、１種を単独で用いてもよく、２種以上を選択して組み合わせて用いてもよい。
本発明の油中水型乳化化粧料における（ｇ－２）成分の含有量（Ｗ_ｇ－２）は、好ましくは０．００３質量％～０．２質量％であり、より好ましくは０．００９質量％～０．０４質量％である。
なお、（ｇ－２）成分として炭素数１～１０の脂肪族ヒドロキシカルボン酸の塩が含有される場合、上記含有量は、遊離体に換算した量にて表される。

（ｇ－３）成分として含有される多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、１，３－ブチレングリコール、１,２－ペンタンジオール（ペンチレングリコール）等の二価アルコール、グリセリン等の三価アルコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、マンニトール等の糖アルコール等が例示され、１種を単独で、または２種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の目的には、多価アルコールとして、グリセリン、１，３－ブチレングリコール等が好ましく用いられ、１，３－ブチレングリコール等がより好ましく用いられる。
多価アルコールとしては、各社より化粧料用として提供されている市販の製品を利用することができる。
本発明の油中水型乳化化粧料における（ｇ－３）成分の含有量（Ｗ_ｇ－３）は、好ましくは０．０１９質量％～６質量％であり、より好ましくは０．０４質量％～５．２質量％である。

（ｇ－４）成分として含有されるベタインは、正電荷と負電荷を同一分子内の隣り合わない位置に有し、正電荷を有する原子には解離し得る水素が結合しておらず、分子全体としては電荷を有しない化合物であり、トリメチルグリシン、カルニチン、プロリンベタイン等が例示され、トリメチルグリシンが好ましく用いられる。
ベタインとしては、各社より化粧料用として提供されている市販の製品を利用することができる。
本発明の油中水型乳化化粧料における（ｇ－４）成分の含有量（Ｗ_ｇ－４）は、好ましくは０．０１質量％～０．８質量％であり、より好ましくは０．０３質量％～０．２質量％である。

本発明の油中水型乳化化粧料には、（ｇ）親水性または水溶性の化粧料用添加剤として、上記した（ｇ－１）成分～（ｇ－４）成分以外に、必要に応じて親水性または水溶性の一般的な添加剤を添加することができる。
かかる添加剤としては、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、大豆レシチン、ポビドン等の懸濁化剤；カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール（部分ケン化物）等の粘稠剤；塩酸、リン酸、コハク酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、１－アミノ－２－プロパノール等のｐＨ調整剤；エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等の安定化剤；アスコルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム等の抗酸化剤；ソルビン酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール等の防腐剤；赤色２号、黄色３号、青色１号、アントシアニン、カーサミンイエロー等の親水性または水溶性の色素；フェネチルアルコール、ラベンダーエキス等の親水性または水溶性の香料等が挙げられ、必要に応じて、１種または２種以上を用いることができる。

本発明の油中水型乳化化粧料は、一般的な油中水型乳化物の製造方法に従って製造することができる。
たとえば、（ａ）成分を、必要に応じて添加される（ｇ）成分とともに（ｆ）水に加えて混合し、均一として水相とする。一方、（ｄ）成分を（ｃ）成分に加えて混合し、均一として油相とする。前記水相および油相をそれぞれ７５℃～８５℃に加熱し、水相を油相に攪拌しながら加えて乳化することができる。
なお、（ｂ）成分および（ｅ）成分は、その水または油に対する親和性に応じて、適宜水相または油相に分散して添加される。
また、（ｃ）成分として添加される親油性または油溶性の化粧料用添加剤や、（ｇ）成分として添加される親水性または水溶性の化粧料用添加剤のうち、熱に対する安定性の低い成分は、乳化して冷却した後に添加し、混合することができる。
（ｂ）成分および（ｅ）成分の水相または油相への分散、および乳化処理は、ディスパー、ホモディスパー等の攪拌機、ホモミキサー、ホモジナイザー、コロイドミル等の乳化機等を用いることにより、良好に行うことができる。

本発明の油中水型乳化化粧料の製造に際し、上記（ａ）成分および（ｇ－１）～(ｇ－４)成分は、あらかじめ水の一部に混合、溶解して用いることもできる。

本発明の油中水型乳化化粧料は、乳液、美容液、クリーム、パック等の皮膚化粧料；下地ローション、下地クリーム等の下地化粧料；乳液状ファンデーション、クリーム状ファンデーション、クリーム状アイカラー、クリーム状チークカラー、クリーム状アイライナー、クリーム状マスカラ等のメイクアップ化粧料；ボディローション、ボディクリーム等の身体用化粧料；日焼け用ローション等の日焼け用化粧料；日焼け止めローション、日焼け止めクリーム等の日焼け止め化粧料等として提供され得る。

本発明の油中水型乳化化粧料は、乳化安定性、顔料の分散安定性および使用感等の観点から、２５℃における粘度が１０Ｐａ・ｓ以上であることが好ましく、３０Ｐａ・ｓ以上であることがより好ましい。また、皮膚への塗布のしやすさ、伸ばしやすさ等の観点から、２５℃における粘度は１，０００Ｐa・ｓ以下であることが好ましく、５００Ｐａ・ｓ以下であることがより好ましい。
なお、本発明の油中水型乳化化粧料の粘度は、ブルックフィールド型粘度計（東京計器株式会社製、ＤＶ Ｌ－Ｂ等）を用い、２５℃にて、ローターＮｏ．４、回転数１．５ｒｐｍ～１２ｒｐｍで３０秒間回転させた後の測定値から、算出することができる。

本発明の油中水型乳化化粧料は、顔料を含有し、良好なメイクアップ効果、すなわち化粧料の発色、カバー力、ソフトフォーカス効果を奏し、さらに良好な保湿感を有し、乳化安定性および顔料分散性に優れる。

以下、本発明について、実施例によりさらに詳細に説明する。

［実施例１～３、比較例１～５］油中水型乳化化粧料
表１に示す処方に従い、（ａ）成分および（ｇ）成分を（ｆ）成分に添加して均一に混合し、８０℃に加熱して水相とした。一方、（ｄ）成分を（ｃ）成分に加えて均一に混合し、８０℃に加熱した。あらかじめ混合した（ｂ）成分および（ｅ）成分を、前記（ｄ）成分および（ｃ）成分の混合物に添加して分散させ、８０℃に加熱して油相とした。前記油相に前記水相を徐々に添加して乳化し、実施例１～３および比較例１～５の液状の油中水型乳化化粧料を調製した。
（ａ）成分としては、「アクアデュウＳＰＡ－３０Ｂ」（ポリアスパラギン酸ナトリウムの重量平均分子量＝３，０００～５，０００）（味の素株式会社）を用いた。表中の（ａ）成分の含有量は、ポリアスパラギン酸ナトリウム自体の含有量を示す。（ｂ）成分としては、レーザー回折／散乱法により測定される体積基準の平均粒子径が５μｍの真球状のナイロン－１２粉体（「ＳＰ－５００」、東レ株式会社製）を用いた。（ｃ）成分、（ｄ）成分、（ｅ）成分および（ｇ）成分としては、化粧料用として市販されている製品を用いた。また、（ｆ）成分としては精製水を用いた。
なお、表中の１，３－ブチレングリコールの含有量は、「アクアデュウＳＰＡ－３０Ｂ」（味の素株式会社）に由来して含有される含有量を含み、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・二水和物は、「アクアデュウＳＰＡ－３０Ｂ」（味の素株式会社）に由来して含有される成分である。

実施例１～３および比較例１～５の各油中水型乳化化粧料について、下記の通り、２５℃における粘度を測定し、化粧料の発色（明るさ）、カバー力、ソフトフォーカス効果、保湿感、乳化安定性および顔料の分散安定性を評価した。評価結果は、表１に併せて示した。

（１）２５℃における粘度
ブルックフィールド型粘度計（「ＤＶ Ｌ－Ｂ」、東京計器株式会社）を用い、２５℃にて、ローターＮｏ．４、回転数１．５ｒｐｍ～１２ｒｐｍで３０秒間回転させた後の測定値から、算出した。

（２）化粧料の発色（明るさ）
実施例および比較例の各乳化化粧料について、調製直後に測色色差計ＺＥ６０００（日本電色工業株式会社）を用い、反射測定、φ＝１０ｍｍの条件にてＬ値、ａ値およびｂ値を測定し、Ｌ値の測定値により、下記評価基準に従って評価した。
＜評価基準＞
Ｌ値が６５以上である；Ａ
Ｌ値が６３以上、６５未満である；Ｂ
Ｌ値が６１以上、６３未満である；Ｃ
Ｌ値が６１未満である；Ｄ

（３）カバー力
実施例および比較例の各乳化化粧料をそれぞれ０．１ｇ取り、２．５ｃｍ×６ｃｍの人工皮革（黒色）に、バーコーターで均一に塗り広げ、下記評価基準に従って、目視で評価した。
＜評価基準＞
非常にカバー力がある；Ａ
カバー力がある；Ｂ
ややカバー力がある；Ｃ
カバー力がない；Ｄ

（４）ソフトフォーカス効果
実施例および比較例の各乳化化粧料をそれぞれ０．１ｇ取り、２．５ｃｍ×６ｃｍの人工皮革（黒色）に、バーコーターで均一に塗り広げ、変角光度計（ゴニオフォトメーター）ＧＰ－２００（株式会社村上色彩技術研究所）を用いて下記の測定条件にて反射を測定し、受光角＝４５°での光強度を受光角＝０°での光強度で除して、心理的ツヤを表す指標値を算出した。
＜測定条件＞
（ｉ）入射角：－４５°
（ｉｉ）受光角：変角（－９０°～９０°）
（ｉｉｉ）ＣＯＡＳＥ：０５
（ｉｖ）Ｈ．Ｖ．：０３
（ｖ）ＶＳ１：２．０
（ｖｉ）ＶＳ３：４．０
算出された指標値から、下記評価基準に従い、ソフトフォーカス効果を評価した。
＜評価基準＞
心理的ツヤを表す指標値が１．６未満である；Ａ
心理的ツヤを表す指標値が１．６以上１．９未満である；Ｂ
心理的ツヤを表す指標値が１．９以上２．２未満である；Ｃ
心理的ツヤを表す指標値が２．２以上である；Ｄ

（５）保湿感
パネリストの手の甲に、実施例および比較例の各乳化化粧料それぞれ約０．１ｇを塗布させ、下記評価基準に従い、保湿感を評価させた。
＜評価基準＞
非常にしっとり感がある；Ａ
しっとり感がある；Ｂ
ややしっとり感がある；Ｃ
しっとり感がない；Ｄ

（６）乳化安定性
１年間の保存に相当する加速試験として、マイクロチューブに実施例および比較例の各乳化化粧料約１ｇを入れ、精秤して各乳化化粧料の重量を求めた後、小型遠心分離機（内径＝７．１８ｃｍ）にて２５℃で１５，０００ｒｐｍ、３０分間遠心分離し、離漿した上澄み液をマイクロピペットで回収し、その重量を測定した。前記上澄み液の重量を試験に供した乳化化粧料の重量で除して離水率（％）を求め、下記評価基準に従い、乳化安定性を評価した。
＜評価基準＞
離水率が２．５％未満である；Ａ
離水率が２．５％以上５．０％未満である；Ｂ
離水率が５．０％以上１０％未満である；Ｃ
離水率が１０％以上である；Ｄ

（７）顔料の分散安定性
１年間の保存に相当する加速試験として、マイクロチューブに実施例および比較例の各乳化化粧料約１ｇを入れ、小型遠心分離機（内径＝７．１８ｃｍ）にて２５℃で１５，０００ｒｐｍ、３０分間遠心分離し、マイクロチューブ内の乳化化粧料の状態（色）を観察し、下記評価基準に従い、顔料の分散安定性を評価した。
＜評価基準＞
マイクロチューブ内の上部から下部まで色が均一である；Ａ
マイクロチューブ内の上部または下部に色ムラが見られる；Ｂ
マイクロチューブ内の上部と下部で色がぼんやりと分かれている（色の境界線は不明瞭である）；Ｃ
マイクロチューブ内の上部と下部で色が明確に分かれている（色の境界線が明瞭に視認される）；Ｄ

表１に示されるように、（ａ）ポリアスパラギン酸ナトリウムを０．０９質量％～０．９質量％（遊離体換算で０．０７６質量％～０．７６質量％）、（ｂ）球状粉体としてナイロン－１２を含有する実施例１～３の各油中水型乳化化粧料については、いずれの評価項目においても「Ｃ」以上の評価が得られた。
これに対し、（ａ）ポリアスパラギン酸ナトリウムおよび（ｂ）ナイロン－１２を含有しない比較例１の油中水型乳化化粧料、ならびに（ｂ）ナイロン－１２を含有するが、（ａ）ポリアスパラギン酸ナトリウムを含有しない比較例５の乳化化粧料では、保湿感、乳化安定性および顔料の分散安定性について、「Ｄ」と評価された。また、（ａ）ポリアスパラギン酸ナトリウムを０．０９質量％～０．９質量％（遊離体換算で０．０７６質量％～０．７６質量％）含有するが、（ｂ）ナイロン－１２を含有しない比較例２～４の各油中水型乳化化粧料では、それぞれソフトフォーカス効果、カバー力および保湿感に欠けると評価された。
なお、実施例１～３の各油中水型乳化化粧料は、２５℃にて、約１００Ｐａ・ｓ～２００Ｐａ・ｓと適度な粘度を示した。

以上の結果から、（ｅ）顔料を含有する油中水型乳化化粧料において、化粧料の発色、カバー力、ソフトフォーカス効果等のメイクアップ効果および保湿感、ならびに乳化安定性および顔料の分散安定性に優れる乳化化粧料を得るには、（ａ）ポリアスパラギン酸またはその塩と（ｂ）球状粉体とをともに用いる必要性が示唆された。

［実施例４～１０］球状粉体の種類の影響の検討
上記実施例１において、（ｂ）成分であるナイロン－１２を表２に示す球状粉体に代えた他は、実施例１と同様の方法で油中水型乳化化粧料を製造し、実施例４～１０とした。なお、表２に示す球状粉体としては、化粧料用として提供されている市販の製品を用いた。
実施例４～１０の各油中水型乳化化粧料について、実施例１～３および比較例１～５の油中水型乳化化粧料の場合と同様に粘度を測定し、化粧料の発色（明るさ）、カバー力、ソフトフォーカス効果、保湿感、乳化安定性および顔料の分散安定性を評価した。結果は表２に併せて示した。

表２に示されるように、（ｂ）球状粉体として球状の無水ケイ酸を含有する実施例４～６の油中水型乳化化粧料、球状シリコーン粉体を含有する実施例７～９の油中水型乳化化粧料、および球状セルロースを含有する実施例１０の油中水型乳化化粧料において、化粧料の発色（明るさ）、カバー力、ソフトフォーカス効果、保湿感、乳化安定性および顔料の分散安定性のすべての評価項目において、「Ｃ」以上の良好な評価が得られた。
また、実施例４～１０の各油中水型乳化化粧料は、２５℃にて、約３００Ｐａ・ｓ～４００Ｐａ・ｓと適度な粘度を示した。
以上の結果から、（ｂ）球状粉体の種類によらず、（ａ）ポリアスパラギン酸またはその塩とともに油中水型乳化化粧料に含有されることにより、良好なメイクアップ効果および保湿感、ならびに良好な乳化安定性および顔料分散性が得られることが示唆された。

［実施例１１～１５］油性成分の種類の影響の検討
表３に示す処方に従い、上記実施例１～３の油中水型乳化化粧料の場合と同様に、実施例１１～１５の油中水型乳化化粧料を調製した。表３中の（ｃ）油性成分としては、化粧料用として提供されている市販の製品を用いた。
実施例１１～１５の各油中水型乳化化粧料について、実施例１～３および比較例１～５の油中水型乳化化粧料の場合と同様に粘度を測定し、化粧料の発色（明るさ）、カバー力、ソフトフォーカス効果、保湿感、乳化安定性および顔料の分散安定性を評価した。結果は表３に併せて示した。

表３に示されるように、本発明の実施例１１～１５の油中水型乳化化粧料では、含有される油性成分の種類にかかわらず、化粧料の発色（明るさ）、カバー力、ソフトフォーカス効果、保湿感、乳化安定性および顔料の分散安定性のすべての評価項目において、「Ｃ」以上の良好な評価が得られた。
また、実施例１１～１５の油中水型乳化化粧料は、２５℃にて、約３０Ｐａ・ｓ～４００Ｐａ・ｓと適度な粘度を示した。
以上の結果から、本発明の油中水型乳化化粧料では、油性成分の種類によらず、良好なメイクアップ効果および保湿感、ならびに良好な乳化安定性および顔料分散性が得られることが示唆された。

［実施例１６］乳化剤の種類の影響の検討
上記実施例１において、乳化剤をシリコーン系の界面活性剤であるポリオキシエチレン（１０Ｅ．Ｏ．）・ポリオキシプロピレン（１Ｐ．Ｏ．）変性セチルジメチルポリシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体（ＨＬＢ値＝４～６）に代えた他は同様にして、実施例１６の油中水型乳化化粧料を調製した。なお、前記シリコーン系の界面活性剤としては、化粧料用として提供されている市販の製品を用いた。
実施例１６の油中水型乳化化粧料について、実施例１～３および比較例１～５の油中水型乳化化粧料の場合と同様に粘度を測定し、化粧料の発色（明るさ）、カバー力、ソフトフォーカス効果、保湿感、乳化安定性および顔料の分散安定性を評価した。結果は表４に示した。

表４に示されるように、（ｄ）成分としてシリコーン系の界面活性剤を用いた場合にも、化粧料の発色（明るさ）、カバー力、ソフトフォーカス効果、保湿感、乳化安定性および顔料の分散安定性のすべての評価項目において、「Ａ」または「Ｂ」の良好な評価が得られ、２５℃にて、８５．６Ｐａ・ｓと適度な粘度を示した。
以上の結果より、本発明の油中水型乳化化粧料の調製において、（ｄ）成分として、シリコーン系の界面活性剤も好適に用い得ることが示唆された。

［実施例１７］顔料の種類の影響の検討
表５に示す処方に従い、上記実施例１～３の油中水型乳化化粧料の場合と同様に、実施例１７の油中水型乳化化粧料を調製した。表５中の顔料としては、化粧料用として提供されている市販の製品を用いた。
実施例１７の油中水型乳化化粧料について、実施例１～３および比較例１～５の油中水型乳化化粧料の場合と同様に粘度を測定し、化粧料の発色（明るさ）、カバー力、ソフトフォーカス効果、保湿感、乳化安定性および顔料の分散安定性を評価した。結果は表５に併せて示した。

表５に示されるように、顔料として、Ｎ－ステアロイル－Ｌ－グルタミン酸二ナトリウムにより表面処理された水酸化アルミニウム被覆酸化チタン、同表面処理水酸化アルミニウム被覆黄酸化鉄、同表面処理水酸化アルミニウム被覆ベンガラならびに同表面処理水酸化アルミニウム被覆黒酸化鉄を用いた場合にも、化粧料の発色（明るさ）、カバー力、ソフトフォーカス効果、保湿感、乳化安定性および顔料の分散安定性のすべての評価項目において、「Ａ」または「Ｂ」の良好な評価が得られ、２５℃にておいて、２３１．１Ｐａ・ｓと適度な粘度を示した。
以上の結果から、本発明の油中水型乳化化粧料において、種類の異なる疎水化処理顔料を用いた場合にも、良好なメイクアップ効果および保湿感が得られ、乳化安定性および顔料の分散安定性にも優れることが示唆された。

［実施例１８～２１］親水性または水溶性の化粧料用添加剤の種類の影響の検討
表６に示される処方に従い、実施例１～３の油中水型乳化化粧料の場合と同様に油中水型乳化化粧料を調製し、実施例１８～２１の油中水型乳化化粧料とした。なお、表６中の親水性または水溶性の化粧料用添加剤としては、化粧料用として提供されている市販の製品を用いた。
実施例１８～２１の各油中水型乳化化粧料について、実施例１～３および比較例１～５の油中水型乳化化粧料の場合と同様に粘度を測定し、化粧料の発色（明るさ）、カバー力、ソフトフォーカス効果、保湿感、乳化安定性および顔料の分散安定性を評価した。結果は表６に併せて示した。

表６に示されるように、（ｇ）親水性または水溶性の化粧料用添加剤として、ピロリドンカルボン酸塩を含有する実施例１８および１９の油中水型乳化化粧料、ならびに（ｇ）親水性または水溶性の化粧料用添加剤として、アルギニンを含有する実施例２０の油中水型乳化化粧料では、ソフトフォーカス効果が向上し、乳化安定性および顔料の分散安定性についても、「Ｃ」以上の評価が得られた。また、（ｇ）親水性または水溶性の化粧料用添加剤としてピロリドンカルボン酸塩、トリメチルグリシン、クエン酸塩およびアミノ酸またはその塩を含有し、ポリアスパラギン酸ナトリウムを０．２質量％（遊離体換算で０．１７質量％）含有する実施例２１の油中水型乳化化粧料では、ソフトフォーカス効果がやや低下する傾向が見られたものの、保湿感に優れ、乳化安定性および顔料の分散安定性は良好であると評価された。
なお、実施例１８～２１の油中水型乳化化粧料は、２５℃にて、約３０Ｐａ・ｓ～２００ｐａ・ｓの適度な粘度を示した。
以上の結果より、本発明の油中水型乳化化粧料において、（ｇ）親水性または水溶性の化粧料用添加剤としてピロリドンカルボン酸塩やアルギニンを添加することにより、ソフトフォーカス効果が向上する可能性が示唆された。
また、本発明の油中水型乳化化粧料において、（ｇ）親水性または水溶性の化粧料用添加剤としてピロリドンカルボン酸塩、トリメチルグリシン、クエン酸塩およびアミノ酸またはその塩を含有することにより、保湿感が向上することが示唆された。

以上、詳述したように、本発明により、顔料を含有する油中水型乳化化粧料であって、化粧料の発色、カバー力、ソフトフォーカス効果といったメイクアップ効果が良好で、さらに良好な保湿感を有し、乳化安定性および顔料分散性に優れる油中水型乳化化粧料を提供することができる。

Claims (13)

1. （ａ）ポリアスパラギン酸またはその塩、（ｂ）球状粉体、（ｃ）油性成分、（ｄ）親油性の界面活性剤、（ｅ）顔料および（ｆ）水を含有する、油中水型乳化化粧料。
2. （ａ）ポリアスパラギン酸またはその塩の含有量（Ｗ_ａ）が、遊離体に換算した含有量にて０．０１質量％～１質量％である、請求項１に記載の乳化化粧料。
3. （ｂ）球状粉体が、球状無水ケイ酸、球状シリコーン粉体、球状ナイロン粉体、球状セルロース粉体および球状ポリウレタン粉体からなる群より選択される１種以上である、請求項１または２に記載の乳化化粧料。
4. （ｂ）球状粉体の体積基準の平均粒子径が０．１μｍ～３０μｍである、請求項１～３のいずれか１項に記載の乳化化粧料。
5. （ｂ）球状粉体の含有量（Ｗ_ｂ）が０．１質量％～５質量％である、請求項１～４のいずれか１項に記載の乳化化粧料。
6. （ｃ）油性成分が、炭化水素、エステルおよびシリコーン油からなる群より選択される１種以上である、請求項１～５のいずれか１項に記載の乳化化粧料。
7. （ｃ）油性成分の含有量（Ｗ_ｃ）が５質量％～６０質量％である、請求項１～６のいずれか１項に記載の乳化化粧料。
8. （ｄ）親油性の界面活性剤が、Ｈｙｄｒｏｐｈｉｌｉｃ－Ｌｉｐｏｐｈｉｌｉｃ Ｂａｌａｎｃｅ（ＨＬＢ）値が３～６のグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン変性アルキルメチルポリシロキサン・ジメチルポリシロキサン共重合体からなる群より選択される１種以上である、請求項１～７のいずれか１項に記載の乳化化粧料。
9. （ｄ）親油性の界面活性剤の含有量（Ｗ_ｄ）が０．１質量％～１０質量％である、請求項１～８のいずれか１項に記載の乳化化粧料。
10. （ｅ）顔料が無機顔料である、請求項１～９のいずれか１項に記載の乳化化粧料。
11. さらに、（ｇ）親水性または水溶性の化粧料用添加剤を含有する、請求項１～１０のいずれか１項に記載の乳化化粧料。
12. （ｇ）親水性または水溶性の化粧料用添加剤が、（ｇ－１）アミノ酸およびその塩、（ｇ－２）炭素数が１～１０の脂肪族ヒドロキシカルボン酸およびその塩、（ｇ－３）多価アルコール、ならびに（ｇ－４）ベタインからなる群より選択される１種以上である、請求項１１に記載の乳化化粧料。
13. ２５℃における粘度が１０Ｐａ・ｓ以上である、請求項１～１２のいずれか１項に記載の乳化化粧料。