JP2023109054A - 農業用添加剤 - Google Patents

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JP2023109054A
JP2023109054A JP2022010431A JP2022010431A JP2023109054A JP 2023109054 A JP2023109054 A JP 2023109054A JP 2022010431 A JP2022010431 A JP 2022010431A JP 2022010431 A JP2022010431 A JP 2022010431A JP 2023109054 A JP2023109054 A JP 2023109054A
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明彦 中村
Akihiko Nakamura
純夫 田村
Sumio Tamura
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Nippon Paper Industries Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明は、より拡展性に優れ、良好な分散安定性を発揮できる農薬用添加剤を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、一般式(1)で表されるポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテル単量体(I)80~99重量%、一般式(2)で表される不飽和カルボン酸と(ポリ)アルキレングリコールのエステル化物単量体(II)0.1~10重量%、不飽和モノカルボン酸系単量体(III)0.1~20重量%、及び単量体(I)~(III)と共重合可能なその他の単量体(IV)0~18重量%の共重合体であり、単量体(II)が、一般式(2)中のn2が1~3である単量体(IIa)及び一般式(2)中のn2が4~100である単量体(IIb)を(IIa)/(IIb)=60/40~99/1の範囲で含む、ポリカルボン酸系共重合体またはその塩を含有する農薬用添加剤を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、農業用添加剤に関する。
ポリカルボン酸系共重合体又はその塩は、優れたセメント分散性、スランプ保持性を有し、セメント組成物の粘性を低く抑え施工性(ワーカビリティ)を向上させることができるため、セメント、石膏の分散剤として利用されている(例えば、特許文献1)。
一方、顆粒状の農薬製剤は、粉末状農薬製剤と比較して作業性が良いため、広く普及しつつある。顆粒状農薬製剤における重要な物理的性質として、崩壊性と拡散性を挙げることができる。崩壊性は、水中における粒の崩壊のしやすさの指標である。顆粒状農薬製剤は、水で希釈して散布液を調製する際、水中で速やかに顆粒が崩壊することが求められる。また、農薬は、水中で崩壊した後に広く散布されることが求められ、拡散性は、水中で遠くまで拡散する性能の指標である。また、農薬製剤の中には使用時に水でスラリー化させて使用されるものがある。この場合には、拡散性とともにスラリーの安定性が要求される。
例えば特許文献2には、(a)25℃で固体の農薬活性成分、(b)ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルまたはその塩、(c)アリールスルホン酸塩またはそのホルムアルデヒド縮合物、リグニンスルホン酸塩及びポリカルボン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、並びに、(d)乳糖を含有する顆粒状水和剤は、54℃において2週間保存後も水中崩壊性が悪化しないことが記載されている。また、特許文献3には、リグニン化合物に由来する構成単位と、ポリアルキレンオキシド鎖を有する化合物に由来し、フェノール水酸基量、アルキレンオキサイド付加モル数が所定範囲のリグニン誘導体が農薬の分散性を向上させることができることが記載されている。
特許第6343655号公報 国際公開第2014/133178号 国際公開第2021/066166号
しかしながら、特許文献2のような石油由来の薬剤では農地に想定外の土壌汚染などが発生することが懸念される。特許文献3のようなリグニン誘導体はかかる課題を解決できるものの、より拡展性に優れる高性能の農薬用添加剤が望まれている。
そこで、本発明では上記の課題を解決すべく、より拡展性に優れ、良好な分散安定性を発揮できる農薬用添加剤を提供することを目的とする。
本発明は以下の〔1〕~〔8〕を提供する。
〔1〕下記一般式(1)で表される単量体(I)80~99重量%、
下記一般式(2)で表される単量体(II)0.1~10重量%、
不飽和モノカルボン酸系単量体(III)0.1~20重量%、及び
単量体(I)~(III)と共重合可能なその他の単量体(IV)0~18重量%
の共重合体であり、
単量体(II)が、一般式(2)中のn2が1~3である単量体(IIa)及び一般式(2)中のn2が4~100である単量体(IIb)を含み、
単量体(IIa)及び単量体(IIb)の重量比率((IIa)/(IIb))が60/40~99/1の範囲である、
ポリカルボン酸系共重合体またはその塩を含有する農薬用添加剤。
Figure 2023109054000001
(式中、R1は、アリル基、メタリル基または3-メチル-3-ブテン-1-オールの残基を表す。A1Oは、同一若しくは異なって、炭素原子数2~18のオキシアルキレン基を表す。n1は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1~100の数を表す。
2は、水素原子または炭素原子数1~30の炭化水素基を表す。)
Figure 2023109054000002
(式中、R3、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1~3のアルキル基を表す。mは、0~2の数を表す。A2Oは、同一若しくは異なって、炭素原子数2~18のオキシアルキレン基を表す。n2は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1~100の数を表す。Xは、水素原子または炭素原子数1~30の炭化水素基を表す。)
〔2〕単量体(II)に由来する構造に対する単量体(III)に由来する構造の比率((II)/(III))が、35~99重量%である、〔1〕に記載の農薬用添加剤。
〔3〕単量体(III)が、アクリル酸又はその塩(IIIa)、並びに、メタクリル酸又はその塩(IIIb)を含む、〔1〕又は〔2〕に記載の農業用添加剤。
〔4〕アクリル酸又はその塩(IIIa)に由来する構造の、メタクリル酸又はその塩(IIIb)に由来する構造に対する比率((IIIa)/(IIIb)が、(99%~51%)/(1%~49%)である、〔3〕に記載の農薬用添加剤。
〔5〕重量平均分子量が10,000~50,000である、〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の農薬用添加剤。
〔6〕分子量分布が1.2~3.0である、〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の農薬用添加剤。
〔7〕顆粒状農薬用である、〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の農薬用添加剤。
〔8〕液体状農薬用である、〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の農薬用添加剤。
本発明によれば、より拡展性に優れ、良好な分散安定性を発揮できる農薬用添加剤が提供される。
(1.農薬用添加剤)
農薬用添加剤は、ポリカルボン酸系共重合体又はその塩を含有する。
(1.1 ポリカルボン酸系共重合体)
ポリカルボン酸系共重合体は、単量体(I)~(III)と、必要に応じて用いる単量体(IV)の共重合体である。ポリカルボン酸系共重合体は、単量体(I)に由来する構成単位、単量体(II)に由来する構成単位、単量体(III)に由来する構成単位、および必要に応じて含む単量体(IV)に由来する構成単位を有する。
-単量体(I)-
単量体(I)は、一般式(1):
Figure 2023109054000003
で表されるポリアルキレングリコールモノアルケニルエーテルである。
一般式(1)中のR1は、アリル基、メタリル基または3-メチル-3-ブテン-1-オールの残基であり、メタリル基または3-メチル-3-ブテン-1-オールの残基が好ましい。
一般式(1)中のA1Oは、同一若しくは異なって、炭素原子数2~18のオキシアルキレン基を表す。オキシアルキレン基としては、例えば、オキシエチレン基(エチレングリコール)、オキシプロピレン基(プロピレングリコール)、オキシブチレン基(ブチレングリコール)が挙げられ、オキシエチレン基(エチレングリコール)、オキシプロピレン基(プロピレングリコール)が好ましい。
1Oは、単量体中に複数含まれる場合(n1が2以上の場合)、各A1Oは同一でも、それぞれ異なる(2種以上の)オキシアルキレン基であってもよい。A1Oが複数含まれる例としては、オキシエチレン基(エチレングリコール)、オキシプロピレン基(プロピレングリコール)およびオキシブチレン基(ブチレングリコール)からなる群から選ばれる2以上のオキシアルキレン基が混在する態様が挙げられ、オキシエチレン基(エチレングリコール)とオキシプロピレン基(プロピレングリコール)とが混在する態様、またはオキシエチレン基(エチレングリコール)とオキシブチレン基(ブチレングリコール)とが混在する態様が好ましく、オキシエチレン基(エチレングリコール)とオキシプロピレン基(プロピレングリコール)とが混在する態様がより好ましい。異なるオキシアルキレン基が混在する態様において、2種類以上のオキシアルキレン基の付加は、ブロック状の付加でも、ランダム状の付加でもよい。
一般式(1)中のn1は、オキシアルキレン基の平均付加モル数である。n1は、1~100の数であり、好ましくは1~90、より好ましくは5~80、更に好ましくは15~70、更により好ましくは20~60である。本明細書において、平均付加モル数とは、単量体1モルに付加しているアルキレングリコール単位のモル数の平均値を意味する。
一般式(1)中のR2は、水素原子または炭素原子数1~30の炭化水素基であり、好ましくは水素原子または炭素原子数1~10の炭化水素基、より好ましくは水素原子または炭素原子数1~5の炭化水素基、更に好ましくは水素原子またはメチル基である。炭化水素基は、飽和および不飽和のいずれでもよく、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、飽和炭化水素基が好ましく、直鎖状の飽和炭化水素基がより好ましい。
単量体(I)の製造方法としては、例えば、アリルアルコール、メタリルアルコール、3-メチル-3-ブテン-1-オール等の不飽和アルコールにアルキレンオキサイドを1~80モル付加する方法が挙げられる。
単量体(I)としては、例えば、(ポリ)エチレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールアリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールメタリルエーテル、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールメタリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテルが挙げられる。単量体(I)としては、これらのうち1種若しくは2種以上を用いることができるが、親水性および疎水性のバランスから、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アリルエーテルを用いることが好ましい。前記単量体(I)の具体例においても、オキシアルキレン基(ポリアルキレングリコール)の平均付加モル数は1~70であることが好ましく、5~70であることがより好ましく、8~70であることが更に好ましい。なお、本明細書において「(ポリ)」は、その直後の置換基の数が1個または2個以上であることを意味する。
単量体(I)は1種類でも、2種類以上の組み合わせでもよい。
-単量体(II)-
単量体(II)は、下記一般式(2):
Figure 2023109054000004
で表される不飽和カルボン酸と(ポリ)アルキレングリコールのエステル化物である。
一般式(2)中のR3、R4およびR5は、それぞれ独立に水素原子または炭素原子数1~3のアルキル基を表す。
一般式(2)中のA2Oは、同一若しくは異なって、炭素原子数2~18のオキシアルキレン基を表す。該オキシアルキレン基としては、例えば、オキシエチレン基(エチレングリコール)、オキシプロピレン基(プロピレングリコール)、オキシブチレン基(ブチレングリコール)が挙げられ、オキシエチレン基(エチレングリコール)、オキシプロピレン基(プロピレングリコール)が好ましい。
一般式(2)中にA2Oが複数含まれる場合(n2が2以上の場合)、それぞれのA2Oが同一のオキシアルキレン基であってもよいし、異なる(2種類以上の)オキシアルキレン基であってもよい。一般式(2)中にA2Oが複数含まれる場合の態様としては、例えば、オキシエチレン基(エチレングリコール)、オキシプロピレン基(プロピレングリコール)およびオキシブチレン基(ブチレングリコール)からなる群から選ばれる2以上のオキシアルキレン基が混在する態様が挙げられ、オキシエチレン基(エチレングリコール)とオキシプロピレン基(プロピレングリコール)とが混在する態様、またはオキシエチレン基(エチレングリコール)とオキシブチレン基(ブチレングリコール)とが混在する態様が好ましく、オキシエチレン基(エチレングリコール)とオキシプロピレン基(プロピレングリコール)とが混在する態様がより好ましい。異なるオキシアルキレン基が混在する態様において、2種類以上のオキシアルキレン基の付加は、ブロック状の付加であってもよく、ランダム状の付加であってもよい。
一般式(2)中のn2は、オキシアルキレン基の平均付加モル数である。n2は、1~100の数であり、好ましくは1~50、より好ましくは5~50、更に好ましくは8~50である。
一般式(2)中のXは、水素原子または炭素原子数1~30の炭化水素基であり、水素原子または炭素原子数1~10の炭化水素基であることが好ましく、水素原子または炭素原子数1~5の炭化水素基がより好ましく、水素原子またはメチル基が更に好ましい。
単量体(II)としては、例えば、(メタ)アクリレート(以下、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレートまたはメタアクリレート」を意味する)等の不飽和モノカルボン酸と、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール、メトキシ(ポリ)エチレングリコール、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコールなどの(ポリ)アルキレングリコールとのエステル化物が挙げられる。具体的には、例えば、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)ブチレングリコール(メタ)アクリレートなどの、(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられ、(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートが好ましく、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレートがより好ましい。また、他の例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
-単量体(IIa)および(IIb)-
単量体(II)は、一般式(2)で表される単量体1種類でも、2種以上の組み合わせでもよく、2種以上の組み合わせが好ましい。2種以上の組み合わせは、オキシアルキレン基の平均付加モル数が異なる2種の単量体(IIa)及び(IIb)の組み合わせを少なくとも含むことが好ましい。
単量体(IIa)は、その平均付加モル数n2aが単量体(IIb)の平均付加モル数n2bよりも小さい単量体である。n2aは、通常、1~3、より好ましくは1~2、更に好ましくは1である。n2bは、通常、4~100、好ましくは6~100、より好ましくは6~50である。ポリカルボン酸系共重合体またはその塩(A)において、単量体(IIa)に由来する構造の(IIb)に由来する構造に対する比率((IIa)/(IIb))は、通常、60/40~99/1、好ましくは70/30~99/1、より好ましくは80/20~99/1である。上記比率は、通常、共重合体製造時の各単量体の添加量と同一である。
単量体(IIa)は、1種または2種以上の組み合わせでもよく、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。単量体(IIb)は、1種または2種以上の組み合わせでもよく、不飽和モノカルボン酸と(ポリ)アルキレングリコールとのエステル化物を含むことが好ましい。
-単量体(III)-
単量体(III)は、不飽和モノカルボン酸系単量体である。不飽和モノカルボン酸系単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のカルボン酸類、およびこれらの塩(例えば、一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩)が挙げられ、アクリル酸、メタクリル酸またはそれらの塩が好ましい。
単量体(III)がアクリル酸(塩)及びメタクリル酸(塩)の組み合わせを含む場合、ポリカルボン酸系共重合体またはその塩(A)において、アクリル酸(塩)(IIIa)に由来する構造のメタクリル酸(塩)(IIIb)に由来する構造に対する比率((IIIa)/(IIIb):IIIaとIIIbの合計100重量%)は、好ましくは(99%~51%)/(1%~49%)、より好ましくは(99%~60%)/(1%~40%)、さらに好ましくは(99%~70%)/(80%~30%)、更により好ましくは(99%~80%)/(1%~20%)又は(99%~90%)/(1%~10%)である。上記比率は、通常、共重合体製造時の各単量体の添加量と同一である。
単量体(III)は1種類であってもよいし、2種類以上の組み合わせであってもよい。
-単量体(IV)-
単量体(IV)は、単量体(I)、(II)および(III)からなる群より選ばれる少なくとも1つの単量体と共重合可能な単量体であり、単量体(I)~(III)を含まない。
単量体(IV)としては、例えば、以下の化合物、及びこれらの2種以上の組み合わせが挙げられる:
4,4’-ジヒドロキシジフェニルプロパン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンの3及び3’位アリル置換物等の下記一般式(IV-1)で示されるジアリルビスフェノール類;
Figure 2023109054000005
4,4’-ジヒドロキシジフェニルプロパン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホンの3位アリル置換物等の下記一般式(IV-2)で示されるモノアリルビスフェノール類;
Figure 2023109054000006
下記一般式(IV-3)で示されるアリルフェノール;
Figure 2023109054000007
マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1~30のアルコールとのハーフエステル、ジエステル類;
上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1~30のアミンとのハーフアミド、ジアミド類;
上記アルコール又はアミンに、炭素原子数2~18のアルキレンオキシドを1~500モル付加させたアルキル(ポリ)アルキレングリコールと、上記不飽和ジカルボン酸類との、ハーフエステル、ジエステル類;
上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数2~18のグリコール又はこれらのグリコールの付加モル数2~500のポリアルキレングリコールとのハーフエステル、ジエステル類;
マレアミド酸と炭素原子数2~18のグリコール又はこれらのグリコールの付加モル数2~500のポリアルキレングリコールとのハーフアミド類;
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類;
トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類;
ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2-(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3-(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3-(メタ)アクリロキシ-2-ヒドロキシプロピルスルホネート、3-(メタ)アクリロキシ-2-ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3-(メタ)アクリロキシ-2-ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4-(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2-メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びに、それらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩;
メチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1~30のアミンとのアミド類;
スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、p-メチルスチレン等のビニル芳香族類;
1,4-ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート類;
ブタジエン、イソプレン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2-クロル-1,3-ブタジエン等のジエン類;
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;
(メタ)アクリロニトリル、α-クロロアクリロニトリル等の不飽和シアン類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エステル類;
(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、ビニルピリジン等の不飽和アミン類;
ジビニルベンゼン等のジビニル芳香族類;
トリアリルシアヌレート等のシアヌレート類;
(メタ)アリルアルコール、グリシジル(メタ)アリルエーテル等のアリル類;
メトキシポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル等のビニルエーテル或いはアリルエーテル類;
ポリジメチルシロキサンプロピルアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサンアミノプロピレンアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサン-ビス-(プロピルアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン-ビス-(ジプロピレンアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン-(1-プロピル-3-アクリレート)、ポリジメチルシロキサン-(1-プロピル-3-メタクリレート)、ポリジメチルシロキサン-ビス-(1-プロピル-3-アクリレート)、ポリジメチルシロキサン-ビス-(1-プロピル-3-メタクリレート)等のシロキサン誘導体。
-他の単量体-
ポリカルボン酸系共重合体またはその塩を得る際には、必要に応じて、単量体(I)~(IV)以外の単量体を用いてもよい。 すなわち、ポリカルボン酸系共重合体またはその塩は、単量体(I)~(IV)以外の単量体に由来する構成単位を含んでもよい。
-単量体の比率-
ポリカルボン酸系共重合体を得る際の、単量体(I)の使用量は、通常、80~99重量%、好ましくは85~98重量%、より好ましくは90~97重量%である。単量体(II)の使用量は、通常、0.1~10重量%、好ましくは0.5~8重量%、より好ましくは1~5重量%である。単量体(III)の使用量は、通常、0.1~20重量%又は0.1~10重量%、好ましくは0.5~8重量%、より好ましくは1~5重量%である。単量体(IV)の使用量は、通常、0~18重量%、好ましくは0~15重量%、より好ましくは0~12重量%である。なお、上記使用量は、単量体(I)~(IV)の使用量を100重量%としたときの値である。
ポリカルボン酸系共重合体またはその塩(A)において、単量体(I)に由来する構造に対する単量体(II)に由来する構造の比率((II)/(I))は、好ましくは0.01~20重量%、より好ましくは0.1~18重量%、更に好ましくは0.3~15重量%である。単量体(I)に由来する構造に対する単量体(III)に由来する構造の比率((III)/(I))は、好ましくは0.1~25重量%、より好ましくは1~15重量%、更に好ましくは3~10重量%である。単量体(I)に由来する構造に対する単量体(IV)に由来する構造の比率((IV)/(I))は、好ましくは0~22重量%、より好ましくは0~20重量%であり、更に好ましくは0~15重量%である。単量体(II)に由来する構造に対する単量体(III)に由来する構造の比率((II)/(III))は、通常35重量%以上、好ましくは40重量%以上、より好ましくは45重量%以上である。上限は、99重量%以下であればよく、通常、95重量%以下又は90重量%以下、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下である。したがって、通常、35~99重量%、好ましくは40~95重量%、より好ましくは40~95重量%、更に好ましくは40~80重量%、更により好ましくは40~70重量%である。上記比率は、通常、共重合体製造時の各単量体の添加量と同一である。
-重合率-
各単量体の重合率は、好ましくは55%以上、より好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上、更により好ましくは80%以上である。ポリカルボン酸系共重合体またはその塩には、上記単量体の共重合により得られる未反応の各単量体、重合時又は各単量体製造時の副生成物(例えば、両末端基が水素原子である水溶性ポリアルキレングリコール(単量体(I)由来の副生成物)、単量体(I)~(IV)から選ばれる1又は2種の(共)重合体、単量体(I)~(IV)から選ばれる3種の(I~IIIのいずれかを欠く)共重合体)が含まれていてもよい。
(1.2 ポリカルボン酸系共重合体の塩)
ポリカルボン酸系共重合体は塩の形態でもよい。塩としては例えば、上記共重合体の一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩が挙げられる。
(1.3 ポリカルボン酸系共重合体又はその塩の製造方法)
ポリカルボン酸系共重合体またはその塩の製造方法は、上記単量体を共重合する方法であればよい。該方法としては、例えば、溶媒中での重合、塊状重合などの重合方法が挙げられる。
溶媒中での重合において使用される溶媒としては、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;シクロヘキサン、n-ヘキサンなどの脂肪族炭化水素;酢酸エチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類などが挙げられる。原料単量体および得られる共重合体の溶解性の面から、水および低級アルコールからなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましく、その中でも水を用いることがより好ましい。
溶媒中で共重合を行う場合は、各単量体と重合開始剤を各々反応容器に連続滴下してもよいし、各単量体の混合物と重合開始剤を各々反応容器に連続滴下してもよい。また、反応容器に溶媒を仕込み、単量体と溶媒の混合物と、重合開始剤溶液を各々反応容器に連続滴下してもよいし、単量体の一部または全部を反応容器に仕込み、重合開始剤を連続滴下してもよい。
共重合に使用し得る重合開始剤は、水溶媒中で共重合を行う際には例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩;t-ブチルハイドロパーオキサイドなどの水溶性有機過酸化物が挙げられる。この際、亜硫酸水素ナトリウム、モール塩などの促進剤を併用することもできる。また、低級アルコール、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、エステル類あるいはケトン類等の溶媒中で共重合を行う際には、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイドなどのパーオキサイド;クメンパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;アゾビスイソブチロニトリルなどの芳香族アゾ化合物などが重合開始剤として使用できる。この際、アミン化合物などの促進剤を併用することもできる。さらに、水-低級アルコール混合溶剤中で共重合を行う場合には、前述の重合開始剤あるいは重合開始剤と促進剤との組合せの中から適宜選択して使用することができる。重合温度は、用いる溶媒、重合開始剤の種類等重合条件によって適宜異なるが、通常50~120℃の範囲で行われる。
共重合においては、必要に応じて連鎖移動剤を用いて分子量を調整できる。使用される連鎖移動剤としては、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、チオグリコール酸オクチル、および、2-メルカプトエタンスルホン酸などの既知のチオール系化合物;亜リン酸、次亜リン酸、およびその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸、およびその塩(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜二チオン酸ナトリウム、亜二チオン酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム等)の低級酸化物およびその塩が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。さらに、ポリカルボン酸系共重合体またはその塩(A)の分子量調整のためには、それぞれを得るための単量体として、さらに連鎖移動性の高い単量体(V)を用いることも有効である。連鎖移動性の高い単量体(V)としては、例えば(メタ)アリルスルホン酸(塩)系単量体が挙げられる。単量体(V)の配合率は、ポリカルボン酸系共重合体またはその塩(A)において、通常は20重量%以下であり、10重量%以下であることが好ましい。なお、上記配合率は、(A)については単量体(I)の配合率+単量体(II)由来の配合率+単量体(III)の配合率+単量体(IV)の配合率=100重量%としたときの配合率である。
共重合体を得る際に水溶媒中で共重合する場合、重合時のpHは通常不飽和結合を有する単量体の影響で強酸性となるが、これを適当なpHに調整してもよい。重合の際にpHの調整が必要な場合は、リン酸、硫酸、硝酸、アルキルリン酸、アルキル硫酸、アルキルスルホン酸、(アルキル)ベンゼンスルホン酸などの酸性物質を用いてpHの調整を行うことができる。これら酸性物質の中では、pH緩衝作用がある点等から、リン酸を用いることが好ましい。しかし、エステル系の単量体が有するエステル結合の不安定さを解消するためには、pH2~7で重合を行うことが好ましい。また、pHの調整に用い得るアルカリ性物質に特に限定はないが、NaOH、Ca(OH)2などのアルカリ性物質が一般的である。pH調整は、重合前の単量体に対して行ってもよいし、重合後の共重合体溶液に対して行ってもよい。また、これらは重合前に一部のアルカリ性物質を添加して重合を行った後、さらに共重合体に対してpH調整を行ってもよい。
(1.5 ポリカルボン酸系共重合体又はその塩の物性)
-重量平均分子量-
ポリカルボン酸系共重合体またはその塩の重量平均分子量は、好ましくは、10,000以上、より好ましくは15,000以上、更に好ましくは20,000以上である。これにより、農薬用添加剤として分散性を良好に向上させることができる。上限は、好ましくは50,000以下、より好ましくは40,000以下、更に好ましくは35,000以下である。これにより、凝集を抑制でき、作業性の低下を回避できる。したがって、好ましくは、10,000~50,000、より好ましくは15,000~40,000、更に好ましくは20,000~35,000である。
-Mw/Mn-
ポリカルボン酸系共重合体またはその塩の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.2~3.0、より好ましくは1.4~2.5、更に好ましくは1.5~2.0が好ましい。
なお、本発明における重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)にてポリエチレングリコール換算する公知の方法にて測定できる。
GPCの測定条件の例として以下の条件が挙げられる。なお、後段の実施例における重量平均分子量は、この条件で測定した値である。
測定装置;東ソー製
使用カラム;Shodex Column OH-pak SB-806HQ、SB-804HQ、SB-802.5HQ
溶離液;0.05mM硝酸ナトリウム/アセトニトリル 8/2(v/v)
標準物質;ポリエチレングリコール(東ソー製、GLサイエンス製)
検出器;示差屈折計(東ソー製)
検量線;ポリエチレングリコール基準
(2.農薬用添加剤)
農薬用添加剤は、上述のポリカルボン酸系共重合体またはその塩(少なくとも1種)を有効成分として含有する。これにより、水面拡展性、分散性を発揮でき、農薬用添加剤の機能成分を液体培地(例えば、水田、水耕栽培用の水)に効率よく分散させることができる。
(2.1 農薬用添加剤の対象(機能成分))
機能成分としては、例えば農薬、肥料の有効成分が挙げられる。農薬としては、例えば、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤及び殺バクテリア剤、その他有害生物を防除・駆除できる成分を含む薬剤が挙げられる。
(2.2 任意成分)
農薬用添加剤は、必要に応じて、ポリカルボン酸系共重合体及びその塩以外の成分(任意成分)を含んでもよい。任意成分としては、例えば、賦形剤、着色剤、防腐剤、pH調節剤、安定剤、崩壊剤、担体、結合剤、pH調整剤、消泡剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の任意成分(製剤用助剤)が挙げられる。任意成分の使用量は、リグニン誘導体又は組成物に対し通常、0~30重量%である。
(2.3 剤型・製法)
農薬用添加剤の剤型としては、例えば、顆粒状、粒状、液体状が挙げられ、特に限定されない。顆粒状、粒状であることにより、散布が容易となり得る。また、液体状であることにより、機能成分との混合が容易となり、混合後にスラリーを安定化させることができる。農薬用添加剤は、機能成分とともに製剤化してもよいし、別途製剤化してもよい。農薬用添加剤の製造方法は、剤型に従って適切な方法を適宜選択できる。
(2.4 使用量・使用方法)
農薬用添加剤の、機能成分への添加量は、有効量であればよく、例えば、機能成分を含む農薬又は肥料製剤全量に対し、ポリカルボン酸系共重合体またはその塩の量として、0.01~10重量%、好ましくは0.1~5重量%、より好ましくは0.1~10重量%、更に好ましくは0.2~3重量%である。農薬用添加剤が機能成分と別個の製剤の場合、他の成分(例えば、顆粒状農薬製剤)にそのまま配合してもよいし、水に溶解した後添加してもよい。例えば機能成分を水にスラリー化して使用する際に、スラリーに農業用添加剤を添加することにより、スラリーの安定化、拡散効率の向上を両立できる。
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中特に断りの無い限り%は重量%を、また、部は重量部を示す。
実施例1
温度計、攪拌装置、還流装置、滴下装置を備えたガラス反応容器に、水99.3部、3-メチル-3-ブテン-1-オールのエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの平均付加モル数57個)100部を投入し攪拌下で40℃に昇温した。その後、30%過酸化水素水溶液を1.6部添加した後、アクリル酸6.0部、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数25個)0.6部、ヒドロキシプロピルアクリレート10.3部及び水30.4部を混合したモノマー水溶液と、L-アスコルビン酸0.2部、3-メルカプトプロピオン酸0.7部及び水29.2部の混合液とを、各々2時間で、40℃に保持した反応容器に連続滴下した。滴下終了後、温度を保持した状態でさらに1時間反応した。
その後反応容器を60℃に昇温した後1時間反応後、冷却することにより共重合体の水溶液を得た。液中の共重合体は、共重合体(1)(重量平均分子量22,300、Mw/Mn1.54)であった。
実施例2
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管および滴下装置を備えたガラス反応容器に、水273.6部、3-メチル-3-ブテン-1-オールのエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの平均付加モル数25個)276部を投入し攪拌下で反応容器を窒素置換し、窒素雰囲気下で40℃に昇温した。その後、30%過酸化水素水溶液を6.1部添加した後、アクリル酸21.5部、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数25個)3.3部、ヒドロキシプロピルアクリレート29.9部及び水71.9部を混合したモノマー水溶液と、L-アスコルビン酸0.7部、3-メルカプトプロピオン酸2.4部及び水101.9部の混合液とを、各々2時間で、40℃に保持した反応容器に連続滴下した。滴下終了後、温度を保持した状態でさらに3時間反応した。
その後反応容器を60℃に昇温した後1時間反応後、冷却することにより共重合体の水溶液を得た。液中の共重合体は、共重合体(2)(重量平均分子量22,200、Mw/Mn1.87)であった。
実施例3
温度計、攪拌装置、還流装置、滴下装置を備えたガラス反応容器に、水1048.3部、3-メチル-3-ブテン-1-オールのエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの平均付加モル数57個)1056.0部を投入し攪拌下で40℃に昇温した。その後、30%過酸化水素水溶液を19.3部添加した後、アクリル酸63.4部、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数25個)6.4部、ヒドロキシプロピルアクリレート143.1部及び水286.0部を混合したモノマー水溶液と、L-アスコルビン酸2.1部、3-メルカプトプロピオン酸7.8部及び水390.1部の混合液とを、各々2時間で、40℃に保持した反応容器に連続滴下した。滴下終了後、温度を保持した状態でさらに1時間反応した。
その後反応容器を60℃に昇温した後1時間反応後、冷却することにより共重合体の水溶液を得た。液中の共重合体は、共重合体(3)(重量平均分子量25,500、Mw/Mn1.53)であった。
実施例4
温度計、攪拌装置、還流装置、滴下装置を備えたガラス反応容器に、水1073.2部、3-メチル-3-ブテン-1-オールのエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの平均付加モル数57個)1080.0部を投入し攪拌下で40℃に昇温した。その後、30%過酸化水素水溶液を16.9部添加した後、アクリル酸58.3部、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数25個)6.5部、ヒドロキシプロピルアクリレート111.2部及び水244.8部を混合したモノマー水溶液と、L-アスコルビン酸1.9部、3-メルカプトプロピオン酸6.8部及び水391.3部の混合液とを、各々2時間で、40℃に保持した反応容器に連続滴下した。滴下終了後、温度を保持した状態でさらに1時間反応した。
その後反応容器を60℃に昇温した後1時間反応後、冷却することにより共重合体の水溶液を得た。液中の共重合体は、共重合体(4)(重量平均分子量30,800、Mw/Mn1.66)であった。
実施例5
温度計、攪拌装置、還流装置、滴下装置を備えたガラス反応容器に、水1072.7部、メタリルアルコールのエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの平均付加モル数53個)1080.0部を投入し攪拌下で40℃に昇温した。その後、30%過酸化水素水溶液を18.3部添加した後、アクリル酸64.8部、メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数25個)6.5部、ヒドロキシプロピルアクリレート122.9部及び水268.8部を混合したモノマー水溶液と、L-アスコルビン酸2.0部、3-メルカプトプロピオン酸7.4部及び水390.6部の混合液とを、各々2時間で、40℃に保持した反応容器に連続滴下した。滴下終了後、温度を保持した状態でさらに1時間反応した。
その後反応容器を60℃に昇温した後1時間反応後、冷却することにより共重合体の水溶液を得た。液中の共重合体は、共重合体(5)(重量平均分子量28,600、Mw/Mn1.57)であった。
比較例1
温度計、攪拌装置、還流装置、窒素導入管及び滴下装置を備えたガラス反応容器に、水291部、及びポリエチレングリコールモノアリルエーテル(エチレンオキサイドの平均付加モル数10)7部を投入し、攪拌しながら反応容器を窒素置換した。窒素雰囲気下で100℃に昇温した後、メタクリル酸4部、アクリル酸0.1部、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレンオキサイドの平均付加モル数25個)22部、ヒドロキシプロピルアクリレート36部、及び水33部を混合したモノマー水溶液と、過硫酸アンモニウム1部、及び水44部の混合液とを、各々2時間で、100℃に保持した反応容器に連続滴下した。滴下終了後、温度を100℃に保持した状態でさらに1時間反応させることにより共重合体の水溶液を得た。この液を30%NaOH水溶液でpH4に調整し、共重合体(6)(重量平均分子量22,000、Mw/Mn2.10)を得た。
Figure 2023109054000008
(表1中の注釈)
MA:メタアクリル酸
AA:アクリル酸
HPEG:式(1)の化合物(メタリルアルコールのエチレンオキサイド付加物:Rがメタリル基、Aがエチル基、n1が53、Rが水素原子)
TPEG:式(1)の化合物(3-メチル-3-ブテン-1-オールのエチレンオキサイド付加物:Rが3-メチル-3-ブテン-1-オール基、Aがエチル基、n1が25又は57、Rが水素原子)
HPA:式(2)の化合物(2-ヒドロキシプロピルアクリレート:R、R、Rが水素原子、mが0、Aがプロピル基(-CHCH(CH)-)、n2が1、Xが水素原子)
MPEG-MA:式(2)の化合物(R、Rが水素原子、Rがメチル基、mが0、Aがエチル基、n2が25、Xが水素原子)
PEG-AL:式(1)の化合物(メトキシポリエチレングリコールメタアクリレート:ポリエチレングリコールモノアリルエーテル:Rがアリル基、Aがエチル基、n1が10、Rが水素原子)
BMPA:β-メルカプトプロピオン酸(3-メルカプトプロピオン酸)
(濡れ性試験)
ステアリン酸カルシウムを精密天秤で0.1g計量し、錠剤成型機に入れて20MPa×1分の条件で圧密化成型し、ステアリン酸カルシウム成型シートを得た(最終重量0.09±0.002g)。長方形バット(縦10cm、横40cm)のプラスチック容器に硬度0.4の蒸留水を十分に張り、作成したステアリン酸カルシウム成型シートをプラスチック容器中央付近の水面に一塊となるように浮かべた。
その後、サンプル水溶液(濃度0.1重量%)をプラスチック容器の端部に静かに滴下しステアリン酸カルシウム成型シートの水面上の拡散能力(成型シートの、サンプル滴下前の位置から滴下後に移動した位置までの距離:拡展距離(cm))を測定した(表2)。
Figure 2023109054000009
比較例1と比べて、実施例1~5のサンプルは拡展距離が長く、高い拡展性を発現したことが分かった(表2)。この結果は、本発明の農薬用添加剤が良好な拡展性、分散安定性を示すことができることを示している。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される単量体(I)80~99重量%、
    下記一般式(2)で表される単量体(II)0.1~10重量%、
    不飽和モノカルボン酸系単量体(III)0.1~20重量%、及び
    単量体(I)~(III)と共重合可能なその他の単量体(IV)0~18重量%
    の共重合体であり、
    単量体(II)が、一般式(2)中のn2が1~3である単量体(IIa)及び一般式(2)中のn2が4~100である単量体(IIb)を含み、
    単量体(IIa)及び単量体(IIb)の重量比率((IIa)/(IIb))が60/40~99/1の範囲である、
    ポリカルボン酸系共重合体またはその塩を含有する農薬用添加剤。
    Figure 2023109054000010
    (式中、R1は、アリル基、メタリル基または3-メチル-3-ブテン-1-オールの残基を表す。A1Oは、同一若しくは異なって、炭素原子数2~18のオキシアルキレン基を表す。n1は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1~100の数を表す。
    2は、水素原子または炭素原子数1~30の炭化水素基を表す。)
    Figure 2023109054000011
    (式中、R3、R4およびR5は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1~3のアルキル基を表す。mは、0~2の数を表す。A2Oは、同一若しくは異なって、炭素原子数2~18のオキシアルキレン基を表す。n2は、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1~100の数を表す。Xは、水素原子または炭素原子数1~30の炭化水素基を表す。)
  2. 単量体(II)に由来する構造に対する単量体(III)に由来する構造の比率((II)/(III))が、35~99重量%である、請求項1に記載の農薬用添加剤。
  3. 単量体(III)が、アクリル酸又はその塩(IIIa)、並びに、メタクリル酸又はその塩(IIIb)を含む、請求項1又は2に記載の農業用添加剤。
  4. アクリル酸又はその塩(IIIa)に由来する構造の、メタクリル酸又はその塩(IIIb)に由来する構造に対する比率((IIIa)/(IIIb)が、(99%~51%)/(1%~49%)である、請求項3に記載の農薬用添加剤。
  5. 重量平均分子量が10,000~50,000である、請求項1~4のいずれか1項に記載の農薬用添加剤。
  6. 分子量分布が1.2~3.0である、請求項1~5のいずれか1項に記載の農薬用添加剤。
  7. 顆粒状農薬用である、請求項1~6のいずれか1項に記載の農薬用添加剤。
  8. 液体状農薬用である、請求項1~6のいずれか1項に記載の農薬用添加剤。
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