JP2023109014A - 配管部材、及び、雨樋システム - Google Patents

配管部材、及び、雨樋システム Download PDF

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舞 西本
Mai Nishimoto
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Abstract

Figure 2023109014000001
【課題】サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる、配管部材及び雨樋システムを提供する。
【解決手段】配管部材5は、雨水の排水にサイフォン現象を利用する雨樋システム1の竪樋3の一部を構成する。配管部材5は、竪樋3の流路30の少なくとも一部を規定する直管部51と、直管部51に結合されて流路30に配置される吐出部52と、を備える。吐出部52は、直管部51より流路面積が小さい開口521と、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導するガイド面522と、を有する。
【選択図】図1

Description

本開示は、配管部材、及び、雨樋システムに関する。
特許文献1は、雨樋システムを開示する。特許文献1に開示された雨樋システムは、軒樋と、竪樋と、軒樋よりも下流側に配置され、竪樋の上端部に連なる接続継手と、縮径部を有し竪樋に設けられたサイフォン継手と、を備える。
特開2021-124005号公報
特許文献1の雨樋システムでは、縮径部が圧力損失を生じさせ、縮径部の直下において乱流が発生し、よってサイフォン現象がサイフォン継手で途切れるような構成である。
本開示は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる、配管部材及び雨樋システムを提供する。
本開示の一態様にかかる配管部材は、雨水の排水にサイフォン現象を利用する雨樋システムの竪樋の一部を構成する配管部材であって、竪樋の流路の少なくとも一部を規定する直管部と、直管部に結合されて流路に配置される吐出部と、を備える。吐出部は、直管部より流路面積が小さい開口と、開口を通過する雨水を直管部の中心軸に近付く向きに誘導するガイド面と、を有する。
本開示の一態様にかかる雨樋システムは、上記の配管部材を有し、建物からの雨水の落とし口に接続される竪樋と、落とし口に配置されるドレンと、を備える。
本開示の態様は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる
実施の形態1にかかる、配管部材を備える雨樋システムの構成例の概略図 図1の配管部材の構成例の斜視図 図2の配管部材の断面図 図2の配管部材の作用の説明図 図1の雨樋システムによる排水の説明図 実施の形態2にかかる、配管部材を備える雨樋システムの構成例の概略図 図6の雨樋システムによる排水の説明図 変形例1の配管部材の構成例の断面図 変形例2の配管部材の構成例の断面図 変形例3の配管部材の構成例の断面図 変形例4の配管部材の構成例の断面図 変形例5の配管部材の構成例の断面図 変形例6の配管部材の構成例の断面図 変形例7の配管部材の構成例の断面図 変形例8の配管部材の構成例の断面図 変形例9の配管部材の構成例の断面図 変形例10の配管部材を備える雨樋システムの構成例の概略図 変形例11の配管部材の構成例の断面図
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。以下の実施の形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、各要素の寸法比率は図面に図示された比率に限られるものではない。
[1.実施の形態]
[1.1 実施の形態1]
[1.1.1 構成]
図1は、実施の形態1にかかる雨樋システム1の構成例の概略図である。雨樋システム1は、建物11の屋根11aからの雨水を受けて、地面20のます部21に流す。ます部21に集められた雨水は、ます部21から埋設管22を通って雨水管に流れ出る。建物11は、例えば、店舗、オフィス、工場、ビル、学校、福祉施設又は病院等の非住宅施設、及び戸建住宅、集合住宅、又は戸建住宅若しくは集合住宅の各住戸等の住宅施設の建物である。非住宅施設には、劇場、映画館、公会堂、遊技場、複合施設、百貨店、ホテル、旅館、幼稚園、図書館、博物館、美術館、地下街、駅及び空港等も含む。
図1の雨樋システム1は、軒樋2と、竪樋3と、ドレン4とを備える。
軒樋2は、建物11の屋根11aからの雨水を受ける。軒樋2は、建物11の屋根11aの下に設置される。軒樋2は、長尺の桶状である。図1の軒樋2は、底壁2aを有する。底壁2aに落とし口2bがある。
ドレン4は、軒樋2の落とし口2bに配置される。ドレン4は、落とし口2bでの渦の発生及び空気の巻き込みを低減する。ドレン4は、サイフォン現象の発生に寄与し得る。ドレン4は、周知の構成であってよい。
竪樋3は、落とし口2bから雨水を排水するために設置される。竪樋3は、落とし口2bからの雨水を垂直に流すための流路30を備える。図1の竪樋3では、流路30には、軒樋2とは別の軒樋からの枝管等は接続されていない。つまり、竪樋3は、流路30に、落とし口2bとは別の落とし口からの雨水が流入しないように構成されている。
竪樋3は、上流側の端部3aと下流側の端部3bとを有する。上流側の端部3aは、竪樋3において落とし口2bに接続される端部(図1での上端部)である。図1では、竪樋3は落とし口2bに直接的に接続される。つまり、落とし口2bから雨水が竪樋3の流路30内の垂直に落下して、ます部21内に流入する。下流側の端部3bは、竪樋3において、ます部21に挿入される端部(図1での下端部)である。図1では、竪樋3とます部21との隙間からます部21内に雨水が流入しないように排水管カバー34が配置される。
図1では、竪樋3は、控金具33a,33b,33cにより建物11の壁面11bに固定される。なお、地面20から竪樋3の上端までの距離[mm]、竪樋3の上端から一番上の控金具33aまでの距離[mm]、地面20から一番下の控金具33cまでの距離[mm]、一般に、200mm以上300mm以下である。控金具33a,33b,33c間のピッチ[mm]は、一般に、800mm以上1200mm以下であり、一定の場合には1000mm以下とされる。竪樋3と壁面11bとの間の距離は、一般に、30mm以上100mm以下である。
図1の竪樋3は、第1縦管31と、第2縦管32と、配管部材5と、を備える。
第1縦管31は、竪樋3の流路30の一部を構成する。本実施の形態では、第1縦管31の内側面31aで囲まれる内部空間が、竪樋3の流路30の一部となる。本実施の形態では、第1縦管31は、竪樋3の上流側の部分である。第1縦管31は、直管状である。第1縦管31の管軸に直交する断面は円形状である。第1縦管31の材料は、硬質ポリ塩化ビニルである。第1縦管31の寸法、例えば、外形と厚さは、JIS K 6741「硬質ポリ塩化ビニル管」の硬質ポリ塩化ビニル管(一般)の規格に沿って設定されてよい。第1縦管31は、建物11の壁面11bに、第1縦管31の管軸の方向が上下方向(鉛直方向)に一致するように固定される。第1縦管31の上端部が、竪樋3の上流側の端部3aである。
第2縦管32は、竪樋3の流路30の一部を構成する。本実施の形態では、第2縦管32の内側面32aで囲まれる内部空間が、竪樋3の流路30の一部となる。第2縦管32の内部空間が、竪樋3の流路30の一部となる。第2縦管32は、竪樋3の下流側の部分である。第2縦管32は、直管状である。第2縦管32の管軸に直交する断面は円形状である。第2縦管32の材料は、硬質ポリ塩化ビニルである。第2縦管32の寸法、例えば、外形と厚さは、JIS K 6741「硬質ポリ塩化ビニル管」の硬質ポリ塩化ビニル管(一般)の規格に沿って設定されてよい。第2縦管32は、建物11の壁面11bに、第2縦管32の管軸の方向が上下方向(鉛直方向)に一致するように固定される。第2縦管32の下端部が、竪樋3の下流側の端部3bである。端部3bは、竪樋3において大気に解放される部分でもある。
図1の竪樋3において、第1縦管31の径(内径及び外径)と第2縦管32の径(内径及び外径)とは等しい。つまり、同じ呼び径に対応する管材が、第1縦管31及び第2縦管32に利用可能である。
配管部材5は、雨水の排水にサイフォン現象を利用する雨樋システム1の竪樋3の一部を構成する。配管部材5は、雨樋システム1においてサイフォン現象による作用を安定的に促進させるために設けられる。図1の竪樋3では、配管部材5は、第1縦管31と第2縦管32との間にある。図1の配管部材5は、管材同士を接続するソケットであり得る。竪樋3における配管部材5の位置は、雨水の排水時のサイフォン現象の発生の度合いを考慮して、適宜設定される。
図1の配管部材5は、直管部51と、吐出部52と、を備える。以下、図2及び図3を参照して配管部材5について更に説明する。図2は、配管部材5の構成例の斜視図である。図3は、配管部材5の断面図である。
直管部51は、竪樋3の流路30の少なくとも一部を規定する。本実施の形態では、直管部51の内側面510で囲まれる直管部51の内部空間が、竪樋3の流路30の一部となる。図2から明らかなように、直管部51の中心軸C1に直交する断面は円形状である。直管部51の中心軸C1は直管部51の管軸でもある。直管部51の材料は、硬質ポリ塩化ビニルである。直管部51の寸法、例えば、外形と厚さは、JIS K 6741「硬質ポリ塩化ビニル管」の硬質ポリ塩化ビニル管(一般)の規格に沿って設定されてよい。直管部51は、直管部51の中心軸C1の方向が上下方向(鉛直方向)に一致するように配置される。
図3に示すように、直管部51は、中心軸C1の方向において、第1端部51a及び第2端部51bと、第1端部51a及び第2端部51bの間の中間部51cと、を有する。
第1端部51aは、竪樋3の上流側に向けられる。図3に示すように、第1端部51aは、第1縦管31の下端部に接続される。本実施の形態では、第1端部51aの外形サイズは、中間部51cの外形サイズより小さく、第1縦管31の内部に挿入可能な大きさである。中心軸C1の方向での第1端部51aの長さは、配管部材5と第1縦管31との接続が安定するように適宜設定されてよい。図3に示すように、第2端部51bは、第2縦管32の上端部に接続される。本実施の形態では、第2端部51bの外形サイズは、中間部51cの外形サイズより小さく、第2縦管32の内部に挿入可能な大きさである。本実施の形態では、第2端部51bの外形サイズは、第1端部51aの外形サイズに等しい。中心軸C1の方向での第2端部51bの長さは、配管部材5と第2縦管32との接続が安定するように適宜設定されてよい。図3では、第1端部51a、第2端部51b及び中間部51cの内形サイズは等しい。
図2及び図3に示すように、直管部51は、第1端部51aに開口511を有する。本実施の形態では、開口511が、配管部材5の流入口を規定する。したがって、竪樋3では、第1縦管31からの雨水が、直管部51の流入口である開口511から直管部51の内部空間に入る。
図2に示すように、直管部51は、マーク51dを有する。マーク51dは、配管部材5の設置の向きを示す。図2のマーク51dは矢印であり、配管部材5の設置の際には、マーク51dが示す矢印が上向きになるように、配管部材5を設置する。図2のマーク51dは、第1端部51aの外面に配置されている。第1縦管31に配管部材5を接続した際には、マーク51dは第1縦管31で隠される。マーク51dは、人の知覚によって認識可能な、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合であってよい。
吐出部52は、直管部51に結合されて流路30に配置される。本実施の形態では、図3に示すように、吐出部52は、直管部51の第2端部51bにある。本実施の形態では、吐出部52は、直管部51と一体的に形成されることで、直管部51に結合される。吐出部52の材料は、直管部51と同様に硬質ポリ塩化ビニルである。
図2及び図3に示すように、吐出部52は、隔壁部53と、ガイド部54とを備える。
隔壁部53は、直管部51の内側面510から直管部51の中心軸C1側に延びる。隔壁部53は、厚みが一様な板状である。隔壁部53は、開口521を有する。これにより、開口521は、直管部51内に位置する。つまり、吐出部52は、開口521が直管部51内に位置するように直管部51に結合される。
本実施の形態では、開口521は、隔壁部53の中央にある。直管部51の中心軸C1の方向から見て、隔壁部53は、円環状である。開口521は、直管部51より流路面積が小さい。本実施の形態では、直管部51の中心軸C1に直交する平面において、開口521及び直管部51の内部空間は、いずれも円形状である。本実施の形態では、開口521の内径D2は、直管部51の内径D1より小さい。図2に示すように、本実施の形態では、開口521の中心O1は、直管部51の中心軸C1上にある。図3に示すように、本実施の形態では、開口521の縁はR形状である。
ガイド部54は、隔壁部53の開口521の縁から竪樋3の下流側、例えば、直管部51の第1端部51aから第2端部51bに向かう方向に突出する。ガイド部54は、開口521の全周を囲う。本実施の形態において、ガイド部54は、中空の錐台状である。錐台は、錐体から、この錐体と頂点を共有し相似に縮小した錐体を取り除いて得られる形状である。直管部51の中心軸C1に直交する面内でのガイド部54の外周形状及び内周形状は円形状である。直管部51の中心軸C1に直交する面内でのガイド部54の外周形状及び内周形状は、直管部51の第1端部51aから第2端部51bに向かって小さくなる。
本実施の形態では、ガイド部54の内周面が、開口521を通過する雨水に対するガイド面522として機能する。ガイド面522は、直管部51の内側を向いている。「直管部51の内側を向いている」とは、ガイド面522が、直管部51の中心軸C1に対向することをいう。ガイド面522は、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導する。本実施の形態では、ガイド面522は、開口521から竪樋3の下流側に向かうほど直管部51の中心軸C1に近付く。本実施の形態において、ガイド面522の傾斜は一定である。つまり、直管部51の中心軸C1に直交する面内でのガイド面522と中心軸C1との距離の、開口521からの距離に対する増分は一定である。
吐出部52は、ガイド部54における開口521とは反対側に開口523を有する。本実施の形態では、開口523が、配管部材5の流出口を規定する。したがって、竪樋3では、配管部材5からの雨水が、配管部材5の流出口である開口523から第2縦管32に進入する。本実施の形態では、開口523の内径D3は、開口521の内径D2より小さい。
次に、配管部材5の作用について説明する。図4は、配管部材5の作用の説明図である。雨水Wが落とし口2bから竪樋3に流入し始めた段階では、雨水Wは、竪樋3の管壁(図4では、第1縦管31の内側面31a)に沿って竪樋3内を落下する。つまり、一般的にサイフォン現象が発生してない時の雨水Wの流れは、落とし口2bから竪樋3の管壁に沿って落下し、配管部材5の吐出部52に至る。
上述したように、配管部材5は、竪樋3の第1縦管31と第2縦管32との間にある。配管部材5は、竪樋3の流路30内に配置される吐出部52を備える。吐出部52は、開口521と、ガイド面522とを有する。
開口521は、直管部51より流路面積が小さい。流路面積の減少は、雨水Wの流速の増加を引き起こし得る。したがって、吐出部52は、開口521により、雨水Wの流速を増加させて、ガイド面522に向かわせる。
ガイド面522は、開口521を通過する雨水Wを直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導する。したがって、吐出部52は、ガイド面522により、開口521を通過した雨水Wを竪樋3の中心軸C1に収束させる。この点から、吐出部52は、雨水Wを収束させる収束部であるともいえる。
上述したように、雨水Wが落とし口2bから竪樋3に流入し始めた段階では、雨水Wは、竪樋3の内面に沿って竪樋3内を落下するから、竪樋3内の空気が中心軸C1側に集まって空気層が発生する。空気層は竪樋3内が満水状態になることを阻害する一因になる。しかしながら、配管部材5では、吐出部52が雨水Wを竪樋3の中心軸C1側に向かわせる。これによって、雨水Wが空気層に積極的にぶつかることとなり、空気が竪樋3から押し出され、竪樋3内の空気層の量が減少する。さらに、雨水Wが空気抵抗を受けるから、吐出部52より下方において雨水Wの流速が低下し得る。これによって、竪樋3における吐出部52より下流側が、竪樋3における吐出部52より上流側よりも満水状態となりやすくなる。つまり、吐出部52は、雨水Wを竪樋3内の空気層に積極的にぶつけることで、竪樋3から空気層を押し出して、竪樋3における吐出部52と竪樋3の下流側の端部3bとの間の空間を満水状態にし得る。特に、開口521により雨水Wの流速が増加されることで、雨水Wを空気層に強くぶつけることができて、空気層の減少が促進される。本実施の形態では、満水状態は、厳密な意味で使用されておらず、満水状態と同等とみなせる程度に水で満たされた状態(満水状態に近い状態)も含む。
配管部材5が吐出部52を有することによって、雨樋システム1の竪樋3に満水状態となった領域を意図的に生み出すことができる。図5は、雨樋システム1による排水の説明図である。図5に示すように、配管部材5は、竪樋3における、吐出部52の位置HPと下流側の端部3bの位置LPとの間の領域を、満水状態とし得る。
サイフォン現象の発生の一要因としては、鉛直方向からみた水面の上端と下端の位置エネルギの差がある。位置エネルギの差が大きいほど、サイフォン現象における流速の向上により、流量が増大すると考えられる。図5の場合、竪樋3において満水状態になった領域の鉛直方向での長さ、つまり、鉛直方向での吐出部52の位置HPと下流側の端部3bの位置LPとの間の距離H1が長いほど、吐出部52での負圧が増加し、サイフォン現象による吸引力を増加させることができ得る。その結果、配管部材5は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができ得る。
図1の雨樋システム1では、竪樋3が落とし口2bに直接的に接続されているため、落とし口2bからの雨水は、竪樋3の流路30内を自由落下する。しかしながら、配管部材5は、吐出部52を有していることによって、竪樋3の流路30内を落下する雨水の速度を制御することができる。これによって、竪樋3でサイフォン現象が発生する条件を満たすことが可能となる。吐出部52は、雨水を収束して吐出部52より下方の空気層にぶつけるため、吐出部52より下流側での満水状態を安定的に作り出すことができて、サイフォン現象による作用を安定化できる。特に、吐出部52を設けることで、竪樋3の管径を小さくしなくて済み、竪樋3の排水性能自体を大幅に低下させなくて済む。
竪樋3における配管部材5の位置は、竪樋3の管径、竪樋3を通過する雨水の量、雨樋システム1の設置環境及びその他の種々の条件に応じて、適宜設定され得る。例えば、竪樋3における配管部材5の位置は、雨樋システム1の設置場所において想定される雨水の量を考慮して、所望の位置エネルギの差が得られるように、設定されてよい。例えば、竪樋3における配管部材5の位置は、距離H1が所望の位置エネルギの差が得られる値となるように、設定されてよい。
[1.1.2 効果等]
以上述べた配管部材5は、雨水の排水にサイフォン現象を利用する雨樋システム10の竪樋3の一部を構成する。配管部材5は、竪樋3の流路30の少なくとも一部を規定する直管部51と、直管部51に結合されて流路30に配置される吐出部52と、を備える。吐出部52は、直管部51より流路面積が小さい開口521と、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導するガイド面522と、を有する。この態様は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
配管部材5において、ガイド面522は、開口521から竪樋3の下流側に向かうほど直管部51の中心軸C1に近付く。この構成は、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導しやすくなり、サイフォン現象による作用を更に安定的に促進させることができる。
配管部材5において、直管部51の中心軸C1の方向におけるガイド面522の長さは、竪樋3における吐出部52より下流側が竪樋3における吐出部52より上流側よりも先に満水状態となるように設定される。この構成は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
配管部材5において、開口521の縁はR形状である。この構成は、開口521の縁での損失を低減できる。
配管部材5において、開口521の中心O1は、直管部51の中心軸C1上にある。この構成は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
以上述べた雨樋システム1は、配管部材5を有し、建物11からの雨水の落とし口2bに接続される竪樋3と、落とし口2bに配置されるドレン4と、を備える。この構成は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
雨樋システム1において、竪樋3は、落とし口2bに直接的に接続される。この構成は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
[1.2 実施の形態2]
[1.2.1 構成]
図6は、実施の形態2にかかる雨樋システム10の構成例の概略図である。雨樋システム10は、建物110の屋根11aからの雨水を受けて、地面20のます部21に流す。ます部21に集められた雨水は、ます部21から埋設管22を通って雨水管に流れ出る。建物110は、建物11と同様、例えば、店舗、オフィス、工場、ビル、学校、福祉施設又は病院等の非住宅施設、及び戸建住宅、集合住宅、又は戸建住宅若しくは集合住宅の各住戸等の住宅施設の建物である。非住宅施設には、劇場、映画館、公会堂、遊技場、複合施設、百貨店、ホテル、旅館、幼稚園、図書館、博物館、美術館、地下街、駅及び空港等も含む。
建物110は、実施の形態1で説明した建物11よりも軒が長い。建物110では、落とし口2bに竪樋3を直接的に接続すると、竪樋3と建物110の壁面11bとの距離が大きくなり、竪樋3の施工基準を満たさなくなる。本実施の形態の雨樋システム10は、軒が長い建物110に適した構造を有する。図6の雨樋システム10は、軒樋2と、竪樋3と、ドレン4と、呼び樋6と、第1エルボ7aと、第2エルボ7bと、補助竪樋8と、を備える。
図6の雨樋システム10の軒樋2、竪樋3及びドレン4は、図1の雨樋システム1の軒樋2、竪樋3及びドレン4と同様である。
雨樋システム10では、竪樋3は、落とし口2bに直接的に接続されていない。雨樋システム10では、竪樋3は、呼び樋6、第1エルボ7a及び第2エルボ7bを介して、落とし口2bに接続される。
呼び樋6は、落とし口2bから竪樋3に建物110からの雨水を流すための部分である。呼び樋6は、建物110からの雨水の落とし口2bと竪樋3との間にある。呼び樋6は、直管状である。呼び樋6の管軸に直交する断面は円形状である。呼び樋6の材料は、硬質ポリ塩化ビニルである。図6の呼び樋6は、呼び樋6の管軸の方向が上下方向(鉛直方向)に対して傾斜するように固定される。
呼び樋6は、上流側の端部6aと下流側の端部6bとを有する。上流側の端部6aは、呼び樋6において落とし口2bに接続される端部(図6での上端部)である。下流側の端部6bは、呼び樋6において竪樋3に接続される端部(図6での下端部)である。呼び樋6は、円筒状である。呼び樋6の材料は、硬質ポリ塩化ビニルである。呼び樋6の寸法、例えば、外形と厚さは、JIS K 6741「硬質ポリ塩化ビニル管」の硬質ポリ塩化ビニル管(一般)の規格に沿って設定されてよい。
第1エルボ7aは、呼び樋6の上流側の端部6aを落とし口2bに接続する。第1エルボ7aは、必ずしも呼び樋6の上流側の端部6aを落とし口2bに直接的に接続する部材ではなく、呼び樋6の上流側の端部6aを落とし口2bに他の部材を介して間接的に接続する部材であってよい。第1エルボ7aの材料は、例えば、硬質ポリ塩化ビニルである。第1エルボ7aは、竪樋3及び呼び樋6等の管材を第1エルボ7aに接続するための受け口71a,72aを有する。受け口71a,72aの中心軸間の角度は、例えば、JIS K 6739「排水用硬質ポリ塩化ビニル管継手」で規定される91.17°である。第1エルボ7aの管軸を含む平面での、第1エルボ7aの内周側及び外周側の角部は、R形状ではなくほぼ直角形状である。
第2エルボ7bは、呼び樋6の下流側の端部6bを竪樋3の上流側の端部3aに接続する。第2エルボ7bは、必ずしも呼び樋6の下流側の端部6bを竪樋3の上流側の端部3aに直接的に接続する部材ではなく、呼び樋6の下流側の端部6bを竪樋3の上流側の端部3aに他の部材を介して間接的に接続する部材であってよい。第2エルボ7bの材料は、例えば、硬質ポリ塩化ビニルである。第2エルボ7bは、竪樋3及び呼び樋6等の管材を第2エルボ7bに接続するための受け口71b,72bを有する。受け口71b,72bの中心軸間の角度は、例えば、JIS K 6739「排水用硬質ポリ塩化ビニル管継手」で規定される91.17°である。第2エルボ7bの管軸を含む平面での、第2エルボ7bの内周側及び外周側の角部は、R形状ではなくほぼ直角形状である。
第1エルボ7aの寸法及び第2エルボ7bの寸法は、例えば、JIS K 6739「排水用硬質ポリ塩化ビニル管継手」の規格に沿って設定されてよい。第1エルボ7a及び第2エルボ7bの少なくとも一方は、JIS K 6739で規定される90°曲がりエルボであってよい。
補助竪樋8は、落とし口2bから第1エルボ7aに建物110からの雨水を垂直に流すための部分である。補助竪樋8は、落とし口2bと第1エルボ7aとの間にある。補助竪樋8は、直管状である。補助竪樋8の管軸に直交する断面は円形状である。補助竪樋8の材料は、硬質ポリ塩化ビニルである。補助竪樋8の寸法、例えば、外形と厚さは、JIS K 6741「硬質ポリ塩化ビニル管」の硬質ポリ塩化ビニル管(一般)の規格に沿って設定されてよい。図6の補助竪樋8は、落とし口2bと第1エルボ7aとの間に、補助竪樋8の管軸の方向が上下方向(鉛直方向)に一致するように配置される。
補助竪樋8は、上流側の端部8aと下流側の端部8bとを有する。上流側の端部8aは、補助竪樋8において落とし口2bに接続される端部(図6での上端部)である。下流側の端部8bは、補助竪樋8において、第1エルボ7aに接続される端部(図6での下端部)である。
図6の雨樋システム10においても、竪樋3は、第1縦管31と、第2縦管32と、配管部材5と、を備える。配管部材5は、実施の形態1と同様に、直管部51と、吐出部52とを備える。配管部材5が吐出部52を有することによって、雨樋システム10の竪樋3に満水状態となった領域を意図的に生み出すことができる。
図6の雨樋システム10では、第2エルボ7bにおいて、A1で示す部位において、空隙が発生しやすい。つまり、第2エルボ7bにおいて、満水状態が生じにくい。しかしながら、吐出部52は、竪樋3における吐出部52より下流側を竪樋3における吐出部52より上流側よりも先に満水状態とするから、竪樋3を満水状態にするにあたってA1で示す部位での空隙の発生の影響を受けにくい。
図7は、雨樋システム10による排水の説明図である。図7に示すように、配管部材5は、竪樋3における、吐出部52の位置HPと下流側の端部3bの位置LPとの間の領域を、満水状態とし得る。
サイフォン現象の発生の一要因としては、鉛直方向からみた水面の上端と下端の位置エネルギの差がある。位置エネルギの差が大きいほど、サイフォン現象における流速の向上により、流量が増大するすると考えられる。図7の場合も、竪樋3において満水状態になった領域の鉛直方向での長さ、つまり、鉛直方向での吐出部52の位置HPと下流側の端部3bの位置LPとの間の距離H1が長いほど、吐出部52での負圧が増加し、サイフォン現象による吸引力を増加させることができ得る。その結果、配管部材5は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができ得る。
竪樋3における配管部材5の位置は、竪樋3の管径、竪樋3を通過する雨水の量、雨樋システム10の設置環境及びその他の種々の条件に応じて、適宜設定され得る。例えば、竪樋3における配管部材5の位置は、雨樋システム10の設置場所において想定される雨水の量を考慮して、所望の位置エネルギの差が得られるように、設定されてよい。例えば、竪樋3における配管部材5の位置は、距離H1が所望の位置エネルギの差が得られる値となるように、設定されてよい。
[1.2.2 効果等]
以上述べた配管部材5は、雨水の排水にサイフォン現象を利用する雨樋システム10の竪樋3の一部を構成する。配管部材5は、竪樋3の流路30の少なくとも一部を規定する直管部51と、直管部51に結合されて流路30に配置される吐出部52と、を備える。吐出部52は、直管部51より流路面積が小さい開口521と、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導するガイド面522と、を有する。この態様は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
配管部材5において、ガイド面522は、開口521から竪樋3の下流側に向かうほど直管部51の中心軸C1に近付く。この構成は、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導しやすくなり、サイフォン現象による作用を更に安定的に促進させることができる。
配管部材5において、直管部51の中心軸C1の方向におけるガイド面522の長さは、竪樋3における吐出部52より下流側が竪樋3における吐出部52より上流側よりも先に満水状態となるように設定される。この構成は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
配管部材5において、開口521の縁はR形状である。この構成は、開口521の縁での損失を低減できる。
配管部材5において、開口521の中心O1は、直管部51の中心軸C1上にある。この構成は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
以上述べた雨樋システム10は、配管部材5を有し、建物110からの雨水の落とし口2bに接続される竪樋3と、落とし口2bに配置されるドレン4と、を備える。この構成は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
雨樋システム10は、落とし口2bと竪樋3との間にある呼び樋6と、呼び樋6の上流側の端部6aを落とし口2bに接続する第1エルボ7aと、呼び樋6の下流側の端部6bを竪樋3の上流側の端部3aに接続する第2エルボ7bと、を更に備える。この構成は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
[2.変形例]
本開示の実施の形態は、上記実施の形態に限定されない。上記実施の形態は、本開示の課題を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施の形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
[2.1 変形例1]
図8は、変形例1の配管部材5Aの構成例の断面図である。図8の配管部材5Aは、直管部51と、吐出部52Aとを備える。吐出部52Aは、隔壁部53Aと、ガイド部54とを有する。
隔壁部53Aは、直管部51の内側面510から直管部51の中心軸C1側に延びる。隔壁部53Aは、開口521を有する。開口521は、直管部51の中心軸C1の方向から見て、隔壁部53Aの中央にある。直管部51の中心軸C1の方向から見て、隔壁部53Aは、円環状である。隔壁部53Aは、直管部51の内側面510から直管部51の中心軸C1側に向かうほど、直管部51の中心軸C1の方向での寸法が小さくなる。図8では、隔壁部53Aにおける直管部51の第1端部51a側の面が、直管部51の中心軸C1に対して傾斜したテーパ面524である。つまり、テーパ面524は、直管部51の内側面510から開口521に向かって直管部51の中心軸C1に対して直交せずに交差する方向に延びる。図8では、隔壁部53Aにおける直管部51の第2端部51b側の面が、直管部51の中心軸C1に対して直交する平面である。
このように、図8の配管部材5Aでは、吐出部52Aは、直管部51の内側面510から開口521に向かって直管部51の中心軸C1に対して直交せずに交差する方向に延びるテーパ面524を、更に有する。テーパ面524は、吐出部52Aの開口521による圧力損失を低下させ得る。図3の配管部材5では開口521による圧力損失が大きすぎる場合には、図8の配管部材5Aのようにテーパ面524を設けることで、圧力損失を所望のレベルにまで低下させることが可能となる。つまり、テーパ面524の中心軸C1に対する角度及びテーパ面524の形状を適宜設定することによって、吐出部52Aの開口521による圧力損失の調整が可能である。
図8の吐出部52Aにおいても、ガイド面522は、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導する。したがって、吐出部52Aは、ガイド面522により、開口521を通過した雨水を収束させる。吐出部52Aにより収束された雨水は、竪樋3の中央の空気層に当たる。これによって、雨水が空気層に積極的にぶつかることとなり、空気が竪樋3から押し出され、竪樋3内の空気層の量が減少する。さらに、雨水が空気抵抗を受けるから、吐出部52Aより下方において雨水の流速が低下し得る。そのため、竪樋3における吐出部52Aと竪樋3の下流側の端部3bとの間の空間を満水状態にし得る。
以上述べた配管部材5Aは、雨水の排水にサイフォン現象を利用する雨樋システムの竪樋の一部を構成する。配管部材5A、竪樋の流路の少なくとも一部を規定する直管部51と、直管部51に結合されて流路に配置される吐出部52Aと、を備える。吐出部52Aは、直管部51より流路面積が小さい開口521と、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導するガイド面522と、を有する。この構成は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
配管部材5Aにおいて、吐出部52Aは、直管部51の内側面510から開口521に向かって直管部51の中心軸C1に直交せずに交差する方向に延びるテーパ面524を、更に有する。この構成は、開口521による圧力損失を低減できる。
配管部材5Aは、配管部材5の代わりに、図1の雨樋システム1又は図6の雨樋システム10に適用でき得る。
[2.2 変形例2]
図9は、変形例2の配管部材5Bの構成例の断面図である。図9の配管部材5Bは、直管部51と、吐出部52Bとを備える。吐出部52Bは、吐出部52と同様に、隔壁部53と、ガイド部54とを有するが、吐出部52とは直管部51に対する位置が異なる。
図9の吐出部52Bは、直管部51に結合されて流路30に配置される。本変形例では、図9に示すように、吐出部52Bは、直管部51の中間部51cにある。本変形例では、吐出部52Bは、直管部51と一体的に形成されることで、直管部51に結合される。
図9の配管部材5Bでは、直管部51は、第1端部51aに開口511を有し、第2端部51bに開口512を有する。本変形例では、開口511が、配管部材5Bの流入口を規定する。本変形例では、吐出部52Bの開口523ではなく、直管部51の開口512が、配管部材5Bの流出口を規定する。
図9の吐出部52Bにおいても、ガイド面522は、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導する。したがって、吐出部52Bは、ガイド面522により、開口521を通過した雨水を収束させる。吐出部52Bにより拡散された雨水は、竪樋3の中央の空気層に当たる。これによって、雨水が空気層に積極的にぶつかることとなり、空気が竪樋3から押し出され、竪樋3内の空気層の量が減少する。さらに、雨水が空気抵抗を受けるから、吐出部52Bより下方において雨水の流速が低下し得る。そのため、竪樋3における吐出部52Bと竪樋3の下流側の端部3bとの間の空間を満水状態にし得る。
以上述べた配管部材5Bは、雨水の排水にサイフォン現象を利用する雨樋システムの竪樋の一部を構成する。配管部材5B、竪樋の流路の少なくとも一部を規定する直管部51と、直管部51に結合されて流路に配置される吐出部52Bと、を備える。吐出部52Bは、直管部51より流路面積が小さい開口521と、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導するガイド面522と、を有する。この構成は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
配管部材5Bは、配管部材5の代わりに、図1の雨樋システム1又は図6の雨樋システム10に適用でき得る。
[2.3 変形例3]
図10は、変形例3の配管部材5Cの構成例の断面図である。図10の配管部材5Cは、直管部51と、吐出部52Cとを備える。吐出部52Cは、吐出部52Bと同様に、直管部51の中間部51cにあるが、吐出部52Bとは形状が異なる。
吐出部52Cは、直管部51に結合されて流路30に配置される。図10に示すように、吐出部52Cは、直管部51の中間部51cにある。吐出部52Cは、直管部51と一体的に形成されることで、直管部51に結合される。
吐出部52Cは、直管部51の内側面510から直管部51の中心軸C1側に延びる。吐出部52Cは、厚みが一様な板状である。吐出部52Cは、貫通孔525を有する。貫通孔525は、直管部51の第1端部51a側の開口521と、直管部51の第2端部51b側の開口523とを有する。直管部51の中心軸C1に直交する面内での貫通孔525の内周形状は、開口521から開口523に向かって小さくなる。これによって、貫通孔525の内側面が、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導するガイド面522を含む。
本変形例では、貫通孔525は、直管部51の中心軸C1の方向から見て、吐出部52Cの中央にある。貫通孔525は、直管部51の中心軸C1の方向から見て、円形状である。貫通孔525は、開口521から開口523に向かって内径が小さくなる部位を含む。これによって、貫通孔525の内側面は、ガイド面522を含む。本変形例では、開口521の内径D2は、直管部51の内径D1より小さい。開口523の内径D3は、開口521の内径D2より小さい。本変形例では、開口521の縁はR形状である。
なお、図10の配管部材5Cの吐出部52Cは、図9の配管部材5Bの吐出部52Bと比較すれば、図9の吐出部52Bにおいて、ガイド部54と直管部51の内側面510との間の隙間が埋められた形状であるともいえる。
図10の配管部材5Cでは、直管部51は、第1端部51aに開口511を有し、第2端部51bに開口512を有する。本変形例では、開口511が、配管部材5Cの流入口を規定し、開口512が、配管部材5Cの流出口を規定する。
図10の吐出部52Cにおいても、ガイド面522は、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導する。したがって、吐出部52Cは、ガイド面522により、開口521を通過した雨水を収束させる。吐出部52Cにより拡散された雨水は、竪樋3の中央の空気層に当たる。これによって、雨水が空気層に積極的にぶつかることとなり、空気が竪樋3から押し出され、竪樋3内の空気層の量が減少する。さらに、雨水が空気抵抗を受けるから、吐出部52Cより下方において雨水の流速が低下し得る。そのため、竪樋3における吐出部52Cと竪樋3の下流側の端部3bとの間の空間を満水状態にし得る。
以上述べた配管部材5Cは、雨水の排水にサイフォン現象を利用する雨樋システムの竪樋の一部を構成する。配管部材5C、竪樋の流路の少なくとも一部を規定する直管部51と、直管部51に結合されて流路に配置される吐出部52Cと、を備える。吐出部52Cは、直管部51より流路面積が小さい開口521と、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導するガイド面522と、を有する。この構成は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
配管部材5Cは、配管部材5の代わりに、図1の雨樋システム1又は図6の雨樋システム10に適用でき得る。
[2.4 変形例4]
図11は、変形例4の配管部材5Dの構成例の断面図である。図11の配管部材5Dは、直管部51と、吐出部52Dとを備える。吐出部52Dは、吐出部52と同様に、隔壁部53と、ガイド部54とを有するが、吐出部52とは直管部51に対する位置が異なる。
図11の吐出部52Dは、直管部51に結合されて流路30に配置される。本変形例では、図11に示すように、吐出部52Dは、直管部51の第1端部51aにある。本変形例では、吐出部52Dは、直管部51と一体的に形成されることで、直管部51に結合される。
図11の配管部材5Dでは、吐出部52Dの開口521が、配管部材5Dの流入口を規定する。図11の配管部材5Dでは、直管部51は、第2端部51bに開口512を有する。本変形例では、吐出部52Dの開口523ではなく、直管部51の開口512が、配管部材5Dの流出口を規定する。
図11の吐出部52Dにおいても、ガイド面522は、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導する。したがって、吐出部52Dは、ガイド面522により、開口521を通過した雨水を収束させる。吐出部52Dにより収束された雨水は、竪樋3の中央の空気層に当たる。これによって、雨水が空気層に積極的にぶつかることとなり、空気が竪樋3から押し出され、竪樋3内の空気層の量が減少する。さらに、雨水が空気抵抗を受けるから、吐出部52Dより下方において雨水の流速が低下し得る。そのため、竪樋3における吐出部52Dと竪樋3の下流側の端部3bとの間の空間を満水状態にし得る。
以上述べた配管部材5Dは、雨水の排水にサイフォン現象を利用する雨樋システムの竪樋の一部を構成する。配管部材5D、竪樋の流路の少なくとも一部を規定する直管部51と、直管部51に結合されて流路に配置される吐出部52Dと、を備える。吐出部52Dは、直管部51より流路面積が小さい開口521と、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導するガイド面522と、を有する。この構成は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
配管部材5Dは、配管部材5の代わりに、図1の雨樋システム1又は図6の雨樋システム10に適用でき得る。
[2.5 変形例5]
図12は、変形例5の配管部材5Eの構成例の断面図である。図12の配管部材5Eは、直管部51と、吐出部52Eとを備える。
吐出部52Eは、直管部51に結合されて流路30に配置される。図12に示すように、吐出部52Eは、直管部51の第2端部51bにある。吐出部52Eは、直管部51と一体的に形成されることで、直管部51に結合される。
図12に示すように、吐出部52Eは、隔壁部53Eと、ガイド部54Eとを備える。
隔壁部53Eは、直管部51の内側面510から直管部51の中心軸C1側に延びる。隔壁部53Eは、厚みが一様な板状である。隔壁部53Eは、開口523を有する。これにより、開口523は、直管部51内に位置する。つまり、吐出部52Eは、開口523が直管部51内に位置するように直管部51に結合される。開口523は、直管部51の中心軸C1の方向から見て、隔壁部53Eの中央にある。直管部51の中心軸C1の方向から見て、隔壁部53Eは、円環状である。開口523は、直管部51より流路面積が小さい。直管部51の中心軸C1に直交する平面において、開口523は円形状である。開口523の内径D3は、直管部51の内径D1より小さい。
ガイド部54Eは、隔壁部53Eの開口523の縁から竪樋3の上流側、例えば、直管部51の第2端部51bから第1端部51aに向かう方向に突出する。ガイド部54Eは、開口523の全周を囲う。ガイド部54Eは、ガイド部54Eにおける開口523とは反対側に開口521を有する。開口521の内径D2は、直管部51の内径D1より小さいが、開口523の内径D3より大きい。
ガイド部54Eは、中空の錐台状である。本変形例において、ガイド部54Eは、中空の円錐台状である。直管部51の中心軸C1に直交する面内でのガイド部54Eの外周形状及び内周形状は円形状である。直管部51の中心軸C1に直交する面内でのガイド部54Eの外周形状及び内周形状は、直管部51の第2端部51bから第1端部51aに向かって大きくなる。
本変形例では、ガイド部54Eの内周面が、開口521を通過する雨水に対するガイド面522として機能する。ガイド面522は、直管部51の内側を向いている。ガイド面522は、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導する。ガイド面522は、開口521から竪樋3の下流側に向かうほど直管部51の中心軸C1に近付く。本変形例において、ガイド面522の傾斜は一定である。つまり、直管部51の中心軸C1に直交する面内でのガイド面522と中心軸C1との距離の、開口521からの距離に対する増分は一定である。
図12の配管部材5Eでは、直管部51の開口511が、配管部材5Eの流入口を規定する。図12の配管部材5Eでは、吐出部52Eの開口523が、配管部材5Eの流出口を規定する。
図12の吐出部52Eにおいても、ガイド面522は、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導する。したがって、吐出部52Eは、ガイド面522により、開口521を通過した雨水を収束させる。吐出部52Eにより拡散された雨水は、竪樋3の中央の空気層に当たる。これによって、雨水が空気層に積極的にぶつかることとなり、空気が竪樋3から押し出され、竪樋3内の空気層の量が減少する。さらに、雨水が空気抵抗を受けるから、吐出部52Eより下方において雨水の流速が低下し得る。そのため、竪樋3における吐出部52Eと竪樋3の下流側の端部3bとの間の空間を満水状態にし得る。
以上述べた配管部材5Eは、雨水の排水にサイフォン現象を利用する雨樋システムの竪樋の一部を構成する。配管部材5E、竪樋の流路の少なくとも一部を規定する直管部51と、直管部51に結合されて流路に配置される吐出部52Eと、を備える。吐出部52Eは、直管部51より流路面積が小さい開口521と、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導するガイド面522と、を有する。この構成は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
配管部材5Eは、配管部材5の代わりに、図1の雨樋システム1又は図6の雨樋システム10に適用でき得る。
[2.6 変形例6]
図13は、変形例6の配管部材5Fの構成例の断面図である。図13の配管部材5Fは、直管部51と、吐出部52Fとを備える。
吐出部52Fは、直管部51に結合されて流路30に配置される。図13に示すように、吐出部52Fは、直管部51の中間部51c及び第2端部51bにわたる。吐出部52Fは、直管部51と一体的に形成されることで、直管部51に結合される。
図13の吐出部52Fは、直管部51の内側面510で囲まれた空間に繋がる内部流路526を規定する。内部流路526は、第1縮小流路526a及び第2縮小流路526bを含む。第1縮小流路526a及び第2縮小流路526bは、直管部51の第1端部51aから第2端部51bに向かう方向において、この順番に並ぶ。第1縮小流路526aと第2縮小流路526bとの境界は、直管部51よりも流路面積が小さい開口521を規定する。図13では、第2縮小流路526bの内側面の傾斜は、第1縮小流路526aの内側面の傾斜より小さい。第2縮小流路526bの内側面の傾斜は、第1縮小流路526aの内側面の傾斜より大きくてもよいし、同じであってもよい。
第1縮小流路526aの流路面積は、直管部51の第1端部51aから第2端部51bに向かって小さくなる。つまり、直管部51の中心軸C1に直交する面内での第1縮小流路526aの内周形状は、第1端部51aから開口521に向かって小さくなる。これによって、第1縮小流路526aの内側面が、直管部51の内側面510から開口521に向かって直管部51の中心軸C1に直交せずに交差する方向に延びるテーパ面524を規定する。第1縮小流路526aは、開口521とは反対側において直管部51の内側面510で囲まれた空間に繋がる。
第2縮小流路526bの流路面積は、直管部51の第1端部51aから第2端部51bに向かって小さくなる。つまり、直管部51の中心軸C1に直交する面内での第2縮小流路526bの内周形状は、開口521から第2端部51bに向かって小さくなる。これによって、第2縮小流路526bの内側面が、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導するガイド面522を規定する。第2縮小流路526bは、開口521とは反対側に開口523を有する。
本変形例では、内部流路526の中心軸C2は、直管部51の中心軸C1と一致する。内部流路526は、直管部51の中心軸C1の方向から見て、円形状である。本変形例では、開口521の内径D2は、直管部51の内径D1より小さい。開口523の内径D3は、開口521の内径D2より小さい。
図13の配管部材5Fでは、直管部51は、第1端部51aに開口511を有し、吐出部52Fが開口523を有する。本変形例では、開口511が、配管部材5Fの流入口を規定する。本変形例では、吐出部52Fの開口523が、配管部材5Fの流出口を規定する。
図13の吐出部52Fにおいても、ガイド面522は、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導する。したがって、吐出部52Fは、ガイド面522により、開口521を通過した雨水を収束させる。吐出部52Fにより収束された雨水は、竪樋3の中央の空気層に当たる。これによって、雨水が空気層に積極的にぶつかることとなり、空気が竪樋3から押し出され、竪樋3内の空気層の量が減少する。さらに、雨水が空気抵抗を受けるから、吐出部52Fより下方において雨水の流速が低下し得る。そのため、竪樋3における吐出部52Fと竪樋3の下流側の端部3bとの間の空間を満水状態にし得る。
以上述べた配管部材5Fは、雨水の排水にサイフォン現象を利用する雨樋システムの竪樋の一部を構成する。配管部材5F、竪樋の流路の少なくとも一部を規定する直管部51と、直管部51に結合されて流路に配置される吐出部52Fと、を備える。吐出部52Fは、直管部51より流路面積が小さい開口521と、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導するガイド面522と、を有する。この構成は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
配管部材5Fにおいて、吐出部52Fは、直管部51の内側面510から開口521に向かって直管部51の中心軸C1に直交せずに交差する方向に延びるテーパ面524を、更に有する。この構成は、開口521による圧力損失を低減できる。
配管部材5Fは、配管部材5の代わりに、図1の雨樋システム1又は図6の雨樋システム10に適用でき得る。
[2.7 変形例7]
図14は、変形例7の配管部材5Gの構成例の断面図である。図14の配管部材5Gは、直管部51と、吐出部52Gとを備える。
吐出部52Gは、直管部51に結合されて流路30に配置される。図14に示すように、吐出部52Gは、直管部51の中間部51c及び第2端部51bにわたる。吐出部52Gは、直管部51と一体的に形成されることで、直管部51に結合される。
図14の吐出部52Gは、図13の吐出部52Fと同様に、内部流路526を規定する。内部流路526は、上述したように、開口521、ガイド面522、及びテーパ面524を規定する。
吐出部52Gでは、直管部51の内側面510とテーパ面524との間の角B1がR形状である。これにより、直管部51の内側面510とテーパ面524との間の角B1での乱流の発生を低減できる。角B1のR形状の程度については、竪樋3の管径、竪樋3を通過する雨水の量、雨樋システム1の設置環境及びその他の種々の条件に応じて、適宜設定され得る。
吐出部52Gでは、テーパ面524とガイド面522との間の角B2がR形状である。角B2は、開口521の縁に相当する。つまり、吐出部52Gでは、開口521の縁はR形状である。これにより、開口521の縁での損失を低減できる。角B2のR形状の程度については、竪樋3の管径、竪樋3を通過する雨水の量、雨樋システム1の設置環境及びその他の種々の条件に応じて、適宜設定され得る。
図14の配管部材5Gでは、直管部51は、第1端部51aに開口511を有し、吐出部52Gが開口523を有する。本変形例では、開口511が、配管部材5Gの流入口を規定する。本変形例では、吐出部52Gの開口523が、配管部材5Gの流出口を規定する。
図14の吐出部52Gにおいても、ガイド面522は、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導する。したがって、吐出部52Gは、ガイド面522により、開口521を通過した雨水を収束させる。吐出部52Gにより収束された雨水は、竪樋3の中央の空気層に当たる。これによって、雨水が空気層に積極的にぶつかることとなり、空気が竪樋3から押し出され、竪樋3内の空気層の量が減少する。さらに、雨水が空気抵抗を受けるから、吐出部52Gより下方において雨水の流速が低下し得る。そのため、竪樋3における吐出部52Gと竪樋3の下流側の端部3bとの間の空間を満水状態にし得る。
以上述べた配管部材5Gは、雨水の排水にサイフォン現象を利用する雨樋システムの竪樋の一部を構成する。配管部材5G、竪樋の流路の少なくとも一部を規定する直管部51と、直管部51に結合されて流路に配置される吐出部52Gと、を備える。吐出部52Gは、直管部51より流路面積が小さい開口521と、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導するガイド面522と、を有する。この構成は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
配管部材5Gにおいて、吐出部52Gは、直管部51の内側面510から開口521に向かって直管部51の中心軸C1に直交せずに交差する方向に延びるテーパ面524を、更に有する。この構成は、開口521による圧力損失を低減できる。
配管部材5Gにおいて、直管部51の内側面510とテーパ面524との間の角B1がR形状である。この構成は、直管部51の内側面510とテーパ面524との間の角B1での乱流の発生を低減できる。
配管部材5Gにおいて、開口521の縁(テーパ面524とガイド面522との間の角B2)はR形状である。この構成は、開口521の縁での損失を低減できる。
配管部材5Gは、配管部材5の代わりに、図1の雨樋システム1又は図6の雨樋システム10に適用でき得る。
[2.8 変形例8]
図15は、変形例8の配管部材5Hの構成例の断面図である。図15の配管部材5Hは、配管部材5の代わりに、図1の雨樋システム1に適用でき得る。
図15の配管部材5Hは、直管部51と、吐出部52Hとを備える。
吐出部52Hは、直管部51に結合されて流路30に配置される。図15に示すように、吐出部52Hは、直管部51の第2端部51bにある。吐出部52Hは、直管部51と一体的に形成されることで、直管部51に結合される。
吐出部52Hは、直管部51の内側面510から直管部51の中心軸C1側に延びる。吐出部52Hは、厚みが一様な板状である。吐出部52Hは、貫通孔527を有する。貫通孔527は、直管部51の第1端部51a側の開口521と、直管部51の第2端部51b側の開口523とを有する。直管部51の中心軸C1に直交する面内での貫通孔527の内周形状は、開口521から開口523に向かって小さくなる。
吐出部52Hでは、貫通孔527の流路面積に対する貫通孔527の長さが、貫通孔527の内側面がガイド面522として機能するように、設定される。ここで、貫通孔527の流路面積は、直管部51の中心軸C1に直交する面内における貫通孔の断面積である。貫通孔527の流路面積は、開口521の流路面積に等しい。貫通孔527の長さは、直管部51の中心軸C1の方向での貫通孔527の寸法である。特に、竪樋3の流路30を流れる雨水において乱流の影響が少ない場合には、貫通孔527の長さを短くでき得る。図15では、直管部51の中心軸C1の方向において、ガイド面522の長さを、吐出部52Iの厚みと一致させることができる。図15の吐出部52Hは、板状の部位に貫通孔を設けることで形成でき、例えば、図3の吐出部52よりも単純な形状である。そのため、配管部材5Hの製造が容易になる。
本変形例では、貫通孔527は、吐出部52Hの中央にある。貫通孔527は、直管部51の中心軸C1の方向から見て、円形状である。本変形例では、開口521の内径D2は、直管部51の内径D1より小さい。開口523の内径D3は、開口521の内径D2より小さい。
図15の配管部材5Hでは、直管部51は、第1端部51aに開口511を有し、吐出部52Hは、開口523を有する。本変形例では、開口511が、配管部材5Hの流入口を規定し、開口523が、配管部材5Hの流出口を規定する。
図15の吐出部52Hにおいても、ガイド面522は、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導する。したがって、吐出部52Hは、ガイド面522により、開口521を通過した雨水を収束させる。吐出部52Hにより拡散された雨水は、竪樋3の中央の空気層に当たる。これによって、雨水が空気層に積極的にぶつかることとなり、空気が竪樋3から押し出され、竪樋3内の空気層の量が減少する。さらに、雨水が空気抵抗を受けるから、吐出部52Hより下方において雨水の流速が低下し得る。そのため、竪樋3における吐出部52Hと竪樋3の下流側の端部3bとの間の空間を満水状態にし得る。
特に、配管部材5Hは、配管部材5の代わりに、図1の雨樋システム1に適用される。図1の雨樋システム1では、図6の雨樋システム10とは異なり、一般的にサイフォン現象が発生してない時の雨水の流れは、落とし口2bから竪樋3の管壁に沿って落下し、配管部材5Hの吐出部52Iに至る。雨量が多くなるに従い、配管部材5Hの吐出部52Hより上部での雨水の滞留が起こり、吐出部52Hより上部の雨水は直管部51より流路面積が小さい開口521により流速を上げ、ガイド面522に沿って吐出部52Hから下方に吐出される。そのため、吐出部52Hのガイド面522は、雨水自体のエネルギを利用して、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導でき得る。
以上述べた配管部材5Hは、雨水の排水にサイフォン現象を利用する雨樋システムの竪樋の一部を構成する。配管部材5Hは、竪樋の流路の少なくとも一部を規定する直管部51と、直管部51に結合されて流路に配置される吐出部52Hと、を備える。吐出部52Hは、直管部51より流路面積が小さい開口521と、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導するガイド面522と、を有する。この構成は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
[2.9 変形例9]
図16は、変形例9の配管部材5Iの構成例の断面図である。図16の配管部材5Iは、配管部材5の代わりに、図1の雨樋システム1に適用でき得る。
図16の配管部材5Iは、直管部51と、吐出部52Iとを備える。
吐出部52Iは、直管部51に結合されて流路30に配置される。図16に示すように、吐出部52Iは、直管部51の中間部51c及び第2端部51bにわたる。吐出部52Iは、直管部51と一体的に形成されることで、直管部51に結合される。
図16の吐出部52Iは、直管部51の内側面510で囲まれた空間に繋がる内部流路55を規定する。内部流路55は、第1縮小流路55a、接続流路55b及び第2縮小流路55cを含む。第1縮小流路55a、接続流路55b及び第2縮小流路55cは、直管部51の第1端部51aから第2端部51bに向かう方向において、この順番に並ぶ。図16では、第2縮小流路55cの内側面の傾斜は、第1縮小流路55aの内側面の傾斜より小さい。第2縮小流路55cの内側面の傾斜は、第1縮小流路55aの内側面の傾斜より大きくてもよいし、同じであってもよい。
第1縮小流路55aの流路面積は、直管部51の第1端部51aから第2端部51bに向かって小さくなる。つまり、直管部51の中心軸C1に直交する面内での第1縮小流路55aの内周形状は、第1端部51aから第2端部51bに向かって小さくなる。これによって、第1縮小流路55aの内側面が、直管部51の内側面510から開口521に向かって直管部51の中心軸C1に直交せずに交差する方向に延びるテーパ面524を規定する。第1縮小流路55aは、開口521とは反対側において直管部51の内側面510で囲まれた空間に繋がる。
接続流路55bの流路面積は、直管部51の第1端部51aから第2端部51bに向かって変化しない。つまり、直管部51の中心軸C1に直交する面内での接続流路55bの内周形状は、一定である。吐出部52Iでは、接続流路55bが、直管部51よりも流路面積が小さい開口521を規定する。
第2縮小流路55cの流路面積は、直管部51の第1端部51aから第2端部51bに向かって小さくなる。つまり、直管部51の中心軸C1に直交する面内での第2縮小流路55cの内周形状は、第1端部51aから第2端部51bに向かって小さくなる。第2縮小流路55cの内側面は、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導するガイド面522を規定する。第2縮小流路55cは、開口521とは反対側に開口523を有する。
本変形例では、内部流路55の中心軸C3は、直管部51の中心軸C1と一致する。内部流路55は、直管部51の中心軸C1の方向から見て、円形状である。本変形例では、開口521の内径D2は、直管部51の内径D1より小さい。開口523の内径D3は、開口521の内径D2より小さい。
図16の配管部材5Iでは、直管部51は、第1端部51aに開口511を有し、吐出部52Iが開口523を有する。本変形例では、開口511が、配管部材5Iの流入口を規定する。本変形例では、吐出部52Iの開口523が、配管部材5Iの流出口を規定する。
図16の吐出部52Iにおいても、ガイド面522は、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導する。したがって、吐出部52Iは、ガイド面522により、開口521を通過した雨水を収束させる。吐出部52Iにより収束された雨水は、竪樋3の中央の空気層に当たる。これによって、雨水が空気層に積極的にぶつかることとなり、空気が竪樋3から押し出され、竪樋3内の空気層の量が減少する。さらに、雨水が空気抵抗を受けるから、吐出部52Iより下方において雨水の流速が低下し得る。そのため、竪樋3における吐出部52Iと竪樋3の下流側の端部3bとの間の空間を満水状態にし得る。
特に、配管部材5Iは、配管部材5の代わりに、図1の雨樋システム1に適用される。図1の雨樋システム1では、図6の雨樋システム10とは異なり、一般的にサイフォン現象が発生してない時の雨水の流れは、落とし口2bから竪樋3の管壁に沿って落下し、配管部材5Iの吐出部52Iに至る。雨量が多くなるに従い、配管部材5Iの吐出部52Iより上部での雨水の滞留が起こり、吐出部52Iより上部の雨水は直管部51より流路面積が小さい開口521により流速を上げ、ガイド面522に沿って吐出部52Iから下方に吐出される。そのため、吐出部52Iのガイド面522は、雨水自体のエネルギを利用して、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導でき得る。
以上述べた配管部材5Iは、雨水の排水にサイフォン現象を利用する雨樋システムの竪樋の一部を構成する。配管部材5I、竪樋の流路の少なくとも一部を規定する直管部51と、直管部51に結合されて流路に配置される吐出部52Iと、を備える。吐出部52Iは、直管部51より流路面積が小さい開口521と、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導するガイド面522と、を有する。この構成は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
配管部材5Iにおいて、ガイド面522は、開口521から竪樋3の下流側に向かうほど直管部51の中心軸C1に近付く。この構成は、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導しやすくなり、サイフォン現象による作用を更に安定的に促進させることができる。
配管部材5Iにおいて、吐出部52Iは、直管部51の内側面510から開口521に向かって直管部51の中心軸C1に直交せずに交差する方向に延びるテーパ面524を、更に有する。この構成は、開口521による圧力損失を低減できる。
[2.10 変形例10]
図17は、変形例10の配管部材5Jを備える雨樋システム1Jの構成例の概略図である。図17の雨樋システム1Jは、軒樋2と、竪樋3Jと、ドレン4とを備える。
図17の竪樋3Jは、第1縦管31と、第2縦管32と、配管部材5Jと、第1ソケット35aと、第2ソケット35bと、を備える。
配管部材5Jは、雨水の排水にサイフォン現象を利用する雨樋システム1Jの竪樋3Jの一部を構成する。配管部材5Jは、雨樋システム1Jにおいてサイフォン現象による作用を安定的に促進させるために設けられる。図17の竪樋3Jでは、配管部材5Jは、第1縦管31と第2縦管32との間にある。図17の配管部材5Jは、第1縦管31及び第2縦管32と同様の縦管であり得る。竪樋3Jにおける配管部材5Jの位置は、雨水の排水時のサイフォン現象の発生の度合いを考慮して、適宜設定される。
配管部材5Jは、直管部51Jと、吐出部52と、を備える。
直管部51Jは、竪樋3Jの流路30の少なくとも一部を規定する。本変形例では、直管部51Jの内側面510で囲まれる直管部51Jの内部空間が、竪樋3Jの流路30の一部となる。直管部51Jの中心軸C1に直交する断面は円形状である。直管部51Jの中心軸C1は直管部51Jの管軸でもある。直管部51Jの材料は、硬質ポリ塩化ビニルである。直管部51Jの寸法、例えば、外形と厚さは、JIS K 6741「硬質ポリ塩化ビニル管」の硬質ポリ塩化ビニル管(一般)の規格に沿って設定されてよい。直管部51Jは、直管部51Jの中心軸C1の方向が上下方向(鉛直方向)に一致するように配置される。
本変形例では、直管部51Jの寸法は、竪樋3Jに用いられる第1縦管31及び第2縦管32の少なくとも一方と同じである。そのため、直管部51Jは、直管部51Jの外面に、竪樋3Jに用いられる、直管部51Jの寸法と同じ寸法の縦管(第1縦管31又は/及び第2縦管32)と区別するためのマーク51eがある。これによって、配管部材5Jを、第1縦管31又は第2縦管32と区別できて、竪樋3Jの施工性を向上できる。マーク51eは、人の知覚によって認識可能な、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合であってよい。
図17では、マーク51eは、配管部材5Jの設置の向きを示す機能を有する。図17のマーク51eは矢印であり、配管部材5Jの設置の際には、マーク51eが示す矢印が上向きになるように、配管部材5Jを設置する。図17では、竪樋3Jにおいて、マーク51eが露出しているが、マーク51eは直管部51Jの第1端部51a又は第2端部51bの外面に配置されて、施工後には、マーク51eが他部材で隠されてもよい。
第1ソケット35aは、第1縦管31と配管部材5Jとを接続する。図17では、第1ソケット35aは、第1縦管31の下流側の端部と配管部材5Jの上流側の端部(第1端部51a)とを接続する。第2ソケット35bは、第2縦管32と配管部材5Jとを接続する。図17では、第2ソケット35bは、第2縦管32の上流側の端部と配管部材5Jの下流側の端部(第2端部51b)とを接続する。第1ソケット35a及び第2ソケット35bの寸法は、例えば、JIS K 6739「排水用硬質ポリ塩化ビニル管継手」の規格に沿って設定されてよい。
以上述べた配管部材5Jは、吐出部52を有しているから、吐出部52のガイド面522が、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導する。したがって、吐出部52は、ガイド面522により、開口521を通過した雨水を収束させる。吐出部52により拡散された雨水は、竪樋3Jの中央の空気層に当たる。これによって、雨水が空気層に積極的にぶつかることとなり、空気が竪樋3から押し出され、竪樋3内の空気層の量が減少する。さらに、雨水が空気抵抗を受けるから、吐出部52より下方において雨水の流速が低下し得る。そのため、竪樋3における吐出部52と竪樋3の下流側の端部3bとの間の空間を満水状態にし得る。
以上述べた配管部材5Jは、雨水の排水にサイフォン現象を利用する雨樋システム1Jの竪樋3Jの一部を構成する。配管部材5J、竪樋3Jの流路30の少なくとも一部を規定する直管部51Jと、直管部51Jに結合されて流路に配置される吐出部52と、を備える。吐出部52は、直管部51Jより流路面積が小さい開口521と、開口521を通過する雨水を直管部51Jの中心軸C1に近付く向きに誘導するガイド面522と、を有する。この構成は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
[2.11 変形例11]
図18は、変形例11の配管部材5Kの構成例の断面図である。図18の配管部材5Kは、直管部51と、吐出部52Kと、を備える。
吐出部52Kは、直管部51に結合されて流路30に配置される。図18に示すように、吐出部52Kは、直管部51の第2端部51bにある。吐出部52Kは、直管部51と一体的に形成されることで、直管部51に結合される。
吐出部52Kは、隔壁部53と、ガイド部54Kとを備える。
ガイド部54Kは、隔壁部53の開口521の縁から竪樋3の下流側、例えば、直管部51の第1端部51aから第2端部51bに向かう方向に突出する。ガイド部54Kは、開口521の全周を囲う。本変形例において、ガイド部54は、筒状である。特に、ガイド部54Kは、円筒状である。直管部51の中心軸C1に直交する面内でのガイド部54Kの外周形状及び内周形状は円形状である。直管部51の中心軸C1に直交する面内でのガイド部54の外周形状及び内周形状は、直管部51の第1端部51aから第2端部51bに向かって変化しない。
本変形例でも、ガイド部54Kの内周面が、開口521を通過する雨水に対するガイド面522として機能する。ガイド面522は、直管部51の内側を向いている。ガイド面522は、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導する。本変形例では、ガイド面522と直管部51の中心軸C1との間の距離は、直管部51の中心軸C1の方向において変化しない。図18の吐出部52Kは、ガイド面522が直管部51の中心軸C1に対して傾斜していない点で、図3の吐出部52と異なっている。図3の吐出部52では、雨量が比較的多く、配管部材5と落とし口2bとの間が満水状態又は満水状態に近い状態になった場合でも(気泡が混じっていても)、ガイド面522が開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導し得る。これに対して、図18の吐出部52Kでは、雨量が比較的少なく、配管部材5と落とし口2bとの間が満水状態(又は満水状態に近い状態)にまだなっていないような場合に、ガイド面522が開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導し得る。つまり、このような場合には、雨水が竪樋3の管壁に沿って落下して配管部材5Kの吐出部52Kに到達して竪樋3の管壁から開口521に向かうから、ガイド面522が直管部51の中心軸C1に対して傾斜していなくても、ガイド面522により雨水を収束する効果が得られる。ガイド面522は、配管部材5と落とし口2bとの間が満水状態(又は満水状態に近い状態)ではない場合において、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導する作用を発揮できればよい。
吐出部52Kは、ガイド部54Kにおける開口521とは反対側に開口523を有する。開口523が、配管部材5Kの流出口を規定する。したがって、竪樋3では、配管部材5Kからの雨水が、配管部材5Kの流出口である開口523から第2縦管32に進入する。本変形例では、開口523の内径は、開口521の内径D2に等しいため、直管部51の内径D1より小さい。
図18の吐出部52Kにおいても、ガイド面522は、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導する。したがって、吐出部52Kは、ガイド面522により、開口521を通過した雨水を収束させる。吐出部52Kにより収束された雨水は、竪樋3の中央の空気層に当たる。これによって、雨水が空気層に積極的にぶつかることとなり、空気が竪樋3から押し出され、竪樋3内の空気層の量が減少する。さらに、雨水が空気抵抗を受けるから、吐出部52Kより下方において雨水の流速が低下し得る。そのため、竪樋3における吐出部52Kと竪樋3の下流側の端部3bとの間の空間を満水状態にし得る。
以上述べた配管部材5Kは、雨水の排水にサイフォン現象を利用する雨樋システムの竪樋の一部を構成する。配管部材5K、竪樋の流路の少なくとも一部を規定する直管部51と、直管部51に結合されて流路に配置される吐出部52Kと、を備える。吐出部52Kは、直管部51より流路面積が小さい開口521と、開口521を通過する雨水を直管部51の中心軸C1に近付く向きに誘導するガイド面522と、を有する。この構成は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
[2.13 その他の変形例]
一変形例において、吐出部の一部又は全部の形状及び大きさは、上記の実施の形態及び変形例と異なっていてよい。例えば、上記実施の形態とは異なり、吐出部のガイド部は、中空の角錐台状であってよい。直管部の中心軸に直交する面内での、直管部及び吐出部の形状は、円形状ではなく、多角形状であってよい。上記の実施の形態では、直管部の中心軸を含む平面での吐出部の断面において、ガイド面は直線状であるが、変形例においては、曲線状又は折線状であってよい。
一変形例において、直管部における吐出部の位置は特に限定されない。
一変形例において、吐出部は、複数の開口及び複数のガイド面を備えてよい。
一変形例において、直管部と吐出部とは、連続一体に形成されていなくてもよい。直管部と吐出部とは別体であってよい。直管部と吐出部とは組み立て等により機械的に結合されてよい。直管部と吐出部の材料とは異なっていてもよい。
一変形例において、配管部材の材料は、必ずしも硬質ポリ塩化ビニルでなくてもよい。配管部材の材料は、雨樋システムに求められる要件にしたがって決定されてよく、例えば、ポリエチレン等の合成樹脂であってもよい。
一変形例において、雨樋システム1は、必ずしも軒樋2を備えていなくてもよい。例えば、建物11がバルコニーのような落とし口を備える構造を有する場合には、竪樋3が建物11の落とし口に接続されてよい。この点は、雨樋システム10においても同様である。
一変形例において、竪樋3は、上記の実施の形態の例と異なる構成を有してよい。竪樋3は、第1縦管31、第2縦管32及び配管部材5に加えて、その他の部材を有し得る。別の例では、竪樋3は、配管部材が、竪樋3の上流型の端部であってよい。例えば、図1では、配管部材5が落とし口2bに直接的に接続されてよい。例えば、図6では、配管部材5が第2エルボ7bに直接的に接続されてよい。竪樋3は、配管部材5のみで構成されてよい。つまり、配管部材5が、竪樋3の流路30全部を構成してよい。
[3.態様]
上記実施の形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。以下では、実施の形態との対応関係を明示するためだけに、符号を括弧付きで付している。なお、文章の見やすさを考慮して2回目以降の括弧付きの符号の記載を省略する場合がある。
第1の態様は、雨水の排水にサイフォン現象を利用する雨樋システム(1;1J;10)の竪樋(3)の一部を構成する配管部材(5;5A;5B;5C;5D;5E;5F;5G;5H;5I;5J;5K)であって、前記竪樋(3;3J)の流路(30)の少なくとも一部を規定する直管部(51;51J)と、前記直管部(51;51J)に結合されて前記流路(30)に配置される吐出部(52;52A;52B;52C;52D;52E;52F;52G;52H;52I;52K)と、を備える。前記吐出部は、前記直管部より流路面積が小さい開口(521)と、前記開口(521)を通過する雨水を前記直管部(51)の中心軸(C1)に近付く向きに誘導するガイド面(522)と、を有する。この態様は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
第2の態様は、第1の態様に基づく配管部材(5;5A;5B;5C;5D;5E;5F;5G;5H;5J;5K)である。第2の態様において、前記ガイド面(522)は、前記開口(521)から前記竪樋(3;3J)の下流側に向かうほど前記直管部(51)の中心軸(C1)に近付く。この態様は、開口(521)を通過する雨水を直管部(51;51J)の中心軸(C1)に近付く向きに誘導しやすくなり、サイフォン現象による作用を更に安定的に促進させることができる。
第3の態様は、第1又は第2の態様に基づく配管部材(5;5A;5B;5C;5D;5E;5F;5G;5H;5J;5K)である。第3の態様において、前記直管部(51;51J)の中心軸(C1)の方向における前記ガイド面(522)の長さは、前記竪樋(3)における前記吐出部(52;52A;52B;52C;52D;52E;52F;52G;52H;52K)より下流側が前記竪樋(3)における前記吐出部(52;52A;52B;52C;52D;52E;52F;52G;52H;52K)より上流側よりも先に満水状態となるように設定される。この態様は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
第4の態様は、第1~第3の態様のいずれか一つに基づく配管部材(5A;5F;5G;5I)である。第4の態様において、前記吐出部(52A;52F;52G;52I)は、前記直管部(51)の内側面(510)から前記開口(521)に向かって前記直管部(51)の中心軸(C1)に直交せずに交差する方向に延びるテーパ面(524)を、更に有する。この態様は、開口(521)による圧力損失を低減できる。
第5の態様は、第4の態様に基づく配管部材(5G)である。第5の態様において、前記直管部(51)の内側面(510)と前記テーパ面(524)との間の角(B1)がR形状である。この態様は、直管部(51)の内側面(510)とテーパ面(524)との間の角(B1)での乱流の発生を低減できる。
第6の態様は、第1~第5の態様のいずれか一つに基づく配管部材(5;5B;5C;5D;5G;5I;5K)である。第6の態様において、前記開口(521)の縁はR形状である。この態様は、開口(521)の縁での損失を低減できる。
第7の態様は、第1~第6の態様のいずれか一つに基づく配管部材(5;5A;5B;5C;5D;5E;5F;5G;5H;5I;5J;5K)である。第7の態様において、前記開口(521)の中心(O1)は、前記直管部(51;51J)の中心軸(C1)上にある。この態様は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
第8の態様は、第1~第7の態様のいずれか一つに基づく配管部材(5J)である。第8の態様において、前記直管部(51J)は、前記直管部(51J)の外面に、前記竪樋(3J)に用いられる、前記直管部(51J)の寸法と同じ寸法の縦管(第1縦管31,第2縦管32)と区別するためのマーク(51e)を有する。この態様は、竪樋(3J)の施工性を向上できる。
第9の態様は、雨樋システム(1;1J;10)である。前記雨樋システム(1;1J;10)は、第1~第8の態様のいずれか一つに配管部材(5;5A;5B;5C;5D;5E;5F;5G;5H;5I;5J;5K)を有し、建物(11;110)からの雨水の落とし口(2b)に接続される竪樋(3;3J)と、前記落とし口(2b)に配置されるドレン(4)と、を備える。この態様は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
第10の態様は、第9の態様に基づく雨樋システム(1;1J)である。第10の態様において、前記竪樋(3;3J)は、前記落とし口(2b)に直接的に接続される。この態様は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
第11の態様は、第9の態様に基づく雨樋システム(10)である。第11の態様において、前記雨樋システム(10)は、前記落とし口(2b)と前記竪樋(3)との間にある呼び樋(6)と、前記呼び樋(6)の上流側の端部(6a)を前記落とし口(2b)に接続する第1エルボ(7a)と、前記呼び樋(6)の下流側の端部(6b)を前記竪樋(3)の上流側の端部(3a)に接続する第2エルボ(7b)と、を更に備える。この態様は、サイフォン現象による作用を安定的に促進させることができる。
上記の第2~第8の態様は任意の要素である。
本開示は、配管部材、及び、雨樋システムに適用可能である。具体的には、雨水の排水にサイフォン現象を利用する雨樋システムの竪樋の一部を構成する配管部材、及び、雨水の排水にサイフォン現象を利用する雨樋システムに、本開示は適用可能である。
1,1J,10 雨樋システム
2b 落とし口
3,3J 竪樋
30 流路
4 ドレン
5,5A~5K 配管部材
51,51J 直管部
51e マーク
52,52A~52I,52L 吐出部
521 開口
522 ガイド面
524 テーパ面
6 呼び樋
7a 第1エルボ
7b 第2エルボ
B1 角(直管部の内側面とテーパ面との間の角)
C1 中心軸C1
O1 中心
11,110 建物

Claims (11)

  1. 雨水の排水にサイフォン現象を利用する雨樋システムの竪樋の一部を構成する配管部材であって、
    前記竪樋の流路の少なくとも一部を規定する直管部と、
    前記直管部に結合されて前記流路に配置される吐出部と、
    を備え、
    前記吐出部は、
    前記直管部より流路面積が小さい開口と、
    前記開口を通過する雨水を前記直管部の中心軸に近付く向きに誘導するガイド面と、
    を有する、
    配管部材。
  2. 前記ガイド面は、前記開口から前記竪樋の下流側に向かうほど前記直管部の中心軸に近付く、
    請求項1に記載の配管部材。
  3. 前記直管部の中心軸の方向における前記ガイド面の長さは、前記竪樋における前記吐出部より下流側が前記竪樋における前記吐出部より上流側よりも先に満水状態となるように設定される、
    請求項1又は2に記載の配管部材。
  4. 前記吐出部は、前記直管部の内側面から前記開口に向かって前記直管部の中心軸に直交せずに交差する方向に延びるテーパ面を、更に有する、
    請求項1~3のいずれか一つに記載の配管部材。
  5. 前記直管部の内側面と前記テーパ面との間の角がR形状である、
    請求項4に記載の配管部材。
  6. 前記開口の縁はR形状である、
    請求項1~5のいずれか一つに記載の配管部材。
  7. 前記開口の中心は、前記直管部の中心軸上にある、
    請求項1~6のいずれか一つに記載の配管部材。
  8. 前記直管部は、前記直管部の外面に、前記竪樋に用いられる、前記直管部の寸法と同じ寸法の直管と区別するためのマークを有する、
    請求項1~7のいずれか一つに記載の配管部材。
  9. 請求項1~8のいずれか一つに配管部材を有し、建物からの雨水の落とし口に接続される竪樋と、
    前記落とし口に配置されるドレンと、
    を備える、
    雨樋システム。
  10. 前記竪樋は、前記落とし口に直接的に接続される、
    請求項9に記載の雨樋システム。
  11. 前記落とし口と前記竪樋との間にある呼び樋と、
    前記呼び樋の上流側の端部を前記落とし口に接続する第1エルボと、
    前記呼び樋の下流側の端部を前記竪樋の上流側の端部に接続する第2エルボと、
    を更に備える、
    請求項9に記載の雨樋システム。
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