JP2023108911A - 硬化性組成物および硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】貯蔵安定性に優れる硬化性組成物を提供する。【解決手段】本発明の一態様に係る硬化性組成物は、(A)成分:(メタ)アクリロイル基を1分子中に平均1.2~2.0個有するポリイソブチレン系重合体、(B)成分:ビニル系モノマー、(C)成分:光重合開始剤、および(D)成分:安定剤を含む。(D)成分は、N-オキシラジカル系化合物およびキノン系化合物からなる群より選択される1種以上の化合物である。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化性組成物および硬化物に関する。
従来、(メタ)アクリロイル基を有するポリイソブチレン系重合体を含む硬化性組成物が、シール材や接着剤などの用途に応用されている。このような硬化性組成物を開示している文献の例として、特許文献1、2がある。また、(メタ)アクリロイル基を有するポリイソブチレン系重合体の製造方法を開示している文献の例として、特許文献3が挙げられる。
特開2013-216782号公報 国際公開第2013/047314号 国際公開第2017/047335号
しかしながら、上述のような硬化性組成物には、貯蔵安定性の観点から改善の余地があった。例えば、硬化性組成物を貯蔵した際に粘度が上昇するという課題があった。
本発明の一態様は、貯蔵安定性に優れる硬化性組成物を実現することを目的とする。
本発明の一態様に係る硬化性組成物は、下記(A)~(D)成分を含み、
(A)成分:(メタ)アクリロイル基を1分子中に平均1.2~2.0個有するポリイソブチレン系重合体
(B)成分:ビニル系モノマー
(C)成分:光重合開始剤
(D)成分:安定剤
前記(D)成分が、N-オキシラジカル系化合物およびキノン系化合物からなる群より選択される1種以上の化合物である。
本発明の一態様によれば、貯蔵安定性に優れる硬化性組成物が提供される。
以下、本発明の実施の形態の一例について詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されない。
本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上、B以下」を意味する。本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルおよびメタアクリルからなる群より選択される1つ以上を表す。本明細書において、「(メタ)アクロイル」とは、アクロイルおよびメタクロイルからなる群より選択される1つ以上を表す。
〔1.硬化性組成物〕
本発明の一態様に係る硬化性組成物は、(A)成分:(メタ)アクリロイル基を1分子中に平均1.2~2.0個有するポリイソブチレン系重合体、(B)成分:ビニル系モノマー、(C)成分:光重合開始剤、および(D)成分:安定剤を含む。このうち(D)成分は、N-オキシラジカル系化合物およびキノン系化合物からなる群より選択される1種以上の化合物である。
本発明者らの見出したところによると、(A)成分、(B)成分および(C)成分を含む硬化性組成物は、特定の種類の安定剤を配合することにより貯蔵安定性が顕著に向上する。この特定の安定剤とは、(D)成分である、N-オキシラジカル系化合物およびキノン系化合物からなる群より選択される1種以上の化合物である。N-オキシラジカル系化合物およびキノン系化合物からなる群より選択される1種以上の化合物は、他の種類の安定剤(フェノール系安定剤、アミン系安定剤など)と比べて、貯蔵安定性を向上させる効果が極めて大きい。
[1.1.(A)成分]
(A)成分は、(メタ)アクリロイル基を1分子中に平均1.2~2.0個有するポリイソブチレン系重合体である。(A)成分は、1種類のみを配合してもよいし、2種類以上を配合してもよい。ポリイソブチレン系重合体とは、イソブチレンに由来するユニットを主成分とするポリマーである。ポリイソブチレン系重合体の全重量に占めるイソブチレンに由来するユニットの割合は、50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。
ポリイソブチレン系重合体は、イソブチレン以外のモノマーに由来するユニットを有していてもよい。このようなモノマーの例としては、脂肪族オレフィン(1-ブテンなど);芳香族ビニル(スチレン、メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレンなど);ジエン(1,3-ブタジエン、イソプレンなど);ビニルエーテル(ブチルビニルエーテルなど);シラン(ビニルトリメチルシラン、アリルトリメチルシランなど);テルペン(α-ピネン、β-ピネン、リモネンなど);ビニルカルバゾール;アセナフチレンが挙げられる。イソブチレンとの共重合性が容易であり、また得られる共重合体の物性が好ましい点において、使用するコモノマーは、1-ブテン、スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、1,3-ブタジエン、イソプレン、α-ピネン、β-ピネンおよびリモネンからなる群より選択される1種類以上が好ましい。
(A)成分の1分子が有している(メタ)アクリロイル基の平均数は、1.2~2.0個以上であり、好ましくは1.5~2.0個であり、より好ましくは1.7~2.0個である。(メタ)アクリロイル基の数が上記の範囲であれば、充分な強度の硬化物を得やすい。(A)成分の1分子が有している(メタ)アクリロイル基の平均数は、例えば、HNMRのスペクトルから計算できる。
(A)成分が有する(メタ)アクリロイル基は、下記一般式(1)で表されることが好ましい。
は、水素またはメチル基を表す。Rが水素原子である場合、式(1)はアクリロイル基である。Rがメチル基である場合、式(1)はメタクリロイル基である。
は、炭素数2~6の2価の飽和炭化水素基であって、ヘテロ原子を有しない基である。Rの例としては、アルキレン基(メチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基など)が挙げられる。原料の入手性および反応性の観点に基づくと、Rはブチレン基またはペンチレン基が好ましい。
~Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20の1価の炭化水素基、またはアルコキシ基である。炭素数1~20の1価の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デカニル基が挙げられる。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基が挙げられる。反応性の観点に基づくと、R~Rは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基およびメトキシ基からなる群から選ばれることが好ましい。さらに原料の入手性の観点に基づくと、R~Rは、いずれも水素原子であることがより好ましい。
(A)成分の数平均分子量(Mn)の下限は、200以上が好ましく、300以上がより好ましく、1,000以上がさらに好ましい。(A)成分の数平均分子量(Mn)の上限は、500,000以下が好ましく、150,000以下がより好ましく、50,000以下がさらに好ましい。(A)成分の重量平均分子量(Mw)の下限は、200以上が好ましく、300以上がより好ましく、1,000以上がさらに好ましい。(A)成分の重量平均分子量(Mw)の上限は、750,000以下が好ましく、230,000以下がより好ましく、75,000以下がさらに好ましい。(A)成分の分子量が上記範囲であれば、充分な強度を有する硬化物を得やすい。(A)成分の数平均分子量および重量平均分子量は、サイズ浸透クロマトグラフィー(SEC)を用いた標準ポリスチレン換算法により求める。
(A)成分の分子量分布(Mw/Mn)は、1.8以下が好ましく、1.5以下がより好ましく、1.3以下がさらに好ましい。(A)成分の分子量分布の下限は、1.0以上でありうる。(A)成分の分子量分布が上記範囲であれば、作業性が高い硬化性組成物を得やすい。
(A)成分は、公知の方法により製造できる。一例をあげると、下記の通りである(より具体的な例としては、製造例1を参照)。
1. 一官能性重合開始剤、ルイス酸触媒、電子供与体成分の存在下において、イソブチレンをリビングカチオン重合する。これにより、ポリイソブチレン系重合体の主鎖が形成される。
2. (メタ)アクリル酸フェノキシアルキル系化合物などを用いて、主鎖の末端に(メタ)アクリロイル基を導入する。このとき、重合系に加える(メタ)アクリル酸フェノキシアルキル系化合物の量によって、主鎖に導入する(メタ)アクリロイル基の数を調節できる。
一官能性重合開始剤の例としては、クミルクロライド、p-ジクミルクロライド、tert-ブチルクロライド、2-クロロ-2,4,4-トリメチルペンタンが挙げられる。ルイス酸触媒の例としては、四塩化チタンが挙げられる。電子供与体成分の例としては、含窒素化合物(2-メチルピリジン、2,6-ルチジン、トリエチルアミンなど)が挙げられる。
上記の製造方法における重合溶媒は、塩化メチル、塩化ブチル、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンおよびトルエンからなる群より選択される1種類以上が好ましい。これらの溶媒は、入手が容易であり、原料および重合体をよく溶解し、廉価である。
上記の製造方法における反応温度は、低温であることが好ましい(例えば、-70℃)。
(A)成分の製造方法の他の例としては、以下が挙げられる。
1. カチオン重合性官能基および(メタ)アクリロイル基の両方を有するモノマーを準備する。
2. 上記のモノマーおよびイソブチレンをランダム共重合させる。これにより、側鎖として(メタ)アクリロイル基を有するポリイソブチレン系重合体が得られる。
[1.2.(B)成分]
(B)成分は、ビニル系モノマーである。(B)成分は、1種類のみを配合してもよいし、2種類以上を配合してもよい。ビニル系モノマーとは、重合性のビニル基を1個以上有している化合物を表す。このようなモノマーの例としては、(メタ)アクリレート系モノマー、環状アクリレート系モノマー、スチレン系モノマー、アクリルアミド系モノマー、ビニルケトン系モノマー、アクリロニトリル、N-ビニルピロリドンが挙げられる。(
一実施形態において、(B)成分は、(メタ)アクリル酸エステルモノマーである。(メタ)アクリル酸エステルモノマーは、(A)成分と反応しやすいという点において好ましい。(メタ)アクリル酸エステルモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸-n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸-tert-ブチル、(メタ)アクリル酸-n-ペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸-n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸-n-ヘプチル、(メタ)アクリル酸-n-オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸2-デシルテトラデカニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸トリル、(メタ)アクリル酸4-tert-ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸3,3,5-トリメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシ-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸1-メチルアダマンチル、(メタ)アクリル酸1-エチルアダマンチル、(メタ)アクリル酸3、5-ジヒドロキシ-1-アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸2-エトキシエチル、(メタ)アクリル酸3-メトキシブチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸メチルフェノキシエチル、(メタ)アクリル酸m-フェノキシベンジル、(メタ)アクリル酸エチルカルビトール、(メタ)アクリル酸-メトキシトリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸-エトキシジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルジエチレングリコ-ル、(メタ)アクリル酸メトキシ-ジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸1,4-シクロヘキサンジメタノール、(メタ)アクリル酸グリセリン、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール(日油製ブレンマーPE-90、PE-200、PE-350、PE-350G、AE-90、AE-200、AE-400など)、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール(日油製ブレンマーPP-500、PP-800、PP-1000、AP-150、AP-400、AP-550など)、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール(日油製ブレンマー50PEP-300、70PEP-350Bなど)、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール-ポリテトラメチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール-ポリテトラメチレングリコール)、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール-ポリブチレングリコール、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル-グリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル四級化物(共栄社化学製ライトエステルDQ-100、DQ-75など)、4-(メタ)アクリル酸-2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン、2-(メタ)アクリル酸-1,4-ジオキサスピロ[4,5]デシ-2-イルメチル(大阪有機化学工業製CHDOL-10など)、(メタ)アクリル酸3-エチル-3-オキセタニル(大阪有機化学工業製OXE-10など)、(メタ)アクリル酸γ-ブチロラクトン、(メタ)アクリル酸2-フェニルチオエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシ-3-(2-プロペニルオキシ)プロピル、無水フタル酸-(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル付加物(大阪有機化学工業製ビスコート#2100など)、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸(共栄社化学製ライトエステルHPA-MPL、新中村化学製CB-1など)、1,2-シクロヘキシルジカルボン酸-モノ[1-メチル-2-[(1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]エチル]エステル(大阪有機化学工業製ビスコート#2150など)、(メタ)アクリルロイルオキシ-エチルヘキサヒドロフタレート(共栄社化学製ライトエステルHO-HH、HOA-HHなど)、(メタ)アクリルロイルオキシエチルサクシネート(共栄社化学製ライトエステルHO-MS、HOA-MS、新中村化学製SA、A-SAなど)、2-(メタ)アクリルロイルオキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタル酸(共栄社化学製ライトエステルHO-MPPなど)、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-ヒドロキシエチルフタル酸(共栄社化学製HOA-MPEなど)、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-リン酸エステル(共栄社化学製ライトエステルP-1M、P-2Mなど)、(メタ)アクリル酸エトキシ化-o-フェニルフェノール、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール(共栄社化学製ライトエステルMC、130MA、041MA、MTG、MTG-A、130A、新中村化学製M-90G、AM-90G、M-230G、AM130G、日立化成製ファンクリルFA-400M、日油製ブレンマーPME-100、PME-200、PME-400、PME-550、PME-1000、PME-4000、AME-400など)、(メタ)アクリル酸フェノキシポリエチレングリコール(共栄社化学製ライトアクリレートP-200A、新中村化学製AMP-20GY、日油製ブレンマーPAE-50、PAE-100、AAE-50、AAE-300、東亞合成製アロニックスM-101、M-102など)、(メタ)アクリル酸パラクミルフェノキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール(共栄社化学製ライトアクリレートNP-4EA、NP-8EA、日立化成製ファンクリルFA-314A、FA-318A、日油製ブレンマーANE-1300、東亞合成製M-111、M113、M-117など)、(メタ)アクリル酸オクトキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ラウロキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ステアロキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸フェノキシ-ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシ-ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸アリロキシポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ウンデシレノキシ、(メタ)アクリル酸ウンデシレノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ω-カルボキシ-ポリカプロラクトン(東亞合成製M-5300など)、アクリル酸ダイマー(東亞合成製M-5600、ダイセルサイテック製β-CEAなど)、(メタ)アクリル酸N-エチルマレイミド、(メタ)アクリル酸ペンタメチルピペリジニル、(メタ)アクリル酸テトラメチルピペリジニル、γ-(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ-(メタクリロイルオキシプロピル)トリエトキシシラン、γ-(メタクリロイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、(メタ)アクリル酸2-イソシアネートエチル、(メタ)アクリル酸2-(0-[1’-メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、(メタ)アクリル酸2-[(3,5-ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチル、(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸カリウム、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸マグネシウム、(メタ)アクリル酸カルシウム、(メタ)アクリル酸バリウム、(メタ)アクリル酸ストロンチウム、(メタ)アクリル酸ニッケル、(メタ)アクリル酸銅、(メタ)アクリル酸アルミニウム、(メタ)アクリル酸リチウム、(メタ)アクリル酸ネオジウム、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2,2,2-トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸2,2,3,3-テトラフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸1H,1H,5H-オクタフルオロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチルパーフルオロブチルメチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロエチル-2-パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2,2-ジ-パーフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチルパーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロメチル-2-パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロデシルメチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロヘキサデシルメチル、(メタ)アクリル酸2-パーフルオロヘキサデシルエチルが挙げられる。
その他のビニル系モノマーの具体例としては、芳香族ビニル系モノマー(スチレン、ビニルケトン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸およびその塩など);フッ素含有ビニル系モノマー(パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンなど);ケイ素含有ビニル系モノマー(ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなど);アクリロニトリル系モノマー(アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど);アミド基含有ビニル系モノマー(アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミドなど);ビニルエステル系モノマー(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルなど);塩化ビニル、塩化ビニリデン、ヨウ化ビニル、臭化ビニル、臭化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール、ビニルエーテル、メチルビニルケトンが挙げられる。
(B)成分の分子量は、5,000以下が好ましく、1,500以下がより好ましく、500以下がさらに好ましい。(B)成分の炭素数は、400個以下が好ましく、120個以下がより好ましく、40個以下がさらに好ましい。
[1.3.(C)成分]
(C)成分は、光重合開始剤である。(C)成分は、1種類のみを配合してもよいし、2種類以上を配合してもよい。光重合開始剤とは、活性エネルギー線を照射すると、モノマーの重合を開始させる活性種(ラジカル種など)を生じる化合物である。本明細書において、「活性エネルギー線」とは、広義の光線を一般に表す。活性エネルギー線の例としては、放射線(α線、β線など)、電磁波(γ線、X線など)、電子線(EB)、紫外線(波長:100~400nm)、可視光線(波長:400~800nm)が挙げられる。
(C)成分の例としては、国際公開第2013/047314号および特開2013-216782号に記載の光重合開始剤が挙げられる。これらの中でも、ヒドロキシル基およびフェニルケトン構造を有する化合物、ベンゾフェノン構造を有する化合物、およびアシルホスフィンオキシド構造を有する化合物が好適に用いられる。
ヒドロキシル基およびフェニルケトン構造を有する化合物の例としては、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン-1-オン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オンが挙げられる。
ベンゾフェノン構造を有する化合物としては、ベンゾフェノン、3-メトキシベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4-クロロベンゾフェノン、4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、4-クロロ-4’-ベンジルベンゾフェノンが挙げられる。
アシルホスフィンオキシド構造を有する化合物としては、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシドが挙げられる。
(C)成分を、他の化合物と組合せて用いてもよい。このような組合せの例としては、下記が挙げられる。
・(C)成分およびアミン(ジエタノールメチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミンなど)
・(C)成分、アミンおよびヨードニウム塩(フェニルヨードニウムクロライドなど)
・(C)成分、アミンおよび色素(メチレンブルーなど)
(1.4.(D)成分)
(D)成分は、安定剤であり、N-オキシラジカル系化合物およびキノン系化合物からなる群より選択される1種以上の化合物である。(D)成分は、1種類のみを配合してもよいし、2種類以上を配合してもよい。安定剤とは、硬化性組成物の意図しない硬化を防ぐ成分である。安定剤として特定の化合物を選択することにより、硬化性組成物の貯蔵安定性を顕著に向上させることができる。
N-オキシラジカル系化合物の例としては、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカル、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカル、4-アミノ-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカル、4-プロピニルオキシ-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカル、4-アセトアミノ-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカル、4-ベンゾオキシ-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカル、4-オキソ-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカルおよび4-グリシジルオキシ-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカルからなる群より選択される1種以上の化合物が挙げられる。
キノン系化合物の例としては、p-ベンゾキノン、m―ベンゾキノン、o-ベンゾキノン、p-トルキノン、2-tert-ブチル-1,4-ベンゾキノン、2,6-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン,2,5-ジヒドロキ-1,4-ベンゾキノン、p-キシロキノンおよびクロラニルからなる群より選択される1種以上の化合物が挙げられる。
上述した(D)成分の中では、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカル、4-オキソ-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカルおよびp-ベンゾキノンから選択される1種類以上が好ましい。これらの化合物を使用することにより、貯蔵安定性をより一層向上させられる。
[1.5.その他成分]
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物は、(A)~(D)成分以外のその他成分を含んでいてもよい。その他成分は、1種類のみを配合してもよいし、2種類以上を配合してもよい。その他成分の例としては、添加剤(充填剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料など)、硬化物のゴム物性などを調整するエラストマー((メタ)アクリロイル基含有オリゴマー、スチレン系ブロック共重合体など)、チオール系化合物、3級アミン化合物、接着性付与剤が挙げられる。
(添加剤)
添加剤の例としては、国際公開第2013/047314号および特開2013-216782号に記載の添加剤が挙げられる。充填剤および可塑剤の含有量は、それぞれ、(A)成分100重量部に対して、0.1~500重量部が好ましく、1.0~300重量部がより好ましい。酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤および顔料の含有量は、それぞれ、(A)成分100重量部に対して、0.01~20.0重量部が好ましく、0.10~10.0重量部より好ましい。添加剤の含有量が上記の範囲であれば、添加剤を添加する効果とコストとのバランスが適度である。
((メタ)アクリロイル基含有オリゴマー)
(メタ)アクリロイル基含有オリゴマーの例としては、オリゴマーからなる主鎖と、(メタ)アクリロイル基と、を有する化合物が挙げられる。一実施形態において、(メタ)アクリロイル基含有オリゴマーの主鎖は、イソブチレンに由来するユニットを含んでいない。一実施形態において、(メタ)アクリロイル基含有オリゴマーは、1分子あたりに平均して1個以上の(メタ)アクリロイル基を有している。
(メタ)アクリロイル基含有オリゴマーの主鎖構造の例としては、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリイソプレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、エポキシ化合物の重合体、ヒマシ油、シリコーン系重合体が挙げられる。これらの中でも、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレン、水添ポリイソプレン、ポリアクリレート、エポキシ化合物の重合体およびヒマシ油が好ましい。これらの主鎖構造は、硬化性組成物に含まれる他の成分との相溶性に優れる。
(メタ)アクリロイル基含有オリゴマーの数平均分子量は、200~500,000が好ましく、1,000~100,000がより好ましい。数平均分子量が上記の範囲である(メタ)アクリロイル基含有オリゴマーは、入手が容易であり、硬化性組成物の他の成分との相溶性も良好である。また、得られる硬化性組成物の取扱い性も優れる。
(メタ)アクリロイル基含有オリゴマーの含有量は、(A)成分100重量部に対して、0.1~1000重量部が好ましく、1.0~300重量部がより好ましい。含有量が上記の範囲であれば、硬化性組成物の他の成分との相溶性が良好であり、得られる硬化性組成物の粘度も適度なものとなる。
(スチレン系ブロック共重合体)
スチレン系ブロック共重合体の例としては、スチレン-ブタジエン共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン共重合体(SIS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン共重合体(SEPS)、スチレン-イソブチレン-スチレン共重合体(SIBS)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS)、スチレン-ブタジエン-アクリロニトリル共重合体(ABS)が挙げられる。これらの中でも、スチレン-ブタジエン共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン共重合体(SIS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン共重合体(SEPS)およびスチレン-イソブチレン-スチレン共重合体(SIBS)が好ましい。これらのスチレン系ブロック共重合体は、硬化性組成物に含まれる他の成分との相溶性に優れ、得られる硬化物に好適なゴム物性を与える。
スチレン系ブロック共重合体の数平均分子量は、10,000~500,000が好ましく、50,000~300,000がより好ましい。数平均分子量が上記の範囲であれば、硬化性組成物の他の成分との相溶性が良好であり、得られる硬化性組成物の粘度も適度なものとなる。
スチレン系ブロック共重合体の含有量は、(A)成分100重量部に対して、0.1~1000重量部が好ましく、1.0~300重量部がより好ましい。含有量が上記の範囲であれば、粘着性および耐久性のバランスが良好な硬化物が得られる。
(チオール系化合物)
硬化性組成物にチオール系化合物を含有させると、架橋点が増加するため、硬化性が向上し、硬化物の硬度および強度が向上する。あるいは、連鎖移動作用によって架橋点を減少させれば、硬化物の柔軟性および粘着性を向上させることもできる。
チオール系化合物の例としては、デカンチオール、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3-メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトグリコレート)、ブタンジオールビス(3-メルカプトグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトグリコレート)、トリス-[(3-メルカプトプロピオニルオキシ)-エチル]-イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5-トリス(3-メルカブトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオンが挙げられる。
チオール系化合物の含有量は、(A)成分100重量部に対して、0.1~100重量部が好ましく、0.50~30重量部がより好ましい。含有量が上記の範囲であれば、硬化性組成物の硬化性および取扱い性が良好となる。
(3級アミン化合物)
硬化性組成物に3級アミン化合物を含有させると、光硬化性が向上する。
3級アミン化合物の例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N’-ジエタノールアミン、N,N’-ジメチル-P-トルイジン、N,N’-ジメチル-アニリン、N-メチル-ジエタノールアミン、N-メチル-ジメタノールアミン、N,N’-ジメチルアミノ-アセトフェノン、N,N’-ジメチルアミノベンゾフェノン、N,N’-ジエチルアミノ-ベンゾフェノン、トリイソプロパノールアミンが挙げられる。
3級アミン化合物の含有量は、(A)成分100重量部に対して、0.1~100重量部が好ましく、0.50~30重量部がより好ましい。含有量が上記の範囲であれば、硬化性組成物の硬化性に優れる。
(接着性付与剤)
硬化性組成物に接着性付与剤を含有させると、硬化物の粘着性が向上する。
接着性付与剤の例としては、3-(メタ)アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、(メタ)アクリルオキシオクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、3-グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルメチルジメトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートリン酸エステル、メタクリロキシオキシエチルアシッドホスフェートモノエチルアミンハーフソルト、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、接着性に優れることから、3-(メタ)アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルメチルジメトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートリン酸エステル、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、および、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
接着性付与剤の含有量は、(A)成分100重量部に対して、0.01~20.0重量部が好ましく、0.1~10.0重量部がより好ましい。含有量が上記の範囲であれば、硬化性および接着性のバランスが良好となる。
[1.6.硬化性組成物の組成および物性]
(B)成分の含有量の下限は、(A)成分100重量部に対して、0.01重量部以上が好ましく、0.1重量部以上がより好ましく、10重量部以上がさらに好ましい。(B)成分の含有量の上限は、(A)成分100重量部に対して、100重量部以下が好ましく、90重量部以下がより好ましく、80重量部以下がさらに好ましい。(B)成分の含有量が上記範囲内であれば、硬化性組成物の加工性および硬化物の物性が向上する。
(C)成分の含有量の下限は、(A)成分100重量部に対して、0.01重量部以上が好ましく、0.1重量部以上がより好ましい。(C)成分の含有量の上限は、(A)成分100重量部に対して、20.0重量部以下が好ましく、10.0重量部以下がより好ましく、1.0重量部以下がさらに好ましい。(C)成分の含有量が上記範囲内であれば、硬化性組成物に充分な硬化性が与えられる。
(D)成分の含有量の下限は、(A)成分100重量部に対して、0.0001重量部以上が好ましく、0.0005重量部以上がより好ましく、0.001重量部以上がさらに好ましい。(D)成分の含有量の上限は、(A)成分100重量部に対して、0.9999重量部以下が好ましく、0.8重量部以下がさらに好ましく、0.3重量部以下がさらに好ましい(D)成分の含有量が上記の範囲であれば、硬化性組成物の貯蔵安定性が向上する。
また、無色の硬化物を得るためには、(D)成分の含有量は少ない方が好ましい。この観点に基づくと、(D)成分の含有量の上限は、(A)成分100重量部に対して、0.05重量部以下が好ましく、0.03重量部以下がより好ましく、0.01重量部以下がさらに好ましい。この観点に基づくと、(D)成分の含有量の下限は、(A)成分100重量部に対して、0.001重量部以上または0.003重量部以上でありうる。
硬化性組成物の粘度は、23℃において、1~10,000Pa・secが好ましく、3~5,000Pa・secがより好ましい。粘度が上記の範囲であれば、取扱い性に優れていると言える。硬化性組成物の粘度は、JIS K 7117-2に記載の円すい-平板システムに準拠して測定する。
硬化性組成物は、貯蔵安定性に優れている。本明細書では、貯蔵安定性を増粘率によって表現する。硬化性組成物の調製直後における増粘率は、1.2倍以下が好ましく、1.1倍以下がより好ましく、1.0倍以下がさらに好ましい。硬化性組成物の1週間後における増粘率は、1.2倍以下が好ましく、1.1倍以下がより好ましく、1.0倍以下がさらに好ましい。増粘率の算出方法は、実施例を参照。
〔2.硬化物〕
本発明の一態様に係る硬化物は、上述した硬化性組成物を硬化させてなる。硬化性組成物は、例えば、UV光の照射により硬化させることができる。
硬化物の50%伸長時応力は、0.8~1.3MPaが好ましく、0.9MPa~1.2MPaがより好ましい。硬化物の破断時応力は、4.0~6.5MPaが好ましく、4.2~6.0MPaがより好ましい。硬化物の破断時伸びは、250~300%が好ましく、270~300%がより好ましい。硬化物の引張物性が上記の範囲であれば、強度および柔軟性のバランスに優れた硬化物であると言える。硬化物の引張物性は、JIS K 6251に準拠して測定する。
JIS K 6253に準拠し、タイプAデュロメータを用いて測定される硬化物の硬さは、46~61が好ましく、48~60がより好ましい。硬化物の硬さが上記範囲であれば、充分なゴム物性を有していると言える。
硬化物のゲル分率は、95~100%が好ましく、97~100%がより好ましい。ゲル分率が上記範囲であれば、充分なゴム物性を有していると言える。ゲル分率の測定方法は、実施例を参照。
〔3.用途〕
本発明の一実施形態に係る硬化物は、種々の用途に利用できる。その例としては、封止材、粘着剤、シール材、ガスケット材、接着剤、コーティング材、被覆材、レジスト材、防振材、制振材、衝撃吸収材、緩衝材、電気絶縁材料、発泡体、塗料、インク、注型剤、ポッティング剤、モールド材、アンダーフィル材、ダイボンド材、充填材が挙げられる。硬化物が用いられる具体的な部品の例としては、電気・電子部品(LED、電池、センサー、半導体、回路基板、ディスプレイ、家電、光通信・光回路、光記録、磁気記録など)、医薬品・医療品、自動車部品・船舶部品、建築部品、音響用部品が挙げられる。硬化物の形状は、例えば、シート状(フィルム状)、テープ状、成形体(パッキン、Oリング、ベルト、チューブ、弁、ホースなど)でありうる。
〔4.まとめ〕
本発明には、以下の態様が含まれる。
<1>
下記(A)~(D)成分を含み、
(A)成分:(メタ)アクリロイル基を1分子中に平均1.2~2.0個有するポリイソブチレン系重合体
(B)成分:ビニル系モノマー
(C)成分:光重合開始剤
(D)成分:安定剤
前記(D)成分が、N-オキシラジカル系化合物およびキノン系化合物からなる群より選択される1種以上の化合物である、硬化性組成物。
<2>
前記(A)成分100重量部に対して、
前記(B)成分の含有量が0.01~100重量部であり、
前記(C)成分の含有量が0.01~20.0重量部であり、
前記(D)成分の含有量が0.0001~0.9999重量部である、<1>に記載の硬化性組成物。
<3>
前記(A)成分が有する(メタ)アクリロイル基が、下記一般式(1)で表される、<1>または<2>に記載の硬化性組成物。
(式中、
は、水素原子またはメチル基を表し、
は、炭素数2~6の2価の飽和炭化水素基であって、ヘテロ原子を有しない基を表し、
~Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20の1価の炭化水素基またはアルコキシ基を表す)
<4>
前記(B)成分が、(メタ)アクリル酸エステルモノマーである、<1>~<3>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<5>
前記(D)成分が、N-オキシラジカル系化合物を含み、
前記N-オキシラジカル系化合物が、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカル、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカル、4-アミノ-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカル、4-プロピニルオキシ-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカル、4-アセトアミノ-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカル、4-ベンゾオキシ-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカル、4-オキソ-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカルおよび4-グリシジルオキシ-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカルからなる群より選択される1種以上の化合物である、<1>~<4>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<6>
前記(D)成分が、キノン系化合物を含み、
前記キノン系化合物が、p-ベンゾキノン、m―ベンゾキノン、o-ベンゾキノン、p-トルキノン、2-tert-ブチル-1,4-ベンゾキノン、2,6-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン,2,5-ジヒドロキ-1,4-ベンゾキノン、p-キシロキノンおよびクロラニルからなる群より選択される1種以上の化合物である、<1>~<5>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<7>
前記(D)成分の含有量が0.0005~0.8重量部である、<1>~<6>のいずれかに記載の硬化性組成物。
<8>
前記(D)成分の含有量が0.001~0.3重量部である、<1>~<7>のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
<9>
<1>~<8>のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させてなる、硬化物。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組合せて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例にて本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例によって本発明は何ら限定されるものではない。
〔使用した材料〕
実施例および比較例に係る硬化性組成物に配合した成分は、下記の通りである。
●(A)成分
・ポリイソブチレン系重合体(製造例1で合成したアクロイル末端ポリイソブチレン)
●(B)成分
・ビニル系モノマー(ジシクロペンタニルアクリレート、FA-513AS、昭和電工マテリアルズ株式会社株式会社)
●(C)成分
・光重合開始剤(製造例2で合成したもの)
●(D)成分
・N-オキシラジカル系化合物1(4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカル、東京化成工業株式会社)
・N-オキシラジカル系化合物2(4-オキソ-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカル、東京化成工業株式会社)
・キノン系化合物(p-ベンゾキノン、富士フイルム和光純薬株式会社)
●(D)成分に該当しない安定剤
・フェノール系安定剤1(p-メトキシフェノール、富士フイルム和光純薬株式会社)
・フェノール系安定剤2(ヒドロキノン、富士フイルム和光純薬株式会社)
・フェノール系安定剤3(2,6-ジtert-ブチル-4-メチルフェノール、東京化成工業株式会社)
・無機鉄塩系安定剤(第二塩化鉄、富士フイルム和光純薬株式会社)
・アミン系安定剤(フェノチアジン、富士フイルム和光純薬株式会社)
●その他
・酸化防止剤(ヒンダードフェノール系、アデカスタブAO-50、株式会社ADEKA)
〔測定方法および評価方法〕
(1)分子量
サイズ浸透クロマトグラフィー(SEC)を用いた標準ポリスチレン換算法により、ポリイソブチレン系重合体の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を測定した。SECの仕様は下記の通りである。
・SECシステム:LCModule1(Waters)
・固定相:ShodexGPCK-804(ポリスチレン架橋ゲル充填カラム、昭和電工)
・移動相:クロロホルム
(2)(メタ)アクリロイル基の数
下記の手順により、ポリイソブチレン系重合体の1分子あたりに導入されている(メタ)アクリロイル基の平均数を求めた。
1. (1)に記載の方法により、ポリイソブチレン系重合体の数平均分子量(Mn)を測定した。
2. ポリイソブチレン系重合体をHNMR測定した。まず、ポリイソブチレン骨格中の2つのメチル基に帰属するピークの面積を基準面積とした。具体的には、下記式を満たすように1.3ppm近傍のピークの積分値を設定した。
1.3ppm近傍のピークの積分値=(Mn/56.11)×6
3. 5.8~5.9ppm近傍、6.1~6.2ppm近傍、および6.4ppm近傍に表れるピークを、(メタ)アクリロイル基に由来するピークとした。それぞれのピークの積分値を基準面積に対する相対値として計算し、さらに3つの積分値の平均を計算した。得られた平均値を、ポリイソブチレン系重合体の1分子あたりに導入されている(メタ)アクリロイル基の平均数とした。
(3)増粘率
硬化前の硬化性組成物の粘度を、JIS K 7117-2に記載の「円すい-平板システム」に準拠して測定した。測定機としてE型粘度計(東機産業株式会社)を用いた。測定温度は23℃とした。
(3.1)調製直後の増粘率
真空脱泡直後の粘度をVa、真空脱泡前の粘度をVbとした。Va/Vbの値を調製直後の増粘率とした。
(3.2)1週間後の増粘率
約5gの硬化性組成物をバイアル瓶に採取して、40℃、遮光状態にて1週間保管した。1週間経過後の粘度をVc、真空脱泡前の粘度をVbとした。Vc/Vbの値を1週間後の増粘率とした。
(4)ハーゼン単位色数
硬化性組成物のハーゼン単位色数を、JIS K 0071-1に準拠して測定した。測定機として、分光測色計(SC-P、スガ試験機株式会社)を用いた。硬化性組成物のハーゼン単位色数は、硬化物のハーゼン単位色数と実質的に同じと見做せる。ハーゼン単位色数が小さいほど、硬化物は無色に近い。
(5)引張物性
JIS K 6251に準拠して引張試験を実施し、50%伸長時応力、破断時応力および破断時伸びを測定した。測定用のサンプルには、ダンベル3号型に打抜いたシート状硬化物を使用した。引張速度は500mm/分とした。50%伸長時応力の値が小さいほど、硬化物は柔軟である。破断時応力が大きいほど、硬化物の強度は高い。
(6)硬さ
硬化物の硬さを、JIS K 6253に準拠して測定した。測定機として、タイプAデュロメータを用いた。測定サンプルは、0.5mm厚みのシート状硬化物を3枚重ねたものとした。
(7)ゲル分率
下記の手順により、ゲル分率を求めた。
1. シート状硬化物の重量(W1)を測定した。
2. W1の約100倍量のトルエンに、シート状硬化物を浸漬させた。この状態で、70℃にて24時間静置した。
3. 室温まで冷却してから、沈澱物を濾別した。
4. 回収した沈殿物を、減圧下、80℃にて24時間乾燥させた。
5. 得られた固形分の重量(W2)を測定した。次の計算式によりゲル分率を求めた。
ゲル分率(%)=(W2/W1)×100
〔製造例1:ポリイソブチレン系重合体の製造〕
下記の手順により、アクリロイル基が分子末端に導入されているポリイソブチレン系重合体を製造した。
1. 1Lのセパラブルフラスコの容器内を窒素置換した。
2. 41mLのn-ヘキサンおよび372mLの塩化ブチルを仕込み、窒素雰囲気下で攪拌しながら-70℃まで冷却した。n-ヘキサンおよび塩化ブチルは、モレキュラーシーブスで乾燥させてから用いた。
3. 150mLのイソブチレン(1.78mol)、1.76gのp-ジクミルクロライド(0.0076mol)、および0.285gの2,6-ルチジン(0.00266mol)を容器に加えた。
4. 反応混合物が-70℃まで冷却されてから、1.4mLの四塩化チタン(0.0076mol)を加えた。これにより、重合を開始させた。
5. イソブチレンの残存量が投入量の0.5%を下回った段階で、3.86gのアクリル酸2-フェノキシブチルおよび5mLの四塩化チタンを容器に加えた。イソブチレンの残存量は、ガスクロマトグラフィにより測定した。
6. -70℃にて2時間攪拌した。
7. 500mLの純水および550mLのn-ヘキサンを容器に加えた。これにより、反応を停止させた。
8. 得られた重合液を、500mLの純水で3回水洗した。次に、減圧下にて溶媒を留去した。次に、得られた重合体を80℃にて24時間真空乾燥させた。このようにして、アクリロイル基が分子末端に導入されているポリイソブチレン系重合体を得た。
ポリイソブチレン系重合体は、数平均分子量(Mn):12,800、重量平均分子量(Mw):14,700、分子量分布(Mw/Mn):1.15であった。ポリイソブチレン系重合体の末端に導入されているアクリロイル基の数は、1分子あたりに平均して1.90個であった。ポリイソブチレン系重合体の粘度は、3130Pa・sであった。
〔製造例2:光重合開始剤の調製〕
下記の手順により、光重合開始剤を調製した。
1. 20gの2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン(DAROCUR1173、BASFジャパン株式会社)、および10gのビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド(IRGACURE819、BASFジャパン株式会社)を秤取した。
2. 80℃に加熱した状態で、各成分をスパチュラで5分間混合した。このようにして、光重合開始剤を得た。
〔実施例1~7、比較例1~5〕
下記の手順により、硬化性組成物および硬化物を得た。
1. 表1、2に記載の成分のうち(C)成分以外を、60℃に加温した状態で、スパチュラを使用して手混ぜで5分間攪拌した。この後、ハーゼン単位色数を測定した。
2. (C)成分をさらに加えて、手混ぜで2分間攪拌した。この後、真空脱泡前の粘度(Vb)を測定した。
3. 卓上真空攪拌機(株式会社シーテック)を用いて、硬化性組成物を20分間真空脱泡した。この後、真空脱泡直後の粘度(Va)を測定した。また、1週間経過後の粘度(Vc)は、真空脱泡後の硬化性組成物を密閉状態遮光下で1週間保管してから測定した。
4. 真空脱泡直後の硬化性組成物を、ポリエチレンシート上に塗布した。このときの厚みは、0.5mmとした。
5. UV照射装置(LH6、ヘレウス株式会社、ランプ:H-バルブ)を用いて、20秒間UV光を照射した。照射条件は、ピーク照度:500mW/cm、積算光量:2,000mJ/cmとした。ピーク照度および積算光量は、4バンドUV測定器(UV POWER PUCK II、EIT LLC)により測定し、UVA(320~390nm)の測定値を用いた。このようにして、厚み0.5mmのシート状硬化物を得た。
〔結果〕
実施例1~7の結果を表1に示す。比較例1~5での結果を表2に示す。
実施例に係る硬化性組成物は、安定剤として、N-オキシラジカル系化合物またはキノン系化合物((D)成分)を配合した。これらの硬化性組成物は、調製直後においても、1週間経過後においても、増粘率が1倍前後であり貯蔵安定性に優れていた。この傾向は、(D)成分の配合量を0.003重量部にまで減じても維持されていた。また、実施例に係る硬化物組成物から得られた硬化物は、充分な機械物性を有していた。この結果から、安定剤として(D)成分を配合することにより、硬化物の機械物性を損なうことなく硬化性組成物の貯蔵安定性を向上させられることが示唆される。
比較例に係る硬化性組成物は、(D)成分以外の安定剤を配合した。これらの硬化性組成物は、安定剤の配合量が0.1重量部もあるにもかかわらず、増粘率が1.5倍以上あり貯蔵安定性が不充分であった。とりわけ、比較例1~3に係る硬化性組成物は、1週間の保管後にゲル化してしまったため、粘度が測定できなかった。
硬化物の着色度に着目すると、実施例1~3、7の結果より、(D)成分の配合量が多くなるほど着色度が高くなる傾向が見られた。そのため、着色度が低い硬化物を得るためには、(D)成分の配合量をある程度少なくする方が好ましいことが示唆される。
本発明の一実施形態に係る硬化性組成物は、様々な用途に利用できる。その一例として、シール材、封止材、コーティング剤、ポッティング材、固定ガスケット、現場成形ガスケット、接着剤、粘着剤、充填剤、成形体、発泡体、フィルム、注型材料、インキ、防振・制振・防音・免震材料が挙げられる。

Claims (9)

  1. 下記(A)~(D)成分を含み、
    (A)成分:(メタ)アクリロイル基を1分子中に平均1.2~2.0個有するポリイソブチレン系重合体
    (B)成分:ビニル系モノマー
    (C)成分:光重合開始剤
    (D)成分:安定剤
    前記(D)成分が、N-オキシラジカル系化合物およびキノン系化合物からなる群より選択される1種以上の化合物である、硬化性組成物。
  2. 前記(A)成分100重量部に対して、
    前記(B)成分の含有量が0.01~100重量部であり、
    前記(C)成分の含有量が0.01~20.0重量部であり、
    前記(D)成分の含有量が0.0001~0.9999重量部である、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記(A)成分が有する(メタ)アクリロイル基が、下記一般式(1)で表される、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
    (式中、
    は、水素原子またはメチル基を表し、
    は、炭素数2~6の2価の飽和炭化水素基であって、ヘテロ原子を有しない基を表し、
    ~Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~20の1価の炭化水素基またはアルコキシ基を表す)
  4. 前記(B)成分が、(メタ)アクリル酸エステルモノマーである、請求項1~3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記(D)成分が、N-オキシラジカル系化合物を含み、
    前記N-オキシラジカル系化合物が、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカル、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカル、4-アミノ-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカル、4-プロピニルオキシ-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカル、4-アセトアミノ-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカル、4-ベンゾオキシ-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカル、4-オキソ-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカルおよび4-グリシジルオキシ-テトラメチルピペリジン-1-オキシルフリーラジカルからなる群より選択される1種以上の化合物である、請求項1~4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記(D)成分が、キノン系化合物を含み、
    前記キノン系化合物が、p-ベンゾキノン、m―ベンゾキノン、o-ベンゾキノン、p-トルキノン、2-tert-ブチル-1,4-ベンゾキノン、2,6-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノン,2,5-ジヒドロキ-1,4-ベンゾキノン、p-キシロキノンおよびクロラニルからなる群より選択される1種以上の化合物である、請求項1~5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  7. 前記(D)成分の含有量が0.0005~0.8重量部である、請求項1~6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  8. 前記(D)成分の含有量が0.001~0.3重量部である、請求項1~7のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させてなる、硬化物。
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