JP2023108220A - 切削油活性化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】切削油の酸化と性能劣化を抑制することができる切削油活性化装置を提供する。【解決手段】切削油活性化装置1は、導電性の内側筒体20と、内側筒体20と接続される導電性の入口連結管23と、内側筒体20と接続される導電性の出口連結管24と、内側筒体20の外側に配置され、内側筒体20、入口連結管23、及び出口連結管24と電気的に絶縁される導電性の外側筒体22と、内側筒体20の内側に配置される蛇腹管51と、蛇腹管51の内側に配置されるハニカムメッシュ部52と、ハニカムメッシュ部52の半径方向内側に充填される複数の活性化ボール体53とを備える。活性化ボール体53のそれぞれは、閉殻空洞状の構造を有するボールケース55と、ボールケース55の内部に収容されるボールとを含む。ボール56は、イオン線、磁力線、遠赤外線、又は微量放射線を放射可能な1種以上の機能性鉱物を含有する。【選択図】図8

Description

本発明は、切削油活性化装置に係り、特に切削油を活性化状態にするための切削油活性化装置に関するものである。
山間部に降った雨や積雪が地中に浸透した地下水は、やがて湧き水となり川の源流を形成する。この過程において、鉱物や岩石からの遠赤外線やマイナスイオン作用、磁気作用により水分子の水素結合集団(クラスタ)が細分化されることにより、あるいは、岩への衝突や滝からの落下などの際の水分子同士の摩擦から生じた電子を受け取ることにより水が還元性を有するようになる。このような還元性を有することになった水はいわゆる「活水」や「活性水」と呼ばれ、特定の機能を発揮する水として巷間で話題となっている。
このような活性水は、科学的な裏付けが立証されて公の承認を得ているものとは未だ言い難いが、特定部材の処理水や添加水として、あるいは飲料水として用いた場合の変化や感応については、経験的なものではあるものの広範な効果及び効能が認められているのもまた事実である。
例えば、このような活水を得るための活水化装置として螺旋条を形成した活水ピースを用いるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の活水化装置を用いることで水を活水状態にすることができるが、このような活水化装置を例えば工作機械などで用いられる切削油に応用することはこれまでなされてこなかった。
特許第5236945号明細書
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、切削油の酸化と性能劣化を抑制することができる切削油活性化装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、切削油の酸化と性能劣化を抑制することができる切削油活性化装置が提供される。この切削油活性化装置は、導電性の内側筒体と、流入口が形成され、上記内側筒体と接続される導電性の入口連結管と、流出口が形成され、上記内側筒体と接続される導電性の出口連結管と、上記内側筒体の外側に配置され、上記内側筒体、上記入口連結管、及び上記出口連結管と電気的に絶縁される導電性の外側筒体と、上記内側筒体の内側に配置される蛇腹管と、上記蛇腹管の内側に配置されるハニカムメッシュ部と、上記ハニカムメッシュ部の半径方向内側に充填される複数の活性化ボール体とを備える。上記複数の活性化ボール体のそれぞれは、閉殻空洞状の構造を有するケースと、上記ケースの内部に収容されるボールであって、イオン線、磁力線、遠赤外線、又は微量放射線を放射可能な1種以上の機能性鉱物を含有するボールとを含む。なお、本明細書中でいう「切削油」は、油だけを意味するものではなく、切削油に水が含まれる場合には、切削油に含まれる水も含むものである。
図1は、本発明の一実施形態に係る切削油活性化装置を含む液体活性化システムの構成を示す模式図である。 図2は、図1に示す切削油活性化装置を模式的に示す部分断面側面図である。 図3は、図2に示される切削油活性化装置におけるホルダを模式的に示す斜視図である。 図4は、図2に示される切削油活性化装置における前段傘体を模式的に示す斜視図である。 図5は、図2に示される切削油活性化装置における活性化部材を模式的に示す斜視図である。 図6は、図3に示されるホルダに保持される活性化部材の配置を模式的に示す平面図である。 図7は、図2に示される切削油活性化装置における旋回羽根を模式的に示す斜視図である。 図8は、図2に示される切削油活性化装置における活性化モジュールの構成を模式的に示す断面図である。 図9Aは、図8に示される活性化モジュールのハニカムメッシュ部を構成するメッシュ部材を模式的に示す斜視図である。 図9Bは、図9Aに示されるメッシュ部材の部分拡大平面図である。 図10は、図8に示される活性化モジュールの活性化ボール体を模式的に示す斜視図である。 図11は、図10に示される活性化ボール体の分解斜視図である。 図12は、図2に示される切削油活性化装置における後段傘体を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明に係る切削油活性化装置の実施形態について図2から図12を参照して詳細に説明する。図2から図12において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、図2から図12においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や一部の構成要素が省略されている場合がある。以下の説明では、特に言及がない場合には、「第1」や「第2」などの用語は、構成要素を互いに区別するために使用されているだけであり、特定の順位や順番を表すものではない。
図1は、本発明の一実施形態における切削油活性化装置1を含む切削油活性化システム101を示す模式図である。この切削油活性化システム101は、例えば工作機械などで用いられる水溶性の切削油又はそのような切削油と水との混合液を活性化させるために用いることができる。この切削油活性化システム101は、筐体110と、筐体110内に収容される2つの切削油活性化装置1(1A,1B)と、上流側の切削油活性化装置1Aの出口連結管24と下流側の切削油活性化装置1Bの入口連結管23とを接続するエルボ管120とを備えている。上流側の切削油活性化装置1Aの入口連結管23は筐体110の入口ポート111に接続されており、下流側の切削油活性化装置1Bの出口連結管24は筐体110の出口ポート112に接続されている。
このような構成において、筐体110の入口ポート111に接続された切削油活性化装置1Aの入口連結管23から切削油(水と切削油との混合液を含む)が切削油活性化装置1Aに導入され、切削油が切削油活性化装置1A内を通過する。切削油活性化装置1A内を通過した切削油はさらにエルボ管120を通って切削油活性化装置1Bの入口連結管23から切削油活性化装置1Bに導入され、切削油が切削油活性化装置1B内を通過する。切削油活性化装置1A,1Bを通過した切削油は、筐体110の出口ポート112に接続された切削油活性化装置1Bの出口連結管24から排出される。
以下、上記切削油活性化システム101内の切削油活性化装置1について詳細に述べる。図2は、図1に示す切削油活性化装置1を模式的に示す部分断面側面図である。図2に示すように、切削油活性化装置1は、略円筒状の筐体2と、筐体2の内部空間に通油方向に沿って配置された複数のホルダ3(3A~3E)と、羽根部材4と、活性化モジュール5とを有している。なお、本明細書では、特に言及がない場合には、通油方向に沿った方向を「下流側」といい、それとは逆の方向を「上流側」ということとする。
筐体2は、例えば金属からなる導電性の内側筒体20と、内側筒体20の外周の略全面を覆う絶縁部材21と、絶縁部材21の外周を覆う導電性の外側筒体22と、内側筒体20の上流側端部の開口部を覆うように内側筒体20と接続される入口連結管23と、内側筒体20の下流側端部の開口部を覆うように内側筒体20と接続される出口連結管24とを含んでいる。連結管23,24は導電性の材料から形成されており、絶縁部材21は電気的絶縁性を有する材料から形成されている。
内側筒体20に接続された入口連結管23の開放端は、切削油が流入する流入口23Aとなっており、内側筒体20に接続された出口連結管24の開放端は、筐体2内を通過した切削油が流出する流出口24Aとなっている。これらの流入口23A及び流出口24Aの内周面には、上述した通油管や配油管に螺合させるためのネジ溝(図示せず)が形成されている。このように、連結管23,24は上述した通油管や配油管と螺合によりシールされた状態で連結されるようになっている。本実施形態では、入口連結管23の流入口23Aと出口連結管24の流出口24Aとを同一直線あるいは同一曲線上に配置することで、通油時の圧力損失の低減を図っている。
連結管23,24と外側筒体22の両端部との間には電気絶縁性を有する絶縁リング25が配置されており、これにより連結管23,24と外側筒体22との間が電気的に絶縁されている。外側筒体22にはアース端子(図示せず)が接続されており、外側筒体22に生じた正電荷を接地(アース)するようになっている。なお、切削油活性化装置1を地中に埋設する場合には、このようなアース端子を省略することができる。
図3は、ホルダ3を模式的に示す斜視図である。このホルダ3は、例えば樹脂により成形され、ホルダ3の外形は上述した内側筒体20の内周面に略適合するような大きさとなっている。これにより、内側筒体20の内部空間に複数のホルダ3を同軸上に多段に配置できるようになっている。切削油活性化装置1内のホルダ3の個数は、切削油の流量や活性化の効率などを考慮して任意の数とすることができる。
図3に示すように、ホルダ3は、網目状に形成された保持部30と、保持部30の中央部から保持部30と垂直に延びる連結軸31と、保持部30の外周縁から保持部30を取り囲むように円筒状に延びる周壁32とを含んでいる。この例では、連結軸31の保持部30からの高さは、周壁32の保持部30からの高さよりも高くなっている。周壁32の端部にはテーパが形成されている。
ホルダ3の連結軸31の端部は隣接するホルダ3に嵌合可能に構成されており、これにより隣接するホルダ3と同軸で嵌合して軸方向に沿ってホルダ3を多段に連結することができる。本実施形態では、図2に示すように、1段目のホルダ3Aは、円錐状の前段傘体6を保持しており、2段目のホルダ3B及び3段目のホルダ3Cは、円筒状の1以上の活性化部材7を保持している。4段目のホルダ3Dは、活性化モジュール5の端部を保持しており、5段目のホルダ3Eは、1以上の円錐状の後段傘体8を保持している。
図3に示すように、ホルダ3の保持部30は、連結軸31から周壁32まで放射状に延びる複数の放射リブ33と、これらの放射リブ33の間を周方向に連結する複数の同心リブ34とを有している。放射リブ33と同心リブ34とによって保持部30の全面に切削油を通過させることが可能な通油口35が多数形成されている。図3では図示が省略されているが、放射リブ33及び同心リブ34は、通油口35を切削油が通過する際に切削油を旋回させて乱流を発生させるように傾斜面を有している。なお、放射リブ33や同心リブ34の配置や個数は図示のものに限られるものではない。
図4は、1段目のホルダ3Aに保持される前段傘体6を模式的に示す斜視図である。図4に示すように、円錐状の前段傘体6の頂部にはネジ孔6Aが形成されており、前段傘体6のネジ孔60にネジ61(図2参照)を挿入し、ホルダ3Aの連結軸31の端部に形成されたネジ溝31A(図3参照)に螺合させることで、前段傘体6がホルダ3Aに固定される。この前段傘体6の頂部の開き角度は略90度となっており、その裾の縁部62の直径はホルダ3Aの最外同心リブ34の直径と同程度となっている。このように、前段傘体6は、上流から下流に向かって裾が広がるようにホルダ3A内に保持される。
本実施形態における前段傘体6はチタン合金により形成されている。チタン合金は、切削油に含まれる水と触れると触媒作用を発揮し、大腸菌やレジオネラ菌等の殺菌と菌の増殖の抑制を行うことができるとともに、塩素をイオン化することにより無害化することができる。
図5は、2段目及び3段目のホルダ3B,3Cに保持される活性化部材7を模式的に示す斜視図である。この活性化部材7は、イオン線、磁力線、遠赤外線、又は各種の微量放射線を放射する物性を有する1種以上の機能性鉱物を主成分とする円柱状の焼成体により形成される。このような機能性鉱物としては、セラミック、ブラックシリカ(黒鉛硅石)、黒曜石、麦飯石、トルマリンなどが挙げられる。
活性化部材7には、その中心軸に沿って貫通孔70が形成されている。この貫通孔70の内面には、軸方向に沿って螺旋状に延びる螺旋溝71が形成されている。また、活性化部材7の外面には、軸方向に沿って螺旋状に延びる螺旋溝72が形成されている。このような螺旋溝71,72によって、活性化部材7の表面積が実質的に増大し、切削油と活性化部材7との接触面積が大きくなる。また、活性化部材7に流れ込んだ切削油は、これらの螺旋溝71,72を通過することにより旋回流となる。なお、本実施形態では、この螺旋溝71,72を周方向に連続して形成しているが、周方向の一部にのみこのような螺旋溝を形成してもよい。
活性化部材7の高さはホルダ3の連結軸31よりわずかに低く、活性化部材7の直径はホルダ3の保持部30の半径の略半分となっている。また、活性化部材7の貫通孔70の寸法はホルダ3の連結軸31の外径よりわずかに大きくなっている。
図6は、ホルダ3に保持される活性化部材7の配置を模式的に示す平面図である。図6に示すように、本実施形態においては、1つのホルダ3に7個の活性化部材7が保持されている。ホルダ3の連結軸31を1つの活性化部材7の貫通孔70に挿通することにより、この活性化部材7がホルダ3の中央に配置される。この活性化部材7を中心としてホルダ3の周壁32の内側に6つの活性化部材7が互いに接触することなく周方向に等間隔に配置されている。
このように活性化部材7を配置することにより、活性化部材7の表面に満遍なく切削油が接触するとともに、上述した螺旋溝71,72を流れる切削油からの力によって活性化部材7が自転するようになっている。また、活性化部材7に接触する切削油に対して上述した機能性鉱物からのイオン線、磁力線、遠赤外線、又は各種の微量放射線などを作用させることができるので、活性化をより効果的に行うことができる。
図7は、羽根部材4を模式的に示す斜視図である。図7に示すように、羽根部材4は、円環状に延びるリング部40と、リング部40の中心に位置する所定長さの軸部41と、軸部41からリング部40に向けて放射状に延びる複数枚の旋回羽根42とを含んでいる。6枚の旋回羽根42は、周方向に沿って等間隔に配置されている。それぞれの旋回羽根42は、軸方向に流れる切削油に旋回流を引き起こすように捻れた3次元曲面を有している。なお、本実施形態では、切削油活性化装置1内に1つの羽根部材4のみが設けられているが、切削油活性化装置1内に複数個の羽根部材4を配置してもよい。
羽根部材4の軸部41の頂部には断面矩形状の突起43が形成されている。この突起43は、ホルダ3Cの連結軸31の底部に形成された凹部(図示せず)と嵌合するようになっている。このような突起43によって羽根部材4がホルダ3Cに連結されているため、旋回羽根42が切削油の流れに与えた旋回力の反作用力によって羽根部材4が自転してしまうことを抑制することができる。したがって、切削油の流れの持っている速度エネルギーが羽根部材4の自転により消費されてしまうことを抑制することができる。
この羽根部材4は、イオン線、磁力線、遠赤外線、又は各種の微量放射線を放射する物性を有する機能性鉱物を粉末状又は細粒状にしたものを樹脂材料に混合したものを成形することにより形成することが好ましい。このような機能性鉱物としては、セラミック、ブラックシリカ(黒鉛硅石)、黒曜石、麦飯石、トルマリンなどが挙げられる。樹脂材料に混合する機能性鉱物は、1種に限定されるものではなく、対象とする液体や処理容量などを考慮して、2種以上の機能性鉱物を配合させて使用することも可能である。このような材料から形成された羽根部材4に切削油を接触させることにより、イオン線、磁力線、遠赤外線、又は各種の微量放射線などの作用を切削油に与えることができるので、活性化をより効果的に行うことができる。樹脂材料としては、例えば、ナイロン、ウレタン、シリコンなどを用いることができる。
図8は、活性化モジュール5の構成を模式的に示す断面図である。図8に示すように、活性化モジュール5は、例えば樹脂により形成される外管50と、外管50の内側に収容される蛇腹管51と、蛇腹管51の内側に配置される円筒状のハニカムメッシュ部52と、ハニカムメッシュ部52の半径方向内側に充填される複数の活性化ボール体53とを含んでいる。蛇腹管51は、羽根部材4と同様に、上述した機能性鉱物を粉末状又は細粒状にしたものを樹脂材料に混合したものから形成することが好ましい。
蛇腹管51の両端は円筒状になっているが、外管50の内側に位置する部分の内面及び外面には、軸方向に沿って一定の間隔で凹凸が繰り返し形成されている。このような凹凸形状を形成することにより、蛇腹管51の内側面及び外側面に沿う流れを乱して乱流状態として撹拌させることができる。これにより、切削油中の分子と活性化モジュール5とが接触する機会を増やして活性化をより促進することができる。なお、このような凹凸は、蛇腹管51の内面及び外面のいずれか一方にのみ形成してもよいが、より活発な撹拌状態を実現するためには、蛇腹管51の内面と外面の双方に凹凸を形成することが好ましい。
蛇腹管51の外面と外管50の内周面との間には間隙Gが形成されており、この間隙Gの内部にも切削油が通油方向に向かって流れるようになっている。蛇腹管51には、軸方向に沿った複数の箇所で蛇腹管51の内側と外側を連通する通油口51Aが形成されている。この通油口51Aを介して蛇腹管51の内側と外側との間で切削油が行き来することで、広範囲な切削油の移動と攪拌を実現することができる。なお、この通油口51Aの形状、位置、及び個数は、流れる切削油の粘度、流量、流速などを考慮して選択される。
ハニカムメッシュ部52は、2つのメッシュ層52A,52Bを有する円筒状の部材であり、図9Aに示すようなメッシュ部材54を円筒状に形成することにより得られるものである。このハニカムメッシュ部52は、円筒に近い形であればよく、閉じた円筒である必要はない。
図9Bは、ハニカムメッシュ部52を構成するメッシュ部材54の部分拡大平面図である。図9A及び図9Bに示すように、メッシュ部材54は、例えば樹脂により形成されるもので、多数の六角形状開口が連続して形成されたハニカム構造を有する第1のメッシュ層54Aと、第1のメッシュ層54Aと同様に多数の六角形状開口が連続して形成されたハニカム構造を有する第2のメッシュ層54Bとが積層結合されることにより形成される。図9Bにおいては、理解を容易にするために、第1のメッシュ層54Aを網掛けで示している。図9Bにおいては、第2のメッシュ層54Bのハニカム構造における六角形の中心が第1のメッシュ層54Aのハニカム構造における六角形の頂点に位置しており、第1のメッシュ層54Aのハニカム構造(第1のハニカム構造)と第2のメッシュ層54Bのハニカム構造(第2のハニカム構造)とが平面図において互いに重ならないようにオフセットされた位置に配置されている。
このようなメッシュ部材54から構成されるハニカムメッシュ部52を用いることにより、活性化モジュール5内を流れる切削油の動きを渦から波に変えることができる。したがって、活性化モジュール5内で切削油本来の潜在能力が回復されやすい。
図10は、活性化ボール体53を模式的に示す斜視図である。図10に示すように、活性化ボール体53は、開殻空洞状の構造を有するボールケース55と、ボールケース55の内部に移動自在に収容されたボール56とを含んでいる。例えば、ボールケース55は樹脂により形成される。ボール56は、イオン線、磁力線、遠赤外線、又は各種の微量放射線を放射する物性を有する1種以上の機能性鉱物を含んでいる。このような機能性鉱物としては、セラミック、ブラックシリカ(黒鉛硅石)、黒曜石、麦飯石、トルマリンなどが挙げられる。
本実施形態におけるボールケース55は、32面体のそれぞれの辺を構成する結合部57を含む閉殻空洞状の構造を有しており、ボールケース55の内部に切削油を通すことができるようになっている。このように、ボールケース55の内部に切削油を通してボールケース55内部に収容されたボール56に切削油を接触させることにより、上述した機能性鉱物によるイオン線、磁力線、遠赤外線、又は各種の微量放射線などの作用を切削油に与えることができるので、活性化をより効果的に行うことができる。
図11に示すように、ボールケース55は、同一の構造を有する2つのケース部品90から構成されている。それぞれのケース部品90は、他方のケース部品90に向かって突出する3つの突起91と、他方のケース部品90の突起91を受け入れる3つの突起受け部92とを有している。それぞれのケース部品90の突起91は周方向に120度の間隔で形成されており、突起受け部92も周方向に120度の間隔で形成されている。突起受け部92は、2つの突起91の中間位置に配置されている。したがって、2つのケース部品90を60度ずらすことにより、一方のケース部品90の突起91を他方の突起受け部92に収容することができ、これにより2つのケース部品90を結合してボールケース55を形成することができる。なお、ボールケース55の形状は図示のものに限られるものではなく、閉殻空洞状の構造を有していれば、どのような構造のものであってもよい。
図12は、5段目のホルダ3Eに保持される後段傘体8を模式的に示す斜視図である。図12に示すように、円錐状の後段傘体8の頂部の開き角度は略45度となっており、その裾の縁部80がホルダ3Eの保持部30に接するように後段傘体8がホルダ3E内に配置されている。このように、後段傘体8は、上流から下流に向かって裾が広がるようにホルダ3E内に保持されている。本実施形態では、4つの後段傘体8が、ホルダ3Eの連結軸31を中心にホルダ3Eの周壁32の内側に互いに接触することなく周方向に等間隔に配置されている。
本実施形態における後段傘体8はチタン合金により形成されている。チタン合金は、切削油に含まれる水と触れると触媒作用を発揮し、大腸菌やレジオネラ菌等の殺菌と菌の増殖の抑制を行うことができるとともに、塩素をイオン化することにより無害化することができる。
このような構成の切削油活性化装置1において、筐体2の流入口23Aから流入した切削油(図2におけるW)は、1段目のホルダ3Aに保持された前段傘体6に衝突して広がりつつ加速し、前段傘体6の裾の縁部62で多数の渦流を発生させる。このとき、前段傘体6はチタン合金により形成されているため、流れる切削油が前段傘体6に衝突したときに、チタン合金の触媒作用によって、切削油における菌の増殖が抑制され、塩素がイオン化されて無害化される。この場合、切削油に含まれる水の水質改善効果も期待することができ、クロラミン(窒素化合物)やフミン質などの有機物質が塩素と反応して生成されるトリハロメタンが減少することが期待できる。このとき増殖が抑制される細菌としては、大腸菌及びレジオネラ属菌が挙げられる。
前段傘体6を通過してホルダ3Aの保持部30に到達した切削油は、通油口35を通過する際に放射リブ33及び同心リブ34の傾斜面により旋回され、旋回渦流となって多様な方向に攪拌された乱流状態となる。このようにして乱流状態となった切削油は、2段目及び3段目のホルダ3B,3Cの保持部30に保持される活性化部材7に衝突しながら活性化部材7の間を通過する。このとき、活性化部材7は互いに接触していないため、螺旋溝71,72を流れる切削油によってそれぞれの活性化部材7が自転するとともに、切削油は螺旋溝71,72に沿って旋回する。このとき、活性化部材7の螺旋溝71,72に沿って旋回する切削油は、活性化部材7の機能性鉱物によるイオン線、磁力線、遠赤外線、又は各種の微量放射線などの作用を受ける。
活性化部材7に接触して旋回流となった切削油は、保持部30の放射リブ33及び同心リブ34の傾斜面によってさらなる攪拌を加えられた乱流状態となり、3段目のホルダ3Cから羽根部材4に流入する。3段目のホルダ3Cから羽根部材4に流入した切削油は、上述した羽根部材4の旋回羽根42によって軸部41を中心として旋回しながら活性化モジュール5に流れ込む。このとき、羽根部材4の旋回羽根42に接触しながら旋回する切削油は、羽根部材4の機能性鉱物によるイオン線、磁力線、遠赤外線、又は各種の微量放射線などの作用を受ける。
活性化モジュール5に流れ込んだ切削油は、ハニカムメッシュ部52の内側で活性化ボール体53のボールケース55を通過してボール56に接触し、ボール56の機能性鉱物によるイオン線、磁力線、遠赤外線、又は各種の微量放射線などの作用を受ける。また、蛇腹管51の通油口51Aを介して蛇腹管51の内側と外側との間で切削油が行き来して、切削油が撹拌される。
活性化モジュール5を出た切削油は、4段目のホルダ3Dの保持部30の放射リブ33及び同心リブ34の傾斜面によってさらなる攪拌を加えられた乱流状態となり、最終段のホルダ3Eに保持された後段傘体8に衝突する。このとき、複数の後段傘体8によって切削油の流れが分流され、加速される。また、それぞれの後段傘体8の裾の縁部80において生じた細かな渦流が切削油の流れに付加される。このとき、後段傘体8はチタン合金により形成されているため、切削油が後段傘体8に衝突したときに、チタン合金の触媒作用によって、切削油における菌の増殖が抑制され、塩素がイオン化されて無害化される。
後段傘体8を通過してホルダ3Eの保持部30に到達した切削油は、通油口35を通過する際に放射リブ33及び同心リブ34の傾斜面により旋回されて旋回渦流となって流出口24Aから出ていく。
上述のように切削油活性化装置1を通過した流出切削油は、2種類の形状を有する傘体6,8間での共鳴作用や傘体6,8の触媒作用によって細菌(大腸菌、レジオネラ属菌)の増殖が抑制されるだけでなく、含まれる水の硬度も軟化(110から20に低下)する。また、流出切削油に含まれる水は、活性化部材7や活性化ボール体53のボール56からの遠赤外線により水分子の水素結合集団(クラスタ)が細分化されるとともに、水分子同士の摩擦から電子を生じて還元性の水となる(活水状態となる)。さらに、活性化部材7、ホルダ3、羽根部材4、及び活性化モジュール5の構成により、複数の渦流が内側や外側に偏向した多様な乱流が生じ、効率的な攪拌作用が生じる。これにより、マイナス電荷の発生が可及的に増幅して、より活性化作用が高いものとなる。
さらに、筐体2の内側筒体20と外側筒体22との間を電気的に絶縁することで、切削油活性化装置1が電気二重層コンデンサとして機能するため、内側筒体20の内部空間に生じた電子が筐体2の外部から正電荷を引き寄せて活性化作用を損なうことを抑制することができ、切削油活性化装置1の電蝕なども防止される。
上述した本実施形態におけるホルダ3や活性化部材7、羽根部材4、前段傘体6、及び後段傘体8の数などは図示のものに限られるものではなく、切削油の粘度、流量、流速、活性化の効率などを考慮して任意に選択することができる。
このように、切削油活性化装置1に切削油を通過させることにより、切削油活性化装置1の内部の機能性鉱物の作用により切削油中のマイナスイオンが増加し、切削油の酸化が抑制され、切削油の性能劣化が防止される。したがって、切削油活性化システム101を通過させることにより切削油を何度も再利用することが可能となる。また、切削油の悪臭も抑制され、切削油に防錆効果が認められるようになる。
以上述べたように、本発明の一態様によれば、切削油の酸化と性能劣化を抑制することができる切削油活性化装置が提供される。この切削油活性化装置は、導電性の内側筒体と、流入口が形成され、上記内側筒体と接続される導電性の入口連結管と、流出口が形成され、上記内側筒体と接続される導電性の出口連結管と、上記内側筒体の外側に配置され、上記内側筒体、上記入口連結管、及び上記出口連結管と電気的に絶縁される導電性の外側筒体と、上記内側筒体の内側に配置される蛇腹管と、上記蛇腹管の内側に配置されるハニカムメッシュ部と、上記ハニカムメッシュ部の半径方向内側に充填される複数の活性化ボール体とを備える。上記複数の活性化ボール体のそれぞれは、閉殻空洞状の構造を有するケースと、上記ケースの内部に収容されるボールであって、イオン線、磁力線、遠赤外線、又は微量放射線を放射可能な1種以上の機能性鉱物を含有するボールとを含む。
上記ハニカムメッシュ部は、第1のハニカム構造を有する第1のメッシュ層と、上記第1のハニカム構造からオフセットされた位置に第2のハニカム構造を有する第2のメッシュ層とが互いに結合されたメッシュ部材から構成されることが好ましい。
上記蛇腹管には、上記蛇腹管の内側と外側とを連絡する通油口が形成されていることが好ましい。また、上記蛇腹管は、イオン線、磁力線、遠赤外線、又は微量放射線を放射可能な1種以上の機能性鉱物を含有することが好ましい。
上記活性化ボール体の上記ケースは、所定の間隔で配置された複数の突起と、上記所定の間隔と同一の間隔で配置された複数の突起受け部とを有する2つのケース部品により構成され得る。この場合において、上記ケース部品の上記突起受け部は、隣接する上記突起の間の中間に配置されていてもよい。
上記切削油活性化装置は、上記内側筒体の内側に配置され、軸方向に流れる切削油に旋回流を引き起こす羽根部材をさらに備えていてもよい。この羽根部材は、イオン線、磁力線、遠赤外線、又は微量放射線を放射可能な1種以上の機能性鉱物を含有していてもよい。
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
1 切削油活性化装置
2 筐体
3(3A~3E) ホルダ
4 羽根部材
5 活性化モジュール
6 前段傘体
7 活性化部材
8 後段傘体
20 内側筒体
21 絶縁部材
22 外側筒体
23 入口連結管
23A 流入口
24 出口連結管
24A 流出口
25 絶縁リング
30 保持部
31 連結軸
32 周壁
33 放射リブ
34 同心リブ
35 通油口
40 リング部
41 軸部
42 旋回羽根
43 突起
50 外管
51 蛇腹管
51A 通油口
52 ハニカムメッシュ部
52A,52B メッシュ層
53 活性化ボール体
54 メッシュ部材
54A 第1のメッシュ層
54B 第2のメッシュ層
55 ケース
56 ボール
57 結合部
70 貫通孔
71,72 螺旋溝
90 ケース部品
91 突起
92 突起受け部

Claims (7)

  1. 導電性の内側筒体と、
    流入口が形成され、前記内側筒体と接続される導電性の入口連結管と、
    流出口が形成され、前記内側筒体と接続される導電性の出口連結管と、
    前記内側筒体の外側に配置され、前記内側筒体、前記入口連結管、及び前記出口連結管と電気的に絶縁される導電性の外側筒体と、
    前記内側筒体の内側に配置される蛇腹管と、
    前記蛇腹管の内側に配置されるハニカムメッシュ部と、
    前記ハニカムメッシュ部の半径方向内側に充填される複数の活性化ボール体と
    を備え、
    前記複数の活性化ボール体のそれぞれは、
    閉殻空洞状の構造を有するケースと、
    前記ケースの内部に収容されるボールであって、イオン線、磁力線、遠赤外線、又は微量放射線を放射可能な1種以上の機能性鉱物を含有するボールと
    を含む、
    切削油活性化装置。
  2. 前記ハニカムメッシュ部は、第1のハニカム構造を有する第1のメッシュ層と、前記第1のハニカム構造からオフセットされた位置に第2のハニカム構造を有する第2のメッシュ層とが互いに結合されたメッシュ部材から構成される、請求項1に記載の切削油活性化装置。
  3. 前記蛇腹管には、前記蛇腹管の内側と外側とを連絡する通油口が形成される、請求項1又は2に記載の切削油活性化装置。
  4. 前記蛇腹管は、イオン線、磁力線、遠赤外線、又は微量放射線を放射可能な1種以上の機能性鉱物を含有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の切削油活性化装置。
  5. 前記活性化ボール体の前記ケースは、所定の間隔で配置された複数の突起と、前記所定の間隔と同一の間隔で配置された複数の突起受け部とを有する2つのケース部品により構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の切削油活性化装置。
  6. 前記ケース部品の前記突起受け部は、隣接する前記突起の間の中間に配置される、請求項5に記載の切削油活性化装置。
  7. 前記内側筒体の内側に配置され、軸方向に流れる切削油に旋回流を引き起こす羽根部材であって、イオン線、磁力線、遠赤外線、又は微量放射線を放射可能な1種以上の機能性鉱物を含有する羽根部材をさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の切削油活性化装置。
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