JP4264117B2 - 霧発生装置 - Google Patents

霧発生装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4264117B2
JP4264117B2 JP2007556946A JP2007556946A JP4264117B2 JP 4264117 B2 JP4264117 B2 JP 4264117B2 JP 2007556946 A JP2007556946 A JP 2007556946A JP 2007556946 A JP2007556946 A JP 2007556946A JP 4264117 B2 JP4264117 B2 JP 4264117B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
gas
fog
main body
cylindrical member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007556946A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2007089013A1 (ja
Inventor
修 松本
Original Assignee
修 松本
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 修 松本 filed Critical 修 松本
Priority claimed from PCT/JP2007/051895 external-priority patent/WO2007089013A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4264117B2 publication Critical patent/JP4264117B2/ja
Publication of JPWO2007089013A1 publication Critical patent/JPWO2007089013A1/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Description

本発明は、気液体発生装置に係り、特に簡易な構造で液体内に微細な気泡を発生させることができる気液体発生装置に関する。
従来から、気液体発生装置として、例えば、液体内に微細な気泡を発生させる気泡発生装置は様々な分野における利用が期待されている。具体的には、例えば、水(水道水、海水、河川水、湖沼水、浄化用水など)やその他の液体に、大気やその他の気体(酸素、二酸化炭素、窒素など)を効率良く溶解させ、液体の特性変化、水質浄化、水環境の蘇生などに利用される。この他、養殖産業や一般家庭(風呂、キッチン、トイレなど)での利用も予想される。
このような微細な気泡を発生させる気泡発生装置としては様々なものが提案されている。具体的には、有底円筒形又はメガホン形状のスペースを有する容器本体と、この容器本体の内壁円周面の一部にその接線方向に開設された加圧液体導入口と、容器本体の底部に開設された気体導入孔と、容器本体の先部に開設された旋回気液混合体導出口とから構成された旋回式微細気泡発生装置である(特許文献1参照。)。
上記従来の気泡発生装置では、以下のように説明されている。即ち、加圧液体導入口から加圧液体を圧送することにより、その内部に旋回流が発生し、円筒管軸上付近に負圧部分が形成される。この負圧によって気体導入孔から気体が吸込まれ、圧力が最も低い管軸上付近を気体が通過することによって、細い紐状の旋回気体空洞部が形成される。そして、旋回気体空洞部は加圧液体導入口からの加圧液体によってちぎられ、そのときに微細な気泡が発生するようになっている。
また、上記のような気泡発生装置に類似した構造で霧発生装置を構成することも可能である。霧発生装置は、以下のような様々な用途が考えられる。例えば、海水の淡水化及びそれに伴う塩の精製が挙げられる。これは、海水を微細に霧化し、加熱して瞬間的に蒸発させることによって、水成分と塩分他を分離するものである。蒸発した水分を冷却することによって淡水が得られ、同時に塩も生成できる。
また、微細粉体の精製にも利用することができる。これは、金属、塗料材料、化粧品材料等を混合した溶剤を微細霧化し、この微細霧化した液滴に熱風等を接触させ瞬時に乾燥することによって、微細粉体を生成するものである。
また、温室栽培施設等の環境制御にも利用することができる。これは、栽培植物等に対する、加湿、温度調節、水分補給などが具体的作用である。
また、施設環境衛生制御(空間中の除菌、脱臭、消臭、洗浄除菌、温度湿度、粉塵対策などにも利用できる。これは、対象環境施設(食品・医薬品工場、医療施設、流通、牧舎、乗り物内等)の空間除菌・洗浄・消臭・温度湿度の制御を薬液の併用使用により可能にするものである。
また、空間環境制御(イベント会場、作業場)の環境制御にも利用することができる。これは、ヒートアイランド現象による高温状態のクールダウン、熱中症対策、ディスプレーによる高温状態の制御に有効である。具体的には、夏場において、微細な霧を空間中に放出することにより、多数の人間が集まる場所・空間の環境を制御(クールダウン、鎮塵)するものである。
また、訪災・消火設備などにも利用することができる。これは、粉塵爆発の防止用としての鎮塵機器として利用したり、スプリンクラーヘッドの代替装置(少量水での同等効果を発揮)として利用できる。
また、健康設備機器、例えば、浴室内の温度湿度制御や温水使用によるミストシャワーなどにも利用可能である。
加えて、環境問題の観点からのリサイクル事業にも利用可能である。具体的には、化学プラント、産業廃棄物消却場、汚泥焼却場などから大気中に排出される有害排出ガスに、微細霧を噴霧して水成分に吸着させ、回収処理するものである。
国際公開第WO00/69550号パンフレット(第1図)
しかしながら、上記従来例には以下のようの問題点があった。すなわち、気液体発生装置としての気泡発生装置で微細な気泡を発生させるためには、容器本体のスペース内の液体の流れを安定化させる必要がある。このため、容器本体の各部の寸法、加圧液体の導入圧力、更には気泡発生装置が設置される液体内の背圧などの条件を全て整えなければならない。これに対して、従来の気泡発生装置においては、容器本体内のスペースが単純な円筒形状或いはメガホン形状であるため、何れかの条件が満たされない場合には、スペース内の液体の流れが安定せず、気泡が発生しないか或いは発生したとしても微細な気泡が発生しないという事態が起こり得る。このように、従来の気泡発生装置では、微細な気泡が発生するための条件の許容範囲が狭く、気泡発生装置の設置や条件設定が煩雑であるという問題があった。
また、容器本体内のスペースが単純な円筒形状やメガホン形状の場合には、気泡発生装置を大型化するに従って微細な気泡が発生しなくなる。このため、従来の気泡発生装置の構造では大型の装置を実現することができない。更に、スペースが単純な形状であるがゆえ、加圧液体導入口と気体導入孔及び旋回気液混合体導出口のそれぞれの位置関係も固定されてしまい、設計の自由度も低いという問題がある。
また、上記のような気泡発生装置に関する問題点は、気液体発生装置としての霧発生装置についても当てはまる。すなわち、微細な霧を発生させるためには容器中の気体の流れを安定化させなければならない。また、大型の霧発生装置を形成するためには、従来型の装置では限度があった。
本発明は、上記各問題点を解消する気液体発生装置を提供することを目的とし、円筒状内面と円形状内面とによって円柱状の内部空間が形成される装置本体と、前記円筒状内面から離間して前記内部空間内に配置される少なくとも1つの内部円筒部材と、前記円筒状内面と内部円筒部材との間の管状空間に円周方向に向かって第1流体を注入する第1流体導入部と、前記円形状内面に設けられ第2流体を導入する第2流体導入部及び気液体排出口とを備え、前記第1流体導入部からは液体と気体から選択される何れか一方の流体が導入され、前記第2流体導入部からは他方の流体が導入される、という構成を採っている。
また、前記内部円筒部材は、前記円柱状の内部空間の中心軸と同心状で前記円形状内面に固定されている、という構成を採っている。
また、直径の異なる少なくとも2つの前記内部円筒部材が配置され、直径の大きさに応じて順に一方の円形状内面及び他方の円形状内面に交互に固定される、という構成を採っている。
また、前記円筒状内面と内部円筒部材との離間距離および各内部円筒部材間の離間距離は全て等しい、という構成を採っている。
また、前記離間距離は、円筒状内面の半径を2の倍数又は3の倍数で徐した値である、という構成を採っている。
また、前記第2流体導入部は、前記円形状内面の中心領域に形成されている、という構成を採っている。
また、前記気液体排出口は、前記円形状内面の中心領域に形成されている、という構成を採っている。
また、前記第2流体導入部と気液体排出口とは、それぞれ異なる前記円形状内面に形成されている、という構成を採っている。
また、前記気液体排出口は第2流体導入部を兼ねて一方の前記円形状内面に形成され、前記気液体排出口の近傍に気体を導入するための気体導入管の端部を配置する、という構成を採っている。
また、前記気液体排出口は、装置本体の円形状内面側に形成された円柱状開口と、装置本体の外部側に向かって拡がる円錐台状開口の組合せからなる、という構成を採っている。
また、前記装置本体の外側であって前記気液体排出口の周囲には管状の気液体排出管が備えられている、という構成を採っている。
また、前記第1流体導入部は、前記円筒状内面若しくは円形状内面の何れか一方に設けられている、という構成を採っている。
また、前記第1流体導入部は円形断面であり、その内径は前記円筒状内面と内部円筒部材との離間距離に等しい、という構成を採っている。
また、前記装置本体内には、前記第2流体導入部から前記気液体排出口の近傍まで延びる管状の補助管を備えている、という構成を採っている。
また、前記気液体排出管には、超音波振動子が設けられている、という構成を採っている。
また、前記気液体排出口の周辺に超音波振動子を配置した、という構成を採っている。
また、前記気液体排出口が形成される端面壁を超音波振動子で形成する、という構成を採っている。
また、前記気液体排出管を超音波振動子で形成し、この超音波振動子は、金属磁性体からなる管状部材と、この管状部材の表面に巻き付けられる電導コイルとを備えている、という構成を採っている。
更に、前記超音波振動子は、緩衝部材を介して前記装置本体に装着される、という構成を採っている。
本発明では、気液体発生装置は多重管構造となっているため、装置本体の円筒状内面と内部円筒部材との間で安定した旋回エネルギを得ることができ、導入する液体や気体の圧力や流速が低くても安定して微細な気泡や霧を発生させることが可能である。同時に、小型から大型の気液体発生装置としての気泡発生装置(10リットル/分〜300リットル/分)や霧発生装置を容易に構成することができる。また、気泡発生装置においては、液体の旋回によって気体を吸い込む構造であるため、気体を導入するための複雑な機構等を省略することができる。このことは、気体の旋回によって液体を吸い込む構造の霧発生装置にも同様に当てはまる。更に、微細気泡や微細霧を発生する条件の許容範囲が広いので、構成する材料の公差が大きくても十分に気泡や霧を発生させることができる。このため、大量生産も可能である。
本発明の第1の実施形態に係る気液体発生装置(気泡発生装置、霧発生装置)であり、図1(A)は上面図、図1(B)は図1(A)のB−B線における断面図、図1(C)は左側面図、そして図1(D)は右側面図を示す。 図2(A)は気液体発生装置(気泡発生装置、霧発生装置)の断面図を示し、図2(B)は図2(A)における領域Pの拡大図であって気液体排出口を示す。 本発明の作用原理を説明する図であり、図3(A)は図3(B)のA−A線における断面図を示し、図3(B)は図3(A)のB−B線における断面図を示す。 側面壁と内部円筒部材の直径比Db/Daと気泡(霧)発生特性の関係を説明する断面図であり、図4(A)及び(B)はDb/Da=3/4、図4(C)及び(D)はDb/Da=2/3、図4(E)及び(F)はDb/Da=1/2の場合の軸方向断面図及び横断方向断面図をそれぞれ示す。 側面壁と内部円筒部材の直径比Db/Daと気泡(霧)発生特性の関係を説明する断面図であり、図5(A)及び(B)はDb/Da=1/4の場合であり、図5(C)及び(D)は内部円筒部材が左方の端面壁に固定されておりDb/Da=1/2の場合、図5(E)及び(F)はDb/Da=1/3の場合の軸方向断面図及び横断方向断面図をそれぞれ示す。 内部円筒部材の直径の変化と気液体排出方向との関係を説明する図であり、図6(A)は軸方向断面図であり、図6(B)は横断方向断面図である。 内部円筒部材が二重の場合の内部円筒部材の直径の変化と気液体排出方向との関係を説明する図であり、図7(A)は軸方向断面図であり、図7(B)は横断方向断面図である。 内部円筒部材が三重の場合の内部円筒部材の直径の変化と気液体排出方向との関係を説明する図であり、図8(A)は軸方向断面図であり、図8(B)は横断方向断面図である。 図1に開示した気液体発生装置(気泡発生装置、霧発生装置)に対して液体注入部の位置を変化させた変形例を示す図であり、図9(A)は軸方向断面図であり、図9(B)は横断方向断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る気液体発生装置(気泡発生装置、霧発生装置)を示す図であり、図10(A)は軸方向断面図であり、図10(B)は横断方向断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る気液体発生装置(気泡発生装置、霧発生装置)を示す図であり、図11(A)は軸方向断面図であり、図11(B)は横断方向断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る気液体発生装置(気泡発生装置、霧発生装置)を示す図であり、図12(A)は軸方向断面図であり、図12(B)は横断方向断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る気液体発生装置(気泡発生装置、霧発生装置)を示す図であり、図13(A)は図13(B)のA−A線における断面図であり、図13(B)は図13AのB−B線における断面図である。 本発明の第6の実施形態に係る気液体発生装置(気泡発生装置、霧発生装置)を示す図であり、図14(A)は図14(B)のA−A線における断面図であり、図14(B)は図14AのB−B線における断面図である。 本発明の第7の実施形態に係る気液体発生装置(気泡発生装置、霧発生装置)を示す図であり、図15(A)は左側面図であり、図15(B)は正面図である。 本発明の第8の実施形態に係る気液体発生装置(気泡発生装置、霧発生装置)を示す図であり、図16(A)は左側面図であり、図16(B)は図16(A)のB−B線における断面図である。 本発明の第9の実施形態に係る気液体発生装置(気泡発生装置、霧発生装置)を示す図であり、図17(A)は左側面図であり、図17(B)は図17(A)のB−B線における断面図である。 本発明の第10の実施形態に係る気液体発生装置(気泡発生装置、霧発生装置)を示す図であり、図18(A)は左側面図であり、図18(B)は図18(A)のB−B線における断面図である。
符号の説明
1 気液体発生装置(気泡発生装置、霧発生装置)
3 側面壁
5,7 端面壁
5a,7a 円形状内壁
9 装置本体
21 内部円筒部材
31 第1流体導入部(液体注入部、気体注入部)
41 第2流体導入部(気体導入口、液体導入口)
51 気液体排出口
53 気液体排出管
X 中心軸
[全体概要]
次に、本発明の一実施形態に係る気液体発生装置について図面を参照しながら説明する。最初に、気液体発生装置の一例として、気泡発生装置を説明する。
本発明に係る気泡発生装置は、円筒状内面と円形状内面とによって円柱状の内部空間が形成される装置本体と、円筒状内面から離間して内部空間内に配置される少なくとも1つの内部円筒部材と、円筒状内面と内部円筒部材との間の管状空間に円周方向に向かって第1流体である液体を注入する第1流体導入部(以下、「液体注入部」という)と、円形状内面に設けられて第2流体である気体を導入する第2流体導入部(以下、「気体導入口」という)及び気液体排出口とから構成されている。以下、図面を参照しながら本発明に係る各実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
先ず、本発明の第1の実施形態及びその変形例について、図1〜図9を参照しながら詳細に説明する。
[装置本体]
本実施形態に係る気泡発生装置1は、円筒状内面3aを有する側面壁3と、円形状内面5a,7aを有する端面壁5,7によって円柱状の内部空間が形成される装置本体9を備えている。装置本体9の端面はそれぞれ円形の端面壁5,7によって概ね閉鎖されている。しかし、各円形状内面5a,7aには、それぞれ気体導入口41と気液体排出口51が形成されている。これら気体導入口41と気液体排出口51についての詳細は後述する。
本実施形態に係る装置本体9は有底円筒状の部材から構成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、単に内部空間が実質的に円柱状であれば良いので、外形は立方体形状やその他の形状であってもよい。また、各端面壁5,7も必ずしも円形である必要はなく、装置本体9の外形に合わせて矩形形状やその他の形状であってもよい。
また、本実施形態に係る装置本体9は、円筒状の側面壁3と円形状の各端面壁5,7とが一体的に構成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、それぞれを別個の部材として製造し、その後接合するようにしてもよい。あるいは、側面壁3と一方の端面壁5とを一体的に構成し、他方の端面壁7を事後的に接合するようにしてもよい。
装置本体9の材質は様々なものが考えられるが、例えば、アクリル樹脂や金属など、液体との接触によって強度や特性が変化しないものであれば、どのようなものも使用することができる。具体的に、透明なアクリル樹脂などを用いることで、装置本体9内での気泡の発生状況を観察することができる。一方、装置本体9を金属で構成した場合でも、所定箇所に透明な窓を設けることで、アクリル樹脂の場合と同様に内部を観察できるようになる。
また、装置本体9の強度については、後述する液体注入部31から注入される液体の圧力に耐えるものであればよく、この圧力に基づいて装置本体9の側面壁3や各端面壁5,7の厚さが設定される。尚、図1(B)に示すように、本実施形態に係る装置本体9では、各部の厚さが実質的に同等に示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、側面壁3の厚さを各端面壁5,7の厚さより薄くしたり、またその逆にしてもよい。さらに、各端面壁5,7の厚さを相互に異なるように設定してもよい。尚、装置本体9について「円柱状」の内部空間という表現を採っているが、これは厳密な意味での円柱を意味するものではなく、実質的に円柱と同一視できるものも含む趣旨である。
本実施形態の装置本体9の寸法の一例について説明すると、側面壁3の外径が56mm程度であり、円筒状内面3aの直径が50mm程度である。このため、側面壁3の厚さは3mm程度である、また、各端面壁5,7の厚さも3mm程度に設定されている。また、装置本体9の外形の長さは81mm程度であり、内部空間の長さは75mm程度である。但し、これらの寸法はあくまでも一例であり、これらに限定されるものではない。
[内部円筒部材]
次に、内部円筒部材21について説明する。内部円筒部材21は、円柱状の内部空間と略同心状に配置されている。換言すると、装置本体9の内部空間を円柱と見なした場合の円形断面の中心を通る中心軸X(図1(B)参照)の位置と、内部円筒部材21の中心軸の位置とが一致しているということである。そして、内部円筒部材21の一端23は一方の端面壁5の内壁面5aに固定され、内部円筒部材21の他端25が他方の端面壁7に向かって延びている。但し、内部円筒部材21の他端25は装置本体9の他方の端面壁7までは到達していない。このため、他方の端面壁7の円形状内面7aと内部円筒部材21の他端25との間には所定の隙間が設けられている。
本実施形態に係る内部円筒部材21は装置本体9と別個の部材で作られ、その後相互に結合されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、装置本体9と一体的に構成してもよい。また、装置本体9と同じ材質で構成しても良いし、別の材質で構成してもよい。尚、内部円筒部材21について「円筒状」という表現を使用しているが、これは厳密な意味での円筒を意味するものではなく、実質的に円筒と同一視できるものも含む趣旨であることは言うまでもない。
以上のように、装置本体9の内部に同心状に内部円筒部材21を配置することで、装置本体9の円筒状内面3aと内部円筒部材21の外周面との間に管状空間が形成され、内部円筒部材21の内部に円柱状空間が形成される。そして、これら管状空間と円柱状空間とが端面壁7の円形状内面7aの近傍において連通することとなる。
内部円筒部材21の寸法の一例について説明すると、外径が30mm程度であり、内径が26mm程度である。このため、円筒状内壁21の厚さは2mm程度である、また、内部円筒部材21の長さは65mm程度である。このため、内部円筒部材21の他端部25から他方の端面壁7までは10mm程度離間している。但し、これらの寸法はあくまでも一例であり、これらに限定されるものではない。
[液体注入部]
次に、液体注入部31について説明する。液体注入部31は装置本体9の内部空間に加圧液体を注入するためのものである。本実施形態に係る液体注入部31は装置本体9の側面壁3の所定箇所に形成された開口部である。この開口部には液体注入管33が装着されており、この液体注入管33に図示しない加圧液体供給源(例えば、加圧ポンプなど)が接続されている。
液体注入部31の位置は、装置本体9の側面壁3と内部円筒部材21との間の管状空間内に液体が注入された場合に、この管状空間の円周方向に沿って一方向の流れができるように設定されている。本実施形態の場合には、液体注入部31が装置本体9の側面壁3及び内部円筒部材21の接線方向に沿って方向付けられている。但し、完全な接線方向に限定されるものではなく、少なくとも液体が装置本体9の内部で一定の円周方向に回転する方向であればよい。また、気泡発生装置1を側面から見た場合の液体注入部31及び液体注入管33の位置は、図1(C)に示すように円形断面の左方に偏っているが、これは、液体注入部31の中心が管状空間の中心に位置するように設定されているからである。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、液体注入部31からの液体の流れが、装置本体9の中心軸Xから見て何れかの側に偏っていればよい。
また、液体注入部31及び液体注入管33の内径は様々な設定が可能であるが、本実施形態の場合は、側面壁3の円筒状内面3aと内部円筒部材21の外周面との間の隙間と略等しい直径となっている。これは、装置本体9の内部において液体に円周方向の流れを付与するのに必要十分な寸法だからである。但し、完全に一致する必要はなく、隙間より小さな直径であっても良いし、隙間より大きな直径であってもよい。
本実施形態の液体注入管33は、装置本体9と別個に作られた管状の部材であり、この液体注入管33が装置本体9の側面壁3に接合されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、装置本体9と一体的に構成してもよい。また、液体注入管33の材質は装置本体9の材質と同じ物でも良いし、異なる材質でもよい。液体注入部31の内径寸法は、一例として10mm程度に設定されている。但し、この寸法はあくまでも一例であり、これらに限定されるものではない。
[気体導入口]
次に、気体導入口41について説明する。気体導入口41は上記したように装置本体9の一方の端面壁5における円形状内面5aに形成されている。そして、本実施形態においては、円形状内面5aの中心領域に配置されている。気体導入口41は装置本体9の中心軸Xと同心状に配置されているため、円形状内面5aから端面壁5を貫通して装置本体9の内部空間と外部とを連通している。但し、装置本体9の中心軸Xと同心状に形成する必要は無く、中心軸Xと所定の角度を持つような方向に形成してもよい。尚、本実施形態の気体導入口41の直径は1mm程度に設定されているが、必要に応じてそれよりも小さな直径にしても良いし、或いは1mmより大きな直径としてもよい。
また、一方の端面壁5の外側であって気体導入口41の周囲には、所定の長さを有する管状アダプタ43が設けられている。この管状アダプタ43には気体を導入するための配管(図示略)が接続される。但し、気泡発生装置1を気体雰囲気中で使用する場合には管状アダプタ43も配管も不要となる。
[気液体排出口]
次に、気液体排出口51について、図2に基づいて説明する。図2(A)は気泡発生装置1の全体を示す断面図であり、図2(B)は図2(A)における領域Pの拡大図である。気液体排出口51は装置本体9の他方の端面壁7の円形状内面7aにおける中心領域に形成され、装置本体9の内部と外部とを連通させている。気液体排出口51の具体的な形状は、図2(B)に示すように、他方の端面壁7の円形状内面7aから所定の範囲(例えば、端面壁7の厚さの半分程度)までは一定の直径の円柱状の開口で、そこから外に向かって円錐台状に拡がる円錐台形状の開口を有している。円錐台状の傾斜の角度は約30°程度に設定されている。気液体排出口51における内部空間側の内径は5mm程度に設定されている。但し、この寸法はあくまでも一例であり、これらに限定されるものではない。例えば、装置本体9の側面壁3の直径に応じて大きさを変化させてもよく、本実施形態では直径の1/12程度の大きさに設定している。その他、液体導入管33の内径の1/2程度にしてもよい。
また、他方の端面壁7の外側であって気液体排出口51の周囲には、所定の長さを有する気液体排出管53が設けられている。この気液体排出管53は、後述するように気泡を更に微細にするために取り付けられている。しかし、この気液体排出管53が無くても微細な気泡は発生するので、本発明に必須のものではない。
[作用]
次に、本実施形態に係る気泡発生装置1の具体的作用について図3に基づいて説明する。先ず、液体注入管33を介して液体注入部31から所定の液体が注入される。そして、装置本体9の内部空間が液体で満たされると、内部空間の管状空間では図3(B)に示すように、一方の端面壁5の側から見て時計周りに液体が旋回する。このとき、液体には旋回による遠心力Fが働く。そして、液体は旋回しながら他方の端面壁7の方向に向かって流れる。他方の端面壁7の側に流れてきた液体は、旋回運動を維持したまま内部円筒部材21の内部に流れ込む。内部円筒部材21の内部に流れ込んだ液体にも旋回による遠心力Fが働き、液体は内部円筒部材21の内周面に沿って一方の端面壁5の側に戻る。更に、一方の端面壁5の近傍に到達した液体は、内部円筒部材21の中心領域に沿って他方の端面壁7に向かって流れる。このとき、旋回により液体には遠心力Fが働いており、内部円筒部材の中心部が圧力の低い状態となり、外部がその圧力よりも高ければ気体導入口41から気体が導入される。そして、導入された気体は液体内で気体渦流61となって、旋回しながら他方の端面壁7に向かって流れる液体によって、他方の端面壁7の側に到達する。
このとき、液体と気体渦流61は気液体排出口51において急激に不安定となり、気体渦流61が強制的に切断されて微細な気泡が大量に発生することとなる。加えて、気液体内の気泡は気液体排出管53内においてより微細な気泡に切断される。更に、気液体が気液体排出管53から外部に出る際に、外部環境(大気、液体など)との質量差により、気泡が更に微細に切断され、結果として超微細な気泡を大量に発生させることができるようになる。
[各部寸法による気泡発生特性の変化]
次に、気泡発生装置1の各部の寸法の変化に起因する気泡発生特性の変化について、図4及び図5に基づいて説明する。出願人は、以下に説明するような様々な寸法の気泡発生装置1を作成した上で、適切に気泡を発生させることができる条件を見出した。
先ず、図4(A)及び(B)に示す気泡発生装置1aでは、装置本体9の内部空間の長さをLa、内部円筒部材21の長さをLb、装置本体9の直径をDa、そして内部円筒部材21の直径をDbとしている。また、液体注入部31の内径をCとしている。ここで、装置本体9の直径Da及び内部円筒部材21の直径Dbについては、それぞれの厚さの中心位置を基準に測定しているので、必ずしもそれぞれの内径もしくは外径と一致しない。しかし、装置本体9の側面壁3及び内部円筒部材21の厚さはそれぞれの直径に比べて薄いので、気泡発生装置1aの特性の変化に大きな影響を及ぼすものではない。
当該具体例では、直径の比については、Db/Da=0.70〜0.80の範囲内で、特に0.75(=3/4)が最適との実験結果を得た。また、長さの比については、Lb/La=0.80〜0.90の範囲内で、特に0.875が最適との実験結果を得た。尚、液体注入部31は右方の円形状内面5aの側に設け、その内径はC=1/8・Daに設定した。また、内部円筒部材21は右方の円形状内面5aに固定した。この具体例では、気泡を含んだ気液体は右方から排出される。
図4(C)及び(D)は、内部円筒部材21の直径Dbを小さくした場合の気泡発生装置1bの例である。この具体例では、直径の比については、Db/Da=0.56〜0.83の範囲内で、特に0.67(=2/3)が最適との実験結果を得た。長さの比については、Lb/La=0.66〜0.88の範囲内で、特に0.833が最適との実験結果を得た。尚、液体注入部31は右方の円形状内面5aの側に設け、その内径は1/6・Daに設定した。また、内部円筒部材21は右方の円形状内面5aに固定した。この具体例では、気泡を含んだ気液体は左方から排出される。
図4(E)及び(F)は、内部円筒部材21の直径Dbを更に小さくした場合の気泡発生装置1cの例である。この具体例では、直径の比については、Db/Da=0.40〜0.55の範囲内で、特に0.50(=2/4)が最適との実験結果を得た。長さの比については、Lb/La=0.66〜0.88の範囲内で、特に0.75が最適との実験結果を得た。尚、液体注入部31の内径は1/4・Daに設定した。また、内部円筒部材21は右方の円形状内面5aに固定した。この具体例では、気泡を含んだ気液体は右方から排出される。
図5(A)及び(B)は、内部円筒部材21の直径Dbを更に小さくした場合の気泡発生装置1dの例である。この具体例では、直径の比については、Db/Da=0.22〜0.28の範囲内で、特に0.25(=1/4)が最適との実験結果を得た。長さの比については、Lb/La=0.80〜0.90の範囲内で、特に0.875が最適との実験結果を得た。尚、液体注入部31の内径は1/8・Daに設定した。また、内部円筒部材21は右方の円形状内面5aに固定した。この具体例では、気泡を含んだ気液体は右方から排出される。
図5(C)及び(D)は、内部円筒部材21を左方の円形状内面7aに固定した場合の気泡発生装置1eの例である。この具体例では、直径の比については、Db/Da=0.40〜0.55の範囲内で、特に0.50(=2/4)が最適との実験結果を得た。長さの比については、Lb/La=0.80〜0.90の範囲内で、特に0.875が最適との実験結果を得た。尚、液体注入部31の内径は1/8・Daに設定した。この具体例では、気泡を含んだ気液体は右方から排出される。
図5(E)及び(F)は、図5(C)及び(D)の具体例に対して、内部円筒部材21の直径Dbを小さくした場合の気泡発生装置1fの例である。この具体例では、直径の比については、Db/Da=0.30〜0.37の範囲内で、特に0.33(=1/3)が最適との実験結果を得た。長さの比については、Lb/La=0.66〜0.88の範囲内で、特に0.833が最適との実験結果を得た。尚、液体注入部31の内径は1/6・Daに設定した。この具体例では、気泡を含んだ気液体は左方から排出される。
以上説明したように直径の比率に着目した場合、例えば、2/3,1/3,1/6,1/12,1/24,1/48....や3/4,2/4,1/4,1/8,1/16,1/32,1/64....となる直径比の場合に適切に気泡が発生することが確認された。
[各部寸法による気液体の排出方向の変化]
次に、図6〜図8に基づいて、装置本体9の内部空間の直径に対する内部円筒部材21の直径の変化に起因する、気液体の排出方向の変化について説明する。
図6は、液体注入部31が右方に設けられると共に、内部円筒部材21が右方の円形状内面5aに固定されている場合を示している。この具体例において、装置本体9の直径Daに対して、内部円筒部材21の直径は2/4Daとなっている。即ち、装置本体9の側面壁3と内部円筒部材21との間の距離が1/4Daであり、内部円筒部材21から装置本体9および内部円筒部材21の中心軸Xまでの距離も1/4Daである。このような条件の下では気液体は右方から排出されることが実験で確認された。
次に、図7は、液体注入部31が右方に設けられると共に、内部円筒部材21が2重に設けられている具体例を示している。この具体例では、外側の内部円筒部材21aが右方の円形状内面5aに固定され、内側の内部円筒部材21bが左方の円形状内面7aに固定されている。この具体例において、装置本体9の直径Daに対して、外側の内部円筒部材21aの直径は4/6Daとなっており、内側の内部円筒部材21bの直径は2/6Daとなっている。即ち、装置本体9の側面壁3と外側の内部円筒部材21aとの間の距離が1/6Daであり、外側の内部円筒部材21aと内側の内部円筒部材21bとの距離も1/6Daであり、更に内側の内部円筒部材21bと装置本体および内部円筒部材の中心軸Xまでの距離も1/6Daである。このような条件の下で気液体は左方から排出されることが実験で確認された。
更に、図8は、液体注入部が右方に設けられると共に、内部円筒部材21が3重に設けられている具体例を示している。この具体例では、外側の内部円筒部材21aが右方の円形状内面5aに固定され、中間の内部円筒部材21bが左方の円形状内面7aに固定され、更に内側の内部円筒部材21cが右方の円形状内面5aに固定されている。この具体例において、装置本体9の直径Daに対して、外側の内部円筒部材21aの直径は6/8Daとなっており、中間の内部円筒部材21bの直径は4/8Daとなっており、更に内側の内部円筒部材21cの直径は2/8Daとなっている。即ち、装置本体9の側面壁3から各内部円筒部材21を介して装置本体9の中心軸Xまで、それぞれ1/8Daの距離となっている。このような条件の下では気液体は右方から排出されることが実験で確認された。
以上説明したように、装置本体9並びに各内部円筒部材21の相互間距離を、装置本体9の側面壁3の直径に関して2の倍数又は3の倍数で除した値に設定することで、気液体の排出方向を自由に切替えられることが実験で確認された。このことは、液体注入部31の位置を装置本体9の右方に設ける場合のみならず、左方に設ける場合も同様である、このことに関連し、図1の気泡発生装置1に変形を加えた場合を図9に示しており、具体的には液体注入部31及び液体注入管33を装置本体9の長手方向の中央部に配置した例である。内部空間内に内部円筒部材21を設けることで、液体注入部31を設置する位置の自由度が向上し、結果として気泡発生装置の応用に際して自由度の高い設計が可能となる。即ち、浴室のシャワーヘッドなどに応用する際に、シャワーヘッドの持手との関係で液体注入部31及び液体注入管33を配置できるので、従来のシャワーヘッドに対して違和感の無い設計が可能である。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る気泡発生装置101について図10に基づいて説明する。当該実施形態は、図1に示した第1の実施形態と多くの部分が共通している。このため、共通している部分についての説明は省略する。この実施形態が第1の実施形態と異なるのは、液体注入部131の構造である。本実施形態の液体注入部131は、L字状に曲げられた管状部材が用いられている点である。
液体注入部131は、装置本体9の内部空間に開口している第1の管状部131aと、外部の加圧流体源に接続される第2の管状部131bとからなる。第1の管状部131aは側面壁3と内部円筒部材21の間の管状空間の円周方向に向かって開口している。また、第2の管状部131bは装置本体9の側面壁3の表面に対して概ね垂直に挿入されており、内部空間に入った位置で直角に曲げられている。液体注入部131をこのように構成することで、液体を装置本体9の円周方向に注入する目的は維持したまま、液体注入部131の設置位置の自由度が向上することとなる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る気泡発生装置201について図11に基づいて説明する。当該実施形態は、図1に示した第1の実施形態と多くの部分が共通している。このため、共通している部分についての説明は省略する。この実施形態が第1の実施形態と異なるのは、液体注入部231の構造である、本実施形態の液体注入部231は、L字状に曲げられた管状部材が用いられている点である。また、本実施形態は第2の実施形態とも一部共通しているが、液体注入部231の設置位置が異なっている。
具体的には、液体注入部231は、装置本体9の内部空間に開口している第1の管状部231aと、外部の加圧流体源(図示略)に接続される第2の管状部231bとからなる。第2の管状部231bは、第2の実施形態と異なり、装置本体9の端面壁5の表面から円形状内面5aに対して概ね垂直に挿入されており、内部空間に入った位置で円周方向に向けて直角に曲げられている。このため、第2の管状部231aは装置本体9と内部円筒部材21の間の管状空間の円周方向に向かって開口することとなる。液体注入部231をこのように構成することで、液体を装置本体9の円周方向に注入する目的は維持したまま、液体注入部231の設置位置の自由度が向上することとなる。特に、液体注入部231を装置本体9の側面壁3に設置できない場合などに好都合となる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態に係る気泡発生装置301ついて図12に基づいて説明する。当該実施形態は、図1に示した第1の実施形態と多くの部分が共通している。このため、共通している部分についての説明は省略する。この実施形態が第1の実施形態と異なるのは、気体導入口と気液体排出口の構造である。本実施形態の気液体排出口は気体導入口を兼ねており、それぞれ別個には設けられていない。このため、以下の説明では便宜上、気液体排出口として説明する。
気液体排出口351の形状は図1に示したものと同様であり、特に異なる構造は有していない。しかし、当該実施形態では、気液体排出口351の近傍に気体導入管341が設置されている。具体的には、気液体排出管353を貫通して、先端が気液体排出口351の中心部まで到達している。気体導入管321の他端は大気やその他の気体供給源(図示略)に連通している。
次に、本実施形態に係る気泡発生装301の具体的作用について説明する。先ず、液体注入管33を介して液体注入部31から所定の液体が注入される。そして、装置本体309の内部空間が液体で満たされると、内部空間の管状部分では図3(B)の場合と同様に、一方の端面壁305の側から見て時計周りに液体が旋回する。このとき、液体には旋回による遠心力が働く。そして、液体は旋回しながら他方の端面壁7の方向に向かって流れる。他方の端面壁7の側に流れてきた液体は、旋回運動を維持したまま内部円筒部材21の内部に流れ込む。内部円筒部材21の内部に流れ込んだ液体にも旋回による遠心力が働き、液体は内部円筒部材21の内周面に沿って一方の端面壁305の側に戻る。更に、一方の端面壁305の近傍に到達した液体は、内部円筒部材21の中心部に沿って他方の端面壁7に向かって流れる。このとき、旋回により液体には遠心力が働いており、内部円筒部材21の中心部が圧力の低い状態となり、外部がその圧力よりも高ければ気体導入管321から気体が導入される。そして、導入された気体は液体内で気体渦流361となって、一方の端面壁305に到達する。
このとき、液体と気体渦流361は気液体排出口351において急激に不安定となり、気体渦流が強制的に切断されて微細な気泡が大量に発生することとなる。加えて、気液体内の気泡は気液体排出管353内においてより微細な気泡に切断される。更に、気液体が気液体排出管353から外部に出る際に、外部環境(大気、液体など)との質量差により、気泡が更に微細に切断され、結果として超微細な気泡を大量に発生させることができるようになる。
以上のような構成によれば、装置本体の構造を簡略化することができ、気泡発生装置の設計の自由度が向上することとなる。尚、本実施形態では気体導入管321を気液体排出口351の中心軸に対して垂直の方向から挿入しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、気液体排出口351の中心軸に沿って気体導入管321を設置するようにしてもよい。
[第5の実施形態]
次に、図13に基づいて、本発明の第5の実施形態について説明する。この実施形態に係る気泡発生装置401においては、装置本体409の中心部に細い補助管411を設けるようにしている。この補助管411は、外部からの気体の導入に際し、気液体排出口451の近傍まで気体を誘導する役割を有する。このように気体を気液体排出口451の近傍まで誘導することで、より安定した態様で気泡を発生させることができるようになる。
[第6の実施形態]
次に、図14に基づいて、本発明の第6の実施形態について説明する。この実施形態に係る気泡発生装置501においても、図13で示した気泡発生装置401と同様に、装置本体509の中心部に細い補助管511を設けるようにしている。このため、図13の気泡発生装置401と同様に機能する。しかし、当該実施形態においては、内部円筒部材521の直径が太くなっている。これに伴い、装置本体509の内周面と内部円筒部材521の外周面との相互間距離が狭まっているので、これに対応して液体注入管533の直径も小さくなっている。以上のような変更により、気液体排出口551の位置は液体注入管533と反対側となる。このように、内部円筒部材521の直径の変更により気液体の排出方向が制御できる。
[第7の実施形態]
次に、図15に基づいて、第7の実施形態について説明する。当該実施形態では、気液体排出管653の外周面に圧電型の超音波振動子655を設置している点が上記各実施形態と異なっている。この超音波振動子655は、気液体排出管653に超音波振動を印加し、気泡を更に微細にするためのものである。本実施形態の超音波振動子655は円柱状のものであり、3つの超音波振動子が120°の角度間隔で配置され、その端面が気液体排出管の外周面の法線方向を向いている。但し、超音波振動子の数は3つに限定されるものではなく、1つ或いは2つ、更には4つ以上であってもよい。
[第8の実施形態]
次に、図16に基づいて、第8の実施形態について説明する。この実施形態に係る気泡発生装置701は、圧電型の超音波振動子755を有する点では第7の実施形態と同様であるが、その形状が異なっている。すなわち、本実施形態では超音波振動子755が気液体排出口751の回りに円形に配置されている。このように、気液体排出口751を取り囲む部分に超音波振動子755を配置することで、気泡をより微細化することができる。但し、超音波振動子755の振動が装置全体に伝わらないように、超音波振動子755の周囲には環状の緩衝部材757が設けられている。
[第9の実施形態]
次に、図17に基づいて、第9の実施形態について説明する。この実施形態に係る気泡発生装置801は、気液体排出口851が形成された端面壁の全体が圧電型の超音波振動子855となっている。このように構成しても、図16に示す実施形態と同様に気泡の微細化に貢献する。また、本実施形態では、端面壁を単純な円盤状の超音波振動子855で形成するので、図16に示す構造の端面壁よりも製造が容易である。尚、超音波振動子855の振動が装置全体に伝わらないように、超音波振動子855の周囲には環状の緩衝部材857が設けられている。
[第10の実施形態]
次に、図18に基づいて、第10の実施形態について説明する。この実施形態に係る気泡発生装置901は、気液体排出管が磁歪型の超音波振動子と955なっている点で、上記各実施形態と異なっている。この超音波振動子955は、金属磁性体からなる管状部材957と、この管状部材957の外周面に巻き付けられる電導コイル959と、この電導コイル959を両側から狭持するフランジ961とからなる。このような構造の超音波振動子955においては、電導コイル959に高周波の交流電圧を印加することで、金属磁性体の管状部材957が伸縮して、超音波振動が発生する。これにより、気液体の排出工程において気泡の微細化を促進することができる。但し、超音波振動子955の振動が装置全体に伝わらないように、管状部材957の端部に設けられた環状の緩衝部材963を介して装置本体の端面壁に取り付けられている。
[霧発生装置の構造]
次に、気液体発生装置としての霧発生装置について説明する。霧発生装置の構造は、図1〜図9で示した第1の実施形態に係る気泡発生装置と類似しているが、液体と気体を入れる部分がそれぞれ逆になる。すなわち、第1流体導入部(以下、「気体注入部」という)から第1の流体である気体を導入し、第2の流体導入部(以下「液体導入口」という)から第2の流体である液体を導入する。例えば、気体は空気であり、液体は水である。これにより、気液体排出口から微小液滴の霧が発生する。このため、各実施形態の説明において、気泡発生装置の説明を霧発生装置の説明として理解する場合には、液体を気体と読み替え、逆に気体を液体と読み替え、更に気泡を霧と読み替えることで実質的に霧発生装置の説明となる。
[霧発生装置の作用]
次に、本実施形態に係る霧発生装置1の具体的作用について図3を利用して説明する。先ず、第1流体導入部である気体注入管33を介して気体注入部31から所定の気体が注入される。そして、装置本体9の内部空間が気体で満たされると、内部空間の管状空間では図3(B)に示すように、一方の端面壁5の側から見て時計周りに気体が旋回する。このとき、気体には旋回による遠心力Fが働く。そして、気体は旋回しながら他方の端面壁7の方向に向かって流れる。他方の端面壁7の側に流れてきた気体は、旋回運動を維持したまま内部円筒部材21の内部に流れ込む。内部円筒部材21の内部に流れ込んだ気体にも旋回による遠心力Fが働き、気体は内部円筒部材21の内周面に沿って一方の端面壁5の側に戻る。更に、一方の端面壁5の近傍に到達した気体は、内部円筒部材21の中心領域に沿って他方の端面壁7に向かって流れる。このとき、旋回により気体には遠心力Fが働いており、内部円筒部材の中心部が圧力の低い状態となり、外部がその圧力よりも高ければ第2の流体導入部である液体導入口41から液体が導入される。そして、導入された液体は気体内で液体渦流61となって、旋回しながら他方の端面壁7に向かって流れる気体によって、他方の端面壁7の側に到達する。
このとき、気体と液体渦流61は気液体排出口51において急激に不安定となり、液体渦流61が強制的に切断されて微細な霧が大量に発生することとなる。加えて、気液体内の霧は気液体排出管53内においてより微細な霧に切断される。更に、気液体が気液体排出管53から外部に出る際に、外部環境(大気、気体など)との質量差により、霧が更に微細に切断され、結果として超微細な霧を大量に発生させることができるようになる。
以上説明したように、本発明の霧発生装置は気泡発生装置と同様に機能する。また、各部寸法による霧発生特性の変化や、各部寸法による気液体の排出方向の変化についても、気泡発生装置と同様である。
加えて、図10〜図18に示した各実施形態についても、液体と気体の導入部を逆転させることで、霧発生装置として機能する。尚、図13に示すように、装置本体409の中心部に細い補助管411を設ける場合、霧発生装置にとっては、より好都合である。それは以下の理由による。すなわち、液体は気体よりも比重が大きいため、装置本体に構造によっては、旋回流による遠心力が働いて液体が旋回気体の外側へ移動してしまう場合がある。この場合、液体が気液体排出口451に到達せず、結果として霧の発生効率が低下してしまう可能性があるからである。これに対して補助管411を設けることで、気液体排出口の近傍で液体が導入され、効率良く霧を発生させることができるようになる。
本発明に係る気液体発生装置は、例えば気泡発生装置の場合、海、河川、湖沼の水及び汚染土壌の浄化や液体の特性変化を行う産業分野、更には漁業、医療、美容健康機器産業などの産業分野において利用可能である。また、霧発生装置の場合は、海水の淡水化及びそれに伴う塩の精製、微細粉体の精製、温室栽培施設等の環境制御、施設環境衛生制御、空間環境制御、防災・消火設備、健康設備機器、リサイクル事業などに利用可能である。

Claims (18)

  1. 霧発生装置であって、
    円筒状内面と2つの円形状内面とによって円柱状の内部空間が形成される装置本体と、
    前記円筒状内面から離間して前記内部空間内に配置される内部円筒部材と、
    前記円筒状内面と内部円筒部材との間の管状空間に円周方向に向かって第1流体を注入する第1流体導入部と、
    前記円形状内面に設けられ、第2の流体を導入する第2流体導入部及び排出口とを備え、
    前記第1流体導入部からは液体と気体とから選択されるいずれか一方の流体が導入され、前記第2流体導入部からは他方の流体が導入されるものであり、
    前記内部空間内には、直径の異なる少なくとも2つの前記内部円筒部材が配置され、直径の大きさに応じて順に一方の円形状内面及び他方の円形状内面に交互に固定されることを特徴とする霧発生装置。
  2. 前記内部円筒部材は、前記円柱状の内部空間の中心軸と同心状で前記円形状内面に固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の霧発生装置。
  3. 前記円筒状内面と内部円筒部材との離間距離および各内部円筒部材間の離間距離は全て等しいことを特徴とする、請求項に記載の霧発生装置。
  4. 前記離間距離は、円筒状内面の半径を2の倍数又は3の倍数で徐した値であることを特長とする、請求項1〜の何れか一項に記載の霧発生装置。
  5. 前記第2流体導入部は、前記円形状内面の中心領域に形成されていることを特徴とする、請求項1〜の何れか一項に記載の霧発生装置。
  6. 前記霧排出口は、前記円形状内面の中心領域に形成されていることを特徴とする、請求項1〜の何れか一項に記載の霧発生装置。
  7. 前記第2流体導入部と霧排出口とは、それぞれ異なる前記円形状内面に形成されていることを特徴とする、請求項1〜の何れか一項に記載の霧発生装置。
  8. 前記霧排出口は第2流体導入部を兼ねて一方の前記円形状内面に形成され、前記霧排出口の近傍に液体を導入するための液体導入管の端部を配置したことを特徴とする、請求項1〜の何れか一項に記載の霧発生装置。
  9. 前記霧排出口は、装置本体の円形状内面側に形成された円柱状開口と、装置本体の外部側に向かって拡がる円錐台状開口の組合せからなることを特徴とする、請求項1〜の何れか一項に記載の霧発生装置。
  10. 前記装置本体の外側であって前記霧排出口の周囲には管状の霧排出管が備えられていることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の霧発生装置。
  11. 前記第1流体導入部は、前記円筒状内面若しくは円形状内面の何れか一方に設けられていることを特徴とする、請求項1〜10の何れか一項に記載の霧発生装置。
  12. 前記第1流体導入部は円形断面であり、その内径は前記円筒状内面と内部円筒部材との離間距離に等しいことを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の霧発生装置。
  13. 前記装置本体内には、前記第2流体導入部から前記霧排出口の近傍まで延びる管状の補助管を備えていることを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の霧発生装置。
  14. 前記霧排出管には、超音波振動子が設けられていることを特徴とする請求項10に記載の霧発生装置。
  15. 前記霧排出口の周辺に超音波振動子を配置したことを特徴とする請求項1〜14の何れか一項に記載の霧発生装置。
  16. 前記霧排出口が形成される端面壁を超音波振動子で形成することを特徴とする請求項1〜15の何れか一項に記載の霧発生装置。
  17. 前記霧排出管を超音波振動子で形成し、この超音波振動子は、金属磁性体からなる管状部材と、この管状部材の表面に巻き付けられる電導コイルとを備えていることを特徴とする請求項10に記載の霧発生装置。
  18. 前記超音波振動子は、緩衝部材を介して前記装置本体に装着されることを特徴とする請求項1517の何れか一項に記載の霧発生装置。
JP2007556946A 2007-02-05 2007-02-05 霧発生装置 Expired - Fee Related JP4264117B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2007/051895 WO2007089013A1 (ja) 2006-02-03 2007-02-05 気液体発生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4264117B2 true JP4264117B2 (ja) 2009-05-13
JPWO2007089013A1 JPWO2007089013A1 (ja) 2009-06-25

Family

ID=40707808

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007556946A Expired - Fee Related JP4264117B2 (ja) 2007-02-05 2007-02-05 霧発生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4264117B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2007089013A1 (ja) 2009-06-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2007089013A1 (ja) 気液体発生装置
JP2011005452A (ja) 流体混合装置
US20150352503A1 (en) Micro-bubble generating device
JP2009136864A (ja) マイクロバブル発生装置
JP5257819B2 (ja) マイクロバブル発生器
EP2084108A1 (en) Vortex generator
JP6231507B2 (ja) 微小気泡発生具及び微小気泡含有液体の生成装置
JP2019013889A (ja) 気泡発生装置
JP2008119623A (ja) ループ流式バブル発生ノズル
WO2015012716A1 (ru) Пневмоакустическая стержневая форсунка
JP4264117B2 (ja) 霧発生装置
JP5006273B2 (ja) マイクロバブル発生装置
WO2020136716A1 (ja) 微細気泡生成方法及び微細気泡生成装置
JP2018030094A (ja) 微細気泡発生装置
JP3494587B2 (ja) 液質改質装置
EP2008721A3 (en) Center-feed nozzle in a cylindrical feed-inlet tube for improved grinding efficiency in a fluid-energy mill
JP2020189283A (ja) 微細バブル発生装置
JP5240886B2 (ja) 微細液滴発生器および微細液滴発生装置、並びに微細液滴発生方法
JP2009254950A (ja) 微細泡発生装置
JP2009106918A (ja) 微細気泡発生器
TWI270412B (en) Integrated micro-mixing atomization system
KR20180114462A (ko) 미세버블 생성 장치 및 방법
JP2008055369A (ja) 微生物殺滅装置
JP2008080259A (ja) 流体混合器および流体混合方法
JP4310252B2 (ja) 微細気泡発生器、およびそれを用いた微細気泡発生設備

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090116

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090213

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4264117

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140220

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees