JP5240886B2 - 微細液滴発生器および微細液滴発生装置、並びに微細液滴発生方法 - Google Patents

微細液滴発生器および微細液滴発生装置、並びに微細液滴発生方法 Download PDF

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本発明は、微細な液滴を含む気体噴流(ミスト)を発生させるための微細液滴発生器および微細液滴発生装置、並びに微細液滴発生方法に関する。
共同住宅等に設置されたスプリンクラーが作動した場合、放水された大量の水による二次被害が問題になっている。そこで、火災の発達状況および消火状況に応じて最適なミストを発生させて効率的に消火を行うことにより水害を最小限に抑えることができるウォーターミスト消火設備が研究されている(例えば、特許文献1参照)。
この消火設備に利用されている微細液滴発生器(ウォーターミスト発生器)としては、大型のものが必要とされていると共に、ミスト中に含まれる液滴の大きさ等によって消火性状が大きく変わることから、液滴の寸法を随意に変えることができる機能および液滴源である液体を装置内に自吸することができる機能を兼ね備えたものが必要とされる。
特開2004−65332号公報
しかしながら、従来の微細液滴発生器では、構造的に複雑なものが多く大型化が困難であり、また大型のものであっても、液体を上記微細液滴発生器内に自吸することができる機能および所望の大きさの液滴を発生させる機能を共に有するものはなかった。実用的なウォーターミスト消火設備の構築には、このような機能を備えたものが望まれている。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、大型化が容易であると共に、液体を自吸することができ、所望の大きさの液滴を発生させることができる微細液滴発生器および微細液滴発生装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、好適に微細液滴を発生させることができる微細液滴発生方法を提供することにある。
本発明による微細液滴発生器は、長手方向に沿って、上流側に加圧された気体が供給される第1領域、下流側に微細液滴が発生する第2領域を有する、一定の内径の管体と、管体内の第1領域と第2領域との境界位置に配置され、その周りの流路を狭くすることにより第1領域に供給された気体の圧力を低下させて第2領域に負圧を発生させる負圧発生体と、管体の外周に設けられた液体室と、前記管体の第2領域の壁面に設けられ、前記液体室から第2領域への液体の供給路となる液体吸引孔とを備えたものである。
本発明による微細液滴発生器では、管体内に高圧の気体を流すと負圧発生体の下流部側が負圧となることにより、液体吸引孔を介して管体内に液体を自吸する。この微細液滴発生器では、大型化するために太い管体が用いられたとしても、管体と負圧発生体とにより形成される隙間を所定の間隔で保てば、微細液滴発生器の性能(例えば、吸水流量等)が一定に保たれる。
ここで、管体が円管であり、負圧発生体が円管の内径よりも直径の小さな球状体である場合では、管体の内径と球状体の直径との比率が10:9であることが好ましい。液体吸引孔は管体の外周に沿って複数設けられていてもよく、また、その孔径は0.1mm以上1.0mm以下、第1領域と第2領域との境界位置から液体吸引孔までの間隔(以降、液体吸引孔の配設位置ともいう)は円管の内径の1.0倍以上4.0倍以下であることが好ましい。これにより自吸される液体の量(吸水流量)等の特性が向上する。
更に、負圧発生体としては、球状体に限らず回転楕円体など多様な形状のものを用いてもよく、また、管体の入口および出口、並びに液体吸引孔の形状を適宜変えてもよい。
本発明による微細液滴発生装置は、上述の微細液滴発生器に加えて、管体の第1領域に加圧された気体を供給するための加圧気体供給手段と、液体室内に液体を供給するための液体供給手段とを備えたものである。ここで、微細液滴として、殺虫剤,消毒剤,空気清浄剤または消臭剤を発生するようにしてもよい。
この微細液滴発生装置では、微細液滴発生器を備えることによる作用が得られる他、加圧気体供給手段および液体供給手段により、気体流量あるいは液体流量を調整することにより、所望の大きさの微細液滴が発生する。
本発明による微細液滴発生方法は、気体の通路に沿って第1領域および第2領域を有する、一定の内径の管体の通路内の第1領域と第2領域との境界位置に負圧発生体を配置すると共に、管体の第2領域の壁面に液体吸引孔を設け、管体の第1領域から通路内に加圧した気体を供給し、その気体の圧力を負圧発生体の周りの流路を狭くすることにより低下させて負圧を発生すると共に、液体吸引孔を通じて液体を吸引させることにより微細液滴を発生させるものである。
本発明の微細液滴発生器または微細液滴発生装置によれば、管体内の第1領域と第2領域との境界位置に負圧発生体を配置すると共に、管体の壁面に液体吸引孔を設けるだけの簡素な構造を有しているので、微細液滴発生器の特性を維持しつつ大型化を容易にし、液体を自吸することができ、所望の大きさの微細液滴を発生させることが可能になる。
また、本発明の微細液滴発生方法によれば、所望の大きさの微細液滴を好適に噴霧することができる。
従って、例えば、消火設備として利用した場合には、少量の水で消火することが可能であることから、消火後の現場の復帰を極めて早くすることができ、また、水分を嫌う電子計算機室、半導体製造工場内あるいは船室などの密閉室内の火災に対して好適に初期消火等を行うことができる。ここで、気体に不活性ガス、液体に消火液を用いることにより、消化性状が更に向上するものとなる。
更に、液体または気体を適宜選択することにより消火設備以外の他の用途への応用が可能である。具体的には、液体として殺虫剤,消毒剤,空気清浄剤または消臭剤を用いた場合、農業分野における殺虫剤散布等の作業効率、病院内の環境衛生あるいは工場内の悪臭の消臭効果等をそれぞれ向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る微細液滴発生器1の断面構成を表すものである。図2は図1のA−A切断線に沿った断面構成を表している。なお、本発明の微細液滴発生方法については、微細液滴発生器1の作用に具現化されるものであるので併せて説明し、重複する内容についてはその説明を省略する。
この微細液滴発生器1は管体10を備えており、その上流側から高圧気体Gが供給されるようになっている。管体10は、その長手方向に沿って上流側の第1領域10Aと下流側の第2領域10Bとに分かれ、これら第1領域10Aと下流側の第2領域10Bとの境界位置に例えば球状の負圧発生体11が配置されている。管体10の外周部には環状の液体室12が設けられると共に、管体10の壁面には複数の液体吸引孔13が設けられ、これら液体吸引孔13を通じて液体室12から第2領域10Bへ液体L2が供給されるようになっている。
管体10は、第1領域10A側の端部が高圧気体Gの供給口10C、第2領域10B側の端部が微細液滴L1を含むミストMを噴霧するための噴出口10Dとなっており、供給口10Cに外部のガス管等が接続されるようになっている。負圧発生体11は例えば螺子あるいは接着剤などにより管体10に固定されている。また、液体室12は自吸口12Aを備えると共に自吸口12Aを介して液体L2の供給源と連通されるようになっている。なお、第1領域10A側には気体圧測定用タップ10Eが設けられている。
管体10としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニール,ポリアミド等のプラスチックを溶融し管体状に押し出すことにより成形したもの、上記プラスチックを射出成形したもの、あるいはステンレス等の金属管を適当な長さに切断したもの等が利用可能である。
負圧発生体11は、第1領域10A側(上流側)で高圧気体Gの通過面積を減少させて高圧気体Gを加速・加圧させると共に、第2領域10B側(下流側)で流れに乱れを生じさせないように高圧気体Gを減速・減圧させることにより、第2領域10Bに負圧を発生させるためのものである。従って、負圧発生体11としては、流線形状を有するものであることが好ましく、更には管体10の断面と負圧発生体11の断面とが、すなわち管体10の長手方向に対して垂直方向に切断したときの断面同士が相似形となるものがより好ましい(図2)。具体的には、球状体の他、回転楕円体であることが好ましい。また、負圧発生体11の材質については特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニール,ポリアミド等のプラスチック、セラミックあるいは金属などにより構成されているものを利用することができる。
本実施の形態では、管体10として円管、負圧発生体11として円管の内径(内径D1)よりも直径D2の小さな負圧発生体11を用いているので、内径D1と直径D2との比率を10:9とすることにより微細液滴発生器1の性能が保たれるようになっている。
液体室12は、全ての液体吸引孔13を介して管体10の内部へ液体L2が円滑に自吸されるために設けられるものである。この液体室12を構成する壁部12Bは、材質については特に限定されないが、管体10と同様の材料により構成されていることが好ましい。壁部12Bを接着剤あるいは溶接等を用いて容易に取り付けることができるからである。また、自吸口12Aに吸気ノズルを設けるようにしてもよい。これにより、液体室12の内部がより減圧状態となり、液体L2が液体室12に効率よく自吸される。
液体吸引孔13は、管体10の内部に液体L2を供給するためのものであり、例えば、管体10の外周に沿って複数(例えば、等間隔で12個)設けられていてもよい。この液体吸引孔13の孔径D3は、例えば、0.1mm以上1.0mm以下であることが好ましい。これにより、所望の大きさの微細液滴L1が形成される。更に、微細液滴L1の量(液体L2の吸水流量)を増加させる場合には、孔径D3を上記の範囲内にしつつ液体吸引孔13の個数を増加させることが好ましい。微細液滴L1が大きくなり過ぎるのを防ぐことができるからである。また、液体吸引孔13は、第1領域10Aと第2領域10Bとの境界位置よりも下流側の第2領域10Bの外周に設けられている。
上述したように、負圧発生体11の下流側の近傍において高圧気体Gが減速・減圧されることにより第2領域10Bの圧力が低くなる。すなわち、第2領域10Bの液体吸引孔13周辺の圧力は、エネルギー保存の法則(ベルヌーイの式)を満たしながら低くなり、高圧気体Gの流量がある程度まで大きくなると大気圧以下(負圧)となる。従って、液体吸引孔13を上述の位置に設けることにより、負圧現象を利用して液体L2を自吸することが可能となる。その際、第1領域10Aと第2領域10Bとの境界位置から液体吸引孔13までの間隔l(以降、「液体吸引孔13の配設位置l」ともいう)は、円管の内径の1.0倍以上4.0倍以下であることが好ましい。
液体L2は、微細液滴発生器1の使用目的に応じて適宜選択されるものであり、水の他,例えば、消火液,殺虫剤,消毒剤,空気清浄剤あるいは消臭剤等を用いることができる。この液体L2は以下のようにして微細液滴L1に変化する。すなわち、高圧気体Gが管体10の内壁と負圧発生体11との隙間を通過することにより、高圧気体Gの流れが高剪断流れになる。この高剪断流れにより管体10の内部に自吸された液体L2が微細にせん断されることにより微細液滴L1となる。
高圧気体Gについても、微細液滴発生器1の使用目的に応じて適宜選択されるものであり、例えば、空気あるいは不活性ガス等を用いることができる。また、第1領域10Aに流す高圧気体Gの流量(気体流量QG )は、例えば、円管の内径が11mm前後の場合、100l/min以上400l/min以下であることが好ましく、円管の内径が異なる場合は{(その内径)mm/11mm}の比の2乗に比例して増減させることが好ましい。
ミストMは、微細液滴L1および高圧気体Gが第2領域10Bにおいて混合されたのち、噴出口10Dから噴出されるものである。
次に、この微細液滴発生器1の製造方法について説明する。まず、材料として例えばプラスチックを用いる場合には、押し出し成形法あるいは射出成形法などを用いて所望の断面形状に形成したのち、所望の長さに切断することにより管体10を得る。なお、噴出特性を向上させるために、供給口10Cおよび噴出口10Dの形状を加工してもよい。
次いで、管体10の内部に負圧発生体11を挿入したのち、螺子あるいは接着剤などを用いて固定する。続いて、第2領域10Bの外周に沿って液体吸引孔13を複数(例えば、等間隔で12個)形成する。その際、液体吸引孔13の配設位置lを上記範囲とすることが好ましい。
続いて、接着剤あるいは溶接法などを用いて、管体10の外側の液体吸引孔13が形成された周辺部に壁部12Bを取り付けることにより環状の液体室12を形成する。そののち、液体室12の所定の位置に自吸口12Aを設ける。なお、必要に応じて自吸口12Aに吸気ノズルを設けるようにしてもよい。これにより、微細液滴発生器1が完成する。
このように作製された本実施の形態の微細液滴発生器1では、管体10に高圧の高圧気体Gを導くと、負圧発生体11の周りでは流路が狭いため高剪断流れとなり第2領域10B側の静圧PG がエネルギー保存式(ベルヌーイの式)を満たすように低くなる。そして、その静圧PG は高圧気体Gの流量がある程度大きくなると大気圧以下(負圧)となる。その結果、液体L2が自吸口12A、液体室12および液体吸引孔13を順に介して管体10の内部に自吸される。自吸された液体L2は高剪断流れによりせん断されて微細液滴L1となり、高圧気体Gと混合されてミストMとして噴出口10Dから噴出される。ここで、例えば、微細液滴発生器1を大型化するために内径D1の大きい管体10を用いる場合であっても、管体10の内径D1と負圧発生体11の直径D2との比率を10:9程度に保つことにより微細液滴発生器1の性能が一定に保たれる。また、液体吸引孔13の配設位置lを円管の内径の1.0倍以上4.0倍以下とすることにより好適に液体L2が自吸される。更に、孔径D3を0.1mm以上1.0mm以下とすることにより微細液滴L1の大きさが所望の大きさとなる。
本実施の形態の微細液滴発生器1によれば、管体内の第1領域10Aと第2領域10Bとの境界位置に球状の負圧発生体11を配置するだけの簡素な構造を有しているので、微細液滴発生器1の性能を維持しつつ大型化を容易にし、液体L2を自吸することができ、所望の大きさの微細液滴L1を発生させることができる。
図3は、この微細液滴発生器1を含むシステム全体の構成を表すものである。この微細液滴発生装置2は、微細液滴発生器1と共に、その管体10の第1領域10Aに対し高圧気体Gを供給するための加圧気体供給手段20、および液体室12内に液体L2を供給するための液体供給手段30、更に、高圧気体Gの流量および液体L2の流量を測定するための測定手段40を備えている。

加圧気体供給手段20は、エアコンプレッサ22を有し、このエアコンプレッサ22は配管21を通じて微細液滴発生器1の供給口10Cと連通されている。配管21には微細液滴発生器1側から順に流量制御弁21A、レギュレータ21B、開閉弁21Cが設けられ、高圧気体Gの流量(気体流量QG )を調整することができるようになっている。
液体供給手段30は、液体貯蔵槽32を有し、この液体貯蔵槽32と微細液滴発生器1の自吸口12Aとの間は配管31を介して連通されている。配管31には開閉弁31Aが設けられ、液体L2の流量(吸水流量QL )を調整することができるようになっている。なお、本実施の形態では、微細液滴発生器1は液体貯蔵槽32に貯蔵された液体L2の水位と同じ位置となるように容器中に設置されている。
測定手段40は、配管21の流量制御弁21Aとレギュレータ21Bとの間に設けられたマスフローメータ41と、配管31の開閉弁31Aと液体貯蔵槽32との間に設けられたタービン式流量計42と、微細液滴発生器1の第1領域10A側に設けられた圧力変換器43とを備え、A/Dコンバータ44を介してパーソナルコンピュータ(PC;Personal Computer )45に接続された構成を有している。
マスフローメータ41は気体流量QG を、タービン式流量計42は液体L2の流量(吸水流量)QL を、気体圧測定用タップ10Eに接続された圧力変換器43は管体10の上流側(第1領域10A側)の静圧PG をそれぞれ測定するためのものである。
A/Dコンバータ44は、マスフローメータ41、タービン式流量計42および圧力変換器43から得られたアナログ量の測定データをデジタル量に変換してPC45に出力するためのものである。PC45では、この変換されたデータを処理して解析を行う。
この微細液滴発生装置2では、開閉弁31Aの開度を調節して液体L2の吸水流量QL を制御することによって、微細液滴発生器1から噴出される微細液滴L1の大きさを容易に変えることができる。
以下、本発明の具体的な実施例について、詳細に説明する。
(実施例1−1〜1−3)
実施例1−1〜1−3では、微細液滴発生器1の管体10の内径D1の大きさを変えることにより、空気流量QG に対する吸水流量QL の関係、および空気流量QG に対するミスト発生効率ηM の関係について検討を行った。管体10の内径D1については、実施例1−1では10.5mm、実施例1−2では11.0mm、実施例1−3では11.5mmとした。
微細液滴発生器1の他の条件については以下のようにした。負圧発生体11として、直径D2が9.53mmの球状体を用いた。液体吸引孔13として、孔径D3を0.5mmにして管体10の外周上に等間隔で12個設け、液体吸引孔13の配設位置lを2.0mmとした。また、開閉弁31Aおよび開閉弁21Cを全開にすると共にレギュレータ21Bの二次圧を0.1MPaと一定に保ちつつ、流量制御弁21Aを調整することにより空気流量QG を変化させた。以上の条件下で吸水流量QL および第1領域10A側の静圧PG をそれぞれ測定した。
ミスト発生効率ηM については以下のようにして求めた。すなわち、実測の吸水流量QL および静圧PG を式1に示した式に代入して空気動力LG を求めたのち、得られた空気動力LG を式2に示した式に代入することによりミスト発生効率ηM を求めた。ここで、uG は負圧発生体11の上流部の静圧測定断面(気体圧測定用タップ10E)での空気の平均速度である。
G ={PG +(ρG ・uG 2 /2)}QG …(1)
ηM =(ρL ・QL ・uG 2 /2)/LG …(2)
図4には空気流量QG に対する吸水流量QL の関係を示した。これにより、空気流量QG に対する吸水流量QL は、実施例1−1(D1=10.5mm)の場合が最も多くなることが分かった。よって、管体10の内径D1と負圧発生体12の直径D2との比率は10:9であることが好ましいことが分かった。また、図5には空気流量QG に対するミスト発生効率ηM の関係を示した。これにより、空気流量QG が150l/min〜300l/minにおいて高いミスト発生効率ηM が得られることが分かった。
(実施例2−1,2−2)
実施例2−1,2−2では、液体吸引孔13の配設位置lを変えたことを除き、他は実施例1−1と同様にして微細液滴発生器1を作製し、実施例1−1と同様の検討を行った。液体吸引孔13の配設位置lについては、実施例2−1では1.0mm、実施例2−2では4.0mmとした。
図6には、実施例1−1および実施例2−1,2−2における空気流量QG に対する吸水流量QL の関係を示した。これにより、空気流量QG に対する吸水流量QL は、実施例1−1(l=2.0mm)の場合が最も多くなることが分かった。また、図7には実施例1−1および実施例2−1,2−2における空気流量QG に対するミスト発生効率ηM の関係を示した。これにより、空気流量QG が120l/min〜250l/minにおいて高いミスト発生効率ηM が得られることが分かった。
(実施例3)
実施例3では、液体吸引孔13の孔径D3を変えたことを除き、他は実施例1−1と同様にして微細液滴発生器1を作製し、実施例1−1と同様の検討を行った。孔径D3については、実施例3では1.0mmとした。
図8には、実施例1−1および実施例3における空気流量QG に対する吸水流量QL の関係を示した。これにより、空気流量QG に対する吸水流量QL は、実施例3(l=1.0mm)の方が2倍程度多くなることが分かった。しかし、実施例1−1に比べて実施例3では、液体吸引孔13の総面積が4倍に増加していることを考慮すると、孔径D3を大きくすることによる効果はそれほど大きくはないことも分かった。また、図9には実施例1−1および実施例3における空気流量QG に対するミスト発生効率ηM の関係を示した。これにより、空気流量QG が120l/min〜180l/minにおいて高いミスト発生効率ηM が得られることが分かった。
最後に、実施例1−1〜1−3、実施例2−1,2−2および実施例3を総括すると、実施例3(D1=10.5mm,l=2.0mm,D3=1.0mm)の場合において、空気流量QG に対する吸水流量QL が最も多くなることが分かった。しかし、孔径D3の拡大により微細液滴L1の寸法が大きくなる可能性があるので、吸水流量QL を増加させる上では孔径D3を大きくするよりも液体吸引孔13の個数を増加させて液体吸引孔13の総面積を大きくすることが好ましいと考えられる。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態等に限定されるものではなく種々変形可能である。例えば、上記管体10については円筒状のものとしたが、負圧発生体11の形状との相対的な関係で下流側に負圧を発生できるものであれば、その形状は任意である。
本発明の一実施の形態に係る微細液滴発生器の構成を断面図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。 微細液滴発生装置の全体構成を表す図である。 実施例1−1〜1−3の空気流量QG に対する吸水流量QL の関係を表す特性図である。 実施例1−1〜1−3の空気流量QG に対するミスト発生効率ηM の関係を表す特性図である。 実施例1−1および実施例2−1〜2−2の空気流量QG に対する吸水流量QL の関係を表す特性図である。 実施例1−1および実施例2−1〜2−2の空気流量QG に対するミスト発生効率ηM の関係を表す特性図である。 実施例1−1および実施例3の空気流量QG に対する吸水流量QL の関係を表す特性図である。 実施例1−1および実施例3の空気流量QG に対するミスト発生効率ηM の関係を表す特性図である。
符号の説明
1…微細液滴発生器、2…微細液滴発生装置、10…管体、10A…第1領域、10B…第2領域、10C…供給口、10D…噴出口、10E…気体圧測定用タップ、11…負圧発生体、12…液体室、12A…自吸口、12B…壁部、13…液体吸引孔、20…加圧気体供給手段、21,31…配管、21A…流量制御弁、21B…レギュレータ、21C,31A…開閉弁、22…エアコンプレッサ、30…液体供給手段、32…液体貯蔵槽、40…測定手段、41…マスフローメータ、42…タービン式流量計、43…圧力変換器、44…A/Dコンバータ、45…パーソナルコンピュータ(PC)、D1…管体の内径、D2…負圧発生体の直径、D3…孔径、G…高圧気体、L1…微細液滴、L2…液体、M…ミスト(気体噴流)

Claims (10)

  1. 長手方向に沿って、上流側に加圧された気体が供給される第1領域、下流側に微細液滴が発生する第2領域を有する、一定の内径の管体と、
    前記管体内の第1領域と第2領域との境界位置に配置され、その周りの流路を狭くすることにより第1領域に供給された気体の圧力を低下させて第2領域に負圧を発生させる負圧発生体と、
    前記管体の外周に設けられた液体室と、
    前記管体の第2領域の壁面に設けられ、前記液体室から第2領域への液体の供給路となる液体吸引孔と
    を備えたことを特徴とする微細液滴発生器。
  2. 前記管体は円管であり、前記負圧発生体は前記円管の内径よりも直径の小さな球状体である
    ことを特徴とする請求項1記載の微細液滴発生器。
  3. 前記管体の内径と前記球状体の直径との比率は10:9である
    ことを特徴とする請求項2記載の微細液滴発生器。
  4. 前記液体吸引孔は、前記管体の外周に沿って複数設けられている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の微細液滴発生器。
  5. 前記液体吸引孔の孔径は0.1mm以上1.0mm以下である
    ことを特徴とする請求項4記載の微細液滴発生器。
  6. 前記第1領域と第2領域との境界位置から前記液体吸引孔までの間隔は円管の内径の1.0倍以上4.0倍以下である
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の微細液滴発生器。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の微細液滴発生器と、
    前記管体の第1領域に加圧された気体を供給する加圧気体供給手段と、
    前記液体室内に液体を供給する液体供給手段と
    を備えたことを特徴とする微細液滴発生装置。
  8. 微細液滴として、殺虫剤,消毒剤,空気清浄剤または消臭剤を発生する
    ことを特徴とする請求項7記載の微細液滴発生装置。
  9. 気体の通路に沿って第1領域および第2領域を有する、一定の内径の管体の前記通路内の第1領域と第2領域との境界位置に負圧発生体を配置すると共に、前記管体の第2領域の壁面に液体吸引孔を設け、前記管体の第1領域から通路内に加圧した気体を供給し、その気体の圧力を前記負圧発生体の周りの流路を狭くすることにより低下させて負圧を発生すると共に、前記液体吸引孔を通じて液体を吸引させることにより微細液滴を発生させる ことを特徴とする微細液滴発生方法。
  10. 微細液滴として、殺虫剤,消毒剤,空気清浄剤または消臭剤を発生させる
    ことを特徴とする請求項9に記載の微細液滴発生方法。
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