JP2023107645A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車室内の暖房及びバッテリ加熱を同時に行うと共に、車室内の温度及びバッテリの温度を最適な温度制御を行う。【解決手段】冷媒を圧縮する圧縮機2、冷媒と車室内に供給する空気とを熱交換させる室内熱交換器4、冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器7及び温調対象熱交換器64を含む冷媒回路Rと、温調対象熱交換器を通過して冷媒と熱交換する熱媒体が循環し、車両に搭載される温調対象の温度を、温調対象熱交換器を流れる熱媒体により調整する熱媒体回路60と、冷媒回路及び熱媒体回路を制御する制御装置100を備え、冷媒回路は、圧縮機から吐出した冷媒を、室外熱交換器を迂回させ、室内熱交換器と温調対象熱交換器とを経て圧縮機の吸入側に流入させるホットガス回路を有し、制御装置は、ホットガス回路に冷媒を流通させて圧縮機で圧縮した冷媒の熱により車室内の暖房と温調対象の加熱を行うホットガスモードを実行可能である車両用空調装置を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両に適用されるヒートポンプ式の車両用空調装置であって、特に、車両に搭載されたバッテリの温調と車室内の空調とを同時に行うことができる車両用空調装置に関する。
近年、車両に搭載されたバッテリから供給される電力によって走行用モータを駆動するハイブリッド自動車や電気自動車等の車両が普及している。このような車両に搭載される車両用空調装置として、圧縮機、室内熱交換器(冷房時は蒸発器、暖房時は凝縮器)、室外熱交換器(冷房時は凝縮器、暖房時は蒸発器)、及び膨張弁が接続された冷媒回路を備え、室内熱交換器において冷媒と熱交換した空気を車室内に供給して車室内の空調を行うものが知られている。
ところで、バッテリは、所定の温度範囲内の環境下で用いられることで適切な性能が確保され、期待されるライフサイクルを実現できるものであり、上記温度範囲外の環境下で使用が継続されるとバッテリの性能の低下や劣化、損傷を招く。
このため、車両用空調装置において、車室内の空調を行うと共にバッテリの温度調整を行うものが知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1の車両用空調装置では、バッテリが高温環境下で使用されることに起因する劣化を抑制するために、バッテリ冷却用の冷媒-熱媒体熱交換器を設け、冷媒回路において冷媒を冷媒-熱媒体熱交換器に流し、冷媒と熱交換して冷却された熱媒体によりバッテリを冷却している。
特開2021-160469号公報
一方、バッテリが所定の温度範囲外の低温環境下で使用される際にも、バッテリの動作環境を確保すると共に劣化や損傷を抑制するために温度調整を行う必要がある。すなわち、低温環境下ではバッテリの加熱を要し、特に、外気温度が極端に低い(極低温環境)場合には、車室内の暖房とバッテリの加熱を併せて行うことが好ましい場合がある。
しかしながら、特許文献1では、バッテリの加熱はもちろん、極低温環境下で車室内の暖房とバッテリの加熱を併せて行うことについて考慮されていない。仮に、極低温環境下で車室内の暖房とバッテリの加熱を併せて行う場合には、バッテリの加熱を優先させて冷媒-熱媒体熱交換器を通過する熱媒体の温度が目標温度となるように圧縮機を制御する、又は、車室内の暖房を優先させて室内熱交換器を流れる冷媒の温度が目標温度となるように圧縮機を制御することが考えられる。
ところが、通常、バッテリの目標温度と暖房の目標温度とには乖離があるため、例えば、バッテリの加熱を優先させて圧縮機を制御すると、室内熱交換器を流れる冷媒の温度が目標温度を超え、車室内暖房の温度調整で熱ロスが生じる。反対に、車室内の暖房を優先させて圧縮機を制御すると、熱媒体の水温が目標温度に至らずバッテリを所望の温度まで加熱することができない。つまり、室内熱交換器又は熱媒体のうち、いずれか一方の目標温度を優先させて圧縮機を制御すると、他方の目標温度に満たない又は熱ロスが生じ、適正且つ効率的な温調制御を行うことができない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、車室内の暖房及びバッテリ加熱を同時に行うと共に、車室内の温度及びバッテリの温度を共に適正且つ効率的に制御すること、などを課題としている。
本発明は、冷媒を圧縮する圧縮機、圧縮機で圧縮された冷媒と車室内に供給する空気とを熱交換させるための室内熱交換器、冷媒と外気とを熱交換させるための室外熱交換器、及び、温調対象熱交換器を含む冷媒回路と、前記温調対象熱交換器を通過して冷媒と熱交換する熱媒体が循環し、車両に搭載される温調対象の温度を、前記温調対象熱交換器を流れる熱媒体により調整する熱媒体回路と、前記冷媒回路及び前記熱媒体回路を制御する制御装置を備え、前記冷媒回路は、前記圧縮機から吐出した冷媒を、前記室外熱交換器を迂回させ、前記室内熱交換器と前記温調対象熱交換器とを経て前記圧縮機の吸入側に流入させるホットガス回路を有し、前記制御装置は、前記ホットガス回路に冷媒を流通させて、前記圧縮機で圧縮した冷媒の熱により前記車室内を暖房すると共に前記温調対象を加熱するホットガスモードを実行可能である、車両用空調装置を提供する。
本発明によれば、車室内の暖房及びバッテリ加熱を同時に行うと共に、車室内の温度及びバッテリの温度と共に適正且つ効率的に制御すること、ができる。
本発明の実施形態に係る車両用空調装置の概略構成及び冷媒の流れを示す説明図である。 本発明の実施形態に係る車両用空調装置の制御装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る車両用空調装置において、ホットガス回路を利用した各空調モードの実行時における冷媒回路の冷媒の流れを示す説明図である。 本発明の実施形態に係る車両用空調装置において、ホットガス暖房モード及びホットガスモード実行時の冷媒の状態変化を表したモリエル線図である。 本発明の実施形態に係る車両用空調装置において、バッテリ加熱モード実行時の冷媒の状態変化を表したモリエル線図である。 本発明の実施形態に係る車両用空調装置の制御装置における圧縮機の目標回転数TGNCを算出する制御ブロック図である。 本発明の実施形態に係る車両用空調装置において、外気吸熱暖房モードの実行時における冷媒回路の冷媒の流れを示す説明図である。 本発明の実施形態に係る車両用空調装置において、外気吸熱暖房モード実行時の冷媒の状態変化を表したモリエル線図である。 本発明の実施形態に係る車両用空調装置において、バッテリ冷却モードの実行時における冷媒回路の冷媒の流れを示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明において、同一の符号は同一の機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用空調装置1の概略構成を示す。車両用空調装置1は、例えば、エンジン(内燃機関)が搭載されていない電気自動車(EV)やエンジンと走行用の電動モータを供用する所謂ハイブリッド自動車などの車両に適用することができる。このような車両は、バッテリ55(例えば、リチウム電池)が搭載され、外部電源からバッテリ55に充電された電力を、走行用モータ(電動モータ)を含むモータユニット(不図示)に供給することで駆動し、走行する。車両用空調装置1も、バッテリ55から給電されて駆動される。
車両用空調装置1は、ヒートポンプ運転を行うための冷媒回路Rと、温調対象としてバッテリ55の温度を調整する熱媒体回路60とを備えている。熱媒体回路60は、冷媒回路Rに対して後述する温調対象熱交換器64を介して熱交換可能に接続される。車両用空調装置1は、冷媒回路Rを用いたヒートポンプ運転により暖房運転や冷房運転等の空調運転を含む各種運転モードを選択的に実行することで、車室内の空調及びバッテリ55の温度調整を行う。
なお、熱媒体回路60は、温調対象として、バッテリ55以外にも、例えば、モータユニットや、車両に搭載されて発熱するその他の機器の温度調整を行うことができる。
冷媒回路Rは、冷媒を圧縮する圧縮機2と、車室内の空気が通気循環されるHVACユニット10の空気流通路3内に設けられ、圧縮機2から吐出された高温高圧の冷媒を放熱させて車室内に供給する空気を加熱する室内熱交換器4と、暖房時に冷媒を減圧膨張させる室外膨張弁6と、冷房時には冷媒を放熱させる放熱器(凝縮器)として機能し、暖房時には冷媒を吸熱させる蒸発器として機能すべく冷媒と外気との間で熱交換を行わせるための室外熱交換器7と、冷媒を減圧膨張させる室内膨張弁8と、空気流通路3内に設けられて冷房時及び除湿時に車室内外から冷媒に吸熱させて車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器9と、アキュムレータ12等が冷媒配管13A~13Kにより接続されて構成されている。
室外膨張弁6及び室内膨張弁8は、いずれも図示しないパルスモータにより駆動される電子膨張弁であり、パルスモータに加えられるパルス数によって全閉から全開までの間で開度が適宜制御される室外膨張弁6は、室外熱交換器7を用いた暖房運転時や除霜運転時に、室内熱交換器4から流出し室外熱交換器7に流入する冷媒を減圧膨張させる室内膨張弁8は、吸熱器9に流入する冷媒を減圧膨張させると共に、吸熱器9における冷媒の吸熱量、つまり通過空気の冷却能力を調整する。
室外熱交換器7の冷媒出口と吸熱器9の冷媒入口とは冷媒配管13Aにより接続されている。冷媒配管13Aには、室外熱交換器7側から順に、逆止弁18と室内膨張弁8とが設けられている。逆止弁18は、吸熱器9に向かう方向が順方向となるように冷媒配管13Aに設けられる。冷媒配管13Aは、逆止弁18よりも室外熱交換器7側の位置で冷媒配管13Bに分岐すると共に、逆止弁18と室内膨張弁8との間で冷媒配管13Iに分岐している。
冷媒配管13Aから分岐した冷媒配管13Bは、アキュムレータ12の冷媒入口に接続されている。冷媒配管13Bには、室外熱交換器7側から順に、暖房時に開放される電磁弁21及び逆止弁20が設けられている。逆止弁20は、アキュムレータ12に向かう方向が順方向となるように接続されている。冷媒配管13Bの電磁弁21と逆止弁20との間は冷媒配管13Cに分岐している。冷媒配管13Bから分岐した冷媒配管13Cは、吸熱器9の冷媒出口に接続されている。アキュムレータ12の冷媒出口と圧縮機2とは、冷媒配管13Dにより接続されている。
圧縮機2の冷媒出口と室内熱交換器4の冷媒入口とは、冷媒配管13Eにより接続されている。室内熱交換器4の冷媒出口には冷媒配管13Fの一端が接続され、冷媒配管13Fの他端側は室外膨張弁6の手前(冷媒上流側)で冷媒配管13Gと冷媒配管13Hに分岐している。分岐した一方の冷媒配管13Gが室外膨張弁6を介して室外熱交換器7の冷媒入口側に接続されている。また、分岐した他方の冷媒配管13Hは、冷媒配管13Aの逆止弁18と室内膨張弁8との間に接続されている。冷媒配管13Hの冷媒配管13Aとの接続点より冷媒上流側には、電磁弁22が設けられている。電磁弁22は電子膨張弁であってもよい。
また、冷媒配管13Aから分岐した冷媒配管13Iは、温調対象熱交換器64の冷媒流路64Aに接続され、冷媒配管13Iには、チラー膨張弁72が設けられている。チラー膨張弁72は、図示しないパルスモータにより駆動される電子膨張弁であり、パルスモータに加えられるパルス数によって全閉から全開までの間で開度が適宜制御される。チラー膨張弁72は温調対象熱交換器64の冷媒流路64Aに流入する冷媒を減圧膨張させる。温調対象熱交換器64の冷媒流路64Aの出口には冷媒配管13Jの一端が接続されている。冷媒配管13Jの他端は、冷媒配管13Bのアキュムレータ12入口近傍に接続されている。
これにより、冷媒配管13Hは室外膨張弁6、室外熱交換器7及び逆止弁18の直列回路に対して並列に接続され、室外膨張弁6、室外熱交換器7及び逆止弁18をバイパスする。そして、冷媒配管13Hと冷媒配管13Iとにより、圧縮機2から吐出した冷媒を室内熱交換器4に流し、室外熱交換器7を迂回させて、温調対象熱交換器64とを経て圧縮機2の吸入側に流入させるホットガス回路を構成する。冷媒配管13Hに設けられた電磁弁22の開閉に応じて冷媒配管13Gに冷媒を流入させるか否か、つまりホットガス回路を用いるか否かを選択できるようになっている。
また、圧縮機2の冷媒出口とアキュムレータ12の冷媒吸入側とは冷媒配管13Kにより接続されている。冷媒配管13Kには、電子膨張弁24が設けられ、電子膨張弁24を開状態とすることにより、圧縮機2から吐出した冷媒を再び圧縮機2に吸入させるバイパス回路を構成することができる。
吸熱器9の空気上流側における空気流通路3には、外気吸込口と内気吸込口の各吸込口が形成されている(図1では吸込口25で代表して示す)。吸込口25には吸込切換ダンパ26が設けられている。吸込切換ダンパ26により、車室内の空気である内気と、車室外の空気である外気とを適宜切り換えて吸込口25から空気流通路3内に導入する。吸込切換ダンパ26の空気下流側には、導入した内気や外気を空気流通路3に送給するための室内送風機27が設けられている。
室内熱交換器4の空気上流側における空気流通路3内には、空気流通路3内に流入し、吸熱器9を通過した後の空気流通路3内の空気(内気や外気)を室内熱交換器4及び補助ヒータ23に通風する割合を調整するエアミックスダンパ28が設けられている。
なお、補助暖房手段として、例えば、圧縮機廃熱によって加熱した温水を空気流通路3に配置したヒータコアに循環させることにより、送風空気を加熱する形態とすることもできる。
熱媒体回路60は、熱媒体回路60に熱媒体を循環させてバッテリ55に熱媒体を流すためのポンプ61と、温調対象熱交換器64を備え、温調対象であるバッテリ55に熱媒体を通過させてバッテリ55の温度を調整する。
熱媒体回路60は、温調対象熱交換器64において冷媒回路Rを循環する冷媒と熱媒体とか熱交換するように設けられている。すなわち、熱媒体回路60では、熱媒体が温調対象熱交換器64の熱媒体流路64Bを通過し、温調対象熱交換器64の冷媒流路64Aを通過する冷媒と熱交換する。冷媒と熱交換することで温調された熱媒体が、ポンプ61によって熱媒体回路60を循環することでバッテリ55を通過し、バッテリ55の温度調整を行う。
このように、温調対象熱交換器64は、冷媒回路Rの一部を構成すると同時に、熱媒体回路60の一部をも構成する。
熱媒体回路60で使用される熱媒体としては、例えば、水、HFO-1234yfのような冷媒、水に不凍液等を加えたクーラント液等の液体、空気等の気体が採用可能である。尚、本実施形態ではクーラント液を熱媒体として採用している。また、バッテリ55の周囲には例えば、熱媒体が当該バッテリ55と熱交換関係で流通可能なジャケット構造が施されているものとする。
図2に、車両用空調装置1の制御を司る制御装置100の概略構成を示す。制御装置100は、車両用空調装置1が車両に搭載された際に、モータユニットの駆動制御やバッテリ55の充放電制御を含む車両全般の制御を司る車両コントローラ35とCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)等の車載ネットワークにより相互に通信可能に接続され、情報の送受信を行う。
制御装置100及び車両コントローラ35には、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサや電気回路、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶素子を備えたコンピュータを適用することができる。
制御装置100には、以下の各センサや検出器が接続され、これらの各センサや検出器等の出力が入力される。なお、以下の説明において、本実施形態に係る車両用空調装置1による動作に直接関係しない構成については図示及び説明を省略する。
具体的には、制御装置100には、車両の外気温度Tamを検出する外気温度センサ33と、吸込口25から空気流通路3に吸い込まれる空気の温度を検出するHVAC吸込温度センサ36と、車室内の空気の温度(内気温度Tin)を検出する内気温度センサ37と、吹出口29から車室内に吹き出される空気の温度を検出する吹出温度センサ41と、圧縮機2の吐出冷媒温度又は室内熱交換器4の冷媒入口温度を検出する吐出温度センサ43と、圧縮機2の吸込冷媒温度TS及び圧力PSを検出する吸込温度・圧力センサ46と、室内熱交換器4の温度(室内熱交換器4を経た冷媒の温度、又は、室内熱交換器4自体の温度Tci)を検出する室内熱交換器温度センサ44と、室内熱交換器4の圧力(本実施形態では、室内熱交換器4を出た直後の冷媒圧力:室内熱交換器出口圧力Pci)を検出する室内熱交換器圧力センサ47と、設定温度や空調運転の切り換えを設定するための空調操作部53と、が接続されている。
上記のほか、制御装置100には、バッテリ55の温度を検出するバッテリ温度センサ76や、温調対象熱交換器64の熱媒体流路を出てバッテリ55に入る熱媒体の温度Tw(以下、「チラー水温」という)を検出する熱媒体温度センサ79が接続されている。バッテリ55の温度を把握するには、バッテリ温度センサ76又は熱媒体温度センサ79の何れかを適宜用いることができる。
一方、制御装置100の出力には、圧縮機2、室内送風機27、吸込切換ダンパ26、エアミックスダンパ28、室外膨張弁6、室内膨張弁8、電磁弁21,22、電子膨張弁24、ポンプ61、及びチラー膨張弁72が接続されている。制御装置100は各センサの出力と空調操作部53にて入力された設定及び車両コントローラ35からの情報に基づいてこれらを制御する。
このように構成された車両用空調装置1では、車両用空調装置1が搭載された車両が走行する環境や車両の状態に応じて、複数の空調モードから最適な空調モードを選択して実行することができる。例えば、車両が、所定温度未満の極低温環境下で走行する場合には、室外熱交換器7において外気から吸熱を行うことができないため、ホットガス回路を利用して車室内の暖房を行うホットガス暖房モードを実行する。
また、極低温環境下においては、バッテリ55を加熱する必要が生じるため、ホットガス回路を利用したバッテリ加熱モードや、暖房とバッテリの加熱とを同時に行うホットガスモードを実行する。この他、室外熱交換器7において外気から吸熱が可能な場合に車室内の暖房を行う外気吸熱暖房モードや、バッテリ55の冷却を行うバッテリ冷却モード、吸熱器9において冷却された空気により車室内の冷房を行う冷房モード等の各種の空調モードを実行することができる。
以下、本実施形態においては、ホットガス回路を利用した各空調モード(すなわち、本実施形態では、暖房モード、バッテリ加熱モード、及び、ホットガスモードの3つのモード)の実行時の車両用空調装置1の動作について説明する。
図3は、ホットガス回路を利用した各空調モードの実行時における冷媒回路Rの冷媒の流れを示している。図3において、冷媒が流れている冷媒配管を太線で示している。ホットガス回路を利用したホットガス暖房モード、バッテリ加熱モード、及び、ホットガスモードは圧縮機2の回転数、冷媒回路Rを循環する冷媒量、熱媒体回路60を循環する熱媒体量、及び、HVACユニット10を通過する送風流量等について互いに異なる場合があるものの、冷媒回路Rにおける冷媒が循環または通過する流路は同一となる。
制御装置100により(オートモード)、又は、空調操作部53へのマニュアル操作(マニュアルモード)により暖房運転が選択され、車両が極低温環境下を走行している場合に、制御装置100はホットガス回路を利用した暖房運転を開始する。制御装置100は、室外膨張弁6、室内膨張弁8及び電磁弁21を閉じ、電磁弁22、チラー膨張弁72を開くと共に、電子膨張弁24を開く。これにより、ホットガス回路、及び、バイパス回路が構成され、冷媒が循環可能となる。
この状態で、圧縮機2の運転を開始すると、圧縮機2から吐出された冷媒は、一部がホットガス回路を循環し、残りがバイパス回路を循環する。すなわち、圧縮機2から吐出された冷媒の一部は、室内熱交換器4を通過し、電磁弁22及びチラー膨張弁72を経て、温調対象熱交換器64を通過し、アキュムレータ12を経て圧縮機2へ戻る。一方、圧縮機2から吐出された冷媒の残りは、電子膨張弁24及びアキュムレータ12を経て圧縮機2へ戻る。
以下、各モード間において異なる点、及び、各モードの冷媒回路Rを循環する冷媒の状態について説明する。
(1)ホットガス暖房モード
ホットガス暖房モードにおいて、制御装置100は、室内送風機27を運転し、エアミックスダンパ28が室内送風機27から吹き出された空気が室内熱交換器4に通風される割合を調整する状態とする。また、ポンプ61を動作させず、熱媒体回路60に熱媒体を循環させない。つまり、冷媒は、温調対象熱交換器64の通過時に熱媒体との熱交換を行わない。
図4に、ホットガス暖房モードにおける冷媒の状態変化を表したモリエル線図を示す。
圧縮機2から吐出して室内熱交換器4に流入した高温高圧のガス冷媒は、空気流通路3内の空気と熱交換することで、空気流通路3内の空気が冷媒によって加熱され、加熱された空気が吹出口29から車室内へ吹き出されて暖房が行われる。室内熱交換器4で熱交換した冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮する。
凝縮した冷媒は室内熱交換器4を出た後、冷媒配管13F、13H、13A、13Iを通過してチラー膨張弁72を経て温調対象熱交換器64を通過する。冷媒は、チラー膨張弁72において膨張して低温低圧となり、温調対象熱交換器64において熱媒体との熱交換を行わずに通過し、冷媒配管13J、13Bを経てアキュムレータ12に流入する。
一方、圧縮機2から吐出した高温高圧のガス冷媒は、冷媒配管13Kを経て電子膨張弁24で膨張されて再びアキュムレータ12に流入する。すなわち、アキュムレータ12には、室内熱交換器4で液化した冷媒と、圧縮機2で圧縮された後に電子膨張弁24で膨張された冷媒とが流入することとなる。アキュムレータ12に流入した冷媒は、気液分離された後、ガス冷媒として冷媒配管13Dを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。
制御装置100は、ホットガス暖房モードの実行時において、室内熱交換器4の目標温度である目標ヒータ温度TCOに基づいて、ホットガス回路を用いた暖房運転に必要となる圧縮機2の第1目標回転数TGNChを算出し、第1目標回転数TGNChに基づいて圧縮機2を制御している。第1目標回転数TGNChは以下のように算出される(図6の下側に示すブロック図参照)。
制御装置100において、PCO算出処理部85は、外気温度Tamと、空気流通路3内を流通する空気の風量Ga(室内送風機27のブロワ電圧BLVでもよい)と、目標ヒータ温度TCOから得られる室内熱交換器4の目標圧力PCOとに基づいて第1目標回転数のF/F(フィードフォワード)操作量TGNCh_FFを算出する。
また、目標圧力PCOと室内熱交換器4の圧力Pciに基づくPID(比例積分微分)演算、若しくは、PI(比例積分)演算により第1目標回転数のF/B(フィードバック)操作量TGNCh_FBを算出する。そして、F/F操作量TGNCh_FFとF/B操作量TGNCh_FBが加算され、リミットが付されて第1目標回転数TGNChが算出される。
つまり、室内熱交換器4の圧力Pciが目標ヒータ温度TCOから算出される目標圧力PCOよりも高い場合には、第1目標回転数TGNChを低下させる。室内熱交換器4の圧力Pciが目標圧力PCOと等しい場合には、第1目標回転数TGNChを保持する。室内熱交換器4の圧力Pciが目標圧力PCOよりも低い場合には、第1目標回転数TGNChを上昇させる。
(2)バッテリ加熱モード
バッテリ加熱モードにおいて、制御装置100は、室内送風機27を運転させず、室内熱交換器4において冷媒と空気との熱交換が行われない状態とする。つまり、冷媒は、室内熱交換器4を通過するのみとなる。また、ポンプ61を動作させ、熱媒体回路60に熱媒体を循環させて温調対象熱交換器64において冷媒と熱媒体との熱交換が行われる状態とする。
図5に、バッテリ加熱モードにおける冷媒の状態変化を表したモリエル線図を示す。
圧縮機2から吐出して室内熱交換器4に流入した高温高圧のガス冷媒は、空気流通路3内の空気と熱交換せずに通過し、冷媒は室内熱交換器4を出た後、高温高圧のガス冷媒の状態で冷媒配管13F、13H、13A、13Iを通過してチラー膨張弁72を経て温調対象熱交換器64を通過する。冷媒は、温調対象熱交換器64において熱媒体と熱交換することで、熱媒体回路60を循環する熱媒体が冷媒によって加熱され、加熱された熱媒体によりバッテリ55が加熱される。温調対象熱交換器64で熱交換した冷媒は熱媒体に熱を奪われて冷却されて凝縮し、冷媒配管13J、13Bを経てアキュムレータ12に流入する。
一方、圧縮機2から吐出した高温高圧のガス冷媒は、冷媒配管13Kを経て電子膨張弁24で膨張されて再びアキュムレータ12に流入する。すなわち、アキュムレータ12には、温調対象熱交換器64で液化した冷媒と、圧縮機2で圧縮された後に電子膨張弁24で膨張された冷媒とが流入することとなる。アキュムレータ12に流入した冷媒は、気液分離された後、ガス冷媒として冷媒配管13Dを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。
制御装置100は、バッテリ加熱モードの実行時において、バッテリ55を通過する熱媒体である水の温度(以下、チラー水温Tw)の目標温度である目標チラー温度TWOに基づいて、ホットガス回路を用いたバッテリ加熱に必要となる圧縮機2の第2目標回転数TGNChbを算出し、第2目標回転数TGNChbに基づいて圧縮機2を制御している。第2目標回転数TGNChbは以下のように算出される(図6の上側に示すブロック図参照)。
制御装置100は、外気温度Tamと、熱媒体回路60を循環する熱媒体の流量Gw(ポンプ61の出力から算出される)と、バッテリ55の発熱量と、バッテリ温度と、チラー水温Twの目標値である目標チラー水温TWOに基づいて第2目標回転数のF/F操作量TGNChb_FFを算出する。
また、目標チラー水温TWOとチラー水温Twに基づくPID演算若しくはPI演算により第2目標回転数のF/B操作量TGNChb_FBを算出する。そして、F/F操作量TGNChb_FFとF/B操作量TGNChb_FBとが加算され、リミットが付されて第2目標回転数TGNChbが算出される。
つまり、チラー水温Twが目標チラー水温TWOよりも高い場合には、第2目標回転数TGNChbを低下させる。チラー水温Twが目標チラー水温TWOと等しい場合には、第2目標回転数TGNChbを保持する。チラー水温Twが目標チラー水温TWOよりも低い場合には、第2目標回転数TGNChbを増加させる。
(3)ホットガスモード(ホットガス暖房及びバッテリ加熱を同時に実施するモード)
ホットガスモードにおいて、制御装置100は、室内送風機27を運転し、エアミックスダンパ28が室内送風機27から吹き出された空気が室内熱交換器4に通風される割合を調整する状態とする。また、ポンプ61を動作させて熱媒体回路60に熱媒体を循環させ、温調対象熱交換器64において冷媒と熱媒体との熱交換が行われる状態とする。
ホットガスモードにおける冷媒の状態変化を表したモリエル線図は、図4のホットガス暖房モードにおける冷媒の状態変化を表したモリエル線図と同様となるので、図示を省略する。
圧縮機2から吐出して室内熱交換器4に流入した高温高圧のガス冷媒は、空気流通路3内の空気と熱交換することで、空気流通路3内の空気が冷媒によって加熱され、加熱された空気が吹出口29から車室内へ吹き出されて暖房が行われる。室内熱交換器4で熱交換した冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮する。
凝縮した冷媒は室内熱交換器4を出た後、冷媒配管13F、13H、13A、13Iを通過してチラー膨張弁72を経て温調対象熱交換器64を通過する。冷媒は、温調対象熱交換器64において熱媒体と熱交換することで、熱媒体回路60を循環する熱媒体が冷媒によって加熱され、加熱された熱媒体によりバッテリ55が加熱される。温調対象熱交換器64で熱交換した冷媒は熱媒体に熱を奪われて冷却されて凝縮し、冷媒配管13J、13Bを経てアキュムレータ12に流入する。
一方、圧縮機2から吐出した高温高圧のガス冷媒は、冷媒配管13Kを経て電子膨張弁24で膨張されて再びアキュムレータ12に流入する。すなわち、アキュムレータ12には、室内熱交換器4及び温調対象熱交換器64で液化した冷媒と、圧縮機2で圧縮された後に電子膨張弁24で膨張された冷媒とが流入することとなる。アキュムレータ12に流入した冷媒は、気液分離された後、ガス冷媒として冷媒配管13Dを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。
制御装置100は、ホットガスモードの実行時において、室内熱交換器4の目標温度である目標ヒータ温度TCOに基づいて第1目標回転数TGNChを算出すると共に、チラー水温Twの目標温度である目標チラー温度TWOに基づいて第2目標回転数TGNChbを算出し、第1目標回転数と第2目標回転数のうち、いずれか大きい値を目標回転数TGNCとして、これに従って圧縮機2を制御する。目標回転数TGNCは以下のように算出される。
図6は圧縮機2の目標回転数TGNCを算出する制御装置100の制御ブロック図である。
まず、室内熱交換器4の温度を制御するための第1目標回転数TGNChの算出について説明する。図6の下側は、室内熱交換器4の目標ヒータ温度TCOに基づいて圧縮機2の第1目標回転数TGNChを算出する制御ブロック図である。制御装置100において、PCO算出処理部85は、目標ヒータ温度TCOから室内熱交換器4の目標圧力PCOを算出し、F/F(フィードフォワード)操作量演算部86に出力する。F/F操作量演算部86は、外気温度Tamと、空気流通路3内を流通する空気の風量Gaと、PCO算出処理部85において算出された目標圧力PCOとに基づいて圧縮機目標回転数のF/F操作量TGNCh_FFを算出する。
また、F/B(フィードバック)操作量演算部87は目標圧力PCOと室内熱交換器4の圧力Pciに基づくPID(比例積分微分)演算、若しくは、PI(比例積分)演算により第1目標回転数のF/B操作量TGNCh_FBを算出する。そして、F/F操作量演算部86が算出したF/F操作量TGNCh_FFとF/B操作量演算部87が算出したF/B操作量TGNCh_FBは加算器88で加算され、リミット設定部89に入力される。
リミット設定部89では、制御上の下限回転数TGNCh_Lim_Loと上限回転数TGNCh_Lim_Hiのリミットが付けられてTGNCh0とされた後、圧縮機OFF制御部91を経て圧縮機目標回転数TGNChとして決定される。尚、車両用空調装置1の運転開始時にはF/B操作量TGNCh_FBは得られないため、F/F操作量TGNCh_FFが第1目標回転数TGNChとして決定されることになる。決定された第1目標回転数TGNChは、最大値選択部102に入力される。
次に、チラー水温Twを制御するための第2目標回転数TGNChbの算出について説明する。図6の上側は、目標チラー水温TWOに基づいて圧縮機2の第2目標回転数TGNChbを算出する制御装置100の制御ブロック図である。制御装置100は、F/F操作量演算部92において、外気温度Tamと、熱媒体回路60を循環する熱媒体の流量Gwと、バッテリ55の発熱量と、バッテリ温度と、チラー水温Twの目標値である目標チラー水温TWOに基づいて第2目標回転数のF/F操作量TGNChb_FBを算出する。
また、F/B操作量演算部93は目標チラー水温TWOとチラー水温Twに基づくPID演算若しくはPI演算により第2目標回転数のF/B操作量TGNChb_FBを算出する。そして、F/F操作量演算部92が算出したF/F操作量TGNChb_FFとF/B操作量演算部93が算出したF/B操作量TGNChb_FBは加算器94で加算され、リミット設定部96に入力される。
リミット設定部96では制御上の下限回転数TGNChb_Lim_Loと上限回転数TGNChb_Lim_Hiのリミットが付けられてTGNChb0とされた後、圧縮機OFF制御部97を経て第2目標回転数TGNChbとして決定される。なお、車両用空調装置1の運転開始時にはF/B操作量TGNChb_FBは得られないため、F/F操作量TGNChb_FFが第2目標回転数TGNChbとして決定されることになる。決定された第2目標回転数TGNChbは、最大値選択部102に入力される。
最大値選択部102は、入力された値のうち、最大値を選択し、目標回転数TGNCとして出力する。制御装置100は、最大値選択部102で選択された目標回転数TGNCにより圧縮機2の運転(回転数)を制御する。
ここで、最大値選択部102において、目標回転数TGNCとして第1目標回転数TGNChが選択された場合であって、チラー水温Twが目標温度TWOに到達せずにバッテリ55を十分に加熱できない場合、制御装置100は、ポンプ61により熱媒体回路60を循環する熱媒体量を調整することでバッテリ55の温度調整を行う。また、チラー水温Twが目標温度TWOを超える場合、制御装置100は、バッテリ加熱を停止してホットガス暖房モードに切換える。すなわち、制御装置100は、ポンプ61を停止させて熱媒体回路60における熱媒体の循環を停止させて、温調対象熱交換器64における冷媒と熱媒体との熱交換を行わせないように制御する。
一方、最大値選択部102において、目標回転数TGNCとして第2目標回転数TGNChが選択された場合であって、室内熱交換器4の温度Tciが目標ヒータ温度TCOを超えて暖房が過剰となる恐れがある場合又は目標ヒータ温度TCOに達しない場合には、制御装置100は、エアミックスダンパ28の開閉制御を行い、吹出口29から吹き出す空気の温度を調整する。
なお、上述のホットガス回路を利用した各空調モードでは、バイパス回路を併用する例について説明したが、必ずしもバイパス回路を利用する必要はなく、ホットガス回路のみを利用して各空調モードを実行しても良い。バイパス回路を利用する場合は、圧縮機2で圧縮されて高温高圧となった冷媒を、バイパス回路を経て再び圧縮機2へ戻すため、圧縮機2での動力の上乗せを行うことができる。このため、バイパス回路を利用しない場合に比してより早期に車室内へ所望の温度の空気を供給することができ、より早期に熱媒体回路60の熱媒体を所望の温度まで加熱することができるという利点がある。
以上説明してきたように、本実施形態に係る車両用空調装置1によれば、制御装置100が、室内熱交換器4の目標温度である目標ヒータ温度TCOに基づいて第1目標回転数TGNChを算出すると共に、チラー水温Twの目標温度である目標チラー温度TWOに基づいて第2目標回転数TGNChbを算出し、第1目標回転数と第2目標回転数のうち、いずれか大きい値を目標回転数TGNCとして、これに従って圧縮機2を制御する。
このため、車室内の暖房及びバッテリ加熱を同時に行う場合において、室内熱交換器4又は温調対象熱交換器64の負荷が変動した場合であっても、暖房能力が不足したり、加熱能力が不足したりすることなく、車室内の温度及びバッテリの温度共に最適な温度制御を行うことができる。
なお、図1に示す本実施形態に係る車両用空調装置1において実行可能な他の空調モードの参考例として、以下、外気吸熱暖房モード及びバッテリ冷却モードについて説明する。
(外気吸熱暖房モード)
図7は、外気吸熱暖房モードにおける冷媒回路Rの冷媒の流れ(太線)を示している。また、図8は、外気吸熱暖房モードにおける冷媒の状態変化を示すモリエル線図である。
制御装置100が外気吸熱暖房モードを実行する場合、室外膨張弁6及び電磁弁21を開放し、電磁弁22及び室内膨張弁8、電子膨張弁24、チラー膨張弁72を全閉とする。圧縮機2及び室内送風機27を運転し、エアミックスダンパ28は室内送風機27から吹き出された空気が室内熱交換器4に通風される割合を調整する状態とする。
これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は室内熱交換器4に流入する。室内熱交換器4において空気流通路3内の空気と高温高圧の冷媒とが熱交換し、すなわち、空気流通路3内の空気が冷媒によって加熱され、加熱された空気が吹出口29から車室内へ吹き出されることで暖房が行われる。
一方、室内熱交換器4を通過する冷媒は空気流通路3を通過する空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化する。液化した冷媒は室内熱交換器4を出た後、冷媒配管13F、13Gを経て、室外膨張弁6に至る。冷媒は、室外膨張弁6で減圧された後、室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒は蒸発し、車両の走行により流入する外気、或いは、室外送風機(図示せず)にて通風される外気中から熱を汲み上げる(吸熱)。即ち、冷媒回路Rがヒートポンプとなる。
そして、室外熱交換器7を出た低温の冷媒は冷媒配管13A、13B、電磁弁21、及び逆止弁20を経てアキュムレータ12に流入し、アキュムレータ12で気液分離された後、ガス冷媒が冷媒配管13Dを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。
(バッテリ冷却モード)
図9は、バッテリ冷却モードにおける冷媒回路Rの冷媒の流れを示している。図9において、冷媒が流れる冷媒配管を太線で示している。また、バッテリ冷却モードにおける冷媒の状態変化を示すモリエル線図は、図8に示す外気吸熱暖房モードにおける冷媒の状態変化を示すモリエル線図と同一であるので図示を省略する。
制御装置100がバッテリ冷却モードを実行する場合、室外膨張弁6及びチラー膨張弁72を開放し、電磁弁21、電磁弁22及び室内膨張弁8、電子膨張弁24を全閉とする。そして、室内送風機27を運転させずに圧縮機2を運転する。
これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧の冷媒は室内熱交換器4に流入するものの、通過するのみとなり、室内熱交換器4を出た冷媒は冷媒配管13F、13Gを経て、室外膨張弁6に至る。冷媒は、室外膨張弁6で減圧された後、室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒は車両の走行により流入する外気、或いは、不図示の室外送風機にて通風される外気によって空冷され、凝縮液化する。
室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13A、逆止弁18、及びチラー膨張弁72を経て温調対象熱交換器64に流入し、蒸発する。このときの吸熱作用により熱媒体回路60を循環する熱媒体が冷却される。
温調対象熱交換器64で蒸発した冷媒は、冷媒配管13Jを経てアキュムレータ12に至り、冷媒配管13Dを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。温調対象熱交換器64にて冷却された熱媒体は、ポンプ61によってバッテリ55に圧送され、バッテリ55を冷却する。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
1:車両用空調装置、2:圧縮機、3:空気流通路、4:室内熱交換器、6:室外膨張弁、7:室外熱交換器、8:室内膨張弁、9:吸熱器、10:HVACユニット、12:アキュムレータ、13A~13K:冷媒配管、18,20:逆止弁、21,22:電磁弁、24:電子膨張弁、25:吸込口、26:吸込切換ダンパ、27:室内送風機、28:エアミックスダンパ、29:吹出口、55:バッテリ、60:熱媒体回路、61:ポンプ、64:温調対象熱交換器、64A:冷媒流路、64B:熱媒体流路、72:チラー膨張弁、100:制御装置

Claims (5)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機、圧縮機で圧縮された冷媒と車室内に供給する空気とを熱交換させるための室内熱交換器、冷媒と外気とを熱交換させるための室外熱交換器、及び、温調対象熱交換器を含む冷媒回路と、
    前記温調対象熱交換器を通過して冷媒と熱交換する熱媒体が循環し、車両に搭載される温調対象の温度を、前記温調対象熱交換器を流れる熱媒体により調整する熱媒体回路と、
    前記冷媒回路及び前記熱媒体回路を制御する制御装置を備え、
    前記冷媒回路は、前記圧縮機から吐出した冷媒を、前記室外熱交換器を迂回させ、前記室内熱交換器と前記温調対象熱交換器とを経て前記圧縮機の吸入側に流入させるホットガス回路を有し、
    前記制御装置は、
    前記ホットガス回路に冷媒を流通させて、前記圧縮機で圧縮した冷媒の熱により前記車室内を暖房すると共に前記温調対象を加熱するホットガスモードを実行可能である車両用空調装置。
  2. 前記ホットガス回路は、前記圧縮機の吐出側と吸入側とを接続して、前記圧縮機から吐出した冷媒を再び前記圧縮機に吸入させるバイパス回路を有する請求項1記載の車両用空調装置。
  3. 前記制御装置は、前記ホットガスモードの実行時に、
    前記圧縮機の目標回転数について、前記室内熱交換器の温度を制御するための第1目標回転数と、前記温調対象熱交換器を通過する熱媒体の温度を制御するための第2目標回転数とを算出し、
    前記第1目標回転数又は前記第2目標回転数のうちいずれか大きい値を示す目標回転数に従って前記圧縮機を制御する、請求項1又は請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記制御装置は、前記ホットガスモードの実行時に、
    前記圧縮機を前記第1目標回転数に従って制御する場合において、
    前記熱媒体回路を通過する熱媒体の目標温度に応じて熱媒体の流量を調整することにより前記温調対象の温度を調整する、請求項3に記載の車両用空調装置。
  5. 前記制御装置は、前記ホットガスモードの実行時に、
    前記圧縮機を前記第2目標回転数に従って制御する場合において、
    前記室内熱交換器の目標温度に応じて、前記室内熱交換器が配置された空調ユニットのエアミックスダンパを開閉制御することにより車室内の暖房温度を調整する、請求項3又は請求項4に記載の車両用空調装置。
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