JP2023107495A - セラミックス物品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】付加製造技術によるセラミックス物品の製造おいて、セラミックス物品となる造形物が基材から剥離したり破壊されたりすることを抑制し、セラミックス物品を安定的に製造することが可能となるセラミックス物品の製造方法を提供する。【解決手段】敷設されたセラミックスを主成分とする粉末にエネルギービームを照射して前記粉末を焼結または溶融および凝固させ、固化部を形成することによりセラミックス物品を得るセラミックス物品の製造方法であって、基材に由来する成分と前記粉末に由来する成分とが混合した部分を含む第一の層を前記基材の上に形成する第一の工程と、前記セラミックス物品よりも相対密度が小さく、第一の層より厚い第二の層を前記第一の層の上に形成する第二の工程と、前記第二の層上に前記セラミックス物品となる構造体を造形する第三の工程と、を有することを特徴とするセラミックス物品の製造方法。【選択図】図5

Description

本発明は、セラミックスを主成分とする粉末を用いたセラミックス物品の製造方法に関する。
短時間で試作品を作製したり、少数部品を製造したりする用途において、材料粉末をエネルギービームで結合させて所望の造形物、特に三次元造形物を直接造形方式によって製造する技術が普及している。
特許文献1には、いわゆる粉末床溶融結合法(powder bed fusion)を用いて物品を製造する方法が記載されている。この方法では、基板上に材料粉末からなる粉末層を形成し、粉末層の物品の断面に対応する部分に選択的にエネルギービームを照射して、粉末を焼結させる一連の工程を繰り返し行う。これら一連の工程の繰り返しにおいて、先に焼結させた部分と後から焼結させた部分を互いに接合させ、最後に、非焼結部分の粉末や焼結部分の不要部分の除去を行うことにより、所望の物品を得ている。
粉末床溶融結合法等の直接造形方式による付加製造技術では、型を用いたりインゴットからの削り出しをしたりする必要がなく、粉末から直接造形することができるため、短時間で精度良く三次元造形物を得ることができる。また、三次元CAD(Computer Aided Design)等の設計ツールを用いて作成した三次元形状データに基づいて造形ができるため、設計変更が容易であり、複雑で細かい形状の三次元造形物を製造することが可能であるという利点を有している。
付加製造技術に関しては、金属造形での成功を基礎にしてセラミックス材料への展開が議論され、多くの取り組みが報告されている。しかし、セラミックスは金属に比べて熱伝導率が低いため、エネルギービームの照射による溶融の後、凝固する際に大きな熱応力が生じる。そのため、セラミックスを主成分とする粉末から付加製造技術によりセラミックス物品を製造する際には、基板からの造形物の剥離や、造形物の破壊が生じる場合があった。
このような状況下において、特許文献1には、基板上の第一層目の粉末層に鋭い形状のエネルギービームを照射することで、第一層目の粉末層と基板表面とを溶融させ、基板と造形物との界面における接合を強くする技術が記載されている。
特開2019-081358号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、造形物の形状によっては、造形物が形成される際の熱応力が基板と造形物との接合部の結着力を上回り、該接合部で連続的な破壊(剥離)が生じる場合があった。
本発明は、かかる課題に対処するためになされたものであり、付加製造技術において、セラミックス物品となる造形物が基材から剥離したり破壊されたりすることを抑制し、セラミックス物品を安定的に製造することが可能となるセラミックス物品の製造方法を提供するものである。
本発明に係るセラミックス物品の製造方法は、敷設されたセラミックスを主成分とする粉末にエネルギービームを照射して前記粉末を焼結または溶融および凝固させ、固化部を形成することによりセラミックス物品を得るセラミックス物品の製造方法であって、
基材に由来する成分と前記粉末に由来する成分とが混合した部分を含む第一の層を前記基材の上に形成する第一の工程と、
前記セラミックス物品よりも相対密度が小さく、第一の層より厚い第二の層を前記第一の層の上に形成する第二の工程と、
前記第二の層の上に前記セラミックス物品となる構造体を造形する第三の工程と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、付加製造技術によるセラミックス物品の製造において、セラミックス物品となる造形物が基材から剥離したり破壊されたりすることを抑制し、セラミックス物品を安定的に製造することが可能となるセラミックス物品の製造方法が提供される。
三次元造形装置の構成を説明する概略図である。 本発明の一実施形態に係るセラミックス物品の製造方法の全体の流れを示すフローチャートである。 図2に示す工程S6~S10を模式的に示す概略断面図である。 粉末層に対してエネルギービームを一方向に一回走査して形成される溶融部の、ビームの走査方向に垂直な断面における形状を示す図である。 固化部を基材の水平方向に断続的に形成することで造形した第二の層を含む、基材上に形成された三次元造形物の一例を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明するが、本発明はこれらの実施形態や具体例に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で変形が可能である。
本発明は、直接造形方式による付加製造技術の中でも、粉末床溶融結合法(粉末ベッド方式ともいう)と、造形材料を肉盛りするような指向性エネルギー積層方式(いわゆるクラッディング方式)を用いる造形において好適に用いられる。本発明は、付加製造技術によるセラミックス物品の製造において、セラミックス物品となる造形物が基材から剥離したり破壊されたりすることを抑制し、セラミックス物品を安定的に製造することが可能となるセラミックス物品の製造方法を提供するものである。
以下、粉末床溶融結合法によるセラミックス物品の製造を例として説明するが、本発明に係るセラミックス物品の製造方法はこれに限定されるものではない。例えば、指向性エネルギー積層法でセラミックス物品を製造してもよい。指向性エネルギー積層法を用いる場合は、粉末からなる層は形成せず、エネルギービームの照射位置にノズルから材料粉末を噴霧供給し、基材もしくは粉末を焼結または溶融および凝固させることで形成した層の上に材料粉末を肉盛りする。
(三次元造形装置)
まず、図1を用いて、本発明の一実施形態で使用することができる三次元造形装置100について説明する。
三次元造形装置100は、造形テーブル101、基材102、造形容器103、垂直移動機構104、垂直移動機構105、粉末供給容器106、ローラー107、ローラー107、および移動ガイド108を有する。また、三次元造形装置100はさらに、レーザー光源109、スキャナ110、および集光レンズ111を含む。
造形テーブル101は、基材102を装着するためのテーブルで、造形容器103の底面を兼ねている。造形テーブル101は不図示のピンを有しており、基材102の不図示のピン穴と嵌合させることで、基材102の位置決めがなされる。また、基材102は、ネジにより造形テーブル101に固定される構成が好ましい。なお、基材102は、三次元造形物を形成する際の支持台として機能するものであれば、必ずしも板状である必要はなく、造形テーブルへの位置決めや固定方法も、この例には限られない。造形テーブル101は、垂直移動機構104により、垂直方向に移動可能に支持されている。
粉末供給容器106、ローラー107、ローラー107を移動させるための移動ガイド108、レーザー光源109、スキャナ110、集光レンズ111が配置されている。粉末供給容器106は造形テーブル101と隣り合って配置されており、造形用の粉末113を収容するとともに、造形容器103に堆積させる粉末層の厚さに応じて、粉末113の供給量を調整するための装置である。粉末113の供給量は、垂直移動機構105の上昇量によって調整することができる。ローラー107は、水平方向に移動することができるように移動ガイド108に支持されており、粉末供給容器106から造形容器103に造形粉末を移動させ、表面を均しながら所定の厚さの粉末層を形成する。レーザー光源109、スキャナ110、集光レンズ111は、粉末層にレーザー光115を局所選択的に照射するための照射光学系を構成している。
制御部112は、三次元造形装置100の動作を制御するためのコンピュータで、内部には、CPU、メモリ、記憶装置、I/Oポート(入出力部)等を備えている。
メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)やリードオンリーメモリ(ROM)である。記憶装置は、ハードディスクドライブ、ディスクドライブおよび磁気テープドライブ等であり、後述するフローチャートの処理が実現されるプログラムが格納される。
I/Oポートは、外部機器やネットワークと接続され、たとえば三次元造形に必要なデータの入出力を、外部コンピュータとの間で行うことができる。三次元造形に必要なデータとは、作製する三次元造形物の形状データや、造形に用いる材料の情報や、所定の方向に連続する複数の層に分割した1層ごとの焼結層の形状データ、すなわちスライスデータを含む。スライスデータは、外部のコンピュータから受け取っても良いし、三次元造形物の形状データに基づいて制御部112内のCPUが作成してメモリに記憶しても良い。
CPUは、記憶装置に格納されたプログラムをメモリに展開して実行することで、三次元造形装置100に後述する各工程の処理を行わせる。
制御部112は、造形テーブル101の垂直移動機構104、粉末供給容器106の底面の垂直移動機構105、ローラー107、レーザー光源109、スキャナ110、集光レンズ111等の各部と接続され、これらの動作を制御して造形に係る処理を実行させる。
本発明の一実施形態に係るセラミックス物品の製造方法における工程の流れを図2に示す。以下、図2に示す流れに従って本発明の一実施形態について説明するが、本発明は以下の具体例になんら限定されるものではない。
(工程の概略)
図1および図2に基づいて、本発明の一実施形態に係るセラミックス物品の製造方法の全体の流れを説明したのち、本発明の特徴的な部分を説明する。以下で説明する製造方法の各工程は、CPUが記憶装置に格納されたプログラムをメモリに展開して実行することにより実現される。
まず、造形対象であるセラミックス物品の三次元形状データを取得する(工程S1)。セラミックス物品の三次元形状データは、3DCADや三次元スキャナから制御部112のI/Oポートを介して入力し、メモリに記憶する。
次に、セラミックス物品の三次元形状データに基づいて、三次元造形装置100でセラミックス物品となる構造体114を形成する際に構造体114を支持する第一の層および第二の層の三次元形状を設計する(工程S2)。本発明において、構造体114は、造形対象であるセラミックス物品に対応し、第一の層および第二の層は、構造体114の造形を補助するために付加される部分である。第一の層は、基材102に由来する成分と造形用の粉末に由来する成分とが混合した部分を含む。第一の層は、一部が基材102に侵入するように形成され、第一の層の上に順に形成される第二の層および構造体114が基材102から剥離することを防止するための構造である。第二の層は、第一の層よりも厚く、構造体114よりも相対密度が小さい。第二の層は、構造体114を形成する過程で発生する応力を緩和し、構造体114が破壊されたり基材102から剥離したりすることを防止するための構造である。
続いて、非晶質/結晶質および多孔質/緻密質の情報を付与する(工程S3)。具体的には、構造体114、第一の層、および第二の層の三次元形状データに対して、どの層を非晶質あるいは結晶質の割合が多い層とし、どの層を多孔質あるいは緻密質の割合が多い層とするかについての情報を付与する。結晶質とは、結晶構造を有する固体物質を意味する。また、非晶質とは、結晶を作らずに集合した固体物質を意味する。結晶質か非晶質かは、X線回折および電子線回折等で調べることができる。
後で詳しく説明するが、基材上に形成する第一の層を、非晶質の割合が多い層に指定し、他の部分を結晶質の割合が多い層に指定することが好ましい。また、第二の層を多孔質の割合が多い層に指定し、他の部分を緻密質の割合が多い層に指定することが好ましい。
上記非晶質/結晶質および多孔質/緻密質の情報は、I/Oポートを介して制御部112に入力することにより、付与することができる。例えば、I/Oポートに接続された表示部に表示された構造体114に第一の層および第二の層を付加した三次元形状データに対して、使用者がマウスを操作して非晶質/結晶質あるいは多孔質/緻密質に対応する部分を設定するとよい。あるいは、第一の層を非晶質の割合が多い層に、他の部分を結晶質の割合が多い層に指定するモード等、予めどこを非晶質あるいは結晶質の割合が多い部分とするかを設定したモードを、使用者が選択してもよい。多孔質/緻密質の情報を付与する方法についても同様に、予め設定したモードを選択するようにすることができる。
非晶質の割合が多い部分あるいは結晶質の割合が多い部分として指定する範囲は、レーザー光115の照射径や積層ピッチに対応して変えることができる。特に、非晶質の割合が多い部分あるいは結晶質の割合が多い部分は、積層方向および基材102に平行な面の面内方向において、100μmφ以上の大きさで指定することが好ましく、200μmφ以上の大きさで指定することがより好ましい。
次に、三次元造形装置100が三次元造形物を積層形成するために必要な1層ごとの形状データ、すなわち構造体114、第一の層、および第二の層のスライスデータを作成する(工程S4)。
工程S1から工程S4は、構造体114、第一の層、および第二の層の三次元形状データに基づいて制御部112のCPUが作成してRAMに記憶しても良いし、外部のコンピュータで実行し、I/Oポートを経由して受け取っても良い。また、造形用データとして、構造体114に第一の層および第二の層が付加された三次元形状データやスライスデータが入手できる場合は、それぞれの工程を省略することができる。
次に、三次元造形装置100に、基材102を位置決め固定する(工程S5)。基材102の固定は、工程S1~S4より先に行っても良い。
次に、本発明における第一の工程として、基材102の上に第一の層を造形する(工程S6)。三次元造形装置100は、1層分の粉末層を形成した後、レーザー光115をスライスデータに従って照射して粉末層に固化部を形成する。さらに粉末層の形成と固化部の形成とを繰り返し、第一の層を造形する。第一の層の造形が完了したら、同様にして、本発明における第二の工程として、第一の層の上に第二の層を造形する(工程S7)。第二の層の造形が完了したら、また同様にして、本発明における第三の工程として、第二の層の上にセラミックス物品に対応する部分である構造体114を造形する(工程S8)。構造体114の造形が完了したら、三次元造形装置100から基材102を取り外し(工程S9)、構造体114と基材102とを分離した(工程S10)後にセラミックス物品を得る。
第一の層と、第二の層と、構造体とで、非晶質/結晶質および多孔質/緻密質が互いに異なったものとするため、上記第一の工程と、上記第二の工程と、上記第三の工程とで、レーザー光の照射条件は互いに異なる。事前に結晶質/非晶質および多孔質/緻密質の情報とレーザー照射条件との対応を制御部112に保存しておくことで、付加された結晶質/非晶質および多孔質/緻密質の情報に応じて照射するレーザーの照射条件が制御部112によって調整される。
続いて、図3(a)~(h)を用いて上記の工程S6~S10をさらに詳細に説明する。図3(a)~(h)は、図2に示す工程S6~S10を模式的に示す概略断面図である。
まず、第一の層を造形する工程S6(第一の工程)において、基材320上に、セラミックスを主成分とする粉末である材料粉末301を用いてローラー352により所定の厚さを有する粉末層302を敷設する(図3(a)、(b))。
なお、基材320の材料としては、造形物の製造において通常用いられる金属、セラミックス等の材料から造形物の用途や製造条件等を考慮して適宜選択、使用することができる。
また、粉末層302の形成方法は特に限定されず、図3(a)に示すようなローラー352やブレード等で層厚を規定しながら、粉末層302を形成すればよい。
続いて、材料粉末301を焼結または溶融および凝固させる工程(以下、溶融/凝固工程とも略称する)(図3(c))を行う。溶融/凝固工程では、第一の層の三次元形状データから生成したスライスデータに基づいて、粉末層302の表面の所定の領域に、レーザービーム源500から発したレーザービーム501を走査させながら照射する。材料粉末301にレーザービーム501が照射されている間に、材料粉末301がエネルギーを吸収し、該エネルギーが熱に変換されて材料粉末301が溶融する。走査しているレーザービーム501が通過して照射が終了すると、溶融した材料粉末301は冷却され、凝固する。これにより、材料粉末301が溶融および凝固した固化部307と、粉末状態のままの層に対応する非造形部303とが形成される(図2(c))。
このとき、材料粉末301に与えられる熱が、基材320と粉末層302との界面にまで達するように、制御部112によってレーザービーム501の出力が調整され、基材320と固化部307とが接合した状態になる。すなわち、基材320と粉末層302との界面において、レーザービーム501の照射によって基材320の一部および粉末層302の一部が溶融して互いに混ざり合い、その後凝固する。これにより、基材320に由来する成分と材料粉末301に由来する成分とが混合した部分が形成される。このようにして、基材320と、基材320上に敷設された粉末層302より形成された固化部307とは、基材320に由来する成分と材料粉末301に由来する成分とが混合した部分を介して互いに接合した状態になる。
続いて、造形容器353の上縁より粉末層一層分の厚さだけ下方となる位置にステージ351を降下させ、固化部307および非造形部303を覆うように、新たに粉末層302を形成する(図2(d))。粉末層302を形成する工程と、溶融/凝固工程とを含む一連の工程を一回または複数回繰り返し、各粉末層302から形成される固化部307が一体となった第一の層300を形成する。
第一の層300は、上で述べたように基材320に由来する成分と材料粉末301に由来する成分とが混合した部分を含む。これにより、第一の層300は、基材320と接合した状態となり、第一の層300の上に第二の層304および構造体305を形成する過程で、三次元造形物が基材320からの剥離することを防止することが可能となる。
続いて、第二の層を造形する工程S7(第二の工程)において、レーザービームの照射条件が制御部112によって調整され、第一の層300を形成したのと同様にして第二の層304を形成する(図3(e))。第一の層300の上に形成された粉末層302の所定の領域にレーザービーム501を照射すると、新たに第二の層304の一部となる固化部が形成される。このとき、材料粉末301に与えられる熱が、先に形成した第一の層300と後から形成した第二の層304との界面にまで達するようにすることで、先に形成した第一の層300と新たに形成される第二の層304とが接合する。
第二の工程では、第二の層304が次に造形する構造体305よりも相対密度が小さくなるように制御部112によってレーザービーム501の照射条件が調整される。第二の層304が、構造体305よりも小さい相対密度を有することで、構造体305の造形過程において生じる応力を緩和し、構造体305や基材320が破壊されることを抑制することができる。
なお、第一の層300、第二の層304、および構造体305それぞれの相対密度[%]は、それぞれのかさ密度(重量を体積で割ったもの)を理論密度で割ることで算出することができる。また、理論密度は、結晶構造から算出することができる。また、結晶構造は、X線回折測定を実施してリートベルト解析を行うことにより特定することができる。
また、第二の層304は、第一の層300よりも厚くなるように造形する。これにより、構造体305の造形過程で生じる応力を、第一の層300ではなく第二の層304において優先的に緩和させることができる。
さらに、構造体を造形する工程S8(第三の工程)において、制御部112によって再びレーザービーム501の照射条件が調整され、第一の層300および第二の層304と同様にして構造体305を形成する(図3(f))。
以上のようにして、粉末層ごとに形成された固化部が互いに接合し、第一の層300、第二の層304、および構造体305が一体となった三次元造形物が形成される。
次に、非造形部303の材料粉末301を除去し(図3(g))、必要に応じて構造体305に対して、基材320からの分離、ならびに第一の層300および第二の層304の除去等の後処理を施し、セラミックス物品306を得る(図3(h))。回収した非造形部303の材料粉末301は粉末層302の形成に再利用することができる。
構造体305と基材320とを分離する方法はどのような方法であっても構わない。ワイヤーソー等で第一の層300または第二の層304を切断位置として基材320と構造体305とを切り離してもよいし、研削機等で基材320、第一の層300および第二の層304を研削し、構造体305を切り出しても構わない。
上記の第一の工程において、第一の層300と基材320との接合を強固なものにするため、基材320に由来する成分と材料粉末301に由来する成分とが混合した部分は、基材320により深く侵入した状態となるように形成されることが好ましい。具体的には、レーザービーム501を一方向に一回走査したときに形成される溶融部の、走査方向に垂直な方向の幅L(図4参照、詳細は後述)と表面からの深さD(図4参照、詳細は後述)との比D/Lで調整するとよい。本発明において、レーザービームを一層分の厚さの粉末層に1ラインスキャン照射した場合に生じる溶融部の、走査方向に垂直かつ粉末層の表面に平行な方向の幅(L)と、溶融部の深さ(D)との比をD/Lと定義する。D/Lの値を決定する際のレーザービームの照射は、造形時と同じレーザーパワー、スキャン速度のもとで行われる。
第一の層300を形成する第一の工程におけるレーザービーム501の照射条件で得られるD/LをD1/L1とすると、レーザービーム501の照射条件を調整してD1/L1が他の部分にレーザーを照射する際のD/Lより大きい値となるようにすることが好ましい。これにより、基材320と、第一の層300を形成するための粉末層302との界面において、基材320が溶融する部分が深くなる。そのため、冷却により溶融した部分が固化したとき、基材320に由来する成分と材料粉末301に由来する成分とが混合した部分は、基材320により深く侵入した状態で形成される。
具体的には、D1/L1は、1.0より大きいことが好ましい。
D/Lを調整するための具体的なレーザービーム501の照射条件については後述する。
また、第二の工程で造形される第二の層304の結晶質の割合は、第一の層300の結晶質の割合よりも大きいことが好ましい。第二の層304が高い結晶質の割合を有することで、第二の層304の内部に粒界が形成され、粒界に沿って細かなクラックが形成される。これにより構造体305の造形により発生する応力を効果的に吸収または緩和することができる。
第一の層300、第二の層304、および構造体305それぞれにおける結晶質の割合は、次のようにして求めることができる。
第一の層300、第二の層304、あるいは構造体305の表面または任意の断面を鏡面に研磨し、結晶方位測定装置(SEM-EBSD)を用いることにより結晶質相と非晶質相とを判別することができる。後方散乱電子回折(EBSD)検出器で菊池パターンが検出された場合は結晶質相、検出されなかった場合は非晶質相と判別し、マッピング像を作成する。続いて、それぞれの相の面積を算出することでそれぞれの割合を導出することができる。なお、結晶質が2相以上からなる相分離構造を有する場合、相と相の界面(相境界)は菊池パターンが検出されない非晶質であるが、結晶質の体積比率を導出する場合には、相境界の体積も結晶質の体積に含める。非晶質と結晶質の体積比率は、SEM-EBSDを用いて導出した非晶質と結晶質との面積比率と同一であると考えてよい。
固化部における結晶質の割合は、溶融した材料の凝固速度、すなわち冷却速度によって変えることができる。具体的には、冷却速度を速くすると、非晶質の割合が多い領域となり、冷却速度を遅くすると、結晶質の割合が多い領域となる。
溶融した材料の冷却速度は、レーザービーム501の照射条件を調整して上記のD/Lの値を変えることで調節することができる。
図4は、粉末層に対してエネルギービームを一方向に一回走査して形成される溶融部の、ビームの走査方向に垂直な断面における形状を示す図である。図4(a)に示すように、深さDと幅Lの比、D/Lが1.0よりも大きい形状(深さ方向に鋭い形状)の場合、図中の下端に矢印で示すように、溶融部の熱が四方に散逸しやすくなって冷却が速くなるため、非晶質となりやすい。一方、図4(b)に示すようにD/Lが1.0以下の形状(浅く鈍い(すなわち、なだらかな)形状)の場合、図中の下端に矢印で示すように、伝熱が少なくなって冷却が遅くなるため、結晶質となりやすい。固化部における結晶質の割合を大きくするためには、D/Lが0.8より小さい形状であることが好ましく、D/Lが0.7より小さい形状であることがより好ましい。
すなわち、第二の層304を形成するための第二の工程におけるレーザービームの照射条件で得られるD/LをD2/L2とする。このとき、第二の層304が第一の層300よりも結晶質の割合が高くなるようにするためには、D1/L1>D2/L2の関係を満たすようにすればよい。
なお、溶融した材料の冷却速度は、粉末層302の表面への単位面積当たりの投入熱量によっても調整することができる。したがって、結晶質と非晶質の割合を細かく制御したい場合は、レーザービームの出力や焦点位置を一定の値に調整したうえで、スキャン速度を変更し、単位面積当たりの投入熱量の調整を行うことが好ましい。
さらに、第三の工程において、構造体305は、第二の層304よりも結晶質の割合が高くなるように造形することが好ましい。固化部における結晶質の割合が高いと、相対密度が高くなり、その結果機械的強度も高くなる。そのため、構造体305が、第二の層304よりも結晶質の割合が高いことで、構造体305の機械的強度を第二の層304よりも高くすることができる。これにより、構造体305の造形により発生する応力は、構造体305よりも第二の層304に優先的に吸収されやすくなる。
具体的には、第三の工程におけるレーザービームの照射条件で得られる前記D/LをD3/L3としたとき、D2/L2>D3/L3の関係を満たすことが好ましい。
さらに、第一の層300と第二の層304との間における結晶質の割合の上記関係と、第二の層304と構造体305との間における結晶質の割合の上記関係とは同時に満たされることがより好ましい。すなわち、第一の工程、第二の工程、および第三の工程におけるD/Lは、D1/L1>D2/L2>D3/L3の関係を満たすことがより好ましい。
また、第三の工程で造形される、セラミックス物品となる構造体305は、高い機械的強度と優れた耐久性が求められることから、構造体305は、高い結晶質の割合を有するように造形されることが好ましい。したがって、D3/L3は、1.0以下であることが好ましく、0.8以下であることがより好ましく、0.7以下であることがさらに好ましい。D3/L3を1.0以下とすることで、構造体305の50体積%以上を結晶質とすることができる。また、D3/L3を0.8以下とすることで、構造体305の70体積%以上を結晶質とすることができる。
先に述べたように、第一の層300を形成する第一の工程におけるレーザービーム501の照射条件で得られるD1/L1は、他の部分にレーザーを照射する際のD/Lより大きい値となるようにすることが好ましい。このとき、溶融部の熱が四方に散逸しやすく、冷却が速くなるため、第一の層300は非晶質の割合が高くなる。すなわち、第一の層300は、非晶質を主として構成されることが好ましいともいえる。D1/L1を1.0よりも大きくすることで、第一の層300の50体積%以上を非晶質とすることができる。より好ましくは、D1/L1が1.2以上であり、このとき、第一の層300の70体積%以上を非晶質とすることができる。
一方で、第一の層300は非晶質の割合が高いため、内部に細かなクラックを形成する等の自己破壊を行うことによる応力の吸収ができず、第一の層300が基材から剥離する可能性があり、最適な層厚を選択する必要がある。好ましい第一の層300の厚さは2000μm以下である。
上記D/Lの値は、溶融/凝固工程においてレーザービーム501を照射する際の、次に示す3つの条件のうち少なくとも一つを変更することで調整することができる。すなわち、該3つの条件は、粉末層302の表面とレーザービーム501の焦点との間の距離、レーザービーム501の出力、およびレーザービーム501のスキャン速度である。
溶融部の形状を表すD/Lは、粉末層302の表面とレーザービーム501の焦点との間の距離によって調整することができる。レーザービーム501を材料粉末の表面で合焦する状態で照射すると、レーザービーム501内の強度プロファイルが急峻となり、D/Lが大きくなる。その結果、冷却速度が速くなり、固化部は非晶質の割合が多い領域となる。
非合焦状態でレーザービーム照射を行う方法について説明する。例えば、粉末層302の表面において合焦状態となるよう設定している装置の場合、ステージの高さを上下方向に変化させることで、粉末層302の表面において非合焦状態を実現することが可能である。
あるいは、ステージの高さではなく、レーザービーム源に含まれる光学系の駆動、または光路に配置する光学系の変更により、ビームスポットのエネルギー強度プロファイルをなだらかな形状とし、非合焦状態を実現しても良い。
また、溶融部の形状は、レーザービーム501の出力によって調整することができる。照射するレーザービーム501の出力を大きくすると、D/Lが大きくなるとともに単位面積当たりの投入熱量が増える。冷却速度は前記単位面積当たりの投入熱量よりもD/Lに大きな影響を受けるため、レーザービーム501の出力が大きいとD/Lが大きくなることから冷却速度が速くなり、非晶質の割合が多い固化部が形成される。
また、冷却速度は、レーザービーム501のスキャン速度によって調整することができる。D/Lを一定にしたとき、レーザービーム501のスキャン速度を速くすると、単位時間あたりの投入熱量が小さくなるため、冷却速度も速くなり、固化部は非晶質となりやすい。
以上の通り、結晶質の割合が多い固化部と非晶質の割合が多い固化部とは、レーザービーム501の出力、粉末層302の表面とレーザービーム501の焦点との間の距離、スキャン速度のいずれか一つを変更することによって作り分けることができる。また、結晶質の割合が多い固化部と非晶質の割合が多い固化部とは、これらのパラメータを組み合わせて作り分けることも可能である。
レーザービーム501の出力を小さくしすぎると投入熱量が足りずに材料粉末301の熔け残りが生じる。逆にレーザービーム501の出力を大きくしすぎると材料粉末301が熔けすぎて造形精度が得られない場合がある。造形精度を得ながら結晶質の割合が多い領域と非晶質の割合が多い領域とを作り分けるには、レーザービーム501のスキャン速度および粉末層302の表面とレーザービーム501の焦点との間の距離のいずれか一つ、もしくは両方を変更することが好ましい。また、スキャン速度は造形物形成に要する時間に大きく影響し、スキャン速度を調整して結晶質の割合が多い領域を形成する場合は、スキャン速度を小さくする必要があるため、造形速度が遅くなる場合がある。したがって、粉末層302の表面とレーザービーム501の焦点との間の距離を変更することのみで結晶質の割合が多い領域と非晶質の割合が多い領域とを作り分けることが、造形精度および造形速度の観点から、特に好ましい。
結晶質の割合の多い層を形成するのに好ましいD/L、非晶質の割合の多い層を形成するのに好ましいD/Lを実現するための条件は、材料粉末の組成や粒子径、三次元造形装置の構成等によって異なる。したがって、結晶質の割合の多い層を造形する場合と、非晶質の割合の多い層を造形する場合とのそれぞれについて、レーザービーム501の照射条件を予め検討しておくことが好ましい。
なお、粉末層一層の中に、非晶質の割合が多い領域と結晶質の割合が多い領域とを混在させて造形する場合は、一層の中に含まれる、いずれか一方の領域の全領域を形成した後、照射条件を変えて、他方の領域の全領域を形成するとよい。つまり、粉末層一層を形成する材料粉末301の溶融/凝固工程において、結晶質の割合の多い領域を形成するための条件が設定された第1の走査段階を設ける。そして、非晶質の割合の多い領域を形成するために前記第1の走査段階とはレーザービーム501の照射条件が異なるように設定された第2の走査段階を設ける。第1の走査段階と第2の走査段階との順番は、どちらが先であってもよい。このような造形を行えば、頻繁にエネルギービームの照射条件を変えることなく、効率的に造形を行うことができる。
第二の工程で造形される第二の層304は、構造体305の造形時に発生する応力を吸収または緩和する観点から、多孔質であることが好ましい。第二の層304が多孔質であることで、第二の層304における破壊の進行が非連続的になり、局所的な破壊のみで破壊現象をとどめることができ、基材320や構造体305の破壊を効果的に抑制することができる。
一方で、第一の工程で造形される第一の層300および第三の工程で造形される構造体305は、機械的強度を高くするために緻密質であることが好ましい。
本発明において、第二の層304の相対密度は85%未満であり、第一の層300および構造体305の相対密度は85%以上であることが好ましい。また、第二の層304の相対密度は75%未満であることがより好ましく、65%未満であることがさらに好ましい。
また、本発明において、第二の層304を多孔質、第一の層300および構造体305を緻密質として造形したとき、第二の層304の気孔率は5体積%以上であり、第一の層300および構造体305の気孔率は5体積%未満であることが好ましい。ここで、気孔率は水銀注入法によって計測した値である。
第二の層304の気孔率が5体積%以上であることで、クラック延伸等による第二の層304における破壊が非連続的となり、局所的な破壊のみで応力を緩和することができる。第二の層304の気孔率は15体積%以上であることがより好ましく、30体積%以上であることがさらに好ましい。また、第二の層304の気孔率は、60体積%以下であることが好ましい。第二の層304の気孔率が60体積%以下であれば、構造体305を支える層として十分な強度が得られる。
多孔質と緻密質とは、次の4つの条件のうち少なくとも一つを変更してレーザービーム501を粉末層302の表面に照射することにより作り分けることができる。該4つの条件は、粉末層302の表面とレーザービーム501の焦点との間の距離、レーザービーム501のスキャンピッチ、レーザービーム501の出力、およびレーザービーム501のスキャン速度である。
粉末層302の表面とレーザービーム501の焦点との間の距離を調整し、レーザービーム501の走査方向に垂直な方向の溶融部の幅と、レーザービーム501のスキャンピッチとの大小関係を調整することで溶融部と非溶融部とを作り分けることができる。例えば、レーザービーム501の走査方向に垂直な方向の溶融部の幅を、レーザービーム501のスキャンピッチよりも小さくすると、溶融部と非溶融部とが交互に配されることとなる。溶融部は、その後固化部となるが、溶融部の間に配された非溶融部には、材料粉末301が溶融/凝固されずに残ったままとなり、後に材料粉末301が除かれて非溶融部に対応する部分は空隙となる。このようにして固化部で形成される層の中に空隙を形成することで、多孔質の層とすることができる。また、例えば、レーザービーム501の走査方向に垂直な方向の溶融部の幅を、レーザービーム501スキャンピッチよりも大きくすると、非溶融部は存在せず溶融部のみとなることから、上記空隙が形成されず、緻密質の層が造形される。
上記において、レーザービーム501のスキャンピッチを調整することで、直接的に溶融部と非溶融部とが交互に配されるようにしてもよい。
また、レーザービーム501の出力を調整することでも、溶融部と非溶融部とを作り分けることができる。レーザービーム501の出力が小さく、材料粉末301の溶融が不完全となる場合、材料粉末301を構成する粒子がその形状を維持したまま他の隣接する粒子と接合する。その結果、材料粉末301を構成する粒子同士の間に空間が生じることで多孔質な層が造形される。レーザービーム501の出力が十分に大きく、材料粉末301を構成する粒子が完全に溶融する場合は、溶融することで粒子が形状を失い、空間を残すことなく互いに一体化して凝固するため、緻密質な層が造形される。
また、レーザービーム501のスキャン速度を調整することでも、溶融部と非溶融部とを作り分けることができる。例えば、レーザービーム501のスキャン速度が大きいとき、単位面積当たりのレーザービーム501の照射量が少なくなり、レーザービーム501の出力を小さくした場合と同様の効果が得られる。すなわち、レーザービーム501のスキャン速度が大きくすることで、材料粉末301の溶融が不完全となるようにすることができ、その結果、多孔質な層が造形される。逆に、レーザービーム501のスキャン速度を十分に小さくすることで、緻密質な層を造形することができる。
第二の工程において、固化部を基材320の水平方向に断続的に形成することで、第二の層304の少なくとも一部を形成してもよい。
図5は、固化部を基材の水平方向に断続的に形成することで造形した第二の層を含む、基材上に形成された三次元造形物の一例を示す模式図である。図5に示す例では、第一の層300の上に造形された第二の層304には、逆ピラミッド形状が断続的に形成されており、逆ピラミッド形状同士の間には空間が存在する。そのため、第二の層304を多孔質にした時と同様に、構造体305の造形時に発生する応力による破壊の進行が非連続的となり、局所的な破壊のみにとどめることができる。これにより、基材320や構造体305の破壊を効果的に抑制することができる。
なお、第二の層304と構造体305との境界面においては、第二の層304の固化部を基材320の水平方向に断続的に形成することも可能であるが、固化部同士の間が大きく空いていると、構造体305を安定的に造形できない場合がある。そのため、第二の層304と構造体305との境界面においては、第二の層304の固化部を断続的ではなく連続的に均一に形成することが好ましい。
以上で説明した実施形態においては、材料粉末301を焼結または溶融および凝固させるためにレーザービーム501を使用する例を示したが、材料粉末301を焼結または溶融および凝固させるために使用するエネルギービームはレーザービームに限られない。エネルギービームとしては、材料粉末の吸収特性に鑑みて適切なものを選定して使用することができる。エネルギービームとしては、高精度な造形を行うためには、ビーム径を絞ることができ、指向性が高いレーザービームまたは電子ビームを使用することが好ましい。例えば、材料粉末が酸化物の粉末を含む場合は、レーザービームとしては、1μm波長帯のYAGレーザーやファイバーレーザー、10μm波長帯のCOレーザー等を適用することができる。
また、以上で説明した実施形態では、粉末床溶融結合法を用いた例を示したが、指向性エネルギー積層法を適用する場合も、溶融部の冷却速度を調整することで、非晶質/結晶質の割合や多孔質/緻密質を作り分けることが可能である。具体的には、粉末床溶融結合法と同様に、エネルギービームの出力、造形面とエネルギービームの焦点との間の距離、エネルギービームのスキャン速度、およびエネルギービームのスキャンピッチのうち少なくとも一つを適宜調整すればよい。
以下、本発明において用いることができる材料粉末について説明する。
材料粉末は、セラミックスを主成分とする粉末であることが好ましい。セラミックスを主成分とする粉末は、主成分としてセラミックスを含んでいればよく、さらに副成分を含んでいてもよい。副成分としては、焼結助剤成分、吸収体成分、主成分と共晶を形成しうる成分等が挙げられる。ここで、セラミックスとは金属を除く固体状の無機化合物のことであり、固体の結合状態(結晶質または非晶質)は問わない。本明細書において無機化合物とは、水素を除く周期表1族から14族までの元素に、アンチモンおよびビスマスを加えた元素群のうちの1種類以上の元素を含有する酸化物、窒化物、酸窒化物、炭化物、あるいはホウ化物を指す。
材料粉末は1種類の無機化合物により構成されてもよく、2種類以上の無機化合物を混合したものでもよい。セラミックスを主成分とする粉末は、粉末の90モル%以上がセラミックスである粉末をいう。複数種類のセラミックスを含む場合、その合計量が90モル%以上であればよい。
セラミックスを主として構成された三次元造形物(以下、単に造形物と記述する)は、樹脂や金属よりも高い機械的強度を有する。
セラミックス粉末の主成分は酸化物であることが好ましい。酸化物は、その他の無機化合物に比べて揮発成分が少ないため、安定した溶融が実現でき、かつ、結晶質の割合が多い領域と非晶質の割合が多い領域との作り分けが容易である。代表的な酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素およびこれらの混合物や化合物等が挙げられる。
材料粉末が、酸化アルミニウム(Al)を含む粉末(以下、アルミナ粉末と称する場合がある)であるとき、アルミナ粉末は、その他の成分として、酸化アルミニウムと共晶組成を生じる、希土類元素の酸化物を含んでいることが好ましい。具体的には、アルミナ粉末は、酸化ガドリニウム(Gd)、酸化イットリウム(Y)、酸化テルビウム(Tb)および酸化プラセオジム(Pr)から選択される少なくとも一種を含んでいることが特に好ましい。例えば、アルミナ粉末が、酸化アルミニウムと共晶組成を生じる酸化ガドリニウムを含むことで、Al-Gd系の共晶組成近傍(共晶点を3つ有する)における融点が、酸化アルミニウム単体の融点よりも十分に低くなる。したがって、少ない熱量で粉末の溶融が可能となり、溶融部の周辺へのエネルギー拡散が抑制されるため、造形精度が向上する。また、アルミナ粉末が酸化ガドリニウムを含むことで、造形物は2種類以上の相が入り組んだ相分離構造となる。これにより、クラックの伸展が抑えられ、造形物の機械的強度が向上する。酸化イットリウム等他の希土類元素の酸化物を含む場合も、酸化ガドリニウムの場合と同じような効果が得られる。
エネルギービームがレーザービームである場合、アルミナ粉末は、さらに吸収体を含む。吸収体に十分なエネルギー吸収があることで、粉末内における熱の広がりが抑制されて局所的になり、非造形部への熱の影響が低減するため、造形精度が向上する。たとえば、1μm波長帯のNd:YAGレーザーやファイバーレーザーを用いる場合は、アルミナ粉末が副成分として、酸化テルビウム(Tb)、酸化プラセオジム(Pr11)、Ti、TiO、SiO、ZnO、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、インジウムドープ酸化スズ(ITO)、MnO、MnO、Mn、Mn、FeO、Fe、Fe、CuO、CuO、Cr、CrO、NiO、V、VO、V、V、Co、CoO、遷移金属炭化物、遷移金属窒化物、Si、AlN、ホウ化物、ケイ化物等の良好なエネルギー吸収を示す成分を含有していることがより好ましい。アルミナ粉末は、酸化テルビウム(Tb)や酸化プラセオジム(Pr11)等、レーザービームに対して良好なエネルギー吸収を示す希土類元素と、他の希土類元素との両方を含んでいてもよい。
以上の観点から、特に好適なアルミナ粉末として、Al-Gd、Al-GdAlO、Al-Tb、Al-Gd-Tb、Al-GdAlO-Tb、Al-Pr11、Al-Gd-Pr11、Al-GdAlO-Pr11、Al-Y、Al-YAlO、Al-YAl12、Al-Y-Tb、Al-YAlO-Tb、Al-YAl12-Tb、Al-Y-Pr11、Al-YAlO-Pr11、Al-YAl12-Pr11、Al-ZrO、Al-ZrO-Tb、Al-ZrO-Pr11、Al-SiO、Al-Gd-SiO、Al-GdAlO-SiO、Al-Y-SiO、Al-YAlO-SiO、Al-YAl12-SiO、Al-ZrO-SiO、SiO-Tb、SiO-Pr11、(MgO-Al-SiO)-Tb、(MgO-Al-SiO)-Pr11、(Al-SiO)-Tb、(Al-SiO)-Pr11等が挙げられる。
アルミナ粉末は、共晶になりうる組成物を、共晶組成を成す比率で含有していることが好ましい。共晶組成とは、相図で示される共晶点における組成であるが、エネルギービームを用いる造形プロセスは、非常に高速に加熱・冷却状態が生じるため、共晶点から多少ずれた組成であっても、相分離構造を有する共晶組織が形成される。そのため、本発明における共晶組成は、共晶組織が形成される組成範囲と定義したほうが相応しく、相図で言うところの共晶組成からのずれが±10mol%の範囲が含まれる。
酸化アルミニウム以外のセラミックスを含む粉末の場合も、アルミナ粉末と同様に、共晶をなす組成物を、共晶組成を成す比率で含有していることが好ましい。
成分Xと成分Yが共晶を形成しうることを、「成分Xと成分Yが共晶関係にある」と表現することがある。共晶とは、2成分以上を含む液体から、同時に晶出する2種以上の結晶の混合物である。「成分Xと成分Yが共晶を形成しうる」とは、「成分Xと成分Yが共晶の状態を有する」と同義である。共晶の状態を有する場合、共晶点(共融点ともいう)が存在する。共晶点は共晶が生じる温度であり、温度を縦軸、成分組成比を横軸にして表される状態図において、液相曲線の極小値に相当する。共晶点に相当する組成を共晶組成(または共融組成)と呼ぶ。したがって、成分Xと成分Yの共晶点は、成分Xと成分Yそれぞれの融点よりも低い。
なお、本明細書では、上述のAlやTb等のように、化学式を用いて材料を表現する場合があるが、本発明の趣旨を満たせば、実際の材料の元素の構成比が化学式の比と厳密に一致している必要はない。即ち、ある材料を構成する金属元素の価数は、化学式から想定される価数と多少異なっていてもよく、化学量論比からのずれが±30%以内であれば許容範囲である。例えば、本明細書において吸収体として記載しているSiOの場合、実際の吸収体の構成元素比がSi:O=1:1.30であっても、当該実際の吸収体は、本明細書に記載した吸収体としてのSiOに含まれるものとする。
造形される結晶質は単相で構成されている必要はなく、2相以上からなる相分離構造を有することが好ましい。2相以上からなる相分離構造を有することでクラックの伸展が抑えられ、造形物の機械的強度がさらに向上する等の機能が付加的に発揮される。2相以上からなる相分離構造を形成するセラミックス粉末としては、たとえば、酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムの共晶組成の混合物、酸化アルミニウムと希土類酸化物の混合物等が挙げられる。
なお、本発明における材料粉末は、粉末の流動性や最終的な造形物の性能を調整するために、無機化合物の粉末の他に少量(無機化合物粉末100重量部に対して10重量部以下)の樹脂や金属等を含んでいてもよい。
以下に実施例を挙げて、本発明に係るセラミックス物品の製造方法を詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例によりなんら限定されるものではない。
<実施例1>
α-Al粉末、Gd粉末、Tb3.5粉末(Tb粉末)を用意し、モル比がAl:Gd:Tb3.5=77.4:20.8:1.8となるように各粉末を秤量した。秤量粉末をエタノール溶媒の湿式ボールミルに24時間かけて粉砕混合した後、エタノールを除去して混合粉末(材料粉末)を得た。造形物を形成する基材にはアルミナプレートを用いた。
次に、上述した図2に示す工程と基本的に同様な工程を経て実施例1の造形物を形成した。造形物の形成には、50WのNd:YAGレーザー(ビーム径65μm)が搭載されている3D SYSTEMS社のProX DMP 100(商品名)を用いた。
まず、第一の層を基材上に形成した。
最初に、ローラーを用いて基材上に前記混合粉末の20μm厚の粉末層を形成した。次いで、レーザービームを粉末層に照射し、40mm×40mmの正方形の領域にある材料粉末を溶融、凝固させた。
レーザーの出力は20W、スキャン速度は100mm/s、スキャンピッチは100μmとした。スキャン方向は、正方形の一辺に平行な方向となるようにした。粉末層の表面とレーザーの焦点との間の距離としては、ステージ高さを合焦位置から-1.5mmの位置に設定した。
次に、固化部を覆うように20μm厚の粉末層をローラーで形成した。前記スキャン方向と直交するようにレーザーを粉末層に照射し、40mm×40mmの正方形の領域を一層目と同じ位置に形成した。このような工程を繰り返して、厚さ200μmの第一の層を造形した。
続いて第一の層の上に第二の層を形成した。レーザーの出力は20W、スキャン速度は100mm/s、スキャンピッチは100μm、ステージ高さを-3.0mmの位置に設定し、第一の層と同様の40mm×40mmの正方形の領域を厚さ5.0mmになるまで造形した。
続いて第二の層の上に構造体を形成した。レーザーの出力は30W、スキャン速度は140mm/s、スキャンピッチは100μm、ステージ高さを-5.0mmの位置に設定し、第一の層と同様の40mm×40mmの正方形の領域を厚さ10mmになるまで造形した。
D1/L1は1.29、D2/L2は0.66、D3/L3は0.33であった。また第一の層の結晶質の割合は25%、第二の層の結晶質の割合85%、構造体の結晶質の割合は98%であった。
さらに第二の層の気孔率は32%であり多孔質であった。第二の層の相対密度は65.3%であり、構造体の相対密度92.3%よりも小さかった。
目視により基材および構造体に割れ等の欠陥がなく、構造体の基材からの剥離も生じていないことが確認できた。
構造体の結晶質の割合は98%と大きく、割れる等の破壊なく機械的強度の高いセラミックス物品を得ることができた。
<実施例2~4>
第一の層、第二の層、および構造体を造形する際の、レーザービームの照射条件を、表1に示すように変えた以外は実施例1と同様にして実施例2~4を行った。実施例2~4における第一の層、第二の層、および構造体のD/Lおよび結晶質の割合、第二の層の気孔率を表2に示す。
実施例2~4のいずれにおいても、基材からの剥離や破壊等なく、セラミックス物品を得ることができた。
<実施例5>
第二の層を、図5に示すような逆ピラミッド形状が断続的に形成された層としたこと以外は実施例1と同様にして実施例5を行った。逆ピラミッド形状の稜線と基材とのなす角度は45°となるようにし、第二の層の厚さは1000μmとした。
実施例5においても、基材からの剥離や構造体の破壊等なくセラミックス物品を得ることができた。
<実施例6>
第二の層の厚さを5000μmとし、第二の層のレーザーの出力は30W、スキャン速度は140mm/s、スキャンピッチは100μm、ステージ高さを-4.5mmの位置に設定したこと以外は実施例5と同様にして実施例6を行った。
D1/L1は1.29、D2/L2は0.40、D3/L3は0.33であった。また第一の層の結晶質の割合は24%、第二の層の結晶質の割合92%、構造体の結晶質の割合は97%であった。第二の層の相対密度は83.1%であり、構造体の相対密度92.3%よりも小さかった。
実施例6においても、基材からの剥離や構造体の破壊等なくセラミックス物品を得ることができた。
<比較例1>
第一の層を、レーザーの出力を30W、スキャン速度を140mm/s、スキャンピッチを100μm、ステージ高さを-5.0mmの位置に設定して造形したこと以外は実施例1と同様にして比較例1を行った。構造体の厚さが3000μmになるまで造形したところで第一の層と基材とが剥離し、それ以上構造体の造形を継続することができなかった。
<比較例2>
構造体を、レーザーの出力を20W、スキャン速度を100mm/s、スキャンピッチを100μm、ステージ高さを-1.5mmの位置に設定して造形したこと以外は実施例1と同様にして比較例2を行った。構造体の厚さが2100μmになるまで造形したところで構造体に割れが発生したため、造形を停止した。
<比較例3>
第一の層および第二の層を形成せずに、構造体を基材上に造形した。それ以外は実施例1と同様にして比較例3を行った。構造体の厚さが1000μmになるまで造形したところで構造体が基材から剥離して、それ以上の造形を続けられなかった。
<比較例4>
第二の層を形成せずに第一の層の上に構造体を造形した。それ以外は実施例1と同様にして比較例4を行った。
構造体が3000μmになるまで造形したところで構造体が第一の層から剥離し、それ以上の造形を継続することができなかった。
<比較例5>
第一の層の厚さを2500μmとし、第二の層を形成しなかった。それ以外は実施例1と同様にして比較例5を行った。
構造体の厚さが1000μmになるまで造形したところで構造体が第一の層から剥離し、また第一の層にも割れが多数発生した。
<比較例6>
第一の層を形成せずに第二の層と構造体とを造形したこと以外は実施例1と同様にして比較例6を行った。構造体の厚さが500μmになるまで造形したところで第二の層が基材から剥離し、それ以上の造形を続けることができなかった。
Figure 2023107495000002
Figure 2023107495000003
100 三次元造形装置
101 造形テーブル
102 基材
103 造形容器
104 垂直移動機構
105 垂直移動機構
106 粉末供給容器
107 ローラー
108 移動ガイド
109 レーザー光源
113 造形用の粉末
114 構造体
115 レーザー光
300 第一の層
301 材料粉末
302 粉末層
303 非造形部
304 第二の層
305 構造体
306 セラミックス物品
320 基材
351 ステージ
352 ローラー
353 造形容器
501 レーザービーム

Claims (14)

  1. 敷設されたセラミックスを主成分とする粉末にエネルギービームを照射して前記粉末を焼結または溶融および凝固させ、固化部を形成することによりセラミックス物品を得るセラミックス物品の製造方法であって、
    基材に由来する成分と前記粉末に由来する成分とが混合した部分を含む第一の層を前記基材の上に形成する第一の工程と、
    前記セラミックス物品よりも相対密度が小さく、前記第一の層より厚い第二の層を前記第一の層の上に形成する第二の工程と、
    前記第二の層の上に前記セラミックス物品となる構造体を造形する第三の工程と、
    を有することを特徴とするセラミックス物品の製造方法。
  2. 前記第一の層の厚さが、2000μm以下である、請求項1に記載のセラミックス物品の製造方法。
  3. 前記第一の工程と、前記第二の工程と、前記第三の工程とで、前記エネルギービームの照射条件が互いに異なる、請求項1または2に記載のセラミックス物品の製造方法。
  4. 前記エネルギービームを一方向に一回走査したときに形成される固化部の、走査方向に垂直な方向の幅Lと表面からの深さDとの比をD/Lとし、
    前記第一の工程における前記エネルギービームの照射条件で得られる前記D/LをD1/L1、前記第二の工程における前記エネルギービームの照射条件で得られる前記D/LをD2/L2としたとき、D1/L1>D2/L2の関係を満たす、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のセラミックス物品の製造方法。
  5. 前記エネルギービームを一方向に一回走査したときに形成される固化部の、走査方向に垂直な方向の幅Lと表面からの深さDとの比をD/Lとし、
    前記第二の工程における前記エネルギービームの照射条件で得られる前記D/LをD2/L2、前記第三の工程における前記エネルギービームの照射条件で得られる前記D/LをD3/L3としたとき、D2/L2>D3/L3の関係を満たす、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のセラミックス物品の製造方法。
  6. 前記エネルギービームを一方向に一回走査したときに形成される固化部の、走査方向に垂直な方向の幅Lと表面からの深さDとの比をD/Lとし、
    前記第一の工程における前記エネルギービームの照射条件で得られる前記D/LをD1/L1としたとき、前記D1/L1が1.0より大きい、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のセラミックス物品の製造方法。
  7. 前記エネルギービームを一方向に一回走査したときに形成される固化部の、走査方向に垂直な方向の幅Lと表面からの深さDとの比をD/Lとし、
    前記エネルギービームの照射条件で得られる前記D/LをD3/L3としたとき、前記D3/L3が0.8以下である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のセラミックス物品の製造方法。
  8. 前記第一の工程、前記第二の工程、および前記第三の工程における、敷設された前記粉末の表面と前記エネルギービームの焦点との間の距離が、前記第一の工程で最も遠く、前記第三の工程で最も近い、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のセラミックス物品の製造方法。
  9. 前記第一の層が、非晶質を主として構成される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のセラミックス物品の製造方法。
  10. 前記第二の層の結晶質の割合が、前記第一の層の結晶質の割合よりも大きい、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のセラミックス物品の製造方法。
  11. 前記第二の層が多孔質である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のセラミックス物品の製造方法。
  12. 前記第二の層の気孔率が、5体積%以上である、請求項11に記載のセラミックス物品の製造方法。
  13. 前記第二の層の気孔率が、15体積%以上である、請求項11に記載のセラミックス物品の製造方法。
  14. 前記第二の工程において、前記固化部を前記基材の水平方向に断続的に形成することで、前記第二の層の少なくとも一部を形成する、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のセラミックス物品の製造方法。
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