JP2023107145A - エンジン装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エミッションの悪化を抑制する。【解決手段】排気系に浄化触媒が取り付けられたエンジンと、エンジンの出力軸にクラッチを介して接続されたモータと、を備えるエンジン装置において、エンジンの燃料カットを行なっている状態からエンジンの燃料噴射および点火を開始した以降で、要求トルクに基づいてエンジンを制御するトルク制御を許可しているときにおいて、エンジンの完爆からの経過時間が時間閾値未満のときには、経過時間が時間閾値以上のときに比して、要求トルクを制限する。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジン装置に関し、詳しくは、エンジンとエンジンの出力軸にクラッチを介して接続されたモータとを備えるエンジン装置に関する。
従来、この種のエンジン装置として、エンジンと、エンジンの出力軸にクラッチを介して接続されたモータと、モータの回転軸と車軸とに接続された自動変速装置とを備えるハイブリッド車が搭載するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このエンジン装置では、クラッチを解放した状態でモータにより車両を走行させているときに、クラッチを係合に向けて制御しながらエンジンを始動する。
特開2020-111276号公報
エンジンの燃料カットを行なっている状態からエンジンの燃料噴射および点火を開始した以降には、比較的早期にエンジンからトルクを出力するのが好ましいものの、燃料噴射および点火を開始した直後など浄化触媒が十分な浄化性能を発揮できないときには、エミッションが悪化する懸念がある。
本発明のエンジン装置は、エミッションの悪化を抑制することを主目的とする。
本発明のエンジン装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のエンジン装置は、
排気系に浄化触媒が取り付けられたエンジンと、前記エンジンの出力軸にクラッチを介して接続されたモータと、前記エンジンと前記モータと前記クラッチとを制御する制御装置と、を備えるエンジン装置であって、
前記制御装置は、前記エンジンの燃料カットを行なっている状態から前記エンジンの燃料噴射および点火を開始した以降で、要求トルクに基づいて前記エンジンを制御するトルク制御を許可しているときにおいて、前記エンジンの完爆からの経過時間が時間閾値未満のときには、前記経過時間が前記時間閾値以上のときに比して、前記要求トルクを制限する、
ことを要旨とする。
本発明のエンジン装置では、エンジンの燃料カットを行なっている状態からエンジンの燃料噴射および点火を開始した以降で、要求トルクに基づいてエンジンを制御するトルク制御を許可しているときにおいて、エンジンの完爆からの経過時間が時間閾値未満のときには、経過時間が時間閾値以上のときに比して、要求トルクを制限する。これにより、エミッションの悪化を抑制することができる。
本発明のエンジン装置において、前記制御装置は、前記燃料噴射および前記点火を開始した以降において、前記エンジンの回転数が第1回転数以上であり、且つ、燃料噴射制御として筒内空気量に基づく目標噴射量を用いて前記燃料噴射弁を制御する計算噴射制御を実行しており、且つ、前記エンジンの回転量が所定回転量以上である条件が成立しているときに、前記トルク制御を許可するものとしてもよい。
本発明のエンジン装置において、前記制御装置は、前記エンジンの回転数が第2回転数(上述の第1回転数よりも高い回転数)以上であり、且つ、点火を開始している条件が成立したときに、前記完爆を判定するものとしてもよい。こうすれば、エンジンの完爆をより適切に判定することができる。
本発明のエンジン装置において、前記制御装置は、前記エンジンの始動要求に伴って、前記クラッチを半係合して前記モータにより前記エンジンをクランキングし、最初に圧縮上死点を迎える気筒または2番目に前記圧縮上死点を迎える気筒で前記燃料噴射および前記点火を開始し、その後に前記クラッチを解除して前記エンジンの回転数と前記モータの回転数との差回転数が小さくなるようにし、前記差回転数が所定差回転数未満に至ると前記クラッチを係合するように前記エンジンと前記モータと前記クラッチとを制御する第1始動制御と、前記クラッチを半係合して前記モータにより前記エンジンをクランキングし、前記差回転数が前記所定差回転数未満に至ると前記クラッチを係合してから前記燃料噴射および前記点火を開始するように前記エンジンと前記モータと前記クラッチとを制御する第2始動制御と、を含む複数の始動制御から1つを選択して実行するものとしてもよい。
複数の始動制御から1つを選択して実行する態様の本発明のエンジン装置において、前記時間閾値は、前記始動制御のタイプ、前記エンジンの冷却水温、のうちの少なくとも1つに基づいて設定されるものとしてもよい。この場合、前記時間閾値は、前記第2始動制御の場合に前記第1始動制御の場合に比して長くなるように設定されるものとしてもよい。これは、第2始動制御の場合に、第1始動制御の場合に比して、浄化触媒の酸素吸蔵量が多くなりやすく、浄化触媒が十分な浄化性能を発揮可能となるまでに要する時間が長くなりやすいと考えられるためである。また、前記時間閾値は、前記冷却水温が低いほどがなくなるように設定されるものとしてもよい。これは、冷却水温が低いほど、浄化触媒の温度も低くなっていると考えられ、浄化触媒が十分な浄化性能を発揮可能となるまでに要する時間が長くなりやすいと考えられるためである。
本発明のエンジン装置において、前記制御装置は、前記トルク制御を許可しているときにおいて、前記経過時間が前記時間閾値未満のときには、前記要求トルクを上限トルクで上限ガードして前記要求トルクを再設定するものとしてもよい。この場合、前記上限トルクは、前記エンジンの冷却水温、前記燃料噴射および前記点火の開始からの第2経過時間、のうちの少なくとも1つに基づいて設定されるものとしてもよい。この場合、前記上限トルクは、前記第2始動制御の場合に前記第1始動制御の場合に比して小さくなるように設定されるものとしてもよい。これは、第2始動制御の場合に、第1始動制御の場合に比して、浄化触媒の酸素吸蔵量が多くなりやすく、浄化触媒の浄化性能が低くなっていると考えられるためである。また、前記上限トルクは、前記冷却水温が低いほど小さくなるように設定されるものとしてもよい。これは、冷却水温が低いほど、浄化触媒の温度も低くなっていると考えられ、浄化触媒の浄化性能が低くなっていると考えられるためである。さらに、前記上限トルクは、前記第2経過時間が長いほど大きくなるように設定されるものとしてもよい。これは、経過時間が長いほど、浄化触媒の温度が上昇して浄化触媒の浄化瀬能が向上していると考えられるためである。
複数の始動制御から1つを選択して実行する態様で且つ経過時間が時間閾値未満のときに要求トルクを上限トルクで上限ガードして要求トルクを再設定する態様の本発明のエンジン装置において、前記上限トルクは、前記始動制御のタイプに基づいて設定されるものとしてもよい。この場合、前記上限トルクは、前記第2始動制御の場合に前記第1始動制御の場合に比して長くなるように設定されるものとしてもよい。これは、第2始動制御の場合に、第1始動制御の場合に比して、浄化触媒の酸素吸蔵量が多くなりやすく、浄化触媒の浄化性能が低くなっていると考えられるためである。
本発明の一実施例としてのエンジン装置を搭載するハイブリッド車20の構成の概略を示す構成図である。 ハイブリッド車20が搭載するエンジン22の構成の概略を示す構成図である。 実施例のエンジンECU24により実行されるトルク制御関連処理の一例を示すフローチャートである。 TDC始動制御の際におけるモータ30の回転数Nmgやエンジン22の回転数Ne、完爆判定を行なってからの経過時間Tce、トルク制御の許否、要求トルクTe*の受付程度の様子の一例を示すタイムチャートである。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのエンジン装置を搭載するハイブリッド車20の構成の概略を示す構成図である。図2は、ハイブリッド車20が搭載するエンジン22の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド車20は、図1に示すように、エンジン22と、モータ30と、インバータ32と、クラッチK0と、自動変速装置40と、高電圧バッテリ60と、低電圧バッテリ62と、DC/DCコンバータ64と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)70とを備える。
エンジン22は、例えばガソリンや軽油などの燃料を用いて吸気、圧縮、膨張(爆発燃焼)、排気の4行程により動力を出力する6気筒の内燃機関として構成されている。図2に示すように、エンジン22は、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁126と、筒内に燃料を噴射する筒内噴射弁127とを有する。エンジン22は、ポート噴射弁126と筒内噴射弁127とを有することにより、ポート噴射モードと筒内噴射モードと共用噴射モードとのうちの何れかで運転可能となっている。ポート噴射モードでは、エアクリーナ122により清浄された空気を吸気管123に吸入してスロットルバルブ124やサージタンク125を通過させると共に、吸気管123のサージタンク125よりも下流側のポート噴射弁126から燃料を噴射し、空気と燃料とを混合する。そして、この混合気を吸気バルブ128を介して燃焼室129に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、シリンダボア内でそのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト23の回転運動に変換する。筒内噴射モードでは、ポート噴射モードと同様に空気を燃焼室129に吸入し、吸気行程や圧縮行程において筒内噴射弁127から燃料を噴射し、点火プラグ130による電気火花により爆発燃焼させてクランクシャフト23の回転運動を得る。共用噴射モードでは、空気を燃焼室129に吸入する際にポート噴射弁126から燃料を噴射すると共に吸気行程や圧縮行程において筒内噴射弁127から燃料を噴射し、点火プラグ130による電気火花により爆発燃焼させてクランクシャフト23の回転運動を得る。これらの噴射モードは、エンジン22の運転状態に基づいて切り替えられる。燃焼室129から排気バルブ133を介して排気管134に排出される排気は、浄化装置135およびPMフィルタ136を介して外気に排出される。浄化装置135は、排気中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化触媒(三元触媒)135aを有する。PMフィルタ136は、セラミックスやステンレスなどにより多孔質フィルタとして形成されており、排気中の煤などの粒子状物質(PM:Particulate Matter)を捕集する。なお、PMフィルタ136に代えて、三元触媒の浄化機能と粒子状物質に対する捕集機能とを組み合わせた四元触媒が用いられるものとしてもよい。
エンジン22は、エンジンECU24により運転制御されている。エンジンECU24は、図示しないが、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートを有するマイクロコンピュータを備える。エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。エンジンECU24に入力される信号としては、例えば、エンジン22のクランクシャフト23の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランク角θcrや、エンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温Twを挙げることができる。吸気バルブ128を開閉するインテークカムシャフトの回転位置や排気バルブ133を開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカム角θci,θcoも挙げることができる。スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ124aからのスロットル開度THや、吸気管123のスロットルバルブ124よりも上流側に取り付けられたエアフローメータ123aからの吸入空気量Qa、吸気管123のスロットルバルブ124よりも上流側に取り付けられた温度センサ123tからの吸気温Ta、サージタンク125に取り付けられた圧力センサ125aからのサージ圧Psも挙げることができる。排気管134の浄化装置135よりも上流側に取り付けられたフロント空燃比センサ137からのフロント空燃比AF1や、排気管134の浄化装置135とPMフィルタ136との間に取り付けられたリヤ空燃比センサ138からのリヤ空燃比AF2、PMフィルタ136の前後の差圧(上流側と下流側との差圧)を検出する差圧センサ136aからの差圧ΔPも挙げることができる。
エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24から出力される信号としては、例えば、スロットルバルブ124への制御信号や、ポート噴射弁126への制御信号、筒内噴射弁127への制御信号、点火プラグ130への制御信号を挙げることができる。
エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのエンジン22のクランク角θcrに基づいて、エンジン22の回転数Neを演算している。また、エンジンECU24は、エアフローメータ123aからの吸入空気量Qaとエンジン22の回転数Neとに基づいて負荷率(エンジン22の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の比)KLを演算している。さらに、エンジンECU24は、差圧センサ136aからの差圧ΔPに基づいてPMフィルタ136に堆積した粒子状物質の堆積量としてのPM堆積量Qpmを演算したり、エンジン22の回転数Neや負荷率KLに基づいてPMフィルタ136の温度としてのフィルタ温度tfを演算したりしている。
図1に示すように、エンジン22のクランクシャフト23には、エンジン22をクランキングするためのスタータモータ25や、エンジン22からの動力を用いて発電するオルタネータ26が接続されている。スタータモータ25およびオルタネータ26は、低電圧バッテリ62と共に低電圧側電力ライン63に接続されており、HVECU70により制御される。
モータ30は、同期発電電動機として構成されており、回転子コアに永久磁石が埋め込まれた回転子と、固定子コアに三相コイルが巻回された固定子とを有する。このモータ30の回転子が固定された回転軸31は、クラッチK0を介してエンジン22のクランクシャフト23に接続されていると共に自動変速機45の入力軸41に接続されている。インバータ32は、モータ30の駆動に用いられると共に高電圧側電力ライン61に接続されている。モータ30は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)34によってインバータ32の複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
モータECU34は、図示しないが、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートを有するマイクロコンピュータを備える。モータECU34には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。モータECU34に入力される信号としては、例えば、モータ30の回転子(回転軸31)の回転位置を検出する回転位置センサ30aからの回転位置θmgや、モータ30の各相の相電流を検出する電流センサからの相電流Iu,Ivを挙げることができる。モータECU34からは、インバータ32への制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU34は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。モータECU34は、回転位置センサ30aからのモータ30の回転子(回転軸31)の回転位置θmgに基づいてモータ30の回転数Nmgを演算している。
クラッチK0は、例えば油圧駆動の摩擦クラッチとして構成されており、HVECU70によって制御され、エンジン22のクランクシャフト23とモータ30の回転軸31との接続および接続の解除を行なう。
自動変速装置40は、トルクコンバータ43と、例えば6段変速の自動変速機45とを有する。トルクコンバータ43は、一般的な流体伝動装置として構成されており、モータ30の回転軸31に接続された入力軸41の動力を自動変速機45の入力軸である変速機入力軸44にトルクを増幅して伝達したり、トルクを増幅することなくそのまま伝達したりする。自動変速機45は、変速機入力軸44と、駆動輪49にデファレンシャルギヤ48を介して連結された出力軸42と、複数の遊星歯車と、油圧駆動の複数の摩擦係合要素(クラッチ,ブレーキ)とを有する。複数の摩擦係合要素は、何れも、ピストン、複数の摩擦係合プレート(摩擦プレートおよびセパレータプレート)、作動油が供給される油室などにより構成される油圧サーボを有する。自動変速機45は、複数の摩擦係合要素の係脱により、第1速から第6速までの前進段や後進段を形成して、変速機入力軸44と出力軸42との間で動力を伝達する。クラッチK0や自動変速機45には、図示しない油圧制御装置により、機械式オイルポンプや電動オイルポンプからの作動油の油圧が調圧されて供給される。油圧制御装置は、複数の油路が形成されたバルブボディや、複数のレギュレータバルブ、複数のリニアソレノイドバルブなどを有する。この油圧制御装置は、HVECU70により制御される。
高電圧バッテリ60は、例えば定格電圧が数百V程度のリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、インバータ32と共に高電圧側電力ライン61に接続されている。低電圧バッテリ62は、例えば定格電圧が12Vや14V程度の鉛蓄電池として構成されており、スタータモータ25やオルタネータ26と共に低電圧側電力ライン63に接続されている。DC/DCコンバータ64は、高電圧側電力ライン61と低電圧側電力ライン63とに接続されている。このDC/DCコンバータ64は、高電圧側電力ライン61の電力を低電圧側電力ライン63に電圧の降圧を伴って供給する。
HVECU70は、図示しないが、CPUやROM、RAM、フラッシュメモリ、入出力ポート、通信ポートを有するマイクロコンピュータを備える。HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。HVECU70に入力される信号としては、例えば、自動変速装置40の入力軸41に取り付けられた回転数センサ41aからの回転数Ninや、自動変速装置40の変速機入力軸44に取り付けられた回転数センサ44aからの回転数Nmi、自動変速装置40の出力軸42に取り付けられた回転数センサ42aからの回転数Noutを挙げることができる。高電圧バッテリ60の端子間に取り付けられた電圧センサからの高電圧バッテリ60の電圧Vbhや、高電圧バッテリ60の出力端子に取り付けられた電流センサからの高電圧バッテリ60の電流Ibh、低電圧バッテリ62の端子間に取り付けられた電圧センサからの電圧Vblも挙げることができる。イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号や、シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ87からの車速Vも挙げることができる。
HVECU70からは、各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。HVECU70から出力される信号としては、例えば、スタータモータ25への制御信号や、オルタネータ26への制御信号を挙げることができる。クラッチK0や自動変速装置40(油圧制御装置)への制御信号、DC/DCコンバータ64への制御信号も挙げることができる。HVECU70は、エンジンECU24やモータECU34と通信ポートを介して接続されている。HVECU70は、回転数センサ41aからの自動変速装置40の入力軸41の回転数Ninを回転数センサ42aからの自動変速装置40の出力軸42の回転数Noutで除して自動変速装置40の回転数比Gtを演算している。
なお、実施例では、エンジン装置としては、エンジン22と、クラッチK0と、モータ30と、HVECU70と、エンジンECU24と、モータECU34とが相当する。
こうして構成された実施例のハイブリッド車20では、HVECU70とエンジンECU24とモータECU34との協調制御により、ハイブリッド走行モード(HV走行モード)や電動走行モード(EV走行モード)で走行するように、エンジン22とクラッチK0とモータ30と自動変速装置40とを制御する。ここで、HV走行モードは、クラッチK0を係合状態としてエンジン22の動力を用いて走行するモードであり、EV走行モードは、クラッチK0を解放状態としてエンジン22の動力を用いずに走行するモードである。
HV走行モードやEV走行モードにおける自動変速装置40の制御では、HVECU70は、最初に、アクセル開度Accおよび車速Vに基づいて自動変速機45の目標変速段M*を設定する。そして、自動変速機45の変速段Mと目標変速段M*とが一致するときには、変速段Mが保持されるように自動変速機45を制御する。一方、変速段Mと目標変速段M*とが異なるときには、変速段Mが目標変速段M*に一致するように自動変速機45を制御する。
HV走行モードにおけるエンジン22およびモータ30の制御では、HVECU70は、最初に、アクセル開度Accおよび車速Vに基づいて走行に要求される(自動変速装置40の出力軸42に要求される)要求トルクTout*を設定する。続いて、出力軸42の要求トルクTout*を自動変速装置40の回転数比Gtで除した値を入力軸41の要求トルクTin*に設定する。こうして入力軸41の要求トルクTin*を設定すると、要求トルクTin*が入力軸41に出力されるようにエンジン22の要求トルクTe*やモータ30のトルク指令Tm*を設定し、エンジン22の要求トルクTe*をエンジンECU24に送信すると共にモータ30のトルク指令Tm*をモータECU34に送信する。エンジンECU24は、要求トルクTe*を受信すると、エンジン22が要求トルクTe*で運転されるようにエンジン22の運転制御(スロットルバルブ124を制御する空気量制御、ポート噴射弁126や筒内噴射弁127を制御する燃料噴射制御、点火プラグ130を制御する点火制御など)を行なう。モータECU34は、トルク指令Tm*を受信すると、モータ30がトルク指令Tm*で駆動されるようにインバータ32の複数のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
EV走行モードにおけるモータ30の制御では、HVECU70は、HV走行モードと同様に入力軸41の要求トルクTin*を設定し、要求トルクTin*が入力軸41に出力されるようにモータ30のトルク指令Tm*を設定してモータECU34に送信する。モータECU34は、トルク指令Tm*を受信すると、モータ30がトルク指令Tm*で駆動されるようにインバータ32の複数のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
また、実施例のハイブリッド車20では、HVECU70とエンジンECU24とモータECU34との協調制御により、エンジン22を運転しているときにエンジン22の停止要求が行なわれると、エンジン22の停止制御を実行する。停止要求は、例えば、入力軸41の要求トルクTin*が閾値Tinref未満である条件が成立しているときなどに行なわれる。停止制御では、基本的に、燃料噴射および点火を停止すると共にスロットルバルブ124を閉成し、エンジン22の回転数Neが閾値Neref1(例えば、600rpm~800rpm程度)未満に至ると、クラッチK0を解放し、更に、エンジン22の回転数Neが閾値Neref1よりも低い(例えば、数百rpm程度低い)閾値Neref2未満に至ると、スロットルバルブ124を一時的に開成する。スロットルバルブ124を一時的に開成する理由については後述する。
そして、エンジン22の燃料噴射および点火を停止しているときにエンジン22の始動要求が行なわれると、エンジン22の始動制御を実行する。始動要求は、例えば、要求トルクTin*が閾値Tinref以上である条件が成立しているときなどに行なわれる。エンジン22の始動制御のタイプとしては、例えば、FC(Fuel Cut)復帰始動制御や、自立COM(Change Of Mind)始動制御、COM始動制御、TDC(Top Dead Center)始動制御、PUSH始動制御などを挙げることができる。始動制御のタイプの選択は、例えば、始動要求が行なわれた(開始された)ときのエンジン22の回転数Neおよびモータ30の回転数Nmgに基づいて行なわれる。なお、始動制御の際の燃料噴射制御は、筒内噴射モードで行なわれる。
FC復帰始動制御は、基本的に、始動要求が行なわれたときに、エンジン22の回転数Neが閾値Neref1以上であり(クラッチK0を係合しており)、且つ、モータ30の回転数Nmgが閾値Nmgref(例えば、閾値Neref1と同一の値など)以上である場合に行なわれる。FC復帰始動制御では、基本的に、クラッチK0の係合を継続しつつエンジン22の燃料噴射や点火を開始する。実施例では、エンジン22の燃料噴射および点火を開始した以降で且つクラッチK0を係合しているときには、HV走行モードと同様の要求トルクTe*がHVECU70により設定されてエンジンECU24に送信される。
自立COM始動制御は、基本的に、始動要求が行なわれたときに、エンジン22の回転数Neが閾値Neref1未満である(クラッチK0を解放している)と共にそれよりも低い(例えば、数百rpm程度低い)閾値Neref3以上であり、且つ、モータ30の回転数Nmgが閾値Nmgref以上である場合に行なわれる。自立COM始動制御では、基本的に、クラッチK0の解放を継続しつつエンジン22の燃料噴射および点火を開始し、モータ30の回転数Nmgとエンジン22の回転数Neとの差回転数ΔNが小さくなるように要求トルクTe*を設定してエンジン22を制御し、クラッチK0の係合条件が成立するとクラッチK0を係合する。実施例では、差回転数ΔNを小さくするための要求トルクTe*は、HVECU70により設定されてエンジンECU24に送信される。クラッチK0の係合条件としては、例えば、差回転数ΔNが閾値ΔNref(例えば、50rpm~150rpm程度)未満である条件などを用いることができる。
COM始動制御は、基本的に、始動要求が行なわれたときに、エンジン22の回転数Neが閾値Neref3未満であると共に値0よりも大きく、且つ、モータ30の回転数Nmgが閾値Nmgref以上である場合に行なわれる。COM始動制御では、基本的に、クラッチK0を半係合(スリップ係合)してモータ30からのクランキングトルクを用いてエンジン22をクランキングしつつ燃料噴射および点火を開始し、差回転数ΔNが小さくなるように要求トルクTe*を設定してエンジン22を制御しつつクラッチK0を解放し、上述のクラッチK0の係合条件が成立するとクラッチK0を係合する。
TDC始動制御は、基本的には、始動要求が行なわれたときに、エンジン22の回転数Neが値0であり(エンジン22が回転停止しており)、且つ、モータ30の回転数Nmgが閾値Nmgref以上である場合に行なわれる。TDC始動制御では、基本的に、クラッチK0を半係合(スリップ係合)してモータ30からのクランキングトルクを用いてエンジン22をクランキングし、最初に圧縮上死点を迎える気筒(1番対象気筒)または2番目に圧縮上死点を迎える気筒(2番対象気筒)で燃料噴射および点火を開始し、差回転数ΔNが小さくなるように要求トルクTe*を設定してエンジン22を制御しつつクラッチK0を解放し、上述のクラッチK0の係合条件が成立するとクラッチK0を係合する。1番対象気筒および2番対象気筒のうちの何れで燃料噴射および点火を開始するかの選択は、基本的には、エンジン22が間欠停止(回転停止)したときのクランク角(停止クランク角)θcrspが1番対象気筒で初爆を行なうことができる所定クランク角範囲(例えば、BTDC40~80(Before TDC 40度~80度)など)内にあるか否かにより行なわれる。したがって、停止クランク角θcrspが所定クランク角範囲内にあるときには、1番対象気筒で燃料噴射および点火を開始し、停止クランク角θcrspが所定クランク角範囲内にないときには、2番対象気筒で燃料噴射および点火を開始する。なお、実施例では、上述したように、停止制御の際に、エンジン22の回転数Neが閾値Neref2未満に至ると、スロットルバルブ124を一時的に開成する。これは、1番対象気筒で燃料噴射および点火を開始する場合に備えて、1番対象気筒の筒内空気量を多くしておくためである。
PUSH始動制御は、基本的に、始動要求が行なわれたときに、モータ30の回転数Nmgが閾値Nmgref未満である場合に行なわれる。PUSH始動制御では、基本的に、クラッチK0を半係合(スリップ係合)してモータ30からのクランキングトルクを用いてエンジン22をクランキングし、上述のクラッチK0係合条件が成立するとクラッチK0を係合し、その後にエンジン22の燃料噴射および点火を開始する。
実施例では、FC復帰始動制御の際には、目標噴射量Qf*を用いて筒内噴射弁127を制御する燃料噴射制御として、最初の燃料噴射から計算噴射制御を実行する。計算噴射制御では、基本的に、筒内空気量Qcyに基づいてフロント空燃比AF1が目標空燃比AF1*(例えば理論空燃比)となるように目標噴射量Qf*を設定し、設定した目標噴射量Qf*を用いて筒内噴射弁127を制御する。筒内空気量Qcyは、例えば、空気量制御に用いるスロットルバルブ124の要求開度などに基づいてエアモデルを用いて演算することができる。
また、自立COM始動制御やCOM始動制御、TDC始動制御、PUSH始動制御の際には、燃料噴射制御として、最初の燃料噴射から移行条件が成立するまでは見込み噴射制御を実行し、移行条件が成立すると計算噴射制御に移行する。見込み噴射制御では、基本的に、予測筒内空気量Qcyprやフロント空燃比AF1、目標空燃比AF1*に基づかないで目標噴射量Qf*を設定し、設定した目標噴射量Qf*を用いて筒内噴射弁127を制御する。自立COM始動制御やCOM始動制御、PUSH始動制御での見込み噴射制御における目標噴射量Qf*としては、例えば、一定量を用いたり、エンジン22の回転数Neや、対象気筒の吸気バルブ128を閉成したときのインマニ圧Pin(サージ圧Ps)である閉成時インマニ圧Pincなどの少なくとも1つに基づく値を用いたりすることができる。TDC始動制御での見込み噴射制御における目標噴射量Qf*としては、例えば、一定量を用いたり、停止クランク角θcrspや、エンジン22が回転停止してからの経過時間などのうちの少なくとも1つに基づく値を用いたりすることできる。見込み噴射制御から計算噴射制御に移行する移行条件としては、例えば、燃料噴射回数(燃料噴射気筒数)が所定回数(例えば、4回~8回程度)以上である条件などを用いることができる。
次に、実施例のハイブリッド車20の動作、特に、自立COM始動制御やCOM始動制御、TDC始動制御、PUSH始動制御(燃料噴射制御として見込み噴射制御を実行してから計算噴射制御に移行する始動制御)の際における要求トルクTe*に基づいてエンジン22を制御するトルク制御に関連する処理について説明する。図3は、実施例のエンジンECU24により実行されるトルク制御関連処理の一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン22の始動要求行なわれて自立COM始動制御やCOM始動制御、TDC始動制御、PUSH始動制御のうちの何れかを選択して開始する際に実行される。
図3のトルク制御関連処理が実行されると、エンジンECU24は、最初に、エンジン22の回転数Neや計算噴射制御フラグFc、始動要求の開始からのエンジン22の回転量Qcrなどのデータを入力する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neは、クランクポジションセンサ140からのクランク角θcrに基づいて演算された値が入力される。計算噴射制御フラグFcは、燃料噴射制御として見込み噴射制御を実行しているときには値0が設定され、燃料噴射制御として計算噴射制御を実行しているときには値1が設定されて入力される。始動要求の開始からのエンジン22の回転量Qcrは、始動要求の開始からのクランク角θcrの変化量として演算された値が入力される。
こうしてデータを入力すると、エンジン22の回転数Neが閾値Neref1以上であるか否かを判定し(ステップS110)、計算噴射制御フラグFcが値1である即ち燃料噴射制御として計算噴射制御を実行しているか否かを判定し(ステップS120)、始動要求の開始からのエンジン22の回転量Qcrが閾値Qcrref以上であるか否かを判定する(ステップS130)。このステップS110~S130の処理は、エンジン22の制御としてトルク制御を許可するか否かを判定する処理である。閾値Neref1は、回転数Neがある程度高くなっているか否かを判定するのに用いられる閾値であり、例えば、300rpm~500rpm程度を用いることができる。閾値Qcrrefは、スロットル開度THの変更に対して筒内空気量が十分な感度で変化すると考えられるか否かを判定するのに用いられる閾値であり、例えば、480度~960度程度を用いることができる。
ステップS110でエンジン22の回転数Neが閾値Neref1未満であると判定したときや、ステップS120で計算噴射制御フラグFcが値0である即ち燃料噴射制御として見込み噴射制御を実行していると判定したとき、ステップS130で始動要求の開始からのエンジン22の回転量Qcrが閾値Qcrref未満であると判定したときには、トルク制御を禁止して(ステップS140)、ステップS100に戻る。この場合、HVECU70からの要求トルクTe*に拘わらずに、始動制御のタイプに基づいて良好な始動性が得られるようにエンジン22を制御する。
ステップS110でエンジン22の回転数Neが閾値Neref1以上であると判定し、且つ、ステップS120で計算噴射制御フラグFcが値1である即ち燃料噴射制御として計算噴射制御を実行していると判定し、且つ、ステップS130で始動要求の開始からのエンジン22の回転量Qcrが閾値Qcrref以上であると判定したときには、トルク制御を許可する(ステップS150)。
こうしてトルク制御を許可しているときには、エンジン22の完爆判定を行なってからの経過時間Tceを入力し(ステップS160)、入力した経過時間Tceが閾値Tceref以上であるか否かを判定する(ステップS170)。ここで、エンジン22の完爆判定は、例えば、エンジン22の回転数Neが閾値Neref1よりも高い閾値Neref2以上であり且つ点火を開始している(何れかの気筒で点火を行なっている)条件が成立しているときなどに行なうことができる。閾値Neref2としては、例えば、閾値Neref1よりも100rpm~300rpm程度高い回転数を用いることができる。燃料噴射および点火を停止しているときのエンジン22の回転中には、浄化触媒135aに空気(酸素)が供給されるため、浄化触媒135aの酸素吸蔵量が多くなりやすい。このため、燃料噴射および点火を開始してから比較的短時間で(例えば、トルク制御を許可した直後などに)エンジン22の負荷率KLを大きくすると、浄化触媒135aが十分に浄化性能を発揮できずに、エミッションが悪化する懸念がある。ステップS170の処理は、これを考慮して、HVECU70からの要求トルクTe*を限定的に受け付けるか完全に受け付けるかを判定する処理である。
閾値Tcerefとしては、浄化触媒135aが十分な浄化性能を発揮可能になるのに要する時間として実験や解析、機械学習などにより予め設定された時間、例えば、100msec~200msec程度を用いることができる。この閾値Tcerefは、例えば、始動制御のタイプおよび冷却水温Twと閾値Tcerefとの関係を実験や解析、機械学習などにより予め定めて時間閾値設定用マップとして記憶しておき、始動制御のタイプおよび冷却水温Twが与えられると、このマップから対応する閾値Tcerefを導出することにより設定することができる。閾値Tcerefは、PUSH始動制御の場合に、TDC始動制御の場合に比して長くなるように設定される。これは、PUSH始動制御の場合に、TDC始動制御の場合に比して、浄化触媒135aの酸素吸蔵量が多くなりやすく、浄化触媒135aが十分な浄化性能を発揮可能となるまでに要する時間が長くなりやすいと考えられるためである。また、閾値Tcerefは、冷却水温Twが低いほど長くなるように設定される。これは、冷却水温Twが低いほど、浄化触媒135aの温度も低くなっていると考えられ、浄化触媒135aが十分な浄化性能を発揮可能となるまでに要する時間が長くなりやすいと考えられるためである。
ステップ170でエンジン22の完爆判定を行なってからの経過時間Tceが閾値Tceref未満であると判定したときには、要求トルクTe*の受付を限定的に許可すると判定して(ステップS180)、ステップS160に戻る。この場合、HVECU70からの要求トルクTe*を上限トルクTemaxで上限ガードして要求トルクTe*を再設定し、再設定後の要求トルクTe*に基づいてエンジン22を制御する。
上限トルクTemaxとしては、エミッションが悪化しないトルク範囲の上限として実験や解析、機械学習などにより予め設定されたトルク、例えば、50Nm~100Nm程度を用いることができる。したがって、上限トルクTemax以下の要求トルクTe*に基づいてエンジン22を制御することにより、エミッションの悪化を抑制することができる。この上限トルクTemaxは、例えば、始動制御のタイプや冷却水温Tw、燃料噴射や点火の開始からの経過時間Tfiと上限トルクTemaxとの関係を実験や解析、機械学習などにより予め定めて上限トルク設定用マップとして記憶しておき、始動制御のタイプや冷却水温Tw、経過時間Tfiが与えられると、このマップから対応する上限トルクTemaxを導出することにより設定することができる。上限トルクTemaxは、PUSH始動制御の場合に、TDC始動制御の場合に比して小さくなるように設定される。これは、PUSH始動制御の場合に、TDC始動制御の場合に比して、浄化触媒135aの酸素吸蔵量が多くなりやすく、浄化触媒135aの浄化性能が低くなっていると考えられるためである。また、上限トルクTemaxは、冷却水温Twが低いほど小さくなるように設定される。これは、冷却水温Twが低いほど、浄化触媒135aの温度も低くなっていると考えられ、浄化触媒135aの浄化性能が低くなっていると考えられるためである。さらに、上限トルクTemaxは、経過時間Tfiが長いほど大きくなるように設定される。これは、経過時間Tfiが長いほど、浄化触媒135aの温度が上昇して浄化触媒135aの浄化瀬能が向上していると考えられるためである。このようにして、上限トルクTemaxをより適切に設定することができる。
ステップS170でエンジン22の完爆判定を行なってからの経過時間Tceが閾値Tceref以上であると判定したときには、要求トルクTe*の受付を完全に許可すると判定すると共に(ステップS190)、始動要求を解除して(ステップS200)、本処理を終了する。要求トルクTe*の受付を完全に許可すると共に始動要求を解除すると、HV走行モードに移行すると共にHVECU70からの要求トルクTe*に基づいてエンジン22を制御する。これにより、HVECU70からの要求トルクTe*に十分に対応することができる。
図4は、TDC始動制御の際におけるモータ30の回転数Nmgやエンジン22の回転数Ne、完爆判定を行なってからの経過時間Tce、トルク制御の許否、要求トルクTe*の受付程度の様子の一例を示すタイムチャートである。上述したように、TDC始動制御では、クラッチK0を半係合してモータ30によりエンジン22をクランキングし、1番対象気筒または2番対象気筒で燃料噴射および点火を開始し、差回転数ΔNが小さくなるようにエンジン22を制御しつつクラッチK0を解放し、クラッチK0の係合条件が成立するとクラッチK0を係合する。この際に、エンジン22の回転数Neが閾値Neref1以上であり且つ燃料噴射制御として計算噴射制御を実行しており且つ始動要求の開始からのエンジン22の回転量Qcrが閾値Qcrref以上である条件が成立すると(時刻t12)、トルク制御を禁止から許可に切り替えると共に要求トルクTe*の受付を限定的に許可する。これにより、エミッションの悪化を抑制することができる。その後に、エンジン22の完爆判定(時刻t11)を行なってからの経過時間Tceが閾値Tceref以上に至ると(時刻t13)、要求トルクTe*の受付を完全に許可すると共に始動要求を解除してHV走行モードに移行する。これにより、エンジン22から十分なトルクを出力することができるようになる。
以上説明した実施例のハイブリッド車20が搭載するエンジン装置では、エンジン22の燃料噴射および点火を開始した以降で、トルク制御を許可しているときにおいて、エンジン22の完爆判定を行なってからの経過時間Tceが閾値Tceref未満のときには、経過時間Tceが閾値Tceref以上のときに比して要求トルクTe*を制限する、具体的には、HVECU70からの要求トルクTe*を上限トルクTemaxで上限ガードして要求トルクTe*を再設定してエンジン22を制御する。これにより、エミッションの悪化を抑制することができる。
実施例のハイブリッド車20が搭載するエンジン装置では、エンジン22の完爆判定を行なってからの経過時間Tceとの比較に用いる閾値Tcerefとして、始動制御のタイプおよび冷却水温Twに基づく時間を用いるものとしてもよい。しかし、閾値Tcerefとして、始動制御のタイプおよび冷却水温Twのうちの何れかだけに基づく時間を用いるものとしてもよい。また、閾値Tcerefとして、一定時間を用いるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド車20が搭載するエンジン装置では、要求トルクTe*の受付を限定的に許可する場合に用いる上限トルクTemaxとして、始動制御のタイプや冷却水温Tw、燃料噴射や点火の開始からの経過時間Tfiに基づくトルクを用いるものとした。しかし、上限トルクTemaxとして、始動制御のタイプや冷却水温Tw、燃料噴射や点火の開始からの経過時間Tfiのうちの一部に基づくトルクを用いるものとしてもよい。また、上限トルクTemaxとして、一定トルクを用いるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド車20が搭載するエンジン装置では、閾値Tcerefや上限トルクTemaxとして、アクセル開度Accを考慮しない時間やトルクを用いるものとした。しかし、閾値Tcerefや上限トルクTemaxとして、アクセル開度Accに基づく時間やトルクを用いるものとしてもよい。この場合、アクセル開度Accが大きいときに浄化触媒135aの浄化性能を若干犠牲にしつつ走行性能を確保するために、閾値Tcerefや上限トルクTemaxとして、アクセル開度Accが大きいほど長くなる時間や、アクセル開度Accが大きいほど大きくなるトルクを用いることが考えられる。
実施例のハイブリッド車20では、6段変速の自動変速機45を備えるものとした。しかし、4段変速や5段変速、8段変速などの自動変速機を備えるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド車20では、エンジンECU24とモータECU34とHVECU70とを備えるものとした。しかし、これらのうちの少なくとも2つを一体に構成するものとしてもよい。
実施例のエンジン装置では、ハイブリッド車20に搭載されるものとしたが、車両以外の移動体に搭載されるものとしたり、移動しない設備に組み込まれるものとしてよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータ30が「モータ」に相当し、クラッチK0が「クラッチ」に相当し、HVECU70とエンジンECU24とモータECU34とが「制御装置」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、エンジン装置の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド車、22 エンジン、23 クランクシャフト、24 エンジンECU、25 スタータモータ、26 オルタネータ、30 モータ、30a 回転位置センサ、31 回転軸、32 インバータ、34 モータECU、40 自動変速装置、41 入力軸、41a 回転数センサ、42 出力軸、42a 回転数センサ、43 トルクコンバータ、44 変速機入力軸、44a 回転数センサ、45 自動変速機、48 デファレンシャルギヤ、49 駆動輪、60 高電圧バッテリ、61 高電圧側電力ライン、62 低電圧バッテリ、63 低電圧側電力ライン、64 DC/DCコンバータ、70 HVECU、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、87 車速センサ、122 エアクリーナ、123 吸気管、123a エアフローメータ、123t 温度センサ、124 スロットルバルブ、124a スロットルバルブポジションセンサ、125 サージタンク、125a 圧力センサ、126 ポート噴射弁、127 筒内噴射弁、128 吸気バルブ、129 燃焼室、130 点火プラグ、132 ピストン、133 排気バルブ、134 排気管、135 浄化装置、135a 浄化触媒、136 PMフィルタ、136a 差圧センサ、137 フロント空燃比センサ、138 リヤ空燃比センサ、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144 カムポジションセンサ、K0 クラッチ。

Claims (1)

  1. 排気系に浄化触媒が取り付けられたエンジンと、前記エンジンの出力軸にクラッチを介して接続されたモータと、前記エンジンと前記モータと前記クラッチとを制御する制御装置と、を備えるエンジン装置であって、
    前記制御装置は、前記エンジンの燃料カットを行なっている状態から前記エンジンの燃料噴射および点火を開始した以降で、要求トルクに基づいて前記エンジンを制御するトルク制御を許可しているときにおいて、前記エンジンの完爆からの経過時間が時間閾値未満のときには、前記経過時間が前記時間閾値以上のときに比して、前記要求トルクを制限する、
    エンジン装置。
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