JP2023106896A - 単結晶製造方法および単結晶製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶液内に発生する雑晶を低減する。【解決手段】断熱部材の開口部13aを介して、断熱部材の内部に、先端部に種結晶30が取り付けられた結晶保持軸15を配置し、結晶保持軸15を下方向に移動させることにより、種結晶の下面を坩堝12に収容された炭素と珪素とを含む溶液20に接触させ、結晶保持軸15に取り付けられた種結晶30の下面に炭化珪素からなる単結晶を成長させる、単結晶製造方法であり、結晶保持軸15には、開口部13aよりも外径が大きい放熱抑制部材16Aが設けられ、種結晶を溶液に接触させる工程において、放熱抑制部材16Aは、断熱部材13と放熱抑制部材16Aとの間または断熱部材13と結晶保持軸15との間に隙間を確保しつつ、開口部13aを覆う、単結晶製造装置100を用いる単結晶製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、炭化珪素からなる単結晶の製造技術および単結晶製造装置に関し、例えば、溶液法による単結晶の製造技術に適用して有効な技術に関する。
例えば、自動車や家電製品などに含まれるモータを制御する回路として、インバータ回路が使用される。このインバータ回路には、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)に代表されるパワー半導体素子が使用される。
このようなパワー半導体素子には、例えば、高耐圧の他に低オン抵抗や低スイッチング損失であることが要求される。ここで、パワー半導体素子の現在の主流は、シリコンを主成分とする半導体基板に形成された電界効果トランジスタであるが、このパワー半導体素子は、理論的な性能限界に近づいている。
この点に関し、シリコンよりもバンドギャップの大きな半導体材料を主成分とする半導体基板に形成された電界効果トランジスタを含む半導体素子(以下では、ワイドバンドギャップパワー半導体素子と呼ぶ)が注目されている。
なぜなら、バンドギャップが大きいということは、高い絶縁破壊強度を有していることを意味するから高耐圧を実現しやすくなるからである。
そして、半導体材料自体が高い絶縁破壊強度を有していると、耐圧を保持するドリフト層を薄くしても耐圧を確保できることから、例えば、ドリフト層を薄くするとともに、不純物濃度を高くすることにより、パワー半導体素子のオン抵抗を低減することができる。
すなわち、ワイドバンドギャップパワー半導体素子は、互いにトレードオフの関係にある耐圧の向上とオン抵抗の低減とを両立できる点で優れている。したがって、ワイドバンドギャップパワー半導体素子は、高性能を実現できる半導体素子として期待されている。
シリコンよりもバンドギャップの大きな半導体材料とは、例えば、炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、酸化ガリウム(Ga)またはダイヤモンドなどを挙げることができる。以下では、炭化珪素に着目して説明する。
炭化珪素からなる単結晶(以下、炭化珪素単結晶と呼ぶ)は、例えば、溶液法を使用することにより製造される。溶液法とは、結晶保持軸の先端部に取り付けた種結晶を坩堝に収容されている炭素と珪素とを含む溶液に接触させることにより、種結晶に炭化珪素単結晶を成長させながら、結晶保持軸を引き上げて、炭化珪素単結晶を製造する方法である(特許文献1、特許文献2)。
特開2018-184324号公報 特開2013-75771号公報
ここで、溶液法では、坩堝に収容された溶液内に発生する雑晶を低減することが重要である。なぜなら、雑晶とは、例えば、1mm~3mm程度の粒の炭化珪素が集合した塊であり、この雑晶が種結晶に付着すると、種結晶に成長する結晶が単結晶とならないからである。したがって、溶液法においては、種結晶に炭化珪素単結晶を成長させる観点から、溶液内に発生する雑晶を低減する工夫が望まれている。
例えば、特開2018-184324号公報(特許文献1)には、坩堝中のSi-C溶液の温度分布のバラツキを小さくすることを目的に、誘導コイルと抵抗加熱ヒーターを用いる、SiC単結晶の製造方法及び製造装置が記載されている。
また、特開2013-75771号公報(特許文献2)には、SiC単結晶の成長中に、Si-C溶液の内部から表面の領域の温度勾配を一定温度または温度上昇する温度勾配に変更して、SiC単結晶のメルトバックを行う、SiC単結晶の製造方法及び製造装置が記載されている。
上記特許文献1および2のように、雑晶を低減する工夫が種々検討されているが、より簡便な構成で、雑晶の発生を抑制する手法が求められている。
一実施の形態における単結晶製造方法は、(a)断熱部材の開口部を介して、前記断熱部材の内部に、先端部に種結晶が取り付けられた結晶保持軸を配置する工程と、(b)前記結晶保持軸を下方向に移動させることにより、前記種結晶の下面を坩堝に収容された炭素と珪素とを含む溶液に接触させる工程と、(c)前記結晶保持軸を上または下方向に移動させながら、あるいは接触させた位置を維持したまま、前記種結晶の下面に炭化珪素からなる単結晶を成長させる工程と、を備える、単結晶製造方法であって、前記結晶保持軸に、前記開口部の径よりも外径が大きい放熱抑制部材を設け、前記(b)工程において、前記放熱抑制部材は、前記断熱部材と前記放熱抑制部材との間または前記放熱抑制部材と前記結晶保持軸との間に隙間を確保しつつ、前記開口部を覆う。
一実施の形態における単結晶製造装置は、炭素と珪素を含む溶液を収容する坩堝を内部に載置可能であり、上部に開口部を有する断熱部材と、前記開口部を介して、前記断熱部材の内部を上下動可能に配置され、先端部に種結晶を取り付け可能な結晶保持軸と、を備える、単結晶製造装置であって、前記開口部の径よりも外径が大きい放熱抑制部材を有し、該放熱抑制部材は、前記結晶保持軸に保持され、かつ、前記結晶保持軸の先端部に取り付けられた前記種結晶の下面を、前記坩堝内の前記溶液と接触させたとき、前記断熱部材と前記放熱抑制部材との間または前記放熱抑制部材と前記結晶保持軸との間に隙間を確保しつつ、前記開口部を覆うことができる。
一実施の形態の単結晶製造方法および単結晶製造装置によれば、炭化珪素からなる単結晶を製造する際、溶液内に発生する雑晶を低減することができる。
一実施の形態における単結晶製造装置の概略構成を示す図である。 図1の放熱抑制部材を平面視して、関連部材との関係を示す図である。 図1の単結晶製造装置の、単結晶製造の準備状態を説明する図である。 図1の単結晶製造装置において、単結晶を成長させた図である。 他の実施の形態における単結晶製造装置の概略構成を示す図である。 図5の単結晶製造装置の動作を説明する図である。 図5の放熱抑制部材とフィン構造体との関係を示した側断面図である。 図5の放熱抑制部材を平面視して、関連部材との関係を示す図である。 図5の単結晶製造装置において、単結晶を成長させた図である。
実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために、平面図であってもハッチングを付す場合や、断面図であってもハッチングを省略する場合がある。
<改善の検討>
炭化珪素単結晶を溶液法で成長させる場合、結晶を析出させるために、溶液に過飽和状態を作り出す必要がある。したがって、炭化珪素単結晶を成長させる溶液法では、過飽和状態を作り出すために、溶液に温度勾配を形成することが行われている。この場合、溶液には、高温領域と低温領域とが形成され、低温領域において過飽和状態が実現される。このことから、種結晶と接する溶液の領域を過飽和状態が実現される低温領域とするように、溶液に温度勾配を形成することにより、種結晶に結晶を成長させることができる。
種結晶の表面に種結晶と同一構造および同一方位を有する結晶が成長すると、種結晶を起点として望ましい炭化珪素単結晶が成長することになる。これに対し、種結晶の表面における結晶成長であっても、成長した結晶の構造または方位が種結晶の構造または方位と異なる結晶は雑晶と呼ばれ、この雑晶が種結晶の表面に成長すると、炭化珪素単結晶の成長が阻害される。したがって、溶液法においては、種結晶に炭化珪素単結晶を成長させる観点から、溶液内に発生する雑晶を低減する工夫が望まれている。
上記低温領域の過飽和状態は、主として、炭素と珪素を含む溶液の表面において形成され、この溶液表面に種結晶を接触させ、上記のように炭化珪素単結晶を成長させることができる。この炭化珪素の単結晶製造は、溶液を収容した坩堝を取り囲むように配置された断熱部材(断熱容器)の内部で行われ、この断熱部材内の温度を単結晶製造に適した温度に維持するようにしている。
ところで、断熱部材には、上記した先端部に種結晶が取り付けられた結晶保持軸を上方から下方向に移動させて、断熱部材の内部に導入するのが一般的である。この種結晶は、製造される炭化珪素からなる結晶の大きさを決定するものでもあり、その大きさは直径が4インチや6インチのものが製造され、さらに大きい直径のものも検討されている。断熱部材には、その種結晶を通過させるための開口部が設けられている。
そのため、単結晶の製造にあたって、断熱部材内部に収容した坩堝を高温に加熱するが、この開口部から、その輻射熱が拡散してしまい、断熱部材内部の温度が求める温度よりも低くなることがあり、その影響で溶液表面の温度も低下してしまうことがあった。この場合、溶液内の温度分布が大きくなってしまうこととなり、温度分布が大きくなると、結晶への雑晶付着が生じやすくなるため、目的としている炭化珪素単結晶の成長が阻害されてしまう。
本発明者らは、この開口部からの放熱を抑制するために、結晶保持軸が保持する種結晶の下面が溶液と接触したときに、断熱部材の開口部内部に配置され、開口部の隙間を小さくするように、水平方向に延びるフィン構造体(開口部の径よりも外径が小さいフィン構造体)を結晶保持軸に設け、ある程度放熱を抑制できることを確認しているが、その効果はまだ満足できるものではなかった。
そこで、本実施の形態では、溶液内に生成される雑晶を低減するために、断熱部材の開口部から外部への放熱を抑制し、断熱部材内部の温度を維持することで、溶液の温度分布を好ましい範囲のものとするための工夫を施している。
以下では、この工夫を施した本実施の形態における技術的思想について説明する。
<実施の形態における基本思想>
上述したように、炭化珪素単結晶を溶液法で成長させる技術では、結晶を析出させるために、溶液に過飽和状態を作り出す必要があり、この過飽和状態を作り出すために、溶液に温度勾配を形成することが行われている。したがって、坩堝に収容されている溶液には、高温領域と低温領域とが混在し、低温領域において結晶が析出する一方、高温領域では、結晶が析出しない。この温度勾配を炭化珪素結晶に好ましい範囲とするために、断熱部材内の温度を所定の温度に維持することが求められ、特に、断熱部材の開口部からの放熱を抑制することが効果的であると考えられる(知見)。
本発明者は、この知見に着目することにより、断熱部材の内部温度の放熱による低下を効果的に抑制し、溶液内に生成される雑晶を低減できることを見出したので、以下に、この技術思想を詳細に説明する。
本実施の形態における基本思想は、坩堝に収容されている断熱部材の内部の温度を所定の範囲に維持するために、断熱部材の開口部からの放熱を抑制する放熱抑制部材を設けるという思想である。この基本思想によれば、断熱部材の開口部からの放熱を抑制することができ、その結果、断熱部材の内部の温度を維持できるため、雑晶の低減を図ることができる。
具体的には、この思想は、先端部に種結晶が取り付けられた結晶保持軸に、断熱部材の開口部の径よりも外径が大きい放熱抑制部材を設け、種結晶の下面を坩堝に収容された炭素と珪素とを含む溶液に接触させる際に、その放熱抑制部材は、断熱部材と放熱抑制部材との間または放熱抑制部材と結晶保持軸との間に隙間を確保しつつ、開口部を覆う思想ということができる。
この基本思想によれば、炭化珪素からなる単結晶の製造を開始するタイミングで、断熱部材の開口部を放熱抑制部材で覆うようにしている。また、この放熱抑制部材は結晶保持軸に備えられており、この結晶保持軸の上下動により、所定の位置に配置されるようになっている。この結果、従来の単結晶製造の動作を変更することなく、断熱部材の内部からの放熱を抑制し、温度を維持することができ、これにより、雑晶の低減を図ることができる。なお、放熱抑制部材は開口部を密閉するように覆うのではなく、隙間を確保しながら覆う点も特徴である。以下では、この基本思想を具現化した単結晶製造技術について説明する。
〔第1の実施の形態〕
<単結晶製造装置の構成>
図1は、本実施の形態における単結晶製造装置100の構成を示すとともに、単結晶製造方法を説明するための図である。
図1において、単結晶製造装置100は、容器10と、台座11と、坩堝12と、断熱部材13と、コイル14と、種結晶30を取り付け可能な結晶保持軸15と、放熱抑制部材16Aと、坩堝保持軸17と、を有して構成されている。
容器10は、単結晶製造装置の筐体であり、その内部空間には、単結晶製造を行うために、例えば、アルゴンガス等の不活性ガスが充填できるようになっている。容器10は、例えば、SUSなどの鉄系材料から構成される。
この容器10の内部には、断熱部材13と、その断熱部材13の側面外周に、加熱用のコイル14が設けられている。また、この断熱部材13で囲まれた内側には水平方向に回転可能な台座11が配置されている。
なお、アルゴンガスの充填構造としては、例えば、断熱部材13とコイル14との間に石英管を通し、石英管の上下端をフランジで密閉することにより、アルゴンガスを充填する構造を採用することもできる。
次に、台座11上には、坩堝12が配置されている。この坩堝12は、例えば、黒鉛(グラファイト)から構成されており、結晶成長を行う際には、内部に珪素(Si)を含む高温の溶液20が収容される。
台座11は、台座11を保持する坩堝保持軸17と接続されている。この坩堝保持軸17は、上下方向に移動可能に構成されている。さらに、時計回り、あるいは、反時計回りのいずれにも回転することができるように構成されていてもよい。これにより、坩堝保持軸17に取り付けられた台座11および台座11上に配置される坩堝12は、坩堝保持軸17によって上下方向に移動させることができる。なお、坩堝保持軸17は、内部が中空構造となっており、熱電対を挿入したり、または、放射温度計の測定光を通すための経路として用いたりして、坩堝底部(坩堝近傍)の温度測定が可能なように構成されている。図1には、このとき測定する温度(坩堝底部の温度)の測定位置P1を例示している。
断熱部材13は、その内部に坩堝12を載置可能であり、単結晶を製造するための場となる部材である。この断熱部材13は、坩堝12を取り囲むように、容器状の形状となっており、その内部を所定の高温状態(ホットゾーン)に維持できるようになっている。なお、この断熱部材には、後述する先端部に種結晶を取り付けることができる結晶保持軸を、その内部に配置できるように開口部13aが設けられている。この開口部13aは、種結晶を取り付ける先端部が通過できる大きさに形成されている。
そして、断熱部材13の外周部には、高周波電流が流れるコイル14が設けられており、コイル14を流れる高周波電流に基づく誘導加熱によって坩堝12は加熱されるようになっている。具体的に、断熱部材13を挟んで、坩堝12の側面と対向する位置に設けられたコイル14に高周波電流を流すことによって生じる誘導加熱現象で坩堝12を加熱するように構成されている。なお、図1では、図示していないが、コイル14は、内部に冷却水を流すことができるように構成されている。
結晶保持軸15は、その先端部に、炭化珪素からなる種結晶30を取り付けることができ、開口部13aを介して、断熱部材13の内部にその先端部が配置される。また、この結晶保持軸15は、上下方向に移動が可能なように構成されている。図1では、種結晶30を取り付けた状態を示している。この結晶保持軸15を上下方向に移動させることによって、その先端部に取り付けられた種結晶30も連動して上下方向に移動し、その高さ位置を調節することによって単結晶の製造が行われる。
この結晶保持軸15も坩堝保持軸17と同様に、時計回り、あるいは、反時計回りに回転できるように構成されていてもよい。つまり、結晶保持軸15および坩堝保持軸17において、回転機構の有無は任意である。
また、図1において、結晶保持軸15は、水平方向に延びるように設けられたフィン構造体15a,15bを有しているが、これらの構成は任意である。これらフィン構造体15a,15bは、結晶保持軸15と一体的に形成されており、結晶保持軸15が上下方向に移動すると、その移動に伴って移動する。フィン構造体15aは、坩堝12の開口部(図1では、坩堝12の内部に設けられた上から2つめの開口部としているが、上から1つめの開口部でもよい。坩堝12において、このような開口は1つでも、3つ以上有していてもよい。)の隙間を小さくするように、フィン構造体15bは、断熱部材13の開口部13aの隙間を小さくするように、それぞれ配置される。
この配置のタイミングは、結晶保持軸15の先端部に取り付けられた種結晶30の下面が、坩堝12内の溶液20と接触したタイミングとするのが好ましい。このようにすることで、これらフィン構造体15a、15bは、それぞれ坩堝12内の温度、断熱部材13内の温度を維持する作用を奏する。
さらに、結晶保持軸15の内部は中空構造となっており、その内部には結晶保持軸15の先端部(種結晶近傍)の温度を測定するために、例えば、熱電対が挿入されている。種結晶近傍の温度測定は、熱電対を挿入する代わりに、結晶保持軸15の上端に結晶保持軸15の内径よりも小さな測定径を有する放射温度計を配置し、上記中空構造をその測定光を通すための経路として用いることによっても可能である。図1には、このとき測定する温度(結晶保持軸15の先端部の温度)の測定位置P2を例示している。
放熱抑制部材16Aは、断熱部材13の開口部13aよりも外径が大きい部材であり、所定のタイミングで開口部13aを覆うように構成されている。この放熱抑制部材16Aが、開口部13aを覆うことにより、断熱部材13の内部から外部へ拡散する輻射熱を低減し、断熱部材13内の温度を維持することができる。
このとき、断熱部材13と放熱抑制部材16Aとの間には隙間を確保しつつ、開口部13aが覆われるようになっている。開口部13aを完全に塞いでしまうと、断熱部材13内の温度が所望の温度よりも高くなりやすく、その影響で溶液20内での温度勾配が小さくなりすぎて、単結晶の成長が効率よく進行できない場合があるためである。したがって、隙間を確保することで、断熱部材13内の温度を調節して、単結晶の成長を効率よく行うようにすることができる。
放熱抑制部材16Aは、結晶保持軸15に保持されており、結晶保持軸15の上下方向への移動に付随して上下方向に移動する。このとき、放熱抑制部材16Aは、結晶保持軸15に固定されていてもよいし、結晶保持軸15の所定の箇所に単に載置されるようにしてもよい。
このとき、断熱部材13と放熱抑制部材16Aの間に形成される隙間(高さ)は、その製造条件や、開口部13aと放熱抑制部材16Aの大きさの関係にもよるが、5~30mmが好ましく、10~25mmがより好ましく、15~20mmが特に好ましい。
放熱抑制部材16Aの外径は、開口部13aよりも大きいものとし、平面視したときに、放熱抑制部材16Aが開口部13aを完全に覆い隠すことができる外形形状を有することが好ましい。このようにすることで、開口部13aから外部へ漏れ出た輻射熱がそのまま上方へ拡散するのを抑え、放熱を抑制することができる。
図2に、図1の単結晶製造装置の放熱抑制部材16Aを平面視したときの、開口部13aとの関係を示した。開口部13aは、放熱抑制部材16Aに隠れており、破線で示している。
開口部13aの形状、放熱抑制部材16Aの外形形状は共に円形としているが、特に限定されるものではないが、開口部13aは、その放熱抑制の観点から円形が好ましい。また、放熱抑制部材16Aは開口部13aを覆うことができれば特に限定されるものではないが、放熱抑制の効率性の観点からは、開口部13aと相似形が好ましい。
図2では、放熱抑制部材16Aの外径をR1、開口部13aの径をr1として表している。このとき、本実施の形態においては、放熱抑制部材16Aと開口部13aとを、R1>r1の関係を満たすように形成する。
また、放熱抑制部材16Aの外径は、開口部13aの径に対して1.1倍以上が好ましく、1.3倍以上がより好ましく、1.5倍以上がさらに好ましい。放熱抑制のためには、この倍率は大きい方が好ましいが、大きくしすぎると放熱抑制効果があまり変化しなくなり、単に製造コストが大きくなるだけであるため、2倍以下とするのが好ましい。
放熱抑制部材16Aを構成する材料は、炭素原子を含有する材料が好ましく、具体的には、カーボン材料が好ましい。カーボン材料としては、例えば、カーボンファイバーを樹脂で固めた後、樹脂を加熱により飛ばした断熱材や、カーボンを焼結したグラファイト材料等が挙げられる。
また、上記で断熱部材13と放熱抑制部材16Aとの間に隙間を設けることとしているが、さらに、種結晶30の下面が坩堝12に収容された溶液20の表面に接触させるとき(後述する(b)工程)、断熱部材13と放熱抑制部材16Aが接触しないように離間して配置することが好ましい。これは、溶液法による単結晶製造を行う際に、一般的にシードタッチ電流と呼ばれるシステムを利用しており、これを利用するには、結晶保持軸15や放熱抑制部材16Aが、断熱部材13や坩堝12等の炉内の他の部材と導通していない状態とする必要があるためである。
そして、図示していないが、単結晶製造装置100は、結晶保持軸15を所定のタイミングで上下方向に移動するように制御し、コイル14による誘導加熱を行うか否かを制御する、制御装置を有する。
<単結晶製造装置の動作(単結晶製造方法)>
次に、単結晶製造装置100の動作を説明する。図3、図4は、単結晶製造装置100の動作を説明するための図である。
なお、図3は、単結晶製造の準備段階を示した図であり、後述する(a)工程に相当する図である。図4は、単結晶製造を進行させている途中の状態を示した図であり、後述する(c)工程に相当する図である。また、すでに説明した図1は、後述する(b)工程に相当する図である。以下、図1、図3および図4を用いて、説明する。
まず、断熱部材の開口部13aを介して、断熱部材13の内部に、先端部に種結晶30が取り付けられた結晶保持軸15を配置する〔(a)工程、図3〕。このとき、図3では、坩堝の加熱が行われておらず、原料である嵩高い珪素粉末21が坩堝12内に収容されている図を示している。
そして、コイル14により誘導加熱を行い、坩堝12を加熱することにより、珪素粉末21を融解させて、液状とする。この加熱を継続していくと、坩堝12を構成する炭素原子が融解した珪素中に溶け込み、珪素と炭素を含む溶液となる。
溶液20が準備できたところで、結晶保持軸15をさらに下方向に移動(下降)させ、その先端部に取り付けられた種結晶30を、坩堝12に収容された溶液20の表面に接触させる〔(b)工程、図1〕。このとき、結晶保持軸15に保持された放熱抑制部材16Aは、断熱部材13の開口部13aを覆うように、その上方に配置される。このとき、断熱部材13と放熱抑制部材16Aは、隙間を確保するように配置される。
また、同時に、結晶保持軸15のフィン構造体15aは、坩堝12内の上から2つめの開口部に、フィン構造体15bは、断熱部材13の開口部13aに、それぞれ配置され、開口部の隙間の大部分を塞ぐようになる。
なお、この(b)工程において、種結晶30は、溶液20に接触させることができればよいが、特に、溶液20の表面に接触させて(種結晶30を溶液20内に潜らせずに)、すぐに(c)工程に移行することが望ましい。
次に、結晶保持軸15を上または下方向に移動させながら、あるいは接触させた位置で維持する〔(c)工程、図4〕。これにより、引き上げられる種結晶30の下面に炭化珪素単結晶40が成長する。このとき、結晶保持軸15に保持された放熱抑制部材16Aは、その上下動に合わせて移動する。一方、結晶成長を終了する場合、結晶保持軸15を引き上げて、炭化珪素単結晶40と溶液20とを隔離させる。これにより、炭化珪素単結晶40の成長を終了させる。
以上のようにして、単結晶製造装置100を動作させることにより、炭化珪素単結晶を製造することができる。なお、結晶保持軸15を引き上げて、炭化珪素単結晶40と溶液20とを隔離させることによって、結晶成長を終了すると記載したが、これに限らず、例えば、結晶保持軸15を引き上げる替わりに、坩堝保持軸17を引き下げることにより、炭化珪素単結晶40と溶液20とを隔離させて、結晶成長を終了することもできる。
上述した動作は、そのように動作させる制御部を設けることにより達成でき、単結晶製造装置100では、「溶液法」によって炭化珪素単結晶が製造される。
具体的には、制御部は、コイル14による誘導加熱、結晶保持軸15の上下方向への移動および回転、坩堝保持軸17の上下方向への移動および回転、などを制御し、上記単結晶製造方法が円滑に進行するように動作させる。
また、上記したように、結晶保持軸15の内部および坩堝保持軸17の内部には、それぞれ熱電対や放射温度計が設けられるが、制御部は、その温度を監視しながら、所定の単結晶製造条件を満たしたものとなっているかを確認しながら、結晶製造を行うようにしている。
さらに、上記したシードタッチシステムを使用する場合には、種結晶30の下面が坩堝12に収容された溶液20の表面に接触した際に流れる電流を検知するようになっており、この電流を検知したとき、制御部は、結晶保持軸15の下降を停止し、上記説明した(c)工程である単結晶成長の操作に切り替えるようにする。
〔第2の実施の形態〕
<単結晶製造装置の構成>
図5および図6は、本実施の形態における単結晶製造装置100の構成を示すとともに、単結晶製造方法を説明するための図である。
図5および図6において、単結晶製造装置100は、容器10と、台座11と、坩堝12と、断熱部材13と、コイル14と、種結晶30を取り付け可能な結晶保持軸15と、放熱抑制部材16Bと、坩堝保持軸17と、を有して構成されている。
ここで、本実施の形態においては、放熱抑制部材16Aの代わりに放熱抑制部材16Bを有する点が特徴であり、それ以外は、第1の実施の形態と同様の構成を有している。したがって、以下には、第1の実施の形態と同一の構成であるものは説明を省略し、異なる構成の部分を中心に説明する。
本実施の形態で、特徴的な構成は、放熱抑制部材16Bを有する点にある。この放熱抑制部材16Bは、フィン構造体15cの上に単に載置されており、フィン構造体15cにも、結晶保持軸15にも固定されていない。したがって、図5の場合、放熱抑制部材16Bはフィン構造体15cの上に載っているが、それより結晶保持軸15を下降させた図6の場合、放熱抑制部材16Bはフィン構造体15cから離れて、断熱部材13の上面に載置されることとなる。
また、図7は放熱抑制部材16Bの断面形状と、フィン構造体15cの形状との関係を説明する図であり、図8は図5の放熱抑制部材16Bを平面視したときのフィン構造体15cとの関係を説明する図である。これらの図に示したように、放熱抑制部材16Bは、平面視したときに円環状(ドーナツ状)の部材となっており、その外径をR1、内径をR2として表しており、この内径R2は、結晶保持軸15の中心軸の外径よりも大きくなるように形成されている。
放熱抑制部材16Bを、このような内径となるように形成しておくことで、後述するように、結晶成長を開始する際に、結晶保持軸15と放熱抑制部材16Bとの間に隙間を形成することができる。放熱抑制部材16Bにおいて、その他の構成は、放熱抑制部材16Aと同一のものとできる。
また、フィン構造体15cは、フィン構造体15bと同一の位置に同一の外形形状(平面視)を有して形成されているが、その上面には、凸部15caが形成されている点で異なる(図7)。
この凸部15caは、放熱抑制部材16Bの内径とほぼ同一の径R2を有するように形成されており、放熱抑制部材16Bの中心の空洞部分に嵌合して、放熱抑制部材16Bの中心と結晶保持軸15の中心軸とを合わせるように配置する作用を有する。これにより、フィン構造体15cと放熱抑制部材16Bが離れたとき、結晶保持軸15の中心軸と放熱抑制部材16Bとも離れて配置され、安全、確実に隙間を形成することができる。
<単結晶製造装置の動作(単結晶製造方法)>
この単結晶製造装置100の動作は、基本的に第1の実施の形態で説明した動作と同一である。すなわち、上記説明した、放熱抑制部材16Bとしたことにより、放熱抑制部材の配置構成が若干異なるが、それ以外は全く同一の動作により、単結晶の製造が実施される。
まず、断熱部材の開口部13aを介して、断熱部材13の内部に、先端部に種結晶30が取り付けられた結晶保持軸15を配置する〔(a)工程、図3〕。このとき、図3では、坩堝の加熱が行われておらず、原料である嵩高い珪素粉末21が坩堝12内に収容されている図を示している。
そして、コイル14により誘導加熱を行い、坩堝12を加熱することにより、珪素粉末21を融解させて、液状とする。この加熱を継続していくと、坩堝12を構成する炭素原子が融解した珪素中に溶け込み、珪素と炭素を含む溶液となる。
溶液20が準備できたところで、結晶保持軸15をさらに下方向に移動(下降)させ、その先端部に取り付けられた種結晶30を、坩堝12に収容された溶液20の表面に接触させる〔(b)工程、図5および図6〕。なお、図5は種結晶30の下面が、溶液20の表面に接触する直前の状態、図6は種結晶30の下面が、溶液20の表面に接触した状態、をそれぞれ示す図である。
このとき、図5で示す状態のときには、放熱抑制部材16Bは、結晶保持軸15に形成されたフィン構造体15cの上に載置された状態で保持されている。そして、さらに結晶保持軸15を下降させ、図6で示す状態のときには、放熱抑制部材16Bは、断熱部材13の存在により、それ以上下方への移動ができなくなり、断熱部材13の上面に載置される。また、フィン構造体15cは断熱部材13とは離れ、その下方(断熱部材13の上面よりも低い位置)に配置される。
この図6で示す状態においては、断熱部材13の開口部13aを覆うこととなり、断熱部材13の内部の温度を維持することができる。その際、フィン構造体15cと放熱抑制部材16Bの間には隙間が形成され、かつ、結晶保持軸15の中心軸と放熱抑制部材16Bの間においても隙間が形成されており、密閉状態とすることがないため、断熱部材13内の温度を所定の温度に調節することができる。
また、結晶保持軸15と放熱抑制部材16Bとの間に隙間を設けることとしているが、さらに、種結晶30の下面が坩堝12に収容された溶液20の表面に接触させるとき(後述する(b)工程)、結晶保持軸15と放熱抑制部材16Bが接触しないように離間して配置することが好ましい。これは、溶液法による単結晶製造を行う際に、一般的にシードタッチ電流と呼ばれるシステムを利用しており、これを利用するには、結晶保持軸15が、断熱部材13や坩堝12等の炉内の他の部材と導通していない状態とする必要があるためである。
次に、結晶保持軸15を上または下方向に移動させながら、あるいは接触させた位置で維持する。これにより、種結晶30の下面に炭化珪素単結晶40が成長する。結晶保持軸15を上昇させた場合には、断熱部材13に保持された放熱抑制部材16Bは、結晶保持軸15の上昇によりフィン構造体15cと接触した後、フィン構造体15cに保持される。このとき、放熱抑制部材16Bは断熱部材13とは離れる。その後、結晶成長を継続する場合、上記のように結晶保持軸15の軸方向移動または保持動作を継続する。一方、結晶成長を終了する場合、結晶保持軸15をさらに引き上げて、炭化珪素単結晶40と溶液20とを隔離させる。これにより、炭化珪素単結晶40の成長を終了させる。
以上のようにして、単結晶製造装置100を動作させることにより、炭化珪素単結晶を製造することができる。なお、結晶保持軸15を引き上げて、炭化珪素単結晶40と溶液20とを隔離させることによって、結晶成長を終了すると記載したが、これに限らず、例えば、結晶保持軸15を引き上げる替わりに、坩堝保持軸17を引き下げることにより、炭化珪素単結晶40と溶液20とを隔離させて、結晶成長を終了することもできる。
上述した動作は、そのように動作させる制御部を設けることにより達成でき、単結晶製造装置100では、「溶液法」によって炭化珪素単結晶が製造される。その他、第1の実施の形態で説明した方法は、本実施の形態においても適用できる。
以下、本実施の形態の単結晶製造装置および単結晶製造方法について、実施例を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明がこの実施例の記載に限定して解釈されるものでないことは言うまでもない。
第1の実施の形態で説明した図1、図3および図4で示した構成の単結晶製造装置を用い、炭化珪素からなる単結晶の製造操作を行った(実施例1)。
このとき用いた単結晶製造装置は、断熱部材13の開口部13aが直径18cmの円形で、放熱抑制部材16Aは、その外径が30cm、厚さ50mmの円板状であり、カーボンファイバーを用いた断熱材料で形成した部材を使用した。また、種結晶30の下面が溶液20の表面と接触したときの断熱部材13の上面と放熱抑制部材16Aとの間の距離は16mmとした。
また、比較例として、上記実施例1とは、放熱抑制部材16Aが無いこと以外は、同一の構成の単結晶製造装置を用い、同様の操作で炭化珪素からなる単結晶の製造操作を行った(比較例1)。
上記実施例1および比較例1において、製造時のコイル出力、結晶保持軸15の上方に設けた放射温度計および坩堝保持軸17の下方に設けた放射温度計のそれぞれで測定された上放射温度(測定位置P2における温度)と下放射温度(測定位置P1における温度)、その上下の温度差、ならびに単結晶製造における雑晶の付着の有無を調べ、それらの結果を表1にまとめて示した。
Figure 2023106896000002
この結果から、放熱抑制部材を設けることにより、断熱部材内の温度を維持し、単結晶成長における雑晶の付着を抑制でき、効率的に炭化珪素からなる単結晶を製造できることがわかった。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
10 容器
11 台座
12 坩堝
13 断熱部材
13a 開口部
14 コイル
15 結晶保持軸
15a,15b,15c フィン構造体
15ca 凸部
16A,16B 放熱抑制部材
17 坩堝保持軸
20 溶液
21 珪素粉末
30 種結晶
40 炭化珪素単結晶
100 単結晶製造装置
P1,P2 温度の測定位置

Claims (12)

  1. (a)断熱部材の開口部を介して、前記断熱部材の内部に、先端部に種結晶が取り付けられた結晶保持軸を配置する工程と、
    (b)前記結晶保持軸を下方向に移動させることにより、前記種結晶の下面を坩堝に収容された炭素と珪素とを含む溶液に接触させる工程と、
    (c)前記結晶保持軸を上または下方向に移動させながら、あるいは接触させた位置を維持したまま、前記種結晶の下面に炭化珪素からなる単結晶を成長させる工程と、
    を備える、単結晶製造方法であって、
    前記結晶保持軸に、前記開口部の径よりも外径が大きい放熱抑制部材を設け、
    前記(b)工程において、前記放熱抑制部材は、前記断熱部材と前記放熱抑制部材との間または前記放熱抑制部材と前記結晶保持軸との間に隙間を確保しつつ、前記開口部を覆う、単結晶製造方法。
  2. 請求項1に記載の単結晶製造方法において、
    前記(b)工程において、前記放熱抑制部材は、前記結晶保持軸に保持された状態で、前記断熱部材と前記放熱抑制部材との間に隙間を確保しつつ、前記開口部を覆う、単結晶製造方法。
  3. 請求項1に記載の単結晶製造方法において、
    前記(b)工程において、前記放熱抑制部材は、前記断熱部材の上面に載置された状態で、前記放熱抑制部材と前記結晶保持軸との間に隙間を確保しつつ、前記開口部を覆う、単結晶製造方法。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の単結晶製造方法において、
    前記放熱抑制部材は、炭素原子を含有する材料で構成される、単結晶製造方法。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の単結晶製造方法において、
    前記(b)工程において、前記放熱抑制部材は、前記断熱部材および前記結晶保持軸のいずれか一方の部材と接触し、他方の部材とは接触していない、単結晶製造方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の単結晶製造方法において、
    前記結晶保持軸の先端部の温度と坩堝底面の温度との差が、20℃以下である、単結晶製造方法。
  7. 炭素と珪素を含む溶液を収容する坩堝を内部に載置可能であり、上部に開口部を有する断熱部材と、
    前記開口部を介して、前記断熱部材の内部を上下動可能に配置され、先端部に種結晶を取り付け可能な結晶保持軸と、
    を備える、単結晶製造装置であって、
    前記開口部の径よりも外径が大きい放熱抑制部材を有し、
    該放熱抑制部材は、前記結晶保持軸に保持され、かつ、前記結晶保持軸の先端部に取り付けられた前記種結晶の下面を、前記坩堝内の前記溶液と接触させたとき、前記断熱部材と前記放熱抑制部材との間または前記放熱抑制部材と前記結晶保持軸との間に隙間を確保しつつ、前記開口部を覆うことができる、単結晶製造装置。
  8. 請求項7に記載の単結晶製造装置において、
    前記放熱抑制部材は、前記結晶保持軸に保持された状態で、前記断熱部材と前記放熱抑制部材との間に隙間を確保しつつ、前記開口部を覆うことができる、単結晶製造装置。
  9. 請求項7に記載の単結晶製造装置において、
    前記放熱抑制部材は、前記断熱部材の上面に載置された状態で、前記放熱抑制部材と前記結晶保持軸との間に隙間を確保しつつ、前記開口部を覆うことができる、単結晶製造装置。
  10. 請求項7~9のいずれか1項に記載の単結晶製造装置において、
    前記放熱抑制部材は、炭素原子を含有する材料で構成される、単結晶製造装置。
  11. 請求項7~10のいずれか1項に記載の単結晶製造装置において、
    前記放熱抑制部材は、前記種結晶が前記溶液に接触したとき、前記断熱部材および前記結晶保持軸のいずれか一方の部材と接触し、他方の部材とは接触しないように構成されている、単結晶製造装置。
  12. 請求項7~11のいずれか1項に記載の単結晶製造装置において、
    前記結晶保持軸は、前記放熱抑制部材を保持する水平方向に延びるフィン構造体を有し、
    前記フィン構造体は、前記結晶保持軸の先端部に取り付けられた前記種結晶の下面を、前記坩堝内の前記溶液と接触させたとき、前記開口部を有する前記断熱部材の上面よりも低い位置に配置される、単結晶製造装置。
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