JP2023105782A - 発光素子及び発光素子の製造方法 - Google Patents

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耕司 朝田
Koji Asada
卓也 岡田
Takuya Okada
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Abstract

【課題】高い光取り出し効率を有する発光素子及び発光素子の製造方法を提供する。【解決手段】それぞれが窒化物半導体からなる、n側層と、p側層と、n側層とp側層の間に位置し紫外線を発する活性層と、を含む半導体構造体と、n側層に電気的に接続されるn電極と、p側層に電気的に接続されるp電極と、を含み、活性層は、Alを含む井戸層と、Alを含む障壁層と、井戸層の側面と障壁層の側面とを含む孔部と、を有し、p側層は、Alを含む第1層と、Alを含み、第1層上に配置され、井戸層の側面に接して配置される第2層と、第2層上に配置される第3層と、を有し、第3層の厚さは、第1層の厚さよりも薄く、第2層のAl組成比と、井戸層のAl組成比との差は10%以下であり、第3層は、第2層のAl組成比よりも低いAl組成比である層、又は、Alを含まない層であり、p電極は、第3層上に配置される発光素子。【選択図】図1

Description

本発明は、発光素子及び発光素子の製造方法に関する。
特許文献1には、複数の窒化物半導体からなる層を有し、深紫外光を発する発光素子が開示されている。このような発光素子において、光取り出し効率を向上することが望まれる。
特開2019-54122号公報
本発明の一実施形態は、高い光取り出し効率を有する発光素子及び発光素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係る発光素子は、それぞれが窒化物半導体からなる、n側層と、p側層と、n側層とp側層の間に位置し紫外線を発する活性層と、を含む半導体構造体と、
前記n側層に電気的に接続されるn電極と、前記p側層に電気的に接続されるp電極と、を含み、前記活性層は、Alを含む井戸層と、Alを含む障壁層と、前記井戸層の側面と前記障壁層の側面とを含む孔部と、を有し、前記p側層は、Alを含む第1層と、Alを含み、前記第1層上に配置され、前記井戸層の前記側面に接して配置される第2層と、前記第2層上に配置される第3層と、を有し、前記第3層の厚さは、前記第1層の厚さよりも薄く、前記第2層のAl組成比と、前記井戸層のAl組成比との差は10%以下であり、前記第3層は、前記第2層のAl組成比よりも低いAl組成比である層、又は、Alを含まない層であり、前記p電極は、前記第3層上に配置される。
本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法は、窒化物半導体からなるn側層を形成する工程と、前記n側層上に、それぞれが窒化物半導体からなる、Alを含む井戸層と、Alを含む障壁層と、前記井戸層の側面と前記障壁層の側面とを含む孔部と、を有し、紫外線を発する活性層を形成する工程と、前記活性層上に、それぞれが窒化物半導体からなる、Alを含む第1層と、Alを含み、前記井戸層のAl組成比との差が10%以下である第2層と、前記第1層の厚さより薄く、前記第2層のAl組成比よりも低いAl組成比である層、又は、Alを含まない層である第3層と、を有するp側層を形成する工程と、前記n側層に電気的に接続されるn電極を形成する工程と、前記p側層の前記第3層に電気的に接続されるp電極を形成する工程と、を含み、前記p側層を形成する工程は、前記活性層上に前記第1層を形成する工程と、前記第1層上と前記井戸層の前記側面とに接するように前記第2層を形成する工程と、前記第2層上に前記第3層を形成する工程と、を有する。
本発明の一実施形態によれば、高い光取り出し効率を有する発光素子及び発光素子の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る発光素子の構成を示す模式断面図である。 本発明の一実施形態に係る発光素子の構成を示す模式断面図である。 本発明の一実施形態の変形例に係る発光素子の構成を示す模式断面図である。 本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明するための模式断面図である。 本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明するための模式断面図である。 本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明するための模式断面図である。 本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明するための模式断面図である。 本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明するための模式断面図である。 本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明するための模式断面図である。 本発明の一実施形態に係る発光素子の製造方法を説明するための模式断面図である。
以下、本発明に係る発光素子の実施形態について説明する。なお、以下の説明において参照する図面は、本発明を概略的に示したものであるため、各部材のスケールや間隔、位置関係等が誇張、あるいは、部材の一部の図示が省略されている場合がある。また、以下の説明では、同一の名称及び符号については原則として同一又は同質の部材を示しており、詳細な説明を適宜省略することとする。
図1は、発光素子1の模式断面図である。図2は、半導体構造体100の一部を拡大して示す模式断面図である。図1、2に示すように、発光素子1は、基板10と、基板10上に配置された半導体構造体100を有する。半導体構造体100は、それぞれが窒化物半導体からなる、n側層20と、p側層50と、n側層20とp側層50との間に位置し紫外線を発する活性層30と、を含む。また、半導体構造体100は、基板10とn側層20との間に位置するバッファ層11及び超格子層12と、活性層30とp側層50との間に位置する電子ブロック層40と、を含む。発光素子1は、n側層20に電気的に接続されたn電極60と、p側層50に電気的に接続されたp電極70と、を有する。
基板10の材料は、例えば、サファイア、シリコン(Si)、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)等を用いることができる。サファイアからなる基板10は、活性層30からの紫外線に対して高い透光性を有するため好ましい。半導体構造体100は、例えば、サファイア基板のc面に配置することができ、サファイア基板のc面からサファイア基板のa軸方向又はm軸方向に0.2°以上2°以下の範囲で傾斜した面に配置することが好ましい。基板10の厚さは、例えば、150μm以上800μm以下とすることができる。発光素子1は、基板10を有していなくてよい。
半導体構造体100は、窒化物半導体からなる複数の半導体層が積層された積層体である。窒化物半導体は、InAlGa1-x-yN(0≦x≦1,0≦y≦1,x+y≦1)からなる化学式において組成比x及びyをそれぞれの範囲内で変化させた全ての組成の半導体を含む。
バッファ層11には、例えば、AlNからなる層を用いることができる。バッファ層11は、基板10と、バッファ層11上に配置される窒化物半導体層との格子不整合を緩和する機能を有する。バッファ層11の厚さは、例えば、0.5μm以上4μm以下とすることができ、1.5μm以上4μm以下とすることが好ましい。なお、本明細書において各半導体層の厚さとは、半導体構造体100の積層方向における厚さである。
超格子層12は、第1半導体層と、第1半導体層と格子定数が異なる第2半導体層とが交互に積層された多層構造を有する。超格子層12は、超格子層12よりも上に配置される半導体層に生じる応力を緩和する機能を有する。超格子層12は、例えば、AlN層と窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)層とが交互に積層された多層構造とすることができる。超格子層12において、第1半導体層と第2半導体層とのペア数は、20ペア以上50ペア以下とすることができる。第1半導体層をAlGaN層とし、第2半導体層をAlN層とする場合、第1半導体層の厚さを5nm以上30nm以下、第2半導体層の厚さを5nm以上30nm以下とすることができる。
n側層20は、1以上のn型半導体層を含む。n型半導体層としては、シリコン(Si)やゲルマニウム(Ge)等のn型不純物を含有する半導体層が挙げられる。n型半導体層は、例えば、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)及び窒素(N)を含むAlGaN層であり、インジウム(In)を含んでいてもよい。例えば、Siをn型不純物として含むn型半導体層のn型不純物濃度は、5×1018/cm以上1×1020/cm以下である。n側層20は、電子を供給する機能を有していればよく、アンドープの層を含んでいてもよい。ここで、アンドープの層とは、n型不純物やp型不純物を意図的にドープしていない層である。アンドープの層がn型不純物及び/又はp型不純物を意図的にドープした層と隣接している場合は、その隣接した層からの拡散等によって、アンドープの層にn型不純物及び/又はp型不純物が含まれる場合がある。
図1に示すようにn側層20は、下地層21と、nコンタクト層22とを含む。下地層21は、超格子層12とnコンタクト層22との間に配置される。nコンタクト層22は、下地層21と活性層30との間に配置される。
下地層21は、例えば、アンドープのAlGaN層を用いることができる。下地層21をAlGaN層とする場合、AlGaN層のAl組成比は、例えば、50%以上とすることができる。
nコンタクト層22は、例えば、n型不純物が含有されたAlGaNからなる層を用いることができる。nコンタクト層をAlGaN層とする場合、AlGaN層のAl組成比は、例えば、50%以上とすることができる。なお、本明細書において、例えば、Al組成比が50%であるAlGaN層とは、AlGa1-XNからなる化学式において、組成比xが0.5であるAlGaN層のことを意味する。nコンタクト層22のn型不純物濃度は、例えば、5×1018/cm以上1×1020/cm以下とすることができる。nコンタクト層22の厚さは、下地層21の厚さよりも厚い。nコンタクト層22の厚さは、例えば、1.5μm以上4μm以下とすることができる。nコンタクト層22は、他の半導体層が配置されていない上面を有する。他の半導体層が配置されていないnコンタクト層22の上面に、n電極60が配置される。
活性層30は、n側層20とp側層50との間に配置されている。活性層30は、紫外線を発する。活性層30が発する紫外線の発光ピーク波長は、例えば、220nm以上350nmである。
活性層30は、Alを含む井戸層31と、Alを含む障壁層32と、井戸層31の側面と障壁層32の側面とを含む孔部と、を有する。活性層30の孔部は、例えば、活性層31を形成するときに形成されるVピットである。活性層30の孔部は、例えば、活性層30を貫通する貫通孔であってよいし、障壁層32の一部が底部となる孔部であってもよい。活性層30は、例えば、複数の井戸層31と、複数の障壁層32とを含む多重量子井戸構造を有する。障壁層32のAl組成比は、井戸層31のAl組成比よりも大きい。つまり、障壁層32のバンドギャップエネルギーは、井戸層31のバンドギャップエネルギーよりも大きい。Alを含む井戸層31から、その井戸層31のバンドギャップエネルギーに応じた発光波長の光が出射される。なお、活性層30は、複数の井戸層31を含む多重量子井戸構造に限定されず、単一量子井戸構造としてもよい。また、図2においては、活性層30の最下層を障壁層32としているが、活性層30の最下層を井戸層31としてもよい。また、活性層30の最上層を井戸層31としているが、活性層30の最上層を障壁層32としてもよい。
井戸層31には、例えば、AlGaNからなる層を用いることができる。障壁層32には、例えば、AlGaNからなる層を用いることができる。井戸層31のAl組成比は、例えば、10%以上とすることができ、具体的には10%以上50%以下とすることができ、さらに具体的には30%以上50%以下とすることができる。井戸層31からの光の発光ピーク波長を280nm程度とする場合、井戸層31にはAl組成比が42%程度のAlGaN層を用いることができる。障壁層32のAl組成比は、例えば、10%以上とすることができ、具体的には10%以上60%以下とすることができ、さらに具体的には30%以上60%以下とすることができる。
井戸層31の厚さは、例えば、3nm以上6nm以下とすることができる。障壁層32の厚さは、例えば、2nm以上4nm以下である。発光に寄与する半導体層の体積を大きくするという観点から、井戸層31の厚さは、障壁層32の厚さよりも厚くすることが好ましい。井戸層31の厚さは、障壁層32の厚さの1.5倍以上2倍以下とすることができる。井戸層31及び障壁層32の少なくとも一部に、n型不純物及び/又はp型不純物を含有してもよい。
Vピット33は、活性層30、電子ブロック層40、及びp側層50の一部に連続して配置されている。本実施形態では、Vピット33は、井戸層31の側面と、障壁層32の側面と、電子ブロック層40の側面と、第4層54の側面と、第1層51の側面と、を含む面により規定される。Vピット33は、半導体構造体100を成長させる際に形成され、Vピット33が形成された部分に対応する半導体構造体100の表面には凹部が形成される。半導体構造体100には、複数のVピット33が配置される。上面視において、Vピット33の形状は、例えば、円形、楕円形、六角形である。上面視において、Vピット33の直径は、例えば、30nm以上100nm以下である。1つのVピット33は、例えば、n側層20側からp側層50に向かって径が増大する円錐形状、楕円錐形状、多角錐形状等である。Vピット33は、例えば、基板10に半導体構造体100をエピタキシャル成長する際に形成される。
電子ブロック層40は、n側層20から供給される電子のオーバーフローを低減するために配置する。電子ブロック層40は、Alを含む複数の半導体層を有する多層構造とすることができる。電子ブロック層40には、例えば、活性層30側から順に、AlN層、第1のAlGaN層、及び第2のAlGaN層を有する多層構造とすることができる。第1のAlGaN層のAl組成比は、第2のAlGaN層のAl組成比よりも低く、井戸層31のAl組成比よりも高い。電子ブロック層40には、障壁層32のAl組成比よりも高いAl組成比を有する半導体層を用いる。これにより、電子のオーバーフローを低減することができる。電子ブロック層40には、例えば、アンドープのAlGaN層、アンドープのAlN層等を用いることができる。電子ブロック層40の総厚さは、例えば、5nm以上15nm以下とすることができる。
一般的に、井戸層31からの光が半導体層により吸収されることを低減し光取り出し効率を向上させるためには、p側層50に井戸層31からの光に対して高い透光性を有する半導体層を用いることが好ましい。例えば、井戸層31のAl組成比よりも高いAl組成比を有するAlGaN層をp側層50に用いることで、井戸層31からの光がp側層50により吸収されにくくすることができる。しかしながら、高いAl組成比を有するAlGaN層は、GaN層等に比べてバンドギャップエネルギーが大きい。そのため、高いAl組成比を有するAlGaN層をp側層50に用いると、p側層50のp型化が不十分となる、あるいはp電極70とp側層50とによる接触抵抗が大きくなる、といったことが生じやすい。これらのことから、比較的高いAl組成比からなるAlGaN層を井戸層31として用いる発光素子においては、高い光取り出し効率と低い順方向電圧Vfとを両立することが難しい。本実施形態では、以下のようなp側層50を有することにより、高い光取り出し効率と低い順方向電圧Vfを有する発光素子1とすることができる。
p側層50は、1以上のp型半導体層を含む。p型半導体層としては、マグネシウム(Mg)等のp型不純物を含有する半導体層が挙げられる。図2に示すように、p側層50は、活性層30側から順に、第1層51と、第2層52と、第3層53と、を有する。p側層50は、さらに、電子ブロック層40と第1層51との間に配置される第4層54を有する。第1層51は、Alを含む。第2層は、Alを含み、第1層51上に配置され、井戸層31の側面に接して配置される。第3層53は、第2層52上に配置される。第4層54は、Alを含む。
第2層52のAl組成比と、井戸層31のAl組成比との差は10%以下である。これにより、第2層52による光吸収を低減しつつ、Vピット33に位置する井戸層31の側面からの光を、井戸層31の側面に接して配置された第2層52を伝搬させ、p側層50側に取り出しやすくすることができる。そのため、高い光取り出し効率を有する発光素子1とすることができる。
第3層53の厚さは、第1層51の厚さよりも薄い。また、第3層53は、第2層52のAl組成比よりも低いAl組成比である層、又は、Alを含まない層である。そして、p電極70は、第3層53に配置される。これにより、第3層53による光吸収を低減しつつ、p電極70と第3層53とによる接触抵抗を小さくすることができる。そのため、光取り出し効率の悪化を低減しつつ、順方向電圧Vfを低くすることができる。
以上のように、本実施形態によれば、高い光取り出し効率を有する発光素子1とすることができる。また、順方向電圧Vfを低くすることができる。
第2層52は、第1層51の上面と、第4層54の側面と、電子ブロック層40の側面と、井戸層31の側面と、障壁層32の側面とに連続して配置されている。Vピット33に位置する各半導体層の側面は、第2層52により被覆され、第2層52の表面にはVピット33の形状に対応する凹みが形成される。第2層52上に配置される第3層53の表面状態を平坦に近づけるために、断面視において、第2層52の表面に形成される凹みの深さは、Vピット33の深さよりも小さいことが好ましい。なお、本実施形態では、図2に示すように、第3層53により第2層52の上面がすべて被覆されているが、これに限定されない。例えば、p電極70と第3層53とによる接触抵抗が悪化しない程度に、第2層52の上面の一部が第3層53から露出していてもよい。
第3層53の厚さは、第2層52の厚さ以下であることが好ましい。例えば、第1層51の上方に位置する第3層53の厚さは、第2層52の厚さ以下であることが好ましい。これにより、第3層53による光吸収を低減することができる。第2層52の厚さは、第1層51の厚さよりも薄くすることが好ましい。これにより、第2層52による光吸収を低減することができる。
第1層51の厚さは、例えば、20nm以上40nm以下とすることができる。第2層52の厚さは、例えば、3nm以上20nm以下とすることが好ましく、3nm以上15nm以下とすることがさらに好ましい。第2層52の厚さを3nm以上とすることで、Vピット33を埋め込みやすくできる。第2層52の厚さを20nm以下とすることで、第2層52による光吸収を低減することができる。第3層53の厚さは、例えば、3nm以上20nm以下とすることが好ましく、3nm以上15nm以下とすることがさらに好ましい。第3層53の厚さを3nm以上とすることで、p電極70と第3層53とによる接触抵抗を低減する効果を得やすくできる。第3層53の厚さを20nm以下とすることで、第3層53による光吸収を低減することができる。
第1層51、第2層52、及び第3層53は、p型不純物を含む。第2層52のp型不純物濃度及び第3層53のp型不純物濃度は、第1層51のp型不純物濃度よりも高いことが好ましい。p電極70が配置される第3層53の周辺におけるp型不純物濃度を高くすることで、p側層50から活性層30にホールを供給しやすくし、発光素子1の発光効率を向上させることができる。
第3層53のp型不純物濃度は、第2層52のp型不純物濃度よりも高くすることが好ましい。p電極70が配置される第3層53のp型不純物濃度を高くすることで、p側層50から活性層30にホールを供給しやすくし、発光素子1の発光効率を高くすることができる。第3層53のp型不純物濃度は、第4層54のp型不純物濃度よりも高い。
第1層51、第2層52、第3層53、及び第4層54のp型不純物濃度は、例えば、1×1019/cm以上1×1021/cm以下である。
第1層51のAl組成比は、第2層52のAl組成比よりも高いことが好ましい。第2層52よりも活性層30の近くに位置する第1層51のAl組成比を第2層52のAl組成比よりも高くし第1層51による光吸収を低減することで、光取り出し効率を向上させることができる。
第1層51は、例えば、活性層30側から第2層52側に向かってAl組成比を減少させた組成傾斜層としてもよい。これにより、第1層51を一定のAl組成比を有する半導体層とする場合に比べて、第1層51のうちAl組成比が高い部分が減少することで順方向電圧Vfを低減することができる。例えば、第1層51のうち活性層30側に位置する部分のAl組成比と、第1層51のうち第2層52側に位置する部分のAl組成比との差は、20%以上60%以下とすることができる。具体的には、組成傾斜層のうち活性層30側に位置する部分のAl組成比を40%以上70%以下とし、組成傾斜層のうち第2層52側に位置する部分のAl組成比を、0%以上20%以下とすることができる。また、第1層51の一部をAl組成比を減少させた組成傾斜層としてもよい。これにより、第1層51の全体を組成傾斜層とする場合に比べて、Al組成比が低くなる部分が減少するため、第1層51による光吸収を低減させることができる。例えば、第1層51のうち第2層52側に位置する部分のみを組成傾斜層とすることができる。第1層51のうち組成傾斜層とする部分は、例えば、第1層51の厚さに対して、3%以上20%以下とすることができる。第1層51のうち組成傾斜層とする部分は、例えば、1nm以上30nm以下とすることができる。
第2層52のAl組成比は、井戸層31のAl組成比よりも高いことが好ましい。これにより、第2層52による光吸収をさらに低減でき、井戸層31の側面からの光が第2層52をより伝搬しやすくできるため光取り出し効率を向上することができる。
第1層51のAl組成比は、例えば、50%以上70%以下とすることが好ましく、50%以上60%以下とすることがさらに好ましい。第2層52のAl組成比は、例えば、30%以上60%以下とすることが好ましく、35%以上55%以下とすることがより好ましく、40%以上55%以下とすることがさらに好ましい。第2層52のAl組成比を30%以上とすることで、第2層52による光吸収を低減することができる。第2層52のAl組成比を60%以下とすることで、第2層52によるバルク抵抗を低減し順方向電圧Vfの悪化を低減することができる。第3層53のAl組成比は、例えば、3%以下とすることが好ましい。これにより、第3層53におけるp型化を促進させ、発光効率を向上させることができる。
第1層51は、例えば、窒化アルミニウムガリウムからなる。第2層52は、例えば、窒化アルミニウムガリウムからなる。第3層53は、例えば、窒化ガリウム、又は窒化アルミニウムガリウムからなる。第4層54は、例えば、窒化アルミニウムガリウムからなる。第1層51、第2層52、第3層53、及び第4層54は、Inを含んでもよい。
第4層54の厚さは、第3層53の厚さよりも厚い。第4層54の厚さは、例えば、60nm以上100nm以下とすることできる。第4層54のAl組成比は、第1層51のAl組成比も高く、第4層54と接する電子ブロック層40の半導体層(第2のAlGaN層)のAl組成比よりも低い。これにより、p電極70側からのホールを活性層30に供給しやすくできる。第4層54のAl組成比は、例えば、50%以上70%以下とすることが好ましく、60%以上70%以下とすることがさらに好ましい
n電極60は、nコンタクト層22上に配置され、n側層20と電気的に接続される。p電極70は、p側層50の第3層53上に配置され、p側層50と電気的に接続される。
n電極60には、例えば、Ag、Al、Ni、Au、Rh、Ti、Pt、Mo、Ta、W、Ru等の金属、又はこれらの金属を主成分とする合金を用いることができる。n電極60は、例えば、nコンタクト層22側から順に、Ti層と、Al合金層と、Ta層と、Ru層と、含む多層構造とすることができる。
p電極70には、例えば、上述したn電極60と同様の金属を用いることができる。活性層30からp電極70側に向かう光を、p電極70によりn側層20側に反射させる機能を有するp電極70とする場合には、p電極70のうち第3層53と接する金属層を活性層30からの光に対して高い反射率を有する金属層とすることが好ましい。例えば、活性層30からの光に対して、70%以上の反射率、好ましくは80%以上の反射率を有する金属層を用いることが好ましい。このような金属層として、例えば、Rh層、Ru層を用いることが好ましい。p電極70は、例えば、Rh層と、Au層と、Ni層と、Ti層と、を含む多層構造、あるいはRu層と、Au層と、Ni層と、Ti層と、を含む多層構造とすることができる。
n電極60とp電極70との間に、順方向電圧を印加すると、p側層50とn側層20との間に順方向電圧が印加され、活性層30にホールおよび電子が供給されることで活性層30が発光する。
なお、本実施形態では、図2に示すように、第2層52が2つの井戸層31の側面に接しているが、これに限定されない。図3は、本実施形態の変形例を示す模式断面図である。図3に示すように、活性層30が複数の井戸層31を含む場合、第2層52は、複数の井戸層31のうち最もp側層50の近くに位置する井戸層31の側面を少なくとも接していればよい。図3に示すように、複数の井戸層31の側面のうちn側層20側に位置する井戸層31の側面は、第2層52から露出している。複数の井戸層31のうち最もp側層50の近くに位置する井戸層31は、他の井戸層31に比べて強く発光しやすい。そのため、第2層52を、複数の井戸層31のうち最もp側層50の近くに位置する井戸層31の側面に少なくとも接して配置することで、上述した光取り出し効率を向上させる効果を効率よく得ることができる。
以下、図4~図10を参照して、本実施形態に係る発光素子の製造方法について説明する。
本実施形態の発光素子の製造方法は、窒化物半導体からなるn側層20を形成する工程と、n側層20上に、活性層30を形成する工程と、活性層30上に、p側層50を形成する工程と、n側層20に電気的に接続されるn電極60を形成する工程と、p側層50に電気的に接続されるp電極70を形成する工程と、を含む。p側層50を形成する工程は、活性層30上に第1層51を形成する工程と、第1層51上と井戸層31の側面とに接するように第2層52を形成する工程と、第2層52上に第3層53を形成する工程と、を有する。
まず、図4に示すように、例えば、サファイアからなる基板10のc面上にAlNからなるバッファ層11を形成する工程を行う。バッファ層11は、例えば、有機金属気相成長(MOCVD)法等により形成する。なお、後述する各半導体層は、例えば、MOCVD法によりエピタキシャル成長されることで形成することができる。
次に、図5に示すように、バッファ層11上に、超格子層12を形成する工程を行う。超格子層12は、第1半導体層と、第1半導体層と格子定数が異なる第2半導体層とを交互に成長させることで形成する。第1半導体層は、例えば、原料ガスにトリメチルアルミニウム(TMA)ガス、アンモニアガスを用い、キャリアガスとして主に水素(H)ガスを用いてAlN層を成長させることで形成する。第2半導体層は、例えば、原料ガスにTMAガス、トリメチルガリウム(TMG)ガス、アンモニアガスを用い、キャリアガスとして主に水素ガスを用いてAlGaN層を成長させることで形成する。超格子層12の各層は、例えば、温度を1000℃以上1250℃以下として形成することができる。
次に、図6に示すように、超格子層12上に、下地層21とnコンタクト層22とを含むn側層20を形成する工程を行う。下地層21は、例えば、原料ガスにTMAガス、TMGガス、アンモニアガスを用い、キャリアガスとして主に水素ガスを用いてAlGaN層を成長させることで形成する。nコンタクト層22は、例えば、原料ガスにTMAガス、TMGガス、アンモニアガスを用い、n型不純物ガスとしてモノシラン(SiH)ガスを用い、キャリアガスとして主に水素ガスを用いてn型不純物を含むAlGaN層を成長させることで形成する。n側層20の各層は、例えば、温度を1000℃以上1250℃以下として形成することができる。
次に、図7に示すように、n側層20上に、井戸層31と障壁層32とを含む活性層30を形成する工程を行う。井戸層31は、例えば、原料ガスにTMAガス、TMGガス、アンモニアガスを用い、キャリアガスとして主に窒素ガスを用いてAlGaN層を成長させることで形成する。障壁層32は、例えば、原料ガスにTMAガス、TMGガス、アンモニアガスを用い、キャリアガスとして主に窒素ガスを用いてAlGaN層を成長させることで形成する。例えば、井戸層31と障壁層32とを交互に成長させることで、複数の井戸層31と複数の障壁層32とを含む活性層30を形成する。障壁層32を形成する工程において、n型不純物ガスとしてSiHガスを用いて、n型不純物を含ませてもよい。活性層30の各層は、例えば、温度を850℃以上1050℃以下として形成することができる。
図7に示すように、活性層を形成する工程により、複数の井戸層31の側面と、複数の障壁層32の側面とを含む孔部が活性層30に形成される。活性層30を形成する工程において、実質的に水素ガスを含まないキャリアガスを用いることが好ましい。これにより、孔部が埋まりにくくなり、井戸層31の側面が露出された状態で活性層30を形成しやすい。
次に、図8に示すように、活性層30上に、電子ブロック層40を形成する工程を行う。電子ブロック層40は、AlN層、第1のAlGaN層、及び第2のAlGaN層を含むように形成する。電子ブロック層40のAlN層は、例えば、原料ガスにTMAガス、アンモニアガスを用い、キャリアガスとして主に窒素ガスを用いることで形成する。電子ブロック層40の第1のAlGaN層は、例えば、原料ガスにTMAガス、TMGガス、アンモニアガスを用い、キャリアガスとして窒素ガスを用いることで形成する。電子ブロック層40の第2のAlGaN層は、例えば、原料ガスにTMAガス、TMGガス、アンモニアガスを用い、キャリアガスとして主に窒素ガスを用いることで形成する。例えば、第2のAlGaN層を形成する工程において、Alの原料ガスであるTMAガスの流量比を、第1のAlGaN層を形成する工程におけるTMAガスの流量比よりも大きくする。これにより、第2のAlGaN層のAl組成比を、第1のAlGaN層のAl組成比よりも高くなるように形成する。電子ブロック層40の各層は、例えば、温度を750℃以上950℃以下として形成することができる。
図8に示すように、電子ブロック層40は、活性層30の孔部内に形成されないように形成することで、活性層30の孔部が形成されていない活性層30上に形成される。電子ブロック層40を形成する工程において、実質的に水素ガスを含まないキャリアガスを用いることが好ましい。これにより、活性層30の孔部が埋まりにくくなり、電子ブロック層40を、井戸層31の側面が電子ブロック層40から露出された状態で形成しやすい。
次に、図9及び図10に示すように、電子ブロック層40上に、p側層50を形成する工程を行う。p側層50は、第4層54、第1層51、第2層52、及び第3層53を活性層30側から順に成長させることで形成する。第1層51、第2層52、第3層53、及び第4層54は、例えば、原料ガスとしてTMAガス、TMGガス、アンモニアガスを用い、p型不純物ガスとしてシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)ガスを用い、p型不純物としてMgを含むAlGaN層を成長させることでそれぞれ形成する。p側層50の各層は、例えば、温度を750℃以上950℃以下として形成することができる。
図9に示すように、第4層54は、活性層30の孔部内に形成されないように形成することで、活性層30の孔部が形成されていない電子ブロック層40上に形成される。第4層54を形成する工程において、実質的に水素ガスを含まないキャリアガスを用いることが好ましい。これにより、活性層30の孔部が埋まりにくくなり、第4層54を、井戸層31の側面が電子ブロック層40から露出された状態で形成しやすい。
図9に示すように、第1層51は、活性層30の孔部内に形成されないように形成することで、活性層30の孔部が形成されていない第4層54上に形成される。第4層54を形成する工程においても、第4層54を形成する工程と同様に、実質的に水素ガスを含まないキャリアガスを用いることが好ましい。これにより、活性層30の孔部が埋まりにくくなり、第4層54を、井戸層31の側面が第4層54から露出された状態で形成しやすい。
図10に示すように、第2層52を形成する工程において、第2層52は井戸層31の側面に接するように形成され、Vピット33は第2層52により埋め込まれる。第2層52を形成するときの成長レートは、第1層51を形成するときの成長レートよりも遅くすることが好ましい。例えば、第2層52を形成するときの原料ガスであるアンモニアガスの流量比を、第1層51を形成するときの原料ガスであるアンモニアガスの流量比よりも低くすることで成長レートを遅くすることができる。これにより、Vピット33が第2層52により埋まりやすくなるようになるため、第2層52を井戸層31の側面に接するように形成させやすくできる。また、第3層53が形成される第2層52の上面の表面状態を平坦に近づけることができるので、第3層53の結晶性を向上することができる。
第3層53を形成するときの成長レートは、第1層51を形成するときの成長レートよりも遅くすることが好ましい。例えば、第3層53を形成するときの原料ガスであるアンモニアガスの流量比を、第1層51を形成するときの原料ガスであるアンモニアガスの流量比よりも低くすることで成長レートを遅くすることができる。これにより、第3層53の上面の表面状態を第2層52の上面よりも平坦に近い表面状態とすることできる。その結果、第3層53とp電極70とが電気的に接続されやすくなるため、順方向電圧Vfを低減させることができる。
第2層52を形成する工程におけるp型不純物ガスの流量比は、第1層51を形成する工程におけるp型不純物ガスの流量比よりも高いことが好ましい。これにより、Vピット33が第2層52により埋まりやすくなるため、第2層52を井戸層31の側面に接するように形成させやすくできる。
第3層53を形成する工程におけるp型不純物ガスの流量比は、第1層51を形成する工程におけるp型不純物ガスの流量比よりも高いことが好ましい。これにより、第3層53の上面の表面状態を第2層52の上面よりも平坦に近い表面状態とすることできる。
各半導体層を成長させて形成した後、窒素雰囲中の反応容器内において、例えば、400℃以上550℃の範囲の温度で熱処理を行う。
熱処理後、p側層50の一部、電子ブロック層40の一部、及び活性層30の一部を除去して、nコンタクト層22の一部を露出させる。
そして、図1に示すように、露出されたnコンタクト層22上にn電極60を形成し、p側層50の第3層53上にp電極70を形成する。
以上のような工程を行うことにより、本実施形態の発光素子を作製することができる。
以下、実施例1、2に係る発光素子、及び参考例に係る発光素子について説明する。
<実施例1>
基板10として、C面を主面とするサファイアよりなる基板を用いた。基板10上に、AlNからなるバッファ層11を厚さ2μmに形成した。
次に、温度を1175℃にして、原料ガスにTMAガス、TMGガス、アンモニアガスを用い、バッファ層11上にAl0.60Ga0.40N層を約21nmの厚さに形成した。続いて、温度を1175℃にして、原料ガスにTMAガス、アンモニアガスを用い、AlN層を約10nmの厚さに形成した。このように形成したAlGaN層とAlN層との積層体を30ペア形成することで超格子層12を形成した。
次に、温度を1175℃にして、原料ガスにTMAガス、TMGガス、アンモニアガスを用い、超格子層12上にAl0.60Ga0.40N層を約0.5μmの厚さに形成することで下地層21を形成した。続いて、温度を1175℃にして、原料ガスにTMAガス、TMGガス、アンモニアガス、SiHガスを用い、n型不純物を含むAl0.60Ga0.40N層を約2.2μmの厚さに形成することでnコンタクト層22を形成した。このような下地層21及びnコンタクト層22を含むn側層20を形成した。また、nコンタクト層22のn型不純物濃度は、約9.5×1018/cmとした。
次に、温度を950℃にして、原料ガスにTMAガス、TMGガス、アンモニアガス、SiHガスを用い、n側層20上にn型不純物を含むAl0.52Ga0.48N層を約50nmの厚さに形成することで障壁層32を形成した。続いて、温度を950℃にして、原料ガスにTMAガス、TMGガス、アンモニアガスを用い、Al0.42Ga0.58N層を約4.4nmの厚さに形成することで井戸層31を形成した。続いて、温度を950℃にして、原料ガスにTMAガス、TMGガス、アンモニアガス、SiHガスを用い、n型不純物を含むAl0.52Ga0.48N層を約2.5nmの厚さに形成することで障壁層32を形成した。続いて、温度を950℃にして、原料ガスにTMAガス、TMGガス、アンモニアガスを用い、Al0.42Ga0.58N層を約4.4nmの厚さに形成することで井戸層31を形成した。このような2つの井戸層31と、2つの障壁層32とを含む活性層30を形成した。
次に、温度を870℃にして、原料ガスにTMAガス、アンモニアガスを用い、活性層30上にAlN層を約1nmの厚さに形成した。続いて、温度を870℃にして、原料ガスにTMAガス、TMGガス、アンモニアガスを用い、Al0.55Ga0.45N層を約1nmの厚さに形成することで第1のAlGaN層を形成した。続いて、温度を870℃にして、原料ガスにTMAガス、TMGガス、アンモニアガスを用い、Al0.78Ga0.22Nを約4nmの厚さに形成することで第2のAlGaN層を形成した。このようなAlN層と、2つのAlGaN層とを含む電子ブロック層40を形成した。
次に、温度を870℃にして、原料ガスにTMAガス、TMGガス、アンモニアガス、CpMgガスを用い、電子ブロック層40上にp型不純物を含むAl0.63Ga0.37N層を約78nmの厚さに形成することで第4層54を形成した。続いて、温度を870℃にして、原料ガスにTMAガス、TMGガス、アンモニアガス、CpMgガスを用い、p型不純物を含むAl0.53Ga0.47N層を約30nmの厚さに形成することで第1層51を形成した。続いて、温度を900℃にして、原料ガスにTMAガス、TMGガス、アンモニアガス、CpMgガスを用い、p型不純物を含むAl0.40Ga0.60N層を約10nmの厚さに形成することで第2層52を形成した。続いて、温度を900℃にして、原料ガスにTMAガス、TMGガス、アンモニアガスを用い、p型不純物を含むGaN層を約10nmの厚さに形成することで第3層53を形成した。このような第1層51、第2層52、第3層53、及び第4層54を含むp側層50を形成した。第2層52及び第3層53を形成するときの原料ガスにおけるアンモニアガスの流量比を、第1層51を形成するときの原料ガスにおけるアンモニアガスの流量比よりも低くした。また、第2層52及び第3層53を形成するときの原料ガスにおけるCpMgガスの流量比を、第1層51を形成するときの原料ガスにおけるCpMgガスの流量比よりも高くした。
各半導体層を形成した後、反応容器内において、各半導体層に対して熱処理を行った。熱処理は、窒素雰囲気中、温度を約475℃とした状態で行った。
熱処理後、p側層50の一部と、活性層30の一部を除去して、n側コンタクト層22の一部をp側層50および活性層30から露出させた。
次に、nコンタクト層22上にn電極60を形成し、p側層50の第3層53上にp電極70を形成した。n電極60には、nコンタクト層22側から順に、Ti層、AlSi層、Ta層、Ru層、Ti層が積層された多層構造の電極を用いた。p電極70には、第3層53側から順に、Ti層、Ru層、Ti層が積層された多層構造の電極を用いた。
その後、基板10を複数の発光素子に個片化した。個片化した発光素子の基板10の外形は、平面視において1辺の長さが1000μmの正方形とした。また、発光素子の基板10の厚さは700μmとした。
以上のように作製した実施例1の発光素子は、順方向電圧Vfは5.86Vであり、出力Poは182mWであった。なお、実施例1、2、及び参考例において、順方向電圧Vf及び出力Poは、350mAの電流を印加したときの値である。
<実施例2>
実施例2に係る発光素子は、第1層51の構造が異なること以外は実施例1と同じように作製した。
実施例2に係る発光素子では、第1層51を、p型不純物を含み、厚さが約27nmであるAl0.53Ga0.47N層と、p型不純物を含み、厚さが約3nmである組成傾斜層とにより形成した。組成傾斜層は、第1層51のうち第2層52側に位置するように形成した。組成傾斜層は、TMAガスの流量比を減少させることで、Al組成比が活性層30側から第2層52側に向かって小さくなるように形成した。組成傾斜層は、活性層30側から第2層52側に向かって、Al組成比が約53%から0%になるように形成した。
以上のように作製した実施例2の発光素子は、順方向電圧Vfは5.13Vであり、出力Poは161mWであった。
<参考例>
参考例に係る発光素子は、p側層50の構造の一部と、p電極70の構造の一部が異なること以外は、実施例1と同様にして作製した。
参考例に係る発光素子では、第2層52を、温度を870℃にして、原料ガスにTMGガス、アンモニアガス、CpMgガスを用い、p型不純物を含み厚さが約350nmであるGaN層により形成した。また、第3層53を、温度を870℃にして、原料ガスにTMGガス、アンモニアガス、CpMgガスを用い、p型不純物を含み厚さが約20nmであるGaN層により形成した。p電極70には、第3層53側から順に、Ti層、Rh層、Ti層が積層された多層構造の電極を用いた。
以上のようにして作製した参考例の発光素子において、順方向電圧Vfは7.08Vであり、出力Poは103mWであった。
以上のことから、実施例1、2に係る発光素子によれば、参考例に係る発光素子よりも高い出力Poとすることができ、順方向電圧Vfも低減できていることが分かる。これは、第2層52によりVピット33が埋め込まれたことで、井戸層31の側面からの光が取り出されやすくなったためであると考えられる。実施例2に係る発光素子は、実施例1に係る発光素子に比べて、出力Poは21mW低くなっているが、順方向電圧Vfは0.73V低くなっている。これは、第1層51の一部をAl組成比を低くした組成傾斜層とすることで、順方向電圧Vfを低減できるが、第1層51のうちAl組成比が低い部分が増加し第1層51による光吸収が生じるため、出力Poが低下したと考えられる。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。本発明の上述した実施形態を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものである。
本実施形態は、以下の形態を含む。
付記1
それぞれが窒化物半導体からなる、n側層と、p側層と、n側層とp側層の間に位置し紫外線を発する活性層と、を含む半導体構造体と、
前記n側層に電気的に接続されるn電極と、
前記p側層に電気的に接続されるp電極と、を含み、
前記活性層は、Alを含む井戸層と、Alを含む障壁層と、前記井戸層の側面と前記障壁層の側面とを含む孔部と、を有し、
前記p側層は、Alを含む第1層と、Alを含み、前記第1層上に配置され、前記井戸層の前記側面に接して配置される第2層と、前記第2層上に配置される第3層と、を有し、
前記第3層の厚さは、前記第1層の厚さよりも薄く、
前記第2層のAl組成比と、前記井戸層のAl組成比との差は10%以下であり、
前記第3層は、前記第2層のAl組成比よりも低いAl組成比である層、又は、Alを含まない層であり、
前記p電極は、前記第3層上に配置される発光素子。
付記2
前記第3層の厚さは、前記第2層の厚さ以下である付記1に記載の発光素子。
付記3
前記第1層、前記第2層、及び前記第3層は、p型不純物を含み、
前記第2層のp型不純物濃度及び前記第3層のp型不純物濃度は、前記第1層のp型不純物濃度よりも高い付記1又は2に記載の発光素子。
付記4
前記第3層のp型不純物濃度は、前記第2層のp型不純物濃度よりも高い付記3に記載の発光素子。
付記5
前記第2層のp型不純物濃度は、1×1019/cm以上1×1021/cm以下である付記3又は4に記載の発光素子。
付記6
前記第1層のAl組成比は、前記第2層のAl組成比よりも高い付記1から5のいずれか1つに記載の発光素子。
付記7
前記第2層のAl組成比は、前記井戸層のAl組成比よりも高い付記1から6のいずれか1つに記載の発光素子。
付記8
前記井戸層のAl組成比は、10%以上である付記1から7のいずれか1つに記載の発光素子。
付記9
前記第2層の厚さは、3nm以上20nm以下である付記1から8のいずれか1つに記載の発光素子。
付記10
前記第1層及び前記第2層は、窒化アルミニウムガリウムからなり、
前記第3層は、窒化ガリウムからなる付記1から9のいずれか1つに記載の発光素子。
付記11
窒化物半導体からなるn側層を形成する工程と、
前記n側層上に、それぞれが窒化物半導体からなる、Alを含む井戸層と、Alを含む障壁層と、前記井戸層の側面と前記障壁層の側面とを含む孔部と、を有し、紫外線を発する活性層を形成する工程と、
前記活性層上に、それぞれが窒化物半導体からなる、Alを含む第1層と、Alを含み、前記井戸層のAl組成比との差が10%以下である第2層と、前記第1層の厚さより薄く、前記第2層のAl組成比よりも低いAl組成比である層、又は、Alを含まない層である第3層と、を有するp側層を形成する工程と、
前記n側層に電気的に接続されるn電極を形成する工程と、
前記p側層の前記第3層に電気的に接続されるp電極を形成する工程と、を含み、
前記p側層を形成する工程は、
前記活性層上に前記第1層を形成する工程と、
前記第1層上と前記井戸層の前記側面とに接するように前記第2層を形成する工程と、
前記第2層上に前記第3層を形成する工程と、を有する発光素子の製造方法。
付記12
前記第2層を形成するときの成長レートは、前記第1層を形成するときの成長レートよりも遅い付記11に記載の発光素子の製造方法。
付記13
前記第3層を形成するときの成長レートは、前記第1層を形成するときの成長レートよりも遅い付記11又は12に記載の発光素子の製造方法。
付記14
前記第1層を形成する工程において、p型不純物ガスを用いてp型不純物を含む前記第1層を形成し、
前記第2層を形成する工程において、p型不純物ガスを用いてp型不純物を含む前記第2層を形成し、
前記第2層を形成する工程におけるp型不純物ガスの流量比は、前記第1層を形成する工程におけるp型不純物ガスの流量比よりも高い付記11から13のいずれか1つに記載の発光素子の製造方法。
付記15
前記第1層を形成する工程において、p型不純物ガスを用いてp型不純物を含む前記第1層を形成し、
前記第3層を形成する工程において、p型不純物ガスを用いてp型不純物を含む前記第3層を形成し、
前記第3層を形成する工程におけるp型不純物ガスの流量比は、前記第1層を形成する工程におけるp型不純物ガスの流量比よりも高い付記11から14のいずれか1つに記載の発光素子の製造方法。
1 発光素子
10 基板
11 バッファ層
12 超格子層
20 n側層
21 下地層
22 nコンタクト層
30 活性層
31 井戸層
32 障壁層
33 Vピット
40 電子ブロック層
50 p側層
51 第1層
52 第2層
53 第3層
54 第4層
60 n電極
70 p電極
100 半導体構造体

Claims (15)

  1. それぞれが窒化物半導体からなる、n側層と、p側層と、n側層とp側層の間に位置し紫外線を発する活性層と、を含む半導体構造体と、
    前記n側層に電気的に接続されるn電極と、
    前記p側層に電気的に接続されるp電極と、を含み、
    前記活性層は、Alを含む井戸層と、Alを含む障壁層と、前記井戸層の側面と前記障壁層の側面とを含む孔部と、を有し、
    前記p側層は、Alを含む第1層と、Alを含み、前記第1層上に配置され、前記井戸層の前記側面に接して配置される第2層と、前記第2層上に配置される第3層と、を有し、
    前記第3層の厚さは、前記第1層の厚さよりも薄く、
    前記第2層のAl組成比と、前記井戸層のAl組成比との差は10%以下であり、
    前記第3層は、前記第2層のAl組成比よりも低いAl組成比である層、又は、Alを含まない層であり、
    前記p電極は、前記第3層上に配置される発光素子。
  2. 前記第3層の厚さは、前記第2層の厚さ以下である請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記第1層、前記第2層、及び前記第3層は、p型不純物を含み、
    前記第2層のp型不純物濃度及び前記第3層のp型不純物濃度は、前記第1層のp型不純物濃度よりも高い請求項1に記載の発光素子。
  4. 前記第3層のp型不純物濃度は、前記第2層のp型不純物濃度よりも高い請求項3に記載の発光素子。
  5. 前記第2層のp型不純物濃度は、1×1019/cm以上1×1021/cm以下である請求項3に記載の発光素子。
  6. 前記第1層のAl組成比は、前記第2層のAl組成比よりも高い請求項1から5のいずれか1つに記載の発光素子。
  7. 前記第2層のAl組成比は、前記井戸層のAl組成比よりも高い請求項1から5のいずれか1つに記載の発光素子。
  8. 前記井戸層のAl組成比は、10%以上である請求項1から5のいずれか1つに記載の発光素子。
  9. 前記第2層の厚さは、3nm以上20nm以下である請求項1から5のいずれか1つに記載の発光素子。
  10. 前記第1層及び前記第2層は、窒化アルミニウムガリウムからなり、
    前記第3層は、窒化ガリウムからなる請求項1から5のいずれか1つに記載の発光素子。
  11. 窒化物半導体からなるn側層を形成する工程と、
    前記n側層上に、それぞれが窒化物半導体からなる、Alを含む井戸層と、Alを含む障壁層と、前記井戸層の側面と前記障壁層の側面とを含む孔部と、を有し、紫外線を発する活性層を形成する工程と、
    前記活性層上に、それぞれが窒化物半導体からなる、Alを含む第1層と、Alを含み、前記井戸層のAl組成比との差が10%以下である第2層と、前記第1層の厚さより薄く、前記第2層のAl組成比よりも低いAl組成比である層、又は、Alを含まない層である第3層と、を有するp側層を形成する工程と、
    前記n側層に電気的に接続されるn電極を形成する工程と、
    前記p側層の前記第3層に電気的に接続されるp電極を形成する工程と、を含み、
    前記p側層を形成する工程は、
    前記活性層上に前記第1層を形成する工程と、
    前記第1層上と前記井戸層の前記側面とに接するように前記第2層を形成する工程と、
    前記第2層上に前記第3層を形成する工程と、を有する発光素子の製造方法。
  12. 前記第2層を形成するときの成長レートは、前記第1層を形成するときの成長レートよりも遅い請求項11に記載の発光素子の製造方法。
  13. 前記第3層を形成するときの成長レートは、前記第1層を形成するときの成長レートよりも遅い請求項12に記載の発光素子の製造方法。
  14. 前記第1層を形成する工程において、p型不純物ガスを用いてp型不純物を含む前記第1層を形成し、
    前記第2層を形成する工程において、p型不純物ガスを用いてp型不純物を含む前記第2層を形成し、
    前記第2層を形成する工程におけるp型不純物ガスの流量比は、前記第1層を形成する工程におけるp型不純物ガスの流量比よりも高い請求項11から13のいずれか1つに記載の発光素子の製造方法。
  15. 前記第1層を形成する工程において、p型不純物ガスを用いてp型不純物を含む前記第1層を形成し、
    前記第3層を形成する工程において、p型不純物ガスを用いてp型不純物を含む前記第3層を形成し、
    前記第3層を形成する工程におけるp型不純物ガスの流量比は、前記第1層を形成する工程におけるp型不純物ガスの流量比よりも高い請求項11から13のいずれか1つに記載の発光素子の製造方法。
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