JP2023105348A - 共重合ポリカーボネート樹脂及び成形品 - Google Patents

共重合ポリカーボネート樹脂及び成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】成形加工することが容易で、耐候性と透明性に優れ、かつ植物化度の高い共重合ポリカーボネート樹脂を提供することにある。【解決手段】イソソルビドに由来する構造単位(A)と、ポリオルガノシロキサンに由来する構造単位(B)とを少なくとも含む共重合ポリカーボネート樹脂であって、構造単位(A)の含有量に対して構造単位(B)を8.5質量%以上、80質量%以下含有する共重合ポリカーボネート樹脂を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、バイオマス資源であるデンプンなどの糖質から誘導することができる構成単位を含有し、かつ透明性、耐候性に優れたポリカーボネート共重合体に関する。
ポリカーボネート樹脂は、一般的に石油資源から誘導されるビスフェノール類をモノマー成分とし、透明性、耐熱性、機械的強度等の優位性を生かし、電気・電子部品、自動車用部品、医療用部品、建材、フィルム、シート、ボトル、光学記録媒体、レンズ等の分野でいわゆるエンジニアリングプラスチックスとして広く利用されている。近年、これらの用途分野においては、成形加工品のさらなる性能向上が要求されており、高流動や耐久性を改善されたポリカーボネート樹脂が開発されている。
しかしながら、石油資源の枯渇が危惧されており、植物などのバイオマス資源から得られる原料を用いたポリカーボネートの提供が求められている。また、二酸化炭素排出量の増加、蓄積による地球温暖化が気候変動などをもたらすことからも、使用後の廃棄処分をしてもカーボンニュートラルな植物由来モノマーを原料としたポリカーボネートの開発が求められており、植物由来モノマーとして、イソソルビドを使用し、炭酸ジフェニルとのエステル交換反応により、ポリカーボネートを得ることが知られている。
例えば、特許文献1には、高流動、透明性、並びに耐久性に改善された樹脂組成物を得るべく、数平均重合度が10~60のポリオルガノシロキサン単位を含有するポリカーボネート-ポリオルガノシロキサン共重合体(A1成分)からなるか、又は該A1成分とA1成分以外のポリカーボネートとからなり、ポリオルガノシロキサン単位含量がA成分100重量%中0.1~20重量%であるポリカーボネート系樹脂(A成分)100重量部に対して、平均重合度3~15のポリカーボネートオリゴマー(B成分)0.1~20重量部を含有するポリカーボネート樹脂組成物が記載されている。また、特許文献2には、共重合ポリカーボネートとして、糖由来のアルコールとポリジオールとからなる共重合ポリカーボネートであって、カーボネート結合部以外の繰り返し構造部分の全量に対して、該糖由来のアルコールに由来する構造が90mol%より大きい共重合ポリカーボネートが記載されている。
特開2009-120707号公報 特開2011-241277号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているような芳香族-ポリオルガノシロキサン共重合ポリカーボネート樹脂は、耐候性に関する記述が無く、本発明者らが検討した結果、耐候性が十分でないことが見いだされた。
以上のように高い植物化度や透明性、耐候性、耐吸湿性に優れたポリカーボネートの開発が望まれているにも関わらず、そのようなポリカーボネートは報告されていない。そこで、本発明の目的は、上記従来の問題点を解消し、成形加工することが容易で、耐候性と透明性に優れ、かつ植物化度の高い共重合ポリカーボネート樹脂を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく、鋭意検討を重ねた結果、イソソルビドに由来する構造単位に対してポリオルガノシロキサンに由来する構造単位を特定の範囲で有する共重合ポリカーボネート樹脂が、高い透明性を有し、また耐候性、耐吸湿性にも優れる可能性があることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は下記[1]~[8]に存する。
[1]下記式(1)で表される構造単位(A)と、下記式(2)で表される構造単位(B)とを少なくとも含む共重合ポリカーボネート樹脂であって、前記式(1)で表される構造単位(A)の含有量に対して前記式(2)で表される構造単位(B)を8.5質量%以上、80質量%以下含有する共重合ポリカーボネート樹脂。
Figure 2023105348000001
Figure 2023105348000002
(式(2)において、nはポリオルガノシロキサン部の平均繰り返し数であり、3~20を示す。R~Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基を示す。X及びX’はそれぞれ独立に、酸素原子、又は-C(=O)-、エーテル構造、アミン構造、芳香族構造若しくは脂肪族構造を有する有機残基を示す。)
[2]全光線透過率が88%以上である[1]に記載の共重合ポリカーボネート樹脂。
[3]さらに脂肪族ジヒドロキシ化合物及び/又は脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含有する、[1]又は[2]に記載の共重合ポリカーボネート樹脂。
[4]ガラス転移温度が50℃以上、160℃以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の共重合ポリカーボネート樹脂。
[5]20℃における還元粘度が0.30以上、0.80以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の共重合ポリカーボネート樹脂。
[6]飽和吸水率が2.0%以下であることを特徴とする[1]~[5]のいずれかに記載の共重合ポリカーボネート樹脂。
[7][1]~[6]のいずれかに記載の共重合ポリカーボネート樹脂にアクリル系樹脂(C)を含有させた共重合ポリカーボネート樹脂組成物。
[8][1]~[6]のいずれかに記載の共重合ポリカーボネート樹脂又は[7]に記載の共重合ポリカーボネート樹脂組成物を含む成形品。
本発明のポリカーボネート共重合体は、高い透明性、耐候性を有しており、また低吸水性を有する。
本発明のポリカーボネート共重合体は、このような優れた特性を有することから、自動車内外装部材、電装部材、電子電気材料、屋外建築部材、化粧品容器用途といった幅広い分野への適用が期待される。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
本明細書において、「~」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の値を含むものとして用いることとする。
また、本明細書において「繰り返し構造単位」とは、樹脂中で同じ構造が繰り返し現れる構造単位であって、それぞれが連結することで当該樹脂を構成するような構造単位を意味する。例えば、ポリカーボネート樹脂の場合、カルボニル基も含めて繰り返し構造単位と呼称する。
また、「構造単位」とは、樹脂を構成する部分構造であって、繰り返し構造単位に含まれる特定の部分構造のことを意味する。例えば、樹脂中で隣り合う連結基に挟まれた部分構造や、重合体の末端部分に存在する重合反応性基と、該重合性反応基に隣り合う連結基とに挟まれた部分構造を言う。より具体的には、ポリカーボネート樹脂の場合、カルボニル基が連結基であって、隣り合うカルボニル基に挟まれた部分構造のことを構造単位と呼称する。
尚、本明細書において、ポリカーボネート樹脂中の各構造単位の重量比率は、全ての構造単位及び連結基の合計重量を100重量%として計算する。
[共重合ポリカーボネート樹脂]
本発明は、式(1)で表される構造単位(A)と、式(2)で表される構造単位(B)とを少なくとも含む共重合ポリカーボネート樹脂であって、前記式(1)で表される構造単位(A)の含有量に対して前記式(2)で表される構造単位(B)を8.5質量%以上、80質量%以下含有する共重合ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする。
Figure 2023105348000003
Figure 2023105348000004
なお、式(2)において、nはポリオルガノシロキサン部の平均繰り返し数を示す。このnの平均値が3~20を示す。R~Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基を示す。X及びX’はそれぞれ独立に、酸素原子、又は-C(=O)-、エーテル構造、アミン構造、芳香族構造若しくは脂肪族構造を有する有機残基を示す。
本発明が効果を奏する理由は未だ明らかではないが、以下のように推察される。
ポリオルガノシロキサンはそのシロキサン構造の極性の低さから、各種ジヒドロキシ化合物との相溶性が低い。そのため、ポリカーボネート樹脂重合時にポリオルガノシロキサンと各種ジヒドロキシ化合物を溶融させた時点で反応溶液が二層分離し不均一系での反応となる。反応液が不均一であるとポリオルガノシロキサン単独での反応が多くなりポリマー中のポリオルガノシロキサンに由来する構造単位ドメインの分散が悪くなると同時にドメインが大きくなる。結果として、得られるポリマーの耐薬品性が悪くなり、透明性が低下すると考えられる。
その中、本発明者らが検討したところ、驚くべきことにイソソルビド等の下記式(3)で表されるジヒドロキシ化合物を特定の重量%範囲内において、かつポリオルガノシロキサンの特定の平均繰り返し数範囲内において親和性が高いことが分かった。つまり、上記範囲内において前記ジヒドロキシ化合物とポリオルガノシロキサンは反応溶液が均一となるため、ポリオルガノシロキサン単独での反応が低減されポリマー中のポリオルガノシロキサンに由来する構造単位ドメインの分散が良くなると同時にドメインが小さくなる。結果として、得られるポリマーは高い耐薬品性を発現し、一部態様では透明性が向上すると考えられる。
[共重合ポリカーボネート樹脂の構造と原料]
(構造単位(A))
上記式(1)で表される構造単位(A)は、下記式(3)で表されるジヒドロキシ化合物等から誘導される構造単位である。
Figure 2023105348000005
上記式(3)で表されるジヒドロキシ化合物としては、立体異性体の関係にある、イソソルビド、イソマンニド、イソイデットが挙げられる。これらのジヒドロキシ化合物(3)のうち、資源として豊富に存在し、容易に入手可能であり、種々のデンプンから製造されるソルビトールを脱水縮合して得られるイソソルビドが、入手及び製造のし易さ、成形性の面から最も好ましい。これらのジヒドロキシ化合物(3)は、1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
(構造単位(B):ポリオルガノシロキサン)
オルガノポリシロキサンは、シロキサン結合を主鎖とした重合体であり、シロキサン結合に有機基が結合したものをいう。具体的には、ポリシロキサン骨格と、ポリシロキサン骨格のシロキサン結合に置換基(つまり、有機基)が結合した重合体である。本発明に用いられるオルガノポリシロキサンは、共重合ポリカーボネート樹脂の構造単位として重合反応により含有されるにあたり、反応性官能基を二つ以上有する。ポリオルガノシロキサンが反応性官能基を二つ以上有することで、共重合ポリカーボネート樹脂のポリマー鎖中にポリオルガノシロキサンに由来する構成単位が導入することができる。一方、ポリオルガノシロキサンが反応性官能基を一つのみ有する場合には、ポリオルガノシロキサンに由来する構成単位はポリマー鎖の末端にのみ導入されることになり、重合制御が困難である。
前記反応性官能基とは、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲンの中から選択される1種又は複数種の原子で構成され、大気中又は溶媒中で、通常使用する温度範囲内(例えば、100~300℃)で、別種の官能基との接触又は加熱により、その化学構造に変化を生じ得る基のことをいう。具体的には、反応性官能基は、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、ハロゲン、又は炭素-炭素間の多重結合(つまり、二重結合、三重結合等の不飽和結合)を有する官能基である。
反応性官能基は特段限定されないが、反応性が高いという観点から、炭素-炭素間の多重結合を有する官能基、及び/又は酸素原子を含む官能基であることが好ましく、アルケニル基、エステル基、メタクリロイル基、アクリロイル基、環状エーテル基、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基、シラノール基、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基であることがより好ましい。より反応性が高いという観点から、反応性官能基は、アルコール性水酸基、シラノール基であることがさらに好ましく、アルコール性水酸基が特に好ましい。
このポリオルガノシロキサンに由来する構造単位(B)は、好ましくは下記式(2)で表すことができる。
Figure 2023105348000006
なお、式(2)において、nはポリオルガノシロキサン部の平均繰り返し数を示す。このnは3~20を示す。R~Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基を示す。X及びX’はそれぞれ独立に、酸素原子、又は-C(=O)-、エーテル構造、アミン構造、芳香族構造若しくは脂肪族構造を有する有機残基を示す。
nは上述したとおりで、ポリオルガノシロキサンの平均繰り返し数を示す。平均繰り返し数は3以上が好ましく、5以上がより好ましく、7以上が更に好ましい。また、20以下が好ましく、18以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。平均繰り返し数が上記下限以上であると、飽和吸水率の低減が十分に得られる。また、平均繰り返し数が上記上限以下であると、透明性が顕著に向上する。これは、ポリオルガノシロキサンの平均繰り返し数が比較的小さい場合には、ポリマー鎖中においてポリオルガノシロキサンに由来する構成単位が適度に分散することにより局所的な屈折率の不均一さによる白濁が抑制されるためと推測される。
~Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基である。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
前記炭素数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基等が挙げられる。
前記炭素数1~6のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。
前記炭素数6~12のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
前記のR~Rとしては、それぞれ独立に、好ましくは、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基であり、メチル基あるいはフェニル基であることがより好ましい。R~Rはそれぞれ異なっていても同一であってもよいが、透明性向上の効果に優れるという観点からは、R~Rがメチル基及び/又はフェニル基であることがより好ましい。
前記のX及びX’としては、反応性や吸水性の観点から、それぞれ独立に、酸素原子、又は-C(=O)-、エーテル構造、アミン構造、芳香族構造若しくは脂肪族構造を有する有機残基が好ましく、エーテル構造、脂肪族構造を有する有機残基がより好ましく、エーテル構造が特に好ましい。
本発明の共重合ポリカーボネート樹脂は、樹脂を構成する全ての構造単位、及び連結基の重量の合計量を100重量%とした際に、前記式(1)で表される構造単位の含有量に対して前記式(2)で表される構造単位を8.5重量%以上含むことが好ましく、10重量%以上含むことがより好ましく、20重量%以上含むことがさらに好ましい。上記下限以上であると、透明性、耐熱性が向上し、かつ溶融加工性等の他の物性のバランスを調整することができる。また、80重量%以下含有することが好ましく、70重量%以下含有することがより好ましく、60重量%以下含有することがさらに好ましい。上記上限以下であると、耐吸湿性や低寸法変化率性が向上する。
(その他の構造単位)
本発明の共重合ポリカーボネート樹脂は、構造単位(A)とポリオルガノシロキサンに由来する構造単位(B)以外に、機械物性により優れるという観点からは、脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂環式ジヒドロキシ化合物を有するジヒドロキシ化合物からなる群より選ばれる1つ以上の化合物に由来する構成単位を有することが好ましい。
脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール等の直鎖脂肪族ジヒドロキシ化合物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のオキシアルキレングリコール化合物、ネオペンチルグリコール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサンジオール、水素化ジリノレイルグリコール、水素化ジオレイルグリコール等の分岐鎖脂肪族ジヒドロキシ化合物等が挙げられる。
脂環式ジヒドロキシ化合物としては、例えば、スピログリコール(別名:3,9-ビス(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)やジオキサングリコール(別名:2-(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル)-5-エチル-5-ヒドロキシメチルー1,3-ジオキサン)等の複素環構造を有するジヒドロキシ化合物、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、2,6-デカリンジメタノール、1,5-デカリンジメタノール、2,3-デカリンジメタノール、2,3-ノルボルナンジメタノール、2,5-ノルボルナンジメタノール、1,3-アダマンタンジメタノール、リモネン等のテルペン化合物から誘導されるジヒドロキシ化合物等に例示される、脂環式炭化水素の1級アルコールであるジヒドロキシ化合物;1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,3-アダマンタンジオール、水添ビスフェノールA、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール等に例示される、脂環式炭化水素の2級アルコール、又は3級アルコールであるジヒドロキシ化合物等が挙げられる。
前記した脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂環式ジヒドロキシ化合物としては、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、スピログリコール、ジオキサングリコールに由来する構成単位を含むポリカーボネートジオールを用いることが特に好ましい。これらのモノマーに由来する構造単位を含む共重合ポリカーボネート樹脂は、光学特性や耐熱性、機械特性等のバランスに一層優れている。
また、本発明の共重合ポリカーボネート樹脂は、前述の脂肪族ジヒドロキシ化合物、脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位の他に芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含んでよい。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノールA]、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジエチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-(3,5-ジフェニル)フェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4’-ジヒドロキシ-ジフェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシ-5-ニトロフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジクロロジフェニルエーテル、9,9-ビス(4-(2-ヒドロキシエトキシ-2-メチル)フェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)フルオレン等の芳香族ジヒドロキシ化合物が挙げられる。
本発明の共重合ポリカーボネート樹脂は、樹脂を構成する全ての構造単位、及び連結基の重量の合計量を100重量%とした際に、芳香族ジヒドロキシ化合物に由来する構成単位を含有する場合は、15重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましく、5重量%以下が更に好ましい。芳香族ビスフェノール類に由来する構成単位が上記範囲内にあると、ベンゼン環構造の紫外線吸収に由来する耐候性の悪化を抑制できる。
(炭酸ジエステル)
本発明の共重合ポリカーボネート樹脂に含有される上記の構造単位の連結基は、下記式(4)で表される炭酸ジエステルを重合することで導入される。
Figure 2023105348000007
(式(4)中、R及びRは、それぞれ置換基を有していてもよい炭素数1~18の脂肪族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であり、RとRとは同一であっても異なっていてもよい。)
及びRは、置換又は無置換の芳香族炭化水素基であることが好ましく、無置換の芳香族炭化水素基がより好ましい。尚、脂肪族炭化水素基の置換基としては、エステル基、エーテル基、アミド基、ハロゲン原子が挙げられ、芳香族炭化水素基の置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基が挙げられる。
前記式(4)で表される炭酸ジエステルとしては、例えば、ジフェニルカーボネート(以下、DPCと略記することがある。)、ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート及びジ-tert-ブチルカーボネート等のジアルキルカーボネートが例示されるが、好ましくはジフェニルカーボネート、置換ジフェニルカーボネートであり、特に好ましくはジフェニルカーボネートである。
炭酸ジエステルは、塩化物イオン等の不純物を含む場合があり、これらの不純物が重合反応を阻害したり、得られる樹脂の色相を悪化させたりする場合があるため、必要に応じて、蒸留等により精製したものを使用することが好ましい。
[共重合ポリカーボネート樹脂の物性]
本発明の共重合ポリカーボネート樹脂は、以下に記載する物性を有することが好ましい。
(全光線透過率)
本発明の共重合ポリカーボネート樹脂は、全光線透過率が88%以上であることが好ましく、より好ましくは89%以上であって、90%以上がさらに好ましく、91%以上が特に好ましい。全光線透過率が前記下限以上であると、透明材料として好適に用いることが出来る。共重合ポリカーボネート樹脂の全光線透過率は、下記の実施例に記載の方法により測定することができる。
(ヘーズ)
本発明の共重合ポリカーボネート樹脂を透明材料に使用するためには、ヘーズが10.0%以下であることが好ましく、より好ましくは8.0%以下であって、特には6.0%以下が好ましい。本発明におけるヘーズはポリオルガノシロキサン/イソソルビドの比率に影響されるため、それらを適宜調節することによって、これら好ましい範囲とすることが可能である。共重合ポリカーボネート樹脂のヘーズは、下記の実施例に記載の方法により測定することができる。
(耐候性)
本発明の共重合ポリカーボネート樹脂は、照射強度60W/mの条件で100時間処理する耐候性試験において、試験前後のΔYIの値が1.0以下であることが好ましく、0.6以下が更に好ましく、0.2以下が更に好ましい。共重合ポリカーボネート樹脂のΔYIが上記上限以下であると、自動車内外装部材、建築部材などの屋外用途に好適に用いることが出来る。共重合ポリカーボネート樹脂の耐候性は、下記の実施例に記載の方法により測定することができる。
(ガラス転移温度)
本発明の共重合ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は、50℃以上が好ましく、55℃以上がより好ましく、60℃以上が更に好ましい。ガラス転移温度が上記下限以上であると、共重合ポリカーボネート樹脂、あるいはその成形品が常温で癒着・変形する危険性が低くなる。また、共重合ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は160℃以下が好ましく、155℃以下がより好ましく、150℃以下が更に好ましい。ガラス転移温度が上記上限以下であると、成形時の流動性を高め、複雑な形状の成形品であっても成形時に、共重合ポリカーボネート樹脂が成形型の末端まで行き届き易くなり、所望の成形品を得ることができる。また、ウエルド部での強度の低下を抑制できる。共重合ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は、実施例に記載の方法により測定することができる。共重合ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は、例えば樹脂を構成する構成単位の種類及び比率を変えることにより適宜調整することができる。共重合ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は、下記の実施例に記載の方法により測定することができる。
(平均分子量)
本発明の共重合ポリカーボネート樹脂の平均分子量は、還元粘度で表すことができる。この還元粘度は、通常0.30dL/g以上であり、0.35dL/g以上が好ましい。上記下限以下では、成形した時の機械的強度が弱い。還元粘度の上限は、0.8dL/g以下がより好ましく、0.7dL/g以下が更に好ましい。上記上限以上では成形する際の流動性が低下し、サイクル特性を低下させ、成形サイクルが長くなる。共重合ポリカーボネート樹脂の還元粘度は、下記の実施例に記載の方法により測定することができる。なお、還元粘度の測定温度は20℃で行い、振れ幅を±1℃の範囲内で調整した。
(飽和吸水率)
本発明の共重合ポリカーボネート樹脂の飽和吸水率は、好ましくは2.0%以下、より好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.0%以下である。飽和吸水率が上記上限以下であると、耐吸湿性、低寸法変化率という点で好ましい。共重合ポリカーボネート樹脂の飽和吸水率は、後述の方法により測定することができる。共重合ポリカーボネート樹脂の飽和吸水率は、例えば樹脂を構成する構成単位の種類及び比率を変えることにより適宜調整することができる。
(共重合ポリカーボネート樹脂の製造方法)
本発明の共重合ポリカーボネート樹脂は、一般に用いられる重合方法で製造することができる。例えば、ホスゲンやカルボン酸ハロゲン化物を用いた溶液重合法又は界面重合法や、溶媒を用いずに反応を行う溶融重合法を用いて製造することができる。これらの製造方法のうち、溶媒や毒性の高い化合物を使用しないことから環境負荷を低減することができ、また、生産性にも優れる溶融重合法によって製造することが好ましい。
また、重合に溶媒を使用すると樹脂中に溶媒が残存する場合があり、その可塑化効果によって樹脂のガラス転移温度が低下することにより、後述する成形や延伸などの加工工程での品質変動要因となり得る。また、溶媒としては塩化メチレン等のハロゲン系の有機溶媒が用いられることが多いが、ハロゲン系溶媒が樹脂中に残存する場合、この樹脂を用いた成形体が電子機器等に組み込まれると金属部の腐食の原因ともなり得る。溶融重合法によって得られる樹脂は溶媒を含有しないため、加工工程や製品品質の安定化にとっても有利である。
溶融重合法により共重合ポリカーボネート樹脂を製造する際は、前述した構造単位を有するモノマーと、炭酸ジエステルと、重合触媒とを混合し、溶融下でエステル交換反応(又は重縮合反応とも称する。)を行い、脱離成分を系外に除去しながら反応率を上げていく。重合の終盤では高温、高真空の条件で目的の分子量まで反応を進める。反応が完了したら、反応器から溶融状態の樹脂を抜き出し、本発明の共重合ポリカーボネート樹脂が得られる。
重縮合反応は、反応に用いる全ジヒドロキシ化合物と全ジエステル化合物のモル比率を厳密に調整することで、反応速度や得られる樹脂の分子量を制御できる。共重合ポリカーボネート樹脂の場合、全ジヒドロキシ化合物に対する炭酸ジエステルのモル比率を、0.85~1.15に調整することが好ましく、0.90~1.10に調整することがより好ましく、0.95~1.05に調整することが特に好ましい。
前記のモル比率が上下に大きく外れると、所望とする分子量の樹脂が製造できなくなる。また、前記のモル比率が小さくなりすぎると、製造された樹脂のヒドロキシ基末端が増加して、樹脂の熱安定性が悪化する場合がある。また、未反応のジヒドロキシ化合物が樹脂中に多く残存し、その後の成形加工工程で成形機の汚れや成形品の外観不良の原因となり得る。一方、前記のモル比率が大きくなりすぎると、同一条件下ではエステル交換反応の速度が低下したり、製造された樹脂中の炭酸ジエステルの残存量が増加し、この残存低分子成分が同様に成形加工工程での問題を招く可能性がある。
溶融重合法は、通常、2段階以上の多段工程で実施される。重縮合反応は、1つの重合反応器を用い、順次条件を変えて2段階以上の工程で実施してもよいし、2つ以上の反応器を用いて、それぞれの条件を変えて2段階以上の工程で実施してもよいが、生産効率の観点からは、2つ以上、好ましくは3つ以上の反応器を用いて実施する。重縮合反応はバッチ式、連続式、或いはバッチ式と連続式の組み合わせのいずれでも構わないが、生産効率と品質の安定性の観点から、連続式が好ましい。
重縮合反応においては、反応系内の温度と圧力のバランスを適切に制御することが重要である。温度、圧力のどちらか一方でも早く変化させすぎると、未反応のモノマーが反応系外に留出してしまうおそれがある。その結果、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル化合物のモル比率が変化し、所望の分子量の樹脂が得られない場合がある。
また、重縮合反応の重合速度は、ヒドロキシ基末端と、カーボネート基末端とのバランスによって制御される。そのため、特に連続式で重合を行う場合は、未反応モノマーの留出によって末端基のバランスが変動すると、重合速度を一定に制御することが難しくなり、得られる樹脂の分子量の変動が大きくなるおそれがある。樹脂の分子量は溶融粘度と相関するため、得られた樹脂を成形加工する際に、溶融粘度が変動し、均一な寸法の成形品が得られない等の問題を招くおそれがある。
以下、溶融重縮合反応の工程を、モノマーを消費させてオリゴマーを生成させる段階(第1段目の反応)と、所望の分子量まで重合を進行させてポリマーを生成させる段階(第2段目又はそれ以降の反応)に分けて述べる。
具体的に、第1段目の反応における反応条件としては、以下の条件を採用することができる。即ち、重合反応器の内温は、通常130℃以上、好ましくは150℃以上、より好ましくは170℃以上、かつ、通常250℃以下、好ましくは240℃以下、より好ましくは230℃以下の範囲で設定する。また、重合反応器の圧力(以下、圧力とは絶対圧力を表す。)は、通常70kPa以下、好ましくは50kPa以下、より好ましくは30kPa以下、かつ、通常1kPa以上、好ましくは3kPa以上、より好ましくは5kPa以上の範囲で設定する。また、反応時間は、通常0.1時間以上、好ましくは0.5時間以上、かつ、通常10時間以下、好ましくは5時間以下、より好ましくは3時間以下の範囲で設定する。
第1段目の反応は、発生するジエステル化合物由来のモノヒドロキシ化合物を反応系外へ留去しながら実施される。例えば、炭酸ジエステルとしてジフェニルカーボネートを用いる場合には、第1段目の反応において反応系外へ留去されるモノヒドロキシ化合物はフェノールである。
第1段目の反応においては、反応圧力を低くするほど重合反応を促進することができるが、一方で未反応モノマーの留出が多くなってしまう。未反応モノマーの留出の抑制と、減圧による反応の促進を両立させるためには、還流冷却器を具備した反応器を用いることが有効である。特に未反応モノマーの多い反応初期に還流冷却器を用いるのがよい。
第2段目又はそれ以降の反応は、反応系の圧力を第1段目の圧力から徐々に下げ、引き続き発生するモノヒドロキシ化合物を反応系外へ除きながら、最終的には反応系の圧力を5kPa以下、好ましくは3kPa以下、より好ましくは1kPa以下にする。また、内温は、通常210℃以上、好ましくは220℃以上、かつ、通常260℃以下、好ましくは255℃以下の範囲で設定する。また、反応時間は、通常0.1時間以上、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上、かつ、通常10時間以下、好ましくは5時間以下、より好ましくは3時間以下の範囲で設定する。着色や熱劣化、架橋などの副反応を抑制し、色相や耐候性、熱安定性の良好な樹脂を得るには、全反応段階における内温の最高温度を260℃以下、好ましくは255℃以下、さらに好ましくは250℃以下にするとよい。特に本発明で用いる構造単位(A)の原料となるジヒドロキシ化合物は、過度に高温で重合反応を行うと、着色し透明性が得られにくくなる。
重合時に使用し得るエステル交換反応触媒(以下、単に「触媒」、又は「重合触媒」と言うことがある。)は、反応速度や重縮合して得られる樹脂の色調や熱安定性に非常に大きな影響を与え得る。触媒としては、製造された樹脂の透明性、色相、耐熱性、熱安定性、及び機械的強度を満足させ得るものであれば限定されないが、長周期型周期表における1族又は2族(以下、単に「1族」、「2族」と表記する。)の金属化合物、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物が挙げられる。好ましくは長周期型周期表第2族の金属及びリチウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物が使用される。
前記の1族金属化合物としては、例えば以下の化合物を採用することができるが、これら以外の1族金属化合物を採用することも可能である。
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸セシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸セシウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素セシウム、テトラフェニルホウ酸ナトリウム、テトラフェニルホウ酸カリウム、テトラフェニルホウ酸リチウム、テトラフェニルホウ酸セシウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸セシウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、リン酸水素2セシウム、フェニルリン酸2ナトリウム、フェニルリン酸2カリウム、フェニルリン酸2リチウム、フェニルリン酸2セシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムのアルコレート、フェノレート、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2リチウム塩、2セシウム塩。これらのうち、重合活性と得られる樹脂の色相の観点から、リチウム化合物を用いることが好ましい。
前記の2族金属化合物としては、例えば以下の化合物を採用することができるが、これら以外の2族金属化合物を採用することも可能である。
水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム。
これらのうち、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、バリウム化合物を用いることが好ましく、重合活性と得られる樹脂の色相の観点から、マグネシウム化合物及び/又はカルシウム化合物を用いることが更に好ましく、カルシウム化合物を用いることが最も好ましい。
尚、前記の1族金属化合物及び/又は2族金属化合物と共に、補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物を併用することも可能であるが、長周期型周期表第2族の金属及びリチウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物を使用することが特に好ましい。
前記重合触媒の使用量は、金属量として、通常、重合に使用した全ジヒドロキシ化合物1mol当たり0.1μmol~300μmol、好ましくは0.5μmol~100μmolである。
触媒量が少なすぎると、重合速度が遅くなるため、所望の分子量の樹脂を得ようとするにはその分だけ重合温度を高くせざるを得なくなる。そのため、重合反応時の熱履歴が増大し、得られる樹脂の色相や耐候性が悪化する可能性が高くなる。また、未反応の原料が重合途中で揮発して、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル化合物のモル比率が崩れ、所望の分子量に到達しない可能性がある。一方、重合触媒の使用量が多すぎると、好ましくない副反応を併発し、得られる樹脂の色相の悪化や成形加工時の樹脂の着色や分解を招く可能性がある。
前記1族金属の中でもナトリウム、カリウム、セシウムは、樹脂中に多く含まれると色相に悪影響を及ぼす可能性がある。そして、これらの金属は使用する触媒からのみではなく、原料や反応装置から混入する場合がある。出所にかかわらず、樹脂中のこれらの金属の化合物の合計量は、金属量として、前記全ジヒドロキシ化合物1mol当たり、2μmol以下がよく、好ましくは1μmol以下、より好ましくは0.5μmol以下である。
本発明の共重合ポリカーボネート樹脂は、前述のとおり重合させた後、通常、冷却固化させ、回転式カッター等でペレット化することができる。ペレット化の方法は限定されるものではないが、最終段の重合反応器から共重合ポリカーボネート樹脂を溶融状態で抜き出し、ストランドの形態で冷却固化させてペレット化させる方法、最終段の重合反応器から溶融状態で一軸又は二軸の押出機に共重合ポリカーボネート樹脂を供給し、溶融押出しした後、冷却固化させてペレット化させる方法、又は、最終段の重合反応器から溶融状態で共重合ポリカーボネート樹脂を抜き出し、ストランドの形態で冷却固化させて一旦ペレット化させた後に、再度一軸又は二軸の押出機に共重合ポリカーボネート樹脂を供給し、溶融押出しした後、冷却固化させてペレット化させる方法等が挙げられる。
(成形物(成形品))
本発明の共重合ポリカーボネートは、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法等の通常知られている方法で成形物(成形品)とすることができる。
また、本発明の共重合ポリカーボネート樹脂は、種々の成形を行う前に、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、中和剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、潤滑剤、可塑剤、相溶化剤、難燃剤、充填剤等の添加剤を、タンブラー、スーパーミキサー、フローター、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、押出機などで混合することもできる。
(熱安定剤)
本発明の共重合ポリカーボネート樹脂には、必要に応じて、溶融加工時等における分子量の低下や色相の悪化を防止するために熱安定剤を配合することができる。かかる熱安定剤としては、通常知られるヒンダードフェノール系熱安定剤及び/又はリン系熱安定剤が挙げられる。
ヒンダードフェノール系化合物としては、例えば、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、2,4-ジ-tert-ブチルフェノール、2-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、2-tert-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、n-オクタデシル-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2-tert-ブチル-6-(3’-tert-ブチル-5’-メチル-2’-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート、2,2’-メチレン-ビス-(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2’-メチレン-ビス-(6-シクロヘキシル-4-メチルフェノール)、2,2’-エチリデン-ビス-(2,4-ジ-tert-ブチルフェノール)、テトラキス-[メチレン-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]-メタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン等を採用することができる。これらの中でも、テトラキス-[メチレン-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]-メタン、n-オクタデシル-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼンを用いることが好ましい。
リン系化合物としては、例えば、以下に示す亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸及びこれらのエステル等を採用することができるが、これらの化合物以外のリン系化合物を採用することも可能である。
例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、4,4’-ビフェニレンジホスフィン酸テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル等をあげることができる。
これらの熱安定剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
かかる熱安定剤は、溶融重合時に反応液に添加してもよく、押出機を用いて樹脂に添加し、混練してもよい。溶融押出法によりフィルムを製膜する場合、押出機に前記熱安定剤等を添加して製膜してもよいし、予め押出機を用いて、樹脂中に前記熱安定剤等を添加して、ペレット等の形状にしたものを用いてもよい。
これらの熱安定剤の配合量は、共重合ポリカーボネート樹脂を100重量部とした場合、0.0001重量部以上が好ましく、0.0005重量部以上がより好ましく、0.001重量部以上がさらに好ましく、また、1重量部以下が好ましく、0.5重量部以下がより好ましく、0.2重量部以下がさらに好ましい。
(触媒失活剤)
本発明の共重合ポリカーボネート樹脂に、重合反応で用いた触媒を中和し、失活させるために酸性化合物を添加することで、色調や熱安定性を向上することができる。触媒失活剤として用いられる酸性化合物としては、カルボン酸基やリン酸基、スルホン酸基を有する化合物、又はそれらのエステル体などを用いることができるが、特に下記式(5)又は(6)で表される部分構造を含有するリン系化合物を用いることが好ましい。
Figure 2023105348000008
Figure 2023105348000009
前記式(5)又は(6)で表されるリン系化合物としては、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸類、次亜リン酸、ポリリン酸、ホスホン酸エステル、酸性リン酸エステル等が挙げられる。上記の中でも触媒失活と着色抑制の効果がさらに優れているのは、亜リン酸、ホスホン酸類、ホスホン酸エステルであり、特に亜リン酸が好ましい。
前記ホスホン酸類としては、ホスホン酸(亜リン酸)、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、ビニルホスホン酸、デシルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、アミノメチルホスホン酸、メチレンジホスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、4-メトキシフェニルホスホン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、プロピルホスホン酸無水物などが挙げられる。
前記ホスホン酸エステルとしては、ホスホン酸ジメチル、ホスホン酸ジエチル、ホスホン酸ビス(2-エチルヘキシル)、ホスホン酸ジラウリル、ホスホン酸ジオレイル、ホスホン酸ジフェニル、ホスホン酸ジベンジル、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジフェニル、エチルホスホン酸ジエチル、ベンジルホスホン酸ジエチル、フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジエチル、フェニルホスホン酸ジプロピル、(メトキシメチル)ホスホン酸ジエチル、ビニルホスホン酸ジエチル、ヒドロキシメチルホスホン酸ジエチル、(2-ヒドロキシエチル)ホスホン酸ジメチル、p-メチルベンジルホスホン酸ジエチル、ジエチルホスホノ酢酸、ジエチルホスホノ酢酸エチル、ジエチルホスホノ酢酸tert-ブチル、(4-クロロベンジル)ホスホン酸ジエチル、シアノホスホン酸ジエチル、シアノメチルホスホン酸ジエチル、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチル、ジエチルホスホノアセトアルデヒドジエチルアセタール、(メチルチオメチル)ホスホン酸ジエチルなどが挙げられる。
前記酸性リン酸エステルとしては、リン酸ジメチル、リン酸ジエチル、リン酸ジビニル、リン酸ジプロピル、リン酸ジブチル、リン酸ビス(ブトキシエチル)、リン酸ビス(2-エチルヘキシル)、リン酸ジイソトリデシル、リン酸ジオレイル、リン酸ジステアリル、リン酸ジフェニル、リン酸ジベンジルなどのリン酸ジエステル、又はジエステルとモノエステルの混合物、クロロリン酸ジエチル、リン酸ステアリル亜鉛塩などが挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
前記共重合ポリカーボネート樹脂への前記リン系化合物の添加量が少なすぎると、触媒失活や着色抑制の効果が不十分であり、多すぎるとかえって樹脂が着色したり、特に高温高湿度下での耐久試験において、樹脂が着色しやすくなる。前記リン系化合物の添加量は、重合反応に用いた触媒量に対応した量を添加する。重合反応に用いた触媒の金属1molに対して、前記リン系化合物はリン原子の量として0.5倍mol以上、5倍mol以下が好ましく、さらに0.7倍mol以上、4倍mol以下が好ましく、特に0.8倍mol以上、3倍mol以下が好ましい。
[共重合ポリカーボネート樹脂組成物]
本発明の共重合ポリカーボネート樹脂は、アクリル系樹脂(C)や、成形加工性や諸物性のさらなる向上・調整を目的として、本発明の共重合ポリカーボネート樹脂及びアクリル系樹脂(C)以外の樹脂(以下、単に「その他の樹脂」と称することがある。)を添加して、共重合ポリカーボネート樹脂組成物として用いることができる。
(アクリル系樹脂(C))
前記アクリル系樹脂(C)としては、熱可塑性樹脂としてのアクリル樹脂が使用される。
このアクリル系樹脂(C)に使用される単量体として以下の化合物が挙げられる。例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、アクリル酸、ベンジル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、コハク酸2-(メタ)アクロイルオキシエチル、マレイン酸2-(メタ)アクロイルオキシエチル、フタル酸2-(メタ)アクロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2-(メタ)アクリオイルオキシエチル、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、シクロペンチルメタクリレート、シクロペンチルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘプチルメタクリレート、シクロヘプチルアクリレート、シクロオクチルメタクリレート、シクロオクチルアクリレート、シクロドデシルメタクリレート、シクロドデシルアクリレート等が挙げられる。
これらは、単独で重合して使用してもよく、2種類以上を重合して使用してもよい。特に入手しやすいメタクリル酸メチル及び/又はアクリル酸メチルを含むことが好ましい。
本発明の共重合ポリカーボネート樹脂組成物中のアクリル系樹脂(C)含有割合は、共重合ポリカーボネート樹脂組成物に含まれる共重合ポリカーボネート樹脂に対し、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上である。一般的に、ポリカーボネート樹脂と比較するとアクリル系樹脂(C)は硬度が高く、成形品において傷がつきにくいため、前記下限以上であると耐傷付き性が向上しやすい。また好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下である。一般的に、ポリカーボネート樹脂と比較すると、アクリル系樹脂(C)は耐衝撃性が悪く、かつ耐湿性が低いためアクリル系樹脂(C)の含有割合が上記上限以下であると、耐衝撃性、耐湿性が向上しやすく、また、高いバイオマス度を得る観点から、植物由来原料から製造される、構造単位(A)をより多く含有させることができる。
本発明において、共重合ポリカーボネート樹脂/アクリル系樹脂(C)の比率は、好ましくは0.11~9.0であり、より好ましくは0.25~4.0である。この範囲内であれば機械物性バランスを損なわず成形品として最適である。
アクリル系樹脂(C)を添加した共重合ポリカーボネート樹脂組成物は、その樹脂組成物からなるキャスト成形品や当該キャスト成形品を加熱圧縮した成形品が透明であると、光学用途や、顔料などの着色剤を配合して成形することで光沢のある成形品が得られる点で好ましい。この透明性の判断は、下記の実施例に記載の方法により行うことができる。
(その他の樹脂)
その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート樹脂等の熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル-スチレン-アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル-エチレンプロピレン系ゴム-スチレン共重合体(AES樹脂)等のスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂等が挙げられる。
尚、その他の樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
(成形物(成形品))
本発明の共重合ポリカーボネート樹脂組成物は、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法等の通常知られている方法で成形物(成形品)とすることができる。
また、本発明の共重合ポリカーボネート樹脂組成物は、種々の成形を行う前に、必要に応じて、前記した共重合ポリカーボネート樹脂と同様の添加物、すなわち、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、中和剤、紫外線吸収剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、潤滑剤、可塑剤、相溶化剤、難燃剤、充填剤等の添加剤を、タンブラー、スーパーミキサー、フローター、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、押出機などで混合することもできる。これらの添加物の例は、前記した共重合ポリカーボネート樹脂に用いる添加物と同様の添加物を用いることができる。
(用途)
本発明の共重合ポリカーボネート樹脂や共重合ポリカーボネート樹脂組成物や、これらを含む樹脂混合物を成形してなる成形品は、特に耐候性、透明性等に優れることから、自動車内外装部材、電装部材、電子電気材料、屋外建築部材、化粧品容器用途といった幅広い分野への適用が期待される。
以下にポリカーボネート共重合体の実施例を示すが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。なお、各特性の測定方法は以下の通りである。
[評価方法]
(1)共重合ポリカーボネート樹脂の透明性
得られた共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを、200Pa以下の減圧下、ガラス転移温度-15℃の温度で12時間以上乾燥した。次に、乾燥したペレット約4gを小型熱プレス機(アズワン(株)、AH-2003C AH-1TC)を使用し、縦7cm、横7cm、厚さ0.5mmのスペーサーを用い、試料の上下にポリイミドフィルムを敷いて、温度200~230℃で3分間予熱し、圧力7MPaで5分間加圧後、スペーサーごと取り出し、冷却してシート成形品を作製した。
得られたシート成形品にて、厚み方向と幅方向から目視で確認して、透明性が比較例1で得られた共重合ポリカーボネート樹脂と同程度以上の透明性のものを「透明」、透明性が比較例1より劣るものを「白濁」とした。
(2)共重合ポリカーボネート樹脂の全光線透過率およびヘーズの測定
上記(1)で得られたシート成形品にて、色彩・濁度同時測定器(日本電色工業(株)、形式:COH-400)を使用し、JIS K7105に準拠して測定した。
(3)共重合ポリカーボネート樹脂の耐候性試験
上記(1)で得られたシート成形品にて、岩崎電気(株)製:アイサンキューブキセノンSCX400を用いて、照射強度60W/mの条件で100時間処理した。照射前後のシートの色調をコニカミノルタ(株)製分光測色計CM-5を用い、ASTM D1925に準拠して測定した。プレートを測定室に置き、透過光のYI(イエローネスインデックス)値を測定した。照射処理後のYIと処理前のYIの差(ΔYI)が小さいほどUV照射による着色が少なく、耐候性が優れることを示す。
<評価>
ΔYIが1.0未満の場合:○
ΔYIが1.0以上の場合:×
(4)アクリル樹脂とのキャストフィルム品の透明性
得られた共重合ポリカーボネート樹脂を約1g、アクリル系樹脂(C)としてメタクリル樹脂(PMMA)を約1gサンプリングし、20mlのサンプル瓶に入れてクロロホルム約10gに溶解させた。直径約5cmのアルミ皿に溶解させたポリカーボネート樹脂組成物を入れ風乾してキャストフィルムを作製した。
得られたキャストフィルムを蛍光灯に照らしながら透明性を確認して、白濁部が無い場合は「透明」、白濁部がある場合は「白濁」とした。
(5)熱プレス品の透明性
前記ポリカーボネート樹脂組成物のキャストフィルムを、共重合ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度-15℃の温度で12時間以上乾燥した。次に、乾燥したキャストフィルムを小型熱プレス機(アズワン(株)、AH-2003C AH-1TC)を使用し、厚さ0.1mmのスペーサーを用い、試料の上下にポリイミドフィルムを敷いて、温度180~200℃で3分間予熱し、圧力7MPaで5分間加圧後、スペーサーごと取り出し、冷却してフィルムを作製した。
得られたフィルムを蛍光灯に照らしながら確認し、白濁部が無い場合は「透明」、白濁部がある場合は「白濁」とした。
(6)共重合ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)
共重合ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)は、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製示差走査熱量計DSC6220を用いて測定した。
約10mgの樹脂試料を同社製アルミパンに入れて密封し、50mL/分の窒素気流下、昇温速度20℃/分で30℃から200℃まで昇温した。3分間温度を保持した後、30℃まで20℃/分の速度で冷却した。30℃で3分保持し、再び200℃まで20℃/分の速度で昇温した。2回目の昇温で得られたDSCデータより、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度である、補外ガラス転移開始温度を求め、それをガラス転移温度とした。
(7)共重合ポリカーボネート樹脂の還元粘度
溶媒として塩化メチレンを用い、0.6g/dLの濃度のポリカーボネート溶液を調製した。森友理化工業社製:ウベローデ型粘度管を用いて、温度20.0℃±0.1℃で測定を行い、溶媒の通過時間t0と溶液の通過時間tから次式より相対粘度ηrelを求めた。
ηrel=t/t0
次いで、得られた相対粘度ηrelから次式より比粘度ηspを求めた。
ηsp=(η-η0)/η0=ηrel-1
そして、比粘度を濃度c(g/dL)で割って、還元粘度ηsp/cを求めた。この値が高いほど分子量が大きい。
(8)共重合ポリカーボネート樹脂の飽和吸水率の測定
得られた共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを、200Pa以下の減圧下、ガラス転移温度-15℃の温度で12時間以上乾燥した。次に、乾燥したペレット約4gを小型熱プレス機(アズワン(株)、AH-2003C AH-1TC)を使用し、縦14cm、横14cm、厚さ0.1mmのスペーサーを用い、試料の上下にポリイミドフィルムを敷いて、温度180~230℃で3分間予熱し、圧力7MPaで5分間加圧後、スペーサーごと取り出し、冷却してシートを作製した。
得られたフィルムを縦100mm、横100mmの正方形に切り出して試料を作製した。この試料を200Pa以下の減圧下、ガラス転移温度-10℃の温度で24時間以上乾燥した。乾燥後の試料の重量を0.1mgまで量り、この値を乾燥重量とした。次に、乾燥後の試料を23℃に調温された脱塩水に72時間以上浸漬した。浸漬後の試料を水から取り出し、表面の水分を清浄で乾いた布又はフィルター紙で全て拭き取った後、試料を0.1mgまで量り、この値を吸水重量とした。吸水重量は水から取り出して1分以内に測定した。飽和吸水率は下記式を用いて求めた。
(吸水重量-乾燥重量)/乾燥重量×100=飽和吸水率(%)
(9)ジメチルシロキサン単位の平均繰り返し数n
1H-NMR測定によって、ジメチルシロキサン単位の平均繰り返し数nを算出した。用いた装置や条件は次のとおりである。
・装置:JNM-ECZ400S(日本電子(株)製)
・測定温度:30℃
・緩和時間:6秒
・積算回数:64回・サンプル量:5~15mg
・溶媒:重クロロホルム
後述の実施例、比較例で使用したポリオルガノシロキサンを例に、ジメチルシロキサン単位の平均繰り返し数nの計算方法を説明する。
<下記式(V-1)で表されるポリジメチルシロキサンの場合>
・積分値を算出する範囲
(a):0.04~0.1ppm:ジメチルシロキサン部のメチル基由来(プロトン数:6)
(b):0.5~0.6ppm:両末端カルビノール変性部のメチレン基由来(プロトン数:4)
{(a)/((b)/4))/6}-1=ジメチルシロキサン単位の平均繰り返し数n
<下記式(V-2)で表されるポリジメチルシロキサンの場合>
・積分値を算出する範囲
(a):0.04~0.1ppm:ジメチルシロキサン部のメチル基由来(プロトン数:6)
(b):3.8~3.9ppm:両末端オイゲノール変性部のメチル基由来(プロトン数:6)
{(a)/((b)/6))/6}-1=ジメチルシロキサン単位の平均繰り返し数n
<下記式(V-3)で表されるポリジメチルシロキサンの場合>
(a):0.04~0.1ppm:ジメチルシロキサン部のメチル基由来(プロトン数:6)
(b):0.5~0.6ppm:末端カルビノール変性部、末端ブチレン部のメチレン基由来(プロトン数:4)
{(a)/((b)/4))/6}-1=ジメチルシロキサン単位の平均繰り返し数n
Figure 2023105348000010
Figure 2023105348000011
Figure 2023105348000012
[原材料]
以下の合成例、実施例および比較例で用いた原材料の略号、名称、銘柄当は以下の通りである。
・ISB:イソソルビド(ロケットフルーレ社製、商品名:POLYSORB)
・CHDM:1,4-シクロヘキサンジメタノール(シス、トランス混合物、SKケミカル(株)製)
・SPG:スピログリコール(三菱ガス化学(株)製)
・TCDDM:トリシクロデカンジメタノール(オクセアジャパン(株)製)
・DPC:ジフェニルカーボネート(三菱ケミカル(株)製)
・PMMA:メタクリル樹脂(三菱ケミカル社(株)製、グレード名:VH001)
・BPA:ビスフェノールA
・ポリオルガノシロキサン-1:XP1459(JNC社製)、式(V-1)で表されるポリオルガノシロキサン、数平均分子量570、ジメチルシロキサン単位の平均繰り返し数n:5
・ポリオルガノシロキサン-2:XP1460(JNC社製)、式(V-1)で表されるポリオルガノシロキサン、数平均分子量780、ジメチルシロキサン単位の平均繰り返し数n:7
・ポリオルガノシロキサン-3:X-22-160AS(信越化学工業(株)製)、式(V-1)で表されるポリオルガノシロキサン、数平均分子量:970、ジメチルシロキサン単位の平均繰り返し数n:10
・ポリオルガノシロキサン-4:EXL1414T(Sabic社製)、シロキサン含有ポリカーボネート、式(V-2)で表されるポリオルガノシロキサン、数平均分子量3900、ジメチルシロキサン単位の平均繰り返し数n:48
・ポリオルガノシロキサン-5:BY16-201(東レ・ダウコーニング社製)、式(V-1)で表されるポリオルガノシロキサン、数平均分子量1860、ジメチルシロキサン単位の平均繰り返し数n:22
・ポリオルガノシロキサン-6:FM-0411(JNC社製)、数平均分子量:1140、式(V-3)で表されるポリオルガノシロキサン、ジメチルシロキサン単位の平均繰り返し数n:13
[実施例1]
ISBを33.96g(0.232mol)、CHDMを30.50g(0.212mol)、ポリオルガノシロキサン-1を3.83g(0.007mol)、DPCを97.46g(0.455mol)、及び触媒として酢酸カルシウム1水和物を0.794×10-3g(4.50×10-6mol)を反応器に投入し、反応装置内を減圧窒素置換した。窒素雰囲気下、反応器内を150℃で30分間、攪拌しながら原料を溶解させた。
反応1段目の工程として210℃まで30分かけて昇温し、30分間常圧にて反応させた。次いで圧力を常圧から13.3kPaまで120分かけて減圧した後、13.3kPaで保持しながら熱媒温度を15分かけて230℃まで昇温した。
反応2段目の工程として圧力を133Pa以下まで20分かけて減圧し、発生するフェノールを反応系外へ抜き出した。所定撹拌動力になった時点で窒素にて復圧し、内容物をストランドの形態で抜出し、回転式カッターでペレットにした。得られた共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを用いて、前述の各種評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
CHDMを27.11g(0.188mol)、ポリオルガノシロキサン-1を7.66g(0.013mol)、DPCを93.80g(0.438mol)、及び触媒として酢酸カルシウム1水和物を19.1×10-3g(1.08×10-4mol)を用いた以外は実施例1と同様に重合反応を行い、共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られた共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを用いて、前述の各種評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
CHDMを30.5g(0.211mol)、ポリオルガノシロキサン-2を3.87g(0.005mol)、DPCを98.08g(0.458mol)、及び触媒として酢酸カルシウム1水和物を7.91×10-4g(4.49×10-6mol)を用いた以外は実施例1と同様に重合反応を行い、共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られた共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを用いて、前述の各種評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例4]
ISBを25.47g(0.174mol)、CHDMを50.84g(0.353mol)、ポリオルガノシロキサン-2を9.67g(0.013mol)、DPCを117.27g(0.547mol)、及び触媒として酢酸カルシウム1水和物を23.8×10-3g(1.35×10-4mol)を用いた以外は実施例1と同様に重合反応を行い、共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られた共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを用いて、前述の各種評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例5]
CHDMを27.11g(0.188mol)、ポリオルガノシロキサン-2を7.74g(0.010mol)、DPCを93.59g(0.437mol)、及び触媒として酢酸カルシウム1水和物を19.0×10-3g(1.08×10-4mol)を用いた以外は実施例1と同様に重合反応を行い、共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られた共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを用いて、前述の各種評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例6]
SPGを29.48g(0.097mol)、ポリオルガノシロキサン-2を7.74g(0.010mol)、DPCを73.77g(0.344mol)、及び触媒として酢酸カルシウム1水和物を14.9×10-3g(8.48×10-5mol)を用いた以外は実施例1と同様に重合反応を行い、共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られた共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを用いて、前述の各種評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例7]
ISBを16.98g(0.116mol)、SPGを64.49g(0.212mol)、ポリオルガノシロキサン-3を9.74g(0.010mol)、DPCを73.15g(0.341mol)、及び触媒として酢酸カルシウム1水和物を14.9×10-3g(8.45×10-5mol)を用いた以外は実施例1と同様に重合反応を行い、共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られた共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを用いて、前述の各種評価を行った。評価結果を表1に示す。
[実施例8]
TCDDMを28.26g(0.144mol)、ポリオルガノシロキサン-2を7.74g(0.010mol)、DPCを84.01g(0.392mol)、及び触媒として酢酸カルシウム1水和物を6.81×10-3g(3.86×10-5mol)を用いた以外は実施例1と同様に重合反応を行い、共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られた共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを用いて、前述の各種評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
ISBを34.15g(0.234mol)、CHDMを33.7g(0.234mol)、DPCを100.12g(0.467mol)、を用いた以外は実施例1と同様に重合反応を行い、共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られた共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを用いて、前述の各種評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
ISBを42.45g(0.290mol)、CHDMを33.89g(0.235mol)、ポリオルガノシロキサン-5を9.87(0.005mol)、DPCを113.63g(0.53mol)、及び触媒として酢酸カルシウム1水和物を9.35×10-3g(5.30×10-5mol)を用いた以外は実施例1と同様に重合反応を行い、共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られた共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを用いて、前述の各種評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
ISBを55.18g(0.378mol)、SPGを59.89g(0.197mol)、DPCを123.04g(0.574mol)、及び触媒として酢酸カルシウム1水和物を10.12×10-3g(5.74×10-5mol)を用いた以外は実施例1と同様に重合反応を行い、共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られた共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを用いて、前述の各種評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例4]
ポリオルガノシロキサン-4を用いて、前述の各種評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例5]
ISBを67.92g(0.465mol)、ポリオルガノシロキサン-6を0.48g(0.001mol)、DPCを99.56g(0.465mol)、及び触媒として酢酸カルシウム1水和物を6.55×10-4g(3.72×10-6mol)を用いた以外は実施例1と同様に重合反応を行い、共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られた共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを用いて、前述の各種評価を行った。評価結果を表1に示す。
[比較例6]
ISBを63.23g(0.433mol)、ポリオルガノシロキサン-1を5.30g(0.009mol)、DPCを94.57g(0.441mol)、及び触媒として酢酸カルシウム1水和物を6.22×10-4g(3.53×10-6mol)を用いた以外は実施例1と同様に重合反応を行い、共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを得た。得られた共重合ポリカーボネート樹脂のペレットを用いて、前述の各種評価を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 2023105348000013
[評価]
表1から明らかなように、本発明の実施例1~8によれば、構造単位(A)と構造単位(B)を所定量有する共重合ポリカーボネート樹脂は、透明性・耐候性ともに優れ、低吸水性であることが分かる。

Claims (8)

  1. 下記式(1)で表される構造単位(A)と、下記式(2)で表される構造単位(B)とを少なくとも含む共重合ポリカーボネート樹脂であって、
    前記式(1)で表される構造単位(A)の含有量に対して前記式(2)で表される構造単位(B)を8.5質量%以上、80質量%以下含有する共重合ポリカーボネート樹脂。
    Figure 2023105348000014
    Figure 2023105348000015
    (式(2)において、nはポリオルガノシロキサン部の平均繰り返し数であり、3~20を示す。R~Rはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基又は炭素数6~12のアリール基を示す。X及びX’はそれぞれ独立に、酸素原子、又は-C(=O)-、エーテル構造、アミン構造、芳香族構造若しくは脂肪族構造を有する有機残基を示す。)
  2. 全光線透過率が88%以上である請求項1に記載の共重合ポリカーボネート樹脂。
  3. さらに脂肪族ジヒドロキシ化合物及び/又は脂環式ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含有する、請求項1又は2に記載の共重合ポリカーボネート樹脂。
  4. ガラス転移温度が50℃以上、160℃以下である、請求項1~3のいずれかに記載の共重合ポリカーボネート樹脂。
  5. 20℃における還元粘度が0.30以上、0.80以下である、請求項1~4のいずれかに記載の共重合ポリカーボネート樹脂。
  6. 飽和吸水率が2.0%以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の共重合ポリカーボネート樹脂。
  7. 請求項1~6のいずれかに記載の共重合ポリカーボネート樹脂にアクリル系樹脂(C)を含有させた共重合ポリカーボネート樹脂組成物。
  8. 請求項1~6のいずれかに記載の共重合ポリカーボネート樹脂又は請求項7に記載の共重合ポリカーボネート樹脂組成物を含む成形品。
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