JP2023105337A - アクティブフィルタ装置及びそれを備えた電動圧縮機 - Google Patents

アクティブフィルタ装置及びそれを備えた電動圧縮機 Download PDF

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Hiroshi Yoshida
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Koji Kobayashi
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Tatsuki Kashiwabara
悟司 小笠原
Satoshi Ogasawara
伊織 宇田
Iori UDA
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Abstract

【課題】コモンモードトランスを用いること無く、また、パッシブ方式のコモンモードノイズフィルタに対して、大きな体積や重量の増加を伴わずに、コモンモードノイズフィルタの減衰特性を向上させることができるアクティブフィルタ装置を提供する。【解決手段】アクティブフィルタ装置1は、一対の電源ライン11、12に挿入されたコモンモードチョークコイル28と、コモンモード電圧を検出する検出部29と、検出部29で検出されたコモンモード電圧を反転増幅する反転増幅回路37と、反転増幅回路の出力と一対の電源ライン11、12間にそれぞれ接続されたYコンデンサ21、22を備えており、反転増幅回路37の出力電圧を補償電圧としてYコンデンサ21、22に印加する。【選択図】図2

Description

本発明は、コモンモードノイズを抑制するためのアクティブフィルタ装置、及び、当該アクティブフィルタ装置を備えた電動圧縮機に関するものである。
コモンモードノイズの低減を目的としたパッシブ方式のコモンモードノイズフィルタ(パッシブフィルタ)は、一対の電源ラインとグランド電位間にそれぞれ接続されたYコンデンサと、一対の電源ラインに挿入されたコモンモードチョークコイルから構成されていた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、例えば電動圧縮機のモータを駆動するインバータ装置の場合、パッシブ方式でコモンモードノイズフィルタの減衰特性を向上させるために、構成要素であるYコンデンサで対応しようとすると、漏れ電流増加による安全面からの容量値の制約や、現実的でない容量値のものを採用する必要が生じる。また、コモンモードチョークコイルで対応しようとしても、実装可能なコイルに寸法的な制約が生じる課題があった。
そこで、コモンモードノイズフィルタにアクティブ方式を採用したものも種々開発されている(例えば、特許文献2~特許文献3参照)。
特開2008-78844号公報 特許第3044650号公報 特許第5528543号公報
しかしながら、上記何れの文献においてもコモンモードノイズの検出や補償にコモンモードトランスを必要とし、アクティブフィルタ装置の大型化を伴うため、改善が望まれていた。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、コモンモードトランスを用いること無く、また、パッシブ方式のコモンモードノイズフィルタに対して、大きな体積や重量の増加を伴わずに、コモンモードノイズフィルタの減衰特性を向上させることができるアクティブフィルタ装置、及び、それを備えた電動圧縮機を提供することを目的とする。
本発明のアクティブフィルタ装置は、一対の電源ラインに挿入されたコモンモードチョークコイルと、コモンモード電圧を検出する検出部と、この検出部で検出されたコモンモード電圧を反転増幅する反転増幅回路と、この反転増幅回路の出力と一対の電源ライン間にそれぞれ接続されたYコンデンサを備え、反転増幅回路の出力電圧を補償電圧としてYコンデンサに印加することを特徴とする。
請求項2の発明のアクティブフィルタ装置は、上記発明において反転増幅回路を構成する増幅器の出力電流に応じて、当該増幅器の出力インピーダンスの増加に伴う電圧降下を補償する出力インピーダンス補償回路を備えたことを特徴とする。
請求項3の発明のアクティブフィルタ装置は、上記各発明において検出部のグランド経路と、反転増幅回路のグランド経路を、別々に回路グランドに接続したことを特徴とする。
請求項4の発明の電動圧縮機は、上記各発明のアクティブフィルタ装置と、インバータ装置が、筐体と一体に設けられていることを特徴とする。
請求項5の発明の電動圧縮機は、上記発明においてアクティブフィルタ装置が、インバータ装置とは異なる基板で構成されていることを特徴とする。
請求項6の発明の電動圧縮機は、請求項4又は請求項5の発明においてアクティブフィルタ装置が、インバータ装置からシールドされていることを特徴とする。
請求項7の発明の電動圧縮機は、請求項4乃至請求項6の発明において筐体をグランド電位とし、回路グランドを筐体に接続すると共に、検出部のグランド経路を筐体に接続し、反転増幅回路のグランド経路を回路グランドに接続したことを特徴とする。
本発明のアクティブフィルタ装置によれば、一対の電源ラインに挿入されたコモンモードチョークコイルと、コモンモード電圧を検出する検出部と、この検出部で検出されたコモンモード電圧を反転増幅する反転増幅回路と、この反転増幅回路の出力と一対の電源ライン間にそれぞれ接続されたYコンデンサを備えており、反転増幅回路の出力電圧を補償電圧としてYコンデンサに印加するようにしたので、反転増幅回路のゲインに応じてYコンデンサの見かけ上の容量値が増加することになる。
このようなYコンデンサの見かけ上の容量値の増加により、大容量のYコンデンサや大型のコモンモードチョークコイルを用いること無く、ノイズ電流の還流を増やし、電源側へ漏れ出るコモンモード電流を低減させることができるようになる。
特に、コモンモードチョークコイルとYコンデンサから成る通常のパッシブ方式のノイズフィルタに適用して、コモンモードノイズの減衰特性を改善することができるので、汎用性に富んだものとなる。
この場合、請求項2の発明の如く反転増幅回路を構成する増幅器の出力電流に応じて、当該増幅器の出力インピーダンスの増加に伴う電圧降下を補償する出力インピーダンス補償回路を設ければ、増幅器の出力インピーダンスの増加に伴う高周波領域での減衰特性の低下も抑制することができるようになる。
また、請求項3の発明の如く検出部のグランド経路と、反転増幅回路のグランド経路を、別々に回路グランドに接続するようにすれば、反転増幅回路の動作電流に起因する回路グランドに対する電圧変動が、検出部によるコモンモード電圧の検出に及ぼす悪影響を低減することができるようになる。
そして、上記各発明のアクティブフィルタ装置は、請求項4の発明の如くインバータ装置と共に電動圧縮機の筐体に一体に設けられる場合に極めて好適なものとなる。
この場合、請求項5の発明の如くアクティブフィルタ装置を、インバータ装置とは異なる基板で構成することで、仕様に応じ、任意のフィルタ特性に容易に変更することができるようになる。
更に、請求項6の発明の如くアクティブフィルタ装置をインバータ装置からシールドすることで、ノイズ源(インバータ装置)による影響を抑制して、意図したノイズ減衰効果を発揮させることができるようになる。
また、請求項7の発明の如く筐体をグランド電位とし、回路グランドを筐体に接続すると共に、検出部のグランド経路を筐体に接続し、反転増幅回路のグランド経路を回路グランドに接続することで、反転増幅回路の動作電流に起因する回路グランドの電位変動による検出部の検出誤差を排除することが可能となる。
本発明のアクティブフィルタ装置を適用した一実施例の電動圧縮機及び当該電動圧縮機への給電経路の電気回路図である。 図1の電動圧縮機の電気回路図である(実施例1)。 図1の電動圧縮機のインバータ収容部部分の概略断面図である。 図2のアクティブフィルタ装置の等価回路図である。 本発明のアクティブフィルタ装置によるコモンモードノイズ低減作用を説明するためのYコンデンサのインピーダンス特性を示す図である。 本発明のアクティブフィルタ装置によるコモンモードノイズ低減作用を説明する図である。 図1の電動圧縮機の他の実施例の電気回路図である(実施例2)。 部品特性を考慮した図2のアクティブフィルタ補償回路の反転増幅回路の等価回路図である。 図2のアクティブフィルタ補償回路の反転増幅回路を構成する増幅器のオープンループゲインAと出力インピーダンスZoutの周波数特性を示す図である。 図2のYコンデンサのインピーダンス特性を示す図である。 本発明のもう一つの他の実施例のアクティブフィルタ装置の増幅器と出力インピーダンス補償回路の等価回路図である(実施例3)。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明のアクティブフィルタ装置1を適用した一実施例の電動圧縮機2及び当該電動圧縮機2への給電経路の電気回路図、図2は電動圧縮機2の電気回路図、図3は電動圧縮機2のインバータ装置3を収容するインバータ収容部4部分の概略断面図をそれぞれ示している。
実施例の電動圧縮機2は、例えば電気自動車やハイブリッド自動車等の車両に搭載されて車室内を空調する車両用空気調和装置の冷媒回路の一部を構成するものであり、インバータ装置(PWMインバータ)3及び本発明のアクティブフィルタ装置1は、この電動圧縮機2に一体に設けられる。即ち、実施例の電動圧縮機2はインバータ一体型電動圧縮機である。
インバータ装置3は、直流電源として車両に搭載された高電圧バッテリ7(HV。例えばDC350V)からの直流電圧を任意の周波数の交流電圧に変換して電動圧縮機2のモータ8に供給し、運転するものであり、本発明の実施例のアクティブフィルタ装置1は、係るインバータ装置3にて発生するコモンモードノイズを低減するために設けられるものである。
(1)電動圧縮機2の給電経路
図1において、インバータ装置3は、高電圧バッテリ7の正側の電源ライン11と、負側の電源ライン12に接続された複数のスイッチング素子(IGBT。図3)15から構成されている。図1中の20は制御回路であり、インバータ装置3の各スイッチング素子15は、この制御回路20によりスイッチング制御(PWM制御)される。また、13は一対の前記電源ライン11、12間に接続された平滑コンデンサである。
尚、14は車両のECU、16は低電圧バッテリ(DC12V)であり、制御回路20はECU14からの指令に基づき、低電圧バッテリ16を電源としてインバータ装置3の各スイッチング素子15をスイッチング制御する。また、18は電動圧縮機2の筐体(アルミダイカスト製)である。更に、電動圧縮機2は、シールドされたHVハーネス25(一対の電源ライン11、12を構成する)で高電圧バッテリ7に接続され、電動圧縮機2の筐体18は、車両の車体に直接固定される。これにより、筐体18がグランド電位となる。
実施例のアクティブフィルタ装置1は、一対の電源ライン11、12と下記アクティブフィルタ補償回路23の出力間にそれぞれ接続されたYコンデンサ(CY)21、22と、これらYコンデンサ21、22と筐体18(グランド電位)間に接続されたかたちとなるアクティブフィルタ補償回路23と、一対の電源ライン11、12とアクティブフィルタ補償回路23間にそれぞれ接続されたコモンモード電圧検出コンデンサ26、27(Csense)。本発明における検出部29を構成する)と、これらYコンデンサ21、22やアクティブフィルタ補償回路23、コモンモード電圧検出コンデンサ26、27から見て高電圧バッテリ7側における一対の電源ライン11、12に挿入されたコモンモードチョークコイル(CMCC)28から構成されている。
(2)電動圧縮機2の電気回路
次に、図2は電動圧縮機2の電気回路のみを抽出して示している。この図において、図1と同一符号で示すものは同一のものである。モータ8の巻線8Cと筐体18間には、絶縁紙や冷媒、オイルが介在するが、このモータ8の巻線8Cと筐体18間の浮遊容量を図2中に31で示す。この浮遊容量31を介してノイズ電流が流れ、コモンモードノイズが発生することになる。
また、図2中にはアクティブフィルタ装置1のアクティブフィルタ補償回路23の詳細を示している。実施例のアクティブフィルタ補償回路23は、増幅器32と、この増幅器32の反転入力端子(-)と出力端子間に接続された負帰還抵抗(Rf_com)33と、増幅器32の正電源端子と負電源端子に接続された電源回路(VCC、VEE)34と、前述したコモンモード電圧検出コンデンサ26、27と、これらコモンモード電圧検出コンデンサ26、27と共に検出部29を構成するコモンモード電圧検出抵抗(Rsense)36とから構成されている。
増幅器32と負帰還抵抗33、及び、コモンモード電圧検出抵抗36により本発明における反転増幅回路37(ゲインG1)が構成される。また、コモンモード電圧検出コンデンサ26、27の一端は、一対の電源ライン11、12にそれぞれ接続され、コモンモード電圧検出コンデンサ26、27の他端は、共にコモンモード電圧検出抵抗36の一端に接続されている。そして、このコモンモード電圧検出抵抗36の他端は増幅器32の反転入力端子(-)に接続されている。また、増幅器32の非反転入力端子(+)は、グランド経路38にてこの実施例では回路グランド30に接続されている。このグランド経路38が検出部29のグランド経路となる。尚、回路グランド30はグランド電位である筐体18に接続されている。
一方、前述したYコンデンサ21、22の一端は、一対の電源ライン11、12にそれぞれ接続されている。そして、これらYコンデンサ21、22の他端は、共に増幅器32の出力端子に接続されている。この増幅器32の電源回路34のグランド経路39は、この実施例ではグランド経路38とは別に回路グランド30に接続されている。このグランド経路39が反転増幅回路37のグランド経路である。これにより、各Yコンデンサ21、22は、アクティブフィルタ補償回路23の増幅器32を介して、一対の電源ライン11、12と筐体18(グランド電位)間に接続されたかたちとなり、反転増幅回路37(増幅器32)の出力電圧が補償電圧としてYコンデンサ21、22に印加されることになる。
(3)電動圧縮機2(インバータ収容部4)の構造
ここで、図3は電動圧縮機2の概略断面図を示している。図3に示すアルミダイカスト製の筐体18内に前述したモータ8や、このモータ8で駆動される圧縮機構が収納されている。そして、実施例では前述したインバータ装置3や平滑コンデンサ13等の高電圧回路41(図3)、及び、制御回路20等の低電圧回路42(図3)は、図3に示す如く制御基板43上に設けられている。一方、アクティブフィルタ補償回路23と、Yコンデンサ21、22、前述したコモンモードチョークコイル28から成るアクティブフィルタ装置1は、制御基板43とは別個に設けられたHVフィルタ基板44上に設けられた構成とされている。
これら制御基板43とHVフィルタ基板44は、図3に示す如く電動圧縮機2の筐体18の一端部に構成されたインバータ収容部4内に配設される。この場合、インバータ収容部4内は筐体18に構成された仕切壁46により第1の収容室4Aと第2の収容室4Bに仕切られており、制御基板43は第1の収容室4A内に設けられ、HVフィルタ基板44は第2の収容室4B内に設けられる(図3)。これにより、アクティブフィルタ装置1は、インバータ装置3等を含む高電圧回路41や制御回路20等を含む低電圧回路42からシールドされたかたちとなる。
尚、図3中の47は高電圧バッテリ7とアクティブフィルタ装置1とを接続するためのHVコネクタである。また、48はインバータ装置3や制御回路20、アクティブフィルタ装置1の配線接続を行うためのバスバーであり、硬質合成樹脂にてモールド成型された構造とされている。そして、前述したスイッチング素子15(IGBT)は筐体18に放熱するように配設され、バスバー48を通過してインバータ装置3(高電圧回路41)に接続されている。
(4)アクティブフィルタ装置1の作用(動作)
以上の構成で、次に図2、図4~図6を参照しながら、この実施例のアクティブフィルタ装置1の作用(動作)について説明する。尚、図4~図6において図1~図3と同一符号で示すものは同一のものとする。図4はアクティブフィルタ装置1の等価回路を示している。尚、実際の回路においては、Yコンデンサ21、22は寄生インダクタンス51(Lstray_Cy)を有する(図4)。
電源ライン11、12にあらわれるコモンモード電圧(HVコモンモード電圧)をvHV_com、反転増幅回路37の補償電圧をvcomp_comで表すと、コモンモード電圧検出抵抗36が接続される反転増幅回路37の入力端子は仮想接地となるため、コモンモード電圧(HVコモンモード電圧)vHV_comは、下記数式(I)で表すことができる。尚、Rsenseはコモンモード電圧検出抵抗36の抵抗値、Csenseはコモンモード電圧検出コンデンサ26、27の容量値であり、Csense(×2)はそれらの合成容量値を意味している。G1は反転増幅回路37のゲインであり、G1=Rf_com/Rsenseとなる。このRf_comは負帰還抵抗33の抵抗値である。
また、Lstray_Cyは寄生インダクタンス51のインダクタンス値であり、Lstray_Cy(×1/2)はそれらの合成インダクタンス値を意味している。CYはYコンデンサ21、22の容量値であり、CY(×2)はそれらの合成容量値を意味している。更に、ICYはYコンデンサ21、22を流れる電流である。
Figure 2023105337000002
数式(I)より、下記数式(II)が成り立つ。
Figure 2023105337000003
アクティブフィルタ補償回路23の補償によるYコンデンサ21、22のインピーダンスをZCyとすると、インピーダンスZCyは下記数式(III)となる。
Figure 2023105337000004
数式(I)~数式(III)を用いてインピーダンスZCyをコモンモード電圧検出コンデンサ26、27の合成容量値Csense(×2)、コモンモード電圧検出抵抗36の抵抗値Rsense、Yコンデンサ21、22の合成容量値CY(×2)、寄生インダクタンス51のインダクタンス値Lstray_Cyで表すと、下記数式(IV)となる。
Figure 2023105337000005
ここで、高周波領域においては、コモンモード電圧検出コンデンサ26、27のインピーダンスがコモンモード電圧検出抵抗36のインピーダンスに対して無視できるようにコモンモード電圧検出コンデンサ26、27の容量値Csenseとコモンモード電圧検出抵抗36の抵抗値Rsenseを選定することで、数式(IV)は下記数式(V)と見なすことができる。
Figure 2023105337000006
この数式(V)は、(1+G1)倍のYコンデンサが接続されているのと等価であることを意味している。即ち、アクティブフィルタ補償回路23の補償により、Yコンデンサ21、22の容量値が見かけ上、(1+G1)倍に増加したことになる。尚、寄生インダクタンス51のインダクタンス値は等価的に低減(1/(1+G1))される。
以上のように検出部29で検出されたコモンモード電圧vHV_comを反転増幅する反転増幅回路37を設け、この反転増幅回路37の出力電圧を補償電圧vcomp_comとしてYコンデンサ21、22に印加するようにしたので、反転増幅回路37のゲインG1に応じてYコンデンサ21、22の見かけ上の容量値が増加((1+G1)倍)することになる。
図5の破線は通常のパッシブ方式のノイズフィルタのYコンデンサのインピーダンス特性を示し、実線は本発明のアクティブフィルタ装置1によるYコンデンサのインピーダンス特性を示している。尚、ZCyはYコンデンサのインピーダンスである。この図からも明らかな如く本発明のアクティブフィルタ装置1によれば、Yコンデンサの容量値が見かけ上増加して、インピーダンスZCyが通常のパッシブ方式のノイズフィルタよりもゲインG1の値に応じて減少している(図5は、G1=3の場合のインピーダンスの変化を示す)。
係るYコンデンサ21、22の見かけ上の容量値の増加により、大容量のYコンデンサや大型のコモンモードチョークコイルを用いること無く、図2中に破線矢印で示すノイズ電流の還流を増やし、電源側へ漏れ出るコモンモード電流を低減し、コモンモードノイズを低下させることができるようになる。
図6の黒色部分は通常のパッシブ方式のノイズフィルタによるコモンモードノイズのレベルを示し、網掛け部分は本発明のアクティブフィルタ装置1によるコモンモードノイズのレベルを示している。この図からも明らかな如く、本発明のアクティブフィルタ装置1によればコモンモードノイズレベルが通常のパッシブ方式のノイズフィルタよりもYコンデンサのインピーダンスの減少に応じて低下している。
特に、コモンモードチョークコイル28とYコンデンサ21、22から成る通常のパッシブ方式のノイズフィルタにアクティブフィルタ補償回路23を追加して、コモンモードノイズの減衰特性を改善することができるので、汎用性に富んだものとなる。
そして、本発明のアクティブフィルタ装置1は、実施例の如くインバータ装置3と共に電動圧縮機2の筐体18に一体に設けられる場合に極めて好適なものとなる。
また、実施例ではアクティブフィルタ装置1を、インバータ装置3が設けられた制御基板43とは異なるHVフィルタ基板44で構成しているので、仕様に応じ、任意のフィルタ特性に容易に変更することができるようになる。更に、このHVフィルタ基板44(アクティブフィルタ装置1)はインバータ装置3が設けられた制御基板43から仕切壁46によりシールドされているので、ノイズ源(インバータ装置3)による影響を抑制して、意図したノイズ減衰効果を発揮させることができるようになる。
更に、実施例では検出部29のグランド経路38と、反転増幅回路37のグランド経路39を、別々に回路グランド30に接続しているので、反転増幅回路37の動作電流に起因する回路グランド30に対する電圧変動が、検出部29によるコモンモード電圧の検出に及ぼす悪影響を低減することができるようになる。
次に、図7は本発明のアクティブフィルタ装置1の他の実施例の電気回路を示している。尚、この図において図2と同一符号で示すものは同一のものとする。この実施例の場合、検出部29のグランド経路38は、直接筐体18(グランド電位)に接続され、増幅器32の電源回路34のグランド経路39(反転増幅回路37のグランド経路)は前述同様に回路グランド30に接続されている。
この実施例のように、筐体18をグランド電位とし、回路グランド30を筐体18に接続すると共に、検出部29のグランド経路38を筐体18に接続し、反転増幅回路37のグランド経路39を回路グランド30に接続するようにすれば、反転増幅回路37の動作電流に起因する回路グランド30の電位変動による検出部29の検出誤差を排除することが可能となる。
(5)出力インピーダンス補償回路56
ここで、前述した各実施例のアクティブフィルタ装置1を構成するアクティブフィルタ補償回路23の反転増幅回路37の等価回路を図8に示す。図中Rsenseは前述したコモンモード電圧検出抵抗36の抵抗値、Rf_comは負帰還抵抗33の抵抗値、Roは増幅器32の出力抵抗分54の抵抗値である。
また、図9の上側には反転増幅回路37を構成する増幅器32のオープンループゲインAの周波数特性、下側には増幅器32の出力インピーダンスZoutの周波数特性を示している。反転増幅回路37を構成する増幅器32の出力電流をIout、出力電圧をVoutとすると、増幅器32の出力インピーダンスZoutは、下記数式(VI)で表される。また、帰還率βは下記数式(VII)で表されるので、図8の電位と電流の関係から、出力電圧Voutは下記数式(VIII)で表される。尚、V+は増幅器32の非反転入力端子(+)の電圧、V-は増幅器32の反転入力端子(-)の電圧である。
Figure 2023105337000007
また、増幅器32の非反転入力端子(+)の電圧V+と反転入力端子(-)の電圧V-の差は下記数式(IX)で表されるので、数式(VIII)は下記数式(X)、(XI)に順次変形することができ、出力インピーダンスZoutは最終的に数式(XII)となる。
Figure 2023105337000008
数式(XII)より、オープンループゲインAが減少すると出力インピーダンスZoutが高くなることが分かる。負帰還をかけることで出力インピーダンスZoutは低下するが、図9の上側に示すようにオープンループゲインAが周波数特性を持つため、周波数が高くなると帰還量が減り、図9の下側に示すように出力インピーダンスZoutは高くなり、ノイズ減衰特性が悪化する。
この状況が図10に示されている。図10中、L1はパッシブフィルタの周波数特性、L2は理想的なアクティブフィルタ補償回路を適用した場合の周波数特性である。図10で、谷となる共振点まではアクティブフィルタ装置1の場合のYコンデンサのインピーダンスの方が、前述した作用によりパッシブ方式のYコンデンサのインピーダンスよりも低くなっているが、共振点を過ぎると、逆に大きくなってノイズ減衰特性が低下する領域が生じている。
即ち、前述した実施例のようなアクティブフィルタ装置1を用いることにより、Yコンデンサのインピーダンス(コモンモードインピーダンス)を下げることが可能となる一方で、アクティブフィルタ補償回路23に反転増幅回路37を使用しているため、高周波数帯域における増幅器32のオープンループゲインの低下に起因する増幅器32の出力抵抗分54(Ro)の影響が現れる場合があるからである。
そこで、この実施例(実施例3)では、アクティブフィルタ補償回路23の増幅器32の出力電流をフィードバックすることにより、出力インピーダンスの補償を行う。実際には、前述した実施例1の図2や実施例2の図7に示したアクティブフィルタ装置1に、出力インピーダンス補償回路56を付加する。
図11に、増幅器32を使用した反転増幅回路37に出力インピーダンス補償回路56を付加した場合の等価回路を示す。図中で図8と同一符号で示すものは同一のものとする。尚、G2はもう一つの増幅器57のゲインである。
実施例の出力インピーダンス補償回路56は、増幅器57と、増幅器32の出力部に接続されて、この増幅器32の出力抵抗分54に直列に接続された配置となる抵抗58(Rs)と、減算器59から構成されており、増幅器32の出力抵抗分54に接続された抵抗58の両端の電圧が増幅器57(ゲインG2)に入力され、この増幅器57の出力電圧を減算器59にて増幅器32の入力電圧から差し引く作用を奏する。
即ち、増幅器32の出力電流をI、増幅器32の出力抵抗分54の前段の電圧をVo、アクティブフィルタ補償回路23の出力電圧をVout、抵抗58の抵抗値をRs、入力電圧をVinとすると、出力電圧Voutと電圧Voは下記数式(XIII)で表される。
Figure 2023105337000009
増幅器57が出力する電圧は-G2sIであるから、電圧Voは下記数式(XIV)で表すことができる。
Figure 2023105337000010
数式(XIII)と(XIV)よりVoを消去、整理すると、出力電圧Voutは下記数式(XV)となる。
Figure 2023105337000011
数式(XV)で電流Iの項を0にすることで、出力インピーダンスの増加につながる出力抵抗分54(Ro)の影響を排除することができる。これにより、出力インピーダンス補償回路56の増幅器57のゲイン設定として、G2が下記数式(XVI)により求められる。
Figure 2023105337000012
このように、この実施例(実施例3)では反転増幅回路37を構成する増幅器32の出力電流Iに応じて、当該増幅器32の出力インピーダンスの増加に伴う電圧降下を補償する出力インピーダンス補償回路56を設けているので、増幅器32の出力インピーダンスの増加に伴う高周波領域での減衰特性の低下も抑制することができるようになる。
この様子も図10に示されている。図10中のL3はこの実施例の出力インピーダンス補償回路56を設けて、理想的な出力インピーダンス補償が作用した場合のYコンデンサのインピーダンスの周波数特性を示している。この図からも明らかな如く、インピーダンス補償回路56を設けた場合のYコンデンサのインピーダンス(L3)は、周波数の全域で通常のパッシブ方式のフィルタにおけるYコンデンサのインピーダンス(L1)よりも低くなる。
尚、実施例では車両用空気調和装置の冷媒回路を構成する電動圧縮機2に本発明のアクティブフィルタ装置1を適用したが、請求項1乃至請求項3の発明ではそれに限らず、コモンモードノイズの低減要求のある各種家庭用/業務用機器に本発明は有効である。
1 アクティブフィルタ装置
2 電動圧縮機
3 インバータ装置
4 インバータ収容部
7 高電圧バッテリ(直流電源)
8 モータ
11、12 電源ライン
15 スイッチング素子
18 筐体
20 制御回路
21、22 Yコンデンサ
23 アクティブフィルタ補償回路
26、27 コモンモード電圧検出コンデンサ
28 コモンモードチョークコイル
29 検出部
30 回路グランド
32、57 増幅器(オペアンプ単体、若しくは、出力に電流増幅器を備えたオペアンプ)
36 コモンモード電圧検出抵抗
37 反転増幅回路
38、39 グランド経路
43 制御基板
44 HVフィルタ基板
46 仕切壁
56 出力インピーダンス補償回路

Claims (7)

  1. 一対の電源ラインに挿入されたコモンモードチョークコイルと、
    コモンモード電圧を検出する検出部と、
    該検出部で検出されたコモンモード電圧を反転増幅する反転増幅回路と、
    該反転増幅回路の出力と前記一対の電源ライン間にそれぞれ接続されたYコンデンサを備え、
    前記反転増幅回路の出力電圧を補償電圧として前記Yコンデンサに印加することを特徴とするアクティブフィルタ装置。
  2. 前記反転増幅回路を構成する増幅器の出力電流に応じて、当該増幅器の出力インピーダンスの増加に伴う電圧降下を補償する出力インピーダンス補償回路を備えたことを特徴とする請求項1に記載のアクティブフィルタ装置。
  3. 前記検出部のグランド経路と、前記反転増幅回路のグランド経路を、別々に回路グランドに接続したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアクティブフィルタ装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載のアクティブフィルタ装置と、インバータ装置を、筐体と一体に設けたことを特徴とする電動圧縮機。
  5. 前記アクティブフィルタ装置を、前記インバータ装置とは異なる基板で構成したことを特徴とする請求項4に記載の電動圧縮機。
  6. 前記アクティブフィルタ装置を、前記インバータ装置からシールドしたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の電動圧縮機。
  7. 前記筐体をグランド電位とし、回路グランドを前記筐体に接続すると共に、
    前記検出部のグランド経路を前記筐体に接続し、前記反転増幅回路のグランド経路を前記回路グランドに接続したことを特徴とする請求項4乃至請求項6のうちの何れかに記載の電動圧縮機。
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