JP2023104694A - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルタの不純物除去能力が低下した場合に、フィルタを交換することなく不純物除去能力を回復させることができる基板処理装置および処理液供給方法を提供する【解決手段】基板処理装置1は、処理液で基板Wを処理する処理ユニット2と、処理ユニット2から処理液を回収する回収タンク20と、回収タンク20内の処理液のpHを調整する第1pH調整ユニット90と、回収タンク20から処理液が送られる再生タンク30と、再生タンク30内の処理液のpHの変化に応じて、再生タンク30内の処理液から不純物を捕集したり、再生タンク30内の処理液に不純物を放出したりするゲルフィルタ50とを備える。【選択図】図1

Description

この発明は、処理液で基板を処理する基板処理装置、および、処理液で基板を処理する基板処理方法に関する。処理の対象となる基板には、たとえば、半導体ウェハ、液晶表示装置および有機EL(Electroluminescence)表示装置等のFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板等が含まれる。
基板への不純物の付着を抑制するために、処理液を送液する配管には、処理液中の不純物を除去するフィルタが設けられている(下記特許文献1を参照)。
特開2019-036639号公報
特許文献1に開示されているフィルタは、そのポア径よりも大きい不純物を捕集するように構成されている。そのため、使用時間の経過とともにフィルタが目詰まりを起こして不純物除去能力が低下するので、定期的に交換する必要がある。
そこで、この発明の1つの目的は、フィルタの不純物除去能力が低下した場合に、フィルタを交換することなく不純物除去能力を回復させることができる基板処理装置および処理液供給方法を提供することである。
この発明の一実施形態は、処理液で基板を処理する処理ユニットと、前記処理ユニットから処理液を回収する回収タンクと、前記回収タンク内の処理液のpHを調整する第1pH調整ユニットと、前記回収タンクから処理液が送られる再生タンクユニットと、前記再生タンクユニット内の処理液のpHの変化に応じて、前記再生タンクユニット内の処理液から不純物を捕集したり、前記再生タンクユニット内の処理液に不純物を放出したりするゲルフィルタとを備える、基板処理装置を提供する。
この装置によれば、基板の処理に用いられた処理液が回収タンクに回収され、回収タンクから再生タンクユニットに処理液が送られる。
ゲルフィルタは、再生タンクユニット内の処理液のpHの変化に応じて、再生タンクユニット内の処理液から不純物を捕集したり、再生タンクユニット内の処理液に不純物を放出したりできる。そのため、pHを変化させれば、ゲルフィルタに処理液中の不純物を捕集させて基板の処理に再度利用できるように処理液を再生させたり、ゲルフィルタから処理液に不純物を放出させてゲルフィルタを再生させたりすることができる。したがって、ゲルフィルタの不純物除去能力が低下した場合であっても、ゲルフィルタを交換することなく不純物除去能力を回復させることができる。
この発明の一実施形態では、前記ゲルフィルタは、第1温度と、前記第1温度よりも高温の第2温度との間で加熱および冷却を繰り返すことで不純物の放出する性質を有している。そして、前記基板処理装置は、前記再生タンクユニット内の処理液の温度を前記第1温度および前記第2温度に調整可能な温度調整ユニットをさらに備える。
第1温度と第2温度との間で加熱および冷却を繰り返すように再生タンクユニット内の処理液の温度を調整することで、ゲルフィルタの加熱および冷却を繰り返すことができる。これにより、ゲルフィルタからの不純物の放出を促進し、ゲルフィルタの不純物除去能力を速やかに回復させることができる。
この発明の一実施形態では、前記基板処理装置が、前記再生タンクユニットから処理液を排出する排出流路と、前記ゲルフィルタを洗浄するリンス液を前記再生タンクユニットに供給するリンス液供給ユニットとをさらに備える。そのため、再生タンクユニットにリンス液を供給してゲルフィルタを洗浄することで、排出流路を介して処理液を再生タンクユニットから排出した後においてもゲルフィルタに付着する処理液を、除去することができる。
この発明の一実施形態では、前記基板処理装置が、前記再生タンクユニット内の処理液を前記回収タンクに戻す戻し流路をさらに備える。ゲルフィルタによって不純物が充分に除去されない場合には、処理液のpHが所望の値になっていないことがその原因として考えられる。そのため、再生タンクユニット内の処理液を回収タンクに戻して、処理液のpHの再調整を行った後、再生タンクユニットに処理液を再度送れば、ゲルフィルタによって不純物を除去できる。
この発明の一実施形態では、前記基板処理装置が、前記再生タンクユニット内の処理液のpHを調整する第2pH調整ユニットをさらに備える。この装置によれば、処理液から不純物が充分に除去できない場合に、処理液を回収タンクに戻すことなく、処理液のpHを再度調整することができる。そのため、処理液のpHが所望の値になっていないためにゲルフィルタによって不純物が充分に除去されない場合であっても、再生タンクユニットで処理液のpHを再調整することで、ゲルフィルタによって処理液から不純物を除去することができる。
この発明の一実施形態では、前記基板処理装置が、前記再生タンクユニットから処理液が送られ、前記処理ユニットに処理液を供給する供給タンクをさらに備える。
この装置によれば、ゲルフィルタによって不純物が充分に除去されて清浄化された処理液を、供給タンクに送ることで、処理ユニットに供給するための処理液を供給タンクに貯留することができる。そのため、ゲルフィルタの再生が必要になる前に、処理ユニットに供給する処理液を準備しておくことができる。
この発明の一実施形態では、前記再生タンクユニットが、前記ゲルフィルタが収容され処理液を貯留する再生タンクと、前記再生タンク内の処理液を循環させる循環流路とを含む。
この装置によれば、循環流路によって再生タンク内の処理液が循環される。そのため、再生タンク内に収容されているゲルフィルタに通過する処理液の流れを形成することができる。そのため、ゲルフィルタが、処理液中の不純物を効率的に捕集したり処理液に不純物を効率的に放出したりすることができる。
この発明の一実施形態では、前記基板処理装置が、前記再生タンクユニット内の処理液中の不純物量を測定する不純物量測定ユニットをさらに備える。
この装置によれば、再生タンクユニット内の不純物量を測定できる。そのため、たとえば、不純物量が比較的少ない場合には、ゲルフィルタが充分に高い不純物除去能力を有していると判定できる。一方、不純物量が比較的多い場合には、ゲルフィルタの不純物除去能力が低下しているため、ゲルフィルタの再生が必要であると判定できる。
この発明の一実施形態では、前記再生タンクユニットは、複数設けられており、前記ゲルフィルタは、複数設けられている。そして、複数の前記ゲルフィルタは、それぞれ、対応する前記再生タンクユニット内の処理液のpHの変化に応じて、対応する前記再生タンクユニット内の処理液から不純物を捕集したり、対応する前記再生タンクユニット内の処理液に不純物を放出したりする。
この装置によれば、複数のゲルフィルタは、それぞれ、対応する再生タンクユニット内の処理液のpHの変化に応じて不純物の捕集および放出を行う。そのため、一部のゲルフィルタの再生を行うために当該ゲルフィルタから処理液に不純物を放出させている間に、残りのゲルフィルタによって処理液から不純物を捕集させて、処理液を清浄化することができる。
この発明の一実施形態では、前記ゲルフィルタは、前記再生タンクユニット内の処理液のpHが第1範囲であるときに当該処理液から不純物を捕集し、かつ、前記再生タンクユニット内の処理液のpHが第2範囲であるときに当該処理液に不純物を放出する性質を有する。
そのため、pHが第1範囲に調整された処理液を回収タンクから再生タンクユニットに送ることで、ゲルフィルタに処理液中の不純物を捕集させて、基板の処理に再度利用できるように処理液を再生させることができる。また、pHが第2範囲に調整された処理液を回収タンクから再生タンクユニットに送ることで、ゲルフィルタから処理液に不純物を放出させて、ゲルフィルタを再生させたりすることができる。
この発明の他の実施形態は、処理液で基板を処理する処理ユニットに処理液を供給する供給工程と、前記処理ユニットから排出された処理液を回収タンクに回収する回収工程と、前記回収タンク内の処理液のpHを第1範囲内に調整する第1pH調整工程と、処理液のpHが前記第1範囲であるときに当該処理液から不純物を捕集し、かつ、処理液のpHが第2範囲であるときに当該不純物を放出する性質を有するゲルフィルタが設けられた再生タンクユニットに、前記第1範囲内のpHを有する処理液を、前記回収タンクから送出する第1回収処理液送出工程と、前記回収タンク内の処理液のpHを前記第2範囲内に調整する第2pH調整工程と、前記第2範囲内のpHを有する処理液を前記回収タンクから前記再生タンクユニットに送出する第2回収処理液送出工程とを含む、基板処理方法を提供する。
この方法によれば、処理ユニットに供給された処理液が回収タンクに回収され、回収タンク内でpHが第1範囲内に調整された処理液が、再生タンクユニットに送られる。
ゲルフィルタは、処理液のpHが第1範囲であるときに当該処理液から不純物を捕集し、かつ、処理液のpHが第2範囲であるときに当該不純物を放出する性質を有する。
そのため、pHが第1範囲に調整された処理液を回収タンクから再生タンクユニットに送ることで、ゲルフィルタに処理液中の不純物を捕集させて、基板の処理に再度利用できるように処理液を再生させることができる。また、pHが第2範囲に調整された処理液を回収タンクから再生タンクユニットに送ることで、ゲルフィルタから処理液に不純物を放出させて、ゲルフィルタを再生させたりすることができる。
したがって、ゲルフィルタの不純物除去能力が低下した場合であっても、ゲルフィルタを交換することなく不純物除去能力を回復させることができる。
この発明の他の実施形態では、前記ゲルフィルタが、第1温度と、前記第1温度よりも高温の第2温度との間で加熱および冷却を繰り返すことで不純物の放出する性質を有している。そして、前記基板処理方法が、前記第2回収処理液送出工程において前記再生タンクユニットに送られた処理液の温度を前記第1温度および前記第2温度の間で加熱および冷却を繰り返す温度調整工程をさらに含む。
この方法によれば、第1温度と第2温度との間で加熱および冷却を繰り返すように再生タンクユニット内の処理液の温度を調整することで、ゲルフィルタの加熱および冷却を繰り返すことができる。これにより、ゲルフィルタからの不純物の放出を促進し、ゲルフィルタの不純物除去能力を速やかに回復させることができる。
この発明の他の実施形態では、前記基板処理方法が、前記第1回収処理液送出工程の後、前記再生タンクユニット内の処理液を前記回収タンクに戻す戻し工程と、前記戻し工程によって前記回収タンクに戻された処理液のpHを前記第1範囲内に調整する再調整工程と、前記再調整工程によってpHが調整された処理液を前記回収タンクから前記再生タンクユニットに送出する再送出工程とを含む。
そのため、ゲルフィルタによって不純物が充分に除去されない場合には、処理液のpHが所望の値になっていないことがその原因として考えられる。再生タンクユニット内の処理液を回収タンクに戻して、処理液のpHの再調整を行った後、再生タンクユニットに処理液を再度送れば、ゲルフィルタによって不純物を除去できる。
この発明の他の実施形態では、前記基板処理方法が、前記第1回収処理液送出工程の後、前記再生タンクユニット内の処理液のpHを前記第1範囲内に調整する再調整工程をさらに含む。
この方法によれば、処理液を回収タンクに戻すことなく、再生タンクユニット内で処理液のpHを再調整することができる。そのため、処理液のpHが所望の値になっていないためにゲルフィルタによって不純物が充分に除去されない場合であっても、再生タンクユニットで処理液のpHを再調整することで、ゲルフィルタによって処理液から不純物を除去することができる。
この発明の他の実施形態では、前記再生タンクユニットが、前記ゲルフィルタが収容され処理液を貯留する再生タンクと、前記再生タンク内の処理液を循環させる循環流路とを含む。そして、前記基板処理方法が、前記第1回収処理液送出工程および前記第2回収処理液送出工程の少なくとも一方の実行中に、前記循環流路を介して前記再生タンク内の処理液を循環させる循環工程をさらに含む。
この方法によれば、循環流路によって再生タンク内の処理液が循環される。そのため、再生タンク内に収容されているゲルフィルタに通過する処理液の流れを形成することができる。そのため、ゲルフィルタが、処理液中の不純物を効率的に捕集したり処理液に不純物を効率的に放出したりすることができる。
この発明の他の実施形態では、前記基板処理方法が、前記第2回収処理液送出工程において前記再生タンクユニットに送られた処理液を前記再生タンクユニットから排出する処理液排出工程と、前記処理液排出工程の後、前記再生タンクユニットにリンス液を供給するリンス液供給工程とをさらに含む。
この方法によれば、ゲルフィルタから放出された不純物を含む処理液を再生タンクユニットから排出することができる。さらに、再生タンクユニットにリンス液を供給してゲルフィルタを洗浄することで、処理液の排出後においてもゲルフィルタに付着する汚染された処理液を除去することができる。
この発明の他の実施形態では、前記基板処理方法が、前記リンス液供給工程において前記再生タンクユニットに供給されたリンス液中の不純物量を測定するリンス不純物量測定工程をさらに含む。
この方法によれば、リンス液供給工程においてリンス液がゲルフィルタを洗浄することでリンス液中に混入した不純物の量を測定することができる。リンス液に混入している不純物量が比較的多い場合には、ゲルフィルタから不純物が充分に除去できていないと判定し、リンス液に混入している不純物量が比較的少ない場合には、ゲルフィルタから不純物を充分に除去できていると判定することができる。
この発明の他の実施形態では、前記リンス不純物量測定工程において測定される不純物量が基準不純物量よりも少ない場合には、前記再生タンクユニットから前記リンス液を排出するリンス液排出工程が実行され、前記リンス不純物量測定工程において測定される不純物量が前記基準不純物量以上である場合には、前記リンス液供給工程において前記再生タンクユニットに供給されたリンス液のpHを前記第2範囲に調整するリンス液pH調整工程が実行されるように、前記リンス液排出工程および前記リンス液pH調整工程が選択的に実行される。
この方法によれば、リンス液の不純物量が基準不純物量よりも小さい場合には、リンス液を再生タンクユニットから排出し、ゲルフィルタの洗浄を完了することができる。一方、リンス液の不純物量が基準不純物量以上である場合には、ゲルフィルタから不純物が充分に除去できていないと判定し、リンス液のpHを調整することで、リンス液の役割を、処理液の排出後においてもゲルフィルタに付着する処理液を除去する役割から、ゲルフィルタから不純物を放出させる役割に切り替えることができる。これにより、ゲルフィルタから不純物を再度放出させてゲルフィルタの不純物除去能力の回復を図ることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板処理装置の構成例を示す模式図である。 図2は、pH応答性ゲルによる不純物の吸着および放出のメカニズムの一例について説明するための模式図である。 図3は、温度変化によってpH応答性ゲルから不純物が放出されるメカニズムの一例について説明するための模式図である。 図4は、前記基板処理装置の主要部の電気的構成例を示すブロック図である。 図5は、前記基板処理装置によって実行される処理液再生処理を説明するためのフローチャートである。 図6Aは、前記処理液再生処理を説明するための模式図である。 図6Bは、前記処理液再生処理を説明するための模式図である。 図6Cは、前記処理液再生処理を説明するための模式図である。 図6Dは、前記処理液再生処理を説明するための模式図である。 図6Eは、前記処理液再生処理を説明するための模式図である。 図7は、前記基板処理装置によって実行されるゲルフィルタ再生処理を説明するためのフローチャートである。 図8Aは、前記ゲルフィルタ再生処理を説明するための模式図である。 図8Bは、前記ゲルフィルタ再生処理を説明するための模式図である。 図8Cは、前記ゲルフィルタ再生処理を説明するための模式図である。 図8Dは、前記ゲルフィルタ再生処理を説明するための模式図である。 図8Eは、前記ゲルフィルタ再生処理を説明するための模式図である。 図8Fは、前記ゲルフィルタ再生処理を説明するための模式図である。 図8Gは、前記ゲルフィルタ再生処理を説明するための模式図である。 図8Hは、前記ゲルフィルタ再生処理を説明するための模式図である。 図9は、この発明の第2実施形態に係る基板処理装置の構成例を示す模式図である。 図10は、第2実施形態に係る前記基板処理装置によって実行される処理液再生処理を説明するためのフローチャートである。 図11は、第2実施形態に係る前記処理液再生処理を説明するための模式図である。 図12は、第2実施形態に係る前記基板処理装置によって実行されるゲルフィルタ再生処理を説明するためのフローチャートである。 図13は、第2実施形態に係る前記ゲルフィルタ再生処理を説明するための模式図である。 図14は、第2実施形態に係る処理液供給装置の第1変形例を示す模式図である。 図15は、第2実施形態に係る処理液供給装置の第2変形例を示す模式図である。 図16Aは、ゲルフィルタの金属除去能力を評価するための除去能力評価実験の手順を説明するための模式図である。 図16Bは、pH応答性ゲルの金属除去能力を評価するための除去能力評価実験の結果を示すグラフであり、金属溶液のpHが2である場合の結果を示すグラフである。 図16Cは、pH応答性ゲルの金属除去能力を評価するための除去能力評価実験の結果を示すグラフであり、金属溶液のpHが7である場合の結果を示すグラフである。 図17Aは、pH応答性ゲルの金属除去能力を再生するための再生評価実験の手順を説明するための模式図である。 図17Bは、再生評価実験の結果を示すグラフである。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
<第1実施形態に係る基板処理装置の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板処理装置1の構成例を示す模式図である。図1に示す基板処理装置1は、半導体ウェハなどの円板状の基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、処理液で基板Wを処理する処理ユニット2と、処理ユニット2に基板Wを搬送する搬送ロボット(図示せず)と、処理ユニット2に処理液を供給する処理液供給装置3と、基板処理装置1を制御する制御装置4(図4を参照)とを含む。
処理ユニット2内で基板Wに対して供給される処理液には、薬液やリンス液等が含まれる。薬液は、たとえば、フッ酸(フッ化水素水:HF)である。薬液は、フッ酸に限られず、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、バッファードフッ酸(BHF)、希フッ酸(DHF)、アンモニア水、過酸化水素水、界面活性剤、腐食防止剤、有機溶剤のうちの少なくとも1つを含む液であってもよい。有機溶剤は、たとえば、IPA(イソプロパノール)である。
これらを混合した薬液の例としては、SPM(硫酸過酸化水素水混合液)、SC1(アンモニア過酸化水素水混合液:APM)、SC2(塩酸過酸化水素水混合液:HPM)等が挙げられる。
リンス液とは、たとえば、脱イオン水(Deionized Water: DIW)である。リンス液は、DIWに限られず、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、希釈濃度(たとえば、10ppm以上100ppm以下)の塩酸水、希釈濃度(たとえば、10ppm以上100ppm以下)のアンモニア水、還元水(水素水)のうちの少なくとも1つを含む液であってもよい。
処理ユニット2は、スピンチャック10と、処理液ノズル11と、カップ12と、処理チャンバ13とを含む。スピンチャック10は、一枚の基板Wを水平な姿勢で保持しながら、基板Wの中央部を通る鉛直な回転軸線A1まわりに基板Wを回転させる。処理液ノズル11は、基板Wの上面に処理液を供給する。カップ12は、スピンチャック10を取り囲み、基板Wから飛散する処理液を受ける。処理チャンバ13は、スピンチャック10、処理液ノズル11およびカップ12を収容する。処理ユニット2内で使用された処理液を汚染処理液という。したがって、カップ12の底部から排出される処理液は、汚染処理液である。
処理液供給装置3は、処理液を貯留する回収タンク20、再生タンク30、および、供給タンク40、ゲルフィルタ50を含む。回収タンク20は、処理ユニット2から処理液を回収し、当該処理液を貯留する。再生タンク30は、回収タンク20から処理液が供給され、当該処理液を貯留する。供給タンク40は、再生タンク30から処理液が供給され、当該処理液を貯留する。供給タンク40に貯留されている処理液は、処理ユニット2に供給される。
各タンクには、タンク内の処理液の液面の高さを検知する液面センサ(図示せず)が設けられていてもよい。液面センサは、非接触式のレベルセンサが好ましく、たとえば、超音波式のレベルセンサであってもよい。
再生タンク30は、処理液を貯留する内部空間31を有する。ゲルフィルタ50は、再生タンク30に収容されている。再生タンク30の内部空間31は、ゲルフィルタ50によって、第1収容部31aと第2収容部31bとに仕切られている。この実施形態では、ゲルフィルタ50は、第2収容部31bが第1収容部31aよりも下方に位置するように再生タンク30の内部空間31を仕切っている。
ゲルフィルタ50は、再生タンク30内の処理液のpHの変化に応じて、再生タンク30内の処理液から不純物Pを捕集したり、再生タンク30内の処理液に不純物Pを放出したりする。ゲルフィルタ50は、pH応答性ゲル51と、処理液を通過させつつpH応答性ゲル51を保持するフィルタ部材52とを含む。この実施形態では、フィルタ部材52は、pH応答性ゲル51を挟む一対のシート状フィルタ52aを含む。第1収容部31aと第2収容部31bとの間を移動する処理液の流れが形成されれば、ゲルフィルタ50によって処理液中の不純物Pを効率的に捕集したり、ゲルフィルタ50から処理液に不純物Pを効率的に放出したりすることができる。
pH応答性ゲル51は、たとえば、ポリマーであり、単一種類のモノマーからなる重合体であってもよいし、二種類以上のモノマーの共重合体であってもよい。pH応答性ゲル51は、処理液のpHが第1範囲であるときに当該処理液から不純物Pを捕集し、かつ、処理液のpHが第2範囲であるときに当該処理液に不純物Pを放出するpH応答性を有する。第1範囲は、たとえば、pHが6以上の範囲であり(pH≧6)、第2範囲は、たとえば、pHが2以下の範囲である(pH≦2)。
ここで、図2を用いてpH応答性ゲル51が処理液中の不純物Pを捕集したり、不純物Pを放出したりするメカニズムについて説明する。なお、不純物Pの捕集および放出のメカニズムは、必ずしも図2に示すメカニズムであるとは限られない。
図2に示すように、pH応答性ゲル51は、分子内に吸着サイト53を有している。pH応答性ゲル51は、たとえば、吸着サイト53としてアミド結合を側鎖に有するポリマーである。処理液中に存在する不純物は、たとえば、処理液中で陽イオンになる金属異物である。
処理液のpHが第1範囲(高pH)であれば、pH応答性ゲル51の吸着サイト53がプロトン(H)を放出して陰イオン化し、処理液中の不純物P(陽イオン)を吸着する。一方、処理液のpHが第2範囲(低pH)であれば、pH応答性ゲル51の吸着サイト53がプロトン化し、不純物Pに対する吸着サイト53の吸着から解消され、不純物Pが処理液中に放出される。
pH応答性ゲル51は、たとえば、ポリ(N-アルキルアクリルアミド)、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N-ビニルアルキルアミド)、ポリビニルアルキルエーテル、メチルセルロース、ポリ(アクリルアミド-CO-アクリロニトリル)、ポリ(アリルアミン-CO-アリルウレア)、スルフォベタインポリマーのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
アクリル酸、アクリルアミド、および、N,N-メチレンビス(アクリルアミド)の共重合体は、pHが6以上であれば、充分に金属除去量が増大することが知られている(Journal of Cleaner Production 2018, Superabsorbent polymer hydrogels with good thermal and mechanical properties for removal of selected heavy metal ions, Shah, LAを参照)。
pH応答性ゲル51は、pH応答性に加えて、温度応答性を有する。pH応答性ゲル51の温度応答性は、第1温度(たとえば、25℃)と、第1温度よりも高温の第2温度(たとえば、55℃)との間で加熱および冷却を繰り返すことで不純物Pの放出する性質である。たとえば、図3に示すように、加熱および冷却を繰り返すことに起因してpH応答性ゲル51の膨張および収縮が繰り返されることによって、pH応答性ゲル51の吸着サイト53以外の部分で物理的に保持されていた不純物PがpH応答性ゲル51から放出される。
再び図1を参照して、処理液供給装置3は、回収流路21、第1排出流路22、第1送液流路23、循環流路33、第2送液流路34、戻し流路35、第2排出流路36、供給流路41、および、供給循環流路42を含む。各流路は、たとえば、配管部材によって形成されている。
回収流路21は、処理ユニット2のカップ12と回収タンク20とを連結し、カップ12から回収タンク20に処理液を送る。この実施形態では、回収流路21の上流端は、カップ12の底部に接続されており、回収流路21の下流端は、回収タンク20に接続されている。
第1排出流路22は、回収タンク20から処理液を排出して廃棄する。詳しくは、第1排出流路は、廃棄設備(図示せず)に処理液を送る。この実施形態では、第1排出流路22の上流端は、回収タンク20に接続されており、第1排出流路22の下流端は、廃棄設備に接続されている。
第1送液流路23は、回収タンク20の処理液を再生タンク30に送る。この実施形態では、第1送液流路23の上流端は、回収タンク20に接続されており、第1送液流路23の下流端は、再生タンク30の第2収容部31bに接続されている。
循環流路33は、再生タンク30から処理液が流入し、循環流路33から再生タンク30に処理液を戻すことによって、再生タンク30内の処理液を循環させる。循環流路33の上流端および下流端は、再生タンク30に接続されている。この実施形態では、循環流路33の上流端は、再生タンク30の内部空間31の第1収容部31aに接続されており、循環流路33の下流端は、内部空間31の第2収容部31bに接続されている。循環流路33および再生タンク30は、回収タンク20から処理液が供給される再生タンクユニットを構成している。
第2送液流路34は、再生タンク30内の処理液を供給タンク40に送る。この実施形態では、第2送液流路34の上流端は、循環流路33に分岐接続されており、第2送液流路34の下流端は、供給タンク40に接続されている。
戻し流路35は、再生タンク30から回収タンク20に処理液を戻す。この実施形態では、戻し流路35の上流端は、循環流路33に分岐接続されており、戻し流路35の下流端は、回収流路21に分岐接続されている。
第2排出流路36は、再生タンク30から処理液を排出して廃棄する。詳しくは、第2排出流路36は、廃棄設備(図示せず)に処理液を送る。この実施形態では、第2排出流路36の上流端は、再生タンク30の第2収容部31bに接続されており、第2排出流路36の下流端は、廃棄設備に接続されている。
供給流路41は、供給タンク40から処理ユニット2に処理液を供給する。供給流路41の上端部は、供給タンク40に接続されており、供給流路41の下流端は、処理ユニット2の処理液ノズル11に接続されている。
供給循環流路42は、供給タンク40から処理液が流入し、供給循環流路42から供給タンク40に処理液を戻すことによって、供給タンク40内の処理液を循環させる。供給循環流路42の上流端は、供給流路41に分岐接続されており、供給循環流路42の下流端は、供給タンク40に接続されている。
処理液供給装置3は、回収バルブ60、第1廃棄バルブ61、第1送液バルブ62、第1ポンプ70、第2ポンプ71、循環バルブ63、循環ヒータ75、第2送液バルブ64、戻しバルブ65、第2廃棄バルブ66、第3ポンプ72、供給ヒータ76、供給フィルタ78、供給バルブ67、供給循環バルブ68、供給循環ヒータ77、および、供給循環フィルタ79をさらに含む。
回収バルブ60は、回収流路21に設けられており、回収流路21を開閉する。回収バルブ60は、回収流路21において戻し流路35の接続位置よりも上流側に配置されている。回収バルブ60が回収流路21に設けられるとは、回収バルブ60が回収流路21を構成する配管に介装されることを意味していてもよい。その他のバルブおよびフィルタにおいても同様である。図示はしないが、回収バルブ60は、弁座が内部に設けられたバルブボディと、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータとを含む。他のバルブについても同様の構成を有していてもよい。
第1廃棄バルブ61は、第1排出流路22に設けられている。第1送液バルブ62は、第1送液流路23に設けられている。第1ポンプ70は、回収タンク20内の処理液を第1送液流路23に送り出す。この実施形態では、第1ポンプ70は、第1送液流路23において、第1送液バルブ62よりも上流側に配置されている。
第2ポンプ71は、再生タンク30内の処理液を循環流路33に送り出す。この実施形態では、第2ポンプ71は、循環流路33において第2送液流路34の接続位置よりも上流側に配置されている。そのため、第2ポンプ71は、第2送液流路34にも処理液を送り出すことができる。
循環バルブ63は、循環流路33を開閉する。循環バルブ63は、循環流路33における第2送液流路34の接続位置、循環流路33における戻し流路35の接続位置、および、第2ポンプ71よりも下流側に配置されている。循環ヒータ75は、循環流路33に設定される再生加熱位置を加熱する。再生加熱位置は、循環流路33において循環バルブ63よりも下流側に位置する。循環ヒータ75および循環バルブ63の位置関係は、図1の位置関係と逆であってもよい。
第2送液バルブ64は、第2送液流路34に設けられている。戻しバルブ65は、戻し流路35に設けられている。第2廃棄バルブ66は、第2排出流路36に設けられている。
第3ポンプ72は、供給流路41における供給循環流路42の接続位置よりも上流側に配置されている。そのため、第3ポンプ72は、供給循環流路42にも、処理液を送り出すことができる。
供給ヒータ76は、供給流路41に設定される供給加熱位置を加熱する。供給加熱位置は、供給流路41において供給循環流路42の接続位置よりも下流側に位置する。供給フィルタ78は、供給加熱位置よりも下流側に設けられている。供給バルブ67は、供給フィルタ78よりも下流側に設けられている。供給ヒータ76、供給フィルタ78および供給バルブ67の位置関係は図1と異なっていてもよい。
供給循環バルブ68は、供給循環流路42に設けられている。供給循環ヒータ77は、供給循環流路42に設定される供給循環加熱位置を加熱する。この実施形態では、供給循環加熱位置は、供給循環流路42において供給循環バルブ68よりも下流側に位置する。この実施形態では、供給循環フィルタ79は、供給循環流路42において供給循環加熱位置よりも下流側に配置されている。供給循環ヒータ77、供給循環バルブ68、および、供給循環フィルタ79の位置関係は、図1と異なっていてもよい。
処理液供給装置3は、回収タンク20にpH調整液を供給する第1pH調整ユニット90と、再生タンク30内の処理液の不純物量を測定する不純物量測定ユニット100と、再生タンク30にリンス液を供給するリンス液供給ユニット120とをさらに含む。
第1pH調整ユニット90は、回収タンク20にpH調整液を供給する第1pH調整液供給ユニット91と、回収タンク20内の処理液のpHを測定する第1pH測定ユニット92とを含む。第1pH調整液供給ユニット91は、回収タンク20にpH調整液として酸性液体を供給する第1酸性液体流路93と、第1酸性液体流路93を開閉する第1酸性液体バルブ94と、回収タンク20にpH調整液としてアルカリ性液体を供給する第1アルカリ性液体流路95と、第1アルカリ性液体流路95を開閉する第1アルカリ性液体バルブ96とを含む。
この実施形態では、第1酸性液体流路93の上流端は酸性液体供給源(図示せず)に接続されており、第1酸性液体流路93の下流端は回収タンク20に接続されている。この実施形態では、第1アルカリ性液体流路95の上流端は第1酸性液体供給源(図示せず)に接続されており、第1アルカリ性液体流路95の下流端は回収タンク20に接続されている。酸性液体は、たとえば、塩酸(10wt%~37wt%)、硫酸(10wt%~98wt%)、リン酸(10wt%~80wt%)のうちのいずれかであり、アルカリ性液体は、たとえば、アンモニア水(10wt%~30wt%)である。wt%は、質量パーセント濃度を意味する。第1pH測定ユニット92は、たとえば、pHメータである。
不純物量測定ユニット100は、たとえば、液中パーティクル測定器および金属濃度測定器の少なくとも一方を含む機器である。液中パーティクル測定器は、サンプルに光を照射して、パーティクルからの光の散乱の強さを測り、そのパーティクルの大きさに比例した光強度を電気信号として取り出すことでパーティクル径およびパーティクル数を測定する機器である。金属濃度測定器は、イオン選択性電極法(ISE: Ion Selective Electrode)を用いた電気化学的測定手法によって、液中の特定イオン濃度を測定する機器である。
リンス液供給ユニット120は、再生タンク30にリンス液を供給するリンス液流路121と、リンス液流路121を開閉するリンス液バルブ122とを含む。この実施形態では、リンス液流路121の上流端はリンス液供給源(図示せず)に接続されており、リンス液流路121の下流端は再生タンク30に接続されている。
図4は、基板処理装置1の主要部の電気的構成を説明するためのブロック図である。
制御装置4は、コンピュータ本体4aと、コンピュータ本体4aに接続された周辺装置4dとを含む、コンピュータである。コンピュータ本体4aは、各種の命令を実行するプロセッサ(CPU)4bと、プログラム等の情報を記憶するメモリ4cとを含む。
周辺装置4dは、プログラム等の情報を記憶する補助記憶装置4eと、ホストコンピュータHC等の他の装置と通信する通信装置4fとを含む。補助記憶装置4eは、電力が供給されていなくても記憶を保持する不揮発性メモリである。補助記憶装置4eは、たとえば、ハードディスクドライブ等の磁気記憶装置である。補助記憶装置4eは、各種範囲、各種閾値、および、プログラムを記憶する。具体的には、補助記憶装置4eには、第1範囲、第2範囲、第1基準不純物量(後述)、第2基準不純物量(後述)、不純物除去時間(後述)、不純物放出時間(後述)、洗浄時間(後述)が記憶されている。言い換えると、補助記憶装置4eは、第1範囲、第2範囲、第1基準不純物量、第2基準不純物量、不純物除去時間、不純物放出時間、洗浄時間等を記憶する記憶部として機能する。
制御装置4は、入力装置4A、表示装置4B、および警報装置4Cに接続されている。入力装置4Aは、ユーザやメンテナンス担当者等の操作者が基板処理装置1に情報を入力するときに操作される。情報は、表示装置4Bの画面に表示される。入力装置4Aは、キーボード、ポインティングデバイス、およびタッチパネルのいずれかであってもよいし、これら以外の装置であってもよい。入力装置4Aおよび表示装置4Bを兼ねるタッチパネルディスプレイが基板処理装置1に設けられていてもよい。警報装置4Cは、光、音、文字、および図形のうちの1つ以上を用いて警報を発する。入力装置4Aがタッチパネルディスプレイの場合、入力装置4Aが、警報装置4Cを兼ねていてもよい。
制御装置4の制御対象としては、スピンチャック10、第1ポンプ70、第2ポンプ71、第3ポンプ72、循環ヒータ75、供給ヒータ76、供給循環ヒータ77、回収バルブ60、第1廃棄バルブ61、第1送液バルブ62、循環バルブ63、第2送液バルブ64、戻しバルブ65、第2廃棄バルブ66、供給バルブ67、供給循環バルブ68、第1酸性液体バルブ94、第1アルカリ性液体バルブ96、リンス液バルブ122、第1pH測定ユニット92、不純物量測定ユニット100等が挙げられる。
図4には、代表的な部材が図示されているが、図示されていない部材について制御装置4によって制御されないことを意味するものではなく、制御装置4は、基板処理装置1に備えられる各部材を適切に制御することができる。図4には、後述する第2実施形態で説明する部材についても併記しており、この部材も制御装置4によって制御される。
制御装置4は、ホストコンピュータHC等の外部装置によって指定されたレシピに従って当該基板Wを処理ユニット2で処理する処理スケジュールを作成する。その後、制御装置4は、搬送ロボット、処理ユニット2、処理液供給装置3等の基板処理装置1の制御対象(リソース)に処理スケジュールを実行させる。
以下の各動作は、制御装置4が処理スケジュールに従って基板処理装置1を制御することにより実行される。言い換えると、制御装置4は、以下の各工程を実行するようにプログラムされている。
次に、基板処理装置1の全体の動作について説明する。
まず、第3ポンプ72が作動している状態で供給バルブ67が開かれる。これにより、供給タンク40から供給流路41に引き込まれた処理液が処理ユニット2に供給される(供給工程)。詳しくは、処理液は、処理液ノズル11に供給され、処理液ノズル11から吐出される。供給流路41を流れる処理液は、処理液ノズル11に達する前に、供給ヒータ76によって所望の温度に加熱される。
供給バルブ67が開かれる前に、第3ポンプ72が作動している状態で供給循環バルブ68を開いてもよい。そうすることによって、供給循環流路42によって供給タンク40内の処理液を循環させながら供給循環ヒータ77によって処理液を加熱することができる。これにより、処理液ノズル11に処理液が供給される前に供給タンク40内の処理液を加熱することができる。
処理液ノズル11から吐出された処理液は、回転状態の基板Wの上面に着液する。基板Wの上面に着液した処理液は、遠心力の作用によって基板W外に飛散し、カップ12によって受けられる。
カップ12によって受けられた汚染処理液は、回収流路21を介して回収タンク20に回収される(回収工程)。回収タンク20に流入した処理液が再生タンク30に供給されてゲルフィルタ50を通過することによって、汚染処理液中の不純物が除去される(不純物除去工程)。これにより、不純物が除去された清浄処理液が生成される。清浄処理液は、再生タンク30から供給タンク40に送られる。このように、汚染処理液から不純物が除去されて清浄処理液が生成され、清浄処理液が供給タンク40に戻される。つまり、処理液が再利用される。
処理液からの不純物の除去に関連して、基板処理装置1は、処理液再生処理およびゲル再生処理を実行することができる。
<第1実施形態に係る処理液再生処理>
次に、基板処理装置1によって実行される処理液再生処理について詳しく説明する。処理液再生処理は、たとえば、回収タンク20に一定量の汚染処理液が貯留された時点で開始される。図5は、基板処理装置1よって実行される処理液再生処理を説明するためのフローチャートである。図6A~図6Eは、処理液再生処理を説明するための模式図である。
図6A~図6Eでは、開いているバルブを黒色で示しており、閉じているバルブが白色で示されている(後述する図8A~図8H、図11および図13においても同様)。また、図6A~図6Eでは、液体が流れている流路が太線で示されている(後述する図8A~図8H、図11および図13においても同様)。また、図6Cおよび図6Eには、説明の便宜上不純物Pを図示しているが、その他の図中の汚染処理液には不純物Pが存在していないことを意味するものではない(後述する図8A~図8H、図11および図13においても同様)。
まず、制御装置4は、回収タンク20内の汚染処理液のpHが第1範囲であるか否かを判定する(第1pH判定工程:ステップS1)。制御装置4は、第1pH判定ユニットとして機能する。回収タンク20内の汚染処理液のpHが第1範囲ではない場合には(ステップS1:NO)、第1pH調整液供給ユニット91から回収タンク20にpH調整液が供給されることによって(第1pH調整液供給工程:ステップS2)、回収タンク20内の汚染処理液のpHが調整される(第1pH調整工程)。
具体的には、汚染処理液のpHの調整は、第1pH測定ユニット92の測定結果に基づいて行われる(第1pH測定工程)。第1pH測定ユニット92による測定結果(汚染処理液のpH)が第1範囲内でない場合には、図6Aに示すように、第1アルカリ性液体バルブ96が開かれて回収タンク20にアルカリ性液体が供給される(アルカリ液体供給工程、第1pH調整液供給工程)。回収タンク20内の汚染処理液にアルカリ性液体が混合され、汚染処理液のpHが第1範囲内に変更される。
回収タンク20内の汚染処理液のpHが第1範囲に変更された場合には(ステップS1:YES)、図6Bに示すように、回収タンク20から再生タンク30に汚染処理液が送られる(第1回収処理液送出工程:ステップS3)。具体的には、第1ポンプ70が作動している状態で、第1送液バルブ62が開かれる。
アルカリ性液体の供給前に既に第1範囲内である場合には、pH調整液の供給は行われない。処理液再生処理の開始時において回収タンク20内の汚染処理液のpHが第1範囲である場合には(ステップS1:YES)、第1pH調整液供給工程(ステップS2)を実行することなく、第1回収処理液送出工程(ステップS3)が実行される。すなわち、pHの調整は、必ずしもpHを変更することを意味するものでなく、pHの調整にはpH調整液の供給を行わないことも含まれる。
回収タンク20から再生タンク30への汚染処理液の移動が少なくとも開始された後、再生タンク30内の汚染処理液が循環流路33を介して循環される(第1循環工程)。具体的には、第2ポンプ71が作動している状態で、循環バルブ63が開かれる。回収タンク20内の汚染処理液が全て再生タンク30に移動されると、第1ポンプ70が停止され、かつ、第1送液バルブ62が閉じられる。図6Cに示すように、第1循環工程が開始されることによって、汚染処理液がゲルフィルタ50を通過し、汚染処理液から不純物Pが除去される(不純物除去工程)。汚染処理液から不純物Pが充分に除去されることによって、汚染処理液が再生(浄化)されて清浄処理液となる。
なお、循環工程が行われている間、循環する処理液は、循環ヒータ75によって第1温度および第2温度の間の所望の温度に加熱されてもよい。
不純物Pが充分に除去されたか否かについては、再生タンク30内の処理液の循環が一定時間(不純物除去時間)行われた後に、不純物量が第1基準不純物量よりも小さいか否かによって判断される。
具体的には、回収タンク20から再生タンク30への汚染処理液の移動が少なくとも開始された後、制御装置4は、不純物除去時間の経過を監視する(不純物除去時間監視工程:ステップS4)。制御装置4は、不純物除去時間監視ユニットとして機能する。不純物除去時間は、たとえば、循環バルブ63が開かれてから経過した時間であり、たとえば、2時間~24時間である。不純物除去時間が経過するまでの間(ステップS4:NO)、第1循環工程が継続される。
不純物除去時間が経過すると(ステップS4:YES)、不純物量測定ユニット100によって汚染処理液中の不純物Pの量が測定される(第1不純物量測定工程)。制御装置4は、不純物量測定ユニット100の測定結果に基づいて、再生タンク30内の処理液中の不純物量が第1基準不純物量よりも小さいか否かを判定する(第1不純物量判定工程:ステップS5)。不純物除去時間の経過後に、再生タンク30内の処理液中の不純物量が第1基準不純物量よりも小さい場合には(ステップS5:YES)、図6Dに示すように、再生タンク30から供給タンク40に処理液(清浄処理液)が送られて、処理液再生処理が終了する(第1再生処理液送出工程:ステップS6)。具体的には、第2ポンプ71が作動している状態で、循環バルブ63が閉じられ、その代わりに、第2送液バルブ64が開かれる。
一方、不純物除去時間の経過後においても再生タンク30内の処理液中の不純物量が第1基準不純物量以上である場合には(ステップS5:NO)、図6Eに示すように、再生タンク30内の処理液が回収タンク20に戻され(戻し工程:ステップS7)、図6Aに示すように、処理液のpHが再度調整される(第1pH再調整工程)。
詳しくは、ステップS1~ステップS5が再び実行される。第1pH調整液供給ユニット91から回収タンク20にpH調整液が供給されることによって(第1pH調整液再供給工程:ステップS2)回収タンク20内の汚染処理液のpHが再調整されると(ステップS1:YES)、汚染処理液は、回収タンク20から再生タンク30に送出される(再送出工程:ステップS3)。再度の不純物量判定工程(ステップS5)において不純物量が第1基準不純物量よりも少なくなれば、再生タンク30から供給タンク40に処理液(清浄処理液)が送られて、処理液再生処理が終了する(第1再生処理液送出工程:ステップS6)。
<第1実施形態に係るゲル再生処理>
次に、基板処理装置1によって実行されるゲル再生処理について詳しく説明する。ゲル再生処理は、たとえば、ゲルフィルタ50の使用開始後一定期間が経過したとき、あるいは、ゲルフィルタ50の不純物除去能力が一定の基準以下に低下した場合に実行される。図7は、基板処理装置1によって実行されるゲル再生処理を説明するためのフローチャートである。図8A~図8Hは、ゲル再生処理を説明するための模式図である。
まず、制御装置4は、回収タンク20内の汚染処理液のpHが第2範囲であるか否かを判定する(第2pH判定工程:ステップS21)。制御装置4は、第2pH判定ユニットとして機能する。回収タンク20内の汚染処理液のpHが第2範囲ではない場合には(ステップS21:NO)、第1pH調整液供給ユニット91から回収タンク20にpH調整液が供給されることによって(第2pH調整液供給工程:ステップS22)、回収タンク20内の汚染処理液のpHが調整される(第2pH調整工程)。
具体的には、汚染処理液のpHの調整は、第1pH測定ユニット92の測定結果に基づいて行われる(第2pH測定工程)。第1pH測定ユニット92による測定結果(汚染処理液のpH)が第2範囲内でない場合には、図8Aに示すように、第1酸性液体バルブ94が開かれて回収タンク20に酸性液体が供給される(酸性液体供給工程、第2pH調整液供給工程)。回収タンク20内の汚染処理液に酸性液体が混合され、汚染処理液のpHが第2範囲内に変更される。
回収タンク20内の汚染処理液のpHが第2範囲に変更された場合には(ステップS21:YES)、図8Bに示すように、回収タンク20から再生タンク30に汚染処理液が送られる(第2回収処理液送出工程:S23)。具体的には、第1ポンプ70が作動している状態で、第1送液バルブ62が開かれる。
酸性液体の供給前に既に第2範囲内である場合には、pH調整液の供給は行われない。ゲル再生処理の開始時において回収タンク20内の汚染処理液のpHが第2範囲である場合には(ステップS21:YES)、第2pH調整液供給工程(ステップS22)を実行することなく、第2回収処理液送出工程(ステップS23)が実行される。すなわち、pHの調整は、必ずしもpHを変更することを意味するものでなく、pHの調整には、pH調整液の供給を行わないことも含まれる。
回収タンク20から再生タンク30への汚染処理液の移動が少なくとも開始された後、再生タンク30内の汚染処理液が循環流路33を介して循環される(第2循環工程)。具体的には、第2ポンプ71が作動している状態で、循環バルブ63が開かれる。回収タンク20内の汚染処理液が全て再生タンク30に移動されると、第1ポンプ70が停止され、かつ、第1送液バルブ62が閉じられる。図8Cに示すように、第2循環工程が開始されることによって、汚染処理液がゲルフィルタ50を通過し、ゲルフィルタ50から不純物Pが汚染処理液に放出される(不純物放出工程)。不純物Pが汚染処理液に放出されることによってゲルフィルタ50の不純物除去能力が上昇する。
なお、第2循環工程が行われている間、循環ヒータ75による加熱、および、循環ヒータ75による加熱の停止が繰り返されてもよい。すなわち、第2循環工程が行われている間、汚染処理液の温度を第1温度および第2温度の間で加熱および冷却が繰り返されてもよい(温度調整工程)。循環ヒータ75は、再生タンク30内の処理液の温度を第1温度、第2温度、ならびに、第1温度および前記第2温度の間の任意の温度に調整可能な温度調整ユニットの一例である。
回収タンク20から再生タンク30への汚染処理液の移動が少なくとも開始された後、制御装置4は、不純物放出時間の経過を監視する(不純物放出時間監視工程:ステップS24)。制御装置4は、不純物放出時間監視ユニットとして機能する。不純物放出時間は、たとえば、循環バルブ63が開かれてから経過した時間であり、たとえば、2時間~24時間である。不純物放出時間が経過するまでの間(ステップS24:NO)、第2循環工程が継続される。
不純物放出時間が経過すると(ステップS24:YES)、図8Dに示すように、第2廃棄バルブ66が開かれて、汚染処理液が再生タンク30から第2排出流路36に流入する。これにより、再生タンク30から汚染処理液が排出されて廃棄される(処理液排出工程、処理液廃棄工程:ステップS25)。
ゲルフィルタ50の不純物除去能力が充分に回復したか否かについては、再生タンク30内のリンス液の循環が一定時間(洗浄時間)行われた後に、不純物量が第2基準不純物量より小さいか否かによって判断される。
具体的には、第2排出流路36を介して、汚染処理液が再生タンク30および循環流路33から排出された後、すなわち、処理液排出工程の後、図8Eに示すように、再生タンク30にリンス液が供給される(リンス液供給工程:ステップS26)。具体的には、リンス液バルブ122が開かれて、リンス液流路121から再生タンク30にリンス液が供給される。
再生タンク30へのリンス液の供給が少なくとも開始された後、再生タンク30内のリンス液が循環流路33を介して循環される(リンス液循環工程)。具体的には、第2ポンプ71が作動している状態で、循環バルブ63が開かれる。これにより、図8Fに示すように、リンス液がゲルフィルタ50を通過し、ゲルフィルタ50が洗浄される。詳しくは、ゲルフィルタ50に付着している汚染処理液がリンス液によって洗い流される。
制御装置4は、洗浄時間の経過を監視する(洗浄時間監視工程:ステップS27)。制御装置4は、洗浄時間監視ユニットとして機能する。洗浄時間は、たとえば、循環バルブ63が開かれてから経過した時間であり、たとえば、15分間~2時間である。洗浄時間が経過するまでの間(ステップS27:NO)、リンス液循環工程が継続される。
洗浄時間が経過すると(ステップS27:YES)、不純物量測定ユニット100によって汚染処理液中の不純物Pの量が測定される(第2不純物量測定工程、リンス不純物量測定工程)。制御装置4は、不純物量測定ユニット100の測定結果に基づいて、再生タンク30内の処理液中の不純物量が第2基準不純物量よりも小さいか否かを判定する(第2不純物量判定工程:ステップS28)。洗浄時間の経過後に、再生タンク30内の処理液中の不純物量が第2基準不純物量よりも小さい場合には(ステップS28:YES)、図8Gに示すように、リンス液が、第2排出流路36を介して再生タンク30から排出されて、ゲル再生処理が終了される(リンス液排出工程、リンス液廃棄工程:ステップS29)。具体的には、第2ポンプ71が停止され循環バルブ63が閉じられ、その代わりに、第2廃棄バルブ66が開かれる。
一方、洗浄時間の経過後に再生タンク30内のリンス液中の不純物量が第2基準不純物量以上である場合には(ステップS28:NO)、図8Hに示すように、再生タンク30内のリンス液が回収タンク20に送られ(リンス送液工程:ステップS30)、回収タンク20内のリンス液のpHが調整される(リンス液pH調整工程)。具体的には、リンス液のpHが第2範囲であるか否かが判定される(リンス液pH判定工程:ステップS21)。回収タンク20内のリンス液のpHが第2範囲ではない場合には(ステップS21:NO)、第1pH調整液供給ユニット91から回収タンク20にpH調整液が供給される(pH調整液供給工程:ステップS22)。
リンス液のpHの調整は、第1pH測定ユニット92の測定結果に基づいて行われる(リンス液pH測定工程)。第1pH測定ユニット92が検出したpHが第2範囲内でない場合には、第1酸性液体バルブ94が開かれて回収タンク20に酸性液体が供給される(酸性液体供給工程、第2pH調整液供給工程)。回収タンク20内のリンス液に酸性液体が混合され、リンス液のpHが第2範囲内に変更される。
その後、ステップS24以降の各工程が実行される。すなわち、pHが第2範囲に調整されたリンス液を、回収タンク20から再生タンク30へ送り、当該リンス液をゲルフィルタ50に通過させることによって、ゲルフィルタ50からリンス液へ不純物Pを放出させてゲルフィルタ50の不純物除去能力をさらに回復させる。さらにその後、再生タンク30にリンス液が供給されてゲルフィルタ50が再度洗浄される(リンス液供給工程:ステップS26)。
第1実施形態によれば、基板Wの処理に用いられた処理液(汚染処理液)が回収タンク20に回収され、回収タンク20から再生タンク30に汚染処理液が送られる。
ゲルフィルタ50は、再生タンク30内の液体のpHの変化に応じて、再生タンク30内の液体から不純物Pを捕集したり、再生タンク30内の液体に不純物Pを放出したりできる。そのため、pHを変化させれば、ゲルフィルタ50に汚染処理液中の不純物Pを捕集させて基板Wの処理に再度利用できるように処理液を再生させたり、ゲルフィルタ50から汚染処理液に不純物Pを放出させてゲルフィルタ50を再生させたりすることができる。したがって、ゲルフィルタ50の不純物除去能力が低下した場合であっても、ゲルフィルタ50を交換することなく不純物除去能力を回復させることができる。
また第1実施形態によれば、ゲルフィルタ50は、再生タンク30内の液体のpHが第1範囲であるときに当該液体から不純物Pを捕集し、かつ、再生タンク30内の液体のpHが第2範囲であるときに当該液体に不純物Pを放出する性質を有する。
そのため、pHが第1範囲に調整された汚染処理液を回収タンク20から再生タンク30に送ることで、ゲルフィルタに汚染処理液中の不純物を捕集させて、基板Wの処理に再度利用できるように処理液を再生させることができる。また、pHが第2範囲に調整された汚染処理液を回収タンク20から再生タンク30に送ることで、ゲルフィルタ50から汚染処理液に不純物Pを放出させて、ゲルフィルタ50を再生させることができる。
また第1実施形態によれば、第1温度と第2温度との間で加熱および冷却を繰り返すように、循環流路33を通過する汚染処理液の温度を調整することで、ゲルフィルタ50からの不純物Pの放出を促進することができる。これにより、ゲルフィルタ50の不純物除去能力を速やかに回復させることができる。
また第1実施形態によれば、ゲルフィルタ50によって不純物Pが充分に除去されない場合には、汚染処理液のpHが所望の値になっていないことがその原因として考えられる。そのため、戻し流路35を介して再生タンク30内の汚染処理液を回収タンク20に戻して、汚染処理液のpHの再調整を行った後、汚染処理液を再生タンク30に再度送ることができる。
また第1実施形態によれば、清浄処理液を、供給タンク40に送ることで、処理ユニット2に供給するための清浄処理液を供給タンク40に貯留することができる。そのため、ゲルフィルタ50の再生が必要になる前に処理ユニット2に供給する清浄処理液を準備しておくことができる。
また第1実施形態によれば、循環流路33によって再生タンク30内の汚染処理液が循環される。そのため、再生タンク30内に収容されているゲルフィルタ50に通過する汚染処理液の流れを形成することができる。そのため、ゲルフィルタ50が、汚染処理液中の不純物Pを効率的に捕集したり汚染処理液に不純物Pを効率的に放出したりすることができる。
また第1実施形態によれば、不純物量測定ユニット100を用いて再生タンク30内の不純物量を測定できる。そのため、たとえば、不純物量が比較的少ない場合には、ゲルフィルタ50が充分に高い不純物除去能力を有していることと判定できる。一方、不純物量が比較的多い場合には、ゲルフィルタ50の不純物除去能力が低下しているため、ゲルフィルタ50の再生が必要であると判定できる。
また第1実施形態によれば、再生タンク30にリンス液を供給してゲルフィルタ50を洗浄することで、第2排出流路36を介して汚染処理液を廃棄した後においてもゲルフィルタ50に付着する汚染処理液を除去することができる。
また第1実施形態によれば、リンス液供給工程において不純物量測定ユニット100を用いれば、リンス液がゲルフィルタ50を洗浄することでリンス液中に混入した不純物Pの量を測定することができる。リンス液中の不純物量が比較的多い場合には、ゲルフィルタ50から不純物が充分に除去できていないと判定し、リンス液に混入している不純物量が比較的少ない場合には、ゲルフィルタから不純物を充分に除去できていると判定することができる。
具体的には、不純物量が第2基準不純物量よりも少ない場合には、リンス液排出工程が実行され、不純物量が第2基準不純物量以上である場合には、リンス液pH調整工程が実行されるように、リンス液排出工程およびリンス液pH調整工程が選択的に実行される。そのため、リンス液の不純物量が第2基準不純物量よりも小さい場合には、リンス液を再生タンク30から排出し、ゲルフィルタ50の洗浄を完了することができる。一方、リンス液の不純物量が第2基準不純物量以上である場合には、ゲルフィルタ50から不純物Pが充分に除去できていないと判定し、リンス液のpHを調整することで、リンス液の役割を、汚染処理液の排出後においてもゲルフィルタ50に付着する汚染処理液を除去する役割から、ゲルフィルタ50から不純物Pを放出させる役割に切り替えることができる。これにより、ゲルフィルタ50から不純物Pを再度放出させてゲルフィルタの不純物除去能力の回復を図ることができる。
<第2実施形態に係る基板処理装置の構成>
図9は、この発明の第2実施形態に係る基板処理装置1Aの構成例を示す模式図である。
図9において、前述の図1~図10に示された構成と同等の構成については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。後述する図10~図12についても同様である。
第2実施形態に係る基板処理装置1Aが第1実施形態に係る基板処理装置1と主に異なる点は、処理液供給装置3が、再生タンク30にpH調整液を供給する第2pH調整ユニット130をさらに含む点である。
第2pH調整ユニット130は、再生タンク30にpH調整液を供給する第2pH調整液供給ユニット131と、再生タンク30内の液体のpHを測定する第2pH測定ユニット132とを含む。第2pH調整液供給ユニット131は、再生タンク30にpH調整液として酸性液体を供給する第2酸性液体流路133と、第2酸性液体流路133を開閉する第2酸性液体バルブ134と、再生タンク30にpH調整液としてアルカリ性液体を供給する第2アルカリ性液体流路135と、第2アルカリ性液体流路135を開閉する第2アルカリ性液体バルブ136とを含む。第2pH測定ユニット132は、たとえば、pHメータである。
この実施形態では、第2酸性液体流路133の上流端は、第1酸性液体流路93に接続されており、第2酸性液体流路133の下流端は再生タンク30に接続されている。この実施形態では、第2アルカリ性液体流路135の上流端は、第1アルカリ性液体流路95に接続されており、第2アルカリ性液体流路135の下流端は再生タンク30に接続されている。
図9とは異なり、第2酸性液体流路133の上流端は、第1酸性液体流路93に分岐接続されておらず、酸性液体供給源(図示せず)に接続されていてもよい。同様に、第2アルカリ性液体流路135の上流端は、第1アルカリ性液体流路95に分岐接続されておらず、アルカリ性液体供給源(図示せず)に接続されていてもよい。
<第2実施形態に係る処理液再生処理>
次に、基板処理装置1Aによって実行される処理液再生処理について詳しく説明する。図10は、第2実施形態に係る処理液再生処理を説明するためのフローチャートである。図11は、第2実施形態に係る処理液再生処理を説明するための模式図である。
第2実施形態に係る処理液再生処理が第1実施形態に係る処理液再生処理と主に異なる点は、処理液のpHの再調整が、再生タンク30内で行われる点である。
詳しくは、第1不純物量判定工程(ステップS5)において、不純物除去時間の経過後においても再生タンク30内の処理液中の不純物量が第1基準不純物量以上である場合には(ステップS5:NO)、再生タンク30内の処理液を回収タンク20に戻すことなく、再生タンク30内の汚染処理液のpHが第1範囲であるか否かを判定する(第1pH再判定工程:ステップS8)。再生タンク30内の処理液のpHが第1範囲ではない場合には(ステップS8:NO)、第2pH調整液供給ユニット131から回収タンク20にpH調整液が供給されることによって(第1pH調整液再供給工程:ステップS9)、第2pH調整ユニット130によって再生タンク30内の汚染処理液のpHが調整される(第1pH再調整工程)。
具体的には、汚染処理液のpHの調整は、第2pH測定ユニット132の測定結果に基づいて行われる(第1pH再測定工程)。第2pH測定ユニット132が検出したpHが第1範囲内でない場合には、図11に示すように、第2アルカリ性液体バルブ136が開かれて再生タンク30にアルカリ性液体が供給される(アルカリ性液体供給工程、第1pH調整液供給工程)。再生タンク30内の汚染処理液にアルカリ性液体が混合され、汚染処理液のpHが第1範囲内に変更される。
再生タンク30内の汚染処理液のpHが第1範囲に調整されると(ステップS8:YES)、ステップS4~ステップS5が再び実行される。再度の不純物量判定工程(ステップS5)において不純物量が第1基準不純物量よりも少なくなれば、再生タンク30から供給タンク40に処理液(清浄処理液)が送られて、処理液再生処理が終了する(第1再生処理液送出工程:ステップS6)。
<第2実施形態に係るゲル再生処理>
次に、基板処理装置1Aによって実行されるゲル再生処理について詳しく説明する。図12は、第2実施形態に係るゲル再生処理を説明するためのフローチャートである。図13は、第2実施形態に係るゲル再生処理を説明するための模式図である。
第2実施形態に係るゲル再生処理が第1実施形態に係るゲル再生処理と主に異なる点は、リンス液のpHの調整が、再生タンク30内で行われる点である。
詳しくは、洗浄時間の経過後に再生タンク30内のリンス液中の不純物量が第2基準不純物量以上である場合には(ステップS28:NO)、再生タンク30内のリンス液を回収タンク20に送ることなく、再生タンク30内のリンス液のpHが調整される(リンス液pH調整工程)。具体的には、再生タンク30内のリンス液のpHが第2範囲であるか否かを判定する(リンス液pH判定工程:ステップS31)。再生タンク30内の処リンス液のpHが第2範囲ではない場合には(ステップS31:NO)、第2pH調整液供給ユニット131から再生タンク30にpH調整液が供給される。
リンス液のpHの調整は、第2pH測定ユニット132の測定結果に基づいて行われる(リンス液pH測定工程)。第2pH測定ユニット132が検出したpHが第2範囲内でない場合には、第2酸性液体バルブ134が開かれて再生タンク30に酸性液体が供給される(酸性液体供給工程、第2pH調整液供給工程)。再生タンク30内のリンス液に酸性液体が混合され、リンス液のpHが第2範囲内に変更される。
再生タンク30内のリンス液のpHが第2範囲に調整されると(ステップS31:YES)、ステップS24以降の各工程が実行される。すなわち、pHが第2範囲に調整されたリンス液へ不純物Pを放出させてゲルフィルタ50の不純物除去能力をさらに回復させる。さらにその後、再生タンク30にリンス液が供給されてゲルフィルタ50が再度洗浄される(リンス液供給工程:ステップS26)。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
第2実施形態によれば、汚染処理液から不純物Pが充分に除去できない場合に、汚染処理液を回収タンク20に戻すことなく、再生タンク30内で汚染処理液のpHを再度調整することができる。そのため、汚染処理液のpHが所望の値になっていないために、ゲルフィルタ50によって不純物Pが充分に除去されない場合であっても、再生タンク30で汚染処理液のpHを再調整することで、ゲルフィルタ50によって汚染処理液から不純物Pを除去することができる。
また、リンス液による洗浄が不充分である場合にも、リンス液を回収タンク20に送ることなく、再生タンク30内でリンス液のpHを調整することができる。そのため、再生タンク30内でリンス液のpHを調整することで、ゲルフィルタ50から不純物Pをさらに放出させることができる。
図14は、第2実施形態に係る処理液供給装置3の第1変形例を示す模式図である。図15は、第2実施形態に係る処理液供給装置3の第2変形例を示す模式図である。
図14に示すように、処理液供給装置3は、供給タンク40に新たな処理液(新液)を供給する新液供給ユニット140を含んでいてもよい。新液供給ユニット140は、供給タンク40に新液を供給する新液流路141と、新液流路141を開閉する新液バルブ142とを含む。新液流路141の上流端は新液供給源(図示せず)に接続されており、新液流路141の下流端は供給タンク40に接続されている。
図15に示すように、処理液供給装置3は、複数(図15では2つ)の再生タンク30と複数(図15では2つ)のゲルフィルタ50とを含んでいてもよい。以下では、2つの再生タンク30のうちの一方に符号「30A」を付し、2つの再生タンク30のうちの他方に符号「30B」を付す。2つのゲルフィルタ50のうちの一方に符号「50A」を付し、2つのゲルフィルタ50のうちの他方に符号「50B」を付す。
処理液供給装置3は、再生タンク30Aに関連して、第1送液流路23A、循環流路33A、第2送液流路34A、戻し流路35A、第2排出流路36A、第1送液バルブ62A、第1ポンプ70A、第2ポンプ71A、循環バルブ63A、循環ヒータ75A、第2送液バルブ64A、戻しバルブ65A、および、第2廃棄バルブ66Aを含む。再生タンク30Aに関連する上記各部材の構成は、図9に示す第1送液流路23、循環流路33、第2送液流路34、戻し流路35、第2排出流路36、第1送液バルブ62、第1ポンプ70、第2ポンプ71、循環バルブ63、循環ヒータ75、第2送液バルブ64、戻しバルブ65、および、第2廃棄バルブ66と同様である。
処理液供給装置3は、再生タンク30Bに関連して、第1送液流路23B、循環流路33B、第2送液流路34B、戻し流路35B、第2排出流路36B、第1送液バルブ62B、第2ポンプ71B、循環バルブ63B、循環ヒータ75B、第2送液バルブ64B、戻しバルブ65B、および、第2廃棄バルブ66Bとを含む。
第1送液流路23Bは、回収タンク20の処理液を再生タンク30Bに送る。第1送液流路23Bの上流端は、第1送液流路23Aにおいて、第1ポンプ70Aよりも下流側でかつ、第1送液バルブ62Aよりも上流側に分岐接続されている。第1送液流路23Bの下流端は、再生タンク30Bに接続されている。
循環流路33Bは、再生タンク30Bから循環流路33Bに処理液が流入し、循環流路33Bから再生タンク30Bに処理液を戻すことによって、再生タンク30B内の処理液を循環させる。循環流路33Bの上流端および下流端は、再生タンク30Bに接続されている。詳しくは、循環流路33Bの上流端は、再生タンク30Bの内部空間31の第1収容部31aに接続されており、循環流路33Bの下流端は、内部空間31の第2収容部31bに接続されている。循環流路33Bおよび再生タンク30Bは、回収タンク20から処理液が供給される再生タンクユニットを構成している。
第2送液流路34Bは、再生タンク30B内の処理液を供給タンク40に送る。第2送液流路34の上流端は、循環流路33Bに分岐接続されている。第2送液流路34Bの下流端は、第2送液流路34Aにおいて第2送液バルブ64Aよりも下流側に分岐接続されている。
戻し流路35Bは、再生タンク30Bから回収タンク20に処理液を戻す。この実施形態では、戻し流路35Bの上流端は、第2送液流路34Aに分岐接続されており、戻し流路35Bの下流端は、戻し流路35Aにおいて戻しバルブ65Aよりも下流側に分岐接続されている。
第2排出流路36Bは、再生タンク30Bから処理液を排出して廃棄する。詳しくは、第2排出流路36Bは、廃棄設備(図示せず)に処理液を送る。第2排出流路36Bの上流端は、再生タンク30Bに接続されており、第2排出流路36Bの下流端は、廃棄設備(図示せず)に接続されている。
第1送液バルブ62Bは、第1送液流路23Bに設けられている。第2ポンプ71Bは、循環流路33Bにおいて第2送液流路34Bの接続位置よりも上流側に配置されている。循環バルブ63Bは、循環流路33Bを開閉する。循環バルブ63Bは、循環流路33Bにおける第2送液流路34Bの接続位置、および、第2ポンプ71Bよりも下流側に配置されている。循環ヒータ75Bは、循環流路33Bに設定される再生加熱位置を加熱する。再生加熱位置は、循環流路33Bにおいて循環バルブ63Bよりも下流側に位置する。
第2送液バルブ64Bは、第2送液流路34Bにおいて戻し流路35Bの接続位置よりも下流側に設けられている。戻しバルブ65Bは、戻し流路35Bに設けられている。第2廃棄バルブ66Bは、第2排出流路36Bに設けられている。
処理液供給装置3は、再生タンク30Aに関連して、不純物量測定ユニット100A、リンス液供給ユニット120A、および、第2pH調整ユニット130Aを含む。再生タンク30Aに関連する上記各部材の構成は、図11に示す不純物量測定ユニット100、リンス液供給ユニット120、および、第2pH調整ユニット130と同様である。処理液供給装置3は、再生タンク30Bに関連して、再生タンク30B内の処理液の不純物量を測定する不純物量測定ユニット100Bと、再生タンク30Bにリンス液を供給するリンス液供給ユニット120Bと、再生タンク30にpH調整液を供給する第2pH調整ユニット130Bとを含む。再生タンク30Bに関連する上記各部材の構成は、図11に示す不純物量測定ユニット100、リンス液供給ユニット120、および、第2pH調整ユニット130と同様である。
この変形例によれば、複数のゲルフィルタ50A,50Bによって、それぞれ、対応する再生タンク30A,30B内の汚染処理液のpHの変化に応じて不純物Pの捕集および放出が行われる。そのため、一部のゲルフィルタ50Aの再生を行うためにゲルフィルタ50Aから汚染処理液に不純物Pを放出させている間に、残りのゲルフィルタ50Bに汚染処理液中の不純物Pを捕集させて、汚染処理液を清浄化することができる。
<除去能力評価実験>
次に、pH応答性ゲルの金属除去能力を評価するための除去能力評価実験について説明する。図16Aは、除去能力評価実験の手順を説明するための模式図である。除去能力評価実験は、以下の手順(a)~(d)で行われた。
(a)金属溶液が溜められた容器201を水槽200中の水に浸し、容器201にpH応答性ゲル202を投入する。金属溶液のpHを2とした容器201と金属溶液のpHを7とした容器201とを準備した。溶液中の金属(不純物P)をチタン(Ti)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)とした、各pHの金属溶液を準備した。
(b)pH応答性ゲル202が投入された容器201を所定の温度で24時間放置した。詳しくは、25℃で24時間放置したサンプルSaと、55℃で24時間放置したサンプルSbと、55℃および25℃の間で温度変化させたサンプルScとを準備した。サンプルScは、25℃で12時間放置した後、25℃から55℃への昇温および55℃から25℃への降温を3回繰り返した。図16の(b)には、サンプルScの準備の様子を示している。
(c)金属溶液を容器201から取り出し、シリンジ203およびフィルタ204を用いて金属溶液からpH応答性ゲル202を除去した。なお、フィルタ204のポア径は、0.5μmである。
(d)誘導結合プラズマ質量分析法 (ICP-MS:Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry)を用いてpH応答性ゲル202を投入する前の金属溶液中の金属量と、手順(a)~(c)を行った後の金属溶液中の金属量とを比較することで金属除去効率(MRE:Metal Removal Efficiency)を算出した。
図16Bおよび図16Cは、除去能力評価実験の結果を示すグラフである。図16Bは、金属溶液のpHが2である場合の結果を示すグラフであり、図16Cは、金属溶液のpHが7である場合の結果を示すグラフである。
図16Bに示すように、金属溶液のpHが2である場合には、温度条件と金属との全ての組み合わせにおいて金属除去効率が10%~30%程度であった。一方、図16Cに示すように、金属溶液のpHが7である場合には、温度条件と金属との全ての組み合わせにおいて金属除去効率が95%~99%程度であった。この結果から、pHの変化によって、金属除去効率が大きく変化することが分かった。すなわち、pH応答性ゲル202のpH応答性が実証された。また、pH7の条件において、温度に関係なく、金属除去効率が同程度であったことからも、金属除去効率は、温度変化よりもpH変化の影響を受けやすいことが推察できる。
<再生評価実験>
次に、pH応答性ゲルの金属除去能力を再生するための再生評価実験について説明する。図17Aは、再生評価実験の手順を説明するための模式図である。除去能力評価実験は、以下の手順(e)~(i)で行われた。
(e)除去能力評価実験においてシリンジ203およびフィルタ204(図16Aを参照)を用いて金属溶液から分離したpH応答性ゲル202を容器210に投入した。
(f)容器210にDIWを投入し、その後、容器210中の溶液に硝酸を添加してpHを1にした。
(g)容器210を所定の温度で24時間放置した。詳しくは、25℃で24時間放置したサンプルSdと、55℃で24時間放置したサンプルSeと、55℃および25℃の間で温度変化させたサンプルSfとを準備した。サンプルSfは、25℃で12時間放置した後、25℃から55℃への昇温および55℃から25℃への降温を3回繰り返した。
(h)pHが1である溶液を容器210から取り出し、シリンジ211およびフィルタ212を用いて当該溶液からpH応答性ゲル202を除去した。なお、フィルタ212のポア径は、0.5μmである。
(i)ICP-MSを用いて、上記手順(e)~(h)を行った後の溶液中の金属量と、除去能力評価実験の手順(a)~(c)(図16Aを参照)を行った後の金属溶液中の金属量とを比較することで脱着効率(放出効率)を算出した。
図17Bは、再生評価実験の結果を示すグラフである。図17Bに示すように、全ての温度条件と金属との組み合わせにおいて、pH応答性ゲルから金属が脱着(放出)されることが分かった。また、25℃で24時間放置したサンプルSdよりも、55℃で24時間放置したサンプルSeの方が、脱着効率が高かったため、pH応答性ゲルからの金属の脱着(放出)は温度依存性を有することが推察できる。さらに、55℃および25℃の間で温度変化させたサンプルSfの脱着効率は、いずれの金属を用いた場合であっても、約60%を超えた。このことから、昇温および降温を繰り返すことで、pH応答性ゲルからの金属の脱着が促進されることが推察できる。
<その他の実施形態>
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、さらに他の形態で実施することができる。
(1)たとえば、上述の各実施形態とは異なり、pH調整液としてのアルカリ性液体の供給によって、汚染処理液またはリンス液のpHが第2範囲に調整され、pH調整液としての酸性液体の供給によって、汚染処理液またはリンス液のpHが第1範囲に調整されてもよい。
(2)上述の各実施形態では、再生タンクユニットが、再生タンク30および循環流路33を含んでいる。しかしながら、循環流路33が設けられておらず、再生タンク30内の汚染処理液およびリンス液が循環されなれないように構成されていてもよい。
この場合、再生タンクユニット内の液体を加熱する温度調整ユニットとして、再生タンク30の側壁および底壁に外側から取り付けられたヒータが設けられていてもよい。再生タンクユニット内の液体を加熱する温度調整ユニットは、再生タンク30内のエッチング液に浸漬されたヒータであってもよい。
上述したように、再生タンク30内の汚染処理液を循環流路33で循環させることで、不純物Pを効率良く除去できるが、循環させなくてもゲルフィルタ50に不純物Pを捕集させることも可能である。同様に、再生タンク30内のリンス液を循環流路33で循環させることで、ゲルフィルタ50から不純物Pを効率良く放出させることできるが、循環させなくてもゲルフィルタ50から不純物Pを放出させることも可能である。そのため、処理液再生処理およびゲル再生処理において、循環工程が必ずしも実行される必要はない。第1回収処理液送出工程および第2回収処理液送出工程の少なくとも一方の実行中に、循環流路33を介して再生タンク30内の汚染処理液が循環されてもよいし、第1回収処理液送出工程および第2回収処理液送出工程のいずれにおいても汚染処理液が循環されなくてもよい。
(4)処理液供給装置3には、循環ヒータ75に加えて、再生タンクユニット内の処理液を冷却する循環クーラが設けられており、循環ヒータ75および循環クーラによって、温度調整ユニットが構成されていてもよい。
(5)第2実施形態に係る基板処理装置1Aを用いて、図5に示す処理液再生処理および図7に示すゲル再生処理を実行することも可能である。
(6)不純物量測定ユニット100が設けられていなくてもよい。不純物除去時間の監視によってゲルフィルタ50によって不純物Pが充分に除去されたか否かを判定してもよい。同様に、洗浄時間の監視によってゲルフィルタ50から不純物Pが充分に放出されたか否かを判定してもよい。すなわち、第1不純物量判定工程(図5および図10に示すステップS5)および第2不純物量判定工程(図7および図12に示すステップS28)を省略することが可能である。
第1不純物量判定工程(ステップS5)を省略する場合、不純物時間監視工程(ステップS4)において、不純物除去時間が経過すると(ステップS4:YES)、再生タンク30から供給タンク40に処理液(清浄処理液)が送られて、処理液再生処理が終了する(第1再生処理液送出工程:ステップS6)。
第2不純物量判定工程(ステップS28)を省略する場合、洗浄時間監視工程(ステップS27)において、洗浄時間が経過すると(ステップS27:YES)、リンス液が、第2排出流路36を介して、再生タンク30から排出されて、ゲル再生処理が終了される(リンス液廃棄工程、リンス液排出工程:ステップS29)。
(7)ゲルフィルタ50は、上述の各実施形態に開示されている構成に限られない。再生タンク30内の処理液から不純物Pを捕集したり再生タンク30内の処理液に不純物Pを放出したりできればよく、必ずしも再生タンク30の内部空間31を仕切っている必要はない。ゲルフィルタ50は、たとえば、再生タンク30の底部に配置されていてもよいし、循環流路33に設けられていてもよい。
(8)戻し流路35の上流端は、再生タンク30に直接接続されていてもよい。戻し流路35の下流端は、回収タンク20に直接接続されてもよい。第2送液流路34の上流端は、再生タンク30に直接接続されていてもよい。
また、上述の各実施形態において、配管、ポンプ、バルブ、アクチュエータ等についての図示を一部省略しているが、これらの部材が存在しないことを意味するものではなく、実際にはこれらの部材は適切な位置に設けられている。たとえば、処理液ノズル11から吐出される処理液の流量を調整する流量調整バルブ(図示せず)が供給流路41に設けられていてもよい。
1 :基板処理装置
1A :基板処理装置
2 :処理ユニット
20 :回収タンク
30 :再生タンク(再生タンクユニット)
30A :再生タンク(再生タンクユニット)
30B :再生タンク(再生タンクユニット)
33 :循環流路(再生タンクユニット)
33A :循環流路(再生タンクユニット)
33B :循環流路(再生タンクユニット)
35 :戻し流路
35A :戻し流路
35B :戻し流路
36 :第2排出流路
36A :第2排出流路
36B :第2排出流路
40 :供給タンク
75 :循環ヒータ(温度調整ユニット)
75A :循環ヒータ(温度調整ユニット)
75B :循環ヒータ(温度調整ユニット)
90 :第1pH調整ユニット
100 :不純物量測定ユニット
100A :不純物量測定ユニット
100B :不純物量測定ユニット
120 :リンス液供給ユニット
120A :リンス液供給ユニット
120B :リンス液供給ユニット
130 :第2pH調整ユニット
130A :第2pH調整ユニット
130B :第2pH調整ユニット
P :不純物
W :基板

Claims (18)

  1. 処理液で基板を処理する処理ユニットと、
    前記処理ユニットから処理液を回収する回収タンクと、
    前記回収タンク内の処理液のpHを調整する第1pH調整ユニットと、
    前記回収タンクから処理液が送られる再生タンクユニットと、
    前記再生タンクユニット内の処理液のpHの変化に応じて、前記再生タンクユニット内の処理液から不純物を捕集したり、前記再生タンクユニット内の処理液に不純物を放出したりするゲルフィルタとを備える、基板処理装置。
  2. 前記ゲルフィルタは、第1温度と、前記第1温度よりも高温の第2温度との間で加熱および冷却を繰り返すことで不純物の放出する性質を有しており、
    前記再生タンクユニット内の処理液の温度を前記第1温度および前記第2温度に調整可能な温度調整ユニットをさらに備える、請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記再生タンクユニットから処理液を排出する排出流路と、
    前記ゲルフィルタを洗浄するリンス液を前記再生タンクユニットに供給するリンス液供給ユニットとをさらに備える、請求項1または2に記載の基板処理装置。
  4. 前記再生タンクユニット内の処理液を前記回収タンクに戻す戻し流路をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  5. 前記再生タンクユニット内の処理液のpHを調整する第2pH調整ユニットをさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  6. 前記再生タンクユニットから処理液が送られ、前記処理ユニットに処理液を供給する供給タンクをさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  7. 前記再生タンクユニットが、前記ゲルフィルタが収容され処理液を貯留する再生タンクと、前記再生タンク内の処理液を循環させる循環流路とを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  8. 前記再生タンクユニット内の処理液中の不純物量を測定する不純物量測定ユニットをさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  9. 前記再生タンクユニットは、複数設けられており、
    前記ゲルフィルタは、複数設けられており、
    複数の前記ゲルフィルタは、それぞれ、対応する前記再生タンクユニット内の処理液のpHの変化に応じて、対応する前記再生タンクユニット内の処理液から不純物を捕集したり、対応する前記再生タンクユニット内の処理液に不純物を放出したりする、請求項1~8のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  10. 前記ゲルフィルタは、前記再生タンクユニット内の処理液のpHが第1範囲であるときに当該処理液から不純物を捕集し、かつ、前記再生タンクユニット内の処理液のpHが第2範囲であるときに当該処理液に不純物を放出する性質を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  11. 処理液で基板を処理する処理ユニットに処理液を供給する供給工程と、
    前記処理ユニットから排出された処理液を回収タンクに回収する回収工程と、
    前記回収タンク内の処理液のpHを第1範囲内に調整する第1pH調整工程と、
    処理液のpHが前記第1範囲であるときに当該処理液から不純物を捕集し、かつ、処理液のpHが第2範囲であるときに当該不純物を放出する性質を有するゲルフィルタが設けられた再生タンクユニットに、前記第1範囲内のpHを有する処理液を、前記回収タンクから送出する第1回収処理液送出工程と、
    前記回収タンク内の処理液のpHを前記第2範囲内に調整する第2pH調整工程と、
    前記第2範囲内のpHを有する処理液を前記回収タンクから前記再生タンクユニットに送出する第2回収処理液送出工程とを含む、基板処理方法。
  12. 前記ゲルフィルタは、第1温度と、前記第1温度よりも高温の第2温度との間で加熱および冷却を繰り返すことで不純物の放出する性質を有しており、
    前記第2回収処理液送出工程において前記再生タンクユニットに送られた処理液の温度を前記第1温度および前記第2温度の間で加熱および冷却を繰り返す温度調整工程をさらに含む、請求項11に記載の基板処理方法。
  13. 前記第1回収処理液送出工程の後、前記再生タンクユニット内の処理液を前記回収タンクに戻す戻し工程と、
    前記戻し工程によって前記回収タンクに戻された処理液のpHを前記第1範囲内に調整する再調整工程と、
    前記再調整工程によってpHが調整された処理液を前記回収タンクから前記再生タンクユニットに送出する再送出工程とを含む、請求項11または12に記載の基板処理方法。
  14. 前記第1回収処理液送出工程の後、前記再生タンクユニット内の処理液のpHを前記第1範囲内に調整する再調整工程をさらに含む、請求項11または12に記載の基板処理方法。
  15. 前記再生タンクユニットが、前記ゲルフィルタが収容され処理液を貯留する再生タンクと、前記再生タンク内の処理液を循環させる循環流路とを含み、
    前記第1回収処理液送出工程および前記第2回収処理液送出工程の少なくとも一方の実行中に、前記循環流路を介して前記再生タンク内の処理液を循環させる循環工程をさらに含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  16. 前記第2回収処理液送出工程において前記再生タンクユニットに送られた処理液を前記再生タンクユニットから排出する処理液排出工程と、
    前記処理液排出工程の後、前記再生タンクユニットにリンス液を供給するリンス液供給工程とをさらに含む、請求項11~15のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  17. 前記リンス液供給工程において前記再生タンクユニットに供給されたリンス液中の不純物量を測定するリンス不純物量測定工程をさらに含む、請求項16に記載の基板処理方法。
  18. 前記リンス不純物量測定工程において測定される不純物量が基準不純物量よりも少ない場合には、前記再生タンクユニットから前記リンス液を排出するリンス液排出工程が実行され、前記リンス不純物量測定工程において測定される不純物量が前記基準不純物量以上である場合には、前記リンス液供給工程において前記再生タンクユニットに供給されたリンス液のpHを前記第2範囲に調整するリンス液pH調整工程が実行されるように、前記リンス液排出工程および前記リンス液pH調整工程が選択的に実行される、請求項17に記載の基板処理方法。
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