JP2023104404A - 給与前払システム - Google Patents
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Abstract
【課題】サービス提供事業者に過度な負荷をかけることがなく、かつ労働者ごとの給与管理が煩雑にならない、給与前払システムを提供する。【解決手段】少なくとも1の使用者に代わってサービス提供事業者が労働者に給与前払いを実行する給与前払システムにおいて、事業者サーバは、労働者から給与前払リクエスト金額を含む給与前払リクエスト情報を取得するリクエスト処理部123と、勤怠データと給与前払リクエスト金額と労働者ごとの給与前払利用可能額とに基づき算出された給与前払支払額を、労働者に対して支払うための給与前払振込データを作成する給与前払振込データ作成部128と、給与前払振込データに基づき、使用者に代わって労働者の口座に給与前払支払額を振り込み指示する給与前払振込指示部129と、労働者に支払った給与前払支払額を含む給与前払支払データを使用者に送信する、給与前払支払データ送信部130と、を備える。【選択図】図4A
Description
本発明は、給与前払システム、給与前払システムに係るプログラム、給与前払方法等に関する。
企業に属する従業員が働いた対価の一部を、その支給日より前に引き出すことができる給与前払制度(例えば、旧株式会社東京都民銀行による「前給」など)が知られている。給与前払制度を利用することにより、従業員は給与日前に受け取る対価を急な出費等にあてることができるという利点があり、雇用する企業は会社に対するロイヤルティを高めて、離職を回避させることができるという利点がある。
給与前払制度は、当初、銀行が管理する銀行コンピュータにより実現されてきたが、通信技術の発達や規制業法の改正により、銀行以外の事業者が実施するシステムも提案されている(特許文献1および2)。これらのシステムでは、銀行のシステム搭載の負担および前払する給与分を利用者である雇用者が銀行に預託することを回避するために、銀行以外の事業者が、前払制度を利用する従業員への支払い額、給与の減額分を計算して、従業員へ利用金額を口座振込や電子マネーへのチャージとして立替払いをすることが記載されている。
しかしながら、特許文献1や2に記載のシステムは、銀行のシステム搭載の負担と企業が前払い給与の原資を銀行に預託することを回避するために、企業ごとの利用上限枠を設定し、従来の前給制度で企業と銀行とが行っていた機能の一部を担うことができる事業者を介在させて、双方の負担を軽くすることを目的としている。上記特許文献では、企業ごとの利用上限枠を設定することで、この枠の範囲内であれば、労働者はシステムを利用することができるが、当然に利用上限枠を超えた範囲では利用ができない。そのため、例えば月末などの一定期間内にシステム利用者が殺到した場合に、システムに過度な負荷がかかるとともに、利用上限枠を超えた場合には利用者に不便を与えることとなる。さらに、使用者としても、利用上限枠の範囲内で多くの労働者が自由にシステムを利用できると、利用上限枠内での配分においてより多くの手間がかかるという問題が生じるという新たな課題も本発明者らは見出した。また、利用者ごとに上限枠を設けることにより、一部の高額な給与を支給されている社員が使用することで、労働の対価を必要に応じてフレキシブルに受け取るという給与前払いシステムの本来の趣旨を没却するような使用もされることがあり、問題となっている。
したがって、本発明の目的は、サービス提供事業者に過度な負荷をかけることがなく、かつ労働者ごとの給与管理が煩雑にならない、給与前払システムを提供することである。
上記課題に鑑み、鋭意検討を重ねたところ、本発明者は、給与前払システムにおいて、サービス提供事業者が使用者ごとに給与の前払いを受けられる労働者数の上限を設定することにより、上記課題を回避することができることを見出し本発明を完成するに至った。
よって、本発明は、要旨、以下のものを提供する。
〔1〕 少なくとも1の使用者に代わってサービス提供事業者が労働者に給与前払いを実行する、給与前払システムであって、
労働者から給与前払リクエスト金額を含む給与前払リクエスト情報を取得する、リクエスト処理部と、
勤怠データと給与前払リクエスト金額と労働者ごとの給与前払利用可能額とに基づき算出された給与前払支払額を、前記労働者に対して支払うための給与前払振込データを作成する給与前払振込データ作成部と、
給与前払振込データに基づき、前記使用者に代わって前記労働者の口座に給与前払支払額を振り込み指示する、給与前払振込指示部と、
労働者に支払った給与前払支払額を含む給与前払支払データを使用者に送信する、給与前払支払データ送信部と、
を備え、サービス提供事業者が、使用者ごとに給与の前払いを受けられる労働者数の上限を設定することを特徴とする、給与前払システム。
〔2〕 給与前払利用可能額が、所定日から給与前払リクエスト情報を取得した日までの期間の勤怠データから算出される労働対価額に所定の係数をかけて得られた金額から労働者に既に支払われた給与前払金額を減算した金額であり、給与前払利用可能額と給与前払リクエスト金額との大小を比較し、給与前払リクエスト金額の方が小さい場合、給与前払リクエスト金額が給与前払支払額として算出される、〔1〕に記載の給与前払システム。
〔3〕 リクエスト処理部、給与前払振込データ作成部、給与前払振込指示部および給与前払支払データ送信部が、事業者サーバに備えられている、〔1〕または〔2〕に記載の給与前払システム。
〔4〕 勤怠データは、勤怠情報管理サーバで管理される、〔3〕に記載の給与前払システム。
〔5〕 給与前払リクエスト情報が、労働者端末から送信され、労働者端末と事業者サーバと勤怠情報管理サーバとが、ネットワークを介して通信可能に接続されている、〔4〕に記載の給与前払システム。
〔6〕 少なくとも1つの使用者に代わってサービス提供事業者が労働者に給与前払いを実行させる、給与前払システムのプログラムあって、
労働者から給与前払リクエスト金額を含む給与前払リクエスト情報を取得するステップと、
勤怠データと給与前払リクエスト金額と労働者ごとの給与前払利用可能額とに基づき算出された給与前払支払額を、前記労働者に対して支払うための給与前払振込データを作成するステップと、
給与前払振込データに基づき、前記使用者に代わって前記労働者の口座に給与前払支払額を振り込み指示するステップと、
前記労働者に支払った給与前払支払額を含む給与前払支払データを前記使用者に送信するステップと、
を実行させるとともに、サービス提供事業者によって設定された、使用者ごとの給与の前払いを受けられる労働者数の上限を超えさせないことを特徴とする、プログラム。
〔1〕 少なくとも1の使用者に代わってサービス提供事業者が労働者に給与前払いを実行する、給与前払システムであって、
労働者から給与前払リクエスト金額を含む給与前払リクエスト情報を取得する、リクエスト処理部と、
勤怠データと給与前払リクエスト金額と労働者ごとの給与前払利用可能額とに基づき算出された給与前払支払額を、前記労働者に対して支払うための給与前払振込データを作成する給与前払振込データ作成部と、
給与前払振込データに基づき、前記使用者に代わって前記労働者の口座に給与前払支払額を振り込み指示する、給与前払振込指示部と、
労働者に支払った給与前払支払額を含む給与前払支払データを使用者に送信する、給与前払支払データ送信部と、
を備え、サービス提供事業者が、使用者ごとに給与の前払いを受けられる労働者数の上限を設定することを特徴とする、給与前払システム。
〔2〕 給与前払利用可能額が、所定日から給与前払リクエスト情報を取得した日までの期間の勤怠データから算出される労働対価額に所定の係数をかけて得られた金額から労働者に既に支払われた給与前払金額を減算した金額であり、給与前払利用可能額と給与前払リクエスト金額との大小を比較し、給与前払リクエスト金額の方が小さい場合、給与前払リクエスト金額が給与前払支払額として算出される、〔1〕に記載の給与前払システム。
〔3〕 リクエスト処理部、給与前払振込データ作成部、給与前払振込指示部および給与前払支払データ送信部が、事業者サーバに備えられている、〔1〕または〔2〕に記載の給与前払システム。
〔4〕 勤怠データは、勤怠情報管理サーバで管理される、〔3〕に記載の給与前払システム。
〔5〕 給与前払リクエスト情報が、労働者端末から送信され、労働者端末と事業者サーバと勤怠情報管理サーバとが、ネットワークを介して通信可能に接続されている、〔4〕に記載の給与前払システム。
〔6〕 少なくとも1つの使用者に代わってサービス提供事業者が労働者に給与前払いを実行させる、給与前払システムのプログラムあって、
労働者から給与前払リクエスト金額を含む給与前払リクエスト情報を取得するステップと、
勤怠データと給与前払リクエスト金額と労働者ごとの給与前払利用可能額とに基づき算出された給与前払支払額を、前記労働者に対して支払うための給与前払振込データを作成するステップと、
給与前払振込データに基づき、前記使用者に代わって前記労働者の口座に給与前払支払額を振り込み指示するステップと、
前記労働者に支払った給与前払支払額を含む給与前払支払データを前記使用者に送信するステップと、
を実行させるとともに、サービス提供事業者によって設定された、使用者ごとの給与の前払いを受けられる労働者数の上限を超えさせないことを特徴とする、プログラム。
本発明によれば、サービス提供事業者に過度な負荷をかけることがなく、かつ労働者ごとの給与管理が煩雑にならない、給与前払システムを提供することが可能となる。また、本発明によれば、利用者である企業にとって、従業員の雇用形態に応じて前給制度の利用の有無が設定できる。例えば、正社員にのみ前給制度が利用できるようにしても良いし、アルバイトやパート社員にのみ利用できるようにしてもよい。あるいは、正社員の限られた人数やアルバイトやパート社員の一部に利用できるようにしてもよい。従業員が一時的に本発明のシステムを利用できるようにすることもできる。このように設定することができるため、利用者である企業は社員の経済状況を客観的に把握するデータを得ることができる。前給を利用できる従業員は、自分がどの枠内で利用できるかが担保されているために、前給制度を利用しようとしたときに、利用できないあるいは利用額が低められるということを避けることができる。また、利用可能な人数や属性を定めたことにより、高額利用可者のみによる利用を避けることができ、適切な労働価値の分配を実現することができる。
本明細書中に記載の給与前払システムの構成
本発明の一実施態様では、
少なくとも1つの使用者に代わってサービス提供事業者が労働者に給与前払いを実行する、給与前払システムであって、
労働者から給与前払リクエスト金額を含む給与前払リクエスト情報を取得する、リクエスト処理部と、
勤怠データと給与前払リクエスト金額と労働者ごとの給与前払利用可能額とに基づき算出された給与前払支払額を、労働者に支払うための給与前払振込データを作成する給与前払振込データ作成部と、
給与前払振込データに基づき、使用者に代わって労働者の口座に給与前払支払額を振り込み指示する、給与前払振込指示部と、
労働者に支払った給与前払支払額を含む給与前払支払データを使用者に送信する、給与前払支払データ送信部と、
を備え、サービス提供事業者が、使用者ごとに給与の前払いを受けられる労働者数の上限を設定することを特徴とする、給与前払システム
を提供する。
少なくとも1つの使用者に代わってサービス提供事業者が労働者に給与前払いを実行する、給与前払システムであって、
労働者から給与前払リクエスト金額を含む給与前払リクエスト情報を取得する、リクエスト処理部と、
勤怠データと給与前払リクエスト金額と労働者ごとの給与前払利用可能額とに基づき算出された給与前払支払額を、労働者に支払うための給与前払振込データを作成する給与前払振込データ作成部と、
給与前払振込データに基づき、使用者に代わって労働者の口座に給与前払支払額を振り込み指示する、給与前払振込指示部と、
労働者に支払った給与前払支払額を含む給与前払支払データを使用者に送信する、給与前払支払データ送信部と、
を備え、サービス提供事業者が、使用者ごとに給与の前払いを受けられる労働者数の上限を設定することを特徴とする、給与前払システム
を提供する。
本明細書中に記載の「サービス提供事業者」とは、使用者に代わって労働者に給与の前払いを実行する事業者を意味する。本発明のシステムを実行可能な者であれば、その業態は限定されるものではなく、銀行であってもよいし、銀行以外の事業者であってもよい。本発明において、「サービス提供事業者」は、貸金業法等の業法でその事業が規定されている者であってもよいが、業法等で指定されている業者の資本支配下もしくは指揮命令系統下で本発明を実施する事業者も含む。
本明細書中に記載の「使用者」とは、労働者からの労働の提供を受けて事業をする者であり、労働の対価を労働者に支払う主体である。使用者としては、これらに限定されるものではないが、例えば、法人である企業、団体、組合その他の非法人団体、個人事業主などの自然人などが挙げられる。
本明細書中に記載の「労働者」とは、労働によって対価を受け取る者である限り、特段限定されるものではなく、雇用されている者を含むことはもちろんのこと、業務委託を受けている者、派遣されて労働を提供している者、パートタイム制で労働を提供する者、日雇いで労働を提供する者、アルバイトで労働を提供する者などを含む。また、提供する労働の種類は問われない。労働者としては、これらに限定されるものではないが、例えば、法人営業、個人営業、ルート営業・ラウンダー、テレフォンアポインター(テレアポ)、営業アシスタント、プランナー・アドバイザー・コンサルタント、派遣コーディネーター、営業幹部候補、一般事務、経理事務、営業事務、受付・秘書、伝票整理・データ入力、電話対応・コールセンター、人事・総務・法務、企画・マーケティング・広報、保険・金融関連、アパレル・靴店員、コンビニ店員、スーパー・デパート店員、家電量販店店員、携帯ショップ・携帯販売店員、インテリア・雑貨販売店員、ドラッグストア・化粧品販売・登録販売者、書店・レンタル・CDショップ店員、ホームセンター・カー用品店店員、アクセサリー・ジュエリー店員、フラワーショップ店員、ペットショップ店員、店長・マネージャー(販売)、店舗の店長、ファミレス・レストラン店員、ファーストフード店員、居酒屋・ダイニングバー店員、カフェ・喫茶店店員、ラーメン・うどん・そば店員、焼肉店・しゃぶしゃぶ店店員、寿司・和食・定食店員、フードコート店員、パン屋・ケーキ屋・スイーツ店店員、宅配・デリバリー担当、お弁当・テイクアウトフード店員、調理師・調理補助、ホールスタッフ、キッチンスタッフ、洗い場・食器洗浄担当、試飲・試食担当、店長・マネージャー(飲食・フード)、ショールーム・不動産接客、ガソリンスタンド担当、クリーニング店店員、配達員、レンタカー・ディーラー・中古車販売店員、旅行会社・ツアーコンダクター、葬儀・セレモニースタッフ、結婚式場・ブライダルスタッフ、新聞店店員・配達員、引越しスタッフ、洗車・ピットサービス・タイヤ交換スタッフ、警備員・監視員、交通誘導、清掃員・ルームメイクスタッフ、ビル・ハウスクリーニングスタッフ、管理人、検針員、サンプリング配布員、フロント・受付(サービス)、店長・マネージャー(サービス・警備・清掃)、カラオケ店員、パチンコスタッフ、映画館・ゲームセンター・ボウリング場スタッフ、温泉・銭湯・スーパー銭湯スタッフ、ゴルフ場スタッフ・受付・整備スタッフ、ジム・プールスタッフ、ホテル・旅館・ペンション受付、浴室管理、清掃スタッフ、塾講師・家庭教師、保育士・幼稚園教諭、インストラクター・コーチ、試験監督、理容師、理容師アシスタント、ヘアメイク・メイクアップ・着付け・スタイリスト、ヘアメイク、メイクアップ、着付け、エステ・ネイル、エステティシャン、リラクゼーション・セラピスト、フロント・受付(理容・美容)、店長・マネージャー(理容・美容)、アシスタント(理容・美容)、看護師、准看護師、助産師、保健師、医療事務・受付、医療技術者、介護福祉士、ケアマネージャー、介護職員・ヘルパー、介護事務、歯科衛生士・歯科助手、薬剤師、整体師・柔道整復師、栄養士・管理栄養士、施設内調理・調理補助、作業療法士、理学療法士、児童指導員・放課後児童支援員、相談員、小・中型ドライバー、大型ドライバー、タクシー・ハイヤー・バス運転手、バイク便、ドライバー助手、配車・点呼員、送迎ドライバー、宅配・配達員、新聞配達・牛乳配達、組立・検査・仕分け・ピッキング・梱包スタッフ、食品製造・加工・検査・梱包スタッフ、機械加工・マシンオペレーター、フォークリフト作業・玉掛け・クレーン作業員、機械メンテナンス員、品質管理・生産管理・工程管理スタッフ、設備保全・設備管理・点検員、内職・在宅ワークをする人、ラインオペレーター、CAD/CAMオペレーター、溶接工、システムエンジニア(SE)・プログラマー、ユーザーサポートスタッフ、WEBデザイナー、デザイナー・イラストレーター、DTPオペレーター、設計・製図担当、印刷・製本工、校正・編集スタッフ、ライター・記者・撮影スタッフ、マスコミ関連者、調理師、税理士・会計士、通訳・翻訳、トリマー、研究・開発関連担当者、マッサージ師・はり師・鍼灸師、整備士、警察官・自衛官、修理・メンテナンススタッフ、塗装工、溶接・板金工、電気・水道・ガス・空調設備工事をする人、造園をする人、建築士、重機オペレーター、現場監督、大工・鳶・職人、農業・林業・漁業・畜産業に携わる人、除染作業員、などが挙げられる。
本明細書中に記載の「給与前払」とは、雇用契約等で使用者との間で定められた給与支給日に先立って労働者に所定の期間働いた労働の対価の一部を支払うことを意味する。給与の支払い形態は、特段限定されるものではなく、所定の口座への振込、電子マネー、仮想通貨、またはこれらの組合せであってもよい。
本明細書中に記載の「給与前払リクエスト金額」とは、労働者が支払いを要求する給与前払いの金額を意味する。
本明細書中に記載の「給与前払リクエスト情報」とは、少なくとも給与前払リクエスト金額を含む情報をいう。「給与前払リクエスト情報」には、給与前払リクエスト金額のほかに、例えば、労働者識別情報、給与前払希望日時、給与前払の振込を受ける口座情報等の情報が含まれていてもよい。また、給与前払リクエスト金額の一部または全部を電子マネーや仮想通貨等で受け取ることができる場合には、電子マネーと仮想通貨の受取比率に関する情報が含まれていてもよい。
本明細書中に記載の「労働者識別情報」とは、労働者を個人として特定することができる情報であれば特段限定されるものではない。「労働者識別情報」としては、例えば、マイナンバー、社員番号、メールアドレス、労働者が所持しているスマートフォンなどの電話番号、あるいはこれらの組合せであってもよい。また、これらの情報に基づき使用者および/またはサービス提供事業者などにより任意に設定された識別ID等であってもよい。
本明細書中に記載の「リクエスト処理部」は、労働者端末からの給与前払リクエスト情報を、一旦受信し、サービス提供事業者内のサーバに記憶させる。その後必要に応じて、給与前払リクエスト情報の全部または一部を他の情報処理を行うために、データ変換などの処理を行う。
本明細書中に記載の「勤怠データ」とは、使用者識別情報、労働者識別情報、労働者の勤務日数、労働時間、欠勤日などを含むデータを意味する。本発明において、「勤怠データ」は、以下で説明する「勤怠情報管理サーバ」にて、受信、記憶され、本発明を実行するために変換等され、適宜別部へ送信される。
本明細書の一実施態様では、勤怠データが以下で説明する勤怠情報管理サーバにて管理される、本明細書中に記載の給与前払システムを提供する。
本明細書中に記載の「給与前払利用可能額」とは、サービス提供事業者、使用者または労働者のいずれか、もしくはこれらの間の合意によって設定された、給与前払として支払うことが可能な金額を意味する。これは、労働者一人を一単位としてとして設定することが好ましい。本明細書中に記載の給与前払システムでは、サービス提供事業者または使用者が、労働者ごとに給与前払利用可能額を設定してもよいし、サービス提供事業者または使用者が、使用者ごとの給与前払利用可能額を設定してもよい。労働者ごとの給与前払利用可能額は、給与前払リクエストをする労働者における、雇用区分(正社員、アルバイト等)、勤怠状況、勤務年月などを考慮し、使用者またはサービス提供事業者が設定してもよい。例えば、雇用区分(正社員、アルバイト等)等に応じて、労働者ごとに労働対価額に対する利用の上限率(例えば、50%)を設定し、労働対価額に上限率を乗じたものを、労働者ごとの給与前払利用可能額としてもよい。使用者ごとの給与前払利用可能額は、使用者の資本金、売上高、貸借対照表、損益計算書、利益率、従業員数などを考慮して設定してもよい。
本明細書中に記載の「給与前払支払額」とは、労働者からの給与前払リクエストに応じて労働者に支払われる額をいう。「給与前払支払額」は、勤怠データと給与前払リクエスト金額と労働者ごとの給与前払利用可能額とに基づき算出されてもよい。給与前払支払額は、例えば、以下で説明する給与前払支払額算出部において算出されてもよい。
本明細書中に記載の「給与前払支払額算出部」は、給与前払支払額を算出する機能を有する。
本明細書中に記載の「給与前払振込データ作成部」は、給与前払支払額を労働者に振り込むための給与前払振込データを作成する機能を有する。
本明細書中に記載の「給与前払振込指示部」は、給与前払振込データに基づき、労働者の口座に給与前払支払額を振り込み指示する。
本明細書中に記載の「給与前払支払データ送信部」は、使用者に対して、労働者に支払った給与前払支払額を含む給与前払支払データを送信する。
本明細書中に記載の「事業者サーバ」とは、サービス提供事業者が管理するサーバを意味し、1つまたは複数のサーバであってもよく、複数のサーバの場合にはネットワークを介して通信可能に接続されていてもよい。事業者サーバは、ユーザデータ入力部、ユーザテーブル記憶部、給与計算部、リクエスト処理部、リクエストテーブル記憶部、利用上限人数判定部、給与前払額比較部、承認部、給与前払振込データ作成部、給与前払振込指示部、給与前払支払データ送信部、使用者情報記憶部などを備えることができる。
本明細書中に記載の「使用者サーバ」とは、使用者が管理するサーバを意味し、1つまたは複数のサーバであってもよく、複数のサーバの場合にはネットワークを介して通信可能に接続されていてもよい。使用者サーバは、勤怠データ入出力部および勤怠データ記憶部を備えることができる。使用者サーバは、必要に応じて、給与計算部、時給単価テーブル入出力部、時給単価テーブル記憶部などを備えていてもよい。
本明細書中に記載の「勤怠情報管理サーバ」とは、労働者の勤怠データを管理するサーバを意味し、1つまたは複数のサーバであってもよく、複数のサーバの場合にはネットワークを介して通信可能に接続されていてもよい。勤怠情報管理サーバは、使用者サーバおよび/または事業者サーバとネットワークを介してシステム連携されていてもよいし、システム連携されていなくてもよい。勤怠情報管理サーバは、勤怠データ入出力部および勤怠データ記憶部を備えることができる。勤怠情報管理サーバは、必要に応じて、給与計算部、時給単価テーブル入出力部、時給単価テーブル記憶部などを備えていてもよい。
本明細書中に記載の「承認部」は、労働者端末からの給与前払のリクエストを承認する。例えば、リクエスト時点における労働対価額又は累計給与残高(あるいはこれに所定の係数を乗じた額)を給与前払利用可能額とし、この給与前払利用可能額とリクエスト金額とを大小比較し、リクエスト金額が給与前払利用可能額の範囲内であればリクエストを承認する。本発明において、特段重要な部分ではないが、リクエスト金額の一部を承認するように構成してもよい。他方で、リクエスト金額が給与前払利用可能額を超える場合にはリクエストを拒否する。リクエスト処理部は、承認部で拒否された場合、その旨を労働者端末に送信してもよい。承認部は、リクエストを承認する際に、リクエストテーブルで管理される累計給与残高を参照して承認/拒否を決定してもよい。本発明のシステムにおいて、承認部での承認履歴は事業者あるいは利用者のサーバ内で管理することができる。このような履歴情報をデータとして保管することで、本発明の前給システムを利用した者の信用を付与することに用いてもよい。
本発明の一実施態様では、給与前払利用可能額は、所定日から給与前払リクエスト情報を取得した日までの期間の勤怠データから算出される労働対価額に所定の係数をかけて得られた金額から前記労働者に既に支払われた給与前払金額があればこれを減算した金額である。当該減算の結果がマイナスとならなければ、リクエストはその全部または一部が承認される。換言すれば、給与前払利用可能額と給与前払リクエスト金額との大小を比較し、給与前払リクエスト金額の方が小さい場合、給与前払リクエスト金額が給与前払支払額として算出される。
本明細書中に記載の「ユーザデータ」は、勤怠データ、時給単価テーブルなどを含むデータを意味する。そのため、ユーザデータには、労働者を特定するための各種情報(例えば労働者の氏名、住所、年齢、取引銀行名、支店名、口座番号等)、労働者毎の就業日や就業時間などの勤怠データのほかに、労働者毎の時給単価、労働対価額、給与前払可能額などが含まれていてもよい。
本明細書中に記載の「ユーザデータ入力部」は、使用者サーバ、勤怠情報管理サーバなどから受信したユーザデータをユーザテーブルとして入力する。そのため、ユーザテーブルには、労働者を特定するための各種情報(例えば労働者の氏名、住所、年齢、取引銀行名、支店名、口座番号等)、労働者毎の就業日や就業時間などの勤怠データのほかに、労働者毎の時給単価、労働対価額、給与前払可能額が含まれていてもよい。なお、労働者毎の時給単価は、労働者を特定するための各種情報とともに時給単価テーブル記憶部で管理および記憶されていてもよい。
本明細書中に記載の「ユーザテーブル記憶部」は、ユーザテーブルを記憶する。
本明細書中に記載の「リクエストテーブル記憶部」は、労働者端末から送信された給与前払リクエスト情報に関するリクエストテーブルを記憶する。リクエストテーブルには、リクエストした労働者を特定する情報、リクエスト日、リクエストを特定する識別子(ID)、リクエスト金額等が含まれていてもよい。これらのデータは、承認部で承認された場合に記録され管理されてもよい。
本明細書中に記載の「使用者情報記憶部」は、使用者に関する情報を記憶する。本発明において使用者は企業である場合が多い。使用者が企業の場合の使用者に関する情報としては、資本金、労働者数、資産情報、決算情報等が挙げられる。好ましくは、使用者情報記憶部に記憶されている情報として、サービス提供事業者によって設定された使用者ごとの利用人数の上限が含まれる。
本明細書中に記載の「給与計算部」は、時給単価テーブルで管理される労働者毎の時給単価や、ユーザテーブルで管理される労働者毎の就業日、就業時間を用いて労働者毎の日給、および所定開始日からの累計給与を算出する。給与計算部で算出される、労働者毎の日給、および累計給与は、ユーザテーブルに記録され管理されてもよい。給与計算部は、ユーザテーブルおよびリクエストテーブルを参照することで、累計給与から既に前払いした額を控除した累計給与残高を算出し、このリクエストテーブルに記録してもよい。
本明細書中に記載の「時給単価テーブル」には、労働者を特定するための各種情報、例えば労働者の氏名、住所、年齢、取引銀行名、支店名、口座番号等も含まれていてもよい。
本明細書中に記載の「時給単価テーブル入出力部」は、時給単価テーブルを入力および/または出力する
本明細書中に記載の「時給単価テーブル記憶部」は、労働者毎の時給単価テーブルを記憶する。
本明細書中に記載の「勤怠データ入出力部」は、労働者の勤怠データ、すなわち労働者の基本的情報および就業状況を入力する。また、勤怠データ入出力部は、勤怠データを所定タイミングで勤怠情報管理サーバおよび/または事業者サーバに出力してもよい。
本明細書中に記載の「勤怠データ記憶部」は、入力された勤怠データを記憶する。
本明細書中に記載の「利用上限人数判定部」は、所定期間内における給与前払システムの利用人数が、使用者ごとに設定されている利用上限人数の範囲内か否かを判定する。利用上限人数判定部は、利用上限人数の範囲内と判定した場合、その判定結果を給与前払額比較部に送信してもよい。一方、利用上限人数判定部は、利用上限人数を超えていると判定した場合、その判定結果を承認部に送信してもよい。利用上限人数は、使用者における正社員、アルバイト等の労働者の合計人数に基づき設定してもよい。利用上限人数は、使用者における雇用区分(正社員、アルバイト等)ごとに設定してもよい。なお、利用上限人数は、同じ労働者が繰り返し利用しても「1人」とカウントしてもよいし、同じ労働者が例えば3回利用した際には「3人」とカウント(すなわち、所定期間内における利用者の延べ人数としてカウント)してもよい。例えば、使用者における正社員が1000人、アルバイト(日雇い等も含む)が500人の場合(使用者における労働者の合計人数は1500人の場合)、サービス提供事業者は、当該使用者における利用上限人数を労働者の合計人数に基づき300人と設定してもよい。この場合、当該使用者における労働者は、正社員であろうとアルバイト等であろうと、所定期間内の利用人数が300人になるまで、給与前払システムを利用することができる。あるいは、使用者における正社員が1000人、アルバイト(日雇い等も含む)等が500人の場合(使用者における労働者の合計人数は1500人の場合)、サービス提供事業者は、当該使用者における利用上限人数を、正社員は200人、アルバイト等は100人のように雇用区分ごとに設定してもよい。このように設定することで、比較的賃金が低い場合の多いアルバイト等の労働者が安心して利用することができる。例えば正社員の場合には、さらに細分化して、利用上限人数を、役職なしの社員は120人、係長は40人、課長は30人、部長以上は10人のように設定してもよい。このように設定することで、比較的生活費にゆとりがある場合の多い役職付きの正社員(課長、部長など)の利用人数と、役職なしの社員の利用とのバランスを手取ることができる。
本明細書中に記載の「給与前払額比較部」とは、利用上限人数判定部から利用上限人数の範囲内との判定結果を受信した場合、ユーザテーブルなどを参照し、リクエスト時点における給与前払利用可能額と、給与前払リクエスト金額との大小を比較し、給与前払リクエスト金額が給与前払利用可能額の範囲内であるか否かを比較する。給与前払額比較部は、給与前払リクエスト金額が給与前払利用可能額の範囲内であると判定した場合、その旨の判定結果を承認部に送信してもよい。また、給与前払額比較部は、給与前払リクエスト金額が給与前払利用可能額を超えると判定した場合、その旨の判定結果を承認部に送信してもよい。
本明細書中に記載の「労働者端末」とは、労働者が利用する利用端末であれば特段限定されるものではなく、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ(PC)等が挙げられる。労働者端末には、事業者サーバに対して給与の前払をリクエストするためのアプリケーションプログラム(給与前払アプリケーション)がインストールされていてもよい。給与前払アプリケーションプログラムは、例えば、事業者サーバやサービス提供事業者が管理するホームページ(HP)などからダウンロードしてもよい。
本明細書中に記載の「通信ネットワーク」は、1または複数のネットワークから構成されていてもよい。通信ネットワークは、専用回線、公衆回線を問わず、有線、無線を問わない。通信ネットワークの一部または全部は、電話回線でもよいし、インターネットまたはVPNなどであってもよい。
本発明の別の実施態様では、
少なくとも1つの使用者に代わってサービス提供事業者が労働者に給与前払いを実行させる、給与前払システムのプログラムあって、
労働者から給与前払リクエスト金額を含む給与前払リクエスト情報を取得するステップと、
勤怠データと給与前払リクエスト金額と労働者ごとの給与前払利用可能額とに基づき算出された給与前払支払額を、前記労働者に対して支払うための給与前払振込データを作成するステップと、
給与前払振込データに基づき、前記使用者に代わって前記労働者の口座に給与前払支払額を振り込み指示するステップと、
前記労働者に支払った給与前払支払額を含む給与前払支払データを前記使用者に送信するステップと、
を実行させるとともに、サービス提供事業者によって設定された、使用者ごとの給与の前払いを受けられる労働者数の上限を超えさせないことを特徴とする、プログラム
を提供する。
少なくとも1つの使用者に代わってサービス提供事業者が労働者に給与前払いを実行させる、給与前払システムのプログラムあって、
労働者から給与前払リクエスト金額を含む給与前払リクエスト情報を取得するステップと、
勤怠データと給与前払リクエスト金額と労働者ごとの給与前払利用可能額とに基づき算出された給与前払支払額を、前記労働者に対して支払うための給与前払振込データを作成するステップと、
給与前払振込データに基づき、前記使用者に代わって前記労働者の口座に給与前払支払額を振り込み指示するステップと、
前記労働者に支払った給与前払支払額を含む給与前払支払データを前記使用者に送信するステップと、
を実行させるとともに、サービス提供事業者によって設定された、使用者ごとの給与の前払いを受けられる労働者数の上限を超えさせないことを特徴とする、プログラム
を提供する。
本発明の別の実施態様では、
少なくとも1つの使用者に代わってサービス提供事業者が労働者に給与前払いを実行させる、給与前払システムのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体あって、
労働者から給与前払リクエスト金額を含む給与前払リクエスト情報を取得するステップと、
勤怠データと給与前払リクエスト金額と労働者ごとの給与前払利用可能額とに基づき算出された給与前払支払額を、前記労働者に対して支払うための給与前払振込データを作成するステップと、
給与前払振込データに基づき、前記使用者に代わって前記労働者の口座に給与前払支払額を振り込み指示するステップと、
前記労働者に支払った給与前払支払額を含む給与前払支払データを前記使用者に送信するステップと、
を実行させるとともに、サービス提供事業者によって設定された、使用者ごとの給与の前払いを受けられる労働者数の上限を超えさせないことを特徴とするプログラムを実行させるための、記録媒体
を提供する。
少なくとも1つの使用者に代わってサービス提供事業者が労働者に給与前払いを実行させる、給与前払システムのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体あって、
労働者から給与前払リクエスト金額を含む給与前払リクエスト情報を取得するステップと、
勤怠データと給与前払リクエスト金額と労働者ごとの給与前払利用可能額とに基づき算出された給与前払支払額を、前記労働者に対して支払うための給与前払振込データを作成するステップと、
給与前払振込データに基づき、前記使用者に代わって前記労働者の口座に給与前払支払額を振り込み指示するステップと、
前記労働者に支払った給与前払支払額を含む給与前払支払データを前記使用者に送信するステップと、
を実行させるとともに、サービス提供事業者によって設定された、使用者ごとの給与の前払いを受けられる労働者数の上限を超えさせないことを特徴とするプログラムを実行させるための、記録媒体
を提供する。
本発明の別の実施態様では、
少なくとも1つの使用者に代わってサービス提供事業者が労働者に給与前払いをする、方法あって、
労働者から給与前払リクエスト金額を含む給与前払リクエスト情報を取得するステップと、
勤怠データと給与前払リクエスト金額と労働者ごとの給与前払利用可能額とに基づき算出された給与前払支払額を、前記労働者に対して支払うための給与前払振込データを作成するステップと、
給与前払振込データに基づき、前記使用者に代わって前記労働者の口座に給与前払支払額を振り込み指示するステップと、
前記労働者に支払った給与前払支払額を含む給与前払支払データを前記使用者に送信するステップと、
を含み、サービス提供事業者によって使用者ごとに給与の前払いを受けられる労働者数の上限を設定するステップを含むことを特徴とする、方法
を提供する。
少なくとも1つの使用者に代わってサービス提供事業者が労働者に給与前払いをする、方法あって、
労働者から給与前払リクエスト金額を含む給与前払リクエスト情報を取得するステップと、
勤怠データと給与前払リクエスト金額と労働者ごとの給与前払利用可能額とに基づき算出された給与前払支払額を、前記労働者に対して支払うための給与前払振込データを作成するステップと、
給与前払振込データに基づき、前記使用者に代わって前記労働者の口座に給与前払支払額を振り込み指示するステップと、
前記労働者に支払った給与前払支払額を含む給与前払支払データを前記使用者に送信するステップと、
を含み、サービス提供事業者によって使用者ごとに給与の前払いを受けられる労働者数の上限を設定するステップを含むことを特徴とする、方法
を提供する。
以下、本発明の実施形態を、図面を用いてより詳細に説明する。
図1は、実施形態における給与前払システムの全体構成図の例を示す。給与前払システム1は、使用者に備えられる使用者サーバ10と、サービス提供事業者に備えられている事業者サーバ12と、サービス提供事業者、使用者またはその関連会社等に備えられる勤怠情報管理サーバ14と、労働者が操作する労働者端末16とを備え、これらはデータ送受信可能に通信ネットワーク20に接続されている。また、給与前払を労働者に支払う口座が銀行口座である場合には、該銀行口座を有する銀行に備えられている銀行サーバ18も、同様に通信ネットワーク20に接続されていてもよい。
使用者サーバ10は、労働者の属性データおよび就業状況に関するデータを企業内のシステムから収集し、記憶する。本発明において、使用者サーバ10は、必要に応じて、労働者端末16から給与前払リクエストを要求する操作がなされた時に、事業者サーバ12にて必要な処理を行うための情報を送信する。使用者サーバ10には、公知の勤怠管理アプリケーションがインストールされていてもよい。使用者サーバ10は、通信ネットワーク20を介して労働者の就業状況を勤怠データとして勤怠情報管理サーバ14に所定タイミングで送信してもよい。
勤怠情報管理サーバ14は、通信ネットワーク20を介して使用者サーバ10から受信した勤怠データを蓄積して管理する。勤怠情報管理サーバ14は、通信ネットワーク20を介して勤怠データを事業者サーバ12に所定タイミングで送信してもよい。そのため、本発明の一実施態様では、勤怠データは、勤怠情報管理サーバで管理される。
本発明において、労働者端末16は、クライアント端末として機能する。労働者端末16はネットワーク20を介して、事業者サーバ12、使用者サーバ10,必要に応じて銀行サーバ18と通信可能に結合されている。労働者端末16は後述するUI(User Interface)を備えるアプリケーションをダウンロードして、本発明のシステムを利用する。
事業者サーバ12は、労働者端末16からの給与前払のリクエストを通信ネットワーク20を介して受信して、労働者の口座への振込処理を実行する。事業者サーバ12は、労働者端末16からの給与前払のリクエストに応じ、労働者の労働対価額の一部または全部を労働者に振り込み指示することができる。なお、振り込みは、口座への現金振り込みであってもよいし、電子マネーへのチャージであってもよいし、仮想通貨としての振り込み、あるいはこれらの組合せであってもよい。
図2Aは、使用者サーバ10の機能ブロック図の一例を示す。使用者サーバ10は、機能ブロックとして、勤怠データ入出力部100、勤怠データ記憶部101、時給単価テーブル入出力部102および時給単価テーブル記憶部103を備えている。
勤怠データ入出力部100は、労働者の勤怠データ、すなわち労働者の基本的情報に紐づけられた就業状況が入力され、勤怠データ記憶部101で記憶される。勤怠データ入出力部100は、勤怠データを所定のタイミングで勤怠情報管理サーバ14および/または事業者サーバ12に出力することができる。
勤怠データ記憶部101は、労働者の勤怠データを順次記憶する。勤怠データは、労働者ごとに記憶される。勤怠データ記憶部101で記憶されるデータとしては、労働者の勤務時間、労働時間、時給、基本給などを含む。勤務時間または労働時間の代わりに、就労日数、就労週数、就労月数であってもよい。
時給単価テーブル入出力部102は、労働者の時給単価テーブルを入力する。時給単価テーブル入出力部102は、時給単価テーブルを所定のタイミングで勤怠情報管理サーバ14または事業者サーバ12に出力することができる。
時給単価テーブル記憶部103は、時給単価テーブルを記憶する。
図2Bは、使用者サーバ10の構成ブロック図の一例を示す。使用者サーバ10は、CPU10a、ROM10b、RAM10c、入出力インターフェイス(I/F)10d、記憶装置10e、通信インターフェイス(I/F)10f、入力装置10gおよび表示装置10hを備え、これらはバスで接続される。
1または複数のCPU10aは、ROM10bまたは記憶装置10eに記憶された処理プログラムを読み出し、RAM10cをワーキングメモリとして用いて各種処理を実行することができる。各種処理には、勤怠データの入出力、蓄積が含まれる。
入出力I/F10dは、入力装置10gや表示装置10hと接続され、データを入出力することができる。
記憶装置10eは、HDDやSSD等で構成され、各種データを記憶することができる。記憶装置10eは、図2Aにおける勤怠データ記憶部101および時給単価テーブル記憶部103を構成する。
通信I/F 10fは、通信ネットワーク20を介して、事業者サーバ12、勤怠情報管理サーバ14、労働者端末16および/または銀行サーバ18とデータを送受信する。通信I/F 10fは、図2Aにおける勤怠データ入出力部100および時給単価テーブル入出力部102を構成する。
図3Aは、勤怠情報管理サーバ14の機能ブロック図の一例を示す。勤怠情報管理サーバ14は、機能ブロックとして、勤怠データ入出力部140、勤怠データ記憶部141、時給単価テーブル記憶部142、時給単価テーブル入出力部143および給与計算部144を備えている。
勤怠データ入出力部140は、使用者サーバ10からの勤怠データを入力する。勤怠データ入出力部140は、勤怠データを所定のタイミングで事業者サーバ12に出力することができる。
勤怠データ記憶部141は、労働者の勤怠データを順次記憶する。勤怠データは、本発明の実行に支障がない限り、特に限定されるものではないが、就業時間または労働時間を時間単位のテーブルとして記憶する。時間単位は、日単位、週単位、月単位であってもよい。
時給単価テーブル入出力部142は、使用者サーバ10から時給単価テーブルを入力する。また、時給単価テーブル入出力部142は、事業者サーバ14に時給単価テーブルを出力してもよい。
時給単価テーブル記憶部143は、労働者毎の時給単価テーブルを記憶する。本発明において、前記時給単価テーブルは、労働者に紐づけられた、給与または報酬に関する情報であればよい。
給与計算部144は、入力した勤怠データおよび時給単価テーブル記憶部143に記憶されている時給単価テーブルに基づき、労働者毎の所定開始日からの労働対価額(累計給与)を算出し、送信する。
図3Bは、勤怠情報管理サーバ14の構成ブロック図の一例を示す。勤怠情報管理サーバ14は、CPU14a、ROM14b、RAM14c、入出力インターフェイス(I/F)14d、記憶装置14e、通信インターフェイス(I/F)14f、入力装置14gおよび表示装置14hを備え、これらはバスで接続される。
1または複数のCPU14aは、ROM14bまたは記憶装置14eに記憶された処理プログラムを読み出し、RAM14cをワーキングメモリとして用いて各種処理を実行することができる。各種処理には、勤怠データの入出力および記憶、時給単価テーブルの入出力および記憶、労働者毎の給与計算が含まれる。CPU14aは、図3Aにおける給与計算部144を構成する。
入出力I/F14dは、入力装置14gや表示装置14hと接続され、データを入出力することができる。
記憶装置14eは、HDDやSSD等で構成され、各種データを記憶することができる。記憶装置14eは、図3Aにおける勤怠データ記憶部141および時給単価テーブル記憶部143を構成する。
通信I/F14fは、通信ネットワーク20を介して、使用者サーバ10、事業者サーバ12、労働者端末16および/または銀行サーバ18とデータを送受信する。通信I/F14fは、図3Aにおける勤怠データ入出力部140および時給単価テーブル入出力部142を構成する。
図4Aは、事業者サーバ12の機能ブロック図の一例を示す。事業者サーバ12は、機能ブロックとして、ユーザデータ入力部120、ユーザテーブル記憶部121、給与計算部122、リクエスト処理部123、リクエストテーブル記憶部124、利用上限人数判定部125、給与前払額比較部126、承認部127、給与前払振込データ作成部128、給与前払振込指示部129および給与前払支払データ送信部130を備えている。そのため、本発明の一実施態様では、リクエスト処理部、給与前払振込データ作成部、給与前払振込指示部および給与前払支払データ送信部が、事業者サーバに備えられている。
ユーザデータ入力部120は、使用者サーバ10、勤怠情報管理サーバ14などから受信した勤怠データ、時給単価テーブルなどを含むユーザデータをユーザテーブルとして入力する。そのため、ユーザテーブルには、労働者を特定するための各種情報(例えば労働者の氏名、住所、年齢、取引銀行名、支店名、口座番号等)、労働者毎の就業日や就業時間などの勤怠データのほかに、労働者毎の時給単価、労働対価額、給与前払可能額が含まれていてもよい。なお、労働者毎の時給単価は、労働者を特定するための各種情報とともに時給単価テーブル記憶部(図示していない)で管理および記憶されていてもよい。
ユーザテーブル記憶部121は、ユーザテーブルを記憶する。
給与計算部122は、入力した勤怠データに基づき、および/またはユーザテーブル記憶部121に記憶されているデータを参照し、労働者毎の所定開始日からの労働対価額(累計給与)を算出することができる。また、給与計算部122は、労働対価額に基づき、給与前払可能額を算出してもよい。例えば、使用者またはサービス提供事業者が、労働者Aに対して労働対価額の70%を当該労働者の給与前払可能額と設定した場合、給与計算部122は、労働対価額に0.7を乗じた金額を、該労働者の給与前払可能額として算出してもよい。また、給与計算部122は、ユーザテーブル、リクエストテーブルなどを参照し、労働者に既に支払った給与前払支払額の累計金額を計算し、労働対価額から支払済みの給与前払支払額の累計金額を減算した金額を算出してもよい。このようにして算出された各金額は、ユーザテーブルやリクエストテーブルに記憶されてもよい。
リクエスト処理部123は、労働者端末16からの給与前払リクエスト情報を入力して処理する。リクエスト処理部123は、給与前払リクエスト情報に含まれる労働者識別情報と、使用者サーバに予め記録されている労働者情報とを比較し、リクエストが給与前払の対象となる労働者によるリクエストか否かを判断してもよい。
リクエストテーブル記憶部124は、労働者端末16から入力した給与前払リクエスト情報に関するリクエストテーブルを記憶する。リクエストテーブルには、リクエストした労働者を特定する情報、リクエスト日、リクエストを特定する識別子(ID)、リクエスト金額等が含まれる。これらのデータは、承認部127で承認された場合に記録され管理されてもよい。
利用上限人数判定部125は、所定期間内における給与前払システムの利用人数が、使用者ごとに設定されている利用上限人数の範囲内か否かを判定する。利用上限人数判定部126は、利用上限人数の範囲内と判定した場合、その判定結果を給与前払額比較部126に送信する。一方、利用上限人数判定部125は、利用上限人数を超えていると判定した場合、その判定結果を承認部127に送信する。
給与前払額比較部126は、利用上限人数判定部125から利用上限人数の範囲内との判定結果を受信した場合、ユーザテーブルなどを参照し、リクエスト時点における給与前払利用可能額と、給与前払リクエスト金額との大小を比較し、給与前払リクエスト金額が給与前払利用可能額の範囲内であるか否かを比較する。給与前払額比較部126は、給与前払リクエスト金額が給与前払利用可能額の範囲内であると判定した場合、その旨の判定結果を承認部127に送信する。また、給与前払額比較部126は、給与前払リクエスト金額が給与前払利用可能額を超えると判定した場合、その旨の判定結果を承認部127に送信する。
承認部127は、労働者端末16からの給与前払のリクエストを承認または拒絶する。具体的には、給与前払比較部126から、給与前払リクエスト金額が給与前払利用可能額の範囲内である旨の判定結果を受信した場合、リクエストを承認する。一方、承認部127は、利用上限人数判定部125から利用上限人数を超えている旨の判定結果を受信した場合、または給与前払額比較部126から給与前払リクエスト金額が給与前払利用可能額を超えている旨の判定結果を受信した場合には、リクエストを拒絶する。あるいは、承認部127は、給与前払額比較部126から給与前払リクエスト金額が給与前払利用可能額を超えている旨の判定結果を受信した場合には、給与前払利用可能額(又はその範囲内の額)を支払うことを条件にリクエストを承認してもよい。
リクエスト処理部123は、承認部127でリクエストが拒絶された場合、その旨を労働者端末16に送信する。
承認部127は、リクエストを承認する場合、リクエストテーブル記憶部124に記憶されているリクエストテーブルに新たに承認された給与前払リクエスト情報のリクエスト金額を記録して更新する。また、承認部127は、承認された給与前払リクエスト情報のリクエスト金額に基づき、給与前払振込データ作成部128に振込データの作成を指示する。
給与前払振込データ作成部128は、承認部127で承認された場合に、リクエスト金額(又は給与前払利用可能額若しくはその範囲内の額)を労働者の口座に振り込むための給与前払振込データを作成する。
給与前払振込指示部129は、給与前払振込データに基づき、労働者が予め指定した口座(例えば、銀行口座)に所定の金額が振り込まれるように、銀行サーバ等に給与前払の振り込み指示をする。
給与前払支払データ送信部130は、使用者サーバ10に対して、所定期間内における労働者ごとの支払い済みの給与前払額を含む給与前払支払データを送信する。給与前払支払データは、例えば、請求書であってもよい。使用者は、受信した給与前払支払データに基づき、サービス提供事業者などに清算をしてもよい。
図4Bは、事業者サーバ12の構成ブロック図の一例を示す。事業者サーバ12は、CPU12a、ROM12b、RAM12c、入出力インターフェイス(I/F)12d、記憶装置12e、通信インターフェイス(I/F)12f、入力装置12gおよび表示装置12hを備え、これらはバスで接続される。
1または複数のCPU12aは、ROM12bまたは記憶装置12eに記憶された処理プログラムを読み出し、RAM12cをワーキングメモリとして用いて各種処理を実行することができる。各種処理には、ユーザデータの入力、蓄積、労働者毎の給与計算、給与前払リクエスト情報の受信および給与前払リクエスト情報の処理、利用上限人数の判定、リクエスト金額と支払済みの給与前払額の比較、リクエストの承認(または拒絶)、振込データの作成処理、銀行口座への振込処理が含まれる。CPU12aは、図4Aにおける給与計算部122、リクエスト処理部123、利用上限人数判定部125、給与前払額比較部126、承認部127および給与前払振込データ作成部128を構成する。
入出力I/F12dは、入力装置12gや表示装置12hと接続され、データを入出力することができる。
記憶装置12eは、HDDやSSD等で構成され、各種データを記憶することができる。記憶装置12eは、図4Aにおけるユーザテーブル記憶部121およびリクエストテーブル記憶部124を構成する。
通信I/F12fは、通信ネットワーク20を介して、使用者サーバ10、勤怠情報管理サーバ14、労働者端末16および/または銀行サーバ18とデータを送受信する。通信I/F14fは、図4Aにおけるユーザデータ入力部120を構成する。
図5Aは、労働者端末16の機能ブロック図を示す。労働者端末16は、機能ブロックとして、給与前払アプリケーション161、操作部162、表示部163および記憶部164を備えている。
給与前払アプリケーション161は、インストールされた給与前払アプリケーションプログラムの実行により実現される機能ブロックであり、処理モジュールを備える。また、給与前払アプリケーション部161は、給与前払が電子マネーなどで支払われる場合には、必要に応じて、電子マネー管理モジュールなどを備えていてもよい。電子マネー管理モジュールは、処理モジュールとは別に設けられていてもよく、処理モジュール内に一体的に組み込まれていてもよい。
処理モジュールは、給与前払処理を全体的に管理するモジュールであり、表示部163に操作画面(UI画面)を表示し、利用者である労働者からのリクエストを受け付けて通信ネットワーク20を介して給与前払リクエスト情報を事業者サーバ12に送信する。また、事業者サーバ12からのデータを受信して表示部163に表示する。
操作部162は、タッチパネルやキーボード、マウス等で構成され、利用者である労働者が操作して入力する。
表示部163は、液晶パネルや有機ELパネル等で構成され、各種画面を表示する。
記憶部164は、利用者情報を記憶する。
図5Bは、労働者端末16の構成ブロック図を示す。労働者端末16は、スマートフォンやタブレット端末、PC等であり、これらの情報端末が備える構成を有する。労働者端末16は、CPU165、ROM166、RAM167、操作部162、表示部163、通信I/F 168および記憶部164を備える。CPU165は、ROM166または記憶部164に記憶された処理プログラムを実行することで各種処理を実現する。処理プログラムには、給与前払アプリケーションプログラムが含まれる。
通信I/F 168は、通信ネットワーク20を介して事業者サーバ12とデータを送受信する。すなわち、事業者サーバ12に対しては、給与前払のリクエストを送信する。
データ処理フロー
次に、本実施形態におけるデータ処理の流れについて説明する。
次に、本実施形態におけるデータ処理の流れについて説明する。
図6Aは、給与前払システムでのデータの流れの一実施態様を時系列で示したものである。労働者が労働を提供してから給与の前払をリクエストし、給与の前払いを現金その他で受け取るまでの流れである。
[労務提供]
労働者端末16の利用者である労働者は、使用者に対して労働契約等に基づいて労働を提供する(a.労務提供)。使用者が管理する使用者サーバ10では、労働者の勤怠データを入力し記憶する。
労働者端末16の利用者である労働者は、使用者に対して労働契約等に基づいて労働を提供する(a.労務提供)。使用者が管理する使用者サーバ10では、労働者の勤怠データを入力し記憶する。
[勤怠データ送信]
使用者サーバ10は、勤怠情報管理サーバ14を管理するシステムベンダーに勤怠データを送信する(b.勤怠データ)。送信のタイミングは任意であり、毎日、あるいは一定日間隔で送信してもよい。勤怠情報管理サーバ10は、使用者サーバ10から受信した勤怠データを、事業者サーバ12に送信する(c.システム連携)。なお、図6Aに記載の実施態様とは異なり、事業者サーバ12は、勤怠情報管理サーバ14を介さず、使用者サーバ10から直接勤怠データを受信してもよい。
使用者サーバ10は、勤怠情報管理サーバ14を管理するシステムベンダーに勤怠データを送信する(b.勤怠データ)。送信のタイミングは任意であり、毎日、あるいは一定日間隔で送信してもよい。勤怠情報管理サーバ10は、使用者サーバ10から受信した勤怠データを、事業者サーバ12に送信する(c.システム連携)。なお、図6Aに記載の実施態様とは異なり、事業者サーバ12は、勤怠情報管理サーバ14を介さず、使用者サーバ10から直接勤怠データを受信してもよい。
[給与前払リクエスト]
労働者は、労働者端末16を操作して事業者サーバ12に対して給与前払のリクエストを送信する(d.給与前払申請)。事業者サーバ12は、リクエスト処理部123でリクエストを受信すると、ユーザテーブル等を参照し、所定期間内(例えば、1日、数日、1週間、数週間、1ヵ月、数カ月)における使用者ごとの給与前払システムの利用人数(使用者ごとの給与前払システムを利用する労働者の数)が利用上限人数の範囲内か否かを判定する。事業者サーバ12は、利用上限人数を超えたと判定した場合、労働者の給与前払リクエストを拒絶する。事業者サーバ12は、利用上限人数の範囲内と判定した場合、労働者のユーザテーブルを参照してリクエストを受信した日における当該労働者の給与前払利用可能額を確認し、給与前払リクエストに応じた給与前払を許可するか判定する。
労働者は、労働者端末16を操作して事業者サーバ12に対して給与前払のリクエストを送信する(d.給与前払申請)。事業者サーバ12は、リクエスト処理部123でリクエストを受信すると、ユーザテーブル等を参照し、所定期間内(例えば、1日、数日、1週間、数週間、1ヵ月、数カ月)における使用者ごとの給与前払システムの利用人数(使用者ごとの給与前払システムを利用する労働者の数)が利用上限人数の範囲内か否かを判定する。事業者サーバ12は、利用上限人数を超えたと判定した場合、労働者の給与前払リクエストを拒絶する。事業者サーバ12は、利用上限人数の範囲内と判定した場合、労働者のユーザテーブルを参照してリクエストを受信した日における当該労働者の給与前払利用可能額を確認し、給与前払リクエストに応じた給与前払を許可するか判定する。
[口座振込]
事業者サーバ12は、給与前払を許可すると判定した場合、現金を振り込むための振込データを作成し、労働者の銀行口座(銀行bの口座B)に振り込む(e.給与前払支払額の振込)。なお、図6Aの実施態様では現金を銀行口座に振り込む態様を例示しているが、電子マネーや仮想通貨として、対応する口座に振り込んでもよい。
事業者サーバ12は、給与前払を許可すると判定した場合、現金を振り込むための振込データを作成し、労働者の銀行口座(銀行bの口座B)に振り込む(e.給与前払支払額の振込)。なお、図6Aの実施態様では現金を銀行口座に振り込む態様を例示しているが、電子マネーや仮想通貨として、対応する口座に振り込んでもよい。
[給与前払支払データ送信]
サービス提供事業者は、労働者に支払った給与前払額を含む情報を、給与前払支払データとして使用者に送信する(f.給与前払支払データ)。
サービス提供事業者は、労働者に支払った給与前払額を含む情報を、給与前払支払データとして使用者に送信する(f.給与前払支払データ)。
[清算]
使用者は、受信した給与前払支払データに基づき、給与前払支払額を含む金額をサービス提供事業者に振り込む(g.精算)。この際に振り込む金額には、給与前払支払額だけでなく、給与前払システムの利用料や振込事務手数料が含まれていてもよい。
使用者は、受信した給与前払支払データに基づき、給与前払支払額を含む金額をサービス提供事業者に振り込む(g.精算)。この際に振り込む金額には、給与前払支払額だけでなく、給与前払システムの利用料や振込事務手数料が含まれていてもよい。
[給与残高振込]
使用者は、所定の給与支払日に、労働者の給与前払支払額を控除した残りの労働対価額(給与残高)を労働者の銀行口座に振り込む(j.給与残高の振込)。この際に振り込む金額は、サービス利用料や振込事務手数料等を控除した後の金額であってもよい。なお、図6Aの実施態様では現金を銀行口座に振り込む態様を例示しているが、電子マネーや仮想通貨として、対応する口座に振り込んでもよい。
使用者は、所定の給与支払日に、労働者の給与前払支払額を控除した残りの労働対価額(給与残高)を労働者の銀行口座に振り込む(j.給与残高の振込)。この際に振り込む金額は、サービス利用料や振込事務手数料等を控除した後の金額であってもよい。なお、図6Aの実施態様では現金を銀行口座に振り込む態様を例示しているが、電子マネーや仮想通貨として、対応する口座に振り込んでもよい。
そのため、本発明の一実施態様では、給与前払リクエスト情報が、労働者端末から送信され、労働者端末と事業者サーバと勤怠情報管理サーバとが、ネットワークを介して通信可能に接続されている、
なお、図6Bのように、サービス提供事業者は、債権保証者に保証料を支払うことにより、使用者に請求する金額の債権が保証されるようにしてもよい。債権保証者がいることで、サービス提供事業者は、使用者に対する与信判定をしなくてもよい。すなわち、サービス提供事業者は、債権保証者がいることで、使用者(企業)ごとの利用上限枠をあえて設定しなくてもよくなり、利用上限人数のみを管理してもよい。債権保証者としては、例えば、保険会社、銀行などが挙げられる。
図6Cは、給与前払システムでのデータの流れの別の実施態様を時系列で示したものである。労働者が労働を提供してから給与の前払をリクエストし、給与の前払いを現金その他で受け取るまでの流れである。
[労務提供]
労働者端末16の利用者である労働者は、使用者に対して労働契約等に基づいて労働を提供する(a.労務提供)。使用者が管理する使用者サーバ10では、労働者の勤怠データを入力し記憶する。
労働者端末16の利用者である労働者は、使用者に対して労働契約等に基づいて労働を提供する(a.労務提供)。使用者が管理する使用者サーバ10では、労働者の勤怠データを入力し記憶する。
[勤怠データ送信]
使用者サーバ10は、勤怠情報管理サーバ14を管理するシステムベンダーに勤怠データを送信する(b.勤怠データ)。送信のタイミングは任意であり、毎日、あるいは一定日間隔で送信してもよい。勤怠情報管理サーバ10は、使用者サーバ10から受信した勤怠データを、事業者サーバ12に送信する(c.システム連携)。なお、図6Cに記載の実施態様とは異なり、事業者サーバ12は、勤怠情報管理サーバ14を介さず、使用者サーバ10から直接勤怠データを受信してもよい。
使用者サーバ10は、勤怠情報管理サーバ14を管理するシステムベンダーに勤怠データを送信する(b.勤怠データ)。送信のタイミングは任意であり、毎日、あるいは一定日間隔で送信してもよい。勤怠情報管理サーバ10は、使用者サーバ10から受信した勤怠データを、事業者サーバ12に送信する(c.システム連携)。なお、図6Cに記載の実施態様とは異なり、事業者サーバ12は、勤怠情報管理サーバ14を介さず、使用者サーバ10から直接勤怠データを受信してもよい。
[給与前払リクエスト]
労働者は、労働者端末16を操作して事業者サーバ12に対して給与前払のリクエストを送信する(d.給与前払申請)。事業者サーバ12は、ユーザテーブル等を参照し、所定期間内(例えば、1日、数日、1週間、数週間、1ヵ月、数カ月)における使用者ごとの給与前払システムの利用人数(使用者ごとの給与前払システムを利用する労働者の数)が利用人数上限の範囲内か否かを判定する。事業者サーバ12は、利用上限人数を超えたと判定した場合、労働者の給与前払リクエストを拒絶する。事業者サーバ12は、利用上限人数の範囲内と判定した場合、事業者サーバ12は、リクエスト処理部123でリクエストを受信すると、労働者のユーザテーブルを参照してリクエストを受信した日における当該労働者の給与前払利用可能額を確認し、給与前払リクエストに応じた給与前払を許可するか判定する。
労働者は、労働者端末16を操作して事業者サーバ12に対して給与前払のリクエストを送信する(d.給与前払申請)。事業者サーバ12は、ユーザテーブル等を参照し、所定期間内(例えば、1日、数日、1週間、数週間、1ヵ月、数カ月)における使用者ごとの給与前払システムの利用人数(使用者ごとの給与前払システムを利用する労働者の数)が利用人数上限の範囲内か否かを判定する。事業者サーバ12は、利用上限人数を超えたと判定した場合、労働者の給与前払リクエストを拒絶する。事業者サーバ12は、利用上限人数の範囲内と判定した場合、事業者サーバ12は、リクエスト処理部123でリクエストを受信すると、労働者のユーザテーブルを参照してリクエストを受信した日における当該労働者の給与前払利用可能額を確認し、給与前払リクエストに応じた給与前払を許可するか判定する。
[口座振込]
事業者サーバ12は、給与前払を許可すると判定した場合、現金を振り込むための振込データを作成し、労働者の銀行口座(銀行bの口座B)に振り込む(e.給与前払支払額の振込)。なお、図6Cの実施態様では現金を銀行口座に振り込む態様を例示しているが、電子マネーや仮想通貨として、対応する口座に振り込んでもよい。
事業者サーバ12は、給与前払を許可すると判定した場合、現金を振り込むための振込データを作成し、労働者の銀行口座(銀行bの口座B)に振り込む(e.給与前払支払額の振込)。なお、図6Cの実施態様では現金を銀行口座に振り込む態様を例示しているが、電子マネーや仮想通貨として、対応する口座に振り込んでもよい。
[給与前払支払データ送信]
サービス提供事業者は、労働者に支払った給与前払額を含む情報を、給与前払支払データとして使用者に送信する(f.―1給与前払支払データ)。また、サービス提供事業者は、給与前払支払額を含む金額を使用者に請求する(f.―2)。この際に請求する金額には、給与前払支払額だけでなく、給与前払システムの利用料や振込事務手数料が含まれていてもよい。
サービス提供事業者は、労働者に支払った給与前払額を含む情報を、給与前払支払データとして使用者に送信する(f.―1給与前払支払データ)。また、サービス提供事業者は、給与前払支払額を含む金額を使用者に請求する(f.―2)。この際に請求する金額には、給与前払支払額だけでなく、給与前払システムの利用料や振込事務手数料が含まれていてもよい。
[使用者とサービス提供事業者との間の清算]
使用者は、受信した給与前払支払データに基づき、給与前払支払額を含む金額をサービス提供事業者にカード払いする(g.カード払い)。この際に支払う金額には、給与前払支払額だけでなく、給与前払システムの利用料や振込事務手数料が含まれていてもよい。
使用者は、受信した給与前払支払データに基づき、給与前払支払額を含む金額をサービス提供事業者にカード払いする(g.カード払い)。この際に支払う金額には、給与前払支払額だけでなく、給与前払システムの利用料や振込事務手数料が含まれていてもよい。
[サービス提供事業者とカード会社との間の清算]
サービス提供事業者は、使用者からカード払いされた給与前払支払額等につき、カード会社に請求をする(h.請求)。カード会社は、かかる請求に基づき、サービス提供事業者に清算する(i.清算)。
サービス提供事業者は、使用者からカード払いされた給与前払支払額等につき、カード会社に請求をする(h.請求)。カード会社は、かかる請求に基づき、サービス提供事業者に清算する(i.清算)。
[給与残高振込]
使用者は、所定の給与支払日に、労働者の給与前払支払額を控除した残りの労働対価額(給与残高)を労働者の銀行口座に振り込む(j.給与残高の振込)。この際に振り込む金額は、サービス利用料や振込事務手数料等を控除した後の金額であってもよい。なお、図6Cの実施態様では現金を銀行口座に振り込む態様を例示しているが、電子マネーや仮想通貨として、対応する口座に振り込んでもよい。
使用者は、所定の給与支払日に、労働者の給与前払支払額を控除した残りの労働対価額(給与残高)を労働者の銀行口座に振り込む(j.給与残高の振込)。この際に振り込む金額は、サービス利用料や振込事務手数料等を控除した後の金額であってもよい。なお、図6Cの実施態様では現金を銀行口座に振り込む態様を例示しているが、電子マネーや仮想通貨として、対応する口座に振り込んでもよい。
[カード会社と使用者との間の清算]
カード会社は、サービス提供事業者に対して清算した給与前払支払額等につき、使用者に対して請求する(k.請求)。使用者は、この請求に基づき、カード会社に清算する(l.清算)。
カード会社は、サービス提供事業者に対して清算した給与前払支払額等につき、使用者に対して請求する(k.請求)。使用者は、この請求に基づき、カード会社に清算する(l.清算)。
次に、使用者サーバ10、勤怠情報管理サーバ14、事業者サーバ12および労働者端末16における処理について、より詳細に説明する。
図7Aおよび図7Bは、使用者サーバ10、勤怠情報管理サーバ14および事業者サーバ12の処理フローチャートを示す。使用者サーバ10における処理は、ROM10bまたは記憶装置10eに記憶された処理プログラムをCPU10aが実行することにより実現される。勤怠情報管理サーバ14における処理は、ROM14bまたは記憶装置14eに記憶された処理プログラムをCPU14aが実行することにより実現される。事業者サーバ12における処理は、ROM12bまたは記憶装置12eに記憶された処理プログラムをCPU12aが実行することにより実現される。
使用者は、事業者サーバ12に労働者情報の登録を行う(S01)。労働者情報は、例えば、労働者の氏名、社員番号、メールアドレス、労働者が所持しているスマートフォンなどの電話番号などが含まれていてもよいし、これらの情報に基づき使用者および/またはサービス提供事業者などにより任意に設定された識別ID等であってもよい。使用者またはサービス提供事業者は、必要に応じて、労働者ごとの給与前払利用可能額を設定し、事業者サーバ12に登録する(S02)。サービス提供事業者は、使用者ごとに、本明細書中に記載の給与前払システムの利用人数の上限を設定し、事業者サーバに登録する。
使用者サーバ10は、所定のタイミングで、事業者サーバ12に勤怠データを送信する(S04-1)。あるいは、使用者サーバ10は、所定のタイミングで、勤怠情報管理サーバ14に勤怠データを送信し(S04-2)、勤怠情報管理サーバ14は、所定のタイミングで、勤怠データを事業者サーバ12に送信する(S04-3)。事業者サーバ12は、受信した勤怠データに基づき、労働者ごとのその時点での労働対価額を算出してもよい。
あるいは、使用者サーバ10が、勤怠データに基づき、労働者ごとのその時点での労働対価額を算出し、算出された労働対価額を含む労働対価データを事業者サーバ12に送信してもよい(S05-1)。あるいは、勤怠情報管理サーバ14が、使用者サーバ10から受信した勤怠データ(S05-2)に基づき、労働者ごとのその時点での労働対価額を算出し、算出された労働対価額を含む労働対価データを事業者サーバ12に送信してもよい(S05-3)。
図8は、事業者サーバ12が勤怠データまたは労働対価データを受信してから、使用者に給与前払支払データを送信する前での処理フローを示したものである。
事業者サーバ12は、使用者サーバまたは勤怠情報管理サーバから勤怠データを受信した場合(S101)、勤怠データに基づき、労働者ごとのその時点での労働対価額を算出する(S102)。あるいは、事業者サーバは、使用者サーバまたは勤怠情報管理サーバによって算出された労働対価額を含む労働対価データを、使用者サーバまたは勤怠情報管理サーバから受信してもよい(S103)。
事業者サーバ12は、労働者端末16から給与前払リクエストを受信したか否かを判定する(S104)。給与前払リクエストを受信しない場合には、S101~S103の処理を繰り返し実行して労働者ごとの労働対価額を順次算出するかまたは順次受信する。
事業者サーバ12は、労働者端末16から給与前払リクエストを受信した場合、所定期間内における使用者ごとの給与前払システム1の利用上限人数を超えているか否かを判定する(S105)。事業者サーバ12は、利用上限人数を超えていると判定した場合、労働者端末16に利用上限人数を超えている旨の通知を送信し(S109)、処理を終了する。
事業者サーバ12は、利用上限人数を超えていない(利用上限人数の範囲内)と判定した場合、労働者からの給与前払リクエスト金額が、当該労働者の給与前払利用可能額の範囲内か否かを判定する。給与前払利用可能額は、使用者またはサービス提供事業者により任意に設定された労働者ごとの給与前払利用可能額、および当該労働者に既に支払われた給与前払支払額に基づき算出される。
労働者ごとの給与前払利用可能額は、給与前払リクエストをする労働者における、雇用区分(正社員、アルバイト等)、勤怠状況、勤務年月などを考慮し、使用者またはサービス提供事業者が設定してもよい。例えば、雇用区分(正社員、アルバイト等)等に応じて、労働者ごとに上限率(例えば、50%)を設定し、労働対価額に上限率を乗じたものを給与前払利用可能額としてもよい。使用者またはサービス提供事業者によって給与前払利用可能額が設定されていない場合には、労働対価額を給与前払利用可能額としてもよい。
事業者サーバ12は、労働者ごとの給与前払利用可能額から当該労働者に既に支払われた給与前払支払額を減算した金額と、給与前払リクエスト金額との大小を比較し、給与前払リクエスト金額の方が大きい場合、労働者からの前給リクエストを拒絶してもよい。あるいは、与前払リクエスト額の方が大きい場合、労働者ごとの給与前払利用可能額から当該労働者に既に支払われた給与前払支払額を減算した金額を給与前払支払額としてもよい。一方、給与前払リクエスト金額の方が小さい場合、事業者サーバ12は、給与前払リクエスト金額を給与前払支払額としてもよい。
事業者サーバ12は、労働者からの給与前払リクエスト金額が当該労働者の給与前払利用可能額の範囲内と判定し、給与前払リクエスト金額を給与前払支払額とした場合、あるいは労働者からの給与前払リクエスト金額が当該労働者の給与前払利用可能額の範囲内でないと判定し、給与前払利用可能額を給与前払支払額とした場合に、給与前払支払額に応じた振込データを作成し、労働者の口座(例えば、銀行口座)に振り込む(S107)。この際に、所定の手数料を控除した金額を振り込んでもよい。事業者サーバ12は、振り込んだ金額を労働対価額(給与累計)から控除して給与残高の更新処理を実行する。そして、事業者サーバ12は、所定の日に、所定期間内の労働者ごとの給与前払支払額を含む給与前払支払データを、使用者サーバ10に出力する(S108)。
図9は、労働者端末16の処理フローチャートを示す。ROM166または記憶部164に記憶された給与前払アプリケーションプログラムをCPU165が実行することにより実現される処理である。
労働者が労働者端末16を操作して給与前払アプリケーションプログラムを起動すると(S201)、給与前払アプリケーションの処理モジュールは、まずログイン画面を表示部163に表示する(S202)。このログイン画面では、労働者は、企業コード(使用者ごとのコード)や利用者コード(労働者ごとのコード)等を入力する。処理モジュールは、入力された情報を事業者サーバ12に送信する。事業者サーバ12は、入力されたデータとユーザテーブル等とを照合し、ログインを許可するか否かを判定し、判定結果を労働者端末16に通知する。
次に、処理モジュールは、ログインを許可するか否かを判定する(S203)。労働者端末16は、事業者サーバ12からログインを許可しない旨の通知を受信すると、処理を終了する。労働者端末16は、事業者サーバ12からログインを許可する通知を受信すると、ログインOKであると判定し、トップ画面を表示部163に表示する(S204)。トップ画面では、労働者は、給与前払の申し込み(給与前払リクエスト)を行うか、あるいは給与前払利用可能額を照会するか等を入力することができる。処理モジュールは、入力された情報を事業者サーバ12に送信することでリクエストの内容(給与前払リクエストまたは給与前払利用可能額の照会など)を送信する(S205)。事業者サーバ12は、リクエストを受信すると、リクエストに応じた画面を表示する旨を労働者端末16に通知する。労働者端末16は、事業者サーバ12からリクエストに応じた画面を表示する旨の通知を受信すると、給与前払リクエスト画面を表示部163に表示する(S206)。給与前払リクエスト画面では、労働者は、給与前払リクエスト金額等を入力することができる。処理モジュールは、入力された情報を事業者サーバ12に送信することで給与前払リクエストの内容を送信する(S207)。事業者サーバ12は、給与前払リクエストを受信すると、所定期間内における使用者ごとの給与前払システム1の利用人数上限を超えているか否かを判定する。労働者端末16は、事業者サーバ12が利用人数上限を超えると判定した場合の通知を受信すると、処理を終了する。事業者サーバ12は、利用人数上限の範囲内と判定した場合、ユーザテーブルを参照し、当該労働者の現時点での労働対価額、給与前払可能額および/または該労働者に既に支払い済みの給与前払支払額に基づいて給与前払利用可能額を取得し、給与前払を許可するか判定し、その判定結果を労働者端末16に送信する。
給与前払を許可すると判定された場合には、事業者サーバ12は、給与前払支払額に応じた振込データを作成して労働者の銀行口座に振り込み処理を実行する。電子マネーによる振り込みの場合には、電子マネーのチャージを行ってもよい。そのため、現金振り込みの場合には、労働者は、自己の銀行口座に振り込まれた金額を適宜引き出すことができる。一方、給与前払を拒絶すると判定された場合には、給与前払リクエスト画面に戻る。
以下、労働者端末16の表示部163に表示される画面(UI画面)を具体的に説明する。なお、労働者端末16としてスマートフォン、表示部163としてタッチパネルを例示するが、これに限定されるものではない。
図10Aは、S202で表示されるログイン画面の一例を示す。企業コード、利用者コードおよびパスワードを入力するための入力フィールドが表示される。労働者は、これらの情報を入力して「ログイン」ボタンをタッチしてこれらの情報を事業者サーバ12に送信する。
図10Bは、S204で表示されるトップ画面の一例を示す。給与前払のトップメニューであり、ログインした労働者の氏名(利用者名)および前回ログイン日時が表示され、
・給与前払リクエストの申し込み(利用申し込み)
・給与前払利用可能額照会(利用可能額照会)
・給与前払リクエストの申し込み履歴照会(利用履歴照会)
・パスワード等の変更
のいずれかを選択するためのチェックボックスが表示される。労働者は、いずれかの項目にタッチしてチェックボックスにチェックを入れる。例えば、労働者は、「利用申し込み」のチェックボックスにチェックを入れて事業者サーバ12に送信することができる。
・給与前払リクエストの申し込み(利用申し込み)
・給与前払利用可能額照会(利用可能額照会)
・給与前払リクエストの申し込み履歴照会(利用履歴照会)
・パスワード等の変更
のいずれかを選択するためのチェックボックスが表示される。労働者は、いずれかの項目にタッチしてチェックボックスにチェックを入れる。例えば、労働者は、「利用申し込み」のチェックボックスにチェックを入れて事業者サーバ12に送信することができる。
図10Cは、S206で表示される給与前払リクエスト画面の一例を示す。ログインした労働者に対する、給与前払リクエスト金額が表示される。労働者は、給与前払リクエスト金額を入力し、「送信」ボタンをタッチしてこれらの情報を事業者サーバ12に送信する。なお、図10Cでは、図示していないが、労働者ごとの給与前払利用可能額が表示されていてもよい。
以上説明したように、本実施形態では、労働者は、自己の給与の前払を受け取ることができるとともに、多様な形態で前払を受け取ることができる。
1:給与前払システム
10:使用者サーバ
100:勤怠データ入出力部
101:勤怠データ記憶部
102:時給単価テーブル入出力部
103:時給単価テーブル記憶部
12:事業者サーバ
120:ユーザデータ入力部
121:ユーザテーブル記憶部
122:給与計算部
123:リクエスト処理部
124:リクエストテーブル記憶部
125:利用上限人数判定部
126:給与前払額比較部
127:承認部
128:給与前払振込データ作成部
129:給与前払振込指示部
130:給与前払支払データ送信部
14:勤怠情報管理サーバ
140:勤怠データ入出力部
141:勤怠データ記憶部
142:時給単価テーブル記憶部
143:時給単価テーブル入出力部
144:給与計算部
16:労働者端末
18:銀行サーバ
20:ネットワーク
10:使用者サーバ
100:勤怠データ入出力部
101:勤怠データ記憶部
102:時給単価テーブル入出力部
103:時給単価テーブル記憶部
12:事業者サーバ
120:ユーザデータ入力部
121:ユーザテーブル記憶部
122:給与計算部
123:リクエスト処理部
124:リクエストテーブル記憶部
125:利用上限人数判定部
126:給与前払額比較部
127:承認部
128:給与前払振込データ作成部
129:給与前払振込指示部
130:給与前払支払データ送信部
14:勤怠情報管理サーバ
140:勤怠データ入出力部
141:勤怠データ記憶部
142:時給単価テーブル記憶部
143:時給単価テーブル入出力部
144:給与計算部
16:労働者端末
18:銀行サーバ
20:ネットワーク
Claims (6)
- 少なくとも1の使用者に代わってサービス提供事業者が労働者に給与前払いを実行する、給与前払システムであって、
労働者から給与前払リクエスト金額を含む給与前払リクエスト情報を取得する、リクエスト処理部と、
勤怠データと給与前払リクエスト金額と労働者ごとの給与前払利用可能額とに基づき算出された給与前払支払額を、前記労働者に対して支払うための給与前払振込データを作成する給与前払振込データ作成部と、
給与前払振込データに基づき、前記使用者に代わって前記労働者の口座に給与前払支払額を振り込み指示する、給与前払振込指示部と、
前記労働者に支払った給与前払支払額を含む給与前払支払データを前記使用者に送信する、給与前払支払データ送信部と、
を備え、前記サービス提供事業者が、使用者ごとに給与の前払いを受けられる労働者数の上限を設定する、給与前払システム。 - 前記給与前払利用可能額が、所定日から前記給与前払リクエスト情報を取得した日までの期間の前記勤怠データから算出される労働対価額に所定の係数をかけて得られた金額から前記労働者に既に支払われた給与前払金額を減算した金額であり、給与前払利用可能額と給与前払リクエスト金額との大小を比較し、給与前払リクエスト金額の方が小さい場合、給与前払リクエスト金額が給与前払支払額として算出される、請求項1記載の給与前払システム。
- 前記リクエスト処理部、前記給与前払振込データ作成部、前記給与前払振込指示部および前記給与前払支払データ送信部が、事業者サーバに備えられている、請求項1または2に記載の給与前払システム。
- 前記勤怠データは、勤怠情報管理サーバで管理される、請求項3に記載の給与前払システム。
- 前記給与前払リクエスト情報が、労働者端末から送信され、労働者端末と事業者サーバと前記勤怠情報管理サーバとが、ネットワークを介して通信可能に接続されている、請求項4に記載の給与前払システム。
- 少なくとも1つの使用者に代わってサービス提供事業者が労働者に給与前払いを実行させる、給与前払システムのプログラムあって、
労働者から給与前払リクエスト金額を含む給与前払リクエスト情報を取得するステップと、
勤怠データと給与前払リクエスト金額と労働者ごとの給与前払利用可能額とに基づき算出された給与前払支払額を、前記労働者に対して支払うための給与前払振込データを作成するステップと、
給与前払振込データに基づき、前記使用者に代わって前記労働者の口座に給与前払支払額を振り込み指示するステップと、
前記労働者に支払った給与前払支払額を含む給与前払支払データを前記使用者に送信するステップと、
を実行させるとともに、サービス提供事業者によって設定された、使用者ごとの給与の前払いを受けられる労働者数の上限を超えさせないことを特徴とする、プログラム。
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---|---|---|---|
JP2022005368A JP2023104404A (ja) | 2022-01-17 | 2022-01-17 | 給与前払システム |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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---|---|---|---|
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Country | Link |
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2022
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RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
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