JP2023102851A - 熱交換システム及びこれを備える応用機器 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示は、熱交換システム及びこれを備える応用機器に関し、特に除霜機構を備える熱交換システムの熱交換効率を向上させる技術に関する。
熱交換システムは、例えば、空気と熱媒体との間で熱交換する熱交換器を備える。冷凍装置等に熱交換システムが用いられる場合、熱交換器が冷媒との熱交換により冷却されると、空気中の水分が熱交換器の表面に付着する。この熱交換器の表面に付着した水分により、霜や氷(以下、単に霜と称する。)が生成する。
熱交換器の表面に霜が付着すると、水分の比熱、熱伝導率、潜熱、又は顕熱等の影響により、熱交換システムの熱交換効率が低下する。また、熱交換器が有する複数のフィンに霜が付着すると、フィン同士の間隙が霜により閉塞される。これにより、熱交換器内の空気の流通が阻害されて熱交換効率が低下する。また同様の問題は、寒冷地で使用される空調装置において、室外機に配置された熱交換システムの熱交換器に対し、外部から氷雪等が付着する場合にも生じうる。
熱交換システムが除霜機構を備える場合、熱交換器の表面に付着した霜は、除霜機構を駆動させることで、ある程度まで除去される。しかしながら、除霜機構による除霜が不完全であると、熱交換器の表面に霜が累積的に付着する。
そこで例えば、特許文献1には、熱交換器のフィンの表面に、親水性樹脂と、シリコーン樹脂とを含有する親水性膜を形成し、フィンに付着した水分を速やかに排出すると共にフィンに防汚性を付与することを図る技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1の開示技術では、親水性膜の親水性がシリコーン樹脂の撥油性により低下し、十分な排水効果を得ることができない。このため、除霜機構を備える熱交換システムでも、除霜機構により熱交換器に付着した霜を安定して除霜することは困難である。
そこで本開示は、除霜機構を備える熱交換システムにおいて、熱交換器の表面に霜が付着した場合でも、熱交換器の表面からの除霜を促進し、長期間にわたり優れた熱交換効率が得られるようにすることを目的とする。
本開示の一態様に係る熱交換システムは、水分を含有する空気と接触し、内部を流通する冷媒と前記空気とを熱交換して前記空気を冷却する熱交換器と、前記熱交換器の表面に付着した前記水分の前記表面に対する接触角を減少させる添加剤を保持する供給部材と、前記表面に付着した前記水分により生成する霜を除霜する除霜機構と、を備え、除霜機構による除霜時において、前記供給部材から前記熱交換器の前記表面に前記添加剤が供給される。
上記構成によれば、熱交換器の表面に付着した水分により霜が生成した状態で、除霜機構を駆動させた場合、除霜機構による除霜時において、供給部材から熱交換器の表面に添加剤が供給される。熱交換器の表面で霜が融解して生じた水分が添加剤と接触することで、水分の熱交換器の表面に対する接触角が減少し、熱交換器の表面の濡れ性が向上する。その結果、熱交換器の表面からの水分及び霜の排出を促進し、除霜効果を向上できる。よって、熱交換器の表面に霜が累積的に堆積するのを防止できると共に、除霜機構の運転時間を短縮できる。また例えば、除霜機構が除霜時のみにおいて供給部材から熱交換器の表面に添加剤を供給することで、長期にわたって供給部材の添加剤の保持量を維持できる。結果として、熱交換器の表面からの排水及び除霜を促進すると共に、長期間にわたり優れた熱交換効率が得られる。
更に、前記除霜時が開始される直前である除霜直前時において、前記供給部材から前記熱交換器の前記表面に前記添加剤が供給されてもよい。これにより、熱交換器の表面に付着した水分に対し、添加剤をより十分に供給できる。
前記添加剤は、界面活性剤を含有してもよい。これにより、熱交換器の表面に付着した水分の接触角を良好に減少させ易くできる。また、添加剤として例えば既存の界面活性剤を利用することで、熱交換システムの設計自由度を向上できる。
またこの場合、前記界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤を含有してもよい。これにより、界面活性剤が水分中の電解質等の影響を受けにくくすることができ、界面活性剤による除霜効果を安定して得ることができる。またこの場合、前記供給部材から前記熱交換器の前記表面に供給された前記添加剤と、前記熱交換器の前記表面に付着した前記水分との混合液中の前記界面活性剤の濃度が、1ppm以上の範囲の値であってもよい。これにより、例えば界面活性剤の使用量を低減でき、長期間にわたって添加剤による効果を得ることができる。
また前記除霜機構は、前記除霜を行う際、前記表面に付着した水分の融点以上の温度に前記表面の温度を調整してもよい。これにより、供給部材から熱交換器の表面に添加剤を供給すれば、速やかに添加剤による除霜効果を得ることができる。
前記供給部材は、前記添加剤を担持する複数の担持体と、前記複数の担持体を分散させた状態で、前記添加剤を前記担持体から前記供給部材の外部へ放出可能に支持する支持体とを含んでいてもよい。
上記構成によれば、分散された複数の担持体により添加剤を担持することで、各担持体から熱交換器の表面に付着した水分に対して広範囲に添加剤を供給し易くできる。また支持体により、添加剤を複数の担持体から供給部材の外部へ放出可能に複数の担持体を支持することで、担持体を支持しながら、供給部材から熱交換器の表面に対して添加剤を安定して供給できる。
前記担持体は、多孔質の粒状物であってもよい。これにより、担持体の孔内に豊富な添加剤を保持させて、供給部材から熱交換器の表面に対して添加剤を徐放させ、熱交換器の表面に付着した水分に添加剤を熱交換システムの駆動初期から長期間にわたり供給できる。
前記添加剤は、前記熱交換器の前記表面に付着した水分に対して、溶解、分散、又は拡散してもよい。これにより、熱交換器の表面に付着した水分に対して、供給部材から添加剤を迅速に行き渡らせることができる。
本開示の一態様に係る応用機器は、上記したいずれかの熱交換システムを備える。この応用機器は、前記熱交換器に付着した霜を除去する除霜機構を備え、対象物を冷蔵又は冷凍する冷凍装置であってもよい。また、この応用機器は、室外機を備える空調装置であり、前記熱交換器に付着した霜を除去する除霜機構を備え、前記熱交換器、前記供給部材、及び前記除霜機構が、前記室外機に配置されていてもよい。
本開示の各態様によれば、除霜機構を備える熱交換システムにおいて、熱交換器の表面に霜が付着した場合でも、熱交換器の表面からの除霜を促進でき、長期間にわたり優れた熱交換効率が得られる。
以下、図面を参照して各実施形態を説明する。
(第1実施形態)
[応用機器及び熱交換システム]
図1は、第1実施形態に係る応用機器1の正面図である。図2は、図1の応用機器1の機能ブロック図である。図3は、図1の供給部材6から熱交換器3の表面に付着した水分に添加剤が供給される様子を示す模式図である。図1に示される応用機器1は、一例として、対象物を冷蔵又は冷凍する冷凍装置である。応用機器1は、熱交換システム2と、筐体7とを備える。筐体7の内部には、複数の庫内スペースS1~S4が設けられている。庫内スペースS1~S4は、一例として、冷蔵室、冷凍室、及び野菜室を含む。熱交換システム2は、熱交換器(エバポレータ)3、除霜機構4、及び制御部5を備える。また熱交換システム2は、熱交換器用バルブ10、コンプレッサー11、コンデンサー12、及びファン14を備える。
(第1実施形態)
[応用機器及び熱交換システム]
図1は、第1実施形態に係る応用機器1の正面図である。図2は、図1の応用機器1の機能ブロック図である。図3は、図1の供給部材6から熱交換器3の表面に付着した水分に添加剤が供給される様子を示す模式図である。図1に示される応用機器1は、一例として、対象物を冷蔵又は冷凍する冷凍装置である。応用機器1は、熱交換システム2と、筐体7とを備える。筐体7の内部には、複数の庫内スペースS1~S4が設けられている。庫内スペースS1~S4は、一例として、冷蔵室、冷凍室、及び野菜室を含む。熱交換システム2は、熱交換器(エバポレータ)3、除霜機構4、及び制御部5を備える。また熱交換システム2は、熱交換器用バルブ10、コンプレッサー11、コンデンサー12、及びファン14を備える。
熱交換システム2は、庫内スペースS1~S4内の空気を冷媒との間で熱交換し、冷気を生成する。熱交換器3は、庫内スペースS1~S4内の水分を含有する空気と接触し、内部を流通する冷媒と前記空気とを熱交換して前記空気を冷却する。熱交換器3は、冷媒が流通する流通管30と、流通管30内の冷媒を前記空気と熱交換させる複数のフィン31とを有する。複数のフィン31は、一例として鉛直方向に延びると共に、鉛直方向に交差する交差方向(ここでは水平方向)に間隔をあけて並ぶように配置されている。フィン31は、一例として熱伝導性に優れる金属材料(アルミニウム等)を含有するが、フィン31の材質はこれに限定されない。複数のフィン31は、流通管30と熱結合している。一例として、隣接するフィン31は、平行な表面を有する。
熱交換器用バルブ10は、流通管30内の流通量を調整するため、流通管30の途中に配置される。コンプレッサー11は、熱交換器3を通過した液体の冷媒を圧縮する。コンデンサー12は、コンプレッサー11から送られる気体の冷媒を冷却して液化し、熱交換器3へ流通させる。ファン14は、庫内スペースS1~S4内の空気と熱交換器3の周辺の空気とを循環させる。
除霜機構4は、熱交換器3の表面に付着した霜を融解することにより除霜する。除霜機構4の除霜対象には、熱交換システム2の駆動に伴って熱交換器3の表面に付着する霜や氷の他、例えば寒冷地での応用機器1の使用環境において、応用機器1の外部から内部に侵入した霜や氷雪も含まれる。以下では、これらを併せて単に霜と称する。
除霜機構4は、一例としてヒーター方式であり、除霜ヒーター13を有する。応用機器1の除霜運転では、熱交換器3の周囲の空気が、除霜ヒーター13により暖められて暖気となり、対流する。この暖気が熱交換器3の表面と接触することで除霜がなされる。本実施形態の除霜機構4は、除霜を行う際、熱交換器3の表面に付着した水分の融点以上の温度に熱交換器3の表面の温度を調整する。除霜機構4の形式は、ヒーター方式に限定されず、ホットガス方式、散水方式、オフサイクル方式等、その他の公知の形式のいずれかでもよい。
また熱交換システム2は、除霜温度検知部15を有する。除霜温度検知部15は、熱交換システム2の配管温度(例えば流通管30の温度)が、除霜機構4の除霜運転を終了させるための所定温度に達したか否かを検知する。除霜温度検知部15は、一例として公知の温度センサを含む。
制御部5は、熱交換器用バルブ10、コンプレッサー11、除霜ヒーター13、及びファン14を個別に制御する。制御部5は、一例として、タイマー機能を有し、このタイマー機能を用いて、応用機器1の冷却運転時間が一定時間(例えば13時間)に達する毎に除霜機構4を自動で駆動させる。また制御部5には、除霜温度検知部15の検知信号が入力される。制御部5は、一例として、除霜温度検知部15の検知信号に基づき、除霜機構4を自動で駆動停止させる。本実施形態の制御部5は、CPU等を含むプロセッサと、ROM、RAM等を含む記録媒体とを備えたコンピュータにより実現される。前記記録媒体には、CPUが熱交換器用バルブ10、コンプレッサー11、ファン14等を制御するための熱交換器制御プログラムと、除霜運転時に除霜機構4を制御するための除霜制御プログラムとを含む複数の制御プログラムが記憶されている。応用機器1が、熱交換器3の流通管30内に冷媒を流通させるためのポンプを備える場合、制御部5は、当該ポンプを制御してもよい。
熱交換システム2は、少なくとも1つの供給部材6を備える。供給部材6は、熱交換器3の表面に付着した水分の前記表面に対する接触角を減少させる添加剤を保持する。添加剤は、熱交換器3の表面に形成される水膜を広がり易くすることで、水膜を薄くすることができる。供給部材6は、水分と接触することにより、水中に添加剤を分散させながら添加剤を外部に放出する。本実施形態では、後述するように、除霜機構4による除霜時において、供給部材6から熱交換器3の表面に添加剤が供給される。この供給の際、添加剤は、一例として、熱交換器3の表面に付着した水分に対し、自由落下により供給される。ここで除霜時とは、除霜運転時間ではなく、霜が溶融し始めたときから、再冷却運転により溶融した水分の凝固が完了するまでの間の時間を指す。この添加剤の供給は、除霜時の期間中であれば、いずれのタイミングで行われてもよい。この添加剤の供給は、例えば、除霜時の最初又は終了間際のいずれで行われてもよいし、除霜時の全期間にわたって行われてもよい。熱交換システム2では、熱交換器3の表面に付着した水分に対し、除霜機構4による除霜時毎に、所定期間(例えば数年程度)にわたり添加剤が供給されるように添加剤が徐放される。
供給部材6は、一例として長尺状であり、熱交換器3の表面(例えば各フィン31の端面)と接触するように配置されている。本実施形態の供給部材6は、短冊状に形成され、複数のフィン31の配列方向に長手方向が沿うようにして配置されている。供給部材6は、熱交換システム2において着脱自在に配置される。即ち供給部材6は、所定のタイミングで熱交換器3に対して交換可能である。本実施形態の熱交換システム2は、互いに離隔して配置された複数の供給部材6を備える。1つの供給部材6は、熱交換器3の複数のフィン31の厚み方向に延びながら各フィン31の端面と接触している。
ここで応用機器1は、冷凍装置であるため、応用機器1(熱交換システム2)の駆動時には、熱交換器3の表面は冷媒との熱交換により氷点下の温度まで冷却される。しかしながら応用機器1では、除霜運転時に除霜機構4を駆動させることで、供給部材6の周辺空気が暖められる。供給部材6の周辺空気は、高温多湿状態となる。これにより熱交換システム2では、除霜機構4による除霜時において、供給部材6から熱交換器3の表面に添加剤が供給可能となる。
なお応用機器1の駆動時には、供給部材6は、空気中の水分を含んだ状態で凍結する場合がある。このような場合、応用機器1では、除霜運転時に除霜機構4を駆動させることで供給部材6の周辺空気が高温多湿状態となり、供給部材6に含まれる水分の氷が融解する。よって、応用機器1の駆動時に供給部材6が凍結する場合でも、供給部材6から熱交換器3の表面に添加剤が供給可能となる。
[供給部材の具体例]
図4は、図1の供給部材6の内部構造を示す拡大図である。図4に示すように、供給部材6は、添加剤を担持する複数の担持体60と、複数の担持体60を分散させた状態で、添加剤を担持体60から供給部材6の外部へ放出可能に支持する支持体61とを含有する。
図4は、図1の供給部材6の内部構造を示す拡大図である。図4に示すように、供給部材6は、添加剤を担持する複数の担持体60と、複数の担持体60を分散させた状態で、添加剤を担持体60から供給部材6の外部へ放出可能に支持する支持体61とを含有する。
本実施形態の担持体60は、多孔質の粒状物である。この粒状物の外径は、適宜設定可能であり、例えば数μmの値に設定できる。また一例として、この粒状物は、細孔容積を数mL/gの値、細孔径を十数nmの値、比表面積を数百m2/gの値にそれぞれ設定できる。粒状物の粒径、比表面積、細孔径は、例えば供給部材6に要求される添加剤の徐放性に適した値に設定される。一例として、多孔質の粒状物により担持体60を構成することで、担持体60の内部に豊富な添加剤を担持させることができる。本実施形態の担持体60は、無機成分を含有する。一例として、担持体60は、アモルファスシリカ等のガラスを含有する多孔質ガラスで構成されている。担持体60の材質としては、多孔質ガラス、活性炭、ゼオライト、ポーラスコンクリートのうちの少なくともいずれかを例示できる。
本実施形態の支持体61は、水不溶性成分を含有する。一例として、この水不溶性成分は、水不溶性樹脂である。水不溶性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及び、アクリル変性ポリエチレン(例えば住友化学(株)製「アクリフト」)のうちの少なくともいずれかを例示できる。
供給部材6では、複数の担持体60の間隙に支持体61が充填される。これにより、複数の担持体60は、互いに接触し又は離間した状態で、支持体61に支持されている。供給部材6が水分と接触すると、例えば、供給部材6の表層に位置する担持体60から添加剤が供給されて水分に溶出する。これにより、表層の担持体60の添加剤の濃度が低下する。その後、供給部材6の内部に位置する担持体60から供給部材6の表層に位置する担持体60に向けて添加剤が移動し、表層の担持体60の添加剤の濃度が上昇する。この表層の担持体60の添加剤が、再び水分に溶出する。この繰り返しにより、供給部材6から外部の水分に添加剤が供給される。添加剤としては、熱交換器3の表面に付着した水分に対し、熱交換器3の表面に対する接触角を減少可能なものを適宜選択可能である。一例として、添加剤は界面活性剤を含有する。ここで言う界面活性剤とは、親水基と疎水基とを分子構造に有する化合物を指す。
界面活性剤としては、例えばアニオン系界面活性剤であれば、脂肪酸塩、N-アシルサルコシン塩、N-アシルグルタミン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、リンゴ酸アミド、アルカンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、αオレフィンスルホン酸塩、N-アシル-N-メチルタウリン酸塩、N-スルホ脂肪酸エステル、アルキルリン酸等が例示できる。また、カチオン系界面活性剤であれば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化アルキルベンザルコニウム、脂肪酸アミドプロピルカチオン、脂肪酸アミドブチルグアニジン、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等が例示できる。また、両性界面活性剤であれば、アルキルジメチル酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルジメチルヒドロキシスルホベタイン、アミドアミノ酸塩、アルキルアミンオキシド、アルキルイミダゾリニウムベタイン等が例示できる。
また、ノニオン(非イオン)性界面活性剤であれば、脂肪酸グリセリンエステル、脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸ショ糖エステル、アルキルポリグルコシド、ポリオキシエチレンプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等のオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤を例示できる。界面活性剤はこれに限定されず、使用対象や環境等に応じて好適に選択することができる。
供給部材6は、一例として、20重量%以上50重量%以下の支持体61と、10重量%以上30重量%以下の担持体60と、残部から形成される組成物とを含有する。添加剤は、この残部が含有している。供給部材6の組成比率は、これに限定されない。
添加剤として界面活性剤を用いることで、複数の熱交換器3の表面に付着した水分に対して添加剤を供給した場合、前記接触角を良好に低減させ、各熱交換器3の表面の広範囲な面積にわたって添加剤を拡散させることができる。添加剤としては、界面活性剤の他、水溶性の有機溶剤等も例示できる。有機溶剤としてはアルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類等が挙げられる。このうち例えば、低級アルコールが好適である。低級アルコールとしては、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等が例示できる。
本実施形態の添加剤は、熱交換器3の表面に付着した水分に対して、溶解、分散、又は拡散する。これにより、例えば鉛直方向と交差する方向においても、熱交換器3の表面に付着した水分に対して、供給部材6から添加剤を迅速に行き渡らせることができる。また一例として、本実施形態の添加剤は、界面活性剤のみを含有する。また、供給部材6から熱交換器3の表面に供給された添加剤と、熱交換器3の表面に付着した水分との混合液中の界面活性剤の濃度(以下、単に前記混合液中の界面活性剤の濃度とも称する。)は、適宜設定可能である。一例として、前記混合液中の界面活性剤の濃度は、1ppm以上の範囲の値が好適である。また別の例として、前記混合液中の界面活性剤の濃度は、0ppmよりも多く且つ330ppm以下の範囲の値が好適である。また確認試験において後述するように、例えば、前記混合液中の界面活性剤の濃度が1ppm以上6ppm以下の範囲の値であっても、良好な排水効果を得ることができる。
次に供給部材6の製造方法を例示する。一例として、担持体60、支持体61、及び添加剤を加熱混練してストランドを形成する。このストランドを所定寸法に切断した後、切片を射出成形することで、所望形状の供給部材6が得られる。供給部材6を射出成形により製造すれば、例えば熱交換器3の形状な熱交換システム2の内部スペース等に合わせて供給部材6の形状やサイズを容易に設定できる。このように、材料を加熱混練し且つ射出成形して供給部材6を製造する場合、担持体60の材質としては、混練に耐えうる強度を有し、且つ、射出成形時の温度域での耐熱性を有するものが好適である。また支持体61及び添加剤の材質としては、前記射出成形時の温度域での耐熱性を有するものが好適である。
供給部材6の形状は、長尺状に限定されず、例えば楕円球等の球状や直方体等でもよい。例えば、円柱状の供給部材6を、複数のフィン31の配列方向に長手方向が沿うように熱交換器3の頂部に配置することで、各熱交換器3の表面の広範囲な面積にわたって添加剤を効率よく拡散させることができる。
供給部材6は、その他の成分を含んでいてもよい。当該成分としては、例えば、前記添加剤とは別の界面活性剤、エステル、塩類、消泡剤、粘度調整剤、香料、着色料、pH調整剤、酸化防止剤、タルクやシリカ等の無機物のうちの少なくとも1つを例示できるが、これに限定されない。また、熱交換システム2が備える供給部材6の数は限定されない。
[熱交換システム及び応用機器の駆動]
応用機器1の冷却運転時には、熱交換器3から排出されるガス状の冷媒が、コンプレッサー11により圧縮されて高温高圧状態となった後、コンデンサー12に送られる。ガス状の冷媒は、コンデンサー12により冷却されて液体状の冷媒となる。この液体状の冷媒は、応用機器1が別途備えるキャピラリチューブを流通することにより低温低圧状態となった後、熱交換器3に供給される。
応用機器1の冷却運転時には、熱交換器3から排出されるガス状の冷媒が、コンプレッサー11により圧縮されて高温高圧状態となった後、コンデンサー12に送られる。ガス状の冷媒は、コンデンサー12により冷却されて液体状の冷媒となる。この液体状の冷媒は、応用機器1が別途備えるキャピラリチューブを流通することにより低温低圧状態となった後、熱交換器3に供給される。
また熱交換器3の周囲には、ファン14の駆動により、庫内スペースS1~S4の空気が供給されて複数のフィン31と接触する。これにより、熱交換器3の周囲の空気は、複数のフィン31を介して、熱交換器3の内部を流通する冷媒との間で熱交換されて冷気となる。ファン14の駆動により、冷気は庫内スペースS1~S4に供給されて対象物の冷却に用いられる。熱交換に用いられた冷媒は、流通管30を流通した後、再びコンプレッサー11に送られる。
ここで庫内スペースS1~S4の空気は、水分を含有している。冷媒との熱交換により冷却された熱交換器3の表面には、当該空気に触れることで水分が付着する。この水分は、凝集して水滴となる。水滴は、熱交換器3により冷却されて氷結する。氷結した水滴が、累積的に熱交換器3の表面に付着することで、熱交換器3の表面に霜が付着する。
また従来、熱交換器3の表面に霜が付着すると、水の比熱、熱伝導率、潜熱、又は顕熱等の影響により、熱交換器の熱交換効率が低下する。また、フィン31同士の間隙が霜により閉塞されると、熱交換器内の空気の流通が阻害されて熱交換効率が低下する。
応用機器1の冷却運転時間が所定時間に達したと制御部5が判定すると、制御部5は、除霜運転を開始させるように除霜機構4を制御する。除霜機構4は、一例として、除霜ヒーター13により、熱交換器3の周囲の空気を加熱すると共に、筐体7の内部で加熱空気を対流させる。これにより、熱交換器3の表面の霜が加熱空気と接触して融解する。また、供給部材6の周辺空気が高温多湿状態となる。これにより、供給部材6から熱交換器3の表面に添加剤が供給される。
供給部材6から供給される添加剤より、熱交換器3の表面に対する水分の接触角が減少し、前記表面の濡れ性(親水性)が向上する。これにより、熱交換器3の表面に形成される水膜が薄くなる。また、水分の表面張力が低下する(言い換えると水分の表面エネルギーが低下する)。このため、水滴が相当に小さい場合でも、例えば、フィン31の表面から水滴は容易に転落する。また、フィン31の鉛直方向下端から水滴が容易に落下する。よって、熱交換器3の表面からの排水が促進される。その結果、熱交換器3の表面に霜が付着することや、熱交換器3の表面付近での空気の流通が霜に阻害されることにより、熱交換システム2の熱交換効率が低下するのが防止される。また、熱交換器3の表面に薄い水膜が形成されることで、熱交換器3の表面に空気中の不純物が付着した場合でも、不純物が水膜と共に速やかに排出され、熱交換器3の表面を清浄な状態に維持できる。
除霜機構4による除霜運転が継続し、除霜温度検知部15の検知信号により、熱交換システム2の配管温度が所定温度に達したと制御部5が判定すると、制御部5は、除霜機構4を停止させる。その後、制御部5は、再冷却運転を開始させるように、熱交換器用バルブ10、コンプレッサー11、ファン14等を制御する。
(添加剤の効果に関する詳細)
図5は、従来の除霜前後における熱交換器の表面(ここでは一例としてフィン)とその周辺の様子を模式的に示す図である。図5に示すように、従来の冷凍装置では、熱交換器の表面が氷点下まで冷却されて過冷却状態を経過し、過冷却状態が開放されると、フィンに付着した水分(結露水)が凍結する。これにより、フィンに霜が付着する(図5(a))。このフィンへの霜の付着が繰り返されると、フィンに霜が堆積する。霜が堆積することで、熱交換効率が低下する。除霜機構を駆動させることで、フィンに付着した霜は融解して除去される。
図5は、従来の除霜前後における熱交換器の表面(ここでは一例としてフィン)とその周辺の様子を模式的に示す図である。図5に示すように、従来の冷凍装置では、熱交換器の表面が氷点下まで冷却されて過冷却状態を経過し、過冷却状態が開放されると、フィンに付着した水分(結露水)が凍結する。これにより、フィンに霜が付着する(図5(a))。このフィンへの霜の付着が繰り返されると、フィンに霜が堆積する。霜が堆積することで、熱交換効率が低下する。除霜機構を駆動させることで、フィンに付着した霜は融解して除去される。
しかしながら、除霜機構の通常の除霜運転により完全に除霜することは難しく、フィンには若干の水分(霜や水滴)が残留する。また、フィンの下端には水滴が溜まる(図5(b))。このようにフィンに水分が付着した状態で、除霜運転後に冷凍装置が庫内を設定温度まで再冷却する再冷却運転を行うと、水分が再凍結されて、フィンの表面や端部に氷として残留する。この氷をベースに更なる霜の付着が起こるため、累積的に霜が堆積する(図5(c))。これにより、熱交換器の正常な熱交換が妨げられ、冷凍装置の熱交換率が低下する。
図6は、第1実施形態の除霜前後における熱交換器3の表面(ここでは一例としてフィン31)とその周辺の様子を模式的に示す図である。図6に示すように、これに対して応用機器1では、除霜機構4の除霜運転により生じた加熱空気が霜と接触し、霜が融解して複数の水滴が生じる(図6(a))。水滴の水分は、供給部材6により供給される添加剤により改質される。隣接する水滴は、親水性により容易に結合し、自重によりフィン31の表面を転落(滑落)する。また、微小な水滴であっても、添加剤により、水分の表面張力が低減されるため、フィン31の表面を容易に転落する。これにより、フィン31の表面が効率よく除霜される(図6(b))。また、フィン31の表面上の水分が添加剤により改質されて親水化され、フィン31の表面に広く広がる。これにより、フィン31の表面に広く広がった水分に対し、加熱空気の熱及び加熱空気により加熱されたフィン31の熱が伝熱され易くなる。その結果、除霜効果が更に高められ、フィン31からほとんどの水分が排出される(図6(c))。
これにより応用機器1では、除霜運転と再冷却運転とを繰り返し行っても、熱交換器3の表面に累積的に霜が堆積するのが防止される。よって、長期間にわたって応用機器1の優れた熱交換率が得られる。このため、応用機器1の全体での省電力性を向上できる。また、熱交換器3の表面に対する累積的な霜の堆積が防止されることにより、1回の除霜運転で除霜すべき除霜量を低減できる。これにより、除霜時間が短縮される。また、除霜のために必要な熱量が抑制されることで、除霜運転中における庫内温度の上昇も比較的抑制される。このため、冷蔵又は冷凍される庫内の対象物の温度上昇も抑制できる。また、除霜運転の頻度を低減できるため、前述の効果を更に高めることができる。また、除霜時に限って供給部材6から熱交換器3の表面に添加剤を供給することで、供給部材6の添加剤保持量を長期間維持できる。
以上説明したように、熱交換システム2及び応用機器1によれば、熱交換器3の表面に付着した水分により霜が生成した状態で、除霜機構4を駆動させた場合、除霜機構4による除霜時において、供給部材6から熱交換器3の表面に添加剤が供給される。熱交換器3の表面で霜が融解して生じた水分が添加剤と接触することで、水分の熱交換器3の表面に対する接触角が減少し、熱交換器3の表面の濡れ性が向上する。その結果、熱交換器3の表面からの水分の排出を促進し、除霜効果を向上できる。よって、熱交換器3の表面に霜が累積的に堆積するのを防止できると共に、除霜機構4の運転時間を短縮できる。また例えば、除霜機構4が除霜時のみにおいて供給部材6から熱交換器3の表面に添加剤を供給することで、長期にわたって供給部材6の添加剤の保持量を維持できる。結果として、熱交換器3の表面からの排水及び除霜を促進すると共に、長期間にわたり優れた熱交換効率が得られる。
また一例として、本実施形態の添加剤は、界面活性剤を含有する。これにより、熱交換器3の表面に付着した水分の接触角を良好に減少させ易くできる。また、添加剤として例えば既存の界面活性剤を利用することで、熱交換システム2の設計自由度を向上できる。
また一例として界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤を含有する。これにより、界面活性剤が水分中の電解質等の影響を受けにくくすることができ、界面活性剤による除霜効果を安定して得ることができる。また、前記混合液中の界面活性剤の濃度は、1ppm以上の範囲の値である。これにより、例えば界面活性剤の使用量を低減でき、長期間にわたって添加剤による効果を得ることができる。
また本実施形態では、除霜機構4は、除霜を行う際、熱交換器3の表面に付着した水分の融点以上の温度に熱交換器3の表面の温度を調整する。これにより、供給部材6から熱交換器3の表面に添加剤を供給すれば、速やかに添加剤による除霜効果を得ることができる。
また供給部材6は、添加剤を担持する複数の担持体60と、複数の担持体を分散させた状態で、添加剤を担持体から供給部材6の外部へ放出可能に支持する支持体61とを含む。
上記構成によれば、分散された複数の担持体60により添加剤を担持することで、各担持体60から熱交換器3の表面に付着した水分に対して広範囲に添加剤を供給し易くできる。また支持体61により、添加剤を複数の担持体60から供給部材6の外部へ放出可能に複数の担持体60を支持することで、担持体60を支持しながら、供給部材6から熱交換器3の表面に対して添加剤を安定して供給できる。
また一例として、担持体60は、多孔質の粒状物である。これにより、担持体60の孔内に豊富な添加剤を保持させて、供給部材6から熱交換器3の表面に対して添加剤を徐放させ、熱交換器3の表面に付着した水分に添加剤を熱交換システム2の駆動初期から長期間にわたり供給できる。
また添加剤は、一例として界面活性剤である。これにより、熱交換器3の表面に付着した水分の接触角を良好に減少させ易くできる。また、添加剤として例えば既存の界面活性剤を利用することで、熱交換システム2の設計自由度を向上できる。
また本実施形態の添加剤は、熱交換器3の表面に付着した水分に対して、溶解、分散、又は拡散する。これにより、熱交換器3の表面に付着した水分に対して、供給部材6から添加剤を迅速に行き渡らせることができる。
(変形例)
次に、第1実施形態の変形例に係る応用機器について説明する。本変形例に係る応用機器は、第1実施形態の応用機器1と同様の構成を有するが、更に、除霜時が開始される直前である除霜直前時において、供給部材6から熱交換器3の表面に添加剤が供給される。ここで言う除霜直前時は、適宜設定可能である。除霜直前時は、一例として、除霜開始時点よりも数秒、又は、数分早い時点から、除霜開始時点までの間を指す。
次に、第1実施形態の変形例に係る応用機器について説明する。本変形例に係る応用機器は、第1実施形態の応用機器1と同様の構成を有するが、更に、除霜時が開始される直前である除霜直前時において、供給部材6から熱交換器3の表面に添加剤が供給される。ここで言う除霜直前時は、適宜設定可能である。除霜直前時は、一例として、除霜開始時点よりも数秒、又は、数分早い時点から、除霜開始時点までの間を指す。
本変形例に係る応用機器によれば、応用機器1と同様の効果が奏される。更に、熱交換器3の表面に付着した水分に対し、添加剤をより十分に供給できる。その結果、熱交換器3の表面からの排水及び除霜を一層促進できると共に、長期間にわたってより優れた熱交換効率が得られる。なお、除霜直前時において供給部材6の添加剤を熱交換器3の表面に供給する際、除霜ヒーター13等の加熱装置を用いて供給部材6の周辺空気を温度上昇させ、供給部材6の添加剤を熱交換器3の表面に供給し易くしてもよい。以下、第2実施形態について、第1実施形態との差異を中心に説明する。
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係る応用機器101の模式図である。図7に示される本実施形態に係る応用機器101は、空調装置であり、熱交換システム102を備える。また応用機器101は、室内機120と室外機121とを備える。熱交換システム102は、室内空気と冷媒とを熱交換する室内側熱交換器103、外気と冷媒とを熱交換する室外側熱交換器106、室外側熱交換器106に添加される前記添加剤を保持する供給部材6、室外側熱交換器106を除霜する除霜機構104、及び、制御部105を備える。室内機120は、室内側熱交換器103を有する。室外機121は、室外側熱交換器106、供給部材6、除霜機構104、及び制御部105を有する。
図7は、第2実施形態に係る応用機器101の模式図である。図7に示される本実施形態に係る応用機器101は、空調装置であり、熱交換システム102を備える。また応用機器101は、室内機120と室外機121とを備える。熱交換システム102は、室内空気と冷媒とを熱交換する室内側熱交換器103、外気と冷媒とを熱交換する室外側熱交換器106、室外側熱交換器106に添加される前記添加剤を保持する供給部材6、室外側熱交換器106を除霜する除霜機構104、及び、制御部105を備える。室内機120は、室内側熱交換器103を有する。室外機121は、室外側熱交換器106、供給部材6、除霜機構104、及び制御部105を有する。
また熱交換システム102は、室外側熱交換器106の表面温度が、除霜機構104が除霜運転を開始する際の開始温度に達したか否かを検知する除霜温度検知部115を備える。また熱交換システム102は、室内側熱交換器103から排出される冷媒を減圧する減圧器107と、室外側熱交換器から排出される冷媒を加圧するコンプレッサー111とを有する。熱交換器103、106は、配管R1、R2により接続される。冷媒は、配管R1、R2を通じて、熱交換器103、106を循環する。制御部105は、除霜機構104を制御する。熱交換システム102では、除霜機構104による除霜時において、供給部材6から室外側熱交換器106の表面に添加剤が供給される。ここで除霜機構104は、一例として、コンプレッサー111と配管R1、R2とにより構成される。制御部105は、一時的に応用機器101を冷房運転することにより、熱交換器106を暖める。
一例として応用機器101は、室内を暖房する暖房装置である。応用機器101の暖房運転時には、例えば、室内側熱交換器103において、室内側熱交換器103の内部を流通する高温高圧状態のガス状の冷媒と、低温の室内空気とが熱交換される。これにより、室内空気が暖められる。冷媒は、室内側熱交換器103から液体状となって排出され、配管R2を通じて室外機に送られる。冷媒は、室外機において、減圧器107により減圧され、室外側熱交換器106に送られる。冷媒は、室内側熱交換器において、外気との熱交換によりガス状となる。この熱交換により、室外側冷却器の表面温度が低下する。室外側熱交換器から排出されたガス状の冷媒は、コンプレッサー111により圧縮されて高温高圧状態となり、配管R1を通じて室内機120に送られる。その後、当該冷媒は、再び室内の暖房に用いられる。
ここで、冷媒により冷却された室外側熱交換器106の表面が、水分を含有する外気に触れることで、室外側熱交換器106の表面に水分が付着する。応用機器101の暖房運転時には、室外側熱交換器106は、外気と冷媒とを熱交換させることにより冷却される。これにより、熱交換器106の表面に付着した水分は氷結する。この氷結した水分が累積的に付着することで、熱交換器106の表面に霜が付着する。
また、応用機器1が寒冷地において使用される場合、外気に氷雪が含まれることがある。この場合、室外側熱交換器106の表面には、この氷雪が付着する場合がある。応用機器1では、氷雪が付着することでも熱交換器106の表面に霜が付着する。
本実施形態の応用機器101の暖房運転時において、熱交換器106の表面の霜の付着量が増大し、除霜温度検知部115の検知信号により、除霜温度検知部115の検知温度が閾値を超えたと制御部105が判定すると、制御部105は、制御部5と同様に除霜運転を開始させるように除霜機構104を制御する。除霜機構104は、応用機器101が一時的に冷房運転されることにより、熱交換器106を暖める。これにより、熱交換器106に付着していた霜が融解する。また、供給部材6に付着していた霜が融解する。その結果、供給部材6から熱交換器106の表面に添加剤が供給される。
従って、熱交換システム102及び応用機器101においても、熱交換システム2及び応用機器1と同様の効果が得られる。即ち、室外側熱交換器106の表面に付着した水分により霜が生成した状態で、除霜機構104を駆動させた場合、除霜機構104による除霜時において、供給部材6から室外側熱交換器106の表面に添加剤が供給される。これにより、室外側熱交換器106の表面で霜が融解して生じた水分の室外側熱交換器106の表面に対する接触角が減少し、室外側熱交換器106の表面の濡れ性が向上する。その結果、室外側熱交換器106の表面からの水分の排出が促進され、除霜効果を向上できる。よって、室外側熱交換器106の表面に霜が累積的に堆積するのを防止できると共に、除霜機構104の運転時間を短縮できる。また除霜機構104が除霜時のみにおいて供給部材6から室外側熱交換器106の表面に添加剤を供給することで、長期にわたって供給部材6の添加剤の保持量を維持できる。その結果、熱交換システム102及び応用機器101において、室外側熱交換器106の表面からの排水及び除霜を促進できると共に、長期間にわたり優れた熱交換効率が得られる。
なお、暖房装置として駆動される応用機器101は、冷媒を使用する形式に限定されない。応用機器101は、例えば、ヒートポンプ式の給湯器、ヒートポンプ式の温水暖房装置、給湯による温水暖房装置、及び、電気自動車(EV)専用のヒートポンプ式暖房装置等であってもよい。
(確認試験)
次に、本開示についての確認試験とその結果について以下に説明するが、本開示は以下の実施例の構成に限定されない。本実験で用いる添加剤の原液は、界面活性剤のみを含有する。また、以下に記載する「添加剤の溶出濃度」とは、前記混合液中の界面活性剤の濃度を指す。言い換えると、「添加剤の溶出濃度」とは、供給部材6から熱交換器3の表面に供給される添加剤を原液とし、この原液が熱交換器3の表面に付着した水分により希釈されたときの界面活性剤の希釈濃度を指す。
次に、本開示についての確認試験とその結果について以下に説明するが、本開示は以下の実施例の構成に限定されない。本実験で用いる添加剤の原液は、界面活性剤のみを含有する。また、以下に記載する「添加剤の溶出濃度」とは、前記混合液中の界面活性剤の濃度を指す。言い換えると、「添加剤の溶出濃度」とは、供給部材6から熱交換器3の表面に供給される添加剤を原液とし、この原液が熱交換器3の表面に付着した水分により希釈されたときの界面活性剤の希釈濃度を指す。
[試験1]
第1実施形態に係る冷凍装置である応用機器1を実施例1及び2として準備した。実施例1及び2では、それぞれ、長手が水平方向に延びる6本の供給部材6を熱交換器3に対して配置した。供給部材6の構成は、以下の通りに設定した。実施例1及び2は、同様の構成及び実験条件とした。
形状:直径8mm、長さ寸法14.7mmの円柱状
重量:約7g/本
第1実施形態に係る冷凍装置である応用機器1を実施例1及び2として準備した。実施例1及び2では、それぞれ、長手が水平方向に延びる6本の供給部材6を熱交換器3に対して配置した。供給部材6の構成は、以下の通りに設定した。実施例1及び2は、同様の構成及び実験条件とした。
形状:直径8mm、長さ寸法14.7mmの円柱状
重量:約7g/本
また、供給部材6を備えないこと以外は実施例1及び2と同様の応用機器を比較例1として準備した。実施例1及び2及び比較例の各応用機器の元となる構成として、パナソニック(株)製冷蔵庫「NRーF606WPX」を用いた。そして実施例1及び2及び比較例1の各応用機器を、空調温度25℃設定、湿度制御なし(約20~60RH%)の試験室内に載置した。水200gを含んだ紙製ウエス(日本製紙クラシア(株)製「キムタオル」)を載置したバットを、庫内スペースS1~S4に合計5セット配置し、庫内スペースS1~S4及び熱交換器周辺の空気が水分を含有するように設定して、各応用機器に水分負荷を掛けた。実施例1及び2では、界面活性剤としてノニオン系界面活性剤を使用し、添加剤の溶出濃度を、0ppm以上400ppm以下の範囲で変化させた。冷却運転時間が13時間に達する毎に除霜運転を開始し、除霜運転中に熱交換システムの配管温度が10℃に達したときに除霜運転を終了すると共に、除霜運転後に再冷却運転を開始するように各応用機器を設定した。
また、本実験で用いる界面活性剤は、有機物である。このため、添加剤の溶出濃度を以下の方法で算出した。まず、除霜運転により生じる霜が融解した水と添加剤とを含有するドレン水を回収し、ドレン水中の全有機体炭素(TOC)を測定した。このTOCの測定値(ppm)を、今回使用した界面活性剤の検量線を用いて濃度(ppm)に変換した。なお、この算出方法では、使用した界面活性剤の化学構造(分子量や炭素数)が既知の界面活性剤のものと近い場合、既知の界面活性剤の検量線を近似的に使用できる。この測定結果を図8に示す。
図8は、試験1の試験結果における添加剤の溶出濃度と除霜時間との関係を示すグラフである。図8中の添加剤の溶出濃度と除霜時間は、応用機器を3回除霜運転したときの平均値をそれぞれ示す。図8に示すように、比較例1の除霜時間は約35分であったのに対し、実施例1及び2の除霜時間は、比較例1よりも10分以上まで短縮されることが確認された。また実施例1及び2において、添加剤の溶出濃度が2ppmと極めて低い濃度であっても、比較例1よりも明確に除霜時間が短縮されることが確認された。また実施例1及び2において、添加剤の溶出濃度が約10ppmまで増大すれば、除霜時間が比較例1よりも10分近くまで短縮されることが確認された。
図9は、試験2の試験結果における添加剤の溶出濃度と再冷却時間との関係を示すグラフである。図9に示すように、比較例1の再冷却時間は約68分であったのに対し、実施例1及び2では、比較例1よりも再冷却時間が20分以上まで短縮されることが確認された。また、実施例1及び2の再冷却時間は、図8に示す除霜時間と同様に、添加剤の溶出濃度が2ppmと極めて低い濃度であっても、比較例1よりも明確に短縮されることが確認された。また実施例1及び2では、添加剤の溶出濃度が約10ppmまで増大すれば、再冷却時間が比較例1よりも20分近くまで短縮されることが確認された。
[試験2]
次に、熱交換器のフィンに添加剤を付着させた場合の添加剤の溶出濃度と、表面を鉛直方向と平行に配置させたフィンに水滴を付着させた場合に表面から転落可能となる水滴サイズとの関係を調べた。本試験では、平滑な表面を有するアルミニウム製の金属板の試験片をフィンに見立てて使用した。この試験結果を図10に示す。図10は、試験2の試験結果における添加剤の溶出濃度と転落液滴サイズとの関係を示すグラフである。図10に示すように、添加剤の溶出濃度が0ppmであれば、転落液滴サイズが約36.4μl程度であるのに対し、添加剤の溶出濃度が数ppm程度になれば、転落液滴サイズが12μl程度まで急速に低下する。その後、添加剤の溶出濃度が1000ppmとなるまでの範囲では、転落液滴サイズが約5.0μl程度まで低下することが確認された。
次に、熱交換器のフィンに添加剤を付着させた場合の添加剤の溶出濃度と、表面を鉛直方向と平行に配置させたフィンに水滴を付着させた場合に表面から転落可能となる水滴サイズとの関係を調べた。本試験では、平滑な表面を有するアルミニウム製の金属板の試験片をフィンに見立てて使用した。この試験結果を図10に示す。図10は、試験2の試験結果における添加剤の溶出濃度と転落液滴サイズとの関係を示すグラフである。図10に示すように、添加剤の溶出濃度が0ppmであれば、転落液滴サイズが約36.4μl程度であるのに対し、添加剤の溶出濃度が数ppm程度になれば、転落液滴サイズが12μl程度まで急速に低下する。その後、添加剤の溶出濃度が1000ppmとなるまでの範囲では、転落液滴サイズが約5.0μl程度まで低下することが確認された。
また、熱交換器のフィンに添加剤を付着させた場合の添加剤の溶出濃度と、表面を鉛直方向と平行に配置させたフィンに水滴を付着させた場合にフィンの下端若しくは端部から落下可能となる水滴サイズとの関係を調べた。本試験でも、平滑な表面を有するアルミニウム製の金属板の試験片をフィンに見立てて使用した。この結果を図11に示す。図11は、試験2の試験結果における添加剤の溶出濃度と落水液滴サイズとの関係を示すグラフである。図11に示すように、添加剤の溶出濃度が0ppmであれば、落下液滴サイズが約11.3μl程度であるのに対し、添加剤の溶出濃度が数ppm程度になれば、転落液滴サイズが急速に低下する。その後、添加剤の溶出濃度が1000ppmとなるまでの範囲では、転落液滴サイズが約5.2μl程度まで低下することが確認された。
図10及び図11のような結果が得られた理由としては、フィンの表面上の水分が界面活性剤により改質されることで、水分の表面張力が低下し、液滴が容易に転落及び落下し易くなるためであると考えられる。また応用機器においては、水が親水化される効果により、フィンの表面上の液滴間距離が近くなる。このため、複数の液滴が容易に結合して液滴が成長することで、更に排水性が向上するためであると考えられる。このことは、除霜の効果向上に寄与することに加え、例えば応用機器の除霜運転後の再冷却運転時間の短縮に寄与する。
また、フィンの表面に残留した添加剤或いは添加剤を含む水分が氷結している場合でも、添加剤の溶出濃度が少なくとも数ppm程度であれば、良好な除霜効果が得られる。この理由として、フィンの表面上の水分が界面活性剤により改質されることで、水分がフィンの表面に広く広がり、除霜時に用いられる加熱空気や、加熱空気により加熱されたフィンから、フィンの表面上の水分に対して熱を伝わり易くなることが考えられる。このことは、除霜時間の短縮に寄与する。
[除霜運転前の熱交換器の様子について]
ここで図12は、試験1の試験結果における添加剤添加なしの熱交換器の様子を示す写真である。図13は、試験1の試験結果における添加剤添加後(添加剤の溶出濃度が2ppmの場合)の熱交換器の様子を示す写真である。図14は、試験1の試験結果における添加剤添加後(添加剤の溶出濃度が6ppmの場合)の熱交換器の様子を示す写真である。図15は、試験1の試験結果における添加剤添加後(添加剤の溶出濃度が330ppmの場合)の熱交換器の様子を示す写真である。図12~図15は、応用機器の運転開始後、15回目の除霜運転を行う直前の熱交換器の様子を示す。
ここで図12は、試験1の試験結果における添加剤添加なしの熱交換器の様子を示す写真である。図13は、試験1の試験結果における添加剤添加後(添加剤の溶出濃度が2ppmの場合)の熱交換器の様子を示す写真である。図14は、試験1の試験結果における添加剤添加後(添加剤の溶出濃度が6ppmの場合)の熱交換器の様子を示す写真である。図15は、試験1の試験結果における添加剤添加後(添加剤の溶出濃度が330ppmの場合)の熱交換器の様子を示す写真である。図12~図15は、応用機器の運転開始後、15回目の除霜運転を行う直前の熱交換器の様子を示す。
図12に示される比較例では、フィンの表面に相当量の水滴状の霜が残留し、霜が累積的に堆積することが分かった。また比較例では、フィンの下側において、霜の大きな塊が局所的に形成されることが確認された。これに対して図13~図15に示される実施例では、比較例のような霜や霜の塊は確認されなかった。また、界面活性剤が高濃度になるにつれて、フィンの表面に付着する微小な水滴の氷が減少することが確認された。
このように実施例の除霜効果が高い理由としては、供給部材6により供給される添加剤により、フィン31に付着した水分が改質されることが考えられる。即ち実施例では、フィン31に付着した水分が添加剤と接触することで改質され、水分がフィン31から転落して排水(液切れ)が促進される。これに対して比較例は、水分が添加剤により改質されていないため、除霜前後にわたって、フィンの表面に水分が比較的付着し易い状態になっていたものと考えられる。
[試験3]
次に、熱交換器のフィンに界面活性剤を含有しない水を付着させた場合と、熱交換器のフィンに界面活性剤を含有する水を付着させた場合とで、フィンの表面に付着する水分の付着状況を調べた。本試験では、平滑な表面を有するアルミニウム製の金属板の試験片をフィンに見立てて使用した。図16は、試験3の試験結果における試験片(界面活性剤を含有しない水使用)の水分の付着状況を示すグラフである。図17は、試験3の試験結果における界面活性剤添加後の試験片(界面活性剤を1ppm含有する水使用)の水分の付着状況を示すグラフである。図18は、試験4の試験結果における界面活性剤添加後の試験片(界面活性剤を2ppm含有する水使用)の水分の付着状況を示すグラフである。図19は、試験4の試験結果における界面活性剤添加後の試験片(界面活性剤を5ppm含有する水使用)の水分の付着状況を示すグラフである。図17~図19中の矢印は、試験片に付着した水膜の上端位置を示す。
次に、熱交換器のフィンに界面活性剤を含有しない水を付着させた場合と、熱交換器のフィンに界面活性剤を含有する水を付着させた場合とで、フィンの表面に付着する水分の付着状況を調べた。本試験では、平滑な表面を有するアルミニウム製の金属板の試験片をフィンに見立てて使用した。図16は、試験3の試験結果における試験片(界面活性剤を含有しない水使用)の水分の付着状況を示すグラフである。図17は、試験3の試験結果における界面活性剤添加後の試験片(界面活性剤を1ppm含有する水使用)の水分の付着状況を示すグラフである。図18は、試験4の試験結果における界面活性剤添加後の試験片(界面活性剤を2ppm含有する水使用)の水分の付着状況を示すグラフである。図19は、試験4の試験結果における界面活性剤添加後の試験片(界面活性剤を5ppm含有する水使用)の水分の付着状況を示すグラフである。図17~図19中の矢印は、試験片に付着した水膜の上端位置を示す。
図16に示される比較例では、試験片の表面に大きな水滴状の水分が付着し、水分がフィンの表面に広がりにくいことが分かった。これに対して図13~図15に示される実施例では、比較例のような大きな水滴の水分は確認されなかった。また、界面活性剤が高濃度になるにつれて、試験片の表面に薄い水膜が広がり易くなることが確認された。
このように実施例の試験片の表面に薄い水膜が広がり易くなる理由としては、供給部材により供給される添加剤により、試験片に付着した水分が改質されて親水効果が向上したことが考えられる。即ち実施例では、試験片に付着した水分が添加剤と接触することで改質され、試験片の表面に対する接触角が小さくなる。これにより、除霜時に用いられる加熱空気や、加熱空気により加熱された試験片から、フィンの表面上の水分に対して熱を伝わり易くなり、除霜時間の短縮が図り易くなることが考えられる。これに対して比較例は、水分が添加剤により改質されていないため、試験片の表面に対する接触角が大きく、大きな水滴状の水分が付着し易い状態になっていたものと考えられる。
本開示は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、その構成及び方法を変更、追加、又は削除できる。供給部材6により供給される添加剤は、複数の成分を含有していてもよい。添加剤が複数の成分を含有する場合、添加剤は、例えば、熱交換器の表面に対する水分の接触角を減少させる機能を有する第1成分と、前記接触角を減少させるように第1成分の機能を活性化させる第2成分とを含んでいてもよい。
また供給部材6は、熱交換器の表面に付着した水分に添加剤を供給可能に配置されていればよい。このため、例えば供給部材6と熱交換器の表面とは離隔して配置されていてもよい。この場合、熱交換器の表面に付着した水分に対し、供給部材6の添加剤が滴下されてもよいし、供給部材6とは別個の部材を介して添加剤が供給されてもよい。
応用機器1、101は、自動により除霜運転を開始する構成に限定されず、例えば、ユーザの指示により除霜運転を開始する構成であってもよい。この場合、応用機器1の有する入力部に対して、除霜運転指示の入力がユーザによりなされると、制御部5は、除霜運転を開始させるように除霜機構4を制御してもよい。また熱交換システム102は、室内機120において、室内側熱交換器103の表面に付着した水分の前記表面に対する接触角を減少させる添加剤を保持する供給部材6を備えていてよい。
1、101 応用機器
2、102 熱交換システム
3、 熱交換器
4、104 除霜機構
6 供給部材
60 担持体
61 支持体
103 室内側熱交換器(熱交換器)
106 室外側熱交換器(熱交換器)
121 室外機
2、102 熱交換システム
3、 熱交換器
4、104 除霜機構
6 供給部材
60 担持体
61 支持体
103 室内側熱交換器(熱交換器)
106 室外側熱交換器(熱交換器)
121 室外機
Claims (12)
- 水分を含有する空気と接触し、内部を流通する冷媒と前記空気とを熱交換して前記空気を冷却する熱交換器と、
前記熱交換器の表面に付着した前記水分の前記表面に対する接触角を減少させる添加剤を保持する供給部材と、
前記表面に付着した前記水分により生成する霜を除霜する除霜機構と、を備え、
前記除霜機構による除霜時において、前記供給部材から前記熱交換器の前記表面に前記添加剤が供給される、熱交換システム。 - 更に、前記除霜時が開始される直前である除霜直前時において、前記供給部材から前記熱交換器の前記表面に前記添加剤が供給される、請求項1に記載の熱交換システム。
- 前記添加剤は、界面活性剤を含有する、請求項1又は2に記載の熱交換システム。
- 前記界面活性剤は、ノニオン系界面活性剤を含有する、請求項3に記載の熱交換システム。
- 前記供給部材から前記熱交換器の前記表面に供給された前記添加剤と、前記熱交換器の前記表面に付着した前記水分との混合液中の前記界面活性剤の濃度が、1ppm以上の範囲の値である、請求項3又は4に記載の熱交換システム。
- 前記除霜機構は、前記除霜を行う際、前記表面に付着した水分の融点以上の温度に前記表面の温度を調整する、請求項1~5のいずれか1項に記載の熱交換システム。
- 前記供給部材は、前記添加剤を担持する複数の担持体と、前記複数の担持体を分散させた状態で、前記添加剤を前記担持体から前記供給部材の外部へ放出可能に支持する支持体とを含有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の熱交換システム。
- 前記担持体は、多孔質の粒状物である、請求項7に記載の熱交換システム。
- 前記添加剤は、前記熱交換器の前記表面に付着した水分に対して、溶解、分散、又は拡散する、請求項1~8のいずれか1項に記載する熱交換システム。
- 請求項1~9のいずれかに記載の熱交換システムを備える、応用機器。
- 対象物を冷蔵又は冷凍する冷凍装置である、請求項10に記載の応用機器。
- 室外機を備える空調装置であり、
前記熱交換器、前記供給部材、及び前記除霜機構が、前記室外機に配置されている、請求項10に記載の応用機器。
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PCT/JP2022/042485 WO2023135924A1 (ja) | 2022-01-13 | 2022-11-16 | 熱交換システム及びこれを備える応用機器 |
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JP2022003553A JP2023102851A (ja) | 2022-01-13 | 2022-01-13 | 熱交換システム及びこれを備える応用機器 |
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JP2022003553A Pending JP2023102851A (ja) | 2022-01-13 | 2022-01-13 | 熱交換システム及びこれを備える応用機器 |
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2022
- 2022-01-13 JP JP2022003553A patent/JP2023102851A/ja active Pending
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WO2023135924A1 (ja) | 2023-07-20 |
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