JP2023102454A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技者に対する過剰な賞球付与を抑止しつつ、遊技者が好適に遊技を行うことができる遊技機を提供する。【解決手段】パチンコ遊技機1は、枠制御用マイコン151の制御により、賞球の付与に基づいて変化する遊技球数である最大差球数を算出し、この最大差球数を差球数記憶部172に記憶する。遊技制御用マイコン61は、最大差球数が予め定めた基準数に達したことを契機として、遊技不能状態に移行させると共に、大当たり遊技状態中に最大差球数が基準数に達した場合にはその大当たり遊技状態が終了するまで遊技不能状態への移行を遅延させる。演出制御用マイコン101は、次に大当たり判定が当たりの判定結果となるまで継続する高ベース状態中に、大当たり遊技状態となるまで最大差球数の増加を抑制可能な遊技のしかたを促す報知の実行を制御する。【選択図】図42

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
遊技機としては例えば、遊技球(パチンコ球)を用いて遊技を行うパチンコ遊技機が知られている。このパチンコ遊技機は、機内部に配置されている遊技盤の前面側に遊技領域が形成されており、遊技領域には複数種類の入球口が点在している。またパチンコ遊技機は、遊技球が入球口に入球した場合に、その入球口の種類に応じた賞球を付与するように構成されている。つまり、パチンコ遊技機の遊技では、遊技者による操作に応じて遊技領域に導かれた遊技球がその遊技領域を流下する過程で複数種類の入球口の何れかに入球したり、またはどの入球口にも入球せず遊技領域を流下し終えたりすることで遊技者が獲得できる賞球数が変化し、その変化に一喜一憂させる(例えば、特許文献1)。
特開2016-5605号公報
パチンコ遊技機では例えば、大当たり遊技状態等の遊技者に有利な状態が設けられており、遊技者は大当たり遊技状態中、多数の賞球を比較的簡単に獲得できる。しかし、遊技者の利益が過剰に多くなることは、遊技者の射幸心を煽ることになるため好ましくない。そこで近年、遊技によって得られる1日当たりの利益に上限を設け、利益が上限に達すると遊技が不能な状態に制御することが検討されている。しかしながら、そのような仕様のパチンコ遊技機を実際の遊技店で採用するにあたっては種々の問題が生じ得る。
例えば、利益の上限到達により大当たり遊技状態が中断されたり付与されなかったりすると、遊技者の不満や不信感を招く結果となる。
本発明は、従来における問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技者に対する過剰な利益供給を抑止しつつ、遊技者が好適に遊技を行うことができる遊技機を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、遊技球が流下可能な遊技領域に設けられて遊技球が入球可能な複数種類の入球口と、前記入球口の一種である契機口への入球を契機として当たり判定を実行する当たり判定手段と、前記当たり判定が当たりの判定結果となった場合に前記入球口の一種である特別入球口への入球が可能な当たり遊技状態を生じさせる生起手段と、前記入球口への入球を契機として賞球の付与を決定する賞球付与決定手段とを備えると共に、演出の実行を制御する演出制御手段を備えた遊技機であって、前記賞球の付与に基づいて変化する特定球数を算出する算出手段と、前記特定球数を記憶する記憶手段と、前記特定球数が予め定められた基準数に達したことを契機として遊技不能状態に移行させると共に、前記当たり遊技状態中に前記特定球数が前記基準数に達した場合にはその当たり遊技状態が終了するまで前記遊技不能状態への移行を遅延させる遊技不能化手段とを備え、前記演出制御手段は、遊技者の持ち球の減少を抑制または回避し得る状態を次の前記当たり遊技状態の開始まで継続し得ることが決定されている場合の所定期間に、前記特定球数の増加を抑制可能な遊技のしかたを促す報知の実行を制御することを特徴とする。
これによれば、当たり遊技状態中に特定球数が基準数に達した場合には、その当たり遊技状態の終了まで遊技不能化が遅延され、その当たり遊技状態中の出球を獲得し得る。これに対し、遊技者による持ち球の減少を抑制または回避し得る状態を次の当たり遊技状態の開始までに継続し得ることが決定されている場合の所定期間に、特定球数が基準数に達するタイミングが次の当たり遊技遊技状態の発生後となるように、特定球数の増加を抑制する遊技のしかたを促す報知が行われることで、遊技者は、次の大当たり遊技状態の開始後に特定球数が基準数に達するように遊技を行うことができる。結果的に多くの遊技球を獲得できる可能性を高め得る。
前記構成を有する本発明に係る遊技機によれば、遊技者に対する過剰な賞球付与を抑止しつつ、遊技者に対し好適に遊技を行わせることができる。
実施形態1におけるパチンコ遊技機の正面図である。 遊技時間の経過と差球数の変化との関係の一例を示す線グラフである。 パチンコ遊技機の球循環機構についての概略構成図である。 パチンコ遊技機に設けられた主制御基板および周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。 パチンコ遊技機に設けられたサブ制御基板および周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。 確率設定テーブルの説明図である。 当たり種別判定テーブルの説明図である。 特図変動パターン選択テーブルの説明図である。 メイン側主制御処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割込処理のフローチャートである。 図柄用センサ検出処理のフローチャートである。 普通動作処理のフローチャートである。 特別動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図大当たり判定処理のフローチャートである。 特図変動パターン選択処理のフローチャートである。 図15の続きのフローチャートである。 特別図柄変動中処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 遊技状態管理処理のフローチャートである。 設定リセット処理のフローチャートである。 特別電動役物処理のフローチャートである。 遊技状態設定処理のフローチャートである。 サブ側主制御処理のフローチャートである。 受信割込処理のフローチャートである。 1msタイマ割込処理のフローチャートである。 10msタイマ割込処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 予め定めた特定差球数(指標数、基準数)とそれを用いた判定の内容とに関する説明図である。 (a)は、遊技不能報知における開始から所定時間が経過するまでの態様の一例であり、左側に演出表示装置の画面表示内容を示すと共に、右側にはパチンコ遊技機のトップランプおよびスピーカの位置に合わせて発光色や出力する音の態様を文字により示している。(b)は、(a)の態様による遊技不能報知の開始から所定時間が経過した後の態様の一例である。 (a)は、枠制御用マイコンにより実行される差球数特定処理のフローチャートであり、(b)は、(a)の差球数特定処理におけるS502に関する説明図である。 遊技制御用マイコンにより実行される差球関連処理のフローチャートである。 遊技制御用マイコンにより実行される(遊技不能状態からの)状態復帰処理のフローチャートである。 演出制御用マイコンにより実行される差球情報処理のフローチャートである。 (a)は、ハズレ示唆演出選択テーブルの説明図であり、(b)は、当たり示唆演出選択テーブルの説明図である。 (a)は、第1の示唆演出の一例(左側が第1の通常示唆演出、右側が第1の特定示唆演出)であり、(b)は、第2の示唆演出の一例(左側が第2の通常示唆演出、右側が第2の特定示唆演出)であり、(c)は、第3の示唆演出の一例(左側が第3の通常示唆演出、右側が第3の特定示唆演出)である。なお、第3の示唆演出については、その態様(発光色・音)を表す文字をパチンコ遊技機の正面図に付加することで示してある。 (a)は、シナリオ演出の演出内容に関する説明図であり、(b)は、10R大当たり中における通常シナリオ演出の場面変化のタイミングに関する説明図であり、(c)は、特殊シナリオ演出での連打攻撃の演出態様の一例である。 演出制御マイコンにより実行される大当たり演出関連処理のフローチャートである。 実施形態2における差球関連処理のフローチャートである。 実施形態3における差球関連処理のフローチャートである。 実施形態3における先読み演出判定処理のフローチャートである。 実施形態3における打ち方報知の態様の一例である。 実施形態3における打ち方報知処理のフローチャートである。 実施形態4における警告報知の態様の一例であり、(a)は、営業時間中かつ遊技可能状態において特定差球数のカウントをリセットする操作が行われた時、(b)は、営業時間中かつ遊技不能状態において特定差球数のカウントをリセットする操作が行われた時、の演出表示装置の画面での表示態様を示している。 実施形態4における差球数特定処理のフローチャートである。 実施形態4における状態復帰処理のフローチャートである。 実施形態5における差球数特定処理のフローチャートである。
本発明の実施形態に係る遊技機について図を参照しつつ説明する。以下の説明では、本発明の実施形態に係る遊技機として、遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うパチンコ遊技機を例に挙げる。なお、パチンコ遊技機の各部について方向や位置関係を説明する場合は、このパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た状態での「左」「右」および「上」「下」を基準とする。また、遊技者から見て近い側(手前側)を「前」とし、遠い側(奥側)を「後」とする。
[実施形態1]
(パチンコ遊技機の主要構成)
図1Aに示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠を備える。遊技機枠は、後述する遊技盤2を保持する内枠16(図2参照)と、この内枠16の前面を覆う扉状の前面枠18とを少なくとも含むように構成され、矩形枠状の外枠Wを介して遊技店内の設置島(図示せず)に設置される。前面枠18は、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bと、トップランプ23cとを備え、これらで囲まれる内側に窓18aが形成されている。この窓18aは、遊技盤2の盤面(前面)に形成される遊技領域3を視認可能とする開口であり、この窓18aを塞ぐようにガラス板が設けられるが、図1では省略している。また、前面枠18の左右の上端部(トップランプ23cを挟む左右両側)に、音楽、効果音および報知音等の音を演出内容に応じて出力する音出力手段としてのスピーカ8が夫々設けられている。
前面枠18は、左サイドランプ23aおよび右サイドランプ23bを構成する両側部が透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。
また、トップランプ23cは、内部(図示せず)にLEDおよび回転リフレクタを有する回転灯を構成している。LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容や報知内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。回転リフレクタは、可動体モータ23d(図4)の駆動に応じてLEDの周囲で回転し、LEDの光の反射方向を変化させる。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、機内部に封入された遊技球を後述する球循環機構30(図2)により循環させて使用する、所謂「スマートパチンコ」である(「管理遊技機」または「封入式パチンコ機」とも言う)。このタイプの遊技機では、遊技者による「持ち球数」等を電磁的に記憶・管理するようになっており、遊技球の物理的な払い出しを行わない。つまり、パチンコ遊技機1は、遊技者による球貸し操作が行われると、その遊技者に貸し出す分の遊技球数をデータ上で持ち球数に加算し、記憶する。遊技球が遊技に使われる(発射される)と、その分の遊技球数を持ち球数から減算し、記憶する。また、遊技者による遊技に伴って賞球が付与される場合も同様に、その賞球分の遊技球数をデータ上で持ち球数に加算し、記憶する。この持ち球数のカウント値(記憶値)が0個の場合は、遊技者が遊技に用いる遊技球を所有していない状態であり、遊技者は遊技を行うことができない。このようにパチンコ遊技機1は、遊技者が直接的に遊技球を取り扱う必要がないため、遊技球を出し入れ可能に貯留する球受け皿を備えておらず、その代わりに、操作台25(図1A)が前面枠18の下部に位置するように配置されている。
操作台25は、前面枠18の下部から前方に張り出した形状で、つまり遊技者側に接近するように設けられている。この操作台25には、ハンドル4と、演出ボタン5と、演出レバー6と、球貸ボタン251と、返却ボタン252と、遊技球数表示器26とが設けられている。
ハンドル4は、操作台25の右側部(前面枠18のうち右下)、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図3)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、発射装置90(打撃槌90a)による遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
前面枠18のハンドル4の上側には、内枠16および前面枠18を施錠する施錠装置(不図示)を操作するための鍵挿入部262が設けられている。この鍵挿入部262に所定の鍵263を挿入して所定方向、例えば、右方向に回せば、施錠装置のロック状態が解除されて前面枠18のみが開く。一方、鍵挿入部262に鍵263を挿入して所定方向に対して反対側方向、例えば、左方向に回せば、施錠装置のロック状態が解除されて内枠16および前面枠18が一体的に開く。
球貸ボタン251および返却ボタン252は、前面枠18のうち操作台25の上面に設けられている。なお、遊技店において、パチンコ遊技機1の側方(左側)には縦長の貸出ユニット76(図3)が配置されており、この貸出ユニット76はパチンコ遊技機1と電気的に接続されている。具体的な構造については図示省略するが、貸出ユニット76は、紙幣を投入する投入口や、金額情報を記憶するICカード等の記憶媒体を読み込み可能に挿入する挿入口を備えており、投入された紙幣に相当する金額情報または記憶媒体に記憶される金額情報をパチンコ遊技機1(より具体的には、後述する枠制御基板150)に出力する。ここで、パチンコ遊技機1は、貸出ユニット76で管理する金額情報を入力し、その金額情報に応じた個数までの遊技球の貸し出しを受け付ける。例えば、金額情報が1000円である場合、その1000円に対応する遊技球数の範囲で(例えば250個までの範囲で)遊技球の貸し出しが許容される。例えば遊技者が球貸ボタン251を操作して500円分の遊技球の貸し出しを要求すると、パチンコ遊技機1は、その500円分に相当する数の遊技球(例えば125個)を貸球(データ)として付与する。具体的には、貸球数(125個)を遊技者による持ち球数(データ)に加算する。一方で、遊技者が返却ボタン252を操作すると、パチンコ遊技機1は貸出ユニット76に向けて遊技終了情報を出力すると共に、記憶している持ち球数(データ)の記憶値をリセットする。パチンコ遊技機1からの遊技終了情報を入力した貸出ユニット76は、その時点での残り金額に相当する金額情報が記憶された記憶媒体についての当該ユニット内での保持を解除し、その記憶媒体の一部を挿入口から露出して持ち出し可能とする。
演出ボタン5は、操作台25の上面に設けられている。換言すると、演出ボタン5は、遊技者が右手または左手で押下操作可能な位置であり、かつ、ハンドル4を右手で操作している遊技者が左手を使って押下操作可能な位置に設けられている。演出ボタン5は、例えばプッシュオン式のボタンスイッチを採用することができる。演出ボタン5には、演出ボタン振動モータ5b(図4)と、演出ボタンランプ5c(図4)とが内蔵されている。演出ボタン振動モータ5bは、演出ボタン5を振動させるものであり、演出ボタン5の押下操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタンランプ5cはLEDである。演出ボタンランプ5cは、演出ボタン5の押下操作が有効な期間に演出ボタン5が押下操作されたときに点灯または点滅する。演出ボタン5の表面は透光性材料によって形成されており、演出ボタンランプ5cが発した光を遊技者が視認できるように工夫されている。演出ボタン5には、押下操作された演出ボタン5を押下操作前の位置に復帰させるためのバネ等の弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン5は、押下操作状態が解除されると、弾性部材の復元力によって押下操作前の状態に復帰する。遊技者が、演出ボタン5の押下操作が有効な期間に演出ボタン5を押下操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出ボタン5の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
演出レバー6は、操作台25の左下部、つまり、前面枠18のうち下側の左端寄りに設けられている。換言すると、演出レバー6は、ハンドル4または演出ボタン5を右手で操作している遊技者が左手を使って押下操作可能な位置に設けられている。演出レバー6は、左手で把持できる形状とされており、右回転または左回転の回転操作の他、上下左右の4方向に傾倒操作可能としている。更に、演出レバー6の天面部には、プッシュ式の押しボタン(レバーボタン)が設けられている。また、演出レバー6には、演出レバー振動モータ6c(図4)が設けられている。演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させるものであり、演出レバー6の操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。遊技者が、演出レバー6の操作が有効な期間に演出レバー6を操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。
遊技球数表示器26は、操作台25の上面(演出ボタン5の右方)に、表示面が水平またはやや前下がりの角度となるように設けられている。つまり、遊技球数表示器26の表示面は、遊技者の顔が位置する側を向いており、遊技者が視線を下げた際に見易くなっている。この遊技球数表示器26には、遊技者が所有する遊技球数に相当する前述した「持ち球数」と、パチンコ遊技機1での遊技による獲得球数(正数)から消費球数(正数)を減算した遊技球数に相当する「差球数」に関する複数種類の遊技球数(後述)とが表示される。なお、「差球数」に関する遊技球数のうち特定差球数(後述)については、演出表示装置7の画面上(後述する差球数表示領域7S)でも表示するようになっている。
持ち球数は、球貸し操作に応じて貸し出された遊技球数である貸球数と、遊技に応じた賞球として付与された遊技球数である獲得球数と、前述した消費球数との関係で、「貸球数+獲得球数-消費球数」の計算式により算出される球数である。この持ち球数は前述したように、遊技者が遊技を終える際、すなわち返却ボタン252が操作されたことに応じてリセットされる。一方で、差球数は、パチンコ遊技機1における稼働開始から稼働終了までの間に行われる遊技による獲得球数の総数および消費球数の総数の関係で、「獲得球数-消費球数」の計算式により算出される球数である。
ここで、図1B(遊技に応じた差球数の変化の一例)を参照し、前述した「差球数に関する複数種類の遊技球数」について説明する。本実施形態では、差球数に関する遊技球数として、現在の差球数である「現在差球数」と、初期値(すなわち0個)を基準とした上昇方向(Y1方向)への最大変動値である「最高差球数」と、初期値(すなわち0個)を基準とした下降方向(Y2方向)への最大変動値である「最低差球数」と、現在差球数(正数~負数)から最低差球数(負数)を減算した遊技球数に相当する「特定差球数」と、最高差球数(正数)から最低差球数(負数)を減算した遊技球数(差球数の高低差の最大値)に相当する「最大差球数」とを算出・記憶するようになっている。これらの差球数に関する複数種類の遊技球数(現在差球数、最高差球数、最低差球数、特定差球数、最大差球数)は、前述した持ち球数と異なり、遊技者が遊技を終える際(返却ボタン252が操作された際)にはリセットされず、遊技店員が行う予め定められた操作(状態復帰操作)に基づいてリセットされる。本実施形態では、後述するリセットボタン180の操作により、前述した差球数に関する遊技球数(現在差球数、最高差球数、最低差球数、特定差球数および最大差球数)の各記憶値をリセットするように構成してある。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機1は、獲得球数の増加により特定差球数が(最大差球数として)予め定めた「基準数」に達した場合(獲得球数>消費球数が前提)に、遊技者が遊技を行うことが不可能な遊技不能状態(その日の遊技を終了した状態)に移行するように構成されている(この点は後段にて詳述する)。このように、遊技店の営業日毎(稼働毎)にカウントされる特定差球数(最大差球数)に応じてパチンコ遊技機1で行われるその日の遊技が終了されることから、前述した差球数に関する遊技球数の各記憶値を遊技店員がリセットする場合、その操作(状態復帰操作)は通常、営業時間(パチンコ遊技機1の稼働時間)の終了後に行うことと定められている。
(球循環機構30の構成)
次に、内枠16に備えられる球循環機構30について、図2を参照しつつ説明する。球循環機構30は、機内部で遊技球を循環させるための構造物であり、集合部31と、回収部32と、回収センサ33と、球揚送部34と、貯留タンク35と、球送り部36と、実射センサ37とを備えている。この球循環機構30は、遊技盤2を保持する内枠16の一部として、遊技盤2の左側部の後面に沿うように設けられている。
遊技盤2の後面の下方に配置された集合部31は、上方(遊技盤2の後面)から落下してくる遊技球を受け入れるよう、上方に開口する凹溝状に形成されている。集合部31の底面は、左右方向の両端側から中央側に向けて下方傾斜しており、その下流端となる底面中央部が下方に向けて開口している。集合部31は、遊技領域3に設けられる複数の入賞口(後述する第1始動口10a、第2始動口12a、大入賞口(特別入球口)14aおよび一般入賞口11)の何れかに入賞して遊技領域3外(遊技盤2の後面側)に排出された遊技球と、アウト口19(後述)を介して遊技領域3外(遊技盤2の後面側)に排出された遊技球とを底面上で集合させ、その底面の開口から落下させることで、回収部32へと導く。なお図2では、遊技盤2の盤面における具体的な構成について図示を省略している。
回収部32は、左下側に向けて下方傾斜する直線状の回収通路R1を内部に形成しており、この回収通路R1の上流端部は前述した集合部31の底面の開口に接続している。回収通路R1は、遊技球が一列で流下可能な球通路となっている。回収通路R1の途中には回収センサ33が配置されており、回収通路R1を通過する遊技球が回収センサ33によって1個ずつ検出されるようになっている。つまり、遊技領域3を流下する遊技球は、入賞口に入賞するかアウト口19から排出されるかに関わらず、集合部31で集合して結果的に回収センサ33によって検出される。なお、球循環機構30により正常に遊技球が循環されている場合、遊技者によるハンドル4の操作に伴う遊技球の発射回数(実射回数、後述する実射センサ37による検出数)が、その後に回収センサ33で検出される遊技球数と一致することになる。この回収部32の下流端部は、縦長箱状の球揚送部34の下部に接続している。これにより、回収通路R1を通過した遊技球は、球揚送部34の下部に流入する。
球揚送部34は、上下方向に延在する揚送通路R2を内部に形成しており、この揚送通路R2の下端部は前述した回収部32の回収通路R1に接続している。また、球揚送部34には、揚送通路R2に沿うように、上下に延在する円柱状の揚送軸34aが回転可能に収容されている。揚送軸34aは、外周面に螺旋状の球保持片34bが形成され、揚送モータ34c(図3参照)の回転により回転する。つまり、揚送モータ34cの回転に伴い、揚送軸34aの下端側で球保持片34bに保持された遊技球が揚送通路R2を上昇移動するように構成されている。この球揚送部34は、上端部が貯留タンク35に接続しており、揚送通路R2の上端部が貯留タンク35内に連通している。つまり、揚送軸34aの回転によって揚送通路R2内を上昇移動した遊技球は、貯留タンク35の内部に導かれて貯留される。
貯留タンク35は、パチンコ遊技機1の機内部に循環させる所定個数(例えば100個)の遊技球を全て貯留可能な大きさの空間を内側に形成している。底面が左端部から右端部に向けて下方傾斜しており、その底面の上流側が下方に向けて開口して、この開口に前述した揚送通路R2が接続している。また、貯留タンク35の底面の下流端部にも開口が形成されており、この開口に球送り部36の内部通路(図示せず)の上流端部が接続している。この球送り部36の内部通路は、遊技球が一列で通過する通路幅となっており、その下流端部には可動式の球送り片(図示せず)が設けられている。つまり、貯留タンク35に貯留されている遊技球は、その底面下流端部の開口から一列になって球送り部36の内部通路に流入し、球送りソレノイド36b(図3参照)の駆動に伴う球送り片の定期的な動作により、内部通路の出口36aから1個ずつ、発射装置90(打撃槌90a)による打撃対象となる遊技球の停止位置(発射待機位置)に供給される。
発射装置90(打撃槌90a)は、球送り部36と連動した発射動作により、内部通路の出口36aから発射待機位置に1個ずつ供給される遊技球を遊技領域3に向けて発射するように構成されている。ここで、発射装置90は、図2に示すように遊技盤2の盤面左上部に配置されており、発射待機位置から遊技領域3に到達するまでの球通路が短縮されている。これは、本実施形態のパチンコ遊技機1がスマートパチンコ(管理遊技機)であり、一般的なパチンコ遊技機に設けられている球受け皿の下流側に発射装置90を位置させる必要がないからである。但し、遊技球の発射軌道を安定させる等の目的で、従来通り遊技盤2の下方に発射装置90を配設する(打ち出してから遊技領域3に至るまでの遊技球の移動距離を充分確保する)ことも可能である。
発射待機位置の近傍には、実射センサ37が配置されている。この実射センサ37は、発射待機位置から遊技領域3に向けて移動する遊技球(すなわち、実際に発射された遊技球)を検出するように設けられている。ここで、パチンコ遊技機1では、実射センサ37による1回の検出が1個の消費球数の発生に相当するものとして判断するように制御を行う。つまり、実射センサ37による1回の検出が発生すると、パチンコ遊技機1(後述する枠制御基板150)において記憶する持ち球数・現在差球数のカウント値(記憶値)を夫々1個分減算し、この場合の現在差球数の変化により、特定差球数を新たに算出すると共に、必要に応じて最低差球数および最大差球数を新たに算出する。またこれに合わせて、遊技球数表示器26や後述する差球数表示領域7Sに表示する遊技球数を更新する。
(遊技盤2の構成)
図1Aに戻り、遊技盤2の構造について説明する。遊技盤2は、遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。遊技盤2の盤面(前面)は、前面枠18の窓18aに設けられた透明のガラス板によって前方から覆われ、このガラス板の前方から透視可能となっている。遊技盤2の後面側には、液晶パネル等からなる演出表示装置7が配置されており、遊技盤2の略中央に設けられる開口(図示せず)を通じて画面が露出している。図1Aに示すようにパチンコ遊技機1を正面(機前方)から見て画面の周囲には、環状或いは枠状のセンター装飾体20が位置し、更に外周側にはレール部材17が位置している。また、盤面の下部にはアウト口19が設けられている。
遊技盤2は、第1入賞装置10と、一般入賞口11と、第2入賞装置(普通電動役物)12と、ゲート13と、大入賞装置(特別電動役物)14と、レール部材17と、センター装飾体20と、表示器類50とを備える。なお、以下の説明では、遊技球の入球に対して賞球を付与する入球口のことを「入賞口」と称し、その入賞口への入球のことを「入賞」と表現する場合がある。
レール部材17は、遊技盤2の盤面の外周部を周回するように配置されている。レール部材17は、遊技盤2の盤面に、遊技球が流下(転動)する遊技領域3を区画形成している。遊技盤2の盤面には、遊技領域3の範囲に複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれており、遊技領域3を遊技球が流下する過程で遊技釘に接触し、その遊技球の挙動が変化するようになっている。なお、レール部材17は、前述した発射装置90を避けるように設けられている。
アウト口19は、レール部材17の下端部、すなわち遊技領域3の下端部中央に開口しており、遊技領域3を下端部まで流下した遊技球を排出するようになっている。
センター装飾体20は、遊技盤2の盤面(遊技領域3)のうち略中央部から上端部近傍までの範囲に位置するように配置されている。センター装飾体20は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。このセンター装飾体20は、遊技盤2の盤面より前側で画面の前方空間を囲むように位置しているので、遊技領域3を流下する遊技球が演出表示装置7の画面側に向かうのを防ぐように機能する。そしてこのセンター装飾体20により、遊技領域3がその上部で左右に分岐するように区画されている。すなわち、遊技領域3は、センター装飾体20の左側を流下する遊技球の経路である左遊技領域3Lと、センター装飾体20の右側を流下する遊技球の経路である右遊技領域3Rとを含む領域である。
なお、遊技盤2の複数箇所には、LEDが設けられており、図4では、それら各LEDを総称して「盤ランプ2a」と示している。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。
第1入賞装置10は、左遊技領域3Lであって、遊技領域3の下側略中央に配置されている。第1入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口10aを有する。第1始動口10aは常時開口しており、遊技球が第1始動口10aに入賞する確率は略変動しない。
一般入賞口11は、左遊技領域3Lであって、第1入賞装置10の左方に配置されている。
ゲート13は、右遊技領域3Rに配置されており、右遊技領域3Rを流下する遊技球が通過可能に構成されている。なお、図1Aに示す例では、ゲート13が第2入賞装置12よりも下流に配置されているが、第2入賞装置12よりも上流に設けられていてもよい。
第2入賞装置12は、右遊技領域3Rのうちゲート13の上方に配置されている。第2入賞装置12は、第2始動口12aを開閉する普通開閉部材12bを備えている。普通開閉部材12bは、下端を回動軸にして、起立姿勢(図1A)と右側への傾倒姿勢との間で左右に回動(揺動)可能に構成されている。そして、普通開閉部材12bが開作動すると、第2始動口12aが開口され、遊技球が第2始動口12aに入賞(入球)し易い状態になる。また、普通開閉部材12bが閉作動すると、第2始動口12aが閉口され、遊技球が第2始動口12aに入賞することができない状態になる。
大入賞装置14は、右遊技領域3Rの下部領域に配置されている。大入賞装置14は、大入賞口(特別入球口)14aを開閉する特別開閉部材14bを備えている。大入賞口14aは、左右に幅広で、複数の遊技球が同時に入賞(入球)可能な大きさに形成されている。特別開閉部材14bは、大入賞口14aに対応して左右方向に長い板状に形成され、かつ下縁を回動軸にして、起立姿勢と前側への傾倒姿勢(図1A)との間で前後に回動(揺動)可能に構成されている。そして、特別開閉部材14bが開作動すると、大入賞口14aが開口され、遊技球が大入賞口14aに入賞し易い状態になる。また、特別開閉部材14bが閉作動すると、大入賞口14aが閉口され、遊技球が大入賞口14aに入賞することができない状態になる。
前述したように、パチンコ遊技機1では、ハンドル4の発射強度を調節することにより、発射装置90(図2参照)による遊技球の発射強度を調節できるようになっている。よって、パチンコ遊技機1では、左遊技領域3L又は右遊技領域3Rを流下するように遊技球を打ち分けることができる。左遊技領域3Lに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、第1始動口10a、一般入賞口11に入賞し得る。一方、右遊技領域3Rに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、第2始動口12a、大入賞口14aに入賞し得ると共に、ゲート13を通過(入球)し得る。なお、第1始動口10a、第2始動口12a、大入賞口14a、ゲート13および一般入賞口11は、遊技領域を流下する遊技球が入球し得る入球口の一例である。なお、これらのうちゲート13は遊技球の入球(通過)に対して賞球が付与されない入球口であり、それ以外の入球口は入球に対して賞球が付与される入球口(入賞口)である。また、第1始動口10aおよび第2始動口12aは、遊技球の入球(入賞)が特図当たり判定の契機となり得る契機口の一例である。
表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって下方に設けられている。図3に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図または特図1ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図または特図2ともいう)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。更に、表示器類50は、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器51aと、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器52aと、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器53aとを備える。以下、第1特別図柄および第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器51および第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
各特別図柄表示器51,52は、それぞれ複数のLEDにより構成されている。各特別図柄表示器51,52を構成する各LEDは、それぞれ所定の点灯パターンにて点灯し、点灯しているLEDおよび消灯しているLEDの組み合わせが特別図柄を表しており、点灯するLEDおよび消灯しているLEDの組み合わせが変化している状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
また、普通図柄表示器53は、2個のLEDから構成されている。点灯したLEDおよび消灯したLEDが普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート13を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、第2入賞装置12が作動して普通開閉部材12bが開閉し、第2始動口12aが開閉する。
遊技球が第1始動口10aに入賞すると大当たりか否かを判定する特図当たり判定(大当たり抽選、特図当たり判定又は第1特図当たり判定ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄(特図1)を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、特図当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たり遊技状態が発生する(大入賞装置14が作動して特別開閉部材14bが開閉し、大入賞口14aが開閉する)。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口10aに入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
また、遊技球が第2始動口12aに入賞すると特図当たり判定(大当たり抽選、特図当たり判定又は第2特図当たり判定ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄(特図2)を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、特図当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たり遊技状態が発生する(大入賞装置14が作動して特別開閉部材14bが開閉し、大入賞口14aが開閉する)。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口12aに入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留され、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数および第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。
以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを特別図柄の1回の変動という。また、特別図柄が1回変動される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留数の消化という。なお、パチンコ遊技機1では、特別図柄表示器の作動保留がその発生タイミングの時系列順に特別図柄の変動表示に用いられ、特図保留数が消化される。但し、第2特図保留数の消化が第1特図保留数の消化に優先して実行される(第2特別図柄の変動表示が第1特図の変動表示よりも優先的に実行される)。
次に、演出表示装置7について説明する。
演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像等の動画像および静止画像を表示する。遊技者は、パチンコ遊技機1の前方からそれらの画像を見ながら遊技を行う。演出表示装置7は、演出画像として、演出(装飾)図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示する。演出図柄は、算用数字(例えば、1~10)を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタ等、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄7Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄7Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄7Rがそれぞれ変動表示される。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域および右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。
各演出図柄の主な変動態様は、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。なお、変動態様として、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される方式等を用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。例えば、背景画像は、テレビドラマや映画等の動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像等である。演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置等を用いることもできる。
演出表示装置7は、各演出図柄を特別図柄の変動表示と同期させて変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、特図当たり判定結果を表示する。ここで、確定表示とは、演出図柄が上下に揺れたり、再変動したりすることなく、完全に停止した停止表示状態のことである。
以下、特図当たり判定の結果が大当たりであったことを表す組み合わせの演出図柄を大当たり演出図柄といい、特図当たり判定の結果がハズレであったことを表す組み合わせの演出図柄をハズレ演出図柄という。大当たり演出図柄は、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃った状態、いわゆる、ぞろ目の状態である。例えば、図1Aに示すように、確定表示された左演出図柄7L、中演出図柄7Cおよび右演出図柄7Rがそれぞれ「7」で揃った状態である。また、ハズレ演出図柄は、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃っていない状態、つまり、ぞろ目ではない状態の図柄である。例えば、確定表示された左演出図柄7Lが「7」、中演出図柄7Cが「6」、右演出図柄7Rが「7」の状態である。以下、演出表示装置7が特別図柄と同期させて行う演出図柄の変動表示を変動演出といい、その変動演出での演出図柄の背景に表示される画像を背景画像という。背景画像は、静止画像または動画像である。
演出図柄の変動演出は、特図の変動表示と同期して行われ、特別図柄表示器の作動保留が発生した場合は、演出表示装置7の作動も保留される。つまり、特別図柄表示器の作動保留数と、演出表示装置7の作動保留数とは一致する。なお、第1特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数、および第2特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数は、保留画像によって演出表示装置7に表示される。以下、第1特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数の表示領域を「第1演出保留表示領域7Ba」といい、第2特図保留数に対応する演出表示装置7の作動保留数の表示領域を「第2演出保留表示領域7Bb」という。従って、遊技者は、演出表示装置7の第1演出保留表示領域7Baおよび第2演出保留表示領域7Bbに表示される保留画像の数を数えることにより、第1特図保留数や第2特図保留数を知ることができるとともに、第1特図保留数や第2特図保留数に起因する演出表示装置7の作動保留数を知ることができる。なお、演出表示装置7の作動保留数については演出表示装置7に表示せずに演出表示装置7の周辺にあるランプ等を用いて遊技者に報知してもよい。
また図1Aに示すように、演出表示装置7の画面には、特定差球数を表示するための差球数表示領域7Sが設けられている。なお、特定差球数は、後述する枠制御基板150の制御により計数され、その計数された特定差球数が主制御基板60経由でサブ制御基板100に伝達されて、このサブ制御基板100の制御に基づいて演出表示装置7の差球数表示領域7Sに表示される。但し、本実施形態の場合、特定差球数が予め定めた遊技球数(99360個)以上の場合に限り、差球数表示領域7Sで特定差球数を表示するようにし、それ以外の場合には差球数表示領域7Sで特定差球数を非表示とするようにしている。これは、特定差球数が予め定めた遊技球数(99360個)を一時的に超えたとしても、その後に現在差球数が減少していれば、特定差球数が「基準数」に達するまでに余裕があるからである。但し、差球数表示領域7Sにおいて特定差球数を常に表示することも可能である。また差球数表示領域7Sには、特定差球数に加えて現在差球数や最大差球数を表示するようにしてもよい。
(パチンコ遊技機の主な電気的構成)
次に、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について、図3および図4等を参照しつつ説明する。
パチンコ遊技機1の後面側(図示せず)には、複数の制御基板や装置等が設けられている。制御基板には、主制御基板60、電源基板70、枠制御基板150、発射制御回路75、音声制御基板78、ランプ制御基板79、サブ制御基板100、画像制御基板200、設定変更基板260等がある。
前述したように、パチンコ遊技機1では、鍵挿入部262に鍵263を挿入して左方向に回すことにより、内枠16および前面枠18が一体的に開くようになっている。これにより、前面枠18の背面側に配置された各種基板60,70,150,75,78,79,90,100,200等の点検や修理交換が可能となる。また、設定変更基板260を操作することが可能となる。なお、鍵挿入部262に挿入される鍵263は、遊技ホールの管理者(以下、管理者等という)によって保管管理されているため、遊技者が、内枠16および前面枠18を一体的に開くことおよび設定変更基板260を操作することは困難とされている。
(主制御基板60)
図3に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。CPU62は、入賞の検出、特図当たり判定、各種乱数の更新等を実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、特図当たり判定テーブルTA1-1~1-6、大当たり種別判定テーブルTA2、リーチ判定テーブル、特図変動パターン選択テーブルTA3等の各種のテーブルが記憶されている。RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。
また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cと、通知記憶部64dとが設けられている。
第1特図保留記憶部64aは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口10aに入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数等(始動入賞情報)が記憶される。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口10aに入賞したときは、その入賞に起因する第1特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第1特図保留記憶部64aに記憶される。
第2特図保留記憶部64bは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口12aに入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数が記憶される。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口12aに入賞したときは、その入賞に起因する第2特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第2特図保留記憶部64bに記憶される。
大当たり乱数等の始動入賞情報は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64aおよび第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため、始動入賞情報が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている始動入賞情報が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている始動入賞情報が時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている始動入賞情報は、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。例えば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数等は第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている始動入賞情報に基づく特図当たり判定等の判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示の開始タイミングが到来した際(変動表示の始動条件が成立した際)に実行される。
なお、パチンコ遊技機1では、前述したように第2特図保留数の消化が第1特図保留数の消化に優先して実行される。つまり、第1特図保留数と第2特図保留数とが何れも複数存在する場合、先ず第2特図保留数が順に消化され、次に第1特図保留数が順に消化される。例えば、第1特図保留記憶部64aの第1記憶領域と、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域とに始動入賞情報が記憶されている状態で、特図の変動表示の開始タイミングが到来した場合は、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域に記憶されている始動入賞情報が実行エリア(実行対象領域)にシフトし、この始動入賞情報に基づく特図当たり判定等の判定が実行される。一方でこの時、第2特図保留記憶部64bでは第1記憶領域の始動入賞情報はシフトされず、その後に第2特図保留数が0の状態での特図の変動表示の開始タイミング到来時になると実行エリア(実行対象領域)にシフトして、この始動入賞情報に基づく特図当たり判定等の判定が実行される。
普図保留記憶部64cは、遊技球がゲート13を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)等の作動入球情報が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート13を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数は普図保留記憶部64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われている普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。パチンコ遊技機1では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数は最大4個である。普通当たり乱数等の作動入球情報は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に普図保留記憶部64cの第1記憶領域から順番に記憶される。このため、作動入球情報が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている作動入球情報が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている作動入球情報が時間的に最も古い情報である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
この他、通知記憶部64dには、枠制御基板150(後述する枠制御用マイコン151)から通知される特定差球数が記憶されるようになっている。
また、主制御基板60には、RAMクリアスイッチ66が搭載されている。RAMクリアスイッチ66は、設定変更基板260同様、パチンコ遊技機1の後面側から押下可能となっている。パチンコ遊技機1は、RAMクリアスイッチ66が押下された状態で起動すると、RAM64およびサブ制御基板100のRAM120を初期化する。
また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。更に、主制御基板60には、中継基板74を介して、入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞検出センサ(第1始動口センサ10b、第2始動口センサ12c、一般入賞口センサ11a、大入賞口センサ14c)と、ゲートセンサ13aと、大入賞口ソレノイド14dと、第2始動口ソレノイド12dとが電気的に接続されている。
第1始動口センサ10bは、第1始動口10aの直下に設けられており、遊技球が第1始動口10aに入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ11aは、一般入賞口11の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。大入賞口センサ14cは、大入賞口14aの直下に設けられており、遊技球が大入賞口14aに入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ13aは、ゲート13のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート13を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ12cは、第2始動口12aの直下に設けられており、遊技球が第2始動口12aに入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。遊技球が前述の各センサ10b,11a,12c,13a,14cのうちゲートセンサ13a以外のセンサによって検知されると、センサ毎に予め定めた個数の賞球の付与条件がそれぞれ成立する。
また、主制御基板60には、大入賞口ソレノイド14dおよび第2始動口ソレノイド12dが電気的に接続されている。大入賞口ソレノイド14dは、大入賞装置14の特別開閉部材14bを開閉駆動する。第2始動口ソレノイド12dは、第2入賞装置12の普通開閉部材12bを開閉駆動する。
(発射制御回路75)
更に、主制御基板60には、発射制御回路75(図3参照)が枠制御基板150を介して電気的に接続されている。主制御基板60は、遊技を行うことが可能な遊技可能状態である場合に、枠制御基板150を介して発射制御回路75に発射許可信号を出力する。なお、発射制御回路75には、球送りソレノイド36b(球送り部36)および発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、遊技球を打撃して発射する打撃槌90aを駆動する発射モータ91と、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するタッチスイッチ92と、発射レバー4aの回転に伴う変位量に応じて打撃槌90aが遊技球を打撃する強度を調節する発射ボリューム93とを備えている。発射制御回路75は、発射許可信号と、遊技者のハンドル4への接触を示すタッチスイッチ92からの信号とを入力する状態で、発射ボリューム93の変位量に応じた打撃強度で打撃槌90aを駆動するように発射モータ91を制御すると共に、球送りソレノイド36bの駆動により発射待機位置に1個ずつ遊技球を供給して、定期的に(例えば0.6秒間隔で)遊技球を発射させる。一方で、発射制御回路75は、発射許可信号を入力していない状態(後述する遊技不能状態)では発射モータ91および球送りソレノイド36bの駆動を停止する。
(枠制御基板150)
図3に示すように、枠制御基板150には、前述した発射制御回路75の他、設定変更基板260、貸出ユニット76、球貸ボタン251、返却ボタン252、揚送モータ34c、回収センサ33、実射センサ37、遊技球数表示器26等が電気的に接続されている。枠制御基板150には、枠制御用ワンチップマイコン(以下、枠制御用マイコンという)151が実装されている。また、本実施形態では、差球数に関する遊技球数(現在差球数、最高差球数、最低差球数、特定差球数、最大差球数)の記憶値をリセットするためのリセットボタン180を枠制御基板150上に配置されており、当該リセットボタン180は枠制御用マイコン151と電気的に接続されている。
枠制御用マイコン151は、CPU152と、ROM160と、RAM170と、入出力回路153とを備えている。枠制御用マイコン151のCPU152は、設定変更基板260上の操作により設定される設定値の入力や、貸出ユニット76との間での情報の送受信(信号の入出力)、遊技球数表示器26の表示制御、球送りソレノイド36bの駆動制御、揚送モータ34cの駆動制御等を実行する。また入出力回路153を介して、回収センサ33や実射センサ37からの検出信号を入力する。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、枠制御基板150からサブ制御基板100に向けた情報出力を、主制御基板60を経由して行うように構成されている。ここで、枠制御基板150は、サブ制御基板100に対し(主制御基板60経由で)、持ち球数や特定差球数に関する情報や、設定値(大当たり確率)に関する情報、球循環機構30の異常状態に関する情報等を出力可能に構成されている。但し、このような構成は必須ではなく、枠制御基板150とサブ制御基板100とを直接的に配線接続し、枠制御基板150からの情報をサブ制御基板100に直接出力するように構成してもよい。
なお、サブ制御基板100に実装されている後述するRTC(リアルタイムクロック)124からの時刻情報については、枠制御基板150の枠制御用マイコン151にも入力されるようになっている。これに対し、枠制御基板150上にRTCを実装し、このRTCから枠制御用マイコン151に時刻情報を入力するようにしてもよい。
ROM160には、CPU152が実行するコンピュータプログラムや、後述の判定の基準となる予め定めた特定差球数(基準数、指標数)を示す値が記憶されている。RAM170は、CPU152がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。また、RAM170には、持ち球数を記憶するための持ち球数記憶部171と、特定差球数を記憶するための差球数記憶部172とが設けられている。差球数記憶部172は、現在差球数記憶エリア172aと、最高差球数記憶エリア172bと、最低差球数記憶エリア172cと、特定差球数記憶エリア172dと、最大差球数記憶エリア172eとを有している。現在差球数記憶エリア172aは、賞球(獲得球)の発生毎にその遊技球数分を加算し、実射球(消費球)の発生毎にその遊技球数分を減算することに算出される現在差球数(-99999個から99999個までの遊技球数の何れか)に相当する数値を記憶するための記憶エリアである。最高差球数記憶エリア172bは、現在差球数として算出された遊技球数のうち、0個以上かつ最も多い現在差球数(0個から99999個までの遊技球数の何れか)に相当する数値を記憶するための記憶エリアである。最低差球数記憶エリア172cは、現在差球数として算出された遊技球数のうち、0個以下かつ最も少ない現在差球数(-99999個から0個までの遊技球数の何れか)に相当する数値を記憶するための記憶エリアである。特定差球数記憶エリア172dは、現在差球数(正数~負数)から最低差球数(負数)を減算することで得られる数値(すなわち、差球数の最低値からの上昇値である特定差球数に相当する数値であり、-99999個から99999個までの遊技球数の何れか)を記憶するための記憶エリアである。そして、最大差球数記憶エリア172eは、最高差球数(正数)から最低差球数(負数)を減算することで得られる数値(すなわち、差球数の変動幅の最大値である最大差球数に相当する数値であり、0個から99999個までの遊技球数の何れか)を記憶するための記憶エリアである。
なお、RAM170にはこの他、実射センサ37による検出回数から回収センサ33による検出回数を減算した残留球数等も記憶される。差球数記憶部172の各記憶値(現在差球数、最高差球数、最低差球数、特定差球数、最大差球数)は、枠制御基板150上のリセットボタン180を押下する操作(状態復帰操作)に伴う枠制御用マイコン151(CPU152)への状態復帰信号の入力によってリセットされるようになっている。
設定変更基板260により変更された設定値は、図示しない検出回路によって検出され、検出回路から枠制御用マイコン151へ出力される。設定変更基板260には、設定キーを挿入するための設定キー挿入部(図示せず)と、大当たり確率の設定変更に用いられる設定値を変更するためのスイッチ(図示せず)とが設けられている。設定値は1~6の何れかの値であり、各値が互いに異なる大当たり確率(遊技制御用マイコン61が実行する特図当たり判定で当たりとなる確率)に対応付けられている。なお、各設定値は、その数字が大きいほど高い大当たり確率と対応付けられている。つまり、パチンコ遊技機1では、設定値1の場合に大当たり確率が最も低くなり、設定値6の場合に大当たり確率が最も高くなるように、設定値によって大当たり確率を設定できる。なお、設定値1~6は一例であり、設定値の種類は7種類以上であっても、5種類以下(場合によっては1種類のみ)であってもよい。パチンコ遊技機1では、設定変更や設定確認を行う際に、設定変更基板260に設けられる専用の表示器(図示せず)に設定値を表示するようになっている。
貸出ユニット76は、投入口に投入された紙幣を識別し、或いは挿入口に挿入された記憶媒体を読み込むことで、金額(残高)を特定し、その金額情報をパチンコ遊技機1に向けて出力する。この金額情報は、枠制御基板150の枠制御用マイコン151に入力される。枠制御用マイコン151は、貸出ユニット76からの金額情報から金額(残高)を特定し、その金額に対応する遊技球数の範囲で、遊技者による球貸ボタン251の操作に応じた貸球の付与(遊技球の貸し出し)を制御する。この貸球付与の場合に、枠制御用マイコン151は、持ち球数記憶部171に記憶されている持ち球数に貸球数を加算することで、遊技者に対して遊技球を貸し出すようにする。この他、枠制御用マイコン151は、遊技者による返却ボタン252の操作に応じて、貸出ユニット76に対し遊技終了情報を出力すると共に、持ち球数記憶部171の記憶値(持ち球数)をリセットする。
枠制御用マイコン151は、実射センサ37による検出(消費球数の発生)に応じて、持ち球数記憶部171に記憶されている持ち球数を減算すると共に、差球数記憶部172の現在差球数記憶エリア172aに記憶されている現在差球数を減算する。また、現在差球数が最高値を更新した場合には、最高差球数記憶エリア172bに記憶されている最高差球数を更新し、現在差球数が最低値を更新した場合には、最低差球数記憶エリア172cに記憶されている最低差球数を更新する。更に、現在差球数が更新されたことに応じて、特定差球数記憶エリア172dに記憶されている特定差球数を更新する。更にまた、最高差球数および最低差球数の何れか一方が更新されたことに応じて、特定差球数記憶エリア172eに記憶されている特定差球数を更新する。
そして、持ち球数記憶部171および差球数記憶部172に記憶される遊技球数が変化することに応じて、遊技球数表示器26の表示内容(例えば、持ち球数、現在差球数、特定差球数および最大差球数)を更新する。また、その更新後の特定差球数が予め定めた遊技球数(後述する第1の指標数)以上になると、特定差球数の変化毎にその特定差球数を主制御基板60の遊技制御用マイコン61に通知する。この他、枠制御用マイコン151は、実射センサ37による検出回数から回収センサ33による検出回数を減算することで、遊技領域3での現在の残留球数を特定し、特定した残留球数が正常範囲でない場合に、球循環機構30の異常状態に関する情報を遊技制御用マイコン61に向けて出力する。なお、枠制御用マイコン151による予め定めた特定差球数(指標数、基準数)に関する判定については、後段において図29や図31等を参照しつつ詳述する。
(電源基板70)
パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60および枠制御基板150に電力を供給する。また、電源基板70は、枠制御基板150に電気的に接続された各装置に対して、枠制御基板150を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサおよびソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64や、枠制御基板150のRAM170等に対して、情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をON・OFFするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
(サブ制御基板100)
サブ制御基板100(図4)は、主制御基板60に対して電気的に接続されている。但し、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、サブ制御基板100と主制御基板60との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
図4に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。
第1特図保留演出記憶部121は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力(送信)される第1始動入賞コマンドが示す始動入賞情報(乱数値等)を記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口10aに入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数およびリーチ乱数を含むコマンドである。
一方、第2特図保留演出記憶部122は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力(送信)される第2始動入賞コマンドが示す始動入賞情報(乱数値等)を記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口12aに入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数およびリーチ乱数を含むコマンドである。
当該変動用演出記憶部123は、変動演出パターンの当該変動に用いる第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンドが示す始動入賞情報(乱数値等)を記憶する。入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板等との間でデータの送信または受信を行う。
また、サブ制御基板100には、リアルタイムクロック(RTC)124が実装されている。RTC124は、現在(現時点)の日時(日付および時刻)を計測するものである。RTC124は、例えば、外部の電源装置からパチンコ遊技機1へ電力が供給されているときには、その電力によって動作し、外部の電源装置から電力が供給されていないときには、電源基板70が備えるバックアップ電源回路71から供給される電力によって動作する。このため、RTC124は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないときや、RAM120の記憶内容がクリアされたときでも、現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC124へ電力を供給するバックアップ電源回路をサブ制御基板100に設けてもよい。本実施形態のパチンコ遊技機1では、サブ制御基板100上のRTC124から、同基板100に備えられる演出制御用マイコン101と、前述した枠制御基板150に備えられる枠制御用マイコン151とに対して、時刻または日付を示す時刻情報が入力されるようになっている。
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、VDP201(Video Display Processor)と、画像制御用CPU202と、制御用ROM203と、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、および予告画像等の演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読み出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して盤ランプ2a、演出ボタンランプ5c、左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、トップランプ23cおよび可動体モータ23dが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。また、演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて、トップランプ23c内の回転リフレクタの動作態様を決める回転動作パターンデータを作成し、その回転動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した回転動作パターンデータに従って可動体モータ23dの駆動制御を行う。
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音等の音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読み出し、その読み出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
また、サブ制御基板100には、演出ボタン検出スイッチ5aと、演出レバー押込検出スイッチ6aと、演出レバー回転検出スイッチ6bと、演出ボタン振動モータ5bと、演出レバー振動モータ6cとが電気的に接続されている。
演出ボタン検出スイッチ5aは、演出ボタン5が押下操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ5aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。演出レバー押込検出スイッチ6aは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6aから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6bは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6bから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。
演出ボタン振動モータ5bは、演出ボタン5を振動させる部材であり、演出ボタン5の内部に収容されている。演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位または演出レバー6の内部に設けられている。ROM110には、演出ボタン振動モータ5bの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出レバー振動モータ6cの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出ボタン5を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ5bを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6cを駆動制御する。
(遊技状態の説明)
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機1には、特別図柄表示器51,52および普通図柄表示器53での表示(特別図柄や普通図柄の表示)について、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能とが備わっている。特別図柄表示器51,52の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」或いは「高確状態(確変状態)」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」或いは「低確状態(非確変状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。なお、特図当たり判定で当たりの判定結果になると、大当たり遊技状態が生起される。そして、この大当たり遊技状態の終了後、高確率状態と通常確率状態のどちらに移行するかが、大当たり時の抽選(大当たり種別判定)によって決定される。なお、以下の説明では、大当たり遊技状態のことを「当たり遊技状態」または「差球数増加遊技状態」と称することがある。
特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して特別図柄の変動時間として短い変動時間が選択され易くなる。その結果、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する状態では、特図保留の消化ペースを早め、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たり当選を狙うことができる。
普通図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器53に確定表示する普通図柄が、普通当たり図柄(普通図柄の抽選において当たりと判定されたことを示す普通図柄)となる確率が高くなる。また、普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動時間が短くなる。例えば、普通図柄の変動時間は、変動時間短縮機能が作動していない状態では10秒であるが、変動時間短縮機能が作動している状態では1秒である。
本実施形態では、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能が何れも作動しない遊技状態(ここでは状態1とする)と、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の両方が同時に作動する遊技状態(ここでは状態2とする)と、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能のうち変動時間短縮機能のみが作動する遊技状態(ここでは状態3とする)とが発生する。そして、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。つまり、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する状態2,3では、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能も作動するようになっている。従って、状態1での普通図柄の変動時間は10秒、状態2,3での普通図柄の変動時間は1秒である。
また、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能に同期して、第2入賞装置12の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動する。この第2入賞装置12の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動する状態(状態2,3)では、作動しない場合(状態1)に比して、補助遊技における第2入賞装置12(第2始動口12a)の開放時間が長くなり、その開放回数も多くなる。なお、補助遊技とは、確定表示された普通図柄が予め定めた特定の普通図柄である場合に、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口12aを開閉させる遊技のことである。普通図柄表示器53の確率変動機能および変動時間短縮機能と、第2入賞装置12の開放時間延長機能および開放回数増加機能とが作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2入賞装置12が頻繁に開放され、第2始動口12aへ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合(ベース)が高くなるため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。ここで、第2入賞装置12の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一方を作動させることにより第2始動口12aへの入賞をサポートする制御を「電サポ制御」という。なお、本実施形態では、普通図柄表示器53の確率変動機能および変動時間短縮機能を作動させる間、「電サポ制御」を実行するようになっている。以下の説明では、電サポ制御が行われている状態(サポート状態)を「高ベース状態(時短状態)」といい、電サポ制御が行われていない状態(非サポート状態)を「低ベース状態(非時短状態)」という。本実施形態の「高ベース状態」は、普通図柄表示器53の確率変動機能および変動時間短縮機能を作動させつつ、第2入賞装置12の開放時間延長機能および開放回数増加機能による「電サポ制御」を行うことにより生起される。つまり、高ベース状態は、低ベース状態と比して遊技者に有利な有利遊技状態(特典遊技状態)である。
このように、パチンコ遊技機1における大当たり遊技状態以外の遊技状態として、前述した状態1~3の3つがあり、状態2,3(高ベース状態)は状態1(低ベース状態)よりも遊技者に有利となっている。以下の説明では、前述した状態1を「低確低ベース状態(通常遊技状態)」、状態2を「高確高ベース状態」、状態3を「低確高ベース状態」として説明する。なお、他の遊技状態(状態4)として、高確低ベース状態(特別図柄の確率変動機能を作動させ、かつ特別図柄の変動時間短縮機能と普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能とを作動させない遊技状態)を発生させ得るようにしてもよい。これらの遊技状態のうち、低確高ベース状態、高確高ベース状態、高確低ベース状態は、低確低ベース状態(通常遊技状態)よりも遊技者にとって有利な遊技状態(有利遊技状態)である。なお、高ベース状態(時短状態)は、前述したように、電サポ制御による第2始動口12aへの入賞を補助する遊技状態であり、一般的には第2始動口12aに遊技球を入賞させ易い遊技状態となる。ここで、「第2始動口12aに遊技球を入賞させ易い」とは、単位時間内における第2始動口12aの開放時間が前述した開放時間延長機能または開放回数増加機能の作動によって少しでも長く維持される状態を指すものとする。
ここで、大当たり遊技状態について説明する。大当たり遊技状態は、大入賞口ソレノイド14dを駆動することにより特別開閉部材14bを作動させて大入賞口14aを開放するラウンド遊技(以下「ラウンド」という)を1回以上含み、このラウンド中に大入賞口14aへの複数の遊技球の入球を許容する遊技状態である。大当たり遊技状態は、1回または複数回のラウンドが行われるラウンド期間と、そのラウンド期間の開始前に設けられるオープニング期間と、ラウンド期間の終了後に設けられるエンディング期間とで構成される。なお、複数回のラウンドを含む場合、ラウンド間にインターバル時間(ラウンドインターバル)が設けられ、当該インターバル時間では特別開閉部材14bが閉成状態に維持される。各ラウンドは、オープニング期間の終了またはインターバル時間の経過に伴って開始され(ラウンド開始条件)、そのラウンド中における大入賞口14aへの入賞個数が規定の最大入賞個数(本実施形態では1R当たり8個)に達するか、または、大入賞口14aを閉鎖させる時間(最大ラウンド時間、本実施形態では各ラウンド30.0秒)に至ることに伴って終了する(ラウンド終了条件)ように設定されている。
本実施形態では、ラウンドの開始(開始条件の成立)に伴って大入賞口14a(特別開閉部材14b)が開放し、ラウンドの終了(終了条件の成立)に伴って大入賞口14a(特別開閉部材14b)が閉鎖するように、大入賞口ソレノイド14dが駆動制御される。つまり、大入賞口14aの開放条件はラウンドの開始条件と同じとなっており、大入賞口14aの閉鎖条件はラウンドの終了条件と同じとなっている。これに対し、ラウンド中における最大ラウンド時間が経過するまでの間に大入賞口14a(特別開閉部材14b)を複数回開放するように設定してもよい。また、全てのラウンドの最大ラウンド時間を共通にしなくてもよく、例えば、特定回数目のラウンドの最大ラウンド時間を1.0秒とし、他のラウンドの最大ラウンド時間を30.0秒とすること等も可能である。
(特図当たり判定テーブルTA1-1~TA1-6)
特図当たり判定テーブルTA1-1~TA1-6は、遊技制御用マイコン61が大当たりか否かの特図当たり判定を実行する際に参照するテーブルである。特図当たり判定テーブルTA1-1~TA1-6は、遊技状態と大当たり乱数とを対応付けて構成されている。パチンコ遊技機1のROM63には、設定値毎に大当たり確率が異なるよう大当たり乱数が対応付けられたテーブルが記憶されている。
大当たり乱数は、大当たり乱数カウンタが発生する大当たり乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり乱数カウンタが動作して大当たり乱数が発生する。大当たり乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。
図5は、設定値毎に異なる特図当たり判定テーブルTA1-1~TA1-6が対応付けられた確率設定テーブルTA1を示す。
確率設定テーブルTA1は、ROM63に記憶されている。確率設定テーブルTA1は、設定値1~6に対応する特図当たり判定テーブルTA1-1~TA1-6から構成されている。各特図当たり判定テーブルTA1-1~TA1-6には、通常確率状態時の大当たり確率(以下、通常確率と示す)と高確率状態時の大当たり確率(以下、高確率と示す)がそれぞれ設定されている。
設定値1に対応する特図当たり判定テーブルTA1-1には、通常確率が1/139.73、高確率が1/45.95となるよう、大当たり乱数が対応付けられている。設定値2に対応する特図当たり判定テーブルTA1-2には、通常確率が1/133.20、高確率が1/43.80となるよう、大当たり乱数が対応付けられている。設定値3に対応する特図当たり判定テーブルTA1-3には、通常確率が1/128.00、高確率が1/42.09となるよう、大当たり乱数が対応付けられている。設定値4に対応する特図当たり判定テーブルTA1-4には、通常確率が1/109.04、高確率が1/35.87となるよう、大当たり乱数が対応付けられている。設定値5に対応する特図当たり判定テーブルTA1-5には、通常確率が1/95.81、高確率が1/31.50となるよう、大当たり乱数が対応付けられている。設定値6に対応する特図当たり判定テーブルTA1-6には、通常確率が1/91.27、高確率が1/28.51となるよう、大当たり乱数が対応付けられている。なお、この設定値は、第1特図の特図当たり判定および第2特図の特図当たり判定において共通である。
(大当たり種別判定テーブルTA2)
図6は、遊技制御用マイコン61が大当たりの種別判定を実行する際に参照する大当たり種別判定テーブルTA2を示す。
大当たり種別判定テーブルTA2は、特図当たり判定の種類(第1特図当たり判定か第2特図当たり判定か)と大当たり種別乱数とを対応付けて構成されている。大当たり種別乱数は、大当たり種別乱数カウンタが発生する大当たり種別乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり種別乱数カウンタが動作して大当たり種別乱数が発生する。大当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。パチンコ遊技機1では、大当たりの種別として「2R非確変大当たり」と、「2R確変大当たり」と、「10R確変大当たり」がある。「2R非確変大当たり」および「2R確変大当たり」は、ラウンド期間中に2回のラウンドが生起される大当たり遊技状態(2R大当たり)であり、「10R確変大当たり」は、ラウンド期間中に10回のラウンドが生起される大当たり遊技状態(10R大当たり)である。
また、「2R非確変大当たり」は、その大当たり遊技状態の終了後、特図の変動表示(演出図柄の変動演出)が予め定めた回数(ST回数、本実施形態では100回)行われるまでを最長期間として低確高ベース状態に移行し、その後に低確低ベース状態となる大当たり(非確変大当たり)である。一方、「2R確変大当たり」および「10R確変大当たり」は、その大当たり遊技状態の終了後、次に特図当たり判定における大当たりの判定結果に対応する特図の変動表示が終了するまで、高確高ベース状態となる大当たり(確変大当たり)である。
具体的には、第1特図当たり判定が大当たりとなった場合の大当たり図柄として特図1の大当たり図柄1-1,1-2,1-3の何れかが決定され、第2特図当たり判定が大当たりとなった場合の大当たり図柄として特図2の大当たり図柄2-1,2-2,2-3の何れかが決定される。これらの大当たり図柄1-1~1-3,2-1~2-3のうち、大当たり図柄1-1,2-1は、「2R非確変大当たり」を発生させることに対応する大当たり図柄であり、大当たり図柄1-2,2-2は、「2R確変大当たり」を発生させることに対応する大当たり図柄であり、大当たり図柄1-3,2-3は、「10R確変大当たり」を発生させることに対応する大当たり図柄である。第1大当たり種別判定に際して、大当たり種別乱数の値「0」~「49」は大当たり図柄1-1、値「50」~「89」は大当たり図柄1-2、値「90」~「99」は大当たり図柄1-3に対応付けられている。また、第2大当たり種別判定に際して、大当たり種別乱数の値「0」~「49」は大当たり図柄2-1、値「50」~「59」は大当たり図柄2-2、値「60」~「99」は大当たり図柄2-3に対応付けられている。つまり、パチンコ遊技機1では、第1特図当たり判定又は第2特図当たり判定かによって、特定の大当たり種に対応付ける大当たり種別乱数の個数を異ならせている。そして、第2特図当たり判定では、第1特図当たり判定よりも「10R確変大当たり」が決定され易くなっている。
なお、本実施形態では前述のように、確変大当たりの後の高ベース状態は次の大当たり遊技状態が発生するまで継続し、非確変大当たりの後の高ベース状態は、特図の変動表示(演出図柄の変動演出)が100回行われるまでを最長期間として終了し、その後は低ベース状態に移行する。以下の説明では、低ベース状態において大当たり遊技状態が発生してから再び低ベース状態に戻るまでの期間を「連荘期間」と称すると共に、その1回の連荘期間中に発生した大当たり遊技状態の発生回数を「連荘回数」と称することがある。すなわち、連荘期間は、2R非確変大当たりの終了後に生起される高ベース状態が、新たな大当たり遊技状態に発展することなく最長期間(変動演出100回)に達して低ベース状態(通常遊技状態)に移行するタイミングで終了する。本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技制御用マイコン61または演出制御用マイコン101の制御により、連荘期間毎の連荘回数を算出し、記憶する。そして、連荘期間の終了時等に、過去所定回数の連荘期間における連荘回数を演出表示装置7に表示するように構成されている。
(リーチ判定テーブル)
リーチ判定テーブル(図示省略)は、遊技制御用マイコン61が特図当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定する際に参照するテーブルである。ここで、リーチとは、演出表示装置7に演出図柄を変動表示する変動時間中に、大当たり演出図柄の組み合わせの一部を構成する複数の演出図柄が停止表示された状態で、その大当たり演出図柄の組み合わせを構成する残りの演出図柄を含む図柄列(図柄群)が停止表示されていない(変動表示されている)状態のことである。
例えば、大当たり演出図柄の組み合わせの1つが「777」である場合に、左演出図柄表示領域において左演出図柄7Lとして「7」が停止表示されており、右演出図柄表示領域において右演出図柄7Rとして「7」が停止表示されており、中演出図柄表示領域において中演出図柄7Cが変動表示されている状態のことである。なお、リーチの概念には、中演出図柄7Cがスクロールしている状態の他、揺れている状態、拡大と縮小を繰り返す状態等が含まれる。
リーチ乱数は、特図当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定するための乱数である。リーチ判定テーブルは、遊技状態とリーチ乱数とを対応付けて構成されている。リーチ乱数は、リーチ乱数カウンタが発生するリーチ乱数の中から所定の乱数を選択したものである。リーチ乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、リーチ乱数カウンタが動作してリーチ乱数が発生する。パチンコ遊技機1では、遊技状態が低ベース状態のときのリーチ乱数と、高ベース状態のときのリーチ乱数とを設定している。
リーチ有りと判定されるリーチ乱数は、低ベース状態よりも高ベース状態の方が少なく設定されている。これにより、高ベース状態ではリーチ有りと判定される確率が低ベース状態よりも低くなる。つまり、リーチ無しと判定される確率が高くなるため、その分、特図変動パターンを選択する際に、リーチ無しの特図変動パターンを選択する確率が高くなる。このため、高ベース状態では、特図保留数の消化のペースが速くなる。なお、パチンコ遊技機1におけるリーチ判定テーブルは、第1特図の抽選と第2特図の抽選で同一としてもよいし、異ならせてもよい。
(特図変動パターン選択テーブルTA3)
特図変動パターン選択テーブルTA3(図7)は、遊技制御用マイコン61が特図変動パターンを抽選により決定する際に参照するテーブルである。特図変動パターン選択テーブルTA3は、遊技状態と、判定(特図当たり判定およびリーチ判定)結果と、特図保留数と、変動パターン乱数と、特図変動パターンと、変動時間と、停止時間とを対応付けて構成されている。なお、大当たり種別について対応付けてもよい。特図変動パターンとしては、大当り変動用の変動パターンP1,P2,P7,P8と、ハズレ変動用の変動パターンP3~P6,P9,P10とが存在する。また、ハズレ変動用の変動パターンP3~P6,P9,P10は、リーチ判定でリーチ有りと判定されたときに選択されるリーチ有りハズレ変動パターンP3,P4,P9と、リーチ判定でリーチ無しと判定されたときに選択されるリーチ無しハズレ変動パターンP5,P6,P10とに分類可能である。本実施形態では、特別図柄の種類(特図1であるか特図2であるか)に関わらず、低ベース状態では特図変動パターンP1~P6の何れかが決定され、高ベース状態では特図変動パターンP7~P10の何れかが決定されるようになっている。
具体的に、低ベース状態では、特図当たり判定の結果が大当たりの場合、90パーセントの確率で特図変動パターンP1(変動時間が70秒、停止時間が0.5秒)が選択され、残りの10パーセントの確率で特図変動パターンP2(変動時間が70秒、停止時間が0.5秒)が選択される。一方、特図当たり判定の結果がハズレで、リーチ乱数による判定がリーチ有りの場合、10パーセントの確率で特図変動パターンP3(変動時間が60秒、停止時間が0.5秒)が選択され、残りの90パーセントの確率で特図変動パターンP4(変動時間が20秒、停止時間が0.5秒)が選択される。また、特図当たり判定の結果がハズレで、リーチ乱数による判定がリーチ無しの場合、作動保留数が0~2個であれば特図変動パターンP5(変動時間が13秒、停止時間が0.5秒)が選択され、作動保留数が3個以上であれば特図変動パターンP6(変動時間が8秒、停止時間が0.5秒)が選択される。特図変動パターンP1,P3は、変動演出中の演出内容としてSPリーチ演出を特定するものであり、特図変動パターンP2,P4は、変動演出中の演出内容としてノーマルリーチ演出を特定するものであり、特図変動パターンP5,P6は、変動演出中の演出内容として通常変動演出(非リーチ演出)を特定するものである。
また、高ベース状態では、特図当たり判定の結果が大当たりの場合、90パーセントの確率で特図変動パターンP7(変動時間が2秒、停止時間が0.5秒)が選択され、残りの10パーセントの確率で特図変動パターンP8(変動時間が30秒、停止時間が0.5秒)が選択される。一方、特図当たり判定の結果がハズレで、リーチ乱数による判定がリーチ有りの場合、100パーセントの確率で特図変動パターンP9(変動時間が29秒、停止時間が0.5秒)が選択される。また、特図当たり判定の結果がハズレで、リーチ乱数による判定がリーチ無しの場合、100パーセントの確率で特図変動パターンP10(変動時間が5秒、停止時間が0.5秒)が選択される。特図変動パターンP7は、変動演出中の演出内容として全回転演出(大当たり確定変動演出)を特定するものであり、特図変動パターンP8,P9は、変動演出中の演出内容としてSPリーチ演出を特定するものであり、特図変動パターンP10は、変動演出中の演出内容として通常変動演出(非リーチ演出)を特定するものである。
(盤面構成と遊技状態の説明)
図1Aにて説明したように、パチンコ遊技機1では、左遊技領域3L又は右遊技領域3Rに遊技球を打ち分けることができる。そして、左遊技領域3Lには第1始動口10aや一般入賞口11が配置され、右遊技領域3Rには大入賞口14a、ゲート13、第2始動口12aが配置されている。このため、第1始動口10aを狙って遊技球を発射した場合、遊技球は第1始動口10aに入賞し得るが、第2始動口12aには入賞し得ない。同様に、第2始動口12aを狙って遊技球を発射した場合、遊技球は第2始動口12aに入賞し得るが、第1始動口10aには入賞し得ない。以下、左遊技領域3Lを狙って遊技球を発射させることを「左打ち」といい、右遊技領域3Rを狙って遊技球を発射させることを「右打ち」という。「低ベース状態(低確低ベース状態)」では、第1始動口10aへの入賞を狙うことになる。従って、左遊技領域3Lに遊技球を導く「左打ち」が、遊技者にとって有利な遊技手法となる。「高ベース状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態)」では、第2始動口12aへの入賞を狙うことになる。従って、右遊技領域3Rに遊技球を導く「右打ち」が、遊技者にとって有利な遊技手法となる。また、「大当たり遊技状態」では、大入賞口14aへの入賞を狙うことになる。従って、右遊技領域3Rに遊技球を導く「右打ち」が、遊技者にとって有利な遊技手法となる。
(遊技制御用マイコン61の主な処理)
次に、遊技制御用マイコン61(図3)が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
最初に、遊技制御用マイコン61が実行するメイン側主制御処理の内容について図8を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、パチンコ遊技機1の電源がONされると、ROM63から図8に示すメイン側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。遊技制御用マイコン61は、最初に初期設定を行う(ステップ(以下、Sと略す)1)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU62の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタおよびタイマ等のリセット等を行う。
次に、遊技制御用マイコン61は、設定値設定処理を行う(S2)。設定値設定処理では、RAM64にバックアップされている設定値データ、又は設定変更基板260の操作によって設定された設定値を示す設定値データをRAM64に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込禁止を実行し(S3)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S4)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、前述した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数および変動パターン乱数を発生する各乱数カウンタの初期値をそれぞれ「1」加算して更新する。各乱数カウンタのカウント値は上限値に達すると「0」に戻って再び「1」加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数カウンタのカウント値にそれぞれ「2」以上の数値を加算して更新してもよい。また、各乱数は、カウンタIC等から成る公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。このハードウェア乱数を用いる場合は、ソフトウェアによる乱数の更新処理(S4)は必要ない。
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込許可を実行する(S5)。割込許可中は、メイン側タイマ割込処理(S6)の実行が可能となる。メイン側タイマ割込処理(S6)は、例えば、4msec周期でCPU62に対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割込処理(S6)が終了してから、次にメイン側タイマ割込処理(S6)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S4)による各種カウンタの初期値更新処理が実行される。なお、割込禁止状態のときにCPU62に割込パルスが入力された場合は、メイン側タイマ割込処理(S6)は直ぐには開始されず、割込許可(S5)が実行されてから開始される。
次に、遊技制御用マイコン61が実行するメイン側タイマ割込処理(図8のS6)の内容について図9を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、出力処理を実行する(S10)。この出力処理では、以下に説明する各処理において主制御基板60のRAM64に設けられた出力バッファにセットされたコマンド、設定変更基板260により変更された設定値を示す情報等をサブ制御基板100(図4)や枠制御基板150(図3)等に出力(送信)する。遊技制御用マイコン61は、普通図柄が変動を開始した場合に普通図柄が変動を開始したことを示す普図用の変動開始コマンド、および特別図柄が変動を開始した場合に特別図柄が変動を開始したことを示す特図用の変動開始コマンドについても出力(送信)する。続いて、遊技制御用マイコン61は、入力処理を実行する(S11)。この入力処理では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ10b、一般入賞口センサ11a、大入賞口センサ14c、ゲートセンサ13a、第2始動口センサ12c等)が検出した各検出信号を読み込む。続いて、遊技制御用マイコン61は、タイマ更新処理を実行する(S12)。このタイマ更新処理では、タイマとして作動している減算カウンタの更新(減算)を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、賞球制御処理を実行する(S13)。この賞球制御処理では、入力処理(S11)において読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を付与するための賞球コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。この賞球コマンドは、前述した出力処理(S10)において枠制御基板150に送信される。続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S14)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理は、図8のメイン側主制御処理で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S4)と同じである。つまり、各乱数カウンタの初期値の更新処理は、メイン側タイマ割込処理(S6)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割込処理(S6)の終了後、次のメイン側タイマ割込処理(S6)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する図柄用センサ検出処理(S15)、普通動作処理(S16)、特別動作処理(S17)、差球関連処理(S18-1)、状態復帰処理(S18-2)、その他の処理(S19)を実行して、メイン側タイマ割込処理(図8のS6)を終了する。その他の処理(S19)は、不正入賞を検知して報知するセキュリティ制御処理、磁気を利用した不正行為を検知して報知する磁気検出処理、前面枠18や内枠16の開放を検知して報知する扉開放処理、電波を利用した不正行為を検知して報知する不正電波検出処理、パチンコ遊技機1を振動させる不正行為を検知して報知する衝撃検出処理等である。そして、次にCPU62に割込パルスが入力されるまではメイン側主制御処理のS3~S5の処理が繰り返し実行され(図8)、割込パルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割込処理(図8のS6)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においては、前回のメイン側タイマ割込処理(図8のS6)にてRAM64の出力バッファにセットされたコマンド等が所定の基板へ送信される。
次に、遊技制御用マイコン61が実行する図柄用センサ検出処理(図9のS15)の内容について図10を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球がゲート13(図1A)を通過したか否かを判定する(S20)。遊技球がゲート13を通過したことはゲートセンサ13aによって検出される。遊技球がゲート13を通過したと判定した場合(S20:YES)、遊技制御用マイコン61は、ゲート通過処理を実行する(S21)。このゲート通過処理では、普図保留数が4以上であるか否か判定し、普図保留数が4以上でなければ、普図保留数に「1」を加算し、普通図柄の抽選を行うための当たり乱数等(作動入球情報)を取得して普図保留記憶部64c(図3)に記憶する処理を行う。
S21の終了後、又は遊技球がゲート13を通過していないと判定した場合(S20:NO)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2始動口12aに入賞したか否かを判定する(S22)。ここで、遊技球が第2始動口12aに入賞したと判定した場合は(S22:YES)、第2特図保留数U2が上限値の「4」以上であるか否か判定する(S23)。ここで、第2特図保留数U2が「4」以上であると判定した場合は(S23:YES)、S28に進むが、第2特図保留数U2が「4」以上ではないと判定した場合は(S23:NO)、第2特図保留数U2に1を加算する(S24)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図関係乱数値取得処理を実行する(S25)。この第2特図関係乱数値取得処理では、大当たり乱数カウンタがカウントする大当たり乱数値と、当たり種別乱数カウンタがカウントする大当たり種別乱数値と、リーチ乱数カウンタがカウントするリーチ乱数値と、変動パターン乱数カウンタがカウントする変動パターン乱数値とを取得し、それら取得した各乱数値(始動入賞情報)を、第2特図保留記憶部64b(図3)のうち現在の第2特図保留数に応じた記憶領域に記憶する。例えば、現在の第2特図保留数が「3」であった場合は、各乱数値を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2始動入賞コマンド特定処理を実行する(S26)。この第2始動入賞コマンド特定処理では、S25において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数値群に基づいて第2始動入賞コマンドを特定する。この第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口12aに入賞したことを示すデータ、S25において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数値を示すデータなどにより構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S26において作成した第2始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S27)。このセットされた第2始動入賞コマンドは、出力処理(図9のS10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第2始動入賞コマンドに含まれる各乱数値等の始動入賞情報に基づいて演出を実行する。また、遊技制御用マイコン61は、更新後の第2特図保留数を特定可能な第2保留指定コマンドを作成し、該コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第1始動口10aに入賞したか否かを判定する(S28)。ここで、遊技球が第1始動口10aに入賞したと判定した場合は(S28:YES)、第1特図保留数U1が上限値の「4」以上であるか否か判定する(S29)。ここで、第1特図保留数U1が「4」以上であると判定した場合は(S29:YES)、この図柄用センサ検出処理を終了するが、第1特図保留数U1が「4」以上ではないと判定した場合は(S29:NO)、第1特図保留数U1に1を加算する(S30)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図関係乱数値取得処理を実行する(S31)。この第1特図関係乱数値取得処理では、大当たり乱数値と、当たり種別乱数値と、リーチ乱数値と、変動パターン乱数値とを取得し、それら取得した各乱数値(始動入賞情報)を、第1特図保留記憶部64a(図3)のうち現在の第1特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第1特図保留数が「3」であった場合は、各乱数値を第4記憶領域に記憶する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1始動入賞コマンド特定処理を実行する(S32)。この第1始動入賞コマンド特定処理では、S31において第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数値群に基づいて第1始動入賞コマンドを特定する。この第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口10aに入賞したことを示すデータ、S31において第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数値を示すデータなどにより構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S32において作成した第1始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S33)。このセットされた第1始動入賞コマンドは、出力処理(図9のS10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第1始動入賞コマンドに含まれる各乱数値等の始動入賞情報に基づいて演出を実行する。また、遊技制御用マイコン61は、更新後の第1特図保留数を特定可能な第1保留指定コマンドを作成し、該コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。
次に、遊技制御用マイコン61が前述したメイン側タイマ割込処理(図9)において実行する普通動作処理(S16)の内容について図11を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、第2入賞装置12の普通開閉部材12bが作動中(普通電動役物が作動中)であるか否かを判定し(S50)、作動中ではないと判定した場合は(S50:NO)普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S51)。ここで、遊技制御用マイコン61は、普通図柄の停止表示中ではないと判定した場合は(S51:NO)、普通図柄の変動表示中か否かを判定し(S52)、普通図柄の変動表示中ではないと判定した場合は(S52:NO)、普通図柄の保留数Vが「0」であるか否かを判定する(S53)。ここで、遊技制御用マイコン61は、普通図柄の保留数Vが「0」であると判定した場合は(S53:NO)、普通動作処理を終える。
また、遊技制御用マイコン61は、S53において普通図柄の保留数Vが「0」ではないと判定した場合は(S53:NO)、当たり判定処理を行う(S54)。この当たり判定処理(S54)では、普図保留記憶部64c(図3)に格納されている普通当たり乱数値を読み出し、普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM64の所定の記憶領域にセットする普図決定処理を行う(S55)。つまり、普図決定処理(S55)では、「ハズレ」であれば「普通ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて、遊技制御用マイコン61は、普図変動時間決定処理を行う(S56)。普図変動時間決定処理(S56)では、普通図柄変動パターン選択テーブル(図示せず)を参照して、遊技状態が高ベース状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒であって普通図柄の停止時間が0.5秒である普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が低ベース状態であれば、普通図柄の変動時間が10.0秒であって普通図柄の停止時間が0.5秒である普通図柄変動パターンを選択する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄保留数Vを1減算し(S57)、普図保留記憶部64cにおける各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部64cにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S58)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン61は、S56において選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S59)。なお、これに伴い、サブ制御基板100に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。この普通図柄変動開始コマンドには、S54における当たり判定の結果およびS56において決定した普図変動時間が含まれている。
また、遊技制御用マイコン61は、S52において、普通図柄の変動表示中であると判定した場合は(S52:YES)、普通図柄の変動時間が終了したか否か判定し(S60)、終了していないと判定した場合は(S60:NO)、普通動作処理を終える。一方、終了したと判定した場合は(S60:YES)、普通図柄の変動表示を、普通当たり乱数値の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄または普通ハズレ図柄)で停止させる(S61)。そして、サブ制御基板100に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S62)、普通図柄の停止時間をセットし(S63)、普通動作処理を終える。
また、遊技制御用マイコン61は、S51において、普通図柄の停止表示中であると判定した場合は(S51:YES)、S63においてセットした普通図柄の停止時間が終了したか否か判定し(S64)、終了していないと判定した場合は(S64:NO)、普通動作処理を終える。一方、終了していると判定した場合は(S64:YES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否か、つまり、当たりか否かを判定し(S65)、当たりではないと判定した場合は(S65:NO)、普通動作処理を終える。一方、当たりと判定した場合は(S65:YES)、高ベース状態であるか否かを判定し(S66)、高ベース状態であると判定した場合は(S66:YES)、普通開閉部材12bの開放パターンOP1をセットし(S67-1)、普通開閉部材12bの開放作動(第2入賞装置12、すなわち普通電動役物についての作動)を開始させる(S67-3)。これにより、普通開閉部材12bは、3秒間の開放動作を3回行う。
また、遊技制御用マイコン61は、S66において、高ベース状態ではない(低ベース状態である)と判定した場合は(S66:NO)、普通開閉部材12bの開放パターンOP2をセットし(S67-2)、普通開閉部材12bの開放作動を開始させる(S67-3)。これにより、普通開閉部材12bは、1.0秒間の開放動作を1回行う。
また、遊技制御用マイコン61は、S50において、普通開閉部材12bの作動中(普通電動役物の作動中)であると判定した場合は(S50:YES)、普通開閉部材12bの作動終了条件が満足されたか否かを判定する(S68)。ここで、作動終了条件とは、S67-1またはS67-2においてセットされた開放パターン毎の開放時間が終了したという開放時間終了条件、或いは、第2始動口12aへの入賞数が規定の入賞数に達したという規定入賞数条件である。また、規定入賞数条件は、第2始動口12aへの入賞数が10個と定められている。
遊技制御用マイコン61は、作動終了条件が満足されていないと判定した場合は(S68:NO)、普通動作処理を終える。一方、満足されたと判定した場合は(S68:YES)、普通開閉部材12bの作動を終了させる(S69)。
次に、遊技制御用マイコン61が前述したメイン側タイマ割込処理(図9)において実行する特別動作処理(S17)の内容について図12を参照しつつ説明する。
この特別動作処理では、特別図柄表示および大入賞装置14に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てる。遊技制御用マイコン61は、特別動作ステータスが「1」であるか否かを判定し(S70)、「1」であると判定した場合は(S70:YES)、特別図柄待機処理(S71)を実行する。また、遊技制御用マイコン61は、特別動作ステータスが「1」ではないと判定した場合は(S70:NO)、「特別動作ステータス」が「2」であるか否かを判定し(S72)、「2」であると判定した場合は(S72:YES)、特別図柄変動中処理(S73)を実行する。
また、遊技制御用マイコン61は、特別動作ステータスが「2」ではないと判定した場合は(S72:NO)、「特別動作ステータス」が「3」であるか否かを判定し(S74)、「3」であると判定した場合は(S74:YES)、特別図柄確定処理(S75)を実行する。また、遊技制御用マイコン61は、特別動作ステータスが「3」ではないと判定した場合は(S74:NO)、「特別動作ステータス」が「4」であるか否かを判定し(S76)、「4」であると判定した場合は(S76:YES)、特別電動役物処理(S77)を実行する。また、遊技制御用マイコン61は、特別動作ステータスが「4」ではないと判定した場合は(S76:NO)、特別動作処理を終了する。なお、特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
次に、遊技制御用マイコン61が特別動作処理(図12)において実行する特別図柄待機処理(S71)の内容について図13を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が「0」であるか否かを判定し(S80)、「0」ではないと判定した場合は(S80:NO)、後述する特図(特図2)特図当たり判定処理(図14)を実行する(S81)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する特図(特図2)変動パターン選択処理(図15,図16)を実行する(S82)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2から「1」を減算し(S83)、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S84)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理を実行する(S85)。つまり、第2特別図柄表示器52は、遊技制御用マイコン61が第2特図保留記憶部64bに記憶されている大当たり乱数値に基づいて当否判定を実行する順に第2特別図柄の変動表示を行う。また、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄の変動表示を行う毎に、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。この第2特図変動開始処理では、変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする変動開始コマンドには、後述する特図(特図2)特図当たり判定処理(図14)においてセットされた特図停止図柄のデータや特図(特図2)変動パターン選択処理(図15,図16)においてセットされた特図変動パターンのデータが含まれている。
また、遊技制御用マイコン61は、S80において、第2特図保留数U2が「0」であると判定した場合は(S80:YES)、第1特図保留数U1が「0」であるか否かを判定し(S86)、「0」ではないと判定した場合は(S86:NO)、後述する特図(特図2)特図当たり判定処理(図14)を実行する(S87)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する特図(特図1)変動パターン選択処理(図15,図16)を実行する(S88)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1から「1」を減算し(S89)、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S90)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図変動開始処理を実行する(S91)。つまり、第1特別図柄表示器51は、遊技制御用マイコン61が第1特図保留記憶部64aに記憶されている大当たり乱数値に基づいて当否判定を実行する順に第1特別図柄の変動表示を行う。また、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄の変動表示を行う毎に、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。この第1特図変動開始処理では、変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする変動開始コマンドには、後述する特図(特図1)特図当たり判定処理(図14)においてセットされた特図停止図柄のデータや特図(特図1)変動パターン選択処理(図15,図16)においてセットされた変動パターンのデータが含まれている。
そして、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理(S85)または第1特図変動開始処理(S91)を実行した場合、特別動作ステータスを2にセットする(S92)。
また、遊技制御用マイコン61は、S86において、第1特図保留数U1が「0」であると判定した場合は(S86:YES)、演出表示装置7が待機画面(客待ち用のデモ画面)を表示しているか否かを判定する(S92)。ここで、待機画面を表示していると判定した場合は(S93:YES)、この特別図柄待機処理を終了し、待機画面を表示していないと判定した場合は(S93:NO)、待機画面設定処理を実行する(S94)。この待機画面設定処理では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。
すなわち、本実施形態では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留数U2が「0」の場合(S80:YESの場合)に限って行われる。言い換えると、本実施形態での第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
次に、遊技制御用マイコン61が実行する特図大当たり判定処理(図13のS81,S87)の内容について図14を参照しつつ説明する。なお、第1特図の特図大当たり判定処理と第2特図の特図大当たり判定処理は、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。また、第1特図保留記憶部64aおよび第2特図保留記憶部64bに共通の事項を説明する場合は、単に特図保留記憶部という。
遊技制御用マイコン61は、RAM64の特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数を読み出し(S100)、特図当たり判定テーブルTA1-1~TA1-6を参照する(S101)。S101において遊技制御用マイコン61は、設定変更基板260から検出回路を介して入力した検出信号に対応する大当たり確率の設定値を特定し、確率設定テーブルTA1の中から、該設定値に対応する特図当たり判定テーブルTA1-1~TA1-6を特定する。続いて、遊技制御用マイコン61は、確変フラグがONしているか否か、つまり、現在の遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(S102)。なお、確変フラグは、いずれかの確変大当たりに当選したときにONされ、いずれかの通常大当たりに当選したときにOFFされる。ここで、確変フラグがONしていない、つまり、通常確率状態であると判定した場合(S102:NO)、遊技制御用マイコン61は、特図当たり判定テーブルTA1-1~TA1-6のうち、通常確率状態の大当たり乱数を参照し、S100において読み出した大当たり乱数と同じ乱数が存在するか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S103)。
一方、S102において確変フラグがONしている、つまり、現在の遊技状態が高確率状態であると判定した場合(S102:YES)、遊技制御用マイコン61は、特図当たり判定テーブルTA1-1~TA1-6のうち、高確率状態の大当たり乱数を参照し、S100において読み出した大当たり乱数と同じ乱数があるか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S104)。
S103で大当たりと判定した場合(S103:YES)又はS104で大当たりと判定した場合(S104:YES)、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、複数の大当たりの種類が設定された大当たり種別判定テーブルTA2を参照し、大当たりの種別を判定する(S105)。大当たりの種別によって、特図の大当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、最大ラウンド数および大当たり演出図柄等が異なる。ここで、振分率とは、大当たり種別判定テーブルTA2に設定されている複数種類の大当たりのうち、所定の大当たりが選択される確率のことである。また、最大ラウンド数とは、大当たり遊技における実行可能な最大ラウンド数のことである。続いて、遊技制御用マイコン61は、特図当たり判定において大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONする(S106)。
S103又はS104で大当たりと判定しなかった場合(S103,S104:NO)、又はS106の終了後、遊技制御用マイコン61は、ステップS107に移行する。大当たりと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、S105で判定した大当たりの種類に応じた特図の大当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データを、RAM64に設けた特図バッファにセットし、特図大当たり判定処理を終了する。
一方、ハズレと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、特図のハズレ図柄を確定表示するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし、特図大当たり判定処理を終了する。
次に、遊技制御用マイコン61が実行する特図変動パターン選択処理(図13のS82,S88)の内容について図15および図16を参照しつつ説明する。なお、特図1変動パターン選択処理と特図2変動パターン選択処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技状態が高ベース状態中であるか否かを判定する(S110)。高ベース状態中(時短状態中)であるか否かは、時短フラグがONしているか否かによって判定することができる。時短フラグは、高ベース状態に制御されるときにONされる一方、高ベース状態が終了するときにOFFされる。
時短フラグがONしていない、つまり、高ベース状態中ではない(低ベース状態中である)と判定した場合(S110:NO)、遊技制御用マイコン61は、ステップS111に移行する。一方、時短フラグがONしている、つまり、高ベース状態中であると判定した場合(S110:YES)、遊技制御用マイコン61は、ステップS116に移行する。ステップS111又はステップS116に移行した遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONしているか否かを判定する(S111,S116)。大当たりフラグがONしていると判定した場合(S111,S116:YES)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルTA3を参照して特図変動パターンを選択する(S112,S117)。例えば、低ベース状態中であれば、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルTA3において低ベース状態で大当たりとなる変動パターン乱数を参照する。同様に、高ベース状態中であれば、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルTA3において高ベース状態で大当たりとなる変動パターン乱数を参照する。そして、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。
また、S111又はS116において大当たりフラグがONしていない、つまり、ハズレと判定した場合(S111,S116:NO)、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されているリーチ乱数を取得し、その取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S113,S118)。低ベース状態である場合、特図保留記憶部の第1記憶領域から取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルのうち、低ベース状態に設定されているリーチ乱数であるか否かを判定する。取得したリーチ乱数が、低ベース状態時のリーチ乱数の中に存在する場合、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S113:YES)。同様に、高ベース状態である場合、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域から取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルのうち、高ベース状態に設定されているリーチ乱数であるか否かを判定する。取得したリーチ乱数が、高ベース状態時のリーチ乱数の中に存在する場合、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S118:YES)。
その後、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルTA3を参照して特図変動パターンを選択する(S114,S119)。例えば、低ベース状態であれば、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルTA3において低ベース状態でリーチ有りハズレとなる変動パターン乱数を参照する。同様に、高ベース状態であれば、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルTA3において高ベース状態でリーチ有りハズレとなる変動パターン乱数を参照する。そして、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。
また、S113又はS118においてリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合(S113,S118:NO)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルTA3を参照して特図変動パターンを選択する(S115,S120)。例えば、低ベース状態であれば、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルTA3において低ベース状態でリーチ無しハズレとなる変動パターン乱数を参照する。同様に、高ベース状態であれば、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルTA3において高ベース状態でリーチ無しハズレとなる変動パターン乱数を参照する。そして、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。
S112,S114,S115,S117,S119,S120の終了後、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S121)、特図変動パターン選択処理を終了する。
ここで、図13の特別図柄待機処理では、S82,S88の特図変動パターン選択処理(より具体的には図15のS121)において特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、特別図柄待機処理のS85においてセットされる特図用の変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(図9のS10)により、サブ制御基板100へ出力される。
次に、遊技制御用マイコン61が特別動作処理(図12)において実行する特別図柄変動中処理(S73)の内容について図17を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動時間(図13に示す特別図柄待機処理のS82またはS88において選択された変動パターンに応じて決まる変動時間)が終了したか否かを判定する(S160)。ここで、遊技制御用マイコン61は、変動時間が終了していないと判定した場合は(S160:NO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。一方、遊技制御用マイコン61は、S160において、変動時間が終了したと判定した場合は(S160:YES)、変動停止コマンドをセットし(S161)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S162)。続いて、遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄またはハズレ図柄)で停止させるなどのその他の処理を行い(S163)、本処理を終える。つまり、遊技制御用マイコン61は、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、決定した特別図柄を導出するように特別図柄表示器を制御する。
次に、遊技制御用マイコン61が特別動作処理(図12)において実行する特別図柄確定処理(S75)の内容について図18を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の停止時間が終了したか否かを判定し(S170)、終了していないと判定した場合は(S170:NO)、直ちにこの処理を終える。一方、遊技制御用マイコン61は、停止時間が終了していると判定した場合は(S170:YES)、後述する遊技状態管理処理を実行する(S171)。続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定し(S172)、大当たりフラグがONしていると判定した場合は(S172:YES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S173)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する設定リセット処理を実行する(S174)。
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技を開始するべく、大当たり遊技の実行開始を示すオープニングコマンドをセットし(S175)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S176)。続いて、遊技制御用マイコン61は、当選した大当たり図柄の種別に応じた開放パターンをセットする(S177)。このときに、大当たり遊技中の大入賞口14aの開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たり図柄の種別に応じた値にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
また、遊技制御用マイコン61は、S172において、大当たりフラグがONしていないと判定した場合は(S172:NO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットする(S178)。
遊技制御用マイコン61は、S177またはS178の終了後、遊技制御用マイコン61は、設定した遊技状態の情報など(大当たり遊技の種別など)を含む遊技状態指定コマンドをセットし(S179)、本処理を終える。
次に、遊技制御用マイコン61が特別図柄確定処理(図18)において実行する遊技状態管理処理(S171)の内容について図19を参照しつつ説明する。
遊技制御用マイコン61は、確変フラグがOFFであるか否かを判定する(S190)。このS190で確変フラグがOFFであると判定した場合に(S190:YES)、遊技制御用マイコン61は、時短フラグがONであるか否かを判定する(S191)。確変フラグとは、高確率状態に制御されていることを示すフラグである。また、時短フラグとは、前述のように高ベース状態(時短状態)に制御されていることを示すフラグである。遊技制御用マイコン61は、S191で時短フラグがONであると判定した場合に(S191:YES)、時短カウンタの値を「1」だけ減算する(S192)。時短カウンタは、高ベース状態への移行時点から、特別図柄の変動回数(合計変動回数)をカウントするためのものである。続いて、遊技制御用マイコン61は、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S193)、「0」であると判定した場合は(S193:YES)、低ベース状態(低確低ベース状態)に移行すべく、時短フラグをOFFにする(S194)と共に、遊技状態指定コマンドをセットして(S195)、遊技状態管理処理を終える。
本実施形態では、大当たり遊技後、高確高ベース状態は次の大当たり遊技状態が開始時されるまで継続する一方、低確高ベース状態は特別図柄の変動回数(合計変動回数)が100回行われた時点で終了するように設定する。つまり、遊技制御用マイコン61が、S190で確変フラグがOFFであると判定し、かつS191で時短フラグがONであると判定した場合(S190:YES、かつS191:NO)は、低確高ベース状態に制御されているということである。
遊技制御用マイコン61は、S190において、確変フラグがOFFではないと判定した場合(S190:NO)、および、S193において、時短カウンタの値が「0」ではないと判定した場合は(S193:NO)、本処理を終える。
次に、遊技制御用マイコン61が特別図柄確定処理(図18)において実行する設定リセット処理(S174)の内容について図20を参照しつつ説明する。
設定リセット処理は、大当たり遊技を開始する前に、各種設定をリセットする処理である。遊技制御用マイコン61は、確変フラグをOFFにし(S210)、続いて、遊技制御用マイコン61は、時短フラグをOFFにして(S211)、時短カウンタの値を「0」にリセットし(S212)、本処理を終える。
次に、遊技制御用マイコン61が特別動作処理(図12)において実行する特別電動役物処理(S77)の内容について図21を参照しつつ説明する。
特別電動役物処理(大当たり遊技)は、大入賞口14aを開放させる大当たり遊技の実行のための処理である。遊技制御用マイコン61は、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S220)。大当たり終了フラグは、大当たり遊技において大入賞装置(特別電動役物)14の開放が全て終了したことを示すフラグである。ここで、遊技制御用マイコン61は、大当たり終了フラグがONではないと判定した場合は(S220:NO)、大入賞口14aが開放中か否かを判定する(S221)。ここで、遊技制御用マイコン61は、大入賞口が開放中ではないと判定した場合は(S221:NO)、大入賞口開放時間か否かを判定する(S222)。
ここで、遊技制御用マイコン61は、大入賞口開放時間ではないと判定した場合は(S222:NO)、そのまま本処理を終える。一方、遊技制御用マイコン61は、大入賞口開放時間であると判定した場合(S222:YES)、大入賞口開放処理を実行する(S223)。この大入賞口開放処理では、大当たりの種類に応じた開放パターンに従って大入賞口14aを開放させる。続いて、遊技制御用マイコン61は、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う(S224)。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S224)では、S223における大入賞口の開放が1回のラウンド遊技中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする。
また、遊技制御用マイコン61は、S221において、大入賞口14aの開放中であると判定した場合は(S221:YES)、大入賞口14aの閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S228)。本実施形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口14aへの入賞個数が規定の最大入賞個数(本実施形態では1R当たり8個)に達したこと、または、大入賞口14aを閉鎖させる時間に至ったこと(つまり、大入賞口14aを開放してから所定の開放時間のいずれかが満たされていることである。ここで、遊技制御用マイコン61は、大入賞口14aの閉鎖条件が成立していないと判定した場合は(S228:NO)、本処理を終える。これに対して、大入賞口14aの閉鎖条件が成立していると判定した場合は(S228:YES)、大入賞口14aを閉鎖(閉塞)する(S229)。続いて、遊技制御用マイコン61は、1回のラウンドが終了するか否かを判定し(S230)、終了すると判定した場合は(S230:YES)、ラウンドカウンタの値を「1」減算する(S231)。
続いて、遊技制御用マイコン61は、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定し(S232)、「0」ではないと判定した場合は(S232:NO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。一方、「0」であると判定した場合は(S232:YES)、大当たり遊技を終了させるための大当たり終了処理を実行する(S233)。この大当たり終了処理では、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに、大当たりのエンディングを開始する。続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり終了フラグをセットし(S234)、本処理を終える。また、遊技制御用マイコン61は、S230において、1回のラウンドが終了しないと判定した場合は(S230:NO)、本処理を終える。
また、遊技制御用マイコン61は、S220において、大当たり終了フラグがONしていると判定した場合は(S220:YES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディング時間が経過したか否かを判定し(S235)、エンディング時間が経過していないと判定した場合は(S235:NO)、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していると判定した場合は(S235:YES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S236)、後述する遊技状態設定処理を実行する(S237)。続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグをOFFし(S238)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S239)、本処理を終える。
次に、遊技制御用マイコン61が特別電動役物処理(図21)において実行する遊技状態設定処理(S237)の内容について図22を参照しつつ説明する。
パチンコ遊技機1では、前述した特図当たり判定で大当たりと判定された場合、大当たりの種別に基づいて、大当たり遊技終了後の遊技状態が制御されるようになっている。そこで、遊技制御用マイコン61は、遊技状態設定処理において先ず、終了させる大当たり遊技の種類を確認し、これに応じて確変フラグおよび時短フラグをセットする(S240)。このS240で確認した大当たり遊技の種別が確変大当たり(「2R確変大当たり」および「10R確変大当たり」)の場合には、確変フラグおよび時短フラグをONにセットし、高確高ベース状態に制御する。一方、S240で確認した大当たり遊技の種別が非確変大当たり(「2R非確変大当たり」)の場合には、時短フラグをONにセットすると共に確変フラグをOFFにセットし、低確高ベース状態に制御する。
続いて、遊技制御用マイコン61は、S240でセットした確変フラグおよび時短フラグについて、確変フラグがOFFかつ時短フラグがONであるかを判定する(S241)。このS241で確変フラグがOFFかつ時短フラグがONであると判定した場合(S241:YES)、低確高ベース状態に制御するということであり、低確高ベース状態は特図の変動表示が100回行われた時に終了する必要があるので、続くS242において、減算方式でカウントする時短カウンタの値に「100」をセットする。なお、時短カウンタの値は、前述した遊技状態管理処理(図19)において、高ベース状態中に特別図柄の図柄変動が行われる度に1ずつ減算され、時短カウンタの値が「0」であると判定した場合にOFFとされる。
そして、遊技制御用マイコン61は、各フラグの情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし(S243)、遊技状態管理処理を終了する。RAM64の出力バッファにセットされた遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(図9のS10)においてサブ制御基板100に出力される。
(演出制御用マイコン101の主な処理)
次に、演出制御用マイコン61(図4)が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
先ず、演出制御用マイコン101が実行するサブ側主制御処理について図23を参照しつつ説明する。
最初に、演出制御用マイコン101は、初期設定を実行する(S300)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU102の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタおよびタイマ等のリセット等を行う。続いて、演出制御用マイコン101は、電源断信号がONしており、かつ、RAM120の内容が正常であるか否かを判定する(S301)。S301を否定判定した場合、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化し(S302)、S303に進む。また、S301を肯定判定した場合、遊技制御用マイコン61は、RAM120を初期化することなくS303に進む。つまり、電源断信号がONになっていない場合、または、電源断信号がONになっていてもRAM120の内容が正常でない場合には(S301:NO)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化する。一方、停電等で電源断信号がONとなったがRAM120の内容が正常に保たれている場合等には(S301:YES)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化することなくS303に移行する。なお、RAM120を初期化すれば、各種のフラグ、カウンタおよびタイマ等の値はリセットされる。また、このS300~S302は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
続いて、演出制御用マイコン101は、割込禁止を行い(S303)、乱数更新処理を実行する(S304)。この乱数更新処理では、種々の演出決定用乱数カウンタの初期値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御用マイコン61が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。続いて、演出制御用マイコン101は、コマンド送信処理を実行する(S305)。このコマンド送信処理では、演出制御用マイコン101のRAM120内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板200、音声制御基板78およびランプ制御基板79等に送信する。続いて、演出制御用マイコン101は割込許可を実行する(S306)。以降、演出制御用マイコン101は、S303~S306を繰り返し実行する。また、割込許可中においては、受信割込処理(S307)、1msタイマ割込処理(S308)および10msタイマ割込処理(S309)の実行が可能となる。
次に、演出制御用マイコン101がサブ側主制御処理(図23)において実行する受信割込処理(S307)について図24を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から、演出制御用マイコン101の外部INT(割込)入力部に与えられるストローブ信号(STB信号)の信号レベルが変化したか否か、つまり、コマンドを受信するタイミングであるか否かを判定する(S310)。具体的には、たとえば、ストローブ信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに変化したか否かを判定する。そして、受信するタイミングでなはないと判定した場合は(S310:NO)、この受信割込処理を終え、受信するタイミングであると判定した場合は(S310:YES)、主制御基板60から送信されてきた各種のコマンドを受信し、それら受信した各種のコマンドをRAM120の受信バッファに格納する(S311)。この受信割込処理は、他の割込処理(S308、S309)に優先して実行される処理である。
次に、演出制御用マイコン101がサブ側主制御処理(図23)において実行する1msタイマ割込処理(S308)について図25を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に1msec周期の割込パルスが入力される度に、この1msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、入力処理を実行する(S320)。この入力処理では、演出ボタン検出スイッチ5a、演出レバー押込検出スイッチ6aおよび演出レバー回転検出スイッチ6bからの検出信号に基づいて、スイッチがONしたことを示すスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)を作成する。続いて、演出制御用マイコン101は、出力処理を実行する(S321)。この出力処理では、後述する変動演出開始処理(図28)のS415においてRAM120のコマンドバッファにセットされる変動演出開始コマンドを画像制御基板200に出力する。
また、楽曲に合うタイミングで盤ランプ2a、左サイドランプ23a、右サイドランプ23bおよびトップランプ23cを発光させるために、後述する10msタイマ割込処理(図26)のS333におけるランプ処理などで作成したランプデータをランプ制御基板79に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ2a、左サイドランプ23a、右サイドランプ23bおよびトップランプ23cを所定の発光態様で発光させる。また、演出に合うタイミングで可動体モータ23dを駆動させるために、駆動データ(回転動作パターンデータ)を作成し、その作成した駆動データを出力する。つまり、駆動データにしたがってトップランプ23c内の回転リフレクタを所定の動作パターンで駆動させる。
続いて、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを送信したか否かを判定する(S322)。変動演出開始コマンドは、後述する変動演出開始処理(図28)のS415においてRAM120のコマンドバッファにセットされ、S321において画像制御基板200に送信される。ここで、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを送信していないと判定した場合は(S322:NO)、本処理を終え、送信したと判定した場合は(S322:YES)、変動演出パターンの変動時間の計測を開始する(S323)。続いて、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行い(S324)、本処理を終える。
次に、演出制御用マイコン101がサブ側主制御処理(図23)において実行する10msタイマ割込処理(S309)について図26を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に10msec周期の割込パルスが入力される度に、この10msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、後述する受信コマンド解析処理(図27)を実行し(S330)、スイッチ状態取得処理を実行する(S331)。このスイッチ状態取得処理では、1msタイマ割込処理の入力処理(図25のS320)において作成したスイッチデータを10msタイマ割込処理用のスイッチデータとしてRAM120に格納する。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて、演出表示装置7が表示するボタン演出やレバー演出などの表示内容を設定するスイッチ処理を実行する(S332)。続いて、演出制御用マイコン101は、ランプ処理を実行する(S333)。このランプ処理では、楽曲の進行に伴って各ランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23aおよび右サイドランプ23bなど)の発光を制御するためのランプデータの作成や発光演出の時間管理などを行う。これにより、各ランプは、楽曲の進行に合った発光演出を行う。
続いて、演出制御用マイコン101は、遊技者に対して右打ち(遊技領域3の右遊技領域3Rに向けた遊技球の発射)を促す右打ち演出を行うための右打ち演出処理を実行する(S334)。なお、右打ち演出は、大当たり遊技状態中および高ベース状態中に対応して行われる。
さらに、演出制御用マイコン101は、音声制御処理を実行する(S335)。この音声制御処理では、音声制御データ(各スピーカ8からの音声の出力を制御するためのデータ)の作成、その作成した音声制御データの音声制御基板78への出力、音声演出の時間管理などを行う。これにより、実行する演出に合った音声が各スピーカ8から出力される。続いて、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S336)、本処理を終える。
次に、演出制御用マイコン101が10msタイマ割込処理(図26)において実行する受信コマンド解析処理(S330)について図27を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S340)、受信したと判定した場合は(S340:YES)、サブ側遊技状態設定処理を実行する(S341)。遊技状態指定コマンドには、遊技状態(通常確率状態か高確率状態か、高ベース状態か低ベース状態か)を示す情報などが含まれている。このサブ側遊技状態設定処理では、受信した遊技状態指定コマンドを解析し、遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、遊技状態フラグを設定する。遊技状態フラグは、現時点で設定されている遊技状態を示すフラグである。遊技状態指定コマンドに含まれている情報が低確低ベース状態を示している場合は、遊技状態フラグ「1」をセットする。また、低確高ベース状態を示している場合は、遊技状態フラグ「2」をセットする。また、高確高ベース状態を示している場合は、遊技状態フラグ「3」をセットする。また、演出制御用マイコン101は、S340において、遊技状態指定コマンドを受信していないと判定した場合は(S340:NO)、S342へ進む。
続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンド)を受信したか否かを判定し(S342)、受信したと判定した場合は(S342:YES)、先読み演出判定処理を実行する(S343)。先読み演出判定処理では、特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部121または第2特図保留演出記憶部122)に記憶した始動入賞情報に含まれている大当たり乱数が、特図大当たり判定(図13のS81,S87)において大当たりと判定される大当たり乱数であるか否かを判定する。つまり、遊技制御用マイコン61が特図当たり判定を行う前に特図当たり判定(事前判定)を行う。そして、大当たりと判定したか否かに応じて、先読み演出を行うか否かを抽選により決定し、先読み演出を行うと決定した場合は、その実行する先読み演出の種類を決定して、その決定した先読み演出を実行する。
またS342において、始動入賞コマンドを受信していないと判定した場合は(S342:NO)、S344へ進む。
続いて、演出制御用マイコン101は、差球情報処理を実行し(S344)、この差球情報処理が終了すると、大当たり演出関連処理を実行する(S345)。これらの処理については、本実施形態に特徴的な差球数に関する処理であるので、後段において図34および図38等を参照しつつ詳述する。
続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S346)、受信したと判定した場合は(S346:YES)、後述する変動演出開始処理(図28)を実行する(S347)。また、演出制御用マイコン101は、変動演出開始処理の実行後、示唆演出選択処理を実行する(S348)。示唆演出選択処理では、変動演出中に示唆演出を実行するか否かおよび実行する示唆演出の種類を決定する。そして、所定の種類の示唆演出を実行することを決定した場合には、その示唆演出の実行を指示するコマンドをRAM120の出力バッファにセットする。なお、この示唆演出選択処理において実行を決定可能な示唆演出の種類については、差球数に関連して変化するので、図35および図36を参照しつつ詳述する。また、演出制御用マイコン101は、S346において、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合は(S346:NO)、S349へ進む。続いて、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S349)、受信したと判定した場合は(S349:YES)、変動演出終了処理を実行する(S350)。この変動演出終了処理では、演出制御用マイコン101は、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(図23のS305)によって画像制御基板200に送信されると、画像制御基板200は、演出表示装置7において左演出図柄9L、中演出図柄9Cおよび右演出図柄9Rを所定の停止パターンを経て確定表示する。また、S353において、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合は(S349:NO)、S351へ進む。
続いて、演出制御用マイコン101は、その他の処理(S351)として、上記のコマンド以外の受信コマンド(たとえば普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
次に、演出制御用マイコン101が受信コマンド解析処理(図27)において実行する変動演出開始処理(S347)について図28を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、受信した変動開始コマンドを解析する(S410)。変動開始コマンドには、遊技制御用マイコン61による特図変動パターン選択処理(図15および図16)でセットされた特図2変動パターンの情報、または、特図1変動パターンの情報が含まれている。続いて、演出制御用マイコン101は、S410において解析した変動開始コマンドが特図1変動開始コマンドである場合は、特図1保留演出カウンタの値を「1」減算し、特図2変動開始コマンドである場合は、特図2保留演出カウンタの値を「1」減算する(S411)。続いて、演出制御用マイコン101は、特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部121または第2特図保留演出記憶部122)に記憶されている始動入賞情報(乱数値などのデータ)を古い記憶領域の方にシフトする(S412)。
続いて、演出制御用マイコン101は、変動演出パターン選択処理を実行する(S414)。詳細には、変動演出パターン乱数値および変動演出パターン選択テーブルを用いて変動演出パターンを選択する。変動演出パターン乱数値は、変動演出パターンを選択するための変動演出パターン乱数値を発生する変動演出パターン乱数カウンタから取得する。なお、変動演出パターン選択テーブルは、特図変動パターンの種類と、変動演出パターン乱数値と、変動演出パターンとを対応付けて構成されている。
続いて、演出制御用マイコン101は、S414において選択した変動演出パターンの表示を演出表示装置7に開始させるための変動演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする(S415)。
(特定差球数(または最大差球数)に関する制御内容)
次に、枠制御用マイコン151、遊技制御用マイコン61および演出制御用マイコン101が実行する、特定差球数(または最大差球数)に関する制御内容について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技店の1回の営業時間(稼働時間)内の遊技に応じた特定差球数を算出・記憶し、その特定差球数が最大差球数として予め定めた遊技球数(「基準数」)に達した場合に、当該パチンコ遊技機1(遊技制御用マイコン61の制御状態)を、遊技者による遊技が不可能な状態(遊技不能状態)に移行させる。
このような仕様とする目的は、遊技者が一日で獲得する利益を制限すること(過剰な利益が遊技者に付与されないようにすること)にある。このため、一日の特定差球数に上限(100000個)を定め、この上限を超えないよう、上限到達前に遊技不能状態とする。本実施形態においては、特定差球数の上限である100000個よりも少ない数(99999個)を「基準数」と定め、特定差球数がこの「基準数」に達したことを契機に、遊技制御用マイコン61による、遊技に関する各種制御を停止する(「基準数」は上限と同数でもよいが、1個少ない遊技球数とすることで桁数を減らし、表示し易くしている)。
なお、現在差球数および特定差球数は、遊技球の発射(実射センサ37の検出)毎に1個ずつ減少する遊技球数であるので、遊技店の営業日の終了までに、減少方向への変化によって最大差球数に達することは基本的にあり得ない。すなわち、遊技に応じた賞球の付与によって特定差球数が増加(最大差球数を更新)することで、特定差球数が「基準数」に達することとなる。
なお、本実施形態では、特定差球数が「基準数」に達する時点が大当たり遊技状態中であっても、その「基準数」到達を契機にその大当たり遊技状態を中断し、遊技不能状態に移行させるようにしてある。これに対し、特定差球数が「基準数」に到達した後にキリのよい時点(遊技状態の移行時等)まで待って遊技不能状態に移行するようにしてもよい(この点は別の実施形態として説明する)。
(特定差球数の計数について)
パチンコ遊技機1は、遊技領域3に設けられる入賞口(第1始動口10a、第2始動口12a、大入賞口14a、一般入賞口11)への遊技球の入賞(入球)を検出する入賞検出センサ(第1始動口センサ10b、第2始動口センサ12c、大入賞口センサ14c、一般入賞口センサ11a)を備えており、これらの入賞検出センサによる検出に応じて、入賞口毎に定められた個数分の賞球を遊技者に対して付与する。なお、始動口への1個の遊技球の入賞に対しての賞球は、例えば「4個」と定められており、大入賞口14aおよび一般入賞口11への1個の遊技球の入賞に対する賞球は、例えば「10個」と定められている。上記の各入賞検出センサは主制御基板60と電気的に接続されており、検出信号が遊技制御用マイコン61に入力されるようになっている。遊技制御用マイコン61(CPU62)は、各入賞検出センサによる検出に基づき、付与する賞球数を特定し、その特定した賞球数を示す賞球コマンドを枠制御基板150に送信する。これに対し、枠制御基板150の枠制御用マイコン151(CPU152)は、遊技制御用マイコン61からの賞球コマンドの入力に応じて賞球数を特定し、特定した賞球数に相当する遊技球数を、RAM170の持ち球数記憶部171に記憶される持ち球数に加算する(記憶値を更新する)ことで、遊技者に対して賞球を付与する。この時、枠制御用マイコン151は、持ち球に加算した遊技球数(賞球数に相当する遊技球数)を、RAM170の現在差球数記憶エリア172a(差球数記憶部172の一部)に記憶される現在差球数にも加算する(記憶値を更新する)。すなわち、現在差球数は、賞球の付与(遊技球の獲得)毎に加算される。また、枠制御用マイコン151(CPU152)は、球循環機構30(図2)の実射センサ37による検出毎(実射毎)に、RAM170の持ち球数記憶部171に記憶される持ち球数を1ずつ減算する。この時、枠制御用マイコン151(CPU152)は、RAM170の差球数記憶部172に記憶される現在差球数についても、実射センサ37による検出毎(実射毎)に1ずつ減算する。すなわち、現在差球数は、遊技球の発射(遊技球の消費)毎に減算される。
ここで、枠制御用マイコン151は、増加方向に変化した現在差球数が最高値であれば、RAM170の最高差球数記憶エリア172b(差球数記憶部172の一部)に記憶される最高差球数を更新する。また、減少方向に変化した現在差球数が最低値であれば、RAM170の最低差球数記憶エリア172c(差球数記憶部172の一部)に記憶される最低差球数を更新する。そして、その現在差球数から最低差球数を減算し、RAM170の特定差球数記憶エリア172d(差球数記憶部172の一部)に記憶される特定差球数を更新する。また、最高差球数または最低差球数の何れかを更新する場合、最高差球数から最低差球数を減算し、RAM170の最大差球数記憶エリア172e(差球数記憶部172の一部)に記憶される最大差球数を更新する。
(遊技不能化について)
ここで、枠制御用マイコン151のROM160には、特定差球数の「基準数」として、99999個という遊技球数が設定されている(図29)。そして、枠制御用マイコン151(CPU152)は、差球数記憶部172の特定差球数記憶エリア172dに記憶される特定差球数が「基準数」に達した場合に、遊技不能状態に移行させることを指示する遊技不能化コマンドをセットし、遊技制御用マイコン61に向けて送信する。これに対し、遊技制御用マイコン61(CPU62)は、遊技不能化コマンドの受信に応じて、制御状態を遊技不能状態とするための各種制御を実行する。なお、遊技制御用マイコン61はこの時に、遊技不能状態に関する報知を実行させるための遊技不能報知コマンドを、演出制御用マイコン101に向けて送信する。このため、パチンコ遊技機1は、遊技不能状態に関する報知(後述)を行うことが可能である(後述する)。
遊技制御用マイコン61(CPU62)は、遊技不能状態に移行させる場合に、前述した複数の入賞検出センサの全ての検出を無効とすることで、入賞口への遊技球の入賞を検出できない状態とする。また、遊技制御用マイコン61(CPU62)は、遊技不能状態に移行させる場合に、大入賞口ソレノイド14dや第2始動口ソレノイド12d等の駆動手段の駆動を禁止または中止することで、大入賞口14aや第2始動口12aを閉鎖し、遊技球の入賞を不可能とする。更に、遊技制御用マイコン61(CPU62)は、遊技不能状態に移行させる場合に、発射装置90(打撃槌90a)の動作を禁止することで、遊技者がハンドル4を操作しても遊技球が発射されない状態とする。更にまた、遊技制御用マイコン61(CPU62)は、遊技不能状態に移行させる場合に、表示器類50が備える全てのLED(つまり、特別図柄表示器51,52や普通図柄表示器53等を構成するLED)を消灯状態とする。なおこの場合に、実行中の特図の変動表示および実行中の普図の変動表示については非表示となり、同時に、変動時間の計測も停止される。なお、停止された変動時間については、その停止時点を示す時間情報をRAM64に記憶・保存するようにしてもよいし、当該時間情報を記憶・保存しないようにしてもよい。
すなわち、本実施形態における「遊技不能状態」とは、全ての入賞検出センサの無効状態と、開閉可能な全ての入賞口の閉鎖状態と、発射無効状態と、図柄表示器の消灯状態と、図柄変動の変動時間の計測停止状態とを含む状態である。これに対し、何れか1つの状態を遊技不能状態として採用することもできる。
(枠制御基板から主・サブ制御基板への特定差球数の通知について)
パチンコ遊技機1は、枠制御用マイコン151(枠制御基板150)から遊技制御用マイコン61(主制御基板60)に向けて特定差球数を通知すると共に、遊技制御用マイコン61(主制御基板60)から演出制御用マイコン101(サブ制御基板100)に向けても同様に特定差球数を通知するように構成されている。これにより、特定差球数を算出する枠制御用マイコン151の制御対象である遊技球数表示器26だけでなく、演出制御用マイコン101の制御対象である演出表示装置7(差球数表示領域7S)でも、特定差球数を表示することが可能となっている。
但し、本実施形態では、通知対象とする特定差球数の範囲が定められており、特定差球数が少ない(「基準数」に近い範囲まで増加していない)場合は通知を省略するようになっている。このため、枠制御用マイコン151のROM160には、特定差球数について、遊技制御用マイコン61への通知を行う対象とする差球範囲(以下「通知対象数」という)が記憶されている。具体的には、「通知対象数」を、99359個から99998個までの各特定差球数と定めている。なお、99999個の特定差球数(「基準数」)については、特定差球数の情報としてではなく遊技不能化を指示する情報として枠制御用マイコン151から遊技制御用マイコン61に通知されるため、以下の説明では便宜上、「通知対象数」からは除外する。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機1は、前述した「基準数」以外の特定差球数に基づく制御(判定等)を行うことがある。例えば、遊技制御用マイコン61は、特定差球数が「基準数」に近い予め定めた遊技球数に達した状態で大当たり遊技状態(差球数増加遊技状態)を終了する場合、特定差球数が「基準数」に達していない段階で特別に、遊技不能状態に移行させるよう制御を行う。これは、特定差球数が間もなく「基準数」となるような状況で大当たり遊技状態が終了し、遊技者が遊技を継続する場合、遊技不能状態となるまでに大当たり遊技状態が生じる可能性は高くなく、また仮に次の大当たり遊技状態が生起されても、その途中で遊技不能状態に移行してしまうため、遊技者が大きな利益を得られることがなく、遊技者にとって単なる無駄な遊技時間となり得るからである。
本実施形態では、図29に示すように、遊技制御用マイコン61や演出制御用マイコン101側による判定で使用される特定差球数として、前述した「通知対象数」のうち99359個、99360個および99872個の3種類の特定差球数(「指標数」)が定められている。便宜上、以下の説明では、99359個の特定差球数のことを「第1の指標数」といい、99360個の特定差球数のことを「第2の指標数」といい、99872個の特定差球数のことを「第3の指標数」ということがある。なお、本実施形態では、遊技制御用マイコン61が、第3の指標数を用いて判定(前述した、大当たり遊技状態を終了する場合に遊技不能状態とするか否かの判定)を行うことがある他、演出制御用マイコン101が、演出や報知に関して、第1~第3の指標数を用いて判定を行うことがある。
第1の指標数と第2の指標数とは、遊技球1個分の差であり、第3の指標数は、第1・第2の指標数よりも「基準数」に近い特定差球数となっている。ここで図29に示すように、第2の指標数は、10R大当たり1回分の特定差球数の増加によって「基準数」に達する可能性が高い差球範囲の下限となる遊技球数として定められており、第1の指標数は、第2の指標数よりも1個少ない遊技球数(10R大当たり1回分の特定差球数の増加によって「基準数」に達する可能性が高くない差球範囲の上限)として定められている。また、第3の指標数は、2R大当たり1回分の特定差球数の増加によって「基準数」に達する可能性が高い差球範囲の下限となる遊技球数として定められている。
なお、前述した「10R大当たり1回分の特定差球数の増加」および「2R大当たり1回分の特定差球数の増加」に対応する遊技球数は、例えば、大当たり遊技状態での「最大付与賞球数(最大獲得球数)」から当該大当たり遊技状態中の「推定消費球数」を差し引いた遊技球数(「推定差球増加数」)とすることができる。また、「最大付与賞球数」は、「ラウンド数×ラウンド中の最大入賞個数×入賞毎の賞球数」の計算式で算出される遊技球数とし、「推定消費球数」は、盤面設計に応じて適宜設定可能であるが、例えば「最小消費球数(ラウンド数×ラウンド中の最大入賞個数)」の2倍の遊技球数とすることができる。
つまり、本実施形態の10R大当たりでは、以下のようになる。
「最大付与賞球数」・・・10×8×10=800個
「推定消費球数」・・・(10×8)×2=160個
「推定差球増加数」・・・800-160=640個
また、本実施形態の2R大当たりでは、以下のようになる。
「最大付与賞球数」・・・2×8×10=160個
「推定消費球数」・・・(2×8)×2=32個
「推定差球増加数」・・・160-32=128個
つまり、第2の指標数(99360個)は、「基準数」(99999個)未満の特定差球数のうち、「基準数」から10R大当たりの「推定差球増加数」(640個)を差し引いた遊技球数(99359個)よりも多い範囲(99360個~99998個)の下限となっており、第1の指標数は、第2の指標数よりも1個少ない特定差球数であって、「基準数」から10R大当たりの「推定差球増加数」(640個)を差し引いた遊技球数(99359個)以下の範囲(0個~99359個)の上限となっており、第3の指標数(99872個)は、「基準数」(99999個)未満の特定差球数のうち、「基準数」から2R大当たりの「推定差球増加数」(128個)を差し引いた遊技球数(99871個)よりも多い範囲(99872個~99998個)の下限となっている。
なお、前述の予め定めた特定差球数(第1~第3の指標数)に関する計算方法はあくまで一例である。本実施形態では前述の通りとするが、「推定差球増加数」は、「最大付与賞球数」と同じ遊技球数としてもよいし、「最大付与賞球数」から「最小消費球数」を差し引いた遊技球数としてもよい。「推定差球増加数」=「最大付与賞球数」とする場合は、第1の指標数を99199個、第2の指標数を99200個、第3の指標数を99840個、とすることができる。また、「推定差球増加数」=「最大付与賞球数」-「最小消費球数」とする場合は、第1の指標数を99279個、第2の指標数を99280個、第3の指標数を99856個とすることができる。
何れにしても、第2の指標数は少なくとも、「基準数」から前述した10R大当たりの「最大付与賞球数」を差し引いた遊技球数よりも多い(「基準数」に近い)遊技球数の範囲にあり、第3の指標数は少なくとも、「基準数」から前述した2R大当たりの「最大付与賞球数」を差し引いた遊技球数よりも多い(「基準数」に近い)遊技球数の範囲にあることになる。
枠制御用マイコン151(CPU152)は、特定差球数記憶エリア172dに記憶される特定差球数が前述した「通知対象数」(99359個~99998個)のうち何れかであると特定した場合には、その際の特定差球数を示す球数通知コマンドをセットし、遊技制御用マイコン61に向けて送信する。これに対し、遊技制御用マイコン61(CPU62)は、受信した球数通知コマンドに応じて現在の特定差球数(第1の指標数以上かつ「基準数」未満の遊技球数)を特定し、RAM64に設けられている通知記憶部64dに記憶する。なお、枠制御用マイコン151からの特定差球数の通知は、特定差球数が増加または減少し、その変化後の特定差球数が第1の指標数以上かつ「基準数」未満となる場合に、その都度実行される。しかし、特定差球数が増加または減少する場合であっても、その変化後の特定差球数が第1の指標数未満となる場合は通知が行われない。このため、通知記憶部64dに記憶される特定差球数が初期値(0個)或いは第1の指標数(99359個)である場合、実際の特定差球数(特定差球数記憶エリア172dに記憶される特定差球数)は、0個から99359個までの何れかの遊技球数となっている。
ここで、遊技制御用マイコン61(CPU62)が前述した遊技不能状態に移行させる処理を実行する場合、基本的には「基準数」を用いた判定の結果に応じてその実行を決定するものの、その実行を例外的に第3の指標数を用いた判定の結果に応じて決定することがある。具体的に、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の終了時に、RAM64の通知記憶部64dに記憶される遊技球数を確認し、特定差球数が第3の指標数以上かつ「基準数」未満(99872~99998個)である場合に、特定差球数が「基準数」に達する前の状態であるが例外的に、遊技不能状態に移行させる制御を行う(図29)。ここで、第3の指標数以上かつ「基準数」未満の特定差球数は、「基準数」との差分が、利益の小さい大当たり遊技状態である2R大当たりによって増加し得る遊技球数(「推定差球増加数」或いは「最大付与賞球数」)よりも小さくなる範囲の遊技球数である。すなわち、大当たり遊技状態が終了する時点での特定差球数が、その後の遊技で2R大当たりが生じてもその2R大当たりを最後まで遊技することができない程度(途中で「基準数」に達する程度)に「基準数」に近づいている場合は、遊技者が遊技を継続しても大きな利益を得ることができない。万が一、大当たり遊技状態(2R大当たりまたは10R大当たり)が生起されたとしても、その大当たり遊技状態が中断されることにより遊技者が強い不満や不信感を抱く虞がある。このため、大当たり遊技状態の終了時点でキリよく遊技を終了させるようにしている。
なお、パチンコ遊技機1の遊技制御用マイコン61(CPU62)は、前述のように遊技不能状態に移行させる場合に、演出制御用マイコン101に向けて遊技不能状態への移行を示す情報を含むコマンド(遊技不能報知コマンド)を送信する。これにより、遊技不能状態に移行したことに関する報知(遊技不能報知)が、演出制御用マイコン101の制御に基づいて実行される。また、遊技制御用マイコン61は、球数通知コマンドを受信した場合に、その受信した球数通知コマンドと同じ特定差球数を示す情報を含むコマンド(球数通知コマンドとする)を演出制御用マイコン101に向けて送信する。これにより演出制御用マイコン101が、前述した第1~第3の指標数を用いて、特定差球数が「基準数」に近づいたこと或いは「基準数」に達したことを特定し、報知や演出等の制御を行う(図29に示す特定示唆演出やシナリオ演出であるが、後述する)。
(遊技可能状態への復帰について)
パチンコ遊技機1は、枠制御基板150に設けられたリセットボタン180(図3)を押下する操作(状態復帰操作)が行われたことに応じて、遊技制御用マイコン61(CPU62)による遊技に関する制御状態が、前述した遊技不能状態から遊技可能状態に移行するように構成されている。具体的には、リセットボタン180に対する状態復帰操作(遊技不能解除操作、差球リセット操作、遊技不能報知解除操作)が行われると、枠制御用マイコン151(CPU152)に、リセットボタン180からの状態復帰信号が入力される。枠制御用マイコン151は、状態復帰信号の入力に応じて、遊技不能状態から遊技可能状態への移行を指示する遊技可能化コマンドを遊技制御用マイコン61に向けて送信する。これに対し、遊技制御用マイコン61は、遊技可能化コマンドの受信に応じて、遊技不能状態を遊技可能状態に移行させる。この場合、複数の入賞検出センサの検出が全て有効となり、大入賞口ソレノイド14dや第2始動口ソレノイド12d等の駆動手段が駆動可能となり、発射装置90(打撃槌90a)による遊技球の発射動作が可能となる。また、表示器類50の全てのLED(特別図柄表示器51,52や普通図柄表示器53等)が点灯状態に復帰する。そして、特図の変動表示および実行中の普図の変動表示が可能な状態に復帰する。
また、パチンコ遊技機1は、リセットボタン180の状態復帰操作に応じて、特定差球数のカウント値(記憶値)をリセットするように構成されている。すなわち、遊技制御用マイコン61は、遊技可能状態への移行(遊技可能化コマンドの受信)に応じて、遊技制御用マイコン61におけるRAM64の通知記憶部64dに記憶される遊技球数(特定差球数、通知対象数)のカウントをリセットする(初期値である0個に戻す)と共に、枠制御用マイコン151に対して特定差球数のカウント値のリセットを要求するための特定差球数リセットコマンドを送信する。これに対し、枠制御用マイコン151は、特定差球数リセットコマンドの受信に応じて、差球数記憶部172の各記憶エリア172a,172b,172c,172dにおける記憶値(現在差球数、最高差球数、最低差球数、特定差球数、最大差球数の各記憶値)をリセットする。これにより、パチンコ遊技機1でカウントする特定差球数が初期値(0個)に戻り、その特定差球数が「基準数」に達するまでの遊技の実行が許容される。
更に、パチンコ遊技機1は、リセットボタン180の状態復帰操作に応じて、遊技不能状態についての報知を終了(報知の対象期間を終了)させるように構成されている。
(遊技不能状態の報知について)
前述の如く、遊技制御用マイコン61は、枠制御用マイコン151(CPU152)からの遊技不能化コマンドの受信により、差球数記憶部172の特定差球数記憶エリア172dにおける記憶値(特定差球数)が「基準数」に達したことを把握し、遊技不能状態に移行させる。また遊技制御用マイコン61は、枠制御用マイコン151からの差球通知コマンドの受信に基づき、大当たり遊技状態の終了時における特定差球数が第3の指標数(99872個)以上かつ「基準数」未満であることを把握した場合にも、例外的に遊技不能状態に移行させる。このように遊技制御用マイコン61(CPU62)は、前述のように「基準数」や第3の指標数を用いた特定差球数の判定に基づいて遊技不能状態への移行を決定・実行する場合、遊技不能状態への移行を示す情報としての遊技不能報知コマンドを演出制御用マイコン101(CPU102)に向けて送信する。そして、演出制御用マイコン101は、遊技不能報知コマンドを受信したことに基づいて、所定の報知実行手段(本実施形態では、演出表示装置7、トップランプ23cおよびスピーカ8)に遊技不能報知を実行させるように制御を行う。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技不能状態とする期間(報知対象期間)の開始や終了のタイミングを設定し、この報知対象期間中、継続的に遊技不能報知を実行可能とするように構成されている。なお、報知対象期間中に電源がOFFになるとその間は遊技不能報知が行われないが、再び電源をONにすると遊技不能報知が再開される。
この遊技不能報知の具体的な内容等について説明する。図30(a)に示すように、遊技不能報知では、演出表示装置7の画面上に、その画面全体を使って「本日の遊技は終了です」等の文字情報による報知画像を表示する。遊技不能報知が開始されてから所定時間(例えば30秒間)は、トップランプ23cを赤色および緑色の発光色で発光させると共に、可動体モータ23dを駆動してトップランプ23c内の回転リフレクタを回転させ、更にスピーカ8から「ウィンウィンウィン・・・」という報知音を出力する。遊技不能報知の開始から所定時間が経過した後は、図30(b)に示すように、トップランプ23cを消灯状態とし、スピーカ8からの音出力を停止させる。なお、演出表示装置7の表示内容は変化させない(遊技不能報知が終了するまで同じ)。
このように、予め定めた態様で遊技不能報知を行うことにより、その報知内容を遊技者等に対して容易に理解させることができる。特に、本実施形態では、発光や音により実行される遊技不能報知の態様が途中で(所定時間経過により)変化し、表示による遊技不能報知の態様は一定で変化しないようにした。すなわち、遊技不能状態が開始されて所定時間経過までは、報知音や発光を用いた派手な態様で報知が行われ、その後は派手さを抑えた態様で報知が行われる。このような報知態様で遊技不能報知を実行することにより、遊技不能状態を確実に遊技者に知らせつつ、派手な報知が長く行われる際の不快感を遊技者に与えないようにしている。なお、表示による遊技不能報知の態様が途中で変化するようにしてもよいし、発光や音による遊技不能報知の態様を一定としてもよい。また、遊技不能報知の各要素(表示・発光・音)の態様を、途中で全て変化させてもよいし、また逆に全て一定(最後まで変化させない)としてもよい。
(遊技不能状態への移行等に関する処理の流れ)
ここで、パチンコ遊技機1が実行する制御処理のうち、遊技不能状態への移行等に関する具体的な処理(特定差球数の算出・記憶およびリセット、遊技不能状態の開始・終了、遊技不能報知の対象期間の設定等の処理)の流れについて、図31から図34までを参照しつつ説明する。特定差球数に関する処理は、枠制御用マイコン151(CPU152)と、遊技制御用マイコン61(CPU62)と、演出制御用マイコン101(CPU102)とが協働して制御を行うことにより実現される。なお、特定差球数に関する処理以外で、実際には持ち球数に関する処理等も行うが、説明を省略することとする。
(枠制御用マイコン151による差球数特定処理)
図31に示すように、枠制御用マイコン151は、差球数特定処理において先ず、遊技制御用マイコン61からの賞球コマンドの受信があるかを確認し(S500)、また実射センサ37の検出信号が入力されているかを確認する(S501)。そして、S500およびS501の結果に基づいて、その時点での差球数(現在差球数)を算出し、更にその差球数に関する複数種類の遊技球数(最高差球数、最低差球数、特定差球数、最大差球数)を算出して、差球数記憶部172(具体的には特定差球数記憶エリア172d)に記憶する(S502)。
ここで、前述したS502について、図31(b)を参照しつつ説明する。枠制御用マイコン151は、S500において遊技制御用マイコン61からの賞球コマンドの受信があれば、入賞に応じた所定個数の賞球(獲得球数)が発生したということであるので、受信した賞球コマンドが示す賞球数を特定し、その特定した賞球数を、S502において、差球数記憶部172における現在差球数記憶エリア172aの記憶値(現在差球数)に加算する。また、S501において実射センサ37の検出信号が入力されていれば、遊技球の発射により1個の遊技球が消費された(消費球数が1個発生した)ということであるので、S502において、差球数記憶部172における現在差球数記憶エリア172aの記憶値(現在差球数)を1個分減算する。なお、S500,S501で行う確認において、賞球コマンドの受信がなく、実射センサ37からの検出信号も入力されていなければ、S502では、差球数記憶部172に記憶される現在差球数、最高差球数、最低差球数、特定差球数、最大差球数の各記憶値は更新されず、維持される。枠制御用マイコン151はこのS502において現在差球数記憶エリア172aの記憶値(現在差球数)を更新した場合、その更新した現在差球数記憶エリア172aの記憶値と、最低差球数記憶エリア172cの記憶値とを比較する。この比較において現在差球数が小さいと判定した場合、枠制御用マイコン151は最低差球数記憶エリア172cの記憶値(最低差球数)をその際の現在差球数と同数に更新する。一方、この比較において最低差球数が小さいと判定した場合には、枠制御用マイコン151は最低差球数記憶エリア172cの記憶値(最低差球数)を更新することなく、次に現在差球数記憶エリア172aの記憶値と、最高差球数記憶エリア172bの記憶値とを比較する。この比較において現在差球数が大きいと判定した場合、枠制御用マイコン151は最高差球数記憶エリア172bの記憶値(最高差球数)をその際の現在差球数と同数に更新する。一方、この比較において最高差球数が大きいと判定した場合には、枠制御用マイコン151は最高差球数記憶エリア172bの記憶値(最高差球数)を更新しない。そして、枠制御用マイコン151は、最高差球数記憶エリア172bの記憶値(最高差球数)および最低差球数記憶エリア172cの記憶値(最低差球数)の何れかを更新した場合に、最高差球数(正数)から最低差球数(負数)を減算し、その結果により最大差球数記憶エリア172eの記憶値(特定差球数)を更新する。また次に、枠制御用マイコン151は、現在差球数(正数~負数)から最低差球数(負数)を減算し、その結果により特定差球数記憶エリア172dの記憶値(特定差球数)を更新する。
図31(a)に戻り、枠制御用マイコン151は、差球数記憶部172の特定差球数記憶エリア172dに記憶される特定差球数が「通知対象数」の範囲(99359個以上かつ99999個未満)であるかを判定する(S503)。枠制御用マイコン151は、S503において特定差球数が「通知対象数」であると判定した場合に、その時点の特定差球数を遊技制御用マイコン61に通知するための球数通知コマンドをセットし(S504)、出力処理において送信する。これに対し、通知を受ける遊技制御用マイコン61側では、球数通知コマンドから具体的な特定差球数(99359個から99998個までの何れか)を特定可能である。
一方、枠制御用マイコン151は、S503において特定差球数が「通知対象数」ではないと判定した場合、S505へ進む。S505において枠制御用マイコン151は、特定差球数が「基準数」(すなわち、99999個)に達したか否かを判定する。そして、特定差球数が「基準数」(すなわち、99999個)に達したと判定した場合(S505:YES)には、遊技不能状態への移行を遊技制御用マイコン61に指示するための遊技不能化コマンドをセットし(S506)、出力処理において送信する。
そして、枠制御用マイコン151は、前述したS504またはS506の処理を終了した場合、および、前述したS505の処理で否定判定した場合、S507に進む。
枠制御基板150上の枠制御用マイコン151は、同じく枠制御基板150上に配設されているリセットボタン180が押下されたことに伴い、状態復帰信号を入力するように構成されている。枠制御用マイコン151はS507において、状態復帰信号を入力しているか、つまり、リセットボタン180の操作が行われたかを判定する。そして、リセットボタン180の操作が行われていない(状態復帰信号を入力していない)と判定した場合には(S507:NO)、差球数特定処理を終了する。一方で、リセットボタン180の操作が行われた(状態復帰信号を入力している)と判定した場合には(S507:YES)、続くS508において、差球数記憶部172のカウント値(現在差球数、最高差球数、最低差球数、特定差球数、最大差球数)をリセットし(S508)、次に、遊技可能状態への移行を遊技制御用マイコン61に指示するための遊技可能化コマンドをセットして(S509)、差球数特定処理を終了する。
(遊技制御用マイコン61による差球関連処理)
図32に示すように、遊技制御用マイコン61は、差球関連処理において先ず、特定差球数が「基準数」に達したか否かを判定する(S510)。この場合に、遊技制御用マイコン61は、枠制御用マイコン151からの遊技不能化コマンドの受信があるかを確認し、受信があれば、特定差球数が「基準数」に達したと判定する(S510:YES)。一方で、受信がなければ、特定差球数が「基準数」に達していないと判定する(S510:NO)。
遊技制御用マイコン61は、S510において特定差球数が「基準数」に達したと判定した場合に(S510:YES)、遊技可能状態から遊技不能状態へと移行させるための処理を実行する。具体的には先ず、遊技停止処理を実行する(S511)。この遊技停止処理では、遊技盤2の各入賞口への入賞を検出する全ての入賞検出センサの検出を無効にすると共に、前述したメイン側タイマ割込処理(図9)におけるS11,S15,S16,S17等の処理の実行を停止させる。これにより、各入賞口の入賞検出が不可能な状態となり、大入賞口14aや第2始動口12aが閉鎖を維持する状態となり、表示器類50のLED(特別図柄表示器51,52や普通図柄表示器53等)が消灯状態(特図や普図の変動表示が非表示)となり、実行中であった特図や普図の変動表示については変動時間の計測が中止(または中断)される。この遊技停止処理(S511)が終了すると、遊技制御用マイコン61は次に、発射停止処理を実行する(S512)。この発射停止処理では、平常状態(遊技可能状態)において常に出力している発射許可信号を停止させる。これにより、発射制御回路75による発射装置90の駆動制御が停止され、遊技球の発射動作が不可能な状態になる。このように、遊技制御用マイコン61による遊技停止処理(S511)および発射停止処理(S512)が実行されることで、遊技可能状態から遊技不能状態に移行する。なお、遊技不能状態への移行は、遊技停止処理および発射停止処理の一方のみにより実行されてもよい。
S512を終了すると、遊技制御用マイコン61は、遊技不能状態に関する報知を演出制御用マイコン101の制御により実行させるための遊技不能報知コマンドをセットする(S513)。この遊技不能報知コマンドは、前述したメイン側タイマ割込処理(図9)の出力処理(S10)においてサブ制御基板100(演出制御用マイコン101)に送信される。
遊技制御用マイコン61は、前述したS510において特定差球数が「基準数」に達していないと判定した場合(S510:NO)、S514に移行し、枠制御用マイコン151からの特定差球数の通知があるか(特定差球数に変化があったか)を判定する。この場合に、遊技制御用マイコン61は、球数通知コマンドの受信があるかを確認し、受信があれば、変化後の特定差球数の通知があったと判定し(S514:YES)、受信がなければ、特定差球数の変化がなかったために通知がなかったと判定する(S514:NO)。遊技制御用マイコン61は、S514において特定差球数の通知があったと判定した場合(S514:YES)、S515に移行して通知対象数記憶処理を実行する。この通知対象数記憶処理(S515)では、受信した球数通知コマンドが示す特定差球数(通知対象数)を、RAM64の通知記憶部64dに記憶(カウント値を更新)する(S515)。そして、通知対象数記憶処理(S515)の終了後、S516に移行し、枠制御用マイコン151から受信した球数通知コマンドと同様のコマンド(球数通知コマンドという)をセットする。この球数通知コマンドは前述したメイン側タイマ割込処理(図9)の出力処理(S10)においてサブ制御基板100(演出制御用マイコン101)に送信される。
遊技制御用マイコン61は、S516の処理を終了すると、S517へ進む。また、S514において枠制御用マイコン151からの特定差球数の通知がなかったと判定した場合(S514:NO)、S515,S516を経由することなくS517へ進む。
S517において、遊技制御用マイコン61は、RAM64の通知記憶部64dに記憶されている特定差球数を確認し、その特定差球数が第3の指標数(99872個)以上であるかを判定する。なお、前述した球数通知コマンドで通知される特定差球数は、99359個から99998個までの遊技球数のうち何れかであるので、通知記憶部64dにはこれらの遊技球数の何れかまたは初期値(0個)が記憶されている。このうち99872個(第3の指標数)以上の特定差球数が通知記憶部64dに記憶されている場合は、特定差球数が「基準数」に極めて近い遊技球数(1回の2R大当たりによって「基準数」に到達する可能性が高い遊技球数)まで増加していることを把握可能である。そしてこのS517において、特定差球数が99872個以上(かつ「基準数」未満)であると判定した場合、S518に進む。
遊技制御用マイコン61は、S518において、大当たり遊技状態の終了時であるかを判定する。この場合、大当たり遊技状態の終了時であるか否かは、前述した特別電動役物処理(図21のS236)において大当たり終了フラグがONからOFFにされたか否か等の情報により判定することができる。
ここで、遊技制御用マイコン61は、S518が肯定判定であった場合、つまり、特定差球数が第3の指標数以上かつ「基準数」未満の状態で大当たり遊技状態が終了された場合には、前述したS511(遊技停止処理)およびS512(発射停止処理)を実行して遊技不能状態に移行させ、その後に前述したS513(遊技不能報知コマンドのセット)を実行して、差球関連処理を終了する。すなわち、大当たり遊技状態が終了する時点で特定差球数が「基準数」に近い場合、遊技者がその後に遊技を継続しても直ぐに遊技不能状態へ移行することになり、大きな利益を得ることができない。このため、遊技制御用マイコン61は、例外的に、遊技可能状態から遊技不能状態へと移行させる。そして、S512でセットした遊技不能報知コマンドを演出制御用マイコン101が受信して遊技不能報知を開始することになる。
(遊技制御用マイコン61による遊技不能状態からの状態復帰処理)
図33に示すように、遊技制御用マイコン61は、状態復帰処理において先ず、遊技不能状態から遊技可能状態に移行(復帰)させるための状態復帰操作が行われたかを判定する(S520)。なお、状態復帰操作の対象となるリセットボタン180は、枠制御基板150に配設されている。前述したように枠制御用マイコン151は、リセットボタン180が押下されたことに伴い状態復帰信号を入力すると、これに応じて遊技可能化コマンドをセットし、遊技制御用マイコン61に向けて送信する(図31のS509)。このため、遊技制御用マイコン61は、S520において、枠制御用マイコン151からの遊技可能化コマンドの受信があるか否かにより、状態復帰操作が行われたかを判定する。
遊技制御用マイコン61は、前述したS520において状態復帰操作が行われなかったと判定した場合(S520:NO)には、状態復帰処理を終了する。一方で、S520において状態復帰操作が行われたと判定した場合(S520:YES)は、遊技不能状態からの状態復帰に関する処理(S521~S524)を実行する。
具体的には、遊技制御用マイコン61は、S521において、遊技不能状態への移行時に無効とした全ての入賞検出センサの検出を有効にすると共に、遊技不能状態への移行時に実行を停止したメイン側タイマ割込処理(図9)におけるS11,S15,S16,S17等の処理を実行可能とする。また、遊技制御用マイコン61は、S522において、遊技不能状態への移行時に停止した発射許可信号の出力を再開する。これらS521およびS522の処理により、遊技不能状態から遊技可能状態へと移行する。
S522が終了すると、遊技制御用マイコン61は、S523において、RAM64の通知記憶部64dに記憶されている特定差球数(通知対象数)のカウント値を初期値(0個)にリセットする。なおこの時、枠制御用マイコン151側の記憶エリア172a,172b,172c,172d,172eに記憶される現在差球数、最高差球数、最低差球数、特定差球数および最大差球数は、既にリセットされている(図31のS508)。
また、遊技制御用マイコン61は、S523の終了後、S524において、遊技不能報知解除コマンドをセットする。この遊技不能報知コマンドは、前述したメイン側タイマ割込処理(図9)の出力処理(S10)において演出制御用マイコン101に送信される。これに対し、演出制御用マイコン101は、遊技制御用マイコン61からの遊技不能報知解除コマンドの受信に応じて、遊技不能報知の実行を終了させる(遊技不能報知の対象期間を終了させる)。
このように、パチンコ遊技機1は、枠制御基板150上のリセットボタン180が操作されること(状態復帰操作が行われること)に伴い、遊技が可能な状態に移行する。またこの場合に、特定差球数のカウントが初期値(0個)から開始される。また、遊技不能状態で行われていた報知(遊技不能報知)が終了することになる。
(演出制御用マイコン101による演出用・報知用の差球情報処理)
次に、演出制御用マイコン101が前述した受信コマンド解析処理(図27)におけるS344で実行する差球情報処理について図34を参照しつつ説明する。
図34に示すように、演出制御用マイコン101は、差球情報処理において先ず、遊技制御用マイコン61からの遊技不能報知コマンドの受信があるかを判定する(S531)。なお、演出制御用マイコン101RAM120内には、特定差球数の到達レベル(「基準数」にどの程度近づいているか)を示すために用いられる記憶手段として、第1~第3差球数フラグが設けられている(後述する)。このうち第3差球数フラグは、特定差球数が99999個の場合、つまり特定差球数(この場合は最大差球数)が「基準数」に達した場合にONに設定され、それ以外の場合にOFFに設定される。なお、第1・第2差球数フラグは、特定差球数が99998個以下の場合に対応してONに設定され得るが、99999個(「基準数」)の場合はOFFに設定される。ここで、遊技不能報知コマンドを受信するということは、特定差球数が「基準数」に達したこと(すなわち、最大差球数が「基準数」に達したこと)を示している。このため、S531において受信があると判定した場合(S531:YES)は、続くS532において、第3差球数フラグをONに設定すると共に、第1差球数フラグおよび第2差球数フラグをOFFに設定する。そして、演出制御用マイコン101は、第3差球数フラグをONとする期間(報知の対象期間)に、前述した遊技不能報知を実行制御する。なお、遊技不能報知は、所定の報知実行手段(本実施形態では、演出表示装置7、トップランプ23cおよびスピーカ8)により実行される。
演出制御用マイコン101は、S531において受信がないと判定した場合(S531:NO)、S533へ進む。S533において演出制御用マイコン101は、遊技制御用マイコン61からの遊技不能報知解除コマンドの受信があるかを判定する。そして、このS533において受信があると判定した場合(S533:YES)は、S534に移行し、第3差球数フラグをOFFに設定する。このように、演出制御用マイコン101は、遊技不能報知コマンドの受信に応じてONとされた第3差球数フラグが、遊技不能報知解除コマンドの受信に応じてOFFに戻される。なお、S533の判定は、前述したS531が否定判定の場合のみならず、肯定判定の場合にも行ってもよい(但し、遊技不能報知コマンド・遊技不能報知解除コマンドを同時に受信することは基本的にない)。
演出制御用マイコン101は、前述したS533において遊技不能報知解除コマンドの受信がないと判定した場合(S533:NO)には、S535に移行し、遊技制御用マイコン61(枠制御用マイコン151)からの球数通知コマンドの受信があるかを判定する。このS535において受信があると判定した場合(S535:YES)、演出制御用マイコン101は、S536へ進む。なお、S535の判定は、前述したS533が否定判定の場合のみならず、肯定判定の場合にも行ってもよい(但し、遊技不能報知解除コマンド・球数通知コマンドを同時に受信することは基本的にない)。
S536において演出制御用マイコン101は、受信した球数通知コマンドが示す特定差球数(通知対象数)を特定し、RAM120に記憶する。そして、以降の処理(S537~S539)を実行することにより、「基準数」未満である現在の特定差球数を3つの範囲に区別して記憶する。なお、演出制御用マイコン101は、第2の指標数である99360個以上の特定差球数についてのみ、実際の具体的な遊技球数を特定することができる。特定差球数が第1の指標数(99359個)の場合には特定差球数の通知(球数通知コマンドの受信)があるものの、それより少ない特定差球数は通知がないので、特定差球数が99359個以下(0個から99359個までの範囲)の遊技球数であることを特定することになる。
前述のように第1~第3差球数フラグがRAM120内に設けられている。演出制御用マイコン101は、前述したS536で特定された特定差球数が第1の指標数(99359個)または初期値(0個)であった場合にはS537に移行し、第1~第3差球数フラグをOFFに維持する。また、演出制御用マイコン101は、前述したS536で特定された特定差球数が第2の指標数(99360個)以上かつ第3の指標数(99872個)未満であった場合にはS538に移行し、第1差球数フラグをONに設定すると共に第2・第3差球数フラグをOFFに設定する。更に、演出制御用マイコン101は、前述したS536で特定された特定差球数が第3の指標数(99872個)以上かつ「基準数」(99999個)未満であった場合にはS539に移行し、第1・第3差球数フラグをOFFに設定すると共に第2差球数フラグをONに設定する。この他、特定差球数が「基準数」に達した状態では、前述したS531において遊技不能報知コマンドの受信が確認され、第3差球数フラグがONかつ第1・第2差球数フラグがOFFとされる。
このように、演出制御用マイコン101は、遊技制御用マイコン61からの球数通知コマンドに応じて、具体的な特定差球数を記憶する他、第1~第3差球数フラグを用いて特定差球数の増加度合いを記憶するように構成されている。なお、第1~第3差球数フラグが何れもOFFの場合は、特定差球数が「基準数」に対して10R大当たり1回の特定差球数増加分以上に差がある(「基準数」に近づいていない状態)であり、第1差球数フラグがONの場合は、特定差球数が「基準数」に対して10R大当たり1回分から2R大当たり1回分の特定差球数増加分だけ離れている状態(「基準数」に比較的近づいている状態)であり、第2差球数フラグがONの場合は、特定差球数が「基準数」に対して2R大当たり1回分の特定差球数増加分も離れていない状態(「基準数」に極めて近づいている状態)であり、第3差球数フラグがONの場合は、特定差球数(最大差球数)が「基準数」に達した状態である。演出制御用マイコン101は、第1~第3差球数フラグの状態に基づいて、特定差球数(または最大差球数)に関する報知や演出の制御を実行する。一例として、特定差球数に関する示唆演出や打ち方報知の制御について説明する。
(示唆演出(通常示唆演出と特定示唆演出))
先ず、示唆演出について説明する。本実施形態では、特定差球数が増加して「基準数」に近づくと、演出図柄の変動演出中に実行される示唆演出に変化を与え、これにより特定差球数が「基準数」に近くなったことを示唆する。なお、以下に説明する示唆演出は、低ベース状態および高ベース状態において共通して参照されるテーブル(図35に示す示唆演出選択テーブルTA4-1,TA4-2)に基づいて選択・実行されるものとするが、図35のテーブルは高ベース状態のみに参照されるものとしてもよいし、低ベース状態のみに参照されるものとしてもよい。
演出制御用マイコン101(CPU102)は、前述した受信コマンド解析処理(図27)の示唆演出選択処理(S348)において、演出図柄の変動演出中に実行する示唆演出の種類をその変動演出の開始に伴い決定する。具体的には、第1差球数フラグか第2差球数フラグの何れかがONである状態(第2の指標数(99360個)以上かつ「基準数」(99999個)未満)に限り、特定差球数が「基準数」に近づいていることを示すための示唆演出(特定示唆演出)を選択(実行)可能に構成されている。また、特定差球数が「基準数」に近づいていることを示すための示唆演出(特定示唆演出)の選択確率は、第1の差球数フラグおよび第2の差球数フラグの両方がOFFである場合(特定差球数が第1の指標数以下の場合)よりも、第1の差球数フラグがONである場合(特定差球数が第2の指標数以上かつ第3の指標数未満)の方が高く、また、第1の差球数フラグがONである場合よりも、第2の差球数フラグがONである場合(特定差球数が第3の指標数以上かつ「基準数」未満の場合)の方が高くなるように設定されている。つまり、遊技者は、前述した特定示唆演出が行われたことにより、または、行われる頻度が増加したことにより、特定差球数が「基準数」に近づいていることの情報(特定差球数に関する情報)を得ることができる。
演出制御用マイコン101のROM110には、例えば図35に示す内容の示唆演出選択テーブル(ハズレ示唆演出選択テーブルTA4-1および当たり示唆演出選択テーブルTA4-2)が記憶されている。演出制御用マイコン101(CPU102)は、演出図柄の変動演出の開始に伴い実行する示唆演出選択処理(図27のS348)において、その変動演出に対応する始動入賞情報に含まれる大当たり乱数値が大当たりであるか否かに応じて、参照する示唆演出選択テーブルTA4-1,TA4-2を異ならせる。この場合に、大当たり乱数値がハズレの値であれば、ハズレ示唆演出選択テーブルTA4-1を参照して示唆演出を決定し、大当たり乱数値が大当たりの値であれば、当たり示唆演出選択テーブルTA4-2を参照して示唆演出を決定する。すなわち、本実施形態における示唆演出(特定示唆演出を含む)は、演出図柄の変動演出が大当たりとなるか否か(大当たり遊技状態が生起されるか否か)の期待度を示唆する機能を有する。
示唆演出選択テーブルTA4-1,TA4-2には、合計6種類の示唆演出(すなわち実行可能な示唆演出)が選択肢として設定されている。先ず図36を参照し、各示唆演出の演出内容について説明する。
第1示唆演出SEa1,SEb1は、演出表示装置7の画面で実行される示唆演出であり、図36(a)に示すように、「KEEP OUT」(立ち入り禁止)と書かれたテープ(帯)を画面上に張り巡らしたような状態を表す表示内容を含んでいる。但し、2種類の第1示唆演出SEa1,SEb1のうち、図36(a)において左側の第1示唆演出SEa1が、画面の最前(最も遊技者側)に表示されるテープに「KEEP OUT」の文字のみが記されているのに対し、右側の第1示唆演出SEb1では、最前(最も遊技者側)に表示されるテープに記されている「KEEP OUT」の文字の上に「REAL」という文字が付加されている。
第2示唆演出SEa2,SEb2は、演出表示装置7の画面で実行される示唆演出であり、図36(b)に示すように、左右方向へ延びる一本の振幅線(演出の一種として、例えばノイズ等の外力の影響の大きさを上下方向の振幅で示すもの)が、単色の背景の手前側に位置する状態を表す表示内容を含んでいる。但し、2種類の第2示唆演出SEa2,SEb2のうち、図36(b)において左側の第2示唆演出SEa2が、振幅線の振幅が小さい状態で表示されているのに対し、右側の第2示唆演出SEb2では、振幅線の振幅が大きい状態(つまり、外力の影響を大きく受けている状態)で表示されている。
第3示唆演出SEa3,SEb3は、トップランプ23c(図1A)およびスピーカ8(図1A)により実行される示唆演出である(図36(c)参照)。但し、2種類の第3示唆演出SEa3,SEb3のうち、図36(c)における左側に示す第3示唆演出SEa3が、トップランプ23cを赤色(単色)に発光させつつ回転リフレクタを回転させ、かつスピーカ8から「ファンファンファン・・・」という音を出力するのに対し、右側に示す第3示唆演出SEb3では、トップランプ23cを赤色および緑色に発光させつつ回転リフレクタを回転させ、かつスピーカ8から「ウィンウィンウィン・・・」という音を出力するように設定されている(つまり、トップランプ23cの緑色の発光が付加されていると共に、スピーカ8からの音出力を異ならせてある)。
このように、図36(a)に示す態様が類似する2種類の第1示唆演出SEa1,SEb1は、演出内容の殆どが互いに共通し、その一部(「REAL」の文字の有無)のみが相違している。また、図36(b)に示す態様が類似する2種類の第2示唆演出SEa2,SEb2は、演出内容の殆どが互いに共通し、その一部(振幅線の振幅の大きさ)のみが相違している。更に、図36(c)に示す態様が類似する2種類の第3示唆演出SEa3,SEb3は、演出内容の一部が互いに共通し、一部(緑色の発光と音)が相違している。つまり、所定の示唆演出SEa1,SEa2,SEa3の演出内容を基礎として一部を別の演出内容に差し替えた態様で、別の示唆演出SEb1,SEb2,SEb3が実行される。
以下の説明では、図36(a)~図36(c)において左側に示した第1~第3示唆演出SEa1,SEa2,SEa3のことを、「第1~第3通常示唆演出」といい、右側に示した第1~第3示唆演出SEb1,SEb2,SEb3のことを、「第1~第3特定示唆演出」という。
図35に戻り、各示唆演出の選択確率について説明する。示唆演出選択テーブルTA4-1,TA4-2では、第1,第2差球数フラグの状態の違い(特定差球数の違い)によって、前述した特定示唆演出の選択確率が異なる(特定差球数が「基準数」に近づくにつれて、特定示唆演出の選択確率が次第に高まる)ように設定されている。また各特定示唆演出は、特図当たり判定の結果に応じて選択確率が異なるように設定されている。
具体的に、ハズレ示唆演出選択テーブルTA4-1は、第1~第3通常示唆演出SEa1,SEa2,SEa3の選択確率が、第1差球数フラグおよび第2差球数フラグの状態に関わらず、順に10パーセント、5パーセント、5パーセントに設定されている。これに対し、第1~第3特定示唆演出SEb1,SEb2,SEb3の選択確率は、第1差球数フラグおよび第2差球数フラグが何れもOFF(特定差球数が第1の指標数以下)である場合には、何れも0パーセントに設定され、第1差球数フラグがONかつ第2差球数フラグがOFF(特定差球数が第2の指標数以上かつ第3の指標数未満)である場合には、第1~第3特定示唆演出SEb1,SEb2,SEb3の順に、15パーセント、10パーセント、5パーセントに設定され、第1差球数フラグがOFFかつ第2差球数フラグがON(特定差球数が第3の指標数以上かつ「基準数」未満)である場合には、第1~第3特定示唆演出SEb1,SEb2,SEb3の順に、40パーセント、30パーセント、10パーセントに設定されている。
また、当たり示唆演出選択テーブルTA4-2は、第1~第3通常示唆演出SEa1,SEa2,SEa3の選択確率が、第1差球数フラグおよび第2差球数フラグの状態に関わらず、順に10パーセント、20パーセント、20パーセントに設定されている。これに対し、第1~第3特定示唆演出SEb1,SEb2,SEb3の選択確率は、第1差球数フラグおよび第2差球数フラグが何れもOFF(特定差球数が第1の指標数以下)である場合には、何れも0パーセントに設定され、第1差球数フラグがONかつ第2差球数フラグがOFF(特定差球数が第2の指標数以上かつ第3の指標数未満)である場合には、第1~第3特定示唆演出SEb1,SEb2,SEb3の順に、10パーセント、15パーセント、15パーセントに設定され、第1差球数フラグがOFFかつ第2差球数フラグがON(特定差球数が第3の指標数以上かつ「基準数」未満)である場合には、第1~第3特定示唆演出SEb1,SEb2,SEb3の順に、20パーセント、15パーセント、15パーセントに設定されている。
このように、パチンコ遊技機1が実行可能な示唆演出として、通常示唆演出SEa1,SEa2,SEa3と、特定示唆演出SEb1,SEb2,SEb3とがあり、これらのうち特定示唆演出SEb1,SEb2,SEb3は、特定差球数が第1の指標数以下(第2の指標数未満)の場合には実行されることがない一方、特定差球数が第2の指標数以上になると実行され得るようになる。また、特定差球数が第2の指標数以上かつ第3の指標数未満(99360個から99871個まで)の場合よりも、第3の指標数以上かつ「基準数」未満(99872個から99998個まで)の場合の方が、特定示唆演出SEb1,SEb2,SEb3が行われ易くなっている。すなわち、特定示唆演出SEb1,SEb2,SEb3の選択確率は、特定差球数が「基準数」に近づくにつれて次第に高まるように設定されている。
(シナリオ演出(特定差球数増加によるシナリオ修正)について)
次に、本実施形態における大当たり遊技状態(10R大当たり)に対応して実行される大当たり演出について説明する。本実施形態において行われる大当たり演出は、大当たり遊技状態の開始から終了までの期間に対応して実行される演出であり、演出表示装置7の画面上での表示内容が一連の物語(結末までの流れを有するシナリオ演出)となっていると共に、その表示変化(物語の展開)に合わせて、スピーカ8による音出力や各種ランプ2a,23a,23b,23cによる発光が行われる。演出制御用マイコン101は、大当たり演出として、10R大当たりの進行に合わせて演出内容が変化し結末に至る通常シナリオ演出と、10R大当たり中の特定差球数の増加に合わせて演出内容が変化し結末に至る特殊シナリオ演出とを実行制御可能に構成されている。
本実施形態では、A国、B国、C国を支配する敵キャラクタECに対してメインキャラクタMCが闘いを挑み、その3国を順に奪還していく、といった世界観をもとに、大当たり演出(シナリオ演出)が行われるものとする。このため通常シナリオ演出として、「第1話、A国編」(以下「通常シナリオ演出A」という)、「第2話、B国編」(以下「通常シナリオ演出B」という)、「最終話、C国編」(以下「通常シナリオ演出C」という)、という3種類が設けられている。各通常シナリオ演出A,B,Cが10R大当たりに対応する大当たり演出であり、夫々が10R大当たりの終了に合わせて物語(演出内容)の結末に至る。但し、第1話、第2話、最終話の順に物語が続くように、全3話完結の大きな物語の流れがあり、1回の連荘期間中に複数回の10R大当たりが発生する場合、その1回目の10R大当たりでは通常シナリオ演出Aが実行され、2回目の10R大当たりでは通常シナリオ演出Bが実行され、3回目の10R大当たりでは通常シナリオ演出Cが実行されるので、連荘期間中に2回目、3回目の10R大当たりが発生する毎に、前回の10R大当たりで行われたシナリオ演出の続きが見られるようになっている。なお、連荘期間中の4回目以降の10R大当たりについては、通常シナリオ演出A,B,Cの内容とは全く無関係の大当たり演出が行われるようにしてもよいし、再び通常シナリオ演出A,B,Cが順番に行われるようにしてもよい。
大当たり遊技状態(10R大当たり)は時間が不定のため、各通常シナリオ演出A,B,Cを複数の場面に分割し、その各場面を、オープニング期間、ラウンド期間(およびインターバル期間)およびエンディング期間に振り分けることで、必ず最後の場面まで順に実行されてシナリオ演出の流れが維持されるようにしている。すなわち、通常シナリオ演出A,B,Cは、オープニング演出と、ラウンド演出と、エンディング演出とで構成される。ラウンド演出は、可変であるラウンド期間に割り当てられるため、どの時点で中断しても違和感のないような繰り返しの演出となっている。
通常シナリオ演出Aは、A国に住むメインキャラクタMCがA国内(街A、森A、荒野A、敵地A)を冒険して(A~C国を支配している)敵キャラクタECを倒すまでの物語となっている。図37(a)に示すように、先ずメインキャラクタMCが登場し(場面1)、街Aを飛び出して(場面2)、森Aを越え(場面3)、更に荒野Aを越えて(場面4)、ようやく敵地Aに至り(場面5)、敵キャラクタECとのバトルを繰り広げて、最終的に勝利する(結末、場面6)。そして、図37(b)に示すように、場面1は、オープニング期間に割り当てられており、場面2は、1~2ラウンドのラウンド期間に割り当てられており、場面3は、3~4ラウンドのラウンド期間に割り当てられており、場面4は、5~7ラウンドのラウンド期間に割り当てられており、場面5は、8~10ラウンドのラウンド期間に割り当てられており、場面6は、エンディング期間に割り当てられている。
通常シナリオ演出Bは、A国からB国に移り住んだメインキャラクタMCがB国内(街B、森B、荒野B、敵地B)を冒険して(B,C国を支配している)敵キャラクタECを倒すまでの物語となっている。図37(a)に示すように、先ずメインキャラクタMCが登場し(場面7)、街Bを飛び出して(場面8)、森Bを越え(場面9)、更に荒野Bを越えて(場面10)、ようやく敵地Bに至り(場面11)、敵キャラクタECとのバトルを繰り広げて、最終的に勝利する(結末、場面12)。そして、図37(b)に示すように、場面7は、オープニング期間に割り当てられており、場面8は、1~2ラウンドのラウンド期間に割り当てられており、場面9は、3~4ラウンドのラウンド期間に割り当てられており、場面10は、5~7ラウンドのラウンド期間に割り当てられており、場面11は、8~10ラウンドのラウンド期間に割り当てられており、場面12は、エンディング期間に割り当てられている。
通常シナリオ演出Cは、B国からC国に移り住んだメインキャラクタMCがC国内(街C、森C、荒野C、敵地C)を冒険して(C国を支配している)敵キャラクタECを倒すまでの物語となっている。図37(a)に示すように、先ずメインキャラクタMCが登場し(場面13)、街Cを飛び出して(場面14)、森Cを越え(場面15)、更に荒野Cを越えて(場面16)、ようやく敵地Cに至り(場面17)、敵キャラクタECとのバトルを繰り広げて、最終的に勝利する(結末、場面18)。そして、図37(b)に示すように、場面13は、オープニング期間に割り当てられており、場面14は、1~2ラウンドのラウンド期間に割り当てられており、場面15は、3~4ラウンドのラウンド期間に割り当てられており、場面16は、5~7ラウンドのラウンド期間に割り当てられており、場面17は、8~10ラウンドのラウンド期間に割り当てられており、場面18は、エンディング期間に割り当てられている。
このように、同じ連荘期間中に発生する3回の10R大当たりにより場面1~場面18が順に行われることで、A国、B国およびC国の3か国に跨るメインキャラクタMCと敵キャラクタECとの闘いが終了する。
ここで、前述したように、本実施形態のパチンコ遊技機1は、大当たり遊技状態中であっても、特定差球数が「基準数」に達すると遊技不能状態に移行する。特定差球数が「基準数」に達した時点で10R大当たり中の場合、その10R大当たりが中断されて遊技不能状態に移行すると、それまで実行されていた通常シナリオ演出が結末に至らずに終了してしまい(遊技不能報知が実行される)、通常シナリオ演出を楽しんでいた遊技者が不満や不信感を抱く結果となる。このような事態を防ぐため、特定差球数の増加に合わせて演出内容が進行する特殊シナリオ演出を実行可能となっている。
演出制御用マイコン101は、10R大当たりの開始時(遊技制御用マイコン61からのオープニングコマンドの受信時)に、大当たり演出として通常シナリオ演出・特殊シナリオ演出のどちらを行うかを決定する。この場合に、特定差球数が増加していない(第1の指標数以下の)状況であれば、連荘期間中の10R大当たりの発生回数に基づいて、通常シナリオ演出A,B,Cの何れかを選択し、実行を決定する。一方で、10R大当たりの開始時における特定差球数が「基準数」に近く、10R大当たり1回分以下の特定差球数の増加で「基準数」に達すると想定される場合(特定差球数が第2の指標数以上の状況)に限り、特殊シナリオ演出を選択し、実行を決定するようになっている。
特殊シナリオ演出は、通常シナリオ演出A,B,Cと共通のメインキャラクタMCおよび敵キャラクタECが登場するものである。具体的には、先ず、メインキャラクタMCの顔のアップ(敵キャラクタECを発見した状況)から始まり、次に敵キャラクタECとのバトルを繰り広げる。この場合のバトルは、メインキャラクタMCによる連打攻撃であり、特定差球数の増加に合わせて連打攻撃がなされるように演出する。連荘期間中の1回目の10R大当たりにおいて特殊シナリオ演出を行う場合は、通常シナリオ演出Aと同じ背景画像HG(例えば、街A)で行い、2回目の10R大当たりの場合は、通常シナリオ演出Bと同じ背景画像HG(例えば、街B)で行い、3回目の10R大当たりの場合は、通常シナリオ演出Cと同じ背景画像HG(例えば、街C)で行うようにする。このため、同じ連荘期間中の前回の10R大当たりで行われた通常シナリオ演出からの流れに沿う演出内容で特殊シナリオ演出を実行することができる。
なお、図37(c)に示すように、特殊シナリオ演出における連打攻撃中は、特定差球数の増加に応じた数値表示が行われる(特定差球数をそのままの数値で表示したり、「基準数」までの残り球数として表示したりする)。つまり、特定差球数が増加するにつれて敵キャラクタECへの攻撃数の合計が増え、勝利に近づくという内容である。特定差球数は、敵キャラクタECに与えたダメージまたは残りの攻撃回数等を示す数値として認識され得る。
演出制御用マイコン101は、遊技制御用マイコン61からのオープニングコマンド(10R大当たり用)の受信によって10R大当たりの開始(オープニング期間の開始)を把握した場合に、RAM120に記憶される第1~第3差球数フラグの値から特定差球数の範囲を特定する。そして、特定差球数が第2の指標数(99360個)以上であれば、その10R大当たり中に特定差球数が「基準数」に達することが想定されるため、特定差球数の増加に応じて演出内容が変化して結末に至る特殊シナリオ演出の実行を決定し、開始させる。特殊シナリオ演出では、メインキャラクタMCによる敵キャラクタECに対しての連打攻撃が行われる。演出制御用マイコン101は前述のように、遊技制御用マイコン61からの球数通知コマンドを受信する度に、RAM120に具体的な特定差球数(通知対象数)を記憶している。従ってこの具体的な特定差球数が変化する毎に、連打攻撃の演出で表示する特定差球数の表示を更新する。そして連打攻撃の結果、敵キャラクタECが倒れる等してメインキャラクタMCが勝利する。なお、勝利する時点からその勝利を祝うような演出を行う場合には、勝利するタイミングがやや早まるように、特定差球数が「基準数」より少ない例えば99980個に達したタイミングで勝利となるように演出タイミングを調整すればよい。このようにすることで、特殊シナリオ演出が終了したタイミングに合わせて遊技不能状態に移行することになる。
また、通常シナリオ演出A,B,Cが行われている途中(つまり、10R大当たり中)であっても、一般入賞口11や始動口への入賞が多く発生した場合等には賞球の付与が多くなるので、10R大当たりの開始時に特定差球数が第2の指標数に達していなくても、当該10R大当たりの終了までに特定差球数(最大差球数)が「基準数」に達することがあり得る。このような場合には、通常シナリオ演出A,B,Cの途中で特殊シナリオ演出に切り替えるようになっている。具体的には、通常シナリオ演出A,B,Cの何れかが既に開始されている状況(10R大当たり中)において、特定差球数が第2の指標数よりも「基準数」に近い予め定めた数(例えば、第3の指標数)に達すると、通常シナリオ演出A,B,Cを中断し、特殊シナリオ演出を開始させる。特殊シナリオ演出では、通常シナリオ演出A,B,Cと共通するキャラクタ(メインキャラクタMC、敵キャラクタEC)が用いられ、背景画像HGも中断した通常シナリオ演出A,B,Cに合わせた背景画像HG(中断時の背景(街A~C、森A~C、荒野A~C、敵地A~C、の何れか))が用いられるので、通常シナリオ演出A,B,Cから違和感なく特殊シナリオ演出に移行させることができる。この特殊シナリオ演出では、特定差球数の増加に応じて演出内容を変化させ、特定差球数(最大差球数)が「基準数」に達するタイミングに合わせて演出内容が結末(中断した通常シナリオ演出A,B,Cに対応する国で敵キャラクタECに勝利する内容)に至るようにする。
演出制御用マイコン101は、前述のように10R大当たりの開始(オープニング期間の開始)時の特定差球数を特定するが、この時の特定差球数が第1の指標数(99359個)以下であれば、連荘期間中の10R大当たりの回数に合わせて通常シナリオ演出A,B,Cの何れかを決定し、その決定した通常シナリオ演出の最初の場面(メインキャラクタMCの登場、場面1,7,13の何れか)を開始させる。そして、1ラウンド開始から2ラウンド後のインターバル期間の終了までは、場面2,8,14の何れか(街を出る場面)、3ラウンド開始から4ラウンド後のインターバル期間の終了までは、場面3,9,15の何れか(森を進む場面)、5ラウンド開始から7ラウンド後のインターバル期間の終了までは、場面4,10,16の何れか(荒野を進む場面)、8ラウンド開始から10ラウンド後のインターバル期間の終了までは、場面5,11,17の何れか(敵地に進入する場面)、エンディング期間には、場面6,12,18の何れか(勝利する場面)、のように順番に演出する。
ここで、通常シナリオ演出A,B,Cの何れかの途中(例えば通常シナリオBの途中)、例えば9ラウンドの途中において特定差球数が第3の指標数(99872個)に達した場合は、メインキャラクタMCが敵地Bに進入・移動している場面11の途中で演出が中断され、特殊シナリオ演出となるが、特殊シナリオ演出はメインキャラクタMCの顔のアップから始まり、敵地Bの背景画像HGの前での敵キャラクタECに対する連打攻撃に繋がるので、違和感はない。そして、連打攻撃に合わせて特定差球数の表示が更新され、特定差球数が「基準数」に達する直前(遊技不能状態に移行する直前)になると、メインキャラクタMCの勝利で終了し、そのタイミングで遊技不能状態に移行する。
以上のように、本実施形態では、連荘期間中における1回目の10R大当たりでは通常シナリオ演出Aを行い、2回目の10R大当たりでは通常シナリオ演出Bを行い、3回目の10R大当たりでは通常シナリオ演出Cを行うことで、3種類の通常シナリオ演出A,B,C(場面1~18)が全て繋がって1つの物語を構成するようになっている。また、個々の通常シナリオ演出A,B,Cも、夫々が1つの物語を構成している。10R大当たりの開始時に特定差球数を確認し、その10R大当たり中に特定差球数(最大差球数)が「基準数」に達する場合は、その10R大当たりで通常シナリオ演出を実行するとその途中で終了してしまうため、特定差球数(最大差球数)の「基準数」到達に応じて終了させることのできる特殊シナリオ演出を行うこととした。特殊シナリオ演出は、連荘期間中の1回目の10R大当たりであれば、国Aの背景画像HG(街A)で行い、2回目であれば国Bの背景画像HG(街B)、3回目であれば国Cの背景画像HG(街C)で行うことで、連荘期間中の前回の通常シナリオ演出の流れに沿う演出内容で特殊シナリオ演出を行うことが可能となっている。また、10R大当たりの途中(通常シナリオ演出A,B,Cの途中)から特殊シナリオ演出を行う場合、中断した通常シナリオ演出A,B,Cの背景画像HGを用いるので、通常シナリオ演出の中断前からの流れに沿う演出内容で特殊シナリオ演出を行うことが可能となっている。
なお、連荘期間中の3回目の10R大当たりが終了するまでに特定差球数(最大差球数)が「基準数」に達する場合に、どの時点で特定差球数(最大差球数)が「基準数」に達しても通常シナリオ演出A,B,Cによる最終的な結末(つまり3国奪還を決定づける勝利の場面)を遊技者に見せたいという場合は、特殊シナリオ演出をC国での最終バトル(背景画像HGは敵地C)とすればよい。つまりこのようにすれば、特殊シナリオ演出の結末を、通常シナリオ演出A,B,Cによる最終的な結末(場面18)に近い演出内容とすることができ、その流れで遊技不能状態に移行させることが可能となる。
(大当たり演出関連処理)
次に、演出制御用マイコン101が前述した受信コマンド解析処理(図27)におけるS345で実行する大当たり演出関連処理について、図38を参照しつつ説明する。なお図38では、10R大当たりに関するコマンド受信に応じた処理について記載しており、2R大当たりに関するコマンド受信に応じた処理については記載を省略している。また、この図38では、通常シナリオ演出A,B,Cの選択処理について省略している(A~Cの種別も省略している)が、連荘期間中の10R大当たりの途中の発生回数に応じて通常シナリオ演出A,B,Cの何れかを選択するものとする。また、特殊シナリオ演出は、本来実行する予定であった通常シナリオ演出A,B,Cに合わせた内容(背景画像HG)で実行されるものとする。
図38に示すように、演出制御用マイコン101は、大当たり演出関連処理において先ず、遊技制御用マイコン61から(10R大当たり用の)オープニングコマンドを受信したか否か判定する(S540)。S540でオープニングコマンドを受信しなかったと判定した場合(S540:NO)は、後述するS542に進む。一方、S540においてオープニングコマンドを受信したと判定した場合(S540:YES)には、第1差球数フラグおよび第2差球数フラグを確認し、その何れかがONであるか(特定差球数が99360個以上かつ99998個であるか)を判定する(S5401)。S5401において第1差球数フラグおよび第2差球数フラグの何れかがONであると判定した場合(S5401:YES)には、S5402に進む。一方で、S5401において第1差球数フラグおよび第2差球数フラグの両方がOFFであると判定した場合(S5401:NO)は、S541に進む。
演出制御用マイコン101がS541の処理に進む場合は、10R大当たりの開始時において特定差球数が第1の指標数(99359個)以下となっている場合である。このような場合には、開始される10R大当たり中の特定差球数の増加によって特定差球数が「基準数」に達する可能性は低い、と判断することができる。従って、演出制御用マイコン101は、S541において、通常シナリオ演出の場面1(オープニング演出)を開始させる。
一方で、演出制御用マイコン101がS5402の処理に進む場合は、10R大当たりの開始時において特定差球数が第2の指標数(99360個)以上かつ「基準数」(99999個)未満となっている場合である。このような場合には、開始される10R大当たり中の特定差球数の増加によって特定差球数が「基準数」に達する可能性は高い、と判断したことになる。この場合に演出制御用マイコン101は、先ずシナリオ切替フラグをONとし(S5402)、続いて、特殊シナリオ演出を開始させる(S5403)。なお、この場合の特殊シナリオ演出の背景画像HGは、例えば敵地とする。また、前述したシナリオ切替フラグは、RAM120に設けられ、特殊シナリオ演出の実行状態に対応してONとされるフラグである。
演出制御用マイコン101は、前述したS540でオープニングコマンドを受信しなかったと判定した場合(S540:NO)、または、S541の処理またはS5403の処理の終了後に、S542に進む。このS542では、遊技制御用マイコン61から(10R大当たり用の)ラウンド指定コマンドを受信したか否か判定する。このS542でラウンド指定コマンドを受信しなかったと判定した場合(S542:NO)は、後述するS544に進む。一方、S542においてラウンド指定コマンドを受信したと判定した場合(S542:YES)には、前述したシナリオ切替フラグを確認し、そのシナリオ切替フラグがOFFであるか(特殊シナリオ演出の非実行中か)を判定する(S5421)。S5421においてシナリオ切替フラグがOFFではない(ONである)と判定した場合(S5421:NO)には、既に特殊シナリオ演出の実行中であるため、S5422~S5424に移行することなく、S544に進む。一方で、S5421においてシナリオ切替フラグがOFFであると判定した場合(S5421:YES)には、特殊シナリオ演出の非実行中(通常シナリオ演出の実行中)である。この場合は、S5422に進む。
S5422において、演出制御用マイコン101は、第2差球数フラグを確認し、その第2差球数フラグがONであるか、つまり、特定差球数が第3の指標数(99872個)以上かつ「基準数」(99999個)未満であるかを判定する(S5422)。S5422において第2差球数フラグがOFFであると判定した場合(S5422:NO)は、通常シナリオ演出の場面2から場面5までの演出のうち、受信したラウンド指定コマンドに対応する演出を実行する。例えば、3ラウンドに対応するラウンド指定コマンドを受信した場合には、場面2から場面3への演出の切り替えを行い、4ラウンドに対応するラウンド指定コマンドを受信した場合には、場面3の演出について続きを行う。
一方で、S5422において第2差球数フラグがONであると判定した場合(S5422:YES)には、通常シナリオ演出の実行中であるが特定差球数が「基準数」に近づいた状態である。この場合には、実行中の通常シナリオ演出を中断させて特殊シナリオ演出に切り替える処理(S5423およびS5424)を行う。演出制御用マイコン101は、S5423において、特殊シナリオ演出の(連打攻撃の際の)背景画像HGを決定する。この場合には、中断した通常シナリオ演出の場面に合わせる。例えば、通常シナリオ演出における場面5,11,17の何れかの途中で特殊シナリオ演出に切り替える場合は、その中断した場面5,11,17の何れかに対応する敵地を示す背景画像HGを決定し、場面4,10,16の何れかの途中で特殊シナリオ演出に切り替える場合は、その中断した場面4,10,16の何れかに対応する荒野を示す背景画像HGを決定する。そして、演出制御用マイコン101は、続くS5424において、特殊シナリオ演出を開始させる。
演出制御用マイコン101は、前述したS542でラウンド指定コマンドを受信しなかったと判定した場合(S542:NO)と、前述したS5421でシナリオ切替フラグがONであると判定した場合(S5421:NO)と、S543の処理またはS5424の処理の終了後とに、S544に進む。このS544では、遊技制御用マイコン61からエンディングコマンドを受信したか否かを判定し、受信したと判定した場合は(S544:YES)、通常シナリオ演出の場面6を開始させる(S545)。そして、S545の終了後、または、S544においてエンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S544:NO)、大当たり演出関連処理を終了する。
(実施形態1の効果)
上述した実施形態のパチンコ遊技機1によれば、以下の作用効果を奏する。
(1-1)
パチンコ遊技機1は、遊技球が流下可能な遊技領域3に、遊技球が入賞(入球)可能な複数種類の入賞口(入球口)10a,12a,14a,11が設けられており、これらの入賞口のうちの始動口(契機口)10a,12aへの入賞を契機として、遊技制御用マイコン61(当たり判定手段、生起手段)が、特図当たり判定(当たり判定)を実行すると共に、この特図当たり判定が当たりの判定結果となった場合に、入賞口のうちの大入賞口14a(特別入球口)への遊技球の入賞が可能な大当たり遊技状態(当たり遊技状態)を生じさせる。また、遊技制御用マイコン61(賞球付与決定手段)が、入賞口への入賞を契機として、賞球の付与を決定する。枠制御用マイコン151(算出手段)は、賞球の付与に基づいて変化する遊技球数である、特定差球数(特定球数)を算出する。差球数記憶部172(差球数記憶手段)における特定差球数記憶エリア172dは、その算出された特定差球数を記憶する。これに対し、遊技制御用マイコン61(遊技不能化手段)は、賞球数の増加により特定差球数が(最大差球数として)「基準数」達したことを契機として遊技不能状態に移行させる。従って、遊技者に対する過剰な賞球付与を抑止しつつ、遊技者が好適に遊技を行うことができるようにすることができる。
そして、パチンコ遊技機1は、特定差球数が「基準数」未満であり、かつ第3の指標数(指標数)以上である時に大当たり遊技状態が終了する場合は、その大当たり遊技状態の終了を契機として遊技制御用マイコン61(遊技不能化手段)が遊技不能状態に移行させる。
すなわち、特定差球数が「基準数(99999個)」に到達していなくても、99872個に達していれば、大当たり遊技状態の終了に合わせて遊技不能状態に移行させるようにする(すなわち、キリのよいタイミングで遊技を終了させる)ことで、遊技者が不信感を抱くことなく当該パチンコ遊技機1での遊技を終了することができる。
(1-2)
また、特定差球数における第3の指標数(99872個)は、「基準数(99999個)」との差分(127個)が、大当たり遊技状態(例えば2R大当たり)によって増加し得る特定差球数(推定差球増加数或いは最大付与賞球数)より少なくなるように設定されている。
このため、大当たり遊技状態の終了後、特定差球数(最大差球数)が「基準数」に到達するまで遊技不能状態としない場合と比べても、複数回の大当たり遊技状態が得られなくなるようなことがなく、遊技者に不信感を与え難い。
(1-3)
また、遊技制御用マイコン61(遊技不能化手段)は、大当たり遊技状態(2R大当たりや10R大当たり)中に特定差球数(最大差球数)が「基準数」に達した場合に、その大当たり遊技状態を中断して遊技不能状態に移行させるか、またはその大当たり遊技状態の終了を待って遊技不能状態に移行させる。すなわち、特定差球数が「基準数」未満かつ第3の指標数(指標数)以上である時に大当たり遊技状態が終了する場合、遊技者がその後に遊技を継続しても、大きな利益を得ることはできない。このため、キリのよいタイミングで遊技を終了させることにより遊技者による無駄な遊技時間を省くことができる。なお本実施形態では、大当たり遊技状態中に特定差球数(最大差球数)が「基準数」に達した場合に、その大当たり遊技状態を中断して遊技不能状態に移行させる。このため、特定差球数が「基準数」に達するまでの残り期間が短いと、その残り期間に遊技を行って大当たり遊技状態が発生したとしても、中断して遊技不能となるため遊技者の不満や不信感を招くことになる。このような仕様では、大当たり遊技状態の終了時という、キリのよいタイミングで遊技を終了させることの効果を発揮し得る。
(1-4)
パチンコ遊技機1は、演出制御用マイコン(演出制御手段)101が、特図当たり判定(当たり判定)の結果に関する演出(示唆演出等)の実行を制御する。この演出制御用マイコン101は、特定差球数が「基準数」に達することまたは近づいたこと(99360個以上かつ99999個未満になったこと)に関する特定示唆演出(示唆演出SEb1,SEb2,SEb3)を、所定の示唆演出(示唆演出SEa1,SEa2,SEa3)に類似した態様にて実行させ得る。
すなわち、遊技者による遊技に伴って特定差球数(最大差球数)が「基準数」に達し、これによる遊技不能状態や遊技不能報知が突然行われると、遊技者は想定していないタイミングで遊技終了を認識することになり、遊技者が不満を感じる虞がある。これに対し、特定差球数が「基準数」に達することまたは近づいたことに関する特定示唆演出を、遊技結果に関する所定の示唆演出に類似の態様で実行することで、遊技者に対し、所定の示唆演出・特定示唆演出のどちらであるかを推測させる面白味を付与できると同時に、特定差球数が「基準数」に達することまたは近づいたことを遊技者に気付かせることができる。すなわち、無暗に遊技者の不満を煽らない流れで遊技不能状態に移行させることができる。これにより結果的に、特定差球数が「基準数」に達することへの負のイメージを払拭し得る。
(1-5)
また、特定示唆演出(示唆演出SEb1,SEb2,SEb3)は、所定の示唆演出(示唆演出SEa1,SEa2,SEa3)の演出内容を基礎としてその一部を別の演出内容に差し替えた態様で実行される。
このように、特定差球数に関する特定示唆演出が、遊技結果に関する所定の示唆演出に対して、共通する演出内容を基礎としその一部を別の演出内容に差し替えた態様で実行されることにより、遊技者に対し、特定示唆演出と所定の示唆演出との演出内容の違いに注目させ、その違いにより各演出を判別することによる面白味を感じさせることができる。
(1-6)
更に、特定差球数が「基準数」に近づくにつれて特定示唆演出(示唆演出SEb1,SEb2,SEb3)の実行頻度が次第に高まるように設定されている。
従って、特定示唆演出の実行確率の向上と特定差球数の増加(基準数に近づいたこと)との関連性を遊技者に容易に把握させることができる。
(1-7)
また、演出制御用マイコン(演出制御手段)101は、特図当たり判定の結果(大当たりまたはハズレ)に応じて異なる確率で、特定示唆演出の実行(示唆演出SEb1,SEb2,SEb3)を決定し得る。
従って、特定示唆演出を特図当たり判定の結果に関する示唆演出として機能させることができ、特定差球数が「基準数」に近い状態でも大当たり遊技状態の発生等に期待させ、結果的に、特定差球数が「基準数」に達することへの負のイメージを払拭し得る。
(1-8)
パチンコ遊技機1は、演出制御用マイコン(演出制御手段)101が、特図当たり判定(当たり判定)の結果に関する演出(例えば大当たり演出)の実行を制御する。この演出制御用マイコン101は、例えば大当たり演出として、演出内容に結末までの流れを有するシナリオ演出として、遊技の進行に合わせて演出内容が結末に至る通常シナリオ演出と、特定差球数が「基準数」に到達するタイミングに合わせて演出内容が結末に至る特殊シナリオ演出とを実行制御する。
特定差球数の「基準数」到達によりシナリオ演出(通常シナリオ演出)が途中で終了すると、遊技者はその演出の結末を体感することができず、不満や不信感を抱くことになる。これに対し、特定差球数が「基準数」に到達するタイミングに合わせて結末に至るシナリオ演出(特殊シナリオ演出)を実行することで、特定差球数が「基準数」に到達してもシナリオ演出(特殊シナリオ演出)の結末を体感することができ、遊技者による遊技の興趣低下を抑止することができる。
(1-9)
また、演出制御用マイコン101(演出制御手段)は、大当たり遊技状態の期間(シナリオ演出の実行対象期間)中に特定差球数が「基準数」に達するか否かを、当該大当たり遊技状態の期間の開始時(開始タイミング以前)に判定し、その判定において「基準数」に達しないとの結果となった場合にはその開始時において通常シナリオ演出を開始させ、またその判定において「基準数」に達するとの結果となった場合にはその開始時において特殊シナリオ演出を開始させる。
すなわち、シナリオ演出の実行対象期間中に特定差球数が「基準数」に達するか否かを事前に判定して、その判定結果によって実行するシナリオ演出(通常シナリオ演出・特殊シナリオ演出)を異ならせるので、シナリオ演出を違和感なく結末まで実行することができる。
(1-10)
また、演出制御用マイコン101(演出制御手段)は、通常シナリオ演出の実行中に特定差球数が「基準数」未満の第2の指標数(指標数)に達したことに基づいて通常シナリオ演出を中断させ、その中断時点から特定差球数が「基準数」に達するまで、その中断時点以前からの流れに沿う背景画像HG(演出内容)およびシチュエーション(演出内容)で、特殊シナリオ演出を実行させる。
すなわち、特定差球数が「基準数」に到達する前に、「基準数」未満の第2の指標数に到達したことに基づいて、通常シナリオ演出から特殊シナリオ演出に変更することにより、特殊シナリオ演出が結末に至るタイミングを、特定差球数が「基準数」に到達するタイミングに合わせることができる。従って、遊技者による遊技の興趣低下を抑止することができる。
(1-11)
通常シナリオ演出は、大当たり遊技状態(10R大当たり)での遊技の進行に合わせて演出内容が結末に至るシナリオ演出であり、特殊シナリオ演出は、大当たり遊技状態(10R大当たり)中に特定差球数が「基準数」に達するタイミングに合わせて演出内容が「基準数」に至るシナリオ演出である。
遊技者に有利な遊技状態である大当たり遊技状態においてシナリオ演出が行われるので、遊技者に対してシナリオ演出への興味を持たせることができる。このシナリオ演出が特定差球数に関わらず結末まで行われることで、遊技者に不満や不信感を抱かせることがない。
[実施形態2]
次に、実施形態2について説明する。なお、前述した実施形態1のパチンコ遊技機1との関係で、相違する構成を基本的に説明し、共通の構成については同じ名称および符号を用いて詳細な説明を省略する。
前述した実施形態1では、計数した特定差球数が「基準数」に達したことに伴って遊技不能状態に移行させることに加え、大当たり遊技状態の終了時における特定差球数が第3の指標数に達している場合にも、遊技不能状態に移行させる(大当たり遊技状態の終了時点でキリよく遊技を終了させる)ものであった。これに対し、以下に説明する実施形態2では、非確変大当たりの後に付与された回数切り(変動演出100回)の高ベース状態(有利遊技状態、サポート状態)が終了して低ベース状態に移行する(前述した連荘期間が終了する)時点で、特定差球数が「基準数」に近い第2の指標数に達している場合に、その連荘期間の終了に合わせて遊技をキリよく終了させる(遊技不能状態に移行させる)ことが可能である。なお、大当たり遊技状態中に特定差球数が「基準数」に達する時点でその大当たり遊技状態を中断して遊技不能状態に移行させる点は、前述した実施形態1と同じである。
つまり、連荘期間が終了(低ベース状態に移行)した後に発生した大当たり遊技状態については、新たな連荘期間の最初の大当たり遊技状態となるので、既に終了した連荘期間についての連荘回数を増やすことにはならず、新たな連荘期間での連荘回数に含まれることになる。高ベース状態の終了時において特定差球数が「基準数」に近ければ、その後に遊技者が遊技を継続しても、特定差球数が「基準数」に到達するまでに新たな連荘期間において連荘回数の記録を伸ばすこと等は不可能である。この場合、パチンコ遊技機1や遊技店のホールコンピュータにおいて算出している連荘回数の平均等のデータに影響する。このため本実施形態では、非確変大当たりの後の変動演出100回の高ベース状態の終了時点で特定差球数が「基準数」に近い場合、その時点でキリよく遊技を終了させる。このような仕様を実現するための構成について以下説明する。
遊技制御用マイコン61(CPU62)は、前述した非確変大当たりの後の高ベース状態(100回の変動演出)が大当たりとなることなく終了する時点において、RAM64の通知記憶部64dに記憶される遊技球数を確認し、特定差球数が第2の指標数(99360個)以上かつ「基準数」未満となっている場合に、特定差球数が「基準数」に達する前の状態で例外的に、前述した遊技不能状態に移行させるように制御を行う。
ここで、本実施形態では前述のように、非確変大当たりの後の高ベース状態の終了時の特定差球数について、第2の指標数以上かつ「基準数」未満、という範囲にあるか否かに基づいて、遊技不能状態とするか否かを判定することとした。しかしながら、残りの期間が連荘回数を伸ばすことができない程度(例えば、連荘回数の平均値を下げてしまう程度)であることを判定して遊技不能状態に移行させるという観点から、「基準数」との差分が10R大当たり2回分や3回分の特定差球数の増加分となる範囲(例えば、97600個から99998個までの範囲)とすることも考えられる。
具体的に、遊技制御用マイコン61は、前述した実施形態1の差球関連処理(図32)のうちS517,S518の内容を、図39(S5171,S5181)に示すように変更した内容で制御を行う。なお、S510~S516については、実施形態1(図32)と同じであるため、説明を省略する。
遊技制御用マイコン61は、S5171において、RAM64の通知記憶部64dに記憶されている特定差球数を確認し、特定差球数が99360個(第2の指標数)以上かつ「基準数」未満の遊技球数であるかを判定する。そしてこのS5171において、特定差球数が99360個以上かつ「基準数」未満の遊技球数であると判定した場合は、S5181に移行し、時短カウンタによる(高ベース状態での残りの)変動回数の計測を終了するタイミングであるかを判定する(なお、本実施形態では、非確変大当たりの終了後の高ベース状態のみ、時短カウンタでカウントしている)。この場合に、前述した遊技状態管理処理(図19)において時短カウンタの値を0に変化させたかを判定する。そして、S5181において時短カウンタの値を0に変化させたと判定した場合(S5181:YES)は、100回の高ベース状態が大当たり遊技状態に移行することなく終了したということであるので、前述したS511へと進む。そして、遊技制御用マイコン61は、前述したS511(遊技停止処理)およびS512(発射停止処理)を実行して遊技不能状態に移行させると共に、演出制御用マイコン101に向けた遊技不能報知コマンドをセットする(S513)。
これに対し、S5181において時短カウンタの値を0に変化させていないと判定した場合(S5181:NO)は、高ベース状態(変動演出100回)の終了タイミングではない、ということであるので、差球関連処理を終了する。
(実施形態2の効果)
上述した実施形態2のパチンコ遊技機1によれば、以下の作用効果を奏する。
(2-1)
パチンコ遊技機1は、遊技球が流下可能な遊技領域3に、遊技球が入賞(入球)可能な複数種類の入賞口(入球口)10a,14a,12a,11が設けられており、これらの入賞口のうちの始動口(契機口)10a,12aへの入賞を契機として、遊技制御用マイコン61(当たり判定手段、第1生起手段)が、特図当たり判定(当たり判定)を実行すると共に、この特図当たり判定が当たりの判定結果となった場合に、入賞口のうちの大入賞口14a(特別入球口)への遊技球の入賞が可能な大当たり遊技状態(当たり遊技状態)を生じさせる。また、遊技制御用マイコン61(第2生起手段)は、低ベース状態(通常遊技状態)よりも遊技者に有利な高ベース状態(有利遊技状態)を生じさせる。更に、遊技制御用マイコン61(賞球付与決定手段)が、入賞口への入賞を契機として、賞球の付与を決定する。枠制御用マイコン151(算出手段)は、賞球の付与に基づいて変化する遊技球数である、特定差球数(特定球数)を算出する。差球数記憶部172(差球数記憶手段)における特定差球数記憶エリア172dは、その算出された特定差球数を記憶する。これに対し、遊技制御用マイコン61(遊技不能化手段)は、賞球数の増加により特定差球数が「基準数」達したことを契機として遊技不能状態に移行させる。従って、遊技者に対する過剰な賞球付与を抑止しつつ、遊技者が好適に遊技を行うことができるようにすることができる。
そして、パチンコ遊技機1は、特定差球数が「基準数」未満であり、かつ第2の指標数以上である時に、高ベース状態(有利遊技状態)が大当たり遊技状態に移行することなく終了する場合は、その高ベース状態の終了を契機として遊技制御用マイコン61(遊技不能化手段)が遊技不能状態に移行させる。
すなわち、大当たり遊技状態となることなく高ベース状態が終了した時点で、特定差球数が「基準数」近くまで増加している場合には、その後に遊技者が遊技を継続しても、「基準数」となるまでに大当たり遊技状態の連荘回数の実績を残すことは不可能である。これに対し、高ベース状態の終了時点で、特定差球数が「基準数」に達していなくても第2の指標数(99360個)に達していれば遊技不能状態に移行させるようにする(すなわち、キリのよいタイミングで遊技を終了させる)ことで、遊技者が不信感を抱くことなくパチンコ遊技機1での遊技を終了することができる。
(2―2)
また、特定差球数における第2の指標数は、「基準数(99999個)」との差分(639個)が、大当たり遊技状態(例えば10R大当たり)によって増加し得る特定差球数(最大付与賞球数或いは推定差球増加数)より少なくなるように設定されている。
このため、高ベース状態(サポート状態)の終了後に特定差球数が「基準数」に到達するまで遊技不能状態としない場合と比べて、2回以上の大当たり遊技状態(10R大当たり)による連荘状態を得られなくなることがなく、遊技者に不信感を与え難い。
(2-3)
また、遊技制御用マイコン61(遊技不能化手段)は、大当たり遊技状態(2R大当たりや10R大当たり)中に特定差球数が「基準数」に達した場合に、その大当たり遊技状態を中断して遊技不能状態に移行させるか、またはその大当たり遊技状態の終了を待って遊技不能状態に移行させる。すなわち、特定差球数が「基準数」未満かつ第3の指標数(指標数)以上である時に大当たり遊技状態が終了する場合、遊技者がその後に遊技を継続しても、大きな利益を得ることはできない。このため、キリのよいタイミングで遊技を終了させることにより遊技者による無駄な遊技時間を省くことができる。
[実施形態3]
次に、実施形態3について説明する。なお、前述した実施形態1,2のパチンコ遊技機1との関係で、相違する構成を基本的に説明し、共通の構成については同じ名称および符号を用いて詳細な説明を省略する。
前述した実施形態1,2では、計数した特定差球数が「基準数」に達したことに伴って遊技不能状態に移行させることに加え、大当たり遊技状態または高ベース状態の終了時における特定差球数が「基準数」に近い「指標数」に達している場合にも遊技不能状態に移行させるようにした。これに対し、以下に説明する実施形態3では、大当たり遊技状態または高ベース状態の終了時における特定差球数が「指標数」に達していても、その後に特定差球数が「基準数」に達するまでは遊技不能状態に移行させない。
また、前述した実施形態1,2では、大当たり遊技状態中に差球が「基準数」に達するとその時点で大当たり遊技状態を中断して遊技不能状態に移行させるものであった。これに対し、以下に説明する実施形態3では、大当たり遊技状態中に特定差球数が「基準数」に達すると、遊技不能状態への移行をその大当たり遊技状態の終了時点まで遅延させるようにする(状況に応じて、特定差球数が「基準数」を超えても遊技可能とする)。すなわち、大当たり遊技状態中に特定差球数が「基準数」に達することが遊技者にとって有利になる。このため、実施形態3では、演出制御用マイコン101の制御により、大当たり遊技状態中に特定差球数が「基準数」に達することを事前に(変動演出中に)把握して、特定差球数が「基準数」に達する大当たり遊技状態が発生するか否かに関する先読み演出を行ったり、大当たり遊技状態が発生するまで特定差球数が「基準数」に達しないような遊技のしかたを報知したりする(図41および図42を参照して後述する)。
先ず、遊技制御用マイコン61の制御について説明すると、図40に示すように、前述した実施形態1の差球関連処理(図32)のうちS514からS518までを省略すると共に、S510からS511,S512,S513に移行する条件を追加している(S5101,S5102)。なお、S510やS511~S513については、実施形態1,2(図32,図39)と同じであるため、説明を省略する。
遊技制御用マイコン61は、差球関連処理(図40)のS510において、枠制御用マイコン151からの遊技不能化コマンドの受信があるかを確認し、受信があれば、特定差球数が「基準数」に達したと判定する(S510:YES)。一方で受信がなければ、特定差球数が「基準数」に達していないと判定し(S510:NO)、差球関連処理を終了する。
遊技制御用マイコン61は、S510において特定差球数(最大差球数)が「基準数」に達したと判定した場合に(S510:YES)、大当たり遊技状態中であるかを判定する(S5101)。この場合に、遊技制御用マイコン61は例えば、RAM64に設けられる所定のフラグやコマンドの受信履歴等に基づいて(例えば、大当たりフラグがONでありかつオープニングコマンドの受信後であるか否かにより)判定を行う。そして、大当たり遊技状態中ではないと判定した場合には(S5101:NO)、その後直ちに、遊技不能状態に移行させるためのS511,S512の処理を実行し、その後にS513の処理で遊技不能報知コマンドをセットして、差球関連処理を終了する。
遊技制御用マイコン61は、S5101において大当たり遊技状態中であると判定した場合(S5101:YES)、大当たり遊技状態の終了タイミングであるかを判定する(S5102)。そして、S5102において大当たり遊技状態の終了タイミングであると判定した場合(S5102:YES)は、その後に直ちに、遊技不能状態に移行させるためのS511,S512の処理を実行し、かつS513の処理で遊技不能報知コマンドをセットして、差球関連処理を終了する。一方で、遊技制御用マイコン61は、S5102において大当たり遊技状態の終了タイミングではないと判定した場合(S5102:NO)、S511~S513の処理を経由することなく差球関連処理を終了することで、S511~S513の処理の実行を大当たり遊技状態の終了まで遅延させる。
(先読み演出(遊技不能化に繋がる大当たり遊技状態の示唆))
次に、先読み演出について説明する。本実施形態では、前述のように、大当たり遊技状態の途中で特定差球数(最大差球数)が「基準数」に達すると、その大当たり遊技状態が終了するまで遊技不能化が遅延されるため、特定差球数(最大差球数)が「基準数」を超えることになり遊技者に有利となる。このため、大当たり遊技状態が発生しその途中で特定差球数(最大差球数)が「基準数」に達することを、その大当たり遊技状態の開始前に行われる事前判定により把握して演出(先読み演出)する。なお、演出制御用マイコン101(CPU102)は、先読み演出として、演出表示装置7に設けられた演出保留表示領域7Ba,7Bb(図1A)に表示される保留画像(作動保留数を示す)を用いた保留予告を行う。
先読み演出としての保留予告では、演出保留表示領域7Ba,7Bbにおいて通常は白色で表示される保留画像の色を、赤色(全体が赤)または赤・緑色(例えば、周縁が緑、中央が赤)に変化させる。保留画像を赤色とする場合は、その保留画像に対応する演出図柄の変動演出(特別図柄の変動表示)の結果が大当たりとなり、大当たり遊技状態が生起されることを示す。また、保留画像を赤・緑色とする場合は、その保留画像に対応する演出図柄の変動演出(特別図柄の変動表示)の結果が大当たりとなり、大当たり遊技状態が生起されると共に、その生起される大当たり遊技状態中に特定差球数(最大差球数)が「基準数」に達することを示している。つまりこの場合は、事前判定の時点での特定差球数を「基準数」から差し引くと、その差分が、その後に生起される大当たり遊技状態について推測される特定差球数の増加分よりも少ない遊技球数となる状況である。このような状況の場合に、保留画像を赤・緑色とすることで、単に大当たり遊技状態の発生を示唆するのではなく、遊技不能化に繋がる大当たり遊技状態が生起されること(その結果として特定差球数(最大差球数)が「基準数」を超えること)も示唆する。
演出制御用マイコン101(CPU102)は、遊技制御用マイコン61からの始動入賞コマンドを入力した場合に実行する事前判定において、その始動入賞コマンドに対応してRAM120の特図保留演出記憶部121,122に記憶された始動入賞情報(乱数値等)を確認し、大当たりであるか否か(大当たり遊技状態を生じさせるか否か)を判定する。そして、大当たり(大当たり遊技状態を生じさせること)を示す始動入賞情報があった場合には、その生じさせる大当たり遊技状態が10R大当たりであるか2R大当たりであるかによって異なる差球数フラグを確認する。例えば、事前判定において10R大当たりを生じさせると判定した場合は、その10R大当たりによる特定差球数の増加分によって「基準数」に達するかを判断するため、その時点での特定差球数が第2の指標数(99360個)以上かつ「基準数」未満であるかを判定する。一方で、事前判定において2R大当たりを生じさせると判定した場合は、その2R大当たりによる特定差球数の増加分によって「基準数」に達するかを判断するため、その時点での特定差球数が第3の指標数(99872個)以上かつ「基準数」未満であるかを判定する。
次に、前述した先読み演出に関し、実施形態3における演出制御用マイコン101が、受信コマンド解析処理(図27)におけるS343で実行する先読み演出判定処理について、図41を参照しつつ説明する。
演出制御用マイコン101は、先読み演出判定処理において先ず、大当たり遊技状態中ではないか(すなわち低ベース状態中または高ベース状態中であるか)を判定する(S560)。そして、S560において大当たり遊技状態中であると判定した場合(S560:NO)には、先読み演出判定処理を終了する。一方で、S560において大当たり遊技状態中ではないと判定した場合(S560:YES)には、S561に進み、事前判定(先読み判定)を実行する。
演出制御用マイコン101は、事前判定(S561)において、始動入賞コマンドの始動入賞情報(新たに特図保留演出記憶部121,122に記憶された始動入賞情報)に含まれる大当たり乱数値や大当たり種別乱数値を確認する。そして、大当たり乱数値が大当たりを示す値であるかの判定(S562)において、大当たりを示す値ではないと判定した場合(S562:NO)には、先読み演出判定処理を終了する。一方で、大当たりを示す値であると判定した場合(S562:YES)には、S563に進み、大当たり種別乱数値が10R大当たりを示す値であるかの判定を行う。そして、大当たり種別乱数値が10R大当たりを示す値であれば(S563:YES)、S564に進み、大当たり種別乱数値が10R大当たりを示す値でなければ(S563:NO)、S565に進む。
演出制御用マイコン101は、前述したS563が肯定判定の場合、すなわち10R大当たりを生じさせることが事前判定で判定された場合に、第1差球数フラグ・第2差球数フラグのうち何れかがONであるか(特定差球数が第2の指標数以上かつ「基準数」未満であるか)を判定する(S564)。そして、第1差球数フラグ・第2差球数フラグのうち何れもOFFであると判定した場合には(S564:NO)、S561~S564による判定の結果、10R大当たりが生じるが、その10R大当たり中に特定差球数は「基準数」に達しない、という先読み結果が判明したということであるので、S566に進み、大当たり示唆用先読み演出選択処理を実行する。その結果、演出表示装置7の演出保留表示領域7Ba,7Bbに最も新しく表示される保留画像が、赤色(大当たり遊技状態の発生を予告する色)となる。
また、S564において第1差球数フラグ・第2差球数フラグのうち何れかがONであると判定した場合には(S564:YES)、S561~S564による判定の結果、10R大当たりが生じ、かつその10R大当たり中に特定差球数が「基準数」に達する、という先読み結果が判明したということであるので、S567に進み、差球示唆用先読み演出選択処理を実行する。この結果、演出表示装置7の演出保留表示領域7Ba,7Bbに最も新しく表示される保留画像が、赤・緑色(大当たり遊技状態の発生と、その発生中の特定差球数の「基準数」到達とを予告する色)となる。
演出制御用マイコン101は、前述したS563が否定判定の場合、すなわち2R大当たりを生じさせることが事前判定で判定された場合に、第2差球数フラグがONであるか(特定差球数が第3の指標数以上かつ「基準数」未満であるか)を判定する(S565)。そして、第2差球数フラグがOFFであると判定した場合には(S565:NO)、S561~S563,S565による判定の結果、2R大当たりが生じるが、その2R大当たり中に特定差球数が「基準数」に達しない、という先読み結果が判明したことになる。2R大当たりの発生については、特定差球数が「基準数」に達する場合以外は示唆しないので、この場合は先読み演出判定処理を終了する。一方、第2差球数フラグがONであると判定した場合には(S565:YES)、S561~S563,S565による判定の結果、2R大当たりが生じ、かつその2R大当たり中に特定差球数が「基準数」に達する、という先読み結果が判明したことであるので、S567に進み、差球示唆用先読み演出選択処理を実行する。この結果、演出表示装置7の演出保留表示領域7Ba,7Bbに最も新しく表示される保留画像が、赤・緑色(大当たり遊技状態の発生と、その発生中の特定差球数の「基準数」到達とを予告する色)となる。
そして、S566またはS567の処理の終了後、先読み演出判定処理を終了する。
(打ち方報知)
次に、打ち方報知について説明する。前述のように本実施形態では、確変大当たりに当選すると、その確変大当たりの終了後に付与される高ベース状態(高確高ベース状態)が次の大当たり遊技状態まで継続される。高ベース状態では、第2始動口12aへの入賞をサポートする「電サポ制御」が行われるため、第2始動口12aへの入賞頻度が高いことにより、遊技者の持ち球数の大幅な減少が防止される。また、特定差球数が「基準数」に達した時点が大当たり遊技状態(差球数増加遊技状態)中であった場合、その大当たり遊技状態の終了時点まで遊技不能状態への移行が遅延され、この場合は特定差球数が「基準数」を超えて増加し得るため、遊技者の有利となる。しかし一方で、確変大当たりの終了後に遊技が継続される場合と継続されない場合とでは、大当たり遊技状態1回分の賞球数を得られるか否かが相違することになる。すなわち、確変大当たり中に特定差球数が「基準数」に達すると、その後に生じるはずの次の大当たり遊技状態が丸ごと生起されないまま遊技不能状態に移行して、遊技者が遊技を終了することになる。この場合には遊技者の不満が高まり、遊技意欲が失われる虞がある。
そこで、確変大当たり中において特定差球数が「基準数」に近い状況(例えば、2R大当たり1回分の増加で「基準数」に達するような状況)にある場合に、その確変大当たりが終了するまで、特定差球数が「基準数」に達しないようにするための遊技のしかたを報知する(打ち方報知)。なお、演出制御用マイコン101(CPU102)は、打ち方報知として、遊技球の発射数を減らすための表示を演出表示装置7にて行う。
具体的には、演出制御用マイコン101(CPU102)は、確変大当たり中であって特定差球数が第3の指標数(99872個)以上かつ「基準数」未満である所定期間に、演出表示装置7に打ち方報知を実行させる。打ち方報知は、確変大当たりが終了した後に次の大当たり遊技状態が生起されるまで、特定差球数が増加して「基準数」に至ることがないようにするための報知である。この打ち方報知は、遊技球の発射の中断を促す表示や音声等によって行うことができる。表示により行う場合、例えば図42(a)に示すように、「球の発射を中断して下さい」の文字表示を行う。また文字表示と同じ画面表示内に、特定差球数(最大差球数)が「基準数」に達するまで表示されることで、遊技者に対して遊技球の発射を停止する理由をより正確に理解させることができる。このような打ち方報知に従って遊技者が遊技を行った場合には、打ち方報知中(確変大当たり中において特定差球数が第3の指標数に達してからの所定期間)における特定差球数の増加を防止または制限することができる。このため、打ち方報知が行われた確変大当たりの終了後、次の大当たり遊技状態が生じるまでは特定差球数が「基準数」未満の状態で維持され、次の大当たり遊技状態中に特定差球数(最大差球数)が「基準数」に達して、以後その大当たり遊技状態が終了するまで遊技不能化が遅延される流れとなる。このため結果的に、特定差球数(最大差球数)が「基準数」を超えて増加し、遊技者の有利となるため、遊技の興趣を高め得る。
実施形態3の演出制御用マイコン101は、実施形態1に関して前述した10msタイマ割込処理(図26)の中で実行する「右打ち演出処理(S334)」に加えてまたは替えて、図43の打ち方報知処理を行う。この打ち方報知処理について以下説明する。
演出制御用マイコン101は、打ち方報知処理において先ず、大当たりフラグおよび確変フラグの状態を確認し、確変大当たり中であるかを判定する(S571)。そして、確変大当たり中ではないと判定した場合には(S571:NO)、打ち方報知処理を終了する。一方、確変大当たり中であると判定した場合は(S571:YES)、その時点で打ち方報知が行われているかを判定する(S572)。
S572において打ち方報知が行われていないと判定した場合に(S572:NO)、演出制御用マイコン101は、続くS573において、打ち方報知を開始するか否かを決定する。すなわち、S573では、第2差球数フラグがONであるか否かにより、特定差球数が「基準数」に近づいているか(第3の指標数以上かつ「基準数」未満であるか)を判定する。そして、第2差球数フラグがOFFであると判定した場合には(S573:NO)、打ち方報知処理を終了する。一方で、第2差球数フラグがONである(特定差球数が第3の指標数以上かつ「基準数」未満である)と判定した場合には(S573:YES)、特定差球数が「基準数」に近く、現在の確変大当たり中に特定差球数が「基準数」に達し得るので、特定差球数の増加を抑制可能な打ち方報知を開始させる(S574)。そして、S574の終了後、打ち方報知処理を終了する。
一方、S572において打ち方報知が行われていると判定した場合(S572:YES)、演出制御用マイコン101は、確変大当たり(またはその最終ラウンド)の終了タイミングであるかを判定する(S575)。そして、S575において終了タイミングではないと判定した場合には(S575:NO)、打ち方報知処理を終了する。一方で、S575において確変大当たりの終了タイミングであると判定した場合には(S575:YES)、実行していた打ち方報知を終了させる(S576)。そして、S576の終了後、打ち方報知処理を終了する。なお、打ち方報知は、確変大当たりの終了以後まで(例えば次の大当たり遊技状態が生じるまで)継続させるようにしてもよい。この場合には、S571が否定判定の場合(S571:NO)において高確高ベース状態から大当たり遊技状態に移行するか否かの判定を行い、当該判定が肯定判定の場合に打ち方報知を終了するようにすればよい。
(実施形態3の効果)
上述した実施形態3のパチンコ遊技機1によれば、以下の作用効果を奏する。
(3-1)
パチンコ遊技機1は、遊技球が流下可能な遊技領域3に、遊技球が入賞(入球)可能な複数種類の入賞口(入球口)10a,14a,12a,11が設けられており、これらの入賞口のうちの始動口(契機口)10a,12aへの入賞を契機として、遊技制御用マイコン61(当たり判定手段、生起手段)が、特図当たり判定(当たり判定)を実行すると共に、この特図当たり判定が当たりの判定結果となった場合に、入賞口のうちの大入賞口14a(特別入球口)への遊技球の入賞が可能な大当たり遊技状態を生じさせる。また、遊技制御用マイコン61(賞球付与決定手段)が、入賞口への入賞を契機として、賞球の付与を決定する。枠制御用マイコン151(算出手段)は、賞球の付与に基づいて変化する特定差球数(特定球数)を算出する。RAM170の差球数記憶部(差球数記憶手段)172は、その算出された特定差球数を記憶する。これに対し、遊技制御用マイコン61(遊技不能化手段)は、賞球数の増加により特定差球数が「基準数」達したことを契機として遊技不能状態に移行させる。従って、遊技者に対する過剰な賞球付与を抑止しつつ、遊技者が好適に遊技を行うことができるようにすることができる。
遊技制御用マイコン61(入球情報取得手段)は、始動口(契機口)10a,12aへの入賞を契機として、始動入賞情報(入球情報)を取得する。そして、遊技制御用マイコン61(情報出力手段)は、取得した始動入賞情報を示す始動入賞コマンドを、その入賞タイミング(始動入賞情報を取得したタイミング)で送信(出力)し、その始動入賞コマンドの情報に基づいて演出制御用マイコン101(演出制御手段)が、演出に関する制御を実行する。演出制御用マイコン101(演出制御手段、先読み判定手段)は、RAM120の特図保留演出記憶部121,122に記憶された始動入賞情報に基づいて事前判定(先読み判定)を実行する。そして、演出制御用マイコン101(演出制御手段)は、事前判定が大当たり遊技状態を生じさせる判定結果となり、かつその時点での特定差球数が、大当たり遊技状態1回によって「基準数」に達し得る遊技球数まで増加している場合に、先読み演出(所定の演出)の実行を制御する。
例えば大当たり遊技状態中に特定差球数が「基準数」に達し、これによる遊技不能状態への移行や報知が突然行われると、遊技者は想定していないタイミングで遊技の終了を認識することになり、遊技者が不満や不信感を抱く結果となる。これに対し、事前判定(先読み判定)によって大当たり遊技状態の発生を事前に把握し、かつ、その大当たり遊技状態中に「基準数」に達し得る遊技球数まで特定差球数が増加している場合に、先読み演出(所定の演出)を実行するので、遊技終了が近いことを、遊技者にとって好ましい情報(当たり遊技状態の発生)と同時に、遊技者に伝えることができる。このため、無暗に遊技者の不満を煽らない流れで遊技不能状態に移行させることができる。
(3-2)
遊技制御用マイコン61(遊技不能化手段)は、大当たり遊技状態中に特定差球数が「基準数」に達した場合に、その大当たり遊技状態の終了まで遊技不能状態への移行を遅延させる。
すなわち、大当たり遊技状態中に「特定差球数」が基準数に達すると、遊技不能状態への移行がその大当たり遊技状態の終了まで遅延されるので、先読み演出(所定の演出)により遊技者の期待感を高めることができる。
(3-3)
演出制御用マイコン101(演出制御手段)は、事前判定が大当たり遊技状態を生じさせる判定結果となった場合に、その大当たり遊技状態中に特定差球数が「基準数」に達するか否かを、差球数記憶部172(差球数記憶手段)に記憶されている現在の特定差球数と、その大当たり遊技状態中の遊技による「推定差球増加数」との関係に基づいて判定する。
すなわち、事前判定によって大当たり遊技状態の発生を事前に把握し、かつ、その大当たり遊技状態での遊技に期待される差球の増加数(推定差球増加数、10R大当たりであれば640個)と現在の特定差球数との関係に基づく判定(例えば、推定差球増加数を現在の特定差球数に加算した球数が特定差球数の基準数よりも大きいか否か、といった判定)を行うことより、その大当たり遊技状態中に特定差球数が「基準数」に達することが事前に把握できる。
(3-4)
また、パチンコ遊技機1における演出制御用マイコン101は、大当たり遊技状態中に特定差球数が「基準数」に達した場合にはその大当たり遊技状態が終了するまで遊技不能化を遅延させる。そして、確変大当たり(遊技者による持ち球の減少を抑制または回避し得る状態を次の当たり遊技状態の開始までに継続し得ることが決定されている場合の所定期間)中、特定差球数が第3の指標数以上「基準数」未満となった後に、特定差球数の増加を抑制可能な遊技のしかたを促す打ち方報知の実行を制御する。
すなわち、特定差球数が「基準数」に達するタイミングが次の大当たり遊技状態の発生後となるように、特定差球数の増加を抑制する遊技のしかたを促す報知が行われることで、遊技者は、次の大当たり遊技状態の開始後に特定差球数が基準数に達するように遊技を行うことができる。結果的に多くの遊技球を獲得できる可能性を高め得る。
(3-5)
また、前述した打ち方報知は、遊技領域3に向けて遊技球を発射するための操作の中断を促す内容を少なくとも含んでいる。
このように、前述した打ち方報知によって遊技球を発射する操作の中断を促すことで、特定差球数の増加を抑制することができる。これにより、次の大当たり遊技状態の開始後に特定差球数を「基準数」に到達させ得る。
(3-6)
演出制御用マイコン101は、確変大当たり中、特定差球数が「基準数」未満の第3の指標数に達したことに基づいて打ち方報知の実行を決定する。また、この場合に用いる第3の指標数は、「基準数」との差分が大当たり遊技状態中の遊技による最大付与賞球数(または推定差球増加数)より少なくなるように設定されている。
このように、「基準数」との差分に相当する球数が大当たり遊技状態中の遊技による最大付与賞球数より少なくなる球数を、第3の指標数とし、この第3の指標数に特定差球数が達した時点が高ベース状態の場合に打ち方報知を行うことで、その報知開始後に発生した大当たり遊技状態が終了するまでに確実に特定差球数が「基準数」に達することとなり、打ち方報知の信頼性を高め得る。
[実施形態4]
次に、実施形態4について説明する。なお、前述した実施形態1~3のパチンコ遊技機1との関係で、相違する構成を基本的に説明し、共通の構成については同じ名称および符号を用いて詳細な説明を省略する。
前述した実施形態1~3では、枠制御基板150上に設けられるリセットボタン180が押下されること(状態復帰操作)に応じて状態復帰信号が枠制御用マイコン151に入力されると、枠制御用マイコン151が差球数記憶部172のカウント値(特定差球数)をリセットし、遊技可能化(遊技不能状態から遊技可能状態へと移行させること)を遊技制御用マイコン61に対して指示(遊技可能化コマンドをセット・送信)するように構成した。しかし、枠制御用マイコン151は、状態復帰信号の入力タイミングが例えば営業時間中であっても、営業時間外と同様に特定差球数のリセットや遊技可能化の指示を行うようになっていた。従って、意図的に、特定差球数のカウントが営業時間中にリセットされ、遊技不能状態が解除される虞がある。
そこで、以下に説明する実施形態4では、枠制御用マイコン151が、サブ制御基板100上のRTC124から入力される時刻情報を利用し、枠制御用マイコン151に対する状態復帰信号の入力タイミングが営業外時刻の前であるか後であるかを判定する。そして、情報復帰信号の入力タイミングが営業外時刻より前(営業時間中)である場合には、営業時間中に特定差球数をリセットしようとした行為に関する報知(不正なタイミングで操作が行われたことの周知化、そのような操作が無効であること・行ってはならないこと等の警告)を行う。
本実施形態の枠制御基板150上には、遊技店における営業時間の情報を設定するための営業時間設定操作部が設けられている(図示省略)。この営業時間設定操作部は枠制御用マイコン151と電気的に接続されており、営業時間の設定情報を枠制御用マイコン151に入力するようになっている。遊技店では予め、営業時間設定操作部を操作することによって、営業時間の開始時刻および終了時刻の情報を枠制御用マイコン151に入力しておく。例えば営業時間が午前10時から午後10時までの場合、営業開始時刻として「10:00」を入力し、営業終了時刻として「22:00」を入力する。このように営業時間を入力することに応じて、枠制御用マイコン151が遊技店の営業時間を記憶する。
ここで、枠制御用マイコン151は、営業時間の情報が入力されたことに応じて、営業終了後の特定の時刻である営業外時刻を自動的に設定する。この場合に例えば、営業終了時刻の5分後の時刻「22:05」が、営業外時刻として設定される。そしてこの営業外時刻を基準として、前述した状態復帰操作(リセットボタン180の押下)が行われた時点が営業時間であるか否かを判断するようになっている。具体的には、枠制御用マイコン151は、電源がONされてからOFFされるまでの期間において、RTC124から入力される時刻情報に基づいて前述した営業外時刻が計測される前か後かを確認し、フラグ等によりRAM170に記憶する。そして、状態復帰操作が行われた時点が、電源ON期間中における営業外時刻の計測前であった場合に、営業時間中の状態復帰操作と判断し、警告報知を実行制御する。
このようにパチンコ遊技機1は、遊技店の営業時間に合わせた営業外時刻を設定可能であり、また、一度設定した営業外時刻を変更操作することも可能に構成されている。遊技店毎に営業時間が異なる場合があるので、そのような遊技店毎の事情に合わせて営業外時刻を設定し、その設定した営業外時刻を基準として、状態復帰操作のタイミングについての判定を行うことが可能となっている。なお、遊技店の営業時間が日付変更時点(午前0時)を跨ぐ場合(例えば、午後1時から午前1時を営業時間とする場合等)には、その営業時間に合わせて遅い時刻(午前1時5分)を営業外時刻として設定することで対応することができる。またこの他にも、例えばオールナイト営業(24時間営業)の場合には、日付変更時点(午前0時)を営業外時刻として設定して、その日付変更時点の前と後とを別営業日の営業時間とすることも可能である。
警告報知の態様は、営業時間中に差球数記憶部172の特定差球数をリセットする行為に対して効果的に警告できるものであればどのような態様でもよい。図44(a)および図44(b)に示す例では、営業中の特定差球数のカウントクリア操作が行われたことについて、演出表示装置7の画面にてエラーの一種(「営業中の差球リセット」エラー)として文字表示を行うことで、警告報知を行う。このような画面表示に加えてまたは替えて、スピーカ8からの音出力や、トップランプ23c等の発光によって警告報知を行ってもよい。
また、本実施形態では、営業時間中の状態復帰操作に対して、単に警告報知を行うのみではなく、その状態復帰操作を無効な操作として判断して、特定差球数のリセットや、遊技可能化や、遊技不能報知の終了を行わないようになっている。
このため例えば、営業時間中かつ遊技可能状態中(特定差球数が「基準数」に達する前)において状態復帰操作が行われた場合には、図44(a)に示すように、演出表示装置の画面上で「営業中の差球リセットエラー」という文字表示による警告報知が行われることになる。なお、差球数表示領域7Sでは、特定差球数が第1の指標数以下であれば特定差球数は表示されず、第2の指標数以上であれば特定差球数が表示される。
これに対し、営業時間中かつ遊技不能状態中(特定差球数が「基準数」に達した後)において状態復帰操作が行われた場合には、図44(b)に示すように、演出表示装置の画面上で、遊技不能報知(「本日の遊技は終了です」)がそのまま維持された状態で、「営業中の差球リセットエラー」という文字表示による警告報知が行われる。すなわち、警告報知が開始されることと、遊技不能報知が継続されることとにより、営業時間中に状態復帰操作が行われたことを確実に周囲に知らせるようにする。また、差球数表示領域7Sでは、特定差球数として99999個が表示され、「基準数」に達していることが報知される。なおこの場合に、警告報知を行わず、遊技不能報知を継続することのみで営業時間中の状態復帰操作を報知するようにしてもよい。
なお、演出表示装置7の一部等に、その遊技店の営業時間が表示されるようにしてもよい。この場合は、遊技店の営業時間の設定情報を、枠制御用マイコン151から主制御用マイコン61を介して演出制御用マイコン151に送信することにより、演出表示装置7の画面に例えば「営業時間:AM10:00~PM10:00」等の文字を表示させる。なお、前述したように、状態復帰操作のタイミングについての判定の基準となる営業外時刻は、遊技店で設定した営業時間に応じて設定される。このため、営業時間を表示することは、営業外時刻として誤った時刻(営業時間内の時刻)が設定されるのを防止する一定の効果がある。
以下、前述した営業時間中の状態復帰操作および警告報知に関し、実施形態4における枠制御用マイコン151および遊技制御用マイコン61が実行する処理について図45および図46を参照しつつ説明する。
先ず、実施形態4の枠制御用マイコン151が実行する差球数特定処理(図45)について説明する。差球数特定処理は、前述した実施形態1~3において実行される差球数特定処理(図31)に対し、S500からS509までの個々の処理は共通しているが、S507とS508との間に新たな処理(S5071,S5072)を追加している。
実施形態4における枠制御用マイコン151は、差球数特定処理において、S500~S506の処理の終了後、枠制御基板150上のリセットボタン180が押下されること(状態復帰操作)による状態復帰信号の入力があるかを判定する(S507)。そして、S507において状態復帰信号の入力がないと判定した場合には(S507:NO)、差球数特定処理を終了する。一方で、S507において状態復帰信号の入力があると判定した場合には(S507:YES)、RTC124からの時刻情報を確認し、その時点が、営業時間後の特定の時刻である営業外時刻(例えば、午後10時5分0秒)を過ぎたかを判定する(S5071)。
枠制御用マイコン151は、S5071において、営業外時刻を過ぎた後の時点(で状態復帰信号の入力がある)と判定した場合には(S5071:YES)、S508において差球数記憶部172に記憶される特定差球数をリセットすると共に、S509において遊技制御用マイコン61に向けた遊技可能化コマンドをセットして、差球数特定処理を終了する。
これに対し、S5071において、営業外時刻を過ぎていない時点(で状態復帰信号の入力がある)と判定した場合には(S5071:NO)、前述したS508およびS509の処理を行わず、遊技制御用マイコン61に向けた差球リセットエラー指定コマンドをセットして、差球数特定処理を終了する。なお、差球リセットエラー指定コマンドは、営業時間中にリセットボタン180の状態復帰操作が行われたことを示すコマンドである。
次に、実施形態4の遊技制御用マイコン61が実行する状態復帰処理(図46)について説明する。状態復帰処理は、前述した実施形態1~3において実行される状態復帰処理(図33)に対し、S520からS524までの個々の処理は共通しているが、S520で否定判定した場合の処理として、新たな処理(S5201,S5202)を追加している。
実施形態4における遊技制御用マイコン61は、状態復帰処理において先ず、枠制御用マイコン151から遊技可能化コマンドを受信したかを判定する(S520)。このS520において遊技可能化コマンドを受信したと判定した場合には(S520:YES)、営業外時刻を過ぎてから状態復帰操作(リセットボタン180の操作)が行われたということであるので、前述したS521からS524の処理を終了し、その後に状態復帰処理を終了する。
遊技制御用マイコン61は、S520において遊技可能化コマンドを受信していないと判定した場合(S520:NO)、S5201に進む。S5201では、枠制御用マイコン151から差球リセットエラー指定コマンドを受信したかを判定する。このS5201において差球リセットエラー指定コマンドを受信していないと判定した場合には(S5201:NO)、状態復帰処理を終了する。
一方で、S5201において差球リセットエラー指定コマンドを受信したと判定した場合には(S5201:YES)、営業外時刻を過ぎる前に(営業時間中に)状態復帰操作(リセットボタン180の操作)が行われたということであるので、演出制御用マイコン101に警告報知を開始させるための警告報知コマンドをセットする(S5202)。そして、S5202の終了後、状態復帰処理を終了する。
なお、遊技制御用マイコン61からの警告報知コマンドを受信した演出制御用マイコン101は、演出表示装置7の画面上に「エラー:営業中の差球リセット操作」という文字情報を表示(警告報知を実行)させる(図44(a)または図44(b))。なお、図示省略するが、警告報知の実行対象期間を終了させる条件としては例えば、電源OFF等を条件とするように設定することができる。
(実施形態4の効果)
上述した実施形態4のパチンコ遊技機1によれば、以下の作用効果を奏する。
(4-1)
パチンコ遊技機1は、遊技球が流下可能な遊技領域3に、遊技球が入賞(入球)可能な複数種類の入賞口(入球口)10a,12a,14a,11が設けられており、これらの入賞口のうちの始動口(契機口)10a,12aへの入賞を契機として、遊技制御用マイコン61(当たり判定手段、生起手段)が、特図当たり判定(当たり判定)を実行すると共に、この特図当たり判定が当たりの判定結果となった場合に、入賞口のうちの大入賞口14a(特別入球口)への遊技球の入賞が可能な大当たり遊技状態(当たり遊技状態)を生じさせる。また、遊技制御用マイコン61(賞球付与決定手段)が、入賞口への入賞を契機として、賞球の付与を決定する。枠制御用マイコン151(算出手段)は、賞球の付与に基づいて変化する遊技球数であって、より詳しくは差球数の変動幅の最大値に相当する遊技球数である、特定差球数を算出する。差球数記憶部172(差球数記憶手段)における特定差球数記憶エリア172dは、その算出された特定差球数を記憶する。これに対し、遊技制御用マイコン61(遊技不能化手段)は、賞球数の増加により特定差球数が「基準数」達したことを契機として遊技不能状態に移行させる。従って、遊技者に対する過剰な賞球付与を抑止しつつ、遊技者が好適に遊技を行うことができるようにすることができる。
ここで、パチンコ遊技機1は、差球数記憶部172(差球数記憶手段)による特定差球数のカウント値をリセットする操作(状態復帰操作)の対象となるリセットボタン180(リセット操作手段)を備えており、演出表示装置7(報知実行手段)の画面上で、特定差球数に関する報知(遊技不能報知や警告報知)を実行可能である。そして、遊技店の営業時間(例えば午前10時から午後10時まで)中であって、リセットボタン180(リセット操作手段)が操作された後の期間(すなわち、営業時間中の状態復帰操作の時点から営業時間終了までの期間)には、演出表示装置7(報知実行手段)の画面上で、前記報知(遊技不能報知や警告報知)が実行される。
遊技店における営業時間中にリセットボタン180が操作されて差球数記憶部172の特定差球数がリセットされると、その営業時間中に許容される特定差球数が増えることになり不公平が生じる。これに対し、営業時間中にリセットボタン180の操作(状態復帰操作)が行われた場合に演出表示装置7が特定差球数に関する警告報知等を実行することで、営業時間中における状態復帰操作後の遊技実行を防止できる。
(4-2)
なお、パチンコ遊技機1は、時刻を計測するRTC124(計時手段)を備えており、RTC124が所定の営業外時刻(例えば午後10時5分)を計測するまでの期間において状態復帰操作が行われた場合に、警告報知を実行する。
このように、営業外時刻となるまでの間に行われた状態復帰操作に対して、警告報知を行うので、営業時間中に特定差球数をリセットする行為を抑止することができる。
(4-3)
また、パチンコ遊技機1は、時刻を計測するRTC124(計時手段)を備えており、RTC124が所定の営業外時刻(例えば午後10時5分)を計測するまでの期間において状態復帰操作が行われた場合に、遊技不能報知(特定差球数が「基準数」に達したことを契機として開始された報知)を継続する。
このように、特定差球数が「基準数」に達したことに応じた遊技不能報知を、営業外時刻となるまでの間に行われた状態復帰操作が行われても終了させないようにすることで、営業時間中に特定差球数をリセットする行為を抑止することができる。
(4-4)
また、パチンコ遊技機1は、営業外時刻を変更操作可能である。
従って、営業外時刻を、遊技店毎の事情に合わせて自由に設定することができる。例えば、遊技店の営業時間が日付変更時点(午前0時)より前に終了する場合は、その営業終了時刻より後の時刻が営業外時刻となるように設定することで、報知の実行期間を営業時間後まで継続させ得る。営業時間が日付変更時点を跨ぐ場合(例えば、午後1時から午前1時を営業時間とする場合等)は、その営業時間に合わせて遅い時刻(午前1時5分)を営業外時刻として設定することで対応し得る。またこの場合、日付変更時点(午前0時)を営業外時刻として設定し、この営業外時刻までの営業時間とそれ以後の営業時間とを別営業日の営業時間として、特定差球数をカウントすることも可能となる。
[実施形態5]
次に、実施形態5について説明する。なお、前述した実施形態1~4のパチンコ遊技機1との関係で、相違する構成を基本的に説明し、共通の構成については同じ名称および符号を用いて詳細な説明を省略する。
前述した実施形態1~4では、枠制御基板150上に設けられるリセットボタン180が押下されること(状態復帰操作)に応じて状態復帰信号が枠制御用マイコン151に入力されると、枠制御用マイコン151が差球数記憶部172の記憶値(特定差球数のカウント値)をリセットし、遊技可能化(遊技不能状態から遊技可能状態へと移行させること)を遊技制御用マイコン61に対して指示(遊技可能化コマンドをセット・送信)するように構成した。しかしながらこの構成では、特定差球数が「基準数」に達することなく(遊技不能状態に移行することなく)営業時間を終了した場合にも、遊技店員はわざわざリセットボタン180を押下(状態復帰操作)して差球数記憶部172の記憶値をリセットする必要があるが、遊技不能報知も行われないため操作を忘れがちになる。しかしこの操作を怠ると、翌営業日まで特定差球数のカウントが残り、その翌営業日の遊技者の遊技が不当に制限されてしまう。これに対し、電源のOFF・ONによって特定差球数が自動的にリセットされるようにすれば翌営業日まで特定差球数のカウントが残ってしまうことはないが、この場合は他の用途で電源をOFF・ONしても特定差球数のカウントがリセットされてしまうため問題がある。
そこで、実施形態5では、営業時間中に生じた特定差球数のカウントを、非営業時間への移行がなされたことを条件として、その後の電源ON(電源復帰)操作を契機にリセットする。
具体的には、枠制御用マイコン151が、RTC124(計時手段)の時刻情報に基づいて、パチンコ遊技機1の電源がOFFされてから再びONされるまでの時間(電源OFF状態の継続時間)を計測し、RAM170に記憶するように構成されている。一般的に、パチンコ遊技機1が遊技店の営業時間中に数時間にもわたって電源OFF状態とされることはない。このことを利用し、本実施形態では、電源OFF状態が所定時間継続した後に電源ON(電源復帰)操作が行われた場合に、非営業時間への移行がなされた後の電源ON操作であると判定して、その電源ON時に差球数記憶部172(差球数記憶手段)による特定差球数の記憶値(カウント値)をリセットするように構成されている。なお、遊技店において、営業終了時刻から営業開始時刻までの非営業時間のうち、営業終了時刻から1~2時間と、営業開始時刻までの1~2時間とは、点検等のため電源ON状態とする可能性がある。このような時間を考慮して、枠制御用マイコン151は、電源OFF状態の継続時間を判定する際の基準となる所定時間を、非営業時間の全体時間よりも短い、例えば「6時間」等に設定することができる。なおこの場合の所定時間は、例えば、営業時間の終了時刻から次の営業時間の開始時刻までの時間である非営業時間(12時間)を基準としてその2分の1以上でありかつ非営業時間未満となる範囲で、適宜設定すればよい。
また、実施形態5では、操作性の更なる向上のため、特定差球数のリセットと同様の操作(非営業時間への移行がなされた後の電源ON操作)に応じて、特定差球数のリセットだけでなく、遊技不能状態の解除および遊技不能報知の終了を行うようになっている。このため本実施形態では、他の実施形態において枠制御基板150上に設けられていたリセットボタン180は不要である。なお、遊技不能状態の解除や、遊技不能報知の終了については別途、リセットボタン180の操作(状態復帰操作)に応じて行うようにしてもよい。
ここで、実施形態5の枠制御用マイコン151が実行する差球数特定処理(図47)について説明する。差球数特定処理は、前述した実施形態1~4において実行される差球数特定処理(図31)に対し、S500からS506までの処理およびS508,S509の処理は共通しているが、S507に替えて、新たな処理(S5073,S5074)を追加している。
実施形態4における枠制御用マイコン151は、差球数特定処理において、S501~S506の処理の終了後、パチンコ遊技機1の電源がOFFからONに切り替えられたタイミングであるかを判定する(S5073)。そして、S5073において電源OFFからONへの切り替えタイミングではないと判定した場合には(S5073:NO)、差球数特定処理を終了する。一方で、S5073において電源OFFからONへの切り替えタイミングであると判定した場合には(S5073:YES)、RTC124からの時刻情報を確認し、その直前までの電源OFF状態の継続時間を特定する。そしてその継続時間が、予め定められた所定時間(6時間)以上であったかを判定する(S5074)。
枠制御用マイコン151は、S5074において、電源OFF状態が所定時間(6時間)以上継続したと判定した場合には(S5074:YES)、S508において差球数記憶部172に記憶される特定差球数をリセットすると共に、S509において遊技制御用マイコン61に向けた遊技可能化コマンドをセットして、差球数特定処理を終了する。
これに対し、S5071において、電源OFF状態が所定時間(6時間)以上継続しなかったと判定した場合には(S5074:NO)、前述したS508およびS509の処理を行わず、差球数特定処理を終了する。
(実施形態5の効果)
上述した実施形態5のパチンコ遊技機1によれば、以下の作用効果を奏する。
(5-1)
パチンコ遊技機1は、遊技球が流下可能な遊技領域3に、遊技球が入賞(入球)可能な複数種類の入賞口(入球口)10a,14a,12a,11が設けられており、これらの入賞口のうちの始動口(契機口)10a,12aへの入賞を契機として、遊技制御用マイコン61(当たり判定手段、生起手段)が、特図当たり判定(当たり判定)を実行すると共に、この特図当たり判定が当たりの判定結果となった場合に、入賞口のうちの大入賞口14a(特別入球口)への遊技球の入賞が可能な大当たり遊技状態(当たり遊技状態)を生じさせる。また、遊技制御用マイコン61(賞球付与決定手段)が、入賞口への入賞を契機として、賞球の付与を決定する。枠制御用マイコン151(算出手段)は、賞球の付与に基づいて変化する遊技球数であって、より詳しくは差球数の変動幅の最大値に相当する遊技球数である、特定差球数を算出する。差球数記憶部172(差球数記憶手段)における特定差球数記憶エリア172dは、その算出された特定差球数を記憶する。これに対し、遊技制御用マイコン61(遊技不能化手段)は、特定差球数が「基準数」達したことを契機として遊技不能状態に移行させる。従って、遊技者に対する過剰な賞球付与を抑止しつつ、遊技者が好適に遊技を行うことができるようにすることができる。
また、パチンコ遊技機1は、遊技店の営業時間中に差球数記憶部172に記憶された特定差球数のカウント値を、非営業時間への移行を条件としてリセット可能とする。
すなわち、営業時間から非営業時間への移行を条件として特定差球数のカウント値をリセット可能とすることで、特定差球数のカウント値が翌営業日まで残り得るという問題を解決し得る。
(5-2)
枠制御用マイコン151(計時手段)は、RTC124からの時刻情報に基づいて、電源OFF状態の継続時間を計測する。そして、この電源OFF状態が予め定めた所定時間(6時間)以上継続したか否かに基づいて、営業時間から非営業時間に移行したか否かを特定する。
この電源OFF状態の継続時間に基づく判定により、非営業時間に移行したか否かの特定が可能となり、特定差球数のカウント値が翌営業日まで残り得る問題を解決し得る。
(5-3)
ここで、パチンコ遊技機1では、電源OFF状態の継続時間が所定時間(6時間)以上であったか否かを、電源ON操作(電源ONへの復帰操作)に伴って判定する。そして当該判定において所定時間(6時間)以上であったとの結果となった場合に、特定差球数のカウント値をリセットする。
すなわち、電源OFF状態が所定時間以上継続した後に電源ON状態への復帰操作が行われると、他の操作を行うことなしに特定差球数のカウント値がリセットされることになる。これにより、確実に特定差球数のカウント値がリセットされ、翌営業日まで残ることがなくなる。
(5-4)
なお、電源OFF状態の継続時間を判定する基準となる所定時間は、遊技店での営業終了時刻から営業開始時刻までの時間(非営業時間)の2分の1以上であり、かつこの非営業時間未満の時間に設定されている。
このように、遊技店の非営業時間内で電源OFF状態とされる時間を考慮した所定時間を用いることで、非営業時間に移行したか否かについて正確な判定を行い得る。
[他の実施形態]
・前述した実施形態1~5では、賞球の付与に基づいて変化する特定球数として、遊技による差球数の変動幅の最大値に相当する特定差球数(特定差球数記憶エリアに記憶される遊技球数)を用いるようにしたが、特定球数として差球数(現在差球数記憶エリアに記憶される現在差球数)を用いるようにしてもよい。
・前述した実施形態1~5では、パチンコ遊技機1として、遊技球を機内で循環させる球循環機構を備えたスマートパチンコ(管理遊技機、封入式遊技機)の構成例について説明したが、遊技球(賞球)を機前面の球受け皿に払い出す球払出機構を備えたパチンコ遊技機に本願発明を適用してもよい。
・前述した実施形態1~5で第1~第3の指標数および基準数として定めた具体的な遊技球数(99359個、99360個、99872個、99999個)は、一例であり、適宜に変更して設定することができる。
・前述した実施形態1~5では、枠制御基板の枠制御用マイコンの制御によって特定差球数(特定球数)を計数および管理するように構成した。これに対し、他の制御基板、例えば、主制御基板の遊技制御用マイコン(遊技不能化を実行する制御手段)や、サブ制御基板の演出制御用マイコン(遊技不能報知を実行する制御手段)の制御によって特定差球数を計数および管理するように構成してもよい。
・前述した実施形態1~5では、枠制御用マイコンの差球数記憶部と、遊技制御用マイコンの通知記憶部とで、互いに異なる特定差球数を記憶する場合が生じるように構成したが、常に同じ特定差球数が記憶されるように構成することも可能である。この場合には、特定差球数が一定以上となった場合に限らず、枠制御用マイコンから遊技制御用マイコンに特定差球数を常に通知するよう構成すればよい。
・前述した実施形態1では、特定差球数が基準数未満でありかつ第3の指標数(指標数)以上である時に大当たり遊技状態(特定差球数遊技状態)が終了する場合、その大当たり遊技状態の終了を契機として遊技不能状態に移行させるようにした。これに対し、特図当たり判定(小当たり判定)の結果に応じて小当たり遊技状態を生起可能な遊技機においては、次のようにすることができる。
すなわち、特定差球数が基準数未満でありかつ第3の指標数(指標数)以上である時に小当たりラッシュ遊技状態(特定差球数遊技状態)が終了する場合、その小当たりラッシュ状態の終了を契機として遊技不能状態に移行させるようにしてもよい。
なお、小当たり遊技状態は、当たり判定(大当たり判定、小当たり判定)において大当りに対応しない特定の判定結果(小当たりの結果)となった場合に生起されるものの、特別入球口(大入賞口)が所定時間(大当たり遊技状態のラウンドより短い時間)を越えない範囲で開放される遊技状態であり、高ベース状態や低ベース状態の終了契機とならない遊技状態のことである。
また、小当たりラッシュ状態は、例えば、小当たり判定手段(遊技制御用マイコン)が契機口(始動口)への入球を契機として実行する小当たり判定(特図当たり判定)で当たりの結果となった場合に生起手段(遊技制御用マイコン)が、特別入球口(大入賞口)を開放させる小当たり遊技状態を生じさせ得る構成において、その小当たり遊技状態が通常遊技状態(低確状態)よりも短い時間間隔で生じ得る遊技状態、または、その小当たり遊技状態が特別入球口への入球が可能(容易)な状態として生じる遊技状態のことである。
・前述した実施形態1,2では、特図当たり判定の結果を示唆する示唆演出について、特定差球数の増加に応じて選択確率が変化することがない通常示唆演出と、特定差球数の増加に応じて選択確率が増加する特定示唆演出とを設けた。これに対し、通常示唆演出および特定示唆演出のうち一方について、特定差球数の増加に応じて選択確率が減少するように設定してもよい。
なお、示唆演出(通常示唆演出・特定示唆演出)用の示唆演出選択テーブル(図35)について、高ベース状態および低ベース状態に共通して参照するテーブル或いは高ベース状態で参照するテーブルとして説明を行ったが、当該テーブルを少なくとも低ベース状態での示唆演出の選択用に参照する(低ベース状態で特定示唆演出を行う)ことも考えられる。例えば、低ベース状態を前述した小当たりラッシュ状態とする場合には、低ベース状態であっても特定差球数が基準数に達する可能性が高くなり、特定示唆演出によって興趣を向上し得る。
・前述した実施形態1,2では、特図当たり判定の結果を示唆する示唆演出(通常示唆演出、特定示唆演出)について、リーチとするか否かやリーチの種類とは無関係に選択するようにしたが、示唆演出(通常示唆演出、特定示唆演出)の選択確率を、リーチとするか否かやリーチの種類と関連付けて設定してもよい。例えば、特定差球数が増加するにつれて特定示唆演出の選択確率が高まるように設定すると共に、この特定示唆演出が実行される場合には必ず期待度の高いリーチ(SPリーチ等)に発展するように設定したり、特定差球数が予め定めた遊技球数以上(例えば第3の指標数以上)の時に特定示唆演出が実行される場合には必ず期待度の高いリーチ(SPリーチ等)に発展するように設定したりすることができる。
・前述した実施形態1,2では、大当たり遊技状態中に実行される大当たり演出としての通常シナリオ演出が、特定差球数の増加に応じて特殊シナリオ演出に変更されるタイミングを、ラウンド開始時としたが、特定差球数が増加したタイミングに応じて特殊シナリオ演出に変更するようにしてもよい。
・前述した実施形態3では、大当たり遊技状態中に特定差球数(最大差球数)が基準数に到達するとその大当たり遊技状態の終了まで待機してから遊技不能状態に移行させるようにした。すなわち特定差球数が基準数に達した時点で実行されている大当たり遊技状態において獲得される遊技球について保証するものであった。これに対し、連荘期間中に特定差球数が基準数に到達すると、その連荘期間の終了まで待機してから遊技不能状態に移行させる(すなわち特定差球数が基準数に達した時点で滞在している連荘期間において獲得される遊技球について保証する)ようにしてもよい。
・前述した実施形態2では、特定差球数が基準数未満でありかつ第3の指標数(指標数)以上である時に、高ベース状態(遊技者に有利な有利遊技状態)から通常遊技状態(低ベース状態)に移行する場合、その通常遊技状態への移行を契機として遊技不能化手段(遊技制御用マイコン)が遊技不能状態に移行させるように構成した。これに対し、特図当たり判定(小当たり判定)の結果に応じて小当たり遊技状態を生起可能な遊技機においては、次のようにすることができる。
すなわち、前述した小当たりラッシュ状態(遊技者に有利な有利遊技状態)から通常遊技状態(低ベース状態)に移行する場合、その通常遊技状態への移行を契機として遊技不能化手段(遊技制御用マイコン)が遊技不能状態に移行させるように構成してもよい。
・前述した実施形態3では、大当たり遊技状態中に特定差球数が基準数に到達するとその大当たり遊技状態の終了まで待機してから遊技不能状態に移行させるようにすると共に、始動口への入賞時に行われる事前判定において、大当たり遊技状態(差球数増加遊技状態)が生起される判定結果となり、かつその時点での特定差球数が、以後に生じさせる当該大当たり遊技状態中に基準数に達し得る遊技球数まで増加している場合に、先読み演出を実行するようにした。これに対し、特図当たり判定(小当たり判定)の結果に応じて小当たり遊技状態を生起可能な遊技機においては、次のようにすることができる。
すなわち、事前判定において前述した小当たりラッシュ状態(差球数増加遊技状態)が生起される判定結果となり、かつその時点での特定差球数が、以後に生じさせる当該小当たりラッシュ状態中に基準数に達し得る遊技球数まで増加している場合に、先読み演出を実行するようにしてもよい。
・前述した実施形態3では、先読み演出として、演出表示装置の画面に表示される保留画像の色を変化させる演出を採用した場合について説明した。しかしながら、先読み演出としてはこれに限らず、保留画像の形状を変化させる保留演出を採用してもよいし、画面の演出図柄や背景画像に変化を与える演出を採用してもよい。
・前述した実施形態3では、特定差球数の増加を抑制可能な遊技のしかたを促す打ち方報知を、遊技者による持ち球の減少を次の大当たり遊技状態の開始まで抑制また回避し得る状態とする制御が行われることが決定されている場合の当たり遊技状態(確変大当たり)中において実行するように構成したが、遊技者による持ち球の減少を次の大当たり遊技状態の開始まで抑制また回避し得る状態(例えば前述した小当たりラッシュ状態)とする制御が行われることが決定され、その状態が生起されている期間において、打ち方報知を実行するようにしてもよい。
・前述した実施形態3では、打ち方報知の実行中において特定差球数が減少した場合に当該打ち方報知が中断され、その後に特定差球数が再び増加すると当該打ち方報知が再開される構成とした。これに対し、打ち方報知が一度開始されるとその後に大当たり遊技状態が生起されるまで打ち方報知が終了されないように構成してもよい。
・前述した実施形態3では、打ち方報知において作動保留数に応じて遊技球の発射を中断させる報知を行うようにしたが、打ち方報知は特定差球数の過度な増加を制限し得る遊技のしかたを報知すればよく、例えば、差球数表示領域を拡大して特定差球数の表示を強調することで、遊技者に対し特定差球数が増加していることを認識させ、これにより遊技球の発射を中断させるようにしてもよい。
・前述した実施形態4では、遊技店の営業時間中に特定差球数のカウント値をリセットする操作が行われた場合に、特定差球数のカウント値をリセットすることなく警告報知を開始するようにしたが、特定差球数のカウント値をリセットしつつ警告報知を開始させてもよい。
・前述した実施形態4では、遊技店の営業時間中に遊技不能状態から遊技可能状態に移行させる操作が行われた場合に、遊技不能状態を解除することなく警告報知を開始するようにしたが、遊技不能状態を解除しつつ警告報知を開始させてもよい。
・前述した実施形態4では、遊技店の営業時間中に遊技不能報知を終了させる操作が行われた場合に、遊技不能報知を終了させることなく警告報知を開始するようにしたが、遊技不能報知を終了させつつ警告報知を開始させてもよい。
・前述した実施形態5では、電源をONする場合に、その直前までの電源OFF状態の継続時間が所定時間(6時間)以上であれば、特定差球数のカウント値をリセットするようにした。これに対し、電源をONする直前までの電源OFF状態において予め定めた営業外時刻(例えば午前0時)を経過していれば、特定差球数のカウント値をリセットするようにしてもよい。
・前述した実施形態5では、電源をONする直前までの電源OFF状態の継続時間が所定時間(6時間)以上であれば、特定差球数のカウント値をリセットすると共に、遊技不能状態から遊技可能状態への移行と、遊技不能報知の終了とを行うようにした。これに対し、遊技不能状態から遊技可能状態への移行および遊技不能報知の終了のうち何れか一方または両方について、特定差球数のカウント値のリセットとは別に、所定の操作に基づいて行うようにしてもよい。
・前述した実施形態1~5では、大当たり遊技状態とするか否かを、始動口への入賞を契機として取得した大当たり乱数値による特図当たり判定の結果に基づいて決定するように構成した。これに対し、大当たり遊技状態とするか否かを、大入賞口内部に設けられる特定領域への遊技球の入球(通過)を契機として決定するように構成してもよい。
・前述した実施形態1~5では、大当たり遊技状態の種類(例えば、大当たり遊技状態の終了後に高確率状態を生起させるか否か等)を、始動口への入賞を契機として取得した大当たり種別乱数値による大当たり種別判定の結果に基づいて決定するように構成した。これに対し、大当たり遊技状態の種類(例えば、大当たり遊技状態の終了後に高確率状態を生起させるか否か等)を、大入賞口内部に設けられる特定領域への遊技球の入球(通過)を契機として決定するように構成してもよい。
・前述した実施形態1~5では、第1特図保留の消化よりも優先して第2特図保留の消化を行う制御処理(いわゆる特2優先変動)を採用する構成例について説明した。これに対し、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留および第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処理(いわゆる入賞順(記憶順)変動)の制御処理としてもよい。或いは、第1特図保留および第2特図保留を同時に消化する制御処理(いわゆる同時変動)を採用してもよい。なお、同時変動の場合、特図2の変動表示の契機となる第2始動口への入賞が遊技状態に関わらず生じるように構成し、かつ、第1の遊技状態(低確状態)における特図2の変動時間を、第2の遊技状態(高確状態)での時間(例えば5秒~30秒)に対して長い時間(例えば30分等)に設定し、第1の遊技状態における大当たりや小当たりの結果となる特図2の変動表示中において、特図1の変動表示が大当たりや小当たりの結果で終了した場合に、その特図2の変動表示を中止してハズレの結果で終了させるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者が第1の遊技状態で第2始動口への入賞を狙って遊技を行うのを防ぐことができると共に、第1の遊技状態での特図2の長い変動表示が遊技者の遊技終了後に終了して、遊技者不在となった遊技機で大当りや小当たりが発生する事態を防ぐことができる。
・前述した実施形態1~5では、通常遊技状態(低確低ベース状態)よりも遊技者に有利な遊技状態(有利遊技状態)として、高確高ベース状態および低確高ベース状態(サポート状態)を生じさせるようにした。これに対し、有利遊技状態として、高確低ベース状態を生じさせるようにしてもよい。なお、高確低ベース状態は、前述した小当たりラッシュ状態としてもよい。
・前述した実施形態1~5では、遊技媒体として遊技球を用いて遊技を行うパチンコ遊技機に対して本発明を適用した構成例について説明した。これに対し、遊技媒体として遊技メダル等を用いて遊技を行うと共に、その遊技に応じて遊技メダル等を遊技者に付与する(払い出す)回胴式遊技機(スロットマシン)に本発明を適用することも可能である。
すなわち、表示リールを始動する操作の対象となる始動操作手段(始動レバー)と、表示リールを停止する操作の対象となる停止操作手段(停止ボタン)とを備えると共に、始動操作手段の操作に基づいて抽選を行い、停止操作手段の操作に応じたタイミングで表示リールを停止させる際に、抽選結果に基づいた絵柄を停止位置に停止させることが可能な遊技機であって、遊技による獲得媒体数および消費媒体数の差分である差分媒体数を算出する差分媒体数算出手段と、差分媒体数を記憶する差分媒体数記憶手段と、獲得媒体数の増加により差分媒体数が基準数に達したことを契機として、遊技可能状態から遊技不能状態に移行させる遊技不能化手段とを備えるように構成し、実施形態1~5で説明した各種構成について、遊技球数(特定差球数、基準数、指標数)を遊技メダル数に置き換えて適用することができる。
1…パチンコ遊技機、3…遊技領域、10a…第1始動口(入球口、契機口)、11…一般入賞口(入球口)、12a…第2始動口(入球口、契機口)、13…ゲート(入球口)、14a…大入賞口(入球口、特別入球口)、61…遊技制御用マイコン(当たり判定手段、賞球付与決定手段、第1生起手段、第2生起手段、遊技不能化手段)、151…枠制御用マイコン(算出手段)、172…差球数記憶部(記憶手段)。

Claims (3)

  1. 遊技球が流下可能な遊技領域に設けられて遊技球が入球可能な複数種類の入球口と、前記入球口の一種である契機口への入球を契機として当たり判定を実行する当たり判定手段と、前記当たり判定が当たりの判定結果となった場合に前記入球口の一種である特別入球口への入球が可能な当たり遊技状態を生じさせる生起手段と、前記入球口への入球を契機として賞球の付与を決定する賞球付与決定手段とを備えると共に、演出の実行を制御する演出制御手段を備えた遊技機であって、
    前記賞球の付与に基づいて変化する特定球数を算出する算出手段と、
    前記特定球数を記憶する記憶手段と、
    前記特定球数が予め定められた基準数に達したことを契機として遊技不能状態に移行させると共に、前記当たり遊技状態中に前記特定球数が前記基準数に達した場合にはその当たり遊技状態が終了するまで前記遊技不能状態への移行を遅延させる遊技不能化手段とを備え、
    前記演出制御手段は、遊技者の持ち球の減少を抑制または回避し得る状態を次の前記当たり遊技状態の開始まで継続し得ることが決定されている場合の所定期間に、前記特定球数の増加を抑制可能な遊技のしかたを促す報知の実行を制御する
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記報知は、前記遊技領域に向けて遊技球を発射するための操作の中断を促す内容を少なくとも含む請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記演出制御手段は、前記特定球数が前記基準数未満の指標数に達したことに基づいて前記報知の実行を決定するように構成され、
    前記指標数は、前記基準数との差分が、前記当たり遊技状態によって増加し得る前記特定球数より少なくなるように設定されている請求項1に記載の遊技機。
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