JP2023101322A - 車両配車装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】乗合車両の運行の遅れを抑えることのできる技術を提供する。【解決手段】乗合車両である車両Aの混雑具合と車両Aが到着する予定の乗降場所であるバス停bの混雑具合とに応じて増発便の要否を判定する。増発が必要と判定された場合、車両Aよりも先に或いは車両Aとともに乗合車両である車両Bをバス停bに配車する。【選択図】図3

Description

本開示は、乗合車両の運行の遅れの解消のために増発便を配車する車両配車装置に関する。
特許文献1には、混雑が予想されるバスの乗車人数と、そのバスが停車する予定の停留所の待ち人数とに基づいて、追加バスの大きさと台数を決定する技術が開示されている。しかし、バスが混雑している場合、停留所での乗降にも時間がかかる。単に追加バスを増発しても乗降に時間がかかることは解決されず、定常バスの運行が遅れる可能性は依然として残っている。
なお、本開示に関連する技術分野の技術水準を示す文献としては、特許文献1の他にも特許文献2及び特許文献3を例示することができる。
特開2021-051431号公報 特開2017-174203号公報 特開2020-004175号公報
本開示は、上述のような課題に鑑みてなされたものである。本開示は、乗合車両の運行の遅れを抑えることのできる技術を提供することを目的とする。
本開示は上記目的を達成するための車両配車装置を提供する。本開示の車両配車装置は、第一の乗合車両の混雑具合と第一の乗合車両が到着する予定の乗降場所の混雑具合とに応じて増発便の要否を判定することを実行するように構成される。さらに、本開示の車両配車装置は、増発便が必要との判定を受けて、第一の乗合車両よりも先に或いは第一の乗合車両とともに第二の乗合車両を乗降場所に配車することを実行するように構成される。
本開示の車両配車装置によれば、第一の乗合車両よりも先に或いは第一の乗合車両とともに第二の乗合車両を乗降場所に配車することで、第一の車両の乗降にかかる時間を減らし、第一の車両の運行の遅れを抑えることができる。
乗合車両の乗降パターンについて説明する図である。 乗合車両の乗降パターン及び乗降場所の混雑度と乗合車両の運行ダイヤに対する遅延との関連について説明する図である。 本開示の第1実施形態に係る増発便の配車方法を説明する図である。 本開示の第1実施形態に係る増発便の配車方法を説明する図である。 本開示の第1実施形態に係る車両配車装置の構成の一例を示すブロック図である。 本開示の第1実施形態に係る車両配車装置の処理の一例を示すフローチャートである。 本開示の第2実施形態に係る増発便の配車方法を説明する図である。 本開示の第2実施形態に係る増発便の配車方法を説明する図である。 本開示の第2実施形態に係る車両配車装置の構成の一例を示すブロック図である。 本開示の第2実施形態に係る車両配車装置の処理の一例を示すフローチャートである。 本開示の第3実施形態に係る増発便の配車方法を説明する図である。 本開示の第3実施形態に係る車両配車装置の構成の一例を示すブロック図である。 本開示の第3実施形態に係る車両配車装置の処理の一例を示すフローチャートである。 本開示の第4実施形態に係る増発便の配車方法を説明する図である。 本開示の第4実施形態に係る車両配車装置の構成の一例を示すブロック図である。 本開示の第4実施形態に係る車両配車装置の処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。ただし、以下に示す実施形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に、本開示に係る思想が限定されるものではない。また、以下に示す実施形態において説明する構造等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、本開示に係る思想に必ずしも必須のものではない。
1.乗合車両の運行ダイヤに対する遅延理由
まず、乗合車両が運行ダイヤに対して遅延する理由について説明する。乗合車両の遅延理由には、乗合車両の乗降パターンと乗降場所の混雑度とが深くかかわっている。これについては図1及び図2を用いて説明することができる。
1-1.乗降パターン
乗合車両の乗降パターンについて図1を用いて説明する。図1において、車両Aは多数の客が乗車している乗合車両である。本開示における乗合車両は、定期・定路線運行バス、客の要望に応じて路線や乗降場所を決定するオンデマンド車両、路線のみが決まっているMaaS車両等、多数の客が乗車し、最終目的地までの途中において客の乗り降りが発生する車両を意味する。本開示における乗合車両は、車両に搭乗した運転者によって運転される有人運転車両でもよいし、遠隔運転される無人運転車両でもよいし、自動運転車両でもよい。ここでは、車両Aは予め決められた路線に沿って走行し、乗降場所としての所定のバス停に停車する定期・定路線運行バスであるとする。以下、想定しうる4つの乗降パターンについて説明する。
<乗降パターン1>
バス停aにいる車両Aは混雑している。車両Aは混雑したままバス停bに到着する。乗降パターン1は、バス停bにおいて車両Aに乗車する客と車両Aから降りる降車客とがいるパターンである。乗車客が車両Aに乗車するためには、まず、車両Aから降車客が降車するか、或いは、車内にスペースができるのを待つ必要がある。よって、乗車客が車両Aに乗車できるようになるまでには時間を要する。そして、降車客が車両Aから降車できるようにするためには、車両Aから降りない人が通路を空ける必要があるため、降車客が車両Aから降車するにも時間を要する。以上より、混雑した車両Aにおける乗降パターン1では、混雑していない車両に比較して降車客の降車と乗車客の乗車とが完了するまでに時間を要し、運行ダイヤに対して遅延が発生する。
<乗降パターン2>
バス停aにいる車両Aは混雑している。車両Aは混雑したままバス停bに到着する。乗降パターン2は、バス停bにおいて車両Aに乗車する客のみがいるパターンである。乗車客が車両Aに乗車するめには、車内の人に奥に詰めてもらう必要がある。このため、混雑した車両Aにおける乗降パターン2では、混雑していない車両に比較して乗車客の乗車が完了するまでに時間を要し、運行ダイヤに対して遅延が発生する。
<乗降パターン3>
バス停aにいる車両Aは混雑している。車両Aは混雑したままバス停bに到着する。乗降パターン3は、バス停bにおいて車両Aから降りる降車客のみがいるパターンである。降車客が車両Aから降車するためには、車両Aから降りない人に通路を空けてもらう必要がある。このため、混雑した車両Aにおける乗降パターン3では、混雑していない車両に比較して降車客の降車が完了するまでに時間を要し、運行ダイヤに対して遅延が発生する。
<乗降パターン4>
バス停aにいる車両Aは混雑している。車両Aは混雑したままバス停bに到着する。乗降パターン4は、バス停bにおいて車両Aに乗車する客も車両Aから降りる降車客もいないパターンである。この場合、客の乗降のための時間を必要としないため、運行ダイヤに対する遅延は発生しない。
1-2.遅延に対する乗降場所の混雑度の影響
次に、上記の各乗降パターンについて乗降場所の混雑度がどのように影響するのかを図2を用いて説明する。
<乗降パターン1>
車両Aが停車する予定の乗降場所であるバス停bは待合客で混雑している。車両Aは混雑したまま混雑しているバス停bに到着し、混雑しているバス停bにおいて降車客が車両Aから降車し、乗車客が車両Aに乗車する。この場合、乗車客が車両Aに乗車するためには、待合客をかき分けて進まねばならず、乗車客が車両Aに到着するまでに時間を要する。また、降車客が車両Aから降車するためには、待合客にどいてもらい、降車客が車両Aから離れるための道を作ってもらう必要がある。このため、バス停bが混雑している場合、バス停bが混雑していない場合に比較して降車客の降車と乗車客の乗車とが完了するまでに時間を要し、運行ダイヤに対してさらに遅延が発生する。
<乗降パターン2>
車両Aが停車する予定の乗降場所であるバス停bは待合客で混雑している。車両Aは混雑したまま混雑しているバス停bに到着し、混雑しているバス停bにおいて乗車客が車両Aに乗車する。この場合、乗車客が車両Aに乗車するためには、待合客をかき分けて進まねばならず、乗車客が車両Aに到着するまでに時間を要する。このため、バス停bが混雑している場合、バス停bが混雑していない場合に比較して乗車客の乗車が完了するまでに時間を要し、運行ダイヤに対してさらに遅延が発生する。
<乗降パターン3>
車両Aが停車する予定の乗降場所であるバス停bは待合客で混雑している。車両Aは混雑したまま混雑しているバス停bに到着し、混雑しているバス停bにおいて降車客が車両Aから降車する。この場合、降車客が車両Aから降車するためには、待合客にどいてもらい、降車客が車両Aから離れるための道を作ってもらう必要がある。このため、バス停bが混雑している場合、バス停bが混雑していない場合に比較して降車客の降車が完了するまでに時間を要し、運行ダイヤに対してさらに遅延が発生する。
<乗降パターン4>
車両Aが停車する予定の乗降場所であるバス停bは待合客で混雑している。車両Aは混雑したまま混雑しているバス停bに到着するが、バス停bにおいて車両Aに乗車する客も車両Aから降りる降車客もいない。よって、バス停bが混雑していたとしても、客の乗降のための時間を必要としないため、運行ダイヤに対する遅延は発生しない。
2.第1実施形態
2-1.第1実施形態に係る増発便の配車方法
上述のとおり、混雑している車両Aの運行ダイヤに対する遅延は乗車客又は降車客がいる場合に発生し、バス停bが混雑している場合においてより顕著になる。しかし、バス停bの混雑を原因とする遅延はバス停bから待合客をなくすことで解消することができる。第1実施形態では、バス停bから待合客をなくす上での効果的な手段として増発便が利用される。
図3は第1実施形態に係る増発便の配車方法を説明する図である。第1実施形態では、車両A(第一の乗合車両)が混雑していることが検知され、且つ、車両Aが停車する予定のバス停bが混雑していることが検知された場合、増発便としての車両B(第二の乗合車両)が配車される。車両Bは乗客が乗っていない或いは車両Aよりも混雑していない乗合車両である。車両Bのサービス形態は必ずしも車両Aのサービス形態の同一でなくてもよい。例えば、車両Aが定期・定路線運行バスである場合に、車両Bは自動運転される小型のMaaS車両であってもよい。車両Bの路線は車両Aの経路と完全同一又は一部同一であり、少なくともバス停bを経由している。
第1実施形態に係る増発便の配車方法では、車両Bは車両Aよりも先にバス停bに配車される。車両Aよりも先にバス停bに到着した車両Bは、バス停bで待機している待合客を乗車させる。車両Bは空車であるか乗客が乗っていたとしても車両Aのようには混雑していないので、待合客の車両Bへの乗車は遅滞なく行われる。待合客を乗せた車両Bは車両Aがバス停bに到着するよりも前にバス停bを出発する。
車両Aは車両Bの到着後の混雑が解消されたバス停bに到着する。バス停bに待合客がいなければ、バス停bで車両Aに乗車する乗車客もいない。よって、混雑している車両Aに乗車客が乗車することで生じる遅れ、つまり、乗降パターン1による遅れと乗降パターン2による遅れは回避される。また、バス停bが混雑していないため、混雑しているバス停bで車両Aから降車客が降車することで生じる遅れも回避される。
一方、混雑している車両から降車客が降車することで生じる遅れ、つまり、乗降パターン3による遅れは、車両Bによりバス停bから待合客が持ちさられたとしても、それにより直接的には解消されない。しかし、車両Aに先行して車両B或いはその他の乗合車両が混雑しているバス停から待合客を拾っていくことで、車両Aから降車客が降車する毎に車両Aの密度は低減され、乗降パターン3による遅れは徐々に解消される。
車両Bを車両Aよりも先にバス停bに配車する条件は、前述のとおり車両Aが混雑し、且つ、バス停bが混雑していることである。しかし、バス停bが混雑していない場合であっても、一定の条件が満たされれば、車両Aよりも先に車両Bがバス停bに配車される。その一定の条件とは、車両Aに乗車する見込みの客がバス停bにいることである。車両Aに乗車する見込みの客は、乗降パターン1による遅れ又は乗降パターン2による遅れを生じさせる虞のある客である。車両Bを車両Aよりも先にバス停bに配車し、車両Aに乗車する見込みのある客を車両Bで回収することで、バス停bが混雑していない状況での乗降パターン1による遅れ又は乗降パターン2による遅れを回避することができる。
以上、第1実施形態に係る増発便の配車方法に関し、図3に示すように車両Aが停車しているバス停aの隣のバス停bが混雑している例について説明した。隣のバス停bが混雑しているのであれば、増発便の車両Bを配車すべきバス停は一義的にバス停bとなる。しかし、図4に示す例のように隣のバス停bよりもさらに前方のバス停cが混雑している場合には複数の選択肢が生じる。
図4に示す例では車両Aが停車しているバス停aより2つ前方のバス停cが混雑している。この場合、直接バス停cに配車する経路1で車両Bを配車してもよいし、手前のバス停bを経由してバス停cに配車する経路2で車両Bを配車してもよい。つまり、車両Aが停車する予定のバス停が混雑している場合、その混雑しているバス停に至る経路であれば、どのような経路で車両Bを配車してもよい。このことは車両Aの路線が環状線である場合にも当てはまる。
2-2.第1実施形態に係る車両配車装置
2-2-1.車両配車装置の構成
第1実施形態に係る増発便の配車方法は図5に示す構成を有する車両配車装置によって実現される。図5は第1実施形態に係る車両配車装置の構成の一例を示すブロック図である。
第1実施形態に係る車両配車装置10は、車内混雑検知部11、乗降場所混雑具合検知部12、増発要否判定部13、現在位置通知部14、配車位置決定部15、及び配車位置通知部16を備える。また、図示は省略するが、車両配車装置10は少なくとも1つのプログラムを記憶した少なくとも1つのメモリと、その少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを備えるコンピュータを含む。図5に示す車両配車装置10の構成要素11,12,13,14,15,16は上記少なくとも1つのプログラムが上記少なくとも1つのプロセッサで実行されたときに実現される車両配車装置10の機能の一部である。
車内混雑検知部11は車両Aの車内の混雑具合を検知するように構成されている。検知方法としては、車内に向けて設けられたカメラ、深度センサ、LiDAR等のセンサを用いてソフトウェアにより混雑具合を自動検出するという方法を用いることができる。また、そのセンサ情報を車両Aの外部に無線送信し、その情報に基づき人が混雑具合を判断するという方法を用いることもできる。また、乗降記録をリアルタイムで観測することにより乗車人数を把握するという方法を用いることもできる。また、車両Aのエアサスペンションの情報から推定した車重の変化に基づいて乗車人数を推定するという方法を用いることもできる。また、乗客が携帯端末のアプリで選択した「ガラガラ」「立ち客あり」「ぎゅうぎゅう」等の申告内容から混雑具合を把握するという方法を用いることもできる。また、利用者の車両Aの予約情報に基づいて乗車人数を推定するという方法を用いることもできる。また、車内の無線環境の利用者数に基づいて乗車人数を概算するという方法を用いることもできる。さらに、車両Aの運転手や車掌が乗車人数を把握して申告するという方法を用いることもできる。
乗降場所混雑具合検知部12は車両Aがこれから向かう乗降場所の混雑具合を検知するように構成されている。検知方法としては、乗降場所に備え付けのセンサを用いて混雑具合を自動検出するという方法を用いることができる。具体的には、カメラ、深度センサ、LiDAR等のセンサを用いて具体的な人数を把握したり、多寡を判定したりすることが考えられる。或いは、そのセンサ情報を無線又は有線でセンサから離れた場所にいる人に送信し、その人が混雑具合を判断するという方法を用いることもできる。また、車両Aに搭載された外部センサ(カメラ、深度センサ、LiDAR等)を用いてソフトウェアにより混雑具合を自動検出するという方法を用いることができる。また、そのセンサ情報を無線送信し、遠隔地においてソフトウェア或いは人により混雑具合を判断するという方法を用いることもできる。また、車両Aを含む多数の車両の外部センサで取得されたセンサデータをサーバに集め、サーバにより混雑具合を判断するという方法を用いることもできる。さらに、AIを用いた需要予測のように過去データに基づいて混雑具合を推定するという方法を用いることもできる。
増発要否判定部13は車内混雑検知部11と乗降場所混雑具合検知部12とからの情報に基づいて増発便の要否を判定するように構成されている。前述の通り、増発便が必要と判断されるのは、車両Aが混雑しており、且つ、車両Aがこれから向かう乗降場所が混雑している場合である。また、車両Aが混雑している場合、車両Aがこれから向かう乗降場所が混雑していない乗降場であっても、車両Aに乗車する見込みの客がいる乗降場所である場合には、増発便が必要と判断される。車両Aが混雑しているかどうかは、車内の乗客の密度が所定密度以上かどうかによって判断される。乗降場所が混雑しているかどうかは、乗降所の待合客の人数が所定人数以上かどうか、或いは、混雑具合を示すパラメータが所定値以上かどうかによって判断される。
車両Aに乗車する見込みの客がいる乗降場所かどうかは、例えば、車両Aがオンデマンド車両である場合には予約情報から判断することができる。車両Aが定期・定路線運行バスである場合には、路線数や車両Aの目的地から判断することができる。例えば、ある乗降場所を通る路線が1つだけであれば、その乗降場所にいる待合客は車両Aに乗ることが強く期待できる。また、通勤・通学時間帯に駅に向かう路線と住宅地に向かう路線とが同一の乗降場所を経由する場合、多数の客は駅に向かう路線を利用することが期待できる。複数の路線が同一の区間、同一の乗降場所を経由している場合は、過去の統計データに基づいて判断することができる。
現在位置通知部14は車両Aの現在位置を取得するように構成されている。また、車両Aの現在位置と併せて車両Aの走行経路に関する情報も取得するように構成されている。車両Aの現在位置と走行経路は車両Bを配車する上で必要な情報である。車両Aの現在位置は地図情報とGPS情報とから判断することができる。車両Aの走行経路は定期・定路線運行バスのように予め設定されている場合と、オンデマンド車両のように車両A自身により決定される場合とがある。走行経路が予め既知である場合、車両Aの位置と時刻が分かれば車両Bを配車すべき位置を決定することができる。
配車位置決定部15は車両Bを車両Aの前方に配車する際の配車位置を決定するように構成されている。車両Bの配車位置の決定には、車両Aの走行経路に関する走行経路情報、車両Aが停車する予定の乗降場所への車両Aの到着時刻に関する到着時刻情報、及び車両Bの配車先の候補となる乗降場所の混雑具合に関する混雑具合情報が用いられる。車両Bは車両Aよりも先に混雑している乗降場所に到着することが求められる。配車位置決定部15は、車両Bが増発されないという前提で車両Aが走行し続けた場合の各乗降場所への到着時刻と、車両Bの各乗降場所への到着時刻とを比較する。そして、車両Aよりも早い時刻に到着することができる乗降場所の候補を配車位置として決定する。乗降場所の候補は混雑している乗降場所と乗車する見込みのある客のいる乗降場所である。
配車位置通知部16は配車位置決定部15で決定された配車位置、すなわち、向かうべき乗降場所を車両Bに対して通知する。配車位置の通知と併せて目標到着時刻或いは限界時刻が車両Bに対して通知されてもよい。
2-2-2.車両配車装置の処理
次に、上記のように構成された第1実施形態に係る車両配車装置10の処理について図6を用いて説明する。図6は第1実施形態に係る車両配車装置10の処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS101では、センサ情報に基づいて車両Aの混み具合が検知される。ステップS102では、ステップS101での検知結果に基づいて判定が行われる。車両Aが混雑しているのであれば(S102:Yes)、処理はステップS103に進む。一方、車両Aが混雑していないのであれば(S102:No)、車両Bを配車することで解決される課題は発生しないため処理は終了する。
ステップS103では、センサ情報に基づいて車両Aの将来の乗降場所の混み具合が検知される。車両Aの将来の乗降場所は現時刻よりも将来時刻において車両Aが停車する予定の乗降場所である。車両Aの将来の乗降場所は車両Aの走行経路と現在位置から特定することができる。ステップS104では、ステップS103での検知結果に基づいて判定が行われる。混雑している乗降場所があるのであれば(S104:Yes)、処理はステップS106に進む。一方、混雑している乗降場所がないのであれば(S104:No)、処理はステップS105に進む。
ステップS105では、車両Aに乗車する見込みの客の有無が判定される。車両Aに乗車する見込みの客がいるのであれば(S105:Yes)、処理はステップS106に進む。一方、車両Aに乗車する見込みの客がいないのであれば(S105:No)、車両Bを配車することで解決される課題は発生しないため処理は終了する。
ステップS106では、車両Bを増発させる必要がありと判定される。ステップS106での車両Bの増発の決定を受けて、ステップS107乃至ステップS109の処理が実行される。まず、ステップS107では、GPS情報に基づき車両Aの現在位置が特定される。ステップS108では、ステップS107で特定された車両Aの現在位置に基づいて車両Bの配車先が決定される。そして、ステップS109では、ステップS108で決定された車両Bの配車先に従って車両Bに配車指示が出される。
以上の一連の処理が実行されることにより、車両Aが混雑している場合、混雑している乗降場所或いは車両Aに乗車する見込みのある客のいる乗降場所に車両Aよりも先に車両Bを配車することができる。車両Aが到着する前に乗降場所にいる客を車両Bに乗せてしまうことで、車両Aの乗降にかかる時間を減らし、車両Aの運行の遅れを抑制することができる。
3.第2実施形態
3-1.第2実施形態に係る増発便の配車方法
第1実施形態では、乗車場所であるバス停にいる待合客は車両Aを待っている客であることが前提であった。しかし、1つのバス停が複数の路線で共用されている場合、バス停にいる待合客が車両Aを待っているかどうかは不明である。第2実施形態では、バス停にいる待合客が車両Aを待っている客かどうか調べる手段、すなわち、車両Aの需要を予測する手段として増発便が利用される。
図7及び図8は第2実施形態に係る増発便の配車方法を説明する図である。第2実施形態では、車両A(第一の乗合車両)が停車する予定のバス停が混雑していることが検知された場合、増発便としての車両B(第二の乗合車両)が配車される。図7及び図8に示す例では、バス停は路線Xと路線Yとで共用されている。車両Aは路線Xを走行する定期・定路線運行バスである。車両Bは路線Xと路線Yのどちらにも投入することが可能な車両である。
図7に示す例では、車両Bは路線Xに投入される。バス停にいた待合客が路線Xを利用する客であった場合、増発結果1に示すように、車両Bを増発することでバス停から待合客はいなくなる。増発結果1からは、車両Aに対する需要があったことが確認できる。また、車両Aが混雑している場合に生じる車両Aの運行の遅れは車両Bの増発によって解決されたことになる。
一方、バス停にいた待合客が路線Yを利用する客であった場合、増発結果2に示すように、車両Bを増発してもバス停から待合客はいなくならない。増発結果2からは、車両Aとは異なる路線Yに対する需要があることが確認できる。また、混雑している車両Aがバス停に到着したとしても、バス停において車両Aに乗車する客はいないことから、少なくとも客の乗車に伴う車両Aの運行の遅れが発生する確率は低いことが分かる。
図8に示す例では、車両Bは路線Yに投入される。バス停にいた待合客が路線Yを利用する客であった場合、増発結果3に示すように、車両Bを増発することでバス停から待合客はいなくなる。増発結果3からは、車両Aとは異なる路線Yに対する需要があったことが確認できる。また、路線Yで運行されている車両が混雑している場合に生じる運行の遅れは車両Bの増発によって解決されたことになる。
一方、バス停にいた待合客が路線Xを利用する客であった場合、増発結果4に示すように、車両Bを増発してもバス停から待合客はいなくならない。増発結果4からは、車両Aに対する需要があることが確認できる。また、混雑している車両Aがバス停に到着した場合、バス停において車両Aに客が乗車してくることから、客の乗車に伴う車両Aの運行の遅れが発生する確率は高いことが分かる。
以上のように、第2実施形態に係る増発便の配車方法によれば、1つのバス停が複数の路線で共用されている場合において車両Aに対する需要を予測することができる。
3-2.第2実施形態に係る車両配車装置
3-2-1.車両配車装置の構成
第2実施形態に係る増発便の配車方法は図9に示す構成を有する車両配車装置によって実現される。図9は第2実施形態に係る車両配車装置の構成の一例を示すブロック図である。
第2実施形態に係る車両配車装置20は、車内混雑検知部11、乗降場所混雑具合検知部12、増発要否判定部13、現在位置通知部14、需要予測部21、配車決定部22、及び配車位置通知部16を備える。また、図示は省略するが、車両配車装置20は少なくとも1つのプログラムを記憶した少なくとも1つのメモリと、その少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを備えるコンピュータを含む。図9に示す車両配車装置20の構成要素11,12,13,14,16,21,22は上記少なくとも1つのプログラムが上記少なくとも1つのプロセッサで実行されたときに実現される車両配車装置10の機能の一部である。
第2実施形態に係る車両配車装置20の第1実施形態に係る車両配車装置10との相違点は、配車位置決定部15に代えて需要予測部21及び配車決定部22が設けられた点にある。需要予測部21及び配車決定部22以外の構成要素11,12,13,14,16については第1実施形態に係る車両配車装置10のものと同じであるので、それらについての説明は省略する。
需要予測部21は車両Aに対する需要を予測するように構成されている。車両Aに対する需要の予測は、第2実施形態に係る増発便の配車方法により車両Aの前方に増発便を配車することで達成される。
配車決定部22は需要予測部21による予測結果に基づいてさらに増発便を出すか出さないか、出すのであればどの路線に増発便を出すのかを決定するように構成されている。例えば、需要予測によって図7に示す増発結果1又は図8に示す増発結果3が得られた場合、需要予測のための増発便を出したことでバス停の混雑は解消される。このため、混雑した車両への客の乗車による遅れの発生やバス停の混雑に伴う遅れの発生は回避されている。ゆえに、増発結果1又は増発結果3の場合、配車決定部22はさらに増発便を出すことはしないと決定する。需要予測によって図7に示す増発結果2が得られた場合、車両Aに対する需要はないものの、路線Yを通る車両を増発することでバス停の混雑を解消できると考えられる。ゆえに、増発結果2の場合、配車決定部22は路線Yを通る増発便を出すと決定する。需要予測によって図8に示す増発結果4が得られた場合、車両Aに対する需要があるので、配車決定部22は路線Xを通る増発便を出すと決定する。
3-2-2.車両配車装置の処理
次に、上記のように構成された第2実施形態に係る車両配車装置20の処理について図10を用いて説明する。図10は第2実施形態に係る車両配車装置20の処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS201では、センサ情報に基づいて車両Aの混み具合が検知される。ステップS202では、ステップS201での検知結果に基づいて判定が行われる。車両Aが混雑しているのであれば(S202:Yes)、処理はステップS203に進む。一方、車両Aが混雑していないのであれば(S202:No)、増発便を出すことで解決される課題は発生しないため処理は終了する。
ステップS203では、センサ情報に基づいて車両Aの将来の乗降場所の混み具合が検知される。車両Aの将来の乗降場所は、車両Aの走行経路と現在位置から特定することができる現時刻よりも将来時刻において車両Aが停車する予定の乗降場所である。ステップS204では、ステップS203での検知結果に基づいて判定が行われる。混雑している乗降場所があるのであれば(S204:Yes)、処理はステップS205に進む。一方、混雑している乗降場所がないのであれば(S204:No)、増発便を出すことで解決される課題は発生しないため処理は終了する。
ステップS205では、混雑している乗降場所に車両Aの需要予測のための増発便が出される。ステップS206では、増発便を出したことで乗降場所の混雑が解消されたかどうか判定される。混雑が解消されたのであれば(S206:Yes)、さらに増発便を出す必要はないため処理は終了する。混雑が解消されないであれば(S206:No)、処理はステップS207に進む。ステップS207では、先の増発便とは異なる路線の増発便を出すことが行われる。乗降場所の混雑が解消されるまで、或いは全ての路線について増発便が出されるまで、ステップS206の処理とステップS207の処理とが繰り返し実行される。
以上の一連の処理が実行されることにより、1つのバス停が複数の路線で共用されている場合において車両Aに対する需要を予測し、予測結果に応じて増発便を配車することによって、共用するバス停を利用する車両の運行の遅れを抑制することができる。
4.第3実施形態
4-1.第3実施形態に係る増発便の配車方法
第1実施形態では、混雑している車両Aの前方に増発便を配車することによって、車両Aの運行の遅れを抑制している。しかし、増発便を配車することによって運行の遅れを抑制することができるのは車内が混雑している場合だけではない。車内が混雑しているかどうかに関係なく乗合車両の運行には遅延が発生する場合がある。既に遅れが発生している乗合車両に客が乗車してきた場合、その車両の運行の遅れはさらに拡大するおそれがある。そこで、第3実施形態では、既に遅れが発生している乗合車両の遅れがさらに拡大するのを抑える手段として増発便が利用される。
図11は第3実施形態に係る増発便の配車方法を説明する図である。第3実施形態では、既に遅れが発生している車両C(第一の乗合車両)が停車する予定のバス停bに待合客がいることが検知された場合、増発便としての車両B(第二の乗合車両)が配車される。車両Bは遅れが発生しておらず且つ乗客が乗っていない或いは乗客数の少ない乗合車両である。車両Bのサービス形態は必ずしも車両Cのサービス形態の同一でなくてもよい。例えば、車両Cが定期・定路線運行バスである場合に、車両Bは自動運転される小型のMaaS車両であってもよい。車両Bの路線は車両Cの経路と完全同一又は一部同一であり、少なくともバス停bを経由している。
第3実施形態に係る増発便の配車方法では、車両Bは車両Cよりも先にバス停bに配車される。車両Cよりも先にバス停bに到着した車両Bは、バス停bで待機している待合客を乗車させる。車両Bは空車であるか乗客が乗っていたとしても車内は混雑していないので、待合客の車両Bへの乗車は遅滞なく行われる。待合客を乗せた車両Bは車両Cがバス停bに到着するよりも前にバス停bを出発する。
車両Cは車両Bの到着後の待合客のいなくなったバス停bに到着する。車両Cがバス停bに到着してから車両Cへの乗車客の乗車が完了するまでには、車両Cの混雑度によらず一定以上の時間を要する。しかし、バス停bに待合客がいなければ、バス停bで車両Cに乗車する乗車客もいない。よって、既に遅れが発生している車両Cの遅れが乗車客の乗車によってさらに拡大することは回避される。
以上のように、第3実施形態に係る増発便の配車方法によれば、既に遅れが発生している車両Cの遅れがさらに拡大することを抑えることができる。
4-2.第3実施形態に係る車両配車装置
4-2-1.車両配車装置の構成
第3実施形態に係る増発便の配車方法は図12に示す構成を有する車両配車装置によって実現される。図12は第3実施形態に係る車両配車装置の構成の一例を示すブロック図である。
第3実施形態に係る車両配車装置30は、遅延判定部31、乗降場所混雑具合検知部12、増発判定部32、現在位置通知部14、配車位置決定部15、及び配車位置通知部16を備える。また、図示は省略するが、車両配車装置30は少なくとも1つのプログラムを記憶した少なくとも1つのメモリと、その少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを備えるコンピュータを含む。図12に示す車両配車装置30の構成要素12,14,15,16,31,32は上記少なくとも1つのプログラムが上記少なくとも1つのプロセッサで実行されたときに実現される車両配車装置30の機能の一部である。
第3実施形態に係る車両配車装置30の第1実施形態に係る車両配車装置10との相違点は、車内混雑検知部11及び増発要否判定部13に代えて遅延判定部31及び増発判定部32が設けられた点にある。遅延判定部31及び増発判定部32以外の構成要素12,14,15,16については第1実施形態に係る車両配車装置10のものと同じであるので、それらについての説明は省略する。
遅延判定部31は車両Cに遅延が発生しているかどうか判定するように構成されている。車両Cの遅延の有無は車両Cの運行計画(運行ダイヤ)と車両Cの現在位置及び時刻に基づいて判定される。
増発判定部32は遅延判定部31と乗降場所混雑具合検知部12とからの情報に基づいて増発便の要否を判定するように構成されている。前述の通り、増発便が必要と判断されるのは、車両Cに遅延が発生しており、且つ、車両Cがこれから向かう乗降場所に待合客がいる場合である。車両Cが遅延しているかどうかは、運行計画に対する遅延時間が所定の許容時間以上かどうかによって判断される。乗降場所に待合客がいるかどうかは、例えば乗降場所のセンサ情報や車両Cの予約情報に基づいて判断される。
4-2-2.車両配車装置の処理
次に、上記のように構成された第3実施形態に係る車両配車装置30の処理について図13を用いて説明する。図13は第3実施形態に係る車両配車装置30の処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS301では、運行計画に基づいて車両Cの遅延状況が検知される。ステップS302では、ステップS301での検知結果に基づいて判定が行われる。車両Cが遅延しているのであれば(S302:Yes)、処理はステップS303に進む。一方、車両Cに遅れが発生していないのであれば(S302:No)、車両Bを配車することで解決される課題は発生しないため処理は終了する。
ステップS303では、センサ情報に基づいて車両Cの将来の乗降場所における待合客の有無が検知される。車両Cの将来の乗降場所は、車両Cの走行経路と現在位置から特定することができる現時刻よりも将来時刻において車両Cが停車する予定の乗降場所である。ステップS304では、ステップS303での検知結果に基づいて判定が行われる。乗降場所に待合客がいるのであれば(S304:Yes)、処理はステップS305に進む。一方、乗降場所に待合客がいないのであれば(S304:No)、車両Bを配車することで解決される課題は発生しないため処理は終了する。
ステップS305では、車両Bを増発させる必要がありと判定される。ステップS305での車両Bの増発の決定を受けて、ステップS306乃至ステップS308の処理が実行される。まず、ステップS306では、GPS情報に基づき車両Cの現在位置が特定される。ステップS307では、ステップS306で特定された車両Cの現在位置に基づいて車両Bの配車先が決定される。そして、ステップS308では、ステップS307で決定された車両Bの配車先に従って車両Bに配車指示が出される。
以上の一連の処理が実行されることにより、車両Cに既に遅れが発生している場合、待合客のいる乗降場所に車両Cよりも先に車両Bを配車することができる。車両Cが到着する前に乗降場所にいる客を車両Bに乗せてしまうことで、車両Cの乗降にかかる時間を減らし、車両Cの運行の遅れの拡大を抑制することができる。
5.第4実施形態
5-1.第4実施形態に係る増発便の配車方法
第1実施形態では、混雑している車両Aの前方に増発便を配車することによって、車両Aの運行の遅れを抑制している。しかし、増発便の手配の都合により必ずしも車両Aの前方に増発便を配車できるとは限らない。その場合、増発便は車両Aの後方に配車することにならざるを得ないが、増発便が後から到着することを乗降場所にいる待合客が認識することができなければ、待合客は混雑している車両Aに乗車してしまう。ただし、車両Aと後続の増発便とが前後に並んでいるのであれば、待合客は空いている増発便を認識することができる。また、車両や乗降場所に設置されたサイネージや待合客の携帯端末のアプリへの情報の表示によって、後続の増発便への移動を積極的に促すこともできる。そこで、第4実施形態では、車両Aの前方に増発便を配車することができない場合、車両Aと前後に並ぶように増発便を配車する。
図14は第4実施形態に係る増発便の配車方法を説明する図である。第4実施形態では、車両A(第一の乗合車両)が混雑していることが検知され、且つ、車両Aが停車する予定のバス停が混雑していることが検知された場合、増発便としての車両B(第二の乗合車両)が配車される。車両Bは乗客が乗っていない或いは車両Aよりも混雑していない乗合車両である。
第4実施形態に係る増発便の配車方法では、まず、車両Bを車両Aよりも先にバス停に配車可能か判定される。車両Bを車両Aよりも先にバス停に配車可能であれば、第1実施形態に係る増発便の配車方法と同様の処理が行われる。しかし、車両Bを車両Aよりも先にバス停に配車できない場合、車両Bが車両Aの前後に並ぶように車両Bを配車する。車両Aと車両Bとが前後に並んだ状態でバス停に到着すると、待合客は自然な行動として空いている車両Bの方へ移動し、車両Bに乗車する。これにより、バス停で車両Aに乗車する乗車客はいなくなる。よって、混雑している車両Aに乗車客が乗車することで生じる遅れ、つまり、乗降パターン1による遅れと乗降パターン2による遅れは回避される。また、待合客が車両Bの方へ流れていくことで、車両Aの付近での混雑は解消される。このため、混雑しているバス停で車両Aから降車客が降車することで生じる遅れも回避される。
以上のように、第4実施形態に係る増発便の配車方法によれば、混雑している車両Aの前方に増発便を配車することができない場合であっても、車両Aの運行の遅れを抑制することができる。
5-2.第4実施形態に係る車両配車装置
5-2-1.車両配車装置の構成
第4実施形態に係る増発便の配車方法は図15に示す構成を有する車両配車装置によって実現される。図15は第4実施形態に係る車両配車装置の構成の一例を示すブロック図である。
第4実施形態に係る車両配車装置40は、車内混雑検知部11、乗降場所混雑具合検知部12、増発要否判定部13、現在位置通知部14、配車手配決定部41、及び配車位置通知部16を備える。また、図示は省略するが、車両配車装置40は少なくとも1つのプログラムを記憶した少なくとも1つのメモリと、その少なくとも1つのメモリに結合された少なくとも1つのプロセッサとを備えるコンピュータを含む。図15に示す車両配車装置40の構成要素11,12,13,14,16,41は上記少なくとも1つのプログラムが上記少なくとも1つのプロセッサで実行されたときに実現される車両配車装置40の機能の一部である。
第4実施形態に係る車両配車装置40の第1実施形態に係る車両配車装置10との相違点は、配車位置決定部15に代えて配車手配決定部41が設けられた点にある。配車手配決定部41以外の構成要素12,14,15,16については第1実施形態に係る車両配車装置10のものと同じであるので、それらについての説明は省略する。
配車手配決定部41は増発便である車両Bを車両Aの前方に或いは車両Aの前後に並べて配車するための計算を行うように構成されている。車両Aと車両Bとが前後に並んでいると判断する基準の一例は、車両Aの乗降場所への到着時刻と車両Bの乗降場所への到着時刻との差分が所定の基準時間よりも小さいことである。好ましくは、乗降場所にいる待合客が自発的に車両Bに移動することが期待できる最大時間が基準時間として設定される。なお、車両Bが車両Aの前後に並ぶ前に車両Aが乗降場所に到着してしまう場合、一つ前の乗降場所での車両Aの停車時間を延長したり、車両Aを途中で徐行させたりして時間調整を行ってもよい。
5-2-2.車両配車装置の処理
次に、上記のように構成された第4実施形態に係る車両配車装置40の処理について図16を用いて説明する。図16は第4実施形態に係る車両配車装置40の処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS401では、センサ情報に基づいて車両Aの混み具合が検知される。ステップS402では、ステップS401での検知結果に基づいて判定が行われる。車両Aが混雑しているのであれば(S402:Yes)、処理はステップS403に進む。一方、車両Aが混雑していないのであれば(S402:No)、車両Bを配車することで解決される課題は発生しないため処理は終了する。
ステップS403では、センサ情報に基づいて車両Aの将来の乗降場所の混み具合が検知される。車両Aの将来の乗降場所は、車両Aの走行経路と現在位置から特定することができる現時刻よりも将来時刻において車両Aが停車する予定の乗降場所である。ステップS404では、ステップS403での検知結果に基づいて判定が行われる。混雑している乗降場所があるのであれば(S404:Yes)、処理はステップS406に進む。一方、混雑している乗降場所がないのであれば(S404:No)、処理はステップS405に進む。
ステップS405では、車両Aに乗車する見込みの客の有無が判定される。車両Aに乗車する見込みの客がいるのであれば(S405:Yes)、処理はステップS406に進む。一方、車両Aに乗車する見込みの客がいないのであれば(S405:No)、車両Bを配車することで解決される課題は発生しないため処理は終了する。
ステップS406では、車両Bを増発させる必要がありと判定される。ステップS405での車両Bの増発の決定を受けて、ステップS407乃至ステップS411の処理が実行される。まず、ステップS407では、GPS情報に基づき車両Aの現在位置が特定される。ステップS408では、ステップS407で特定された車両Aの現在位置に基づいて車両Bの配車先が決定される。
ステップS409では、車両Bが車両Aよりも所定時間前にステップS408で決定された配車先に到着するかどうか判定される。車両Bが車両Aよりも先に配車先に到着するのであれば(S409:Yes)、処理はステップS410に進む。一方、車両Bが車両Aよりも先に配車先に到着できないのであれば(S409:No)、処理はステップS411に進む。ステップS410では、ステップS408で決定された車両Bの配車先に従って車両Bに配車指示が出される。ステップS411では、車両Aと車両Bとを前後に並べるように車両Bに配車指示が出される。
以上の一連の処理が実行されることにより、車両Aが混雑している場合、混雑している乗降場所或いは車両Aに乗車する見込みのある客のいる乗降場所に車両Aよりも先に或いは車両Aの前後に並べて車両Bを配車することができる。車両Aの前後に並ぶように車両Bを配車する場合、車両Aに乗車する予定であった待合客を車両Bに移動させることで、車両Aの乗降にかかる時間を減らし、車両Aの運行の遅れを抑制することができる。
10,20,30,40 車両配車装置

Claims (1)

  1. 第一の乗合車両の混雑具合と前記第一の乗合車両が到着する予定の乗降場所の混雑具合とに応じて増発便の要否を判定することと、
    増発便が必要との判定を受けて、前記第一の乗合車両よりも先に或いは前記第一の乗合車両とともに第二の乗合車両を前記乗降場所に配車することと、を実行するように構成された
    ことを特徴とする車両配車装置。
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