JP2023100504A - ポリウレタンフォーム及び緩衝材 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリウレタンフォームの物性を確保しつつ、良好な帯電防止能を有するポリウレタンフォームを得る。【解決手段】ポリウレタンフォームは、ポリオールと、イソシアネートと、イオン液体とを含む組成物から得られるポリウレタンフォームである、ポリウレタンフォームの密度が10kg/m3以上80kg/m3以下である。イオン液体のKamlet-Taftパラメータのβ値が0.6以下である。【選択図】なし

Description

本開示は、ポリウレタンフォーム及び緩衝材に関する。
特許文献1には、イオン液体を含むポリウレタンが記載されている。イオン液体として、様々な化合物を使用できることが記載されている。
国際公開第2007/090755号
しかし、従来の技術をポリウレタンフォームに用いた場合には、イオン液体の種類によっては、帯電防止能が不十分であった。また、イオン液体の種類によっては、ポリウレタンフォームの物性を確保できないという課題があった。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ポリウレタンフォームの物性を確保しつつ、良好な帯電防止能を有するポリウレタンフォームを得ることを目的とする。本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
ポリオールと、イソシアネートと、イオン液体とを含む組成物から得られるポリウレタンフォームであって、
前記ポリウレタンフォームの密度が10kg/m以上80kg/m以下であり、
前記イオン液体のKamlet-Taftパラメータのβ値が0.6以下である、ポリウレタンフォーム。
本開示によれば、ポリウレタンフォームの物性を確保しつつ、良好な帯電防止能を有するポリウレタンフォームを得ることができる。
ここで、本開示の望ましい例を示す。
・ポリオールと、イソシアネートと、イオン液体とを含む組成物から得られるポリウレタンフォームであって、
前記ポリウレタンフォームのJIS K 6400-2:2012 6.7D法に準拠して測定した硬さが、20N以上400N以下であり、
前記イオン液体のKamlet-Taftパラメータのβ値が0.6以下である、ポリウレタンフォーム。
・前記イオン液体の含有量が、ポリオール100質量部に対して、0質量部より多く、5.0質量部未満である、ポリウレタンフォーム。
・体積抵抗率が5.0×1011Ω・cm以下である、ポリウレタンフォーム。
・上記のポリウレタンフォームを備えた、緩衝材。
以下、本開示を詳しく説明する。なお、本明細書において、数値範囲について「-」を用いた記載では、特に断りがない限り、下限値及び上限値を含むものとする。例えば、「10-20」という記載では、下限値である「10」、上限値である「20」のいずれも含むものとする。すなわち、「10-20」は、「10以上20以下」と同じ意味である。
1.ポリウレタンフォーム(その1)
ポリウレタンフォーム(その1)は、ポリオールと、イソシアネートと、イオン液体とを含む組成物から得られるポリウレタンフォームである。ポリウレタンフォームの密度は10kg/m以上80kg/m以下である。イオン液体のKamlet-Taftパラメータのβ値は0.6以下である。
組成物は、ポリオールと、イソシアネートと、イオン液体の他に、発泡剤、触媒、整泡剤から選択される少なくとも1種を任意の成分として含んでいてもよい。組成物の各成分について説明する。
(1)ポリオール
ポリオールは、特に限定されない。各種のポリオールは単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオールが例示される。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコールにエチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールを挙げることができる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、マロン酸、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族カルボン酸やフタル酸等の芳香族カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等の脂肪族グリコール等とから重縮合して得られたポリエステルポリオールを挙げることできる。
また、ポリエーテルエステルポリオールとしては、前記ポリエーテルポリオールと多塩基酸を反応させてポリエステル化したもの、あるいは1分子内にポリーエーテルとポリエステルの両セグメントを有するものを挙げることができる。
ポリオールについては、水酸基価(OHV)が25~70mgKOH/g、官能基数が2~4、重量平均分子量が500~7000であるポリオールを単独または複数用いることが好ましい。
(2)イオン液体
本開示のイオン液体は、カチオンとアニオンとからなり、融点が100℃以下のイオン液体である。本発明者は、種々のカチオンとアニオンとからなるイオン液体を用いたポリウレタンフォームについて鋭意検討して、イオン液体のKamlet-Taftパラメータのβ値とポリウレタンフォームの帯電防止能との関係を新たに見出し、本開示の技術を開発するに至った。
イオン液体のKamlet-Taftパラメータのβ値は、0.6以下であり、好ましくは0.4以下であり、より好ましくは0.3以下である。イオン液体のKamlet-Taftパラメータのβ値の下限は特に限定されないが、例えば0より大きい値である。
Kamlet-Taftパラメータのβ値は、水素結合受容能を数値化したものである。β値は、イオン液体に色素分子を添加し、最大吸収波長の変化から算出する。具体的な測定方法は、例えば、L.Crowhurst et.Al.,Phys.Chem.Chem.Phys.,5,2790(2003)等に記載されている。
イオン液体は、Kamlet-Taftパラメータのβ値が0.6以下である限り、特に限定されない。Kamlet-Taftパラメータのβ値は、主としてイオン液体のアニオンの性質に依存すると考えられている。
イオン液体のアニオンは、下記式(1)-(5)で示されるアニオンの群から選ばれることが好ましい。イオン液体のアニオンは、フッ素含有のアニオンであることがより好ましい。具体的には、イオン液体のアニオンは、下記式(1)-(4)で示されるアニオンの群から選ばれることがより好ましい。
Figure 2023100504000001

式(1)中、R、Rは、それぞれ独立して、フッ素原子、又は、水素原子の一部若しくは全部がフッ素原子で置換されている炭素数1-10の飽和もしくは不飽和の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基を表す。
[化2]
PF (2)
[化3]
BF (3)
[化4]
SO (4)
式(4)中、Rは、水素原子の一部若しくは全部がフッ素原子で置換されている炭素数1-10の飽和もしくは不飽和の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基を表す。
[化5]
ClO (5)
上記式(1)中のR、Rの例としては、例えば、F、CF、CHF、Cが挙げられる。これらの中でも、CFが特に好ましい。すなわち、イオン液体のアニオンは、下記式(1-1)で示されるビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミドアニオンであることが特に好ましい。
Figure 2023100504000002
また、上記式(4)中のRの例としては、例えば、CF、CHF、Cが挙げられる。これらの中でも、CFが特に好ましい。すなわち、イオン液体のアニオンとしては、CFSO であることが特に好ましい。
イオン液体のカチオンは、特に限定されず、一般的なイオン液体で使用されるカチオンを用いることが可能である。イオン液体のカチオンとしては、例えば、窒素数1-3個の5-6員環化合物のオニウムカチオン、第四級アンモニウムカチオン、及びホスホニウムカチオンからなる群より選択されるカチオンが挙げられる。窒素数1-3個の5-6員環化合物のオニウムカチオンとしては、例えば、イミダゾリウムカチオン、ピロリジニウムカチオン等の5員環化合物のオニウムカチオンや、ピリジニウムカチオン、ピペリジニウムカチオン等の6員環化合物のオニウムカチオンを挙げることができる。これらの中でも、イミダゾリウムカチオン及びピリジニウムカチオンが好ましい。
イミダゾリウムカチオンとしては、下記式(11)で示されるイミダゾリウムカチオンが挙げられる。
Figure 2023100504000003

式(11)中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、
水素原子、
置換されているかもしくは非置換の炭素数1-20の飽和もしくは不飽和の直鎖状、分枝状、もしくは環状のアルキル基、
置換されているかもしくは非置換の炭素数6-30のアリール基、
置換されているかもしくは非置換の炭素数7-31のアリールアルキル基、又は
炭素数1~20のアルコキシ基であり、
前記アルキル基、前記アリール基又は前記アリールアルキル基が置換されている場合は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p-トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、又はホスホノ基で置換されている。
上記式(11)中のR、R、R、R、Rの例としては、
がメチル、エチル、1-プロピル、1-ブチル、1-ペンチル、1-ヘキシル、1-オクチル、2-ヒドロキシエチル、又は2-シアノエチルであり、
がメチル、エチル、1-プロピル、1-ブチル、1-ペンチル、1-ヘキシル、1-オクチル、2-ヒドロキシエチル、又は2-シアノエチルであり、
、R、Rは、それぞれ互いに独立して、水素、メチル、又はエチルであるものが挙げられる。
具体的には、イミダゾリウムカチオンとしては、下記式(11-1)で示される1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムカチオンが挙げられる。
Figure 2023100504000004
ピリジニウムカチオンとしては、下記式(12)で示されるピリジニウムカチオンが挙げられる。
Figure 2023100504000005

式(12)中、R、R10、R11、R12、R13、R14は、それぞれ独立して、
水素原子、
置換されているかもしくは非置換の炭素数1-20の飽和もしくは不飽和の直鎖状、分枝状、もしくは環状のアルキル基、
置換されているかもしくは非置換の炭素数6-30のアリール基、
置換されているかもしくは非置換の炭素数7-31のアリールアルキル基、又は
炭素数1~20のアルコキシ基であり、
前記アルキル基、前記アリール基又は前記アリールアルキル基が置換されている場合は、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p-トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、又はホスホノ基で置換されている。
上記式(12)中のR、R10、R11、R12、R13、R14の例としては、
がメチル、エチル、1-プロピル、1-ブチル、1-ペンチル、1-ヘキシル、1-オクチル、2-ヒドロキシエチル、又は2-シアノエチルであり、
10-R14の一つは、メチル、又はエチルであり、そして残りが水素であるものが挙げられる。
具体的には、ピリジニウムカチオンとしては、下記式(12-1)で示される1-ブチル-3-メチルピリジニウムカチオンが挙げられる。
Figure 2023100504000006

イオン液体の具体例としては、例えば、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド、1-ブチル-3-メチルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロリン酸塩、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロほう酸塩、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、1-ブチル-3-メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩等が挙げられる。イオン液体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イオン液体の含有量は、特に限定されず、求められる体積抵抗率、ポリウレタンフォームの各種物性に応じて設定できる。イオン液体の含有量は、ポリオール100質量部に対して、0質量部より多く、好ましくは0.2質量以上であり、0.5質量部以上、1.0質量部以上、1.5質量部であってもよい。上記のイオン液体の含有量は、発泡性の観点から、5.0質量部未満であることが好ましく、4.0質量部以下、3.0質量部以下、2.5質量部以下、2.0質量部以下であってもよい。上記のイオン液体の含有量は、0質量部より多く、5.0質量部未満であることが好ましく、上記の下限と上限を適宜組み合わせた範囲とすることができる。
(3)発泡剤、触媒、整泡剤、その他の成分
発泡剤としては、水、代替フロンあるいはペンタンなどの炭化水素を、単独または組み合わせて使用できる。発泡剤は、コスト及び環境負荷低減の観点から、水であることが好ましい。水の場合は、ポリオールとイソシアネートの反応時に炭酸ガスを発生し、その炭酸ガスによって発泡がなされる。発泡剤としての水の量は、ポリオール100質量部に対して1.0質量部以上6.0質量部以下が好ましく、2.0質量部以上5.0質量部以下がより好ましい。
触媒は、ポリオールとイソシアネートのウレタン化反応を促進するものである。触媒としては、アミン系触媒、金属触媒を挙げることができる。アミン系触媒としては、具体的には、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N,N-ジメチルアミノエタノール、N,N´,N´-トリメチルアミノエチルピペラジン、トリエチレンジアミン等が用いられる。金属触媒としては、スタスオクトエート(オクチル酸第一錫)、ジブチルチンジラウレート等のスズ触媒や、フェニル水銀プロピオン酸塩、オクテン酸鉛等を挙げることができる。触媒の量は、ポリオール100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部以下が好ましい。
整泡剤としては、ポリウレタンフォーム用として公知のものを使用することができる。例えば、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤および公知の界面活性剤を挙げることができる。整泡剤の配合量は、ポリオール100質量部に対して0.4質量部以上1.5質量部以下が好ましい。
組成物には、適宜その他の成分、例えば架橋剤、可塑剤、難燃剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、脱泡剤、相溶化剤、着色剤、安定剤、抗菌剤、防カビ剤、脱臭剤、消臭剤、芳香剤、香料等を配合することができる。架橋剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の短鎖ジオール系の架橋剤等が挙げられる。着色剤としては、顔料、染料、着色料等が挙げられる。
(4)イソシアネート
イソシアネートとしては、イソシアネート基を2以上有する脂肪族系または芳香族系イソシアネート、それらの混合物、およびそれらを変性して得られる変性イソシアネートを使用することができる。脂肪族系イソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキサメタンジイソシアネート等を挙げることができ、芳香族イソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメリックイソシアネート(クルードMDI)等を挙げることができる。なお、その他プレポリマーやイソシアネートを高分子化したポリイソシアネートも使用することができる。
イソシアネートとしては、発泡性の観点から、トルエンジイソシアネート(TDI)を用いることがより好ましい。トルエンジイソシアネート(TDI)としては、2,4-トルエンジイソシアネート(2,4-TDI)、2,6-トルエンジイソシアネート(2,6-TDI)、又は2,4-トルエンジイソシアネート(2,4-TDI)と2,6-トルエンジイソシアネート(2,6-TDI)との混合物が挙げられる。2,4-TDIと2,6-TDIとの混合物の混合比(2,4-TDI/2,6-TDI、質量比)は、好ましくは50/50-90/10であり、より好ましくは70/30-85/15である。
イソシアネートインデックス(INDEX)は、70以上が好ましく、70-120がより好ましい。イソシアネートインデックスは、イソシアネートにおけるイソシアネート基のモル数をポリオールの水酸基などの活性水素基の合計モル数で割った値に100を掛けた値であり、[イソシアネートのNCO当量/活性水素当量×100]で計算される。
2.ポリウレタンフォームの製造方法
ポリウレタンフォームは、組成物を攪拌混合してポリオールとイソシアネートを反応させる公知の発泡方法によって製造することができる。発泡方法には、スラブ発泡とモールド発泡とがあり、いずれの成形方法でもよい。スラブ発泡は、混合したポリウレタン樹脂組成物をベルトコンベア上に吐出し、大気圧下、常温で発泡させる方法である。他方、モールド発泡は、混合したポリウレタン樹脂組成物をモールド(成形型)に充填してモールド内で発泡させる方法である。
イオン液体は、100℃以下で液体であるから、組成物に添加し易く、また、組成物を攪拌混合し易い。
3.ポリウレタンフォームの物性
ポリウレタンフォームの物性は、用途等に応じて適宜設定できる。ポリウレタンフォームは、軟質ポリウレタンフォームであることが好ましい。すなわち、本実施形態によれば、特定のイオン液体を用いることによって、従来適用されていない軟質ポリウレタンフォームについても好適に得られる。
(1)体積抵抗率
体積抵抗率(JIS K6911)は、用途等に応じて適宜設定できる。体積抵抗率は、1.0×1012Ω・cm以下であることが好ましく、5.0×1011Ω・cm以下であることがより好ましく、1.0×1011Ω・cm以下であることがさらに好ましい。また、体積抵抗率は、5.0×1010Ω・cm以下、1.0×1010Ω・cm以下とすることも可能である。体積抵抗率の下限は特に限定されず、例えば、1.0×10Ω・cm以上である。
体積抵抗率は、イオン性化合物のイオン構造やイオン液体の配合割合、ポリウレタンフォームの密度等を調整してコントロールできる。
(2)密度(見かけ密度)
密度(JIS K7222:2005)は、10kg/m以上であり、好ましくは15kg/m以上であり、より好ましくは20kg/m以上である。密度は、80kg/m以下であり、70kg/m以下、60kg/m以下、50kg/m以下、40kg/m以下とすることができる。密度は、10kg/m以上80kg/m以下であり、上記の上限と下限を適宜組み合わせた範囲とすることができる。
(3)硬さ(25%ILD硬さ)
硬さ(JIS K6400-2:2012 6.7 D法)は、10N-600Nが好ましく、20N-400Nがより好ましく、50N-400Nが更に好ましく、100N-400Nが更に好ましい。
(4)反発弾性
反発弾性(JIS K6400-3:2011)は、1%-80%が好ましく、5%-70%がより好ましい。
(5)引張強さ、伸び、引裂強さ
引張強さ(JIS K6400-5:2012)は、30kPa以上が好ましく、50kPa以上がより好ましい、80kPa以上がさらに好ましい。
伸び(JIS K6400-5:2012)は、50%-500%が好ましく、80%以上、100%以上であってもよい。
引裂強さ(JIS K6400-5:2012)は、2N/cm以上が好ましく、4N/cm以上がより好ましい。引裂強さの上限は特に限定されず、例えば、10N/cm以下であってもよい。
(6)セル数
セル数(JIS K6400-1:2004)は、10-70(個/25mm)が好ましく、20-60(個/25mm)がより好ましく、30-50(個/25mm)がさらに好ましい。
4.ポリウレタンフォーム(その2)
ポリウレタンフォーム(その2)は、ポリオールと、イソシアネートと、イオン液体とを含む組成物から得られるポリウレタンフォームである。ポリウレタンフォームのJIS K 6400-2:2012 6.7D法に準拠して測定した硬さが、20N以上400N以下である。イオン液体のKamlet-Taftパラメータのβ値は0.6以下である。
ポリウレタンフォームの上記の硬さは、50N-400Nがより好ましく、100N-400Nが更に好ましい。
ポリウレタンフォーム(その2)の密度は任意である。硬さが上記の範囲内であり、密度が任意である点を除いては、ポリウレタンフォーム(その2)はポリウレタンフォーム(その1)と同様であり、その説明を省略する。すなわち、「ポリウレタンフォーム(その1)」の項目で説明した「ポリオール」「イオン液体」「イソシアネート」等の説明をポリウレタンフォーム(その2)にそのまま適用する。ポリウレタンフォーム(その2)の密度の好ましい範囲は、「ポリウレタンフォーム(その1)」の項目で説明した「(2)密度(見かけ密度)」に記載の範囲である。
5.ポリウレタンフォームの作用効果及び用途
従来、ポリウレタンフォームの帯電防止剤として電子伝導体が多用されている。電子伝導体としては炭素系材料、金属微粒子などがある。しかし、電子伝導体は、帯電防止能を確保するために、多量の添加(例えばポリオール100質量部に対して20質量部以上)が要される場合がある。他方、本実施形態によれば、帯電防止剤として特定のイオン液体を用いることによって、比較的少量の配合割合であっても、所望の帯電防止能を実現できる。また、帯電防止剤の配合割合を低減することによって、密度、25%ILD硬さ等の各種物性も好適に確保できる。
さらに、電子伝導体の多くは、粉体原料であるため、帯電防止剤の取り扱いが煩雑となることが懸念される。本実施形態によれば、常温において液体であるイオン液体を用いることによって、帯電防止剤の取り扱いがしやすい。
本実施形態のポリウレタンフォームは、低帯電性ポリウレタンフォームとして、種々の用途に利用できる。例えば、本実施形態のポリウレタンフォームは、電子部品や電子機器等の梱包用の緩衝材、電子部品や電子機器等の組み付け用の緩衝材、電子部品や電子機器等のシール材等として好適である。
また、ポリウレタンフォームが帯電すると、ポリウレタンフォーム同士がくっついたり、ほこりが付着したりして、取り扱いが煩雑になる。本実施形態のポリウレタンフォームは、良好な帯電防止能を有するから、取り扱い性に優れたポリウレタンフォームとして汎用性が高い。ポリウレタンフォームの帯電は、例えば、ポリウレタンフォームの裁断加工時に発生し得る。本実施形態のポリウレタンフォームは、例えば、裁断加工用のポリウレタンフォームとしても有用である。
1.サンプルの作製
サンプルの作製に用いたイオン液体1-8を表1に示す。以下の原料を表2及び表3に示す配合で混合し、反応・発泡させて各実施例及び各比較例のポリウレタンフォームを作製した。なお、表2及び表3において、空欄は当該原料が「0質量部」であることを表す。
各原料の詳細は以下の通りである。
・イオン液体1:1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド、アニオン;上記式(1-1)、β値;0.24
・イオン液体2:1-ブチル-3-メチルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド、アニオン;上記式(1-1)、β値;0.23
・イオン液体3:1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムヘキサフルオロリン酸塩、アニオン;PF 、β値;0.21
・イオン液体4:1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロほう酸塩、アニオン;BF 、β値;0.38
・イオン液体5:1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、アニオン;CFSO 、β値;0.46
・イオン液体6:1-ブチル-3-メチルピリジニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、アニオン;CFSO 、β値;0.45
・イオン液体7:1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム=メタンスルホン酸塩、アニオン;CHSO 、β値;0.70
・イオン液体8:1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム=ブロミド、アニオン;Br、β値;0.70
・ポリオール:ポリエーテルポリオール、重量平均分子量3000、官能基数3、水酸基価56mgKOH/g
・発泡剤:水
・アミン触媒:N,N-ジメチルアミノヘキサノール
・整泡剤:シリコーン系整泡剤
・金属触媒:オクチル酸第一錫
・イソシアネート:TDI:2,4-TDI80%と2,6-TDI20%の混合物
Figure 2023100504000007

Figure 2023100504000008

Figure 2023100504000009
2.評価方法
上記原料を用いて製造されたポリウレタンフォームについて、発泡性を評価した。発泡性の評価は、外観を目視で判断し、外観が良好な場合に「良」、発泡不良による外観不良が存在する場合に「不良」とした。具体的には、「良」の場合は形状が均一なポリウレタンフォームが得られ、「不良」の場合は亀裂が入るなどの不均一な状態となる。
上記原料を用いて製造されたポリウレタンフォームから試験片を切り出し、体積抵抗率(JIS K6911)、密度(JIS K7222:2005)、25%ILD硬さ(JIS K6400-2:2012 6.7 D法)、反発弾性(JIS K6400-3:2011)、引張強さ、伸び、引裂強さ(共にJIS K6400-5:2012)、セル数(JIS K6400-1:2004)を測定した。
3.結果
結果を表2,3に併記する。イオン液体のβ値が0.6以下である実施例1-12は、体積抵抗率が5.0×1011Ω・cm以下であった。他方、イオン液体のβ値が0.6よりも大きい比較例1-3は、体積抵抗率が5.0×1011Ω・cmよりも大きかった。
また、実施例1-12は、密度が10kg/m以上80kg/m以下であった。実施例1-12は、ポリウレタンフォームのJIS K 6400-2:2012 6.7D法に準拠して測定した硬さ(25%ILD硬さ)が20N以上400N以下であった。実施例1-12は、実用に適した引張強さ、伸び、引裂強さ、セル数であった。
4.実施例の効果
以上の実施例によれば、ポリウレタンフォームの物性を確保しつつ、良好な帯電防止能を有するポリウレタンフォームを得ることができた。
本開示は上記で詳述した実施形態に限定されず、様々な変形又は変更が可能である。

Claims (5)

  1. ポリオールと、イソシアネートと、イオン液体とを含む組成物から得られるポリウレタンフォームであって、
    前記ポリウレタンフォームの密度が10kg/m以上80kg/m以下であり、
    前記イオン液体のKamlet-Taftパラメータのβ値が0.6以下である、ポリウレタンフォーム。
  2. ポリオールと、イソシアネートと、イオン液体とを含む組成物から得られるポリウレタンフォームであって、
    前記ポリウレタンフォームのJIS K 6400-2:2012 6.7D法に準拠して測定した硬さが、20N以上400N以下であり、
    前記イオン液体のKamlet-Taftパラメータのβ値が0.6以下である、ポリウレタンフォーム。
  3. 前記イオン液体の含有量が、ポリオール100質量部に対して、0質量部より多く、5.0質量部未満である、請求項1又は請求項2に記載のポリウレタンフォーム。
  4. 体積抵抗率が5.0×1011Ω・cm以下である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のポリウレタンフォーム。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のポリウレタンフォームを備えた、緩衝材。
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