JP2023100413A - 偏光板および有機エレクトロルミネセンス表示装置 - Google Patents

偏光板および有機エレクトロルミネセンス表示装置 Download PDF

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Abstract

Figure 2023100413000001
【課題】耐久性に極めて優れた偏光板を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態による偏光板は、互いに対向する第一主面および第二主面を有する偏光子と、前記偏光子の前記第一主面側に配置され、基材とハードコート層とを前記偏光子側からこの順で含む積層フィルムと、前記偏光子の前記第二主面側に配置される位相差層と、を有し、前記積層フィルムの透湿度は600g/m・24h以下であり、前記積層フィルムを65℃、95%RHの環境下に48時間置くことによる前記積層フィルムの透湿度の変化率は1.5以下であり、前記位相差層の透湿度は200g/m・24h以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光板および有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置に関する。
近年、薄型ディスプレイの普及と共に、有機ELパネルを搭載したディスプレイ(有機EL表示装置)が提案されている。有機ELパネルは反射性の高い金属層を有するため、外光反射や背景の映り込み等の問題を生じやすい。そこで、偏光板と位相差板とを組み合わせた位相差層付偏光板を有機ELパネル本体の視認側に設けることにより、これらの問題を防ぐことが知られている(例えば、特許文献1および特許文献2)。
特開2002-372622号公報 特許第3325560号公報
薄型ディスプレイの普及に伴い、有機EL表示装置に極めて高い耐湿性が求められる場合があり、偏光板にも極めて高い耐湿性が求められる場合がある。しかも、有機EL表示装置に設けられた偏光板は脱色しやすく、脱色は高湿環境下において促進される傾向にある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、耐久性に極めて優れた偏光板を提供することにある。
本発明の実施形態による偏光板は、互いに対向する第一主面および第二主面を有する偏光子と、前記偏光子の前記第一主面側に配置され、基材とハードコート層とを前記偏光子側からこの順で含む積層フィルムと、前記偏光子の前記第二主面側に配置される位相差層と、を有し、前記積層フィルムの透湿度は600g/m・24h以下であり、前記積層フィルムを65℃、95%RHの環境下に48時間置くことによる前記積層フィルムの透湿度の変化率は1.5以下であり、前記位相差層の透湿度は200g/m・24h以下である。
1つの実施形態においては、上記変化率は1.1以上である。
1つの実施形態においては、上記ハードコート層の厚みは1μm以上である。
1つの実施形態においては、上記ハードコート層の厚みは7μm以下である。
1つの実施形態においては、上記積層フィルムは、上記基材と上記ハードコート層との間に、上記基材に由来する成分および上記ハードコート層に由来する成分を含む中間層を含む。
1つの実施形態においては、上記位相差層は上記偏光子に隣接して配置される。
1つの実施形態においては、上記位相差層のRe(450)/Re(550)は0.8以上1未満である。
1つの実施形態においては、上記偏光子の単体透過率は43.0%以上である。
1つの実施形態においては、上記偏光子の厚みは10μm以下である。
本発明の別の局面によれば、有機エレクトロルミネセンス表示装置が提供される。この有機エレクトロルミネセンス表示装置は、上記偏光板を有する。
本発明の実施形態によれば、耐久性に極めて優れた偏光板を提供することができる。
本発明の1つの実施形態による偏光板の概略の構成を示す模式的な断面図である。 図1に示す偏光板の積層フィルムの概略の構成の一例を示す断面図である。 本発明の1つの実施形態による有機EL表示装置において、有機ELパネルに偏光板が配置された状態の概略を示す模式的な断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の形態に比べ、各部の幅、厚み、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re(λ)=(nx-ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth(λ)=(nx-nz)×dによって求められる。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth/Reによって求められる。
(5)角度
本明細書において角度に言及するときは、当該角度は基準方向に対して時計回りおよび反時計回りの両方を包含する。したがって、例えば「45°」は±45°を意味する。
A.偏光板
図1は本発明の1つの実施形態による偏光板の概略の構成を示す模式的な断面図であり、図2は図1に示す偏光板の積層フィルムの概略の構成の一例を示す断面図である。偏光板(位相差層付偏光板)100は、互いに対向する第一主面10aおよび第二主面10bを有する偏光子10と、偏光子10の第一主面10a側に配置された積層フィルム20と、偏光子10の第二主面10b側に配置された位相差層30および粘着剤層40を有する。積層フィルム20は基材21とハードコート層22とを偏光子10側からこの順で含み、基材21は偏光子10の保護層として機能し得る。偏光板100は、代表的には、有機EL表示装置において、偏光子10よりも積層フィルム20が視認側となるように配置される。
図示例では、位相差層30は単一層とされているが、図示例とは異なり、二層以上の積層構造を有していてもよい。具体的には、位相差層30は、光学的特性(例えば、屈折率特性、面内位相差、Nz係数、光弾性係数)が異なる二以上の層を含んでいてもよい。また、図示例では、偏光子10と位相差層30との間には保護層が配置されておらず、位相差層30は偏光子10に隣接して配置されて偏光子10の保護層として機能し得るが、偏光板100は、偏光子10と位相差層30との間に配置される保護層を有していてもよい。なお、隣接とは、直接隣り合っているだけでなく、後述する接着層を介して隣り合っていることも包含する。
偏光板を構成する各部材は、任意の適切な接着層(図示せず)を介して積層され得る。接着層の具体例としては、接着剤層、粘着剤層が挙げられる。例えば、積層フィルム20は、接着剤層を介して(好ましくは、活性エネルギー線硬化型接着剤を用いて)偏光子10に貼り合わせられる。例えば、位相差層30は、接着剤層を介して(好ましくは、活性エネルギー線硬化型接着剤を用いて)、または、粘着剤層(例えば、アクリル系粘着剤)を介して偏光子10または図示しない保護層に貼り合わせられる。位相差層30が二層以上の積層構造を有する場合、それぞれの位相差層は、例えば、接着剤層を介して(好ましくは、活性エネルギー線硬化型接着剤を用いて)貼り合わせられる。接着剤層の厚みは、好ましくは0.4μm以上であり、より好ましくは0.4μm~3.0μmであり、さらに好ましくは0.6μm~1.5μmである。粘着剤層の厚みは、好ましくは1μm~10μmである。
偏光子10の第二主面10b側に配置される粘着剤層40により、例えば、偏光板100は有機ELパネル本体に貼り付け可能とされる。図示しないが、粘着剤層40の表面には、実用的には、はく離ライナーが貼り合わせられる。はく離ライナーは、偏光板が使用に供されるまで仮着され得る。はく離ライナーを用いることにより、例えば、粘着剤層を保護するとともに、偏光板のロール形成が可能となる。
偏光板は、長尺状であってもよいし、枚葉状であってもよい。ここで、「長尺状」とは、幅に対して長さが十分に長い細長形状をいい、例えば、幅に対して長さが10倍以上、好ましくは20倍以上の細長形状をいう。長尺状の偏光板は、ロール状に巻回可能である。
A-1.偏光子
上記偏光子は、代表的には、二色性物質(代表的には、ヨウ素)を含むフィルムである。
偏光子の厚みは、例えば、薄型化の観点から、好ましくは15μm以下であり、より好ましくは12μm以下であり、さらに好ましくは10μm以下であり、特に好ましくは8μm以下である。一方、偏光子の厚みは、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは2μm以上であり、さらに好ましくは3μm以上である。
偏光子は、好ましくは、波長380nm~780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光子の単体透過率は、例えば40.0%以上であり、好ましくは41.5%以上であり、より好ましくは43.0%以上であり、さらに好ましくは44.5%以上である。高い単体透過率を有する偏光子においては、上記脱色の問題がより顕著となり得る。一方、単体透過率は、例えば48.0%以下であり、46.0%以下であってもよく、45.0%以下であってもよい。偏光子の偏光度は、好ましくは97.0%以上であり、より好ましくは99.0%以上であり、さらに好ましくは99.9%以上である。
上記単体透過率は、代表的には、紫外可視分光光度計を用いて測定し、視感度補正を行なったY値である。上記偏光度は、代表的には、紫外可視分光光度計を用いて測定して視感度補正を行なった平行透過率Tpおよび直交透過率Tcに基づいて、下記式により求められる。
偏光度(%)={(Tp-Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100
偏光子は、任意の適切な方法で作製され得る。具体的には、偏光子は、単層の樹脂フィルムから作製してもよいし、二層以上の積層体を用いて作製してもよい。
上記単層の樹脂フィルムから偏光子を製造する方法は、代表的には、樹脂フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質による染色処理と延伸処理とを施すことを含む。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムが用いられる。当該方法は、不溶化処理、膨潤処理、架橋処理等をさらに含んでいてもよい。このような製造方法は、当業界で周知慣用であるので、詳細な説明は省略する。
上記積層体を用いて得られる偏光子は、例えば、樹脂基材と樹脂フィルムまたは樹脂層(代表的には、PVA系樹脂層)との積層体を用いて作製され得る。具体的には、PVA系樹脂溶液を樹脂基材に塗布し、乾燥させて樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して、樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を得ること;当該積層体を延伸および染色してPVA系樹脂層を偏光子とすること;により作製され得る。本実施形態においては、好ましくは、樹脂基材の片側に、ハロゲン化物とPVA系樹脂とを含むPVA系樹脂層を形成する。延伸は、代表的には積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することを含む。さらに、延伸は、必要に応じて、ホウ酸水溶液中での延伸の前に積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸することをさらに含み得る。加えて、本実施形態においては、好ましくは、積層体は、長手方向に搬送しながら加熱することにより幅方向に2%以上収縮させる乾燥収縮処理に供される。代表的には、本実施形態の製造方法は、積層体に、空中補助延伸処理と染色処理と水中延伸処理と乾燥収縮処理とをこの順に施すことを含む。補助延伸を導入することにより、熱可塑性樹脂上にPVAを塗布する場合でも、PVAの結晶性を高めることが可能となり、高い光学特性を達成し得る。また、同時にPVAの配向性を事前に高めることで、後の染色工程や延伸工程で水に浸漬された時に、PVAの配向性の低下や溶解などの問題を防止することができ、高い光学特性を達成し得る。さらに、PVA系樹脂層を液体に浸漬した場合において、PVA系樹脂層がハロゲン化物を含まない場合に比べて、PVA分子の配向の乱れ、および配向性の低下が抑制され得、高い光学特性を達成し得る。さらに、乾燥収縮処理により積層体を幅方向に収縮させることにより、高い光学特性を達成し得る。得られた樹脂基材/偏光子の積層体から樹脂基材を剥離した剥離面に、もしくは、剥離面とは反対側の面に保護層を積層して偏光板が得られ得る。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012-73580号公報、特許第6470455号に記載されている。これらの公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
A-2.積層フィルム
1つの実施形態においては、図2に示すように、積層フィルム20は、基材(保護層)21とハードコート層22とを有し、さらには、基材21とハードコート層22との間に、中間層23が形成され得る。本発明の実施形態による偏光板は、代表的には、有機EL表示装置の視認側に配置され、ハードコート層22は基材21よりも視認側に配置される。ハードコート層22は、例えば、反射防止層、スティッキング防止層、アンチグレア層等の他の機能層として機能してもよい。
積層フィルムの厚みは、例えば15μm以上70μm以下であり、好ましくは20μm以上50μm以下である。
積層フィルムの40℃および92%RHにおける透湿度は、600g/m・24h以下であり、好ましくは550g/m・24h以下であり、より好ましくは500g/m・24h以下であり、さらに好ましくは450g/m・24h以下である。一方、積層フィルムの40℃および92%RHにおける透湿度は、好ましくは300g/m・24h以上であり、好ましくは320g/m・24h以上であり、より好ましくは340g/m・24h以上である。
加湿処理を施した積層フィルムの40℃および92%RHにおける透湿度は、好ましくは800g/m・24h以下であり、より好ましくは700g/m・24h以下であり、さらに好ましくは600g/m・24h以下である。加湿処理による透湿度の変化率(加湿処理後の透湿度/加湿処理前の透湿度)は、1.5以下であり、好ましくは1.4以下である。このような積層フィルムを用いることにより、極めて高い耐湿性を達成し得る。なお、加湿処理は、例えば、65℃、95%RHの環境下に積層フィルムを48時間置くことにより行われる。
加湿処理を施した積層フィルムの40℃および92%RHにおける透湿度は、好ましくは400g/m・24h以上であり、より好ましくは450g/m・24h以上であり、さらに好ましくは500g/m・24h以上である。加湿処理による透湿度の変化率(加湿処理後の透湿度/加湿処理前の透湿度)は、好ましくは1.1以上であり、より好ましくは1.2以上である。このような積層フィルムを用いることにより、脱色を抑制し得る。本発明者らは、偏光板を有機EL表示装置に用いた場合に、偏光板が脱色しやすいという問題の主な原因は、有機ELパネルを構成する部材に由来し、高湿環境下において発生しやすくなるアンモニア(実質的には、アンモニウムイオン)であり、偏光板(偏光子)へ侵入したアンモニウムイオンを排出することにより、脱色を抑制し得ることを見出した。そして、偏光子の片側(代表的には、視認側)に高い透湿度を有する部材を配置させることで、脱色は抑制され得る。具体的には、偏光子に含まれる二色性物質(代表的には、ヨウ素錯体)の分解が抑制され得る。
上記基材は、偏光子の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで構成され得る。このような基材(フィルム)を構成する材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂、ポリノルボルネン等のシクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂が挙げられる。好ましくは、基材を構成する材料としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂が用いられる。
基材の厚みは、例えば10μm以上65μm以下であり、好ましくは15μm以上45μm以下である。
上記ハードコート層は、代表的には、上記基材にハードコート層形成材料を塗工し、塗工層を硬化させることにより形成される。ハードコート層形成材料は、代表的には、層形成成分としての硬化性化合物を含む。硬化性化合物の硬化メカニズムとしては、例えば、熱硬化型、光硬化型が挙げられる。硬化性化合物としては、例えば、モノマー、オリゴマー、プレポリマーが挙げられる。好ましくは、硬化性化合物として多官能モノマーまたはオリゴマーが用いられる。多官能モノマーまたはオリゴマーとしては、例えば、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーまたはオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレートまたはウレタン(メタ)アクリレートのオリゴマー、エポキシ系モノマーまたはオリゴマー、シリコーン系モノマーまたはオリゴマーが挙げられる。
上記ハードコート層形成材料は、任意の適切な添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、重合開始剤、レベリング剤、ブロッキング防止剤、分散安定剤、揺変剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、触媒、フィラー、滑剤、帯電防止剤等が挙げられる。添加剤の種類、組み合わせ、含有量等は、目的や所望の特性に応じて適切に設定され得る。
硬化性化合物が熱硬化型である場合、加熱温度は、例えば60℃~140℃であり、好ましくは60℃~100℃である。硬化性化合物が光硬化型である場合、硬化処理は、代表的には、紫外線照射により行われる。紫外線照射の積算光量は、例えば100mJ/cm~300mJ/cmである。紫外線照射と加熱とを組み合わせてもよい。
ハードコート層の厚みは、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは1.5μm以上であり、さらに好ましくは2μm以上である。このような厚みによれば、積層フィルムの透湿度が高くなり過ぎることを防止し得る。また、得られる偏光板の耐擦傷性を担保し得る。一方、ハードコート層の厚みは、好ましくは7μm以下であり、より好ましくは6μm以下であり、さらに好ましくは5μm以下である。このような厚みによれば、上記透湿度を良好に満足させ得、例えば、脱色を抑制し得る。なお、耐擦傷性は、例えば、ハードコート層表面に、底面にスチールウール#0000を取り付けた円柱を、荷重1.0kgにて毎秒約100mmの速度で1000往復させて擦り合わせた後、ハードコート層表面に生じる傷の程度を目視で確認することにより評価することができる。
上記中間層は、上記基材に由来する成分および上記ハードコート層に由来する成分を含み得る。具体的には、基材を形成する成分とハードコート層を形成する成分とが相溶(混在)して形成され得る。例えば、基材がTACを含む場合、基材に由来する成分としては、TAC、酢酸およびセルロースが挙げられる。積層フィルムにおいて、中間層と基材との界面および中間層とハードコート層との界面は、透過型電子顕微鏡(TEM)観察により確認することができる。
中間層の厚みは、例えば1μm以上30μm以下であり、好ましくは1μm以上20μm以下であり、より好ましくは1μm以上10μm以下である。
中間層の厚みに対するハードコート層の厚みの比(ハードコート層の厚み/中間層の厚み)は、好ましくは0.5以上であり、より好ましくは0.6以上である。このような厚み比によれば、例えば、加湿による積層フィルムの透湿度の変化を抑制し得る。一方で、中間層の厚みに対するハードコート層の厚みの比(ハードコート層の厚み/中間層の厚み)は、好ましくは1.0以下であり、より好ましくは0.9以下である。このような厚み比によれば、上記透湿度を良好に満足させ得、例えば、脱色を抑制し得る。
中間層は、例えば、上記ハードコート層形成材料に含まれてもよい溶媒に、基材を溶解し得る良溶媒を含有させることにより形成され得る。具体的には、ハードコート層形成材料に含まれる成分の一部(代表的には、溶媒)が、基材と混合および/または基材に浸透して、基材を形成する成分とハードコート層を形成する成分とが相溶(混在)し、中間層が形成され得る。
上記ハードコート層形成材料に含まれてもよい溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、TBA(ターシャリーブチルアルコール)、2-メトキシエタノール等のアルコール類;アセトン、MEK(メチルエチルケトン)、MIBK(メチルイソブチルケトン)、シクロペンタノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、PMA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)等のエステル類;ジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。溶媒の含有量は、上記ハードコート層形成材料の固形分濃度が、例えば20重量%以上50重量%以下となるように設定され、好ましくは30重量%以上45重量%以下である。
上記基材を溶解し得る良溶媒としては、例えば、溶媒100重量部に対する基材(溶質)の溶解量が30重量部以上の溶媒が用いられる。具体例としては、基材がTACを含む場合、基材を溶解し得る良溶媒として、例えば、シクロペンタノン(例えば、シクロペンタノン100重量部に対するTACの溶解量は40重量部)、MEK(例えば、MEK100重量部に対するTACの溶解量は60重量部)、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチルが好ましく用いられる。
1つの実施形態においては、ハードコート層形成材料は、基材を溶解し得る良溶媒と基材を実質的に溶解しない貧溶媒とを含む。基材を実質的に溶解しない貧溶媒としては、例えば、溶媒100重量部に対する基材(溶質)の溶解量が30重量部未満の溶媒が用いられ、好ましくは溶媒100重量部に対する基材(溶質)の溶解量が10重量部以下の溶媒が用いられる。基材がTACを含む場合、基材を実質的に溶解しない貧溶媒として、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサンが好ましく用いられる。ハードコート層形成材料における、基材を実質的に溶解しない貧溶媒の含有量に対する基材を溶解し得る良溶媒の含有量の比(良溶媒の含有量/貧溶媒の含有量、重量比)は、例えば1.5以下であり、好ましくは0.3以上1.2以下であり、より好ましくは0.4以上1.1以下である。
A-3.位相差層
上述のとおり、位相差層は、図示するように単一層であってもよく、二層以上の積層構造を有していてもよい。位相差層が単一層である場合、位相差層は代表的にはλ/4板として機能し得る。位相差層は、代表的には、有機EL表示装置に反射防止特性を付与するために設けられる。位相差層は、代表的には、屈折率特性がnx>ny=nzの関係を示す。位相差層の面内位相差Re(550)は、好ましくは100nm~190nmであり、より好ましくは110nm~170nmであり、さらに好ましくは120nm~160nmである。なお、ここで「ny=nz」はnyとnzが完全に等しい場合だけではなく、実質的に等しい場合を包含する。具体的には、ny>nzまたはny<nzとなる場合があり得る。位相差層のNz係数は、好ましくは0.9~1.5であり、より好ましくは0.9~1.3である。このような関係を満たすことにより、非常に優れた反射色相を有する有機EL表示装置が得られ得る。
位相差層が単一層である場合、位相差層は、好ましくは、位相差値が測定光の波長に応じて大きくなる逆分散波長特性を示す。この場合、位相差層のRe(450)/Re(550)は、好ましくは0.8以上1未満であり、より好ましくは0.8以上0.95以下である。このような構成であれば、非常に優れた反射防止特性を実現することができる。
位相差層の遅相軸と偏光子の吸収軸とのなす角度は、好ましくは40°~50°であり、より好ましくは42°~48°であり、さらに好ましくは約45°である。角度がこのような範囲であれば、上記のように位相差層をλ/4板とすることにより、非常に優れた反射防止特性を有する有機EL表示装置が得られ得る。
位相差層の40℃および92%RHにおける透湿度は、200g/m・24h以下であり、好ましくは150g/m・24h以下であり、より好ましくは100g/m・24h以下である。このような位相差層は、アンモニア(アンモニウムイオン)の偏光子への侵入を遮断するブロック層として機能し得、脱色の抑制に寄与し得る。具体的には、上記積層フィルムの透湿度が高過ぎると、極めて高い耐湿性の確保が難しい場合があることから、このようなブロック層を組み合わせることで、極めて高い耐湿性を確保しながら、脱色を顕著に抑制し得る。一方、位相差層の40℃および92%RHにおける透湿度は、例えば50g/m・24h以上である。なお、位相差層が二層以上の積層構造を有する場合、位相差層の透湿度は、接着層を含み得る積層構造の透湿度をいう。
位相差層は、上記のような特性を満足し得る限りにおいて、任意の適切な材料で構成され得る。具体的には、位相差層は、樹脂フィルム(延伸された樹脂フィルム)であってもよく、液晶化合物の配向固化層(液晶配向固化層)であってもよい。好ましくは、位相差層は、樹脂フィルム(延伸された樹脂フィルム)で構成される。この場合、位相差層の厚みは、好ましくは10μm以上70μm以下であり、より好ましくは20μm以上60μm以下である。
樹脂フィルムを構成する樹脂の代表例としては、ポリカーボネート系樹脂またはポリエステルカーボネート系樹脂(以下、単にポリカーボネート系樹脂と称する場合がある)が挙げられる。ポリカーボネート系樹脂としては、所望の透湿度が得られる限りにおいて、任意の適切なポリカーボネート系樹脂を用いることができる。例えば、ポリカーボネート系樹脂は、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、脂環式ジオール、脂環式ジメタノール、ジ、トリまたはポリエチレングリコール、ならびに、アルキレングリコールまたはスピログリコールからなる群から選択される少なくとも1つのジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、を含む。好ましくは、ポリカーボネート系樹脂は、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、脂環式ジメタノールに由来する構造単位ならびに/あるいはジ、トリまたはポリエチレングリコールに由来する構造単位と、を含み;さらに好ましくは、フルオレン系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、イソソルビド系ジヒドロキシ化合物に由来する構造単位と、ジ、トリまたはポリエチレングリコールに由来する構造単位と、を含む。ポリカーボネート系樹脂は、必要に応じてその他のジヒドロキシ化合物に由来する構造単位を含んでいてもよい。位相差層は、上記のようなポリカーボネート系樹脂で構成されるフィルムを、任意の適切な延伸条件で延伸することにより形成され得る。なお、ポリカーボネート系樹脂および位相差層の形成方法の詳細は、例えば、特開2014-10291号公報、特開2014-26266号公報、特開2015-212816号公報、特開2015-212817号公報、特開2015-212818号公報、特開2017-54093号公報、特開2018-60014号公報に記載されている。これらの公報の記載は本明細書に参考として援用される。
A-4.その他
粘着剤層40の厚みは、好ましくは10μm~20μmである。粘着剤層は、任意の適切な粘着剤で構成され得る。具体例としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、エポキシ系粘着剤、およびポリエーテル系粘着剤が挙げられる。粘着剤のベース樹脂を形成するモノマーの種類、数、組み合わせおよび配合比、ならびに、架橋剤の配合量、反応温度、反応時間等を調整することにより、目的に応じた所望の特性を有する粘着剤を調製することができる。粘着剤のベース樹脂は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。ベース樹脂は、好ましくはアクリル系樹脂である(具体的には、粘着剤層は、好ましくはアクリル系粘着剤で構成される)。
B.有機EL表示装置
上記偏光板は、有機EL表示装置に用いられ得る。したがって、本発明の実施形態による有機EL表示装置は、上記偏光板を有する。
図3は、本発明の1つの実施形態による有機EL表示装置において、有機ELパネルに偏光板が配置された状態の概略を示す模式的な断面図である。偏光板(位相差層付偏光板)100は、偏光子10が積層フィルム20よりも有機ELパネル本体70側となるように配置されている。具体的には、有機ELパネル本体70に偏光板100は粘着剤層40によって貼り付けられている。
有機ELパネル本体70は、基板71と、薄膜トランジスタ(TFT)等を含む回路層、有機発光ダイオード(OLED)、OLEDを封止する封止膜等を含む上部構造層72とを有する。例えば、基板71として可撓性基板(例えば、樹脂基板)を用いる場合、得られる有機EL表示装置は、湾曲、屈曲、折り曲げ、巻き取りなどが実現され得る。上部構造層72には、例えば、窒素含有層(例えば、窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素等の窒化物層)が含まれ、上部構造層72からアンモニア(アンモニウムイオン)が生じ得る。上記偏光板によれば、有機EL表示装置において、脱色が抑制され得る。また、有機ELパネル本体の構成を設計変更することなく、脱色の課題を解決し得る。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。厚みおよび透湿度の測定方法は以下の通りである。なお、特に明記しない限り、実施例および比較例における「部」および「%」は重量基準である。
1.厚み
10μm以下の厚みは、干渉膜厚計(大塚電子社製、製品名「MCPD-3000」)を用いて測定した。10μmを超える厚みは、デジタルマイクロメーター(アンリツ社製、製品名「KC-351C」)を用いて測定した。
2.透湿度
透湿度を、カップ法(JIS Z 0208)により求めた。
[実施例1]
(偏光子の作製)
熱可塑性樹脂基材として、長尺状で、吸水率0.75%、Tg約75℃である、非晶質のイソフタル共重合ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:100μm)を用いた。樹脂基材の片面に、コロナ処理を施した。
ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマーZ410」)を9:1の重量比で混合したPVA系樹脂100重量部に、ヨウ化カリウム13重量部を添加したものを水に溶かし、PVA水溶液(塗布液)を調製した。
樹脂基材のコロナ処理面に、上記PVA水溶液を塗布して60℃で乾燥することにより、厚み13μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、130℃のオーブン内で周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に2.4倍に自由端一軸延伸した(空中補助延伸処理)。
次いで、積層体を、液温40℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、液温30℃の染色浴(水100重量部に対して、ヨウ素とヨウ化カリウムを1:7の重量比で配合して得られたヨウ素水溶液)に、最終的に得られる偏光子の単体透過率(Ts)が43.0%となるように濃度を調整しながら60秒間浸漬させた(染色処理)。
次いで、液温40℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を5重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(ホウ酸濃度4.0重量%、ヨウ化カリウム5.0重量%)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸処理)。
その後、積層体を液温20℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。
その後、90℃に保たれたオーブン中で乾燥しながら、表面温度が75℃に保たれたSUS製の加熱ロールに約2秒接触させた(乾燥収縮処理)。乾燥収縮処理による積層体の幅方向の収縮率は5.2%であった。
このようにして、樹脂基材上に厚み5μmの偏光子を形成した。
(ハードコート層形成材料の調製)
紫外線硬化型アクリレート樹脂(DIC(株)製、商品名「ルクシディア17-806」、固形分80%)50重量部を準備した。この樹脂の樹脂固形分100重量部あたり、光重合開始剤(IGM Resins社製、商品名「OMNIRAD907」)を3重量部、レベリング剤(DIC(株)製、商品名「GRANDIC PC4100」、固形分10%)を0.05重量部混合し、混合物を得た。得られた混合物を、固形分濃度が36%になるようにイソプロピルアルコール(IPA)とシクロペンタノン(CPN)とを重量比65:35の混合比で混合した混合溶媒で希釈して、ハードコート層形成材料を調製した。
(積層フィルムの作製)
得られたハードコート層形成材料(塗工液)を、厚み25μmのTACフィルム(コニカミノルタ(株)製、商品名「KC2UA」)上にバーコータを用いて塗工した。この塗工層が形成されたTACフィルムを80℃で1分間加熱することにより塗工層を乾燥させた後、高圧水銀ランプにて積算光量300mJ/cmの紫外線を照射して塗工層を硬化させ、厚み32μmで40℃および92%RHにおける透湿度が440g/m・24hの積層フィルムを得た。
(位相差層を構成するフィルムの作製1)
撹拌翼および100℃に制御された還流冷却器を具備した縦型反応器2器からなるバッチ重合装置を用いて重合を行った。ビス[9-(2-フェノキシカルボニルエチル)フルオレン-9-イル]メタン29.60質量部(0.046mol)、イソソルビド(ISB)29.21質量部(0.200mol)、スピログリコール(SPG)42.28質量部(0.139mol)、ジフェニルカーボネート(DPC)63.77質量部(0.298mol)及び触媒として酢酸カルシウム1水和物1.19×10-2質量部(6.78×10-5mol)を仕込んだ。反応器内を減圧窒素置換した後、熱媒で加温を行い、内温が100℃になった時点で撹拌を開始した。昇温開始40分後に内温を220℃に到達させ、この温度を保持するように制御すると同時に減圧を開始し、220℃に到達してから90分で13.3kPaにした。重合反応とともに副生するフェノール蒸気を100℃の還流冷却器に導き、フェノール蒸気中に若干量含まれるモノマー成分を反応器に戻し、凝縮しないフェノール蒸気は45℃の凝縮器に導いて回収した。第1反応器に窒素を導入して一旦大気圧まで復圧させた後、第1反応器内のオリゴマー化された反応液を第2反応器に移した。次いで、第2反応器内の昇温および減圧を開始して、50分で内温240℃、圧力0.2kPaにした。その後、所定の攪拌動力となるまで重合を進行させた。所定動力に到達した時点で反応器に窒素を導入して復圧し、生成したポリエステルカーボネート系樹脂を水中に押し出し、ストランドをカッティングしてペレットを得た。
得られたポリエステルカーボネート系樹脂(ペレット)を80℃で5時間真空乾燥をした後、単軸押出機(東芝機械社製、シリンダー設定温度:250℃)、Tダイ(幅200mm、設定温度:250℃)、チルロール(設定温度:120~130℃)および巻取機を備えたフィルム製膜装置を用いて、厚み135μmの長尺状の樹脂フィルムを作製した。得られた長尺状の樹脂フィルムを、幅方向に、延伸温度143℃、延伸倍率2.8倍で延伸し、厚み47μmで40℃および92%RHにおける透湿度が75g/m・24hの延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムのRe(550)は147nmであり、Re(450)/Re(550)は0.86であり、Nz係数は1.12であった。
(偏光板の作製)
上記で得られた樹脂基材/偏光子の積層体の偏光子表面に、紫外線硬化型接着剤(硬化後の厚み:1.0μm)を介して、上記で得られた積層フィルムを貼り合わせた。次いで、偏光子から樹脂基材を剥離し、この剥離面に、上記で得られた位相差層(延伸フィルム)を厚み5μmのアクリル系粘着剤層を介して貼り合わせた。このとき、偏光子の吸収軸と位相差層の遅相軸とが45°の角度をなすようにして貼り合わせた。次いで、位相差層の表面にアクリル系粘着剤で厚み15μmの粘着剤層を形成し、偏光板を得た。
[実施例2]
ハードコート層形成材料の調製において、IPAとCPNとを重量比50:50の混合比で混合した混合溶媒を用いたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を得た。なお、得られた積層フィルムの厚みは33μmであり、40℃および92%RHにおける透湿度は380g/m・24hであった。
[実施例3および4]
以下に示す方法により位相差層を構成するフィルム作製したこと以外は実施例1および2と同様にして、偏光板を得た。なお、得られた延伸フィルムの厚みは37μmであり、40℃および92%RHにおける透湿度は105g/m・24hであり、Re(550)は144nmであり、Re(450)/Re(550)は0.86であり、Nz係数は1.09であった。
(位相差層を構成するフィルムの作製2)
アクリル系樹脂(PMMA)を0.7質量部溶融混錬したこと以外は実施例1と同様にして得たポリエステルカーボネート系樹脂(ペレット)を80℃で5時間真空乾燥をした後、単軸押出機(東芝機械社製、シリンダー設定温度:250℃)、Tダイ(幅200mm、設定温度:250℃)、チルロール(設定温度:120~130℃)および巻取機を備えたフィルム製膜装置を用いて、厚み105μmの長尺状の樹脂フィルムを作製した。得られた長尺状の樹脂フィルムを、幅方向に、延伸温度138℃で、延伸倍率2.8倍延伸し、延伸フィルムを得た。
[比較例1]
ハードコート層形成材料の調製において、IPAとCPNとを重量比30:70の混合比で混合した混合溶媒を用いたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を得た。なお、得られた積層フィルムの厚みは33μmであり、40℃および92%RHにおける透湿度は380g/m・24hであった。
[比較例2]
ハードコート層形成材料の調製において、IPAとCPNとを重量比20:80の混合比で混合した混合溶媒を用いたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を得た。なお、得られた積層フィルムの厚みは33μmであり、40℃および92%RHにおける透湿度は380g/m・24hであった。
[比較例3]
ハードコート層形成材料の調製において、IPAとCPNとを重量比10:90の混合比で混合した混合溶媒を用いたこと以外は実施例1と同様にして、偏光板を得た。なお、得られた積層フィルムの厚みは33μmであり、40℃および92%RHにおける透湿度は380g/m・24hであった。
[比較例4]
ハードコート層形成材料の調製において、IPAとCPNとを重量比30:70の混合比で混合した混合溶媒を用いたこと以外は実施例3と同様にして、偏光板を得た。なお、得られた積層フィルムの厚みは33μmであり、40℃および92%RHにおける透湿度は380g/m・24hであった。
[比較例5]
ハードコート層形成材料の調製において、IPAとCPNとを重量比20:80の混合比で混合した混合溶媒を用いたこと以外は実施例3と同様にして、偏光板を得た。なお、得られた積層フィルムの厚みは33μmであり、40℃および92%RHにおける透湿度は380g/m・24hであった。
[比較例6]
ハードコート層形成材料の調製において、IPAとCPNとを重量比10:90の混合比で混合した混合溶媒を用いたこと以外は実施例3と同様にして、偏光板を得た。なお、得られた積層フィルムの厚みは33μmであり、40℃および92%RHにおける透湿度は380g/m・24hであった。
[比較例7および8]
以下に示す液晶配向固化層を位相差層として用いたこと以外は実施例1および2と同様にして、偏光板を得た。
(位相差層を構成する液晶配向固化層の作製)
式(I)で表される化合物55部、式(II)で表される化合物25部、式(III)で表される化合物20部をシクロペンタノン(CPN)400部に加えた後、60℃に加温、撹拌して溶解させ、溶解が確認された後、室温に戻し、イルガキュア907(BASFジャパン株式会社製)3部、メガファックF-554(DIC株式会社製)0.2部、p-メトキシフェノール(MEHQ)0.1部を加えて、さらに撹拌を行い、溶液を得た。溶液は、透明で均一であった。得られた溶液を0.20μmのメンブランフィルターでろ過し、重合性組成物を得た。一方、配向膜用ポリイミド溶液を厚さ0.7mmのガラス基材にスピンコート法を用いて塗布し、100℃で10分乾燥した後、200℃で60分焼成することにより塗膜を得た。得られた塗膜をラビング処理し、配向膜を形成した。ラビング処理は、市販のラビング装置を用いて行った。基材(実質的には、配向膜)に、上記で得られた重合性組成物をスピンコート法で塗布し、100℃で2分乾燥した。得られた塗布膜を室温まで冷却した後、高圧水銀ランプを用いて、30mW/cmの強度で30秒間紫外線を照射して液晶配向固化層を得た。得られた液晶配向固化層の厚みは3μmであり、40℃および92%RHにおける透湿度は815g/m・24hであり、面内位相差Re(550)は130nmであり、Re(450)/Re(550)は0.851であった。

[比較例9、10および11]
上記液晶配向固化層を位相差層として用いたこと以外は比較例1、2および3と同様にして、偏光板を得た。
実施例および比較例について、下記の評価を行った。評価結果を表1にまとめる。
<評価>
1.積層フィルムの構成
得られた積層フィルムの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察し(倍率:10000倍)、積層構造を確認し、TACフィルム(基材)上の層の厚みを測定した。
2.積層フィルムの透湿度変化
得られた積層フィルムを65℃、95%RHの環境下に48時間置いた(加湿処理)。加湿処理後の積層フィルムの40℃および92%RHにおける透湿度を測定した。
3.透過率変化1(アンモニア脱色)
得られた偏光板を、厚み500nmの酸窒化ケイ素膜が表面に成膜された無アルカリガラス板に貼り合わせた後、これを65℃、95%RHの環境下に48時間置いた(加湿試験)。加湿試験前後の偏光板の透過率Tsを、紫外可視分光光度計(大塚電子社製「LPF-2000」)を用いて測定し、透過率変化ΔTs(ΔTs=加湿試験後のTs-加湿試験前のTs)を算出した。なお、酸窒化ケイ素膜が成膜された無アルカリガラス板を加湿試験に供することにより、アンモニアの発生が確認された。
4.透過率変化2(耐湿性)
得られた偏光板を、無アルカリガラス板に貼り合わせた後、これを65℃、95%RHの環境下に336時間置いた(加湿試験)。加湿試験前後の偏光板の透過率Tsを、紫外可視分光光度計(大塚電子社製「LPF-2000」)を用いて測定し、透過率変化ΔTs(ΔTs=加湿試験後のTs-加湿試験前のTs)を算出した。
Figure 2023100413000004
各実施例・比較例においてTEM観察により、中間層の形成が確認された。各実施例では、透過率変化ΔTsは±3%の範囲内であることが確認された。
本発明の実施形態による偏光板は、例えば、有機EL表示装置に好適に用いられる。
10 偏光子
20 積層フィルム
30 位相差層
40 粘着剤層
100 偏光板

Claims (10)

  1. 互いに対向する第一主面および第二主面を有する偏光子と、
    前記偏光子の前記第一主面側に配置され、基材とハードコート層とを前記偏光子側からこの順で含む積層フィルムと、
    前記偏光子の前記第二主面側に配置される位相差層と、を有し、
    前記積層フィルムの透湿度は600g/m・24h以下であり、
    前記積層フィルムを65℃、95%RHの環境下に48時間置くことによる前記積層フィルムの透湿度の変化率は1.5以下であり、
    前記位相差層の透湿度は200g/m・24h以下である、
    偏光板。
  2. 前記変化率は1.1以上である、請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記ハードコート層の厚みは1μm以上である、請求項1または2に記載の偏光板。
  4. 前記ハードコート層の厚みは7μm以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載の偏光板。
  5. 前記積層フィルムは、前記基材と前記ハードコート層との間に、前記基材に由来する成分および前記ハードコート層に由来する成分を含む中間層を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の偏光板。
  6. 前記位相差層は前記偏光子に隣接して配置される、請求項1から5のいずれか一項に記載の偏光板。
  7. 前記位相差層のRe(450)/Re(550)は0.8以上1未満である、請求項1から6のいずれか一項に記載の偏光板。
  8. 前記偏光子の単体透過率は43.0%以上である、請求項1から7のいずれか一項に記載の偏光板。
  9. 前記偏光子の厚みは10μm以下である、請求項1から8のいずれか一項に記載の偏光板。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の偏光板を有する、有機エレクトロルミネセンス表示装置。
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