JP2023099117A - 凝集方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】組み換えタンパク質を哺乳動物細胞培養液から回収するための方法を提供する。【解決手段】組み換えタンパク質を発現する哺乳動物細胞を、所定の時間、または、所望する細胞密度および/または圧縮細胞体積が達成されるまで、細胞培養用培地で培養すること、カチオン性ポリマーおよび非イオン性ポリマーを前記細胞培養用培地に加えて凝集化を開始させること、前記細胞培養用培地を凝集化の間混ぜること、凝集物を沈降させること、および清澄化された上澄みを回収することを含む、方法とする。【選択図】なし

Description

本出願は、2011年12月15日に出願された米国仮特許出願第61/576,303号の利益を主張するものであり、上記仮特許出願は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、哺乳動物細胞培養ブロスから組み換えタンパク質を回収するための方法に関する。前記方法では、カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマーおよび非イオン性界面活性剤を利用する。
治療用タンパク質の臨床用製造は、費用のかかる、大規模な試みである。さらに多くの量の治療用組み換えタンパク質に対する需要は、細胞培養方法において進歩を推進し、劇的に向上した生成物力価もたらした。高力価細胞培養プロセスは、一般的に、さらに長い培養継続期間を通して、高い生細胞密度を維持することで、引き起こされる。バイオマス固体(生細胞および非生細胞)およびサブミクロン細胞破片粒子において、対応した増加も観察される。固体およびサブミクロン細胞破片粒子のより高い負荷は、哺乳動物細胞培養回収プロセスに困難な課題をもたらし得、回収方法が生成物生産能力を実質的に低下させず破片を取り除く効率を低くする可能性がある。
カチオン性ポリマー凝集剤は多くの適用で使用され、その範囲は、飲料水精製、排水処理、石油業、鉱業および製紙業での使用、化粧品ならびに医療用使用に及び、また、哺乳動物細胞および酵素を被包し、微生物細胞培養物を凝集させる(flocculate)ために用いられている。しかし、商業規模の哺乳動物細胞培養回収プロセスにおける使用のためには、時間のかかる凝集沈降時間が問題になる可能性があり、時間がかかり、標準的な回収方法よりも効率的ではない回収プロセスにつなぎ得る。
哺乳動物細胞培養回収方法を、特に商業規模の方法を、改善する必要が継続して存在する。さらに速い回収時間および/またはより多くの回収を可能にするいかなる改善も、タンパク質治療剤の製造に関してコスト軽減をもたらすことができる。本発明は、速く効率的な細胞培養回収方法を提供することで、この需要をかなえる。
本発明は、哺乳動物細胞培養回収方法を提供し、その方法は、組み換えタンパク質を発現する哺乳動物細胞を、所定の時間、または、所望する細胞密度および/または圧縮細胞体積が達成されるまで、細胞培養用培地で培養し、カチオン性ポリマーおよび非イオン性ポリマーを当該細胞培養用培地に加えて凝集を開始させ、当該細胞培養用培地を凝集化の間混ぜ、凝集物(flocculent)を沈降させ、清澄化された上澄みを回収することを含む。
また、本発明は、組み換えタンパク質を発現する哺乳動物細胞を所定の時間、または、所望する細胞密度および/または圧縮細胞体積が達成されるまで細胞培養用培地で培養し、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドおよびPEG3,000を当該細胞培養用培地に加えて凝集化を開始させ、当該細胞培養用培地を凝集化の間混ぜ、凝集物を沈降させ、清澄化された上澄みを回収することを含む、哺乳動物細胞培養回収方法を提供する。
また、本発明は、組み換えタンパク質を発現する哺乳動物細胞を所定の時間、または、所望する細胞密度および/または圧縮細胞体積が達成されるまで細胞培養用培地で培養し、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、PEG3,000およびトリトンX-100を当該細胞培養用培地に加えて凝集化を開始させ、当該細胞培養用培地を凝集化の間混ぜ、凝集物を沈降させ、清澄化された上澄みを回収することを含む、哺乳動物細胞培養回収方法を提供する。
また、本発明は、組み換えタンパク質を発現する哺乳動物細胞を所定の時間、または、所望する細胞密度および/または圧縮細胞体積が達成されるまで細胞培養用培地で培養し、カチオン性ポリマーおよび非イオン性ポリマーを当該細胞培養用培地に加えて凝集化を開始させ、当該細胞培養用培地を凝集化の間混ぜ、凝集物を第1沈降のために沈降させ、第1の清澄化された上澄みを回収し、第1の沈降凝集物を洗浄し、洗浄した凝集物を第2沈降のために沈降させ、第2の清澄化された上澄みを回収することを含む、哺乳動物細胞培養回収方法を提供する。
また、本発明は、組み換えタンパク質を発現する哺乳動物細胞を所定の時間、または、所望する細胞密度および/または圧縮細胞体積が達成されるまで細胞培養用培地で培養し、カチオン性ポリマーおよび非イオン性ポリマーを当該細胞培養用培地に加えて凝集化を開始させ、当該細胞培養用培地を凝集化の間混ぜ、凝集物を第1沈降のために沈降させ、第1の清澄化された上澄みを回収し、第1の清澄化された上澄みにおける生成物回収が80%未満だった場合は第1の沈降凝集物を洗浄し、洗浄した凝集物を第2沈降のために沈降させ、第2の清澄化された上澄みを回収することを含む、哺乳動物細胞培養回収方法を提供する。
また、本発明は、組み換えタンパク質を発現する哺乳動物細胞を所定の時間、または、所望する細胞密度および/または圧縮細胞体積が達成されるまで細胞培養用培地で培養し、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドおよびPEG3,000を当該細胞培養用培地に加えて凝集化を開始させ、当該細胞培養用培地を凝集化の間混ぜ、凝集物を第1沈降のために沈降させ、第1の清澄化された上澄みを回収し、第1の沈降凝集物を洗浄し、洗浄した凝集物を第2沈降のために沈降させ、第2の清澄化された上澄みを回収することを含む、哺乳動物細胞培養回収方法を提供する。
また、本発明は、組み換えタンパク質を発現する哺乳動物細胞を所定の時間、または、所望する細胞密度および/または圧縮細胞体積が達成されるまで細胞培養用培地で培養し、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、PEG3,000およびトリトンX-100を当該細胞培養用培地に加えて凝集化を開始させ、当該細胞培養用培地を凝集化の間混ぜ、凝集物を第1沈降のために沈降させ、第1の清澄化された上澄みを回収し、第1の沈降凝集物を洗浄し、洗浄した凝集物を第2沈降のために沈降させ、第2の清澄化された上澄みを回収することを含む、哺乳動物細胞培養回収方法を提供する。
ある実施形態では、カチオン性ポリマーはポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドである。
別の実施形態では、非イオン性ポリマーはポリエチレングリコールおよびデキストランから選択される。
別の実施形態では、非イオン性ポリマーはPEG3,000およびPEG6,000から選択される。
別の実施形態では、上で提供される哺乳動物細胞培養回収方法は、さらに、非イオン性界面活性剤を細胞培養用培地に加えることを含む。関連した実施形態では、その非イオン性界面活性剤はトリトンX-100である。
別の実施形態では、カチオン性ポリマーおよび非イオン性ポリマーは同時に加えられる。
別の実施形態では、カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマーおよび非イオン性界面活性剤は同時に加えられる。
別の実施形態では、カチオン性ポリマーが先ず加えられ、少なくとも30秒混ぜた後に、非イオン性ポリマーが加えられる。
別の実施形態では、カチオン性ポリマーが先ず加えられ、少なくとも30秒混ぜた後に、非イオン性ポリマーおよび非イオン性界面活性剤が加えられる。
別の実施形態では、カチオン性ポリマーは、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミドまたはキトサンのポリマーである。
別の実施形態では、非イオン性界面活性剤はサポインまたはトリトンX-100である。
別の実施形態では、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドは、全細胞密度当り20または約20~90または約90pgの濃度で加えられる。
別の実施形態では、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドは、全細胞密度当り25または約25pgの濃度で加えられ、哺乳動物細胞は二倍体細胞株に由来する。
別の実施形態では、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドは、全細胞密度当り43pgから全細胞密度当り57pgの間で加えられ、哺乳動物細胞は四倍体細胞株に由来する。
別の実施形態では、PEG3,000の濃度は3%または約3%~4.5%または約4.5%である。
別の実施形態では、PEG6,000の濃度は2.5%または約2.5%~3.5%または約3.5%である。
別の実施形態では、トリトンX100の濃度は0.05%(w/v)である。
別の実施形態では、哺乳動物細胞培養ブロスは36℃から20℃の間である。
別の実施形態では、哺乳動物細胞培養ブロスは20℃または20℃を超える。
別の実施形態では、第1沈降からの凝集物は9%スクロース溶液内で洗浄される。
PDADMACの構造を提供する。 様々な分子量のPDADMACによって得られた沈降時間における違いを示す。各分子量のPDADMACの濃度は全細胞密度当り57pgであった。黒ひし形/破線は、分子量100,000~200,000のPDADMACを表す。破線つきの黒四角形は、分子量200,000~300,000のPDADMACを表す。実線つきの黒三角形は、分子量400,000~500,000のPDADMACを表す。 細胞培養ブロスを様々な分子量のPDADMACで凝集化させた時に得られた上澄みの清澄さを示す。左から右に、棒グラフは分子量が100,000未満;100,000~200,000;200,000~350,000;および400,000~500,000のPDADMACを表す。 15~20μm細胞の凝集化に対する、高分子量PDADMAC濃度の影響を示す。黒ひし形破線は、全細胞密度当り11pgのPDADMACを表す。破線つきの黒四角形は、全細胞密度当り18pgのPDADMACを表す。実線つきの黒三角形は、全細胞密度当り25pgのPDADMACを表す。破線つきの黒丸は、全細胞密度当り39pgのPDADMACを表す。 21~24μm細胞の凝集化に対する、高分子量PDADMAC濃度の影響を示す。黒ひし形の点線および破線は、全細胞密度当り29pgのPDADMACを表す。破線つきの黒四角形は、全細胞密度当り43pgのPDADMACを表す。破線つきの黒三角形は、全細胞密度当り57pgのPDADMACを表す。実線つきの黒丸は、全細胞密度当り71pgのPDADMACを表す。点線つきの黒四角形は、全細胞密度当り86pgのPDADMACを表す。 高いラクテート濃度を生じる細胞培養のための、高分子量PDADMAC凝集化の影響を示す。実線つきの黒ひし形は、ラクテートが一切加えられていないことを示す。破線つきの黒四角形は、3g/Lで加えたラクテートを表す。破線つきの黒三角形は、6g/Lで加えたラクテートを表す。破線つきの黒丸は、9g/Lで加えたラクテートを表す。 圧縮細胞体積(PCV)によって測定される、高い細胞密度を有する細胞培養のための、高分子量PDADMAC凝集化の影響を示す。破線つきの黒ひし形は44%PCVを表す。破線つきの黒三角形33%PCVを表す。破線つきの黒四角形は22%PCVを表す。実線つきの黒丸は11%PCVを表す。 高いラクテート濃度を伴う細胞培養方法のための高分子量PDADMAC凝集化に対する、様々な希釈剤の影響を示す。点線および破線つきの黒三角形は、スクロースを表す。破線つきの黒四角形は希釈剤を伴わない細胞培養培地を表す。破線つきの黒ひし形は、ベタインを表す。破線つきの黒丸は、PEG1,000を表す。実線つきの黒三角形は、PEG6,000を表す。破線つきの黒三角形はデキストラン70およびベタインを表す。 43.2%のPCVを伴う細胞培養のためのPDADMAC/PEG凝集化の影響を示す。破線つきの黒ひし形はPDADMACのみを表す。破線つきの黒四角形はスクロースを表す。実線つきの黒三角形は、PDADMAC/PEGを表す。 PDADMACおよびPEGを加える順番の影響を示す。PDADMACおよびPEGのボーラス添加(1段階法)が、破線つきの黒三角形によって示される。PDADMAC添加の後にPEG添加(2ステム(stem)法)が破線つきの黒四角形によって示される。PDADMACのみは、実線つきの黒ひし形で示される。 トリトンX-100を加える影響を示す。PDADMAC/PEG添加を、実線つきの黒四角形で示す。PDADMAC/PEG/トリトンX-100添加を、破線つきの黒三角形で示す。
本発明は、高細胞量細胞培養方法の回収操作を最大限にするよう意図される、単純な回収凝集化技術を提供する。哺乳動物細胞培養回収方法が提供され、当該方法は、細胞培養ブロスの凝集化において、カチオン性ポリマーを非イオン性ポリマーと組み合わせて利用する。また、非イオン性ポリマーおよび非イオン性界面活性剤の双方と組み合わせたカチオン性ポリマーの使用も提供する。
本発明は、非イオン性ポリマー、または非イオン性ポリマーおよび非イオン性界面活性剤をカチオン性ポリマーと組み合わせて使用し、哺乳動物細胞培養ブロスを凝集化させることが、細胞培養方法の密度(圧縮細胞体積44%まで)またはラクテート濃度(10g/L)に依存することなく、凝集物沈降時間を24時間またはそれ以上から1時間未満、いくかの例では15分まで減らしたという発見に基づく。非イオン性ポリマーの使用は高次凝集体および所望する組み換え生成物と共精製する宿主細胞タンパク質の除去ももたらす。この単純な回収方法は、細胞培養プロセス、特に商業レベルでの高細胞量培養プロセスの回収操作を最大限にした。
凝集化とは、懸濁粒子がより大きなサイズの凝集体または群を形成する1つの方法である。凝集化において、粒子は、凝集化剤または凝集化剤(flocculation agent or flocculent)の添加によって、懸濁液から、凝集物(floc)の形態で表出する。凝集化剤は、陰イオン性またはカチオン性ポリマーであってよい。アルギン酸またはキトサンといった天然の凝集化剤;コロイド粘度および活性シリカといった無機質凝集化剤;ならびにポリアクリルアミドおよびポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドといった合成凝集化剤がある。合成凝集化剤は、特定の分子量(鎖長に基づいて)および分子量分布を有するように製造することができる。
カチオン性ポリマーは、有機物質といった負帯電粒子と相互に作用する。細胞培養ブロスにおいては、カチオン性ポリマーは生細胞および非生細胞といった負帯電粒子、細胞代謝物質ならびに核酸、タンパク質およびリポソームといった細胞破片と相互に作用する。細胞培養ブロス内に見られる負帯電化合物とカチオン性ポリマーの凝集化は、負帯電粒子の架橋;凝集化につながるカチオン性ポリマーのパッチ結合;または中和された粒子の溶液からの表出につながる大きな負帯電粒子の電荷中和作用のいずれかを介したイオン相互作用を通して生じる。負帯電粒子のカチオン性ポリマー架橋によって形成された凝集物は、さらに大きな凝集物を生成し、凝集物破壊につながり、沈降がさらに遅いより小さな粒子の濃度をさらに高くする、上昇したせん断感度を有する。パッチまたは電荷中和作用によって、高電荷密度のカチオン性ポリマーは懸濁液中の粒子上の陰イオン性パッチと相互作用し、粒子上の電荷を中和するか、溶液から表出するさらに大きな粒子を形成するかのいずれかである。この方法で形成された凝集物は、より小さな凝集物粒子体積を有し、せん断のため、破壊しにくい。たとえば、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDADMAC)の細胞培養ブロスへの添加は、静電パッチ機構を介して負帯電細胞および細胞破片をさらに大きな粒子に凝集化する(Ramsdenら(1998)、Biotechnology Techniques、12(8):599-603)。PDADMACは負帯電サブミクロン粒子も凝集化し、典型的な遠心分離回収供給流と比較して有意に高い回収フィルター列処理量を伴う供給流を生成する。イオン相互作用を介した凝集化は、塩濃度を上げたりpHを変えたりすることで妨害することができる。
ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドといったカチオン性ポリマーを、組み換えタンパク質を発現する細胞を含む、または含んでいた哺乳動物細胞培養用培地に添加すると、細胞(生細胞および非生細胞)、細胞代謝物質および細胞破片を含む負帯電粒子が凝集化する。これらの大きな凝集化粒子は、遠心分離または重力沈降によって取り除くことができる。凝集化細胞および細胞破片が沈降するのに必要な沈降速度または時間は細胞、細胞破片および細胞代謝物質の密度に依存する。バッチ細胞培養方法において典型的である低い細胞密度では、凝集化した物質は、通常、4時間から24時間かけて、一般的に約20~24時間かけて、ある時点で沈降する(さらなる沈降がない)。沈降速度は、バイオマスの高い細胞密度(10%を超える圧縮細胞体積)、サブミクロン細胞破片および/または高いラクテート濃度(2~3g/Lを超える)を生じさせる細胞培養プロセスでは、有意に低下する。高い細胞密度を生じさせた、または、ラクテート濃度を上昇させる細胞培養プロセスは、凝集物が24時間内に沈降するために、多大な量の細胞ブロス希釈剤を必要とする。従来の回収方法の代替手段としてPDADMACといったカチオン性ポリマーを使用する容易さにも関わらず、商業規模では、長引く沈降時間はいっそう望ましくない可能性がある。
本発明は、カチオン性ポリマー凝集物質中の凝集化した粒度および粒度成長速度が、非イオン性ポリマーおよび非イオン性界面活性剤の存在下で大いに高められることを提供する。PDADMACを、ポリエチレングリコールといった非イオン性ポリマーおよびトリトンX100といった非イオン性界面活性剤と組み合わせて使用すると、PDADMACのみの凝集化沈降時間を有意に上昇させた高バイオマス/細胞密度にもかかわらず、2時間未満の凝集物重力沈降時間が決まって見られた。凝集物を破壊し得る、かつ/または凝集化速度を低下し得るせん断力は、非イオン性ポリマーおよび非イオン性界面活性剤の添加によって許容された。80~90%以上の収穫回収収率が、有意に減少した宿主DNAを伴って、持続して得られた。非イオン性ポリマー添加は、宿主細胞タンパク質およびいくつかの高分子量種も減少させた。
本明細書で使用される「カチオン性ポリマー」は、負帯電懸濁粒子と結合する正帯電ポリマーである。カチオン性ポリマーは、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)のポリマーを含むが、これに限定されない。好ましい実施形態においては、DADMACの重合は、N-置換ピロリジン構造である、PDADMAC(図1)を形成する。カチオン性ポリマーは、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリアクリルアミド(PAA)およびキトサンも含む。
全細胞密度当りの、PDADMACの20または約20pg~90または約90pgの濃度が、低い上澄み濁度および良好な凝集物沈降につながった。「全細胞密度」は、セデックスセルカウンターおよびアナライザーを使用したトリパンブルー排除で測定される、生細胞および非生細胞の合計である。二倍体細胞株といった小さな細胞株のための、1つの実施形態では、PDADMACを全細胞密度当り25または約25pgで加える。別の実施形態では、PDADMACを、四倍体細胞株といったより大きい細胞株のために、全細胞密度当り43または約43~57または約57pgで加える。
分子量が200,000~500,000であるPDADMACは、沈降速度および上澄みの清澄さを上昇させることで、低分子量形態と比較して、凝集化性能に影響を及ぼす。ある実施形態では、そのPDADMAC分子量は、400,000~500,000の範囲である。ある実施形態では、400,000~500,000の範囲の分子量を有するPDADMACを、全細胞密度当り22pgの最終濃度で使用する。別の実施形態では、400,000~500,000の範囲の分子量を有するPDADMACを、全細胞密度当り25pgの最終濃度で使用する。別の実施形態では、400,000~500,000の範囲の分子量を有するPDADMACを、全細胞密度当り45pgの最終濃度で使用する。
本明細書で使用される「沈降速度」、「重力沈降速度」および「凝集化、圧縮沈降速度」は同じ意味で使われる。沈降速度は、当該技術分野で公知であり本明細書に記載される方法で決定することができる。たとえば、重力沈降は1gである。沈降速度は、0.5Lまたは1Lガラスメスシリンダー内で測定された、凝集物の体積を全体積で除すことで決定される。総体積は、全ての凝集化/沈降剤を含む細胞ブロスの体積である。
「沈降時間」は、凝集物を沈降させるのにかかる時間である。沈降時間は、凝集物沈降速度が1時間当り1%以下である時に得られる。非イオン性ポリマー、または、非イオン性界面活性剤と組み合わせた非イオン性ポリマーの投与と組み合わせたPDADMAC凝集化に関して、わずか15分の沈降時間が、本明細書では記載されている。PDADMACのみの凝集化沈降時間を有意に上昇させる高バイオマス/細胞密度にも関わらず、速い沈降速度が生じた。凝集物を破壊する、かつ/または凝集化速度を低下するせん断力は、非イオン性ポリマーおよび非イオン性界面活性剤の添加によって許容された。
上澄みの清澄さは、沈降速度には依存しないが、カチオン性ポリマー投与濃度に依存する。温度、細胞培養液の密度および粘度といった他の要因は、沈降速度または上澄みの清澄さにはほとんど影響を及ぼさなかった。特に、PDADMAC投与は細胞体積、細胞(生細胞および非生細胞)の総密度およびサブミクロン細胞破片粒子の濃度の関数である。
本明細書で使用される「非イオン性ポリマー」は、分子間の相互作用を高め、沈殿を促進する親水性ポリマーを指す。非イオン性ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)マルトデキストラン、デンプン、メチルセルロースおよびデキストランを含むが、これらに限定されない。
増加した沈降速度は、PEGまたはデキストランを、カチオン性ポリマー凝集化剤の添加と同時に、またはカチオン性ポリマー凝集化剤の添加に続いて哺乳動物細胞培養用培地に加えた時に達成された。生成物の回収は、非イオン性ポリマー濃度、PEG分子量、非イオン性ポリマーおよびPDADMACの添加の順番(同時に、または、PDADMACを最初に、続いて非イオン性ポリマー)および細胞培養継続時間または細胞培養ブロス内の破片濃度に依存していた。
PEG3,000は、3または約3~4.5または約4.5%(w/v)の範囲において有益である。PEG6,000は、2.5または約2.5%~3.5または約3.5%(w/v)の範囲において有益である。ある実施形態では、PEG3,000は3%(w/v)の最終濃度で使用される。別の実施形態では、PEG3,000は15%(w/v)の最終濃度で使用される。別の実施形態では、PEG3,000は25%(w/v)の最終濃度で使用される。
本明細書で使用される「非イオン性界面活性剤」は、両親媒性である、つまり、疎水基および親水基の双方を含む有機化合物を指し、サポインおよびトリトンX100を含むが、これらに限定されない。ある実施形態では、トリトンX-100は、0.05%(w/v)の最終濃度で使用される。
非イオン性ポリマーは、単独または非イオン性界面活性剤と組み合わせて加えられてよい。どちらの場合も、カチオン性ポリマーと同時に、または、カチオン性ポリマーの添加に続いて、加えられてよい。非イオン性ポリマーおよび界面活性剤は、双方とも、1分以下の添加時間で、すばやく加えられてよい。
凝集物が一度沈降すると(第1沈降)、清澄化された上澄みを回収することができる。組み換え生成物回収を増加させるために、凝集物は洗浄または再懸濁され、すべての残渣組み換え生成物を取り除くことができる。好適な洗浄希釈剤は、スクロース、PEG、細胞培養用媒体および緩衝生理食塩水を含む。ある実施形態では、洗浄希釈剤は、9%スクロースである。凝集物および洗浄希釈剤を1分未満から60分間混ぜ、約1時間から24時間沈降させる。凝集物が一度沈降すると(第2沈降)、清澄化された第2の上澄みを回収する。第1および第2沈降からの上澄みを、まとめるか、別々に精製してもよい。
ポンピングまたはデカント、それに続く珪藻土を含むデプスフィルターおよび続いて0.2μに切り取られた膜フィルターを通した濾過または0.2μに切り取られたフィルターのみを通した濾過によって上澄みを取り除くことで、清澄化された上澄みを回収することができる。
カチオン性ポリマー除去は、哺乳動物細胞毒性をモニターするためのアッセイ;DNAポリメラーゼまたは逆転写によってDNAまたはRNA転写の阻害を測定するためのアッセイ、およびmRNAのタンパク質翻訳を測定するアッセイ;といった当該技術分野で公知の方法ならびに本明細書に記載される方法でモニターすることができる。たとえば、組み換えタンパク質精製プロセスの中間体からのPDADMAC除去は、定量ポリメラーゼ連鎖反応(QPCR)を使用する際のDNA増幅の阻害によってモニターすることができる。
細胞培養ブロスを、バイオリアクターから直接使用してもよく、または、凝集化の前に冷やしてもよい。好ましい1つの実施形態では、細胞培養ブロスの温度範囲は、36または約36℃~20または約20℃である。別の実施形態では、細胞培養ブロスは、20または約20℃に冷やされる。
本発明は、哺乳動物細胞培養から組み換えタンパク質を回収する方法を提供する。哺乳動物細胞培養による組み換えタンパク質の生成のための商業的な方法で使われる典型的な方法は、バッチ培養、流加培養および灌流培養を含む。バッチ培養は非連続的な方法であり、培養用培地の一定の体積内で、短い期間細胞を成長させ、続いて、全回収する。回収は、一般的に、最大細胞密度が得られた(通常5~10×10細胞/mL)時点で起こる。流加培養は、ボーラスまたは持続的な培地供給を提供し、消費されるこれらの培地構成要素を補充する。流加培養は、その実施の間中、追加の栄養素を受け取るため、バッチ方法と比較した時、さらに高い細胞密度(10超~30×10細胞/ml)および増加した生成物力価を達成する可能性がある。灌流培養においては、典型的な大規模の商業用細胞培養戦略は、ほぼ50から半分以上のリアクター体積がバイオマスである高い細胞密度、60~90(超)×10細胞/mLに達するよう尽力している。灌流培養では、1×10細胞/mL超の非常に高い細胞密度が得られており、さらに高い密度が予想される。
本明細書で使われる「ペプチド」「ポリペプチド」および「タンパク質」は、本明細書にわたって、同じ意味で使われており、ペプチド結合で互いに結合した2つ以上のアミノ酸残渣を含む分子を指す。ペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質は、グリコシル化、脂質付着、硫酸化、グルタミン酸残渣のガンマ-カルボキシル化、ヒドロキシル化およびADP-リボシル化を含むが、これらに限定されない修飾を含む。ポリペプチドは、タンパク質系薬剤を含み、化学的または商業的な対象となり得る。ポリペプチドは、とりわけ、抗体、融合タンパク質およびサイトカインを含む。ペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質は、細胞培養方法を使用して、組み換え動物細胞株によって生成され、「組み換えペプチド」、「組み換えポリペプチド」および「組み換えタンパク質」と呼ばれ得る。発現されるタンパク質は、細胞内で生成されてもよく、また、その発現されるタンパク質が培養用培地から回収および/または収集され得る、その培養用培地の中に分泌されてもよい。
本発明の方法を使って回収することができるポリペプチドの例としては、次に記されるタンパク質の1つの全部分または一部分に同一または実質的に類似するアミノ酸配列を含むタンパク質が含まれる:腫瘍壊死因子(TNF)、flt3リガンド(国際公開第94/28391号)、エリスロポエイチン、トロンボポエイチン、カルシトニン、IL-2、アンジオポエチン-2(Maisonpierreら(1997)、Science 277(5322):55-60)、NF-カッパBの受容体活性因子のリガンド(RANKL、国際公開第01/36637号)、腫瘍壊死因子(TNF)系アポトーシス誘導リガンド(TRAIL、国際公開第97/01633号)、胸腺間質由来リンホポエチン、顆粒球コロニー刺激因子、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF、オーストラリア特許第588819号)、肥満細胞成長因子、幹細胞成長因子(米国特許第6,204,363号)、表皮成長因子、角化細胞成長因子、巨核球成長および発生因子、RANTES、ヒト線維素原様2タンパク質(FGL2;NCBI受託番号NM_00682;RueggおよびPytela(1995)、Gene 160:257-62)成長ホルモン、インシュリン、インスリノトロピン、インスリン様成長因子、副甲状腺ホルモン、α-インターフェロン、γ-インターフェロンおよびコンセンサスインターフェロンを含むインターフェロン(米国特許第4,695,623号および第4,897471号)、神経成長因子、脳由来神経栄養因子、シナプトタグミン様タンパク質(SLP1-5)、ニューロトロフィン-3、グルカゴン、インターロイキン、コロニー刺激因子、リンフォトキシン-β、白血病抑制因子およびオンコスタチン-M。本発明の方法に従って生成することができるタンパク質の説明は、たとえば、Human Cytokines:Handbook for Basic and Clinical Research,all volumes(AggarwalおよびGutterman編、ブラックウェルサイエンス社、マサチューセッツ州、ケンブリッジ、1998);Growth Factors:A Practical Approach(McKayおよびLeigh編、オックスフォード大学出版局、ニューヨーク、1993);およびThe Cytokine Handbook,Vols.1and2(ThompsonおよびLotze編、アカデミックプレス社、カリフォルニア州、サンディエゴ、2003)に見出すことができる。
さらに、本発明の方法は、上述のタンパク質のいずれかのための受容体、そのような受容体のアンタゴニストもしくは上述のタンパク質のいずれかのアミノ酸配列の全部分もしくは一部分を含むタンパク質および/またはそのような受容体もしくはアンタゴニストに実質的に類似するタンパク質を回収するのに有益であろう。これらの受容体およびアンタゴニストは次を含む:腫瘍壊死因子受容体(TNFR、p55およびp75と呼ばれる、米国特許第5,395,760号および第5,610,279号)の双方の形態、インターロイキン-1(IL-1)受容体(タイプIおよびII;欧州特許第0460846号、米国特許第4,968,607号および米国特許第5,767,064号)、IL-1受容体アンタゴニスト(米国特許第6,337,072号)、IL-1アンタゴニストまたは阻害物質(米国特許第5,981,713号、第6,096,728号および第5,075,222号)IL-2受容体、IL-4受容体(欧州特許第0367566号および米国特許第5,856,296号)、IL-15受容体、IL-17受容体、IL-18受容体、Fc受容体、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体、顆粒球コロニー刺激因子レセプター、オンコスタチン-Mおよび白血病抑制因子の受容体、NF-カッパBの受容体活性因子(RANK、国際公開第01/36637号および米国特許第6,271,349号)、オステオプロテゲリン(米国特許第6,015,938号)、TRAILの受容体(TRAIL受容体1、2、3および4を含む)、およびFasまたはアポトーシス誘導受容体(AIR)といった死領域を含む受容体。
本発明を使用して回収することができる他のタンパク質には、分化抗原(CDタンパク質と呼ばれる)もしくはそのリガンドのアミノ酸配列の全部分もしくは一部分を含有するタンパク質またはこれらいずれかに実質的に類似するタンパク質が含まれる。そのような抗原は、Leukocyte Typing VI(Proceedings of the VIth International Workshop and Conference、Kishimoto、Kikutaniら編、日本、神戸、1996)で開示されている。類似したCDタンパク質が、続く学会で開示されている。そのような抗原の例としては、CD22、CD27、CD30、CD39、CD40、およびそれらのリガンド(CD27リガンド、CD30リガンド等)が含まれる。CD抗原には、TNF受容体ファミリーのメンバーであるものがいくつかあり、41BBおよびOX40を含む。リガンドは、41BBリガンドおよびOX40リガンドというように、TNFファミリーのメンバーであることが多い。
酵素的に活性なタンパク質またはそれらのリガンドも、本発明を使用して回収することができる。例としては、次に記されるタンパク質もしくはそれらのリガンドの1つの全部分もしくは一部分を含有するタンパク質またはそれらの1つに実質的に類似したタンパク質が含まれる:TNF-アルファ変換酵素を含むディスインテグリンおよびメタロプロテアーゼ領域ファミリーメンバー、様々なキナーゼ、グルコセレブロシダーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、組織プラスミノーゲン活性化因子、第VIII因子、第IX因子、アポリポタンパクE、アポリポタンパクA-I、グロビン、IL-2アンタゴニスト、アルファ-1アンチトリプシン、上記の酵素のいずれかのリガンドならびに多数の他の酵素およびそのリガンド。
「抗体」という語は、任意のアイソタイプまたはサブクラスのグリコシル化および非グリコシル化免疫グロブリンについて、または、その抗原結合領域についての言及を含み、当該抗原結合領域は、特異結合について完全な抗体と競合し、特に指定のない限り、ヒト、ヒト化、キメラ、多重特異的、モノクローナル、ポリクローナルおよびオリゴマーまたはその抗原結合性断片を含む。また、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、二重特異性抗体、Fd、dAb、マキシボディ、一本鎖抗体分子、相互性決定領域(CDR)断片、scFv、二重特異性抗体、トリアボディ、テトラボディおよびポリペプチドといった抗原結合性断片または領域を有するタンパクも含まれ、当該ポリペプチドは、標的ポリペプチドに結合する特異的抗原を与えるのに十分な抗体グロブリンの少なくとも一部分を含む。「抗体」という語は、抗体を発現するために形質移入された宿主細胞から単離された抗体のような、組み換え方法によって調製、発現、作製または単離されるものを含むが、これらに限定されない。
抗体の例としては、上述のタンパク質および/または次に記される抗原を含むがそれらに限定はされないタンパク質のいずれか1つまたはその組み合わせを認識するものが含まれるが、それらに限定はされない:CD2、CD3、CD4、CD8、CD11a、CD14、CD18、CD20、CD22、CD23、CD25、CD33、CD40、CD44、CD52、CD80(B7.1)、CD86(B7.2)、CD147、IL-Ια、IL-Ιβ、IL-2、IL-3、IL-7、IL-4、IL-5、IL-8、IL-10、IL-2受容体、IL-4受容体、IL-6受容体、IL-13受容体、IL-18受容体サブユニット、FGL2、PDGF-βおよびその類似体(米国特許第5,272,064号および第5,149,792号参照)、VEGF、TGF、TGF-β2、TGF-β1、EGF受容体(米国特許第6,235,883号)VEGF受容体、肝細胞増殖因子、オステオプロテゲリンリガンド、インターフェロンガンマ、Bリンパ球刺激因子(BlyS、また、BAFF、THANK、TALL-1およびzTNF4としても知られる;DoおよびChen-Kiang(2002)、Cytokine Growth Factor Rev、13(1):19-25参照)C5補体、IgE、腫瘍抗原CA125、腫瘍抗原MUC1、PEM抗原、LCG(肺癌に関連して発現される遺伝子産物)、HER-2、HER-3、腫瘍関連糖タンパク質TAG-72、SK-1抗原、結腸および/または膵臓癌を伴う患者の血清中に高い濃度で存在する腫瘍関連エピトープ、乳房、結腸、扁平上皮細胞、前立腺、膵臓、肺および/もしくは腎臓癌細胞上および/または黒色腫、グリオーマもしくは神経芽細胞腫細胞上に発現される癌関連エピトープまたはタンパク質、腫瘍の壊死性コア、インテグリンアルファ4ベータ7、インテグリンVLA-4、B2インテグリン、TRAIL受容体1、2、3および4、RANK、RANKリガンド、TNF-a、接着分子VAP-1、上皮細胞接着分子(EpCAM)、細胞間接着分子-3(ICAM-3)、ロイコインテグリン接着、血小板糖タンパク質gp IIb/IIIa、心筋ミオシン重鎖、副甲状腺ホルモン、rNAPc2(第VIIa-組織因子の阻害物質)、MHC I、がん胎児性抗原(CEA)、アルファ-フェトプロテイン(AFP)、腫瘍壊死因子(TNF)、CTLA-4(細胞傷害性Tリンパ球関連抗原)、Fc-γ-1受容体、HLA-DR10ベータ、HLA-DR抗原、スクレロスチン、L-セレクチン、呼吸器合胞体ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、ミュータンス菌ならびに黄色ブドウ球菌。本発明の方法を使って生成することができる公知の抗体の具体的な例としては、アダリムマブ、ベバシズマブ、インフリキシマブ、アブシキマブ、アレムツズマブ、バピネオズマブ、バシリキシマブ、ベリムマブ、ブリアキヌマブ、カナキヌマブ、セルトリズマブペゴール、セツキシマブ、コナツムマブ、デノスマブ、エクリズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゴリムマブ、イブリツモマブチウキセタン、ラベツズマブ、マパツムマブ、マツズマブ、メポリズマブ、モタビズマブ、ムロモナブ-CD3、ナタリズマブ、ニモツズマブ、オファツムマブ、オマリズマブ、オレゴボマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、ペムツモマブ、ペルツズマブ、ラニビズマブ、リツキシマブ、ロベリズマブ、トシリズマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、ウステキヌマブ、ベドリズマブ、ザルツムマブおよびザノリムマブが含まれるが、これらに限定されない。
本発明は、たとえば、上述のタンパク質のいずれかを含む組み換え融合タンパク質を回収するためにも使用できる。たとえば、上述のタンパク質の1つとロイシンジッパー、多重コイル、免疫グロブリンのFc部分といった多量体化領域または実質的に類似したタンパク質を含む組み換え融合タンパク質は、本発明の方法を使って生成することができる。たとえば、国際公開第94/10308号;Lovejoyら(1993)、Science 259:1288-1293;Harburyら(1993)、Science 262:1401-05;Harburyら(1994)、Nature 371:80-83;Hakanssonら(1999)、Structure 7:255-64を参照されたい。具体的には、そのような組み換え融合タンパク質の中には、受容体の一部分がエタネルセプト(p75 TNFR:Fc)およびベラタセプト(CTLA4:Fc)といった抗体のFc部分に融合しているタンパク質が含まれる。
本発明の目的のために、細胞培養用培地は、インビトロ細胞培養内での、動物細胞、たとえば哺乳動物細胞の成長に適した培地である。細胞培養培地形成は、当該技術分野ではよく知られている。一般的に、細胞培養用培地は、緩衝剤、塩、炭水化物、アミノ酸、ビタミンまたは微量な基本的な要素から成る。細胞培養用培地は、血清、ペプトンおよび/またはタンパク質を含んでいてもよく、または、含んでいなくてもよい。無血清の規定された培地を含む様々な組織培養用培地は、市販されており、たとえば、次の細胞培養用培地のいずれか1つまたは組み合わせたものが使用できる:RPMI-1640培地、RPMI-1641培地、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)、最小必須培地イーグル、F-12K培地、ハムF12培地、イスコフ改変ダルベッコ培地、マッコイ5A培地、ライボビッツL-15培地および、なかでもEX-CELL(商標登録)300型(JRHバイオサイエンス社、カンザス州、レネックサ)といった無血清培地。培養される細胞および/または所望する細胞培養パラメータの必要条件によって、細胞培養用培地を、アミノ酸、塩、糖、ビタミン、ホルモン、成長因子、緩衝剤、抗生物質、脂質、微量要素などといった、追加のまたは濃度を上げた成分で補添してもよい。
細胞培養用培地は、無血清、無タンパク質および/または無ペプトンであってもよい。「無血清」は、ウシ胎児血清といった動物血清を含まない細胞培養用培地に適用する。「無タンパク質」は、トランスフェリン、タンパク質成長因子IGF-1またはインスリンといった、外因的に加えられたタンパク質を含まない細胞培養用培地に適用する。無タンパク質培地は、ペプトンを含んでいてもよく、または、含んでいなくてもよい。「無ペプトン」は、動物性および/または植物性タンパク質加水分解物といった外来タンパク質加水分解物を含まない細胞培養用培地に適用する。細胞培養ブロスまたは類似した用語は、とりわけ、生哺乳動物細胞および非生哺乳動物細胞、細胞代謝物質および核酸、タンパク質、リポソームといった細胞破片を含む細胞培養用培地を指す。
細胞培養または「培養」は、多細胞生物または組織外での、細胞の成長および増殖を意味する。好適な哺乳動物細胞の培養条件は、当該技術分野で公知である。たとえば、Animal cell culture:A Practical Approach、D.Rickwood編、オックスフォード大学出版局、ニューヨーク(1992)を参照されたい。哺乳動物細胞を浮遊状態で、または、固体基質に付着した状態で培養してよい。マイクロキャリアの有無に関わらず、かつ、バッチ、流加、連続、半連続または灌流様式で操作される流動層バイオリアクター、中空糸バイオリアクター、ローラーボトル、シェイクフラスコまたは撹拌タンク型バイオリアクターが、哺乳動物細胞培養に使用できる。
CHO細胞といった哺乳動物細胞は、たとえば100ml中といった小規模培養から、タンパク質治療剤の臨床および商業用製造のための、何千および何万mlの培養サイズを有するシステムのような大規模細胞培養で培養されてもよい。
細胞株(「宿主細胞」とも呼ばれる)は、商業的または科学的対象となるポリペプチドを発現するように遺伝子操作されている。細胞株は、一般的に、無制限の間培養物中で維持することができる初代培養から生じた系譜由来である。細胞株を遺伝子操作することは、細胞を組み換えポリヌクレオチド分子で形質移入、形質転換、または形質導入することに関連し、かつ/または別の方法で、宿主細胞が所望する組み換えポリペプチドを発現するように変質させる(たとえば、相同組み換えおよび遺伝子活性化または組み換え細胞と非組み換え細胞の融合によって)ことに関連する。対象とするポリペプチドを発現する細胞および/または細胞株を遺伝子操作するための方法またはベクターは、当業者にはよく知られている;たとえば、様々な技術が、Current Protocols in Molecular Biology、Ausubelら編、(ワイリー&サンズ社、ニューヨーク、1988および4半期改訂);Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(コールド・スプリング研究所出版局、1989);Kaufman、R.J.、Large Scale Mammalian Cell Culture、1990、pp.15-69で解説されている。
培養における成長に適した幅広い種類の哺乳動物細胞株が、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション社(バージニア州、マナサス)および商業販売会社から入手できる。本産業で通常使われる哺乳動物細胞株の例としては、VERO、BHK、HeLa、CV1(Cosを含む)、MDCK、293、3T3、骨髄腫細胞株(たとえば、NSO、NS1)、PC12、WI38細胞、およびチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞が含まれる。CHO細胞は、複合組み換えタンパク質、たとえば、サイトカイン、凝固因子および抗体の製造のために用いられる(Braselら(1996)、Blood 88:2004-2012;Kaufmanら(1988)、J.Biol Chem 263:6352-6362;McKinnonら(1991)、J Mol Endocrinol 6:231-239;Woodら(1990)、J.Immunol.145:3011-3016)。ジヒドロ葉酸リダクターゼ(DHFR)欠損変異細胞株(Urlaubら(1980)、Proc Natl Acad Sci USA 77:4216-4220)、DXB11およびDG-44が望ましいCHO宿主細胞株であり、なぜなら、効率的なDHFR選択可能および増殖可能遺伝子発現系は、これらの細胞内で高い組み換えタンパク質発現レベルを可能にするからである(Kaufman R.J.(1990)、Meth Enzymol 185:537-566)。さらに、これらの細胞は、付着培養物または浮遊培養物として操作しやすく、比較的に良好な遺伝的安定を示す。CHO細胞、およびそれらに組み換え発現するタンパク質は、規制当局によって、臨床用商業用製造における使用のために、広く特徴づけられ、かつ認可されている。
本明細書で使用される専門用語は、当該技術分野内では標準的であるが、特許請求の意味に明確性および確定性を保証するために、特定の語句の定義が本明細書では提供される。単位、接頭辞および記号は、SI認可の形式で表示され得る。本明細書で列挙される数値範囲は、その範囲を確定する数を含み、定義された範囲内の各整数を含み、かつ支持する。特に指示のない限り、「1つの(a)」または「1つの(an)」という語句は、「少なくとも1つの」という意味として解釈されるべきである。本明細書で使用されるセクションの見出しは、構成上の目的のためのみであり、記載される対象物を制限するものとして解釈されるものではない。本明細書で記載される方法および技術は、一般的に、当該技術分野でよく知られている従来の方法に従っており、特に指摘されない限り、本明細書全体を通して引用および記載される様々な一般的な参照およびさらに具体的な参照に記載される通りである。たとえば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第3版、コールド・スプリング・ハーバー研究所出版局、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク、(2001)およびAusubelら、Current Protocols in Molecular Biology、グリーン出版協会(Greene Publishing Associates)(1992)、ならびにHarlowおよびLane Antibodies:A Laboratory Manual コールド・スプリング・ハーバー研究所出版局、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク(1990)を参照されたい。特許、特許出願書類、記事、書籍および論文を含むがこれらに限定はされない、本明細書で引用される全ての文献または文献の一部が、参照によって、本明細書に明示的に組み込まれる。
本発明は、本明細書で記載される特定の実施形態によって、範囲が限定されることはなく、それらの実施形態は、本発明の個々の態様の1つの具体例として意図されており、かつ、機能的に同等である方法および構成要素は、本発明の範囲内である。実際に、本明細書で示され記載される変更に加え、本発明の様々な変更が、前述の説明および添付の図面から、当業者には明らかであろう。そのような変更は、別記特許請求の範囲に入ることを意図されている。
[実施例1]
この実験では、哺乳動物細胞培養ブロスを凝集化させるための、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDADMAC)の様々な分子量の製剤を比較し、それらの沈降時間を比較する。
組み換えモノクローナル抗体を発現するCHO細胞を、2,000Lのバイオリアクター内で、流化培養において15日間成長させた。試験前に細胞培養ブロスを10℃まで冷やした。一連のスピンフラスコをセットし、細胞培養ブロスが各フラスコに1Lである状態にした。PDADMACを20%(w/v)の液体(Sigma Aldrich、ミズーリ州、セントルイス)として供給し、これら全実験で使用される加工用原液を、精製水で10%(w/v)に希釈することで、調製した。分子量が100,000~200,000;200,000~350,000;および400,000~500,000であるPDADMACを各フラスコに加え、全細胞密度当り29~86pgの間のPDADMAC最終濃度にした。70~80rpmの速度で、10℃で撹拌しながら、PDADMAC溶液を約1分間持続して加え、15分間インキュベートした。凝集物を、周囲温度で沈降させた。この物質を、沈降時間決定のために使用した。
第2の流化培養物を、1,000Lの使い捨てリアクター内で、15日成長させた。細胞培養ブロスを約36℃に維持した。一連のスピンフラスコをセットし、細胞培養ブロスが各フラスコに1Lの状態にした。分子量が100,000未満、100,000~200,000;200,000~350,000;および400,000~500,000であるPDADMACを各フラスコに加え、全細胞密度当り25~76pgの間のPDADMAC最終濃度にした。70~80rpmの速度で、約36℃で撹拌しながら、PDADMAC溶液を約1分間持続して加え、15分間インキュベートした。凝集物を、周囲温度で沈降させた。この物質を、濁度決定のために使用した。
セデックスセルカウンターおよびアナライザー(Roche Innovatis AG、インディアナ州、インディアナポリス)を使用したトリパンブルー色素排除で測定される、生細胞の総数を全非生細胞に加えることで、全細胞密度を決定した。凝集化した溶液を次いで1Lのガラスメスシリンダーに移し、凝集化、圧縮沈降速度を決定した。90分中15分間隔で測定値をとり、相対凝集化体積を、沈降凝集物体積/全体積として算出した。
デカント、およびそれに続く0.2μ濾過器によって、上澄みを、沈降した凝集化細胞集団から取り出した。濁度を、2100P濁度計(Hach、コロラド州、ラブランド)を使って測定した。
図2Aおよび2Bは、200,000を超えるが500,000未満である平均分子量を有するPDADMACを伴う凝集化が、200,000未満の平均分子量を伴うPDADMACに比べ、最適沈降時間および清澄さにつながることを示している。
[実施例2]
この実験では、二倍体細胞のような小さな細胞株および四倍体細胞株のような大きな細胞株から、組み換え抗体を発現する哺乳動物細胞培養ブロスを凝集化するために必要なPDADMACの量を比較する。
二倍体および四倍体細胞株を、上述のように成長させた。一連のスピンフラスコをセットし、各二倍体および四倍体培養物からの細胞培養ブロスが各フラスコに1Lの状態にした。この実験および続く全ての実験において、特に明記されない限り、400,000~500,000の平均分子量を有するPDADMACを使用する。PDADMACを各フラスコに加え、表2に示される通りの最終濃度にした。全細胞密度を上述の通り決定した。
Figure 2023099117000001
PDADMAC溶液を、上述の通り、持続して加え、撹拌した。凝集物を、周囲温度で沈降させた。
凝集化した溶液を次いで1Lのガラスメスシリンダーに移し、凝集化、圧縮沈降速度を決定した。90分~120分中15分間隔で測定値をとり、相対凝集化体積を、上述の通り算出した。
図3Aは、全細胞当り25pgの濃度であるPDADMACとの凝集化がもっとも速い沈降時間を有したことを示す。
図3Bは、全細胞当り57pgの濃度であるPDADMACとの凝集化がもっとも速い沈降時間を有したことを示す。
[実施例3]
この実験では、高いラクテート濃度を生じる、かつ/または、高い細胞密度を有する細胞培養のためのPDADMAC凝集化の影響を見る。
組み換えモノクローナル抗体を発現するCHO細胞を、1,000Lの使い捨てバイオリアクター内で、14日間成長させた。細胞培養ブロスは、周囲温度であった。4つのスピンフラスコをセットし、細胞培養ブロスが各フラスコに1Lである状態にした。PDADMACを加える前に、各フラスコに3g/L、6g/Lまたは9g/LのいずれかのNa DL-ラクテートを60%(w/w)で(Sigma Aldrich、ミズーリ州、セントルイス)加え、または、対照としてラクテートを加えなかった。PDADMACを次いで各フラスコに加え、全細胞密度当り25pgの最終濃度にした(上述の通り、PDADMAC原液)。全細胞密度を上述の通り決定した。
PDADMACを、上述の通り、周囲温度で持続して加え撹拌した。次に、凝集物を周囲温度で沈降させた。
凝集化した溶液を次いで1Lのガラスメスシリンダーに移し、凝集化、圧縮沈降速度を決定した。1500分中様々な間隔で測定値をとり、相対凝集化体積を、上述の通り算出した。
CHO細胞培養物の第2バッチを、1,000Lの使い捨てリアクター内で、灌流培養で20日成長させた。細胞ブロスを周囲温度まで下げた。PDADMACの添加前に、細胞ブロスを、細胞培養用培地で25%、50%、75%に希釈した。44%の圧縮細胞体積である細胞ブロスは、PDADMAC添加前に希釈しなかった。PDADMACの最終濃度は、全細胞密度当り25~26pgであった。上述の通り、周囲温度で撹拌および沈降しながら、PDADMAC添加速度は、約1分であった。
凝集化した溶液を次いで1Lのガラスメスシリンダーに移し、凝集化、圧縮沈降速度を決定した。1400分中様々な間隔で測定値をとり、相対凝集化体積を、上述の通り算出した。
図4Aおよび4Bは、沈降速度が、高いラクテート濃度(2~3g/Lを超える)を有し、かつ/またはバイオマスの高い細胞密度(10%を超える圧縮細胞体積)を生成する細胞培養方法では、有意に低下することを示す。
[実施例4]
この実験では、PDADMACと組み合わせて使用された様々な希釈剤の沈降時間を比較する。
組み換えモノクローナル抗体を発現するCHO細胞を、1,000Lの使い捨てバイオリアクター内で、灌流培養で18日間成長させた。16日目の細胞ブロスを36℃で、試験のために供給し、凝集化の前に、2.5時間周囲温度まで冷やした。添加と沈降は、周囲環境で行われた。PDADMAC添加前に、細胞ブロスを様々な希釈剤で67%まで希釈した。ラクテート濃度は、5g/Lであった。PDADMAC添加速度は、75~85rpmの速度で15分間のインキュベーション期間で、約1分であった。PDADMAC原液は、最初の20(w/v)の原液と精製水から取り、10%(w/v)であった。PDADMACの最終濃度は、全細胞密度当り25pgであった。凝集物を、周囲温度で沈降させた。
一連の希釈剤が調製された;その濃度を表3に示す。
Figure 2023099117000002
凝集化した溶液を次いで1Lのガラスメスシリンダーに移し、凝集化、圧縮沈降速度を決定した。1600分中様々な間隔で測定値をとり、相対凝集化体積を上述の通りに算出した。
図5に示される通り、PDADMACおよびPEG6,000の組み合わせがもっとも速い沈降時間を有する。PDADMACと、PEG6,000、PEG1,000またはデキストラン70/ベタインの組み合わせは、PDADMAC単独に比べ、向上した沈降速度を有した。非イオン性ポリマーの添加は、凝集物沈降速度を有意に増加させた。PDADMACと、PEGまたはデキストランのいずれかの組み合わせも、培養内のラクテート濃度に依存することなく、PDADMAC単独と比べて沈降時間を減少させた。
[実施例5]
この実験では、高い細胞密度を有する細胞培養のための沈降速度に対する、PDADMACおよびPEG3,000の組み合わせの影響を見る。
組み換えモノクローナル抗体を発現するCHO細胞を、80Lのバイオリアクター内で、灌流培養で20日間成長させた。試験前に細胞培養ブロスを周囲温度まで冷やした。PDADMAC添加前に、細胞ブロスを36%(w/v)スクロースまたは25%(w/v)PEG3,000(双方とも精製水中)で10%まで希釈した。最終細胞ブロススクロース濃度は、3.6%(w/v)であり、最終PEG3,000濃度は2.5%(w/v)であった。PDADMAC添加速度は、75~85rpmの速度で15分間のインキュベーション期間で、約1分であった。PDADMAC原液は、最初の20(w/v)の原液と精製水から取り、10%(w/v)であった。PDADMACの最終濃度は、PEG3,000では全細胞密度当り22pg、スクロースおよび対照すなわち希釈していない細胞ブロスでは全細胞密度当り25pgであった。対照すなわち希釈されていない細胞ブロスPCVは、48%であった。希釈された細胞ブロスのPCV=(対照PCV×希釈係数)=43.2%であった。
凝集化した溶液を次いで1Lのガラスメスシリンダーに移し、凝集化、圧縮沈降速度を決定した。240分中様々な間隔で測定値をとり、相対凝集化体積を上述の通りに算出した。
表6に示される通り、PDADMACおよびPEG3,000の組み合わせは、PDADMAC単独よりもさらに速い沈降速度につながった。実施例3で見られるように、PDADMAC単独の沈降速度は、細胞密度の増加とともに、有意に低下した。PEG3,000とPDADMACの組み合わせは、細胞培養方法の密度(この場合43%の圧縮細胞体積)に依存することなく、PDADMAC単独の沈降時間と比較して、凝集物沈降時間を減少させた。
[実施例6]
この実験では、沈降速度に対する、PDADMACとのPEG添加のタイミングの影響を見る。
組み換えモノクローナル抗体を発現するCHO細胞を、80Lのバイオリアクター内で、19日間の灌流培養方法で成長させた。細胞培養ブロスを21℃まで冷やした。3つのスピンフラスコをセットし、細胞培養ブロスが各フラスコに1Lである状態にした。1つのフラスコに、PDADMACを全細胞密度当り45pgの濃度で(分子量400,000~500,000)添加した。別のフラスコには、全細胞密度当り45pgのPDADMACおよびPEG3,000、15%(w/v)を、ボーラス添加として加えた(1段階法)。3つ目のフラスコには、PDADMACを全細胞密度当り45pgの濃度で加え、かつ、PDADMAC添加に続いて、最終濃度15%(w/v)であるPEG3,000を加えた(2段階法)。PDADMAC添加速度は約1分であった。PDADMAC/PEG添加速度は、約5分であった。全ての添加は、周囲温度でなされた。全フラスコを、75~85rpmで15分間インキュベートした。凝集物を周囲温度で沈降させた。
凝集化した溶液を次いで1Lのガラスメスシリンダーに移し、凝集化、圧縮沈降速度を決定した。240分中様々な間隔で測定値をとり、相対凝集化体積を上述の通りに算出した。
図7で示される通り、同時または順次のいずれで添加したPDADMACおよびPEG3,000の組み合わせも、PDADMAC単独の沈降時間と比較して、凝集物沈降時間を減少させた。
大規模培養物を次に調製した。組み換えモノクローナル抗体を発現するCHO細胞を、80Lのバイオリアクター内で、19日間、灌流培養で成長させた。細胞培養ブロスを21℃まで冷やした。全細胞密度当り45pg濃度であるPDADMACおよび最終濃度15%(w/v)であるPEG3,000を周囲温度で同時に加え、添加速度は21分であり、続いて100rpmで5分間インキュベートした。凝集物を周囲温度で沈降させた。
一度凝集物が沈降すると(第1沈降)、清澄化された上澄みを、バイオリアクターから液体をポンピングし、続いて、珪藻土を含むデプスフィルター、および次いで0.2μに切り取られた膜フィルターを通した濾過によって、回収した。
凝集物を同じ体積の9%スクロース溶液内で洗浄して全ての残渣組み換えタンパク質を取り除き、16時間沈降させた。一度凝集物が沈降すると(第2沈降)清澄化された第2の上澄みを上述の通りに回収した。
上記の凝集化(小規模および大規模)から、清澄化され、回収された細胞培養の上澄みを、プロテインAクロマトグラフィーを使って精製し、次いで生成物の品質決定を行った。プロテインA溶出物は、生成物の品質測定前に中和していなかった。測定されたプロテインA溶出生成物品質属性は、SECで計測された分子変異体であり、ELISAで測定された宿主細胞タンパク質であった。
プロテインA精製物質を、次いで、pH7.5でCEXカラム上を通過させた。
Figure 2023099117000003
生成物の品質は、双方の規模で、対照と第1凝集化回収の間で類似している。PDADMAC/PEG第1回収は、プロテインAプールにおいて低いHMW濃度によって反映される、より高い次数の凝集体を取り除く傾向にある。PDADMAC/PEG回収で、宿主細胞タンパク質濃度における減少が観察された。スクロースとの再懸濁は、第1のPDADMAC/PEG回収と比較すると、わずかに高いCHOPおよびHMW濃度につながり、これら不純物の再可溶化だと考えられる。
[実施例7]
この実験では、PDADMACおよびPEGと一緒に界面活性剤を加えることによる、沈降時間への影響を見る。
組み換えモノクローナル抗体を発現するCHO細胞を、80Lのバイオリアクター内で、灌流培養で15日間成長させた。14日目の細胞ブロスを試験のために30℃まで冷やした。2つのスピンフラスコをセットし、細胞培養ブロスが各フラスコに1Lである状態にした。1つのフラスコには、PDADMACおよびPEG3,000を同時に加え、PDADMACは全細胞密度当り25pgの濃度(分子量400,000~500,000)で、PEG3,000は最終濃度3%(w/v)で加えた。もう1つのフラスコには、上記の濃度のPDADMACおよびPEGに加え、トリトンX-100を、最終濃度0.05%(v/v)で加えた。(トリトンX-100原液は、最初の20%(v/v)原液からで、10%(v/v)であった、Sigma Aldrich、ミズーリ州、セントルイス。)この3つの成分が、同時に加えられた。75~85prmで15分間インキュベートし、添加速度は、約1分であった。フラスコを全て、前述の実施例で記載された通り回転させた。凝集物を周囲温度で沈降させた。
凝集化した溶液を次いで1Lのガラスメスシリンダーに移し、凝集化、圧縮沈降速度を決定した。240分中様々な間隔で測定値をとり、相対凝集化体積を上述の通りに算出した。
図8で示されるように、PDADMACおよびPEG3,000と一緒にトリトンX-100を添加すると、PDADMACおよびPEG3,000だけの時と比較して、凝集物沈降時間が減少した。

Claims (33)

  1. 哺乳動物細胞培養回収方法であり、
    組み換えタンパク質を発現する哺乳動物細胞を、所定の時間、または、所望する細胞密度および/または圧縮細胞体積が達成されるまで、細胞培養用培地で培養すること、
    カチオン性ポリマーおよび非イオン性ポリマーを前記細胞培養用培地に加えて凝集化を開始させること、
    前記細胞培養用培地を凝集化の間混ぜること、
    凝集物を沈降させること、および
    清澄化された上澄みを回収すること
    を含む、方法。
  2. カチオン性ポリマーが、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドである、請求項1に記載の哺乳動物細胞培養回収方法。
  3. 非イオン性ポリマーがポリエチレングリコールおよびデキストランから選択される、請求項1に記載の哺乳動物細胞培養回収方法。
  4. 非イオン性ポリマーが、PEG3,000およびPEG6,000から選択される、請求項1に記載の哺乳動物細胞培養回収方法。
  5. 非イオン性界面活性剤を細胞培養用培地に加えることをさらに含む、請求項1に記載の哺乳動物細胞培養回収方法。
  6. 非イオン性界面活性剤が、トリトンX-100である、請求項5に記載の哺乳動物細胞培養回収方法。
  7. 哺乳動物細胞培養回収方法であり、
    組み換えタンパク質を発現する哺乳動物細胞を、所定の時間、または、所望する細胞密度および/または圧縮細胞体積が達成されるまで、細胞培養用培地で培養すること、
    ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドおよびPEG3,000を前記細胞培養用培地に加えて凝集化を開始させること、
    前記細胞培養用培地を凝集化の間混ぜること、
    凝集物を沈降させること、および
    清澄化された上澄みを回収することを含む、方法。
  8. 哺乳動物細胞培養回収方法であり、
    組み換えタンパク質を発現する哺乳動物細胞を、所定の時間、または、所望する細胞密度および/または圧縮細胞体積が達成されるまで、細胞培養用培地で培養すること、
    ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、PEG3,000およびトリトンX-100を前記細胞培養用培地に加えて凝集化を開始させること、
    前記細胞培養用培地を凝集化の間まぜること、
    凝集物を沈降させること、および
    清澄化された上澄みを回収することを含む、方法。
  9. 哺乳動物細胞培養回収方法であり、
    組み換えタンパク質を発現する哺乳動物細胞を、所定の時間、または、所望する細胞密度および/または圧縮細胞体積が達成されるまで、細胞培養用培地で培養すること、
    カチオン性ポリマーおよび非イオン性ポリマーを前記細胞培養用培地に加えて凝集化を開始させること、
    前記細胞培養用培地を凝集化の間混ぜること、
    凝集物を第1沈降のために沈降させること、
    第1の清澄化された上澄みを回収すること、
    第1の沈降凝集物を洗浄すること、
    洗浄した凝集物を第2沈降のために沈降させること、および
    第2の清澄化された上澄みを回収することを含む、方法。
  10. 哺乳動物細胞培養回収方法であり、
    組み換えタンパク質を発現する哺乳動物細胞を、所定の時間、または、所望する細胞密度および/または圧縮細胞体積が達成されるまで、細胞培養用培地で培養すること、
    カチオン性ポリマーおよび非イオン性ポリマーを前記細胞培養用培地に加えて凝集化を開始させること、
    前記細胞培養用培地を凝集化の間混ぜること、
    凝集物を第1沈降のために沈降させること、
    第1の清澄化された上澄みを回収すること、
    第1の清澄化された上澄みにおける生成物回収が80%未満である場合に、第1の沈降凝集物を洗浄すること、
    洗浄した凝集物を第2沈降のために沈降させること、および
    第2の清澄化された上澄みを回収することを含む、方法。
  11. カチオン性ポリマーが、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドである、請求項9または10に記載の哺乳動物細胞培養回収方法。
  12. 非イオン性ポリマーがポリエチレングリコールおよびデキストランから選択される、請求項9または10に記載の哺乳動物細胞培養回収方法。
  13. 非イオン性ポリマーが、PEG3,000およびPEG6,000から選択される、請求項9または10に記載の哺乳動物細胞培養回収方法。
  14. 非イオン性界面活性剤を細胞培養用培地に加えることをさらに含む、請求項9または10に記載の哺乳動物細胞培養回収方法。
  15. 非イオン性界面活性剤が、トリトンX-100である、請求項14に記載の哺乳動物細胞培養回収方法。
  16. 哺乳動物細胞培養回収方法であり、
    組み換えタンパク質を発現する哺乳動物細胞を、所定の時間、または、所望する細胞密度および/または圧縮細胞体積が達成されるまで、細胞培養用培地で培養すること、
    ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドおよびPEG3,000を前記細胞培養用培地に加えて凝集化を開始させること、
    前記細胞培養用培地を凝集化の間混ぜること、
    凝集物を第1沈降のために沈降させること、
    第1の清澄化された上澄みを回収すること、
    第1の沈降凝集物を洗浄すること、
    洗浄した凝集物を第2沈降のために沈降させること、および
    第2の清澄化された上澄みを回収することを含む、方法。
  17. 哺乳動物細胞培養回収方法であり、
    組み換えタンパク質を発現する哺乳動物細胞を、所定の時間、または、所望する細胞密度および/または圧縮細胞体積が達成されるまで、細胞培養用培地で培養すること、
    ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、PEG3,000およびトリトンX-100を前記細胞培養用培地に加えて凝集化を開始させること、
    前記細胞培養用培地を凝集化の間混ぜること、
    凝集物を第1沈降のために沈降させること、
    第1の清澄化された上澄みを回収すること、
    第1の沈降凝集物を洗浄すること、
    洗浄した凝集物を第2沈降のために沈降させること、および
    第2の清澄化された上澄みを回収することを含む、方法。
  18. カチオン性ポリマーおよび非イオン性ポリマーを同時に加える、請求項1から17のいずれかに記載の方法。
  19. カチオン性ポリマーを先ず加え、少なくとも30秒間混ぜた後に、非イオン性ポリマーを加える、請求項1から18のいずれかに記載の方法。
  20. カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマーおよび非イオン性界面活性剤を同時に加える、請求項1から19のいずれかに記載の方法。
  21. カチオン性ポリマーを先ず加え、少なくとも30秒間混ぜた後に、非イオン性ポリマーおよび非イオン性界面活性剤を加える、請求項1から20のいずれかに記載の方法。
  22. カチオン性ポリマーが、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミドまたはキトサンのポリマーである、請求項1から21のいずれかに記載の方法。
  23. 非イオン性ポリマーが、ポリエチレングリコールまたはデキストランである、請求項1から22のいずれかに記載の方法。
  24. 非イオン性界面活性剤が、サポインまたはトリトンX100である、請求項1から23のいずれかに記載の方法。
  25. ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドを、全細胞密度当り20または約20から90または約90pgの濃度で加える、請求項1から24のいずれかに記載の方法。
  26. ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドを、全細胞密度当り25または約25pgの濃度で加え、哺乳動物細胞は二倍体細胞株に由来する、請求項1から25のいずれかに記載の方法。
  27. ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドを、全細胞密度当り43pgから全細胞密度当り57pgの間で加え、哺乳動物細胞は四倍体細胞株に由来する、請求項1から26のいずれかに記載の方法。
  28. PEG3,000の濃度が、3または約3%から4.5または約4.5%である、請求項1から27のいずれかに記載の方法。
  29. PEG6,000の濃度が、2.5または約2.5%から3.5%または約3.5%である、請求項1から28のいずれかに記載の方法。
  30. トリトンX100の濃度が、0.05%(w/v)である、請求項1から29のいずれかに記載の方法。
  31. 哺乳動物細胞培養ブロスが36℃から20℃の間である、請求項1から30のいずれかに記載の方法。
  32. 哺乳動物細胞培養ブロスが20℃であるかまたは20℃を超える、請求項1から31のいずれかに記載の方法。
  33. 第1沈降からの凝集物を、9%スクロース溶液中で洗浄する、請求項1から32のいずれかに記載の方法。
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