JP2023097502A - モデルデータ作成プログラムおよび解析システム - Google Patents
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Abstract
【課題】溶接等の接合時における変形の解析に係る演算負荷を従来技術に比べて抑制し、かつ汎用性が高い解析を実現する。【解決手段】構造体の線形座標図データに基づいて、構造体を構成する単位部材1の形状を近似して所定の等間隔メッシュからなるモデルデータを作成するモデルデータ作成機能を、演算装置に実行させる。【選択図】図1
Description
本発明は、橋梁などの構造体を構成する単位部材のモデルデータを作成するモデルデータ作成プログラム、および、単位部材を接合する際に生じる部材の変形を予測する解析システム、に関する。
橋梁などの構造体は、複数の単位部材を組み合わせて構築されることが一般的である。ここで使用される単位部材は、鋼材などの金属部材、FRPなどの樹脂部材、両者を複合した複合部材、などの部品を、溶接、ボルト締め、接着、リベット、嵌合などの方法によって接合して製造される。このように、複数の部品を接合して構造体を製造する場合、各接合個所において変形が生じることが多く、たとえば、溶接では溶接時の熱に起因する変形を考慮して設計する必要がある。この必要性に鑑みて、溶接などの接合時の変形を予測するプログラムなどが種々提案されている。なお、ここで対象とする構造体としては、上記に例示した橋梁との他に、建造物(特に床や屋根など)、塔、車両、船舶などが例示される。
たとえば、特開2014-160008号公報(特許文献1)には、複数の板状部材を溶接してなる構造体の溶接変形を、有限要素法を用いた解析(FEM解析)によって計算する溶接変形の計算システムおよび計算プログラムが開示されている。特許文献1の発明によれば、構造体の溶接変形を精度良く計算することができる。また、特開2013-217822号公報(特許文献2)には、材料の相変態現象が固有ひずみに及ぼす影響に着目し、材料条件や溶接条件に依存して変化する固有ひずみを簡易に導いて、溶接構造物の溶接変形および残留応力を解析する技術が開示されている。
特許文献1のような有限要素法を用いる解析では、解析精度と演算負荷とのトレードオフが課題であった。すなわち、解析精度を高めるべく解析対象の構造体のモデルデータのメッシュサイズを小さくすると、演算負荷が大きくなり、解析結果を得るまでに要する時間が非常に長くなる場合があった。
一方、特許文献2のような固有ひずみ法を用いる解析では、固有ひずみのデータベースをあらかじめ用意する必要があること、および、当該データベースを用いた線形解析が可能な範囲でのみ解析が可能であること、が課題であった。すなわち、汎用性の面で改善の余地があった。
そこで、溶接等の接合時における変形の解析に係るモデル作成負荷を従来技術に比べて抑制し、かつ汎用性が高い解析を実現しうるモデルデータ作成プログラムおよび解析システムが望まれる。
本発明に係るモデルデータ作成プログラムは、構造体の線形座標図データに基づいて、前記構造体を構成する単位部材の形状を近似して所定の等間隔メッシュからなるモデルデータを作成するモデルデータ作成機能を、演算装置に実行させることを特徴とする。
また、本発明に係る解析システムは、演算装置と記憶装置とを備え、構造体を構成する単位部材を接合する際に生じる部材の変形を予測する解析システムであって、前記演算装置が、前記構造体の線形座標図データに基づいて、前記単位部材のモデルデータを作成するモデルデータ作成プログラム、および、前記モデルデータと、前記単位部材を製造する際の接合条件と、に基づいて、当該接合時における前記単位部材の固有変形を予測する固有変形予測プログラムを実行可能であり、前記モデルデータ作成プログラムは、前記線形座標図データに基づいて、前記単位部材の形状を所定の等間隔メッシュで近似したモデルデータを作成するモデルデータ作成機能を、前記演算装置に実行させ、前記固有変形予測プログラムは、前記接合条件を指定するための入力操作を受け付ける接合条件指定機能、および、前記モデルデータと前記接合条件とに基づく固有変形解析を行う固有変形解析機能、を前記演算装置に実行させることを特徴とする。
これらの構成によれば、構造体を構成する単位部材の形状を所定の等間隔メッシュで近似するので、モデルデータが単純になりうる。また、当該モデルデータを用いた固有変形予測を行う際の演算処理負荷が、従来のモデルデータを用いた場合に比べて小さくなりうる。これらのことから、接合変形の解析に係る演算負荷を従来技術に比べて抑制し、かつ汎用性が高い解析を実現しうる。
なお、単位部材の各部寸法は必ずしも指定されたメッシュサイズの整数倍ではない。また、単位部材がH型鋼、I型鋼、C型鋼、L型鋼などの鋼材である場合は、補剛材が設けられることが一般的であるが、当該補剛材の位置も、指定されたメッシュサイズの整数倍で表される位置であるとは限らない。これらの事情から、単位部材の形状を所定の等間隔メッシュで近似したモデルデータでは、単位部材の寸法や補剛材の位置などが現実の構造体と異なる場合がある。しかし本発明者らは、単位部材について等間隔メッシュに当てはめて作成されたモデルデータが、現実の単位部材の構造と乖離するにもかかわらず、実用上十分な精度の解析に供しうるものであることを見出した。これは、単位部材に使用される板材状の部品において、幅および長さに対して厚さが相当に小さいという形状の特殊性が存在することに起因する。
以下、本発明の好適な態様について説明する。ただし、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定されるわけではない。
本発明に係るモデルデータ作成プログラムは、一態様として、前記等間隔メッシュのメッシュサイズを指定するための入力操作を受け付けるメッシュサイズ指定機能を、前記演算装置にさらに実行させ、前記モデルデータ作成機能において、前記メッシュサイズ指定機能の実行時に指定されたメッシュサイズの等間隔メッシュで近似した前記モデルデータを作成することが好ましい。
この構成によれば、モデルデータを任意のメッシュサイズで作成できるので、解析精度と演算負荷とのバランスを調整しやすい。
本発明に係るモデルデータ作成プログラムは、一態様として、前記単位部材の属性データを読み込む属性データ読込機能を、前記演算装置にさらに実行させ、前記モデルデータ作成機能において、前記線形座標図データと前記属性データとに基づいて前記モデルデータを作成することが好ましい。
この構成によれば、モデルデータ作成機能において、任意の属性データを容易に反映できる。
本発明に係るモデルデータ作成プログラムは、一態様として、前記モデルデータが、シェルモデルとして作成され、前記属性データが、前記単位部材を構成する板材の厚さを特定する情報を含むことが好ましい。
この構成によれば、モデルデータの情報量を抑制できるので、当該モデルデータを用いる解析に要する演算処理量を大幅に低減できる。また、前記単位部材が入力または演算に手間がかかる形状であっても、複数の前記単位部材のモデルデータを一括して作成できる。
本発明に係るモデルデータ作成プログラムは、一態様として、前記単位部材が、補剛材を含み、前記補剛材の位置を指定する補剛材データを読み込む補剛材データ読込機能を、前記演算装置にさらに実行させ、前記モデルデータ作成機能において、前記単位部材の前記補剛材を除く部分を対象として等間隔メッシュからなる中間モデルデータを作成する中間モデルデータ作成ステップと、前記補剛材データに基づいて前記中間モデルデータ上に前記補剛材を配置する補剛材配置ステップと、前記中間モデルデータにおける前記補剛材の位置を前記等間隔メッシュに合わせて調整する補剛材調整ステップと、を経て前記モデルデータを作成することが好ましい。
この構成によれば、モデルデータ作成機能において、任意の補剛材データを容易に反映できる。また、補剛材の位置を等間隔メッシュに合わせて調整することで、この構成によれば、モデルデータを作成する時間を低減できる。
本発明に係るモデルデータ作成プログラムは、一態様として、前記構造体が橋梁であり、前記単位部材が鈑桁であることが好ましい。
この構成によれば、橋梁を構成する鈑桁のモデルデータを容易に作成できる。
本発明に係る解析システムは、一態様として、前記記憶装置が、前記モデルデータにおけるウェブの厚さおよびフランジの厚さ、ならびに前記接合条件、の複数の所定の組合せに対して熱弾塑性解析を行った結果の群を、データベースとしてあらかじめ格納しており、前記固有変形解析機能において、前記データベースに含まれる複数の熱弾塑性解析の結果に基づいて、解析対象の前記モデルデータと前記接合条件との組合せに対して固有変形解析を行った結果が出力されることが好ましい。
この構成によれば、既存の固有変形解析の結果を利用して、比較的簡単な演算処理による目的の固有変形解析を行うので、演算処理量を低減しうる。
本発明に係る解析システムは、一態様として、前記固有変形予測プログラムが、前記固有変形解析機能による前記固有変形解析の結果を前記記憶装置に格納する解析結果格納機能を、前記演算装置にさらに実行させ、前記固有変形解析機能において、前記記憶装置に格納されている過去の前記固有変形解析の結果を利用することが好ましい。
この構成によれば、演算処理量をさらに低減しうる。
本発明に係る解析システムは、一態様として、前記単位部材が、補剛材を含み、前記モデルデータ作成プログラムが、前記補剛材の位置を指定する補剛材データを読み込む補剛材データ読込機能を、前記演算装置にさらに実行させ、前記モデルデータ作成機能において、前記線形座標図データと前記補剛材データとに基づいて前記モデルデータを作成し、前記固有変形予測プログラムが、前記固有変形解析の結果に基づいて前記補剛材を接合する順序を最適化する接合順序最適化機能を、前記演算装置にさらに実行させることが好ましい。
この構成によれば、所望の単位部材を製造するための好ましい接合順序を、容易に知ることができる。
本発明に係る解析システムは、一態様として、前記構造体が橋梁であり、前記単位部材が鈑桁であることが好ましい。
この構成によれば、橋梁を構成する鈑桁を接合する際に生じる部材の変形を予測できる。
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
本発明に係るモデルデータ作成プログラムおよび解析システムの実施形態について、図面を参照して説明する。以下では、本発明に係るモデルデータ作成プログラムおよび解析システムを、桁橋(構造体の例であり、橋梁の例である。)を構成するI桁1(単位部材の例であり、鈑桁の例である。)についてのモデルデータ作成、および、当該モデルデータを使用する解析システムに適用した例について説明する。
〔I桁の構成〕
まず、本実施形態に係るモデルデータ作成プログラムおよび解析システムの適用対象とするI桁1の構成について説明する。I桁1は、ウェブ2と、ウェブ2の両端に溶接された二つのフランジ3(上フランジ3A、下フランジ3B)と、を備える(図1)。また、ウェブ2の面には、補剛材4(垂直補剛材4A、水平補剛材4B)が溶接されている。
まず、本実施形態に係るモデルデータ作成プログラムおよび解析システムの適用対象とするI桁1の構成について説明する。I桁1は、ウェブ2と、ウェブ2の両端に溶接された二つのフランジ3(上フランジ3A、下フランジ3B)と、を備える(図1)。また、ウェブ2の面には、補剛材4(垂直補剛材4A、水平補剛材4B)が溶接されている。
ウェブ2、フランジ3、および補剛材4の寸法や材質などの諸条件は、桁橋の設計に応じて適宜設定される。以下は一例であるが、ウェブ2は、SM490、SM570、及びSMA490などの材質で構成された、厚さ9~36mm、幅1.5~3.5m、長さ6~12mの板材に適用することができ、これに限られない。フランジ3は、SM490、SM570、及びSMA490などの材質で構成された、厚さ12~50mm、幅0.5~1.2m、長さ6~12mの板材でありうる。なお、上フランジ3Aと下フランジ3Bとの寸法および材質は、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。補剛材4は、SM490、SM570、及びSMA490などの材質で構成された、厚さ12~36mm、幅0.1~0.6m、長さ1~3.5mの板材に適用することができ、これに限られない。
〔I桁の製造方法〕
次に、上記のI桁1を製造する方法について説明する。本実施形態に係る解析システムは、I桁1の各構成部材(ウェブ2、フランジ3、および補剛材4)を溶接してI桁1を製造する際に、各溶接箇所を溶接するときに生じる部材の変形を予測するものである。また、本実施形態に係るモデルデータ作成プログラムは、解析システムを用いて変形を予測する際に使用する、I桁1をモデル化したモデルデータを作成できるものである。
次に、上記のI桁1を製造する方法について説明する。本実施形態に係る解析システムは、I桁1の各構成部材(ウェブ2、フランジ3、および補剛材4)を溶接してI桁1を製造する際に、各溶接箇所を溶接するときに生じる部材の変形を予測するものである。また、本実施形態に係るモデルデータ作成プログラムは、解析システムを用いて変形を予測する際に使用する、I桁1をモデル化したモデルデータを作成できるものである。
第一に、一方のフランジ3(上フランジ3Aまたは下フランジ3Bである。図2では上フランジ3Aの場合を例示している。)に対して、ウェブ2を突き合わせて、突き合わせ箇所5を溶接する(図2)。この工程において、突き合わせ箇所5の溶接は、たとえば、CO2溶接による組立溶接の後にタンデムサブマージアーク溶接を行う手順で実施される。
第二に、他方のフランジ3(下フランジ3Bまたは上フランジ3Aである。図3では下フランジ3Bの場合を例示している。)に対して、片側にフランジ3(上フランジ3Aまたは下フランジ3B)が溶接された状態のウェブ2を突き合わせて、突き合わせ箇所6を溶接する(図3)。この工程においても、突き合わせ箇所6の溶接は、たとえば、CO2溶接による組立溶接の後にタンデムサブマージアーク溶接を行う手順で実施される。
第三に、ウェブ2の面に補剛材4を突き合わせて、突き合わせ箇所7を溶接する(図4)。図4では、説明のため、垂直補剛材4Aおよび水平補剛材4Bを一つずつ示している。垂直補剛材4Aを溶接する際は、ウェブ2に対する突き合わせ箇所7Aに加えて、フランジ3に対する突き合わせ箇所7Bも溶接される場合がある。垂直補剛材4Aのフランジ3に対する溶接を行う場合は、上下両側のフランジ3に対して溶接してもよいし、片側のフランジ3にのみ溶接してもよい。図4では、垂直補剛材4Aを上フランジ3Aにのみ溶接する例を示している。なお、水平補剛材4Bを溶接する際は、ウェブ2に対する突き合わせ箇所7Cが溶接される。この工程において、突き合わせ箇所7の溶接は、たとえば、CO2溶接による組立溶接の後にロボット溶接や半自動溶接などを行う手順で実施される。I桁1が複数の補剛材4を有する場合、複数の補剛材4を溶接する順序は任意であり、適宜設定される。
上記の各工程に溶接において、タンデムサブマージアーク溶接が採用される場合の脚長(不図示)は、たとえば5~10mmでありうる。また、ロボット溶接が採用される場合の脚長は、たとえば6~7mmでありうる。そして、半自動溶接が採用される場合の脚長は、たとえば5~10mmでありうる。
〔解析システムの構成〕
本実施形態に係る解析システムは、CPUなどの演算装置と、ハードディスクドライブなどの記憶装置と、ディスプレイなどの出力装置と、キーボードやマウスなどの入力装置と、を備える一般的なコンピュータとして実装されうる。当該コンピュータには、モデルデータ作成プログラムおよび固有変形予測プログラムがインストールされており、解析システムは、これらのプログラムの動作により橋梁の鈑桁を溶接する際に生じる部材の変形を予測するシステムである。
本実施形態に係る解析システムは、CPUなどの演算装置と、ハードディスクドライブなどの記憶装置と、ディスプレイなどの出力装置と、キーボードやマウスなどの入力装置と、を備える一般的なコンピュータとして実装されうる。当該コンピュータには、モデルデータ作成プログラムおよび固有変形予測プログラムがインストールされており、解析システムは、これらのプログラムの動作により橋梁の鈑桁を溶接する際に生じる部材の変形を予測するシステムである。
(1)モデルデータ作成プログラムの構成
本実施形態に係るモデルデータ作成プログラムは、主たる機能として、モデルデータを作成するモデルデータ作成機能を演算装置に実行させるプログラムである。また、モデルデータ作成機能において使用する演算条件を指定するための機能として、メッシュサイズ指定機能、桁属性読込機能、および補剛材データ読込機能、を演算装置に実行させる。
本実施形態に係るモデルデータ作成プログラムは、主たる機能として、モデルデータを作成するモデルデータ作成機能を演算装置に実行させるプログラムである。また、モデルデータ作成機能において使用する演算条件を指定するための機能として、メッシュサイズ指定機能、桁属性読込機能、および補剛材データ読込機能、を演算装置に実行させる。
(1a)モデルデータ作成機能
モデルデータ作成機能は、橋梁の線形座標図データに基づいてI桁1の形状を所定の等間隔メッシュで近似したモデルデータを作成するモデルデータ作成機能を、演算装置に実行させるプログラムである。線形座標図データは、建設が計画されている橋梁の各部の座標を示すデータであり、通常、橋梁を含む道路の建設を計画する自治体などから提供される。ただし、線形座標図データは、特定の形式に従って記述されていればその作成方法や提供元などは限定されず、たとえば手入力により自作したものを用いてもよい。I桁1を製造する事業者は、自治体などから提供される線形座標図データに合致するように、I桁1の設計および製造を行う。すなわち、線形座標図データは、I桁1の構造を決定づけるデータである。線形座標図データは、たとえばCSV(Comma Separated Value)形式の電子データとして提供されうる。
モデルデータ作成機能は、橋梁の線形座標図データに基づいてI桁1の形状を所定の等間隔メッシュで近似したモデルデータを作成するモデルデータ作成機能を、演算装置に実行させるプログラムである。線形座標図データは、建設が計画されている橋梁の各部の座標を示すデータであり、通常、橋梁を含む道路の建設を計画する自治体などから提供される。ただし、線形座標図データは、特定の形式に従って記述されていればその作成方法や提供元などは限定されず、たとえば手入力により自作したものを用いてもよい。I桁1を製造する事業者は、自治体などから提供される線形座標図データに合致するように、I桁1の設計および製造を行う。すなわち、線形座標図データは、I桁1の構造を決定づけるデータである。線形座標図データは、たとえばCSV(Comma Separated Value)形式の電子データとして提供されうる。
モデルデータ作成機能において作成されるモデルデータは、I桁1の実寸法を正確に再現したものではなく、I桁1の形状を所定の等間隔メッシュで近似したシェルモデルである。たとえば、I桁1の実寸法に従う補剛材4の位置を等間隔メッシュで表現できない場合は、モデルデータにおいては、等間隔メッシュで表現可能な当該実際の位置に近い位置に、補剛材4の位置が調整される。また、モデルデータでは、ウェブ2、フランジ3、および補剛材4の厚さは無視される。このような近似を行うことによって、モデルデータを使用した熱弾塑性解析に要する演算処理量を低減している。なお、メッシュサイズを、ウェブ2の寸法(たとえば幅2.5~3.5m、長さ6~12m)に対して十分に小さい値(たとえば0.02~0.05m)とすれば、上記の近似によるI桁1の実寸法からの乖離(厚さを無視していることも含む。)は、解析結果の実用上の影響を実質的に及ぼさない。
モデルデータ作成プログラムの実行時に、コンピュータの出力装置に表示されるウィンドウ10を図5に示す。ウィンドウ10には、線形座標図データ選択フォーム11、補剛材データ選択フォーム12、桁属性データ選択フォーム13、出力フォルダ選択フォーム14、メッシュサイズ入力フォーム15、実行ボタン16、およびキャンセルボタン17が設けられている。使用者は、線形座標図データ選択フォーム11から、モデルデータの作成に使用する線形座標図データ(CSV形式)を選択するか、または当該線形座標図データのパスを指定する。作成されるモデルデータは、出力フォルダ選択フォーム14において使用者が指定したパスに出力される。なお、その他のフォームの詳細については、他の機能についての説明とあわせて説明する。
各フォームに必要事項を入力したのちに、実行ボタン16を動作させると、モデルデータの作成が開始され、作成されたモデルデータが指定したパスに出力される。本実施形態では、線形座標図データ、桁属性データ(属性データの例である。)、および補剛材データに基づいて、指定されたメッシュサイズの等間隔メッシュで近似したモデルデータが出力される。なお、キャンセルボタン17を動作させると、入力内容がリセットされる。
より詳細には、モデルデータ作成機能では、中間モデルデータ作成ステップ、補剛材配置ステップ、および補剛材調整ステップの三ステップの処理が実行される。中間モデルデータ作成ステップでは、I桁1の補剛材4を除く部分(すなわちウェブ2およびフランジ3)を対象として、等間隔メッシュからなる中間モデルデータを作成する。続く補剛材配置ステップでは、補剛材データに基づいて中間モデルデータ上に補剛材4を配置する。ただし、補剛材データ従う補剛材4の位置を等間隔メッシュで表現できない場合があるので、その場合は、中間モデルデータにおける補剛材4の位置を等間隔メッシュに合わせて調整する補剛材調整ステップが実行される。以上の詳細手順によって、上記のモデルデータが作成される。
(1b)メッシュサイズ指定機能
メッシュサイズ指定機能は、モデルデータ作成機能において作成されるモデルデータのメッシュサイズを指定するための入力操作を受け付ける機能である。具体的には、ウィンドウ10のメッシュサイズ入力フォーム15に使用者が入力した数値が、モデルデータ作成機能においてメッシュサイズとして使用される。
メッシュサイズ指定機能は、モデルデータ作成機能において作成されるモデルデータのメッシュサイズを指定するための入力操作を受け付ける機能である。具体的には、ウィンドウ10のメッシュサイズ入力フォーム15に使用者が入力した数値が、モデルデータ作成機能においてメッシュサイズとして使用される。
メッシュサイズが大きいと、演算処理量が減少する替わりに後工程における解析(固有変形解析など)の精度が低下し、メッシュサイズが小さいと、解析の精度が向上する替わりに演算処理量が増加する。使用者は、要求される解析の精度と、解析結果が得られるまでに許容される時間と、を考慮して、適切なメッシュサイズを指定する。本実施形態では、メッシュサイズ指定機能を実装することによって、解析精度と演算処理量とのバランスを使用者が任意に選択できるようにしてある。
(1c)桁属性読込機能
桁属性読込機能は、I桁1の属性に係る桁属性データを読み込む機能である。ここで、I桁1の属性とは、たとえば、I桁1の断面寸法(ウェブ2、フランジ3、および補剛材4の厚さを含んでいてもよい。)、材質、および物性値を含む。桁属性データは、たとえば、これらの属性がテキストデータとして入力されたテキスト形式の電子データとして、あらかじめ作成される。ウィンドウ10の桁属性データ選択フォーム13において使用者が指定した桁属性データが、モデルデータ作成機能において使用される。
桁属性読込機能は、I桁1の属性に係る桁属性データを読み込む機能である。ここで、I桁1の属性とは、たとえば、I桁1の断面寸法(ウェブ2、フランジ3、および補剛材4の厚さを含んでいてもよい。)、材質、および物性値を含む。桁属性データは、たとえば、これらの属性がテキストデータとして入力されたテキスト形式の電子データとして、あらかじめ作成される。ウィンドウ10の桁属性データ選択フォーム13において使用者が指定した桁属性データが、モデルデータ作成機能において使用される。
(1d)補剛材データ読込機能
補剛材データ読込機能は、I桁1(ウェブ2)に取り付けられる補剛材4の位置を指定する補剛材データを読み込む機能である。補剛材データは、たとえば、各補剛材4が配置される位置がテキストデータとして入力されたテキスト形式の電子データとして、あらかじめ作成される。ウィンドウ10の補剛材データ選択フォーム12において使用者が指定した補剛材データが、モデルデータ作成機能(補剛材配置ステップ)において使用される。
補剛材データ読込機能は、I桁1(ウェブ2)に取り付けられる補剛材4の位置を指定する補剛材データを読み込む機能である。補剛材データは、たとえば、各補剛材4が配置される位置がテキストデータとして入力されたテキスト形式の電子データとして、あらかじめ作成される。ウィンドウ10の補剛材データ選択フォーム12において使用者が指定した補剛材データが、モデルデータ作成機能(補剛材配置ステップ)において使用される。
(2)固有変形予測プログラムの構成
本実施形態に係る固有変形予測プログラムは、モデルデータと、I桁1を溶接によって製造する際の溶接条件と、に基づいて、当該溶接時におけるI桁1の固有変形を予測するプログラムである。固有変形の予測は、溶接条件を指定するための入力操作を受け付ける溶接条件指定機能、および、モデルデータと溶接条件とに基づく固有変形解析を行う固有変形解析機能、によって実現される。また、固有変形解析機能による固有変形解析の結果を記憶装置に格納する解析結果格納機能も実行される。
本実施形態に係る固有変形予測プログラムは、モデルデータと、I桁1を溶接によって製造する際の溶接条件と、に基づいて、当該溶接時におけるI桁1の固有変形を予測するプログラムである。固有変形の予測は、溶接条件を指定するための入力操作を受け付ける溶接条件指定機能、および、モデルデータと溶接条件とに基づく固有変形解析を行う固有変形解析機能、によって実現される。また、固有変形解析機能による固有変形解析の結果を記憶装置に格納する解析結果格納機能も実行される。
(2a)溶接条件指定機能
溶接条件指定機能は、溶接条件を指定するための入力操作を受け付ける機能である。溶接条件は、たとえば、ウェブ2の厚さ、フランジ3の厚さ、補剛材4の厚さ、溶接方法(隅肉溶接、タンデムサブマージアーク溶接、ロボット溶接、および半自動溶接など)、溶接条件(脚長など)、および複数の補剛材4を溶接する順序、に係る情報を含む。これらの溶接条件を、出力表示に表示される入力フォームに入力できるようにしてもよいし、テキスト形式などの電子データにあらかじめ入力したものを読み込むようにしてもよい。
溶接条件指定機能は、溶接条件を指定するための入力操作を受け付ける機能である。溶接条件は、たとえば、ウェブ2の厚さ、フランジ3の厚さ、補剛材4の厚さ、溶接方法(隅肉溶接、タンデムサブマージアーク溶接、ロボット溶接、および半自動溶接など)、溶接条件(脚長など)、および複数の補剛材4を溶接する順序、に係る情報を含む。これらの溶接条件を、出力表示に表示される入力フォームに入力できるようにしてもよいし、テキスト形式などの電子データにあらかじめ入力したものを読み込むようにしてもよい。
(2b)固有変形解析機能および解析結果格納機能
固有変形解析機能は、熱弾塑性解析の結果データを用いて、あらかじめ作成したモデルデータと溶接条件とに基づく熱弾塑性解析を行う機能である。また、解析結果格納機能は、固有変形解析機能による固有変形解析の結果を記憶装置に格納する機能である。
固有変形解析機能は、熱弾塑性解析の結果データを用いて、あらかじめ作成したモデルデータと溶接条件とに基づく熱弾塑性解析を行う機能である。また、解析結果格納機能は、固有変形解析機能による固有変形解析の結果を記憶装置に格納する機能である。
熱弾塑性解析機能における演算処理量を低減するために、モデルデータにおけるウェブ2の厚さおよびフランジ3の厚さ、ならびに溶接条件、の複数の所定の組合せに対して熱弾塑性解析を行った結果の群を、データベースとしてあらかじめ記憶装置に格納してある。ここで、データベースの構築に使用する複数のモデルデータとしては、複数のT形ソリッドモデルについて固有変形を計算したデータ群が使用される。
ウェブ2の厚さおよびフランジ3の厚さについて、I桁1において現実に採用されうる数値範囲は、たとえばウェブ2の厚さについて9~36mmであり、フランジ3の厚さについて12~50mmである。ただし、適切な設計においてウェブ2の厚さとフランジ3の厚さとは正の相関関係にあり、たとえばウェブ2の厚さが9mm(上記数値範囲の下限である。)でありフランジ3の厚さが50mm(上記数値範囲の上限である。)であるといった組合せは採用されない。また、ウェブ2とフランジ3の溶接において優先的に採用されるのはタンデムサブマージアーク溶接であり、かつフランジ3の厚さに基づいて適切な脚長を決定できるので、現実に採用されうる溶接条件の範囲がウェブ2の厚さおよびフランジ3の厚さによって決定づけられる。このように、ウェブ2の厚さおよびフランジ3の厚さ、ならびに溶接条件の組合せについて現実に採用されうる範囲は限定的であり、それ以外の組合せを考慮する必要性は乏しい。
そこで本実施形態では、ウェブ2の厚さおよびフランジ3の厚さ、ならびに溶接条件について、解析する必要がある可能性がある組合せの範囲を決定し、当該範囲についてあらかじめデータベースを構築してある。図6において、領域AはI桁1において現実に採用されることが多い組合せであり、領域BはI桁1において採用されることが少ない組合せ(特定の条件下でのみ限定的に選択される組合せ)である。これを考慮して、領域Aのうちの所定の組合せ(図6において※印を付した組合せ)について、あらかじめ熱弾塑性解析を行い、その結果の群をデータベースとしてあらかじめ記憶装置に格納してある。なお、熱弾塑性解析は、たとえばJWRIAN(大阪大学接合科学研究所製)などのシミュレーションソフトウェアを使用して実施されうる。したがって、本実施形態に係る固有変形予測プログラムは、JWRIANなどのシミュレーションソフトウェアを含むパッケージでありうる。
ウェブ2とフランジ3との溶接に係る固有変形解析機能は、上記のデータベースを使用して、検索ステップおよび出力ステップの二段階で実行される。
検索ステップは、解析対象のモデルデータと溶接条件との組合せに対して熱弾塑性解析を行った結果を、データベースにおいて検索するステップである。ここで、解析対象のモデルデータは、モデルデータ作成プログラムによって作成されたモデルデータである。また、溶接条件は、溶接条件指定機能において入力された溶接条件である。
出力ステップは、検索ステップの結果に応じて、解析対象のモデルデータと溶接条件との組合せ(以下、「対象条件セット」という。)に対する熱弾塑性解析の結果を出力するステップである。たとえば、対象条件セットにおけるウェブ2の厚さとフランジ3の厚さとの組合せが、領域Aのうちの所定の組合せ(図6において※印を付した組合せ)と一致する場合は、対象条件セットに対する熱弾塑性解析の結果がデータベースに含まれていることになるので、新たな熱弾塑性解析を行うことなく、データベースに含まれている熱弾塑性解析の結果を、対象条件セットに対する熱弾塑性解析の結果として出力する。
たとえば、対象条件セットにおけるウェブ2の厚さが15mmであり、フランジ3の厚さが25mmである場合の熱弾塑性解析の結果は、データベースに含まれている(図6に符号A1を示した※印の組合せ)。したがって、データベースに含まれている熱弾塑性解析の結果が、対象条件セット(ウェブ2の厚さ15mm、フランジ3の厚さ25mm)に対する固有変形解析の結果として出力される。
一方、対象条件セットにおけるウェブ2の厚さとフランジ3の厚さとの組合せが、領域Aのうちの所定の組合せと一致しない場合は、まず、ウェブ2の厚さとフランジ3の厚さとの組合せが対象条件セットにおけるウェブ2の厚さとフランジ3の厚さに近い所定の組合せ(図6において※印を付した組合せ)を二つ特定する。次に、特定した二つの所定の組合せに対する熱弾塑性解析の結果に対して内挿を行なって、対象条件セットに対する熱弾塑性解析の結果を決定する。ここでも、新たな熱弾塑性解析が行われるわけではなく、データベースに含まれている熱弾塑性解析の結果を利用した比較的簡単な演算処理(内挿)が行われているのみである。
たとえば、対象条件セットにおけるウェブ2の厚さが15mmであり、フランジ3の厚さが29mmである場合の熱弾塑性解析の結果は、データベースに含まれていない(図6に符号A2を示した丸印の組合せ)。この場合、対象条件セットにおけるウェブ2の厚さとフランジ3の厚さに近い所定の組合せとして、ウェブ2の厚さが15mmであり、フランジ3の厚さが25mmである組合せ(図6に符号A1を示した※印の組合せ)と、ウェブ2の厚さが15mmであり、フランジ3の厚さが32mmである組合せ(図6に符号A3を示した※印の組合せ)と、を特定する。次に、これらの二つの組合せに対する熱弾塑性解析の結果に対して内挿を行なって、対象条件セット(ウェブ2の厚さ15mm、フランジ3の厚さ29mm)に対する熱弾塑性解析の結果を決定する。
なお、データベースが作成されていない組合せ(たとえばウェブ2と補剛材4との組合せ)の溶接に係る熱弾塑性解析は、JWRIANなどのシミュレーションソフトウェアを使用して個別に実施されうる。熱弾塑性解析により得られた個別のデータは、上記のデータベースに追加することができる。
以上のいずれかの方法により実施された熱弾塑性解析の結果に基づいて、溶接箇所ごとに、固有変形が予測される。また、いずれかの方法による予測結果が、記憶装置に格納される。そして、固有変形解析機能が次回以降に実施される際に、記憶装置に格納されている過去の固有変形解析の結果が利用されてもよい。たとえば、新たに解析対象とする対象条件セットが過去の固有変形解析における対象条件セットに近い内容の場合は、当該過去の固有変形解析との差分についてのみ新たに演算すれば、新たな対象条件セットに対する固有変形解析を実施できる。
本実施形態に係る解析システムでは、等間隔メッシュで近似したモデルデータを用いて解析を行うので、ソリッドモデルやシェルモデルなどのデータが使用される従来の方法に比べて、解析モデルを作成する時間を大幅に低減することに成功した。また、このような近似を行なっても、メッシュサイズを適切に選択すれば、解析結果の実用上の影響を実質的に及ぼさないことを見出した。これによって、演算処理の負荷と解析の精度とを高い水準で両立することに成功したといえる。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係るモデルデータ作成プログラムおよび解析システムのその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
最後に、本発明に係るモデルデータ作成プログラムおよび解析システムのその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
上記の実施形態では、モデルデータ作成プログラムが演算装置に実行させる機能として、メッシュサイズ指定機能、桁属性読込機能、および補剛材データ読込機能が備えられている構成を例として説明した。しかし、本発明において、これらの機能は必須ではない。たとえば、メッシュサイズ指定機能を実行できるようにする替わりに、あらかじめ定められた所定のメッシュサイズでモデルデータを作成するようにしてもよい。同様に、桁属性および補剛材データについても、任意に入力できるようにする替わりに、所定のデータを使用するようにしてもよい。
上記の実施形態では、モデルデータ作成機能において作成されるモデルデータにおいて、ウェブ2、フランジ3、および補剛材4の厚さが無視される構成を例として説明した。しかし、本発明において、鈑桁を構成する一部または全部の部材の厚さを考慮したモデルデータが作成されるようにしてもよい。
上記の実施形態では、モデルデータを、I桁1の形状を所定の等間隔メッシュで近似したシェルモデルとして作成する例について説明した。しかし、本発明において、作成されるモデルデータの形式はシェルモデルに限定されず、たとえばソリッドモデルなどであってもよい。
上記の実施形態では、固有変形予測プログラムが演算装置に実行させる熱弾塑性解析機能として、ウェブ2の厚さおよびフランジ3の厚さ、ならびに溶接条件の所定の組合せについてあらかじめ熱弾塑性解析を行った結果のデータベースを利用して、解析対象のモデルデータと溶接条件との組合せに対する熱弾塑性解析の結果を出力する構成を例として説明した。しかし、本発明に係る解析システムにおいて、データベースを利用することは必須ではない。すなわち、解析対象とするモデルデータと溶接条件との組合せごとに、熱弾塑性解析を行うようにしてもよい。
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、たとえば桁橋を構成するI桁についてのモデルデータ作成、および、当該モデルデータを使用する解析システムに利用できる。
1 :I桁
2 :ウェブ
3 :フランジ
3A :上フランジ
3B :下フランジ
4 :補剛材
4A :垂直補剛材
4B :水平補剛材
5 :突き合わせ箇所(ウェブと上フランジ)
6 :突き合わせ箇所(ウェブと下フランジ)
7 :突き合わせ箇所(ウェブまたはフランジと補剛材)
7A :突き合わせ箇所(ウェブと垂直補剛材)
7B :突き合わせ箇所(上フランジと垂直補剛材)
7C :突き合わせ箇所(ウェブと水平補剛材)
10 :ウィンドウ
11 :線形座標図データ選択フォーム
12 :補剛材データ選択フォーム
13 :桁属性データ選択フォーム
14 :出力フォルダ選択フォーム
15 :メッシュサイズ入力フォーム
16 :実行ボタン
17 :キャンセルボタン
A :I桁において現実に採用されることが多い組合せの領域
B :I桁において採用されることが少ない組合せの領域
2 :ウェブ
3 :フランジ
3A :上フランジ
3B :下フランジ
4 :補剛材
4A :垂直補剛材
4B :水平補剛材
5 :突き合わせ箇所(ウェブと上フランジ)
6 :突き合わせ箇所(ウェブと下フランジ)
7 :突き合わせ箇所(ウェブまたはフランジと補剛材)
7A :突き合わせ箇所(ウェブと垂直補剛材)
7B :突き合わせ箇所(上フランジと垂直補剛材)
7C :突き合わせ箇所(ウェブと水平補剛材)
10 :ウィンドウ
11 :線形座標図データ選択フォーム
12 :補剛材データ選択フォーム
13 :桁属性データ選択フォーム
14 :出力フォルダ選択フォーム
15 :メッシュサイズ入力フォーム
16 :実行ボタン
17 :キャンセルボタン
A :I桁において現実に採用されることが多い組合せの領域
B :I桁において採用されることが少ない組合せの領域
Claims (11)
- 構造体の線形座標図データに基づいて、前記構造体を構成する単位部材の形状を近似して所定の等間隔メッシュからなるモデルデータを作成するモデルデータ作成機能を、演算装置に実行させるモデルデータ作成プログラム。
- 前記等間隔メッシュのメッシュサイズを指定するための入力操作を受け付けるメッシュサイズ指定機能を、前記演算装置にさらに実行させ、
前記モデルデータ作成機能において、前記メッシュサイズ指定機能の実行時に指定されたメッシュサイズの等間隔メッシュで近似した前記モデルデータを作成する請求項1に記載のモデルデータ作成プログラム。 - 前記単位部材の属性データを読み込む属性データ読込機能を、前記演算装置にさらに実行させ、
前記モデルデータ作成機能において、前記線形座標図データと前記属性データとに基づいて前記モデルデータを作成する請求項1または2に記載のモデルデータ作成プログラム。 - 前記モデルデータが、シェルモデルとして作成され、
前記属性データが、前記単位部材を構成する板材の厚さを特定する情報を含む請求項3に記載のモデルデータ作成プログラム。 - 前記単位部材が、補剛材を含み、
前記補剛材の位置を指定する補剛材データを読み込む補剛材データ読込機能を、前記演算装置にさらに実行させ、
前記モデルデータ作成機能において、
前記単位部材の前記補剛材を除く部分を対象として等間隔メッシュからなる中間モデルデータを作成する中間モデルデータ作成ステップと、
前記補剛材データに基づいて前記中間モデルデータ上に前記補剛材を配置する補剛材配置ステップと、
前記中間モデルデータにおける前記補剛材の位置を前記等間隔メッシュに合わせて調整する補剛材調整ステップと、を経て前記モデルデータを作成する請求項1~4のいずれか一項に記載のモデルデータ作成プログラム。 - 前記構造体が橋梁であり、前記単位部材が鈑桁である請求項1~5のいずれか一項に記載のモデルデータ作成プログラム。
- 演算装置と記憶装置とを備え、構造体を構成する単位部材を接合する際に生じる部材の変形を予測する解析システムであって、
前記演算装置が、
前記構造体の線形座標図データに基づいて、前記単位部材のモデルデータを作成するモデルデータ作成プログラム、および、
前記モデルデータと、前記単位部材を製造する際の接合条件と、に基づいて、当該接合時における前記単位部材の固有変形を予測する固有変形予測プログラムを実行可能であり、
前記モデルデータ作成プログラムは、
前記線形座標図データに基づいて、前記単位部材の形状を所定の等間隔メッシュで近似したモデルデータを作成するモデルデータ作成機能を、前記演算装置に実行させ、
前記固有変形予測プログラムは、
前記接合条件を指定するための入力操作を受け付ける接合条件指定機能、および、
前記モデルデータと前記接合条件とに基づく固有変形解析を行う固有変形解析機能、を前記演算装置に実行させる解析システム。 - 前記記憶装置が、前記モデルデータにおけるウェブの厚さおよびフランジの厚さ、ならびに前記接合条件、の複数の所定の組合せに対して熱弾塑性解析を行った結果の群を、データベースとしてあらかじめ格納しており、
前記固有変形解析機能において、前記データベースに含まれる複数の熱弾塑性解析の結果に基づいて、解析対象の前記モデルデータと前記接合条件との組合せに対して固有変形解析を行った結果が出力される請求項7に記載の解析システム。 - 前記固有変形予測プログラムが、前記固有変形解析機能による前記固有変形解析の結果を前記記憶装置に格納する解析結果格納機能を、前記演算装置にさらに実行させ、
前記固有変形解析機能において、前記記憶装置に格納されている過去の前記固有変形解析の結果を利用する請求項7または8に記載の解析システム。 - 前記単位部材が、補剛材を含み、
前記モデルデータ作成プログラムが、
前記補剛材の位置を指定する補剛材データを読み込む補剛材データ読込機能を、前記演算装置にさらに実行させ、
前記モデルデータ作成機能において、前記線形座標図データと前記補剛材データとに基づいて前記モデルデータを作成し、
前記固有変形予測プログラムが、前記固有変形解析の結果に基づいて前記補剛材を接合する順序を最適化する接合順序最適化機能を、前記演算装置にさらに実行させる請求項7~9のいずれか一項に記載の解析システム。 - 前記構造体が橋梁であり、前記単位部材が鈑桁である請求項7~10のいずれか一項に記載の解析システム。
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---|---|---|---|
JP2021213655A JP2023097502A (ja) | 2021-12-28 | 2021-12-28 | モデルデータ作成プログラムおよび解析システム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117387559A (zh) * | 2023-12-12 | 2024-01-12 | 华东交通大学 | 基于数字孪生的混凝土桥监测系统及方法 |
-
2021
- 2021-12-28 JP JP2021213655A patent/JP2023097502A/ja active Pending
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CN117387559B (zh) * | 2023-12-12 | 2024-03-12 | 华东交通大学 | 基于数字孪生的混凝土桥监测系统及方法 |
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