JP2023097224A - セルロース微細繊維の製造方法 - Google Patents

セルロース微細繊維の製造方法 Download PDF

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Hirofumi Uchimura
裕 岡田
Hiroshi Okada
幸一 津隈
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Abstract

【課題】セルロース繊維の撚れ、凝集、浮遊、及び沈殿を生じさせずに当該セルロース繊維を分散させることによって、樹脂コンポジット用フィラー等に好適な繊維径及び繊維長を有し得るとともに均質であるセルロース微細繊維を製造する方法を提供する。【解決手段】植物由来のセルロース微細繊維の製造に用いる竪型又は斜軸型の撹拌装置であって、前記撹拌装置が、セルロース含有スラリーを収容するタンク、及び前記タンクに取付けられた、シャフトと撹拌翼とを有する撹拌機構、を備え、前記撹拌機構の回転軸方向において下端から撹拌機構全長の一部に亘って上方に延びる領域(A)が前記撹拌翼を有し且つ前記シャフトを欠くことによって、前記撹拌機構が回転軸上に空洞部を有する、撹拌装置。【選択図】図1

Description

本発明は、セルロース微細繊維の製造方法に関する。
近年、環境保護の観点から、また、種々な特徴のある性能発現の観点から、セルロース繊維、特に、セルロース微細繊維は、広範囲な用途分野で有効に活用可能な植物資源として、また、高弾性率を有し、かつ熱寸法安定性に優れる材料として、例えば自動車用コンポジット用フィラーや繊維強化プラスチック(FRP)用の芯材向けの原料として注目されている。
FRP用フィラーに有用なセルロース微細繊維としては、繊維長及び繊維径が均質であるセルロース微細繊維が好ましく、このようなセルロース微細繊維の製造方法に関して種々の検討が行われている。
特許文献1には、微細繊維状セルロース分散体を、分散媒体とともに、自転しながら公転する高速ディスパ羽根とタンク壁を掻き取る低速羽根とを有するミキサーを用いて分散する分散工程を含む、前記分散媒体に分散された微細繊維状セルロース分散体の製造方法が記載されている。
特開2020-100755号公報
特許文献1に記載される方法は、微細繊維状セルロースの繊維長の短縮を引き起こさずに均質な微細繊維状セルロース分散体を製造しようとするものであるが、特許文献1では、チキソ性の強い非常に微細な繊維状セルロースの分散に際して、チキソ性が強いために撹拌羽根の周辺のみしか撹拌力が伝達されないことによる不均一化という不都合を防止することに着目している。このような方法を、チキソ性が比較的弱い繊維状セルロース含有スラリーに適用すると、高剪断によって繊維同士の撚糸、凝集等が生じる。特に、近年、樹脂コンポジット用フィラー等の用途において、繊維長が長いセルロース微細繊維(例えば、機械解繊法により得られるセルロース微細繊維、エステル化等の疎水化処理を行ったセルロース微細繊維等)の利用が検討されているが、このようなセルロース微細繊維を均質に製造する方法は確立されていない。
本発明が解決しようとする課題は、セルロース繊維の撚れ、凝集、浮遊、及び沈殿を生じさせずに当該セルロース繊維を分散させることによって、樹脂コンポジット用フィラー等に好適な繊維径及び繊維長を有し得るとともに均質であるセルロース微細繊維を製造する方法を提供することである。
本発明は、以下の実施形態を含む。
[1] 植物由来のセルロース微細繊維の製造に用いる竪型又は斜軸型の撹拌装置であって、
前記撹拌装置が、
セルロース含有スラリーを収容するタンク、及び
前記タンクに取付けられた、シャフトと撹拌翼とを有する撹拌機構、
を備え、
前記撹拌機構の回転軸方向において下端から撹拌機構全長の一部に亘って上方に延びる領域(A)が前記撹拌翼を有し且つ前記シャフトを欠くことによって、前記撹拌機構が回転軸上に空洞部を有する、撹拌装置。
[2] 前記撹拌装置が竪型撹拌装置であり、
前記タンクの径が最大となる部位のタンク径断面において、タンク径方向中心からタンク内壁までの距離Xに対する、タンク径方向中心から撹拌機構回転軸までの距離Yの比率Y/Xである偏心度が、0.05~0.5である、上記態様1に記載の撹拌装置。
[3] 前記撹拌機構を100rpmで回転させたときの前記撹拌翼とタンク内壁との間の剪断速度が15秒-1以下である、上記態様1又は2に記載の撹拌装置。
[4] 前記撹拌翼が、門型翼、アンカー型翼又はリボン型翼である、上記態様1~3のいずれかに記載の撹拌装置。
[5] 前記撹拌機構の回転軸方向において、撹拌機構全長に対する前記領域(A)の長さの比率が、0.5~0.95である、上記態様1~4のいずれかに記載の撹拌装置。
[6] 上記態様1~5のいずれかに記載の撹拌装置と、セルロースを微細化する微細化装置とを備えるセルロース微細繊維製造装置であって、
前記撹拌装置が、前記微細化装置にセルロース含有スラリーを供給し及び/又は前記微細化装置からセルロース含有スラリーを受入れるように配置されている、セルロース微細繊維製造装置。
[7] 植物由来のセルロースパルプ及び/又は植物由来のセルロース微細繊維を含むセルロース含有スラリーの撹拌方法であって、
シャフトと撹拌翼とを有する撹拌機構が取付けられたタンク内で、セルロース含有スラリーが前記シャフトに非接触である状態で前記セルロース含有スラリーを撹拌する、方法。
[8] 前記撹拌機構を正回転及び逆回転に交互回転させる、上記態様7に記載の方法。
[9] 上記態様1~5のいずれかに記載の撹拌装置を用い、前記セルロース含有スラリーが前記撹拌機構に前記領域(A)のみにおいて接触するように前記セルロース含有スラリーの液面高さを維持して前記撹拌を行う、上記態様7又は8に記載の方法。
[10] 前記撹拌に供されるセルロース含有スラリーが、セルロース0.1質量%~10質量%と、分散媒85質量%~99.9質量%とを含む、上記態様7~9のいずれかに記載の方法。
[11] 植物由来のセルロースパルプからセルロース微細繊維を製造する方法であって、
微細化装置において、セルロース含有スラリー中のセルロースを微細化する微細化工程と、
前記微細化工程の前及び/又は後に、上記態様7~10のいずれかに記載の方法でセルロース含有スラリーを撹拌する撹拌工程と、
を含む、方法。
本発明の一態様によれば、セルロース繊維の撚れ、凝集、浮遊、及び沈殿を生じさせずに当該セルロース繊維を分散させることによって、樹脂コンポジット用フィラー等に好適な繊維径及び繊維長を有し得るとともに均質であるセルロース微細繊維を製造する方法を提供できる。
本発明の一態様に係る撹拌装置を示す概略図である。 本発明の一態様に係る撹拌装置を示す概略図である。 本発明の一態様に係る撹拌装置を示す概略図である。 撹拌機構の偏心度について説明する図である。 本発明の一態様に係るセルロース微細繊維製造装置を示す概略図である。 本発明の一態様に係るセルロース微細繊維製造装置を示す概略図である。 比較の撹拌装置を示す概略図である。 比較の撹拌装置を示す概略図である。
以下、本発明の例示の実施形態(以下、本実施形態ともいう。)について説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明者らは、植物由来のセルロース微細繊維の製造において、セルロース原料及び/又はその微細化物を含むスラリー(本開示で、セルロース含有スラリーともいう。)をタンク内で撹拌する際の当該撹拌を特定の態様で行うことによって、スラリー中のセルロース繊維の均質な分散が当該セルロース繊維の繊維径及び繊維長によらず維持され、これにより均質なセルロース微細繊維の製造が可能になることを見出した。通常、植物由来のセルロース微細繊維を製造する際には、セルロース原料(すなわち植物由来のセルロース繊維)を含むスラリーを微細化装置で微細化するとともに、微細化前のセルロース原料を含むスラリー、微細化後のセルロース微細繊維を含むスラリー、又は、微細化装置にスラリーを複数回循環させる場合のセルロース原料とその微細化物との混合物を含むスラリーが、タンク内で撹拌下に貯蔵される。本実施形態に係る撹拌によれば、セルロース繊維をタンク内で撚れ、凝集、浮遊、及び沈殿なくスラリー中に均質に分散させることができる。これにより得られる均質なセルロース微細繊維は、樹脂との複合化によって高強度及び高弾性の樹脂コンポジットを形成し得るという利点を有する。
≪撹拌装置≫
本発明の一態様は、植物由来のセルロース微細繊維の製造に用いる撹拌装置を提供する。図1~3を参照し、一態様において、竪型撹拌装置である撹拌装置10,20,30は、セルロース含有スラリーを収容するタンク11,21,31、及び当該タンクに取付けられた、シャフト12a,22a,32aと撹拌翼12b,22b,32bとを有する撹拌機構12,22,32を備える。撹拌機構は、回転方向RDにて回転可能に構成されており、従って回転軸方向ADを有する。一態様においては、撹拌機構の回転軸方向ADにおいて下端BEから撹拌機構全長の一部に亘って上方に延びる領域(A)Aが撹拌翼12b,22b,32bを有し且つシャフト12a,22a,32aを欠くことによって、撹拌機構12,22,32が回転軸AD上に空洞部H(すなわち、撹拌装置の部材が存在しない部位)を有する。
当該空洞部Hは、撹拌装置10,20,30の部材へのセルロースの絡み付きを回避しつつセルロース含有スラリーを良好な撹拌効率で撹拌することで、セルロース含有スラリー中のセルロースの撚れ、凝集、浮遊又は沈殿を回避して当該セルロースの均質な分散状態を維持するのに有利である。空洞部Hによる上記の利点が顕著である点で、撹拌装置10,20,30は、一態様において、竪型(より具体的には、撹拌装置の設置時に撹拌機構の回転軸方向が鉛直方向となるように構成された撹拌形式)又は斜軸型(より具体的には、撹拌装置の設置時に撹拌機構の回転軸方向が鉛直に対して斜めの方向となるように構成された撹拌形式)である。斜軸型の撹拌装置において、撹拌機構の回転軸方向は、撹拌装置の設置時に、鉛直方向に対して、例えば5°以上、又は10°以上、又は20°以上、また例えば45°以下、又は30°以下であるように構成される。
<タンク>
タンク11,21,31は、セルロース含有スラリーを収容可能な材質及びサイズを有していればよい。典型的な態様において、タンクは、円形の径方向断面を有し、当該径方向が設置時の水平方向に一致する形状に構成されているが、タンク形状はこれに限定されない。
<撹拌機構>
撹拌機構12,22,32は、シャフト12a,22a,32aと、当該シャフトに取付けられている撹拌翼12b,22b,32bとを有する。撹拌翼の形状は、撹拌機構が回転軸上に空洞部を形成し得る形状であればよい。空洞部の形成の観点から、撹拌翼は、好ましくは、門型翼、アンカー型翼又はリボン型翼である。門型翼とは、図1に示す撹拌翼12bのように、板状等であってよい撹拌部材が槽底及び槽壁に沿って延びる形状の撹拌翼である。アンカー型翼とは、図2に示す撹拌翼22bのように、板状等であってよい撹拌部材が槽壁に沿って延びる形状の撹拌翼である。リボン型翼とは、図3に示す撹拌翼32bのように、板状等であってよい撹拌部材が回転軸方向にらせん状に延びる形状の撹拌翼である。リボン型翼は、図3に示すように、回転軸と略垂直方向に延びる補強部位を有してもよい。
一態様において、撹拌装置は、設計液面が領域(A)A内となるように構成されている。一態様に係る撹拌装置は、セルロース含有スラリーの撹拌中に液面が領域(A)A内に維持される態様で当該セルロース含有スラリーを受入可能であるように構成されている。撹拌装置は、制御された流量でセルロース含有スラリーを撹拌装置内に供給する配管に接続されていてよい。通常、撹拌装置の液面高さは、装置内面の鉛直方向高さ(すなわち、装置内面において鉛直方向の最も低い点から最も高い点までの高さ)において、当該最も低い点から70~80%程度の位置に調整される。したがって、撹拌装置の設計液面は、装置内面の鉛直方向高さにおいて、一態様において最も低い点から70%の高さに規定してよく、一態様において最も低い点から80%の高さに規定してよい。一態様に係る撹拌装置によれば、内容物の液面が領域(A)A内に維持されるように又は維持可能であるように構成されていることで、撹拌装置内のセルロース含有スラリーの液面を、撹拌中を通じて領域(A)A内に維持することができる。このとき、セルロース含有スラリーが、空洞部H内でシャフトに接触することなく撹拌翼によって撹拌されるため、セルロース含有スラリー中のセルロース繊維が撹拌機構のシャフトに引き寄せられることにより生じる撚れ及び凝集は抑制され、均質なスラリーが得られる。このような均質なスラリーを微細化に供することで微細化(例えば叩解)の効率が向上し、結果、均質なセルロース微細繊維を効率的に得ることができる。
撹拌機構の回転軸方向において、全長に占める撹拌翼部位の占める割合は、目的に応じて適宜設計されてよい。なお撹拌機構の全長とは、タンク内部空間に露出している部分の全長を意味する。一態様において、当該全長に対する本開示の領域(A)(すなわち撹拌翼が存在しシャフトが存在しない部位)の長さの比率は、セルロース含有スラリーをタンク内に多く供給して良好なプロセス効率を得る観点から、好ましくは、0.5以上であり、撹拌機構を安定的に運転する観点から、好ましくは、0.95以下である。
撹拌機構の回転軸方向における領域(A)の長さは、一態様において、1000mm以上、又は1100mm以上、又は1200mm以上であってよく、一態様において、1500mm以下、又は1400mm以下、又は1300mm以下であってよい。
撹拌翼の径方向(すなわち回転軸方向に対して垂直の方向)の最大寸法Dは、一態様において、400mm以上、又は500mm以上、又は600mm以上であってよく、一態様において、1000mm以下、又は900mm以下、又は800mm以下であってよい。
(撹拌機構の偏心度)
撹拌装置が竪型撹拌装置である場合、タンクの径方向中心と、撹拌機構の回転軸とは、一致しても一致しなくてもよいが、一態様においては、一致しない(すなわち撹拌機構がタンクに対して偏心配置されている)ことが好ましい。このような偏心配置によれば、撹拌時のセルロース含有スラリーに上下流を発生させることで、セルロース繊維の沈殿及び浮遊を一層良好に抑制できるため、より均質なセルロース含有スラリーを形成できる。
図4を参照し、一態様において、タンクの径が最大となる部位のタンク径方向断面において、タンク径方向中心Oからタンク内壁Pまでの距離Xに対する、タンク径方向中心Oから撹拌機構回転軸Qまでの距離Yの比率Y/Xである偏心度は、セルロース含有スラリーに対して上下流を良好に発生させる観点から、好ましくは、0.05以上、又は0.1以上、又は0.2以上であり、良好な撹拌効率を維持する観点から、好ましくは、0.5以下、又は0.4以下、又は0.35以下である。なお、タンク径方向中心とは、タンク径方向断面における重心位置を意味し、距離Xとは、タンク径方向中心O及び撹拌機構回転軸Qを通って延びる直線とタンク内壁Pとの交点から当該タンク径方向中心Oまでの距離である。
(撹拌翼とタンク内壁との剪断速度)
一態様において、撹拌翼とタンク内壁との間の剪断速度は、15秒-1以下である。上記剪断速度は、撹拌翼の回転時の最外周(すなわち、撹拌翼とタンク内壁との距離が最短になる部位)における周速度V(m/分)、及び撹拌翼の当該最外周とタンク内壁との距離L(m)に基づき、下記の式に従って算出される値である。
剪断速度(秒-1)=V(m/分)/{L(m)×60(秒/分)}
上記剪断速度は、撹拌翼とタンク内壁との間にセルロース繊維が強く引き込まれることによる撚れ及び凝集を抑制して、スラリーを均質に撹拌する観点から、好ましくは15秒-1以下、より好ましくは10秒-1以下であり、良好な撹拌効率を得る観点から、下限は0秒-1より大きく、より好ましくは2秒-1以上、さらに好ましくは5秒-1以上である。なお一態様において、撹拌機構の回転数は例えば3rpm~100rpm程度であってよい。
≪撹拌方法≫
本発明の一態様はまた、植物由来のセルロースパルプ及び/又は植物由来のセルロース微細繊維を含むセルロース含有スラリーの撹拌方法を提供する。一態様において、当該方法は、シャフトと撹拌翼とを有する撹拌機構が取付けられたタンク内で、セルロース含有スラリーがシャフトに非接触である状態でセルロース含有スラリーを撹拌する。セルロース含有スラリーがシャフトに非接触である状態でセルロース含有スラリーを撹拌する方法としては、本実施形態の撹拌装置を用い、セルロース含有スラリーが当該撹拌機構に領域(A)のみにおいて接触するようにセルロース含有スラリーの液面高さを維持して撹拌を行う方法を用いることができる。本実施形態の撹拌装置を用いる方法は、複雑なプロセス制御を必要としない点で有利である。
一態様においては、撹拌機構を正回転及び逆回転に交互回転させることが、良好な撹拌効率の観点から好ましい。交互回転の周期は、好ましくは、10秒以上、又は30秒以上、又は1分以上であり、好ましくは、15分以下、又は10分以下、又は5分以下である。
撹拌の様式は、連続的又は間欠的であってよく、所望に応じて選択してよい。例えば、セルロース含有スラリー中のセルロースの撚れを低減する目的で間欠的な撹拌を選択してよい。
≪セルロース微細繊維の製造装置及び製造方法≫
一態様において、本開示の撹拌装置及び撹拌方法は、植物由来のセルロースパルプからのセルロース微細繊維の製造に好適に適用され得る。したがって、本発明の一態様は、植物由来のセルロースパルプからセルロース微細繊維を製造する方法であって、
微細化装置において、セルロース含有スラリー中のセルロースを微細化する微細化工程と、
微細化工程の前及び/又は後に、本開示の方法でセルロース含有スラリーを撹拌する撹拌工程とを含む、方法を提供する。
前述のように、植物由来のセルロースパルプを微細化してセルロース微細繊維を製造する際には、一般に、セルロースパルプ又はその微細化物を含むスラリーを撹拌下に貯蔵するための撹拌装置が必要であり、当該撹拌装置に収容されるセルロース含有スラリー中のセルロース繊維は、微細化前、微細化後、又は、微細化を多段で行う場合の微細化途中の状態であり得る。したがって、撹拌装置は、セルロース繊維の繊維径及び繊維長によらず、繊維の撚れ、凝集、浮遊及び沈殿を生じさせないように構成されることが望まれる。本実施形態の撹拌装置及び撹拌方法は、このような要求を良好に満たし得ることから、植物由来のセルロースパルプからセルロース微細繊維を製造する際に好適に利用され得る。
セルロース含有スラリーを、本実施形態の撹拌装置と、これに接続された微細化装置とを備えるセルロース微細繊維製造装置に供することで、均質なセルロース微細繊維を製造できる。
図5及び6を参照し、本発明の一態様が提供するセルロース微細繊維製造装置500,600は、撹拌装置101と、セルロースを微細化する微細化装置504,604とを備える。撹拌装置101は、微細化装置504,604にセルロース含有スラリーを供給し及び/又は微細化装置504,604からセルロース含有スラリーを受入れるように配置されている。セルロース含有スラリー中のセルロースは、セルロース原料及び/又はその微細化物である。撹拌装置101は、例えば図5,6中の第1の撹拌装置101a及び第2の撹拌装置101bのように複数の撹拌装置で構成されてもよい。複数存在する場合の撹拌装置は、互いに同じ又は異なる構成を有してよいが、好ましくは同じ構成を有する。微細化装置504,604に配管を介して接続される撹拌装置のうち少なくとも1つ、好ましくは全てが本実施形態の撹拌装置であることが、均質なスラリーを効率的に得る観点から有利である。
微細化装置504,604としては、ビーター、ディスクリファイナー、高圧ホモジナイザー、ウォータージェット、ディスクミル、ボールミル、ビーズミル、マスコロイダー、ホモミキサーなどの装置を用いることができる。微細化処理は1段で行っても、多段で行ってもよく、多段で行う場合は同じ装置を複数回使用してもよく、異なる装置を組み合わせて使用してもよい。例えば、図6に示す微細化装置604のように、第1の微細化装置604a及び第2の微細化装置604bを組合せてよい。好適例は、第1の微細化装置604aがディスクリファイナー、第2の微細化装置604bが高圧ホモジナイザーである組合せである。
セルロース微細繊維製造装置500,600は、撹拌装置101と微細化装置504,604とを含む流路系にセルロース含有スラリーを所望の態様で流通させるために、図5,6中のポンプ102、開閉弁103,105,106,107、及び図6中の切替弁108,109等を更に有してよい。切替弁108は、撹拌装置101から第1の微細化装置604aへの流路と、撹拌装置101から第2の微細化装置604bへの流路とを切替可能であり、切替弁109は、第1の微細化装置604aから撹拌装置101への流路と、第2の微細化装置604bから撹拌装置101への流路とを切替可能である。
図5を参照し、1つの微細化装置504で複数回微細化処理を行う場合には、微細化装置504を介して配管で繋がった第1の撹拌装置101a及び第2の撹拌装置101bを用い、スラリーを投入した第1の撹拌装置101aからポンプ102、開閉弁103、微細化装置504、開閉弁105を介して第2の撹拌装置101bへ送液、貯留し、第1の撹拌装置101a中のスラリーの処理を終えた段階で、連続的に第2の撹拌装置101bから開閉弁106、微細化装置504、開閉弁107を介し第1の撹拌装置101aへ送液、貯留するという過程へ切り替え、以降、これらの工程を交互に繰り返す連続処理工程で微細化処理を行うことが好ましい。
また、図6を参照し、複数の互いに異なる微細化装置を組み合わせて多段で微細化を行う場合には、スラリーを投入した第1の撹拌装置101aからポンプ102、開閉弁103、切替弁108、第1の微細化装置604a、切替弁109、開閉弁105を介して第2の撹拌装置101bへ送液、貯留し、第1の撹拌装置101a中のスラリーの処理を終えた段階で、連続的に第2の撹拌装置101bから開閉弁106、切替弁108、第1の微細化装置604a、切替弁109、開閉弁107を介し第1の撹拌装置101aへ送液、貯留するという過程へ切り替え、以降、これらの工程を交互に繰り返す連続処理工程で第1の微細化処理を行った後、切替弁108,109を切替えて上記の第1の微細化装置604aに代えて第2の微細化装置604bにスラリーを導入する他は第1の微細化処理と同様に第2の微細化処理を行うことが好ましい。このようなスラリーの流れによれば、第1の微細化処理、第2の微細化処理のそれぞれにおいて、スラリーが毎回の微細化処理において微細化装置に確実に通過(パス)されるため、スラリーの全量に対し均一なパス回数を施すことができ、解繊程度の均一性、すなわちセルロース微細繊維の品質安定性を高めることができる。
セルロース微細繊維製造装置において、本実施形態の撹拌装置は、微細化装置での微細化によって得られたセルロース微細繊維を含むスラリーを、濃縮、乾燥等の次工程に用いるために貯蔵してもよい。本実施形態の撹拌装置は、セルロース微細繊維含有スラリーの撹拌においても、凝集及び濃度ムラの無い均質なスラリーの次工程への提供という利点を示す。
セルロース微細繊維は、スラリーをろ過器又は抄紙機などを用いて脱水し、湿潤成型体(湿潤ケーキ)の形態で得ることができる。中でも抄紙機を用いた抄造法は、セルロース微細繊維同士の乾燥収縮を低減する点で有利である。一態様においては、スラリーを多孔質基材上で濾過することで脱水を行う。抄造法においては、スラリーを脱水し、セルロース微細繊維が留まるようなメッシュサイズのワイヤーを備える任意の抄紙機を使用できる。抄造装置としては、平坦シート形状の複合成型体を得る場合には、抄紙機として、傾斜ワイヤー式抄紙機、長網式抄紙機、又は円網式抄紙機のような装置を用いることができる。
セルロース微細繊維を乾燥フィラーとして用いる場合、熱風乾燥機又はスプレードライ等の公知の乾燥装置を用いて乾燥することができる。セルロースは、乾燥工程で凝集し易く、その後の再分散が困難であるという特徴を有することから、分散剤を用いることが好ましい。再分散性を高めることで、セルロース微細繊維と樹脂とを複合化して得られる樹脂組成物の力学物性及びその安定性を向上させることができる。分散剤をセルロース分散体中に添加し、その後、せん断を加えながら乾燥して、セルロース粉体を得ることが望ましい。分散剤は、界面活性剤、沸点100℃以上の有機化合物、及びセルロースを高度に分散可能な化学構造を有する樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種であることができる。
≪セルロース含有スラリー≫
本実施形態の撹拌装置及び撹拌方法、並びにセルロース微細繊維の製造装置又は製造方法に供されるセルロース含有スラリーは、セルロース原料及び/又はその微細化物、分散媒、及び任意に追加の成分を含んでよい。
<セルロース>
(セルロース原料)
セルロース原料は、一態様において植物由来のセルロースパルプである。セルロース原料としては、天然セルロース及び再生セルロースが挙げられる。天然セルロースとしては、広葉樹又は針葉樹から得られる木材パルプ、精製リンター或いは非木材種(竹、麻系繊維、バガス、ケナフ、リンター等)からの精製パルプ等、いわゆる木材パルプと非木材パルプなどが使用できる。非木材パルプとしては、コットンリンターパルプを含むコットン由来パルプ、麻由来パルプ、バガス由来パルプ、ケナフ由来パルプ、竹由来パルプ、ワラ由来パルプなども使用できる。コットン由来パルプ、麻由来パルプ、バガス由来パルプ、ケナフ由来パルプ、竹由来パルプ、ワラ由来パルプは各々、コットンリントやコットンリンター、麻系のアバカ(例えば、エクアドル産又はフィリピン産のものが多い)、ザイサルや、バガス、ケナフ、竹、ワラ等の原料を蒸解処理による脱リグニン等の精製工程や漂白工程を経て得られる精製パルプを意味する。セルロース微細繊維の繊維長調整等の目的で、セルロース原料に粉砕等の前処理が施されてもよい。
ここで、パルプに残存するセルロース以外の成分として、リグニン等の酸不溶成分、及びヘミセルロース等のアルカリ可溶多糖類を挙げることができるが、これらの成分はいずれも樹脂との複合化において耐熱性低下及びそれに伴う変色を誘起するため、セルロース原料中に含まれる含有量は少ない方がよい。酸不溶成分は、植物を溶媒抽出した脱脂試料を硫酸処理した後に残存する不溶成分として当業者に理解され、具体的には芳香族由来のリグニンであるがそれに限定されない。アルカリ可溶多糖類は、植物を溶媒抽出及び塩素処理して得られるホロセルロースのうちのアルカリ可溶部として得られる成分(すなわちホロセルロースからα-セルロースを除いた成分)として当業者に理解され、ヘミセルロースのほか、β-セルロース及びγ-セルロースも包含する。
具体的には、セルロース原料の酸不溶成分平均含有率は、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.6質量%以下である。セルロース原料のアルカリ可溶多糖類平均含有率は、好ましくは13質量%以下、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
酸不溶成分平均含有率は、非特許文献(木質科学実験マニュアル、日本木材学会編、92~97頁、2000年)に記載のクラーソン法を用いた酸不溶成分の定量として行う。なおこの方法は当業界においてリグニン量の測定方法として理解されている。
アルカリ可溶多糖類平均含有率は、非特許文献(木質科学実験マニュアル、日本木材学会編、92~97頁、2000年)に記載の手法より求めることができ、ホロセルロース含有率(Wise法)からαセルロース含有率を差し引くことで求められる。なおこの方法は当業界においてヘミセルロース量の測定方法として理解されている。
(化学修飾)
一態様において、セルロース繊維は化学修飾されていてよい。化学修飾されたセルロース繊維とは、セルロースの骨格中の水酸基の少なくとも一部が化学修飾されたセルロース繊維を意味する。典型的な態様において、セルロース全体は化学修飾されておらず、化学修飾されたセルロース繊維は化学修飾前のセルロースの結晶構造を保持している。例えば、X線回折(XRD)で分析したときに、セルロースI型の結晶構造であることを確認できる。セルロース繊維は、微細化前に(一態様においてパルプの状態で)化学修飾してから微細化処理を行ってもよく、微細化処理を行いセルロース微細繊維とした後に化学修飾してもよい。
化学修飾の方法としては、硝酸エステル、硫酸エステル、リン酸エステル、ケイ酸エステル等を用いたエステル化、メチルエーテル、ヒドロキシエチルエーテル、ヒドロキシプロピルエーテル、ヒドロキシブチルエーテル、カルボキシメチルエーテル、シアノエチルエーテル等を用いたエーテル化を例示できる。
一態様において、化学修飾基はアシル基であってよい。セルロース原料又はセルロース微細繊維におけるアシル基の置換度(DS)は、0.5以上が好ましく、0.6以上がより好ましく、0.7以上がさらに好ましい。上限は、DSが高すぎると結晶化度が低下し、セルロース微細繊維を樹脂と複合化して得られる樹脂組成物の力学物性が低下することから、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.1以下、さらに好ましくは1.0以下である。
このアシル置換度(DS)は、エステル化セルロース繊維の反射型赤外吸収スペクトルから、アシル基由来のピークとセルロース骨格由来のピークとのピーク強度比に基づいて算出することができる。アシル基に基づくC=Oの吸収バンドのピークは1730cm-1に出現し、セルロース骨格鎖に基づくC-Oの吸収バンドのピークは1030cm-1に出現する。エステル化セルロース繊維のDSは、後述するエステル化セルロース繊維の固体NMR測定から得られるDSと、セルロース骨格鎖C-Oの吸収バンドのピーク強度に対するアシル基に基づくC=Oの吸収バンドのピーク強度の比率で定義される修飾化率(IRインデックス1030)との相関グラフを作製し、相関グラフから算出された検量線
置換度DS = 4.13 × IRインデックス(1030)
を使用することで求めることができる。
固体NMRによるエステル化セルロース繊維のDSの算出方法は、凍結粉砕したエステル化セルロース繊維について13C固体NMR測定を行い、50ppmから110ppmの範囲に現れるセルロースのピラノース環由来の炭素C1-C6に帰属されるシグナルの合計面積強度(Inp)に対する修飾基由来の1つの炭素原子に帰属されるシグナルの面積強度(Inf)より下記式で求めることができる。
DS=(Inf)×6/(Inp)
たとえば、修飾基がアセチル基の場合、-CH3に帰属される23ppmのシグナルを用いれば良い。
用いる13C固体NMR測定の条件は例えば以下の通りである。
装置 :Bruker Biospin Avance500WB
周波数 :125.77MHz
測定方法 :DD/MAS法
待ち時間 :75sec
NMR試料管 :4mmφ
積算回数 :640回(約14Hr)
MAS :14,500Hz
化学シフト基準:グリシン(外部基準:176.03ppm)
(結晶化度)
セルロース原料又はセルロース微細繊維の結晶化度は、好ましくは55%以上である。結晶化度がこの範囲にあると、セルロース自体の力学物性(強度、寸法安定性)が高いため、セルロース微細繊維を樹脂に分散した際に、樹脂組成物の強度、寸法安定性が高い傾向にある。より好ましい結晶化度の下限は、60%であり、さらにより好ましくは70%であり、最も好ましくは80%である。セルロース原料又はセルロース微細繊維の結晶化度について上限は特に限定されず、高い方が好ましいが、生産上の観点から好ましい上限は99%である。
ここでいう結晶化度は、セルロースがセルロースI型結晶(天然セルロース由来)である場合には、サンプルを広角X線回折により測定した際の回折パターン(2θ/deg.が10~30)からSegal法により、以下の式で求められる。
結晶化度(%)=[I(200)-I(amorphous)]/I(200)×100
(200):セルロースI型結晶における200面(2θ=22.5°)による回折ピーク強度
(amorphous):セルロースI型結晶におけるアモルファスによるハローピーク強度であって、200面の回折角度より4.5°低角度側(2θ=18.0°)のピーク強度
また結晶化度は、セルロースがセルロースII型結晶(再生セルロース由来)である場合には、広角X線回折において、セルロースII型結晶の(110)面ピークに帰属される2θ=12.6°における絶対ピーク強度h0 とこの面間隔におけるベースラインからのピーク強度h1 とから、下記式によって求められる。
結晶化度(%) =h1 /h0 ×100
セルロースの結晶形としては、I型、II型、III型、IV型などが知られており、その中でも特にI型及びII型は汎用されており、III型、IV型は実験室スケールでは得られているものの工業スケールでは汎用されていない。本開示のセルロース原料又はセルロース微細繊維としては、構造上の可動性が比較的高く、セルロース微細繊維を樹脂に分散させることにより、線膨張係数がより低く、引っ張り、曲げ変形時の強度及び伸びがより優れた樹脂組成物が得られることから、セルロースI型結晶又はセルロースII型結晶を含有するものが好ましく、セルロースI型結晶を含有し、かつ結晶化度が55%以上のものがより好ましい。
(セルロース原料及びセルロース微細繊維の繊維形状)
繊維形状自動分析計で測定されるセルロース原料の長さ加重平均繊維長は、一態様において、3mm以下、又は2.5mm以下、又は2.0mm以下、又は1.6mm以下であってよく、一態様において、0.1mm以上、又は0.5mm以上であってよい。
繊維形状自動分析計で測定されるセルロース原料の繊維長3mm以上の繊維の数割合は、一態様において、20%以下、又は15%以下、又は10%以下であってよく、一態様において、0.5%以上、又は1%以上であってよい。
繊維形状自動分析計で測定されるセルロース原料の平均繊維径は、一態様において、15μm以上であってよく、一態様において、45μm以下、又は40μm以下、又は38μm以下、又は35μm以下であってよい。
一態様において、セルロース微細繊維は、樹脂コンポジット用フィラー等として有用な繊維長及び繊維径を有してよい。繊維長が比較的長い場合、樹脂への配合時に繊維同士が絡まるため、セルロース微細繊維が凝集体を形成することなく樹脂中に均一に分散できる。これにより、樹脂組成物の応力伝達性が向上して強度及び破壊歪が大きくなる。
繊維形状自動分析計における、セルロース微細繊維の長さ加重平均繊維長は、好ましくは400μm以上であり、より好ましくは500μm以上であり、さらに好ましくは600μm以上であり、特に好ましくは700μm以上である。長さ加重平均繊維長はISO/FDIS 16065-2:2006に定義されており、屈折した繊維においてはその屈折形状を考慮した実際の繊維長に相当する繊維長の平均値である。繊維長は長いほど、上述の効果が高まるため上限は特に限定されないが、好ましい範囲としては、1000μm以下である。
繊維形状自動分析計における、セルロース微細繊維の平均繊維径は、300nm以下であることが好ましい。平均繊維径がこの範囲であることで、個々のセルロース繊維のL/Dを十分に大きくすることが容易である。L/Dが大きい場合、樹脂中でセルロース微細繊維同士が絡み合いを生じる為、樹脂組成物の強度を高めることができる。セルロース微細繊維の平均繊維径は、より好ましくは200nm以下であり、さらに好ましくは150nm以下であり、最も好ましくは130nm以下である。平均繊維径は、細い方が、L/Dを大きくできるため好ましいため、下限は特に限定されないが、樹脂組成物の曲げ弾性を高くするにはある程度の太さが望まれることから、好ましくは10nm以上、より好ましくは40nm以上である。
セルロース微細繊維において、上述の繊維長のばらつきが小さい場合、樹脂に添加した際の補強効果のうち、機械特性(引張強度、曲げ強度、引張弾性率、曲げ弾性率、熱膨張係数等)の異方性が小さく好ましい。繊維長のばらつきは、変動係数CVとして、次の式で表される。
CV(%)=(繊維長の標準偏差(μm)/平均繊維長(μm))x100
CVは、20%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、12%以下が特に好ましい。この値は低いほど、上述の効果が高まるため、下限は特に限定されないが、現実的には、1%以上が好ましい。
原料セルロースの繊維形状に係る上記の各値は、繊維形状自動分析計(Techpap社製Morfi Neo)を用い、以下の方法で測定される値である。
セルロースを純水に分散し、1Lの水分散体を用意する。ここで、セルロースの固形分終濃度は0.003~0.005質量%とする。なお、希釈前のセルロースが2質量%未満の水分散体である場合には、スパチュラ等で簡易的に混ぜるだけで良いが、2質量%以上の水分散体、含水ケーク若しくは粉末状等である場合においては、高せん断ホモジナイザー(IKA製、商品名「ウルトラタラックスT18」)を用い処理条件:回転数25,000rpm×5分間で分散処理を行う。水以外の媒体に分散されている場合、高せん断ホモジナイザー(IKA製、商品名「ウルトラタラックスT18」)を用い処理条件:回転数25,000rpm×5分間で、充分量の純水中に分散処理を行ったのち、吸引濾過等の手段で、媒体を除去、再度、高せん断ホモジナイザー(IKA製、商品名「ウルトラタラックスT18」)を用い純水中に、処理条件:回転数25,000rpm×5分間で、固形分終濃度0.003~0.005質量%となるように分散処理を行うことで、媒体を水に置換する。
次に、上記で調製した水分散体をオートサンプラーに供し、測定を行う。得られた測定結果をtxt形式(又はcsv形式)で出力し、測定結果より各形状パラメータを抽出、又は算出する。なお、各パラメータは測定結果のうち次の値を利用するものとする。
1)長さ加重平均繊維長:Mean length-weighted Length[μm]
2)繊維長3mm以上の繊維の数割合:1)の繊維長分布のヒストグラムから、全繊維に占める繊維長3mm以上の繊維の本数の割合を以下の式から算出する。
繊維長3mm以上の繊維の割合(%)=繊維長3mm以上の繊維の本数/全測定本数x100
3)平均繊維径:Mean fiber width[μm]
但し、高圧ホモジナイザー処理等のより高エネルギーな機械的処理を繰り返すことで繊維分析計の測定下限サイズ(光学素子分解能1.5μm)を下回ったセルロース微細繊維の繊維形状については、以下の方法で測定される値を採用するものとする。
セルロース微細繊維を固形分5ppmのDMSO分散液に調整し、高せん断ホモジナイザー(IKA製、商品名「ウルトラタラックスT18」)を用い、処理条件:回転数25,000rpm×5分間分散させ、それを平滑な板上(シリコンウエハー上)にキャストし、乾燥して得た表面をSEM画像観察し、少なくとも50本以上のセルロース微細繊維からランダムに選択した1本の繊維の繊維長、繊維径を測定し、少なくとも50本の計測結果を平均して求めたものとする。
(スラリー中のセルロース比率)
セルロース含有スラリーのセルロース比率は、一態様において、0.1質量%以上、又は1質量%以上、又は2質量%以上、又は3質量%以上であってよく、一態様において、10質量%以下、又は7質量%以下、又は5質量%以下であってよい。
<分散媒>
セルロース含有スラリー中の分散媒は、一態様において水系媒体である。水系媒体としては、水、又は、水とアルコール、ケトン、ニトリル、ピロリドン等のうち1種以上である有機溶媒との混合媒体であってよい。分散媒中の有機溶媒の比率は、一態様において、50質量%未満、又は30質量%以下、又は20質量%以下であってよい。水比率が高いと微細化効率が高い傾向があり、有機溶媒比率が高いと微細化後の乾燥工程における微細繊維の凝集が抑制される傾向があることから、有機溶媒比率は、これらのバランスを考慮して設定してよい。
セルロース含有スラリーにおいて、分散媒の含有率は、一態様において、85質量%以上、又は90質量%以上、又は95質量%以上であってよく、一態様において、99.9質量%以下、又は99質量%以下、又は98質量%以下であってよい。
<追加の成分>
セルロース含有スラリーは、目的に応じた追加の成分を更に含んでもよい。追加の成分としては、セルロースと他の繊維との混抄物を製造する目的でセルロース含有スラリーを用いる場合の当該他の繊維、各種添加剤(例えば分散剤)等が挙げられる。セルロース含有スラリー中の追加の成分の含有率は、例えば0質量%超10質量%以下であってよい。
以下、実施例に基づき、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<測定方法>
[繊維形状自動分析計測定]
セルロース原料の形状特徴は、繊維形状自動分析装置(TechPap社製 MorfiNeo)を用い、通常繊維とファイン繊維の閾値を100μmに設定し、以下の方法で評価した。
試料(セルロース原料又はセルロース微細繊維)を純水に分散し、1Lの水分散体を調製した。試料の固形分終濃度は0.003~0.005質量%とした。なお、希釈前の試料が2質量%未満の水分散体である場合には、スパチュラで撹拌し、2質量%以上の水分散体、含水ケーク若しくは粉末状等である場合には、高せん断ホモジナイザー(IKA製、商品名「ウルトラタラックスT18」)を用い処理条件:回転数25,000rpm×5分間で分散処理を行った。
次に、上記で調製した水分散体をオートサンプラーに供して測定を行った。得られた測定結果をtxt形式で出力し、測定結果より各形状パラメータを抽出、又は算出した。なお、各パラメータは測定結果のうち次の値を利用した。
1)長さ加重平均繊維長:Mean length-weighted Length[μm]
2)平均繊維径:Mean fiber width[μm]
[DS]
化学修飾セルロース原料の置換度(DS)は、赤外分光計(日本分光製、FT/IR-6200)を用い、以下の方法で評価した。
(多孔質シートの作製)
まず、湿潤ケーキをtert-ブタノール中に添加し、さらにミキサー等で凝集物が無い状態まで分散処理を行った。微細セルロース繊維固形分重量0.5gに対し、濃度が0.5質量%となるように調整した。得られたtert-ブタノール分散液100gをろ紙上で濾過した。濾過物はろ紙から剥離させずに、ろ紙と共により大きなろ紙2枚の間に挟み、かつ、そのより大きなろ紙の縁をおもりで押さえつけながら、150℃のオーブンにて5分間乾燥させた。その後、ろ紙を剥離して歪みの少ない多孔質シートを得た。このシートの透気抵抗度がシート目付10g/m2あたり100sec/100ml以下のものを多孔質シートとし、測定サンプルとして使用した。
23℃、50%RHの環境で1日静置したサンプルの目付W(g/m2)を測定した後、王研式透気抵抗試験機(旭精工(株)製、型式EG01)を用いて透気抵抗度R(sec/100ml)を測定した。この時、下記式に従い、10g/m2目付あたりの値を算出した。
目付10g/m2あたり透気抵抗度(sec/100ml)=R/W×10
(測定)
多孔質シートの5か所のATR-IR法による赤外分光スペクトルを、フーリエ変換赤外分光光度計(JASCO社製 FT/IR-6200)で測定した。赤外分光スペクトル測定は以下の条件で行った。
積算回数:64回、
波数分解能:4cm-1
測定波数範囲:4000~600cm-1
ATR結晶:ダイヤモンド、
入射角度:45°
得られたIRスペクトルより、IRインデックスを、下記式:
IRインデックス= H1730/H1030
に従って算出した。式中、H1730及びH1030は1730cm-1、1030cm-1(セルロース骨格鎖C-O伸縮振動の吸収バンド)における吸光度である。ただし、それぞれ1900cm-1と1500cm-1を結ぶ線と800cm-1と1500cm-1を結ぶ線をベースラインとして、このベースラインを吸光度0とした時の吸光度を意味する。
そして、各測定場所の平均置換度をIRインデックスより下記式に従って算出し、その平均値をDSとした。
DS=4.13×IRインデックス
[結晶化度]
セルロース原料の結晶化度は、X線回折装置(リガク社製、MiniFlex II)を用い、以下の方法で評価した。
前述の多孔質シートのX線回折測定を行い、下記式より結晶化度を算出した。
結晶化度(%)=[I(200)-I(amorphous)]/I(200)×100
(200):セルロースI型結晶における200面(2θ=22.5°)による回折ピーク強度
(amorphous):セルロースI型結晶におけるアモルファスによるハローピーク強度であって、200面の回折角度より4.5°低角度側(2θ=18.0°)のピーク強度
(X線回折測定条件)
装置 MiniFlex(株式会社リガク製)
操作軸 2θ/θ
線源 CuKα
測定方法 連続式
電圧 40kV
電流 15mA
開始角度 2θ=5°
終了角度 2θ=30°
サンプリング幅 0.020°
スキャン速度 2.0°/min
サンプル:試料ホルダー上に多孔質シートを貼り付け
<アセチル化パルプスラリーの調製>
日本紙パルプ商事(株)より入手した精製コットンリンターパルプを、固形分率が5質量%になるようにジメチルスルホキシドに浸漬し、触媒として炭酸カリウムを0.1質量%添加し、撹拌羽根で十分に分散、膨潤させた。60℃に加温し、酢酸ビニルを添加し、90分間アセチル化を行い、アセチル化パルプを得た。得られたアセチル化パルプをろ過し、水による洗浄をジメチルスルホキシド濃度が100質量ppm以下になるまで繰り返し、ろ過と水洗を繰り返し、アセチル化パルプのウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを固形分1.5質量%に純水で希釈し、パルパー(相川鉄工社製ラボパルパー)を用いて分散処理し、アセチル化パルプスラリーを得た。得られたアセチル化パルプの長さ加重平均繊維長は765μm、平均繊維径は26.4μm、DSは1.6、結晶化度は81%であった。
<セルロース微細繊維の製造>
(実施例1)
図6に示すセルロース微細繊維製造装置100を用いた。第1の撹拌装置101a及び第2の撹拌装置101bとして図1に示す撹拌装置10を用い、第1の微細化装置604aとしてシングルディスクリファイナー(相川鉄工社製、SDR14型ラボリファイナー)を用い、第2の微細化装置604bとして、上記第1の微細化装置604aと並列に配置された高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製、NS3015H)を用いた。門型翼を有する撹拌機構12は、偏心度Y/Xが0.30である偏心配置、全長に対する領域(A)の長さ比が0.85、径方向の最大寸法Dが600mm、撹拌翼側面とタンク内壁との最短距離は120mmであった。
開閉弁103,105を開放、開閉弁106,107を閉鎖、切替弁108,109を第1の微細化装置604a側に開放として、上記で調製したアセチル化パルプスラリーを第1の撹拌装置101aに入れ、撹拌機構を回転数31rpm、周速度0.9m/秒で正回転させて剪断速度8秒-1にて撹拌を行いながら、刃間0.3mmに設定した上記ディスクリファイナーを介して、第1の撹拌装置101aと同様の撹拌条件とした第2の撹拌装置101bに送液した。続いて、開閉弁103,105を閉鎖、開閉弁106,107を開放として、第2の撹拌装置101bからディスクリファイナーを介して第1の撹拌装置101aに送液した。上記の操作を繰り返し、ディスクリファイナーを30パス通した。なおディスクリファイナーには刃幅0.8mm、溝幅1.5mmのディスクを用いた。
次いで、開閉弁103,105を開放、開閉弁106,107を閉鎖、切替弁108,109を第2の微細化装置604b側に開放として、スラリーを第1の撹拌装置101aに入れ、上記と同じ撹拌条件で撹拌を行いながら、上記高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製、NS3015H)(圧力80MPa)を介して、上記と同じ撹拌条件とした第2の撹拌装置101bに送液した。続いて、開閉弁103,105を閉鎖、開閉弁106,107を開放として、第2の撹拌装置101bから高圧ホモジナイザーを介して第1の撹拌装置101aに送液した。上記の操作を繰り返し、高圧ホモジナイザーを10パス通した。
以上の操作により、アセチル化セルロース微細繊維スラリーを得た。
(実施例2)
第1及び第2の撹拌装置の撹拌条件を剪断速度12秒-1とした以外は、実施例1と同じ条件で実施した。
(実施例3)
第1及び第2の撹拌装置として、撹拌機構の偏心度Y/Xが0の中央配置である撹拌装置を用い、剪断速度6秒-1で撹拌を行った以外は実施例1と同じ条件で実施した。
(実施例4)
第1及び第2の撹拌装置として、図2に示す、アンカー型翼を有する撹拌装置20(撹拌機構の偏心度Y/Xが0.30、全長に対する領域(A)の長さ比が0.85、径方向の最大寸法Dが600mm)を用い、剪断速度9秒-1で撹拌を行った以外は実施例1と同じ条件で実施した。
(実施例5)
第1及び第2の撹拌装置として、図2に示す、アンカー型翼を有する撹拌装置20(撹拌機構の偏心度Y/Xが0(中央配置)、全長に対する領域(A)の長さ比が0.85、径方向の最大寸法Dが600mm)を用い、剪断速度8秒-1で撹拌を行った以外は実施例1と同じ条件で実施した。
(実施例6)
第1及び第2の撹拌装置として、図3に示す、リボン型翼を有する撹拌装置30(撹拌機構の偏心度Y/Xが0.30、全長に対する領域(A)の長さ比が0.85、径方向の最大寸法Dが650mm)を用い、剪断速度8秒-1で撹拌を行った以外は実施例1と同じ条件で実施した。
(実施例7)
実施例1と同じセルロース微細繊維製造装置を用い、第1及び第2の撹拌装置において、正回転、逆回転を20秒ごとに切り替えて撹拌した以外は実施例1と同じ条件で実施した。
(比較例1)
第1及び第2の撹拌装置として、図7に示す比較の撹拌装置70を用い、剪断速度8秒-1で撹拌を行った以外は実施例1と同じ条件で実施した。撹拌装置70は、タンク71、及び当該タンクに取付けられた、シャフト72aと、パドル型翼である撹拌翼72bとを有し回転方向RDに回転可能である撹拌機構72を備える。シャフト72aは撹拌機構72の回転軸方向全長に亘って延びており、従って撹拌機構72は回転軸上に空洞部を有さない。撹拌機構の偏心度Y/Xは0(中央配置)、径方向の最大寸法Dは960mmである。
(比較例2)
第1及び第2の撹拌装置として、図8に示す比較の撹拌装置80を用い、剪断速度8秒-1で撹拌を行った以外は実施例1と同じ条件で実施した。撹拌装置80は、タンク81、及び当該タンクに取付けられた、シャフト82aと、プロペラ型翼である撹拌翼82bとを有し回転方向RDに回転可能である撹拌機構82を備える。シャフト82aは撹拌機構82の回転軸方向全長に亘って延びており、従って撹拌機構82は回転軸上に空洞部を有さない。撹拌機構の偏心度Y/Xは0(中央配置)、径方向の最大寸法Dは960mmである。
(比較例3)
図7に示すパドル型翼が偏心度Y/X 0.30の位置に偏心配置された撹拌装置を用い、剪断速度6秒-1で撹拌を行った以外は実施例1と同じ条件で実施した。
(参考例1)
実施例1と同じセルロース微細繊維製造装置を用い、剪断速度16秒-1で撹拌を行った以外は実施例1と同じ条件で実施した。
<評価>
(繊維の撚れ及び凝集)
スラリー中の繊維の撚れ及び凝集について、下記基準で目視による判定を行った。結果を表1に示す。
○:撹拌中に繊維がかき寄せられ絡まっていく様子が確認されず、均質なスラリーが得られた。
△:撹拌機構のシャフト部に繊維がかき寄せられる様子はみられなかったが、撹拌翼とタンク内壁との間に繊維がかき寄せられ絡まっていく様子が観察された。
×:撹拌機構のシャフト部に繊維がかき寄せられて繊維が絡まり、小撚り又は凝集体ができていく様子が確認された。
○は合格レベル、△及び×は不合格レベルである。
Figure 2023097224000002
本開示の撹拌装置及び撹拌方法、並びにセルロース微細繊維の製造装置及び製造方法は、樹脂コンポジット用フィラー等に好適である均質なセルロース微細繊維を植物由来のセルロース原料から製造するのに有用であり得る。
10,20,30,70,80,101 撹拌装置
11、21,31,71,81 タンク
12,22,32,72,82 撹拌機構
12a、22a,32a,72a,82a シャフト
12b,22b,32b,72b,82b 撹拌翼
500,600 セルロース微細繊維製造装置
101a 第1の撹拌装置
101b 第2の撹拌装置
102 ポンプ
103,105,106,107 開閉弁
108,109 切替弁
504,604 微細化装置
604a 第1の微細化装置
604b 第2の微細化装置

Claims (11)

  1. 植物由来のセルロース微細繊維の製造に用いる竪型又は斜軸型の撹拌装置であって、
    前記撹拌装置が、
    セルロース含有スラリーを収容するタンク、及び
    前記タンクに取付けられた、シャフトと撹拌翼とを有する撹拌機構、
    を備え、
    前記撹拌機構の回転軸方向において下端から撹拌機構全長の一部に亘って上方に延びる領域(A)が前記撹拌翼を有し且つ前記シャフトを欠くことによって、前記撹拌機構が回転軸上に空洞部を有する、撹拌装置。
  2. 前記撹拌装置が竪型撹拌装置であり、
    前記タンクの径が最大となる部位のタンク径断面において、タンク径方向中心からタンク内壁までの距離Xに対する、タンク径方向中心から撹拌機構回転軸までの距離Yの比率Y/Xである偏心度が、0.05~0.5である、請求項1に記載の撹拌装置。
  3. 前記撹拌機構を100rpmで回転させたときの前記撹拌翼とタンク内壁との間の剪断速度が15秒-1以下である、請求項1又は2に記載の撹拌装置。
  4. 前記撹拌翼が、門型翼、アンカー型翼又はリボン型翼である、請求項1~3のいずれか一項に記載の撹拌装置。
  5. 前記撹拌機構の回転軸方向において、撹拌機構全長に対する前記領域(A)の長さの比率が、0.5~0.95である、請求項1~4のいずれか一項に記載の撹拌装置。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の撹拌装置と、セルロースを微細化する微細化装置とを備えるセルロース微細繊維製造装置であって、
    前記撹拌装置が、前記微細化装置にセルロース含有スラリーを供給し及び/又は前記微細化装置からセルロース含有スラリーを受入れるように配置されている、セルロース微細繊維製造装置。
  7. 植物由来のセルロースパルプ及び/又は植物由来のセルロース微細繊維を含むセルロース含有スラリーの撹拌方法であって、
    シャフトと撹拌翼とを有する撹拌機構が取付けられたタンク内で、セルロース含有スラリーが前記シャフトに非接触である状態で前記セルロース含有スラリーを撹拌する、方法。
  8. 前記撹拌機構を正回転及び逆回転に交互回転させる、請求項7に記載の方法。
  9. 請求項1~5のいずれか一項に記載の撹拌装置を用い、前記セルロース含有スラリーが前記撹拌機構に前記領域(A)のみにおいて接触するように前記セルロース含有スラリーの液面高さを維持して前記撹拌を行う、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 前記撹拌に供されるセルロース含有スラリーが、セルロース0.1質量%~10質量%と、分散媒85質量%~99.9質量%とを含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 植物由来のセルロースパルプからセルロース微細繊維を製造する方法であって、
    微細化装置において、セルロース含有スラリー中のセルロースを微細化する微細化工程と、
    前記微細化工程の前及び/又は後に、請求項7~10のいずれか一項に記載の方法でセルロース含有スラリーを撹拌する撹拌工程と、
    を含む、方法。
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