JP2023096975A - ピッチコントロール剤およびピッチコントロール方法 - Google Patents

ピッチコントロール剤およびピッチコントロール方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ピッチの発生を抑制し、かつピッチによる紙の粘着性を防止するピッチコントロール剤及びピッチコントロール方法を提供する。【解決手段】本発明のピッチコントロール剤は、下記の一般式(1)(R1は炭素数8~16のアルキル基であり、R2は炭素数2~4のヒドロキシアルキル基であり、Xm-はリン酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオンであり、mは1~3)で表される化合物を含むことを特徴とする。【化1】JPEG2023096975000011.jpg36169【選択図】なし

Description

本発明は、ピッチコントロール剤およびピッチコントロール方法に関するものである。
古紙のリサイクル工程においては木材由来の天然樹脂成分、古紙に付着していたガムテープやセロハンテープ、背糊、インク、塗工薬剤などに含まれる樹脂成分、さらにパルプ化工程や製紙工程で使用される消泡剤、サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、定着剤、柔軟剤、低密度化剤など様々な添加薬品等に由来するピッチが発生し、紙への付着、または、熟成タワー、濃縮機、ロール、ドライヤー等の紙の製造装置に付着し、その付着した蓄積物が脱落して紙へ再付着して、装置と紙とが粘着により付着し、製紙工程で断紙する問題など生産性・作業性の低下等の原因となり問題となっている。特に、樹脂成分の粘着物はコート工程の際に、装置と紙の間に付着して問題が発生する。
上記の問題の解決するために、一般に、古紙のリサイクルや紙の製造のそれぞれの工程においてピッチコントロール剤を添加して、ピッチの発生を防止する方法が知られている。
例えば、特許文献1ではジシアンジアミドとポリアルキレンポリアミンとの縮合物、およびカチオン界面活性剤を含有し、カチオン界面活性剤が、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライドおよびアルキルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェートからなる群から選ばれた少なくとも一つのカチオン界面活性剤であることを特徴とするピッチ付着防止剤が開示されている。
特許文献2ではカチオン界面活性剤とカチオン性高分子化合物及びホスホン酸を含有し、カチオン界面活性剤が、炭素数10~20のアルキル基を有するベンジルジメチルアルキルアンモニウムクロリドであるピッチコントロール剤が開示されている。
特許文献3ではあるラウリルジメチルヒドロキシエチルパラトルエン酸などアルキレンオキシ基またヒドロキシアルキル基を有する特定の第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤が開示されている。
しかしながら、これらの組成物でいまだピッチコントロール効果は十分ではないという問題があった。
特開平8-337988号公報 特開2003-268696号公報 特開2019-39113号公報 特開2001-271290号公報 米国特許第3619351号明細書
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、ピッチの発生を抑制し、かつピッチによる紙の粘着性を防止するピッチコントロール剤及びピッチコントロール方法を提供することを目的とする。
本発明者は、特定の構造を有する第4級アンモニウム塩化合物により、斯かる課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のピッチコントロール剤は、下記の一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする。
Figure 2023096975000001
式(1)中、Rは炭素数8~16のアルキル基であり、R、Rはメチル基であり、Rは炭素数2~4のヒドロキシアルキル基であり、Xm-はリン酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオンであり、mは1~3である。
また、本発明のピッチコントロール方法は、パルプまたは紙の製造工程において上記の一般式(1)で表される化合物を添加することを特徴とする。
古紙のリサイクル工程における宅配伝票やシール等に由来するアクリルエステル系ピッチやガムテープに由来するゴム系ピッチの発生の抑制かつピッチによる紙の粘着性の防止に効果がある。
本発明の実施形態を説明する前に、先行技術との比較について説明を行う。
本発明のピッチコントロール剤は、下記の一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とし、式(1)中、Rは炭素数8~16のアルキル基であり、R、Rはメチル基であり、Rは炭素数2~4のヒドロキシアルキル基であり、Xm-はリン酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオンであり、mは1~3である。
Figure 2023096975000002
特許文献3では上記式(1)の第4級アンモニウム塩型カチオンよりも広範な第4級アンモニウム塩型カチオンと、カウンターアニオンとの塩がピッチコントロール剤として開示されており、この第4級アンモニウム塩型カチオンは上記式(1)の第4級アンモニウム塩型カチオンを含んでいるが、カウンターアニオンについては限定されておらず、パラトルエンスルホン酸イオン、塩化物イオン、メチル硫酸イオンが実施例に記載されている。しかしながら、上記式(1)のアニオンについてはなんら記載がなく示唆もない。後述するように、特許文献3に開示されたピッチコントロール剤の実施例よりも本発明のピッチコントロール剤の方がピッチ発生の抑制効果が高い上に、残存ピッチの粘着性を低減させるという特許文献3に開示および示唆のない顕著な効果を本発明のピッチコントロール剤は有している。
特許文献4では、メチル-アルキル(C8~18)-ジ-ポリオキシエチレンアンモニウムクロライド(第4級アンモニウムの塩化物塩)がピッチコントロール剤として開示されているが、このカチオンとアニオンの組み合わせは上記式(1)のカチオンおよびアニオンのいずれとも異なっている。
特許文献5では上記式(1)の上位概念である第4級アンモニウム塩型カチオンとカウンターアニオンとの塩がピッチコントロール剤として開示されており、特にメチルトリエタノールアンモニウムイオンのメチル硫酸塩が好適なピッチコントロール剤として開示されている。しかしながら、これは上記式(1)の化合物とは異なる化合物である。また、残存ピッチの粘着性を低減させるという特許文献5に開示および示唆のない顕著な効果を本発明のピッチコントロール剤は有している。
次に、一般式(1)で表される化合物について説明する。
Figure 2023096975000003
式(1)中、Rは炭素数8~16のアルキル基であり、R、Rはメチル基であり、Rは炭素数2~4のヒドロキシアルキル基であり、Xm-はリン酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオンであり、mは1~3である。
はピッチコントロール性能の観点からは、炭素数12~14のアルキル基が好ましい。また。Xm-はガムテープに由来するゴム系ピッチ抑制の観点からは、硝酸イオン、硫酸イオンが好ましく、アクリルエステル系ピッチ抑制の観点からは、リン酸イオンが好ましい。硝酸イオンがより好ましい。
ピッチコントロール剤の一般式(1)で表される化合物の含有量は、輸送効率の観点から、1質量%以上100質量%以下が好ましく、5質量%以上80質量%以下がより好ましく、10質量%以上60質量%以下がさらにより好ましい。
一般式(1)で示される化合物はそのままピッチコントロール剤として使用してもよいが、水や有機溶剤に溶解、乳化又は分散させて、それをピッチコントロール剤として使用することができる。 前記有機溶剤の種類としては、特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール、プロパノールなどの炭素数1~6の低級アルコール;前記低級アルコールのアルキレンオキシド付加物;エチレングルコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール;3-メチル-3-メトキシブタノールなどが挙げられる。
次にピッチコントロールの方法について説明する。
本発明のピッチコントロール方法の一態様は、パルプまたは紙の製造工程において、本発明のピッチコントロール剤を添加することを特徴とする。
本発明のピッチコントロール方法の別の態様は、パルプまたは紙の製造工程において、製造機器のうち紙の製造原料が接触する部分に本発明のピッチコントロール剤を噴霧することを特徴とする。
なお、本発明のピッチコントロール剤の対象となるパルプまたは紙の製造工程と、パルプ及び紙の種類などに関して特に限定するものではなく、例えば前記パルプには木材を蒸解した後の未洗浄の粗製パルプなども含む。
詳細には、本発明のピッチコントロール剤を使用する工程として、木材パルプなどや古紙再生パルプを使って紙を製造する工程に摘要される。
まず本発明のピッチコントロール方法の一態様である本発明のピッチコントロール剤を紙の製造工程に添加する方法について説明する。
本発明のピッチコントロール剤の添加場所は、特に限定されるものではないが、紙の製造、原料の種類等により、最適な添加場所が異なり、古紙からのパルプの製造の場合、例えば、離解機、ファイバーフロードラムなどによる離解工程の前あるいは離解工程中、ニーダー、ディスパーザーなどで機械的せん断力を加える高濃度処理工程の前、フローテーション前などに添加することが挙げられる。一方、紙の製造においては、例えば、パルプや薬剤などの混合工程に使われるミキシングチェスト、マシンチェスト、種箱などや、抄紙後の白水ピット(又はセーボールなど)などに添加することが挙げられる。
<本発明のピッチコントロール剤の使用量>
本発明のピッチコントロール剤の使用量は、ピッチコントロール効果、コストの観点から、一般式(1)で示される化合物が処理されるパルプの乾燥重量に対して、0.0005質量%以上5質量%以下となるようにピッチコントロール剤を添加することを特徴とするが、0.001質量%以上1質量%以下が好ましく、0.005質量%以上0.5質量%以下がより好ましい。
次に本発明のピッチコントロール方法の別態様である本発明のピッチコントロール剤を紙の製造工程において紙の製造原料に接触する製造機器に噴霧する方法について説明する。
噴霧する装置としては、古紙からのパルプの製造では、濃縮機、洗浄機の網などが挙げられ、紙の製造では、抄紙フェルト、抄紙ワイヤー、抄紙ロール、加工ロールなどが挙げられる。これらの製造機器において、少なくとも紙の製造原料が接触する部分にピッチコントロール剤を噴霧する。
製造装置に噴霧させる方法としては、特に限定するものではないが、例えば、洗浄水シャワーライン、噴霧スプレー装置などが挙げられる。吹き付ける時期は、操業中連続的に吹き付けたり、操業が止まっているときに吹き付けたりできる。
噴霧の場合、本発明のピッチコントロール剤の使用量は、紙の製造原料に接触する製造機器の大きさ、構造、汚れ具合により、特に限定されるものではなく、ピッチコントロール剤の使用濃度としては、ピッチコントロール効果、コストの観点から一般式(1)で示される化合物の濃度として、0.0005質量%以上5質量%以下が好ましく、0.001質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.001質量%以上1質量%以下がさらに好ましい。
その他、本発明のピッチコントロール剤を使用する際に、酸やアルカリ剤、非イオン性界面活性剤、アニオン界面活性剤、一般式(1)化合物以外のカチオン界面活性剤、両性界面活性剤、高級脂肪酸、鉱物油、有機溶剤、オレンジオイルなどの天然溶剤等を加えてもよい。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
試験方法は以下の通りである。
<使用原料> 一般式(1)化合物
一般式(1)化合物であるE1~8、比較例に使用した第4級アンモニウム塩化合物e1~22を、以下に示す公知の方法を用いて合成して準備した。
Figure 2023096975000004
(E1合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にドデシルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、硝酸を加え中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。その後、4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(E1)を得た。
(E2合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にドデシルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、リン酸を加え中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。その後、4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(E2)を得た。
(E3合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にドデシルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、硫酸を加え中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。その後、4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(E3)を得た。
(E4合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にドデシルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、硝酸を加え中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でプロピレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。その後、12時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(E4)を得た。
(E5合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にデシルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、硝酸を加え中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。その後、4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(E5)を得た。
(E6合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にテトラデシルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、硝酸を加え中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。その後、4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(E6)を得た。
(E7合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にオクチルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、硝酸を加え中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。その後、4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(E7)を得た。
(E8合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にヘキサデシルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、硝酸を加え中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。その後、4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(E8)を得た。
Figure 2023096975000005
(e1の合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にドデシルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、塩酸を加え混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(e1)を得た。
(e2の合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にドデシルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、ヨウ化水素酸を加え混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(e2)を得た。
(e3の合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にドデシルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、ホウ酸を加え混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(e3)を得た。
(e4の合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にドデシルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、臭化水素酸を加え混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(e4)を得た。
(e5の合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にドデシルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、亜リン酸を加え混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(e5)を得た。
(e6の合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にドデシルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、次亜リン酸を加え混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(e6)を得た。
(e7の合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にドデシルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、チオグリコール酸を加え混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(e7)を得た。
(e8の合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にドデシルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、クエン酸を加え混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(e8)を得た。
(e9の合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にドデシルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、酢酸を加え混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(e9)を得た。
(e10の合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にドデシルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、p-トルエンスルホン酸一水和物を加え混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(e10)を得た。
(e11の合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にドデシルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、ベンゼンスルホン酸を加え混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(e11)を得た。
(e12の合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にオクタデシルジエタノールアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、硝酸を加え混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(e12)を得た。
(e13の合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にオクタデシルジエチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、硝酸を加え混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(e13)を得た。
(e14の合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にトリブチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、硫酸を加え混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(e14)を得た。
(e15の合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にドデシルジエタノールアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、硝酸を加え混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でプロピレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。12時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(e15)を得た。
(e16の合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にドデシルジエタノールアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込んだ。オートクレーブを窒素置換した後、50~60℃でメチルクロライド1.1モル当量を吹き込んで反応させた。12時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(e16)を得た。
(e17の合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にトリエタノールアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、硫酸を加え混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。12時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(e17)を得た。
(e18の合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にジエチル-2-(2’-ヒドロキシエトキシ)エチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、硫酸を加え混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(e18)を得た。
(e19の合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にオクタデシルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、硝酸を加え混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(e19)を得た。
(e20の合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にヘキシルジメチルアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、硝酸を加え混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(e20)を得た。
(e21の合成方法)
耐圧反応容器(オートクレーブ)にドデシルジエタノールアミンを1モル当量と重量比で同量の蒸留水を仕込み、硝酸を加え混合し中和した。オートクレーブを窒素置換した後、85~95℃でエチレンオキシド1.5モル当量を吹き込んで反応させた。4時間の熟成を行うことで4級化反応を進行させ化合物(e21)を得た。
(e22の合成方法)
還流コンデンサ付きの4つ口フラスコに、1モル当量のトリエタノールアミンを加え、85~95℃ 加熱した。ここに、1.1モル当量のジメチル硫酸を滴下しながら撹拌し、3時間熟成させ化合物(e22)を得た。
<非イオン界面活性剤>
ステアリルアルコール《(PO)12/[(EO)30/(PO)12ランダム付加物]》ブロック付加物 (以下、化合物(D)とする)
<ピッチコントロール剤組成物の作製と評価>
〈宅配伝票に対するピッチコントロール性能試験用試験紙作成方法〉
[実施例1]
JIS標準離解機に、チラシ古紙と宅配伝票(粘着剤としてアクリルエステル系樹脂を使用)を混合した紙(チラシ古紙95質量%/宅配伝票5質量%以下混合紙)を120g、水酸化ナトリウムを1.0質量%(対混合紙)、一般式(1)化合物E1を0.3質量%(対混合紙)、化合物(D)を0.05質量%(対混合紙)、及び混合紙の濃度が20質量%になるように水を入れ、温度50℃にて60分間離解させて、離解後のパルプを得た。離解後のパルプを丸型抄紙機にてJISP-8209に従って坪量150g/mにて手抄きを行った。脱水のために手抄紙をろ紙で挟んだ。その後、プレス処理を行い、ドラムドライヤーにて105℃×5分乾燥し、離解洗浄後の試験紙T1(ろ紙剥離前の状態)を得た。試験紙T1からろ紙を剥離したものを試験紙T2とする。
[実施例2~9、比較例1~24]
一般式(1)化合物E1を、対混合紙の配合量を変更し、または表5に示した化合物に変更した他は実施例1の方法にしたがって離解洗浄後の試験紙T1、T2を得た。
〈クラフトテープに対するピッチコントロール性能試験用試験紙作成方法〉
[実施例1]
JIS標準離解機に、チラシ古紙とクラフトテープ(粘着剤としてゴム系樹脂を使用)を混合した紙(チラシ古紙95質量%/クラフトテープ5質量%以下混合紙)を120g、一般式(1)化合物E1を0.3質量%(対混合紙)添加し、混合紙の濃度が20質量%になるように水を入れ、温度40℃にて60分間離解させて、離解後のパルプを得た。離解後のパルプを24メッシュのふるいを用いてクラフトテープの未離解部を除去し、洗浄後のパルプを得た。洗浄後のパルプを丸型抄紙機にてJISP-8209に従って坪量150g/mにて手抄きを行った。脱水のために手抄紙をろ紙で挟んだ。その後、プレス処理を行い、ドラムドライヤーにて105℃×5分乾燥し、離解洗浄後の試験紙T1(ろ紙剥離前の状態)を得た。試験紙T1からろ紙を剥離したものを試験紙T2とする。
[実施例2~9、比較例1~24]
一般式(1)化合物E1を、対混合紙の配合量を変更し、または表5に示した化合物に変更した他は実施例1の方法にしたがって離解洗浄後の試験紙T1、T2を得た。
<評価方法>
〈試験紙T2のピッチ残存面積率の測定〉
スキャナーにて、試験紙T2の任意の2箇所(5cm×5cm)の画像をそれぞれ取り込み、解析ソフトにて画像解析を行いピッチの残存による黒点の面積率を測定した。
評価項目 :ダート面積率
スキャナー:セイコーエプソン(株)社製 GT―X830
解析ソフト:(株)日本ローバー社製 Image pro plus
Figure 2023096975000006
評価基準において、1~3であれば紙面のピッチ残存面積率が十分小さく実用上問題はないが、4では紙同士あるいは紙と製造機械とが貼り付いて製造に支障が出るおそれがあるため、1~3の評価を合格、4は不合格とした。
〈残留ピッチの粘着性評価〉
(試験紙T1における手抄紙とろ紙との剥離強さ試験方法)
〈クラフトテープに対するピッチコントロール性能用試験紙作成方法〉及び〈宅配伝票に対するピッチコントロール性能試験用試験紙作成方法〉で作成した離解洗浄後の試験紙T1を65×50mmに裁断し、長辺(65mm)の端から15mm程度ろ紙を剥離させ、剥離させた部分を試験機のつかみ具で挟み、剥離速度毎分50mmで剥離し、剥離させている間に測定された最も強い荷重を剥離強さとした。剥離強さが大きいものを粘着性が大きいと評価した。
剥離強度測定装置:日本計測システム(株)社製 JSV―H1000
Figure 2023096975000007
評価基準において、1~3であれば残留ピッチの粘着性が十分小さく実用上問題はないが、4では紙同士あるいは紙と製造機械とが貼り付いて製造に支障が出るおそれがあるため、1~3の評価を合格、4は不合格とした。
Figure 2023096975000008
Figure 2023096975000009
表5、表6に示したように、チラシ古紙にクラフトテープおよび宅配伝票を混合した古紙を用いたパルプの製造工程において、再生紙の実施例1~9のピッチコントロール剤を用いると、クラフトテープおよび宅配伝票のいずれにおいても、再生古紙におけるピッチの残存量(紙面のピッチ残存面積率)が小さく抑えられるとともに粘着性も小さく抑えられて、再生紙の製造工程においてピッチによる紙と製造機械および紙と紙との粘着トラブルの発生を防止することができると考えられる。
例えば、比較例24はピッチコントロール剤を添加していないものであるが、実施例においては比較例24と比較すると、ピッチの残存量は桁違いに小さいし、粘着性も明らかに小さい。
一般的には、粘着性はピッチの残存量が大きければ大きくなり、ピッチの残存量が小さくなれば小さくなると考えられるが、実施例と比較例を比較すると、ピッチの残存量が同じでも実施例の方が粘着性が低くなっている。例えば、実施例1と比較例2では、クラフトテープおよび宅配伝票のいずれもピッチ面積率(ピッチの残存量)は同じであるが、粘着性は実施例1の方が大幅に小さく、本発明のピッチコントロール剤は粘着性自体を低下させる効果を有している。
特許文献3の実施例ではアニオンとして塩化物イオンを主として用いている。また、特許文献4もアニオンは塩化物イオンである。本願の表5に示す比較例1(e1)は実施例1(E1)のアニオンを塩化物イオンに変更したピッチコントロール剤であるが、ピッチの残存量は実施例1の方が小さく(特にクラフトテープでは約1/3)、粘着性も明らかに実施例1の方が小さいのに対し比較例1は実用レベルに達していない。さらに、e1の添加量を比較例1の3.3倍にした比較例2と、E1の添加量を実施例1の1/6にした実施例2とを比較すると、添加量は20倍の差があるにも関わらず、粘着性は実施例2の方が小さくなっている。
また、比較例3~12(e2~e11)は、本発明のアニオンとは異なる様々なアニオンを用いたピッチコントロール剤であるが、いずれも実施例よりもピッチの抑制効果が劣っている。比較例11は特許文献3に実施例1として記載された物質であり特許文献3では最もピッチ抑制効果が高いものであるが、粘着性は本願の実施例1~9のいずれよりも劣っている。
比較例20(e19)はRの炭素数が18であり、Rの炭素数が16である実施例9(E8)と比較すると、比較例20は粘着性が劣っていて実用レベルに達していない。また、比較例13(e12)は比較例20の2つのメチル基をエチレンオキシ基に変更したものであり、比較例14(e13)は比較例20の2つのメチル基をエチル基に変更したものであり、どちらもやはり粘着性が劣っていて実用レベルに達していない。
比較例21(e20)はRの炭素数が6であり、Rの炭素数が8である実施例8(E7)と比較すると、比較例21は粘着性が劣っていて実用レベルに達していない。
比較例23(e22)は特許文献5にベストモードして開示されたピッチコントロール剤であるが、実施例1~9と比較すると、ピッチの残存量および粘着性のいずれも大きく劣っている。
以上の結果、本発明の一般式(1)化合物を使うことによって、従来のピッチコントロール剤に比べてピッチの発生を抑える傾向を示し、更に、ピッチの粘着性を抑えることによって断紙など製紙工程におけるトラブルや加工工程におけるトラブルを抑制することができる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態は本願発明の例示であって、本願発明はこれらの例に限定されず、これらの例に周知技術や慣用技術、公知技術を組み合わせたり、一部置き換えたりしてもよい。また当業者であれば容易に思いつく改変発明も本願発明に含まれる。

Claims (2)

  1. 一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とするピッチコントロール剤
    Figure 2023096975000010
    式(1)中、Rは炭素数8~16のアルキル基であり、R、Rはメチル基であり、Rは炭素数2~4のヒドロキシアルキル基であり、Xm-はリン酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオンであり、mは1~3である。
  2. パルプまたは紙の製造工程において、請求項1記載の一般式(1)で表される化合物を添加することを特徴とするピッチコントロール方法。
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