JP2023095852A5 - - Google Patents
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Description
この開示は、物理的及び化学的に架橋されたスチレン系ブロック共重合体に関する。この共重合体は、弾性浸漬製品、例えば手袋及びコンドームの製造に有利である。
背景技術
薄肉弾性浸漬製品は、伝統的に、天然ゴム(NR)、ポリクロロプレン(CR)、ポリイソプレン(IR)、ポリウレタン(PU)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレン系ブロック共重合体(SBC)、これらの混合物、又はこれらの積層体で作られている。
薄肉弾性浸漬製品は、伝統的に、天然ゴム(NR)、ポリクロロプレン(CR)、ポリイソプレン(IR)、ポリウレタン(PU)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレン系ブロック共重合体(SBC)、これらの混合物、又はこれらの積層体で作られている。
天然ゴムは、優れた性能を発揮する天然物であることから、このような用途に使用される。しかし、即時型過敏症(1型アレルギー)の原因となる感作タンパク質の存在により、その使用が制限されている。この欠点に対応するために、代替手段として合成材料が開発された。
典型的な処理
薄肉弾性膜は、通常、水分散液(ラテックス)又は1以上の適当な溶媒の溶液のいずれかであってもよい重合体の液体混合物に、適切な形状の型を浸漬することにより、所期の用途(手袋、コンドーム、その他)に成形される。硬い膜は、水又は他の溶媒の蒸発後に形成される。
薄肉弾性膜は、通常、水分散液(ラテックス)又は1以上の適当な溶媒の溶液のいずれかであってもよい重合体の液体混合物に、適切な形状の型を浸漬することにより、所期の用途(手袋、コンドーム、その他)に成形される。硬い膜は、水又は他の溶媒の蒸発後に形成される。
材料の機械的及び化学的特性、弾性並びに耐久性が強化された性能は、架橋メカニズムにより達成される。加硫は、NRやIRのようなほとんどのエラストマー材料の伝統的な化学架橋機構である。加硫は、ある重合体鎖と別の重合体鎖を連結する硫黄共有結合を作成する。しかし、硫黄のみによる加硫は、長すぎる反応条件と非常に高い温度が必要であることから、「促進剤」のような化学添加物が加えられる。促進剤には多くの種類があり、通常、以下の群に分類される:チアゾール、カルバメート、グアニジン、チオ尿素及びチウラム。加硫の速度及び性能を最適化するために、異なる群から選択された異なる促進剤の混合物を使用することが一般的である。
硫黄は共有結合で重合体のネットワークに組み込まれるが、促進剤は組み込まれない。ポリイソプレン製の手袋の典型的な組成は、最大で2%の促進剤を含んでよい。促進剤分子は水への溶解性が低く、洗浄で手袋から除去することはできない。また、それらは、そのゴムとの限られた互換性のためにやがて膜の表面に「ブルーム」となるかもしれない。促進剤も強力な皮膚感作性物質で、アレルギー性接触皮膚炎(遅延型過敏症、4型)を引き起こす可能性がある。
製品の性能
通常、材料、配合条件及び薄肉膜への変換プロセスの組合せが、得られる製品の性能を定める。
通常、材料、配合条件及び薄肉膜への変換プロセスの組合せが、得られる製品の性能を定める。
NR、CR、IR及びNBRは、より一般的なエラストマーで、それらはすべて、ラテックスとしても知られる水分散液から薄肉膜に変換される。しかし、ラテックスで作られた薄肉膜は、得られる製品が時々ピンホールを有する傾向があるという欠点がある。多くの場合、直径がマイクロメートルのオーダーのこれらのピンホールは、除去が困難なラテックス中の低濃度の不純物の結果で、方法が不均一系(分散液)を膜に変換することの結果であるかもしれない。膜を構成するすべてのラテックス粒子が、互いに完全に融合し、隙間のない連続膜を形成することができないことに起因する可能性があるゴム中には、いくつかの固有の微小孔が存在する。天然のタンパク質(NRに存在)及びラテックスの安定化と製造プロセスで使用される化学物質(界面活性剤、主に合成重合体の場合)は、融合を阻止する傾向がある。
有利なことに、他のいくつかの合成重合体は、炭化水素溶媒のような溶媒に溶解し、真の溶液を形成することができる。よって、溶媒キャスト技術は、極めて高い品質が求められ、微小孔がほとんどない膜の製造に魅力的である。ピンホールが存在する可能性もより低くなる。
マルチブロックゴム共重合体、特にスチレン系ブロック共重合体(SBC)は、浸漬に利用できる好ましい粘度の溶液を形成することができるため、溶媒キャスティングに用いるのに特に適している。
スチレン系ブロック共重合体
SBCは、ゴムの機械的特性と熱可塑性樹脂の加工特性を有する熱可塑性エラストマーに分類される。これらの特性は、その分子構造に起因する。SBCは少なくとも3つのブロックから成り、それは、通常は2つの硬いポリスチレン末端ブロックと1つの柔らかいエラストマー(ポリブタジエン、ポリイソプレン-水素添加又は非水素添加)中間ブロックである。より一般的なSBCは、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン(SEBS)、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)及びスチレン-イソプレン-スチレン(SIS)のような直鎖状3ブロック共重合体であるが、他のアーキテクチャ(たとえば、3以上のブロックで構成される共重合体)及び他の構造(星形又は放射状)も可能である。
SBCは、ゴムの機械的特性と熱可塑性樹脂の加工特性を有する熱可塑性エラストマーに分類される。これらの特性は、その分子構造に起因する。SBCは少なくとも3つのブロックから成り、それは、通常は2つの硬いポリスチレン末端ブロックと1つの柔らかいエラストマー(ポリブタジエン、ポリイソプレン-水素添加又は非水素添加)中間ブロックである。より一般的なSBCは、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン(SEBS)、スチレン-ブタジエン-スチレン(SBS)及びスチレン-イソプレン-スチレン(SIS)のような直鎖状3ブロック共重合体であるが、他のアーキテクチャ(たとえば、3以上のブロックで構成される共重合体)及び他の構造(星形又は放射状)も可能である。
硬いブロックと柔らかいブロックは非混和性であることから、顕微鏡スケールでは、ポリスチレンブロックはゴムのマトリックス中で別のドメインを形成する。したがって、SBCは、それぞれのホモポリマーに特有の2つのガラス転移温度(Tg)を示す(例えば、ポリスチレン末端ブロックが90~100℃でゴム状中間ブロックがポリブタジエンの場合約-90℃)。
真の溶液から製造される利点に加え、SBCは、各ゴム状ブロックの両末端にポリスチレンセグメントを有し、これらの硬いドメインは多機能接合点として機能して、従来の加硫ゴムと多くの点で類似する「物理的に」架橋されたエラストマーネットワークを作り出すことから、硫黄のような化学架橋や促進剤を使用することなく、高い機械的性能を有する弾性膜を形成することができる。
最後に、これらのエラストマーに適切な可塑剤を有利に配合することができ、例えば、手術用手袋に必要とされる、引張強度、弾性及び触覚の望ましい組合せを提供する。
極限破断力及び引張強度は、コンドーム又は手袋のような薄肉延伸膜の性能を評価する上で重要な要素で、国際基準に従って評価される必要がある。また、手術用手袋は、長時間にわたって、高い感度を提供すると同時に、着用者の手を圧迫しない必要がある。手の圧迫を防ぐためには、1.0MPa未満、理想的には0.7MPa未満の100%伸び率が好ましい。
可塑剤が適切に配合されることにより、SBCは、すべての国際規格を満たすことができ、NRL、CR、IRのような他のエラストマーと同等の、そして、多くの場合には優れた、柔軟性及び機械的特性を達成することができる。これは、この材料が、促進剤やピンホールといったラテック系のエラストマーの欠点を回避しながら、他のエラストマーと同等であるか、又は優れた方法で機械的に機能できることを意味する。
要約すると、SBCは、天然ゴムタンパク質を含まない合成ゴム、促進剤を含まないこと、柔らかさ、ピンホールや水分補給がほとんどない極めて高い品質の膜といった優れた特性を提供する、医療用手袋のような薄肉膜用途での使用に特に適している。
手術用手袋に適したSBCの組成は、2以上のS-EB-Sブロック共重合体の組合せを開示する欧州特許出願公開0488021号明細書、及び1つのS-EB-Sブロック共重合体と1つのS-EP-S-EPブロック共重合体の組合せを開示する欧州特許出願公開1472315号明細書に記載されている。
スチレン系ブロック共重合体の限界
上記特許に記載されているSBCで製造された製品には重要な欠点がある。ネットワークが化学的架橋ではなく物理的架橋のみで形成されているため、ある種の有機溶媒と接触すると、ガラス状のポリスチレンドメインは、柔らかくなり、凝集力を失う。
上記特許に記載されているSBCで製造された製品には重要な欠点がある。ネットワークが化学的架橋ではなく物理的架橋のみで形成されているため、ある種の有機溶媒と接触すると、ガラス状のポリスチレンドメインは、柔らかくなり、凝集力を失う。
例えば、SBC製の手術用手袋は、有機溶剤と直接接触すると破壊される。医療分野では、いくつかの有機溶媒や「攻撃的な」化学物質が使用される可能性がある。ある例は、関節形成術で使用される未硬化の骨セメント中に存在するメタクリル酸メチルモノマー(MMA)である。MMAのハンセン溶解度パラメーターは17.9MPa1/2で、PS(18.6)に近い値である。別の例は、コロジオンのようないくつかの調製物で溶媒として使用されるジエチルエーテルである。これらの溶媒に対する弱い耐薬品性は、外科用手袋に使用するこの種のエラストマーの重要な限界である。
エラストマー相の鎖同士をつなぎ合わせて不溶性とする恒久的な共有結合による化学ネットワークを追加することにより、物理ネットワークを強化することができる。一例が、Deckerら、Journal of Applied Polymer Science, vol. 77, 1902-1912, 2000に記載されており、ラジカル型光開始剤の存在下でUV照射により架橋された、市販のSBSとSISのトリブロック共重合体を使用する。架橋処理は、ポリブタジエン又はポリイソプレン不飽和物と共重合できるアクリレート又はチオール単量体のような多官能性有機分子の添加により著しく加速されてもよい。
しかし、2つ(1つの「物理的」及び1つの「化学的」)のネットワークの共存は、材料の機械的耐性を減少させ、剛性を増加させるので、この化学的架橋プロセスにより、膜の機械的特性が劇的に低下する。
例えば、このような材料は、ASTM D3577に記載されている最小引張強度のような手術用手袋の国際基準を達成できなかった。
したがって、1以上の上記問題及び欠点を解決する代わりのSBC組成物及びその製造方法を提供することが望ましい。
先行技術文献(若しくはそこから導き出される情報)又は既知の事項に対する本明細書中での参照は、承認若しくは自認、又は先行技術文献(若しくはそこから導き出される情報)若しくは既知の事項が本明細書に関連する分野における共通の一般的知識の一部を形成するという示唆の形式とはみなされず、また、みなされるべきものではない。
発明の概要
ある側面では、この開示は、1以上のSBC及び1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと相溶性の1以上の重合体を含むエラストマー性スチレン系ブロック共重合体(SBC)組成物であって、当該ブロック共重合体組成物は、物理的及び化学的に架橋されており、当該化学的な架橋はSBCの鎖間の共有結合を含み、かつ、当該物理的な架橋は、1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと前記末端ブロックと相溶性の1以上の重合体の間の非共有結合相互作用を含む、SBC組成物を提供する。
ある側面では、この開示は、1以上のSBC及び1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと相溶性の1以上の重合体を含むエラストマー性スチレン系ブロック共重合体(SBC)組成物であって、当該ブロック共重合体組成物は、物理的及び化学的に架橋されており、当該化学的な架橋はSBCの鎖間の共有結合を含み、かつ、当該物理的な架橋は、1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと前記末端ブロックと相溶性の1以上の重合体の間の非共有結合相互作用を含む、SBC組成物を提供する。
別の側面では、この開示は、1以上のSBC、及び1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと相溶性の1以上の重合体を含む相溶性重合体混合物であって、当該相溶性重合体混合物は、物理的及び化学的に架橋されており、当該化学的な架橋はSBCの鎖間の共有結合を含み、かつ、当該物理的な架橋は、1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと前記末端ブロックと相溶性の1以上の重合体の間の非共有結合相互作用を含む、混合物を提供する。
本明細書で開示される物理的及び化学的に架橋されたスチレンブロック共重合体を含むユニークな組成物又は混合物は、例えば、コンドームや医療用手袋といった薄肉浸漬製品の製造に用いられる。このユニークな組成物又は混合物は、高レベルの機械的耐性と柔軟性を維持しながら、現在入手可能なSBCの耐薬品性の欠点を克服する。
別の側面では、この開示は、(a) 1以上のSBC、(b) 1以上のSBCのポリスチレン末端ブロックと相溶性の1以上の重合体、及び(c) 1以上のSBCの鎖間に共有結合を誘導できる1以上の架橋剤含むエラストマー性スチレン系ブロック共重合体組成物を提供する。
別の側面では、1以上のSBC、1以上のSBCの1以上のポリスチレン末端ブロックと相溶性の1以上の重合体、及び1以上のSBCの鎖間に共有結合を誘導できる1以上の架橋剤を結合する工程を含むSBC組成物を製造する方法を提供する。
この組成物又は混合物は、1以上のSBCのエラストマー性中間ブロックと適合性のある、1以上の可塑剤及び/又は可撓化剤をさらに含んでいてもよい。
この組成物又は混合物は、さらに、1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと1以上の相溶性重合体との間の相溶性を高める1以上の相溶化剤を含んでもよい。そのような相溶化剤は、例えば、界面活性剤、特に、PSセグメント又は適切な溶解度パラメーターを有する低分子量重合体若しくは樹脂を含むジブロック共重合体のような高分子界面活性剤であってもよい。
1以上のSBCは、完全に不飽和の若しくは部分的に不飽和のエラストマー性中間ブロックを有してもよく、又は完全に飽和のエラストマー性中間ブロックを有してもよい。
1以上のSBCは、SIS、SBS、SIBS、S-イソブチレン-S、SEBS、SEPS、SEEPS、又は、中間ラバーブロックにグラフトされた反応性基、例えば、カルボン酸、アミン、アルコール、マレイン酸無水物、エポキシ、イソシアン酸塩及びアジリジン若しくはこれらの組合せで官能基化されたSBCからなる群から選択されてもよい。
好ましくは、SBCは、100,000g/molを超える分子量(Mn)のSBCの1つ又は混合物で構成される。好ましくは、少なくとも1のエラストマー性中間ブロックは、化学架橋を可能にする二重結合、たとえば炭素-炭素二重結合のような反応性官能基を含む。
ポリスチレン末端ブロックと相溶性の重合体は、ある程度、ポリスチレン末端ブロックと分子レベルで密接な混合物を形成できる重合体であってもよい。相溶性重合体は、ポリスチレンと混和する重合体であってもよい。つまり、SBCと相溶性重合体は、化学的類似性及び/又はアレーン環のπ結合間作用のような特定の相互作用により、均一な混合物を形成することができる。この相互作用は、本来非共有結合であるかもしれない。この相互作用は、SBCと相溶性重合体間の共有結合を含まないかもしれない。
好ましくは、相溶性重合体の数平均分子量(Mn)は10,000g/mol未満であり、より好ましくは、3,000g/mol未満である。
好ましくは、相溶性重合体は幅広い分子量の多分散性指数を有し、例えば、2.0を超える、3.0を超える、4.0を超える、又は5.0を超える。好ましくは、相溶性重合体はポリスチレンの極性と同様の極性を有する。
好ましい態様では、相溶性重合体は、アルキルアレーン単量体の低分子量共重合体から選ばれる。
相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、クマロン-インデン樹脂、ポリインデン樹脂、ポリ(メチルインデン)樹脂、ビニルトルエン-αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体、ロジンエステル、スチレン化テルペン類、ポリテルペン類、テルペン フェノール類、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
架橋剤は、少なくとも2つの炭素-炭素二重結合を含む、芳香族、脂肪族及びヘテロ原子の単量体及びオリゴ体、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどの多官能性アクリレート、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオネート)などの官能性チオール、及び、ビニル基又はアリル基を有する他の多機能化合物、並びにこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
また、架橋剤は、金属塩、有機アミン、有機ジアミン、及び有機ポリアミンからなる群から選択されるアミン架橋剤、又はポリオールであるからなる群から選択されるアミンであってもよい。
また、化学的架橋は、いわゆる「加硫」によって行われてもよく、この場合、架橋剤は、従来の硫黄、金属酸化物、並びに、コンドーム及び手袋のような薄肉弾性膜に含まれるゴムの加硫に一般的に用いられる促進剤であってもよい。強力な皮膚感作性物質である促進剤は、化学的ネットワーク内に含まれず、表面に「ブルーム」する可能性があるので、加硫は、この開示に関する限り、好ましい架橋経路とはみなされない。
好ましい態様では、架橋反応はチオール-エン反応である。チオール-エン反応は、ラジカルを介した付加反応として行われるいわゆる「クリック」反応である。
好ましくは、架橋剤は、例えば、主鎖にエーテル又はエステル基を含む、ジチオール、トリチオール及びテトラチオール分子から選択される。
有利には、架橋反応は、放射線、例えば、UV、γ線照射、X線又は電子線照射によって誘発されてもよい。放射線は、複数の利点を提供する:エネルギーは、既存の化学物質からラジカルを作成するのに十分高く、UV硬化で観察される場合のあるシャドウイング効果のリスクが少なく、かつ、この技術は、線量を適切かつ正確に制御する。ほとんどの手術用手袋は放射線(電子線又はγ線照射)で滅菌されているため、好都合にも、架橋が手袋の滅菌と同じ工程中に生じる可能性があることにも注意する必要がある。
別の態様では、架橋反応は、ラジカル型光開始剤の1つ又は混合物によって開始又は促進されてもよい。
使用する場合、光開始剤は、幅広い紫外線吸収スペクトルを有し、放射線照射時に反応性ラジカルを効果的に生成し、樹脂系への良好な溶解性を有し、人間の皮膚との接触時に良好な耐性を有する化合物から選択することが好ましい。光開始剤は、例えば、モノアシルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベゾイルジフェニルホスフィンオキシドのようなアシルホスフィンオキシド、又は、2-ヒドロキシメチル-1-フェニルプロパノン、ベンゾイルギ酸メチル及びフェニルグリオキシル酸メチルエステルのようなその他のものからなる群から選択されてもよい。
可塑剤は、本明細書に開示のSBC組成物及び重合体混合物の伸縮性及び柔軟性を高めてもよい。好ましくは、可塑剤は、SBCの中間ブロック(エラストマー性ブロック)と適合性のある液体飽和ポリオレフィン又はその混合物からなる。より好ましくは、前記可塑剤は、流動点が35℃以下の化合物から選択してもよい。可塑化油、好ましくは鉱物可塑化油、特にパラフィン性若しくはナフテン性の化合物又はそれらの混合物から形成される液体飽和炭化水素の精製混合物から形成される鉱物油を様々な割合で用いることが好ましい。
好ましい鉱物可塑化油は、有毒な不純物やMOAH(鉱油芳香族炭化水素)を含まず、米国FDA 21 CFR 178.3620(a)、白色鉱油、米国薬局方、欧州薬局方(液体パラフィン)並びに食品との接触を目的としたプラスチック材料及び物品に関する欧州規制(EU)10/2011、白色鉱油、に準拠する、透明な水白色の製品である。好ましい鉱油は、15℃で0.85~0.90の比重を有する薬用白色油である。
また、可塑剤は、ゴム状中間ブロックと十分な相溶性を有するオリゴマー又は他のエラストマーであってもよく、この場合、「可撓化剤」と見なしてもよい。そのような可撓化剤は、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブテン、プロピレン及びエチレンのアモルファスポリオレフィン共重合体、ブチルゴム、並びにゴム状ブロックとの十分な適合性を有することが知られている他の重合体の一群から選択されてもよい。また、アクリル又はヒドロキシル変性ポリブタジエンのような官能化又は反応性可撓化剤も使用してよい。これらの反応性可撓化剤は、化学的に架橋されたネットワークに関与するかもしれない。
この開示の態様によれば、SBC組成物又は相溶性重合体混合物は、PHR(100ゴムあたり)で表され、ゴムは1以上のSBCである。組成物中の成分の例示的な範囲は以下のものを含む:・相溶性重合体:0.25~100phr、好ましくは5~50phr・可塑剤/可撓化剤:0~200phr、好ましくは20~75phr・架橋剤:0.01~5phr、好ましくは0.05~1phr・光開始剤:0~5phr、好ましくは0~2phr。
別の側面では、本明細書に開示された少なくとも1つのSBC組成物又は相溶性重合体混合物から、浸漬製品を製造する方法が提供され、ここで、製造される浸漬製品の外形に対応する外側型が、事前に特定可能な期間、1以上のSBC組成物又は相溶性重合体混合物を含む浸漬溶液に浸漬され、その後、前記浸漬製品は、前記溶液から取り出され、乾燥させる。
次いで、製品、特に乾燥された製品は、放射線、例えば、電子線、γ線、UV又はX線照射にさらされてもよい。
別の側面では、1以上のSBC組成物又は相溶性重合体混合物を含む薄膜が提供され、ここで、当該薄膜は、ASTM 3577に従って測定した場合、17MPaを超える引張強度を有し、かつ、当該薄膜は実質的に有機溶媒に不溶である。
「実質的に不溶」とは、例えば、メタクリル酸メチル(MMA)又はジエチルエーテルのような、医療分野で使用され得る有機溶剤に対して、薄膜の少なくとも80%が不溶性である、又は薄膜の少なくとも95%が不溶性であることを意味してもよい。
別の側面では、エラストマー性スチレン系ブロック共重合体組成物又は相溶性重合体混合物が提供され、ここで、当該組成物は、少なくとも17MPaの引張強度を有し、かつ、当該組成物は実質的に有機溶媒に不溶である。
「実質的に不溶」とは、例えば、メタクリル酸メチル(MMA)又はジエチルエーテルのような、医療分野で使用され得る有機溶剤に対して、組成物の少なくとも80%が不溶性である、又は組成物の少なくとも95%が不溶性であることを意味してもよい。
別の側面では、この明細書に開示されたいずれか1つの態様によれば、1以上のSBC組成物又は相溶性重合体混合物を含む薄膜が提供される。
この明細書に開示された態様のいずれかによれば、薄膜は、約10~約500ミクロン又は約150~約250ミクロンの厚さであってもよい。
この明細書に開示された態様のいずれかによれば、薄膜は、500ミクロン未満、400ミクロン未満、300ミクロン未満又は200ミクロン未満の厚さであってもよい。
別の側面では、多層膜であって、当該多層膜は1以上の層又は薄膜を含み、当該1以上の層又は薄膜は本明細書に開示されたSBC組成物又は相溶性重合体混合物を含む多層膜が提供される。
別の側面では、多層膜が提供され、ここで、当該多層膜は1以上の層又は薄膜を含み、当該1以上の層又は薄膜はSBC組成物又は相溶性重合体混合物を含み、当該組成物又は相溶性重合体混合物は少なくとも17MPaの引張強度を有し、かつ、当該組成物又は相溶性重合体混合物は実質的に有機溶媒に不溶である。
多層膜は、同じSBC組成物又は異なるSBC組成物から製造された幾つかの薄層の重ね合わせによって得られてもよい。現在開示されている異なるSBC組成物は、異なる層に組み合わされてもよい。また、現在開示されている組成物を有する少なくとも1つの層は、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ブチルゴム、ポリウレタン、アクリル酸重合体及び共重合体、シリコーンエラストマー、他のSBC、環状ブロック共重合体(CBC)並びにそれらの混合物からなる群から選択される他のエラストマーと組み合わせてもよい。前記各層を構成するエラストマーの性質は、互いに同じであっても、異なっていてもよいことが理解される。
この開示によれば、SBS、SEBS及びブチルゴムは、多層膜の好ましい成分である。ある態様では、本明細書に開示される組成物及びブチルゴムから製造された重ねられた層を含む多層手袋は、メチルメタクリレート単量体のような化学物質の透過に対する耐性を高める。そのような手袋は、例えば、外側の層の上に、及び/又は、現在開示されているSBC組成物を含む他の層の中間に、薄いブチルゴム層を含んでもよい。
また、薄肉弾性膜を含む各層は、例えば、潤滑剤、帯電防止剤、一次及び二次酸化防止剤、着色剤又は処理剤などの、ポリマー業界、特に手袋業界で従来使用されている他の補助剤を含んでもよい。
別の側面では、本明細書に開示された1以上のSBC組成物又は相溶性重合体混合物を含む製造物品が提供される。
製造物品は、医療用手袋、コンドームなどの医療機器、又は実験室用手袋や清潔な工業用手袋などの個人用保護具であってもよい。
また、膜又は多層膜は活性な化学物質を含んでいてもよい。
この活性物質の性質は、所望の特性に応じて選択されてもよい。この活性な化学物質は、特に防食剤、潤滑剤、化学的マーカー、相変異製品、エネルギー粒子(放射線)減速剤、消毒能を有する薬剤、臭気剤又は保湿剤、切れ目を検出する染料、金属粒子、及びそれらの混合物から選択してもよい。
活性な化学物質が消毒能を有する薬剤である場合、好ましくは、化学反応又は表面張力の変化のような物理化学的効果のいずれかにより、単純な接触で実質的かつ瞬間的にタンパク質を変性する物質から選択される。そのような物質の中で、特に、四級アンモニウム塩、より具体的には塩化ジメチルジデシルアンモニウム及び塩化ベンザルコニウムのような殺生物剤、クロルヘキシジンの水溶性塩、例えば、二グルコン酸クロルヘキシジン、フタルアルデヒドのようなビグアナイド、ヘキサクロロフェン又はベンジル誘導体のようなフェノール誘導体、ホルムアルデヒド、オクトキシノール(トリトン(登録商標)X100)のような少なくとも1つのポリオキシエチレン部分を含む非イオン性界面活性剤、ヘキサミジン、ヨウ素化ポリビニルピロリドン化合物、殺ウイルス活性を有する非イオン性界面活性剤、二クロム酸又は次亜塩素酸のナトリウム又はカリウム塩、並びに、これらの混合物について言及してもよい。
この開示は、改善された機械的特性を有する化学的及び物理的に架橋された薄肉弾性製品を形成することができるSBCを含む組成物に関する。
発明の詳細な説明
本組成物、構成要素、物品及び/又は方法を開示し、記載する前に、特に明記しない限り、本発明は特定の組成物、成分、物品、方法などに限定されるものではなく、特に断りのない限り変化する可能性があることを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明することのみを目的としており、限定することを意図していないことも理解されたい。
本組成物、構成要素、物品及び/又は方法を開示し、記載する前に、特に明記しない限り、本発明は特定の組成物、成分、物品、方法などに限定されるものではなく、特に断りのない限り変化する可能性があることを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明することのみを目的としており、限定することを意図していないことも理解されたい。
また、明細書及び特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」には、特に明記しない限り、複数の指示対象が含まれることにも注意する必要がある。したがって、たとえば、「SBC」への言及は1以上のSBCなどを含むことができる。
有利なSBC組成物、相溶性重合体混合物及びそれらの製造方法が、この明細書に開示されている。
代表的な態様では、1以上のSBC及び1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと相溶性の1以上の重合体を含むエラストマー性スチレン系ブロック共重合体(SBC)組成物が提供され、ここで、当該ブロック共重合体組成物は物理的及び化学的に架橋され、当該化学的な架橋はSBCの鎖間の共有結合を含み、当該物理的な架橋は、1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと前記末端ブロックと相溶性の1以上の重合体の間の非共有結合相互作用を含み;当該1以上のSBCは、SIS、SBS、SIBS、S-イソブチレン-S、SEBS、SEPS、SEEPS、又は、中間ラバーブロックにグラフトされた反応性基、例えば、カルボン酸、アミン、アルコール、マレイン酸無水物、エポキシ、イソシアン酸塩、及びアジリジン若しくはこれらの組合せで官能基化されたSBCからなる群から選択され、かつ、当該1以上の相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、クマロン-インデン樹脂、ポリインデン樹脂、ポリ(メチルインデン)樹脂、ビニルトルエン-αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体、ロジンエステル、スチレン化テルペン類、ポリテルペン類、テルペン フェノール類、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
別の代表的な態様では、1以上のSBC及び1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと相溶性の1以上の重合体を含むエラストマー性スチレン系ブロック共重合体(SBC)組成物が提供され、ここで、当該ブロック共重合体組成物は、物理的及び化学的に架橋されており、当該化学的な架橋はSBCの鎖間の共有結合を含み、当該物理的な架橋は、1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと前記末端ブロックと相溶性の1以上の重合体の間の非共有結合相互作用を含み、当該1以上のSBCは、SIS、SBS、SIBS、S-イソブチレン-S、SEBS、SEPS、SEEPS、又は、中間ラバーブロックにグラフトされた反応性基、例えば、カルボン酸、アミン、アルコール、マレイン酸無水物、エポキシ、イソシアン酸塩、及びアジリジン若しくはこれらの組合せで官能基化されたSBCからなる群から選択され、かつ、当該1以上の相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、クマロン-インデン樹脂、ポリインデン樹脂、ポリ(メチルインデン)樹脂、ビニルトルエン-αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体、ロジンエステル、スチレン化テルペン類、ポリテルペン類、テルペン フェノール類、及びこれらの混合物からなる群から選択され、当該SBCは100,000g/molを超える分子量(Mn)を有し、かつ、当該相溶性重合体は10,000g/mol未満の分子量(Mn)を有する。
別の代表的な態様では、1以上のSBC及び1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと相溶性の1以上の重合体を含むエラストマー性スチレン系ブロック共重合体(SBC)組成物が提供され、ここで、当該ブロック共重合体組成物は、物理的及び化学的に架橋されており、当該化学的な架橋はSBCの鎖間の共有結合を含み、当該物理的な架橋は、1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと前記末端ブロックと相溶性の1以上の重合体の間の非共有結合相互作用を含み、当該少なくとも1つのSBCは、化学的な架橋を可能にする二重結合のような反応性官能基をそのエラストマー性中間ブロック中に含み、かつ、当該1以上の相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、クマロン-インデン樹脂、ポリインデン樹脂、ポリ(メチルインデン)樹脂、ビニルトルエン-αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体、ロジンエステル、スチレン化テルペン類、ポリテルペン類、テルペン フェノール類、及びこれらの混合物からなる群から選択され、当該SBCは100,000g/molを超える分子量(Mn)を有し、かつ、当該相溶性重合体は10,000g/mol未満の分子量(Mn)を有する。
別の代表的な態様では、1以上のSBC及び1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと相溶性の1以上の重合体を含むエラストマー性スチレン系ブロック共重合体(SBC)組成物が提供され、ここで、当該ブロック共重合体組成物は、物理的及び化学的に架橋されており、当該化学的な架橋はSBCの鎖間の共有結合を含み、当該物理的な架橋は、1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと前記末端ブロックと相溶性の1以上の重合体の間の非共有結合相互作用を含み、当該少なくとも1つのSBCは、化学的な架橋を可能にする二重結合のような反応性官能基をそのエラストマー性中間ブロック中に含み、かつ、当該1以上の相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体及びこれらの混合物からなる群から選択され、当該SBCは100,000g/molを超える分子量(Mn)を有し、かつ、当該相溶性重合体は10,000g/mol未満の分子量(Mn)を有する。
別の代表的な態様では、1以上のSBC、及び1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと相溶性の1以上の重合体を含む相溶性重合体混合物が提供され、ここで、当該相溶性重合体混合物は、物理的及び化学的に架橋されており、当該化学的な架橋はSBCの鎖間の共有結合を含み、当該物理的な架橋は、1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと前記末端ブロックと相溶性の1以上の重合体の間の非共有結合相互作用を含み、当該1以上のSBCは、SIS、SBS、SIBS、S-イソブチレン-S、SEBS、SEPS、SEEPS、又は、中間ラバーブロックにグラフトされた反応性基、例えば、カルボン酸、アミン、アルコール、マレイン酸無水物、エポキシ、イソシアン酸塩及びアジリジン若しくはこれらの組合せで官能基化されたSBCからなる群から選択され、かつ、当該1以上の相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、クマロン-インデン樹脂、ポリインデン樹脂、ポリ(メチルインデン)樹脂、ビニルトルエン-αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体、ロジンエステル、スチレン化テルペン類、ポリテルペン類、テルペン フェノール類、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
別の代表的な態様では、1以上のSBC、及び1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと相溶性の1以上の重合体を含む相溶性重合体混合物が提供され、ここで、当該相溶性重合体混合物は、物理的及び化学的に架橋されており、当該化学的な架橋はSBCの鎖間の共有結合を含み、当該物理的な架橋は、1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと前記末端ブロックと相溶性の1以上の重合体の間の非共有結合相互作用を含み、当該1以上のSBCは、SIS、SBS、SIBS、S-イソブチレン-S、SEBS、SEPS、SEEPS、又は、中間ラバーブロックにグラフトされた反応性基、例えば、カルボン酸、アミン、アルコール、マレイン酸無水物、エポキシ、イソシアン酸塩及びアジリジン若しくはこれらの組合せで官能基化されたSBCからなる群から選択され、かつ、当該1以上の相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、クマロン-インデン樹脂、ポリインデン樹脂、ポリ(メチルインデン)樹脂、ビニルトルエン-αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体、ロジンエステル、スチレン化テルペン類、ポリテルペン類、テルペン フェノール類、及びこれらの混合物からなる群から選択され、当該SBCは100,000g/molを超える分子量(Mn)を有し、かつ、当該相溶性重合体は10,000g/mol未満の分子量(Mn)を有する。
別の代表的な態様では、1以上のSBC、及び1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと相溶性の1以上の重合体を含む相溶性重合体混合物が提供され、ここで、当該相溶性重合体混合物は、物理的及び化学的に架橋されており、当該化学的な架橋はSBCの鎖間の共有結合を含み、当該物理的な架橋は、1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと前記末端ブロックと相溶性の1以上の重合体の間の非共有結合相互作用を含み、当該少なくとも1つのSBCは、化学的な架橋を可能にする二重結合のような反応性官能基をそのエラストマー性中間ブロック中に含み、かつ、当該1以上の相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、クマロン-インデン樹脂、ポリインデン樹脂、ポリ(メチルインデン)樹脂、ビニルトルエン-αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体、ロジンエステル、スチレン化テルペン類、ポリテルペン類、テルペン フェノール類、及びこれらの混合物からなる群から選択され、当該SBCは100,000g/molを超える分子量(Mn)を有し、かつ、当該相溶性重合体は10,000g/mol未満の分子量(Mn)を有する。
別の代表的な態様では、1以上のSBC、及び1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと相溶性の1以上の重合体を含む相溶性重合体混合物が提供され、ここで、当該相溶性重合体混合物は、物理的及び化学的に架橋されており、当該化学的な架橋はSBCの鎖間の共有結合を含み、当該物理的な架橋は、1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと前記末端ブロックと相溶性の1以上の重合体の間の非共有結合相互作用を含み、当該少なくとも1つのSBCは、化学的な架橋を可能にする二重結合のような反応性官能基をそのエラストマー性中間ブロック中に含み、かつ、当該1以上の相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体及びこれらの混合物からなる群から選択され、当該SBCは100,000g/molを超える分子量(Mn)を有し、かつ、当該相溶性重合体は10,000g/mol未満の分子量(Mn)を有する。
別の代表的な態様では、(a) 1以上のSBC、(b) 1以上のSBCのポリスチレン末端ブロックと相溶性の1以上の重合体、かつ、(c) 1以上のSBCの鎖間に共有結合を誘導できる1以上の架橋剤、を含むエラストマー性スチレン系ブロック共重合体組成物が提供され、ここで、当該1以上のSBCは、SIS、SBS、SIBS、S-イソブチレン-S、SEBS、SEPS、SEEPS、又は、中間ラバーブロックにグラフトされた反応性基、例えば、カルボン酸、アミン、アルコール、マレイン酸無水物、エポキシ、イソシアン酸塩及びアジリジン、又はこれらの組合せで官能基化されたSBCからなる群から選択され、当該1以上の相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、クマロン-インデン樹脂、ポリインデン樹脂、ポリ(メチルインデン)樹脂、ビニルトルエン-αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体、ロジンエステル、スチレン化テルペン類、ポリテルペン類、テルペン フェノール類、及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつ、当該1以上の架橋剤は、少なくとも2つの炭素-炭素二重結合を含む、芳香族、脂肪族及びヘテロ原子のモノマー及びオリゴマー、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどの多官能性アクリレート、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオネート)などの官能性チオール、及び、ビニル基又はアリル基を有する他の多機能化合物、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
別の代表的な態様では、(a) 1以上のSBC、;(b) 1以上のSBCのポリスチレン末端ブロックと相溶性の1以上の重合体、及び、(c) 1以上のSBCの鎖間に共有結合を誘導できる1以上の架橋剤、を含むエラストマー性スチレン系ブロック共重合体組成物が提供され、ここで、当該1以上のSBCは、SIS、SBS、SIBS、S-イソブチレン-S、SEBS、SEPS、SEEPS、又は、中間ラバーブロックにグラフトされた反応性基、例えば、カルボン酸、アミン、アルコール、マレイン酸無水物、エポキシ、イソシアン酸塩及びアジリジン、又はこれらの組合せで官能基化されたSBCからなる群から選択され、当該1以上の相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、クマロン-インデン樹脂、ポリインデン樹脂、ポリ(メチルインデン)樹脂、ビニルトルエン-αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体、ロジンエステル、スチレン化テルペン類、ポリテルペン類、テルペン フェノール類、及びこれらの混合物からなる群から選択され、当該1以上の架橋剤は、少なくとも2つの炭素-炭素二重結合を含む、芳香族、脂肪族及びヘテロ原子のモノマー及びオリゴマー、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどの多官能性アクリレート、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオネート)などの官能性チオール、及び、ビニル基又はアリル基を有する他の多機能化合物、並びにこれらの混合物、からなる群から選択され、当該SBCは100,000g/molを超える分子量(Mn)を有し、かつ、当該相溶性重合体は10,000g/mol未満の分子量(Mn)を有する。
別の代表的な態様では、(a) 1以上のSBC、(b) 1以上のSBCのポリスチレン末端ブロックと相溶性の1以上の重合体、かつ、(c) 1以上のSBCの鎖間に共有結合を誘導できる1以上の架橋剤、を含むエラストマー性スチレン系ブロック共重合体組成物が提供され、ここで、当該少なくとも1つのSBCは、化学的な架橋を可能にする二重結合のような反応性官能基をそのエラストマー性中間ブロック中に含み、当該1以上の相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、クマロン-インデン樹脂、ポリインデン樹脂、ポリ(メチルインデン)樹脂、ビニルトルエン-αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体、ロジンエステル、スチレン化テルペン類、ポリテルペン類、テルペン フェノール類、及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつ、当該1以上の架橋剤は、少なくとも2つの炭素-炭素二重結合を含む、芳香族、脂肪族及びヘテロ原子のモノマー及びオリゴマー、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどの多官能性アクリレート、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオネート)などの官能性チオール、及び、ビニル基又はアリル基を有する他の多機能化合物、並びにこれらの混合物からなる群から選択され、当該SBCは100,000g/molを超える分子量(Mn)を有し、かつ、当該相溶性重合体は10,000g/mol未満の分子量(Mn)を有する。
別の代表的な態様では、(a) 1以上のSBC、(b) 1以上のSBCのポリスチレン末端ブロックと相溶性の1以上の重合体、かつ、(c) 1以上のSBCの鎖間に共有結合を誘導できる1以上の架橋剤、を含むエラストマー性スチレン系ブロック共重合体組成物が提供され、ここで、当該少なくとも1つのSBCは、化学的な架橋を可能にする二重結合のような反応性官能基をそのエラストマー性中間ブロック中に含み、当該1以上の相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつ、当該1以上の架橋剤は、少なくとも2つの炭素-炭素二重結合を含む、芳香族、脂肪族及びヘテロ原子のモノマー及びオリゴマー、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどの多官能性アクリレート、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオネート)などの官能性チオール、及び、ビニル基又はアリル基を有する他の多機能化合物、並びにこれらの混合物からなる群から選択され、当該SBCは100,000g/molを超える分子量(Mn)を有し、かつ、当該相溶性重合体は10,000g/mol未満の分子量(Mn)を有する。
別の代表的な態様では、薄肉弾性膜を含む層は、例えば、潤滑剤、帯電防止剤、一次及び二次酸化防止剤、着色剤又は処理剤などの、ポリマー業界、特に手袋業界で従来使用されている他の補助剤をさらに含んでもよい。
別の代表的な態様では、(a) 1以上のSBC、(b) 1以上のSBCのポリスチレン末端ブロックと相溶性の1以上の重合体、かつ、(c) 1以上のSBCの鎖間に共有結合を誘導できる1以上の架橋剤、を含むエラストマー性スチレン系ブロック共重合体組成物が提供され、ここで、当該1以上のSBCは、SIS、SBS又はそれらの混合物からなる群から選択され、当該少なくとも1つのSBCは、化学的な架橋を可能にする二重結合のような反応性官能基をそのエラストマー性中間ブロック中に含み、かつ、当該1以上の相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつ、当該1以上の架橋剤は、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオネート)などの官能性チオール、及びそれらの混合物からなる群から選択され、当該SBCは100,000g/molを超える分子量(Mn)を有し、かつ、当該相溶性重合体は10,000g/mol未満の分子量(Mn)を有する。
別の代表的な態様では、1以上のSBC、1以上のSBCの1以上のポリスチレン末端ブロックと相溶性の1以上の重合体、及び1以上のSBCの鎖間に共有結合を誘導できる1以上の架橋剤を結合する工程を含むSBC組成物を製造する方法が提供され、ここで、当該1以上のSBCは、SIS、SBS、SIBS、S-イソブチレン-S、SEBS、SEPS、SEEPS、又は、中間ラバーブロックにグラフトされた反応性基、例えば、カルボン酸、アミン、アルコール、マレイン酸無水物、エポキシ、イソシアン酸塩及びアジリジン、又はこれらの組合せで官能基化されたSBCからなる群から選択され、当該1以上の相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、クマロン-インデン樹脂、ポリインデン樹脂、ポリ(メチルインデン)樹脂、ビニルトルエン-αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体、ロジンエステル、スチレン化テルペン類、ポリテルペン類、テルペン フェノール類、及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつ、当該1以上の架橋剤は、少なくとも2つの炭素-炭素二重結合を含む、芳香族、脂肪族及びヘテロ原子のモノマー及びオリゴマー、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどの多官能性アクリレート、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオネート)などの官能性チオール、及び、ビニル基又はアリル基を有する他の多機能化合物、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。
別の代表的な態様では、1以上のSBC、1以上のSBCの1以上のポリスチレン末端ブロックと相溶性の1以上の重合体、及び1以上のSBCの鎖間に共有結合を誘導できる1以上の架橋剤を結合する工程を含むSBC組成物を製造する方法が提供され、ここで、当該1以上のSBCは、SIS、SBS、SIBS、S-イソブチレン-S、SEBS、SEPS、SEEPS、又は、中間ラバーブロックにグラフトされた反応性基、例えば、カルボン酸、アミン、アルコール、マレイン酸無水物、エポキシ、イソシアン酸塩及びアジリジン、又はこれらの組合せで官能基化されたSBCからなる群から選択され、当該1以上の相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、クマロン-インデン樹脂、ポリインデン樹脂、ポリ(メチルインデン)樹脂、ビニルトルエン-αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体、ロジンエステル、スチレン化テルペン類、ポリテルペン類、テルペン フェノール類、及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつ、当該1以上の架橋剤は、少なくとも2つの炭素-炭素二重結合を含む、芳香族、脂肪族及びヘテロ原子のモノマー及びオリゴマー、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどの多官能性アクリレート、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオネート)などの官能性チオール、及び、ビニル基又はアリル基を有する他の多機能化合物、並びにこれらの混合物からなる群から選択され、当該SBCは100,000g/molを超える分子量(Mn)を有し、かつ、当該相溶性重合体は10,000g/mol未満の分子量(Mn)を有する。
別の代表的な態様では、1以上のSBC、1以上のSBCの1以上のポリスチレン末端ブロックと相溶性の1以上の重合体、及び1以上のSBCの鎖間に共有結合を誘導できる1以上の架橋剤を結合する工程を含むSBC組成物を製造する方法が提供され、ここで、当該少なくとも1つのSBCは、化学的な架橋を可能にする二重結合のような反応性官能基をそのエラストマー性中間ブロック中に含み、かつ、当該1以上の相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、クマロン-インデン樹脂、ポリインデン樹脂、ポリ(メチルインデン)樹脂、ビニルトルエン-αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体、ロジンエステル、スチレン化テルペン類、ポリテルペン類、テルペン フェノール類、及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつ、当該1以上の架橋剤は、少なくとも2つの炭素-炭素二重結合を含む、芳香族、脂肪族及びヘテロ原子のモノマー及びオリゴマー、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどの多官能性アクリレート、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオネート)などの官能性チオール、及び、ビニル基又はアリル基を有する他の多機能化合物、並びにこれらの混合物からなる群から選択され、当該SBCは100,000g/molを超える分子量(Mn)を有し、かつ、当該相溶性重合体は10,000g/mol未満の分子量(Mn)を有する。
別の代表的な態様では、1以上のSBC、1以上のSBCの1以上のポリスチレン末端ブロックと相溶性の1以上の重合体、及び1以上のSBCの鎖間に共有結合を誘導できる1以上の架橋剤を結合する工程を含むSBC組成物を製造する方法が提供され、ここで、当該少なくとも1つのSBCは、化学的な架橋を可能にする二重結合のような反応性官能基をそのエラストマー性中間ブロック中に含み、かつ、当該1以上の相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつ、当該1以上の架橋剤は、少なくとも2つの炭素-炭素二重結合を含む、芳香族、脂肪族及びヘテロ原子のモノマー及びオリゴマー、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどの多官能性アクリレート、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオネート)などの官能性チオール、及び、ビニル基又はアリル基を有する他の多機能化合物、並びにこれらの混合物からなる群から選択され、当該SBCは100,000g/molを超える分子量(Mn)を有し、かつ、当該相溶性重合体は10,000g/mol未満の分子量(Mn)を有する。
別の代表的な態様では、1以上のSBC、1以上のSBCの1以上のポリスチレン末端ブロックと相溶性の1以上の重合体、及び1以上のSBCの鎖間に共有結合を誘導できる1以上の架橋剤を結合する工程を含むSBC組成物を製造する方法が提供され、ここで、当該少なくとも1つのSBCは、化学的な架橋を可能にする二重結合のような反応性官能基をそのエラストマー性中間ブロック中に含み、かつ、当該1以上の相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体及びこれらの混合物からなる群から選択され、かつ、当該1以上の架橋剤は、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオネート)などの官能性チオール、及びそれらの混合物からなる群から選択され、当該SBCは100,000g/molを超える分子量(Mn)を有し、かつ、当該相溶性重合体は10,000g/mol未満の分子量(Mn)を有する。
別の代表的な態様では、この明細書に記載された代表的な態様のいずれか1つの開示に従う少なくとも1つのSBC組成物又は相溶性重合体混合物から、浸漬製品を製造する方法が提供され、ここで、製造される浸漬製品の外形に対応する外側型が、事前に特定可能な期間、1以上のSBC組成物又は相溶性重合体混合物を含む浸漬溶液に浸漬され、その後、前記浸漬製品は、前記溶液から取り出され、乾燥させる。
次いで、製品、特に乾燥された製品は、放射線、例えば、電子線、γ線、UV又はX線照射にさらされてもよい。
別の代表的な態様では、この明細書に記載された代表的な態様のいずれか1つの開示に従う1以上のSBC組成物、又は相溶性重合体混合物を含む薄膜が提供され、ここで、当該薄膜は、ASTM 3577に従って測定した場合、17MPaを超える引張強度を有し、かつ、当該薄膜は実質的に有機溶媒に不溶である。
別の代表的な態様では、この明細書に開示された好ましい態様のいずれか1つに従う1以上のSBC組成物、又は相溶性重合体混合物を含む薄膜が提供される。
この明細書に開示された代表的な態様のいずれかによる薄膜は、約10~約500ミクロン又は約150~約250ミクロンの厚さであってもよい。
この明細書に開示された代表的な態様のいずれかによる薄膜は、500ミクロン未満、400ミクロン未満、300ミクロン未満又は200ミクロン未満の厚さであってもよい。
別の代表的な態様では、手袋又はコンドームといった製造物品が提供され、ここで、当該製造物品は、この明細書に開示された代表的な態様のいずれか1つに従う1以上のSBC組成物又は相溶性重合体混合物を含む。
機械的性質
この開示によれば、SBC組成物又は相溶性重合体混合物は、1.0MPa未満又は0.70MPa未満の100%伸び率を有してもよい。
この開示によれば、SBC組成物又は相溶性重合体混合物は、1.0MPa未満又は0.70MPa未満の100%伸び率を有してもよい。
この開示によれば、薄肉弾性製品は、1.0MPa未満又は0.70MPa未満の100%伸び率を有してもよい。
この開示によれば、薄肉弾性製品は、EN455-2及びISO10282に準拠した、つまり9N(劣化していない膜で測定)を超える破断力を有してもよい。
この開示によれば、薄肉弾性製品は、ASTM D3577に準拠した、つまり17MPas(劣化していない膜)を超える引張強度を有してもよい。
SBC組成物、相溶性重合体混合物又は薄肉弾性製品は、上述の機械的性質の任意の組み合わせを有してもよい。
組成物
この開示の態様によれば、組成物は、PHR(100ゴムあたり)で表され、ゴムは1以上のSBCである。組成物中の成分の例示的な範囲は以下のものを含む:・相溶性重合体:0.25~100phr、好ましくは5~50phr・可塑剤/可撓化剤:0~200phr、好ましくは20~75phr・架橋剤:0.01~5phr、好ましくは0.05~1phr・光開始剤:0~5phr、好ましくは0~2phr。
この開示の態様によれば、組成物は、PHR(100ゴムあたり)で表され、ゴムは1以上のSBCである。組成物中の成分の例示的な範囲は以下のものを含む:・相溶性重合体:0.25~100phr、好ましくは5~50phr・可塑剤/可撓化剤:0~200phr、好ましくは20~75phr・架橋剤:0.01~5phr、好ましくは0.05~1phr・光開始剤:0~5phr、好ましくは0~2phr。
定義と構成
本明細書に開示の薄肉弾性浸漬製品、例えば手袋、特に医療用手袋、及びコンドームは、約10~約500ミクロン又は約150~約250ミクロンの厚さであってもよい。
本明細書に開示の薄肉弾性浸漬製品、例えば手袋、特に医療用手袋、及びコンドームは、約10~約500ミクロン又は約150~約250ミクロンの厚さであってもよい。
浸漬製品は、単一の層でもよく又は多層であってもよい。多層製品は、同じ重合体組成物又は異なる重合体組成物を含む層を含んでもよい。
実施例
以下の実施例は、本明細書で開示された組成物を説明し、また、この開示を説明することを意図している。実施例は、決して、この開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
以下の実施例は、本明細書で開示された組成物を説明し、また、この開示を説明することを意図している。実施例は、決して、この開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
この開示は、特定の態様により説明されているが、この説明は、この開示の範囲を例示することを意図するもので、この開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。他の態様、利点及び変更は、この開示に関係する当業者にとって明らかであろう。したがって、実施例は、開示された組成物を作成し、使用する方法の完全な開示及び説明を当業者に提供するために説明されており、この開示の範囲を限定することを意図したものではない。
実施例1
以下の実施例は、この開示によれば、組成物の改善された性能(機械的性質及び耐薬品性)を示す。
以下の実施例は、この開示によれば、組成物の改善された性能(機械的性質及び耐薬品性)を示す。
粘度150mPas(濃度10%のトルエン中、25℃)のスチレン-ブタジエン-スチレン共重合体(SBS)、スチレン及び置換スチレンに基づく相溶性重合体(Mn=800g/mol、多分散性指数=2.8)、40°Cで粘度68mPasの白色鉱油としての可塑剤、及びトリメチルプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)としての架橋剤を、メチルシクロヘキサン及びトルエンの混合物(8:2)に溶解し、18重量%の固形分を有する溶液を調製した。
以下の表に示す、異なる量の架橋剤及び相溶性重合体(「P」)を使用した。
可塑剤の量は50phrで、1phrのポリフェノール系酸化防止剤を重合体溶液に添加した。
溶液を、溶媒の蒸発を防ぐためにふたをした適切な容器中に周囲温度で保管した。浸漬速度を制御する浸漬ロボットを用いて磁器製の型を溶液に浸漬した後、溶媒を蒸発させ、膜を得た。ストリッピングの前に、膜を70℃で1時間乾燥し、次いで、50℃で6時間の最終乾燥を行い、微量の残留溶媒を除去した。
次いで、膜に25±2kGyの線量の電子線照射を行った。
照射を受けた膜の耐薬品性を、様々な手段で評価した。理想的には、試験方法は、化学物質への実際の暴露条件を再現するものでなければならない。
この実施例では、SBC組成物は手袋に用いることを意図していたため、膜の耐薬品性を評価するために以下の試験を採用した。1) スワブ試験:0.5gの純粋なメタクリル酸メチル単量体を綿棒に浸み込ませ、前もってわずかに張力をかけた膜に塗布した。接触時間は、わずかな圧力の下で、10秒であった。試験を3回繰り返し、その後、膜の抵抗性を試験した。2) 膨潤試験:膜から直径25mmのディスクを切り取り、20mlのMEKを含むビーカー中に5分間、わずかに攪拌しながら入れた。5分後、ディスクを取り外し、その外面をティッシュできれいにし、ディスクの直径を測定した。膨潤率を、100×(膨潤後の直径(mm)-25)/25として測定した。機械的性質を、手術用手袋のASTM 3577に従って測定した。老化していない合成2型材料では、引張強度の下限は17MPaである。結果を以下の表に示す。
これらの結果は、SBSはトリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)で効率的に化学架橋できることを示す。
この実施例は、SBC、架橋剤及び相溶性重合体を組み合わせた組成物が、- SBC単独(試料1)- 架橋剤を配合しないで相溶性重合体と組み合わせたSBC(試料2)- 相溶性重合体を配合しないで架橋剤と組み合わせたSBC(試料4)より大きな機械的性質を示すことを物語る。
試料3は、試料1又は2と比較して、耐薬品性が大幅に改善されたことも示す。最後に、試料3の手袋が、引張強度に関するASTM仕様を通過する唯一のサンプルであることがわかる。また、得られる膜は非常に柔らかい(100%伸び率=0.68MPa)。
実施例2
試料1~4で使用されているSBS共重合体を置き換えるために、粘度45mPas(濃度10%のトルエン中、25℃)のスチレン-イソプレンジブロック共重合体を含むスチレン-イソプレン-スチレン共重合体(SIS)を使用した。
試料1~4で使用されているSBS共重合体を置き換えるために、粘度45mPas(濃度10%のトルエン中、25℃)のスチレン-イソプレンジブロック共重合体を含むスチレン-イソプレン-スチレン共重合体(SIS)を使用した。
相溶性重合体は、20phrのスチレン及び置換スチレン(Mn=800g/mol、多分散性指数=2.8)に基づき、可塑剤も可撓化剤も含まない。架橋剤は、1phrのトリメチロールプロパントリメタクリレートである。
試料1~4に関し、溶媒蒸発後に膜を得、その後、50±3kGyの線量の電子線を照射する前に、乾燥して残留溶媒の痕跡を除去した。
膜の機械的性質は17.1MPaで、スワブ試験で優れた耐薬品性を有する。
実施例3
以下の重合体の組合せを用い、多層膜を製造した:- 上記試料3に記載のスチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体組成物からなる厚さ80±10μmの第1層- 高分子量スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン(SEBS)からなる厚さ140±20μmの第2層。このSEBSは、粘度75cp(5%のトルエン)の放射状構造で、31%のポリスチレンを含む。相溶性重合体は、25phrのスチレン及び置換スチレン(Mn=800g/mol、多分散性指数=2.8)に基づき、可塑剤の量は60phrである。架橋剤は、0.2phrのトリメチルプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)である。多層膜に、40kGy±3の電子線照射を行った。この膜の分析の結果、20.5MPaの引張強度とスワブ試験での優れた耐性が示された。
以下の重合体の組合せを用い、多層膜を製造した:- 上記試料3に記載のスチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体組成物からなる厚さ80±10μmの第1層- 高分子量スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン(SEBS)からなる厚さ140±20μmの第2層。このSEBSは、粘度75cp(5%のトルエン)の放射状構造で、31%のポリスチレンを含む。相溶性重合体は、25phrのスチレン及び置換スチレン(Mn=800g/mol、多分散性指数=2.8)に基づき、可塑剤の量は60phrである。架橋剤は、0.2phrのトリメチルプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)である。多層膜に、40kGy±3の電子線照射を行った。この膜の分析の結果、20.5MPaの引張強度とスワブ試験での優れた耐性が示された。
実施例4
ポリマーの組み合わせで製造されるSBSサンプルを表2に示す。表2から、これらサンプルが、粘度とともにスチレン含有量、分子量、分子構造が異なることがわかる。
ポリマーの組み合わせで製造されるSBSサンプルを表2に示す。表2から、これらサンプルが、粘度とともにスチレン含有量、分子量、分子構造が異なることがわかる。
表2に示したSBSサンプルについて機械的特性(引張強度、破断伸び、100%および500%伸び率)を表3に示す。
表3から、分子量が100,000g/mol未満のポリマーでは(セット3および6)、他のSBSセットと比較して、引張強度、破断伸び、100%および500%伸び率が低いことが明らかである。これは分子量の低いポリマーの鎖がファンデルワールス力によって緩く結合しているためであり、このためポリマー鎖の強度が低くなる。セット1、2、4、5では、ポリマー鎖がより大きく、より絡み合い、ポリマー鎖がより強くなることから、より高い引張強度を示す。これらのポリマーの引張強度は、エラストマー性中間ブロックに対するポリスチレン末端ブロックの体積相比とともにこれら2相のモルホロジーに関係する応力ひずみ挙動によっても決まる。
ポリスチレンが低濃度であると物理的架橋が起こらないことがある。濃度が20%から30%では、ポリスチレンは加硫ゴムの特性を示す。一方、濃度が33%を超えると、ポリスチレンは熱可塑性プラスチックの特性を示すようになる。ポリマー鎖のブタジエンセグメントに分布する不飽和二重結合の数は、スチレン含有量が増加するにつれて減少する。そのため、架橋点が低下し加硫しにくくなることがある。このことは表3においてセット3と6が高い弾性率とともに低い引張強度を示すことからも明らかである。
表3には、放射状タイプのポリマー構造を持つポリマーサンプルが、直鎖状タイプのポリマー構造を持つポリマーサンプルと比較して、絡み合うための接合部が多いことから、引張強度がより高いことも示している。
実施例5
ポリマーの組み合わせで製造されるSEBSサンプルと他のSBCサンプルとを表4に示す。表4から、これらサンプルが粘度とともにスチレン含有量、分子量、分子構造が異なることがわかる。
ポリマーの組み合わせで製造されるSEBSサンプルと他のSBCサンプルとを表4に示す。表4から、これらサンプルが粘度とともにスチレン含有量、分子量、分子構造が異なることがわかる。
表4に示したSEBSサンプルおよび他のSBCサンプルの機械的特性(引張強度、破断伸び、100%および500%伸び率)を表5に示す。
なお、ポリマーの強度および剛性は、ポリマーの中間ブロックセグメントの化学的性質およびそれらの相互作用とに依存する。SEBSポリマーの場合、分子量が100,000g/molより高いセットA、D、Eは、他のセットのSEBSポリマーと比較して高い粘度および引張強度を示す。これは、分子量が高いことが望ましい機械的特性に寄与することを示している。
SEPSポリマーについては、セットFは非常に低い引張強度を示し、セットFのポリマーから作られたフィルムが弱く脆いことを示している。セットA、B、Cと同様にSEPSポリマーと比較すると、SEPSポリマーを有するセットFは高い剛性を示すが、これは延伸において結晶性が発現したためである。一方、セットHおよびIについては、分子量が約100,000g/molでありスチレン含有量が低いセットHが、好ましい引張強度に寄与している。
簡潔にするため、本明細書に特定の範囲のみ明示的に開示する。しかし、任意の下限と任意の上限、任意の下限と他の任意の下限又は任意の上限と他の任意の上限を組み合わせて、明示的に記載されていない範囲を暗示することができる。
引用されたすべての文献は、組み込みが許可されるすべての法律において、及び本明細書における開示と一致する範囲において、参照により本明細書中に完全に組み込まれる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 1以上のスチレン系ブロック共重合体(SBC)、及び1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと相溶性の1以上の重合体を含むエラストマー性スチレン系ブロック共重合体組成物であって、
当該ブロック共重合体組成物は、物理的及び化学的に架橋されており、
当該化学的な架橋はSBCの鎖間の共有結合を含み、かつ、
当該物理的な架橋は、1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと前記末端ブロックと相溶性の1以上の重合体の間の非共有結合相互作用を含む、スチレン系ブロック共重合体組成物。
[2] 1以上のSBC、1以上のSBCの1以上のポリスチレン末端ブロックと相溶性の1以上の重合体、及び、1以上のSBCの鎖間に共有結合を誘導できる1以上の架橋剤を含む、エラストマー性スチレン系ブロック共重合体組成物。
[3] 1以上のSBC、及び1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと相溶性の1以上の重合体を含む相溶性重合体混合物であって、
当該相溶性重合体混合物は、物理的及び化学的に架橋されており、
当該化学的な架橋はSBCの鎖間の共有結合を含み、かつ、
当該物理的な架橋は、1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと前記末端ブロックと相溶性の1以上の重合体の間の非共有結合相互作用を含む、相溶性重合体混合物。
[4] 1以上のSBC、1以上のSBCの1以上のポリスチレン末端ブロックと相溶性の1以上の重合体、及び、1以上のSBCの鎖間に共有結合を誘導できる1以上の架橋剤を結合する工程を含むSBC組成物を製造する方法。
[5] 1以上のSBCのエラストマー性中間ブロックと適合性のある1以上の可塑剤及び/又は可撓化剤をさらに含む、[1]若しくは[2]に記載の組成物、[3]に記載の混合物、又は[4]に記載の方法。
[6] 前記1以上のSBCは、独立して、完全に不飽和の、部分的に不飽和の、又は完全に飽和のエラストマー性中間ブロックを含む、[1]、[2]若しくは[5]のいずれかに記載の組成物、[3]若しくは[5]のいずれかに記載の混合物、又は[4]若しくは[5]のいずれかに記載の方法。
[7] 前記1以上のSBCは、完全に飽和のエラストマー性中間ブロックを含み、当該完全に飽和のエラストマー性中間ブロックは、放射線にさらされた場合、例えば、電子線照射を受けた場合に切断可能である、[1]、[2]、[5]若しくは[6]のいずれかに記載の組成物、[3]、[5]若しくは[6]のいずれかに記載の混合物、又は[4]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8] 前記1以上のSBSは、SIS、SBS、SIBS、S-イソブチレン-S、SEBS、SEPS、SEEPS、又は、中間ラバーブロックにグラフトされた反応性基、例えば、カルボン酸、アミン、アルコール、マレイン酸無水物、エポキシ、イソシアン酸塩及びアジリジン並びにこれらの組合せで官能基化されたSBCからなる群から選択される、[1]、[2]若しくは[5]~[7]のいずれかに記載の組成物、[3]若しくは[5]~[7]のいずれかに記載の混合物、又は[4]~[7]のいずれかに記載の方法。
[9] 前記1以上のSBCは、100,000g/molを超える分子量(Mn)である、[1]、[2]若しくは[5]~[8]のいずれかに記載の組成物、[3]~[8]のいずれかに記載の混合物、又は[4]~[8]のいずれかに記載の方法。
[10] 前記少なくとも1のSBCは、炭素-炭素二重結合のような反応性官能基を含むエラストマー性中間ブロックを有する、[1]、[2]若しくは[5]~[9]のいずれかに記載の組成物、[3]~[9]のいずれかに記載の混合物、又は[4]~[9]のいずれかに記載の方法。
[11] 前記相溶性重合体の数平均分子量(Mn)は10,000g/mol未満であり、より好ましくは、3,000g/mol未満である、[1]、[2]若しくは[5]~[10]のいずれかに記載の組成物、[3]~[10]のいずれかに記載の混合物、又は[4]~[10]のいずれかに記載の方法。
[12] 前記相溶性重合体は幅広い分子量の多分散性指数を有し、例えば、2.0を超える、3.0を超える、4.0を超える、又は5.0を超える、[1]、[2]若しくは[5]~[11]のいずれかに記載の組成物、[3]~[11]のいずれかに記載の混合物、又は[4]~[11]のいずれかに記載の方法。
[13] 前記相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、クマロン-インデン樹脂、ポリインデン樹脂、ポリ(メチルインデン)樹脂、ビニルトルエン-αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体、ロジンエステル、スチレン化テルペン類、ポリテルペン類、テルペンフェノール類、及びこれらの混合物からなる群から選択される、[1]、[2]若しくは[5]~[12]のいずれかに記載の組成物、[3]~[12]のいずれかに記載の混合物、又は[4]~[12]のいずれかに記載の方法。
[14] 前記少なくとも1のSBCは、化学的な架橋を可能にする二重結合をそのエラストマー性中間ブロック中に含み、かつ、前記1以上の相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、クマロン-インデン樹脂、ポリインデン樹脂、ポリ(メチルインデン)樹脂、ビニルトルエン-αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体、ロジンエステル、スチレン化テルペン類、ポリテルペン類、テルペン フェノール類、及びこれらの混合物からなる群から選択され、当該SBCは100,000g/molを超える分子量(Mn)を有し、かつ、当該相溶性重合体は10,000g/mol未満の分子量(Mn)を有する、[1]、[2]若しくは[5]~[13]のいずれかに記載の組成物、[3]~[13]のいずれかに記載の混合物、又は[4]~[13]のいずれかに記載の方法。
[15] 前記架橋剤は、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどの多官能性アクリレート、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオネート)などの官能性チオール、及び、ビニル基又はアリル基を有する他の多機能化合物、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、[2]及び[5]~[14]のいずれかに記載の組成物又は[4]~[14]のいずれかに記載の方法。
[16] 前記架橋剤は、金属塩、有機アミン、有機ジアミン、及び有機ポリアミンからなる群から選択されるアミン架橋剤、又はポリオールである、[2]及び[5]~[14]のいずれかに記載の組成物又は[4]~[14]のいずれかに記載の方法。
[17] 前記架橋剤は、従来の硫黄、金属酸化物、及びゴムの加硫に一般的に用いられる促進剤から選択される、[2]及び[5]~[14]のいずれかに記載の組成物又は[4]~[14]のいずれかに記載の方法。
[18] 前記架橋剤は、主鎖にエーテル又はエステル基を含む、ジチオール、トリチオール及びテトラチオール分子から選択される、[2]及び[5]~[14]のいずれかに記載の組成物又は[4]~[14]のいずれかに記載の方法。
[19] 前記組成物は、例えば紫外線、電子線、ガンマ線又はX線などの放射線の照射により架橋される、[5]~[18]のいずれかに記載の方法。
[20] 前記架橋反応は、ラジカル型光開始剤の1つ又は混合物によって開始又は促進される、[5]~[19]のいずれかに記載の方法。
[21] 前記架橋光開始剤は、モノアシルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベゾイルジフェニルホスフィンオキシドのようなアシルホスフィンオキシド、又は、2-ヒドロキシメチル-1-フェニルプロパノン、ベンゾイルギ酸メチル及びフェニルグリオキシル酸メチルエステルのようなその他のものからなる群から選択される、[20]に記載の方法。
[22] 前記可塑剤は、SBCの中間ブロック(エラストマー性ブロック)と適合性のある液体飽和ポリオレフィン又はその混合物を含む、[5]~[18]のいずれかに記載の組成物、[3]~[14]のいずれかに記載の混合物、又は[5]~[21]のいずれかに記載の方法。
[23] 前記可塑剤は、可塑化油、好ましくは鉱物可塑化油、特にパラフィン性若しくはナフテン性の化合物又はそれらの混合物から形成される液体飽和炭化水素の精製混合物から形成される鉱物油を含む、[5]~[18]若しくは[22]のいずれかに記載の組成物、[3]~[14]若しくは[22]のいずれかに記載の混合物、又は[5]~[22]のいずれかに記載の方法。
[24] 前記可撓化剤は、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブテン、プロピレン及びエチレンのアモルファスポリオレフィン共重合体、ブチルゴム、並びにエラストマーブロックとの十分な適合性を有することが知られている他のエラストマーから選択される、[5]~[18]、[22]若しくは[23]のいずれかに記載の組成物、[3]~[14]、[22]若しくは[23]のいずれかに記載の混合物、又は[5]~[23]のいずれかに記載の方法。
[25] 潤滑剤、帯電防止剤、一次及び二次酸化防止剤、着色剤又は処理剤などの、ポリマー業界、特に手袋業界で従来使用されている他の補助剤をさらに含む、[1]、[2]、[5]~[18]若しくは[22]~[24]のいずれかに記載の組成物、[3]~[14]若しくは[22]~[24]のいずれかに記載の混合物、又は[4]~[24]のいずれかに記載の方法。
[26] [1]、[2]、[5]~[18]、若しくは[22]~[25]のいずれかに記載の少なくとも1のSBC組成物、又は[3]~[14]若しくは[22]~[25]に記載の混合物から、浸漬製品を製造する方法であって、製造される浸漬製品の外形に対応する外側型を、事前に特定可能な期間、1以上のSBC組成物又は相溶性重合体混合物を含む浸漬溶液に浸漬し、その後、前記浸漬製品を前記溶液から取り出し、乾燥する、方法。
[27] 乾燥させた製品を放射線、好ましくは電子線照射にさらすことをさらに含む[26]に記載の方法。
[28] 1以上のSBC組成物又は相溶性重合体混合物を含む薄膜であって、当該薄膜は、ASTM 3577に従って評価した場合、17MPaを超える引張強度を有し、当該薄膜は実質的に有機溶媒に不溶である、薄膜。
[29] 前記膜は、約10ミクロン~約500ミクロンの厚さである[28]に記載の薄膜。
[30] 前記膜の少なくとも80%、又は95%が有機溶剤に不溶である[28]又は[29]に記載の薄膜。
[31] 薄膜であって、[1]、[2]、[5]~[18]若しくは[22]~[24]のいずれかに記載の1以上のSBC組成物、又は[3]~[14]若しくは[22]~[24]のいずれかに記載の相溶性重合体混合物を含む、薄膜。
[32] 前記膜は、約10ミクロン~約500ミクロンの厚さである[31]に記載の薄膜。
[33] 前記膜は、約150ミクロン~約250ミクロンの厚さである[31]に記載の薄膜。
[34] 前記薄膜は、ASTM 3577に従って評価した場合、17MPaを超える引張強度を有し、前記薄膜は実質的に有機溶媒に不溶である[30]~[33]のいずれかに記載の薄膜。
[35] 多層膜であって、当該多層膜は1以上の層を含み、当該1以上の層は、[1]、[2]、[5]~[18]若しくは[22]~[25]のいずれかに記載のSBC組成物、又は[3]~[14]若しくは[22]~[25]のいずれかに記載の相溶性重合体混合物を含む、多層膜。
[36] 多層膜であって、当該多層膜は1以上の層を含み、当該1以上の層はSBC組成物又は相溶性重合体混合物を含み、当該組成物又は相溶性重合体混合物は少なくとも17MPaの引張強度を有し、当該組成物又は相溶性重合体混合物は実質的に有機溶媒に不溶である、多層膜。
[37] 多層膜であって、当該多層膜は、[28]~[34]のいずれかに記載のいくつかの薄膜を含む多層膜。
[38] 前記1以上の層は、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ブチルゴム、ポリウレタン、アクリル酸重合体及び共重合体、シリコーンエラストマー、他のSBC、環状ブロック共重合体(CBC)並びにそれらの混合物からなる群から選択される、[35]~[37]のいずれかに記載の多層膜。
[39] 製造物品であって、[1]、[2]、[5]~[18]、若しくは[22]~[25]のいずれかに記載の1以上のSBC組成物、又は[3]~[14]若しくは[22]~[25]のいずれかに記載の相溶性重合体混合物を含む、製造物品。
[40] 前記物品は、医療用手袋、コンドームなどの医療機器、又は実験室用手袋や清潔な工業用手袋などの個人用保護具である、[39]に記載の製造物品。
[1] 1以上のスチレン系ブロック共重合体(SBC)、及び1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと相溶性の1以上の重合体を含むエラストマー性スチレン系ブロック共重合体組成物であって、
当該ブロック共重合体組成物は、物理的及び化学的に架橋されており、
当該化学的な架橋はSBCの鎖間の共有結合を含み、かつ、
当該物理的な架橋は、1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと前記末端ブロックと相溶性の1以上の重合体の間の非共有結合相互作用を含む、スチレン系ブロック共重合体組成物。
[2] 1以上のSBC、1以上のSBCの1以上のポリスチレン末端ブロックと相溶性の1以上の重合体、及び、1以上のSBCの鎖間に共有結合を誘導できる1以上の架橋剤を含む、エラストマー性スチレン系ブロック共重合体組成物。
[3] 1以上のSBC、及び1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと相溶性の1以上の重合体を含む相溶性重合体混合物であって、
当該相溶性重合体混合物は、物理的及び化学的に架橋されており、
当該化学的な架橋はSBCの鎖間の共有結合を含み、かつ、
当該物理的な架橋は、1以上のSBCのスチレン系末端ブロックと前記末端ブロックと相溶性の1以上の重合体の間の非共有結合相互作用を含む、相溶性重合体混合物。
[4] 1以上のSBC、1以上のSBCの1以上のポリスチレン末端ブロックと相溶性の1以上の重合体、及び、1以上のSBCの鎖間に共有結合を誘導できる1以上の架橋剤を結合する工程を含むSBC組成物を製造する方法。
[5] 1以上のSBCのエラストマー性中間ブロックと適合性のある1以上の可塑剤及び/又は可撓化剤をさらに含む、[1]若しくは[2]に記載の組成物、[3]に記載の混合物、又は[4]に記載の方法。
[6] 前記1以上のSBCは、独立して、完全に不飽和の、部分的に不飽和の、又は完全に飽和のエラストマー性中間ブロックを含む、[1]、[2]若しくは[5]のいずれかに記載の組成物、[3]若しくは[5]のいずれかに記載の混合物、又は[4]若しくは[5]のいずれかに記載の方法。
[7] 前記1以上のSBCは、完全に飽和のエラストマー性中間ブロックを含み、当該完全に飽和のエラストマー性中間ブロックは、放射線にさらされた場合、例えば、電子線照射を受けた場合に切断可能である、[1]、[2]、[5]若しくは[6]のいずれかに記載の組成物、[3]、[5]若しくは[6]のいずれかに記載の混合物、又は[4]~[6]のいずれかに記載の方法。
[8] 前記1以上のSBSは、SIS、SBS、SIBS、S-イソブチレン-S、SEBS、SEPS、SEEPS、又は、中間ラバーブロックにグラフトされた反応性基、例えば、カルボン酸、アミン、アルコール、マレイン酸無水物、エポキシ、イソシアン酸塩及びアジリジン並びにこれらの組合せで官能基化されたSBCからなる群から選択される、[1]、[2]若しくは[5]~[7]のいずれかに記載の組成物、[3]若しくは[5]~[7]のいずれかに記載の混合物、又は[4]~[7]のいずれかに記載の方法。
[9] 前記1以上のSBCは、100,000g/molを超える分子量(Mn)である、[1]、[2]若しくは[5]~[8]のいずれかに記載の組成物、[3]~[8]のいずれかに記載の混合物、又は[4]~[8]のいずれかに記載の方法。
[10] 前記少なくとも1のSBCは、炭素-炭素二重結合のような反応性官能基を含むエラストマー性中間ブロックを有する、[1]、[2]若しくは[5]~[9]のいずれかに記載の組成物、[3]~[9]のいずれかに記載の混合物、又は[4]~[9]のいずれかに記載の方法。
[11] 前記相溶性重合体の数平均分子量(Mn)は10,000g/mol未満であり、より好ましくは、3,000g/mol未満である、[1]、[2]若しくは[5]~[10]のいずれかに記載の組成物、[3]~[10]のいずれかに記載の混合物、又は[4]~[10]のいずれかに記載の方法。
[12] 前記相溶性重合体は幅広い分子量の多分散性指数を有し、例えば、2.0を超える、3.0を超える、4.0を超える、又は5.0を超える、[1]、[2]若しくは[5]~[11]のいずれかに記載の組成物、[3]~[11]のいずれかに記載の混合物、又は[4]~[11]のいずれかに記載の方法。
[13] 前記相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、クマロン-インデン樹脂、ポリインデン樹脂、ポリ(メチルインデン)樹脂、ビニルトルエン-αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体、ロジンエステル、スチレン化テルペン類、ポリテルペン類、テルペンフェノール類、及びこれらの混合物からなる群から選択される、[1]、[2]若しくは[5]~[12]のいずれかに記載の組成物、[3]~[12]のいずれかに記載の混合物、又は[4]~[12]のいずれかに記載の方法。
[14] 前記少なくとも1のSBCは、化学的な架橋を可能にする二重結合をそのエラストマー性中間ブロック中に含み、かつ、前記1以上の相溶性重合体は、ポリスチレン樹脂、クマロン-インデン樹脂、ポリインデン樹脂、ポリ(メチルインデン)樹脂、ビニルトルエン-αメチルスチレン樹脂、αメチルスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル、αメチルスチレンやパラメチルスチレンのようなアルキルアレーン単量体の共重合体、ロジンエステル、スチレン化テルペン類、ポリテルペン類、テルペン フェノール類、及びこれらの混合物からなる群から選択され、当該SBCは100,000g/molを超える分子量(Mn)を有し、かつ、当該相溶性重合体は10,000g/mol未満の分子量(Mn)を有する、[1]、[2]若しくは[5]~[13]のいずれかに記載の組成物、[3]~[13]のいずれかに記載の混合物、又は[4]~[13]のいずれかに記載の方法。
[15] 前記架橋剤は、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどの多官能性アクリレート、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(3-メルカプトプロピオネート)などの官能性チオール、及び、ビニル基又はアリル基を有する他の多機能化合物、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、[2]及び[5]~[14]のいずれかに記載の組成物又は[4]~[14]のいずれかに記載の方法。
[16] 前記架橋剤は、金属塩、有機アミン、有機ジアミン、及び有機ポリアミンからなる群から選択されるアミン架橋剤、又はポリオールである、[2]及び[5]~[14]のいずれかに記載の組成物又は[4]~[14]のいずれかに記載の方法。
[17] 前記架橋剤は、従来の硫黄、金属酸化物、及びゴムの加硫に一般的に用いられる促進剤から選択される、[2]及び[5]~[14]のいずれかに記載の組成物又は[4]~[14]のいずれかに記載の方法。
[18] 前記架橋剤は、主鎖にエーテル又はエステル基を含む、ジチオール、トリチオール及びテトラチオール分子から選択される、[2]及び[5]~[14]のいずれかに記載の組成物又は[4]~[14]のいずれかに記載の方法。
[19] 前記組成物は、例えば紫外線、電子線、ガンマ線又はX線などの放射線の照射により架橋される、[5]~[18]のいずれかに記載の方法。
[20] 前記架橋反応は、ラジカル型光開始剤の1つ又は混合物によって開始又は促進される、[5]~[19]のいずれかに記載の方法。
[21] 前記架橋光開始剤は、モノアシルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベゾイルジフェニルホスフィンオキシドのようなアシルホスフィンオキシド、又は、2-ヒドロキシメチル-1-フェニルプロパノン、ベンゾイルギ酸メチル及びフェニルグリオキシル酸メチルエステルのようなその他のものからなる群から選択される、[20]に記載の方法。
[22] 前記可塑剤は、SBCの中間ブロック(エラストマー性ブロック)と適合性のある液体飽和ポリオレフィン又はその混合物を含む、[5]~[18]のいずれかに記載の組成物、[3]~[14]のいずれかに記載の混合物、又は[5]~[21]のいずれかに記載の方法。
[23] 前記可塑剤は、可塑化油、好ましくは鉱物可塑化油、特にパラフィン性若しくはナフテン性の化合物又はそれらの混合物から形成される液体飽和炭化水素の精製混合物から形成される鉱物油を含む、[5]~[18]若しくは[22]のいずれかに記載の組成物、[3]~[14]若しくは[22]のいずれかに記載の混合物、又は[5]~[22]のいずれかに記載の方法。
[24] 前記可撓化剤は、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブテン、プロピレン及びエチレンのアモルファスポリオレフィン共重合体、ブチルゴム、並びにエラストマーブロックとの十分な適合性を有することが知られている他のエラストマーから選択される、[5]~[18]、[22]若しくは[23]のいずれかに記載の組成物、[3]~[14]、[22]若しくは[23]のいずれかに記載の混合物、又は[5]~[23]のいずれかに記載の方法。
[25] 潤滑剤、帯電防止剤、一次及び二次酸化防止剤、着色剤又は処理剤などの、ポリマー業界、特に手袋業界で従来使用されている他の補助剤をさらに含む、[1]、[2]、[5]~[18]若しくは[22]~[24]のいずれかに記載の組成物、[3]~[14]若しくは[22]~[24]のいずれかに記載の混合物、又は[4]~[24]のいずれかに記載の方法。
[26] [1]、[2]、[5]~[18]、若しくは[22]~[25]のいずれかに記載の少なくとも1のSBC組成物、又は[3]~[14]若しくは[22]~[25]に記載の混合物から、浸漬製品を製造する方法であって、製造される浸漬製品の外形に対応する外側型を、事前に特定可能な期間、1以上のSBC組成物又は相溶性重合体混合物を含む浸漬溶液に浸漬し、その後、前記浸漬製品を前記溶液から取り出し、乾燥する、方法。
[27] 乾燥させた製品を放射線、好ましくは電子線照射にさらすことをさらに含む[26]に記載の方法。
[28] 1以上のSBC組成物又は相溶性重合体混合物を含む薄膜であって、当該薄膜は、ASTM 3577に従って評価した場合、17MPaを超える引張強度を有し、当該薄膜は実質的に有機溶媒に不溶である、薄膜。
[29] 前記膜は、約10ミクロン~約500ミクロンの厚さである[28]に記載の薄膜。
[30] 前記膜の少なくとも80%、又は95%が有機溶剤に不溶である[28]又は[29]に記載の薄膜。
[31] 薄膜であって、[1]、[2]、[5]~[18]若しくは[22]~[24]のいずれかに記載の1以上のSBC組成物、又は[3]~[14]若しくは[22]~[24]のいずれかに記載の相溶性重合体混合物を含む、薄膜。
[32] 前記膜は、約10ミクロン~約500ミクロンの厚さである[31]に記載の薄膜。
[33] 前記膜は、約150ミクロン~約250ミクロンの厚さである[31]に記載の薄膜。
[34] 前記薄膜は、ASTM 3577に従って評価した場合、17MPaを超える引張強度を有し、前記薄膜は実質的に有機溶媒に不溶である[30]~[33]のいずれかに記載の薄膜。
[35] 多層膜であって、当該多層膜は1以上の層を含み、当該1以上の層は、[1]、[2]、[5]~[18]若しくは[22]~[25]のいずれかに記載のSBC組成物、又は[3]~[14]若しくは[22]~[25]のいずれかに記載の相溶性重合体混合物を含む、多層膜。
[36] 多層膜であって、当該多層膜は1以上の層を含み、当該1以上の層はSBC組成物又は相溶性重合体混合物を含み、当該組成物又は相溶性重合体混合物は少なくとも17MPaの引張強度を有し、当該組成物又は相溶性重合体混合物は実質的に有機溶媒に不溶である、多層膜。
[37] 多層膜であって、当該多層膜は、[28]~[34]のいずれかに記載のいくつかの薄膜を含む多層膜。
[38] 前記1以上の層は、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ブチルゴム、ポリウレタン、アクリル酸重合体及び共重合体、シリコーンエラストマー、他のSBC、環状ブロック共重合体(CBC)並びにそれらの混合物からなる群から選択される、[35]~[37]のいずれかに記載の多層膜。
[39] 製造物品であって、[1]、[2]、[5]~[18]、若しくは[22]~[25]のいずれかに記載の1以上のSBC組成物、又は[3]~[14]若しくは[22]~[25]のいずれかに記載の相溶性重合体混合物を含む、製造物品。
[40] 前記物品は、医療用手袋、コンドームなどの医療機器、又は実験室用手袋や清潔な工業用手袋などの個人用保護具である、[39]に記載の製造物品。
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