JP2023095037A - 基板処理装置、基板処理方法、プログラム、および物品の製造方法 - Google Patents

基板処理装置、基板処理方法、プログラム、および物品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】計測時間の短縮と露光性能への影響の低減との両立の点で有利な基板処理装置を提供する。【解決手段】基板を処理する基板処理装置(100)であって、複数の計測部(301、302、303)と、過去に処理された基板のマーク位置情報に基づいて、複数の計測部の駆動目標位置を決定する決定手段(212)と、複数の計測部の少なくとも1つを駆動目標位置へ駆動する駆動手段(304、305、306)と、駆動目標位置において複数の計測部による同時計測を行うか否かを判定する判定手段(213)とを有する。【選択図】図5

Description

本発明は、基板処理装置、基板処理方法、プログラム、および物品の製造方法に関する。
従来、複数の検出系を用いて基板上の複数のアライメントマークを同時に計測することにより、基板の位置合わせ時間を短縮する短くする基板処理装置が知られている。特許文献1には、基板上の複数のアライメントマークを同時に検出する場合に、エンコーダーシステムを用いてアライメントの高精度化と計測時間の短縮する方法が開示されている。特許文献2には、支持装置と検出系との間に所定のクリアランスを設けることにより、検出系の駆動の際に発生する摩擦の影響を低減する方法が開示されている。特許文献3には、複数のアライメントマークを同時に検出する場合に、複数の検出系を用いてアライメント計測とフォーカス計測とを同時に行う方法が開示されている。
特開2012-119705号公報 特許第5534262号公報 特許第5195417号公報
しかし、複数の検出系を用いて基板上の複数のアライメントマークを同時に検出する場合、通常、ロット処理中に、ロットで指定されたアライメントマークの計測位置情報に応じて、検出系をアライメントマークが計測可能な位置に駆動する必要がある。このため、駆動の際に検出系や周辺装置に振動や熱が発生し、露光性能に影響を及ぼす可能性がある。
特許文献1に開示された方法では、アライメントマークを同時に計測するために必要なマーク検出系の駆動による露光性能への影響が考慮されていない。特許文献2に開示された方法では、検出系の駆動処理の実施タイミングについて開示されておらず、露光性能への影響を低減できない可能性がある。特許文献3に開示された方法では、検出系の駆動による露光性能への影響が考慮されていない。
そこで本発明は、計測時間の短縮と露光性能への影響の低減との両立の点で有利な基板処理装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての基板処理装置は、基板を処理する基板処理装置であって、複数の計測部と、過去に処理された基板のマーク位置情報に基づいて、前記複数の計測部の駆動目標位置を決定する決定手段と、前記複数の計測部の少なくとも1つを前記駆動目標位置へ駆動する駆動手段と、前記駆動目標位置において前記複数の計測部による同時計測を行うか否かを判定する判定手段とを有する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
本発明によれば、計測時間の短縮と露光性能への影響の低減との両立の点で有利な基板処理装置を提供することができる。
各実施形態における露光装置の構成図である。 各実施形態における露光装置の制御部の構成図である。 各実施形態における検出装置の構成図である。 各実施形態における検出装置の駆動位置とウエハ上のマーク計測位置との関係を示す図である。 第1実施形態における処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態における処理の流れを示すフローチャートである。 第3実施形態における処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の各実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが本発明に必須のものではなく、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。
<第1実施形態>
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態における露光装置(基板処理装置)100について説明する。図1は、露光装置100の構成図である。露光装置100は、マークを検出する検出装置(計測装置)15を備え、レチクル(原版)からの光でウエハ(基板)を露光する。なお本実施形態では、基板を処理する基板処理装置として、基板を露光して基板上にパターンを形成する露光装置100を例示して説明するが、それに限られるものではない。例えば、モールド(原版)を用いて基板上にインプリント材のパターンを形成するインプリント装置や、荷電粒子線を基板に照射して当該基板にパターンを形成する描画装置などの他の基板処理装置においても本実施形態を適用しうる。
露光装置100は、レチクルステージとウエハステージとを同期駆動させながら露光するステップアンドスキャン方式の露光装置(スキャナ)として説明する。また、露光装置100はスキャナに限られず、ウエハステージを静止させた状態で露光するステップアンドリピート方式の露光装置(ステッパ)としても良い。図1の例では、露光装置100は光源7、照明光学系8、レチクルステージ2、投影光学系3、ウエハステージ6、ウエハチャック5、および制御部16を有する。また露光装置100は、レーザ干渉計9、レーザ干渉計10、フォーカスセンサ11、ウエハ搬送部12、レチクル搬送部14、および検出装置15を有する。また、以降の説明では、投影光学系3の光軸に平行な方向をZ軸方向とし、Z軸方向に垂直な平面内で互いに直交する2方向をX軸方向およびY軸方向とする。また、X、Y、Z軸周りの回転方向を、それぞれωX軸方向、ωY軸方向、ωZ軸方向とする。
光源7としては、例えば高圧水銀ランプ、ArFエキシマレーザ、及びKrFエキシマレーザなどがある。また光源7は、露光装置100のチャンバ内部にあるとは限らず、外付けになっている構成もあり得る。光源7を出た光は、照明光学系8を介して、レチクル(原版、マスク)1を照明する。レチクル1は、感光材が塗布されたウエハ(基板)4上に転写するパターンが描画されており、レチクルステージ2に搭載される。レチクルステージ2は、レチクルチャック(不図示)を介してレチクルを吸着保持し、例えば、リニアモータ(不図示)により移動可能に構成される。
投影光学系3は、レチクル1に描画されたパターンの像を、ウエハチャック5上に載置されたウエハ4上に投影(露光)する。パターンの像をウエハ4上に投影する際に、投影光学系3を介して投影倍率(例えば、1/4)で反転縮小した像が、ウエハ4上に投影される。パターンの像が投影される領域をショット領域とすると、ウエハ4には複数のショット領域が設定され、順次、ショット領域への投影が繰り返し行われる。
ウエハステージ6は、リニアモータ(不図示)に駆動されることによって、X軸方向およびY軸方向に移動可能である。ウエハチャック5は、ウエハステージ6上に搭載され、ウエハ4を保持する。ウエハステージ6は、ウエハチャック5をZ軸方向、ωZ軸方向、ωX軸方向、およびωY軸方向に位置決めする。このように、ウエハチャック5に保持されたウエハ4は、ウエハステージ6、およびウエハチャック5の駆動によって移動する。
レーザ干渉計9は、レチクルステージ2のY軸方向の位置を計測し、かつレチクルステージ2の姿勢を計測する。レーザ干渉計9には、同様にレチクルステージ2のX軸方向の位置を計測するためのレーザ干渉計(不図示)を含む。またレーザ干渉計10は、ウエハ4を搭載するウエハステージ6のY軸方向の位置を計測し、かつウエハステージ6の姿勢を計測する。またレーザ干渉計10は、同様にウエハステージ6のX軸方向の位置を計測するレーザ干渉計(不図示)を含む。レチクルステージ2およびウエハステージ6のそれぞれの位置は、レーザ干渉計9およびレーザ干渉計10によって計測された位置に基づき、後述の制御部16により制御される。
フォーカスセンサ11は、ウエハ4に対して光(複数のビーム)を投射する投光系11aと、ウエハ4からの反射光を受光する受光系11bと、受光系からの光を検出し制御部16へ検出信号を出力する検出部(不図示)とを含む。投光系11aと受光系11bは、投影光学系3の射出部付近を挟むように設置され、投光系11aがウエハ4に斜入射光を照射し、受光系11bが反対側で反射した光を取り込む。フォーカスセンサ11により検出された検出信号から、制御部16がウエハ4のZ軸方向の位置を計測して、ウエハステージ6によるウエハ4の移動を制御する。
ウエハ搬送部12は、ウエハ4を搬送する。ウエハ搬送部12は、ウエハ4を収納するウエハ収納容器(不図示)等からウエハステージ6にウエハ4を搬送する。また、ウエハ搬送部12は、ウエハステージ6からウエハ収納容器等へウエハ4を搬送する。レチクル搬送部14は、レチクル1を搬送する。レチクル搬送部14は、レチクル1を収納するレチクル収納容器(不図示)等からレチクルステージ2にレチクル1を搬送する。また、レチクル搬送部14は、レチクルステージ2からレチクル収納容器等へレチクル1を搬送する。
検出装置15は、ウエハチャック5に保持されたウエハ4の位置決め(アライメント)を行うために、ウエハ4上に形成されたマークを撮像したデジタル画像信号を取得する。検出装置15は、Z軸方向に沿った方向を光軸とする照明光学系(不図示)を有し、ウエハ4を照明する。検出装置15は、照明されたウエハ4からの光を受光する受光部(不図示)を有する。受光部は、例えばイメージセンサ等の光電変換素子を備え、ウエハ4からの光の明るさ、即ち濃淡に応じた濃淡画像信号を出力する。検出装置15は、受光部から得られる濃淡画像信号をデジタル画像信号に変換するA/D変換器(不図示)を備える。制御部16は、取得されたデジタル画像信号を用いてウエハ4上に形成されたマークの位置を検出して、検出したマークの位置に基づきウエハステージ6を制御してウエハ4の位置決めを行う。なお、検出装置15の詳細については、図3を参照して後述する。
制御部16は、露光装置100の各部の動作および調整などを制御することでウエハ4を露光する処理を制御する。制御部16は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのPLD(Programmable Logic Device)により構成される情報処理装置である。ただし制御部16は、これに限定されるものではなく、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラムが組み込まれたコンピュータでもよい。または、制御部16は、前述の構成の全部もしくは一部の組み合せによって構成されうる。また制御部16は、複数の情報処理装置から構成され得る。また制御部16は、露光装置100の他の部分と一体で(共通の筐体内に)構成してもよく、または、露光装置100の他の部分とは別体で(別の筐体内に)構成してもよい。
次に、図2(A)、(B)を参照して、制御部16について説明する。図2(A)、(B)は制御部16の構成図であり、図2(A)は制御部16の全体構成のブロック図、図2(B)は処理部201のブロック図をそれぞれ示す。制御部16は、コンピュータ(情報処理装置)によって実現されうる。図2(A)に示されるように、制御部16は、処理部201、ROM202、RAM203、記憶装置204、入力装置205、表示装置206、通信装置207、およびバス208を有する。
処理部201は、OS(Operating System)および各種アプリケーションプログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)である。ただし処理部201は、中央演算処理装置(CPU)に限定されるものではなく、マイクロプロセッシングユニット(MPU)、グラフィクスプロセッシングユニット(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)等のプロセッサ又は回路であってもよい。また処理部201は、プロセッサ又は回路のいずれかの組合せであってもよい。図2(B)に示されるように、本実施形態の処理部201は、取得部211、算出部(決定手段)212、および判定部(判定手段)213を有する。
ROM202は、処理部201が実行するプログラムや演算用のパラメータのうちの固定的なデータを格納するメモリである。RAM203は、処理部201の作業領域やデータの一時記憶領域を提供するメモリである。ROM202およびRAM203は、バス208を介して処理部201に接続される。入力装置205は、マウスやキーボードなどを含む操作入力部である。表示装置206は、CRTや液晶ディスプレイなどの表示部である。また、入力装置205および表示装置206は、タッチパネル等の一体型の装置であってもよい。また、入力装置205および表示装置206は、コンピュータとは別体の装置として構成されてもよい。記憶装置204は、ハードディスク装置、CD、DVD、メモリカード等の記憶部であり、各種プログラムや各種データ等を記憶する。
入力装置205、表示装置206、および記憶装置204はそれぞれ、不図示のインタフェースを介してバス208に接続されている。また、ネットワークに接続して通信を行うための通信装置207も、バス208に接続されている。通信装置207は、例えばLANに接続してTCP/IP等の通信プロトコルによるデータ通信を行い、他の通信装置と相互に通信を行う場合に使用される。通信装置207は、データの送信部および受信部として機能し、例えば、露光装置100内の送信部(不図示)から動作情報などのデータを受信して、記憶装置204に記憶する。
次に、図3を参照して、検出装置(計測装置)15について説明する。図3は、検出装置15の構成図である。検出装置15は、ウエハ4に配置された複数のマーク31、32、33のうちの互いに異なるマークを検出するように互いに離れて配置された複数の検出部(計測部)301、302、303を有する。検出部301、302、303は、少なくとも1軸方向に駆動可能であり、かつ計測領域が互いに異なる基板の複数のマークの同時計測が可能である。なお本実施形態において、検出装置15は3つの検出部を有するが、これに限定されるものではなく、2つの検出部または4つ以上の検出部を有していてもよい。
本実施形態において、複数の検出部301、302、303は、X軸方向に沿って異なる位置に配置されている。また、検出装置15は、複数の検出部301、302、303を保持するフレーム307に対して複数の検出部301、302、303をX軸方向に所定のストロークで駆動可能な複数の駆動機構(駆動手段)304、305、306を有する。検出装置15は、複数の駆動機構304、305、306を個別に制御することにより、複数の検出部301、302、303それぞれの検出領域のX軸方向における位置(X位置)を個別に調整することが可能である。なお本実施形態において、複数の検出部301、302、303の検出領域の相対位置を、複数の駆動機構304、305、306によって少なくともX軸方向に沿って調整可能であればよい。また、駆動方向はX軸方向に限られず、Y軸方向やZ軸方向について駆動可能に構成してもよい。また、複数の検出部301、302、303のうち中央に位置する検出部302は、駆動機構を備えず、駆動機構304と駆動機構306とを用いて検出領域の相対位置を調整する構成としてもよい。
なお、以下では、複数の検出部301、302、303のうちの1つに関して、それらのうちのいずれであるのかを特定する必要がない場合には、単に検出部と記載することもある。また、複数のマーク31、32、33のうち1つに関して、それらのうちのいずれであるのかを特定する必要がない場合には、単にマークと記載することもある。
次に、図4(A)~(D)を参照して、検出装置15によるウエハ4上のマーク(アライメントマーク)30を計測する方法を説明する。図4(A)は、検出装置15をZ軸方向から見た平面図である。図4(A)に示されるように、検出装置15の複数の検出部301、302、303は、複数のマークのうちの互いに異なるマークを検出するように互いに離れて配置されている。図4(B)は、図4(A)におけるウエハ4と検出装置15との位置関係を示す図である。また図4(C)、(D)は、別の時点において、検出装置15の検出部302がX軸方向へ駆動した場合の検出装置15とウエハ4との位置関係を示す図である。検出装置15は、生産性との兼ね合いから、図4(B)および図4(D)に示されるように、全ショット領域のうちの一部に形成されたマーク30を計測対象とする。
制御部16は、ウエハステージ6を制御して、検出装置15の複数の検出部301、302、303の検出領域に対してウエハ4上のマーク30を位置合わせし、マーク30の座標位置を求める。このとき、制御部16は、可能な限り短い時間で計測対象である複数のマークを検出するようにウエハステージ6を制御する。具体的には、制御部16は、検出装置15の複数の検出部301、302、303のうち少なくとも2つの検出部の検出領域内にウエハ4上のマーク30をそれぞれ位置合わせして、同時に2つのマークの位置を検出する。例えば、図4(B)に示されるように、制御部16は、検出部301、302に対してウエハ4上の2つのマーク30a、30bを同時に位置合わせして計測動作を行う。
また、ウエハ4上のマーク30のレイアウトに応じて計測に用いる検出部とその位置が変更されうる。例えば、図4(D)に示されるように、制御部16は、検出部301、302に対してウエハ4上のマーク30c、30dを同時に位置合わせして計測動作を行う。これにより、1つの検出部の検出領域に対してウエハ4上の複数のマーク30を順次に位置合わせして計測動作を行う場合に比べて、ウエハステージ6の駆動時間および検出装置15の計測時間を短縮することができる。
次に、図5を参照して、本実施形態における処理の流れ(基板処理方法)について説明する。図5は、本実施形態における処理の流れを示すフローチャートである。図5の各ステップは、主に、処理部201などの制御部16により実行される。また、図5の各ステップは、露光装置100において、複数の検出部301、302、303を用いた重ね合わせマークの計測処理に関わる箇所を抜粋し記載したものである。
まずステップS501において、取得部211は、過去に処理したロット履歴情報(履歴情報)を取得する(読み込む)。ロット履歴情報は、過去に複数のマークを複数の検出部301、302、303を用いて同時に計測した際のマーク位置情報(過去に処理された基板に対する検出部301、302、303の計測位置に関する情報)を含む。なお、ロットとは、複数のウエハ(例えば25枚)のまとまりを意味し、ロット処理とは、複数のウエハを処理することを意味する。一般的に、履歴情報はデータベース化され、制御部16の記憶装置204等に記録される。ここで取得される履歴情報は、記憶装置204に記録されている全ての期間の履歴情報でも、ある特定期間の履歴情報でもよい。
続いてステップS502において、算出部212は、ステップS501で取得したマーク位置情報に基づき、最も使用頻度が高い計測位置(最頻値)を算出し、算出した計測位置を検出装置15の複数の検出部301、302、303の駆動目標位置として決定する。すなわち算出部(決定手段)212は、過去に処理された基板のマーク位置情報に基づいて、複数の検出部301、302、303の駆動目標位置を決定する。ただし本実施形態は、これに限定されるものではなく、算出部212は、マーク位置情報に基づき算出された平均値、中央値、または移動平均値(ある一定区間ごとの平均値を区間をずらしながら求めたもの)等の他の値を駆動目標位置として決定してもよい。
続いてステップS503において、駆動機構(駆動手段)304、305、306の少なくとも1つは、制御部16の指令に基づいて、検出部301、302、303の少なくとも1つを、例えばX軸方向に沿って駆動目標位置へ駆動する。続いてステップS504において、駆動機構304、305、306の少なくとも1つは、制御部16の指令に基づいて、駆動した検出装置15のキャリブレーションを行う。具体的には、ウエハステージ6に対する検出部301、302、303のX、Y、Z軸方向のうちの少なくとも一方向における位置の校正や、投影光学系3の光軸に対する検出部301、302、303それぞれの照明光学系の光軸のベースラインの決定を行う。
本実施形態において、処理部201は、ステップS501~S504の処理を、露光装置100の露光精度に影響を与えないタイミング(所定のタイミング)で実行する。すなわち駆動機構304、305、306は、所定のタイミングで、複数の検出部301、302、303の少なくとも1つを駆動目標位置へ駆動し、駆動目標位置への駆動後にキャリブレーションを行う。ここで、所定のタイミングは、露光処理(基板処理)が行われておらず、露光装置100がアイドル状態となっているタイミングである。つまり、所定のタイミングは、例えば、露光処理(基板処理)の開始前の状態、露光処理が中断されている状態、又は露光処理の終了後の状態などのアイドル状態の少なくとも1つのタイミングである。また、所定のタイミングは、例えば、ロット投入待ち状態、レチクル搬入待ち状態、ウエハ搬入待ち状態、光源のガス交換待ち状態、露光装置100のメンテナンス処理の実行状態、初期化処理の実行状態の少なくとも1つのタイミングである。処理部201は、アイドル状態以外のタイミングでは、ステップS501~S504を実施しない。
続いてステップS505において、制御部16は、ロット(複数のウエハ)を投入する。ロットが投入されることで、ウエハの搬送が開始され、ウエハに対する露光レイアウトや計測マークの位置が決定される。続いてステップS506において、判定部213は、検出部301、302、303の現在位置で(各検出部を駆動せずに)ロットの計測マークが計測可能であるか否かを判定する。すなわち判定部(判定手段)213は、駆動目標位置において複数の検出部301、302、303による同時計測を行うか否かを判定する。この判定は、ステップS503にて駆動された検出部301、302、303の現在位置と、ステップS505にて投入されたロットの計測マーク位置情報とに基づき行われる。
本実施形態において、判定部213は、駆動目標位置における計測可能領域(位置を基準とした一定領域)から、検出部301、302、303をいずれも駆動することなく複数のマークが計測可能である場合、同時計測を行うと判定する。一方、判定部213は、駆動目標位置における計測可能領域から、検出部301、302、302をいずれも駆動することなく複数のマークが計測可能でない場合、同時計測を行わないと判定する。本実施形態において、計測可能領域は、検出部301、302、303をいずれも駆動することなく複数のマークを計測可能な計測範囲(例えば円)である。
ステップS506にて計測可能であると判定された場合、ステップS507に進む。ステップS507において、制御部16は、複数の検出部301、302、303のうち少なくとも2つを用いて、2つ以上の計測マークの位置を同時に検出する(同時計測アライメント)。一方、ステップS506にて計測不可能であると判定された場合(判定部213が同時計測を行わないと判定した場合)、ステップS508に進む。ステップS508において、制御部16は、複数の検出部301、302、303のうちいずれか1つを用いて計測マークの位置を1つずつ逐次に検出する。すなわち制御部16は、複数の検出部301、302、303を駆動することなく、検出部301、302、303の1つを用いて、逐次計測を行う(逐次計測アライメント)。ステップS507またはステップS508の処理が完了した後、ステップS509において、制御部16は露光処理(基板処理)を行い、ウエハが搬出される。
本実施形態によれば、複数の検出部を用いた複数のマークの同時計測による計測時間の短縮と露光性能への影響の低減との両立の点で有利な基板処理装置を提供することができる。
<第2実施形態>
次に、図6(A)を参照して、本発明の第2実施形態における処理の流れ(基板処理方法)について説明する。図6(A)は、本実施形態における処理の流れを示すフローチャートである。なお、図6(A)中のステップS601~S606、S608、S610は、図5のステップS501~S507、S509とそれぞれ同様であるため、それらの説明を省略する。
ステップS606にて計測不可能であると判定された場合、ステップS607に進む。ステップS607において、判定部213は、ステップS603にて駆動した検出部301、302、303の位置で計測可能な計測マーク(計測ショット)が再選択可能か否か、すなわち同時計測を行うことが可能なマークを再選択可能か否かを判定する。ステップS607にて複数のマークの同時検出が可能であると判定された場合、ステップS608に進む。ステップS608において、制御部16は、検出部301、302、303のうち少なくとも2つを用いて、2つ以上の計測マークの位置を同時に検出する。一方、ステップS607にて複数マークの同時検出が不可能であると判定された場合、ステップS609に進む。ステップS609において、制御部16は、複数の検出部301、302、303のうちいずれか1つを用いて計測マークの位置を1つずつ逐次に検出する。
次に、図6(B)を参照して、計測マーク再選択の処理(ステップS607)について詳述する。図6(B)は、計測マーク再選択の処理(ステップS607)を示すフローチャートである。まずステップS611において、取得部211は、検出部301、302、303のそれぞれの現在位置を取得する。続いてステップS612において、取得部211は、投入されたロットで指定されている計測マーク位置情報を含む計測レイアウト情報を取得する。続いてステップS613において、算出部212は、ステップS611、S612にて取得した情報に基づいて、複数の検出部301、302、303の少なくとも2つの計測マーク位置が同時に検出可能な計測マーク(計測ショット)を算出する。最後に、制御部16は、ステップS614において、再選択した計測マークの情報をロットへ反映させる。
本実施形態によれば、複数の検出部を用いた複数のマークの同時計測による計測時間の短縮と露光性能への影響の低減との両立の点で有利な基板処理装置を提供することができる。
<第3実施形態>
次に、図7(A)を参照して、本発明の第3実施形態における処理の流れ(基板処理方法)について説明する。図7(A)は、本実施形態における処理の流れを示すフローチャートである。なお、図7(A)中のステップS701~S706、S708、S710は、図5のステップS501~S507、S509とそれぞれ同様であるため、それらの説明を省略する。
ステップS706にて計測不可能であると判定された場合、ステップS707に進む。ステップS707において、算出部212は、ステップS703にて駆動された検出部301、302、303の位置と投入されたロットで指定されている計測マークの位置との間の距離(駆動距離)を算出する。そして判定部213は、駆動距離が閾値以下であるか否かを判定する。駆動距離が閾値以下である場合、ステップS708に進む。ステップS708において、制御部16は、検出部301、302、303のうち少なくとも2つを用いて、2つ以上の計測マークの位置を同時に検出する。一方、ステップS707にて駆動距離が閾値よりも大きいと判定された場合、ステップS709に進む。ステップS709において、制御部16は、複数の検出部301、302、303のうちいずれか1つを用いて、計測マークの位置を1つずつ逐次に検出する。
次に、図7(B)を参照して、駆動距離の算出処理(ステップS707)について詳述する。図7(B)は、駆動距離の算出処理(ステップS707)を示すフローチャートである。まずステップS711において、取得部211は、検出部301、302、303のそれぞれの現在位置を取得する。続いてステップS712において、取得部211は、投入されたロットで指定されている計測マーク位置情報を含む計測レイアウト情報を取得する。続いてステップS713において、算出部212は、ステップS711、S712にて取得された情報に基づいて、検出部301、302、303の現在位置とロットで指定されている計測マーク位置の位置との間の距離を算出する。
本実施形態によれば、複数の検出部を用いた複数のマークの同時計測による計測時間の短縮と露光性能への影響の低減との両立の点で有利な基板処理装置を提供することができる。
<物品の製造方法の実施形態>
各実施形態にかかる物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子やフラットパネルディスプレイ等の物品を製造するのに好適である。各実施形態の物品の製造方法は、上述した基板処理装置を用いて基板を処理する工程と、かかる工程で処理された基板から物品を製造する工程とを含む。更に、かかる製造方法は、周知の工程(露光、酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含みうる。各実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
各実施形態によれば、計測時間の短縮と露光性能への影響の低減との両立の点で有利な基板処理装置、基板処理方法、プログラム、および物品の製造方法を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
100 露光装置(基板処理装置)
212 算出部(決定手段)
213 判定部(判定手段)
301、302、303 検出部(計測部)
304、305、306 駆動手段

Claims (20)

  1. 基板を処理する基板処理装置であって、
    複数の計測部と、
    過去に処理された基板のマーク位置情報に基づいて、前記複数の計測部の駆動目標位置を決定する決定手段と、
    前記複数の計測部の少なくとも1つを前記駆動目標位置へ駆動する駆動手段と、
    前記駆動目標位置において前記複数の計測部による同時計測を行うか否かを判定する判定手段と、を有することを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記判定手段は、前記マーク位置情報と前記複数の計測部の位置とに基づいて、前記同時計測を行うか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記複数の計測部は、少なくとも1軸方向に駆動可能であり、かつ計測領域が互いに異なる前記基板の複数のマークの同時計測が可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の基板処理装置。
  4. 前記マーク位置情報は、過去に処理された前記基板に対する前記複数の計測部の計測位置に関する情報を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  5. 前記決定手段は、前記マーク位置情報に基づいて、最も使用頻度が高い計測位置を前記駆動目標位置として決定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  6. 前記決定手段は、前記マーク位置情報に基づいて、計測位置の平均値を前記駆動目標位置として決定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  7. 前記決定手段は、前記マーク位置情報に基づいて、計測位置の中央値を前記駆動目標位置として決定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  8. 前記決定手段は、前記マーク位置情報に基づいて、計測位置の移動平均値を前記駆動目標位置として決定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  9. 前記駆動手段は、所定のタイミングで、前記複数の計測部の少なくとも1つを前記駆動目標位置へ駆動し、前記駆動目標位置への駆動後にキャリブレーションを行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  10. 前記所定のタイミングは、ロット投入待ち状態、レチクル搬入待ち状態、ウエハ搬入待ち状態、光源のガス交換待ち状態、前記基板処理装置のメンテナンス処理の実行状態、前記基板処理装置の初期化処理の実行状態、基板処理の開始前、中断、または終了後の状態の少なくとも1つのタイミングであることを特徴とする請求項9に記載の基板処理装置。
  11. 前記判定手段は、前記駆動目標位置における計測可能領域から前記駆動手段を駆動することなく前記複数のマークが計測可能である場合、前記同時計測を行うと判定することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  12. 前記判定手段は、前記駆動目標位置における計測可能領域から前記駆動手段を駆動することなく前記複数のマークが計測可能でない場合、前記同時計測を行わないと判定することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  13. 前記判定手段は、前記駆動目標位置における計測可能領域から前記駆動手段を駆動することなく前記複数のマークが計測可能でない場合であって、前記複数の計測部により前記同時計測を行うことが可能なマークを再選択可能である場合、前記同時計測を行うと判定することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  14. 前記判定手段は、前記駆動目標位置における計測可能領域から前記駆動手段を駆動することなく前記複数のマークが計測可能でない場合であって、前記複数の計測部の位置と前記駆動目標位置との距離が閾値よりも小さい場合、前記同時計測を行うと判定することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  15. 前記計測可能領域は、前記複数の計測部の少なくとも1つを駆動することなく前記複数のマークを計測可能な計測範囲であることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  16. 前記判定手段は、前記同時計測を行わないと判定した場合、前記複数の計測部を駆動することなく、前記複数の計測部の1つを用いて計測を行うことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  17. 前記基板処理装置は、前記基板を露光して該基板の上にパターンを形成する露光装置であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  18. 基板を処理する基板処理方法であって、
    過去に処理された基板のマーク位置情報に基づいて、複数の計測部の駆動目標位置を決定するステップと、
    前記複数の計測部の少なくとも1つを前記駆動目標位置へ駆動するステップと、
    前記駆動目標位置において前記複数の計測部による同時計測を行うか否かを判定するステップと、を有することを特徴とする基板処理方法。
  19. 請求項18に記載の基板処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  20. 請求項1乃至17のいずれか一項に記載の基板処理装置を用いて基板を処理する工程と、
    処理された前記基板から物品を製造する工程と、を有することを特徴とする物品の製造方法。
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