JP2023094694A - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents

印刷装置および印刷方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023094694A
JP2023094694A JP2021210142A JP2021210142A JP2023094694A JP 2023094694 A JP2023094694 A JP 2023094694A JP 2021210142 A JP2021210142 A JP 2021210142A JP 2021210142 A JP2021210142 A JP 2021210142A JP 2023094694 A JP2023094694 A JP 2023094694A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing
blanket
image
pattern
printed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021210142A
Other languages
English (en)
Inventor
剛 屋根
Takeshi Yane
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Screen Holdings Co Ltd
Original Assignee
Screen Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Screen Holdings Co Ltd filed Critical Screen Holdings Co Ltd
Priority to JP2021210142A priority Critical patent/JP2023094694A/ja
Publication of JP2023094694A publication Critical patent/JP2023094694A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Printing Methods (AREA)

Abstract

【課題】ブランケットに一時的に担持された印刷パターンを被印刷物に転写することで、印刷対象画像を被印刷物に印刷する印刷技術において、長期間にわたって、印刷対象画像を高い品質で安定して被印刷物に印刷する。【解決手段】この発明では、ブランケットの表面状態を検査するための検査画像が取得される。この検査画像に基づいて印刷対象画像に対する印刷パターン画像の変化量が導出される。そして、変化量が減少するように、ブランケットへの印刷パターンの受理および印刷パターンの被印刷物への転写が制御される。【選択図】図5

Description

この発明は、ブランケットを介して印刷対象画像に対応する印刷パターンを被印刷物に転写することで、印刷対象画像を被印刷物に印刷する印刷技術に関するものである。
インクなどの印刷材料で形成されたパターンを立体基材(容器、ボトル等)や平板基材(ガラス板、樹脂フィルム等)に印刷する印刷技術が数多く提案されている。例えば特許文献1に記載の印刷装置では、凹版の版面に上記パターンに対応して設けられた凹部にインクが充填されて印刷パターンが形成される(充填工程)。印刷パターンはブランケットに受理される(受理工程)。受理された印刷パターンは、容器などの被印刷物に転写される(転写工程)。
特開2021-45931号公報
上記印刷技術では、印刷パターンがブランケットを一時的に担持する中間転写媒体として機能している。このブランケットは、弾性を有する樹脂材料、例えばシリコン樹脂製である。上記受理工程や転写工程において、凹版および被印刷物がそれぞれブランケットの表面に押し付けられる。また、ブランケットが印刷パターンを担持している間に、インク成分の一部がブランケットに吸収される。この吸収によりブランケットが部分的に膨潤することがある。これらの要因により、印刷を繰り返している間に、ブランケットの表面状態、例えば表面の凹凸形状が変動することがある。この表面状態の変動は、ブランケットの表面上で担持される印刷パターンを構成するインク量、インク粒の粒径やピッチなどを変化させる主要因の一つになっている。したがって、表面状態の変動に対して適切な対策が施されていない従来技術においては、長期間にわたって、印刷対象画像を高い品質で安定して被印刷物に印刷することが困難であった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、ブランケットに一時的に担持された印刷パターンを被印刷物に転写することで、印刷対象画像を被印刷物に印刷する印刷技術において、長期間にわたって、印刷対象画像を高い品質で安定して被印刷物に印刷することを目的とする。
本発明の一態様は、ブランケットを介して印刷対象画像に対応する印刷パターンを被印刷物に転写することで、印刷パターン画像を被印刷物に印刷する印刷装置であって、ブランケットに担持される印刷パターン、印刷パターンと異なる位置でブランケットに担持されるテストパターン、または被印刷物に印刷された印刷パターンを撮像することで、ブランケットの表面状態を検査するための検査画像を取得する撮像部と、撮像部により取得された検査画像から、印刷対象画像に対する印刷パターン画像の変化量を算出する変化量算出部と、変化量が減少するようにブランケットへの印刷パターンの受理および印刷パターンの被印刷物への転写を制御する印刷制御部と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の他の態様は、印刷方法であって、印刷対象画像に対応する印刷パターンをブランケットに受理する受理工程と、ブランケットに担持された印刷パターンを被印刷物に転写する転写工程と、ブランケットに担持される印刷パターン、印刷パターンと異なる位置でブランケットに担持されるテストパターン、または被印刷物に印刷された印刷パターンを撮像することで、ブランケットの表面状態を検査するための検査画像を取得する検査画像取得工程と、印刷パターンを撮像して得られる印刷パターン画像の印刷対象画像に対する変化量を検査画像から算出する変化量算出工程と、を備え、変化量が減少するように、受理工程および転写工程が実行されることを特徴としている。
以上のように、本発明は、ブランケットの表面状態が変化するのに応じて、印刷対象画像に対して印刷パターン画像が変化することに着目したものである。つまり。本発明では、印刷対象画像に対する印刷パターン画像の変化量が導出される。そして、変化量が減少するように、ブランケットへの印刷パターンの受理および印刷パターンの被印刷物への転写が制御される。このため、長期間にわたって、被印刷物に印刷される印刷パターン画像を印刷対象画像と同じまたはほぼ同じ品質で安定して印刷することができる。
本発明に係る印刷装置の第1実施形態を装備する印刷システムの概略構成例を示す模式図である。 版ステージユニットおよび印刷ヘッドの構成を示す図である。 印刷システムの電気的構成を示すブロック図である。 図1および図2に示す印刷装置による印刷動作を示すフローチャートである。 印刷動作を模式的に示す図である。 有効印刷領域に存在する画素毎のインク粒の粒径およびピッチを示す図である。 本発明に係る印刷装置の第2実施形態による印刷動作を示すフローチャートである。 有効印刷領域に存在するインク粒および空隙の様子を模式的に示す図である。
図1は本発明に係る印刷装置の第1実施形態を装備する印刷システムの概略構成例を示す模式図である。図2は版ステージユニットおよび印刷ヘッドの構成を示す図である。さらに、図3は印刷システムの電気的構成を示すブロック図である。この印刷システム100は、例えばガラス製の容器やボトル、樹脂製の容器やボトル等、水平方向Xと平行な回転対称軸まわりに回転対称な形状を有する被印刷物(以下においては、これら総称して「ボトルB」と称する)の側面Baに対し、凹版Pの版面に設けられた凹部領域Pb中の凹部に対応する印刷パターンを印刷するためのシステムである。ここで、各図における方向を統一的に示すために、配列方向Yおよび水平方向Xの両方に直交する鉛直方向をZ方向としている。また、以下の図1および図2において構成要素の近傍に付された点線矢印は、当該構成要素の動きを示すものである。
印刷システム100は、ボトルBの側面Baに対し、それぞれが1つのインク色で印刷を行う2組の印刷装置、すなわち第1の印刷装置101および第2の印刷装置102を備えている。これらの印刷装置101、102はX方向に並列配置されている。このように2台の印刷装置101、102を有することから、印刷システム100はボトルBの側面Baに対して2色印刷を行うことができる。なお、印刷装置を1組とした単色印刷システム、あるいは印刷装置を3組以上備えた多色印刷システムを構成することも可能である。
第1の印刷装置101および第2の印刷装置102は、版ステージユニット1、印刷ユニット2、転写ユニット3および仮硬化ユニット4をそれぞれ備えている。これらのユニットは、Y2方向側からY1方向に向けて上記の順番で並べて配置される。また、第2の印刷装置102のY1方向側には本硬化装置200が設けられている。これら第1の印刷装置101、第2の印刷装置102、本硬化装置200およびボトル着脱ステーション(図示省略)の間で、ボトルBはボトル保持装置300で保持された状態でボトル搬送装置400により循環搬送される。なお、本実施形態では、ボトル保持装置300に対するボトルBの装着および取り外しは上記ボトル着脱ステーションにてオペレータによる手動作業によって行われる。一方、それ以外の作業を自動化するために、印刷システム100はさらに、これらの各ユニット動作を制御する制御装置900を備えている。
第1の印刷装置101および第2の印刷装置102は、以下に説明するように、同じ構成を有し、同様の印刷処理を実行する。印刷システム100における印刷処理は、
(1)版ステージユニット1および印刷ユニット2による光硬化性インクを用いたインクパターンの形成
(2)転写ユニット3によるインクパターンの受理
(3)インクパターンの転写ユニット3からボトルBの側面Baへの転写
(4)仮硬化ユニット4からの光照射によるインクの仮硬化、
の各工程からなる単色印刷動作を各印刷装置101,102でそれぞれ実行した後
(5)本硬化装置200によるインクの本硬化、
を実行することにより完結する。
より具体的には、ボトルBはボトル着脱ステーションでオペレータによる手動操作にてボトル保持装置300に着脱される。つまり、印刷済のボトルBがボトル保持装置300から取り外された後で印刷すべきボトルBがボトル保持装置300に装着される。こうして装着されたボトルBはボトル保持装置300より回転対称軸まわり回転自在に保持され、その状態でボトル保持装置300と一体的にボトル搬送装置400によって第1の印刷装置101に搬送される。この第1の印刷装置101においてボトル保持装置300でボトルBを回転自在に保持したまま当該ボトルBに対し上記(1)~(4)の各工程が実行される。その後で、ボトルBを保持したボトル保持装置300が第1の印刷装置101から第2の印刷装置102に搬送される。
版ステージユニット1は、図2に示すように、印刷パターンを形成するための凹版Pを上面で保持するステージ11を備えている。ステージ11はアライメント機構12を介してベース部13に取り付けられている。アライメント機構12にはアライメント駆動部12a(図3)が接続され、制御装置900からの制御指令に応じてステージ11をXYZ方向およびZ軸まわりの回転方向に移動させる。特に、ステージ11に載置された凹版Pの版面の高さ位置を制御するために、アライメント駆動部12aはステージ11をZ方向に昇降し、上下方向Zにおいてステージ11に載置された凹版Pの版面をインク充填処理に適したインク充填高さ位置および受理処理に適した受理高さ位置に位置決めする。また、本実施形態では、後述するように薄膜形成処理において、版面-スキージ間の間隔調整のために、インク充填高さ位置に対して微小量だけ昇降可能となっている。なお、アライメント機構12としては、例えばクロスローラベアリング機構を使用することができる。
ベース部13は、印刷システム100の台座にY方向に延設されたガイドレール14に係合される。ベース部13にはベース駆動部13a(図3)が接続され、制御装置900からの制御指令に応じてステージ11をガイドレール14に沿ってY方向に往復移動させる。なお、ベース部13の可動範囲のうち最もY2方向側に寄った位置(図2に実線で示す位置)がベース部13のホームポジションである。
ホームポジションに位置決めされた状態におけるステージ11の上方にはアライメントカメラ(図示省略)が配置されている。アライメントカメラはステージ11に載置された凹版Pの周縁部または凹版Pの表面に設けられたアライメントマークを撮像し、画像データを制御装置900に送出する。制御装置900はステージ11上における凹版Pの位置を検出し、必要に応じてアライメント機構12を動作させることで、凹版Pの位置を適正位置に調整する。
ベース部13がホームポジションからY1方向に移動する経路に沿って、印刷ユニット2および転写ユニット3が設けられている。印刷ユニット2は、印刷ヘッド2H(図1、図2)と、印刷ヘッド2Hを上下方向Zに昇降するヘッド昇降部2E(図3)とを備えている。ヘッド昇降部2Eは、上下方向Zに延設されたレール、印刷ヘッド2Hと連結される連結部材および昇降駆動源としてのエアシリンダなどを有している。そして、ヘッド昇降部2Eは、制御装置900からの昇降指令に応じて印刷ヘッド2Hを昇降させる。
印刷ヘッド2Hは、直下を通過するステージ11に載置された凹版Pの版面に対向するインクノズル20を備えている。インクノズル20には、制御装置900により制御されるインク供給部24から光硬化性インク(以下、単に「インク」ということがある)が供給される。供給されたインクはインクノズル20の下端部に設けられた吐出口から吐出され、凹版Pの版面に供給される。
光硬化性インクは、顕色剤としての顔料、重合により強固なポリマー層を構成するポリマー材料(モノマーおよびオリゴマーの少なくとも一方を含む)、および光照射を受けて化学変化することで生じる活性種によりポリマー材料の重合反応を促進する光重合開始剤を含むものである。
インクノズル20のY1方向側にインク充填用として機能するインク充填機構21が設けられるとともに、さらにY2方向側に薄膜形成用として機能する薄膜形成機構22が設けられている。インク充填機構21に設けられるインク充填スキージによりインク充填処理が実行され、薄膜形成機構22に設けられる薄膜形成スキージにより薄膜形成処理が実行される。これら2種類の処理を行うことでインク固着を防止しつつ凹版Pの版面に設けられた凹部領域Pb中の凹部にインクが充填される一方、それ以外の余剰インクが除去されてインクの印刷パターンが形成される。なお、インク充填機構21および薄膜形成機構22の構成および動作については、特許文献1に記載されているため、ここでの説明は省略する。
このようなインク充填処理および薄膜形成処理を実行したとき、インク充填スキージおよび薄膜形成スキージの下端部にインクが付着するとともにスキージの上昇移動に伴って糸引きが生じる。そこで、糸引き状態のインクを切断する、いわゆる糸切りを実行するために、図1および図2に示すように、ステージ11のY1方向側の端部に薄膜形成用の液切部15が設けられるとともに、ステージ11のY2方向側の端部にインク充填用の液切部16が設けられている。本実施形態では、液切部15、16は、X方向に延設された薄板形状を有しており、ステージ11のX方向全体にわたって上面から立設されている。液切部15、16として、本実施形態では、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルムが用いられているが、その他の樹脂フィルムや金属片であってもよい。また、液切部15、16をステージ11の側面に取り付けてもよいし、ステージ11と一体的に移動可能となっている限りにおいてはステージ11から若干離間して配置してもよい。
こうしてインクが充填された凹版Pは、さらにY1方向に移動して転写ユニット3の配設位置に到達する。図1および図2に示すように、転写ユニット3は、ブランケットロール30と、ブランケットロール30を回転させるロール回転部33と、ブランケットロール30をY方向に移動させるロール水平移動部34(図3)とを備えている。より詳しくは、ブランケットロール30は、例えば金属製の円筒であるブランケット胴31と、その表面に巻き付けられたブランケット32とを備えており、全体として概略円筒形状をなしている。ブランケットロール30は、図示しないフレームにより回転自在に支持されており、制御装置900により制御されるロール回転部33により、図1に一点鎖線で示す中心軸まわりに回転駆動される。
ブランケット32は弾性を有する樹脂材料、例えばシリコン樹脂製であり、その表面に印刷パターンを担持可能である。ブランケット32はボトルBの側面BaであるボトルBの表面に生じ得る凹凸よりも十分に大きな厚さを有している。図2に示すように、ステージ11に載置された凹版Pがブランケットロール30の直下位置を通過するとき、ブランケット32の表面が凹版Pの表面に当接する。このとき、凹版Pの凹部に充填されているインクがブランケット32の表面に移行する。こうして凹版P上の印刷パターンがブランケット32に受理される。本実施形態では、図1に示すように、ブランケット32の幅方向(X方向)において、中央表面領域が印刷パターンを担持する有効印刷領域ARとして機能する。また、X方向から有効印刷領域ARを挟み込むように、2つの非印刷領域NRが設けられている。これらの非印刷領域NRは、印刷パターンを担持しないものの、必要に応じてテストパターンを担持可能となっている。
ブランケット32の有効印刷領域ARに受理(一次転写)された印刷パターンは、最終的な被印刷物であるボトルBの表面に二次転写される。このように、ブランケット32は、ボトルBの側面Baに最終転写される印刷パターンを一時的に担持する中間転写媒体として機能する。なお、本実施形態では、2つの印刷装置101、102が装備されて2種類の印刷パターンを形成する。
このように構成された印刷システム100では、制御装置900によってボトル搬送装置400が制御されることで、ボトル保持装置300がボトル着脱ステーション、第1の印刷装置101、第2の印刷装置102および本硬化装置200の順序で循環搬送される。このうちボトル着脱ステーションでは、搬送されてきたボトル保持装置300に対し、オペレータがボトルBの着脱作業をマニュアルで行う。つまり、ボトル保持装置300に印刷済のボトルBが装着されている場合、ボトル保持装置300でのボトルBの保持を解除して印刷済のボトルBをボトル保持装置300から取り外す。一方、ボトル保持装置300に対して印刷前のボトルBが未装着の場合には、オペレータは印刷前のボトルBをボトル保持装置300に運び込み、ボトル保持装置300により保持させる。こうしてボトルBの装着操作が完了し、その旨を操作パネルなどの入力装置(図示省略)に入力すると、それを受け取った制御装置900はボトルBを保持したボトル保持装置300を第1の印刷装置101に搬送して印刷処理を行う。
この印刷処理は、制御装置900が予め記憶されたプログラムを実行し装置各部に所定の動作を実行させることにより実現される。この印刷処理では、凹版Pが第1の印刷装置101に搬入されてステージ11にセットされ、アライメント調整を受ける。一方、第1の印刷装置101に搬送されてきたボトル保持装置300では、制御装置900からの駆動指令に応じてモータ(図示省略)が作動を開始し、ボトルBが回転対称軸まわりに回転させる。その回転中にボトルBの印刷開始位置を検出し、検出結果に基づいてボトルBの回転量を調整することで当該印刷開始位置が印刷装置101と対向するようにボトルBが位置決めされる。なお、この位置決め処理については、凹版Pのアライメント調整処理と同様にカメラによるボトルBを撮像して得られる画像に基づいて行ってもよいし、ボトルBの特定部位をセンサで検出することでセンサから出力される検出信号に基づいて行ってもよい。いずれにしても、本実施形態では、凹版Pのアライメント調整処理と並行して、印刷装置101に対するボトルBの位置決め処理を自動的に行っている。もちろん、ボトルBの位置決め処理を次に説明する印刷装置101での印刷パターンの受理処理と並行して行うように構成してもよい。
続いて、第1の印刷装置101により印刷パターンが形成される。それに続いて、ステージ11がY1方向に移動し、回転するブランケットロール30の直下位置を通過することで、凹版Pに形成された印刷パターンがブランケット32の表面に受理される。その後で、ボトル保持装置300がY1方向に移動し、ボトルBの側面Baの印刷開始位置をブランケット32の表面に押し当てる。これにより、ブランケット32からボトルBへの印刷パターンの転写が開始される。この転写処理では、印刷パターンを受理しているブランケット32とボトルBとが当接しながら互いにウィズ回転することにより、ブランケット32表面の印刷パターンが順次ボトルBに転写されてゆく。
ここで、ボトルBの胴部(図5中の符号Bb)はバックアップローラ(図示省略)に当接しており、ボトルBの回転に伴い印刷パターンがバックアップローラとの当接位置に到達すると、未硬化のインクがボトルBからバックアップローラに転写されることがある。また、ボトルBが1周以上回転する場合、ボトルBの側面Baの印刷パターンがブランケット32に再転写されてしまうことがある。これらはボトルBの側面Baの印刷パターンを乱すとともに、ブランケット32やバックアップローラをインクにより汚染することになる。
この問題を防止するために、比較的低露光量の紫外線照射による仮硬化処理が行われる。すなわち、ブランケット32から印刷パターンの転写を受けた直後のボトルBの表面に向けて、仮硬化ユニット4から光(紫外線)が照射される。後述するように、仮硬化ユニット4から照射される光は、インクに含まれるポリマー材料の一部を重合させることでインクの粘度を増大させるが、インク全体を硬化させるには至らない性質を有するものである。
こうしてインクの粘度が増大することで他の物体への付着性が低下し、インクを担持するボトルBの側面Baがバックアップローラまたはブランケット32に接触したときにインクがこれらに転写されてしまうことが防止される。
印刷装置101での印刷処理が完了すると、上記印刷パターンが印刷されたボトルBを保持したままボトル保持装置300は第1の印刷装置101から第2の印刷装置102に搬送される。そして、第2の印刷装置102により、第1の印刷装置101と同様にして、印刷処理が行われる。これによって、既に印刷された印刷パターンの上に第2の印刷装置102による別の印刷パターンが重ね合わせて印刷される。その後で、これらの印刷パターンが印刷されたボトルBを保持したままボトル保持装置300は第2の印刷装置102から本硬化装置200に搬送される。
この時点ではインクは完全に硬化していない。これを完全に硬化させるために本硬化装置200は仮硬化ユニット4よりも大出力の光(紫外線)をボトルBに照射する。これによって、インクが完全に硬化して印刷を完了する。その後で、ボトルBを保持したままボトル保持装置300は本硬化装置200から着脱ステーションに戻される。このような一連の動作が繰り返して実行される。
上記したように構成された印刷システム100で採用した印刷装置101、102では、インクの印刷パターンは、ブランケット32の表面に一時的に担持された後で、ボトルBに転写される。したがって、既述の要因によりブランケット32の表面状態が変動すると、その影響によって最終的にボトルBに印刷された画像の品質低下を招くことがある。そこで、本実施形態では、図1および図2に示すように、各印刷装置101、102において、ラインセンサ5がブランケット32に対向して配置されている。各ラインセンサ5は、複数の第1撮像素子(図示省略)をX方向に配列している。そして、各ラインセンサ5は、ブランケット32のX1側の端部からX2側の端部までX方向に延びるライン状領域を一括して撮像する。したがって、ブランケット32が1回転する間、ラインセンサ5によるライン撮像を継続させることで、有効印刷領域ARに担持される印刷パターンを含めブランケット32の表面全体が撮像される。第1実施形態では、このように第1撮像素子を用いて取得した画像が本発明の「検査画像」の一例に相当し、以下においてボトルBに印刷された印刷パターン画像と区別するために、「検査画像」と称する。この検査画像は、ラインセンサ5による取得後に、速やかに制御装置900の記憶部902に記憶される。
また、制御装置900は、CPUやRAMで構成されたプロセッサーである演算処理部901およびHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などで構成された記憶部902を有するコンピュータである。さらに、制御装置900は、印刷システム100の駆動系(アライメント駆動部12a、ベース駆動部13a等)を制御する駆動制御部903と、印刷システム100の撮像系(ラインセンサ5等)を制御する撮像制御部904とを有する。
記憶部902には、印刷システム100の装置各部を制御するための制御プログラム(図示省略)、ボトルBに印刷すべき所望の画像(以下「印刷対象画像」という)、上記検査画像、ならびに試し刷りを経て印刷対象画像をボトルBに印刷するために好適な条件などが記憶される。ここで、好適な条件には、ブランケット32への印刷パターンの受理を行う際の受理条件(後で説明する図5中のブランケット32の回転速度V32r、凹版Pの移動速度Vp、およびブランケット32への凹版Pの押付力Fp)、ならびに印刷パターンのボトルBへの転写を行う際の転写条件(同図中のブランケット32の回転速度V32t、ボトルBの回転速度Vbおよびブランケット32へのボトルBの押付力Fb)などが含まれる。
また、演算処理部901は、記憶部902から読み出した制御プログラムにしたがって駆動制御部903および撮像制御部904を制御することでボトルBへの印刷対象画像の印刷を実行する。当該印刷を繰り返して行っていると、ブランケット32の表面状態、例えば表面の凹凸形状が変動することがある。そこで、演算処理部901は、次に詳述するように、試し刷り後において、ボトルBへの印刷処理が所定回数だけ実行されたタイミングやオペレータから指令を受けるなどのタイミング(以下、これらを総称して「表面状態の検知タイミング」という)で、ブランケット32の表面状態を検知する。そして、演算処理部901は、表面状態の変化を示す変化量を算出し、当該変化量に基づいて受理処理および転写処理を制御する。このように、本実施形態では、演算処理部901が、本発明の「変化量算出部」および「印刷制御部」として機能する。以下、図4ないし図6を参照しつつ、ブランケット32の表面状態検知および印刷制御について詳述する。
図4は図1および図2に示す印刷装置による印刷動作を示すフローチャートである。図5は印刷動作を模式的に示す図である。図6は有効印刷領域に存在する画素毎のインク粒の粒径およびピッチを示す図である。なお、図5の(a)および(c)欄の中央図面はボトルBの側面BaをY方向に展開した模式図であり、図5の(b)欄の中央図面はブランケット32の表面(印刷パターンPPの担持面)をY方向に展開した模式図である。また、図5において、印刷対象画像Gs、ブランケット32に受理された受理画像(第1実施形態では、これは検査画像でもある)、ブランケット32からボトルBに転写された印刷パターン画像Gtを明示するために、ハッチングを付している。また、点線で示した矩形領域は各画像を構成する画素を模式的に示しており、各矩形領域内で図示された符号IKはインク粒を模式的に示している。
印刷対象画像に対応して作製された凹版Pを用いてボトル印刷を連続的に実行する前に、オペレータによる試し刷りが行われる。ここでは、オペレータが受理条件および転写条件などを多段階に変更しながら凹版Pを用いた試し刷りを行う。そして、オペレータはボトルBに印刷された印刷パターン画像Gtを印刷対象画像Gsと見比べる。そして、印刷対象画像Gsと同一またはほぼ同一の印刷パターン画像Gtを印刷したときの印刷条件が基準印刷条件として制御装置900に記憶される。つまり、演算処理部901は、所望の印刷対象画像をボトルBに印刷するために好適な受理条件および転写条件をそれぞれ「基準受理条件RC0」および「基準転写条件TC0」として記憶部902に記憶させる(図5の(a)欄参照)。また、演算処理部901は、基準受理条件RC0および基準転写条件TC0での印刷(以下「基準印刷」という)においてラインセンサ5により撮像されたブランケット32に担持された印刷パターンPP(図5の(b)欄参照)の画像を印刷対象画像Gsとして記憶部902に記憶する(図5の(a)欄参照)。なお、ボトルBの側面Baに印刷された印刷パターンPP(図5の(b)欄参照)を撮像して得られた画像を印刷対象画像Gsとして記憶部902に記憶してもよい。また、凹版Pを作製する際に用いた電子データに基づいて印刷対象画像をコンピュータ上で作成し、これを印刷対象画像Gsとして記憶部902に記憶してもよい。これらの点は、後で説明する第2実施形態においても同様である。
こうして印刷準備が完了すると、演算処理部901は、基準印刷条件(基準受理条件RC0および基準転写条件TC0を含む諸条件)および印刷対象画像Gsを記憶部902から読み出す(ステップS101)。そして、演算処理部901は、受理処理を実行する際のブランケット32の回転速度V32r、凹版Pの移動速度Vpおよびブランケット32への凹版Pの押付力Fpなどを含む受理条件RCを、基準受理条件RC0に設定する(ステップS102)。また、演算処理部901は、転写処理を実行する際のブランケット32の回転速度V32t、ボトルBの回転速度Vbおよびブランケット32へのボトルBの押付力Fbなどを含む転写条件TCを、基準転写条件TC0に設定する(ステップS102)。なお、本実施形態では、次に説明するように、これらの条件のうち受理条件RCについては、常時、基準受理条件RC0に維持されたまま、ボトル印刷が繰り返して実行される。一方、転写条件TCについては、ブランケット32の表面状態が、一定の印刷品質を維持するための許容範囲を超えて変化すると、基準受理条件RC0から変更される。
次のステップS103では、演算処理部901は、受理条件RCで従来装置と同様に装置各部を制御し、受理処理を実行させる。これによって、図5の(b)欄の左端に示すように、凹版Pの表面に形成された印刷パターンPPがブランケット32の表面に受理される。これによって、図5の(b)欄の中央に示すように、ブランケット32の表面中央領域、つまり有効印刷領域ARに印刷パターンPPが受理される。また、ブランケット32が回転している間に、ラインセンサ5がブランケット32の表面を連続的に撮像する。これによって、印刷パターンPPのインク像を含む受理画像Grが撮像され、検査画像の一例として記憶部902に記憶される(ステップS104)。
演算処理部901は、受理画像Grの取得が完了したことを確認すると、ブランケット32の表面状態を検知すべき検知タイミングに到達しているか否かを判定する(ステップS105)。これは、ブランケット32の表面状態の変化は急激に発生するものではなく、緩やかに変化することに起因しており、ブランケット32の表面組成やインク成分などを考慮して検知タイミングを、例えばボトル印刷を100回~1000回などに設定するのが望ましい。
このステップS105で「YES」と判定すると、演算処理部901は、必要に応じて転写条件TCを変更する(ステップS106~S109)。より具体的には、演算処理部901は、記憶部902に記憶されている受理画像Grのうち直近に記憶された受理画像Grを検査画像として記憶部902から読み出す(ステップS106:検査画像取得工程)。こうして読み出された検査画像の印刷対象画像Gsからの変化量を演算処理部901は算出する(ステップS107:変化量算出工程)。これは、ブランケット32の表面状態が変化するのに伴って、ブランケット32に担持されている印刷パターンPPを構成するインク粒IKの粒径やピッチが変化することに着目したものである。つまり、演算処理部901は、インク粒IKの粒径やピッチの変化量をブランケット32の表面状態の変化量として算出している。例えば図5に示すように、印刷対象画像Gsの画素(xmax,yn)を構成するインク粒IKの粒径およびピッチはそれぞれ粒径d0およびピッチp0である。これに対し、ブランケット32の表面状態の変化に伴って、受理画像(検査画像)Grの画素(xmax,yn)を構成するインク粒IKの粒径およびピッチがそれぞれ粒径dr(<d0)およびピッチpr(>p0)となることがある。このような粒径およびピッチの変化が、例えば図6に示すように、画素(x0,yn)~(xmax,yn)において発生することがある。このまま、基準転写条件TC0で転写処理を実行すると、ボトルBに印刷された印刷パターンPPの画像(本発明の「印刷パターン画像」に相当)に筋状の欠陥が生じてしまう。このように、インク粒IKの粒径の変化量(=dr-d0)およびピッチの変化量(=pr-p0)が比較的大きくなると、ボトルBに印刷される画像の品質劣化が発生すると予想される。
そこで、本実施形態では、演算処理部901は、変化量が許容値を超えているか否かを判定する(ステップS108)。ここで、「許容値」とは、一定の印刷品質を維持するための許容範囲を示す値である。そして、変化量が許容値を超えている場合(ステップS108で「YES」)、演算処理部901は上記変化量に対応して転写条件TCを補正し、更新する。すなわち、上記変化量が減少するように、印刷パターンPPの画素(x0,yn)~(xmax,yn)がボトルBと接触するタイミングでブランケット32へのボトルBの押付力Fbが高くなるように、演算処理部901は転写条件TCを補正してもよい。また、ピッチの変化量をさらに抑えるために、押付力Fbに加え、ブランケット32の回転速度V32tに対してボトルBの回転速度Vbを一時的に増速させることでブランケット32とボトルBとの相対移動速度を調整するように、演算処理部901は転写条件TCを補正してもよい。その上で、演算処理部901は、補正更新された転写条件TCにて転写処理が実行されるように、装置各部を制御する(ステップS110)。これにより、図5の(c)欄に示すように、ブランケット32の表面状態の変化に伴うインク粒IKの粒径やピッチの変化が補正される。その結果、ボトルBに印刷された印刷パターンPPの画像、つまり印刷パターン画像Gtは印刷対象画像Gsと同一またはほぼ同一なものとなる。
一方、変化量が許容値を超えていない場合(ステップS108で「NO」)や、そもそも検知タイミングでない場合(ステップS105で「NO」)には、演算処理部901は、転写条件TCの補正を行わず、従前の転写条件TCにて転写処理を実行する(ステップS110)。すなわち、これらの場合のいずれも、ブランケット32の表面状態に大きな変化がないため、従前の印刷条件のまま受理処理および転写処理を行うことで印刷パターン画像Gtは印刷対象画像Gsと同一またはほぼ同一なものとなる。
上記のようにしてボトルBへの印刷が完了すると、演算処理部901は、次のボトル印刷が存在するか否かを判定する(ステップS111)。このステップS111で「YES」と判定すると、演算処理部901はステップS103に戻って一連の処理を繰り返す。一方、次の印刷対象が存在しない場合(ステップS111で「NO」)、演算処理部901は印刷処理を終了する。
以上のように、第1実施形態によれば、次のような作用効果が得られる。印刷条件を固定したままボトル印刷を繰り返して行うと、ブランケット32の表面状態が徐々に変化し、それに伴って印刷品質が低下することがある。しかしながら、第1実施形態では、印刷対象画像Gsに対する印刷パターン画像(受理画像)Grの変化量に相当する変化量が検査画像を用いて算出される。そして、当該変化量が減少するように、ブランケット32への印刷パターンPPの受理および印刷パターンPPのボトルBへの転写が制御される。このため、ボトル印刷を繰り返して行ったとしても、ボトルBに印刷された印刷パターン画像Gtを印刷対象画像Gsと同じまたはほぼ同じ品質で印刷することができる。したがって、従来技術よりも、長期間にわたって、印刷対象画像Gsを高い品質で安定してボトルBに印刷することができる。
このように第1実施形態では、ラインセンサ5が本発明の「撮像部」の一例に相当している。
図7は本発明に係る印刷装置の第2実施形態による印刷動作を示すフローチャートである。第2実施形態が第1実施形態と大きく相違する点は、検査画像の取得方法と、印刷条件の補正方法とである。なお、その他の構成および動作は基本的に同一である。
第2実施形態では、ラインセンサがボトルBの側面Baに担持された印刷パターンを撮像可能に配置される。このラインセンサがボトルBに転写された印刷パターンPPを撮像することで取得された、印刷パターン画像Gtが検査画像として記憶部902に記憶される。そして、演算処理部901は、印刷対象画像Gsに対する検査画像(印刷パターン画像Gt)が算出し、受理条件RCを補正更新する。以下、図7を参照しつつ第2実施形態における印刷動作について説明する。
第1実施形態と同様に、凹版Pを用いたボトル印刷を実行する前に、オペレータによる試し刷りにより基準印刷条件(=基準受理条件RC0+基準転写条件TC0)が見つけ出され、印刷対象画像Gsとともに制御装置900の記憶部902に記憶される。
こうして印刷準備が完了すると、演算処理部901は、基準印刷条件(基準受理条件RC0および基準転写条件TC0を含む諸条件)および印刷対象画像Gsを記憶部902から読み出す(ステップS201)。そして、演算処理部901は、受理条件RCおよび転写条件TCをそれぞれ基準受理条件RC0および基準転写条件TC0に設定する(ステップS202)。なお、本実施形態では、次に説明するように、これらの条件のうち転写条件TCについては、常時、基準転写条件TC0に維持されたまま、ボトル印刷が繰り返して実行される。一方、受理条件RCについては、ブランケット32の表面状態が、一定の印刷品質を維持するための許容範囲を超えて変化すると、基準転写条件TC0から変更される。
次に、演算処理部901は、従来装置と同様に装置各部を制御し、受理条件RC下での受理処理(ステップS203)および転写条件TC下での転写処理(ステップS204)を実行させる。これらによって、凹版Pで形成された印刷パターンPPがブランケット32を介してボトルBに転写される。それに続いて、ボトルBが回転している間に、ラインセンサ5がボトルBの表面を連続的に撮像する。これによって、印刷パターンPPのインク像を含む印刷パターン画像(転写画像)Gtが撮像され、検査画像の一例として記憶部902に記憶される(ステップS205)。
演算処理部901は、上記印刷パターン画像Gtの取得が完了したことを確認すると、ブランケット32の表面状態を検知すべき検知タイミングに到達しているか否かを判定する(ステップS206)。これは、ブランケット32の表面状態の変化は急激に発生するものではなく、緩やかに変化することに起因しており、ブランケット32の表面組成やインク成分などを考慮して検知タイミングを、例えばボトル印刷を100回~1000回などに設定するのが望ましい。
このステップS205で「YES」と判定すると、演算処理部901は、必要に応じて受理条件RCを変更する(ステップS207~S210)。より具体的には、演算処理部901は、記憶部902に記憶されている転写画像Gtのうち直近に記憶された転写画像Gtを検査画像として記憶部902から読み出す(ステップS207:検査画像取得工程)。こうして読み出された検査画像の印刷対象画像Gsからの変化量を演算処理部901は算出する(ステップS208:変化量算出工程)。これは、ブランケット32の表面状態が変化するのに伴って、ブランケット32に担持されている印刷パターンPPを構成するインク粒IKの粒径やピッチが変化し、その変化を維持したまま当該印刷パターンPPがボトルBに転写されることに着目したものである。つまり、演算処理部901は、インク粒IKの粒径やピッチの変化量をブランケット32の表面状態の変化量として算出している。
こうして算出された変化量が許容値を超えているか否かを、演算処理部901は判定する(ステップS209)。ここで、「許容値」とは、第1実施形態と同様に、一定の印刷品質を維持するための許容範囲を示す値を意味している。そして、変化量が許容値を超えている場合(ステップS209で「YES」)、演算処理部901は上記変化量に対応して受理条件RCを補正し、更新する。すなわち、上記変化量の増減方向および絶対量に応じて、ブランケット32への凹版Pの押付力Fpと、ブランケット32に対する凹版Pの相対移動速度との少なくとも一方を調整するように、演算処理部901は受理条件RCを補正し、更新する(ステップS210)。例えば、次のステップS211で「YES」と判断して次のボトル印刷に進むと、受理処理(ステップS203)によりブランケット32に受理された印刷パターンPPを構成するインク粒IKの粒径やピッチが補正される。そして、補正済の印刷パターンPPがそのままブランケット32からボトルBに転写される。その結果、ボトルBに印刷された印刷パターンPPの画像、つまり印刷パターン画像Gtは印刷対象画像Gsと同一またはほぼ同一なものとなる。
一方、変化量が許容値を超えていない場合(ステップS209で「NO」)や、そもそも検知タイミングでない場合(ステップS206で「NO」)には、演算処理部901は、受理条件RCの補正を行わず、従前の受理条件RCが維持されたままステップS211に進む。このステップS211では、演算処理部901は、次のボトル印刷が存在するか否かを判定する。このステップS211で「YES」と判定すると、演算処理部901はステップS203に戻って一連の処理を繰り返す。一方、次の印刷対象が存在しない場合(ステップS111で「NO」)、演算処理部901は印刷処理を終了する。
以上のように、第2実施形態においても、転写画像Gtを検査画像として用いてブランケット32の表面状態が変化するのに伴う変化量を算出している。そして、当該変化量が減少するように、ブランケット32への印刷パターンPPの受理および印刷パターンPPのボトルBへの転写が制御される。このため、ボトル印刷を繰り返して行ったとしても、ボトルBに印刷された印刷パターン画像Gtを印刷対象画像Gsと同じまたはほぼ同じ品質で印刷することができる。したがって、従来技術よりも、長期間にわたって、印刷対象画像Gsを高い品質で安定してボトルBに印刷することができる。
このように第2実施形態では、ボトルBの側面Baに担持された印刷パターンを撮像するラインセンサが本発明の「撮像部」の一例に相当し、当該ラインセンサにおいてY方向に配列される撮像素子が本発明の「第2撮像素子」の一例に相当している。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では、図5に示すように、検査画像に含まれるインク粒IKの像に基づいてインク粒IKの粒径およびピッチを求め、これらに基づいて変化量を算出している。ここで、例えば図8に示すように、インク粒IKの占有率が比較的高い場合には、インク粒IKの粒径およびピッチを求めることが困難である。そこで、インク粒IKの粒径などの代わりに、空隙SPの寸法S0やピッチP0などに基づいて変化量を求めてもよい。また、印刷対象画像Gsに関する情報、例えばCAD(Computer Aided Design)情報やCAM(Computer Aided Manufacturing)情報などに基づきインク粒IKまたは空隙SPを選択的に用いて変化量を算出するように構成してもよい。また、画素単位で変化量を算出しているが、複数の画素を含む領域単位で変化量を算出するように構成してもよい。
また、第1実施形態では転写条件TCを補正更新する一方、第2実施形態では受理条件RCを補正更新している。つまり、ブランケット32の表面状態の変化に応じて転写条件TCおよび受理条件RCの一方のみを補正している。ここで、転写条件TCおよび受理条件RCの両方を補正するように構成してもよい。例えば第1実施形態と同様に転写条件TCの補正をメインとしながら、当該メイン補正で画像品質の低下をカバーできない場合に第2実施形態と同様に受理条件RCの補正をサブとして実行するように構成してもよい。
また、上記第1実施形態では、図5に示すようにブランケット32の有効印刷領域ARに担持された印刷パターンPPを撮像して取得した受理画像Grを検査画像として用いているが、別のパターンを撮像して検査画像を取得してもよい。従来より画像を検査するために、テストパターンを用いることが提案されている。本発明においても、印刷パターンPPと異なる位置、例えばブランケット32の非印刷領域NRに担持されるテストパターンを撮像して検査画像を取得するように構成してもよい。本実施形態では、非印刷領域NRにおいてテストパターンが担持される位置が本発明の「前記印刷パターンと異なる位置」の一例に相当している。
より詳しくは、テスト画像の画像データに基づき凹版Pの一部にテストパターン用の凹部を形成しておく。この凹版Pにより形成されたテストパターンは印刷パターンPPとともにブランケット32に受理される。こうしてブランケット32に担持されたテストパターンをラインセンサ5で撮像することでテストパターン画像が検査画像として取得される。そして、テスト画像に対するテストパターン画像(検査画像)の変化量を、ブランケット32の表面状態の変化量として算出することができる。
また、上記実施形態では、ラインセンサ5が印刷パターンPPやテストパターンを撮像しており、本発明の「撮像部」として機能している。ただし、撮像部の構成はこれに限定されるものではなく、その他の撮像手段、例えば2次元CCDカメラなどを用いてもよい。
また、上記実施形態では、ボトルBに印刷パターンPPを印刷する印刷装置に本発明を適用しているが、その他の立体基材ならびに平板基材(ガラス板、樹脂フィルム等)を被印刷物とする印刷技術にも本発明を適用することができる。
この発明は、ブランケットを介して印刷対象画像に対応する印刷パターンを被印刷物に転写することで、印刷対象画像を被印刷物に印刷する印刷技術全般に適用することができる。
5…ラインセンサ(撮像部)
32…ブランケット
101…(第1の)印刷装置
102…(第2の)印刷装置
901…演算処理部(変化量算出部、印刷制御部)
902…記憶部
B…ボトル(被印刷物)
Fb,Fp…押付力
IK…インク粒
NR…非印刷領域
P…凹版
PP…印刷パターン
RC…受理条件
TC…転写条件
Gr…印刷パターン画像(受理画像)
Gt…印刷パターン画像(転写画像)
Gs…印刷対象画像

Claims (11)

  1. ブランケットを介して印刷対象画像に対応する印刷パターンを被印刷物に転写することで、印刷パターン画像を前記被印刷物に印刷する印刷装置であって、
    前記ブランケットに担持される前記印刷パターン、前記印刷パターンと異なる位置で前記ブランケットに担持されるテストパターン、または前記被印刷物に印刷された前記印刷パターンを撮像することで、前記ブランケットの表面状態を検査するための検査画像を取得する撮像部と、
    前記撮像部により取得された前記検査画像から、前記印刷対象画像に対する前記印刷パターン画像の変化量を算出する変化量算出部と、
    前記変化量が減少するように、前記ブランケットへの前記印刷パターンの受理および前記印刷パターンの前記被印刷物への転写を制御する印刷制御部と、
    を備えることを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記撮像部は、前記ブランケットに担持される前記印刷パターンを撮像して前記検査画像を取得する第1撮像素子を有し、
    前記変化量算出部は、前記印刷対象画像に対する前記検査画像の変化量を前記変化量として算出する印刷装置。
  3. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記テストパターンはテスト画像の画像データに基づき前記ブランケットの表面に形成され、
    前記撮像部は、前記ブランケットに担持される前記テストパターンを撮像して前記検査画像を取得し、
    前記変化量算出部は、前記テスト画像に対する前記検査画像の変化量を前記変化量として算出する印刷装置。
  4. 請求項2または3に記載の印刷装置であって、
    前記印刷制御部は、前記印刷パターンを前記被印刷物に転写する際の転写条件を前記変化量に対応して補正して更新する印刷装置。
  5. 請求項4に記載の印刷装置であって、
    前記印刷制御部は、
    前記印刷パターンの前記被印刷物への転写を行うために前記ブランケットに対して前記被印刷物を押し付けながら相対的に移動させるように制御し、
    前記転写の際に、前記ブランケットに対する前記被印刷物の押付力および相対移動速度の少なくとも一方を前記転写条件として変更可能となっている印刷装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の印刷装置であって、
    前記撮像部は、前記被印刷物に印刷された前記印刷パターンを撮像して前記検査画像を取得する第2撮像素子を有し、
    前記変化量算出部は、前記印刷対象画像に対する前記検査画像の変化量を前記変化量として算出する印刷装置。
  7. 請求項6に記載の印刷装置であって、
    前記印刷制御部は、前記印刷パターンが前記被印刷物に転写された後の前記ブランケットに、次の印刷を行うために前記印刷パターンを受理させる際の受理条件を前記変化量に対応して変更する印刷装置。
  8. 請求項7に記載の印刷装置であって、
    前記印刷制御部は、
    版に担持された前記印刷パターンを前記ブランケットに受理させるために前記ブランケットに対して前記版を押し付けながら相対的に移動させるように制御し、
    前記受理の際に、前記ブランケットに対する前記版の押付力および相対移動速度の少なくとも一方を前記受理条件として変更可能となっている印刷装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか一項に記載の印刷装置であって、
    前記印刷対象画像、前記印刷パターンおよび前記検査画像は複数のインク粒で構成されており、
    前記変化量算出部は、前記印刷対象画像を構成する前記インク粒の粒径に対する、前記検査画像を構成する前記インク粒の粒径の変化量を前記変化量として算出する印刷装置。
  10. 請求項1ないし8のいずれか一項に記載の印刷装置であって、
    前記印刷対象画像、前記印刷パターンおよび前記検査画像は複数のインク粒で構成されており、
    前記変化量算出部は、前記印刷対象画像において前記インク粒が存在しない領域の空隙寸法に対する、前記検査画像において前記インク粒が存在しない領域の空隙寸法の変化量を前記変化量として算出する印刷装置。
  11. 印刷対象画像に対応する印刷パターンをブランケットに受理する受理工程と、
    前記ブランケットに担持された前記印刷パターンを被印刷物に転写する転写工程と、
    前記ブランケットに担持される前記印刷パターン、前記印刷パターンと異なる位置で前記ブランケットに担持されるテストパターン、または前記被印刷物に印刷された前記印刷パターンを撮像することで、前記ブランケットの表面状態を検査するための検査画像を取得する検査画像取得工程と、
    前記印刷パターンを撮像して得られる印刷パターン画像の前記印刷対象画像に対する変化量を前記検査画像から算出する変化量算出工程と、を備え、
    前記変化量が減少するように、前記受理工程および前記転写工程が実行されることを特徴とする印刷方法。
JP2021210142A 2021-12-24 2021-12-24 印刷装置および印刷方法 Pending JP2023094694A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021210142A JP2023094694A (ja) 2021-12-24 2021-12-24 印刷装置および印刷方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021210142A JP2023094694A (ja) 2021-12-24 2021-12-24 印刷装置および印刷方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023094694A true JP2023094694A (ja) 2023-07-06

Family

ID=87002249

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021210142A Pending JP2023094694A (ja) 2021-12-24 2021-12-24 印刷装置および印刷方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023094694A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7128531B2 (ja) 印刷および製造システムにおける精密な位置合わせ、較正および測定
EP2576228B1 (en) Method of adjusting surface topography
JP7181066B2 (ja) ワーク保持装置、印刷システムおよび印刷方法
JP2023094694A (ja) 印刷装置および印刷方法
CN113334930B (zh) 油墨涂布装置、油墨涂布装置的控制装置及油墨涂布方法
JP2010129866A (ja) 導電性ボール搭載装置
JP2007090191A (ja) インキ吐出印刷装置
JP7116630B2 (ja) 印刷方法および印刷装置
US11498283B2 (en) Method and apparatus for build thickness control in additive manufacturing
JP2022528114A (ja) シートへの損傷をなくすための回転要素が設けられたシートコンベヤを有するデジタル印刷システム
JP7144523B2 (ja) 実装ライン
JP2008006705A (ja) 印刷装置
JP5276912B2 (ja) 塗布処理方法、プログラム、コンピュータ記憶媒体及び塗布処理装置
KR20020033538A (ko) 액정 디스플레이 패널의 밀봉 방법과 그 장치
KR20190116392A (ko) 성막 시스템, 성막 방법 및 컴퓨터 기억 매체
CN112533761B (zh) 印刷方法及印刷装置
JP2022144426A (ja) 印刷装置および印刷方法
JP2023070243A (ja) スキージ装置、印刷装置および印刷方法
JP7282005B2 (ja) 凹版印刷用スキージ装置および印刷装置
KR101776549B1 (ko) 인쇄품질 검사기능을 갖는 노광 장치
JP2006103073A (ja) スクリーン印刷機
JP4449340B2 (ja) スクリーン印刷機
JP2000035588A (ja) 液晶セルの封止方法及びその装置
US20240059087A1 (en) Gravure printing device
JP2004276390A (ja) フレキソ印刷装置とこれを用いた液晶表示装置の製造方法