JP2023094187A - ドアラッチ装置 - Google Patents

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Yusuke Takada
伸哉 赤木
Shinya Akagi
洋介 山本
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Abstract

【課題】強い衝撃が加わったときの意図しないドアの開放を防止できるドアラッチ装置を提供する。【解決手段】ドアラッチ装置10は、フォーク26と、クロー27と、第1の向きAへの移動によって係止位置のクロー27を非係止位置に回転させる可動部材33と、第1の向きAと第2の向きBへ可動部材33を移動させる電動モータ31と、電動モータ31を制御する制御部70とを備える。制御部70は、衝撃検出部75又は予測衝撃検出部76から、設定値以上の衝撃を示す信号が入力されると、第1の向きAへの可動部材33の移動を規制するように、電動モータ31に通電する非常通電処理を実行する。【選択図】図5

Description

本発明は、ドアラッチ装置に関する。
電動リリース式のドアラッチ装置は、フォークとクローを有するラッチ機構と、電動モータと可動部材を有するリリース機構とを備える。ドアの開操作を検出すると、可動部材を介して電動モータの駆動力をクローに伝達し、クローによるフォークの係止を電動で解除し、ドアを開放可能とする。特許文献1に開示されたドアラッチ装置では、衝突事故が発生したとき等の非常時、電動モータを非通電状態としてリリース機構を無効化し、開操作されてもドアを自動開放しないようにして、安全性向上を図っている。
特表2016-503134号公報
電動モータの非通電状態では、可動部材は、電動モータ等の抵抗によって移動し難い状態ではあるが、強い力が加わると移動可能である。そのため、特許文献1のドアラッチ装置では、衝突事故等によって強い衝撃が加わると、係止位置のクローを非係止位置に回転させるように可動部材が移動し、ドアが開放する虞がある。よって、特許文献1のドアラッチ装置には、強い衝撃が加わったときの意図しないドアの開放について、改善の余地がある。
本発明は、強い衝撃が加わったときの意図しないドアの開放を防止できるドアラッチ装置を提供することを課題とする。
本発明は、ストライカを保持するフルラッチ位置と、前記ストライカを開放可能なオープン位置とに回転可能なフォークと、前記フルラッチ位置の前記フォークを係止する係止位置と、前記フォークとの係止を解除した非係止位置とに回転可能なクローと、第1の向き、及び前記第1の向きとは反対の第2の向きへ移動可能であり、前記第1の向きへの移動によって前記係止位置の前記クローを前記非係止位置に回転させる可動部材と、前記第1の向きと前記第2の向きへ前記可動部材を移動させる電動モータと、前記電動モータを制御する制御部とを備え、前記制御部は、車両に加わった衝撃を検出する衝撃検出部、又は車両に衝撃が加わることを予測する予測衝撃検出部から、設定値以上の衝撃を示す信号が入力されると、前記第1の向きへの前記可動部材の移動を規制するように、前記電動モータに通電する非常通電処理を実行する、ドアラッチ装置を提供する。
衝撃検出部又は予測衝撃検出部から設定値以上の衝撃を示す信号が入力された場合、制御部は非常通電処理を実行し、第1の向きへの可動部材の移動を電動モータによって規制する。よって、衝突事故等によって強い衝撃が加わっても、可動部材が係止位置のクローを非係止位置に回転させることはないため、意図しないドアの開放を防止できる。また、電磁クラッチ等、可動部材の移動を規制するための追加部品は不要のため、ドアラッチ装置のコストアップを抑制できる。
本発明のドアラッチ装置では、強い衝撃が加わったときの意図しないドアの開放を防止できる。
本発明に係るドアラッチ装置を車両に取り付けた状態を示す側面図。 図1のドアラッチ装置の分解斜視図。 フェンスブロックの外面側の正面図。 フェンスブロックの内面側の正面図。 ハウジング本体の第2配置部の正面図。 第1実施形態のドアラッチ装置の駆動回路を含むブロック図。 ドア閉状態のラッチ機構とリリース機構を示す正面図。 開作動したラッチ機構とリリース機構を示す正面図。 駆動回路を第1通電状態に切り換えたドアラッチ装置のブロック図。 駆動回路を第2通電状態に切り換えたドアラッチ装置のブロック図。 制御部によるモータ制御を示すフローチャート。 制御部による図10の非常通電処理を示すフローチャート。 制御部による図10の開放処理を示すフローチャート 第2実施形態のドアラッチ装置の非常通電処理での通電状態を示す駆動回路を含むブロック図。 第3実施形態のドアラッチ装置の非常通電処理におけるスイッチング素子のオン時間とオフ時間を示すグラフ。 衝撃値とPWM制御のデューティ比との関係を示すグラフ。 制御部による第3実施形態の非常通電処理を示すフローチャート。 第4実施形態のドアラッチ装置の非常通電処理での通電状態を示す駆動回路を含むブロック図。 第5実施形態のドアラッチ装置の駆動回路を含むブロック図。 ドア閉状態かつ係止状態のラッチ機構とリリース機構を示す正面図。 図19の状態から開作動したラッチ機構とリリース機構を示す正面図。 ドア開状態かつ非係止状態のラッチ機構とリリース機構を示す正面図。 ドア閉状態かつ非係止状態のラッチ機構とリリース機構を示す正面図。 図22の状態から閉作動したラッチ機構とリリース機構を示す正面図。 第5実施形態のモータ制御を示すフローチャート。 制御部による図24の閉鎖処理を示すフローチャート 変形例のドアラッチ装置の駆動回路を含むブロック図。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
(第1実施形態)
図1及び図2は、本発明の第1実施形態に係るドアラッチ装置10を示す。ドアラッチ装置10は、車体1に対して開閉可能なドア3内に配置され、開状態のドア3が閉じられ、車体1のストライカ2を保持することで、ドア3を閉状態に維持する。ドア3は、車高方向Zに延びるヒンジ軸に軸支された汎用ドア、車長方向Xに延びるヒンジ軸に軸支されたガルウイングドア、及び車体1のサイドパネル1aに沿って車長方向Xに移動するスライドドア等、いずれの方式であってもよい。
本実施形態のドアラッチ装置10は、定常時、電動モータ31の駆動力でストライカ2(ドア3)の保持を解除する電動式であり、ドア3の内外には手動で開操作する露出したドアハンドルは設けられていない。車内からドア3を開放する場合、ユーザは、ドアハンドルの代わりに車内(例えばドア3)に設けられたスイッチ5を操作する。車外からドア3を開放する場合、ユーザは、例えば電子キー(図示せず)を操作する。
具体的には、図3A、図3B及び図4を参照すると、ドアラッチ装置10は、ハウジング15内に、ラッチ機構25、電動リリース機構30、及びクロージャ機構40を備える。また、ドアラッチ装置10は、定常時には使用されず、電動リリース機構30が動作不可能な場合に使用されるエマージェンシ用の手動リリース機構50を備える。
図5を参照すると、ドアラッチ装置10は更に、電動リリース機構30が備える電動モータ31の駆動回路60と、電動モータ31を制御する制御部70を備える。駆動回路60と制御部70は、図1に示すコネクタ16に電気的に接続され、このコネクタ16に車両のECU(Electronic Control Unit)4、加速度センサ75、及びミリ波レーダ76が電気的に接続されている。
制御部70は、電動リリース機構30の電動モータ31、及びクロージャ機構40が備えるアクチュエータ42を個別に制御する。また、制御部70は、加速度センサ75とミリ波レーダ76からの入力信号に基づいて、車両に対する衝撃の有無を判断し、衝撃発生等の非常時には、電動リリース機構30が備える開操作部材(可動部材)33の移動を電動モータ31によって規制する。これにより、強い衝撃が加わったときの意図しないドア3の開放を抑制する。
次に、ドアラッチ装置10の構成について、具体的に説明する。
図3A及び図3Bを参照すると、ラッチ機構25は、フォーク26、クロー27、及び操作受部材28を備え、ストライカ2を離脱可能に保持する。フォーク26とクロー27は、ハウジング本体17の第1配置部17aに配置されたフェンスブロック18の外面側に配置され、金属製のカバープレート19によって覆われている。操作受部材28は、フェンスブロック18の内面側に配置され、金属製のバックプレート20によって一部が覆われている。
図3Aを参照すると、フォーク26は、ストライカ2を保持する保持溝26a、クロー27が係止する係止受部26b、及びクロージャ機構40の操作を受ける操作受部26cを備える。フォーク26は、ストライカ2を保持するフルラッチ位置(図6参照)と、ストライカ2を開放可能なオープン位置(図7参照)との間を回転可能であり、図示しない付勢部材(例えばトーションバネ)によってオープン位置に向けて付勢されている。
引き続いて図3Aを参照すると、クロー27は、フォーク26の係止受部26bに係止する係止部27aを備える。クロー27は、フルラッチ位置のフォーク26を係止する係止位置(図6参照)と、フォーク26との係止を解除した非係止位置(図7参照)とに回転可能であり、図示しない付勢部材(例えばトーションバネ)によって係止位置に向けて付勢されている。
図3Bを参照すると、操作受部材28は、クロー27と同一の回転軸に取り付けられ、クロー27と一体に回転する。図3B及び図4を参照すると、操作受部材28は、ハウジング本体17の第2配置部17b内に突出して、電動リリース機構30の操作を受ける第1突出部28aを備える。また、操作受部材28は、ハウジング本体17の第1配置部17aと対向するように突出して、手動リリース機構50の操作を受ける第2突出部28bを備える。
図2及び図4を参照すると、電動リリース機構30は、電動モータ31、ウォーム32、及び開操作部材33を備え、ハウジング本体17の第2配置部17bに取り付けられ、カバー21によって覆われている。
図4を参照すると、電動モータ31は、正転及び逆転が可能な直流モータであり、図5に示す駆動回路60に電気的に接続されている。
ウォーム32は、外周部に螺旋状の歯を備え、電動モータ31の出力軸に取り付けられ、出力軸と一体に回転する。
引き続いて図4を参照すると、開操作部材33は、係止位置のクロー27を非係止位置に回転させる可動部材である。開操作部材33は、ウォーム32の歯に噛み合うギア部33aを備え、ウォーム32を介して電動モータ31の駆動力が伝達されることで回転する。開操作部材33は、操作受部材28を介してクロー27を操作する操作部33bを備える。但し、可動部材は、回転可能な開操作部材33に限られず、電動モータ31によって移動可能で、フォーク26に対するクロー27の係止を解除できる構成であれば、必要に応じて変更可能である。
本実施形態の開操作部材33は、車幅方向Yに延びる回転軸回りに回転可能である。これに対して、前述したフォーク26、クロー27、及び操作受部材28は、図2において車長方向Xに延びる回転軸回りに回転可能である。
図6及び図7は、ラッチ機構25と電動リリース機構30それぞれの構成部品を平面的に配置した状態を示している。図6は、図1に示すようにドア3を閉じた状態を示し、図7は、電動リリース機構30を開作動させた状態を示している。
図6に示すドア3の閉状態で、電動モータ31が正転されると、ウォーム32によって開操作部材33が反時計回りである第1の向きAへ回転する。これにより、操作部33bによって第1突出部28aが押圧され、操作受部材28とクロー27が一体に、図6に示す係止位置から図7に示す非係止位置へ時計回りに回転する。その結果、クロー27によるフォーク26の係止が解除され、付勢部材の付勢力によって図6に示すフルラッチ位置のフォーク26が図7に示すオープン位置に回転する。
図7に示すように電動リリース機構30の開作動が完了すると、電動モータ31が逆転され、ウォーム32によって開操作部材33が時計回りである第2の向きBへ回転する。電動モータ31の逆転は、開操作部材33が図6に示す初期位置に復帰すると停止される。開操作部材33が第2の向きBへ回転すると、操作部33bが操作受部材28の第1突出部28aから次第に離反する。その結果、付勢部材の付勢力によってクロー27が操作受部材28と一体に、図7に示す非係止位置から図6に示す係止位置へ回転する。
図4を参照すると、開操作部材33の上方には、開操作部材33の回転角度位置を検出するためのスイッチ34A,34Bが配置されている。図6に示す初期位置に開操作部材33があるときには、スイッチ34Aはオン信号を出力し、スイッチ34Bはオン信号を出力しない。図7に示す開作動完了位置に開操作部材33があるときには、スイッチ34Bはオン信号を出力し、スイッチ34Aはオン信号を出力しない。これらのスイッチ34A,34Bからの入力信号に基づいて、制御部70は電動モータ31を正転又は逆転させる。
図2及び図3Aを参照すると、クロージャ機構40は、クロージャレバー41とアクチュエータ42を備える。クロージャレバー41は、フォーク26の上方に回転可能に取り付けられ、ケーブル43によってアクチュエータ42に接続されている。アクチュエータ42は、本実施形態ではドアラッチ装置10とは別にドア3内に配置されているが、ハウジング15内に配置されてもよい。図3Bを参照すると、フェンスブロック18には、フォーク26と一体に回転するスイッチレバー44と、2個のスイッチ45A,45Bが配置されている。スイッチ45A,45Bからの入力信号に基づいて制御部70がアクチュエータ42を制御する。
具体的には、フォーク26が図7に示すオープン位置にあるときには、スイッチ45A,45Bはいずれもオン信号を出力する。開状態のドア3が閉められると、ストライカ2が保持溝26aに進入してフォーク26を押圧し、図7に示すオープン位置のフォーク26が、図6に示すフルラッチ位置、又は図6と図7の間の回転角度位置であるハーフラッチ位置に回転する。フォーク26が図6に示すフルラッチ位置にあるときには、スイッチ45A,45Bはいずれもオン信号を出力しない。フォーク26がハーフラッチ位置にあるときには、クロー27は保持溝26aに係止し、スイッチ45Aだけがオン信号を出力する。
フォーク26がハーフラッチ位置にあるときにはアクチュエータ42が駆動され、フォーク26がフルラッチ位置にあるときにはアクチュエータ42は駆動されない。アクチュエータ42の駆動によって、クロージャレバー41は図3Aにおいて時計回りに回転し、操作部41aが操作受部26cを押圧する。これにより、ハーフラッチ位置のフォーク26がフルラッチ位置まで回転し、係止受部26bにクロー27の係止部27aが係止すると、アクチュエータ42が停止される。その結果、クロージャレバー41は図示しない付勢部材(例えばトーションバネ)の付勢力によって図3Aに示す非作動位置に戻る。
図2及び図3Aを参照すると、手動リリース機構50は、インナーレバー51及びアウターレバー52を備え、ラッチ機構25によるストライカ2の保持を手動で解除し、ドア3を開放可能とする。インナーレバー51とアウターレバー52は、フェンスブロック18に回転可能に取り付けられ、カバー22によって覆われている。
インナーレバー51は、車内に配置されてカバー等によって隠されたインナーハンドル6に、ケーブル53を介して接続されている。インナーハンドル6が操作されると、インナーレバー51が図3Bに示す非操作位置から時計回りに回転してアウターレバー52に当接する。続いて、インナーレバー51とアウターレバー52が一体に時計回りに回転し、アウターレバー52が操作受部材28の第2突出部28bを押圧する。これにより、操作受部材28とクロー27が一体となって係止位置から非係止位置に回転し、フォーク26の係止が解除され、ドア3が開放可能になる。
アウターレバー52は、車外に配置されてカバー等によって隠されたキーシリンダ7に、ケーブル54を介して接続されている。キーシリンダ7が操作されると、図3Bに示すアウターレバー52が単独で時計回りに回転し、第2突出部28bを押圧する。これにより、操作受部材28とクロー27が一体となって係止位置から非係止位置に回転し、フォーク26の係止が解除され、ドア3が開放可能になる。
図5を参照すると、電動モータ31の駆動回路60は、第1アーム60a、第2アーム60b、上流側接続線60c、下流側接続線60d、及び中間接続線60eを備えるHブリッジ回路からなる。この駆動回路60には、4個のスイッチング素子62~65が介設されている。スイッチング素子62~65はいずれも、制御部70からの電気信号の入力によってオンになり、電気信号の遮断によってオフになる常開のリレーからなる。但し、スイッチング素子62~65は、電気的にオンオフが可能な構成であれば必要に応じて変更可能である。
第1アーム60aは、第1上流スイッチング素子62と第1下流スイッチング素子63を直列に接続する。第2アーム60bは、第2上流スイッチング素子64と第2下流スイッチング素子65を直列に接続する。直流電源61が接続された上流側接続線60cは、第1アーム60aと第2アーム60bそれぞれの上流側の端部に接続されている。接地された下流側接続線60dは、第1アーム60aと第2アーム60bそれぞれの下流側の端部に接続されている。中間接続線60eは、第1アーム60aと第2アーム60bそれぞれの中間部分に接続されている。
第1上流スイッチング素子62は、第1アーム60aのうち、上流側接続線60cと中間接続線60eの間に介設されている。第1下流スイッチング素子63は、第1アーム60aのうち、中間接続線60eと下流側接続線60dの間に介設されている。第2上流スイッチング素子64は、第2アーム60bのうち、上流側接続線60cと中間接続線60eの間に介設されている。第2下流スイッチング素子65は、第2アーム60bのうち、中間接続線60eと下流側接続線60dの間に介設されている。電動モータ31は、中間接続線60eに介設されている。
電動モータ31を正転させる場合、図8に示すように、駆動回路60は、第1上流スイッチング素子62と第2下流スイッチング素子65をオンにし、残りのスイッチング素子63,64をオフにした第1通電状態に切り換えられる。これにより、電流は、直流電源61から上流側接続線60c、第1アーム60aの上流側、中間接続線60e、第2アーム60bの下流側、及び下流側接続線60dを通り、図8において左側から右側へ電動モータ31に流れる。その結果、電動モータ31が正転し、開操作部材33は第1の向きAへ回転し、係止位置のクロー27が非係止位置に回転する。
電動モータ31を逆転させる場合、図9に示すように、駆動回路60は、第1下流スイッチング素子63と第2上流スイッチング素子64をオンにし、残りのスイッチング素子62,65をオフにした第2通電状態に切り換えられる。これにより、電流は、直流電源61から上流側接続線60c、第2アーム60bの上流側、中間接続線60e、第1アーム60aの下流側、及び下流側接続線60dを通り、図9において右側から左側へ電動モータ31に流れる。その結果、電動モータ31が逆転し、開操作部材33は第2の向きBへ回転する。
引き続いて図5を参照すると、制御部70は、電動モータ31(駆動回路60)、アクチュエータ42、スイッチ34A,34B,45A,45B、ECU4、加速度センサ75、及びミリ波レーダ76に電気的に接続されている。制御部70は、単一又は複数のマイクロコンピュータ、及びその他の電子デバイスにより構成されている。定常時に制御部70は、ラッチ機構25を開作動させる開放処理と、ラッチ機構25を閉作動させる閉鎖処理とを実行する。また、衝突事故が発生したとき等の非常時に制御部70は、電動リリース機構30によるラッチ機構25の開作動を規制する非常通電処理を実行する。
開放処理は、スイッチ5又は電子キーの開操作を検出したECU4の指令に従って実行される。開放処理では、制御部70は、スイッチ34A,34Bからの入力信号に基づいて、電動モータ31を正転させる第1通電状態と、電動モータ31を逆転させる第2通電状態とに、駆動回路60の通電状態を切り換える。
閉鎖処理は、スイッチ45A,45Bからの入力信号に基づいて実行される。閉鎖処理では、制御部70は、前述のように、オープン位置のフォーク26がハーフラッチ位置に回転したことを検出するとアクチュエータ42を駆動し、フォーク26がフルラッチ位置まで回転したことを検出すると、アクチュエータ42の駆動を停止する。
非常通電処理は、加速度センサ75又はミリ波レーダ76からの入力信号に基づいて実行される。制御部70は、加速度センサ75又はミリ波レーダ76から設定値以上の衝撃を示す信号が入力された場合、つまり加速度センサ75又はミリ波レーダ76の検出結果から得られる衝撃値又は予測衝撃値が設定値(例えば3.92m/s)以上の場合、非常通電処理を実行する。非常通電処理では、制御部70は、第1の向きAへの開操作部材33の移動を規制するように、駆動回路60を図9に示す第2通電状態に切り換え、電動モータ31を逆転させる。この非常通電処理は、衝撃値又は予測衝撃値が設定値未満になると終了する。但し、非常通電処理の終了は、通電開始からの時間であってもよく、必要に応じて変更可能である。また、ハウジング本体17の第2配置部17bには、第2の向きBへの開操作部材33の過度の回転を防ぐためのストッパを設けることが好ましい。
加速度センサ75は、車両に加わった衝撃を検出する衝撃検出部である。加速度センサ75は、車両の減速度を検出し、検出結果に応じた信号を制御部70に出力する。制御部70は、入力された信号から得られる減速度である衝撃値を予め設定された設定値と比較し、衝撃値が設定値以上の場合には非常通電処理を実行し、衝撃値が設定値未満の場合には非常通電処理を実行しない。
ミリ波レーダ76は、車両に衝撃が加わることを予測する予測衝撃検出部である。ミリ波レーダ76は、例えば走行中の他の車両又は静止した障害物等の対象物との間の相対速度と距離を検出し、検出結果に応じた信号を制御部70に出力する。制御部70は、入力された信号から得られる相対速度と距離によって、車両が対象物に衝突するか否かを予測(判断)する。例えば、距離が所定値以下であり、相対速度が自車両に接近する方向に正の値を有する場合、又は衝突予測時間が所定時間内である場合、衝突の危険があると予測する。衝突予測の場合、車両重量と相対速度によって得られる予測衝撃値を予め設定された設定値と比較し、予測衝撃値が設定値以上の場合には非常通電処理を実行し、予測衝撃値が設定値未満の場合には非常通電処理を実行しない。但し、予測衝撃検出部は、ミリ波レーダ76に限られず、カメラ又はレーザレーダであってもよい。
次に、制御部70による電動モータ31の制御について説明する。
ドア3の閉状態で制御部70は、図10に示すモータ制御を実行する。このモータ制御には、非常時に行われるステップS3の非常通電処理と、定常時に行われるステップS5の開放処理とが含まれている。
具体的には、ステップS1で、加速度センサ75の検出結果から得られる衝撃値が設定値以上であるか否かを判断し、設定値未満である場合にはステップS2に進む。ステップS2では、ミリ波レーダ76の検出結果から得られる予測衝撃値が設定値以上であるか否かを判断し、設定値未満である場合にはステップS4に進む。ステップS1で衝撃値が設定値以上の場合、及びステップS2で予測衝撃値が設定値以上の場合、ステップS3に進み、非常通電処理を実行してステップS1に戻る。
ステップS4では、スイッチ5又は電子キーによるドア3の開操作を検出する。そして、ドア3の開操作を検出した場合にはステップS5に進み、ドア3の開放処理を実行してステップS1に戻る。一方、ドア3の開操作を検出しない場合にはステップS5の開放処理を実行することなく、ステップS1に戻る。
図11を参照すると、ステップS3の非常通電処理では、ステップS3-1で、図5に示す非通電状態の駆動回路60を図9に示す第2通電状態に切り換える。続いて、ステップS3-2で、加速度センサ75の検出結果から得られる衝撃値が設定値未満になるまで待機した後、ステップS3-3で、ミリ波レーダ76の検出結果から得られる予測衝撃値が設定値未満になるまで待機する。
その後、ステップS3-4で、図9に示す第2通電状態の駆動回路60を図8に示す第1通電状態に切り換えた後、ステップS3-5で、開操作部材33が初期位置に復帰するまで待機する。そして、スイッチ34A,34Bからの信号により開操作部材33が初期位置に復帰したことを検出すると、ステップS3-6で、図8に示す第1通電状態の駆動回路60を図5に示す非通電状態に切り換えて、リターンする。
図12を参照すると、ステップS5の開放処理では、ステップS5-1で、図5に示す非通電状態の駆動回路60を図8に示す第1通電状態に切り換えた後、ステップS5-2で、開操作部材33による開作動が終了するまで待機する。スイッチ34A,34Bからの信号により開作動の終了を検出すると、ステップS5-3で、図8に示す第1通電状態の駆動回路60を図9に示す第2通電状態に切り換えた後、ステップS5-4で、開操作部材33が初期位置に復帰するまで待機する。そして、スイッチ34A,34Bからの信号により開操作部材33が初期位置に復帰したことを検出すると、ステップS5-5で、図9に示す第2通電状態の駆動回路60を図5に示す非通電状態に切り換えて、リターンする。
このように、衝突によって衝突事故が発生した場合、又は衝突事故が発生すると予測した場合、制御部70は、非常通電処理を実行し、電動モータ31を逆転させ、開操作部材33が第2の向きBへ回転する状態とする。よって、衝突時の衝撃によって開操作部材33に強い衝撃が加わっても、開操作部材33は、係止位置のクロー27を非係止位置に回転させる第1の向きAには回転しない。その結果、開操作部材33がクロー27によるフォーク26の係止を解除することを防止できる。
このように構成したドアラッチ装置10は、以下の特徴を有する。
加速度センサ75又はミリ波レーダ76から設定値以上の衝撃を示す信号が入力された場合、制御部70は非常通電処理を実行し、第1の向きAへの開操作部材33の移動を電動モータ31によって規制する。よって、衝突事故等によって強い衝撃が加わっても、開操作部材33が係止位置のクロー27を非係止位置に回転させることはないため、意図しないドア3の開放を防止できる。また、電磁クラッチ等、開操作部材33の移動を規制するための追加部品は不要のため、ドアラッチ装置10のコストアップを抑制できる。
電動モータ31の駆動回路60がHブリッジ回路によって構成されている。そのため、制御部70は、駆動回路60を第1通電状態に切り換えることで、電動モータ31を正転させて第1の向きAへ開操作部材33を移動できる一方、駆動回路60を第2通電状態に切り換えることで、電動モータ31を逆転させて第2の向きBへ開操作部材33を移動できる。このように通電状態の切り換えによって、開操作部材33を第1の向きA又は第2の向きBへ簡単かつ確実に移動できるため、制御部70による制御プログラムを簡素化できる。
非常通電処理を実行するとき、制御部70は駆動回路60を第2通電状態に切り換える。これにより、電動モータ31は逆転し、開操作部材33は第2の向きBへ移動する状態になるため、係止位置のクロー27を非係止位置へ移動させる第1の向きAへの開操作部材33の移動を確実に規制できる。
以下、本発明の他の実施形態並びに種々の変形例を説明するが、これらの説明において、特に言及しない点は第1実施形態と同様である。以下で言及する図面において、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付している。
(第2実施形態)
図13は第2実施形態のドアラッチ装置10の非常通電処理の実行状態を示す。このドアラッチ装置10の駆動回路60は、第1下流スイッチング素子63に第3スイッチング素子81と抵抗82を並列接続した点で、第1実施形態のドアラッチ装置10の駆動回路60と相違する。
具体的には、駆動回路60には、電動モータ31を逆転させる際の通電路である第2アーム60bの上流側と第1アーム60aの下流側のうちの後者に、分岐接続線80が接続されている。第3スイッチング素子81と抵抗82は、分岐接続線80に直列接続され、第1下流スイッチング素子63に対して並列接続されている。第3スイッチング素子81は、制御部70からの電気信号の入力によってオンになり、電気信号の遮断によってオフになる常開のリレーからなる。但し、第3スイッチング素子81は、電気的にオンオフが可能な素子であれば必要に応じて変更可能である。
制御部70は、第1実施形態と同様に、定常時には、ラッチ機構25を開作動させる開放処理と、ラッチ機構25を閉作動させる閉鎖処理とを実行し、非常時には、電動リリース機構30によるラッチ機構25の開作動を規制する非常通電処理を実行する。そのうち、閉鎖処理については第1実施形態と同様である。
開放処理では、スイッチ34A,34Bからの入力信号に基づいて、電動モータ31を正転させる第1通電状態と、電動モータ31を逆転させる第2通電状態とに、駆動回路60の通電状態を切り換える。第1通電状態では、第1上流スイッチング素子62と第2下流スイッチング素子65をオンにし、残りのスイッチング素子63,64,81をオフにする。第2通電状態では、第1下流スイッチング素子63と第2上流スイッチング素子64をオンにし、残りのスイッチング素子62,65,81をオフにする。
非常通電処理は、加速度センサ75又はミリ波レーダ76からの入力信号に基づいて実行されるが、図11のステップS3-1で、電動モータ31を逆転させる際にオンするスイッチング素子62~65,81が異なっている。
具体的には、図11のステップS3-1では、図13に示すように、第2上流スイッチング素子64と第3スイッチング素子81をオンにし、残りのスイッチング素子62,63,65をオフにした第3通電状態とする。これにより、電流は、直流電源61から上流側接続線60c、第2アーム60bの上流側、中間接続線60e、分岐接続線80、及び下流側接続線60dを通り、図13において右側から左側へ電動モータ31に流れる。その結果、電動モータ31が逆転し、開操作部材33は第2の向きBへ回転する。但し、分岐接続線80には抵抗82が介設されているため、電動モータ31に通電される電流は、第1下流スイッチング素子63を通して通電される第2通電状態の場合よりも小さくなる。その結果、非常通電処理での電動モータ31のトルクは、定常時の電動モータ31のトルクよりも小さくなる。
このように、第2実施形態のドアラッチ装置10では、非常通電処理を実行すると、第1実施形態と同様に電動モータ31が逆転される。しかし、電動モータ31のトルクは、第1下流スイッチング素子63と第2上流スイッチング素子64をオンにする場合と比較して、第3スイッチング素子81に抵抗82が直列接続されている分、小さくなる。よって、第2の向きBへの移動に伴って開操作部材33に加わる負荷を軽減できる。
なお、第2実施形態では、第3スイッチング素子81と抵抗82は、第2上流スイッチング素子64に並列接続されてもよいし、第1下流スイッチング素子63と第2上流スイッチング素子64の両方にそれぞれ並列接続されてもよい。
(第3実施形態)
図14から図16は、第3実施形態のドアラッチ装置10の制御部70による制御を示す。第3実施形態のドアラッチ装置10では、非常通電処理を実行するとき、第1下流スイッチング素子63をオンにして第2上流スイッチング素子64をPWM(Pulse Width Modulation)制御して、電動モータ31を逆転させるようにした点で、第1実施形態のドアラッチ装置10と相違する。第3実施形態の電動モータ31の駆動回路60は、図5に示す第1実施形態の駆動回路60と同じである。
具体的には、非常通電処理を実行するとき、制御部70は、図9及び図14に示すように、第1下流スイッチング素子63と第2上流スイッチング素子64をオンにし、残りのスイッチング素子62,65をオフにし、更に第2上流スイッチング素子64をPWM制御する第3通電状態に切り換える。これにより、電流は、図9において、直流電源61から上流側接続線60c、第2アーム60bの上流側、中間接続線60e、第1アーム60aの下流側、及び下流側接続線60dを通り、右側から左側へ電動モータ31にオフ時間t2毎にオン時間t1だけ流れる。その結果、電動モータ31が逆転し、開操作部材33は第2の向きBへ回転する。1周期のうちのオン時間t1の割合、つまりデューティ比が減少すると、電動モータ31に供給される電力が減少し、電動モータ31の回転数も減少する。
図15を参照すると、制御部70は、PWM制御のデューティ比を、図5に示す加速度センサ75又はミリ波レーダ76の検出結果から得られる衝撃値又は予測衝撃値に基づいて変更する。具体的には、衝撃値又は予測衝撃値が設定値よりも低い場合、非常通電処理は実行されず、オン時間t1は0秒である。衝撃値又は予測衝撃値が設定値以上になると、衝撃値又は予測衝撃値が大きくなる程、オン時間t1が長くなるようにデューティ比を大きくする。なお、本実施形態では、デューティ比を、衝撃値又は予測衝撃値の大きさに比例して大きくしているが、衝撃値又は予測衝撃値の大きさに応じて複数段階の範囲を設定し、段階的に大きくしてもよく、その変更方法は必要に応じて変更可能である。
次に、第3実施形態の制御部70による非常通電処理について説明する。
図16に示す第3実施形態の非常通電処理は、図5に示す駆動回路60の通電状態を切り換える前に(ステップS103-1,S103-2)、衝撃値又は予測衝撃値に基づいてデューティ比を設定する点で、図11に示す第1実施形態の非常通電処理と相違する。
具体的には、制御部70は、ステップS103-1で、加速度センサ75の検出結果から得られる衝撃値と、ミリ波レーダ76の検出結果から得られる予測衝撃値を読み込む。続いて、ステップS103-2で、衝撃値と予測衝撃値のうちの大きい方の数値に基づいて、PWM制御するデューティ比を設定する。続いて、ステップS103-3で、第1下流スイッチング素子63をオンにし、第2上流スイッチング素子64をPWM制御する第3通電状態とする。
その後、図11に示すステップS3-2~S3-6と同様に、ステップS103-4で、加速度センサ75の検出結果から得られる衝撃値が設定値未満になるまで待機し、ステップS103-5で、ミリ波レーダ76の検出結果から得られる予測衝撃値が設定値未満になるまで待機する。続いて、ステップS103-6で、駆動回路60を図8に示す第1通電状態に切り換えた後、ステップS103-7で、開操作部材33が初期位置に復帰するまで待機し、開操作部材33が初期位置に復帰すると、ステップS103-8で、駆動回路60を図5に示す非通電状態に切り換えて、リターンする。
以上のように、第3実施形態では、非常通電処理を実行するとき、制御部70は、第1下流スイッチング素子63をオンにして第2上流スイッチング素子64をPWM制御し、残りのスイッチング素子をオフにした第3通電状態に、駆動回路60を切り換える。これにより、電動モータ31は逆転するが、そのトルクを簡単に変更して第2の向きBへ開操作部材33を移動できる。
加速度センサ75又はミリ波レーダ76の検出結果から得られる衝撃値又は予測衝撃値に基づいて、制御部70がPWM制御するデューティ比を変更するため、衝撃の大きさによって適切なトルクで電動モータ31が逆転し、開操作部材33が第2の向きBへ移動する状態になる。よって、開操作部材33の移動によるフォーク26に対するクロー27の係止解除を確実に防止できる。
加速度センサ75又はミリ波レーダ76の検出結果から得られる衝撃値又は予測衝撃値が大きくなる程、制御部70がデューティ比を大きくするため、過度なトルクでの電動モータ31の駆動を防ぎつつ、第1の向きAへの開操作部材33の移動を規制できる。
なお、第3実施形態では、制御部70は、第2上流スイッチング素子64をオンにして第1下流スイッチング素子63をPWM制御してもよい。
(第4実施形態)
図17は第4実施形態のドアラッチ装置10の非常通電処理の実行状態を示す。このドアラッチ装置10の駆動回路60は、図5に示す第1実施形態の駆動回路60と同じであるが、非常通電処理の実行時にオンオフするスイッチング素子62~65を異ならせた点で、第1実施形態と相違する。
具体的には、図17に示すように、第4実施形態では、非常通電処理を実行するとき、制御部70は、第1下流スイッチング素子63と第2下流スイッチング素子65をオンにし、残りのスイッチング素子62,64をオフにした第3通電状態に、駆動回路60を切り換える。これにより電動モータ31は、短絡し、正転も逆転もしないブレーキ状態になる。
以上のように、第4実施形態では、非常通電処理を実行するとき、制御部70は、図17に示す第3通電状態に駆動回路60を切り換え、電動モータ31を短絡したブレーキ状態とする。これにより、開操作部材33は、第1の向きAと第2の向きBのいずれにも回転できない状態になる。よって、開操作部材33の移動によるフォーク26に対するクロー27の係止解除を確実に防止できる。
(第5実施形態)
図18及び図19は第5実施形態のドアラッチ装置10を示す。この第5実施形態のドアラッチ装置10は、第2の向きBへの開操作部材33の回転によって、非係止位置のクロー27を係止位置に回転可能とした点で、第1実施形態のドアラッチ装置10と相違する。
具体的には、第5実施形態の開操作部材33は、図19に示す開操作部材33の初期位置から、図20に示すように第1の向きAと、図23に示すように第2の向きBとに回転可能である。図19を参照すると、開操作部材33には、非係止位置のクロー27を係止位置に回転させる第2操作部33cが設けられている。第2操作部33cは、係止位置のクロー27を非係止位置に回転させる操作部(以下、第1操作部という。)33bに対して周方向に間隔をあけて設けられている。
図19に示す開操作部材33の初期位置では、第1操作部33bと第2操作部33cのいずれも操作受部材28の第1突出部28aには当接しない。図20に示すように、初期位置の開操作部材33が第1の向きAに回転すると、第1操作部33bが第1突出部28aに当接し、操作受部材28とクロー27を係止位置から非係止位置へ回転させる。図23に示すように、初期位置の開操作部材33が第2の向きBに回転すると、第2操作部33cが第1突出部28aに当接し、操作受部材28とクロー27を非係止位置から係止位置へ回転させる。
図18を参照すると、制御部70には、開操作部材33の回転角度位置を検出する2個のスイッチ34A,34Bに加え、スイッチ34Cが接続されている。スイッチ34Cは、図4に示すスイッチ34Bに隣接して取り付けられ、図23に示すように、開操作部材33が閉作動完了位置にあるときにオン信号を出力し、開操作部材33が他の回転角度位置にあるときにはオン信号を出力しない。
図19を参照すると、操作受部材28には、非係止位置のクロー27を係止位置に付勢する付勢部材(トーションバネ)の代わりに、クロー27を係止位置と非係止位置に付勢するための保持スプリング85が配置されている。
保持スプリング85は、巻回部85aと付勢部85bを備えるアクションスプリングからなる。付勢部85bはV字状に屈曲されており、その頂部85cは第2突出部28bに隣接して配置されている。図19に示すように、操作受部材28の回転によって、付勢部85bのうち頂部85cに対して巻回部85aとは反対側に第2突出部28bが当接した状態になると、操作受部材28とクロー27が係止位置に付勢される。図21に示すように、操作受部材28の回転によって、付勢部85bのうち頂部85cに対して巻回部85a側に第2突出部28bが当接した状態になると、操作受部材28とクロー27が非係止位置に付勢される。
次に、図24を参照しながら、制御部70による制御、及びラッチ機構25と電動リリース機構30の動作を説明する。
図24を参照すると、第5実施形態のモータ制御には、定常時に行われるステップS202の閉鎖処理とステップS207の開放処理、及び非常時に行われるステップS205の非常通電処理が含まれている。
具体的には、制御部70は、ステップS201で、スイッチ45A,45Bからの信号によってドア3の閉操作を検出する。そして、ドア3の閉操作を検出した場合にはステップS202に進み、ドア3の閉鎖処理を実行してステップS201に戻る。一方、ドア3の閉操作を検出しない場合にはステップS203に進む。
ステップS203では、加速度センサ75の検出結果から得られる衝撃値が設定値以上であるか否かを判断し、設定値未満である場合にはステップS204に進む。ステップS204では、ミリ波レーダ76の検出結果から得られる予測衝撃値が設定値以上であるか否かを判断し、設定値未満である場合にはステップS206に進む。ステップS203で衝撃値が設定値以上の場合、及びステップS204で予測衝撃値が設定値以上の場合、ステップS205に進み、非常通電処理を実行してステップS201に戻る。
ステップS206では、スイッチ5又は電子キーによるドア3の開操作を検出する。そして、ドア3の開操作を検出した場合にはステップS207に進み、ドア3の開放処理を実行してステップS201に戻る。一方、ドア3の開操作を検出しない場合にはステップS207の開放処理を実行することなく、ステップS201に戻る。ステップS207の開放処理は、図12に示す第1実施形態の開放処理と同じである。
開放処理が完了した状態では、図21に示すように、開操作部材33は初期位置にあり、フォーク26はオープン位置に付勢され、クロー27は保持スプリング85の付勢力で非係止位置に付勢された状態になる。この状態で、ドア3が閉められると、保持溝26aに進入したストライカ2によってオープン位置のフォーク26が、図22に示すフルラッチ位置、又は図21と図22の間の回転角度位置のハーフラッチ位置に回転する。フォーク26がハーフラッチ位置にあるときには、アクチュエータ42によってフォーク26がフルラッチ位置まで回転される。
閉鎖処理は、フォーク26が図22に示すフルラッチ位置に回転すると実行される。図25を参照すると、閉鎖処理では、制御部70は、ステップS202-1で、図18に示す非通電状態の駆動回路60を図9に示す第2通電状態に切り換え、ステップS202-2で、開操作部材33による閉作動が終了するまで待機する。これにより、クロー27は、図22に示す非係止位置から図23に示す係止位置に回転し、フルラッチ位置のフォーク26を係止する。
スイッチ34B,34Cからの信号によって閉作動の終了を検出すると、ステップS202-3で、図9に示す第2通電状態の駆動回路60を図8に示す第1通電状態に切り換えた後、ステップS202-4で、開操作部材33が初期位置に復帰するまで待機する。スイッチ34B,34Cからの信号によって開操作部材33の初期位置への復帰を検出すると、ステップS202-5で、図8に示す第1通電状態の駆動回路60を図18に示す非通電状態に切り換えて、リターンする。
第5実施形態では、制御部70は、図11に示す第1実施形態と同様の非常通電処理を実行する。つまり、駆動回路60を図9に示す第2通電状態に切り換えた後、加速度センサ75及びミリ波レーダ76の検出結果から得られる衝撃値が設定値未満になると、駆動回路60を図8に示す第1通電状態に切り換えて、開操作部材33を初期位置に戻す。
これにより、非常通電処理の実行状態では、第2の向きBへ開操作部材33が移動する状態になるため、クロー27はフォーク26に係止する向きに移動する。よって、開操作部材33の移動によるフォーク26に対するクロー27の係止解除を確実に防止できるため、衝突事故等によって強い衝撃が加わったときの意図しないドア3の開放を確実に防止できる。
なお、第2の向きBへの開操作部材33の回転によって、非係止位置のクロー27を係止位置に回転可能とした第5実施形態のドアラッチ装置10では、非常通電処理を、第2実施形態から第4実施形態のいずれかとしてもよい。つまり、第5実施形態の駆動回路60を、図13に示す第2実施形態の駆動回路60と同様にして、非常通電処理では、第1下流スイッチング素子63の代わりに第3スイッチング素子81をオンにしてもよい。また、図14に示す第3実施形態のように、非常通電処理では、第1下流スイッチング素子63をオンにして、第2上流スイッチング素子64をPWM制御してもよい。また、図17に示す第4実施形態のように、非常通電処理では、第1下流スイッチング素子63と第2下流スイッチング素子65をオンにしてもよい。
本発明は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、図26に示すように、加速度センサ75とミリ波レーダ76が車両の安全装置として既設されている場合、制御部70は、安全装置の判断結果に基づいて非常通電処理を実行してもよい。具体的には、車両にエアバッグシステムが搭載されている場合、エアバッグ用ECU90と制御部70を電気的に接続し、加速度センサ75の検出結果に基づいてエアバッグ用ECU90が判断した判断結果(衝撃値)に基づいて、制御部70が非常通電処理を実行してもよい。また、車両に衝突予防システム(プリクラッシュセーフティシステム)が搭載されている場合、衝突予防用ECU91と制御部70を電気的に接続し、ミリ波レーダ76の検出結果に基づいて衝突予防用ECU91が判断した判断結果(衝突予測と予測衝撃値)に基づいて、制御部70が非常通電処理を実行してもよい。
スイッチング素子62~65は、リレーの代わりに、高速でオンオフの切り換えが可能なトランジスタを用いてもよい。特に、第3実施形態では、PWM制御において、スイッチング素子62~65の高速なオンオフの切り換えを行うため、トンジスタを用いることが好ましい。
ドアラッチ装置10は、クロージャ機構40を搭載しない構成であってもよい。
1 車体
1a サイドパネル
2 ストライカ
3 ドア
4 ECU
5 スイッチ
6 インナーハンドル
7 キーシリンダ
10 ドアラッチ装置
15 ハウジング
16 コネクタ
17 ハウジング本体
17a 第1配置部
17b 第2配置部
18 フェンスブロック
19 カバープレート
20 バックプレート
21 カバー
22 カバー
25 ラッチ機構
26 フォーク
26a 保持溝
26b 係止受部
26c 操作受部
27 クロー
27a 係止部
28 操作受部材
28a 第1突出部
28b 第2突出部
30 電動リリース機構
31 電動モータ
32 ウォーム
33 開操作部材(可動部材)
33a ギア部
33b 操作部(第1操作部)
33c 第2操作部
34A,34B,34C スイッチ
40 クロージャ機構
41 クロージャレバー
41a 操作部
42 アクチュエータ
43 ケーブル
44 スイッチレバー
45A,45B スイッチ
50 手動リリース機構
51 インナーレバー
52 アウターレバー
53 ケーブル
54 ケーブル
60 駆動回路(Hブリッジ回路)
60a 第1アーム
60b 第2アーム
60c 上流側接続線
60d 下流側接続線
60e 中間接続線
61 直流電源
62 第1上流スイッチング素子
63 第1下流スイッチング素子
64 第2上流スイッチング素子
65 第2下流スイッチング素子
70 制御部
75 加速度センサ(衝撃検出部)
76 ミリ波レーダ(予測衝撃検出部)
80 分岐接続線
81 第3スイッチング素子
82 抵抗
85 保持スプリング
85a 巻回部
85b 付勢部
85c 頂部
90 エアバッグ用ECU
91 衝突予防用ECU
A 第1の向き
B 第2の向き

Claims (9)

  1. ストライカを保持するフルラッチ位置と、前記ストライカを開放可能なオープン位置とに回転可能なフォークと、
    前記フルラッチ位置の前記フォークを係止する係止位置と、前記フォークとの係止を解除した非係止位置とに回転可能なクローと、
    第1の向き、及び前記第1の向きとは反対の第2の向きへ移動可能であり、前記第1の向きへの移動によって前記係止位置の前記クローを前記非係止位置に回転させる可動部材と、
    前記第1の向きと前記第2の向きへ前記可動部材を移動させる電動モータと、
    前記電動モータを制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、車両に加わった衝撃を検出する衝撃検出部、又は車両に衝撃が加わることを予測する予測衝撃検出部から、設定値以上の衝撃を示す信号が入力されると、前記第1の向きへの前記可動部材の移動を規制するように、前記電動モータに通電する非常通電処理を実行する、ドアラッチ装置。
  2. 第1上流スイッチング素子と第1下流スイッチング素子が直列接続された第1アームと、第2上流スイッチング素子と第2下流スイッチング素子が直列接続された第2アームとを有し、前記第1アームのうち前記第1上流スイッチング素子と前記第1下流スイッチング素子の間と、前記第2アームのうち前記第2上流スイッチング素子と前記第2下流スイッチング素子の間に、前記電動モータが接続されたHブリッジ回路を備え、
    前記制御部は、
    前記第1の向きへ前記可動部材を移動させるとき、前記第1上流スイッチング素子と前記第2下流スイッチング素子をオンにし、残りのスイッチング素子をオフにした第1通電状態に切り換え、
    前記第2の向きへ前記可動部材を移動させるとき、前記第2上流スイッチング素子と前記第1下流スイッチング素子をオンにし、残りのスイッチング素子をオフにした第2通電状態に切り換える、
    請求項1に記載のドアラッチ装置。
  3. 前記非常通電処理を実行するとき、前記制御部は、前記第2通電状態に前記Hブリッジ回路を切り換える、請求項2に記載のドアラッチ装置。
  4. 前記第1下流スイッチング素子と前記第2上流スイッチング素子のうちの一方に、抵抗が直列接続された第3スイッチング素子が並列接続されており、
    前記非常通電処理を実行するとき、前記制御部は、前記第1下流スイッチング素子と前記第2上流スイッチング素子のうちの他方と前記第3スイッチング素子とをオンにし、残りのスイッチング素子をオフにした第3通電状態に、前記Hブリッジ回路を切り換える、請求項2に記載のドアラッチ装置。
  5. 前記非常通電処理を実行するとき、前記制御部は、前記第1下流スイッチング素子と前記第2上流スイッチング素子のうち、一方をオンにして他方をPWM制御し、残りのスイッチング素子をオフにした第3通電状態に、前記Hブリッジ回路を切り換える、請求項2に記載のドアラッチ装置。
  6. 前記制御部は、前記衝撃検出部の検出結果から得られる衝撃値、又は予測衝撃検出部の検出結果から得られる予測衝撃値に基づいて、前記PWM制御のデューティ比を変更する、請求項5に記載のドアラッチ装置。
  7. 前記制御部は、前記衝撃値又は前記予測衝撃値が大きくなる程、前記デューティ比を大きくする、請求項6に記載のドアラッチ装置。
  8. 前記非常通電処理を実行するとき、前記制御部は、前記第1下流スイッチング素子と前記第2下流スイッチング素子をオンにし、残りのスイッチング素子をオフにした第3通電状態に、前記Hブリッジ回路を切り換える、請求項2に記載のドアラッチ装置。
  9. 前記可動部材は、前記第2の向きへの移動によって前記非係止位置の前記クローを前記係止位置に回転可能である、請求項1から8のいずれか1項に記載の車両用ドアラッチ装置。
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