JP2023093430A - 装置およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】イベントが発生した前後の撮影内容を容易に確認することができる撮像画像を取得可能な装置等を提供することを目的とする。【解決手段】撮像対象が発するイベントの発生を示す情報を検知するイベント検知手段と、イベント検知手段がイベントの発生を示す情報を検知したことを契機として、イベントの発生を示す情報を検知した瞬間の時間的な前後を含む記録期間における撮像画像を記憶媒体に記憶させる機能を有する制御手段を備える。【選択図】図4
Description
本発明は、装置およびプログラム等に関する。
レンズユニットを備え、当該レンズユニットにより撮像した撮像データを着脱可能な記憶媒体に記憶させる監視カメラが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
通常、このような監視カメラでは、監視対象物を常時撮像し続けるため、異常時の撮影内容を確認するために長時間の映像をはじめから通して再生して、早回しなどで問題のシーンを探して確認する必要があった。このため、確認作業に非常に多くの時間が掛かっていた。
そこで、本発明は、例えばイベントが発生した前後の撮影内容を容易に確認することができる撮像画像を取得可能な装置等を提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するために、本発明は、撮像対象が発するイベントの発生を示す情報を検知するイベント検知手段と、イベント検知手段がイベントの発生を示す情報を検知したことを契機として、イベントの発生を示す情報を検知した瞬間の時間的な前後を含む記録期間における撮像画像を記憶媒体に記憶させる機能を有する制御手段を備える装置とするとよい。
このようにすれば、撮像対象が発するイベントの発生を示す情報に呼応して、当該イベントが発生した時刻の前後に撮像した画像の内容の確認が容易になる。例えば、画像の確認のためには、記憶した撮像画像をユーザが視認可能に再生する再生手段を備えるとよい。再生手段は制御手段と一体に設けられてもよいし、別体として設けられてもよい。また、本発明では、制御手段とともに撮像手段を備えるとよい。撮像手段は、イベントの発生の有無に関わらず常時撮像を行って所定時間にわたる撮像画像を一時的に格納するとよい。そして、制御手段がイベントの発生を示す情報を検知したときに、その前後所定時間に撮像された撮像画像を記憶媒体に記憶させるよう制御手段が制御をするとよい。また、本発明では、記憶媒体は制御手段が設けられる装置に内蔵されてもよいが、当該装置に着脱可能に、例えばメモリカード、ハードディスクドライブ等の形態で設けられるとよい。
「イベント」は、例えば、異常が発生した場合に発生するものとするとよい。例えば、各種の出来事とするとよく、特に工場の製造ラインで稼働する工作機械における作業の失敗、外部センサが検出した状態の変化や異常等に起因して発生するものとするとよい。異常状態からの自動復帰をイベントとしてもよい。
「イベントの発生を示す情報」は、例えば状態の変化や異常の発生を示す情報とするとよい。具体的には、例えば、撮像対象が工作機械である場合、工作機械が作業の失敗を検知したときに発生する情報を「イベントの発生を示す情報」とするとよい。工作機械が作業の失敗を検知したときに発生するアラーム信号またはアラート信号を「イベントの発生を示す情報」とすると特によい。また例えば、工作機械に接続された信号灯からの信号(例えば信号灯が点灯していることを示すステータス信号)や、信号灯を点滅させるための駆動信号を「イベントの発生を示す情報」としてもよい。また、「イベントの発生を示す情報」は、撮像対象の機器が異常等のイベントの発生を外部に通知するための外部出力信号としてもよい。そして、制御手段は、これらの信号の変化を契機として、撮像手段が撮像した撮像画像を記憶媒体に記憶させる制御を行うとよい。また、「イベントの発生を示す情報」は、外部から受け取った信号等を検知するだけでなく、装置内部でイベントの発生を検知してする構成を備えるようにしてもよい。例えば、装置内部で記憶媒体の寿命や劣化度を判断し、寿命が近づいている等の所定の判断をしたときにイベントの発生として扱うようにしてもよい。
「イベントが発生した時刻」は、例えばイベントの発生を示す情報を検知した直後の時刻とするとよい。
「撮像画像」は、イベントの発生の原因を追及できる範囲を撮像範囲として撮像されたものとするとよい。
「画像」は、例えば静止画像としてもよいが、特に動画像とするとよい。また、画像は、例えば2D画像としてもよいし、3D画像としてもよい。例えば白黒画像としてもよいし、カラー画像としてもよい。
(2)撮像対象は、イベントが発生したときに人間に対しイベントの発生を知らせるための制御を行う機器とするとよい。例えば、工場、物流倉庫、自動倉庫など現場では、工作機械、自動搬送機等の何らかの自動処理を行う機械を撮像対象としてもよい。また、現金自動預け払い機(いわゆるATM)やセルフレジのように、自動化はされていなくとも一般ユーザにより利用されることが想定される機器を撮像対象としてもよい。そして、制御手段は、これらの機器がイベントの発生を知らせるための制御に伴い発する情報を、イベントの発生を示す情報として検知するとよい。
(3)イベントの発生を示す情報は、機器が異常の発生に伴い発する電気的又は光学的な信号とするとよい。
「機器に対し伝達される電気的又は光学的な信号」は、異常の発生に伴い機器が発する信号であればいかなる信号でもよいが、例えば、オン/オフ等のステータスを示す2値の信号、アナログの音声を伝達するオーディオ信号、パルス列等とするとよく、所定のパターンを繰り返す信号とすると特によい。このようにすれば、イベントの発生を示す情報を確実に受け取って検知することができる。
(4)イベントの発生を示す情報は機器が異常の発生に伴い人間に対し認識可能に発せられる信号とするとよい。例えば、イベントの発生を示す情報が視覚情報である場合には、撮像手段によってイベントの発生を示す情報を検出するとよい。
「人間に対し認識可能に発せられる信号」は、例えば、サイレン、ビープ音、メロディ等の聴覚情報、発光、画像等の視覚情報、振動、衝撃等の運動情報、等とするとよい。
機器に搭載された人間に対し発せられる警報等をイベントの発生を示す機能として利用し、異常発生前後の画像を記録することができる。特に視覚情報や聴覚情報をイベントの発生を示す情報として検出する場合には、当該装置を設置する際に信号を分岐する等の煩わしい作業が不要であり、装置の設置や撤去が容易である。
(5)撮像対象は、発生したイベントの種類に応じて異なる情報を発し、制御装置は、識別した情報に対応して異なる記録期間を予め記憶しており、検知したイベントの発生を示す情報に基づき発生したイベントを識別し、識別したイベントに応じた記録期間における撮像画像を記憶媒体に記憶させるとよい。例えば、機器が異常の発生に伴い発する電気的又は光学的な信号をイベントの発生を示す情報として検知する場合、制御装置は信号の種類、パターン等に基づきイベントの発生を示す情報を識別するとよい。例えば機器に対する既存の信号を分岐して利用するとよい。
このようにすれば、発生したイベントに応じた複数種類の情報を識別し、イベントの種類に応じて適切な記録期間とすることができる。例えば、イベントの発生原因の解析や特定が求められるイベントの発生を示す情報に対しては、情報を検知した瞬間より前に長く記録期間を設けるとよく、イベント発生後の推移に着目すべきイベントの発生を示す情報に対しては、情報を検知した瞬間より後に長く記録期間を設けるとよい。撮像装置は、記録期間をイベントの発生を示す情報の種類毎に異なるように制御するとよく、イベントの種類と関連づけて記録期間を予め記憶しておくとよい。
(6)制御手段は、イベントの発生を示す情報を検知した瞬間から所定時間を新たなイベントの発生を示す情報に反応しない無反応期間とする制御を実行可能とするとよい。(7)制御手段は、イベントの発生した後にイベントの発生を示す情報が継続して発せられるものである場合、継続して発せられていたイベントの発生を示す情報が停止してから所定時間を新たなイベントの発生を示す情報に反応しない無反応期間とする制御を実行可能とするとよい。
「無反応期間」はイベントの発生を示す情報の継続が停止したことを確認するのに十分な期間とするとよく、例えば、イベントの発生を示す情報が所定のパターンで継続的に繰り返し発せられるパルス列の場合、パターン中で最長のローの時間よりも長い間とするとよい。
このように無効反応期間を設けうることにより、短期間に複数のイベントの発生を示す情報を検知したときに、複数の記録が残ることを防ぐことができる。例えば、1件のイベントとして把握すべき事象に対し複数のイベントの発生を示す情報が発せられる場合に、不要な記録をすることを抑制することができる。
(8)制御手段は、記録期間の直後の所定時間を監視期間とし、監視期間内に新たなイベントの発生を示す情報を検知した場合に、監視期間の終了時を当該新たなイベントの発生を示す情報を検知した瞬間として扱う制御を実行可能とするとよい。(9)監視期間は、当該監視期間の終了時を基準とする記録期間が、直前の記録期間と重複するよう設けるとよい。
記録期間の終了後、すぐに次のイベントの発生を示す情報を検知した場合に、記録期間の重複を抑制しつつ、前の記録期間と合せた記録時間を長くすることができる。
(10)制御手段は、記憶媒体の記録領域における連続したアドレスに、過去の所定期間に渡る一連の撮像画像を順次に記録するとともに、各撮像画像に対して記録されている当該撮像画像が記録されるアドレスへのデータの上書き回数を示す上書きカウント値を1増加させる制御を行うとよい。
このように、上書き回数を示す上書きカウント値を記録することで、NAND型フラッシュメモリのように書込み回数の増加に伴い故障が発生する記憶媒体の寿命を判定することが可能となる。また、記録領域における連続したアドレスに順次記録する制御により、記録処理の際に次の書き込み領域を探す処理が不要となり書き込み時間が短縮されるとともに、記憶領域内のアドレスを偏りなく利用することが可能となり、記憶領域の一部のみを多用することを避けることができる。
(11)制御手段は、記憶媒体の記憶領域において、上書きカウント値が、直前の撮像画像に対して記録されている上書きカウント値と異なっている撮像画像を検出し、当該検出した撮像画像を上書きして次の撮像加増を記録する制御を行うとよい。
このようにすることで、次に撮像画像を書き込むべきアドレスを別途格納しなくても、当該書き込むべきアドレスを特定することが可能となる。また、このようにして特定されるアドレスから次の撮像画像を書き込むことで、記憶領域内のアドレスを偏りなく利用することが可能となり、記憶領域の一部のみを多用することを避けることができる。
(12)制御手段は、記憶媒体において撮像画像を記憶する記憶領域とは異なる管理領域に、当該記憶媒体を初期化した回数を示すフォーマットカウントマスタ値として保持し、記憶媒体の記憶領域における連続したアドレスへの撮像画像の記録とともに、各撮像画像に対し、フォーマットカウントマスタ値をフォーマットカウント値として転記し、現行のフォーマットカウントマスタ値と異なるフォーマットカウント値が記録されている撮像画像のデータは消去されたものとして扱うとよい。
このようにすることで、フォーマットに要する時間を短縮できる。また、記憶してあるデータを物理的に消去することによって劣化が促進される記憶媒体の場合には、フォーマットマスタカウント値のみの更新でフォーマットが完了したものとできるので、フォーマットに伴い記憶媒体の寿命が縮むことを防ぐことができる。
(13)本発明のプログラムでは、コンピュータを上述のいずれかの装置として機能させるとよい。
〔第1実施形態〕
工場、物流倉庫、自動倉庫など現場では、工作機械、自動搬送機等の何らかの自動処理を行う機械が利用されている。また、現金自動預け払い機(いわゆるATM)やセルフレジのように、自動化はされていなくとも機械の使用に慣れていない人により利用されることが想定される機械が、一般の店舗等で利用されている。これらの機械は、何らかの異常が発生したときに、ランプや警報音等によって、当該機器の管理者、監視員等の人間に異常の発生を知らせる機能を備えていることが一般的である。しかし、単に異常が発生してから管理者が現場に駆けつけても、異常が発生した後の状況しか見ることができなければ、異常の原因を突き止めたり、異常の再発を防いだり、といった適切な対策を採ることが困難な場合がある。このため、異常の発生前からビデオカメラ等で機械設備の映像を撮影し、録画した映像を見て異常発生前後の様子を異常発生後に確認することが行われている。
工場、物流倉庫、自動倉庫など現場では、工作機械、自動搬送機等の何らかの自動処理を行う機械が利用されている。また、現金自動預け払い機(いわゆるATM)やセルフレジのように、自動化はされていなくとも機械の使用に慣れていない人により利用されることが想定される機械が、一般の店舗等で利用されている。これらの機械は、何らかの異常が発生したときに、ランプや警報音等によって、当該機器の管理者、監視員等の人間に異常の発生を知らせる機能を備えていることが一般的である。しかし、単に異常が発生してから管理者が現場に駆けつけても、異常が発生した後の状況しか見ることができなければ、異常の原因を突き止めたり、異常の再発を防いだり、といった適切な対策を採ることが困難な場合がある。このため、異常の発生前からビデオカメラ等で機械設備の映像を撮影し、録画した映像を見て異常発生前後の様子を異常発生後に確認することが行われている。
例えば工場に新たに工作機械を利用する製造ラインを構築した状況を想定する。製造ラインを構築したばかりの時期は、3~4ヵ月間程度の期間、ラインを構成する工作機械が種々のトラブルを起こすので、工作機械を監視し、トラブルの原因を解消する改善活動を行うことが必要である。例えば、螺子締めのラインで螺子が落ちた、螺子が倒れた等のトラブルが発生する場合がある。このようなトラブルの原因を解消して、トラブルをほぼゼロにし、製品がきちんと出来上がってくるようにするための活動を行う。従来は、ビデオカメラで工作機械を常時撮影しておいて、何か異常が起きたことを工作機械が記録したデータからあとで見つけると、作業者が撮像した画像を最初から見るということをしていた。
以下で図面を参照して説明する本発明の一実施形態である撮像装置100は、このような機械設備の画像を撮像するために好適に用いることができる。本実施形態の撮像装置100は、工場の製造ラインで稼働する工作機械2の作業内容を監視すべく、工作機械2の映像を記録する装置である。図1は、撮像装置100を工作機械2とともに示す模式図である。図2は、工作機械2でイベントが発生したときの動作順序の概要を示す模式図である。撮像装置100は、三脚にて工作機械2の傍らに仮設置されている。
本実施形態において監視の対象となる工作機械2は、製造ラインにおいて螺子締め作業を行うものとする。工作機械2は、この螺子締め作業を、所定の作業周期(例えば30秒)毎に繰り返し実行する。工作機械2は、自らが行う作業における失敗や機器の異常等を検出すると、異常の発生を示すアラート信号を出力する。作業の失敗、機器の異常等、平常な状態から平常な状態とは異なる状態への遷移を「イベント」という。工作機械2は、平常時はアラート信号をローに維持する。一方、イベントの発生時には、ハイとローを交互に繰り返すパルスを連続的に出力する。アラート信号は積層信号灯21に点灯制御信号として入力される。積層信号灯21は、例えば赤、黄、青等の複数色の信号灯がそれぞれ独立して点灯/消灯可能とされた表示等である。各色の信号灯は、対応する制御信号の信号レベルがローの時には消灯状態となり、ハイの時には点灯状態となる。本実施形態では、積層信号灯21における赤色灯がアラート信号により制御される。本実施形態では、アラート信号は、積層信号灯21の赤色灯をオン/オフする制御信号として積層信号灯21に入力され、赤色灯はアラート信号に応じて点滅する。工作機械2は、アラート信号を出力した後、作業を停止し、不具合品を排除して、作業を再開するとともに、アラート信号のパルスを停止し、ローの状態として平常の状態に戻る。これらの失敗検知に始まり、アラート、作業の停止と不具合品の排除を経て作業再開に至る一連の処理は、失敗が検知された作業周期内に完了する場合もあるが、作業周期内に完了しない場合もあり、その完了までの間、アラート信号のパルスは停止されることなく連続的に出力され続ける。撮像装置100では、アラート信号の状態が最初にローからハイ変化からイベントの発生を検知し、イベント発生の瞬間の時間的な前後を含む記録期間の画像を撮影し、記録する。
撮像装置100で記録した映像は、パソコンで動作する表示・閲覧ソフトである専用ブラウザにより再生する。専用ブラウザはパソコンのCPUにて実行されるプログラムであり、撮像装置100が設置された工場とは離れた管理部門のパソコンにインストールされる。専用ブラウザでは、撮像装置100で記録した映像の再生の他、フレームレート、画質、録画方法、上書きの可否等の各種の設定、メモリカード200の撮像装置100用のフォーマット等を行うことができる。
図3は撮像装置100の外観を示す模式図であり、図4は撮像装置100の構成をメモリカード200とともに示すブロック図である。撮像装置100は、略円筒形の筐体105の内部に、制御コントローラ110、撮像ユニット120、イベント入力端子130、メモリカードスロット160、及び画像信号出力端子180を備える。筐体105の筒状の側面の一部に撮像装置を三脚の雲台や撮影場所に取り付けるための螺子穴(図示されていない)が設けられている。筐体105の内部には、この螺子穴が設けられた方向が下側となるように、撮像ユニット120が配置される。
制御コントローラ110は、本発明の制御手段の一例である。制御コントローラ110は、図示しないCPU、ROMやRAM等の本体メモリ、タイマ等を備えるマイコンを含めて構成されている。制御コントローラ30のROMには、撮像ユニット120による撮像画像を本体メモリあるいはメモリカードスロット160に挿入されたメモリカード200に保存させる画像処理プログラム、及びOS(OperationSystem)等の各種プログラムが記憶されている。制御コントローラ110のCPUは、これらの制御プログラムに従い、各種の制御を行う。また、制御コントローラ110は、イベント入力端子130に入力されるイベントの発生を示す情報であるアラート信号を検知し、イベントに応じた制御を実行する。
撮像ユニット120は、本発明の撮像手段に対応する。撮像ユニット120は、略円筒形の筐体105の長手方向の一端に、筐体105の長手方向を光軸として設けられる。撮像ユニット120は、レンズ部122と撮像素子124とにより構成される。レンズ部122は、ズームレンズを備え、撮影対象の大きさや撮像対象までの距離に応じて画角を設定可能である。撮像素子124は、CCD、CMOSイメージセンサ等であり、レンズ部122によって結像された撮影対象の像を撮像画像として取得する。
イベント入力端子130は、筐体105の側面に設けられる信号入力端子である。イベント入力端子130には、工作機械2が作業の失敗を検知したときに異常報知用の積層信号灯21を点灯させるためのアラート信号を伝達する接続線をエレクトロタップ等によって分岐した配線が接続され、アラート信号をイベントの発生を示すトリガ信号として受け取る。トリガ信号は、制御コントローラ110に伝達され、イベントの発生を示す情報のとして検知される。
既存の工作機械等の機器にはイベント(例えば機器の異常)が発生したことを人に報知する報知機能が設けられている。上述の積層信号灯21はその一例である。その他、回転灯、ブザーやサイレン等も報知機能の例として挙げられる。本実施形態の撮像装置100は、機器が備える報知機能で用いる信号を分岐する等により流用して、イベント入力端子を介してトリガ信号を受信する。
画像信号出力端子180は、撮像ユニット120によって撮像した画像を外部のモニタに表示するための画像信号を出力する端子であり、本実施形態ではHDMI(High-Definition Multimedia Interface、登録商標)端子が用いられる。
メモリカードスロット160は、筐体105における撮像ユニット120とは反対側の端部に設けられる。メモリカードスロット160には、本発明の記憶媒体に相当するメモリカード200が挿入される。制御コントローラ110の制御に従い、撮像ユニット120が撮像した撮像画像を格納したファイルがメモリカード200に記録される。
メモリカード200は、図5に示すように、ファイルシステム領域210と撮像記録領域220とに分割して使用される。ファイルシステム領域210は、パソコンの一般的な記録料媒体と同様にパソコンのOSにより読み出しや書き込みができるファイルシステムであり、本実施形態ではFAT32形式でのパーティションである。このファイルシステム領域210には専用ブラウザのソフトウェアが記憶されている。パソコンでメモリカード200の記録内容を再生する際に、当該パソコンに専用ブラウザがインストールされていない場合等には、このファイルシステム領域210からパソコンに専用ブラウザをインストールすることができる。撮像記録領域220は、パソコンのOSでは読み出しや書き込みができない独自形式のパーティションである。この撮像記録領域220は、常時記録領域222とイベント記録領域224とに分割して使用される。
常時記録領域222は、管理領域222Aと記憶領域222Bとを備える。管理領域222Aは、専用ブラウザによって各種の設定情報タが記録される領域であり、撮像装置100による撮像画像の記録時には、当該管理領域222Aへの記録は行われない。このようにすることで、撮影中に電源遮断等が生じても、管理領域222Aの設定データは失われない。管理領域222Aには、上書きカウントマスタ値MUC、フォーマットカウントマスタ値MFC及び上書き上限値UL等が記録される。上書きカウントマスタ値MUCは、当該常時記録領域222の各記憶単位に対し行われた上書きの最多回数を示す。上書きカウントマスタ値MUCは、専用ブラウザによってメモリカードの管理領域222Aに設定情報の記録を行う際に、記憶領域222Bにおける最大の上書きカウント値UCと同じ値に更新される。フォーマットカウントマスタ値MFCは、当該常時記録領域222がフォーマットされた回数を示す。また、上書き上限値ULは、メモリカード200の故障が発生する上書き回数の目安を示しており、この上書き上限値ULは寿命(つまり、あと何回程度、上書き可能か)を判定するための目安をとして利用できる。この上書き上限値ULは、メモリカードの品種により異なる。ユーザは、専用ブラウザを用いてメモリカードをフォーマットする際等に、利用するメモリカードの型番を指定することにより、または値を直接することにより、上書き上限値ULを管理領域222Aに記録させる。
記憶領域222Bは、撮像装置100にて撮像した撮像画像を記憶する領域である。1フレームの撮像画像に対しヘッダとフッタが設けられ、このヘッダ及びフッタに当該フレームの撮像画像に対する付加情報が記録される。撮像画像と付加情報を合せた記録サイズは、メモリカードのアドレス付与単位である1バイトより大きいので、複数の連続したアドレスに1フレーム分の撮像画像と付加情報が記録される。図5に示した例では、1フレームあたり32768バイト(32キロバイト)で記録する。
各フレームのヘッダやフッタに記録する付加情報としては、当該フレームの撮像画像の撮像時刻CT、フォーマットカウント値FC、上書きカウント値UC(初回書き込み時は“1”)、イベントの発生を認識したタイミングで撮像された画像であることを示すトリガフラグTF等を記録する。フォーマットカウント値FCは、メモリカード200に対して行われたフォーマット処理の回数を示す値である。上書きカウント値UCは、当該アドレスへのデータを書き込んだ回数を示す値である。フォーマットカウント値FC、及び上書きカウント値UCは、メモリカード200の寿命管理、記録制御等に用いられる。ヘッダとフッタに記録する情報は重複しない内容にしてもよいし、完全に同一の内容としてもよいが、図5に示した例のように一部のみ重複するようにすると特によい。ヘッダとフッタの内容を一部のみ重複させることにより、付加情報を含めたデータの改ざんの難易度を高めることができる。
撮像装置100の制御コントローラ110は、記憶領域222Bに、常時撮像している撮像画像を、撮像された順に、連続したアドレスに順次格納する。具体的には、記憶領域222Bに初めて撮像画像を記録する場合には、記憶領域222Bの先頭アドレスから順に記録を開始する。例えば図5に示したように、1フレーム目はアドレス0~32767、2フレーム目はアドレス32768~65535、というように、記憶領域222Bにおける連続したアドレスを利用して、撮像順に撮像画像を記録する。そして、記憶領域222Bの最終アドレスに到達すると、記憶領域222Bの先頭アドレスに戻り、既に書き込まれているデータを上書きしながら記録を継続する。2周目以後の記録時には、上書きカウント値UCを現状値から1増加させた値を記録するようにする。
イベント記録領域224も、常時記録領域222と同様、管理領域224Aと記憶領域224Bとを備える。管理領域224Aには、フォーマットカウントマスタ値MFC、上書きカウントマスタ値MUC及び上書き上限値UL等が記録される。また、記憶領域224Bには、イベント発生時の時間的な前後に撮像された撮像画像が、付加情報とともに記録される。管理領域224Aと記憶領域224Bがそれぞれ管理領域222Aと記憶領域222Bと同様の情報を記憶する。ここで記録される付加情報は常時記録領域222の記憶領域224Bに記憶される付加情報と同様である。
制御コントローラ110は、イベント入力端子130が受け取ったアラート信号を検知すると、記憶領域224Bに、当該アラート信号を検知した瞬間の時間的な前後を含む記録期間に撮像ユニット120が撮像した撮像画像を、記憶領域222Bへの記録と同様の方式にて、記録連続したアドレスに順次格納する。イベント発生前後の記録期間については後述する。
上記のような記録方式により、記録領域(222B、224B)内の連続したアドレスに対し、周回的に書き込みを行うこととなる。その結果、最も新しく書き込みを行ったフレームの付加情報には最新の上書きカウント値UCが記録されており、その次のフレームの付加情報には1少ない上書きカウント値UCが記録されることになる。制御コントローラ110は、記録領域(222B、224B)内の連続したアドレスについて、上書きカウント値UCが切り替わるフレームを見つけ、当該フレームから次の書き込みを行う制御を行う。このようにすることで、最も古いデータを随時上書きしながら記録を行うことができる。しかも、上述の上書きカウント値UCが切り替わるフレームを見つけ、当該フレームから次の書き込みを行う制御を行うだけで、他の複雑な制御を必要とすることなく、最も古いデータを随時上書きすることができる。また、何回目の上書きにより撮像データが記録されたのかが記録され、再生時にはこれを確認できるため、上書きカウント値UC(及びその他の付加情報)をデータの改ざんが無いかの検証に利用することができる。また、記録領域(222B、224B)内を、偏り無く使用することができ、局所的に上書き回数が多い箇所がボトルネックとなりメモリカード自体の寿命が縮まることを防ぐことができる。
上記の記録方式を採用するメモリカード200において、記録領域(222B、224B)に既に記録してあるデータを一括して消去したものとするフォーマット処理は、上記の方式で記録された撮像画像を表示・閲覧するためのコンピュータ上で動作するソフトウェアである専用ブラウザを用いて行う。フォーマット処理は、管理領域(222A、224A)内に記録されているフォーマットカウントマスタ値MFCを1増加させることにより行う。一方、フォーマット処理の際、記憶領域(222B、224B)に対しては書込みや消去の処理を行わない。撮像装置100では、管理領域(222A、224A)内に記録されているフォーマットカウントマスタ値MFCより小さな値がフォーマットカウント値FCが付加情報として記録されているフレームについて、データが消去されたものとして扱う。具体的は、撮像装置100の制御コントローラ110は、古い撮像画像が記憶されている領域に新しい撮像画像を書き込む際に、当該古い撮像画像に付加情報として記録されたフォーマットカウント値FCを、管理領域(222A、224A)に記録されているフォーマットカウントマスタ値MFCと比較する。そして、フォーマットカウント値FCがフォーマットカウントマスタ値MFCより小さな値である場合、当該古い撮像画像のデータ(またはデータの断片)は、消去されたものであり上書きしてよいものとして、その領域に書き込みを行う。このような制御により、フォーマット時に記録領域(222B、224B)内の素子にデータを消去するための制御(例えば、高電圧の印加等)を行う必要がなく、素子の高寿命化及びフォーマット処理の高速化に寄与することができる。
以上のように構成される撮像装置100は、図1に示したように、工作機械2を撮影するよう設置される。撮像装置100は、撮像装置100は、筐体105の下部に設けられた螺子穴を利用し、雲台を介して三脚に取り付けられる。撮像装置100が備えるレンズ部122は、イベントの発生の原因を追及できる範囲を撮像視野に含めて撮像画像を記録できるように、画角が調節される。撮像範囲を調節する際には、撮像装置100の画像信号出力端子180とモニタ3とを接続して、モニタ3の画面に撮像装置100が撮像した撮像画像をそのまま表示させて(いわゆるスルー画表示)、画面に映る範囲を確認しながら調整を行う。
撮像装置100のイベント入力端子130には、工作機械2からアラート信号を伝送するケーブルが接続される。このような接続により、撮像装置100はイベントの発生を示す情報であるアラート信号を受信可能となる。
以下、撮像装置100による監視機能を実行する際の具体的な動作について説明する。なお、以下の説明において各構成要素の動作は特に明記されていなくとも制御コントローラ110の制御によるものである。
図6(a)及び(b)は、イベントの発生と撮像画像の記録との関係を示す図である。撮像装置100の撮像ユニット120は、イベントの発生の有無に関わらず、常時、動画像の撮像を行う。制御コントローラ110は、メモリカードスロット160に挿入されたメモリカード200の常時記録領域222に、記録開始時から最新までの撮像画像を記録するよう制御する。
上述のように、動画像の常時撮像を行っている状態において、工作機械2が行う作業に失敗が発生すると、工作機械2はこの失敗を検知し、アラート信号として、ハイとローを周期的に繰り返す波形を出力する。すると、このアラート信号は、積層信号灯21の赤色灯をオン/オフする制御信号として積層信号灯21に入力され、赤色灯はアラート信号に応じて点滅する。また、アラート信号は、分岐されて撮像装置100のイベント入力端子130にも入力される。ローの状態が継続していたアラート信号が、最初にハイに変化したことを契機として、制御コントローラ110は、イベントが発生した時刻(すなわちアラート信号のローからハイへと最初に変化したことを検出した時刻)の所定時間前からイベント発生時刻の所定時間後までの記録期間に撮像ユニット120よって撮像された撮像画像をメモリカード200のイベント記録領域224に記憶させる制御を行う。このとき、イベントが発生した時刻に対応する撮像画像について、当該撮像画像の撮像時刻においてイベントが発生したことを示すトリガフラグを付加情報として記録する。
以上のような制御により、作業の失敗等のイベントは、失敗の原因となる事象、失敗の発生、失敗の検出、イベントの発生を示す情報の送信(例えばアラート信号の変化)の過程を順に経ることで発生するため、失敗の原因追及にはイベントの発生前の画像を確認することが必要となるところ、本実施形態によれば、イベントの発生前の画像を確認することができる。
上述の「所定時間」は、例えば工作機械2の作業周期の1周期分(例えば30秒)とするとよい。このようにすれば、作業周期の1周期内におけるイベントの発生タイミングに関わらず、当該イベントが発生した周期の開始から終了までを含む撮像画像を記憶することができる。イベントが発生した時刻を含む周期の開始から終了までに撮影した撮像画像を漏れなく記憶することができるので、作業の失敗の原因やその後の処理の確認を容易にすることができる。すなわち、イベントが発生した周期におけるイベント発生前の画像を確認することで、失敗の原因を把握することができる。また、イベントが発生した周期におけるイベント発生後の画像を確認することで、イベント発生後の処理が適切に行われたかを確認することができる。
制御コントローラ110は、記録期間の撮像画像をイベント記録領域224に記録する制御を行っている間も、これと並行して常時記録領域222への撮像画像の記録を行う制御を行う。常時記録領域222に記録する撮像画像に対しても、イベントが発生した時刻に対応する撮像画像に付加情報としてトリガフラグを記録する。
また、制御コントローラ110は、記録期間の終了後、ハイとローを周期的に繰り返していたアラート信号が最後にローに変化してから予め定められた無反応期間(例えば30秒)の間、新たにアラート信号がハイに変化しても当該ハイへの変化に反応せず、イベントの発生として扱わないよう制御する。例えば図6(a)のように記録期間の終了後もアラート信号の変化が継続している場合には、記録期間の終了時からアラート信号が最後にローになった後、所定期間経過するまでを無反応期間とする。また、図6(b)のように記録期間中にアラート信号の変化が途絶えた場合には、無反応期間はアラート信号が最後にローになった時点で開始し、開始後所定期間経過する時点で終了する。無反応期間は、アラート信号の変化が途絶えたことを確認するのに十分な期間とするとよい。上述の例では、1件のイベントとして把握すべき事象(例えば作業の失敗)に対し、アラート信号の立ち上がりエッジが複数連続して発生されるが、このうちイベントが発生した瞬間を示すのは最初の立ち上がりエッジである。このような場合に、上述の「無反応期間」を設けることにより、同じイベントを重複して記録をすることを防ぐことができる。以上で説明したように、第1実施形態では、イベント記録中またはイベント記録終了後から、パルスを検出しない時間が既定時間以上経過しないと次のトリガを検出しない制御を行う。このような動作をパルスキャンセルトリガと呼ぶ。
イベントの発生を契機として撮像装置100が記録した撮像画像は、パソコン上で動作する表示閲覧ソフトである専用ブラウザにて再生する。この専用ブラウザは、撮像記録領域220の読み出しが可能であり、撮像画像とともに付加情報として記録された各種情報(例えば、イベントが発生したことを示すトリガフラグ、撮像時刻等)を再生中の画像に関連付けて表示する。また、専用ブラウザは、再生するファイルを、これらの付加情報をキーに検索する機能を備えている。このような専用ブラウザにより、イベントの原因究明や事後処理の確認が容易となる。
また、専用ブラウザは、管理領域(222A、224A)に記録された上書き上限値と、撮像画像の付加情報として記録されている上書きカウント値とに基づき、メモリカード200の寿命に関する案内を表示する。具体的には、上書きカウント値が、上書き上限値の8割に達している場合、メモリカード200の交換時期が近付いている旨の案内を表示する。メモリカード200が、いわゆるNAND型フラッシュメモリのように書き換え回数の増加に伴い故障が発生する性質のある素子を利用する場合には、上述の案内により、交換が必要な時期を知らせることができ、メモリカード200の不具合によって撮像画像が記録・再生できない事態を防ぐことができる。
製造ラインを構築したばかりの時期は、例えば3~4ヵ月間程度の期間、工作機械が頻繁にトラブルを起こすので工作機械を監視し、トラブルの原因を解消する改善活動を行うことが必要である一方、トラブルの頻度が下がり製造ラインが安定稼働した後は、監視を行う必要がなくなることがある。また、これとは反対に、安定稼働していた製造ラインで、トラブルの頻度が高まったような場合には、既設の機器に対して事後的に監視が必要となることもある。このため、撮像装置100は、設置及び撤去を容易に行うことができることが望ましい。以上で説明した本実施形態の撮像装置100は、トリガ信号を出力するための特別な構成を工作機械2等の撮像対象とする機器側に持たせることなく、容易に設置及び撤去をすることが可能である。
上記の第1実施形態では、イベントが発生した時刻の所定時間前からイベント発生時刻の所定時間後までを記録期間とし、アラート信号が最後にローに変化してからの所定期間を無反応期間としたが、イベント記録領域224に当該記録期間における撮像画像を記録したが、イベント発生時の制御については、撮像対象となる機器、与えられるイベントの発生を示す情報、注目する事象の特性等に応じて、様々な変形が可能である。以下では、その変形例として第2実施形態~第6実施形態を説明する。なお、第2実施形態~第6実施形態に係る撮像装置の構成は、説明のない部分については第1実施形態の撮像装置100と同様であるので、重複する説明は省略し、以下では第1実施形態と異なる点を重点的に説明する。
〔第2実施形態〕
第2実施形態は、いわゆるシングルトリガと呼ばれる動作である。シングルトリガでは、トリガ検出後、既定の時間は次のトリガを検出しないよう制御を行う。図7に示すように、イベントの発生を示す情報として、イベント発生のタイミングでアラート信号のパルスを撮像対象である機器等が出力する。このアラート信号は、撮像装置100のイベント入力端子130に入力される。ローの状態が継続していたアラート信号が、ハイに変化したことを契機として、制御コントローラ110は、イベントが発生した時刻(すなわちアラート信号のローからハイへと変化したことを検出した時刻)の所定時間前からイベント発生時刻の所定時間後までの記録期間に撮像ユニット120よって撮像された撮像画像をメモリカード200のイベント記録領域224に記憶させる制御を行う。
第2実施形態は、いわゆるシングルトリガと呼ばれる動作である。シングルトリガでは、トリガ検出後、既定の時間は次のトリガを検出しないよう制御を行う。図7に示すように、イベントの発生を示す情報として、イベント発生のタイミングでアラート信号のパルスを撮像対象である機器等が出力する。このアラート信号は、撮像装置100のイベント入力端子130に入力される。ローの状態が継続していたアラート信号が、ハイに変化したことを契機として、制御コントローラ110は、イベントが発生した時刻(すなわちアラート信号のローからハイへと変化したことを検出した時刻)の所定時間前からイベント発生時刻の所定時間後までの記録期間に撮像ユニット120よって撮像された撮像画像をメモリカード200のイベント記録領域224に記憶させる制御を行う。
撮像対象の機器が、1件のイベントに対し複数のパルスを出力する場合には、制御コントローラ110は、イベントが発生した時刻から予め定められた無反応期間(例えば30秒)の間、新たにアラート信号がハイに変化しても当該ハイへの変化に反応せず、イベントの発生として扱わないよう制御する。このように「無反応期間」を設けることにより、同じイベントを重複して記録をすることを防ぐことができる。
撮像対象の機器が、1件のイベントに対し複数のパルスを出力しない場合には、無反応期間を設けなくてもよい。アラート信号のパルスの数だけイベントが発生したとして各イベントに対応する記録期間の撮像データを記録領域に格納してもよい。
〔第3実施形態〕
第3実施形態は、いわゆるマルチトリガと呼ばれる動作である。マルチトリガでは、イベント記録中に次のトリガが検出された場合、イベント記録時間を延長する制御を行う。図8(a)及び(b)に示すように、イベントの発生を示す情報として、イベント発生のタイミングでアラート信号の単一のパルスを撮像対象である機器等が出力する。このアラート信号は、撮像装置100のイベント入力端子130に入力される。ローの状態が継続していたアラート信号が、ハイに変化したことを契機として、制御コントローラ110は、イベントが発生した時刻(すなわちアラート信号のローからハイへと変化したことを検出した時刻)の所定時間前からイベント発生時刻の所定時間後までの記録期間に撮像ユニット120よって撮像された撮像画像をメモリカード200のイベント記録領域224に記憶させる制御を行う。
第3実施形態は、いわゆるマルチトリガと呼ばれる動作である。マルチトリガでは、イベント記録中に次のトリガが検出された場合、イベント記録時間を延長する制御を行う。図8(a)及び(b)に示すように、イベントの発生を示す情報として、イベント発生のタイミングでアラート信号の単一のパルスを撮像対象である機器等が出力する。このアラート信号は、撮像装置100のイベント入力端子130に入力される。ローの状態が継続していたアラート信号が、ハイに変化したことを契機として、制御コントローラ110は、イベントが発生した時刻(すなわちアラート信号のローからハイへと変化したことを検出した時刻)の所定時間前からイベント発生時刻の所定時間後までの記録期間に撮像ユニット120よって撮像された撮像画像をメモリカード200のイベント記録領域224に記憶させる制御を行う。
以上の制御は第2実施形態と同様であるが、図8(b)に示したように、記録期間中にさらにアラート信号の単一パルスがイベント入力端子130に入力されると、制御コントローラ110は、記録期間の終期を、新たなイベントが発生した時刻から所定時間後となるように延長する。
短期間に発生した複数のイベントを1件のイベント記録にまとめ、記録期間の重複した複数のイベント記録が行われることを抑制することができ、記憶容量を節約することができる。また、撮像対象の機器が、異常が継続している間、アラート信号のパルスを発生し続け、異常が解消されたときにパルスの発生を止めるように動作する場合には、異常が発生してから異常が解消されるまでの一連の撮像画像を1件のイベントとして記録することができる。具体例としては、異常の発生とともに信号灯が点滅しはじめてから、管理者が信号灯の点滅を止める操作を行うまでの一連の対応手順が適切かどうかを確認すべく撮像を行う場合には、信号灯を点滅させる駆動信号をイベントの発生を示す信号として検知するとともに、駆動信号がオン・オフを繰り返す間、記録期間を延長することで、一連の撮像画像を1件のイベントとして記録することができる。
〔第4実施形態〕
図9は、1回目のアラート信号のパルスP1に伴う記録期間の終了後、すぐに次のトリガを認識したときに、トリガを認識したタイミングを基準に通常通りの記録期間でイベント記録を行う場合の動作を示している。この例に示されるように、前の記録期間の終了から次のトリガを認識するまでの時間が短いほど、2つのイベント記録の重なり期間は長くなり、記録は冗長なものとなる。これに対し、第4実施形態では、記録期間の終了後、すぐに次のトリガを認識した場合に、イベント発生のタイミングをずらす制御を行う。図10はその動作を示している。イベントの発生を示す情報として、イベント発生のタイミングでアラート信号の単一のパルスP1を撮像対象である機器等が出力する。このアラート信号は、撮像装置100のイベント入力端子130に入力される。ローの状態が継続していたアラート信号が、ハイに変化したことを契機として、制御コントローラ110は、イベントが発生した時刻(すなわちアラート信号のローからハイへと変化したことを検出した時刻)の所定時間前からイベント発生時刻の所定時間後までの記録期間に撮像ユニット120よって撮像された撮像画像をメモリカード200のイベント記録領域224に記憶させる制御を行う。以上の制御は第2実施形態と同様である。
図9は、1回目のアラート信号のパルスP1に伴う記録期間の終了後、すぐに次のトリガを認識したときに、トリガを認識したタイミングを基準に通常通りの記録期間でイベント記録を行う場合の動作を示している。この例に示されるように、前の記録期間の終了から次のトリガを認識するまでの時間が短いほど、2つのイベント記録の重なり期間は長くなり、記録は冗長なものとなる。これに対し、第4実施形態では、記録期間の終了後、すぐに次のトリガを認識した場合に、イベント発生のタイミングをずらす制御を行う。図10はその動作を示している。イベントの発生を示す情報として、イベント発生のタイミングでアラート信号の単一のパルスP1を撮像対象である機器等が出力する。このアラート信号は、撮像装置100のイベント入力端子130に入力される。ローの状態が継続していたアラート信号が、ハイに変化したことを契機として、制御コントローラ110は、イベントが発生した時刻(すなわちアラート信号のローからハイへと変化したことを検出した時刻)の所定時間前からイベント発生時刻の所定時間後までの記録期間に撮像ユニット120よって撮像された撮像画像をメモリカード200のイベント記録領域224に記憶させる制御を行う。以上の制御は第2実施形態と同様である。
そして、パルスP1に伴う記録期間の直後の所定時間を監視期間とし、制御コントローラ110は、当該監視期間内に新たなイベントの発生を示す情報としてさらにアラート信号の単一パルスP2がイベント入力端子に入力されると、現実にパルスP2を検知した時点ではなく、監視期間の終了時を新たなイベントの発生時として扱って、当該新たなイベントに対応する記録期間の撮像データを記録領域に格納する。つまり、トリガフラグTFは、監視期間の終了時に記録されたフレームに付加情報として付され、パルスP2に伴う記録期間は、監視期間終了時の所定時間前から所定時間後までとなる。
監視期間は、記録期間におけるイベント発生時刻前の時間より短くするとよい。このようにすることで、監視期間の終了時を基準とする記録期間が、直前の記録期間と重複することになり、2つの記録期間で撮像した事象を理解しやすくすることができる。イベントの発生に伴い記録される個々のイベント記録は、基本的には時間が連続しないが、前の記録期間とのわずかな重なりがあることで、1つ1つのファイルを専用ブラウザ等で見たとき、起きている事象を理解しやすくなる。反対に少しファイルが重なっていないと、映像を見たときにわかりにくい。一方で、理解に困難が生じない程度に重なる期間を少なくしてイベントとして記録する時間を長くさせるとよい。前後の記録期間の重なりは、映像のつながりを認識できる程度とすればよく、例えば2秒程度とするとよい。
上記のような記録を行った場合には、専用ブラウザ等において、そのような記録を行った複数の記録を時間的に連続して再生させる機能を備えるとよい。専用ブラウザは、メモリカードの記録領域224Bにおいて各フレームの付加情報として記録された撮像時刻CTを参照して、複数の記録を時間的に連続して再生するとよい。また、そのような記録を行った場合にはそのような記録を行った複数の記録間の関係性を専用ブラウザ等に表示する機能を備えるとよい。このような複数の記録間の関係性を専用ブラウザにて表示させるために、撮像装置100は、関連性のあるイベントの記録期間に記録されるフレームに対しイベントの関連性を示す付加情報を記録するとよい。イベントの関連性を示す付加情報は例えば“A”、“B”等、関連性のあるイベント間で共通の記号とするとよい。また専用ブラウザでは、例えば、各々の記録のサムネイルに“A-1”、“A-2”などと関係性を示す記号を付して表示してもよいし、関連性のある各々の記録を横方向などに所定の方向に並べて表示してもよく、関連性のない記録は他の列に表示するようにしてもよい。また、並べて表示したサムネイルを例えば色付きなど所定の枠で囲む形で関係性を表示してもよい。このように表示することで、2つの記録期間で撮像した事象を一つの事象として理解しやすくすることができる。
以上で説明したように、本実施形態では、イベント記録後、直後に入ったトリガについて、少しの時間、トリガとする部分をずらす。例えば、トリガ認識の前後、前10秒、後10秒を記録するとした場合、後10秒が終了後、5秒間は、トリガ認識はするが、記録は、前の記録期間におけるトリガ後の10秒が終了してからさらに5秒経過後の前10秒、後10秒を次のイベント記録として記録を残す。
〔第5実施形態〕
第5実施形態は、第4実施形態と類似するが、記録期間の終了後、すぐに次のトリガを認識した場合に、イベント発生のタイミングは実際にトリガを認識したタイミングとしつつ、イベント発生前後の記録期間を、通常のトリガ認識時とは異ならせる制御を行う。具体的には、図11に示したように、イベントの発生時刻でのトリガは変えず、イベントの前の記録期間を短くし、イベントの後の記録期間を伸ばすように制御する。
第5実施形態は、第4実施形態と類似するが、記録期間の終了後、すぐに次のトリガを認識した場合に、イベント発生のタイミングは実際にトリガを認識したタイミングとしつつ、イベント発生前後の記録期間を、通常のトリガ認識時とは異ならせる制御を行う。具体的には、図11に示したように、イベントの発生時刻でのトリガは変えず、イベントの前の記録期間を短くし、イベントの後の記録期間を伸ばすように制御する。
第4実施形態と同様、パルスP1に伴う記録期間の直後の所定時間を監視期間とし、制御コントローラ110は、当該監視期間内に新たなイベントの発生を示す情報としてさらにアラート信号の単一パルスP2がイベント入力端子に入力されると、そのタイミングで記録されるフレームに対しトリガフラグTFを記録する。また、このパルスP2に伴うイ記録期間を、パルスP1に伴う記録期間との重なり期間が所定時間(例えば2秒)となるように、トリガ認識時点より前の記録期間を短縮する。また、この短縮した時間に相当する時間だけトリガ認識時点より後の記録期間を延長する。トリガフラグTFは、監視期間の終了時に記録されたフレームに付加情報として付され、パルスP2に伴う記録期間は、監視期間終了時の所定時間前から所定時間後までとなる。前後の記録期間の重なりは、映像のつながりを認識できる程度とすればよく、例えば2秒程度とするとよい。なお、トリガ認識後の記録期間を延長しないようにしてもよい。
また、上記のような記録を行った場合には、第4実施形態にて説明したのと同様の手法により、専用ブラウザ等において、複数の記録を時間的に連続して再生させる機能を備えるとよい。また、複数の記録間の関係性を専用ブラウザ等に表示する機能を備えるとよい。
以上で説明した第1実施形態から第5実施形態のイベント発生時の制御については、設定により1台の撮像装置100にて選択的に実行できるようにしてもよい。例えば、専用ブラウザ等にて、イベント発生時の制御に関する設定をメモリカード200の管理領域222Aに記録しておき、撮像装置は当該設定に対応したイベント発生の制御を行うようにするとよい。
〔第6実施形態〕
第6実施形態に係る撮像装置100は、イベントの種類を識別し、イベントの種類に応じて異なる制御を行う。撮像対象である機器等は、イベントが発生したタイミングで、イベントの種類に応じて異なるパターンのアラート信号をイベントの発生を示す情報として出力する。撮像装置100は、アラート信号のパターンを記憶部140に予め記憶するとともに、当該パターンに対応付けて、イベント発生時の制御を定義するイベント設定情報を記憶部140に記憶する。イベント発生時の動作は、上述の第1実施形態~第5実施形態における制御またはこれらの組み合わせとするとよく、各実施形態における記録期間、無反応期間、及び監視期間の長さ、始期、終期等は、任意に設定可能とするとよい。
第6実施形態に係る撮像装置100は、イベントの種類を識別し、イベントの種類に応じて異なる制御を行う。撮像対象である機器等は、イベントが発生したタイミングで、イベントの種類に応じて異なるパターンのアラート信号をイベントの発生を示す情報として出力する。撮像装置100は、アラート信号のパターンを記憶部140に予め記憶するとともに、当該パターンに対応付けて、イベント発生時の制御を定義するイベント設定情報を記憶部140に記憶する。イベント発生時の動作は、上述の第1実施形態~第5実施形態における制御またはこれらの組み合わせとするとよく、各実施形態における記録期間、無反応期間、及び監視期間の長さ、始期、終期等は、任意に設定可能とするとよい。
このようにイベント発生時の動作が定義された撮像装置100において、イベント入力端子130にあるパターンのアラート信号が入力されると、制御コントローラ110は、入力されたアラート信号のパターンを記憶部140に照会し、当該パターンに対応するイベント設定情報に従い、イベント発生時の時間的な前後を含む記録期間の撮像画像を、メモリカード200のイベント記録領域224に記録する制御を行う。
イベントが発生したときに撮像装置100により行うイベント記録の制御は、イベントの特性、注目する内容、機器が発するイベントの発生を示す情報の態様等によって様々に異なる場合があるところ、本実施形態では、イベントの種類に応じて予め定義しておいた制御にてイベント記録を行うことができる。
撮像装置100は、記録期間の撮像画像とともに、イベントの種類を示す情報を併せて記録するとよい。イベントの種類を示す情報は、例えばイベント発生時に対応する撮像画像の付加情報として記録するとよい。なお、第1~第5実施形態のようにイベントの種類に応じて異なる制御をしない場合においても、発生したイベントを識別し、イベントの種類を示す情報を撮像画像と併せて記録するとよい。
以上で説明した撮像装置100によれば、イベントの種類を示す情報を手動で入力する必要をなくすことができる。したがって、遠隔地の工場に配置された装置がイベント発生時に記憶した画像を、管理部門などにまとめて送り、管理部門にて画像の内容を確認するような場合には、撮像装置100が撮影して得られたファイルを送信する側においてはイベントの種類を示す情報が自動的に記録されたファイルをそのまま送ることができる。また、送られてきた画像を確認する側においては、イベントの種類を示す情報が確実に記録されファイルを扱うことができる。したがって、送信側、受信側双方において、労力を軽減することができる。
対応するパターンが記憶部140に記憶されていない場合、予め定められた所定の制御(例えば第1実施形態の制御)を行うようにするとよい。
上記のような記録を行った場合には、撮影画像を表示・閲覧する専用ブラウザ等において、表示中の撮像画像に対応するイベントの種類を示す情報を表示するようにするとよい。このように表示することで、映像に映る事象を理解しやすくすることができる。
〔実施形態の変形〕
〔実施形態の変形〕
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、組み合わせ、変形、改良等は本発明に含まれる。例えば、上記の各実施形態において説明した記録期間、無反応期間、及び監視期間の長さは任意であり、ユーザが自由に設定できるようにしてもよい。
上記の各実施形態では、撮像対象は、何らかの異常等のイベントが発生したときに人間に対しイベントの発生を知らせるための制御を行う機器であればいかなるものでもよいが、特に工作機械を撮像装置100による撮影対象とする場合に最も優れた効果を発揮する。なお、例えば、工場、物流倉庫、自動倉庫など現場では、工作機械、自動搬送機等の何らかの自動処理を行う機械を撮像対象としてもよい。特に、各実施形態に記載の撮像装置は、これらのような自動処理の仕組みを構築して立ち上げる時には、様々な問題が起き、それを解消する改善活動を行う。生じている問題が解消するまで、その原因探求のために映像を記録するシステムとして好適である。
また、現金自動預け払い機(いわゆるATM)やセルフレジのように、自動化はされていなくとも一般ユーザにより利用されることが想定される機器を撮像対象としてもよい。利用者が使用方法を間違えた場合のエラーや不正使用があったときの警報等をイベントの発生を示す情報として利用し、エラー時の使用状況の確認、不正が行われた状況の記録等に利用することができ好適である。但し現金自動預け払い機(いわゆるATM)のように、量産されて単体で動作するものよりも、セルフレジのように複数のレジ機と管理システムとを連携させて店舗毎など顧客や場所に応じて異なる仕様とするものに対して優れた効果を発揮する。
特に、何らかの異常が発生したときに、ランプや警報音等によって、当該機器の管理者、監視員等の人間に異常の発生を知らせる機能を備えているシステムで優れた効果を発揮する。第1実施形態ではこのような人間に対して機器の異常を報知するための装置への接続線をエレクトロタップ等の分岐配線によって分岐して利用することで、何ら新たなイベント信号を出力する機能を機器に追加することなく機器の異常時を含む映像を記録することができる。なお、撮像装置100は機器が異常の発生を知らせる機能に用いる光学的等の信号や、人間が視覚、聴覚等により認識できる情報を利用して、イベントの発生を認識するようにするとよいが、特に機器が人に報知するための装置への信号線からイベントの発生を判定するようにするとよい。
上記各実施形態では、いかなる情報をイベントの発生を示す情報として受け取るように構成してもよいが、工作機械2に接続された積層信号灯21への信号を分岐してイベントの発生を示す情報として受け取るように構成すると特によい。なお、他の情報をイベントの発生を示す情報としてもよい。例えば、撮像対象の機器が異常等のイベントの発生を外部に通知するための外部出力信号を出力する機能を有する場合には、この外部出力信号をイベントの発生を示す情報として利用するとよい。分岐した信号または外部出力信号をイベントの発生を示す情報として利用する場合、物理的に接続された配線等で信号を受け取るので、撮像装置100は確実にイベントの発生を示す情報を検知することができる。常設的に撮像装置100を設け、設置や撤去の手間が多くない場合には特に好ましい。
分岐した信号または外部出力信号をイベントの発生を示す情報として利用する場合、信号としては、第1実施形態のような連続パルスや第2実施形態等のような単一パルスの他、ONとOFFの状態を示すステータス信号(例えば、ハイとローの2値)、予め定められたパターンで繰り返されるパルス列、音声信号等のアナログの信号等を用いてもよい。
第2実施形態のように無反応期間を設ける制御を行う場合において、予め定められたパターンで繰り返されるパルス列をイベントの発生を示すアラート信号として検知する場合、無反応期間は、パルス列のパターンにおける最長のロー時間よりも長く設けるとよい。このようにすることで、アラート信号が継続している間に新たなイベントの発生を認識することを防ぐことができる。
予め定められたパターンで繰り返されるパルス列をイベントの発生を示すアラート信号として受け取る場合、当該予め定められたパターンを予め記憶しておき、当該記憶しておいたパターンと一致するパターンのパルス列が入力されたときにイベントの発生として検知するようにしてもよい。この場合、予め記憶しておくパターンは、ユーザが手動で入力してもよいが、実際にイベント入力端子130に入力されたアラート信号のパターンを学習し、記憶する学習モードを備えるようにすると特によい。このような学習モードを備えることで、撮像装置100に対するパターンの登録作業が容易となり、撮像装置100設置が容易となる。
複数の機器が撮像ユニット120による撮像視野内に入るように撮像装置100を設置し、イベント入力端子130には、複数の機器からのアラート信号の論理和を入力するようにしてもよい。このようにすれば、一台の撮像装置100により、複数の機器におけるイベント発生時の様子を撮像することが可能となる。
また、撮像装置100に信号灯の発光を検出する受光素子を設け、信号灯の発光をイベントの発生を示す情報として検知してもよい。信号灯が撮像ユニット120による撮像視野内に入るように撮像装置100を設置し、撮像ユニット120にて信号灯の発光をイベントの発生を示す情報として検出してもよい。この場合、制御コントローラ110にて撮像画像を随時解析して信号灯の発光を検知するとよい。このように、視覚情報をイベントの発生を示す情報として検知する構成では、撮像装置を設置する際に信号を分岐する等の煩わしい作業が不要であり、設置が容易であり、撤去も容易である。そして、撮像画像にてイベントの発生を示す情報を検知する場合には、撮像装置側にもセンサ等の特別な構成が必要でないため、設置が容易である。したがって、新規立ち上げの生産ライン等でのトラブルが収束するまでの期間のように、仮設的に撮像装置100を設置する場合に特に好ましい。
また、異常発生時にサイレンやブザー音等の警報音を発する機器を撮像する場合には、警報音を検出するマイクを撮像装置100に設け、回転灯の警報音をイベントの発生を示す情報として検知するようにしてもよい。このように、音声情報をイベントの発生を示す情報として検知する構成では、撮像装置を設置する際に信号を分岐する等の煩わしい作業が不要であり、設置が容易であり、撤去も容易である。したがって、新規立ち上げの生産ライン等でのトラブルが収束するまでの期間のように、仮設的に撮像装置100を設置する場合に特に好ましい。
また、第6実施形態のように、発生したイベントの種類に応じて異なる制御をする構成において、イベントを識別する方法は上記第6実施形態に記載の方法に限定されない。例えば、撮像対象の機器が異常の種類を示すエラーコードのようなイベントの種類を示す情報を外部に出力する機能を有する場合には、この撮像装置100は、イベントの種類を示す情報を入力するためのイベント識別情報入力端子を備えるように構成するとよい。そして、当該イベント識別情報入力端子に入力される情報に基づき発生したイベントを識別するとよい。
他の例としては、撮像装置100にて撮像対象の機器が複数種類の外部出力信号を出力する場合、撮像装置は受け取った外部信号に応じてイベントの種類を識別するとよい。具体的には、積層信号灯の各色(赤、黄、青)を制御する信号に応じて、イベントの種類を識別するとよい。このようにすれば、例えば、赤色の信号灯が点灯させる信号が発生したときには重大な異常が発生したものとして点灯前の期間が比較的長くなるよう記録期間を設定し、黄色の信号灯を点灯させる信号が発生した時には、続いて異常が発生する可能性があるものとして点灯後の期間が比較的長くなるよう記録期間を設定する等するとよい。
信号灯の点灯のような視覚情報をイベントの発生を示す情報として検知する構成では、色、位置、時間的な発光パターン等により、イベントの種類を識別するようにするとよい。
第6実施形態において、イベントの種類を示す情報をいかなる態様で記録してもよいが、イベントの種類を示す情報を撮像画像の付加情報として記録すると特によい。なお、イベントの種類を示す情報の記録方法はこれに限定されない。例えば、イベントの種類を示す情報をファイルの名称の一部に使用するとよい。ファイル名にイベントの種類を示す情報が含まれることにより、ファイルを専用ブラウザに読み込まずとも、ファイルに格納されている撮像画像の内容を把握することを容易にすることができる。また、記録する動画像の中のイベントが発生した時のフレームのヘッダにエラーコードを埋め込む。再生時にエラーコードが埋め込まれたフレームを検索することで、イベントが発生した瞬間の画像を素早く確認することができる。例えば、イベントの種類を示す情報を画像に透かしとして埋め込んでもよい。このようにすれば、ファイルのサイズを増やすことなく、また画像に視認可能な影響を及ぼすことなく、イベントの種類を示す情報を埋め込むことができる。また、イベントの種類を示す情報の改ざんを困難にすることができる。他の例としては、イベントの種類を示す情報を、画像に重畳した文字として埋め込んでもよい。
上記各実施形態では、撮像ユニット120は画像として動画像を撮像したが、例えば静止画像を撮像するようにしてもよい。また、画像は、例えば2D画像としてもよいし、3D画像としてもよい。また、白黒画像としてもよいし、カラー画像としてもよい。撮像ユニット120が備えるレンズ部は、ズームレンズではなく短焦点レンズとしてもよい。
上記各実施形態において、いかなる記憶媒体を用いてもよいが、メモリカードスロット160に挿入されるメモリカード200を利用すると特によい。また、メモリカードに代えて、ハードディスクドライブ等の他の記憶装置を用いてもよい。また、記憶媒体は着脱可能なものに限定されず、筐体105内に着脱できない形で内蔵されてもよい。また、記憶媒体として通信ネットワーク上に設けられた記憶領域に撮像画像を記憶するようにしてもよい。しかしながら、最もよいのは、前述した撮像装置100に着脱可能に設けられたメモリカード200等の記憶媒体に記憶する構成である。特に工場に製造ラインを構築したばかりの時期は、3~4ヵ月間程度の期間、トラブルの監視をする際などの仮設の場合などに、大掛かりなシステムを組むことなく、簡易に取り付けて撮像装置で記録することができる。また、記録した撮像画像を確認する際は撮像装置からメモリカード等を取り外して、パソコン等で再生することができるので、確認の都度、再設置する手間を省くことができる。また仮設の場合だけでなく、イベントの発生がそう頻繁におきない場合に大掛かりなシステムの工事等をせずに、簡便に工作機械の異常時の状況を撮影できる。
上記実施形態において、撮像画像を一時的に記録する記録先は任意であり、例えば、撮像装置100が内蔵するSDRAM等の記憶素子に、撮像画像を一時的に記録し、イベント発生時には、当該記憶素子に一時的に記録されている撮像画像を、メモリカード200のイベント記録領域224に最終的に記録するようしてもよい。しかし、上記実施形態のように、撮像ユニット120より常時撮像した撮像画像を、メモリカード200の常時記録領域222に記録し、イベント発生時に撮像した撮像画像については、メモリカード200のイベント記録領域224に記録すると特によい。
また、撮影時から所定時間が経過した撮像画像は、随時、低フレームレート(例えば1秒間に1フレーム)、低解像度、モノクロ化等によって記憶サイズを低下させつつ、常時記録領域222に記憶するようにしてもよい。このようにすれば、イベントが発生していない常時記録に要する単位時間当たりの記憶容量を節約することができる。
上記実施形態において、常時の記録を行うか否かは任意であるが、イベントの発生に伴う記録期間の撮像画像をイベント記録領域に記録するとともに、常時記録領域には常時の撮像画像を記録すると特によい。また、イベント発生時に記録する撮像画像は、常時記録する撮像画像にと比べ、フレームレートを高める、画像ファイルの圧縮率を下げる(あるいは圧縮しない)、画像ファイルの画質を高く(例えばHD(High Defintion)画像)する、カラー画像とする、等により情報量の多い画像を記録するとよい。反対に、常時記録する撮像画像は、イベント発生時に記録する撮像画像と比べ、フレームレートを落とす、画像ファイルの圧縮率を高める、画像ファイルの画質を低く(例えばVGA画像)する、白黒画像とする、等により情報量を少なくしてもよい。
上記第1実施形態では、撮像装置100とは別体のパソコン上で実行される専用ブラウザを表示閲覧手段として用いる例を説明したが、撮像装置100は、筐体105内に、撮像した撮像画像を再生して表示する再生手段を一体に備えてもよい。
上記第1実施形態において、撮像装置100の固定方法はいかなる物であってもよいが、簡易な方法とすると特に良い。特にクリップ、クランプ、マジックテープ、粘着マット等、取り付け/取り外しが容易な固定手段で固定すると良い。新規立ち上げの生産ライン等でのトラブルが収束するまでの期間のように、撮像装置100を仮設置する場合にはこれらのような取り付け/取り外しが容易な固定手段で固定することが特に好ましい。また、固定手段による取り付け先は、撮像対象である機器の周辺に設けられている保護枠、柱等の既設の構造物とするとよい。このようにすれば、撮像素子を、容易に仮設置することができ、また撤去も容易である。
上記第1実施形態では、メモリカードの管理領域に当該メモリカードに対しフォーマットが行われた回数を示すフォーマットカウントマスタ値を記録する例を説明したが、固有の識別情報等によって個体を特定できるメモリカードであれば、メモリカードのフォーマットを行う専用ブラウザのプログラムを実行するパソコン内にフォーマットカウントマスタ値を記録しておき、メモリカードのフォーマットを行う都度、パソコンに格納しているフォーマットカウントマスタ値を1増加させるようにしてもよい。
上記第1実施形態において、メモリカードの管理領域に記録した上書きカウントマスタ値の更新方法は任意であるが、専用ブラウザが更新すると特によい。なお、撮像装置100によって上書きカウントマスタ値に更新するようにしてもよい。このようにすれば、専用ブラウザを用いなくとも、最新の上書きカウントマスタ値を管理領域に記録しておくことができる。
上記第1実施形態において、メモリカードの寿命に関する案内を通知する方法は任意であるが、メモリカードに記録した上書きカウント値及び上書き上限値を利用して、メモリカードの寿命に関する案内を専用ブラウザに表示すると特によい。また、このような寿命に関する案内は、撮像装置でも通知するようにしてもよい。例えば、撮像装置が液晶画面を備える場合には、当該液晶画面に寿命に関する案内を表示するとよい。また、撮像装置が動作状態を示すモニタランプを備える場合には、当該モニタランプを点灯又は点滅させる等により、寿命に関する案内を通知するようにするとよい。また、撮像装置がブザー等の音源を備える場合には、当該音源から寿命に関する情報を通知すべく音を発するようにするとよい。
撮像装置において寿命に関する案内を通知するタイミングはいかなるタイミングとしてもよい。例えば電源投入時としてもよいし、常時監視して通知するようにしてもよいが、上書きが行われる頻度が高くない場合には、定期的に(例えば1週間に1回)上書きカウント値と上書き上限値とを比較して、条件を満たす場合に通知するようにすると特によい。また、撮像装置にて寿命に関する案内を通知すべき条件を満たしたことを認識した場合、この寿命に関する案内を通知すべき条件を満たしたことをイベントの発生として扱い、撮像画像をイベント記録領域に記録するとよく、寿命に関する案内を通知すべき条件を満たしたことを示すイベントの種類を示す情報を併せて記録するとよい。このようにすれば、撮像対象の機器で生じたイベントに起因する撮像画像の記録の中に、寿命に関する案内を通知すべき条件を満たしたことに起因する撮像画像が混入することになり、寿命が近づいていることに管理者等が気付き易くなる。
また、上記第1実施形態において、上書きカウント値が、寿命に関する案内をする条件はいかなるものでもよいが、上書き上限値の8割に達している場合に寿命に関する案内を表示すると特によい。また、例えば、上書きカウント値とフォーマットカウント値とを利用して、消耗度を示す指標を算出し、これを上書き上限値と比較結果に応じて寿命に関する案内してもよい。これは例えばフォーマットを行うことによりメモリカードの記憶領域にストレスがかかり、通常の上書きと比べて劣化が促進する場合には、フォーマットカウント値が上書きカウント値より重視されるよう重み付けをして消耗度を示す指標を算出するとよい。
また、上記第1実施形態において、メモリカードの寿命の目安を示す上書き上限値の特定方法は任意であるが、利用するメモリカードの上書き上限値をユーザが特定して管理領域(222A、224A)に記憶させるようにすると特によい。なお、記録媒体が寿命に関する情報を予め保持している用いる場合には、この情報を用いて寿命に関する案内をしてもよい。
上記第1実施形態と関連して記載したメモリカードへの記録方式は、車両用のドライブレコーダにも適用できる。この場合、車両前方の映像を常時記録するとともに、事故が起きたときに相当する衝撃、加速度などをトリガとしてイベント記録を行うようにするとよい。
1 撮像システム
2 工作機械
3 モニタ
100 撮像装置
105 筐体
110 制御コントローラ
120 撮像ユニット
130 イベント入力端子
160 メモリカードスロット
200 メモリカード
2 工作機械
3 モニタ
100 撮像装置
105 筐体
110 制御コントローラ
120 撮像ユニット
130 イベント入力端子
160 メモリカードスロット
200 メモリカード
Claims (5)
- イベントの発生が検知された場合に、前記イベントが発生した時点を含む期間に前記イベントに関する対象を撮像した撮像画像を記憶媒体に記憶させる制御手段であって、
前記記憶媒体の記録領域における連続したアドレスに、前記対象の撮像画像を順次に記録するとともに、当該撮像画像が記録されるアドレスへのデータの上書き回数を示す上書きカウント値を更新する制御手段
を有する装置。 - 前記制御手段は、
前記記憶媒体の記憶領域において、上書きカウント値が、直前の撮像画像に対して記録されている上書きカウント値と異なっている撮像画像に上書きして次の撮像画像を記録する
請求項1に記載の装置。 - 前記制御手段は、
前記記憶媒体において撮像画像を記憶する記憶領域とは異なる管理領域に、当該記憶媒体を初期化した回数を示すフォーマットカウントマスタ値として保持し、
各アドレスに対し、フォーマットカウントマスタ値をフォーマットカウント値として転記し、
現行の前記フォーマットカウントマスタ値と異なるフォーマットカウント値が記録されているアドレスのデータは消去されたものとして扱う
請求項1または2に記載の装置。 - 専用ブラウザは、
請求項1から3のいずれか1項に記載の装置によって撮像画像および上書きカウント値が記録された記録媒体に記録された前記上書きカウント値に基づいて、前記記憶媒体の寿命に関する案内を通知する機能を有する装置。 - コンピュータを請求項1から4のいずれか1項に記載の装置として機能させるためのプログラム。
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