JP2023092086A - 膜蒸留装置の運転方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023092086000001
【課題】膜蒸留用膜として中空糸膜を用いる膜蒸留装置において、膜表面へのスケールの析出、及び圧力損失の双方が抑制された、膜蒸留装置の運転方法を提供すること。
【解決手段】不揮発性溶質を含有する被処理水を膜蒸留して、被処理水を濃縮すること及び精製水を得ることのうちの少なくとも一方を含む、膜蒸留装置の運転方法であって、前記膜蒸留に用いる膜が中空糸膜であり、前記被処理水を前記中空糸膜の内側に流通させて膜蒸留が行われ、前記中空糸膜の内側を流通する被処理水のレイノルズ数を1,100以上とし、かつ、前記中空糸膜の内側を流通する被処理水の線速を3.5m/s以下とする、運転方法。
【選択図】図5

Description

本発明は、膜蒸留装置の運転方法に関する。詳しくは、膜蒸留用膜として中空糸膜を用いる膜蒸留装置において、被処理水に含有される不揮発性溶質に起因する膜蒸留用膜表面へのスケールの析出の抑制と、圧損の抑制とが両立されるとともに、効率的な膜蒸留を行うことができる、運転方法に関する。
膜蒸留法(以下、MD法)で、膜を介する水の蒸気圧差を駆動力として、被処理水中に含まれる無機イオン、タンパク湿等の不揮発性溶質と水とを分離して、被処理水の濃縮、及び造水のうちの少なくとも一方を行うことができる。
MD法は、逆浸透膜を用いる逆浸透法と比べて、高濃度の被処理水の処理が可能であること、造水を行う場合の精製水の純度が高いこと、等の利点がある。
MD法によって高濃度の被処理水を取り扱う場合、膜蒸留用膜表面におけるスケールの析出が挙げられる。スケールが析出して膜表面が覆われると、膜の細孔の目詰まりを引き起こし、水蒸気の移動が妨げられて、水蒸気フラックスが大幅に減少する。また、スケールによって膜表面が親水化されると、被処理水が透過側に侵入し易くなり、膜蒸留用膜の膜コンタクターとしての安定性が低下する。
近年、膜を用いる技術についての、流体力学的な考察が精力的に進められている。
例えば、非特許文献1では、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)製の平膜を用いるDCMD(Direct Contact Membrane Distillation)法による膜蒸留システムを用いるモデル実験により、膜へのスケール析出と、被処理液のレイノルズ数との関係についての報告がなされた。
また、非特許文献2では、膜型人工肺のモデル膜を用いて、レベック(Leveque)理論による考察がなされている。
Journal of Membrane Science 346 (2010) 263-269 Journal of chemical engineering of Japan, 18, (1985) 550-555
上記非特許文献1の教示は、平膜状の膜蒸留用膜を用いる膜蒸留についての考察であり、非特許文献2の考察は、対称型の波状壁を有するモデル膜に関し、いずれも、中空糸膜を用いる膜蒸留装置にそのまま妥当するものではない。
本発明の目的は、膜蒸留用膜として中空糸膜を用いる膜蒸留装置において、膜表面へのスケールの析出、及び圧力損失の双方が抑制された、膜蒸留装置の運転方法を提供することである。
本発明は以下のとおりである。
《態様1》不揮発性溶質を含有する被処理水を膜蒸留して、被処理水を濃縮すること及び精製水を得ることのうちの少なくとも一方を含む、膜蒸留装置の運転方法であって、
前記膜蒸留に用いる膜が中空糸膜であり、前記被処理水を前記中空糸膜の内側に流通させて膜蒸留が行われ、
前記中空糸膜の内側を流通する被処理水のレイノルズ数を1,100以上とし、かつ、
前記中空糸膜の内側を流通する被処理水の線速を3.5m/s以下とする、
運転方法。
《態様2》前記中空糸膜の内側を流通する被処理水のレイノルズ数を7,000以下とする、態様1に記載の運転方法。
《態様3》前記中空糸膜の内側を流通する被処理水のレイノルズ数を2,300以下とする、態様2に記載の運転方法。
《態様4》前記中空糸膜の内側を流通する被処理水の線速を0.4m/s以上2.0m/s以下とする、態様1~3のいずれか一項に記載の運転方法。
《態様5》前記中空糸膜の外側を減圧にする、態様1~4のいずれか一項に記載の運転方法。
《態様6》前記中空糸膜が疎水性である、態様1~5のいずれか一項に記載の運転方法。
《態様7》前記不揮発性溶質が、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、タンパク製剤、糖、ワクチン、核酸、抗生物質、ビタミン、界面活性剤、抗体薬物複合体(ADC)、及び無機塩から選択される1種又は2種以上を含む、態様1~6のいずれか一項に記載の運転方法。
《態様8》前記中空糸膜が、複数の中空糸膜によって構成される中空糸糸束を有する膜モジュール中の中空糸である、態様1~7のいずれか一項に記載の運転方法。
本発明の膜蒸留装置の運転方法によると、中空糸膜を用いる膜蒸留装置において、スケール原因物質を多量に含む被処理水を用いて膜蒸留を行った場合であっても、膜表面へのスケールの析出、及び圧損の双方が抑制される。したがって、本発明の運転方法によると、膜蒸留を高い効率で長期間安定して行うことが可能となる。
図1は、本発明の方法に適用される膜蒸留用膜モジュールの構造の一例を説明するための模式断面図である。 図2は、本発明の方法が好ましく適用される造水装置の構造の一例を説明するための概略図である。 図3は、実施例1で得られた膜蒸留用膜モジュール中の中空糸膜の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。図3(a)は中空糸膜断面の画像であり、画像の左上が中空糸外側、右下が内側である。図3(b)は、図3(a)の中空糸膜の内側表面近傍の拡大画像であり、図3(c)は、図3(a)の中空糸膜の外側表面近傍の拡大画像である。図3(d)は、中空糸膜内表面のSEM像であり、図3(e)は、中空糸膜外表面のSEM像である。 図4は、実施例において、膜蒸留用膜モジュールの圧損を測定するために用いた装置の構成を説明するための概略図である。 図5は、実施例1における、被処理水の線速と圧損との関係を示すグラフ、及びレイノルズ数と圧損との関係を示すグラフである。 図6は、実施例で用いた、中空糸膜表面に析出したスケールを洗い出すための洗浄装置である。 図7は、実施例5で得られた膜蒸留用膜モジュール中の中空糸膜の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。図7(a)は中空糸膜断面の画像であり、画像の左上が中空糸外側、右下が内側である。図7(b)は、図7(a)の中空糸膜の内側表面近傍の拡大画像であり、図7(c)は、図7(a)の中空糸膜の外側表面近傍の拡大画像である。図7(d)は、中空糸膜内表面のSEM像であり、図7(e)は、中空糸膜外表面のSEM像である。 図8は、実施例5における、被処理水の線速と圧損との関係を示すグラフ、及びレイノルズ数と圧損との関係を示すグラフである。
以下、本発明の好ましい実施形態を、非限定的な例として具体的に説明する。
本発明は、
不揮発性溶質を含有する被処理水を膜蒸留して、被処理水を濃縮すること及び精製水を得ることのうちの少なくとも一方を含む、膜蒸留装置の運転方法であって、
前記膜蒸留に用いる膜が中空糸膜であり、前記被処理水を前記中空糸膜の内側に流通させて膜蒸留が行われ、
前記中空糸膜の内側を流通する被処理水のレイノルズ数を1,100以上とし、かつ、
前記中空糸膜の内側を流通する被処理水の線速を3.5m/s以下とする、
運転方法に関する。
《本発明の作用機構》
本発明の膜蒸留装置の運転方法では、膜蒸留用膜として中空糸膜を用い、被処理水を中空糸膜の内側に流通させて膜蒸留を行うときに、中空糸膜の内側を流通する被処理水のレイノルズ数及び線速を、それぞれ上記の範囲に設定することにより、膜表面へのスケールの析出が抑制され、同時に、圧損も抑制される。
この効果が発現する理由は、以下のように推察される。
ただし、本発明は、特定の理論に拘束されるものではない。
〈スケール析出の抑制〉
本発明の被処理水は、スケール成分を多量に含んでいることが多い。その場合、被処理水中のスケール成分濃度が飽和溶解度以上になると、中空糸膜の表面上にスケール成分が析出する。
スケール成分の析出のし易さは、下記数式(1)で表される、スケール成分の濃度分極係数(CPC)によって求められる。
Figure 2023092086000002
{数式1中、Cm,fは膜表面の溶質濃度(wt%)であり、Cb,fは被処理水全体の溶質濃度(wt%)であり、Jは膜の水蒸気フラックス(kg/m・h)であり、ρは被処理水の溶液密度(kg/m)であり、kは溶質が境膜中を拡散するときの物質移動係数(m/s)である。}
数式(1)は、膜の水蒸気フラックスJが大きいほど、CPCが大きくなって、スケールが析出し易くなることを示している。また、物質移動係数kは下記数式(2)で表される。
k=D/δ (2)
{数式(2)中、Dは溶質の拡散係数(m/s)であり、δは境膜の厚み(m)である。}
数式(2)を数式(1)に代入すると、境膜の厚みδが薄くなるほど、CPCが小さくなって、スケールが析出し難くなることが理解される。
更に、境膜厚みδは、下記数式(3)~(5)から計算することができる。
Figure 2023092086000003
{上記数式(3)~(5)中、Dは溶質の拡散係数(m/s)であり、kは溶質が境膜中を拡散するときの物質移動係数(m/s)であり、dは水力直径(m)であり、dは中空糸膜の内径(m)であり、Shはシャーウッド数(無次元数)であり、Reはレイノルズ数であり、Scはシュミット数であり、lは流路長(m)であり、a、a、a、及びaは、それぞれ、実験によって求められる定数であり、μは被処理水の粘度(Pa・s)である。}
本発明においては、水力直径d(m)は、中空糸膜の内径d(m)に等しい。
数式(3)~(5)から、境膜厚みδは、レイノルズ数Reに反比例することが理解される。したがって、レイノルズ数Reが大きいほど、境膜厚みδが薄くなり、CPCが小さくなって、スケールが析出し難くなることが理解される。
そして本発明においては、レイノルズ数Reを1,200以上とすることにより、膜の水蒸気フラックスJが膜蒸留の効率的に行える程度に大きいときでも、CPCが十分に小さくなり、したがって、膜蒸留を安定的に行い得る程度に、スケールの析出が抑制されるのである。
特筆すべきは、上記数式には、中空糸膜の内径に等しい水力直径d、及び境膜厚みδの寄与が考慮されているので、本発明におけるレイノルズ数Reの規定は、使用する中空糸膜のサイズによらずに妥当することである。
本発明におけるレイノルズ数Reは、上述の観点から1,100以上であり、1,500以上が好ましく、2,000以上又は2,300以上であってもよい。一方、レイノルズ数Reを過度に大きくする利点は希薄であり、レイノルズ数を無理に大きく設定しようとすると、膜蒸留の効率又は安定性を行う場合が懸念される。このような観点から、本発明におけるレイノルズ数Reは、好ましくは7,000以下であり、より好ましくは6,000以下であり、更に好ましくは5,000以下であり、特に、4,000以下、3,000以下、2,300以下、又は2,000以下であってよもよい。
〈圧力損失の抑制〉
一方、被処理水の圧力損失ΔP(Pa)は、下記数式(6)で求められる。
Figure 2023092086000004
{数式(6)中、fは摩擦係数であり、ρは被処理水の溶液密度(kg/m)でありνは被処理水の線速(m/s)であり、Lは中空糸膜の長さ(m)であり、dは中空糸膜の内径(m)である。}
中空糸膜が膜蒸留用膜モジュールの形態にあり、中空糸膜の一部が接着樹脂層中に埋め込まれている場合、上記数式(6)中のLの中空糸膜の長さには、接着樹脂層中に埋め込まれている部分も含まれる。
摩擦係数fについては、流れが層流である場合の摩擦係数Fと、乱流である場合の摩擦係数Fとで異なり、これらを考慮すると、流れが層流である場合の被処理水の圧力損失ΔP(Pa)、及び乱流である場合の被処理水の圧力損失ΔP(Pa)は、それぞれ、下記数式(7)及び(8)で表される。
Figure 2023092086000005
{数式(7)及び(8)中の符号は、それぞれ、前出の数式中の同符号と同じ意味である。}
数式(7)及び(8)から、流れが層流であるか乱流であるかによらず、被処理水の線速νが小さいほど、被処理水の圧力損失が小さくなることが理解される。
本発明においては、被処理水の線速νを3.5m/s以下とすることにより、膜蒸留を高効率で行い得る程度に、圧力損失を小さくできるのである。
なお、一般的な流体力学の理論では、レイノルズ数Reが概ね2,300程度以下であれば流れは層流になり、レイノルズ数Reが概ね2,300程度を超えると流れは乱流になると考えられており、層流と乱流とを相違するモデルとして理論が構築されてきた。
しかしながら、本発明においては、流れが層流であるか乱流であるかによらず、被処理水の線速νを本発明所定の範囲内に設定することによって、被処理水の圧力損失を制御できるのである。
本発明における被処理水の線速νは、上記の観点から、3.5m/s以下であり、好ましくは3.0m/s以下であり、より好ましくは2.5m/s以下であり、更に好ましくは2.0m/s以下であり、特に、1.5m/s以下、1.0m/s以下、又は0.8m/s以下であってもよい。
一方、膜蒸留の効率を上げる観点から、被処理水の線速νは、好ましくは0.4m/s以上であり、より好ましくは0.5m/s以上であり、更に好ましくは0.7m/s以上であり、特に、1.0m/s以上であることが好ましい。
《膜間差圧》
本発明の方法によると、圧力損失が抑制される。その結果、中空糸膜内外の膜間差圧を低くすることができ、被処理水が直接中空糸膜の膜壁を通過することが抑制されている。
本発明の方法によると、中空糸膜の被処理水入口における膜間差圧を、450kPa以下とすることができ、390kPa以下又は150kPa以下とすることも可能である。
《水蒸気フラックス》
本発明の方法によって膜蒸留を行うとき、スケール析出の抑制等の観点から、被処理液から中空糸膜を介して移動する水蒸気フラックスを、100kg/m・h以下とすることが好ましく、より好ましくは80kg/m・h以下であり、更に好ましくは70kg/m・h以下である。
水蒸気フラックスJは、下記数式(9)で示される。
Figure 2023092086000006
{数式(9)中、Wpは被処理水から蒸発して中空糸膜を移動した水の質量(kg)であり、Aは中空糸膜の有効面積(m)であり、Tは運転時間(h)である。}
《膜蒸留装置》
以下、本発明が適用される膜蒸留装置の要素について説明する。
〈膜蒸留の方式〉
本発明における膜蒸留の方式としては、例えば、DCMD法、AGMD法、SGMD法、VMD法等が挙げられ、これらのうちの何れの方式でもよい。
DCMD(Direct Contact Membrane Distillation)法は、被処理水を高温とし、高温の被処理水から生じた水蒸気を、膜蒸留用膜を介して低温水に取り込む方式である。AGMD(Air Gap Membrane Distillation)法は、被処理水と冷媒との間に、膜蒸留用膜、エアギャップ、及びコンデンサー(例えばアルミニウム板)をこの順に介在させて、高温の被処理水から生じた水蒸気を、コンデンサーのエアギャップ側の面で凝集させることにより、高純度の蒸留水を得る方法である。SGMD(Sweeping Gas Membrane Distillation)法は、膜蒸留用膜の蒸留側にスイーピングガスを流し、高温の被処理水から生じた水蒸気を、スイーピングガスとともに蒸留系の外部に移動させることによって、蒸留水を得る方式である。VMD(Vacuum Membrane Distillation)法は、AGMD法におけるエアギャップ部を減圧として、高温の被処理水から生じた水蒸気を蒸留系の外部に移動させることによって、蒸留水を得る方式である。
〈膜蒸留用膜〉
本発明における膜蒸留装置で行われる膜蒸留では、膜蒸留用膜として中空糸膜を用い、被処理水を中空糸膜の内側に流通させて膜蒸留を行う。
本発明における中空糸膜は、好ましくは疎水性の多孔質膜から構成される。
本発明で用いられる膜蒸留用膜は、疎水性が高く、かつ多孔質の材料から構成される中空糸膜であってよい。この中空糸膜は、多孔質でありながら、液体上の水が膜壁の内部に侵入せず、膜壁内は水蒸気のみが通過できるものであることが好ましい。
このような要件を満たすため、中空糸膜表面の水接触角は、膜のウェッティングを回避する観点から、90°以上であることが好ましく、90°超であることがより好ましく、100°以上であることが更に好ましく、特に、110°以上又は120°以上であってもよい。中空糸膜の水接触角には、本発明の奏する効果との関係では上限はないが、現実的には150°以下であってよい。中空糸膜は、少なくとも片側の表面、好ましくは両側の表面において、このような水接触角を示すことが好ましい。
本明細書における水接触角は、JIS R 3257準拠の液滴法により測定される値である。具体的には、2μLの純水を測定対象物表面に滴下し、測定対象物と液滴とが形成する角度を、投影画像から解析することで数値化する。
本発明で用いられる膜蒸留用膜では、少なくとも片側表面のうちの実質的にすべての領域において、上記範囲の水接触角を示すことが好ましい。
中空糸膜の疎水性は、中空糸膜の膜壁への水の液体侵入圧を測定することによっても見積もることができる。具体的には、20質量パーセント濃度のエタノール水溶液に対する液体侵入圧が、0.1MPa以上0.5MPa以下であることが好ましく、0.2MPa以上0.4MPa以下であることがより好ましい。
中空糸膜の膜壁は多孔質であり、膜の一方の表面から他方の表面まで厚み方向に連通している細孔(連通孔)を有している。細孔は、膜材料(例えばポリマー)のネットワークの空隙であってよく、枝分かれしていても直通孔でもよい。細孔は、蒸気を通すが液体を通さないものであってよい。
中空糸膜の細孔の平均孔径は、0.02μm以上0.5μm以下であることが好ましく、0.03μm以上0.4μm以下であることがより好ましく、0.1μm以上0.3μm以下であることが更に好ましい。平均孔径が0.02μm以上であると、水蒸気の透過抵抗が大きくなり過ぎず、被処理水から発生した水蒸気の透過が速くなる。平均孔径が0.5μm以下であると、膜のウェッティングの抑制効果が良好である。中空糸膜の細孔の平均孔径は、ASTM:F316-86に準拠して、ハーフドライ法で測定される値である。
また、蒸気透過性とウェッティング抑制との両立の観点から、中空糸膜の細孔の孔径分布は狭い方が好ましい。具体的には、平均孔径に対する最大孔径の比である孔径分布が、好ましくは1.2~2.5の範囲内、より好ましくは1.2~2.0の範囲内である。上記最大孔径は、バブルポイント法を用いて測定される値である。
中空糸膜の空隙率は、高い水蒸気透過性と、長期耐久性とを両立させる観点から、60%以上90%以下の範囲であることが好ましい。高い蒸気透過性を得るために、上記多孔質中空糸膜の空隙率は、60%以上であることが好ましく、より好ましくは70%以上である。膜自体の強度が良好に維持され、長期使用の際に破断等の問題を発生させ難くする観点から、上記多孔質中空糸膜の空隙率は、90%以下であることが好ましく、より好ましくは85%以下であり、更に好ましくは70%以下である。
上記の空隙率は、中空糸膜を構成する材料の真比重と、見かけ比重とから算出される値である。
上記中空糸膜の表面開口率は、効率的な膜蒸留を行う観点から、中空糸膜の両側の表面について、それぞれ、好ましくは15%以上、より好ましくは18%以上、更に好ましくは20%以上であり、膜自体の強度が良好に維持され、長期使用の際に破断等の問題を発生させ難くする観点から、好ましくは60%以下、より好ましくは55%以下、更に好ましくは50%以下である。
上記の表面開口率は、膜表面の走査型電子顕微鏡(SEM)による観察画像において、画像解析ソフトで孔部を検出することにより求められる値である。
本発明における中空糸膜を構成する材料としては、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン・四フッ化エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン等が挙げられ、これらから選ばれる1種マヤは2種以上の樹脂を含む材料が挙げられる。これらのうち、疎水性、機械的耐久性、及び熱的耐久性に優れる膜を、高い成膜性で製造できるとの観点からは、ポリフッ化ビニリデン、エチレン・四フッ化エチレン共重合体、又はポリクロロトリフルオロエチレンが好ましい。
中空糸膜の疎水性を向上させるため、中空糸膜の少なくとも一部に、疎水性ポリマーを付着させたうえで、本発明に適用してもよい。
疎水性ポリマーとして、具体的には、例えば、以下のものが挙げられる:
(ア)シロキサン結合を有するポリマー:ジメチルシリコーンゲル、メチルフェニルシリコーンゲル、有機官能基(アミノ基、フルオロアルキル基等)を有する反応性変性シリコーンゲル、シランカップリング剤と反応して架橋構造を形成するシリコーン系ポリマー等
(イ)フッ素原子含有ポリマー:側鎖にフッ素原子含有基を持つポリマー(フッ素原子含有基は、(パー)フルオロアルキル基、(パー)フルオロポリエーテル基、アルキルシリル基、フルオロシリル基等)
本発明における中空糸膜の厚さは、蒸気透過性と膜の機械的強度との両立の観点から、10μm以上1,000μm以下であることが好ましく、20μm以上500μm以下であることがより好ましい。膜厚が1,000μm以下であれば、高い蒸気透過性を得ることができ、他方、膜厚が10μm以上であれば、膜が変形することなく使用することができる。
中空糸膜の外径は、300μm以上5,000μm以下であることが好ましく、より好ましくは350μm以上4,000μm以下である。中空糸膜の内径は、200μm以上4,000μm以下であることが好ましく、より好ましくは250μm以上3,000μm以下である。
中空糸膜の長さ(有効長)は、膜蒸留の効率を高める観点から、500mm以上であることが好ましく、1,000mm以上であることがより好ましい。一方、厚損を抑制する観点から、中空糸膜の長さは、中空糸膜の内径の4,000倍以下が好ましく、3,500倍以下がより好ましい。
なお、上記数式(6)~(8)において、圧力損失ΔP(Pa)を評価するときの中空糸膜の長さL(m)としては、中空糸膜の有効長ではなく全長を用いる。すなわち、中空糸膜を膜蒸留用膜モジュールの形態で使用する場合、数式(6)~(8)における中空糸膜の長さL(m)としては、中空糸膜の有効長に、2つの接着樹脂層の厚さを加えた長さを採用する。
〈膜蒸留用膜モジュール〉
本発明では、中空糸膜を複数束ねた膜束を、適当なハウジング内に充填した膜蒸留用膜モジュールの形態で使用してもよい。
膜蒸留用膜モジュールは、例えば、円柱型又は多角柱型のハウジングに、中空糸膜の長手方向がハウジングの軸方向と一致するように、中空糸膜束を収納し、該中空糸膜束の両端が、適当な接着樹脂にてハウジング内に固定された構造であってよい。この場合、接着樹脂による中空糸糸束の固定を液密に行い、中空糸膜の内外の流路が混合されないようにすることが好ましい。
ハウジングは、耐薬品性、耐圧性、耐熱性、耐衝撃性、耐候性等の観点から選定される。ハウジングを構成する材料の材質は、例えば、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフッ化ビニリデン、ABS樹脂、繊維強化プラスチック、塩化ビニル樹脂等の合成樹脂、及びステンレス、真鍮、チタン等の金属から選択されることが好ましい。
接着樹脂は、機械的強度が強く、100℃における耐熱性を有することが望まれる。接着樹脂としては、例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂、熱硬化性のウレタン樹脂等が挙げられる。耐熱性の観点ではエポキシ樹脂が好ましい。ハンドリング性の観点ではウレタン樹脂が好ましい。
図1に、本発明の方法が好ましく適用される膜蒸留用膜モジュールの構造の一例を説明するための模式断面図を示す。
図1の膜蒸留用膜モジュール(100)は、円柱形状のハウジング(10)内に複数の中空糸膜(20)から成る中空糸膜束が収納され、中空糸膜(20)の両端は、接着樹脂層(30)によってハウジング(10)に固定されている。ここで、中空糸膜(20)の両端は、閉塞されずに開口している。
膜蒸留用膜モジュール(100)の内部は、中空糸膜によって、中空糸膜の中空部側の空間と、中空糸膜の外部空間側の空間とに分割されている。これら2つの空間は、水蒸気が中空糸膜の膜壁を通過して行き来することができる他は、流体的に遮断されている。
ハウジング(10)は、円筒形形状の両端に、それぞれ、被処理水入口(11)及び被処理水出口(12)を有し、被処理水は、被処理水入口(11)から膜蒸留用膜モジュール(100)の内部に入り、中空糸膜(20)の中空部を通過して、被処理水出口(12)から膜蒸留用膜モジュール(100)の外部に排出されるように構成されている。
また、ハウジング(10)は、円筒形形状の側面に、水蒸気取出口(13)を有し、この水蒸気取出口(13)を介して、膜蒸留によって被処理水から蒸発した水蒸気を取り出し、又は中空糸膜の外部空間側の空間を減圧にすることができる。
この膜蒸留用膜モジュール(100)を用いて、例えば、以下のようにして膜蒸留を行うことができる。
例えば、被処理水を、被処理水入口(11)から膜蒸留用膜モジュール(100)の内部に入り、中空糸膜(20)の中空部を通過して、被処理水出口(12)から排出されるように流通させるとともに、水蒸気取出口(13)から吸引して、中空糸膜の外部空間側の空間を減圧にする。すると、蒸気圧の高い被処理水ら発生した水蒸気は、中空糸膜(20)の膜壁を通過し、蒸気圧の低い減圧部に移動して、水蒸気取出口(13)から取り出されて、膜蒸留が行われる。このとき、被処理水を加熱して、蒸気圧を高めてもよい。
上記の結果、水蒸気が除去された被原料液は、濃縮されることになり、更に、水蒸気取出口(13)から取り出された水蒸気を、例えば凝縮器(図示せず)によって凝縮させることにより、精製水が得られる。
〈膜蒸留装置〉
本発明の方法が適用される膜蒸留装置は、被処理水の濃縮装置又は造水装置であってよい。
図2に、本発明の方法が好ましく適用される造水装置の構造の一例を説明するための概略図を示す。
図2の造水装置(1000)は、海水から精製水を製造するための造水装置の一例である。
造水装置(1000)では、海水供給タンク(400)中に貯蔵された、被処理水としての海水が、供給循環ポンプ(P2)によって、膜蒸留用膜モジュール(100)に送られる。海水は、膜蒸留用膜モジュール(100)中の中空糸膜の中空部を通過した後、海水供給タンク(400)に戻されて、循環する。海水は、膜蒸留用膜モジュール(100)に導入される前に、ヒーター(H)によって加熱され、蒸気圧を高められることにより、膜蒸留が容易化される。膜蒸留用膜モジュール(100)の前後の配管には、温度計(TM)が備えられてよい。
海水供給タンク(400)には、レベル計(LM)が備えられていてよい。膜蒸留が進行して、海水供給タンク(400)中の海水量が所定値よりも少なくなると、レベル計(LM)と連動する蒸留水供給ポンプ(P1)により、蒸留水タンク(300)中の蒸留水が海水供給タンク(400)に加えられ、海水供給タンク(400)中の海水のレベル調整がなされる。
膜蒸留用膜モジュール(100)の中空糸膜外側の空間は、エアギャップを介して、凝縮器(200)と連結されている。凝縮器(200)内には冷却水(LM)が流通している。この凝縮器(200)内で、膜蒸留用膜モジュール(100)によって被処理水から取り出された水蒸気が凝縮して蒸留水となり、蒸留水一時貯蔵タンク(500)に集められる。
凝縮器(200)は、膜蒸留用膜モジュール(100)の中空糸膜外側の空間と連通する気相部と、膜蒸留用膜モジュール(100)から拡散してきた水蒸気を凝縮させるための冷却体とを有していてよい。冷却体は、内部に冷却媒(例えば、冷却水)が流通することによって、低温が維持される構造を有していてよい。
図2の造水装置(1000)では、更に、凝縮器(200)は蒸留水一時貯蔵タンク(500)の上部空間を介して真空ポンプ(V)に連結されているので、凝縮器(200)内を減圧にすることができ、膜蒸留を更に容易化することが可能である。
蒸留水一時貯蔵タンク(500)に集められた蒸留水は、蒸留水取出しポンプ(P3)によって蒸留水サンプリングタンク(600)に送られ、導電度計(CM)による導電度測定、その他の分析に供することができる。
造水装置(1000)は、必要に応じて、流量調整器、圧力調整器、保温構造等を更に備えていてよい。
《被処理水》
本発明の方法は、被処理水から溶媒(水)を除去することによる濃縮、及び被処理水中の溶媒(水)を精製することによる造水、のうちの片方又は両方に適用可能である。
被処理水は、不揮発性の溶質及び溶媒を含む。被処理水は、液体状である限り、乳化物、懸濁液等であってもよい。
被処理水に含まれる不揮発性溶質とは、蒸留装置の稼働温度において、実質的に蒸気圧を有さず、かつ、分解しない物質をいう。
不揮発性溶質の典型例は、医薬品原料、化学品等、及び無機塩である。
医薬品原料、化学品等としては、例えば、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、糖、ワクチン、核酸、抗生物質、抗体薬物複合体(ADC)、界面活性剤、ビタミン類等が挙げられる。
アミノ酸は、カルボキシル基及びアミノ基、並びにこれらを連結している部分から成る、アミノ酸骨格を1個有する化合物である。本明細書におけるアミノ酸は、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、及び非天然アミノ酸を包含する概念である。
必須アミノ酸としては、例えば、トリプトファン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン等が挙げられる。非必須アミノ酸としては、例えば、アルギニン、グリシン、アラニン、セリン、チロシン、システイン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸等が挙げられる。
非天然アミノ酸とは、分子内にアミノ酸骨格を有し、かつ天然に存在しない人工のあらゆる化合物を指す。しかしながら、医薬品原料としての非天然アミノ酸としては、アミノ酸骨格に所望の標識化合物を結合させて得られるものが挙げられる。標識化合物としては、例えば、色素、蛍光物質、発光物質、酵素基質、補酵素、抗原性物質、タンパク質結合性物質等が挙げられる。
医薬品原料として好ましい非天然アミノ酸の例として、例えば、標識アミノ酸、機能化アミノ酸等が挙げられる。標識アミノ酸は、アミノ酸骨格と標識化合物とが結合した非天然アミノ酸であい、その具体例としては、例えば、側鎖に芳香環を含むアミノ酸骨格に、標識化合物が結合したアミノ酸等が挙げられる。機能化アミノ酸の例としては、例えば、光応答性アミノ酸、光スイッチアミノ酸、蛍光プローブアミノ酸、蛍光標識アミノ酸等が挙げられる。
ペプチドは、2残基以上70残基未満のアミノ酸残基が結合した化合物を指し、鎖状であっても、環状であってもよい。ペプチドとしては、例えば、L-アラニル-L-グルタミン、β-アラニル-L-ヒスチジンシクロスポリン、グルタチオン等が挙げられる。
タンパク質は、一般的には、アミノ酸残基が結合した化合物のうちのペプチドよりも長鎖のものを指す。本明細書におけるタンパク質としては、例えば、タンパク製剤として適用されるものが好ましい。
タンパク製剤としては、例えば、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターロイキン1~12、成長ホルモン、エリスロポエチン、インスリン、顆粒状コロニー刺激因子(G-CSF)、組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)、ナトリウム利尿ペプチド、血液凝固第VIII因子、ソマトメジン、グルカゴン、成長ホルモン放出因子、血清アルブミン、カルシトニン等が挙げられる。
糖としては、例えば、単糖類、二糖類、糖鎖(二糖類を除く)、糖鎖誘導体等が挙げられる。
単糖類としては、例えば、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、リボース、デオキシリボース等が挙げられる。二糖類としては、例えば、マルトース、スクロース、ラクトース等が挙げられる。
本明細書における糖鎖とは、二糖類を除く概念であり、例えば、グルコース、ガラクトース、マンノース、フコース、キシロース、グルクロン酸、イズロン酸等が挙げられる。糖鎖誘導体としては、例えば、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミン、N-アセチルノイラミン酸等の、糖類誘導体等が挙げられる。
ワクチンとしては、例えば、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン、C型肝炎ワクチン等が;
核酸としては、例えば、オリゴヌクレオチド、RNA、アプタマー、デコイ等が;
抗生物質としては、例えば、ストレプトマイシン、バンコマイシン等が;
それぞれ挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA類、ビタミンB類、ビタミンC類等が挙げられ、これらの誘導体、塩等も含む概念である。ビタミンB類には、例えば、ビタミンB6、ビタミンB12等が包含される。
界面活性剤としては、例えば、多糖類、リン脂質、ペプチド、ラウリル硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤、塩化ベンザルコニウム等の陽イオン界面活性剤;両性界面活性剤;ポリエチレングリコール等の非イオン界面活性剤が挙げられる。
無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。
不揮発性溶質の数平均分子量は、75,000以下であってよく、好ましくは50,000以下、より好ましくは10,000以下であり、6,000以下であることが特に好ましい。不揮発性溶質の分子量が過度に大きいと、被処理水の粘度が過度に高くなり、被処理水の流路における圧力損失の増大、中空糸膜表面における過濃縮による溶質の析出が起こり易くなる場合がある。
被処理水の溶媒は、水を含んでいてよい。水は、好ましくは疎水性の中空糸膜の表面に対する表面エネルギーが大きく、したがって、膜表面における液体と蒸気との分離が効率的に行われるため、被処理水の溶媒に含まれることが好ましい。
被処理水の溶媒は、水、又は水及び水溶性有機溶媒から成る混合溶媒であってよく、典型的には水である。
本発明が適用される被処理水としては、例えば、医薬品原体、化学品等を含む溶液;化学プロセス;脱硝装置の排水;食品;海水;ガス田、油田等から排出される随伴水等を挙げることができる。
本発明の方法を適用して被処理水の濃縮を行うと、元の被処理水中の溶質組成がほぼそのまま維持されて濃縮物を、安定的に得ることができる。したがって、本発明の方法は、医薬品、化学品製造の中間段階における、原料の濃縮工程等に有用である。
また、本発明の方法を適用して造水を行うと、被処理水に含まれる不揮発性溶質が、実質的にすべて除去された精製水が安定的に得られる。したがって、本発明の方法は、乾燥地域における飲用水、生活用水等の製造等に有用である。
以下、実施例の形式により、本発明の構成及び効果を具体的に説明する。しかし、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
以下の実施例において、中空糸膜の各種物性は、以下の方法により行った。
(1)中空糸膜の外径、内径、及び膜厚
中空糸膜の外径、内径、及び膜厚は、顕微鏡観察により求めた。
具体的には、以下の方法に酔った。
中空糸膜を長手方向に垂直な方向にカミソリで薄く切断し、断面の顕微鏡像を撮影し、得られた顕微鏡像の計測により、中空糸膜の外径及び内径を求めた。中空糸膜の膜厚は、得られた外径及び内径から、計算により求めた。
(2)中空糸膜の平均孔径
中空糸膜の平均孔径は、ASTM:F316-86に記載されている平均孔径の測定方法(ハーフドライ法)により測定した。
中空糸膜を10cmの長さに切断したものを試料とし、液体としてはエタノールを用い、温度25℃、昇圧速度0.01atm/秒の標準測定条件で行った。
平均孔径は、下記数式(10)により求めた:
平均孔径[μm]=2,860×(s/p) (10)
{数式(10)中、sは使用液体の表面張力(単位:dyne/cm)であり、pはハーフドライ空気圧力(単位:Pa)である。}
ここで、エタノールの25℃における表面張力sの値は、21.97dyne/cmとした。
(3)中空糸膜の最大孔径
中空糸膜の最大孔径は、浸漬液としてエタノールを用いてバブルポイント法により測定した。
中空糸膜を8cmの長さに切断して、片端を閉塞し、他端には圧力計を介して窒素ガス供給ラインを接続した。この状態で窒素ガスを供給して、中空糸膜内部を窒素に置換した後、ライン内を窒素で極僅かに加圧した状態で、中空糸膜をエタノール中に浸漬した。この窒素加圧は、エタノールをライン内に逆流させないための措置である。
次いで、中空糸膜をエタノール中に浸漬した状態で、窒素ガスの圧力をゆっくりと増加させ、中空糸膜から窒素ガスの泡が安定して出始めた圧力P(kg/cm)を記録した。このPを、下記数式(11):
d=C1γ/P (11)
{数式(11)中、dは中空糸の最大孔径であり、C1は定数であり、γは浸漬液の表面張力であり、そしてPは圧力である。}に代入して、中空糸膜の最大孔径dを算出した。このとき、エタノールを浸漬液としたときのC1γの値は、0.632(kg/cm)とした。
(4)中空糸膜の空隙率
中空糸状膜蒸留用膜の空隙率(膜全体の平均空隙率)は、中空糸膜の質量と、中空糸膜を構成する材料の密度(真密度)とから算出した。
すなわち、中空糸膜を一定の長さに切り、その質量を測定し、下記数式(12):
Figure 2023092086000007
{上記数式(12)中、dは中空糸膜の原料ポリマーの真密度であり、πは円周率である。}により、中空糸の空隙率を求めた。
(5)[中空糸膜の水接触角]
中空糸膜の水接触角を、JIS R 3257準拠の液滴法によって測定した。
温度23℃、相対湿度50%の環境下で、中空糸膜試料の外側表面に、純水2μLの液滴を滴下し、液滴と中空糸膜の外側表面とが形成する角度を画像解析により算出して接触角を求めた。測定は5回行い、その数平均値を水接触角として採用した。
《実施例1》
(1)膜蒸留用中空糸膜の作製
平均一次粒径0.016μm、比表面積110m/gの疎水性シリカ(日本アエロジル社製、AEROSIL-R972)23質量部と、DOP(フタル酸ジ-2-エチルヘキシルフタル酸ジオクチル)31質量部と、DBP(フタル酸ジブチル)6質量部とを、ヘンシェルミキサーで混合し、これに重量平均分子量が310,000のポリフッ化ビニリデン(SOLVAY社製、Solef(登録商標)6010)40質量部を添加し、再度ヘンシェルミキサーで混合した。この混合物を2軸混練押し出し機で混合した後、ペレット化した。
得られたペレットを、押出口に中空糸成形用紡口を装着した2軸混練押出機中で、240℃において溶融混練して、溶融混錬物を得た。得られた溶融混錬物を中空糸成形用紡口の外側円環穴から押し出すとともに、窒素ガスを紡口の内側の円形穴から吐出させて、紡口から中空糸状の押出物を吐出させた。この中空糸状の押出物を、空走距離20cmにて水浴(40℃)中に導入し、20m/分の速度で巻き取った。
巻き取った中空糸状押出物を、塩化メチレン中に浸漬して、中空糸状押出物中のDOP及びDBPを抽出除去した後、乾燥させた。次いで、中空糸状押出物を50質量%エチルアルコール水溶液中に浸漬した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液中に40℃にて1時間浸漬して、中空糸状押出物中のシリカを抽出除去した。
その後、水洗し、乾燥することにより、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)製の中空糸膜を得た。この中空糸膜について、上述の方法により測定した各種物性は、以下のとおりであった。
内径:0.68mm
外径:1.25mm
膜厚:0.28mm
平均孔径:0.21μm
最大孔径:0.29μm
空隙率:72%
水接触角:103°(中空糸膜外側表面)
(2)中空糸膜モジュールの作製
上記で得られたPVDF製の中空糸膜用いて、図1に示した構造の中空糸膜モジュールを作製した。
長さ15cmに切出した中空糸膜20本を束ねて糸束とし、ハウジング内に収納した。接着樹脂として熱硬化性のエポキシ樹脂を使用し、遠心接着により接着樹脂層を形成して、上記の膜束をハウジング内に接着固定した。
以上の操作により、中空糸膜の有孔長(接着樹脂層中に埋没していない部分の長さ)8cm、中空糸膜内表面の合計面積34cmの中空糸膜モジュールを作製した。
(3)中空糸膜への疎水化ポリマーの付着(膜蒸留用膜モジュールの作製)
フロロテクノロジー社製のフッ素樹脂系撥水剤「FS-392B」(ポリマー濃度0.15質量%)の溶媒を留去して3倍に濃縮し、ポリマー濃度0.45質量%の濃縮撥水剤を得た。得られた濃縮撥水剤を、シリンジにより、中空糸膜モジュールの被処理水入口から中空糸の中空部内に注入した。この注入操作は、中空糸膜の内側表面の全体が上記の撥水剤で濡れて、撥水剤が中空糸膜の外側に染み出るまで継続して行った。次いで、余分の撥水剤を中空糸膜モジュールから除去した後、中空糸膜の中空部に25℃の乾燥空気を流して周や乾燥することにより、中空糸膜の全体が疎水化された膜蒸留用膜モジュールを作製した。
膜蒸留用膜モジュールは、5個作製し、1個を圧損の測定用に、3個を膜蒸留の実施様に、1個をモジュールの寿命の評価用に、それぞれ用いた。
実施例1で得られた膜蒸留用膜モジュール中の中空糸膜の走査型電子顕微鏡(SEM)像を、図3に示す。図3(a)は中空糸膜断面の画像であり、画像の左上が中空糸外側、右下が内側である。図3(b)は、図3(a)の中空糸膜の内側表面近傍の拡大画像であり、図3(c)は、図3(a)の中空糸膜の外側表面近傍の拡大画像である。図3(d)は、中空糸膜内表面のSEM像であり、図3(e)は、中空糸膜外表面のSEM像である。
(4)膜蒸留用膜モジュールの圧損測定
上記で得られた膜蒸留用膜モジュールを用い、図4に示した装置を構成して、膜蒸留用膜モジュールの圧損を測定した。
図4の装置は、水蒸気取出口を閉塞した膜蒸留用膜モジュール(100)を用い、ポンプ(P)により、水タンク(700)中の水を、被処理水入口から入れて膜蒸留用膜モジュール(100)の中空糸膜の中空部を通過させて被処理水出口から取り出し、水タンク(700)に戻して循環させることができる。ここで、膜蒸留用膜モジュール(100)の入口側及び出口側には、それぞれ、圧力計(PM)が設置されており、各箇所の液圧を測定することができる。
測定は、25℃にて行った。
図4の装置により、膜蒸留用膜モジュールの中空糸の中空部に、線速を変量して水を流して、入口側及び出口側の液圧を調べ、その差を圧損として、各線速及び各レイノルズ数における圧損の値を求めた。ここで、レイノルズ数は、25℃における純水の密度997kg/m及び粘度0.00089Pa・sを用いて計算した。
結果を、図5に示す。図5には、流れが層流であるとき、及び乱流であるときの圧損の理論カーブを合わせて示す。
図5に見られるとおり、実施例1の膜蒸留用膜モジュールの圧損は、レイノルズ数1,000以下では層流の理論カーブとよく一致し、レイノルズ数1,500以上では乱流の理論カーブとよく一致した。この結果は、レイノルズ数が概ね2,300以下では層流になるという、従来の定説と異なるものである。
(5)膜蒸留の実施
上記で得られた膜蒸留用膜モジュールを、図2に示す膜蒸留装置に組み込んで、膜蒸留を実施した。
被処理水としては、駿河湾の沖合2kmの地点で水深1mから採取した海水を使用した。スケールのモデル化合物としては、海水濃縮時の主要なスケール成分であるCaCOについて、計算を行った。
上記被処理水1,000gを使用し、膜蒸留用膜モジュールの中空糸膜の中空部分を約217mL/分の流量で循環させた。被処理水の温度は、膜蒸留用膜モジュールの入口側で90℃に維持されるように調整した。
膜蒸留運転を約24時間継続した。このときの水蒸気フラックス、塩漏れフラックス、及び塩阻止率を、表2に示す。
水蒸気フラックスは、上記数式(9)により求めた。
塩漏れフラックスJst(g/m・h)は、下記数式(13)~(14)により求めた。
Figure 2023092086000008
{数式(11)~(13)中、Jspは膜を透過した塩(NaClを主とする海水中の無機塩)のうち、凝縮水中に移動した成分に関する塩の透過速度であり、Jsrは膜を透過した塩のうち、膜表面に析出した成分に関する塩の透過速度であり、mは凝縮水中に移動した塩の質量(kg)であり、mは膜表面に析出した塩の質量(kg)であり、Wは凝縮水の質量(kg)であり、Wは運転後に膜表面に析出した塩を洗浄する際に使用した水の質量(kg)であり、Cは凝縮水中の塩の質量パーセント濃度(wt%)であり、Cは膜表面に析出した塩を洗浄した水に含まれる塩の質量パーセント濃度(wt%)であり、Aは中空糸膜内側の膜面積(m)であり、Tは運転時間である。}
また、塩阻止率rは、下記数式(16)~(18)により求めた。
Figure 2023092086000009
{数式(16)~(18)中、C は透過水中の塩濃度であり、上記のmとmとの和である真の塩透過量m を凝縮水量Wで除して得られる量であり、Cは被処理水中に含まれる塩の質量パーセント濃度(wt%)である。}
約24時間の運転終了後、膜蒸留用膜モジュールを取り出して、図6に示す装置に装着した。
塩酸タンク(800)中に、洗浄液としての0.1Mの塩酸50mLを充填し、ポンプ(P)により、100mL/minの流量にて、膜蒸留用膜モジュール(100)の中空糸の中空部分に1分間流通させた。1分間の流通後、洗浄液をフレッシュな塩酸に交換して、再度1分間の流通を行い、同様の操作を合計5回繰り返して行った。
流通後の洗浄液5回分を1つにまとめ、ICP-OES分析装置(日立ハイテクサイエンス株式会社製、「SPS6100」)により、液中のカルシウムイオン濃度を測定した。
そして、得られた値を用いて、下記数式(19)及び(20)により、スケール(CaCO)析出量N(mg/m・h)を算出した。
Figure 2023092086000010
{数式(19)及び(20)中、mはスケール(CaCO)の析出量(g)であり、Wは洗浄液の総質量(g)であり、Cは洗浄液中のカチオン(Ca2+)の質量パーセント濃度(wt%)であり、Mはスケール(CaCO)の分子量(g/mol)であり、Mはカチオン(Ca2+)の式量(g/mol)であり、Aは中空糸膜内側の膜面積(m)であり、Tは運転時間である。}
また、上記で得られた数値、膜蒸留装置の運転時に膜蒸留用膜モジュールの中空糸膜の中空部を通過する被処理水の線速、並びに90℃における海水の密度991kg/m及び粘度0.000345Pa・sから、レイノルズ数を計算した。
上記の膜蒸留運転及びその後の評価を、それぞれフレッシュな膜蒸留用膜モジュールを用いて3回行ったときの、被処理水の線速及びレイノルズ数の平均値を表1に、水蒸気フラックス、塩漏れフラックス、塩阻止率、及び析出CaCO量を表2に、平均値及び公算誤差により、それぞれ示した。
実施例1の膜蒸留用膜モジュールを用いて、レイノルズ数1,164±1、及び被処理水の線速0.5961±0.0003m/sの条件下で膜蒸留運転を行うと、析出CaCO量は0.45±0.06mg/m・hであり、スケールがほとんど析出しないことが検証された。
(6)寿命の測定
膜蒸留用膜モジュールの残りの1個を用いて、膜蒸留用膜モジュールの寿命の評価を行った。
先ず、上述の膜蒸留運転で得られた評価結果を用いて、中空糸の長さLが、内径の2,000倍である中空糸膜を使用したときの圧損を計算したところ、18.3kPaであった。この計算には、乱流のときの圧損に関する上記数式(8)を用いた。なお、この計算は、モジュールのスケールアップを想定したものである。
そして、被処理水入口の液圧が18.3kPaになるように調節した他は、上記と同じ条件で、24時間の膜蒸留運転を行い、水蒸気フラックスの初期値を測定した。24時間の運転後、原料液を交換し、中空糸膜の洗浄を行わず、同じ条件で24時間の膜蒸留運転を行った。この操作を繰り返し、運転時間が合計1,000時間になるまで、膜蒸留の運転を継続した。
1,000時間運転後の水蒸気フラックスを測定し、初期値と比較して、以下の基準で評価した。
A:1,000時間運転後の水蒸気フラックスが初期値の70%以上であったとき
B:1,000時間運転後の水蒸気フラックスが初期値の50%以上70%未満であったとき
C:1,000時間運転後の水蒸気フラックスが初期値の50%未満であったとき
実施例1では、1,000時間運転後の水蒸気フラックスが初期値の84%であり、極めて良好な結果であった。
《実施例2~4、並びに比較例1,2、及び4》
被処理水の流量を表1に記載のとおりとした他は、実施例1と同様に膜蒸留用膜モジュールを作製し、各種の評価を行った。
結果を、表1及び表2に示す。
なお、比較例4における寿命の評価時には、運転累積時間が450時間になったときに中空糸膜のウェッティングが起こり、被処理水が透過水側に混入し始めたため、その時点で運転を停止した。
《実施例5》
中空糸膜の内径を1.02mm、外径を1.83mmに調整した他は、実施例1と同様にして膜蒸留用膜モジュールを作製した。
実施例5で得られた膜蒸留用膜モジュール中の中空糸膜の走査型電子顕微鏡(SEM)像を、図7に示す。図7(a)は中空糸膜断面の画像であり、画像の左上が中空糸外側、右下が内側である。図7(b)は、図7(a)の中空糸膜の内側表面近傍の拡大画像であり、図7(c)は、図7(a)の中空糸膜の外側表面近傍の拡大画像である。図7(d)は、中空糸膜内表面のSEM像であり、図7(e)は、中空糸膜外表面のSEM像である。
得られた膜蒸留用膜モジュールの圧損を、実施例1の「(4)膜蒸留用膜モジュールの圧損測定」と同様にして測定した。
結果を、図8に示す。図8には、流れが層流であるとき、及び乱流であるときの圧損の理論カーブを合わせて示す。
図8に見られるとおり、実施例5の膜蒸留用膜モジュールの圧損は、レイノルズ数1,000以下では層流の理論カーブとよく一致し、レイノルズ数1,500以上では乱流の理論カーブとよく一致した。
得られた膜蒸留用膜モジュールを用い、被処理水の流量を214mL/minに設定した他は実施例1と同様にして膜蒸留運転を行い、各種の評価を行った。
結果を、表1及び表2に示す。
《実施例6及び比較例3》
被処理水の流量を表1に記載のとおりとした他は、実施例1と同様に膜蒸留用膜モジュールを作製し、各種の評価を行った。
結果を、表1及び表2に示す。
Figure 2023092086000011
Figure 2023092086000012
10 ハウジング
11 被処理水入口
12 被処理水出口
13 水蒸気取出口
20 中空糸膜
30 接着樹脂層
100 膜蒸留用膜モジュール
200 凝縮器
300 蒸留水タンク
400 海水供給タンク
500 蒸留水一時貯蔵タンク
600 蒸留水サンプリングタンク
700 水タンク
800 塩酸タンク
1000 造水装置
CM 導電度計
CW 冷却水
H ヒーター
LM レベル計
P ポンプ
P1 蒸留水供給ポンプ
P2 供給循環ポンプ
P3 蒸留水取出しポンプ
PM 圧力計
TM 温度計
V 真空ポンプ
W 秤
Water 水

Claims (8)

  1. 不揮発性溶質を含有する被処理水を膜蒸留して、被処理水を濃縮すること及び精製水を得ることのうちの少なくとも一方を含む、膜蒸留装置の運転方法であって、
    前記膜蒸留に用いる膜が中空糸膜であり、前記被処理水を前記中空糸膜の内側に流通させて膜蒸留が行われ、
    前記中空糸膜の内側を流通する被処理水のレイノルズ数を1,100以上とし、かつ、
    前記中空糸膜の内側を流通する被処理水の線速を3.5m/s以下とする、
    運転方法。
  2. 前記中空糸膜の内側を流通する被処理水のレイノルズ数を7,000以下とする、請求項1に記載の運転方法。
  3. 前記中空糸膜の内側を流通する被処理水のレイノルズ数を2,300以下とする、請求項2に記載の運転方法。
  4. 前記中空糸膜の内側を流通する被処理水の線速を0.4m/s以上2.0m/s以下とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の運転方法。
  5. 前記中空糸膜の外側を減圧にする、請求項1~4のいずれか一項に記載の運転方法。
  6. 前記中空糸膜が疎水性である、請求項1~5のいずれか一項に記載の運転方法。
  7. 前記不揮発性溶質が、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、タンパク製剤、糖、ワクチン、核酸、抗生物質、ビタミン、界面活性剤、抗体薬物複合体(ADC)、及び無機塩から選択される1種又は2種以上を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の運転方法。
  8. 前記中空糸膜が、複数の中空糸膜によって構成される中空糸糸束を有する膜モジュール中の中空糸である、請求項1~7のいずれか一項に記載の運転方法。
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