JP2023092053A - 投資信託の運用シミュレーション支援方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】投資信託などの信託の運用実績のシミュレーションにおいて、複利運用による効果が理解しやすいシミュレーション結果を表示する方法を提供する。【解決手段】方法は、基準価額、分配金及び投入する元金を設定し、投入する元金で購入可能な投資信託の口数を算出し、投資信託の保有口数に購入口数を累積加算し、受取可能分配金及び投資信託の保有口数の時価を算出し、分配金で購入可能な投資信託の口数を再投資購入口数として算出し、累積加算した保有口数に再投資購入口数を加算した口数を、次の所定期間における保有口数として算出する計算方法と、元金、累積加算した保有口数、取得する分配金および時価を表示画面における表示領域に表示画面の一方向に並べて表示し、次の所定期間における算出結果に基づいて、投入する元金、保有口数、取得する分配金及び時価を一方向と直交する直交方向に偏位させた表示領域に表示する表示方法と、を備える。【選択図】図1
Description
特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年4月2日に頒布された刊行物「一生お金に困らない!世界一カンタンなほったらかし投資」
本発明は、投資信託のような信託の運用実績のシミュレーション結果を表示する方法に関するものである。
従来から、種々のファンドに投資して分配金を得る投資信託は広く知られている。これらの投資信託は一時金または積立金である元金に対する配当を分配金として一定期間ごと、例えば1年または半年ごとに1回受領するのが一般的である。
しかし、寿命の延びに伴い、年金を充実させたい要求があるので、分配金を複利で運用することが考えられる。近年、投資信託の運用シミュレーションサービスを提供するWebサイト等も存在するが、積立金額や積立期間、想定利回りなどの入力を基に、最終金額を表示するだけ等の簡易的なものであり、分配金で投資信託を再購入する運用における複利効果や基準価額、分配金等の変動の影響がわかりにくい。ファンドの価格は景気等の要因で変動するから、複利での運用では大きな損失が出る不安もあり、特に個人客には理解されにくい。そこで、本発明では、複利による運用でも、ファンドの価格変動にかかわらず十分利益が出せることを理解させうる投資信託の運用シミュレーションを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る投資信託の運用シミュレーション支援方法は、
コンピュータ上で動作する表計算システムを用い、
(1)単位口数当たりの基準価額および単位口数当たりの分配金を設定し、
(2)投入する元金を設定し、
(3)前記単位口数あたりの基準価額に基づいて、前記投入する元金で購入可能な投資信託の口数を購入口数として算出し、
(4)前記投資信託の保有口数に前記購入口数を累積加算し、
(5)前記投資信託の所定期間の運用による分配金であって、前記単位口数当たりの分配金および前記投資信託の保有口数に基づいて、受取可能分配金を算出し、
(6)前記単位口数あたりの基準価額に基づいて、前記投資信託の保有口数の時価を算出し、
(7)前記所定期間の次の所定期間における単位口数あたりの基準価額に基づいて、前記分配金で購入可能な投資信託の口数を、再投資購入口数として算出し、前記累積加算した保有口数に前記再投資購入口数を加算した口数を、次の所定期間における保有口数として算出する、計算方法と、
前記元金、前記累積加算した保有口数、前記取得する分配金および前記時価を表示画面における表示領域に表示画面の一方向に並べて表示し、
次の所定期間において実行した前記(1)~(7)の結果に基づいて、投入する元金、保有口数、取得する分配金および時価を前記一方向と直交する直交方向に偏位させた表示領域に表示する、表示方法と、を備える。
コンピュータ上で動作する表計算システムを用い、
(1)単位口数当たりの基準価額および単位口数当たりの分配金を設定し、
(2)投入する元金を設定し、
(3)前記単位口数あたりの基準価額に基づいて、前記投入する元金で購入可能な投資信託の口数を購入口数として算出し、
(4)前記投資信託の保有口数に前記購入口数を累積加算し、
(5)前記投資信託の所定期間の運用による分配金であって、前記単位口数当たりの分配金および前記投資信託の保有口数に基づいて、受取可能分配金を算出し、
(6)前記単位口数あたりの基準価額に基づいて、前記投資信託の保有口数の時価を算出し、
(7)前記所定期間の次の所定期間における単位口数あたりの基準価額に基づいて、前記分配金で購入可能な投資信託の口数を、再投資購入口数として算出し、前記累積加算した保有口数に前記再投資購入口数を加算した口数を、次の所定期間における保有口数として算出する、計算方法と、
前記元金、前記累積加算した保有口数、前記取得する分配金および前記時価を表示画面における表示領域に表示画面の一方向に並べて表示し、
次の所定期間において実行した前記(1)~(7)の結果に基づいて、投入する元金、保有口数、取得する分配金および時価を前記一方向と直交する直交方向に偏位させた表示領域に表示する、表示方法と、を備える。
上記方法によれば、分配金で保有口数を増加させることができるから、購入した投資信託の基準価額が上昇した場合は、その分だけ時価が上昇する一方で、低下した場合には分配金で取得できる口数が増すことになり、時価は低下しない。また、将来の基準価額の上昇により時価は大きく上昇することが期待される。
本発明において、前記一方向は表示画面の横方向であって、前記直交方向は前記表示画面の縦方向であってもよい。これによれば、運用シミュレーション結果の時系列が上下方向に表示されるので、直感的に確認しやすく、表示領域が縦長になった場合にも表示画面のスクロールに合わせて運用シミュレーション結果の推移を視認し易い。
本発明において、前記基準価額および前記分配金は前記所定期間ごとに変更可能であるとしてもよい。これによれば、購入対象の投資信託の基準価額や分配金が期間の経過とともに変動した場合における計算結果を、さまざまなパターンに対しても容易に確認できる。
本発明において、前記計算方法における前記投入する元金は、一時金として投入する元金と、積立金として投入する元金のいずれでもよい。これによれば、投入する元金は、運用開始時やボーナス支給時等に一括でまとまった元金を投入する場合や、所定の期間ごとに一定の金額を継続して投入する場合や、それらの場合の組合せなどの典型的なパターンにおいて、それぞれの元金を別個に設定および表示することができるので、どのようなパターンで元金を投入したのかが容易に確認でき、それによる効果も容易に理解できる。
本発明において、前記受取可能分配金を受け取るか、受け取らずに投資信託の購入に再投資するかを、所定期間ごとにフラグを設定して管理可能としてもよい。これによれば、任意の所定期間において、前記受取可能分配金の使途を容易に設定できるので、一定の年限から分配金を受け取った場合の受取金額や資産の状況が容易に確認できる。
本発明の投資信託の運用シミュレーション支援方法によれば、受取可能分配金を再投資して投資信託の購入に充てて投資信託の口数を複利で運用する場合に、投入した元金の累計額、投資信託の保有口数とその時価、受取可能分配金など複雑な計算が必要となる項目を、運用シミュレーション期間における所定期間ごとに一方向に並べて表示画面に表示することにより、口頭での説明に比べて、複利で運用することによる有利な効果を容易に確認できる。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。図1および図2は元金(元本)を一時金払いとして投入する場合(複利運用)に本発明の表示方法によって表示される表示画面を示す。入力はコンピュータに対して手動でなされ、計算および表示はコンピュータ上で実行される。運用シミュレーション期間は15年間とし、1~10年目を図1に、11~15年目を図2に示す。この実施形態においては、所定期間を一カ月としているが、四半期や一年としてもよく、その他の任意の期間であってもよい。
図1に示す1年目の開始月において一時金として元金100万円(C欄)を投入する。1年目の開始月から10年目の満了月までは、受取可能分配金を受け取らずに投資信託の購入に充てて、11年目の開始月から15年目の満了月までは、受取可能分配金を受け取るとする運用をシミュレーションする。
以下の実施形態においては、シミュレーションの前提となる設定および、シミュレーションの結果は、コンピュータ上で動作する表計算システムにおいて表形式で表示される。シミュレーションの項目は表の各列に、所定期間ごとのシミュレーション結果として表の各行に表示される。
シミュレーションの実施にあたり、まず、運用シミュレーション期間における、運用する投資信託の銘柄の単位口数あたりの基準価額と、単位口数の投資信託を所定期間において運用した結果支払われる分配金とを設定する。設定した基準価額および分配金をそれぞれA列およびB列に表示する。前記基準価額および前記分配金は、現状の銘柄の基準価額および現状の分配金を参考にして適宜設定される。ここでは、基準価額を2600円、分配金を30円の一定値としている。
次に、購入する投資信託の購入手数料率と消費税率を設定する。設定した購入手数料率と消費税率をそれぞれE列およびF列に表示する。ここでは、購入手数料率を3%、購入手数料にかかる消費税率を10%の一定値としている。
次に、投資信託の運用によって得られる分配金に対する税率を設定する。設定した税率をI列に表示する。ここでは、税率を20.315%の一定値としている。
次に、投入する元金を入力する。一時金として投入する元金はC列に、積立として投入する元金はD列に表示する。1年目の開始月において一時金として投入する元金100万円は、C列の1行目に表示される。
設定した前記基準価額A、前記購入手数料率Eおよび前記消費税率Fに基づいて、設定した元金100万円で購入可能な投資信託の口数が保有口数として算出される。翌月以降は、受取可能分配金で投資信託を購入するので、保有口数は漸次増加する。一方、11年目から分配金を毎月受け取る図2においては、元金の追加投入もなく、また、受取可能分配金で投資信託を購入しないので、年金として受け取る保有口数Gは一定値のままである。
図1において、保有口数Gが算出されると、保有する投資信託の時価が、前記基準価額に前記保有口数を乗じた値として算出できる。算出した時価をL列に表示する。
次の所定期間(翌月)における保有口数Gおよび時価Lは、直前の所定期間における保有口数Gならびに次の所定期間において設定された基準価額A、分配金Bおよび投入する元金Cに基づいて算出される。次の所定期間における保有口数Gは、直前の所定期間における保有口数Gに、前記次の所定期間における基準価額に基づいて前記次の所定期間に投入する元金C(この場合はゼロ)で購入可能な口数を累積加算した口数に、さらに、直前の所定期間における受取可能分配金で購入可能な口数を加算した口数である。前記次の所定期間における時価Lは、前記次の所定期間における基準価額Aに前記次の所定期間における保有口数Gを乗じた値である。
前記次の所定期間のさらに次の所定期間においても、同様に設定および算出を行い、表示画面のさらに下方に偏位させた表示領域に表示する。運用シミュレーション期間が満了するまで、これら設定、算出および表示を繰り返す。これにより、運用シミュレーション期間内のそれぞれの所定期間における、投資実績のシミュレーション結果を表示する。
次に、所定期間だけ保有口数Gの投資信託を運用したときに支払われる受取可能分配金が算出される。税引前の受取可能分配金を、前記分配金に前記保有口数を乗じた値として算出し、H列に表示する。また、税引前の受取可能分配金と前記受取可能分配金に課される税率とに基づいて、税引後の受取可能分配金を算出し、J列に表示する。
K列には、累計投資元本が表示される。この累計投資元本は、運用開始当初からその行に対応する所定期間までの間に投入した元金の総和として算出される。この実施形態においては、1年目の開始月において元金100万円が投入され、以降は元金の投入がされないので、K列には100万円の一定値が表示される。
M列においてフラグを設定し、運用シミュレーションにおいて受取可能分配金を受け取るか、または投資信託の購入に充てて再投資するかを管理する。M列には値1または2のいずれかが設定可能であり、値1が設定された場合には、当該所定期間における受取可能分配金を受け取り、値2が設定された場合には、当該所定期間における受取可能分配金を投資信託の購入に充てる。図1においては値2が、図2においては値1が設定されている。
N列には、運用開始当初からその行に対応する所定期間までの間に受け取った分配金の総和が算出され、累計受取分配金が表示される。この実施形態においては、1年目の開始月から10年目の満了月までは受取可能分配金を受け取らないので、図1においては0円の一定値が表示される。一方、11年目の開始月から15年目の満了月までは受取可能分配金を受け取るので、図2においては、N列には累計受取分配金として、J列に表示される税引後分配金を累計した値が表示される。
O列には、L列に表示した時価とN列に表示した累計受取分配金との和を表示する。K列に表示する累計投資元本と、O列に表示する「時価+累計受取分配金」とを比較することにより、投資した資金に対して得られたリターンが確認できる。
前記数値A~Oは、表示画面における表示領域に一方向である横方向に並べて表示する。次の所定期間(翌月)においても基準価額、分配金、元金、保有口数および時価を同様に設定または算出し、表示画面における表示領域であって前記一方向と直交方向である下方に偏位させた表示領域に一方向に並べて表示する。
図3は、図1において一定値とした基準価額を、年あたり100円だけ減少するように設定した実施形態を示す。一カ月の所定期間ごとの基準価額が算出され、A列に設定される。10年経過時における累計投資元本(K列)と、「時価+累計受取分配金」(O列)との比較によって、購入した投資信託の基準価額が下落した場合でも、投資額を上回る時価の投資信託を保有していることが容易に確認できる。
図4は、図1において1年目の開始月において一時金として100万円を投入する代わりに、1年目の開始月から10年目の満了月まで毎月2万円だけ元金を積立として投入するように入力した実施形態を示す。「元金(積立)」を表すD列の各行に2万円が表示され、累計投資元本を表すK列には、その各行に対応する所定期間までのD列の値の累計が表示される。この実施形態においても、K列とO列の比較により、投資した資金に対して得られたリターンが確認できる。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
本発明に係る運用シミュレーション支援方法を実行するコンピュータは、中央演算処理装置(CPU)、主記憶装置、補助記憶装置、入力装置および出力装置を含む情報処理装置であってもよい。運用シミュレーション支援方法を実行するシステムは、不揮発性の記憶装置である補助記憶装置に格納され、実行時に主記憶装置上に配置されるプログラムであってもよい。
前記プログラムは、本発明に係る計算方法における一連の手順(ステップ)と、表示方法における一連の手順とを、コンピュータに実行させるためのプログラムであってもよい。前記情報処理装置は、前記計算方法で計算する計算手段と、前記表示方法で表示する表示手段とを備えてもよい。前記情報処理装置は、さらに、入力された情報を保持する入力情報保持手段を備えてもよい。
さらに、本発明に係る運用シミュレーション支援方法を実行するシステムは、例えば、ローカルコンピュータにおいて動作し、このローカルコンピュータと直接接続される表示画面に表示されるシステムのほかに、ネットワーク上のコンピュータによって動作するシステムであってもよい。このようなシステムとしては、SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)として提供されるクラウドベースのスプレッドシート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、表計算システムは、既存のソフトウェアであってもよいが、これらに限定されるものではなく、本発明の計算方法および表示方法を備えるソフトウェアとして実装されてもよい。
Claims (5)
- コンピュータ上で動作する表計算システムを用いた、信託された元金を運用して分配金を生み出す投資信託の運用シミュレーション支援方法であって、
(1)単位口数当たりの基準価額および単位口数当たりの分配金を設定し、
(2)投入する元金を設定し、
(3)前記単位口数あたりの基準価額に基づいて、前記投入する元金で購入可能な投資信託の口数を購入口数として算出し、
(4)前記投資信託の保有口数に前記購入口数を累積加算し、
(5)前記投資信託の所定期間の運用による分配金であって、前記単位口数当たりの分配金および前記投資信託の保有口数に基づいて、受取可能分配金を算出し、
(6)前記単位口数あたりの基準価額に基づいて、前記投資信託の保有口数の時価を算出し、
(7)前記所定期間の次の所定期間における単位口数あたりの基準価額に基づいて、前記分配金で購入可能な投資信託の口数を、再投資購入口数として算出し、前記累積加算した保有口数に前記再投資購入口数を加算した口数を、次の所定期間における保有口数として算出する、
計算方法と、
前記元金、前記累積加算した保有口数、前記取得する分配金および前記時価を表示画面における表示領域に表示画面の一方向に並べて表示し、
次の所定期間において実行した前記(1)~(7)の結果に基づいて、投入する元金、保有口数、取得する分配金および時価を前記一方向と直交する直交方向に偏位させた表示領域に表示する、表示方法と、
を備えることを特徴とする、表計算システムを用いた投資信託の運用シミュレーション支援方法。 - 請求項1に記載の運用シミュレーション支援方法において、前記表示方法における前記一方向は表示画面の横方向であり、前記直交方向は前記表示画面の縦方向である、運用シミュレーション支援方法。
- 請求項1または2に記載の運用シミュレーション支援方法において、前記計算方法における前記単位口数あたりの基準価額および分配金は前記所定期間ごとに変更可能である、運用シミュレーション支援方法。
- 請求項1または3に記載の運用シミュレーション支援方法において、前記計算方法における前記投入する元金は、一時金として投入する元金と、積立金として投入する元金とからなる、運用シミュレーション支援方法。
- 請求項1から4のいずれか一項に記載の運用シミュレーション支援方法において、前記受取可能分配金を受け取るか、受け取らずに投資信託の購入に再投資するかを管理するフラグを設定可能な、運用シミュレーション支援方法。
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