JP2023091210A - 水洗大便器 - Google Patents

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Abstract

【課題】機能部を取り付ける際の作業性と、取り付け後の意匠性との両立を図ることができる水洗大便器を提供する。【解決手段】水洗大便器1は、機能部(便座装置110の機能部113)を有する便器装置100に備えられる。水洗大便器1は、便鉢部10と、取付部20と、外周壁部30とを備えている。取付部20は、便鉢部10の後方に拡がり、機能部が取り付けられる。外周壁部30は、水洗大便器1の設置状態において、便鉢部10及び取付部20を前後左右の全周に渡って包囲している。外周壁部30は、設置状態において設置面となる床面上に配置される。外周壁部30は、後方及び上方に開放された開口34を後部に形成している。開口34には、機能部に接続される給水ホースH及び電源コードCが配置される。【選択図】図3

Description

本開示は、水洗大便器に関するものである。
特許文献1は従来の水洗大便器を開示している。この水洗大便器は、衛生洗浄装置におけるケーシングが上面後部に取り付けられる。ケーシング内には水洗大便器における機能部が収納されている。水洗大便器の上面には貫通孔が形成されている。貫通孔には、衛生洗浄装置における機能部から延びる給水管、電源コード等の接続部品が配置される。この水洗大便器を備えた便器装置は、衛生洗浄装置を取り付けた状態において接続部品が外部に露出しないので、意匠的に見栄えがよくなる。
特開2018-031221号公報
特許文献1の水洗大便器は、衛生洗浄装置の取り付け時において接続部品を貫通孔に貫通させる作業を必要とするため、施工性がよいとは言い難い。このような貫通孔を形成することなく接続部品を引き出すには、衛生洗浄装置における機能部の外周縁を便器の外周縁からオーバーハングさせたり、接続部品を機能部の側面から引き出したりすることが考えられる。しかしこれらの場合、衛生洗浄装置取り付け後の意匠性の低下が懸念される。
本開示は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、機能部を取り付ける際の作業性と、取り付け後の意匠性との両立を図ることができる水洗大便器を提供することを解決すべき課題としている。
上述した課題を解決するために、本開示の一実施形態に係る水洗大便器は、機能部を有する便器装置に備えられる水洗大便器であって、便鉢部と、前記便鉢部の後方に設けられ、前記機能部が取り付けられる取付部と、設置状態において、前記便鉢部及び前記取付部を前後左右の全周に渡って包囲しており、床面上に配置される外周壁部と、を備えて一体に形成した陶器製であり、前記外周壁部は、後方及び上方に開放された開口を後部に形成しており、前記開口は、前記取付部に前記機能部が取り付けられた状態において、前記機能部に接続される給水ホース及び電源コードの少なくとも一方が配置される。
実施形態1に係る水洗大便器を備えた便器装置を示す斜視図である。 実施形態1に係る水洗大便器を備えた便器装置を示す背面図である。 実施形態1に係る水洗大便器を備えた便器装置を示す分解斜視図である。 実施形態1に係る水洗大便器を示す平面図である。 図4のV-V線相当断面図であり、要部を拡大して示す。 他の実施形態に係る水洗大便器を示す要部拡大平面図である。
<実施形態1>
実施形態1に係る水洗大便器1は、図1及び図2に示す便器装置100に備えられている。便器装置100は、この水洗大便器1と、水洗大便器1の上方に配置される便座装置110とを備えている。以下の説明において、前後、左右、上下の各方向は、便座装置110に正規に着座した状態で便器装置100を使用する使用者から見た前後、左右、上下方向である。各図に示すX軸、Y軸、及びZ軸は、それぞれ前後方向、左右方向、及び上下方向を表す。X軸、Y軸、及びZ軸において、各軸の正方向は、それぞれ前方、左方、及び上方である。
図3に示すように、便座装置110は、便座111、便蓋112、及び機能部113を有している。機能部113は、水洗大便器1における後述する取付部20に取り付けられている。機能部113は、便座111及び便蓋112を回転自在に支持している。機能部113は、便座111及び便蓋112の自動開閉装置、局部洗浄装置、暖房便座装置、脱臭装置、人体検知装置、便器洗浄装置等の図示しない機能部品を内部に収納している。機能部113には、給水、給電を行うための給水ホースH及び電源コードCが接続されている。給水ホースH及び電源コードCは、機能部113の下面後端部における左右中央部に接続されている。給水ホースH及び電源コードCは、機能部113の下面において前後方向に並んで延びている。機能部113の後面は、便座装置110を水洗大便器1に取り付けた際に、水洗大便器1における後述する外周壁部30の後壁部33と面一をなすように形成されている。換言すると、機能部113の後面は、便座装置110が水洗大便器1に取り付けられた状態において、水洗大便器1における外周壁部30の後壁部33がなす曲面と滑らかに繋がっているように見える曲面で形成されている。
図3及び図4に示すように、水洗大便器1は、便鉢部10、取付部20、外周壁部30、及び上面部40を備えている。水洗大便器1は、これら便鉢部10、取付部20、外周壁部30、及び上面部40を一体に形成した陶器製である。便鉢部10は、上端部が楕円状に開口した椀形状である。便鉢部10の下端には、一体に形成されたトラップ部11が連なっている。便鉢部10の上端縁からは、上面部40が横方向に拡がっている。取付部20は、便鉢部10の後方に設けられている。上面部40及び取付部20の上面は、便器装置100の設置状態において、水平方向に連なる平坦面をなしている。取付部20には、便座装置110における機能部113が取り付けられる。
外周壁部30は、便鉢部10及び取付部20を前後左右の全周に渡って包囲する。外周壁部30は、上端部において、上面部40の外縁部に接続されて下方に延びている。外周壁部30の下端部は、水洗大便器1の設置状態において、設置面となる床面上に配置される。図4に示すように、外周壁部30は、前壁部31、左右壁部32L,32R、及び後壁部33を有している。外周壁部30は、これら前壁部31、左右壁部32L,32R、及び後壁部33の外周面を全周に渡って一連の曲面で形成した凹凸のない流麗な意匠をなしている。図3に示すように、外周壁部30の下端部は、全周に渡って、内側方向に凹んだ段差状をなしている。
図3及び図4に示すように、水洗大便器1は収納空間Sを形成している。収納空間Sは、便鉢部10の後方において外周壁部30に囲まれた空間である。収納空間Sは、便器洗浄装置等の便器装置100における図示しない機能部品、排水接続管等を収納する。収納空間Sは上方及び下方に開放されている。収納空間Sの上側開口は、取付部20に対して便座装置110の機能部113が取り付けられることによって機能部113に閉塞される。収納空間Sの下側開口は、水洗大便器1が設置面となる床面に配置されることによって床面に閉塞される。
図3から図5に示すように、外周壁部30は開口34を形成している。開口34は、外周壁部30の後部としての後壁部33に形成されている。開口34は、後壁部33の上端部に形成されている。開口34は、後方及び上方に開放された形態である。具体的には、図4及び図5に示すように、開口34は、後方に開口する第1開口34Aと、この第1開口34Aの上端に連なって上方に開口する第2開口34Bと、を有している。第1開口34Aは、後壁部33における後面を開口面として開口している。第2開口34Bは、後壁部33の上端面を開口面として開口している。本実施形態の場合、開口34は、第1開口34Aの上下方向の長さと、第2開口34Bの前後方向の長さとを同等に形成されている。
本実施形態の場合、開口34は、後壁部33における左右の中心に形成されている。図2に示すように、開口34は、後方から見た背面視においては、後壁部33の上端縁が下方に窪んだ凹状をなしている。図4に示すように、開口34は、上方から見た平面視においては、後壁部33の後端縁が前方に窪んだ凹状をなしている。図5に示すように、開口34には内壁部35が設けられている。内壁部35は、開口34における第1開口34Aの前側に配置されている。内壁部35は、上方に向かうにつれて前方に傾斜している。内壁部35は、開口34における第2開口34Bの下側に位置している。水洗大便器1は、内壁部35が設けられていることによって、後方から見た背面視において開口34から収納空間Sを視認不能である。
上記構成の水洗大便器1の作用について説明する。水洗大便器1において、外周壁部30は、前壁部31、左右壁部32L,32R、及び後壁部33の外周面を全周に渡って一連の曲面で形成した凹凸のない流麗な美観を呈している。
水洗大便器1に対して便座装置110を組み付ける際は、機能部113を取付部20上に載せて取り付ける。機能部113の後部下面からは、給水ホースH及び電源コードCが延びている。これら給水ホースH及び電源コードCは、開口34内を介して外部に引き出される。給水ホースH及び電源コードCは、機能部113の後部下面において、水洗大便器1における開口34に対応した左右中央部から下方に延出している。このため、水洗大便器1は、従来のように給水ホースや電源コードを通すための貫通孔を取付部の上面に形成する必要がない。
例えば、給水ホースや電源コードを貫通孔に通す場合、給水ホース、電源コードの先端から順に貫通させてゆく必要があり煩雑である。これに対し、水洗大便器1における開口34は、給水ホースH及び電源コードCにおける任意の部分を配置することができるため、配索が極めて容易である。給水ホースや電源コードの先端には、通常、継手やプラグが取り付けられている。このため、従来のような貫通孔を形成する場合、貫通孔は、これら継手やプラグを通すことができる大きさで形成する必要がある。これに対し、水洗大便器1における開口34は、給水ホースH及び電源コードCの太さに合わせて形成すればよく、比較的小さな開口で十分である。
このような開口34を水洗大便器1に設けたことは、便座装置110に関して言えば、給水ホースHや電源コードCを機能部113の下面から引き出すために、機能部113の外形形状を外周壁部30に対してオーバーハング状をなすように形成する必要がない、という効果を奏する。本実施形態の場合、機能部113の後面は、図5に示すように、水洗大便器1に対して正規に組み付けられた便座装置110において、水洗大便器1における外周壁部30の後壁部33と面一をなすように形成されている。このように、便器装置100では、便座装置110における機能部113の後面を外周壁部30の後面と面一に形成したことによって、機能部113の外形形状と外周壁部30の意匠とを調和させたすっきりとした美観を実現している。
給水ホースH及び電源コードCは、平面視において前後方向に並んでいる。給水ホースH及び電源コードCは、開口34内において、前後方向及び上下方向に並んで配置される。詳細には、図5に示すように、給水ホースH及び電源コードCは、第1開口34Aを上下に並んで貫通するとともに第2開口34Bを前後に並んで貫通する形態で、開口34の内側に配置される。
開口34は、外周壁部30に形成されており、外部から視認可能である。しかし、開口34は、後壁部33における左右の中心に形成されており、水洗大便器1の前方からは視認し難い。このため、外周壁部30の外側に露出する開口34が意匠性に及ぼす影響は比較的小さい。
水洗大便器1は内壁部35を備えている。内壁部35は、開口34における第1開口34Aの前側に設けられている。これにより、水洗大便器1の背面視において、開口34から外周壁部30の内側の空間が視認されることはなく、外周壁部30の内側に配置された機能部品等が見えてしまうこともない。
以上のように、本実施形態に係る水洗大便器1は、機能部としての便座装置110の機能部113を有する便器装置100に備えられる。水洗大便器1は、便鉢部10と、取付部20と、外周壁部30とを備えている。取付部20は、便鉢部10の後方に拡がり、機能部113が取り付けられる。外周壁部30は、水洗大便器1の設置状態において、便鉢部10及び取付部20を前後左右の全周に渡って包囲している。外周壁部30は、設置状態において設置面となる床面上に配置される。外周壁部30は、後方及び上方に開放された開口34を後部に形成している。開口34には、機能部113に接続される給水ホースH及び電源コードCが配置される。
このように、水洗大便器1は、機能部113からの給水ホースH及び電源コードCを開口34に配置する構成であるため、給水ホースHや電源コードCを通すための貫通孔を取付部20の上面に形成する必要がなく、給水ホースHや電源コードCを貫通孔に通す作業も必要ない。このため、水洗大便器1は、機能部113を取り付ける際の作業性を向上させることができる。
水洗大便器1は、外周壁部30に開口34を形成したことによって、水洗大便器1は、給水ホースHや電源コードCを外周壁部30からオーバーハングさせた機能部113の下面から引き出したり、機能部113の後面から引き出したりする必要がない。このため、水洗大便器1は、機能部113の後面を外周壁部30の後面と面一とする構成を採用できる。その結果、水洗大便器1は、水洗大便器1の意匠との調和のとれた意匠を有する便座装置110を採用することができる。
したがって、水洗大便器1は、便座装置110の機能部113を取り付ける際の作業性と、取り付け後の意匠性との両立を図ることができる。
水洗大便器1は、開口34における後方に開放した第1開口34Aよりも前側に、内壁部35を備えている。このため、水洗大便器1は、開口34から外周壁部30の内側を視認不能にでき、意匠性の向上を図ることができる。水洗大便器1は、開口34から外周壁部30の内側へのゴミ等の侵入を抑制できる。
機能部としての機能部113は、その後面下端部を外周壁部30の後面上端部と面一にして配置される。このため、水洗大便器1は、機能部113との一体感を高めることができ、意匠性の向上を図ることができる。
水洗大便器1において、開口34は、後壁部33における左右の中心に形成されている。このため、水洗大便器1は、設置の際や便座装置110との組み合わせにおいて、左右の方向性なく同一仕様で使用することができる。水洗大便器1は、開口34が後壁部33における左右の中心に形成されているため、開口34は、水洗大便器1の前方から開口34を視認し難くなり、意匠性を一層高めることができる。
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
開口は、給水ホース及び電源コードの両方が配置されることは必須ではない。開口は、給水ホース及び電源コードの少なくとも一方が配置されるものであればよい。開口に給水ホース及び電源コードの両方が配置される場合、その並び方向は、左右方向であってもよい。
開口は、給水ホース及び電源コードの少なくとも一方に加えて、例えば、通気用の配管、信号線、操作用ワイヤ等、給水ホース及び電源コード以外のものが配置されてもよい。
開口が外周壁部の後部における左右の中心に形成されることは必須ではない。開口は、例えば、外周壁部の後部における左右いずれか寄りの位置に形成されていてもよい。開口の開口形状等も上記実施形態に限定されない。
水洗大便器が内壁部を備えることは必須ではない。内壁部を備える場合、その構成、形状等は上記実施形態に限定されない。内壁部は、例えば、開口における第1開口の下端縁から水平前方に延びる第1内壁部と、この第1内壁部の前端から鉛直上方に延びて第2開口の前端縁に接続される第2内壁部と、を有する形態等であることができる。
開口が第1開口及び第2開口を有する場合、第1開口及び第2開口の各開口形状は上記実施形態の形状に限定されない。
本開示に係る開口は、2つ以上形成されていてもよい。例えば、図6に示す2つの開口234,334は、後壁部33の左右の端部寄りの位置に設けられている。2つの開口234,334は、左右対称な位置に設けられている。これら2つの開口234,334には、例えば、給水ホースH及び電源コードCが個別に配置され得る。
本開示に係る機能部の構成等は上記実施形態に限定されない。機能部において、その後面下端部は、水洗大便器における外周壁部の後面上端部と面一でなくてもよい。本開示における「面一」とは、例えば、機能部の後面下端部と外周壁部の後面上端部とが±5mm程度の段差を生じている等、概ね面一であることを意図しており、厳密ないわゆる面一である必要はない。
本開示に係る「機能部」とは、衛生洗浄に係る機能の他、例えば、洗浄水タンク等の便器洗浄に係る機能、便座開閉に係る機能、便蓋開閉に係る機能等、便器装置において水及び電気の少なくとも一方が供給されることによって機能を発揮し得るもの全般を意図するものである。
1…水洗大便器、10…便鉢部、20…取付部、30…外周壁部(31…前壁部、32L,32R…左右壁部、33…後壁部)、34,234,334…開口(34A…第1開口、34B…第2開口)、35…内壁部、100…便器装置、113…機能部、C…電源コード、H…給水ホース

Claims (5)

  1. 機能部を有する便器装置に備えられる水洗大便器であって、
    便鉢部と、
    前記便鉢部の後方に設けられ、前記機能部が取り付けられる取付部と、
    設置状態において、前記便鉢部及び前記取付部を前後左右の全周に渡って包囲しており、床面上に配置される外周壁部と、
    を備えて一体に形成した陶器製であり、
    前記外周壁部は、後方及び上方に開放された開口を後部に形成しており、前記開口は、前記取付部に前記機能部が取り付けられた状態において、前記機能部に接続される給水ホース及び電源コードの少なくとも一方が配置される、水洗大便器。
  2. 後方に開放した前記開口よりも前側に内壁部を備えている請求項1に記載の水洗大便器。
  3. 前記機能部は、その後面下端部を前記外周壁部の後面上端部と面一にして配置される請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の水洗大便器。
  4. 前記開口は、前記外周壁部の後部における左右の中心に形成されている請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の水洗大便器。
  5. 前記開口は複数形成されている請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の水洗大便器。
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