JP2023090674A - タンクとドーム構造とを備える液化ガス貯蔵設備 - Google Patents

Abstract

【課題】タンク内の液化ガスの動きから保護されるドーム構造を含む密封断熱タンク、製造が簡単な構造を有するドーム構造を備えた密封断熱タンクを提案する。
【解決手段】支持構造と、支持構造内に配置された密封断熱タンクと、タンクの天井壁（１１）および上側支持壁（３）に形成された開口部（１８）を通過するドーム構造（１９）とを含む液化ガス貯蔵設備であって、ドーム構造が、厚さ方向に延在し、上側支持壁）に固定され、天井壁の密封膜（１７）に密封状態で溶接されるバレル（２２）を含み、前記バレルが、タンクの内部空間に向けられた下端（３３）と、バレルの下端を覆うようにこれに対向して配置された閉鎖プレート（２５）とを含み、貯蔵設備が、液化ガスを運搬するように意図され、ドーム構造および閉鎖プレートに形成された孔（２７、２８、２９）を貫通する少なくとも１つのパイプ（２０、２１、３１）を含む。
【選択図】図３

Description

本発明は、－５０℃から０℃の温度の液化石油ガス（ＬＰＧとしても知られる）の輸送用タンク、または大気圧で約－１６２℃の液化天然ガス（ＬＮＧ）の輸送用タンクなどの液化ガスの貯蔵および／または輸送のための密封断熱タンクを備える液化ガス貯蔵設備の分野に関する。

これらの設備は、陸上または浮体式構造上に設置されることができる。浮体式構造の場合、設備のタンクは、液化ガスの輸送用のものであるか、または浮体式構造の推進のための燃料として機能する液化ガスを受け取るためのものであってもよい。

本発明は、より具体的には、タンクの天井壁に設けられた開口を通過するドーム構造を含む液化ガス貯蔵設備に関する。

国際公開第２０１９２１５４１４号パンフレットは、運搬船の二重外殻によって形成された支持構造と、支持構造の内側に収容された密封断熱タンクとを備える液化ガス貯蔵設備を開示している。タンクの壁は、タンク内に貯蔵された液化ガスと接触するように意図された二次断熱障壁、二次密封膜、一次断熱障壁、および一次密封膜を外側から内側に連続して備える多層構造を有する。タンクの上壁は、支持構造の後壁の近傍に、液体ドームとして知られる上方に突出する直方体形状の空間を含む。タンクは、液体ドームのカバーを通過する３つの中空ポールを含み、タンクに流体を荷役するための荷役ライン、または他の荷下ろしポンプが故障した場合に緊急ポンプを降下させるための緊急用ウェルおよび荷下ろしラインのいずれかを画定する荷役塔を含む。このような液体ドームは、完全に満足できるものではない。特に、液体ドームの内側は、「スロッシング」、すなわちタンク内の貨物の動きによって動圧力を受けやすい。さらに、断熱は、液体ドームの内側に固定された断熱ブロックによって確保され、一方、液体ドームの密封は、断熱障壁に固定され、タンクの上壁の一次密封膜に密封接続された密封膜によって確保される。したがって、そのような液体ドームの構造は、製造が比較的複雑である。

国際公開第２０１９２１５４１４号パンフレット

本発明の基礎を形成する着想は、タンク内の液化ガスの動きから保護されるドーム構造を含む密封断熱タンクを提案することである。

本発明の基礎を形成する別の着想は、製造が簡単な構造を有するドーム構造を備えた密封断熱タンクを提案することである。

一実施形態によれば、本発明は、支持構造と、支持構造内に配置された密封断熱タンクとを含む液化ガス貯蔵設備であって、前記密封断熱タンクが、内部空間を有し、支持構造が、上側支持壁を備え、タンクが、上側支持壁に固定された天井壁を備え、天井壁が、タンクの外側から内側への厚さ方向に、少なくとも１つの断熱障壁と、断熱障壁によって支持され、タンク内に含まれる液化ガスと接触するように意図された少なくとも１つの密封膜とを備え、貯蔵設備が、天井壁および上側支持壁に形成された開口部を通過するドーム構造を備え、ドーム構造が、厚さ方向に延在するバレルを含み、前記バレルが、タンクの内部空間に向けられる下端と、バレルの下端を覆うようにこれに対向して配置された少なくとも１つの閉鎖プレートとを含み、閉鎖プレートが、少なくとも１つの孔を含み、貯蔵設備が、液化ガスを運搬するように意図された少なくとも１つのパイプを含み、前記パイプが、ドーム構造を通過し、閉鎖プレートに形成された孔を通過する、液化ガス貯蔵設備を提供する。

したがって、閉鎖プレートは、タンク内の液化ガスの動きからドーム構造を保護することを可能にする。

他の有利な実施形態によれば、そのような密封断熱タンクは、以下の特徴のうちの１つ以上を有することができる。

一実施形態によれば、バレルは、円形断面を有する円筒形状を有する。

一実施形態によれば、バレルは、上側支持壁に固定される。

一実施形態によれば、バレルは、天井壁の密封膜に密封して溶接される。

一実施形態によれば、ドーム構造は、例えば溶接によってバレルの上端に固定された天井を含む。

一実施形態によれば、天井は、ドーム型であり、ドーム構造がタンク内のより大きな圧力に耐えることを可能にする。

一実施形態によれば、閉鎖プレートは、バレルに固定され、パイプは、孔の内側に厚さ方向に並進自在に取り付けられる。換言すれば、閉鎖プレートは、パイプに固定されておらず、バレルに固定されており、これは、特に冷却中またはタンクの荷積み中に熱収縮を受けたときに、パイプが閉鎖プレートに対して移動することを可能にする。

一実施形態によれば、閉鎖プレートは、複数の固定要素によってバレルに固定される。

一実施形態によれば、固定要素は、一方ではバレルの内面に、他方では閉鎖プレートの上面にそれぞれ固定されるガセットである。

一実施形態によれば、ガセットは、バレルの内面に溶接され、閉鎖プレートの上面に溶接される。

別の実施形態によれば、閉鎖プレートは、少なくとも２つのガセットによってパイプに固定される。

一実施形態によれば、各ガセットは、パイプに溶接された縁部と、閉鎖プレート、例えば閉鎖プレートの上面に溶接された縁部とを含む。

一実施形態によれば、ガセットは、パイプの軸に対して半径方向に配向され、パイプの軸の周りに規則的に分布している。

一実施形態によれば、閉鎖プレートが固定されるパイプは、ドーム構造のバレルに対して中心付けられる。

一実施形態によれば、設備は、２つの閉鎖プレート間の隙間を維持するスペーサを形成する少なくとも２つの金属シートによって互いに固定された２つの閉鎖プレートを含む。

一実施形態によれば、金属シートは、補強材としても機能する。

一実施形態によれば、ドーム構造は、バレルの内部を充填し、閉鎖プレート上に載置する断熱パッキンを含む。したがって、ドーム構造の断熱は効率的であり、設置が容易である。

一実施形態によれば、メッシュは、断熱パッキンと閉鎖プレートとの間に介在する。したがって、メッシュは、断熱パッキンをバレル内に保持することを可能にする。

一実施形態によれば、断熱パッキンは、グラスウール、ロックウール、およびポリウレタンフォームなどの断熱フォームの中から選択される。

一実施形態によれば、断熱パッキンは、１つ以上の発泡体ブロックを含む。別の実施形態によれば、断熱パッキンは、噴霧された発泡体を含む。

別の実施形態によれば、ドーム構造は、支持構造の上側支持壁を越えて突出するバレルの外面を覆う断熱パッキンを含む。

一実施形態によれば、断熱パッキンは、ドーム構造の天井の外面も覆う。

一実施形態によれば、パイプは、閉鎖プレートに固定され、１つ以上の噴霧ノズルを含む噴霧バーに接続される。これは、従来技術のように、噴霧バーがタンクの上壁に固定されたときに、噴霧バーのより簡単な設置を可能にする。

一実施形態によれば、噴霧バーは、環状形状を有する。

一実施形態によれば、噴霧ノズルは、噴霧バーの環状形状の中心軸の周りに分布している。

一実施形態によれば、閉鎖プレートは、密封断熱タンクの内部空間に配置される。したがって、閉鎖プレートは、バレルの下端の下方に配置される。

一実施形態によれば、閉鎖プレートは、密封断熱タンクの内部空間内に、バレルの下端から距離を置いて配置される。これは、特に、閉鎖プレートをバレルに固定する作業を容易にすることを可能にする。

一実施形態によれば、閉鎖プレートは、バレルの下端の平面から５０ｃｍ未満、有利には５ｃｍ超、好ましくは１０ｃｍから２５ｃｍの垂直距離に位置する平面内に延在する。したがって、このような距離は、閉鎖プレートをタンクの最大荷積み限界よりも上に位置決めしながら、閉鎖プレートをバレルに固定する作業を容易にすることを可能にする。

一実施形態によれば、バレルの下端の平面に投影して、閉鎖プレートは、バレルの下部の断面の少なくとも８０％、好ましくは９５％超を覆う。

一実施形態によれば、閉鎖プレートは、複数の孔を含み、液化ガス貯蔵設備は、液化ガスを運搬するように意図された複数のパイプを含み、各パイプは、ドーム構造を通過し、閉鎖プレートに形成された孔の１つを通過する。

一実施形態によれば、パイプのうちの少なくとも１つは、タンク内に貯蔵された液化ガスの荷下ろし用であり、前記パイプは、タンクの底壁の近傍まで延在し、荷下ろしポンプを装備している。

一実施形態によれば、パイプのうちの少なくとも１つは、タンク内に貯蔵された液化ガスの荷積み用である。

上記の実施形態のうちの１つにかかる設備は、例えばＬＮＧを貯蔵するための陸上貯蔵設備であってもよく、または浮体式構造、沿岸または深海、特にＬＮＧまたはエタン運搬船、浮体式貯蔵再ガス化設備（ＦＳＲＵ）、遠隔浮体式生産貯蔵設備（ＦＰＳＯ）などに設置されてもよい。浮体式構造の場合、設備のタンクは、浮体式構造の推進のための燃料として機能する液化天然ガスを受け取るように意図されてもよい。

一実施形態によれば、流体を輸送するための運搬船は、二重外殻などの外殻と、上述した液化ガス貯蔵設備とを含み、運搬船の外殻は、支持構造を形成する。

一実施形態によれば、本発明はまた、そのような運搬船を荷役するための方法であって、流体が、断熱されたパイプラインを介して、浮体式または陸上貯蔵設備から、運搬船のタンクへ、または運搬船のタンクから浮体式または陸上貯蔵設備へ運搬される、方法を提供する。

一実施形態によれば、本発明はまた、流体を輸送するためのシステムであって、上述したような運搬船と、運搬船の外殻内に設置されたタンクを浮体式または陸上貯蔵設備に接続するように配置された断熱パイプラインと、断熱パイプラインを通る流体の流れを浮体式または陸上貯蔵設備から運搬船のタンクへ、または運搬船のタンクから浮体式または陸上貯蔵設備へ圧送するためのポンプと、を備えるシステムを提供する。

本発明は、添付の図面を参照して、単に非限定的な例示として提供される、本発明のいくつかの特定の実施形態の以下の説明から、よりよく理解され、他の目的、詳細、特徴および利点がより明確に現れる。

ドーム構造が示されていない、液化ガスを貯蔵するための密封断熱タンクを支持するように意図された支持構造の概略斜視図である。

タンクの壁の多層構造の概略図である。

密封断熱タンクのドーム構造の概略断面図である。

噴霧装置が示されていない、図３のドーム構造の下端の斜視図である。

図３のドーム構造の下端の上方からの斜視図である。

図３のドーム構造の下方からの図である。

別の実施形態による密封断熱タンクのドーム構造の断面図である。

図７のパイプおよび閉鎖プレートの詳細図である。

さらに別の実施形態による密封断熱タンクのドーム構造の断面図である。

液化天然ガスを貯蔵するためのタンクと、このタンクを荷役するためのターミナルとを備える運搬船を、一部が切り取られた状態で概略的に示している。

図１を参照すると、これは、液化ガスを貯蔵するための密封断熱タンクが固定されるように意図された支持構造１を示している。支持構造１は、例えば、運搬船の二重外殻によって形成される。支持構造１は、略多面体形状を有する。それは、２つの支持壁、この場合は八角形の前壁および後壁２を有し、そのうちの後方支持壁２のみが図１に示されている。前壁および後壁２は、例えば、運搬船の長手方向に対して横方向に延在する運搬船のコファダム壁である。支持構造１はまた、上側支持壁３と、下側支持壁４と、側方支持壁５、６、７、８、９、１０とを含む。

液化ガスを貯蔵するための密封断熱タンクは、それぞれが支持構造１の支持壁２、３、５、６、７、８、９、１０のうちの１つに固定され、したがって液化ガスを収容するように意図された内部空間を画定する複数のタンク壁を含む。

図２に示すように、タンクの各壁は、壁の厚さ方向に、外側から内側に連続して、支持構造１に固定された断熱要素１３を含む二次断熱障壁１２と、二次断熱障壁１２の断熱要素１３に固定された二次密封膜１４と、二次断熱障壁１２の断熱要素１３または支持構造１に固定され、二次密封膜１４に載置された断熱要素１６を含む一次断熱障壁１５と、一次断熱障壁１５の断熱要素１６に固定され、タンクに含まれる液化ガスと接触するように意図された一次密封膜１７とを有する。例として、そのような膜タンクは、特に、本出願人によって開発された製品Ｍａｒｋ Ｖ（登録商標）、Ｍａｒｋ ＩＩＩ（登録商標）およびＮＯ９６（登録商標）に関する特許出願である国際公開第１４０５７２２１号パンフレット、仏国特許第２６９１５２０号明細書および仏国特許第２８７７６３８号明細書にそれぞれ記載されている。

タンクに貯蔵される液化ガスは、特に、液化天然ガス（ＬＮＧ）、すなわち主にメタンおよび１つ以上の他の炭化水素を含むガス混合物、エタンまたは液化石油ガス（ＬＰＧ）、すなわち本質的にプロパンおよびブタンを含む石油の精製から生じる炭化水素の混合物であってもよい。

図３に示すように、タンクの上側支持壁３および天井壁１１は、開口部１８を画定するように局所的に中断される。タンクはまた、開口部１８の周りで上側支持壁３から上方に突出し、液化ガスをタンクに荷積みする、液化ガスをタンクから荷下ろす、または液化ガスをタンクから冷却するようにそれぞれ意図されたパイプ２０、２１、３１が通過する通路２４を画定するドーム構造１９を含む。

ドーム構造１９は、天井壁１１の厚さ方向に延在するバレル２２を有する。バレル２２は、円形断面を有する円筒形状を有する。ドーム構造１９は、バレル２２の上端に溶接された天井２３をさらに含む。天井２３は、下向きの凹面で有利にドーム状にされ、ドーム構造１９がタンク内のより大きな圧力に耐えることを可能にする。バレル２２の下端３３は、タンクの内部空間に向けられ、一次密封膜１７に密封状態で溶接される。バレル２２および天井２３は、例えばステンレス製である。バレル２２は、例えば環状固定装置３２によって上側支持壁３に固定される。

さらに、ドーム構造１９は、バレル２２に固定された閉鎖プレート２５を含む。閉鎖プレート２５は、図４および図５に示す複数のガセット２６によってバレル２２の下端に固定されている。ガセット２６は、閉鎖プレート２５の周りに規則的に分布している。ガセット２６は、一方ではバレル２２の内面に溶接され、他方では閉鎖プレート２５の上面に溶接される。この場合のガセット２６は、互いに垂直な２つのウイングを含み、その一方はバレル２２に固定され、他方は閉鎖プレート２５に固定されている。

閉鎖プレート２５は、バレル２２の下端を少なくとも部分的に覆うように、バレルの下端３３に面して配置される。図示の実施形態では、閉鎖プレート２５は、バレル２２の下端３３に対して僅かに下方にオフセットされている。例として、閉鎖プレート２５の平面とバレル２２の下端３３の平面との間の垂直距離は、５０ｃｍ未満かつ５ｃｍ超、好ましくは１０ｃｍから２５ｃｍの間である。閉鎖プレート２５とバレル２２の下端３３との間のこのような隙間は、特にガセット２６を閉鎖プレート２５に溶接する作業を容易にすることを可能にする。

有利には、バレル２２の下端３３の平面内の垂直軸に沿って投影すると、閉鎖プレート２５およびその孔２７、２８、２９は、バレル２２の断面の少なくとも８０％、有利には少なくとも９０％、好ましくは１００％を覆う。閉鎖プレート２５は、パイプ２０、２１、３１が通過する複数の孔２７、２８、２９を含む。閉鎖プレート２５は、有利にはステンレス鋼から作製される。

さらに、図示の実施形態では、ドーム構造１９の断熱を確実にするために、断熱パッキン３０が、バレル２２内の空間を充填するようにバレル２２内に収容される。一実施形態によれば、断熱パッキン３０は、グラスウール、ロックウール、およびポリウレタンフォームなどの断熱フォームの中から選択される。断熱パッキンが断熱発泡体を含む場合、これは、１つ以上の断熱ブロックから構成されてもよく、または膨張発泡体の溶液をバレル２２の内部に噴霧することによって得られてもよい。

断熱パッキン３０は、閉鎖プレート２５に当接する。有利には、図３に示すメッシュ３４は、断熱パッキン３０をバレル２２の内部に保持するように、閉鎖プレート２５と断熱パッキン３０との間に介在される。したがって、閉鎖プレート２５は、断熱パッキン３０がバレル２２の内側に支持されることを確実にする。

図示されていない別の実施形態によれば、バレル２２内に収容された断熱パッキン３０に加えて、またはその代わりとして、ドーム構造１９のバレル２２および天井２３は、タンクの天井壁１１の断熱との熱的連続性を提供するように、上側支持壁３から突出するそれらの外面上で断熱パッキンによって覆われる。

閉鎖プレート２５は、ドーム構造１９、より具体的にはバレル２２および断熱パッキン３０を、それらを損傷する可能性がある液化ガスのスロッシングから保護する保護をさらに構成する。

さらに、閉鎖プレート２５はまた、図３および図６に示す、液化ガスをタンクの内部空間に噴霧するように意図された噴霧装置３５を、タンクの天井壁１１の近傍に設置することを可能にする。このような噴霧装置は、液化ガスをタンクに充填する前に、特にタンクを冷却することを可能にする。この冷却の目的は、特に荷積み中の液化ガスの過度の気化を防止するためにタンク内の温度を低下させ、タンク内に収容された特定の構成要素における熱応力の強度を制限し、タンクの安全性および／またはその完全性に有害である可能性が高い状況を防止することである。噴霧装置３５は、ドーム構造１９のバレル２２または天井２３を連続的に貫通するパイプ３１と、バレル２２内に収容された断熱パッキン３０とを含む。パイプ３１はまた、閉鎖プレート２５に形成された孔２９を貫通する。パイプ３１は、閉鎖プレート２５の下面に固定された図６に示す噴霧バー３６に通じている。

噴霧バー３６は、複数の噴霧ノズル３７を含む。噴霧ノズル３７は、タンクの内部空間内に噴霧されるガスの分配を確実にするように配向される。図示の代替実施形態によれば、噴霧バー３６は、環状形状を有し、噴霧ノズル３７は、前記環状形状の中心軸の周りに規則的に分布している。噴霧バー３６は、例えば、締結カラーまたは締結クリップなどの任意の適切な手段によって閉鎖プレート２５の内面に固定されることができる。

パイプ２０は、タンク内への液化ガスの荷積み用である。それは、バレル２２を貫通し、閉鎖プレート２５を貫通する垂直部分によって延長されたエルボー部分を有する。これにより、パイプ２０の下端がタンクの内部空間に開口する。さらに、パイプ２０は、タンクの外側で、海上もしくは港湾ターミナルまたはバンカー船に接続されるように意図されたマニホールドを含む荷積みパイプラインに接続される。

パイプ２１は、タンクからの液化ガスの荷下ろし用である。図示の実施形態では、パイプ２１は、ドーム構造１９の天井２３を通過し、次いで閉鎖プレート２５を通過する。パイプ２１は、タンクの底壁付近までタンクの略全高にわたって延在している。さらに、パイプ２１には、図示しない荷下ろしポンプが設けられている。

ドーム構造１９はまた、レベルセンサと、タンクの内部空間に垂直に分布する複数の温度センサを備える温度計とを有することができる。レベルセンサおよび温度センサは、例えば、垂直直立部に沿って取り付けられ、垂直直立部は、閉鎖プレート２５の開口部のうちの１つを通過し、それぞれがパイプ２０、２１、３１のうちの１つに沿って延在し、パイプに固定される。

図７および図８は、別の実施形態にかかるドーム構造を示している。この実施形態は、特に設備が気相のガスを排出するためのパイプ３８を含む点、ドーム構造１９が第２の閉鎖プレート３９を含む点、および閉鎖プレート２５および第２の閉鎖プレート３９がドーム構造１９のバレル２２に固定されず、パイプ３８に直接固定される点で、図３から図６を参照して上述したものとは異なる。そのようなパイプ３８は、気相のガスをタンクの内部空間から排出して、例えば、運搬船、再液化ユニットまたはバーナーの推進システムに運搬することを可能にする。

図８に示すように、閉鎖プレート２５は、パイプ３８が通過する開口部を有する。さらに、閉鎖プレート２５は、パイプ３８に溶接された縁部と、閉鎖プレート２５の上面に溶接された縁部とを有するガセット４０によってパイプ３８に固定される。図示の実施形態では、閉鎖プレート２５は、例えばボルト付きフランジによって、パイプ３８の残りの部分に固定されたパイプ３８の取り付けられた下部に固定される。

さらに、第２の閉鎖プレート３９は、閉鎖プレート２５と平行に、閉鎖プレートの下方に配置され、金属シート４１は、閉鎖プレート２５と第２の閉鎖プレート３９との間に配置され、これらのプレートに溶接される。したがって、金属シート４１は、２つの閉鎖プレート２５と３９との間の隙間を維持するスペーサとして機能し、また、閉鎖プレート２５と３９の剛性を補強する補強材として機能する。図示の実施形態では、パイプ３８は、第２の閉鎖プレート３９を通過しないが、第２の閉鎖プレートは、タンクの内部空間に貯蔵された気相のガスがパイプ３８に到達することを可能にするように、気相のガスを通過させるための開口部を有する。

図９は、さらに別の実施形態にかかるドーム構造を示している。この実施形態では、ドーム構造１９のバレル２２および天井２３は、タンクの天井壁１１の断熱との熱的連続性を提供するように、上側支持壁３から突出するそれらの外面上で断熱パッキン４２によって覆われる。さらに、ドーム構造１９は、バレル２２の内部に開口するガス供給パイプ４３と、閉鎖プレート２５に形成された開口を通過し、タンクの内部空間、例えばその底壁付近に開口する下端を有するパイプ４４とを含む。パイプ４３および４４は、例えば、タンクの始動またはメンテナンスのための動作中に、特にタンクの加熱、不活性化または乾燥のために使用されることができる。このため、例えば、タンクの不活性化時には、ガス供給パイプ４３を介してタンクの内部空間に不活性ガスが注入される。したがって、不活性ガスは、タンク内の初期雰囲気を構成するガスをピストンのようにタンクの底部に押し込み、そこでパイプ４４によって吸引される。なお、ドーム構造１９内にガスを注入するこのような実施形態では、ヘッドロスを制限するために、断熱パッキン４２をバレル２２の外側に配置し、内側に配置しない方が有利である。

図１０を参照すると、一部が切り取られた液化ガス運搬船７０の図は、運搬船の二重外殻７２内に取り付けられた略角柱形状の密封断熱タンク７１を示している。タンク７１の壁は、タンクに収容されたＬＮＧと接触するように意図された一次密封膜と、一次密封膜と運搬船の二重外殻７２との間に配置された二次密封膜と、一次密封膜と二次密封膜との間および二次密封膜と二重外殻７２との間にそれぞれ配置された２つの断熱障壁とを備える。

それ自体公知の方法で、運搬船の上部デッキに配置された荷役パイプライン７３は、適切なコネクタによって、ＬＮＧの貨物をタンク７１からまたはタンクに輸送するための海上または港湾ターミナルに接続されることができる。

図１０はまた、荷役ステーション７５、水中パイプ７６、および陸上設備７７を備える海上ターミナルの例を示している。荷役ステーション７５は、可動アーム７４と、可動アーム７４を支持する塔７８とを備える固定された海上設備である。可動アーム７４は、荷積み／荷下ろしパイプライン７３に接続されることができる断熱可撓性ホース７９の束を担持する。配向可能な可動アーム７４は、あらゆるサイズの液化ガス運搬船に適合するように調整されることができる。接続パイプ（図示せず）は、塔７８の内部に延在している。荷積みおよび荷下ろしステーション７５は、陸上設備７７からのまたは陸上設備への液化ガス運搬船７０の荷積みおよび荷下ろしを可能にする。この設備は、液化ガス貯蔵タンク８０と、水中パイプ７６によって荷積みまたは荷下ろしステーション７５に接続された接続パイプ８１とを備える。水中パイプ７６は、荷役ステーション７５と陸上設備７７との間の液化ガスの輸送を長距離、例えば５ｋｍにわたって可能にし、これは、荷役作業中に液化ガス運搬船７０を海岸から長距離に保つことを可能にする。

液化ガスを輸送するのに必要な圧力を発生させるために、運搬船７０に搭載されたポンプおよび／または陸上設備７７に取り付けられたポンプおよび／または荷役ステーション７５に取り付けられたポンプが使用される。

本発明は、いくつかの特定の実施形態に関連して説明されてきたが、これらが特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にある場合、本発明は、決してそれに限定されず、記載された手段の全ての技術的均等物およびそれらの組み合わせを含むことは明らかである。

動詞「備える」または「含む」およびそれらの活用形の使用は、特許請求の範囲に記載されたものに加えて他の要素または他のステップの存在を排除するものではない。

特許請求の範囲において、括弧内のいかなる参照符号も、特許請求の範囲の限定として解釈されるべきではない。

Claims (20)

1. 支持構造（１）と、前記支持構造（１）内に配置された密封断熱タンクとを含む液化ガス貯蔵設備であって、前記密封断熱タンクが、内部空間を有し、前記支持構造（１）が、上側支持壁（３）を備え、前記タンクが、前記上側支持壁（３）に固定された天井壁（１１）を備え、前記天井壁（１１）が、前記タンクの外側から内側への厚さ方向に、少なくとも１つの断熱障壁（１２、１５）と、前記断熱障壁（１２、１５）によって支持され、前記タンク内に含まれる液化ガスと接触するように意図された少なくとも１つの密封膜（１７）とを備え、
   前記貯蔵設備が、前記天井壁（１１）および前記上側支持壁（３）に形成された開口部（１８）を通過するドーム構造（１９）を備え、前記ドーム構造（１９）が、前記厚さ方向に延在するバレル（２２）を含み、前記バレル（２２）が、前記タンクの前記内部空間に向けられる下端（３３）と、前記バレル（２２）の前記下端（３３）を覆うようにこれに対向して配置された少なくとも１つの閉鎖プレート（２５、３９）とを含み、前記閉鎖プレート（２５）が、少なくとも１つの孔（２７、２８、２９）を含み、
   前記貯蔵設備が、液化ガスを運搬するように意図された少なくとも１つのパイプ（２０、２１、３１、３８、４４）を含み、前記パイプ（２０、２１、３１）が、前記ドーム構造（１９）を通過し、前記閉鎖プレート（２５）に形成された前記孔（２７、２８、２９）を通過する、液化ガス貯蔵設備。
2. 前記閉鎖プレート（２５）が前記バレル（２２）に固定され、前記パイプ（２０、２１、３１）が前記孔（２７、２８、２９）の内側に前記厚さ方向に並進自在に取り付けられる、請求項１に記載の液化ガス貯蔵設備。
3. 前記閉鎖プレート（２５）が、複数の固定要素（２６）によって前記バレル（２２）に固定される、請求項２に記載の液化ガス貯蔵設備。
4. 前記固定要素が、一方では前記バレル（２２）の内面に、他方では前記閉鎖プレート（２５）の上面にそれぞれ固定されたガセット（２６）である、請求項３に記載の液化ガス貯蔵設備。
5. 前記閉鎖プレート（２５）が、少なくとも２つのガセット（４０）によって前記パイプ（３８）に固定される、請求項１に記載の液化ガス貯蔵設備。
6. ２つの閉鎖プレート（２５、３９）の間の隙間を維持するスペーサを形成する少なくとも２つの金属シート（４１）によって互いに固定された２つの閉鎖プレート（２５、３９）を含む、請求項１から５のいずれか一項に記載の液化ガス貯蔵設備。
7. 前記ドーム構造（１９）が、前記バレル（２２）の内部を充填し、前記閉鎖プレート（２５）上に載置される断熱パッキン（３０）を含む、請求項１から６のいずれか一項に記載の液化ガス貯蔵設備。
8. メッシュ（３４）が、前記断熱パッキン（３０）と前記閉鎖プレート（２５）との間に介在される、請求項７に記載の液化ガス貯蔵設備。
9. 前記断熱パッキン（３０）が、グラスウール、ロックウール、および断熱発泡体の中から選択される、請求項７または８に記載の液化ガス貯蔵設備。
10. 前記ドーム構造（１９）が、前記支持構造（１）の前記上側支持壁（３）を越えて突出する前記バレル（２２）の外面（３０）を覆う断熱パッキン（４２）を含む、請求項１から６のいずれか一項に記載の液化ガス貯蔵設備。
11. 前記パイプが、前記閉鎖プレート（２５）に固定され、１つ以上の噴霧ノズル（３７）を含む噴霧バー（３６）に接続される、請求項１から１０のいずれか一項に記載の液化ガス貯蔵設備。
12. 前記噴霧バー（３６）が環状形状を有する、請求項１１に記載の液化ガス貯蔵設備。
13. 前記閉鎖プレート（２５）が、前記密封断熱タンクの前記内部空間内に、前記バレル（２２）の前記下端（３３）から距離を置いて配置される、請求項１から１２のいずれか一項に記載の液化ガス貯蔵設備。
14. 前記バレル（２２）の前記下端（３３）の平面への垂直投影において、前記閉鎖プレート（２５）が、前記バレル（２２）の前記下端（３３）の断面の少なくとも８０％を覆う、請求項１から１３のいずれか一項に記載の液化ガス貯蔵設備。
15. 前記閉鎖プレート（２５）が、複数の孔（２７、２８、２９）を含み、前記液化ガス貯蔵設備が、液化ガスを運搬するように意図された複数のパイプ（２０、２１、３１）を含み、各パイプ（２０、２１、３１）が、前記ドーム構造（１９）を通過し、前記閉鎖プレート（２５）に形成された前記孔（２７、２８、２９）の１つを通過する、請求項１から１４のいずれか一項に記載の液化ガス貯蔵設備。
16. 前記パイプのうちの少なくとも１つ（２１）が、前記タンク内に貯蔵された液化ガスの荷下ろし用であり、前記パイプ（２１）が、前記タンクの底壁の近傍まで延在し、荷下ろしポンプを装備している、請求項１５に記載の液化ガス貯蔵設備。
17. 前記パイプのうちの少なくとも１つ（２０）が、前記タンクに貯蔵された液化ガスの荷積み用である、請求項１５または１６に記載の液化ガス貯蔵設備。
18. 流体を輸送するための運搬船（７０）であって、外殻（７２）と、請求項１から１７のいずれか一項に記載の液化ガス貯蔵設備とを含み、前記運搬船（７０）の前記外殻が前記支持構造を形成する、運搬船。
19. 液化ガスを輸送するためのシステムであって、請求項１８に記載の運搬船（７０）と、前記運搬船の前記外殻内に設置された前記タンク（７１）を浮体式または陸上貯蔵設備（７７）に接続するように配置された断熱パイプライン（７３、７９、７６、８１）と、前記断熱パイプラインを介して、前記浮体式または陸上貯蔵設備から前記運搬船の前記タンクへ、または前記タンクから前記浮体式または陸上貯蔵設備へ流体を圧送するためのポンプと、を備える、システム。
20. 流体が、断熱パイプライン（７３、７９、７６、８１）を介して、浮体式もしくは陸上貯蔵設備（７７）から、前記運搬船（７０）の前記タンクへ、または前記運搬船の前記タンクから、前記浮体式もしくは陸上貯蔵設備へ運搬される、請求項１８に記載の運搬船（７１）を荷役する方法。

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